説明

グリコーゲン・シンターゼ・キナーゼ(GSK3)に関連する疾患の治療のためのイミダゾール−ピリミジン誘導体

本発明は、遊離塩基としての式(I)の化合物、又は薬学的に許容されるその塩に関する。本発明は、また該化合物を含む薬学的処方物、及び治療における該化合物の使用に関する。本発明は、更に、式(I)の化合物の製造方法に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊離塩基としての式(I)の新規化合物又はその薬学的に許容される塩、該化合物を含む医薬製剤、及び治療における該化合物の使用に関する。本発明は、更に式(I)の化合物の製造方法、及びそれに使用される新規中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
グリコーゲン・シンターゼ・キナーゼ3(GSK3)は、異なる遺伝子によってコードされるが、触媒性ドメイン内で高い相同性を有する、2つのイソ型(α及びβ)から成るセリン/トレオニンタンパク質キナーゼである。GSK3は中枢及び末梢神経系において高発現する。GSK3は、タウ、βカテニン、グリコーゲンシンターゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ及び伸長開始因子2b(eIF2b)を含む幾つかの基質をリン酸化する。インシュリン及び成長因子は、セリン9残基上でGSK3をリン酸化してそれを不活性化する、タンパク質キナーゼBを活性化する。
【0003】
アルツハイマー病(AD)認知症、及びタウパシー(taupathies)
ADは、認識衰退、コリン作動性機能障害及び神経細胞死、神経原線維変化及びアミロイド−β沈着から成る老人斑によって特徴付けられる。ADにおけるこれらの事象の順序は不明であるが、関連していると考えられる。グリコーゲン・シンターゼ・キナーゼ3β(GSK3β)又はタウリン酸化キナーゼは、AD脳において過剰リン酸化される部位でニューロンの微小管関連タウタンパク質を選択的にリン酸化する。過剰リン酸化タウは、微小管に低親和性を有し、AD脳において神経原線維変化及び神経絨毛糸を構成する主成分であるペアド螺旋状フィラメントとして蓄積する。これが微小管のデポリメリゼーションをもたらし、軸索の逆行性死滅及び神経炎性ジストロフィーに至る。神経原線維変化は、AD、筋萎縮性側索硬化症、Gaumのパーキンソニズム−認知症、大脳皮質基底核変性症、ボクサー認知症及び頭部外傷、ダウン症候群、脳炎後パーキンソン病、進行性核上麻痺、ニーマン−ピック病及びピック病などの疾患に一貫して認められる。海馬初代培養へのアミロイド−βの添加は、タウの過剰リン酸化及びGSK3β活性の誘導を介するペアド螺旋状フィラメント様状態をもたらし、次いで軸索輸送の破壊及び神経細胞死に続く(Imahori and Uchida, J. Biochem. 1997, 121:179-188)。GSK3βは神経原線維変化を好適に標識し、そしてAD脳のプレタングルニューロンに作用することが示されている。GSK3タンパク質レベルも、AD患者の脳組織では50%増加している。更に、GSK3βは解糖経路の鍵酵素、ピルビン酸デヒドロゲナーゼをリン酸化し、そしてピルビン酸のアセチル−Co−Aへの変換を阻害する(Hoshi et al., PNAS 1996, 93: 2719-2723)。アセチル−Co−Aは、認知機能を有する神経伝達物質であるアセチルコリンの合成に重要である。アミロイド−βの蓄積はADにおける初期事象である。GSK・Tgマウスは、脳におけるアミロイド−βのレベル増加を示す。また、リチウム給餌したPDAPPマウスは、海馬におけるアミロイド−βのレベル低下及びアミロイド斑域の低下を示す(Su et al., Biochemistry 2004, 43: 6899-6908)。このように、GSK3β阻害は、アルツハイマー病及び他の上記の疾患に伴う進行並びに認知障害に対して有益な効果を有すると考えられる。
【0004】
慢性及び急性神経変性疾患
PI3K/Akt経路の成長因子媒介活性化は、ニューロンの生存において重要な役割を果たすことが示されている。この経路の活性化はGSK3β阻害をもたらす。最近の研究(Bhat et al., PNAS 2000, 97: 11074-11079)は、GSK3β活性が、脳虚血などの神経変性の細胞及び動物モデルにおいて、又は成長因子枯渇後に増加することを示している。例えば、リン酸化の活性部位は、認識力障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病及びHIV認知症及び外傷性脳損傷;並びに虚血性脳卒中などの慢性及び急性神経変性疾患に起こると一般的に考えられる1つのタイプの細胞死、アポトーシスに対して脆弱なニューロンで増加した。リチウムは、GSK3βの阻害をもたらす用量で細胞及び脳においてアポトーシスを阻害する神経保護作用を示した。このように、GSK3βは、神経変性疾患の経過を減弱させるのに有用であり得る。
【0005】
双極性障害(BD)
双極性障害は躁病エピソード及び欝病エピソードによって特徴付けられる。リチウムは、その気分安定化効果に基づいてBDを治療するために使用される。リチウムの欠点は、治療濃度域の狭さ及びリチウム中毒を引き起す可能性のある過量投与の危険性である。リチウムがGSK3を治療濃度で阻害するという発見は、この酵素が脳内でリチウムの作用の主要標的となる可能性を増大させている(Stambolic et al., Curr. Biol. 1996, 68(12):1664-1668, 1996; Klein and Melton; PNAS 1996, 93:8455-8459; Gould et al., Neuropsychopharmacology, 2005, 30:1223-1237)。GSK3阻害剤は、抑欝行動の評価モデルである強制水泳試験における不動化時間を低下させることが示されている (O'Brien et al., J Neurosci 2004, 24(30): 6791-6798)。GSK3は双極性II障害に認められる多型に関連している(Szczepankiewicz et al., Neuropsychobiology. 2006, 53: 51-56)。従って、GSK3βの阻害は、BD並びに情動障害を有するAD患者に対して治療上重要であると考えられる。
【0006】
統合失調症
蓄積された証拠は、気分障害及び統合失調症におけるGSK3の異常活性との関わりを示す。GSK3は多重細胞過程、特に神経発生時のシグナル伝達カスケードに関与する。(Kozlovsky et al., Am. J. Psychiatry, 2000, 157, 5: 831-833)において、GSK3βレベルが統合失調症患者では比較対照者より41%低いことが見出された。この研究は、統合失調症が神経発生病理学に関与すること、及び異常なGSK3調節が統合失調症における役割を担う可能性を示す。更に、βカテニンのレベル低下が、統合失調症を呈する患者で報告されている(Cotter et al., Neuroreport 1998, 9(7):1379-1383)。オランザピン、クロザピン、クエチアピン、及びジプラシドンなどの非定型抗精神病薬は、ser9リン酸化を増加させることによってGSK3を阻害することから、抗精神病薬は、GSK3の阻害を介して有益な効果を発揮すると考えられる(Li X. et al., Int. J. of Neuropsychopharmacol, 2007, 10: 7-19, Epubl. 2006, May 4)。
【0007】
糖尿病
インシュリンは、脱リン酸化及びその結果としてのグリコーゲンシンターゼ活性化を介して、骨格筋内のグリコーゲン合成を促進する。静止状態において、GSK3は、グリコーゲンシンターゼをリン酸化し、そして脱リン酸化を介して不活性化する。GSK3は、またII型糖尿病患者の筋肉に過剰発現する(Nikoulina et al., Diabetes 2000 Feb; 49(2): 263-71)。GSK3の阻害はグリコーゲンシンターゼの活性を増加させ、その結果グリコーゲンへの変換によってグルコースレベルを減少させる。糖尿病の動物モデルにおいて、GSK3阻害剤は血漿グルコースレベルを50%まで低下させた(Cline et al., Diabetes, 2002, 51: 2903-2910; Ring et al., Diabetes 2003, 52: 588-595)。GSK3の阻害は、従って、I型及びII型糖尿病並びに糖尿病性神経障害の治療において治療上重要であり得る。
【0008】
脱毛症
GSK3は、βカテニンをリン酸化して分解する。βカテニンはケラトニン合成経路のエフェクターである。βカテニンの安定化は、毛髪発生増加をもたらすと考えられる。GSK3でリン酸化された部位の変異により安定化されたβカテニンを発現するマウスは、デノボ毛髪形態発生に似た過程をたどる(Gat et al., Cell, 1998, 95(5): 605-14))。新しい毛包は、胚形成でのみ正常に樹立される脂腺及び皮膚乳頭を形成した。それ故、GSK3の阻害は、禿頭症の治療を提供できる。
【0009】
炎症性疾患
GSK3阻害剤が抗炎症作用をもたらすという発見は、炎症性疾患の治療的介入にGSK3阻害剤を使用できる可能性を高めた(Martin et al., Nat. Immunol. 2005, 6(8): 777-784; Jope et al., Neurochem. Res. 2006, DOI 10.1007 / s11064-006-9128-5))。炎症は、アルツハイマー病及び気分障害を含む広い範囲の状態の一般的特徴である。
【0010】

GSK3は、卵巣癌、乳癌及び前立腺癌の癌細胞で過剰発現し、そして最近のデータはGSK3bが幾つかの固形腫瘍型における細胞増殖及び生存経路へ寄与する役割を担う可能性を示唆している。GSK3は、WNT、PI3キナーゼ及びNFkBなど細胞増殖及び生存に影響を及ぼす幾つかのシグナル伝達系で、重要な役割を果たしている。GSK3b欠乏MEFは、細胞生存媒介NFkB経路にて重要な役割を示す(Ougolkov AV and Billadeau DD., Future Oncol. 2006 Feb; 2(1): 91-100.)。このように、GSK3は、膵臓、結腸及び前立腺癌を含む固形腫瘍の増殖と生存を阻害すると考えられる。
【0011】
骨関連障害及び状態
GSK3阻害剤は、骨関連障害の治療に使用することが可能である。このことは、例えばTobias et al., Expert Opinion on Therapeutic Targets, Feb 2002, pp 41-56、で検討されている。GSK3阻害剤は、新しくそして増大した骨形成の必要性に関わる、骨関連障害又は他の状態の治療に使用することが可能である。骨格のリモデリングは、副甲状腺ホルモン(PTH)などの全身ホルモン、局所因子(例えば、プロスタグランジンE2)、サイトカイン及び他の生物活性物質によって調節される連続的過程である。2つの細胞型:骨芽細胞(骨形成に関わる)及び破骨細胞(骨吸収に関わる)、が最も重要である。RANK、RANKリガンド及びオステオプロテゲリン調節系を介して、これら2つの細胞型は正常な骨ターンオーバーを維持するために相互作用する(Bell NH, Current Drug Targets − Immune, Endocrine & Metabolic Disorders, 2001, 1:93-102)。
【0012】
骨粗鬆症は、低い骨量及び骨微細構造の劣化が骨脆弱性及び骨折リスクに至る、骨障害である。骨粗鬆症の治療のための、2つの主要方法は、骨吸収を抑制するか骨形成を促進するかのいずれかである。骨粗鬆症の治療のため現在市場に出回っている薬剤の大部分は、破骨細胞骨吸収を抑制することによって、骨量を増加させるように作用する。骨形成増加能力を有する薬剤は、骨粗鬆症の治療並びに患者の骨折治癒の促進能力を高めるのに大きな価値があることが、認められている。
【0013】
最近のインビトロ研究では、骨芽細胞分化におけるGSK3βの役割を示唆している。第1に、グルココルチコイドは、培養での骨芽細胞分化時に細胞周期進行を阻害することが示されている。この基礎となるメカニズムは骨芽細胞中のGSK3βの活性化であり、c−Mycダウンレギュレーション及びG1/S細胞周期移行の障害をもたらす。細胞周期の減弱及びc−Mycレベルの低下は、GSK3βが塩化リチウムを用いて阻害された場合に正常に戻る(Smith et al., J. Biol. Chem., 2002, 277: 18191-18197)。第2に、多能性間葉細胞系C3H10T1/2におけるGSK3βの阻害は、内因性βカテニンシグナル伝達活性の顕著な増加をもたらす。これは、更に、初期の骨芽細胞分化のマーカーとして、アルカリ性ホスファターゼmRNA及びタンパク質の発現を誘導する(Bain et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 2003, 301: 84-91)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、式(I):
【化1】

