説明

ケーシング方法およびケーシングシステム

【課題】 上面4N角形(Nは2以上の整数を表す)の包装箱の中に内容物を確実に収納し、確実な梱包ができ、かつ成形不良包装箱を確実に検出することができるケーシング方法およびケーシングシステムを提供する。
【解決手段】 ラップアラウンド式の包装箱を組み立てるとともに容器を収納するケーシング方法であって、該ケーシング方法が組み立ての対象とする包装箱は、上面4N角形の形態を備え、内フラップと胴部とが接続する箇所において折り曲げ連接側片が介在されてなる包装箱であり、該ケーシング方法は、前記折り曲げ連接側片による面取り形状が正常の状態に形成されているか否かの判定をする面取り形状判定工程を有してなるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上面板、底面板、およびこれらを連結する側面板を有して形成される帯状の胴部、ならびに内フラップおよび外フラップを備えてなるラップアラウンド式の包装箱で、しかも上面から見た形態が4N角形(Nは2以上の整数を表す)の形態を備えてなる包装箱を組み立てるとともに包装箱中に容器を収納させるケーシング方法およびケーシングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるラップアラウンド式の包装箱による容器の包装の一例は、以下の要領で行われる。すなわち、一対の側面板を立てるように折込み、片側の内フラップを先に折り込んだ後に、容器を挿入し、しかる後、他の片側の内フラップを折り込んだ後に上面板および外フラップを閉じることにより、容器が収納された包装箱が完成される。
【0003】
また、上面板、底面板、およびこれらを連結する側面板を有して形成される帯状の胴部で容器を包み込むように収納した後、その開口したままになっている胴部両端部をそれぞれ一対の内フラップおよび外フラップで順次塞ぐことにより、容器が収納された包装箱を完成させる方法もあり、その組み立て手順のバリエーションはいくつも存在する。ちなみに、前者の方法が本願発明に近い方法である。
【0004】
このようにして形成される包装箱は、上面からみると4角形形態をした直方体形態のラップアラウンドカートンが一般的である。しかしながら、箱内部に包装される内容物を缶ビール等の筒状容器とした場合には、コーナー部(角部)のスペースはいわゆるデッドスペースとなるため不要とも考えられ、さらにはハンドリング性の向上を図るためにカートンの4つのコーナー部をそれぞれ無くした上面8角形のラップアラウンドカートンも存在する。
【0005】
しかしながら、このような上面8角形のラップアラウンドカートンは極めて特異な箱形態であるため、展開された平板状のダンボールを自動組み立てしながら自動梱包することが非常に困難と言える。
【0006】
特に、組み立て対象となっている箱体がコーナーが切り取られた特殊な形態をなしている(8角形を形成している部分)ために、そのコーナー部分の形態を安定して維持させることが困難で、ケーシング工程において次のような不都合が発生することがある。
【0007】
まず、第1に、搬送ラインの片側端から容器をフィードする際のコーナー部分の形状の崩れの発生である。すなわち、カートンの一対の側面板を立てるように折込み、片側の内フラップを先に閉じてコーナー部分を形成した後に、未だ閉じていない反対側の開口部から容器を挿入する際に、挿入する容器とカートンの底面板や側面板等の摩擦により挿入方向にカートンの底面板の位置ずれが生じ、せっかく保持形成されていたコーナー部分の形状が崩されてしまうことがある。
【0008】
第2に、容器のフィードが完了し、フィード側に位置する内フラップを閉じ、次の例えば糊付け工程まで移動搬送させる際のコーナー部分の形状の崩れの発生である。すなわち、フィード側に位置する内フラップは閉じられた状態でガイドにより成形または押圧されつつ搬送されているが、ガイドによる形態固定方法は絶対的なものではなく、搬送中に内フラップが開こうとする復元力等により、コーナー部分の形状が崩れてしまうことがある。ただし、変形8角形カートンにおいて、第2の問題点よりは、上記第1の問題点の方が深刻であると言える。
【0009】
【特許文献1】特開2001−48123号公報
【特許文献2】特開2001−48117号公報
【特許文献3】特開平9−12015号公報
【特許文献4】特開平11−11430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような実状のもとに本発明は創案されたものであり、その目的は、上記の問題点を解決し、特に、コーナーが切り取られたような特殊な形態をなしている上面4N角形(この場合、Nは2以上の整数を表す)の包装箱の中に容器を確実に収納し、確実な梱包ができ、かつ成形不良包装箱を確実に検出できるケーシング方法およびケーシングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明は、上面板、底面板、およびこれらを連結する側面板を有して形成される帯状の胴部、ならびに内フラップおよび外フラップを備えてなるラップアラウンド式の包装箱を組み立てるとともに容器を収納するケーシング方法であって、該ケーシング方法が組み立ての対象とする包装箱は、上面4N角形(Nは2以上の整数を表す)の形態を備え、内フラップと胴部とが接続する箇所において折り曲げ連接側片が介在されてなる包装箱であり、該ケーシング方法は、展開状態の包装箱カートンを搬送ラインの搬送路にセットするセッティング工程と、搬送路の搬送方向に沿った一方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第1の内フラップ折込工程と、前記一方の端部側に位置する底面板側の外フラップを位置規制しつつ搬送させ、箱形態を保ったまま、搬送ラインの他方の端部側から容器をフィードして箱内部に納めるための箱形態保持・フィード工程と、搬送ラインの他方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第2の内フラップ折込工程と、搬送ラインの両端部に位置する外フラップを、内フラップに被せるように折り曲げる外フラップ折込工程と、前記折り曲げ連接側片による面取り形状が正常の状態に形成されているか否かの判定をする面取り形状判定工程と、を有するように構成される。
【0012】
本発明の好ましい態様として、前記面取り形状判定工程は、4つのコーナーにそれぞれ配置された検知手段の検知タイミングを図ることによって行なわれる。
【0013】
本発明の好ましい態様として、前記面取り形状判定工程において、4つのコーナーにそれぞれ配置された検知手段は光センサーであり、当該光センサー検知に際して、その検知方向が折り曲げ連接側片の面方向と実質的に同一方向となるように配置される。
【0014】
本発明の好ましい態様として、前記箱形態保持・フィード工程において、搬送ラインの一方の端部側に位置するとともに、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップをホールドしつつ搬送させることにより、底面板の位置ずれ移動を防止しつつ折り曲げ連接側片による面取り形状を維持した状態で、搬送ラインの他方の端部側から容器がフィードされて箱内部に納められてなるように構成される。
