ケース入長形光電池
太陽電池と、円筒状太陽電池上に円周方向に配置された透明ケースとを含む太陽電池ユニットを提供する。太陽電池は、その少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板を含む。背面電極が、前記基板上に円周方向に配置される。半導体接合層が、前記背面電極上に円周方向に配置される。透明導電層が、前記半導体接合上に円周方向に配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
その全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の「管状ケース入長形光電池(Elongated Photovoltaic Cells in Tubular Casings)」という題名の米国特許出願第11/378,847号の優先権を主張するものである。
(1.分野)
本出願は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽電池組立品に関し、特には改良型太陽電池組立品に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.背景)
太陽電池は、典型的には、集光表面積が4〜6cm2以上の個別の物理的実体として作製される。このため、それらの集光面が単一の大きな集光面の近似を与えるように、電池を支持面又はパネル上に平坦アレイで搭載することは発電分野にとって標準的技法である。また、各電池自体は、少量しか発電しないが、直列及び/又は並列マトリックスのアレイの電池を相互接続することによって、必要な電圧及び/又は電量が達成される。
従来技術の太陽電池構造を図1に示す。異なる層の厚さの範囲が大きいため、それらは概略的に描かれている。さらに、図1は、「厚膜」太陽電池及び「薄膜」太陽電池の両方の特徴を表すように極めて概略的である。吸収体層の厚膜は、十分な量の光を吸収することが求められるため、概して、間接的なバンドギャップ材料を使用して、光を吸収する太陽電池は、典型的には「厚膜」太陽電池として構成される。十分な量の光を吸収するのに間接的なバンドギャップ材料の薄層のみが必要とされるため、直接的なバンドギャップ材料を使用して光を吸収する太陽電池は、典型的には「薄膜」として構成される。
【0003】
図1の上部の矢印は、電池上の直接的な太陽照明源を示す。層102は、基板である。ガラス又は金属は、共通の基板である。薄膜太陽電池において、基板102は、ポリマー系裏打、金属又はガラスであり得る。いくつかの場合において、基板102を被覆する封入層(不図示)が存在する。層104は、太陽電池に対するバック電気接点である。
層106は、半導体吸収体層である。バック電気接点104は、吸収体層106とオーム接触する。すべてではないが多くの場合において、吸収体層106は、p型半導体である。吸収体層106は、光を吸収するのに十分に厚い。層108は、半導体吸収体層106と一緒になって、p-n接合の形成を完成する半導体接合パートナーである。p-n接合は、太陽電池において見られる一般的なタイプの接合である。p-n接合系太陽電池において、半導体吸収体層106がp型ドープ材料である場合は、接合パートナー108は、n型ドープ材料である。逆に、半導体吸収体層106がn型ドープ材料である場合は、接合パートナー108はp型ドープ材料である。一般に、接合パートナー108は、吸収体層106よりはるかに薄い。例えば、いくつかの例において、接合パートナー108は、約0.05ミクロンの厚さを有する。接合パートナー108は、太陽放射線に対して極めて透明である。接合パートナー108は、また、光を吸収体層106まで透過させるため、窓層としても知られる。
【0004】
典型的な厚膜太陽電池において、吸収体層106及び窓層108は、同一の半導体材料から製造され得るが、それらの2つの層にそれらの異なるp型及びn型特性を与えるために異なるキャリア種類(ドーパント)及び/又はキャリア濃度を有する。銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)が吸収体層106である薄膜電池において、CdSを使用して、接合パートナー108を形成すると、効率性の高い電池が得られた。接合パートナー108に使用できる他の材料としては、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2及びドープZnOが挙げられるが、それらに限定されない。
【0005】
層110は、対向電極であり、それで機能電池が完成する。接合パートナー108は、一般には抵抗が大きすぎてこの機能を発揮できないため、接合から電流を遠ざけるのに対向電極110が使用される。そのように、対向電極110は、導電性及び光に対する透明性が高い。対向電極110は、実際、個別的な層を形成するのでなく、層108に印刷された金属の櫛状構造体であり得る。対向電極110は、典型的には、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛)、インジウム-錫酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)又はインジウム-亜鉛酸化物などの透明な導電性酸化物(TCO)である。しかし、TCO層が存在しても、TCOは、抵抗が大きすぎてより大きい太陽電池ではこの機能を効率的に発揮できないため、典型的には、従来の太陽電池では電流を除去するために母線ネットワーク114が必要である。ネットワーク114は、電荷キャリアが金属接点に到達するためにTCO層内で移動しなければならない距離を短くすることによって、抵抗損失を低減する。格子線とも呼ばれる金属母線を例えば銀、鋼又はアルミニウムなどの任意の適度に導電性を有する金属で製造することができる。ネットワーク114の設計において、より高い導電性を有するが、より多くの光を遮断するより太い格子線と、より低い導電性を有するが、より少ない光を遮断する細い格子線との間に設計トレードオフが存在する。金属バーは、TCO層110に光線を通すように櫛状構造で構成されるのが好ましい。母線ネットワーク層114とTCO層110が組み合わさると、単一の金属ユニットとして作用し、第1のオーム接点と機能的に連結して、集電回路を形成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれているSverdrupらの米国特許第6,548,751号には、銀の母線ネットワークとインジウム-錫酸化物層の組合せが単一の透明ITO/Ag層として機能する。
【0006】
随意の反射防止膜112は、大量の余剰光を電池に送る。電池の使用目的に応じて、図1に示されるように、それを上部導体に直接堆積することができる。代替的又は追加的に、作製された反射防止膜112を、上部電極110を覆う個別のカバーガラスに堆積することができる。理想的には、反射防止膜は、光電吸収が生じるスペクトル領域で電池の反射をゼロの極めて近くまで低減すると同時に、他のスペクトル領域で反射を強化して、過熱を低減する。その全体が参照により本明細書に組み込まれているAguileraらの米国特許第6,107,564号には、当該技術分野で知られている代表的な反射防止膜が記載されている。