[式中、
Aは、ヘテロ環又は炭素環であり;該ヘテロ環又は炭素環は、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR1で置換され、かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、−R5−R7基で置換されてもよく、但し、該炭素環はフェニルではなく;
1は、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、スルファモイル、カルバモイル、C1-3アルキル、炭素環、ヘテロ環及び−R6−R7基から選択され、ここで、該C1-3アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のハロで置換され、かつ、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、Aと共に共役環系を形成し;
2は、ハロ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びシアノから選択され;
3は、メチル、C6アルキル、C6アルケニル、C6アルキニル、6員環の非芳香族炭素環及び6員環の非芳香族ヘテロ環から選択され、ここで、該C6アルキル、C6アルケニル、C6アルキニル、炭素環又はヘテロ環は、場合により、1つ又はそれ以上のハロ、シアノ、トリフルオロメトキシ、C1-3ハロアルキル又はC1-3アルキルで置換され;
4は、水素、C1-3アルキル、シアノ及びC1-3ハロアルキルから選択され、 ここで、該C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のOR8で置換され;ここで、R8は、独立に、水素、C1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルから選択され;
5は、−C(O)N(R9)−、−S(O)Z−、−SO2N(R10)−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−及び(−CH2−)mから選択され;ここで、R9及びR10は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、そして、該C1-6アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のR19で置換され;かつ、mは0、1、2又は3であり、そしてzは1又は2であり;
6は、−O−、−N(R11)C(O)−、−C(O)N(R12)−、−S(O)r−、−SO2N(R13)−、−N(R14)SO2−、−(CH2pN(R15)−、−OSO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−N(R16)C(O)O−、−N(R17)C(O)N(R18)−及び(−CH2−)nから選択され;ここで、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、かつ、該C1-6アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のR19で置換され;nは0、1、2又は3であり、pは0、1、2又は3であり、そしてrは0、1又は2であり;
7は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、−C1-4アルキル炭素環、−C1-4アルキルヘテロ環、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、R7は、場合により、1つ又はそれ以上のR20で置換されてもよく;かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、R21から選択される基で置換されてもよく;
19及びR20は、独立に、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、スルファモイル、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、C1-6アルカノイル、N−(C1-6アルキル)アミノ、N,N−(C1-6アルキル)2アミノ、C1-6アルカノイルアミノ、N−(C1-6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1-6アルキル)2カルバモイル、C1-6アルキルS(O)a、C1-6アルコキシカルボニル、N−(C1-6アルキル)スルファモイル、N,N−(C1-6アルキル)2スルファモイル、C1-6アルキルスルホニルアミノ、炭素環、ヘテロ環、炭素環C1-6アルキル−R22−、ヘテロ環C1-6アルキル−R23−、炭素環−R24−及びヘテロ環−R25−から選択され;ここで、aは0、1又は2であり;かつ、R19及びR20は、互いに独立に、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR26で置換され;そして該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、R27から選択される基で置換され;
22、R23、R24及びR25は、独立に、−O−、−N(R28)−、−C(O)−、−N(R29)C(O)−、−C(O)N(R30)−、−S(O)S−、−SO2N(R31)−及び−N(R32)SO2−から選択され;ここで、R28、R29、R30、R31及びR32は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、かつ、sは0、1又は2であり;
21及びR27は、独立に、C1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C1-6アルキルスルホニル、C1-6アルコキシカルボニル、カルバモイル、N(C1-6アルキル)カルバモイル、N,N(C1-6アルキル)カルバモイル、炭素環、ヘテロ環、−C1-6アルキル炭素環、−C1-6アルキルヘテロ環、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイル及びフェニルスルホニルから選択され;ここで、R21及びR27は、互いに独立に、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR33で置換され;そして、
26及びR33は、独立に、ハロ、ニトロ、シアノ、−C1-3アルキルヒドロキシ、−C1-3アルキルメトキシ、−C1-3アルキルエトキシ、−C1-3アルキルイソプロポキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、シクロプロピル、シクロブチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、アセチルアミノ、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メチル−N−エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N−メチル−N−エチルスルファモイル、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、ハロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ又はエチルで置換される]
の遊離塩基としての化合物、又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0015】
本発明の1つの態様は、式(I)の化合物であって、
Aは、ヘテロ環又は炭素環であり;ここで、該ヘテロ環又は炭素環は、場合により、炭素上で、1つ又はそれ以上のR1で置換され、かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、−R5−R7で置換されてもよく、但し、該炭素環はフェニルではなく;
1は、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、スルファモイル、カルバモイル、C1-3アルキル、炭素環、ヘテロ環及び−R6−R7基から選択され、ここで、該C1-3アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のハロで置換され、かつ、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、Aと共に共役環を形成し;
2は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びシアノから選択され;
3は、メチル、C6アルキル、C6アルケニル、C6アルキニル、6員環の非芳香族炭素環及び6員環の非芳香族ヘテロ環から選択され、ここで、該C6アルキル、C6アルケニル、C6アルキニル、炭素環又はヘテロ環は、場合により、1つ又はそれ以上の、ハロ、シアノ、トリフルオロメトキシ、C1-3ハロアルキル又はC1-3アルキルから選択され;
4は、水素、C1-3アルキル、シアノ及びC1-3ハロアルキルから選択され、 ここで、該C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のOR8で置換され;かつ、R8は、独立に、水素、C1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルから選択され;
5は、−C(O)N(R9)−、−S(O)Z−、−SO2N(R10)−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−及び(−CH2−)mから選択され;ここで、R9及びR10は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、かつ、該C1-6アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のR19で置換され;mは0、1、2又は3であり、そしてzは1又は2であり;
6は、−O−、−N(R11)C(O)−、−C(O)N(R12)−、−S(O)r−、−SO2N(R13)−、−N(R14)SO2−、−(CH2pN(R15)−、−OSO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−N(R16)C(O)O−、−N(R17)C(O)N(R18)−及び(−CH2−)nから選択され;ここで、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、かつ、該C1-6アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のR19で置換され;nは0、1、2又は3であり、pは0、1、2又は3であり、そしてrは0、1又は2であり;
7は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、−C1-4アルキル炭素環、−C1-4アルキルヘテロ環、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、R7は、場合により、炭素上で、1つ又はそれ以上のR20で置換されてもよく;かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、R21から選択される基で置換され;
19及びR20は、独立に、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、C1-6アルカノイル、N−(C1-6アルキル)アミノ、N,N−(C1-6アルキル)2アミノ、C1-6アルカノイルアミノ、N−(C1-6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1-6アルキル)2カルバモイル、C1-6アルキルS(O)a、炭素環、ヘテロ環、炭素環C1-6アルキル−R22−、ヘテロ環C1-6アルキル−R23−、炭素環−R24−及びヘテロ環−R25−から選択され;ここで、aは、0、1又は2であり;かつ、R19及びR20は、互いに独立に、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR26で置換され;そして該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、R27から選択される基で置換され;
22、R23、R24及びR25は、独立に、−O−、−N(R28)−、−C(O)−、−N(R29)C(O)−、−C(O)N(R30)−、−S(O)S−、−SO2N(R31)−及び−N(R32)SO2−から選択され;ここで、R28、R29、R30、R31及びR32は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、そしてsは0、1又は2であり;
21及びR27は、独立に、C1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C1-6アルキルスルホニル、C1-6アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C1-6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1-6アルキル)カルバモイル、炭素環、ヘテロ環、−C1-6アルキル炭素環、−C1-6アルキルヘテロ環、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイル及びフェニルスルホニルから選択され;ここで、R21及びR27は、互いに独立に、場合により、炭素上で、1つ又はそれ以上のR33で置換され;そして
26及びR33は、独立に、ハロ、ニトロ、シアノ、−C1-3アルキルヒドロキシ、−C1-3アルキルメトキシ、−C1-3アルキルエトキシ、−C1-3アルキルイソプロポキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、シクロプロピル、シクロブチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニ、エトキシカルボニル、N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N−メチル−N−エチルスルファモイル、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、ハロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ又はエチルから選択される;
化合物に関する。
【0016】
本発明の別の態様は、式(I)の化合物であって、
Aは、ヘテロ環又は炭素環であり;ここで、該ヘテロ環又は炭素環は、場合により、炭素上で、1つ又はそれ以上のR1で置換され、かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、−R5−R7で置換されてもよく、但し、該炭素環はフェニルではなく;
1は、C1-3アルキル、炭素環、ヘテロ環及び基−R6−R7から選択され、ここで、該C1-3アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のハロで置換され、かつ、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、Aと共に共役環系を形成し;
2は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びシアノから選択され;
3は、メチル、C6アルキル、6員環の非芳香族炭素環及び6員環の非芳香族ヘテロ環から選択され、ここで、該C6アルキル、炭素環又はヘテロ環は、場合により、1つ又はそれ以上のハロ、シアノ、トリフルオロメトキシ、C1-3ハロアルキル又はC1-3アルキルで置換され;
4は、水素、C1-3アルキル、シアノ及びC1-3ハロアルキルから選択され、ここで、該C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のOR8で置換され;かつ、R8は、独立に、水素、C1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルから選択され;
5は、−C(O)N(R9)−、−S(O)Z、−SO2N(R10)−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−及び(−CH2−)mから選択され;ここで、R9及びR10は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、かつ、該C1-6アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のR19で置換され;mは0、1、2又は3であり;そしてzは1又は2であり;
6は、−O−、−N(R11)C(O)−、−C(O)N(R12)−、−S(O)r−、−SO2N(R13)−、−N(R14)SO2−、−(CH2pN(R15)−、−OSO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−N(R16)C(O)O−、−N(R17)C(O)N(R18)−及び(−CH2−)nから選択され;ここで、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、かつ、該C1-6アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のR19で置換され;nは0、1、2又は3であり、pは0、1、2又は3であり、そしてrは0、1又は2であり;
7は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、−C1-4アルキル炭素環、−C1-4アルキルヘテロ環、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、R7は、炭素上で、1つ又はそれ以上のR20で置換されてもよく;かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、R21から選択される基で置換されてもよく;
19及びR20は、独立に、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、C1-6アルカノイル、N−(C1-6アルキル)アミノ、N,N−(C1-6アルキル)2アミノ、C1-6アルカノイルアミノ、N−(C1-6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1-6アルキル)2カルバモイル、炭素環、ヘテロ環、炭素環C1-6アルキル−R22−、ヘテロ環C1-6アルキル−R23−、炭素環−R24−及びヘテロ環−R25−から選択され; ここで、R19及びR20は、互いに独立に、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR26で置換され;かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、R27から選択される基で置換され;
22、R23、R24及びR25は、独立に、−O−、−N(R28)−、−C(O)−、−N(R29)C(O)−、−C(O)N(R30)−、−S(O)S−、−SO2N(R31)−及び−N(R32)SO2−から選択され;ここで、R28、R29、R30、R31及びR32は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、かつ、sは0、1又は2であり;
21及びR27は、独立に、C1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C1-6アルコキシカル
ボニル、カルバモイル、N(C1-6アルキル)カルバモイル、N,N(C1-6アルキル)カルバモイル、炭素環、ヘテロ環、−C1-6アルキル炭素環、−C1-6アルキルヘテロ環、ベンゾイル及びフェニルスルホニルから選択され;ここで、R21及びR27は、互いに独立に、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR33で置換され;そして
26及びR33は、独立に、ハロ、ニトロ、シアノ、−C1-3アルキルヒドロキシ、−C1-3アルキルメトキシ、−C1-3アルキルエトキシ、−C1-3アルキルイソプロポキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、シクロプロピル、シクロブチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N,N−ジエチルスルファモイル炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、ハロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ又はエチルで置換される;
化合物に関する。
【0017】
本発明の更に別の態様は、R2がハロ又はシアノである式(I)の化合物に関する。
【0018】
本発明の更なる態様は、R2がハロである式(I)の化合物に関する。本発明の1つの実施態様に従えば、R2はフルオロである。
【0019】
本発明の1つの態様は、式(I)の化合物であって、
3は、6員環の非芳香族炭素環又は6員環の非芳香族ヘテロ環から選択され、ここで、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、1つ又はそれ以上のハロ、シアノ、トリフルオロメトキシ、C1-3ハロアルキル又はC1-3アルキルで置換される;
化合物に関する。
【0020】
本発明の別の態様は、R3が非芳香族6員環のヘテロ環である、式(I)の化合物に関する。
【0021】
本発明の更に別の態様は、R3が3−テトラヒドロピラニル又は4−テトラヒドロピラニルである、式(I)の化合物に関する。
【0022】
本発明の1つの態様は、R3が4−テトラヒドロピラニルである、式(I)の化合物に関する。
【0023】
本発明の更に1つの態様は、式(I)の化合物であって、
4は、C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキルであり、ここで、該C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のOR8で置換され;かつ、R8は、独立に、水素、C1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルから選択される;
化合物に関する。
【0024】
本発明の更なる態様は、R4がC1-3アルキルである、式(I)の化合物に関する。
【0025】
本発明の1つの態様は、R4がメチルである式(I)の化合物に関する。
【0026】
本発明の別の態様は、式(I)の化合物であって、
Aはヘテロ環であり;ここで、該ヘテロ環は、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR1で置換され、かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、−R5−R7で置換されてもよい;
化合物に関する。本発明の1つの実施態様に従えば、Aは、4−ピペリジニル、4−テトラヒドロピラニル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリミジニル、4−イソキノリニル又は2−ピリジルである。
【0027】
本発明の更に別の態様は、式(I)の化合物であって、
Aは、非芳香族炭素環であり;ここで、該炭素環は、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR1で置換される;
化合物に関する。本発明の1つの実施態様に従えば、該非芳香族炭素環は、シクロヘキシルである。
【0028】
本発明の1つの態様は、式(I)の化合物であって、
1は、C1-3アルキルであり、ここで、該C1-3アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のハロで置換されてもよい;
化合物に関する。本発明の1つの実施態様に従えば、R1はメチルである。本発明の1つの実施態様に従えば、R1は1つ又はそれ以上のハロで置換されたC1-3アルキルである。本発明の1つの実施態様に従えば、R1はトリフルオロメチルである。
【0029】
本発明の別の態様は、R1が−R6−R7基から選択される式(I)の化合物に関する。本発明の1つの実施態様に従えば、R6は−O−、−(CH2pN(R15)−、−C(O)−、−C(O)O−、−N(R16)C(O)O−及び(−CH2−)nから選択される。本発明の別の実施態様に従えば、R6は−O−、−(CH2pN(R15)−、−C(O)−及び(−CH2−)nから選択される。本発明の別の実施態様に従えば、R6は(−CH2−)nであり、そしてnは0又は1である。本発明の別の実施態様に従えば、R6は−(CH2pN(R15)−であり、そしてpは1である。
【0030】
本発明の更なる態様は、式(I)の化合物であって、
5は、−C(O)N(R9)−、−S(O)Z−、−C(O)−、−C(O)O−及び(−CH2−)mから選択され;かつ、mは0又は1であり、そしてzは2である;
化合物に関する。
【0031】
本発明の1つの実施態様に従えば、R7は、水素、C1-6アルキル、−C1-4アルキル炭素環、−C1-4アルキルヘテロ環、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、R7は、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR20で置換されてもよく;かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、R21から選択される基で置換されてもよい。本発明の更に別の実施態様に従えば、R7はC1-6アルキルである。本発明の更なる実施態様に従えば、R7はメチルである。
【0032】
本発明の1つの実施態様に従えば、Aは無置換である。
【0033】
本発明の別の態様は、式(I)の化合物であって、
Aは、ヘテロ環又は炭素環であり;ここで、該ヘテロ環又は炭素環は、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR1で置換され、かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、基−R5−R7で置換されてもよく、但し、該炭素環はフェニルではなく;
1は、C1-3アルキル、炭素環及び基−R6−R7から選択され、ここで、該C1-3アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のハロで置換され;R2は、ハロであり;R3は、6員環の非芳香族ヘテロ環であり;R4は、C1-3アルキルであり;R5は、−S(O)Z−、−C(O)−、−C(O)O−及び(−CH2−)mから選択され;ここで、mは0又は1であり、そしてzは2であり;R6は、−O−、−(CH2pN(R15)−、−C(O)−及び(−CH2−)nから選択され;ここで、R15は、水素又はC1-6アルキルから選択され、かつ、該C1-6アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のR19で置換され;
nは0又は1であり、そしてpは1であり;R7は、水素、C1-6アルキル、−C1-4アルキル炭素環、−C1-4アルキルヘテロ環、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、R7は、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR20で置換されてもよく;かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、R21から選択される基で置換されてもよく;R19及びR20は、独立に、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、N−(C1-6アルキル)アミノ、N,N−(C1-6アルキル)2アミノ、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、R19及びR20は、互いに独立に、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR26で置換され;R21は、C1-6アルカノイル又はヘテロ環であり;そして、R26は、ハロ、シアノ、−C1-3アルキルメトキシ、ヒドロキシ、メチル、ヘテロ環及びメトキシから選択され;ここで、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、ハロで置換される;
化合物に関する。
【0034】
本発明の1つの実施態様に従えば、R2はフルオロである。本発明の別の実施態様に従えば、R3は4−テトラヒドロピラニルである。本発明の別の実施態様に従えば、R4はメチルである。
【0035】
本発明の、更に別の態様は、式(I)の化合物であって、
Aは、ヘテロ環であり、該ヘテロ環は、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR1で置換され;R1は、C1-3アルキル又は基−R6−R7であり、ここで、該C1-3アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のハロで置換されてもよく;R2は、ハロであり;R3は、6員環の非芳香族ヘテロ環であり;R4は、C1-3アルキルであり;R6は、−O−又は−C(O)−であり;そして、R7は、C1-6アルキルである;
化合物に関する。
【0036】
本発明は、また、以下の化合物:
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−ピリミジン−5−イルピリミジン−2−アミン;
1−[5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−3−イル]エタノン;
5−フルオロ−N−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−N−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−N−(4−メトキシピリジン−2−イル)−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[6−(モルホリン−4−イルメチル)ピリジン−3−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[6−(ピペリジン−1−イルメチル)ピリジン−3−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−N−{6−[(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−{6−[(4−ピリミジン−2−イルピペラジン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}ピリミジン−2−アミン;
【0037】
5−フルオロ−N−(6−{[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]メチル}ピリジン−3−イル)−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−{6−[(4−アセチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−{6−[(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)メチル]ピリジン−3−イル}−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−{6−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[6−(ピロリジン−1−イルメチル)ピリジン−3−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−[6−({[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]アミノ}メチル)ピリジン−3−イル]−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[6−(1,4−オキサゼパン−4−イルメチル)ピリジン−3−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−N−{6−[(4−メトキシピペリジン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
(1−{[5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−イル]メチル}ピペリジン−3−イル)メタノール;
1−[3−({[5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−イル]メチル}アミノ)プロピル]ピロリジン−2−オン;
【0038】
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−{6−[(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}ピリミジン−2−アミン;
3−[{[5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−イル]メチル}(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)アミノ]プロパンニトリル;
N−[6−(アゼチジン−1−イルメチル)ピリジン−3−イル]−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−(6−{[エチル(2−メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン−3−イル)−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
({[5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−イル]メチル}アミノ)アセトニトリル;
{5−フルオロ−4−[2−メチル−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−ピリミジン−2−イル}−イソキノリン−4−イル−アミン;
{5−フルオロ−4−[2−メチル−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−ピリミジン−2−イル}−ピリジン−4−イル−アミン;
4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリミジン−2−アミン;
【0039】
N−(1−アセチルピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−シクロヘキシル−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−(1−ベンゾイルピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[1−(フェニルアセチル)ピペリジン−4−イル]ピリミジン−2−アミン;
4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル;
5−フルオロ−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[1−(フェニルスルホニル)ピペリジン−4−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−[1−(ベンジルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;及び
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[1−(トリフルオロアセチル)ピペリジン−4−イル]ピリミジン−2−アミン;
から選択される遊離塩基としての化合物、又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0040】
本発明は、また、以下の化合物:
5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−カルバルデヒド;及び
2−ブロモ−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン;
から選択される化合物を提供する。該化合物(類)は、式(I)の化合物の入手方法における中間体として使用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本明細書において、用語「アルキル」は、直鎖状及び分枝鎖状の両方のアルキル基を含むが、しかし、「プロピル」などの個々のアルキル基への言及は、直鎖型のみに特定される。例えば、「C1-6アルキル」及び「C1-4アルキル」としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びt−ブチルが挙げられる。また、例えば、「C6アルキル」は、ヘキサン−1−イル、ヘキサン−2−イル及びヘキサン−3−イルなどの6個の炭素原子を有する直鎖状及び分枝鎖状のアルキル基を含むことを意味する。しかし、「プロピル」などの個々のアルキル基への言及は、直鎖型のみに特定され、そして、「イソプロピル」などの個々の分枝鎖状のアルキル基への言及は、分枝鎖型のみに特定される。同様の規定は、他の基にも適用され、例えば、「炭素環C1-6アルキル−R22」としては、炭素環メチル−R22、1−炭素環エチル−R22及び2−炭素環エチル−R22が挙げられる。
【0042】
本明細書において、用語「アルケニル」は、直鎖状及び分枝鎖状の両方のアルケニル基を含む。例えば、「C2-6アルケニル」及び「C2-4アルケニル」としては、アリル、エテニル、2−メチルプロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ブタ−2−エニル及び2−メチルブタ−2−エニルが挙げられる。また、例えば、「C6アルケニル」は、ヘキサ−4−エニル、ヘキサ−5−エニル及び2−メチル−ペンタ−3−エニルなどの6個の炭素原子を有する直鎖状及び分枝鎖状のアルケニル基を含むことを意味する。
【0043】
本明細書において、用語「アルキニル」は、直鎖状及び分枝鎖状の両方のアルキニル基を含む。例えば、「C2-6アルキニル」としては、エチニル、プロピニル、ブタ−2−イニル及び2−メチルペンタ−2−イニルが挙げられる。また、例えば、「C6アルキニル」は、2−メチルペンタ−2−イニル及びヘキサ−4−イニルなどの6個の炭素原子を有する直鎖状及び分枝鎖状のアルキニル基を含むことを意味する。
【0044】
用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを意味する。
任意の置換基が「1つ又はそれ以上」の基から選択される場合、当然のことながら、この定義には、特定の1つの基から選択される全ての置換基、又は特定の2つ又はそれ以上の基から選択される置換基を含む。
【0045】
「ヘテロ環」又は「ヘテロシクル」は、少なくとも1つの原子が、窒素、硫黄又は酸素から選択される4〜12個の原子を含む飽和、部分飽和又は不飽和の単環又は二環基であり、環は、特に指示がなければ、炭素又は窒素で結合してもよく、ここで、−CH2−基は、場合により、−C(O)−で代替することができ、環窒素原子は、場合により、C1-6アルキル基を有して第四級窒素化合物を形成してもよく、又は環の窒素及び/又は硫黄原子は、場合により、酸化されてN−オキシド及び/又はS−オキシド体を形成してもよい。
【0046】
用語「ヘテロ環」の例及び適切な基としては、モルホリノ、ピペリジル、ピリジル、ピラニル、ピロリル、イソチアゾリル、インドリル、キノリル、チエニル、1,3−ベンゾジオキソリル、チアジアゾリル、ピペラジニル、チアゾリジニル、 ピロリジニル、チオモルホリノ、ピロリニル、ホモピペラジニル、3,5−ジオキサピペリジニル、テトラヒドロピラニル、イミダゾリル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、イソオキサゾリル、N−メチルピロリル、4−ピリドン、1−イソキノロン、2−ピロリドン、4−チアゾリドン、ピリジン−N−オキシド及びキノリン−N−オキシドがある。本発明の1つの態様において、「ヘテロ環」は、少なくとも1つの原子が窒素、硫黄又は酸素から選択される5又は6個の原子を含む飽和、部分飽和又は不飽和の単環又は二環基であり、環は、特に指示がなければ、炭素又は窒素で結合してもよく、ここで、−CH2−基は、場合により、−C(O)−で代替することができ、そして、環硫黄原子は、場合により、酸化されてS−オキシド体を形成してもよい。
【0047】
「炭素環」又は「カルボシクル」は、3〜12個の原子を有する飽和、部分飽和又は不飽和の、単環又は二環の炭素環であり、ここで、−CH2−基は、場合により、−C(O)−で代替できる。特に、「炭素環」は、5又は6個の原子を有する単環、又は9又は10個の原子を有する二環である。「炭素環」の適切な基としては、シクロプロピル、シクロブチル、1−オキソシクロペンチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、ナフチル、テトラリニル、インダニル又は1−オキソインダニルが挙げられる。
【0048】
「C1-6アルコキシ」の例としては、メトキシ、エトキシ及びプロポキシが挙げられる。「C1-6アルカノイルアミノ」の例としては、ホルムアミド、アセトアミド及びプロピオニルアミノが挙げられる。「C1-6アルキルS(O)aであって、aが0〜2である」基の例としては、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル及びエチルスルホニルが挙げられる。「C1-6アルカノイル」の例としては、プロピオニル及びアセチルが挙げられる。「N−(C1-6アルキル)アミノ」の例としては、メチルアミノ及びエチルアミノが挙げられる。「N,N−(C1-6アルキル)2アミノ」の例としては、ジ−N−メチルアミノ、ジ−(N−エチル)アミノ及びN−エチル−N−メチルアミノが挙げられる。「N−(C1-6アルキル)スルファモイル」の例としては、N−(メチル)スルファモイル及びN−(エチル)スルファモイルがある。「N,N−(C1-6アルキル)2スルファモイル」の例としては、N,N−(ジメチル)スルファモイル及びN−(メチル)−N−(エチル)スルファモイルがある。「N−(C1-6アルキル)カルバモイル」の例としては、メチルアミノカルボニル及びエチルアミノカルボニルがある。「N,N−(C1-6アルキル)2カルバモイル」の例としては、ジメチルアミノカルボニル及びメチルエチルアミノカルボニルがある。「C1-6アルキルスルホニルアミノ」の例としては、メチルスルホニルアミノ、イソプロピルスルホニルアミノ及びt−ブチルスルホニルアミノが挙げられる。「C1-6アルキルスルホニル」の例としては、メチルスルホニル、イソプロピルスルホニル及びt−ブチルスルホニルが挙げられる。
【0049】
用語「−C1-4アルキル炭素環」及び「−C1-4アルキルヘテロ環」は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状及び分枝鎖状のアルキル基であって、炭素環又はヘテロ環に結合する基を含む。用語炭素環及びヘテロ環は、上記で定義した通りである。従って、−C1-4アルキル炭素環の例としては、ベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチル、シクロプロピルメチル及びシクロヘキシルエチルが挙げられるがそれらに限定されない。−C1-4アルキルヘテロ環の例としては、ピリジン−3−イルメチル、オキソラン−2−イル−メチル、2−(4−ピペリジル)エチル及び1−チオフェン−2−イルエチルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0050】
用語「−C1-3アルキルヒドロキシ」、「−C1-3アルキルメトキシ」、「−C1-3アルキルエトキシ」及び「−C1-3アルキルイソプロポキシ」は、1〜3個の炭素原子を有する直鎖状及び分枝鎖状のアルキル基であって、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ又はイソプロポキシ基に結合する基を含む。「−C1-3アルキルヒドロキシ」の例としては、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル及び2−ヒドロキシエチルが挙げられるがそれらに限定されない。「−C1-3アルキルメトキシ」の例としては、メトキシメチル、1−メトキシエチル及び2−メトキシエチルが挙げられるがそれらに限定されない。「−C1-3アルキルエトキシ」の例としては、エトキシメチル、1−エトキシエチル及び2−エトキシエチルが挙げられるがそれらに限定されない。「−C1-3アルキルイソプロポキシ」の例
としては、イソプロポキシメチル、1−イソプロポキシエチル及び2−イソプロポキシエチルが挙げられるがそれらに限定されない。
【0051】
本発明の化合物の適切な薬学的に許容される塩は、例えば、十分に塩基性の本発明の化合物の酸付加塩であり、例えば、無機酸又は有機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸又はマレイン酸との酸付加塩である。加えて、十分に酸性である本発明の化合物の適切な薬学的に許容される塩は、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム又はカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム又はマグネシウム塩;アンモニウム塩、又は生理学的に許容可能なカチオンをもたらす有機塩基との塩、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリン又はトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンとの塩である。
【0052】
カルボキシ基又はヒドロキシ基を含む式(I)の化合物の生体内で加水分解可能なエステルは、例えば、ヒト又は動物体内で加水分解され、元の酸又はアルコールを生成する薬学的に許容されるエステルである。適切な薬学的に許容されるカルボキシのエステルとしては、C1-6アルコキシメチルエステル、例えば、メトキシメチル;C1-6アルカノイルオキシメチルエステル、例えば、ピバロイルオキシメチル、フタリジルエステル;C3-8シクロアルコキシカルボニルオキシC1-6アルキルエステル、例えば、1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル;1,3−ジオキソレン−2−オンイルメチルエステル、例えば、5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オンイルメチル;及びC1-6アルコキシカルボニルオキシエチルエステル、例えば、1−メトキシカルボニルオキシエチルが挙げられ、そして、それらのエステルは、本発明の化合物におけるいかなるカルボキシル基においても形成することができる。
【0053】
ヒドロキシ基を含む式(I)の化合物の生体内で加水分解可能なエステルとしては、リン酸エステルなどの無機酸エステル、α−アシルオキシアルキルエーテル、及び生体内での加水分解にるエステル切断の結果として元のヒドロキシ基を生成する関連化合物が挙げられる。α−アシルオキシアルキルエーテルの例としては、アセトキシメトキシ及び2,2−ジメチルプロピオニルオキシ−メトキシが挙げられる。ヒドロキシ基に対する生体内で加水分解可能なエステルを生成する基としては、アルカノイル、ベンゾイル、フェニルアセチル及び置換ベンゾイル及びフェニルアセチル、アルコキシカルボニル(炭酸アルキルエステルを生成するため)、ジアルキルカルバモイル及びN−(ジアルキルアミノエチル)−N−アルキルカルバモイル(カルバミド酸エステルを生成するため)、ジアルキルアミノアセチル及びカルボキシアセチルが選択される。ベンゾイルへの置換基の例としては、ベンゾイル環の3位又は4位で、メチレン基を経由して環窒素原子と結合するモルホリノ及びピペラジノが挙げられる。
【0054】
いくつかの式(I)の化合物は、立体異性中心及び/又は幾何異性中心(E−及びZ−異性体)を含み、当然のことながら、本発明は、GSK3阻害活性を有する全ての光学異性体、ジアステレオ異性体及び幾何異性体を包含する。
【0055】
本発明は、GSK3阻害活性を有する、式(I)の化合物のいずれの及び全ての互変異性体に関する。
【0056】
式(I)の化合物の定義は、また、生体内で加水分解可能なエステル、溶媒和物、又はその塩の溶媒和物を含む。
【0057】
いくつかの式(I)の化合物は、また、非溶媒和の形態のみならず、溶媒和の形態で、例えば、水和物の形態として存在することが可能であることは、理解されるであろう。当然のことながら、本発明はGSK3阻害活性を有する全ての溶媒和の形態を包含する。
【0058】
製造方法
本発明は、また、式(I)の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、又は生体内で加水分解可能なそのエステルを製造する方法であって、以下の工程:
a)式(II):
【化2】