【0015】
本発明の好ましい態様として、前記箱形態保持・フィード工程において、搬送ラインの一方の端部側に位置するとともに、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップの最外端面およびその周辺の上下面をガイドに当接させながら位置規制を行なうように構成される。
【0016】
本発明の好ましい態様として、前記搬送ラインの搬送路にセットするセッティング工程において、一対の側面板を立設させるとともに、内フラップの折込を阻害しないように搬送路からはみ出している底面板側の外フラップを、搬送路面よりも下方に折り曲げてなるように構成される。
【0017】
本発明の好ましい態様として、前記第2の内フラップ折込工程に続き、搬送ラインの他方の端部側でかつ底面板側に位置し、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップを搬送路面よりも上側に急角度で折り曲げることによって、この折り曲げられた外フラップの折り線部分で内フラップ位置を固定して、折り曲げ連接側片による面取り形状を維持したままの状態で搬送するための最終箱形態保持工程をさらに付加するように構成される。
【0018】
本発明の好ましい態様として、前記搬送路面よりも上側に折り曲げられた急角度が、搬送路面に相当する底面板の位置から10〜70度の設定角度であるように構成される。
【0019】
また、本発明は、上面板、底面板、およびこれらを連結する側面板を有して形成される帯状の胴部、ならびに内フラップおよび外フラップを備えてなるラップアラウンド式の包装箱を組み立てるとともに容器を収納するケーシング方法であって、該ケーシング方法が組み立ての対象とする包装箱は、上面4N角形(Nは2以上の整数を表す)の形態を備え、内フラップと胴部とが接続する箇所において折り曲げ連接側片が介在されてなる包装箱であり、該ケーシング方法は、展開状態の包装箱カートンを搬送ラインの搬送路にセットするセッティング工程と、搬送路の搬送方向に沿った一方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第1の内フラップ折込工程と、搬送ラインの他方の端部側でかつ底面板側に位置し、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップを搬送路面よりも下側に80度以上の急角度で折り曲げて箱形態を保ったまま、搬送ラインの他方の端部側から容器をフィードして箱内部に納めるための箱形態保持・フィード工程と、搬送ラインの他方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第2の内フラップ折込工程と、搬送ラインの両端部に位置する外フラップを、内フラップに被せるように折り曲げる外フラップ折込工程と、前記折り曲げ連接側片による面取り形状が正常の状態に形成されているか否かの判定をする面取り形状判定工程と、を有するように構成される。
【0020】
また、本発明は、上面板、底面板、およびこれらを連結する側面板を有して形成される帯状の胴部、ならびに内フラップおよび外フラップを備えてなるラップアラウンド式の包装箱を組み立てるとともに容器を収納するためのケーシングシステムであって、該ケーシングシステムが組み立ての対象とする包装箱は、上面4N角形(Nは1以上の整数を表す)形態を備え、内フラップと胴部とが接続する箇所において折り曲げ連接側片が介在されてなる包装箱であり、該ケーシングシステムは、展開状態の包装箱カートンを搬送ラインの搬送路にセットするセッティング機構部と、搬送路の搬送方向に沿った一方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第1の内フラップ折込機構部と、前記一方の端部側に位置する底面板側の外フラップを位置規制しつつ搬送させ、箱形態を保ったまま、搬送ラインの他方の端部側から容器をフィードして箱内部に納めるための箱形態保持・フィード機構部と、搬送ラインの他方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第2の内フラップ折込機構部と、搬送ラインの両端部に位置する外フラップを、内フラップに被せるように折り曲げる外フラップ折込機構部と、前記折り曲げ連接側片による面取り形状が正常の状態に形成されているか否かの判定をする面取り形状判定機構部と、を有するように構成される。
【0021】
本発明のケーシングシステムの好ましい態様として、前記面取り形状判定機構部は、面取り形状形成判定手段を備え、該面取り形状形成判定手段は、下流側後方の角部の第1の折り曲げ連接側片を検知する第1の検知手段と、下流側前方の角部の第2の折り曲げ連接側片を検知する第2の検知手段と、上流側後方の角部の第3の折り曲げ連接側片を検知する第3の検知手段と、上流側前方の角部の第4の折り曲げ連接側片を検知する第4の検知手段とを備え、前記第1の検知手段と前記第3の検知手段の検知信号から第1の折り曲げ連接側片および/または第3の折り曲げ連接側片の成形不良が検知できるとともに、前記第2の検知手段と前記第4の検知手段の検知信号から第2の折り曲げ連接側片および/または第4の折り曲げ連接側片の成形不良を検知できるように検知タイミングが設定されてなるように構成される。
【0022】
本発明のケーシングシステムの好ましい態様として、前記第1の検知手段、第2の検知手段、第3の検知手段、および第4の検知手段は、光センサーであり、それぞれ、光センサー検知に際して、その検知方向が折り曲げ連接側片の面方向と実質的に同一方向となるように配置されてなるように構成される。
【0023】
また、本発明は、上面板、底面板、およびこれらを連結する側面板を有して形成される帯状の胴部、ならびに内フラップおよび外フラップを備えてなるラップアラウンド式の包装箱を組み立てるとともに容器を収納するためのケーシングシステムであって、該ケーシングシステムが組み立ての対象とする包装箱は、上面4N角形(Nは2以上の整数を表す)の形態を備え、内フラップと胴部とが接続する箇所において折り曲げ連接側片が介在されてなる包装箱であり、該ケーシングシステムは、展開状態の包装箱カートンを搬送ラインの搬送路にセットするセッティング機構部と、搬送路の搬送方向に沿った一方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第1の内フラップ折込機構部と、搬送ラインの他方の端部側でかつ底面板側に位置し、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップを搬送路面よりも下側に80度以上の急角度で折り曲げて箱形態を保ったまま、搬送ラインの他方の端部側から容器をフィードして箱内部に納めるための箱形態保持・フィード機構部と、搬送ラインの他方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第2の内フラップ折込機構部と、搬送ラインの両端部に位置する外フラップを、内フラップに被せるように折り曲げる外フラップ折込機構部と、前記折り曲げ連接側片による面取り形状が正常の状態に形成されているか否かの判定をする面取り形状判定機構部と、を有するように構成される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、特に、コーナーが切り取られたような特殊な形態をなしている上面4N角形(この場合、Nは2以上の整数を表す)の包装箱であっても、この包装箱の中に容器を確実に収納でき、かつ不良率の少ない確実な梱包ができ、なおかつ、成形不良包装箱を確実に検出できるという極めて優れた効果が発現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明におけるケーシング方法およびケーシングシステムの具体的実施の形態の説明をする前に、本願発明の組み立ての対象となる包装箱の説明を行なう。