太陽電池は、典型的には、小さな電圧しか生成しない。例えば、シリコン系太陽電池は、約0.6ボルト(V)の電圧を生成する。したがって、太陽電池は、より大きい電圧を達成するために、直列又は並列で相互接続される。直列接続される場合は、個々の電池の電圧が合算されるが、電流は変化しない。したがって、直列配置された太陽電池は、並列配置された類似の太陽電池と比較して、当該電池を流れる電流の量を減少させることによって、効率を向上させる。図1に示されるように、直列の太陽電池の配列は、相互接続点116を使用して達成される。概して、相互接続点116は、1つの太陽電池の第1の電極を隣接する太陽電池の対向電極と電気接続させる。
【0007】
上記のように、且つ図1に示されるように、従来の太陽電池は、典型的には板構造の形である。当該電池は、小さい場合は効率性が高いが、より大きい平面太陽電池は、当該太陽電池に接合を形成する半導体膜を均一にするのがより困難であるため、効率性が低い。また、より大きい平面太陽電池では、ピンホール及びより小さい欠陥の発生が増える。これらの特徴は、接合に短絡を生じ得る。
いくつかの問題が、既知の技術分野に存在する太陽電池設計と対応づけられる。次に、いくつかの従来技術の太陽電池設計及び各設計の短所について論述する。
【0008】
図2Aに示されるように、Asiaらの米国特許第6,762,359号B2には、p型層12及びn型層14を含む太陽電池210が開示されている。第1の電極32が、太陽電池の1つの側に設けられている。電極32は、太陽電池210のn型層14と電気接続する。第2の電極60が、太陽電池の反対側に存在する。電極60は、太陽電池のp型層と電気接続する。透光層200及び202は、デバイス210の1つの側を形成し、層62は、他方の側を形成する。電極32及び60は、絶縁体40及び50によって隔てられている。いくつかの場合において、太陽電池は、図2に示される球形でなく管形を有する。デバイス210は、機能的であるが、満足できるものではない。電極60は、電気接点を構成するために、吸収体12を貫通しなければならない。これは、吸収体面積の正味の損失をもたらし、太陽電池の効率性が低下する。また、当該接合は、他の太陽電池設計と比べて構成するのが困難である。
【0009】
図2Bに示されるように、Mlavskyの米国特許第3,976,508号には、その外面にホウ素を拡散させて、外部のp導電型領域4及びp-n接合6を形成するn型導電の円筒状シリコン管2を含む管状太陽電池が開示されている。円筒管の内部表面には、管とのオーム接続点を形成する接着性金属導電膜8の形の第1の電極が設けられている。膜8は、米国特許第2984775号、同第3046324号及び同第3005862号に開示されているように、管の内面全体を被覆し、比較的高い導電性を有する選択された金属又は金属合金、例えば、金、ニッケル、アルミニウム又は銅からなる。外面には、縦に延びる1つ以上の導体12によって相互接続された円周方向に延びる複数の導体10からなる格子の形の第2の電極が設けられている。中空管の外面の反対側の端部には、縦に延びる導体12と交差する円周方向に延びる2つの端末導体14及び16が設けられている。円周方向に延びる導体10と縦に延びる導体12との間隔は、太陽放射線に曝される管の外面の領域18を残すようになっている。導体12、14及び16は、円周方向に延びる導体10のどれよりも大きい電流を担持するため、導体10より広く構成されている。これらの導体は、内部電極8のような接着性金属膜で構成され、管の外面とのオーム接触点を形成する。図2Bに開示されている太陽電池は機能的であるが、それも満足できるものではない。導体12、14及び16は、光に対して透明でないため、太陽電池が受光する光量が減少する。
【0010】
Weinstein及びLeeの米国特許第3,990,914号には、別の形の管状太陽電池が開示されている。Mlavskyのように、Weinstein及びLeeの太陽電池も中空コアを有する。しかし、Mlavskyと異なり、Weinstein及びLeeは、ガラス管状支持部材に太陽電池を配置する。Weinstein及びLeeの太陽電池は、嵩高く、構成するのに費用がかかるという欠点を有する。
図2C及び2Dを参照すると、1984年7月20日に公開された特許出願公開公報第S59-125670号(凸版印刷株式会社)(以降「S59-125670」)には、棒状太陽電池が開示されている。棒状太陽電池は、棒状太陽電池の断面を図2Cに示す。導電性金属を電池のコア1として使用される。光活性非晶質シリコン半導体層3がコア1に設けられている。導電性透明導電層4が半導体層3の上部に構成されている。透明導電層4を酸化インジウム、酸化錫又はインジウム錫酸化物(ITO)などの材料で構成することができる。図2Cに示されるように、良好な導電体で構成された層5が、太陽電池の下部に設けられている。この良好な導電層5は、特に必要でないが、棒と、対向電極として機能する導電性基板7との間の接触抵抗を下げるのに役立つことが該文献に記載されている。そのように、導電層5は、図2Dに示される対向電極7の導電性を補う集電体として機能する。
【0011】
図2Dに示されるように、棒状太陽電池6は、互いに平行して一列に多数配置され、対向電極層7は、各透明導電層4と電気的に接触するように光が放射されない棒の表面に設けられている。棒状太陽電池6は、並列に配置され、太陽電池の両端部は、棒を所定位置に固定するために、樹脂又は類似の材料で硬化される。
S59-125670は、平面太陽電池に付随する欠点の多くに対処している。しかし、S59-125670は、開示のデバイスの効率性を制限するいくつかの多くの欠点を有する。第1に、層5は、棒全体には巻き付けられないため(例えば図2C参照)、電流を外面から除去する方法が不十分である。第2に、基板7は、光を透過させない金属プレートである。したがって、各棒の全面が露光されないため、漏出経路として機能し得る。当該漏出経路は、太陽電池の効率性を低下させる。例えば、当該暗色の接合領域は、電池の光電流から逸れることになる漏出をもたらす。図2C及び2Dに開示された設計に伴う別の欠点は、棒が直列でなく並列に配置されていることである。したがって、当該デバイスにおける電流レベルは、対応する直列配置モデルと比べて大きいため、抵抗損失を被ることになる。
【0012】
図2Eを参照すると、1995年5月24日公開のTwin Solar-Technik Entwicklungs-GmbHの独国未調査特許出願DE4339547A1(以降「Twin Solar」)にも、太陽電池の本体を形成する透明シート28の内側に並列に配置された複数の棒状太陽電池2が開示されている。したがって、ツインソーラは、S59-125670に見られる欠点のいくつかを有さない。透明シート28は、両面47A及び47Bから光を受け入れる。透明シート28は、液体冷媒が流動できる空隙26を提供するように壁27から離れて設置される。したがって、ツインソーラデバイスは、それらが真に二面でないという欠点を有する。換言すれば、ツインソーラデバイスの面47Aのみが直接光を受光することが可能である。本明細書に定義されるように、「直接光」は、空気以外の媒体を透過していない光である。例えば、透明基板を透過して太陽電池組立品に入り、組立品を励起した光は、太陽電池組立品を出ると、直接光でなくなる。しかし、表面から単に反射された光は、太陽電池組立品を通らなかったと仮定すると直接光である。直接光のこの定義に基づいて、面47Bは、直接光を受光するように構成されていない。これは、面47Bによって受光されるすべての光が、面47Aを通じて太陽電池装置に入った後に太陽電池装置の本体を最初に横切らなければならないためである。次いで、当該光は、冷却チャンバ26を横切り、壁42から反射され、最終的に面47Bを通じて太陽電池に再入光する。したがって、太陽電池組立品は、直接光が組立品の両側に入ることができないため非効率的である。