のピリミジンを式(III):
【化3】

式中、
1、R2、R3、R4及びAは、特に指示がなければ、式(I)で定義した通りであり;
Aは、芳香族の単環又は二環を含み;
Yは、置換可能な基である;
の化合物と反応させ、その後、場合により、
b)式(I)の化合物を、式(I)の別の化合物に転換し;
c)いかなる保護基も脱離し;そして
d)薬学的に許容される塩、又は生体内で加水分解可能なエステルを生成させる;
を含む方法を提供する。
【0059】
Yは、ハロ又はスルホニルオキシ基、例えば、クロロ、ブロモ、ヨード又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基などの置換可能な基である。本発明の1つの実施態様に従えば、Yは、クロロ、ブロモ又はヨードである。
【0060】
上記反応の具体的な反応条件は、以下の通りである:
工程a):
式(II)のアミン及び式(III)又は(IV)の化合物は、標準的なBuchwald-Hartwig条件下で反応させ(例えば、J. Am. Chem. Soc., 118, 7215; J. Am. Chem. Soc., 119, 8451; J. Am. Chem. Soc., 125, 6653; J. Org. Chem., 62, 1568 and 6066を参照)、例えば、酢酸パラジウムの存在下、適切な溶媒中、例えば、トルエン、ベンゼン又はキシレンなどの芳香族溶媒中、適切な塩基、例えば、炭酸セシウムなどの無機塩基、又はカリウムt−ブトキシドなどの有機塩基と共に、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル又は2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソ−プロピル−1,1’−ビフェニルなどの適切なリガンドの存在下、+25〜+90℃の範囲の温度で反応させる。式(II)のピリミジンであって、R3がメチルであり、そしてR4及びR2が、式(I)で定義した通りである化合物は、スキーム1に従って製造することができる。
【0061】
【化4】

【0062】
式(II)のピリミジンの代わりの合成法は、スキーム2に記載される(ここで、Rxは、同一又は異なったC1-6アルキルから選択され、そして、R2、R3及びR4は、式(I)で定義した通りである)。
【化5】

【0063】
式(III)の化合物は、市販されているか若しくは文献で公知であり、又は当該分野で公知の標準的な方法により製造可能である。
【0064】
式(IV)の化合物で、R3は、一般式構造Ra−CH−Rbを有し、ここで、Ra及びRbは、水素、又は一緒になって、テトラヒドロピラン環を形成し、R4は、水素又はC1-3アルキルであり、そして、該C1-3アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のハロで置換されても良く、R2はフルオロであり、そして、Rxは、上記で定義した通りである化合物は、スキーム3に基づき製造できる:
【化6】

【0065】
式(Va)、(Vb)及び(Vc)の化合物は、市販されているか、又はそれらは文献で公知であり、又は当該分野で公知の標準的方法により製造可能である。式(VI)の化合物は、E及びZ体の両者で存在することができる。
【0066】
更に式(Ia)の化合物は、また化合物VIなどの中間体の反応により製造可能であり、それは、式(II)の化合物から、極性の非プロトン性溶媒中、TMSBr及びtert−ブチルニトリルとの反応で製造され、ここで、R1、R2、R3、R4及びAは、特に指示のない限り、式(I)で定義した通りであり;Aは、飽和又は部分飽和の炭素環又は部分飽和のヘテロ環である。
【化7】

【0067】
Aは、また、保護された、飽和又は部分飽和のヘテロ環(例えば、tert−ブトキシカルボニル保護ピぺリジン)、又は保護された置換基を有する、飽和又は部分飽和の炭素環(例えば、シクロヘキシル環上で置換されたtert−ブトキシカルボニル保護アミノ)であり、その様な場合、式(Ia)の化合物は、更に、保護基を脱離した後、例えば、アミド又はスルホンアミドを得るためアミンを反応させることにより製造することができる。これはスキーム5に示されており、ここでは、式Ibの出発化合物(R3が4−テトラヒドロピラニルであり、R4がメチルであり、R2がフルオロであり、Aが4−ピペリジニルであり、R5が−C(=O)O−であり、そしてR7がtert−ブチルである)は、脱保護されて第二級アミンを生成する。該アミンを反応させ、式(Id)の化合物(ここで、R5はC(O)であり、そしてR7は上記で定義した通りである)、又は式(Ic)の化合物(ここで、R5はSO2であり、そしてR7は上記で定義した通りである)を得る。式(Ib)の化合物の脱保護は、トリフルオロ酢酸(TFA)又は無水塩酸のメタノール溶液などの酸性媒体又は溶媒中で実施可能である。式(Id)の化合物を得るためのアミドカップリングは、標準的なアミドカップリング試薬を用いて、極性の非プロトン性溶媒中、塩基の存在下で実施可能である。式(Ic)のスルホンアミドは、スルホニルハライド(フルオロ、クロロ又はブロモなどの)と、極性の非プロトン性溶媒中、塩基の存在下での反応により製造可能である。
【化8】

【0068】
式(Ie)の化合物は、式(VII)のアルデヒド中間体を、第一級アミン又は第二級アミンと、スキーム6に示す様に還元的に反応させて製造することができる。この反応は、該アルデヒドをアミンと極性の非プロトン性溶媒中で混合してイミンを得ることにより達成することができ、その後、イミンのアミンへの還元を行う。この還元アミノ化条件としては、例えば、アミン及びアルデヒドをNMP中で混合し、そしてイミン生成後、該混合物にナトリウムシアノボロヒドリド又はナトリウムトリアセトキシボロヒドリドを加えることが挙げられる。
【化9】

【0069】
本発明の化合物における種々の環置換基の内のある種の置換基は、上記の方法に先立って若しくは直後に、標準的な芳香族置換反応により導入することができ、又は従来の官能基修飾法に従って生成することができ、そしてそれら自体、本発明の方法の態様に含まれることは理解されるであろう。その様な反応及び修飾としては、例えば、芳香族の置換反応、置換基の還元、置換基のアルキル化、及び置換基の酸化による置換基の導入が挙げられる。その様な手順に対する反応試薬、及び反応条件は、化学分野において良く知られている。芳香族置換反応の特別の例としては、濃硝酸を用いたニトロ基の導入、例えば、フリーデル・クラフツ条件下でのアシルハライド及びルイス酸(三塩化アルミニウムなど)を用いたアシル基の導入;フリーデル・クラフツ条件下でのアルキルハライド及びルイス酸(三塩化アルミニウムなど)を用いたアルキル基の導入;及びハロ基の導入が挙げられる。修飾の特別な例としては、例えば、ニッケル触媒による接触水素化、又は塩酸存在下での加熱を伴う鉄を用いた処理によるニトロ基のアミノ基への還元;アルキルチオのアルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルへの酸化が挙げられる。
【0070】
本明細書に記載したいくつかの反応において、化合物における反応性の高いいかなる基も保護することが必要である/望ましいことは、また理解されるであろう。保護が必要であるか又は望ましい例、及び保護のための適切な方法は、当業者に公知である。従来の保護基は、標準的な手法に従って用いることができる(例としては、T.W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, 1999を参照)。従って、反応物質がアミノ、カルボキシ又はヒドロキシなどの基を含む場合、本明細書に記載したいくつかの反応においては、その基を保護することが望ましい。
【0071】
アミノ又はアルキルアミノ基の適切な保護基としては、例えば、アシル基、例えば、アセチルなどのアルカノイル基;アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル又はt−ブトキシカルボニル基;アリールメトキシカルボニル基、例えば、ベンジルオキシカルボニル;又は、アロイル基、例えば、ベンゾイルなどがある。上記保護基の脱保護条件は、保護基の選択により必然的に変化するものである。それ故、例えば、アルカノイル又はアルコキシカルボニル基又はアロイル基などのアシル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化リチウム又は水酸化ナトリウムなどの適切な塩基による加水分解で脱離できる。或いは、t−ブトキシカルボニル基などのアシル基は、例えば、塩酸、硫酸若しくはリン酸、又はトリフルオロ酢酸などの適切な酸による処理で脱離することができ、そしてベンジルオキシカルボニル基などのアリールメトキシカルボニル基は、例えば、炭素上パラジウムなどの触媒による水素化で、又は、例えば、ボロントリス(トリフルオロアセテート)などのルイス酸による処理で脱離することができる。第一級アミノ基に対する適切な代替保護基としては、例えば、フタロイル基があり、それは、アルキルアミン、例えば、ジメチルアミノプロピルアミン、又はヒドラジンとの処理で脱離することができる。
【0072】
ヒドロキシ基の適切な保護基としては、例えば、アシル基、例えば、アセチルなどのアルカノイル基;アロイル基、例えば、ベンゾイル;又はアリールメチル基、例えば、ベンジルがある。上記保護基の脱保護条件は、保護基の選択により必然的に変化するものである。それ故、例えば、アルカノイル又はアロイル基などのアシル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化リチウム又は水酸化ナトリウムなどの適切な塩基による加水分解で脱離することができる。或いは、ベンジル基などのアリールメチル基は、例えば、炭素上パラジウムなどの触媒による水素化で脱離することができる。
【0073】
カルボキシル基の適切な保護基としては、例えば、エステル化基、例えば、メチル、エチル基があり、それらは、例えば、水酸化ナトリウムなどの塩基による加水分解で脱離することができ、又は、例えば、t−ブチル基があり、それは、例えば、酸による処理、例えば、トリフルオロ酢酸などの有機酸による処理で脱離可能であり、又は、例えば、ベンジル基があり、それは、例えば、炭素上パラジウムなどの触媒による水素化で脱離することができる。
【0074】
保護基は、化学分野における公知の従来技術を用いて、合成におけるいかなる都合の良い段階においても脱離することができる。
【0075】
一般的方法
使用した全ての溶媒は分析グレードであり、そして市販の無水の溶媒を、通常通り反応に用いた。反応は一般的には、窒素又はアルゴンの不活性雰囲気下で実施した。
【0076】
1H、19F及び13CNMRスペクトルは、Z−グラジエント付の5mmのBBOプローブヘッドを装備したVarian Unity+400 NMRスペクトロメーター、又は5mmのBBIプローブヘッドを装備したVarian Gemini300 NMRスペクトロメーター、又はZ−グラジエント付の60μl二重逆相フロープローブヘッドを装備したBruker Avance 400 NMRスペクトロメーター、又はZ−グラジエント付の4−核プローブヘッドを装備したBruker DPX400 NMRスペクトロメーター、又はZ−グラジエント付の5mmのBBIプローブヘッドを装備したBruker Avance 600 NMRスペクトロメーターで測定した。実施例において、特に指示のない限り、スペクトルは、プロトンに対しては400MHz、フッ素−19に対しては376MHz、及び炭素−13に対しては100MHzで測定した。以下の参照シグナルを用いた:DMSO−d6のδ2.50(1H)、δ39.51(13C)の中心線:;CD3ODのδ3.31(1H)又はδ49.15(13C)の中心線;CDCl3:δ7.26(1H)、及びCDCl3のδ77.16(13C)の中心線(特に指示のない限り)。NMRスペクトルは、高磁場側から低磁場側へ、又は低磁場側から高磁場側へ測定した。
【0077】
マススペクトルは、Alliance 2795 (LC)、Waters PDA 2996、及びZQシングル四極子マススペクトロメーターから成るWaters LCMSを用いて測定した。マススペクトロメーターは、正イオン又は負イオンモードで操作するエレクトロスプレーイオン源(ESI)を備えていた。キャピラリー電圧は3kV、及びコーン電圧は30Vであった。マススペクトロメーターは、m/z=100〜700、スキャン時間は0.3秒で走査した。分離を、Waters: X-Terra MS C8(3.5μm、50又は100mm×2.1mm)又はScantec Labから入手したACE 3 AQ(100mm×2.1mm:識別用)を用いて実施した。流速を1.0〜0.3mL/分に調節した。カラム温度は40℃に設定した。中性又は酸性移動相を用い、100%A(A:10mMのNH4OAc:MeCN=95:5、又は8mMのHCOOH:MeCN=95:5)から出発し、100%B(MeCN)で終える線形傾斜溶離を適用した。
【0078】
或いは、マススペクトルは、Alliance 2690分離モジュール、Waters 2487 Dual Absorbance検出器(220及び254nm)、及びWatersZQシングル四極子マススペクトロメーターから成るWaters LCMSで測定した。マススペクトロメーターは、正イオン又は負イオンモードで操作するエレクトロスプレーイオン源(ESI)を備えていた。キャピラリー電圧は3kV、そしてコーン電圧は30Vであった。マススペクトロメーターは、m/z=97〜800、スキャン時間は0.3又は0.8秒で走査した。分離を、Chromolith Performance RP-18e(100×4.6mm)で行った。95%A(A=0.1%HCOOHの水溶液)から出発し、100%B(MeCN)で終える線形傾斜溶離を適用した。流速は2.0mL/分であった。
【0079】
マイクロ波加熱は、2450MHzで連続照射するシングルモード・キャビティー内で行った。
【0080】
HPLC分析は、G1379Aミクロ真空脱気装置、G1312A バイナリーポンプ、G1367A Well
plate自動サンプラー、G1316A サーモスタット付カラムコンパートメント及びG1315Bダイオードアレー検出器から成るAgilent HP1000システムで行った。カラム:X-Terra MS、Waters、3.0×100mm、3.5μm。カラム温度:40℃、流速:1.0ml/分に設定した。ダイオードアレイ検出器を、210〜300nm間で走査し、ステップ及びピーク幅を2nm及び0.05minにそれぞれ設定した。線形傾斜溶離を適用し、100%A(A:10mMのNH4OAc:MeCN=95:5)から出発し、100%B(B=MeCN)で、4分間で終える条件であった。
【0081】
或いは、HPLC分析は、Chromolith PerformanceRPカラム(C18、100mm×4.6mm)を備えたGynkotek UVD 170S UV−可視光−検出器付の、グラジエントポンプから成るGynkotek P580 HPGで実施した。カラム温度を+25℃に設定した。線形傾斜溶離を適用し、MeCN/0.1Mのトリフルオロ酢酸のMilliQ水溶液を用いて、10%〜100%MeCNで、5分間実施した。流速:3ml/分。
【0082】
反応後の代表的な処理手順は、酢酸エチルなどの溶媒による生成物の抽出、水での洗浄、次いで、有機相のMgSO4又はNa2SO4による乾燥、減圧下での溶液の濃縮より構成された。
【0083】
薄層クロマトグラフィー(TLC)は、Merck TLC−プレート(Silica gel 60 F254)で実施し、そして、UV光でスポットを可視化した。フラッシュクロマトグラフィーは、RediSep(商標)正相フラッシュカラム、又はMerck Silica gel 60(0.040〜0.063mm)を用いたCombi Flash(登録商標)Companion(商標)で実施した。フラッシュクロマトグラフィーに用いられる代表的な溶媒は、クロロホルム/メタノール、ジクロロメタン/メタノール、ヘプタン/酢酸エチル、クロロホルム/メタノール/NH3(水溶液)、及びジクロロメタン/メタノール/NH3(水溶液)の混合物であった。SCXイオン交換カラムは、Isolute(登録商標)カラムで行った。イオン交換カラムを通したクロマトグラフィーは、一般的には、メタノールなどの溶媒中で実施した。
【0084】
分取型クロマトグラフィーは、ダイオードアレー検出器付のWaters自動精製HPLCで実施した。カラム:XTerra MS C8、19×300mm、10μm。MeCN/(0.1MのNH4OAc:MeCN=95:5)での狭傾斜液を用い、流速:20ml/分であった。或いは、精製を、Waters Symmetry(登録商標)カラム(C18、5μm、100mm×19mm)を備えたShimadzu SPD-10AUV−可視光−検出器付の半分取型Shimadzu LC-8A HPLCで実施した。MeCN/(0.1%のトリフルオロ酢酸のMilliQ水溶液)での狭傾斜液を用い、流速:10ml/分であった。
【0085】
最終生成物の塩酸塩の生成は、一般的には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン/トルエン、ジクロロメタン/メタノールなどの溶媒又は溶媒混合物中で、1Mの塩酸のジエチルエーテル溶液を加えて行った。
【0086】
以下の略号を用いた:
aq.: 水性;
Ar(g): アルゴンガス;
CDCl3: 重水素化クロロホルム;
CHCl3: クロロホルム;
CH2Cl2: ジメチルクロリド;
Cs2CO3: 炭酸セシウム;
DMF: N,N−ジメチルホルムアミド;
DMFDMA: ジメチルホルムアミドジメチルアセタール;
DMSO: ジメチルスルホキシド;
DMSO−d6: 重水素化ジメチルスルホキシド;
EtOAc: 酢酸エチル;
EtOH: エタノール;
HCOOH: ギ酸;
HCl: 塩化水素;
HOAc: 酢酸;
MeCN: アセトニトリル;
MeOH: メタノール;
MeOD: 重水素化メタノール;
Me3SnCl: トリメチルスズクロリド;
MgSO4: 硫酸マグネシウム;
Min: 分;
NaBH(OAc)3: ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド;
NaHCO3: 重炭酸ナトリウム;
NaOMe: ナトリウムメトキシド;
Na2SO4: 硫酸ナトリウム;
n−BuOH: n−ブタノール;
NH3: アンモニア;
NH4OAc: 酢酸アンモニウム;
NH4OH: 水酸化アンモニウム;
Pd/C: 炭素上パラジウム;
Pd(PPh32Cl2: ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド;
Pd2(dba)3: トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム;
PrOH: プロパン−1−オール;
r.t.又はRT: 室温;
Ret.T: 保持時間;
セレクトフルオル: N−フルオロ−N’−クロロメチル−トリエチレンジアミン−ビス(テトラフルオロボレート);
t−BuLi: tert−ブチルリチウム;
THF: テトラヒドロフラン;
TMSBr: トリメチルシリルブロミド;
Xantphos: 9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン;
X−Phos: 2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソ−プロピル−1,1’−ビスフェニル。
【0087】
使用する出発物質は、市販されているか、又は文献の手順に従って製造され、そして報告されているものに一致する実験データを有していた。
【0088】
化合物は、ACD/Name, versions 9, software from Advanced Chemistry Development,Inc.(ACD/Labs), Toronto ON, Canada, www.acdlabs.com, 2004 を用いて、又はIUPAC方式に従って命名している。
【0089】
一般法A〜D
以下の一般法A〜Dにおいて、基R1、R2、R3、R4、ハロ及びAは、各々の構造内における置換の多様性を提示するために独立に用いられる。R1、R2、R3、R4、ハロ及びAの識別は、各々特定の実施例のための出発物質及び中間体に基づいて、当業者には明確であろう。例えば、一般法Aを説明する実施例1において、A1は、R3が4−テトラヒドロピラニルである5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミンであり、A2は、Aがピリミジンである5−ブロモピリジンであり、そしてハロは、ピリミジン環の5位のブロモである。
【0090】
一般法A
【化10】