【0026】
〔組み立て対象となる包装箱の説明〕
図1は、本発明の組み立ての対象となる包装箱1の展開された好適な一例(展開状態の包装箱カートン)を示したものである。
【0027】
本発明に適用される包装箱1の形態は、図1に示されるごとく、複数枚(本実施の形態では4枚)の板体11,21,15,25が連なって形成される帯状の胴部を備えており、例えば、この胴部で容器(缶ビールなどの缶製品群)を包み込むように収納した後、糊代片9で帯状の胴部を筒状に一体固着することにより筒状の胴部を形成することができるようになっている。
【0028】
また、図1に示される折り目線61,65,81,85から4つの折り曲げ連接側片38(略長方形形状)が内側に折り込まれ、さらに折り目線62,66,82,86から4つの内フラップ31,31,35,35が内側に折り込まれるようになっている。
【0029】
そして、通常、この折り込まれた4つの内フラップ31,31,35,35の外面の所定位置に糊付けがなされ、この糊付け面に向けて、折り目線71,75,91,95から4つの外フラップ41,41,45,45を折り込むことによって、包装箱の形態を完成することができるようになっている。この状態は、いわゆる出荷箱に相当する。
【0030】
包装箱の形態についてさらに詳細に説明する。
本発明で用いられる包装箱において、上面板25の胴部を構成する側には、対向する一対の側面板11,15が連接して形成されており、上面板25の開口側の両端部にはそれぞれ上面側の外フラップ45,45が連接して形成されている。
【0031】
同様に、底面板21の胴部を構成する側には、前述した一対の側面板11,15が連接して形成されており、底面板21の開口側の両端部にはそれぞれ下面側(底面板側)の外フラップ41,41が形成されている。
【0032】
さらに、側面板11の開口側の両端部にはそれぞれ折り曲げ連接側片38を介して内フラップ31,31が連接して形成されるとともに、これらによって一体化側面部30が構成されている。
【0033】
同様に側面板15の開口側の両端部にはそれぞれ折り曲げ連接側片38を介して内フラップ35,35が連接して形成されるとともに、これらによって一体化側面部30が構成されている。
【0034】
本発明においては折り曲げ連接側片38の形成により、内フラップが連接される胴部の角があたかも切り取られた形態をなしている(図1の符号H相当部分)。そのため、本実施の形態における上面板25からみた平面形状は、箱の角部が切り取られたような変形8角形となっている。本発明においては図示されるような変形8角形が最も好ましい形態と言えるが、折り曲げ連接側片38部分にさらに角部を所定数量、追加形成することにより変形12角形,変形16角形,変形20角形,……とすることができる。また、本発明はいわゆる上面4角形の形態の箱についても適用可能である。
【0035】
すなわち、本発明における包装箱は、上面4N角形(Nは2以上の整数を表し、好ましくはN=2である)の形態をなし、当該好適な形態のために、内フラップが胴部と接続する箇所において折り曲げ連接側片38が介在されており、内フラップが連接される胴部の角が切り取られた形態をなしているのである。好ましい態様である4N角形(N=2以上)とするのは、コーナー部(角部)のスペースはいわゆるデッドスペースとなるため不要とも考えられること、さらにはハンドリング性の向上を図るためや、視覚デザイン性の向上のためである。
【0036】
図1に示される包装箱は、例えば、店頭で中身の容器を陳列する際に、予め包装箱の側面板11,15に形成された一対の引裂き開始片12,13,16,17をそれぞれ、側面板11,15の中央から両端に向かって引くことにより、この引裂き開始片11,13,16,17と連なる引裂き帯体4,5が除去され、これに伴い箱体の上下がそれぞれ分断され、上蓋が取り外された後、下部に残った残余の下部箱がそのまま商品を載せる紙トレーとして利用されるようになっている。このようないわゆるジッパー機能は従来一般に形成されるものであるが、必要に応じてそのジッパーの作製を省略してもよい。
【0037】
次いで、このような形態の包装箱を組み立ての対象とする本願発明のケーシング方法について説明する。なお、ケーシングシステムの要部構造の説明についても、ケーシング方法の説明の途中で、適宜行なっていく。
【0038】
〔本願発明のケーシング方法の説明〕
まず最初に、
(1)展開状態の包装箱カートンを搬送ラインの搬送路にセットするセッティング工程が実施される。その工程操作を実施する装置がセッティング機構部である。
【0039】
搬送ラインの近傍に予め準備されていた展開状態のカートン(図2(a)の状態)が、例えば吸引把持機構を備える供給装置により、搬送路の上にフィードされる。
【0040】
このフィードによる搬送ラインへの組み込みの際には、図2(b)に示されるように一対の側面板11,15を立設させるとともに、次なる工程により行なわれる内フラップの折込を阻害しないように搬送路からはみ出している底面板21側の一対の外フラップ41,41を、ガイド141,141の下に潜らせ、搬送路面よりも下方に折り曲げるようにすることが望ましい。折り曲げる角度は、水平より下方70度までの範囲とすることが好ましい。
【0041】
(2)次いで、図3(a)に示されるごとく搬送ラインの搬送路の搬送方向に沿った一方の端部側(図面の手前側)に位置する内フラップ31,35を包装箱を形成するように内側に折り込む第1の内フラップ折込工程が行なわれる。その工程操作を実施する装置が第1の内フラップ折込機構部である。
【0042】
すなわち、搬送ラインである例えばコンベアの片側に位置する(図面の手前側に位置する)折り曲げ連接側片38および内フラップ35、並びに折り曲げ連接側片38および内フラップ31は、それぞれ、図3(a)に示されるようにガイド200の端部である湾曲した導入部および回動する第1のカムローラ100によって折り目線に沿って折り曲げられていく。そして、折り曲げられた後は、第1のカムローラ100の下流側に設置されたコンベヤガイド200によってその折り曲げ形態がある程度維持され、このままの状態でさらに下流へと搬送される。第1のカムローラ100(タッカーとも称される)は、それと同等な作用が行なえるL字型形状のタッカーであって、搬送路に沿って固定させたタッカーとしてもよい。