【0013】
太陽電池の管状設計は、平面太陽電池に伴い欠点の多くに対処したが、いくつかの問題が解決されていない。物理的衝撃に耐える太陽電池の能力が、1つの未解決の問題である。従来の太陽電池パネルは、しばしば経時的に亀裂する。太陽電池組立品は、小さい個々の太陽電池ユニットからしばしば構成される。この手法は、効率性及び柔軟性を与える。小さい太陽電池ほど大きなスケールで製造することが容易であり、最終的な用途に合わせて異なる大きさ及び形状にアセンブルすることもできる。必然的に、より小さい太陽電池ユニット設計は、脆弱性も伴う。より小さい太陽電池ユニットは、輸送又は日常的な操作過程を通じて加圧下で容易に破壊する。当該技術分野において必要なことは、小設計の利点を維持しながら、太陽電池ユニットを支持及び強化する方法とシステムである。
本明細書における参考文献の説明及び引用は、当該参考文献が本出願に対する先行技術であると認めるものと見なされるものではない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
(3.要旨)
本出願の一態様は、円筒状太陽電池及び透明管状ケースを含む太陽電池ユニットを提供する。円筒状太陽電池は、背面電極と、該背面電極上に円周方向に配置された半導体接合層と、該半導体接合上に配置された透明導電層とを含む。透明管状ケースは、透明管状ケースと太陽電池ユニット内の円筒状太陽電池との間に空気が入らないように、円筒状太陽電池に円周方向にシールされる。いくつかの実施態様において、透明管状ケースは、プラスチック又はガラスで構成される。いくつかの実施態様において、円筒状の太陽電池は、円筒基板をさらに含み、背面電極が該円筒基板上に円周方向に配置される。プラスチック、金属又はガラスを含む広範な材料で円筒基板を構成することができる。典型的には、円筒基板は、中空(例えば管)である。したがって、本出願の多くの実施態様において、空気、窒素又はヘリウムなどの流体を円筒基板に流すことができる。しかし、いくつかの実施態様において、円筒基板は中実である。
【0015】
いくつかの実施態様において、半導体接合は、ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合を含む。いくつかの実施態様において、半導体接合は、吸収体層及び接合パートナー層を含み、接合パートナー層は、吸収体層上に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、吸収体層は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、接合パートナー層は、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2又はドープZnOである。
いくつかの実施態様において、円筒状太陽電池は、半導体接合上に円周方向に配置された真性層をさらに含む。当該実施態様において、透明導電層は、半導体接合でなく真性層上に配置される。
【0016】
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層をさらに含む。当該実施態様において、透明管状ケースが充填剤層上に円周方向に配置されることによって、管状太陽電池を円周方向にシールする。
いくつかの実施態様において、耐水層が透明導電層上に円周方向に配置される。当該実施態様において、透明管状ケースが耐水層上に円周方向に配置されることによって、円筒状太陽電池を円周方向にシールする。
いくつかの実施態様において、耐水層が透明導電層上に円周方向に配置され、充填剤層が耐水層上に円周方向に配置される。当該実施態様において、透明管状ケースが充填剤層上に円周方向に配置されることによって、円筒状太陽電池を円周方向にシールする。
【0017】
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層、及び耐水層上に円周方向に配置された耐水層をさらに含む。当該実施態様において、透明管状ケースが耐水層上に円周方向に配置されることによって、円筒状太陽電池を円周方向にシールする。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、透明管状ケース上に円周方向に配置された反射防止膜をさらに含む。
いくつかの実施態様において、円筒状太陽電池は、少なくとも1つの電極帯をさらに含み、該少なくとも1つの電極帯における各電極帯は、太陽電池の長い円筒軸に沿って太陽電池の透明導電層上に積層される。いくつかの実施態様において、少なくとも1つの電極帯は、複数の電極帯が、太陽電池の同筒軸に沿って互いに平行又はほぼ平行になるように透明導電層に間隔をあけて配置される複数の電極帯を含む。複数の電極帯を太陽電池の透明導電層の表面に例えば60度の間隔をあけて配置することができる。実際、複数の電極帯における電極帯を、均等間隔又は不均等間隔のいずれかで太陽電池の透明導電層の表面に間隔をあけて配置することができる。いくつかの実施態様において、円筒状太陽電池の長さは、0.3メートルから2メートルである。いくつかの実施態様において、透明な管状ケースの外面が粗面化される。
【0018】
本出願の別の態様は、複数の太陽電池ユニットを含む太陽電池組立品を提供する。複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットは、上記の太陽電池ユニットのいずれかの構造を有する。複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットは、共平面列で配置されて、太陽電池組立品を形成する。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、複数の太陽電池ユニット内に太陽光を反射するように配置されたアルベド面をさらに含む。いくつかの実施態様において、アルベド面は、95%を超えるアルベドを有する。いくつかの実施態様において、アルベド面は、ランベルト、拡散又はインボリュート反射面である。いくつかの実施態様において、複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが、直列又は並列で電気的に配置される。
【0019】