A1(1.01〜1.27当量)、A2(1.0当量)(ここで、A及びR3は式(I)で定義した通りであり、そしてハロは、Cl、Br又はIである)及びCs2CO3(1.66〜2.25当量)を無水1,4−ジオキサン中で混合し、混合物にアルゴンガスを5分間吹き込み、その後、Pd2(dba)3(0.05〜0.08当量)及びX−Phos又はXantphos(0.10〜0.16当量)を加えた。混合物にアルゴンガスを吹き込み、次いで、封管中で、反応が完結するまで+90〜+100℃に加熱した。溶媒を減圧下で除去し、そして残留物をCH2Cl2に溶解し、希釈したNaHCO3(水溶液)又は水で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。粗製の塩基性生成物を分取型HPLCを用いて精製した。場合により、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジクロロメタン/トルエン又はジクロロメタン/メタノールなどの溶媒中にこの化合物を溶解し、次いで、1Mの塩酸のジエチルエーテル溶液を加えて、一又は二塩酸塩を生成した。
【0091】
一般法B
【化11】

2−ブロモ−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン(B1)(1.0当量)、第一級アミンB2(2.0当量)、ジイソプロピルエチルアミン(2.0〜5.0当量)及び2−プロパノールを、マイクロ波加熱用管に加え、マイクロ波を用いて150℃で6時間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして粗製の生成物を分取型HPLCを用いて精製した。
【0092】
一般法C
【化12】

4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(C1)(1.0当量)をTFAに溶解し、室温で30分間撹拌を行った。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物(C2)をCH2Cl2に溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(2.5当量)を加え、次いで、酸クロリドC3(1当量)を加え、混合物を室温で1時間撹拌し、その後、CH2Cl2で希釈し、飽和のNaHCO3水溶液で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗製の生成物を分取型HPLCを用いて精製した。
【0093】
一般法D
【化13】

4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル、D1(1.0当量)をTFAに溶解し、そして室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物(D2)をCH2Cl2に溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(2.5当量)を加え、次いでスルホニルクロリドD3(1当量)を加え、そして混合物を室温で1時間撹拌した後CH2Cl2で希釈し、飽和のNaHCO3水溶液で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗製の生成物を分取型HPLCを用いて精製した。
【0094】
実施例
本発明は、以下の実施例により更により詳細に記載されるが、それらは本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【0095】
〔実施例1〕
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−ピリミジン−5−イルピリミジン−2−アミン
【化14】

標題化合物を一般法Aに従い、5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン(50mg、0.18mmol)及び5−ブロモピリミジン(29mg、0.18mmol)を用いて製造し、標題化合物(13mg、20%)を得た。
1HNMR(CDCl3)δppm:9.04(s,2H)8.92(s,1H)8.36(d,J=2.78Hz,1H)7.68(s,1H)7.44(s,1H)5.02−5.12(m,1H)4.09(d,J=4.55Hz,1H)4.06(d,J=4.80Hz,1H)3.26(td,J=11.87,1.77Hz,2H)2.65(s,3H)2.44−2.55(m,2H)1.86(dd,J=2.78,3.03Hz,2H);MS(ES)m/z:356(M+1)。
【0096】
〔実施例2〕
1−[5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−3−イル]エタノン
【化15】

標題化合物を一般法Aに従い、5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン(50mg、0.18mmol)及び1−(5−ブロモピリジン−3−イル)エタノン(34mg、0.17mmol)を用いて製造し、標題化合物(29mg、43%)を得、それを、その後、一般法Aで定義した塩酸塩に転換した。
1HNMR(HCl塩,DMSO−d)δppm:10.46(s,1H)9.20(s,1H)8.91(m,2H)8.62(s,1H)8.16(s,1H)4.97(m,1H)3.82(m,2H)3.20(m,2H)2.85(s,3H)2.65(s,3H)2.16(m,2H)1.94(m,2H);MS(ES)m/z:397(M+1)。
【0097】
〔実施例3〕
5−フルオロ−N−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化16】

標題化合物を一般法Aに従い、5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン(35mg、0.13mmol)及び2−ブロモ−6−メトキシピリジン(21mg、0.11mmol)を用いて製造し、標題化合物(38mg、87%)を得、それを、その後、一般法Aで定義した塩酸塩に転換した。
1HNMR(HCl塩,DMSO−d)δppm:10.06(s,1H),8.87(s,1H),8.13(s,1H),7.60(m,2H),4.45(m,1H),5.03(m,1H),3.84(s,3H),3.25(m,2H),2.85(s,3H),2.17(m,2H),1.97(m,2H);MS(ES)m/z:385(M+1)。
【0098】
〔実施例4〕
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]ピリミジン−2−アミン
【化17】

標題化合物を一般法Aに従い、5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン(35mg、0.13mmol)及び2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(21mg、0.11mmol)を用いて製造し、標題化合物(40mg、84%)を得、それを、その後、一般法Aで定義した塩酸塩に転換した。
1HNMR(HCl塩,DMSO−d)δppm:10.95(s,1H),8.95(s,1H),8.68(s,1H),8.16(m,3H),5.05(m,1H),3.86(m,2H),3.28(m,2H),2.85(s,3H),2.20(m,2H),2.00(m,2H);MS(ES)m/z:423(M+1)。
【0099】
〔実施例5〕
5−フルオロ−N−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化18】

標題化合物を一般法Aに従い、5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン(35mg、0.13mmol)及び2−ブロモ−5−メチルピリジン(22mg、0.13mmol)を用いて製造し、標題化合物(22mg、48%)を得、それを、その後、一般法Aで定義した塩酸塩に転換した。
1HNMR(HCl塩,DMSO−d)δppm:10.68(s,1H),9.02(s,1H),8.95(s,1H),8.54(m,1H),8.14(s,1H),7.78(m,1H),4.96(m,1H),3.87(m,2H),3.27(m,2H),2.85(s,3H),2.67(s,3H),2.17(m,2H),1.97(m,2H);MS(ES)m/z:369(M+1)。
【0100】
〔実施例6〕
5−フルオロ−N−(4−メトキシピリジン−2−イル)−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化19】

標題化合物を一般法Aに従い、5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン(40mg、0.14mmol)及び2−クロロ−4−メトキシピリジン(23mg、0.16mmol)を用いて製造し、標題化合物(49mg、88%)を得、それを、その後、一般法Aで定義した塩酸塩に転換した。
1HNMR(HCl塩,DMSO−d)δppm:12.21(s,1H),9.01(s,1H),8.34(m,1H),8.22(s,1H),7.65(s,1H),7.05(m,1H),5.05(m,1H),4.01(s,3H),3.91(m,2H),3.41(m,2H),2.87(s,3H),2.20(m,2H),2.04(m,2H);MS(ES)m/z:385(M+1)。
主要な中間体は、以下のようにして製造した:
【0101】
〔実施例7〕
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化20】

【0102】
実施例7(a)
4−[N−アセチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)]アミノ−5−メチルイソオキサゾール
【化21】

5−メチル−4−アミノ−イソオキサゾール(Reiter, L.A., J. Org. Chem. 1987, 52, 2714-2726) (0.68g、5.1mmol)及び酢酸(0.61g、10.2mmol)をMeOH(20mL)に溶解した。テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オン(0.76g、7.6mmol)を加え、そして混合物を0〜(−5℃)に冷却して1時間撹拌した。ナトリウムシアノボロヒドリド(0.32g、5.1mmol)を−5℃で反応混合物に加え、僅かな発熱とガスの発生が起こった。冷却浴を除去し、混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、2回目の分量のナトリウムシアノボロヒドリド(0.1g、1.6mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をトルエンに溶解し、そして再濃縮した。残留物をTHF(10mL)に溶解し、無水酢酸(1.56g、15.3mmol)を加えた。得られた混合物を終夜室温で、次いで+50℃で1時間撹拌した。揮発分を減圧下で除去し、残留物をトルエンに溶解し、減圧下で濃縮し、標題化合物(1.36g、78%)を得た。
1HNMR(CDCl3)δppm:8.04(s,1H),4.864.73(m,1H),4.00−3.89(m,2H),3.52−3.42(m,2H),2.35(s,3H),1.81(s,3H),1.70−1.57(m,2H),1.49−1.23(m,2H);MS(ESI)m/z:225(M+1)。
【0103】
実施例7(b)
5−アセチル−2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール
【化22】

4−[N−アセチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)]アミノ−5−メチルイソオキサゾール(4.8g、21.4mmol)をEtOH(30ml)に溶解し、そして混合物を、Pd/C(10%、湿潤ペースト、0.10g)を用いて、3バールの圧力下で水素化した。反応混合物を50℃で3時間撹拌した。追加量のPd/C(10%、湿潤ペースト、0.15g)を加え、混合物の撹拌を50℃で3時間継続した。ナトリウムメトキシド(1.70g、31.46mmol)を加え、得られた混合物を還流下で30時間加熱した。塩化アンモニウムを加えて反応をクエンチした。混合物を珪藻土を通して濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。残留物を飽和の重炭酸ナトリウム水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥し(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。粗製の生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)で精製し、標題化合物(3.7g、83%)を得た。
1HNMR(CDCl3)δ:7.70(s,1H),5.405.30(m,1H),4.13−4.01(m,2H),3.57−3.44(m,2H),2.57(s,3H),2.44(s,3H),2.43−2.30(m,2H),1.80−1.72(m,2H)。
【0104】
実施例7(c)
(2E)−3−ジメチルアミノ−1−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]プロパ−2−エン−1−オン
【化23】

5−アセチル−2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール(3.7g、17.79mmol)をDMFDMA/DMF(1:1、100mL)に溶解し、そして混合物を還流下で終夜撹拌した。室温に冷却した後、混合物をCH2Cl2で抽出した。有機相を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製の生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH=15:1)で精製し、標題化合物(3.85g、82%)を得た。
1HNMR(CDCl3)δ:7.65(d,J=12.6Hz,1H),7.46(s,1H),5.55−5.42(m,2H),4.08(dd,J=11Hz,4.4Hz,2H),3.52(t,J=11Hz,2H),2.99(brs,6H),2.56(s,3H),2.45−2.32(m,2H),1.80−1.72(m,2H);MS(ESI)m/z:264(M+1)。
【0105】
実施例7(d)
(2Z)−3−ジメチルアミノ−2−フルオロ−1−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]プロパ−2−エン−1−オン
【化24】

Selectfluor(7.75g、21.87mmol)を小分けして、(2E)−3−ジメチルアミノ−1−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]プロパ−2−エン−1−オン(3.85g、14.58mmol)のMeOH(100mL)溶液に、室温で撹拌しつつ加えた。室温で3時間撹拌した後、反応混合物を氷/アセトン中で冷却し、濾過した。濾液を減圧下で蒸発させ、残留物をCH2Cl2に溶解した。それをアンモニア水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。粗製の生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH=15:1)で精製した。反応が完結しなかったので、Selectfluor(1.5当量)を加えて反応を繰り返した後、同じ処理を行った。標題化合物(1.47g、36%)。
1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:7.34(s,1H),6.84(d,J=27.9Hz,1H),5.00−4.88(m,1H),4.04(dd,J=11.2Hz,4.2Hz,2H),3.46(t,J=11Hz,2H),3.08(s,6H),2.53(s,3H),2.42−2.28(m,2H),1.84−1.75(m,2H);MS(ESI)m/z:282(M++1)。
【0106】
実施例7(e)
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化25】

(2Z)−3−ジメチルアミノ−2−フルオロ−1−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]プロパ−2−エン−オン(1.47g、5.22mmol)、グアニジン炭酸塩(2.35g、13.06mmol)及びナトリウムメトキシド(4.0当量)の1−ブタノール中の反応混合物を、マイクロ波反応器内で、アルゴン又は窒素雰囲気下、140℃で10分間加熱した。混合物を濾過し、濾液をCH2Cl2で濯いだ。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗製の生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH=20:1)を用いて精製し、標題化合物(1.21g、84%)を得た。
1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:8.17(d,J=3.3Hz,1H),7.59(d,J=3.9Hz,1H),5.27−5.13(m,1H),4.93(brs,2H),4.13(dd,J=11.5Hz,4.3Hz,2H),3.48(t,J=11Hz,2H),2.62(s,3H),2.58−2.40(m,2H),1.95−1.84(m,2H);MS(ESI)m/z:278(M+1)。
【0107】
〔実施例8〕
4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−5−フルオロピリミジン−2−アミン
【化26】