【0043】
(3)次いで、図3(b)に示されるごとく、一方の端部側に位置する(図面の手前側に位置する)底面板側の外フラップ41を位置規制しつつ搬送させ、箱形態を保ったまま、搬送ラインの他方の端部側(図面の奥側)から容器をフィードして箱内部に納めるための箱形態保持・フィード工程が行なわれる。その工程操作を実施する装置が箱形態保持・フィード機構部である。
【0044】
例えば缶容器である容器を箱内にフィードさせるに際しては、缶容器の底面と包装箱の底面板との摩擦力により、底面板21の位置ずれ移動が生じるおそれがある。従って、なんら手立てが施されなければ折り曲げ連接側片38により形成されている面取り形状が缶フィードと同時に潰されるおそれがある。
【0045】
そこで、本発明においては、底面板側の外フラップ41を位置規制しつつ搬送させ、箱形態を保つようにしている。すなわち、搬送ラインの一方の端部側に位置するとともに、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップをホールドしつつ搬送させることにより、底面板の位置ずれ移動を防止しつつ折り曲げ連接側片38による面取り形状を維持した状態で、搬送ラインの他方の端部側(図面の奥側)から容器をフィードするようにしているのである。
【0046】
つまり、缶供給が行なわれる搬送ラインの位置まで組み立て途中の箱が搬送されると、図3(b)に示されるように一群の缶ビール製品が供給され(図のCAN FEED)、底面板21の上に所定量の缶ビール製品が挿入・載置される。この時、底面板側の外フラップをホールドしておくことにより、底面板21の位置ずれ移動が防止され、折り曲げ連接側片38による面取り形状が潰されることがなく、形状維持される。
【0047】
外フラップのホールドの仕方としては、特に、制限はないが、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップ41の最外端面41aおよびその周辺の上下面をガイドに当接させながら位置規制をしてホールドするための外フラップ搬送位置固定用ガイド400を設けるようにすることが好ましい。簡易な方法で確実に本発明の作用効果が得られるからである。
【0048】
このような作用効果を発現させる外フラップ搬送位置固定用ガイド400の具体的な構造形態が図5に示される。図5は搬送ラインの進行方向に対して垂直な断面でカットして描かれた極めてシンプルな模式的断面図である。紙面の奥行き方向が搬送ライン方向に該当する。図5に示されるように外フラップ搬送位置固定用ガイド400は、搬送ラインの搬送方向に沿った他方の端部側から一方の端部側に向けて箱内に収納されるべく容器をフィードする際に、容器の移動と一緒に底面板が移動して位置ずれが生じて折り曲げ連接側片による面取り形状が崩れないようにするために、搬送ラインの搬送方向に沿った一方の端部側(図面の右側)に位置している。そして、搬送路からはみ出している外フラップ41の最外端面41aと当接しつつ位置規制しながら搬送することができるようになっている。
【0049】
すなわち、図5に示される好適な外フラップ搬送位置固定用ガイド400は、搬送ラインに沿って配置されており、外フラップ41の最外端面41aと当接する当接ガイド部分401と、外フラップの最外端面近傍の上下面を挟持するように配置された下面ガイド部分402および上面ガイド部分403を備えて構成されている。
【0050】
また、上面ガイド部分403は、回動可能な連接部材(例えば、蝶番)を介して当接ガイド部分401と連結されており、この当接ガイド部分401に対して、上面ガイド部分403を上方へ回動させ間口を開けることができるように構成することが望ましい。こうすることにより、例えば、外フラップの端部を当接させる当接ガイド部分401の位置設定を容易にすることができる。さらに、例えば外フラップのガイドへの噛み込み等のトラブルの発生が生じた時に、修復作業が容易に行なえる等のメリットがある。また、下面ガイド部分402に対して上記と同様な機構を設け、同様な効果を得られるようにしてもよい。
【0051】
またさらに、外フラップ搬送位置固定用ガイド400は、外フラップの大きさに応じて搬送時の固定位置を可変できる機構を備えていることが望ましい。数種の包装箱のサイズに対応できるようにするためである。
【0052】
なお、外フラップ搬送位置固定用ガイド400が存在する位置においては、ガイド141は省略してもよい。
【0053】
上述してきた箱形態保持・フィード工程は、形態の保持が確実に行え、しかもフィード時に缶製品が箱内に転倒することなく確実に移載されるという極めて優れた効果を発揮する。しかしながら、包装箱の大きさが変わることによる型替えが必要であり、さらに、所望のガイドがオペレーション面に張り出しているという事実は否定できない。そこで、もう一つの箱形態保持・フィード工程である第2の実施形態の提案が図7に示されている。
すなわち、図7に示されるように搬送ラインの他方の端部側(CAN FEED側)でかつ底面板側に位置し、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップ41を搬送路面よりも下側に80度以上の急角度θで折り曲げて箱形態を保ったまま、搬送ラインの他方の端部側から容器をフィード(CAN FEED)して箱内部に納めるための箱形態保持・フィード工程が実施される。
【0054】
上記折り曲げ角度が80度未満となると、缶装填時の抵抗によって包装箱の位置ズレが生じ、箱形態の保持が困難となってしまうという不都合が生じる。
【0055】
そして、この操作が実施できるように、すなわち、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップと当接しつつ当該外フラップを押し下げて搬送路面よりも下側に80度以上の急角度θで折り曲げたまま搬送することができるように、外フラップ折り曲げ搬送位置固定用ガイド380が搬送路に沿って形成されている。なお、図7において、2点鎖線の円内Aに描かれている機構は、前述の第1の実施形態のもの(図5相当)であり、あくまで外フラップ折り曲げ搬送位置固定用ガイド380を備える第2の実施態様との比較の便宜として参考的に記載しておいたものである。
【0056】
(4)次いで、図4(a)に示されるように搬送ラインの他方の端部側(図面の奥側)に位置する内フラップを包装箱を形成するように内側に折り込む第2の内フラップ折込工程が行なわれる。その工程操作を実施する装置が第2の内フラップ折込機構部である。
【0057】
すなわち、今度はコンベヤの反対側(缶ビール製品挿入側)に位置する折り曲げ連接側片38および内フラップ35、並びに折り曲げ連接側片38および内フラップ31(未だ折り曲げられていない)は、それぞれ、図4(a)に示されるようにガイド220の端部である湾曲した導入部および回動する第2のカムローラ120によって折り目線に沿って折り曲げられていく。