本出願のさらに別の態様は、複数の太陽電池ユニット及び複数の内部反射器を含む太陽電池組立品を含む。複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットの各々は、上記太陽電池ユニットのいずれかの構造を有する。本実施例において、複数の内部反射器は、複数の太陽電池ユニットにおける内部反射器が、複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットに圧接する共平面列で配置されることによって、太陽電池組立品を形成する。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器は。中空コアを有する。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器は、プラスチックケース上に堆積した反射材料の層を有するプラスチックケースを含む。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器は、反射材料から構成された単一部品である。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器の断面形状は、星形である。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器の断面形状は、四面形であり、四面断面形の一面は、直線形、放物線形、凹面形、円形又は楕円形である。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器の断面形状は、四面形であり、四面断面形の一面は、内部反射器上に拡散面を定める。
【0020】
本出願のさらに別の態様は、円筒状太陽電池と、充填剤層と、透明管状ケースとを含む太陽電池ユニットを提供する。いくつかの実施態様において、円筒状太陽電池は、円筒基板、該円筒基板上に円周方向に配置された背面電極、該背面電極上に円周方向に配置された半導体接合、及び該半導体接合上に円周方向に配置された透明導電層を含む。円筒基板は、中空シリンダ(例えば管)又は中実シリンダであり得る。充填剤層は、透明導電層上に円周方向に配置され、透明管状ケースは、該充填剤層上に円周方向に配置される。本出願の本態様によるいくつかの実施態様において、半導体接合は、吸収体層及び接合パートナー層を含み、該接合パートナー層は、該吸収体層上に円周方向に配置され、該吸収体層は、背面電極上に円周方向に配置される。本出願の本態様によるいくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、透明管状ケース上に円周方向に配置された反射防止膜をさらに含む。
【0021】
本出願のさらに別の態様は、円筒状太陽電池と、耐水層と、充填剤層と、透明管状ケースとを含む太陽電池ユニットを提供する。円筒状太陽電池は、円筒基板、該円筒基板上に円周方向に配置された背面電極、該背面電極上に円周方向に配置された半導体接合、及び該半導体接合上に配置された透明導電層を含む。円筒基板は、中実シリンダ又は中空シリンダ(例えば管)であり得る。耐水層は、透明導電層上に円周方向に配置される。充填剤層は、耐水層上に円周方向に配置される。透明管状ケースは、充填剤層上に円周方向に配置される。
本出願のさらに他の態様は、円筒状太陽電池と、充填剤層と、耐水層と、透明管状ケースとを含む太陽電池ユニットを提供する。円筒状太陽電池は、円筒基板、該円筒基板上に円周方向に配置された背面電極、該背面電極上に円周方向に配置された半導体接合、及び該半導体接合上に配置された透明導電層を含む。円筒基板は、中実又は中空(例えば管)であり得る。充填剤層は、透明導電層上に円周方向に配置される。耐水層は、充填剤層上に円周方向に配置される。透明管状ケースは、耐水層上に円周方向に配置される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(5.詳細な説明)
太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための非平面太陽電池組立品、より詳細には改良型太陽電池及び太陽電池アレイを本明細書に開示する。
(5.1基本構造)
本出願は、図3Aの斜視図に示され、かつ図3Bの断面図に示される個々に円周方向に被覆された非平面太陽電池ユニット300を提供する。太陽電池ユニット300において、長形非平面太陽電池402(図3C)が、透明ケース310(図3D)によって円周方向に被覆される。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット300は、透明ケース310で被覆された太陽電池402を含む。いくつかの実施態様において、隣接する太陽電池402又は他の回路との電気的接触を形成するために、長形太陽電池402の一端のみを透明ケース310に接触させる。いくつかの実施態様において、隣接する太陽電池402又は他の回路との電気的接触を形成するために、長形太陽電池402の両端を透明ケース310に接触させる。
【0023】
いくつかの実施態様において、透明ケース310は、円筒形を有する。本明細書に用いられているように、円筒状という用語は、円筒形又はほぼ円筒形を有する物体を指す。実際、円筒状物体は、物体が、全体として捉えた場合にほぼ円筒状である限り不規則な形状を有することができる。当該円筒形は、中実(例えば棒)又は中空(例えば管)であり得る。本明細書に用いられているように、管状という用語は、管形又はほぼ管形を有する物体を指す。実際、管状物体は、物体が、全体として捉えられた場合にほぼ管状である限り不規則な形状を有することができる。
太陽電池ユニット300に関する本出願におけるたいていの説明が封入実施態様又は円周方向に被覆する実施態様の文脈であるが、当該説明は、本出願の範囲に対する制限としての役割を果たすものでないことを理解すべきである。長形太陽電池に支持及び保護を提供し、長形太陽電池の間の電気的接続を可能にする任意の透明ケースは、本出願のシステム及び方法の範囲内である。
【0024】
このセクション並びにセクション5.2から5.8では代表的な太陽電池402について記載する。例えば、太陽電池402に使用できる半導体接合の例をセクション5.2に記載する。透明ケース310を製造するための代表的なシステム及び方法をセクション5.1.2に記載する。太陽電池ユニット300を形成するために、太陽電池402を透明ケース310で被覆するためのシステム及び方法がセクション5.1.3に見られる。太陽電池ユニット300を様々な大きさ及び形状の太陽電池組立品へと組み立て、発電すること、及び潜在的には水又は他の流体を加熱することができる。
図3Bは、太陽電池ユニット300の代表的な実施態様の断面図を示す。太陽電池の他の代表的な実施態様(例えば図4Aの402)も、透明ケース310による被覆に好適である。
【0025】
基板403。基板403は、太陽電池402の基板として機能する。いくつかの実施態様において、基板403は、プラスチック、金属、金属合金又はガラスで構成される。いくつかの実施態様において、基板403は円筒状である。いくつかの実施態様において、基板403は、図3Bに示されるように、中空コアを有する。いくつかの実施態様において、基板403は、中実コアを有する。いくつかの実施態様において、基板403の形状は、およそ円筒状物体の形状であり、基板403の長軸に対して直角に捉えた断面が、円というより楕円を定めることを意味する。該用語が本明細書に用いられているように、当該およその形状の物体は、本出願では円筒状であると見なされる。
【0026】