【0108】
実施例8(a)
1,2−ジメチル−5−(トリメチルスタンニル)−1N−イミダゾール
【化27】

1,2−ジメチルイミダゾール(0.960g、10.0mmol)を、無水のTHF(50mL)中にアルゴン雰囲気下で希釈し、そして溶液を−78℃に冷却した。tert−ブチルリチウム(1.7Mのペンタン溶液、6.47mL、11.0mmol)を滴下しながら、5分間かけて加えた。反応混合物を−78℃で1時間撹拌した後、トリメチルスズクロリド(2.2g、11.0mmol)の無水THF(10mL)溶液で処理した。混合物を−78℃〜室温で60時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、標題化合物(1.29g、50%)を得た。粗製の生成物を更なる精製をせずに、次の工程で用いた。1HNMR(CDCl3)δppm:6.87(s,1H),3.56(s,3H),2.41(s,3H),0.45−0.18(m,9H);MS(CI)m/z:261(120Sn)(M+1)。
【0109】
実施例8(b)
2−クロロ−4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−5−フルオロピリミジン
【化28】

1,2−ジメチル−5−(トリメチルスタンニル)−1H−イミダゾール(0.950g、3.68mmol)及び2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(0.601g、3.60mmol)を無水DMF(20mL)で希釈し、溶液をアルゴンで脱気した。Pd(PPh32Cl2(0.126g、0.17mmol)を加え、そして反応混合物を+80℃で15時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。飽和のフッ化カリウム水溶液(50mL)を加え、混合物を30分間撹拌した後、EtOAcで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製の生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc=7:3)で精製し、標題化合物(0.41g、50%)を得た。
1HNMR(CDCl3,600MHz)δppm:8.40(d,J=2.9Hz,1H),7.86(d,J=4.4Hz,1H),3.97(s,3H),2.53(s,3H);MS(ESI)m/z:227(M+1)。
【0110】
実施例8(c)
4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−5−フルオロピリミジン−2−アミン
【化29】

2−クロロ−4−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−5−フルオロピリミジン(0.295g、1.30mmol)を、マイクロ波反応器中のガラス瓶中の1−プロパノール(3.0mL)に溶解した。水酸化アンモニウム(28%、1.0mL)を加え、ガラス瓶を閉じ、混合物をマイクロ波オーブン中で加熱した(+140℃、4時間)。反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を蒸発させた。残留物をCH2Cl2及び1MのHCl水溶液の間で分配した。生成物を含む水相を飽和のNaHCO3水溶液で中和し、生成物をCH2Cl2で抽出した。有機相をエタノールと共蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH傾斜溶離液;100:1〜94:6)を用いて精製し、標題化合物(0.210g、78%)を得た。
1HNMR(CDCl3)δppm:8.15(d,J=3.5Hz,1H),7.71(d,J=4.3Hz,1H),4.87(brs,2H),3.97(s,3H),2.49(s,3H);MS(ESI)m/z:208(M+1)。
【0111】
〔実施例9〕
5−フルオロ−4−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化30】

【0112】
実施例9(a)
5−アセチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)− 2−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール
【化31】

5−メチル−4−アミノ−イソオキサゾール(1.7g、17.25mmol)及び酢酸(1.1g、19 mmol)をメタノール(50mL)に溶解した。テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オン(1.9g、19mmol)を加え、混合物を0〜(−5)℃に冷却し、1時間撹拌した。ナトリウムシアノボロヒドリド(0.812g、12.9mmol)を小分けして、反応混合物に−5℃で加えたところ、僅かな発熱とガスの発生が起こった。冷却浴を除去し、混合物を室温で2時間撹拌した後、水(20mL)を加えた。メタノールを減圧蒸留により反応混合物から除去し、中間体アミンを酢酸エチル(3×80mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(Na2SO4)、濃縮乾固し、トルエンに溶解し、そして再濃縮した。粗製の中間体アミンをCH2Cl2(20mL)に溶解し、ピリジン(2mL、26mmol)を加えた。混合物を0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸無水物(4.35g、20.7mmol)を滴下しながら加えた。混合物の撹拌を室温で2時間継続した後、水及び飽和のNaHCO3で洗浄した。水相をCH2Cl2(2(30mL)で抽出し、有機抽出物を乾燥し(Na2SO4)、濃縮乾固し、2番目の粗製の中間体4−[N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)]−N−トリフルオロアセチル−アミノ−5−メチルイソオキサゾールを得た。
MS(ES)m/z:279(M++1)。
標題化合物を、中間体4−[N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)]−N−トリフルオロアセチル−アミノ−5−メチルイソオキサゾール(最大:17.25mmol)を用いて、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc=3:2)で精製すること以外は実施例6(b)の一般法に従って製造し、標題化合物(3.03g、67%)を得た。
1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:7.85(s,1H),4.89−4.75(m,1H),4.17−4.07(m,2H),3.54−3.44(m,2H),2.75−2.60(m,2H),2.56(s,3H),1.72−1.63(m,2H);MS(ES)m/z:263(M+1)。
【0113】
実施例9(b)
(2E)−3−ジメチルアミノ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−5−イル]プロパ−2−エン−1−オン
【化32】

標題化合物を、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)で精製すること以外は実施例7(c)の一般法に従って製造した。5−アセチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール(3.03g、11.55mmol)を用いて、標題化合物(3.2g、87%)を得た。
1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:7.72(d,J=12.3Hz,1H),7.49(s,1H),5.50(d,J=12.3Hz,1H),4.89−4.75(m,1H),4.14−4.05(m,2H),3.54−3.44(m,2H),3.16(br.s,3H),2.93(br.s,3H),2.86−2.72(m,2H),1.80−1.72(m,2H);MS(ES)m/z:318(M+1)。
【0114】
実施例9(c)
(2Z)−3−ジメチルアミノ−2−フルオロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−5−イル]プロパ−2−エン−1−オン
【化33】

セレクトフルオル(0.370g、1.04mmol)を小分けして、(2E)−3−ジメチルアミノ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−5−イル]プロパ−2−エン−1−オン(0.300g、0.946mmol)のMeCN(20mL)溶液に0℃で撹拌しつつ加えた。室温で0.5時間撹拌した後、更にセレクトフルオル(0.050g、0.14mmol)を加え、混合物を0.5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、3%アンモニア水溶液(20mL)で希釈し、CHCl3(3(20mL)で抽出した。有機抽出物を乾燥し(Na2SO4)、減圧下で蒸発させ、そして粗製の生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc=1:2、次いで100%のEtOAc)で精製し、標題化合物(0.170g、53%)を得た。
1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:7.34(s,1H),6.85(d,J=26.7Hz,1H),4.67−4.54(m,1H),4.114.03(m,2H),3.50−3.38(m,2H),3.14(s,6H),2.72−2.56(m,2H),1.83−1.74(m,2H);MS(ES)m/z:336(M+1)。
【0115】
実施例9(d)
5−フルオロ−4−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化34】

標題化合物を、(2Z)−3−ジメチルアミノ−2−フルオロ−1−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−2−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−5−イル]プロパ−2−エン−1−オン(0.330g、1.0mmol)及びグアニジン炭酸塩(0.45g、2.50mmol)を用いて、実施例7(e)の方法に従い製造した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc=1:2)で精製した後、標題化合物(0.170g、51%)を得た。
1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:8.29(s,1H),7.63(d,J=2.7Hz,1H),5.10(br.s.,2H),4.88−4.76(m,1H),4.164.07(m,2H),3.53−3.42(m,2H),2.80−2.65(m,2H),1.89−1.81(m,2H);MS(ES)m/z:332(M+1)。
【0116】
〔実施例10〕
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[6−(モルホリン−4−イルメチル)ピリジン−3−イル]ピリミジン−2−アミン
【化35】

5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン(実施例7で得られた)(50mg,180μmol)及び4−[(5−ブロモピリジン−2−イル)メチル]モルホリン(国際特許公開公報第200190072号に記載された)(46.4mg、80μmol)の無水ジオキサン(2.3mL)溶液に、アルゴンガスを10分間パージした。Pd2(dba)3(8.3mg、9μmol)、X−Phos(8.6mg、18μmol)及びCs2CO3(102mg、289μmol)を加え、アルゴンガスを5分間混合物中に泡立たせた後、90℃で72時間加熱した。混合物を冷却し、CH2Cl2で希釈し、珪藻土を通して濾過した。有機物を水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。粗製の生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/MeOH=20:1〜4:1)で精製し、残留物をCHCl3に溶解し、緊密に詰めたグラスウールを通して濾過し、濃縮して、標題化合物(33mg、40%)を得た。
1HNMR(400MHz,MeOD,298K)δ:8.75(d,1H),8.45(d,1H),8.11(dd,1H),7.47−7.43(m,2H),5.16(m,1H),3.94(m,2H),3.70(t,4H),3.61(s,2H),3.24(m,2H),2.63(s,3H),2.51(t,4H),2.37(m,2H),1.88(m,2H);MS(ES)m/z:454(M+1)。
【0117】
〔実施例11〕
5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−カルバルデヒド
【化36】

5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン(実施例7で得られた)(1.3g,4.7mmol)及び5−ブロモピリジン−2−カルバルデヒド(872mg、4.69mmol)の無水ジオキサン溶液(60mL)に、アルゴンガスを10分間パージした。Pd2(dba)3(258mg、281μmol)、X−Phos(268mg、562μmol)及びCs2CO3(2.9g、8.91mmol)を加え、アルゴンガスを5分間混合物中に泡立たせた後、90℃で68時間加熱した。混合物を冷却し、CH2Cl2で希釈し、珪藻土を通して濾過し、濃縮した。残留物をCHCl3に再溶解し、有機物を水で洗浄し、水相をCH2Cl2で逆洗した。合わせた有機物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。粗製の生成物を、5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン(1.1g、3.97mmol)、5−ブロモピリジン−2−カルバルデヒド(738mg、3.97mmol)、無水ジオキサン(51mL)、Pd2(dba)3(21mg、238μmol)、X−Phos(227mg、476μmol)及びCs2CO3(2.456g、7.54mmol)を用いて、使用した出発物質の量が異なること以外は同一の反応からの生成物と組みわせ、そして反応溶液を90℃で45時間加熱した。合わせた粗製の生成物をフラッシュゲルクロマトグラフィー(EtOAc/MeOH=50:1〜15:1)で精製し、残留物をEtOAc/ヘプタン中で粉砕し、標題化合物(1.293g、39%)を得た。
1HNMR(400MHz,DMSO−d6,298K)δ:10.33(s,1H),9.86(m,1H),9.04(d,1H),8.72(d,1H),8.32(dd,1H),7.91(d,1H),7.39(d,1H),5.01(m,1H),3.83(m,2H),3.15(m,2H),2.56(s,3H),2.20(m,2H),1.84(m,2H);MS(ES)m/z:383(M+1)。
【0118】
実施例12〜29
これらの実施例は、以下の手順に従って製造した:
5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−カルバルデヒド(実施例11で得られた)(50mg、130.8μmol)を、深いウエルプレートに加えた。各アミン(それぞれの実施例で順に示されている)(1.5当量)をその対応するウエルに加えた。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(約2〜3当量)のNMP(500μL)溶液を各ウエルに加えた。反応溶液を21℃で70時間撹拌した後、別の深いウエルプレートに移し、NMP(300μl)で希釈し、分取型クロマトグラフィーで精製した。
【0119】
収率は、分取型クロマトグラフィーでの精製後の塩及び溶媒の残留により概略値である;特に、100%の収率は、記載した最終生成物に加えて、試料中の塩又は溶媒の存在を示唆している。
【0120】
分取型クロマトグラフィーは、自動フラクションコレクター(Waters 2767)を組合せた自動サンプラー、グラジエントポンプ(Waters 2525)、再生ポンプ(Waters 600)、予備ポンプ(Waters 600)、Watersアクティブスプリッター、カラムスイッチ(Waters CFO)、PDA(Waters 2996)、及びWaters ZQマススペクトロメーターを備えたWaters Fraction Lynxシステムで実施した。カラム;XBridge(商標)分取型:C8:5μm OBD(商標):19×100mm;保護カラム付;XTerra(登録商標)分取型MS:C8:10μm:19×10mmカートリッジ付。100%A(0.1MのNH4OAcのMilliQ水溶液/MeCN=95%/5%)から100%B(100%:MeCN)への傾斜溶離を、流速:25ml/分で、LC分離に適用した。PDAを210〜350nm間で走査した。ZQマススペクトロメーターを、正モードでESIを用いて操作した。キャピラリー電圧は3kV、コーン電圧は30Vであった。混合したトリガーシグナル、UV及びMSシグナルにより、収集した画分を決定した。純度の分析は、PDA(Waters 2996)及びWaters ZQマススペクトロメータを備えたWaters Acquityシステムで実施した。カラム;Acquity UPLC(商標)BEH C8:1.7μm:2.1×50mm。カラム温度を65℃に設定した。100%A(0.1MのNH4OAcのMilliQ水溶液/MeCN=95%/5%)から100%B(0.1MのNH4OAcのMilliQ水溶液/MeCN=5%/95%)への2分間線形傾斜溶離を、流速:1.2mL/分で、LC分離に適用した。PDAを210〜350nmで走査し、254nmを純度分析に用いた。ZQマススペクトロメーターは、正イオン又は負イオン交換モードで操作するESIで行った。キャピラリー電圧は3kV、及びコーン電圧は30Vであった。
【0121】
〔実施例12〕
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[6−(ピペリジン−1−イルメチル)ピリジン−3−イル]ピリミジン−2−アミン
【化37】

アミン:ピペリジン;
収率(%):
保持時間(分):0.66;
1HNMR(400MHz,DMSO−d6,298K)δppm:9.64(s,1H),8.66(d,1H),8.58(d,1H),7.94(dd,1H),7.35(d,1H),7.32(d,1H),5.00(m,1H),3.79(dd,2H),3.47(s,2H),3.06(m,2H),2.35(m,4H),2.16(m,2H),1.76(m,2H),1.49(m,4H),1.39(m,2H);m/z:452(M+1)。
【0122】
〔実施例13〕
5−フルオロ−N−{6−[(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化38】

アミン:1−メチル−1,4−ジアゼパン;
収率(%):37;
保持時間(分):0.62;
1HNMR(400MHz,DMSO−d6,298K)δppm:9.63(s,1H),8.66(d,1H),8.58(d,1H),7.95(dd,1H),7.35(m,2H),5.00(m,1H),3.80(dd,2H),3.65(s,2H),3.08(m,2H),2.66(m,4H),2.56(m,2H,DMSOにより部分的に不明瞭),2.24(s,3H),2.16(m,2H),1.67−1.80(m,4H);m/z:481(M+1)。
【0123】
〔実施例14〕
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−{6−[(4−ピリミジン−2−イルピペラジン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}ピリミジン−2−アミン
【化39】

アミン:2−ピペラジン−1−イルピリミジン;
収率(%):60;
保持時間(分):0.82;
1HNMR(400MHz,DMSO−d6,298K)δppm:9.67(s,1H),8.70(d,1H),8.60(d,1H),8.35(d,2H),7.98(dd,1H),7.37(m,2H),6.61(t,1H),5.01(m,1H),3.81(dd,2H),3.73(m,4H),3.58(s,2H),3.07(m,2H),2.47(m,4H),2.16(m,2H),1.78(m,2H)m/z:531(M+1)。
【0124】
〔実施例15〕
5−フルオロ−N−(6−{[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]メチル}ピリジン−3−イル)−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化40】

アミン:(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン;
収率(%):100;
保持時間(分):0.70;
1HNMR(400MHz,DMSO−d6,298K)δppm:9.62(s,1H),8.66(d,1H),8.58(d,1H),7.93(dd,1H),7.35(d,1H),7.31(d,1H),5.00(m,1H),4.06(d,1H),3.79(dd,2H),3.47(d,1H),3.24(s,3H),3.06(m,2H),2.84(m,1H),2.75(m,1H),2.14−2.26(m,3H),1.85(m,2H),1.76(m,2H),1.63(m,2H),1.50(m,1H);m/z:482(M+1)。
【0125】
〔実施例16〕
N−{6−[(4−アセチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化41】

アミン:1−(1,4−ジアゼパン−1−イル)エタノン;
収率(%):61;
保持時間(分):0.68;
m/z509(M+1)。
【0126】
〔実施例17〕
N−{6−[(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)メチル]ピリジン−3−イル}−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化42】

アミン:2,6−ジメチルモルホリン;
収率(%):100;
保持時間(分):0.81;
m/z:482(M+1)。
【0127】
〔実施例18〕
N−{6−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化43】

アミン:4,4−ジフルオロピペリジン;
収率(%):77;
保持時間(分):0.90;
1HNMR(400MHz,DMSO−d6,298K)δppm:9.67(s,1H),8.69(d,1H),8.59(d,1H),7.97(dd,1H),7.34−7.35(m,2H),5.00(m,1H),3.80(dd,2H),3.60(s,2H),3.07(m,2H),2.16(m,2H),1.91−2.00(m,4H),1.76(m,2H);m/z:488(M+1)。
【0128】
〔実施例19〕
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[6−(ピロリジン−1−イルメチル)ピリジン−3−イル]ピリミジン−2−アミン
【化44】

アミン:ピロリジン;
収率(%):55;
保持時間(分):0.61;
1HNMR(400MHz,DMSO−d6,298K)δppm:9.63(s,1H),8.66(d,1H),8.58(d,1H),7.93(dd,1H),7.35(d,1H),7.32(d,1H),5.01(m,1H),3.79(dd,2H),3.63(s,2H),3.05(m,2H),2.46(m,4H),2.16(m,2H),1.76(m,2H),1.69(m,4H);m/z:438(M+1)。
【0129】
〔実施例20〕
N−[6−({[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]アミノ}メチル)ピリジン−3−イル]−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化45】

アミン:(6−クロロピリジン−3−イル)メタンアミン;
収率(%):50;
保持時間(分):0.79;
1HNMR(400MHz,DMSO−d6,298K)δppm:9.63(s,1H),8.68(d,1H),8.58(d,1H),8.36(d,1H),7.95(dd,1H),7.84(dd,1H),7.46(d,1H),7.34−7.37(m,2H),5.00(m,1H),3.80(dd,2H),3.72(m4H),3.06(m,2H),2.15(m,2H),1.76(m,2H);m/z:509(M+1)。
【0130】
〔実施例21〕
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[6−(1,4−オキサゼパン−4−イルメチル)ピリジン−3−イル]ピリミジン−2−アミン
【化46】

アミン:1,4−オキサゼパン
収率(%):39;
保持時間(分):0.68;
1HNMR(400MHz,DMSO−d6,298K)δppm:9.64(s,1H),8.67(d,1H),8.58(d,1H),7.96(dd,1H),7.34-7.38(m,2H),5.00(m,1H),3.80(dd,2H),3.68−3.71(m,4H),3.60(m,2H),3.08(m,2H),2.65(m,4H),2.16(m,2H),1.74−1.83(m,4H);m/z:468(M+1)。
【0131】
〔実施例22〕
5−フルオロ−N−{6−[(4−メトキシピペリジン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化47】