【0058】
そして、折り曲げられた後は、第2のカムローラ120の下流側に設置されたコンベヤガイド220によってその折り曲げ形態が維持され、このままの状態でさらに下流へと搬送される。
【0059】
(5)このような第2の内フラップ折込工程に連続して、折り曲げ連接側片38,38による面取り形状を維持したままの状態で搬送するための最終箱形態保持工程を設けることが望ましい。例えば次工程である糊付け工程に至るまでの搬送途中での包装箱の形態崩れを防止するためである。その工程操作を実施する装置が最終箱形態保持機構部である。
【0060】
好ましい態様として付加が望まれる最終箱形態保持工程の概略図面が図6に示される。図6は、図4(a)の奥側を図面の手前側に置き換えて方向転換させた図面であり、この図面に示されるごとく最終箱形態保持工程は、搬送ラインの他方の端部側(今度は図面の手前側)でかつ底面板側に位置し、搬送路からはみ出している外フラップ41を上方位置固定ガイド500により持上げ(ガイドを下に入れて外フラップ41を支えるように持上げる)、搬送路面よりも上側に急角度で折り曲げる(下から圧迫させる)ことによって、この折り曲げられた外フラップ41の折り線71部分で内フラップ41の位置を固定して、折り曲げ連接側片38による面取り形状を維持したままの状態で搬送するように作用させる工程である。
【0061】
この工程により搬送路面よりも上側に折り曲げられて形成される急角度は、搬送路面に相当する底面板の位置から10〜70度、好ましくは、20〜60度の設定角度とされる。
【0062】
この設定角度が10度未満となると、折り曲げられた外フラップ41の折り線71部分で内フラップ31,35の下部位置を固定させて折り曲げ連接側片38による面取り形状を維持することが困難となる傾向が生じてしまう。この一方で、設定角度が70度を超えると、外フラップが内フラップに必要以上に被ってしまい、内フラップへの糊付け面積が確保できなくなるという不都合が生じてしまう。
【0063】
このような作用効果を発現させる具体的な上方位置固定ガイド500についてさらに説明する。図6に示されるように、本発明のケーシングシステムに備え付けられている上方位置固定ガイド500は、ガイド220のやや下方であって、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップ41を搬送路面よりも上側に急角度で折り曲げたまま搬送できるように搬送路に沿わせて配置されている。上方位置固定ガイド500の端部である導入部は、湾曲形状とし、スムースに外フラップを搬送路面よりも上側に折り曲げることができるようにすることが望ましい。
【0064】
上述してきた好ましい態様として付加が望まれる最終箱形態保持工程は、いわゆる缶の充填側において、缶充填後に底面板側の外フラップを搬送路面よりも上側に急角度で折り曲げた状態で、フラップの接着開始まで形態維持する操作を含んでいる。このような操作に加えて、さらに、缶の充填側とは反対側の底面板側の外フラップも同様に、搬送路面よりも上側に急角度で折り曲げた状態で、(上記の外フラップのホールドが完了して)フラップの接着開始まで形態維持させる操作を付加するようにしてもよい。この場合には、さらに箱成型の安定化を図る上で好ましい態様となる。
【0065】
ところで、前述したように内フラップの後方側は、第2のカムローラ120(以下、タッカーとも称される)で折り曲げられ、その折り曲げられた状態を保持するために、底面板側の外フラップを搬送路面よりも上側に急角度で折り曲げられるような操作が行われている。この操作をするためのガイドが上方位置固定固定ガイド500である(図6参照)。このようなタッカ−による内フラップの後方側の折り曲げ曲げ操作と、底面板側の外フラップの持ち上げ操作は、これらの順番を逆転しない範囲で、極力短い時間で行ったほうが箱成型状態が安定する。そのために、タッカ−で内フラップの後方側を折り込んだ瞬間に、持ち上げガイドである上方位置固定固定ガイド500を下流側から上流側へと動かしタッカ−側に近づけるような機構、すなわち、上方位置固定固定ガイド500をタッカ−動作に同期させて揺動させる揺動機構を設けることが好ましい。
【0066】
(6)次いで、搬送ラインの両端部に位置する外フラップを内フラップに被せるように折り曲げる外フラップ折込工程が行なわれる。その工程操作を実施する装置が外フラップ折込機構部である。すなわち、図4(b)に示されるように上面板25が被せられるように折り曲げられるとともに、外フラップ41,45が折り曲げられる。この時、通常、内フラップおよび糊代片9には接着剤が塗設されており、上面板25と糊代片9とが接着されるとともに、外フラップ41,45と内フラップ31,35との接着が行なわれて包装箱の組み立て梱包が完了する。なお、本発明でいう内フラップとは、出荷箱状態で内側に位置するフラップをいい、外フラップとは、出荷箱状態で外側に位置するフラップをいう。
【0067】
ところで、一般的なラップアラウンド包装箱を組み立てるケーサー装置において、搬送される箱体1(中味が収納された包装箱1であり、以下、ケースともいう)は、図8(b)に示されるようにいわゆるケース搬送ラグ300によって、箱体1の下側を押されて装置搬送路内を搬送される。ケース搬送ラグ300は上述のごとく箱体1の下側を押すように下部に配置されているために、加圧糊付けの操作の際に、箱体の上面が加圧時の抵抗によって進行方向と逆側に傾くおそれが生じ得る。これを防止するために、図8(a),(b)に示されるように、さらにケース搬送ラグ300の上方に上部搬送ラグ310を設け、この上部搬送ラグ310でケースの上面を支えるようにすることが望ましい。
【0068】
さらに、本発明の実施形態である折り曲げ連接側片38による面取り形状部分を備える箱体1においては、当該面取り形状部分(折り曲げ連接側片38部分)を搬送中に押さえておくための一対の矯正プレート315を上部搬送ラグ310にそれぞれ設置しておくことが好ましい。矯正プレート315の設置によって、箱体(ケース)の進行方向とは逆側のコーナーカット部、すなわち面取り形状部分(折り曲げ連接側片38部分)の開きを抑制することができ、箱体の成型性のより一層の安定化を図ることができる。なお、図8において、符号320は加圧ローラを示している。
【0069】
このような矯正プレート315は、他の工程においても適宜設置して適用させることができる。例えば、図3に示されるような箱形態保持・フィード工程において、図8(a)に示される態様の応用として上部搬送ラグ310の反充填側のみ(図3の手前側の折り曲げ連接側片38部分のみ)に矯正プレート315を設けるようにすることができる。
【0070】
この場合には、図3に示されるような箱形態保持・フィード工程において、面取り形状部分(折り曲げ連接側片38部分)開きを抑制することができ、箱体の成型性のより一層の安定化を図ることができ、さらには、一群の缶ビール製品の供給の際(図3のCAN FEED)に、底面板21の位置ずれ移動も防止され、面取り形状の維持にも貢献することができる。