いくつかの実施態様において、基板403のすべて又は一部は、非平面閉鎖形状である。例えば、いくつかの実施態様において、基板403のすべて又は一部は、硬質の管又は硬質の中実棒である。いくつかの実施態様において、基板403のすべて又は一部は、任意の中実円筒形又は中空円筒形である。いくつかの実施態様において、基板102は、プラスチック、金属又はガラスから構成された硬質の管である。いくつかの実施態様において、太陽電池の外形全体が基板403と同じ形状である。いくつかの実施態様において、太陽電池の外形全体が、基板403の形状と異なる。いくつかの実施態様において、基板403は、非繊維状である。
【0027】
いくつかの実施態様において、基板403は硬質である。ヤング率を含むが、それに限定されないいくつかの異なる計量を用いて材料の硬さを測定することができる。固体力学において、ヤング率(E)(ヤング率、弾性係数、弾性率又は引張弾性率としても知られる)は、所定の材料の剛性の測度である。それは、小さな歪については、歪による応力の変化率の比と定義される。これを、材料のサンプルに対して実施される引張試験を通じて作製される応力-歪曲線の傾きから求めることができる。様々な材料のヤング率を以下の表に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
本出願のいくつかの実施態様において、材料(例えば基板403)は、それが20GPa以上、30GPa以上、40GPa以上、50GPa以上、60GPa以上又は70GPa以上のヤング率を有する材料で構成される場合に硬質であると考えられる。本出願のいくつかの実施態様において、材料(例えば基板403)は、該材料のヤング率がある範囲の歪に対して一定である場合に硬質である。当該材料は、線形材料と呼ばれ、フックの法則に従うと言われる。したがって、いくつかの実施態様において、基板403は、フックの法則に従う線形材料から構成される。線形材料の例としては、鋼、炭素繊維及びガラスが挙げられるが、それらに限定されない。ゴム及び土(非常に小さい歪みは除く)は、非線形材料である。
【0030】
本出願は、硬質円筒形を有する、又は中実棒である基板に限定されない。基板403のすべて又は一部は、図3Bに示される円形以外のいくつかの形状のいずれか1つによって境界が定められる断面を特徴とすることができる。境界形状は、円形、卵形、又は1つ以上の滑らかな曲面若しくは滑らかな曲面の任意の結線のいずれか1つによって特徴づけられる任意の形状であり得る。境界形状は、また、三角形、四角形、五角形、六角形を含み、或いは任意の数の線形分割面を有する本質的に線形であり得る。境界形状は、nが3、5又は5より大きいn角形であり得る。或いは、断面を線形面、弓形面又は曲面の任意の組合せによって境界を定めることができる。本明細書に記載されているように、単に説明を容易にするために、光起電デバイスの非平面実施態様を表すために全円形断面を示す。しかし、任意の断面幾何構造を実質的に非平面の光起電デバイスに使用できることに留意されたい。
【0031】
いくつかの実施態様において、基板403の第1の部分は、第1の断面形状を特徴とし、基板403の第2の部分は、第2の断面形状を特徴とし、該第1及び第2の断面形状は、同一又は異なっている。いくつかの実施態様において、基板403の長さの少なくとも10パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも30パーセント、少なくとも40パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも90パーセント又はすべてが、第1の断面形状を特徴とする。いくつかの実施態様において、第1の断面形状は、平面であり(例えば弓形の面を有さない)、第2の断面形状は、少なくとも弓形の面を有する。
【0032】
いくつかの実施態様において、基板403は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フルオロポリマー、ポリベンズアミダゾール、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ガラス系フェノール、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン、ポリメタクリレート、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンで構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス(例えば、Pyrex、Duran、Simax等)、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、溶融シリカ、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、Pyrexガラス、ガラス系フェノール、セリーテドガラス又はフリントガラスで構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、中実円筒形である。当該中実円筒基板403をプラスチック、ガラス、金属又は金属合金から構成することができる。
【0033】
いくつかの実施態様において、基板403の断面は、円であり、3mmから100mm、4mmから75mm、5mmから50mm、10mmから40mm又は14mmから17mmの外径を有する。いくつかの実施態様において、基板403の断面は、円であり、1mmから1000mmの外径を有する。
いくつかの実施態様において、基板403は、中空の内部を有する管である。当該実施態様において、基板403の断面は、中空の内部を定める内側半径及び外側半径を特徴とする。内側半径と外側半径の差は、基板403の厚さである。いくつかの実施態様において、基板403の厚さは、0.1mmから20mm、0.3mmから10mm、0.5mmから5mm又は1mmから2mmである。いくつかの実施態様において、内側半径は、1mmから100mm、3mmから50mm又は5mmから10mmである。
いくつかの実施態様において、基板403は、5mmから10000mm、50mmから5000mm、100mmから3000mm又は500mmから1500mmの(図3Bによって定められる平面に対して垂直な)長さである。一実施態様において、基板403は、15mmの外径及び1.2mmの厚さ並びに1040mmの長さを有する中空管である。基板403が図3Bに実線で示されているが、多くの実施態様において、基板403は、中空コアを有し、ガラス管によって形成された構造などの硬質環状構造を採用することが理解されるであろう。
【0034】