アミン:4−メトキシピペリジン;
収率(%):76;
保持時間(分):0.68;
1HNMR(400MHz,DMSO−d6,298K)δppm:9.64(s,1H),8.66(d,1H),8.58(d,1H),7.95(dd,1H),7.30−7.35(m,2H),5.00(m,1H),3.79(dd,2H),3.49(s,2H),3.21(s,3H),3.16(m,1H),3.05(m,2H),2.66(m,2H),2.09−2.21(m,4H),1.82(m,2H),1.76(m,2H),1.41(m,2H);m/z:482(M+1)。
【0132】
〔実施例23〕
(1−{[5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−イル]メチル}ピペリジン−3−イル)メタノール
【化48】

アミン:3−ピペリジルメタノール;
収率(%):60;
保持時間(分):0.62;
1HNMR(400MHz,DMSO−d6,298K)δppm:9.63(s,1H),8.66(d,1H),8.58(d,1H),7.94(dd,1H),7.35(d,1H),7.33(d,1H),4.99(m,1H),4.36(t,1H),3.80(dd,2H),3.49(dd,2H),3.15−3.27(m,2H),3.07(m,2H),2.84(m,1H),2.70−2.72(m,1H),2.53(s,3H),2.16(m,2H),1.95(m,1H),1.76(m,2H),1.57−1.70(m,4H),1.45(m,1H),0.88(m,1H);m/z:482(M+1)。
【0133】
〔実施例24〕
1−[3−({[5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−イル]メチル}アミノ)プロピル]ピロリジン−2−オン
【化49】

アミン:1−(3−アミノプロピル)ピロリジン−2−オン;
収率(%):72;
保持時間(分):0.61;
m/z509(M+1)。
【0134】
〔実施例25〕
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−{6−[(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}ピリミジン−2−アミン
【化50】

アミン:4−ピロリジン−1−イルピペリジン;
収率(%):53;
保持時間(分):0.64;
1HNMR(400MHz,DMSO−d6,298K)δppm:9.64(s,1H),8.66(d,1H),8.58(d,1H),7.95(dd,1H),7.35(d,1H),7.32(d,1H),5.00(m,1H),3.79(m,2H),3.48(s,2H),3.05(m,2H),2.78(m,2H),2.45(br.s.,4H),2.16(m,2H),1.92−2.03(m,3H),1.77(m,4H),1.65(br.s.,4H),1.39(m,2H);m/z:521(M+1)。
【0135】
〔実施例26〕
3−[{[5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−イル]メチル}(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)アミノ]プロパンニトリル
【化51】

アミン:3−(オキソラン−2−イルメチルアミノ)プロパンニトリル
収率(%):64;
保持時間(分): 0.86;
1HNMR(400MHz,DMSO−d6,298K)δppm:9.65(s,1H),8.69(d,1H),8.58(d,1H),7.97(dd,1H),7.41(d,1H),7.34(d,1H),5.00(m,1H),3.92(m,1H),3.78−3.84(m,3H),3.68−3.75(m,2H),3.60(m,1H),3.11(m,2H),2.76−2.88(m,2H),2.64−2.68(m,2H),2.56−2.58(m,2H),2.17(m,2H),1.84−1.92(m,1H),1.73−1.78(m,4H),1.42−1.51(m,1H);m/z:521(M+1)。
【0136】
〔実施例27〕
N−[6−(アゼチジン−1−イルメチル)ピリジン−3−イル]−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化52】

アミン:アゼチジン;
収率(%):44;
保持時間(分):0.59;
m/z424(M+1)。
【0137】
〔実施例28〕
N−(6−{[エチル(2−メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン−3−イル)−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化53】

アミン:N−(2−メトキシエチル)エタンアミン;
収率(%):46;
保持時間(分):0.71;
1HNMR(400MHz,DMSO−d6,298K)δppm:9.62(s,1H),8.66(d,1H),8.58(d,1H),7.94(dd,1H),7.34(s,1H),7.36(d,1H),5.00(m,1H),3.80(dd,2H),3.64(s,2H),3.41(t,2H),3.21(s,3H),3.08(m,2H),2.62(t,2H),2.16(m,2H),1.76(m,2H),0.98(t,3H);m/z:470(M+1)。
【0138】
〔実施例29〕
({[5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−イル]メチル}アミノ)アセトニトリル
【化54】

アミン:2−アミノアセトニトリル;
収率(%):42;
保持時間(分):0.67;
1HNMR(400MHz,DMSO−d6,298K)δppm:9.66(s,1H),8.70(d,1H),8.59(d,1H),7.96(dd,1H),7.31-7.35(m,2H),5.00(m,1H),3.79−3.83(m,4H),3.65(m,2H),3.06(m,2H),2.16(m,2H),1.76(m,2H);m/z:423(M+1)。
【0139】
〔実施例30〕
{5−フルオロ−4−[2−メチル−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−ピリミジン−2−イル}−イソキノリン−4−イル−アミン
【化55】

標題化合物を一般法Aに従い、5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン(実施例7で得られた)(50mg、0.18mmol)及び4−ブロモ−イソキノリン(37mg、0.18mmol)を用いて製造し、標題化合物を(11mg、15%)を得た。
1HNMR(CDCl3)δppm:9.08(s,1H)8.65(s,1H)8.41(d,J=3.03Hz,1H)8.14(d,J=7.83Hz,1H)8.06(d,J=8.34Hz,1H)7.77(m,1H)7.70(m,1H)7.43(m,1H)4.96(m,1H)3.63(m,2H)2.64(m,2H)2.49(s,3H)2.14−2.04(m,2H),1.39(m,2H);MS(ES)m/z:405(M+1)。
【0140】
〔実施例31〕
{5−フルオロ−4−[2−メチル−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−ピリミジン−2−イル}−ピリジン−4−イル−アミン
【化56】

標題化合物を一般法Aに従い、5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン(実施例7で得られた)(50mg、0.18mmol)及び4−ブロモピリジン(35mg、0.18mmol)を用いて製造し、標題化合物を(29mg、45%)を得た後、一般法Aで定義した塩酸塩に転換した。
1HNMR(CDCl3)δppm:8.44(m,2H)8.38(d,J=2.78Hz,1H)7.91(brs,1H)7.66(d,J=4.04Hz,1H)7.54(m,2H)5.10(m,1H)4.07(m,2H)3.33(m,2H)2.65(s,3H)2.50(m,2H)1.88(m,2H);MS(ES)m/z:355(M+1)。
【0141】
〔実施例32〕
2−ブロモ−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン
【化57】

トリメチルシリルブロミド(6.4mL、49mmol)を、5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン(1.5g、5.4mmol)のCH2Br2(60mL)溶液に、アルゴン雰囲気下で滴下しながら加え、次いでt−ブチルニトリル(12mL、100mmol)を加えた。反応溶液を室温で5時間撹拌した後、飽和のNaHCO3水溶液:H2O=1:1、100mL)を加えた。混合物を抽出し、水相をCH2Cl2(2×50mL)で洗浄した。有機相を合わせ、乾燥し、溶媒を減圧下で除去し、標題生成物(1.48g、80%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm:8.44(d,1H)7.83(d,1H)5.42−5.52(m,1H)4.18(dd,2H)3.52−3.63(m,2H)2.75(s,3H)2.35−2.49(m,2H)1.96−2.05(m,2H);MS(ESI)m/z:341/343(M+1)。
【0142】
〔実施例33〕
4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化58】

標題化合物を一般法Bに従い、2−ブロモ−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン(実施例32で得られた)(900mg、2.64mmol)及び4−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.1g、5.7mmol)を用いて製造し、標題化合物(560mg、46%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm:8.17(d,1H)7.51(d,1H)5.07−5.20(m,1H)4.98(d,1H)4.13(dd,2H)3.85−4.10(m,3H)3.41−3.50(m,2H)2.89(t,2H)2.63(s,3H)2.40−2.55(m,2H)1.99−2.08(m,2H)1.85−1.92(m,7H)1.46(s,9H)1.38−1.44(m,1H);MS(ESI)m/z:461(M+1)。
【0143】
〔実施例34〕
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリミジン−2−アミン
【化59】

標題化合物を一般法Bに従い、2−ブロモ−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン(実施例32で得られた)(40mg、0.117mmol)及びテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン・塩酸塩(32mg、0.234mmol)を用いて製造し、標題化合物(25mg、59%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm:8.18(d,1H)7.54(br.s.,1H)5.04(d,1H)4.15(dd,2H)3.97−4.04(m,2H)3.43−3.53(m,4H)2.61−2.67(m,3H)2.41−2.56(m,2H)2.01(s,3H)1.90(dd,2H)1.49−1.65(m,2H);MS(ESI)m/z:362(M+1)。
【0144】
〔実施例35〕
N−(1−アセチルピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化60】

標題化合物を一般法Cに従い、4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(実施例33で得られた)(54mg、0.117mmol)及びアセチルクロリド(8.5μL、0.117mmol)を用いて製造し、標題化合物(38mg、81%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm:8.17(d,1H)4.99−5.15(m,2H)4.48(d,1H)4.12(dd,2H)3.93−4.05(m,1H)3.76−3.85(m,1H)3.45(t,2H)3.12−3.23(m,1H)2.77−2.87(m,1H)2.62(s,3H)2.42−2.55(m,2H)2.10(s,3H)2.03−2.16(m,2H)1.84−1.91(m,2H)1.35−1.51(m,2H);MS(ESI)m/z:403(M+1)。
【0145】
〔実施例36〕
N−シクロヘキシル−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化61】

標題化合物を一般法Bに従い、2−ブロモ−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン(実施例32で得られた)(40mg、0.117mmol)及びシクロヘキシルアミン(27μL、0.24mmol)を用いて製造し、標題化合物(28mg、67%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm:8.15(d,1H)7.51(d,1H)5.20−5.33(m,1H)5.03−5.12(m,1H)4.14(dd,2H)3.43−3.54(m,2H)2.64(s,3H)2.37−2.51(m,2H)1.99−2.07(m,2H)1.88−1.96(m,2H)1.72−1.81(m,2H)1.58−1.68(m,1H)1.15−1.40(m,5H);MS(ESI)m/z:360(M+1)。
【0146】
〔実施例37〕
N−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化62】

標題化合物を一般法Bに従い、2−ブロモ−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン(実施例32で得られた)(40mg、0.117mmol)及び1−ベンジルピペリジン−4−アミン(50μL、0.25mmol)を用いて製造し、標題化合物(30mg、57%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm:8.16(d,1H)7.52(d,1H)7.25−7.37(m,5H)5.16−5.28(m,1H)5.01(d,1H)4.11(dd,2H)3.70−3.86(m,1H)3.56(s,2H)3.40−3.52(m,2H)2.87(d,2H)2.64(s,3H)2.37−2.53(m,2H)2.16(br.s.,2H)2.00−2.08(m,2H)1.85−1.93(m,2H)1.53−1.68(m,2H);MS(ESI)m/z:451(M+1)。
【0147】
〔実施例38〕
N−(1−ベンゾイルピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化63】

標題化合物を一般法Cに従い、4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(実施例33で得られた)(45mg、0.1mmol)及びベンゾイルクロリド(11.5μL、0.1 mmol)を用いて製造し、標題化合物(26mg、57%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm:8.18(d,1H)7.53(br.s.,1H)7.36−7.45(m,5H)5.04−5.17(m,2H)4.61(br.s.,1H)4.14(dd,2H)3.98−4.10(m,1H)3.78(br.s.,1H)3.40−3.53(m,2H)3.09(br.s.,2H)2.63(s,3H)2.42−2.56(m,2H)2.17(br.s.,2H)1.88(dd,2H)1.37−1.62(m,2H);MS(ESI)m/z:465(M+1)。
【0148】
〔実施例39〕
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[1−(フェニルアセチル)ピペリジン−4−イル]ピリミジン−2−アミン
【化64】

標題化合物を一般法Cに従い、4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(実施例33で得られた)(45mg、0.1mmol)及びフェニルアセチルクロリド(13μL、0.1mmol)を用いて製造し、標題化合物(27mg、58%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm:8.16(d,1H)7.52(d,1H)7.19−7.39(m,5H)4.93−5.03(m,1H)4.51(d,1H)4.12(dd,2H)3.80−4.01(m,2H)3.76(s,2H)3.44(t,2H)3.03−3.18(m,1H)2.80−2.92(m,1H)2.64(s,3H)2.39−2.55(m,2H)1.83−2.12(m,4H)1.33−1.49(m,1H)1.07−1.21(m,1H);MS(ESI)m/z:479(M+1)。
【0149】
〔実施例40〕
4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル
【化65】

標題化合物を一般法Cに従い、4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(実施例33で得られた)(45mg、0.1mmol)及びクロロギ酸ベンジル(14μL、0.1mmol)を用いて製造し、標題化合物(21mg、43%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm:8.18(d,1H)7.53(br.s.,1H)7.29−7.42(m,5H)4.98−5.20(m,4H)4.14(dd,4H)3.86−4.02(m,1H)3.38−3.54(m,2H)2.90−3.12(m,2H)2.64(s,3H)2.42−2.55(m,2H)2.00−2.11(m,2H)1.85−1.94(m,2H)1.45(d,2H);MS(ESI)m/z:495(M+1)。
【0150】
〔実施例41〕
5−フルオロ−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化66】

標題化合物を一般法Dに従い、4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(実施例33で得られた)(45mg、0.1mmol)及びメタンスルホニルクロリド(8μL、0.1mmol)を用いて製造し、標題化合物(20mg、47%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm:8.18(d,1H)7.53(d,1H)5.02−5.13(m,2H)4.13(dd,2H)3.87−3.98(m,1H)3.70−3.79(m,2H)3.41−3.51(m,2H)2.86−2.96(m,2H)2.81(s,3H)2.63(s,3H)2.44−2.57(m,2H)2.12−2.22(m,2H)1.88(dd,2H)1.60−1.73(m,2H);MS(ESI)m/z:439(M+1)。
【0151】
〔実施例42〕
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[1−(トリフルオロアセチル)ピペリジン−4−イル]ピリミジン−2−アミン
【化67】

標題化合物を、実施例41からの副生成物(10mg、22%)として単離した。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm:8.20(d,1H)7.56(d,1H)4.98−5.13(m,2H)4.45(d,1H)4.15(dd,2H)3.97−4.12(m,2H)3.47(t,2H)3.24−3.35(m,1H)2.99−3.10(m,1H)2.65(s,3H)2.46−2.59(m,2H)2.15−2.25(m,2H)1.85−1.93(m,2H)1.48−1.62(m,2H);MS(ESI)m/z:457(M+1)。
【0152】
〔実施例43〕
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[1−(フェニルスルホニル)ピペリジン−4−イル]ピリミジン−2−アミン
【化68】

標題化合物を一般法Dに従い、4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(実施例33で得られた)(45mg、0.1mmol)及びベンゼンスルホニルクロリド(12.5μL、0.1mmol)を用いて製造し、標題化合物(35mg、71%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm:8.12(d,1H)7.72−7.81(m,2H)7.60−7.68(m,1H)7.56(t,2H)7.50(d,2H)4.98−5.09(m,2H)3.94(d,2H)3.63−3.77(m,3H)3.34(t,2H)2.61(s,3H)2.45−2.55(m,2H)2.33−2.44(m,2H)2.06−2.15(m,2H)1.76−1.85(m,2H)1.58−1.72(m,2H);MS(ESI)m/z:501(M+1)。
【0153】
〔実施例44〕
N−[1−(ベンジルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン
【化69】