また、ホットメルト等の糊付け塗布後に、糊付け部を加圧するための加圧機構に箱体(ケース)が搬送される直前に、シリンダー等により発生する押圧ストロークによってコーナーカット部(折り曲げ連接側片38部分)を押さえる矯正機構を2つまたは4つ設置しておくことも好ましい態様である。これにより、コーナーカット部の成型性はより安定化する。
【0071】
また、一般的なラップアラウンド包装箱を組み立てるケーサー装置において、いわゆる内フラップ、外フラップを含むサイドフラップ部の圧着は、連続するローラーまたは加圧プレートによって行われるが、図9に示されるように加圧をベルト方式で実施させることも好ましい態様である。すなわち、図9に示されるごとく、ベルト350にコーナーカット部(折り曲げ連接側片38部分)の角度に沿った、角度矯正ブロック355を取り付けて、ケーサーの動きに同期してベルトを回転させることにより、安定成型の実現が図られる。
【0072】
さらに、いわゆるコーナーカットがなされた本発明のラップアラウンド式の包装箱において、コーナー部に隙間があると、出荷からユーザーに届くまでに、異物等が入るおそれが生じる。そのため、コーナー部の隙間は少なくとも5mm以下、好ましくは3mm以下、より好ましくは1mm以下に管理する必要がある。
【0073】
このような管理を実現化するために、折り曲げ連接側片による面取り形状が正常の状態に形成されているか否かの判定をする面取り形状判定工程が設けられる。その工程操作を実施する装置が面取り形状判定機構部である。
【0074】
すなわち、コーナー部の成形を確認するために、面取り形状判定手段としていわゆるケーサー出の製品コンベア上に図10に示されるごとく各コーナー部の成形確認センサー(検知手段)を設けることが望ましい。すなわち、該面取り形状形成判定手段は、下流側後方の角部の第1の折り曲げ連接側片38aを検知する第1の検知手段S1と、下流側前方の角部の第2の折り曲げ連接側片38bを検知する第2の検知手段S2と、上流側後方の角部の第3の折り曲げ連接側片38cを検知する第3の検知手段S3と、上流側前方の角部の第4の折り曲げ連接側片38dを検知する第4の検知手段S4とを備え、前記第1の検知手段S1と前記第3の検知手段S3の検知信号から第1の折り曲げ連接側片38aおよび/または第3の折り曲げ連接側片38cの成形不良が検知できるとともに、前記第2の検知手段S2と前記第4の検知手段S4の検知信号から第2の折り曲げ連接側片38bおよび/または第4の折り曲げ連接側片38dの成形不良を検知できるように検知タイミングが設定される。
【0075】
より具体的には、図10(a),(b)に示されるように、コーナー部の成形確認用センサーとして、下流側から同期センサーS1(第1の検知手段)および同期センサーS2(第2の検知手段)、並びに異常検知センサーS3(第3の検知手段)および異常検知センサーS4(第4の検知手段)を備え、これらの4つのセンサーによって、4つのコーナーの成形状態を確認しているのである。
【0076】
検知状態の好適な設定例(検査タイミングの設定例)についてさらに詳述すると、例えば、図10(b)に示される異常時の図面において、同期センサーS1がONした瞬間に異常検知センサーS3がON状態にある場合に成形不良として判断される(不良品扱いとして判断される)。異常検知センサーS3が図示のごとくコーナーの成形不良部(隙間ができ、完全に閉まってない箇所)を検知するからである。この逆に、同期センサーS1側のコーナーに成形不良があった場合、コーナーの成形不良部(隙間ができ、完全に閉まってない箇所)が存在する分だけ、ONするタイミングが早くなり反対側(異常検知センサーS3側)のコーナーが正常であってもカートンの側面を検知して異常検知センサーS3がON状態にあり成形不良として判断される。同期センサーS1、異常検知センサーS3両側のコーナーに成形不良があった場合も、同期センサーS1がONした瞬間に異常検出センサーS3がON状態にあり成形不良とした判断される。従って、同期センサーS1がONした瞬間に異常検知センサーS3がOFFした場合にコーナーの成形は正常として判断されるのである(図10(a)の状態)。同期センサーS2と異常検知センサーS4との関係についても上述した同期センサーS1と異常検知センサーS3と同様の関係を有する。
【0077】
センサーとしては、非接触で検知可能な光センサーとすることが望ましく、その場合、4つのコーナーにそれぞれ配置された光センサーは、光センサー検知に際して、その検知方向が折り曲げ連接側片の面方向と実質的に同一方向となるように配置される。すなわち、図10に(a),(b)に示されるように、センサーS1の光射出方向は第1の折り曲げ連接側片38aの面方向と実質的に同一方向となるように設置され、センサーS2の光射出方向は第2の折り曲げ連接側片38bの面方向と実質的に同一方向となるように設置され、センサーS3の光射出方向は第3の折り曲げ連接側片38cの面方向と実質的に同一方向となるように設置され、センサーS4の光射出方向は第4の折り曲げ連接側片38dの面方向と実質的に同一方向となるように設置される。ここで、実質的に同一方向とは、成形異常が確実に検知できる操作範囲での同一方向をいう。
【0078】
ところで、図面では示されていないが、成形不良と判断された場合、制御コンピュータより排斥用シリンダーに動作信号が送られ、排斥用シリンダーが搬送コンベア側に前進して成形不良品を排斥用コンベヤに押し出すことにより、成形不良品が排出される不良品排除工程を設けることが望ましい。これにより、成形不良品を確実に除去することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、上面板、底面板、およびこれらを連結する側面板を有して形成される帯状の胴部、ならびに内フラップおよび外フラップを備えてなるラップアラウンド式の包装箱で、しかも上面から見た形態が4N角形(Nは2以上の整数を表す)の形態を備えてなる包装箱を組み立てつつ、この中に、例えば缶容器を収納させるケーシングの技術に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の使用対象である包装箱の展開図の一例を示したものである。
【図2】(a),(b)はそれぞれ、ケーシングの状況の一例を模式的に示した包装箱の概略斜視図である。
【図3】(a),(b)はそれぞれ、ケーシングの状況の一例を模式的に示した包装箱の概略斜視図である。
【図4】(a),(b)はそれぞれ、ケーシングの状況の一例を模式的に示した包装箱の概略斜視図である。
【図5】外フラップ搬送位置固定用ガイドの好適な構造形態を説明するための図面である。
【図6】好ましい態様として付加が望まれる最終箱形態保持工程の概略図面である。
【図7】もう一つの箱形態保持・フィード工程である第2の実施形態の構成を模式的に示した図面である。
【図8】図8(a)は、ラップアラウンド包装箱を組み立てるケーサー装置において、搬送される箱体の好適な搬送状態を説明するための概略斜視図であり、図8(b)は、図8(a)の概略側面図である。