背面電極404。背面電極404は、基板403上に円周方向に配置される。背面電極404は、組立品における第1の電極として機能する。概して、背面電極404は、無視できる抵抗損失で太陽電池ユニット300によって生成される光起電電流を維持できるように任意の材料から構成される。いくつかの実施態様において、背面電極404は、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、白金、銀、金、それらの合金又はそれらの任意の組合せなどの任意の導電性材料で構成される。いくつかの実施態様において、背面電極404は、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック充填酸化物、超導電性カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス又は導電性プラスチックなどの任意の導電性材料で構成される。本明細書に定められるように、導電性プラスチックは、混合技術を介して、後にプラスチックに導電特性を付与する導電性充填剤を含むプラスチックである。いくつかの実施態様において、背面電極404を形成するのに本出願に使用される導電性プラスチックは、無視できる抵抗損失で太陽電池ユニット300によって生成される光起電電流を維持するために、プラスチックマトリックスを介して十分な導電性電流担持経路を形成する充填剤を含有する。導電性プラスチックのプラスチックマトリックスは、典型的には絶縁性であるが、生成される複合体は、充填剤の導電特性を示す。
【0035】
半導体接合410。半導体接合410は、背面電極404の周囲に形成される。半導体接合410は、直接的なバンドギャップ吸収体(例えば結晶シリコン)又は間接的なバンドギャップ吸収体(例えば非晶質シリコン)である吸収体層を有する任意の光起電ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合である。当該接合は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第1章、並びにLugue及びHegedus、2003、「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」、John Wiley & Sons、Ltd.、West Sussex、Englandに記載されている。本出願による代表的な種類の半導体接合410の詳細を以下のセクション5.2に開示する。以下のセクション5.2に開示される代表的な接合に加えて、接合410は、好ましくは十分により小さいバンドギャップを有する多数の接合を介して光が接合410のコアに入るマルチ接合であり得る。いくつかの実施態様において、半導体接合410は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)吸収体層を含む。いくつかの実施態様において、半導体接合410は、所謂薄膜半導体接合である。いくつかの実施態様において、半導体接合410は、所謂厚膜(例えばシリコン)半導体接合である。
【0036】
随意の真性層415。所望により、半導体接合410を円周方向に被覆する薄い真性層(i-層)415が存在する。酸化亜鉛、金属酸化物又は極めて絶縁性の強い任意の透明材料を含むが、それらに限定されない任意の非ドープ透明酸化物を使用して、i-層415を形成することができる。いくつかの実施態様において、i-層415は、極めて純度の高い酸化亜鉛である。
透明導電層412。透明導電層412を半導体接合層410上に円周方向に配置することによって回路を完成させる。上記のように、いくつかの実施態様において、薄いi-層415は、半導体接合410上に円周方向に配置される。当該実施態様において、透明導電層412は、i-層415上に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、透明導電層412は、(フッ素ドーピングされた、又はされていない)酸化錫SnOx、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛)、インジウム-亜鉛酸化物又はそれらの任意の組合せで構成される。いくつかの実施態様において、透明導電層412は、pドープ又はnドープされている。いくつかの実施態様において、透明導電層は、炭素ナノチューブで構成される。炭素ナノチューブは、例えば、Eikos(Massachusetts(マサチューセッツ)州Franklin)から商業的に入手可能であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,988,925号に記載されている。例えば、接合410の外側半導体層がpドープされた実施態様において、透明導電層412をpドープすることができる。同様に、接合410の外側半導体層がnドープされた実施態様において、透明導電層412をnドープすることができる。概して、透明導電層412は、好ましくは、非常に低い抵抗、好適な光透過特性(例えば90%を超える)及び半導体接合410及び/又は随意のi-層415の基部層に損傷を与えない析出温度を有する材料で構成される。いくつかの実施態様において、透明導電層412は、導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えばBayrton)又はそれらのいずれかの誘導体などの導電性ポリマー材料である。いくつかの実施態様において、透明導電層412は、(フッ素ドーピングされた、又はされていない)酸化錫SnOx、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム-亜鉛酸化物、ドープ亜鉛酸化物(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛)又はそれらの組合せを含む第1の層と、導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えばBayrton)又はそれらのいずれかの誘導体を含む第2の層とを含む2つ以上の層を含む。透明導電層を形成するのに使用できるさらなる好適な材料が、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPichlerの米国特許公報第2004/0187917A1号に開示されている。
【0037】
随意の電極帯420。本出願によるいくつかの実施態様において、電流の流れを容易にするために、随意の対向電極帯又はリード420が透明導電層412上に配置される。いくつかの実施態様において、電極帯420は、図4Aに示されるように、円筒状太陽電池の長軸(円筒軸)に沿って長さ方向に延びる導電性材料の細い帯である。いくつかの実施態様において、随意の電極帯は、透明導電層412の表面に間隔をあけて配置される。例えば、図3Bにおいて、電極帯420は、互いに平行に延び、太陽電池の円筒軸に沿って90度の間隔をあけて配置される。いくつかの実施態様において、電極帯420は、透明導電層412の表面に5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、90度又は180度の間隔をあけて配置される。いくつかの実施態様において、透明導電層412の表面に単一電極帯420が存在する。いくつかの実施態様において、透明導電層412の表面に電極帯420が存在しない。いくつかの実施態様において、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15以上又は30以上の電極帯が透明導電層412に存在し、いずれも太陽電池の長(円筒)軸に沿って互いに平行又はほとんど平行に延びている。いくつかの実施態様において、電極帯420は、例えば図3Bに示されるように、透明導電層412の周に沿って等間隔で配置される。代替的な実施態様において、電極帯420は、透明導電層412の周に沿って等間隔で配置されない。いくつかの実施態様において、電極帯420は、太陽電池の一面にのみ存在する。図3Bの要素403、404、410、415(随意)及び412は、図3Aの太陽電池402を集合的に含む。いくつかの実施態様において、電極帯420は、導電性エポキシ、導電性インク、銅若しくはその合金、アルミニウム若しくはその合金、ニッケル若しくはその合金、銀若しくはその合金、金若しくはその合金、導電性接着剤又は導電性プラスチックで構成される。