標題化合物を一般法Dに従い、4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(実施例33で得られた)(45mg、0.1mmol)及びフェニルメタンスルホニルクロリド(19mg、0.1mmol)を用いて製造し、標題化合物(28mg、56%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm:8.16(d,1H)7.51(d,1H)7.35−7.44(m,5H)5.00−5.13(m,1H)4.93(d,1H)4.24(s,2H)4.11(dd,2H)3.73−3.87(m,1H)3.61(d,2H)3.37−3.49(m,2H)2.68−2.77(m,2H)2.63(s,3H)2.40−2.54(m,2H)1.95−2.05(m,2H)1.82−1.90(m,2H)1.39−1.52(m,2H);MS(ESI)m/z:515(M+1)。
【0154】
医薬製剤
本発明の1つの態様によれば、グリコーゲン・シンターゼ・キナーゼ−3に関連する状態の予防及び/又は治療用に、遊離塩基としての式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を、本質的に純粋なそして単離した形態で含む医薬製剤が提供される。
【0155】
本発明に従って使用される製剤は、錠剤、丸薬、シロップ剤、粉末剤、顆粒剤又はカプセル剤など経口投与用、無菌溶液、懸濁液又は乳剤のような注射剤(静脈内、皮下、筋肉内又は持続注入を含む)用、軟膏剤、貼付剤又はクリーム剤のような局所投与用、坐薬のような直腸投与用及び体腔又は骨腔への局所投与用、に適切な形態にすることができる。
【0156】
製剤は、例えば、錠剤のような経口投与、無菌溶液又は懸濁液のような注射剤に適切な形態であってよい。一般的に、上記製剤は、製剤用の担体又は希釈剤を用いて通常の方法で製造することができる。
【0157】
ヒトを含む哺乳動物の治療における、遊離塩基としての式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩の好適な1日量は、経口投与では凡そ0.01から250mg/kg体重であり、また非経口投与では約0.001から250mg/kg体重である。有効成分の通常の1日量は広い範囲で変動し、関連する適応、投与経路、患者の年齢、体重及び性別など種々の因子に依存し、そして医師によって決定することができる。
【0158】
本質的に純粋で単離された形態の、遊離塩基としての式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、それ自体で使用してもよいが、通常はその有効成分が薬学的に許容される希釈剤、賦形剤又は不活性担体と一緒になった医薬製剤の形態で投与される。投与方法に依り、本医薬製剤は、全組成物に対して全て質量%で表して、0.05から99質量%、例えば、0.10から50質量%の有効成分を含むことができる。
【0159】
希釈剤又は担体としては、水、水性ポリ(エチレングリコール)、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖(ラクトースなど)、ペクチン、デキストリン、澱粉、トラガント、微結晶性セルロース、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム又はココアバターが挙げられる。
【0160】
本発明の製剤は、錠剤又は注射剤などの単位剤形であってよい。錠剤は、更に崩壊剤を含み、及び/又はコーティング(例えば、腸溶コーティング又はヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのコーティング剤により被覆)されてもよい。
【0161】
本発明は、上記の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤又は不活性担体と混合することを含む、本発明の医薬製剤の製造方法を更に提供する。
【0162】
本発明の医薬製剤の1例は、上記に定義した、遊離塩基としての式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び滅菌水、そして必要に応じて、最終製剤のpHを約4から6の範囲に、特に約5のおおよそのpHにするために塩基の水酸化ナトリウムか又は酸の塩酸、及び場合によって溶解補助用に界面活性剤を含む、注射剤である。適切な塩基は水酸化ナトリウムである。適切な酸は塩酸である。
【0163】
本発明に適合する有用な式(I)の化合物の好適な薬学的に許容される塩は、例えば、十分に塩基性の、例えば無機又は有機の酸である、酸付加塩である。加えて、本発明の薬学的に許容される好適な十分に酸性の塩は、生理的に許容されるカチオンを与えるアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又は有機塩基との塩である。
【0164】
医学的用途
本発明に定義される式(I)の化合物は、グリコーゲン・シンターゼ・キナーゼ−3(GSK3)を阻害するのに適切であることが見出されている。従って、本発明の化合物は、グリコーゲン・シンターゼ・キナーゼ−3活性に関連する状態の予防及び/又は治療に有用なことが期待され、即ち、該化合物は、そのような予防及び/又は治療を必要とするヒトを含む哺乳動物において、GSK3の阻害効果を生み出すために使用することができる。
【0165】
GSK3は、中枢及び末梢神経系並びに他の組織中に高度に発現する。従って、本発明の化合物は、中枢及び末梢神経系において、グリコーゲン・シンターゼ・キナーゼ−3に関連する状態の予防及び/又は治療に適切なことが期待される。特に、本発明の化合物は、認識力障害及び前認知症状態、特に、認知症、アルツハイマー病(AD)、統合失調症における認知障害(CDS)、軽度認識機能障害(MCI)、加齢記憶障害(AAMI)、加齢認識衰退(ARCD)及び認識機能障害非認知症(CIND)、神経原線維変化病変に関連する疾患、前頭側頭認知症(FTD)、前頭側頭認知症パーキンソン型(FTDP)、進行性核上麻痺(PSP)、ピック病、ニーマン−ピック病、大脳皮質基底核変性症、外傷性脳損傷(TBI)及びボクサー認知症に関連する状態の予防及び/又は治療に適切なことが期待される。
【0166】
本発明の1つの実施態様は、アルツハイマー病の予防及び/又は治療、特にアルツハイマー病の疾患進行の遅延における使用に関する。
【0167】
他の状態は、ダウン症候群、血管性認知症、パーキンソン病(PD)、脳炎後パーキンソン症候群、レーヴィ小体認知症、HIV認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動ニューロン疾患(MND)、クロイツフェルト−ヤコブ病及びプリオン病から成るグループから選択される。
【0168】
他の状態は、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)及び情動障害から成るグループから選択され、ここで、情動障害は、急性躁病を含む双極性障害、双極性欝病、双極性維持、欝病を含む大欝病性障害(MDD)、大欝病、気分安定化、統合失調症を含む統合失調性感情障害及び気分変調である。
【0169】
他の状態は、I型糖尿病、II型糖尿病、糖尿病性神経障害、脱毛症、炎症性疾患又は癌から成るグループから選択される。
【0170】
本発明の1つの実施態様は、哺乳動物における骨関連障害又は状態の予防及び/又は治療における、本発明に定義される式(I)の化合物の使用に関する。
【0171】
本発明の1つの態様は、骨粗鬆症の治療のための、本発明に定義される式(I)の化合物の使用に向けられる。
【0172】
本発明の1つの態様は、哺乳動物における骨形成を増加及び促進させるための、本発明に記載の式(I)の化合物の使用に向けられる。
【0173】
本発明の1つの態様は、哺乳動物における骨密度を増加させるための、本発明に定義される式(I)の化合物の使用に向けられる。
【0174】
本発明の別の態様は、哺乳動物における骨折の比率を低下させ及び/又は骨折治癒の比率を向上させるための、本発明に定義される式(I)の化合物の使用に向けられる。
【0175】
本発明の別の態様は、哺乳動物における海綿骨形成及び/又は新生骨形成を増加させるための、本発明に定義される式(I)の化合物の使用に向けられる。
【0176】
本発明の別の態様は、骨関連障害を予防及び/又は治療する方法であって、そのような予防及び/又は治療を必要とする哺乳動物に対して、本発明に定義される式(I)の化合物の治療的有効量を投与することを含む方法に向けられる。
【0177】
本発明の別の態様は、骨粗鬆症を予防及び/又は治療する方法であって、そのような予防及び/又は治療を必要とする哺乳動物に対して、本発明に定義される式(I)の化合物の治療的有効量を投与することを含む方法に向けられる。
【0178】
本発明の別の態様は、骨形成を増加させる方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に対して、本発明に定義される式(I)の化合物の治療的有効量を投与することを含む方法に向けられる。
【0179】
本発明の別の態様は、骨密度を増加させる方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に対して、本発明に定義される式(I)の化合物の治療的有効量を投与することを含む方法に向けられる。
【0180】
本発明の別の態様は、骨折の発生率を低下させる方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に対して、本発明に定義される式(I)の化合物の治療的有効量を投与することを含む方法に向けられる。
【0181】
本発明の別の態様は、骨折治癒を促進させる方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に対して、本発明に定義される式(I)の化合物の治療的有効量を投与することを含む方法に向けられる。
【0182】
本発明の別の態様は、該哺乳動物がヒトである該方法に向けられる。
【0183】
本発明の別の態様は、該哺乳動物が脊椎動物であるがそれに限定されない、好ましくは、ウマ、ラクダ、ヒトコブラクダなどの大型動物であるがそれらに限定されない、該方法に向けられる。
【0184】
GSK3阻害剤、即ち、前記に定義される式(I)の化合物を原発性及び続発性骨粗鬆症の治療において使用。ここで、原発性骨粗鬆症としては、閉経後骨粗鬆症及び男性と女性両者における老人性骨粗鬆症が挙げられ、また続発性骨粗鬆症としては、コルチゾン誘発骨粗鬆症が挙げられ、並びにその他の型の誘発性続発性骨粗鬆症も骨粗鬆症という用語に包含される。これに加えて、これらのGSK3阻害剤は、骨髄腫の治療にも使用される。これらのGSK3阻害剤は、これらの状態を治療するために、異なる処方レジメンで局所又は全身投与してもよい。
【0185】
骨形成の促進及び増加は、前記に定義される式(I)の化合物を、哺乳動物における骨折の発生を低減し、骨折の比率を低下し及び/又は骨折治癒の比率を増加し、また海綿骨及び/又は新生骨形成を増加するように適応させる。
【0186】
新生骨形成を促進し増加させるための使用は、外科手術に関連する可能性がある。本発明は外科手術の間に使用することができ、その場合、処置を担当する外科医は、本発明を適切な製剤処方で欠損骨近く及び/又は体腔内に局所的に適用する。例えば骨折した場合、本明細書に記載され特許請求されたような本発明の利用が、この場合開放骨折修復時に、骨折の部位に又は近傍に適用されるであろう。ある場合には骨片が欠落している(例えば、腫瘍摘除又は重大事故の後)可能性があり、本明細書に記載され特許請求されたような本発明の利用が、この場合構成的骨手術の部位近傍に適用されるであろう。
【0187】
本発明は、またグリコーゲン・シンターゼ・キナーゼ−3に関連する状態の予防及び/又は治療用の薬剤の製造における、本発明に定義される式(I)の化合物の使用に関する。
【0188】
本発明は、またグリコーゲン・シンターゼ・キナーゼ−3に関連する状態の予防及び/又は治療の方法であって、そのような予防及び/又は治療を必要とするヒトを含む哺乳動物に対して、本発明に定義される式(I)の化合物の治療的有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0189】
特定の疾患の治療的又は予防的治療に必要な用量は、治療される宿主、投与経路及び治療すべき疾病の重症度に応じて必ず変えられるであろう。
【0190】
家畜への使用では、異なった成分の量、剤形及び薬剤の用量は変動し、そして、例えば処置される個体の要求事項など種々の要因に依存すると考えられる。
【0191】
本明細書の文脈において、「治療」なる用語は、それとは別に特別な指示がない限り「予防」をも意味する。「治療的」及び「治療上」なる用語は、それに応じて解釈すべきである。
【0192】
本明細書の文脈において、「障害」なる用語は、それと反対に特別な指示がない限り「状態」をも含む。
【0193】
薬理学
シンチレーション近接GSK3βアッセイにおけるATP競合の測定
GSK3βシンチレーション近接アッセイ
透明底のマイクロタイタープレート(Wallac, Finland)にて10種の濃度の阻害剤について、二重に競合実験を実施した。ビオチン化ペプチド基質、ビオチン−Ala−Ala−Glu−Glu−Leu−Asp−Ser−Arg−Ala−Gly−Ser(PO32)−Pro−Gln−Leu(AstraZeneca, Lund)を、1mUの組換えヒトGSK3β(Dundee University, UK)、12mMのモルホリンプロパンスルホン酸(MOPS)、pH7.0、0.3mMのEDTA、0.01%のβ−メルカプトエタノール、0.004%のBrij 35(天然洗剤)、0.5%のグリセロール及び0.5μgのBSA/5μlを含有するアッセイ緩衝液に、1μMの最終濃度になるように添加した。反応は、1μMの最終濃度及び25μlの分析容積になるように、0.04μCi[γ−33P]ATP(Amersham, UK)及び非標識化ATPの添加により開始した。室温で20分間インキュベートした後、5mMのEDTA、50μMのATP、0.1%のTriton X-100及び0.25mgのストレプトアビジン被覆シンチレーション近接アッセイ(SPA)ビーズ(Amersham, UK)を含有する25μlの停止溶液の添加により各反応を終了させた。6時間後、放射活性を液体シンチレーションカウンター(1450 MicroBeta Trilux, Wallac)で測定した。阻害曲線をGraphPad Prism, USAを用いる非線形回帰により解析した。種々の化合物の阻害定数(Ki)を計算するために使用したGSK3βに対する、ATPのKm値は20μMであった。
【0194】
以下の略語が使用されている:
MOPS: モルホリンプロパンスルホン酸;
EDTA: エチレンジアミン四酢酸;
BSA: ウシ血清アルブミン;
ATP: アデノシン三リン酸;
SPA: シンチレーション近接アッセイ;
GSK3: グリコーゲン・シンターゼ・キナーゼ3。
【0195】
結果
本発明の化合物の標準Ki値は、約0.001から約10,000nMの範囲にある。Kiの他の値は、約0.001から約1000nMの範囲にある。Kiの更なる値は、約0.001nMから約300nMの範囲にある。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