【図9】ラップアラウンド包装箱を組み立てるケーサー装置において、いわゆる内フラップ、外フラップを含むサイドフラップ部の加圧をベルト方式で実施させる場合の好適例を示する平面図である。
【図10】各コーナー部に成形確認センサーを設けた図面であり、(a)は正常時の状態におけるカートンコーナーの検出状況を示す平面図、(b)は異常時の状態におけるカートンコーナーの検出状況を示す平面図である。
【符号の説明】
【0081】
1…包装箱
11,15…側面板
21…底面板
25…上面板
31,35…内フラップ
38…折り曲げ連接側片
41,45…外フラップ
141,141…ガイド
200…ガイド
100…第1のカムローラ
300…ケース搬送ラグ
305…ケース搬送ラグ用矯正プレート
310…上部搬送ラグ
315…上部搬送ラグ用矯正プレート
320…加圧ローラ
350…ベルト
355…角度矯正ブロック
380…外フラップ折り曲げ搬送位置固定用ガイド
400…外フラップ搬送位置固定用ガイド
401…当接ガイド部分
402…下面ガイド部分
403…上面ガイド部分
500…上方位置固定ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面板、底面板、およびこれらを連結する側面板を有して形成される帯状の胴部、ならびに内フラップおよび外フラップを備えてなるラップアラウンド式の包装箱を組み立てるとともに容器を収納するケーシング方法であって、
該ケーシング方法が組み立ての対象とする包装箱は、上面4N角形(Nは2以上の整数を表す)の形態を備え、内フラップと胴部とが接続する箇所において折り曲げ連接側片が介在されてなる包装箱であり、
該ケーシング方法は、
展開状態の包装箱カートンを搬送ラインの搬送路にセットするセッティング工程と、
搬送路の搬送方向に沿った一方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第1の内フラップ折込工程と、
前記一方の端部側に位置する底面板側の外フラップを位置規制しつつ搬送させ、箱形態を保ったまま、搬送ラインの他方の端部側から容器をフィードして箱内部に納めるための箱形態保持・フィード工程と、
搬送ラインの他方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第2の内フラップ折込工程と、
搬送ラインの両端部に位置する外フラップを、内フラップに被せるように折り曲げる外フラップ折込工程と、
前記折り曲げ連接側片による面取り形状が正常の状態に形成されているか否かの判定をする面取り形状判定工程と、を有することを特徴とするケーシング方法。
【請求項2】
前記面取り形状判定工程は、4つのコーナーにそれぞれ配置された検知手段の検知タイミングを図ることによって行われてなる請求項1に記載のケーシング方法。
【請求項3】
前記面取り形状判定工程において、4つのコーナーにそれぞれ配置された検知手段は光センサーであり、当該光センサー検知に際して、その検知方向が折り曲げ連接側片の面方向と実質的に同一方向となるように配置されてなる請求項2に記載のケーシング方法。
【請求項4】
前記箱形態保持・フィード工程において、搬送ラインの一方の端部側に位置するとともに、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップをホールドしつつ搬送させることにより、底面板の位置ずれ移動を防止しつつ折り曲げ連接側片による面取り形状を維持した状態で、搬送ラインの他方の端部側から容器がフィードされて箱内部に納められてなる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のケーシング方法。
【請求項5】
前記箱形態保持・フィード工程において、搬送ラインの一方の端部側に位置するとともに、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップの最外端面およびその周辺の上下面をガイドに当接させながら位置規制を行なう請求項4に記載のケーシング方法。
【請求項6】
前記搬送ラインの搬送路にセットするセッティング工程において、一対の側面板を立設させるとともに、内フラップの折込を阻害しないように搬送路からはみ出している底面板側の外フラップを、搬送路面よりも下方に折り曲げてなる請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のケーシング方法。
【請求項7】
前記第2の内フラップ折込工程に続き、
搬送ラインの他方の端部側でかつ底面板側に位置し、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップを搬送路面よりも上側に急角度で折り曲げることによって、この折り曲げられた外フラップの折り線部分で内フラップ位置を固定して、折り曲げ連接側片による面取り形状を維持したままの状態で搬送するための最終箱形態保持工程がさらに付加されてなる請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のケーシング方法。
【請求項8】
前記搬送路面よりも上側に折り曲げられた急角度が、搬送路面に相当する底面板の位置から10〜70度の設定角度である請求項7に記載のケーシング方法。
【請求項9】
上面板、底面板、およびこれらを連結する側面板を有して形成される帯状の胴部、ならびに内フラップおよび外フラップを備えてなるラップアラウンド式の包装箱を組み立てるとともに容器を収納するケーシング方法であって、
該ケーシング方法が組み立ての対象とする包装箱は、上面4N角形(Nは2以上の整数を表す)の形態を備え、内フラップと胴部とが接続する箇所において折り曲げ連接側片が介在されてなる包装箱であり、
該ケーシング方法は、
展開状態の包装箱カートンを搬送ラインの搬送路にセットするセッティング工程と、
搬送路の搬送方向に沿った一方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第1の内フラップ折込工程と、
搬送ラインの他方の端部側でかつ底面板側に位置し、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップを搬送路面よりも下側に80度以上の急角度で折り曲げて箱形態を保ったまま、搬送ラインの他方の端部側から容器をフィードして箱内部に納めるための箱形態保持・フィード工程と、
搬送ラインの他方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第2の内フラップ折込工程と、
搬送ラインの両端部に位置する外フラップを、内フラップに被せるように折り曲げる外フラップ折込工程と、
前記折り曲げ連接側片による面取り形状が正常の状態に形成されているか否かの判定をする面取り形状判定工程と、を有することを特徴とするケーシング方法。
【請求項10】
前記面取り形状判定工程は、4つのコーナーにそれぞれ配置された検知手段の検知タイミングを図ることによって行われてなる請求項9に記載のケーシング方法。
【請求項11】