【0038】
いくつかの実施態様において、太陽電池の長(円筒)軸に沿って延びる電極帯が存在し、これらの電極帯は、格子線によって互いに接続される。これらの格子線は、電極帯より厚い、薄い、又は同じ幅であり得る。これらの格子線を電極帯と同一又は異なる導電材料で構成することができる。
いくつかの実施態様において、電極帯420は、インクジェット印刷を用いて、透明導電層412に堆積される。当該電極帯に使用できる導電性インクの例としては、銀充填又はニッケル充填導電性インクが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施態様において、エポキシ並びに異方性導電性接着剤を使用して、電極帯420を構成することができる。典型的な実施態様において、電極帯420を形成するために当該インク又はエポキシを熱硬化させる。
【0039】
随意の充填剤層330。本出願のいくつかの実施態様において、図3Bに示されるように、透明導電層412を、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー及び/又はウレタンなどのシール材の充填剤層330で被覆して、空気の侵入を防ぐとともに、所望により透明ケース310への取付けを補完する。
いくつかの実施態様において、充填剤層330は、Q型シリコーン、シリセキノキサン、D型シリコン及びM型シリコンである。しかし、いくつかの実施態様において、1つ以上の電極帯420が存在していても随意の充填剤層330を必要としない。随意の充填剤層330のためのさらなる好適な材料を以下のセクション5.1.4に開示する。
【0040】
いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330は、そのような目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている、整理番号11653-032-888を有する「ラミネート層を有する光起電装置及びその製造方法(Photovoltaic Apparatus Having a Laminate Layer and Method for Making the Same)」という題名の2007年3月13日出願の出願番号未定の米国仮特許出願に開示されたもののいずれかなどのラミネート層である。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、1×106cP未満の粘度を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、500×10-6/℃を超える又は1000×10-6/℃を超える熱膨張率を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、エポリジメチルシロキサンポリマー(epolydimethylsiloxane)を含む。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、50重量%未満の誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分と、少なくとも30重量%の透明シリコン油とを含み、該透明シリコン油は、該誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分の初期粘度の半分以下の初期粘度を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、500×10-6/℃を超える熱膨張率を有し、50重量%未満の誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分と、少なくとも30重量%の透明シリコン油とを含む。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、シリコン油と誘電ゲルの混合物から形成される。いくつかの実施態様において、シリコン油は、ポリジメチルシロキサンポリマー液であり、誘電ゲルは、第1のシリコーンエラストマーと第2のシリコーンエラストマーの混合物である。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、X重量%のポリジメチルシロキサンポリマー液、Y重量%の第1のシリコーンエラストマー、及びZ重量%の第2のシリコーンエラストマーから形成され、X、Y及びZの合計が100である。いくつかの実施態様において、ポリジメチルシロキサンポリマー液は、化学式(CH3)3SiO[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3を有し、nは、ポリマー液が50センチストークから100000センチストークの範囲の平均バルク粘度を有するように選択される範囲の整数である。いくつかの実施態様において、第1のシリコーンエラストマーは、少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサンと、3から7重量パーセントの珪酸塩とを含む。いくつかの実施態様において、第2のシリコーンエラストマーは、(i)少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサンと、(ii)10から30重量パーセントの水素末端ジメチルシロキサンと、(iii)3から7重量パーセントのトリメチル化シリカとを含む。いくつかの実施態様において、Xは、30から90であり、Yは、2から20であり、Zは、2から20である。
【0041】
透明ケース310。透明ケース310は、透明導電層412及び/又は随意の充填剤層330上に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、ケース310は、プラスチック又はガラスで構成される。いくつかの実施態様において、長形太陽電池402は、以下に示されるように将来の梱包のために適性に改造された後に、透明ケース310に封入される。図4Aに示されるように、透明ケース310は、長形太陽電池402の最外層に取り付けられる。いくつかの実施態様において、長形太陽電池402は、隣接する長形太陽電池402が太陽電池の端部を除いて互いに電気接触を形成しないように、透明ケース310の内側に存在する。熱収縮、射出成形又は真空装填などの方法を用いて、酸素及び水を系から排除するとともに、基部の太陽電池402への取付けを補完するように、透明ケース310を構成することができる。いくつかの実施態様において、例えば図14に示されるように、透明ケース310を使用して、長形太陽電池402を被覆することができる。