の遊離塩基としての化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
式中、
Aは、ヘテロ環又は炭素環であり;該ヘテロ環又は炭素環は、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR1で置換され、かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、−R5−R7基で置換されてもよく、但し、該炭素環はフェニルではなく;
1は、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、スルファモイル、カルバモイル、C1-3アルキル、炭素環、ヘテロ環及び−R6−R7基から選択され、ここで、該C1-3アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のハロで置換され、かつ、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、Aと共に共役環系を形成し;
2は、ハロ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びシアノから選択され;
3は、メチル、C6アルキル、C6アルケニル、C6アルキニル、6員環の非芳香族炭素環及び6員環の非芳香族ヘテロ環から選択され、ここで、該C6アルキル、C6アルケニル、C6アルキニル、炭素環又はヘテロ環は、場合により、1つ又はそれ以上のハロ、シアノ、トリフルオロメトキシ、C1-3ハロアルキル又はC1-3アルキルで置換され;
4は、水素、C1-3アルキル、シアノ及びC1-3ハロアルキルから選択され、ここで、該C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のOR8で置換され;ここで、R8は、独立に、水素、C1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルから選択され;
5は、−C(O)N(R9)−、−S(O)Z−、−SO2N(R10)−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−及び(−CH2−)mから選択され;ここで、R9及びR10は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、そして、該C1-6アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のR19で置換され;かつ、mは0、1、2又は3であり、そしてzは1又は2であり;
6は、−O−、−N(R11)C(O)−、−C(O)N(R12)−、−S(O)r−、−SO2N(R13)−、−N(R14)SO2−、−(CH2pN(R15)−、−OSO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−N(R16)C(O)O−、−N(R17)C(O)N(R18)−及び(−CH2−)nから選択され;ここで、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、かつ、該C1-6アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のR19で置換され;nは0、1、2又は3であり、pは0、1、2又は3であり、そしてrは0、1又は2であり;
7は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、−C1-4アルキル炭素環、−C1-4アルキルヘテロ環、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、R7は、
場合により、1つ又はそれ以上のR20で置換されてもよく;かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、R21から選択される基で置換されてもよく;
19及びR20は、独立に、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、スルファモイル、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、C1-6アルカノイル、N−(C1-6アルキル)アミノ、N,N−(C1-6アルキル)2アミノ、C1-6アルカノイルアミノ、N−(C1-6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1-6アルキル)2カルバモイル、C1-6アルキルS(O)a、C1-6アルコキシカルボニル、N−(C1-6アルキル)スルファモイル、N,N−(C1-6アルキル)2スルファモイル、C1-6アルキルスルホニルアミノ、炭素環、ヘテロ環、炭素環C1-6アルキル−R22−、ヘテロ環C1-6アルキル−R23−、炭素環−R24−及びヘテロ環−R25−から選択され;ここで、aは0、1又は2であり;かつ、R19及びR20は、互いに独立に、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR26で置換され;そして該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、R27から選択される基で置換され;
22、R23、R24及びR25は、独立に、−O−、−N(R28)−、−C(O)−、−N(R29)C(O)−、−C(O)N(R30)−、−S(O)S−、−SO2N(R31)−及び−N(R32)SO2−から選択され;ここで、R28、R29、R30、R31及びR32は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、かつ、sは0、1又は2であり;
21及びR27は、独立に、C1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C1-6アルキルスルホニル、C1-6アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C1-6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1-6アルキル)カルバモイル、炭素環、ヘテロ環、−C1-6アルキル炭素環、−C1-6アルキルヘテロ環、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイル及びフェニルスルホニルから選択され;ここで、R21及びR27は、互いに独立に、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR33で置換され;そして、
26及びR33は、独立に、ハロ、ニトロ、シアノ、−C1-3アルキルヒドロキシ、−C1-3アルキルメトキシ、−C1-3アルキルエトキシ、−C1-3アルキルイソプロポキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、シクロプロピル、シクロブチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、アセチルアミノ、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メチル−N−エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N−メチル−N−エチルスルファモイル、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、ハロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ又はエチルで置換される。
【請求項2】
Aは、ヘテロ環又は炭素環であり;ここで、該ヘテロ環又は炭素環は、場合により、炭素上で、1つ又はそれ以上のR1で置換され、かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、−R5−R7で置換されてもよく、但し、該炭素環はフェニルではなく;
1は、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、スルファモイル、カルバモイル、C1-3アルキル、炭素環、ヘテロ環及び−R6−R7基から選択され、ここで、該C1-3アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のハロで置換され、かつ、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、Aと共に共役環を形成し;
2は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びシアノから選択され;
3は、メチル、C6アルキル、C6アルケニル、C6アルキニル、6員環の非芳香族炭素環及び6員環の非芳香族ヘテロ環から選択され、ここで、該C6アルキル、C6アルケニル、C6アルキニル、炭素環又はヘテロ環は、場合により、1つ又はそれ以上の、ハロ、シアノ、トリフルオロメトキシ、C1-3ハロアルキル又はC1-3アルキルから選択され;
4は、水素、C1-3アルキル、シアノ及びC1-3ハロアルキルから選択され、 ここで、該C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のOR8で置換され;ここで、R8は、独立に、水素、C1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルから選択され;
5は、−C(O)N(R9)−、−S(O)Z−、−SO2N(R10)−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−及び(−CH2−)mから選択され;ここで、R9及びR10は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、ここで、該C1-6アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のR19で置換され;mは0、1、2又は3であり、そしてzは1又は2であり;
6は、−O−、−N(R11)C(O)−、−C(O)N(R12)−、−S(O)r−、−SO2N(R13)−、−N(R14)SO2−、−(CH2pN(R15)−、−OSO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−N(R16)C(O)O−、−N(R17)C(O)N(R18)−及び(−CH2−)nから選択され;ここで、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、ここで、該C1-6アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のR19で置換され;nは0、1、2又は3であり、pは0、1、2又は3であり、そしてrは0、1又は2であり;
7は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、−C1-4アルキル炭素環、−C1-4アルキルヘテロ環、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、R7は、場合により、炭素上で、1つ又はそれ以上のR20で置換されてもよく;かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、R21から選択される基で置換され;
19及びR20は、独立に、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、C1-6アルカノイル、N−(C1-6アルキル)アミノ、N,N−(C1-6アルキル)2アミノ、C1-6アルカノイルアミノ、N−(C1-6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1-6アルキル)2カルバモイル、C1-6アルキルS(O)a、炭素環、ヘテロ環、炭素環C1-6アルキル−R22−、ヘテロ環C1-6アルキル−R23−、炭素環−R24−及びヘテロ環−R25−から選択され;ここで、aは、0、1又は2であり;かつ、R19及びR20は、互いに独立に、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR26で置換され;そして該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、R27から選択される基で置換され;
22、R23、R24及びR25は、独立に、−O−、−N(R28)−、−C(O)−、−N(R29)C(O)−、−C(O)N(R30)−、−S(O)S−、−SO2N(R31)−及び−N(R32)SO2−から選択され;ここで、R28、R29、R30、R31及びR32は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、そしてsは0、1又は2であり;
21及びR27は、独立に、C1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C1-6アルキルスルホニル、C1-6アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C1-6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1-6アルキル)カルバモイル、炭素環、ヘテロ環、−C1-6アルキル炭素環、−C1-6アルキルヘテロ環、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイル及びフェニルスルホニルから選択され;ここで、R21及びR27は、互いに独立に、場合により、炭素上で、1つ又はそれ以上のR33で置換され;そして
26及びR33は、独立に、ハロ、ニトロ、シアノ、−C1-3アルキルヒドロキシ、−C1-3アルキルメトキシ、−C1-3アルキルエトキシ、−C1-3アルキルイソプロポキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、シクロプロピル、シクロブチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニ、エトキシカルボニル、N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N−メチル−N−エチルスルファモイル、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、ハロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ又はエチルから選択される;
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aは、ヘテロ環又は炭素環であり;ここで、該ヘテロ環又は炭素環は、場合により、炭素上で、1つ又はそれ以上のR1で置換され、かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、−R5−R7で置換されてもよく、但し、該炭素環はフェニルではなく;
1は、C1-3アルキル、炭素環、ヘテロ環及び基−R6−R7から選択され、ここで、該C1-3アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のハロで置換され、かつ、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、Aと共に共役環系を形成し;
2は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びシアノから選択され;
3は、メチル、C6アルキル、6員環の非芳香族炭素環及び6員環の非芳香族ヘテロ環から選択され、ここで、該C6アルキル、炭素環又はヘテロ環は、場合により、1つ又はそれ以上のハロ、シアノ、トリフルオロメトキシ、C1-3ハロアルキル又はC1-3アルキルで置換され;
4は、水素、C1-3アルキル、シアノ及びC1-3ハロアルキルから選択され、ここで、該C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のOR8で置換され;ここで、R8は、独立に、水素、C1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルから選択され;
5は、−C(O)N(R9)−、−S(O)Z、−SO2N(R10)−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−及び(−CH2−)mから選択され;ここで、R9及びR10は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、ここで、該C1-6アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のR19で置換され;mは0、1、2又は3であり;そしてzは1又は2であり;
6は、−O−、−N(R11)C(O)−、−C(O)N(R12)−、−S(O)r−、−SO2N(R13)−、−N(R14)SO2−、−(CH2pN(R15)−、−OSO2−、−C(O)−、−C(O)O−、−N(R16)C(O)O−、−N(R17)C(O)N(R18)−及び(−CH2−)nから選択され;ここで、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、ここで、該C1-6アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のR19で置換され;nは0、1、2又は3であり、pは0、1、2又は3であり、そしてrは0、1又は2であり;
7は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、−C1-4アルキル炭素環、−C1-4アルキルヘテロ環、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、R7は、炭素上で、1つ又はそれ以上のR20で置換されてもよく;かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、R21から選択される基で置換されてもよく;
19及びR20は、独立に、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ、C1-6アルカノイル、N−(C1-6アルキル)アミノ、N,N−(C1-6アルキル)2アミノ、C1-6アルカノイルアミノ、N−(C1-6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1-6アルキル)2カルバモイル、炭素環、ヘテロ環、炭素環C1-6アルキル−R22−、ヘテロ環C1-6アルキル−R23−、炭素環−R24−及びヘテロ環−R25−から選択され; ここで、R19及びR20は、互いに独立に、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR26で置換され;かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、R27から選択される基で置換され;
22、R23、R24及びR25は、独立に、−O−、−N(R28)−、−C(O)−、−N(R29)C(O)−、−C(O)N(R30)−、−S(O)S−、−SO2N(R31)−及び−N(R32)SO2−から選択され;ここで、R28、R29、R30、R31及びR32は、独立に、水素又はC1-6アルキルから選択され、かつ、sは0、1又は2であり;
21及びR27は、独立に、C1-6アルキル、C1-6アルカノイル、C1-6アルコキシカル
ボニル、カルバモイル、N−(C1-6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1-6アルキル)カルバモイル、炭素環、ヘテロ環、−C1-6アルキル炭素環、−C1-6アルキルヘテロ環、ベンゾイル及びフェニルスルホニルから選択され;ここで、R21及びR27は、互いに独立に、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR33で置換され;そして
26及びR33は、独立に、ハロ、ニトロ、シアノ、−C1-3アルキルヒドロキシ、−C1-3アルキルメトキシ、−C1-3アルキルエトキシ、−C1-3アルキルイソプロポキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、シクロプロピル、シクロブチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N,N−ジエチルスルファモイル炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、ハロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ又はエチルで置換される;
請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
2がハロ又はシアノである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
2がハロである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
2がフルオロである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
3は、6員環の非芳香族炭素環又は6員環の非芳香族ヘテロ環から選択され、ここで、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、1つ又はそれ以上のハロ、シアノ、トリフルオロメトキシ、C1-3ハロアルキル又はC1-3アルキルで置換される;
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
3が非芳香族6員環のヘテロ環である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
3が3−テトラヒドロピラニル又は4−テトラヒドロピラニルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
3が4−テトラヒドロピラニルである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
4は、C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキルであり、ここで、該C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のOR8で置換され;ここで、R8は、独立に、水素、C1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルから選択される;
請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
4がC1-3アルキルである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
4がメチルである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
Aはヘテロ環であり;ここで、該ヘテロ環は、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR1で置換され、かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、−R5−R7で置換されてもよい;
請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
Aが、4−ピペリジニル、4−テトラヒドロピラニル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリミジニル、4−イソキノリニル又は2−ピリジルである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
Aは、非芳香族炭素環であり;ここで、該炭素環は、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR1で置換される;
請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
非芳香族炭素環がシクロヘキシルである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
1は、C1-3アルキルであり、ここで、該C1-3アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のハロで置換されても良い;
請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
1がメチルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
1が1つ又はそれ以上のハロで置換されたC1-3アルキルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
1がトリフルオロメチルである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
1が−R6−R7基から選択される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
6が、−O−、−(CH2pN(R15)−、−C(O)−、−C(O)O−、−N(R16)C(O)O−及び(−CH2−)nから選択される、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
6が、−O−、−(CH2pN(R15)−、−C(O)−及び(−CH2−)nから選択される、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
6が、(−CH2−)nであり、そしてnが0又は1である、請求項23又は24に記載の化合物。
【請求項26】
6が−(CH2pN(R15)−であり、そしてpが1である、請求項23又は24に記載の化合物。
【請求項27】
5は、−C(O)N(R9)−、−S(O)Z−、−C(O)−、−C(O)O−及び(−CH2−)mから選択され;ここで、mは0又は1であり、そしてzが2である;
請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
5は、−S(O)Z−、−C(O)−、−C(O)O−及び(−CH2−)mから選択され;ここで、mは0又は1であり、そしてzは2である;
請求項27記載の化合物。
【請求項29】
7は、水素、C1-6アルキル、−C1-4アルキル炭素環、−C1-4アルキルヘテロ環、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、R7は、炭素上で1つ又はそれ以上のR20で置換されてもよく;かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、R21から選択される基で置換されてもよい;
請求項23〜28のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
7は、C1-6アルキル、ヘテロ環又は炭素環であり;ここで、R7は、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR20で置換されてもよく;かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、R21から選択される基で置換されてもよい;
請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
7がC1-6アルキルである、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
7がメチルである、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
Aが無置換である、請求項14又は15に記載の化合物。
【請求項34】
Aは、ヘテロ環又は炭素環であり;ここで、該ヘテロ環又は炭素環は、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR1で置換され、かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、場合により、基−R5−R7で置換されてもよく、但し、該炭素環はフェニルではなく;
1は、C1-3アルキル、炭素環及び基−R6−R7から選択され、ここで、該C1-3アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のハロで置換され;
2は、ハロであり;
3は、6員環の非芳香族ヘテロ環であり;
4は、C1-3アルキルであり;
5は、−S(O)Z−、−C(O)−、−C(O)O−及び(−CH2−)mから選択され;ここで、mは0又は1であり、そしてzは2であり;
6は、−O−、−(CH2pN(R15)−、−C(O)−及び(−CH2−)nから選択され;ここで、R15は、水素又はC1-6アルキルから選択され、ここで、該C1-6アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のR19で置換され;nは0又は1であり、そしてpは1であり;
7は、水素、C1-6アルキル、−C1-4アルキル炭素環、−C1-4アルキルヘテロ環、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、R7は、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR20で置換されてもよく;かつ、該ヘテロ環が−NH−部分を含む場合、その窒素は、R21から選択される基で置換されてもよく;
19及びR20は、独立に、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、N−(C1-6アルキル)アミノ、N,N−(C1-6アルキル)2アミノ、炭素環及びヘテロ環から選択され;ここで、R19及びR20は、互いに独立に、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR26で置換され;
21は、C1-6アルカノイル又はヘテロ環であり;そして、
26は、ハロ、シアノ、−C1-3アルキルメトキシ、ヒドロキシ、メチル、ヘテロ環及びメトキシから選択され;ここで、該炭素環又はヘテロ環は、場合により、ハロで置換される;
請求項1に記載の化合物。
【請求項35】
2がフルオロである、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
3が4−テトラヒドロピラニルである、請求項34又は35に記載の化合物。
【請求項37】
4がメチルである、請求項34〜36のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項38】
Aは、ヘテロ環であり、ここで、該ヘテロ環は、場合により、炭素上で1つ又はそれ以上のR1で置換され;
1は、C1-3アルキル又は基−R6−R7であり、ここで、該C1-3アルキルは、場合により、1つ又はそれ以上のハロで置換されてもよく;
2はハロであり;
3は、6員環の非芳香族ヘテロ環であり;
4は、C1-3アルキルであり;
6は、−O−又は−C(O)−であり;そして
7は、C1-6アルキルである;
請求項1記載の化合物。
【請求項39】
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−ピリミジン−5−イルピリミジン−2−アミン;
1−[5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−3−イル]エタノン;
5−フルオロ−N−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−N−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−N−(4−メトキシピリジン−2−イル)−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[6−(モルホリン−4−イルメチル)ピリジン−3−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[6−(ピペリジン−1−イルメチル)ピリジン−3−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−N−{6−[(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−{6−[(4−ピリミジン−2−イルピペラジン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−N−(6−{[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]メチル}ピリジン−3−イル)−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−{6−[(4−アセチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−{6−[(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)メチル]ピリジン−3−イル}−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−{6−[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[6−(ピロリジン−1−イルメチル)ピリジン−3−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−[6−({[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]アミノ}メチル)ピリジン−3−イル]−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[6−(1,4−オキサゼパン−4−イルメチル)ピリジン−3−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−N−{6−[(4−メトキシピペリジン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
(1−{[5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−イル]メチル}ピペリジン−3−イル)メタノール;
1−[3−({[5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−イル]メチル}アミノ)プロピル]ピロリジン−2−オン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−{6−[(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)メチル]ピリジン−3−イル}ピリミジン−2−アミン;
3−[{[5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−イル]メチル}(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)アミノ]プロパンニトリル;
N−[6−(アゼチジン−1−イルメチル)ピリジン−3−イル]−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−(6−{[エチル(2−メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン−3−イル)−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
({[5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−イル]メチル}アミノ)アセトニトリル;
{5−フルオロ−4−[2−メチル−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−ピリミジン−2−イル}−イソキノリン−4−イル−アミン;
{5−フルオロ−4−[2−メチル−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−ピリミジン−2−イル}−ピリジン−4−イル−アミン;
4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリミジン−2−アミン;
N−(1−アセチルピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−シクロヘキシル−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−(1−ベンゾイルピペリジン−4−イル)−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[1−(フェニルアセチル)ピペリジン−4−イル]ピリミジン−2−アミン;
4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル;
5−フルオロ−N−[1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[1−(フェニルスルホニル)ピペリジン−4−イル]ピリミジン−2−アミン;
N−[1−(ベンジルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−アミン;及び
5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[1−(トリフルオロアセチル)ピペリジン−4−イル]ピリミジン−2−アミン;
から選択される遊離塩基としての化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項40】
有効成分として請求項1〜39のいずれか1項に記載の化合物の治療的有効量を、薬学的に許容される賦形剤、担体又は希釈剤と共に含む医薬製剤。
【請求項41】
治療に使用するための、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物。
【請求項42】
グリコーゲン・シンターゼ・キナーゼ−3に関連する状態の予防及び/又は治療用の薬剤の製造における、請求項1〜39のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項43】
認識力障害の予防及び/又は治療用の薬剤の製造における、請求項1〜39のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項44】
認識力障害が、認知症、統合失調症における認知障害(CDS)、軽度認識機能障害(MCI)、加齢記憶障害(AAMI)、加齢認識衰退(ARCD)又は認識機能障害非認知症(CIND)である、請求項43に記載の使用。
【請求項45】
疾患が統合失調症における認知障害である、請求項44に記載の使用。
【請求項46】
認知症が神経原線維変化の病変に関わる、請求項44に記載の使用。
【請求項47】
認知症が、前頭側頭認知症(FTD)、前頭側頭認知症パーキンソン型(FTDP)、進行性核上麻痺(PSP)、ピック病、ニーマン−ピック病、大脳皮質基底核変性症、外傷性脳損傷(TBI)又はボクサー認知症である、請求項44に記載の使用。
【請求項48】
認知症が、アルツハイマー病(AD)、ダウン症候群、血管性認知症、パーキンソン病(PD)、脳炎後パーキンソン症候群、レーヴィ小体認知症、HIV認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動ニューロン疾患(MND)、クロイツフェルト−ヤコブ病又はプリオン病である、請求項44に記載の使用。
【請求項49】
認知症がアルツハイマー病である、請求項48に記載の使用。
【請求項50】
使用がアルツハイマー病の疾患進行の遅延におけるものである、請求項48に記載の使用。
【請求項51】
注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)又は情動障害の予防及び/又は治療用の薬剤の製造における、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の使用。
【請求項52】
情動障害が、急性躁病を含む双極性障害、双極性欝病、双極性維持、欝病を含む大欝病性障害(MDD)、大欝病、気分安定化、統合失調症を含む統合失調性感情障害又は気分変調である、請求項51に記載の使用。
【請求項53】
I型糖尿病、II型糖尿病、糖尿病性神経障害、脱毛症、炎症性疾患又は癌の予防及び/又は治療用の薬剤の製造における、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の使用。
【請求項54】
哺乳動物における骨関連障害又は状態の予防及び/又は治療用の薬剤の製造における、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の使用。
【請求項55】
哺乳動物における骨粗鬆症の予防及び/又は治療用の薬剤の製造における、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の使用。
【請求項56】
哺乳動物における骨形成を増加させる薬剤の製造における、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の使用。
【請求項57】
哺乳動物における海綿骨形成及び/又は新生骨形成を増加させる薬剤の製造における、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の使用。
【請求項58】
哺乳動物における骨密度を増加させる薬剤の製造における、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の使用。
【請求項59】
哺乳動物における骨折の発生率を低下させる薬剤の製造における、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の使用。
【請求項60】
哺乳動物における骨折治癒を促進させる薬剤の製造における、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の使用。
【請求項61】
哺乳動物がヒトである、請求項43〜60のいずれか1項に記載の使用。
【請求項62】
グリコーゲン・シンターゼ・キナーゼ−3に関連する状態の予防及び/又は治療の方法であって、そのような予防及び/又は治療を必要とするヒトを含む哺乳動物に、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の塩の治療的有効量を投与することを含む方法。
【請求項63】
認識力障害の予防及び/又は治療の方法であって、そのような予防及び/又は治療を必要とするヒトを含む哺乳動物に、請求項1〜39のいずれか1項に定義される塩化合物の治療的有効量を投与することを含む方法。
【請求項64】
認識力障害が、認知症、統合失調症における認知障害(CDS)、軽度認識機能障害(MCI)、加齢記憶障害(AAMI)、加齢認識衰退(ARCD)又は認識機能障害非認知症(CIND)である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
疾患が統合失調症における認知障害である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
認知症が神経原線維変化の病変に関わる、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
認知症が、前頭側頭認知症(FTD)、前頭側頭認知症パーキンソン型(FTDP)、進行性核上麻痺(PSP)、ピック病、ニーマン−ピック病、大脳皮質基底核変性症、外傷性脳損傷(TBI)又はボクサー認知症である、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
認知症が、アルツハイマー病(AD)、ダウン症候群、血管性認知症、パーキンソン病(PD)、脳炎後パーキンソン症候群、レーヴィ小体認知症、HIV認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動ニューロン疾患(MND)、クロイツフェルト−ヤコブ病又はプリオン病である、請求項64に記載の方法。
【請求項69】
認知症がアルツハイマー病である、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
治療がアルツハイマー病の疾患進行の遅延におけるものである、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)又は情動障害の予防及び/又は治療の方法であって、そのような予防及び/又は治療を必要とするヒトを含む哺乳動物に、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の塩の治療的有効量を投与することを含む方法。
【請求項72】
情動障害が、急性躁病を含む双極性障害、双極性欝病、双極性維持、欝病を含む大欝病性障害(MDD)、大欝病、気分安定化、統合失調症を含む統合失調性感情障害又は気分変調である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
I型糖尿病、II型糖尿病、糖尿病性神経障害、脱毛症、炎症性疾患又は癌の予防及び/又は治療の方法であって、そのような予防及び/又は治療を必要とするヒトを含む哺乳動物に、請求項1〜39のいずれか1項に定義される塩化合物の治療的有効量を投与することを含む方法。
【請求項74】
骨関連障害又は状態の予防及び/又は治療の方法であって、そのような予防及び/又は治療を必要とする哺乳動物に、請求項1〜39のいずれか1項に定義される塩化合物の治療的有効量を投与することを含む方法。
【請求項75】
骨粗鬆症の予防及び/又は治療の方法であって、そのような予防及び/又は治療を必要とする哺乳動物に、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の治療的有効量を投与することを含む方法。
【請求項76】
骨形成を増加させる方法であって、そのような予防及び/又は治療を必要とする哺乳動物に、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の治療的有効量を投与することを含む方法。
【請求項77】
海綿骨形成及び/又は新生骨形成を増加させる方法であって、そのような予防及び/又は治療を必要とする哺乳動物に、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の治療的有効量を投与することを含む方法。
【請求項78】
骨密度を増加させる方法であって、そのような予防及び/又は治療を必要とする哺乳動物に、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の治療的有効量を投与することを含む方法。
【請求項79】
骨折の発生率を低下させる方法であって、そのような予防及び/又は治療を必要とする哺乳動物に、請求項1〜39のいずれか1項に記載の化合物の治療的有効量を投与することを含む方法。
【請求項80】
骨折治癒を促進させる方法であって、そのような予防及び/又は治療を必要とする哺乳動物に、請求項1〜39のいずれか1項に定義される化合物の治療的有効量を投与することを含む方法。
【請求項81】
哺乳動物がヒトである、請求項61〜79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは生体内で加水分解可能なエステルの製造方法であって、
a)式(II):
【化2】

(II)

のピリミジンを、式(III):
【化3】

の化合物と反応させ、ここで、
1、R2、R3、R4及びAは、特に指示のない限り、請求項1に定義した通りであり;
Aは、芳香族の単環又は二環のヘテロ環を含み;
Yは、置換可能な基であり;
その後、場合により:
b)式(I)の化合物を式(I)の別の化合物に転換し;
c)いずれの保護基も脱離し;そして
d)薬学的に許容される塩又は生体内で加水分解可能なエステルを形成させる;
工程を含む方法。
【請求項83】
5−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−カルバルデヒド;及び
2−ブロモ−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−イミダゾール−5−イル]ピリミジン;
から選択される化合物。
【請求項84】
請求項1に定義した化合物の製造方法における、請求項83に定義した化合物の使用。

【公表番号】特表2009−542639(P2009−542639A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518045(P2009−518045)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【国際出願番号】PCT/SE2007/000621
【国際公開番号】WO2008/002245
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】