前記面取り形状判定工程において、4つのコーナーにそれぞれ配置された検知手段は光センサーであり、当該光センサー検知に際して、その検知方向が折り曲げ連接側片の面方向と実質的に同一方向となるように配置されてなる請求項10に記載のケーシング方法。
【請求項12】
前記搬送ラインの搬送路にセットするセッティング工程において、一対の側面板を立設させるとともに、内フラップの折込を阻害しないように搬送路からはみ出している底面板側の外フラップを、搬送路面よりも下方に折り曲げてなる請求項9ないし請求項11のいずれかに記載のケーシング方法。
【請求項13】
前記第2の内フラップ折込工程に続き、
搬送ラインの他方の端部側でかつ底面板側に位置し、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップを搬送路面よりも上側に急角度で折り曲げることによって、この折り曲げられた外フラップの折り線部分で内フラップ位置を固定して、折り曲げ連接側片による面取り形状を維持したままの状態で搬送するための最終箱形態保持工程がさらに付加されてなる請求項9ないし請求項12のいずれかに記載のケーシング方法。
【請求項14】
前記搬送路面よりも上側に折り曲げられた急角度が、搬送路面に相当する底面板の位置から10〜70度の設定角度である請求項13に記載のケーシング方法。
【請求項15】
上面板、底面板、およびこれらを連結する側面板を有して形成される帯状の胴部、ならびに内フラップおよび外フラップを備えてなるラップアラウンド式の包装箱を組み立てるとともに容器を収納するためのケーシングシステムであって、
該ケーシングシステムが組み立ての対象とする包装箱は、上面4N角形(Nは1以上の整数を表す)形態を備え、内フラップと胴部とが接続する箇所において折り曲げ連接側片が介在されてなる包装箱であり、
該ケーシングシステムは、
展開状態の包装箱カートンを搬送ラインの搬送路にセットするセッティング機構部と、
搬送路の搬送方向に沿った一方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第1の内フラップ折込機構部と、
前記一方の端部側に位置する底面板側の外フラップを位置規制しつつ搬送させ、箱形態を保ったまま、搬送ラインの他方の端部側から容器をフィードして箱内部に納めるための箱形態保持・フィード機構部と、
搬送ラインの他方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第2の内フラップ折込機構部と、
搬送ラインの両端部に位置する外フラップを、内フラップに被せるように折り曲げる外フラップ折込機構部と、
前記折り曲げ連接側片による面取り形状が正常の状態に形成されているか否かの判定をする面取り形状判定機構部と、を有することを特徴とするケーシングシステム。
【請求項16】
前記面取り形状判定機構部は、面取り形状形成判定手段を備え、
該面取り形状形成判定手段は、下流側後方の角部の第1の折り曲げ連接側片を検知する第1の検知手段と、下流側前方の角部の第2の折り曲げ連接側片を検知する第2の検知手段と、上流側後方の角部の第3の折り曲げ連接側片を検知する第3の検知手段と、上流側前方の角部の第4の折り曲げ連接側片を検知する第4の検知手段とを備え、
前記第1の検知手段と前記第3の検知手段の検知信号から第1の折り曲げ連接側片および/または第3の折り曲げ連接側片の成形不良が検知できるとともに、前記第2の検知手段と前記第4の検知手段の検知信号から第2の折り曲げ連接側片および/または第4の折り曲げ連接側片の成形不良を検知できるように検知タイミングが設定されてなる請求項15に記載のケーシングシステム。
【請求項17】
前記第1の検知手段、第2の検知手段、第3の検知手段、および第4の検知手段は、光センサーであり、それぞれ、光センサー検知に際して、その検知方向が折り曲げ連接側片の面方向と実質的に同一方向となるように配置されてなる請求項18に記載のケーシングシステム。
【請求項18】
上面板、底面板、およびこれらを連結する側面板を有して形成される帯状の胴部、ならびに内フラップおよび外フラップを備えてなるラップアラウンド式の包装箱を組み立てるとともに容器を収納するためのケーシングシステムであって、
該ケーシングシステムが組み立ての対象とする包装箱は、上面4N角形(Nは2以上の整数を表す)の形態を備え、内フラップと胴部とが接続する箇所において折り曲げ連接側片が介在されてなる包装箱であり、
該ケーシングシステムは、
展開状態の包装箱カートンを搬送ラインの搬送路にセットするセッティング機構部と、
搬送路の搬送方向に沿った一方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第1の内フラップ折込機構部と、
搬送ラインの他方の端部側でかつ底面板側に位置し、搬送路からはみ出している底面板側の外フラップを搬送路面よりも下側に80度以上の急角度で折り曲げて箱形態を保ったまま、搬送ラインの他方の端部側から容器をフィードして箱内部に納めるための箱形態保持・フィード機構部と、
搬送ラインの他方の端部側に位置する内フラップを、包装箱を形成するように内側に折り込む第2の内フラップ折込機構部と、
搬送ラインの両端部に位置する外フラップを、内フラップに被せるように折り曲げる外フラップ折込機構部と、
前記折り曲げ連接側片による面取り形状が正常の状態に形成されているか否かの判定をする面取り形状判定機構部と、を有することを特徴とするケーシングシステム。
【請求項19】
前記面取り形状判定機構部は、面取り形状形成判定手段を備え、
該面取り形状形成判定手段は、下流側後方の角部の第1の折り曲げ連接側片を検知する第1の検知手段と、下流側前方の角部の第2の折り曲げ連接側片を検知する第2の検知手段と、上流側後方の角部の第3の折り曲げ連接側片を検知する第3の検知手段と、上流側前方の角部の第4の折り曲げ連接側片を検知する第4の検知手段とを備え、
前記第1の検知手段と前記第3の検知手段の検知信号から第1の折り曲げ連接側片および/または第3の折り曲げ連接側片の成形不良が検知できるとともに、前記第2の検知手段と前記第4の検知手段の検知信号から第2の折り曲げ連接側片および/または第4の折り曲げ連接側片の成形不良を検知できるように検知タイミングが設定されてなる請求項18に記載のケーシングシステム。
【請求項20】
前記第1の検知手段、第2の検知手段、第3の検知手段、および第4の検知手段は、光センサーであり、それぞれ、光センサー検知に際して、その検知方向が折り曲げ連接側片の面方向と実質的に同一方向となるように配置されてなる請求項19に記載のケーシングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−335408(P2006−335408A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−160783(P2005−160783)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(000253503)麒麟麦酒株式会社 (247)
【出願人】(392032100)キリンエンジニアリング株式会社 (54)
【Fターム(参考)】