透明ケース310の潜在的な幾何学構造としては、円筒状、半径寸法が長さをはるかに下回る様々な長形構造、パネル状、弓形特徴を有する形状、箱形、又は起電発電に適した任意の潜在的幾何学構造を挙げることができる。一実施態様において、透明ケース310は管状であり、中空コアを有する。
【0042】
いくつかの実施態様において、透明ケース310は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、フルオロポリマー、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンゲル、エポキシ、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリオレフィン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体(例えば、エチレン及びテトラフルオロエチレンの重合により誘導されるETFE(登録商標):TEFLON(登録商標)モノマー)、ポリウレタン/ウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、Tygon(登録商標)、ビニル、Viton(登録商標)又はそれらの任意の組合せ又は変形物で構成される。
いくつかの実施態様において、透明ケース310は、複数の透明ケース層を含む。いくつかの実施態様において、各透明ケースは、異なる材料で構成される。例えば、いくつかの実施態様において、透明ケース310は、第1の透明ケース層及び第2の透明ケース層を含む。太陽電池の正確な構成に応じて、第1の透明ケース層は、透明導電層412、随意の充填剤層330又は耐水層上に配置される。第2の透明ケース層は、第1の透明ケース層上に配置される。
【0043】
いくつかの実施態様において、各透明ケース層は、異なる特性を有する。一例において、外側透明ケース層は、優れたUV遮蔽特性を有し、内部透明ケース層は、良好な耐水特性を有する。さらに、多数の透明ケース層を使用して、コストを削減し、且つ/又は透明ケース310の全体特性を向上させることができる。例えば、所望の物理特性を有する高価な材料で1つの透明ケース層を構成することができる。1つ以上のさらなる透明ケース層を使用することによって、高価な透明ケース層の厚さを減少させることにより、材料コストの節約を達成することができる。別の例において、1つの透明ケース層は、優れた光学特性(例えば屈折率等)を有することができるが、非常に重くなる。1つ以上の追加的な透明ケース層を使用することによって、重い透明ケース層の厚さを減少させることにより、透明ケース310の全重量を減少させることができる。
【0044】
随意の耐水層。いくつかの実施態様において、水分子の損傷効果を防止するために、1つ以上の耐水層を太陽電池402に塗布する。いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330を堆積し、太陽電池402を透明ケース310に入れる前に1つ以上の耐水層を透明導電層412に円周方向に塗布する。いくつかの実施態様において、太陽電池402を透明ケース310に入れる前に、当該耐水層を所望の充填剤層330に円周方向に塗布する。いくつかの実施態様において、当該耐水層を透明ケース310自体に円周方向に塗布する。水分子を太陽電池402から封止するために耐水層が設けられる実施態様において、耐水層の光学特性は、太陽電池402による入射太陽放射線の吸収を妨げるものであってはならないことを言及すべきである。いくつかの実施態様において、この耐水層は、透明シリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx又はAl2O3(x及びyは整数である)で構成される。いくつかの実施態様において、耐水層は、Q型シリコーン、シルセキノキサン、D型シリコン又はM型シリコンで構成される。
【0045】
随意の反射防止膜。いくつかの実施態様において、太陽電池の効率性を最大にするために、随意の反射防止膜も透明ケース310上に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、耐水層及び反射防止膜の両方が透明ケース310に配置される。いくつかの実施態様において、単一の層が、耐水層及び反射防止膜の二重の目的を果たす。いくつかの実施態様において、反射防止膜は、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素(SiO)又は亜硝酸酸化珪素で構成される。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在する。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在し、各層は、同一の材料で構成される。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在し、各層は、異なる材料で構成される。
【0046】
いくつかの実施態様において、多層太陽電池402の層のいくつかは、円筒磁電管スパッタリング技術を用いて構成される。いくつかの実施態様において、多層太陽電池402の層のいくつかは、長形の管又は帯に対する従来のスパッタリング法又は反応スパッタリング法を用いて構成される。長形の管又は帯に対するスパッタリングコーティング法は、例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているHoshiら、1983、「円筒磁電管スパッタリングによるワイヤ及び小管の内壁に対する薄膜コーティング技術(Thin Film Coating Techniques on Wires and Inner Walls of Small Tubes via Cylindrical Magnetron Sputtering)」、Electrical Engineering in Japan 103:73-80;Lincoln及びBlickensderfer、1980、「長形管及び帯のコーティングのための従来のスパッタリング装置の適用(Adapting Conventional Sputtering Equipment for Coating Long Tubes and Strips)」、J.Vac.Sci.Technol.17:1252-1253;Harding、1977、「管のコーティングのためのdc反応スパッタリングシステムの改善(Improvements in a dc Reactive Sputtering System for Coating Tubes)」、J.Vac.Sci.Technol.14:1313-1315;Pearce、1970、「マイクロ波管部品コーティングのための厚膜真空蒸着システム(A Thick Film Vacuum Deposition System for Microwave Tube Component Coating)」、Conference Records of 1970 Conference on Electron Device Techniques 208-211;及びHardingら、1979、「磁電スパッタリングシステムによってガラス管に塗布された選択的表面の特性の生成(Production of Properties of Selective Surfaces Coated onto Glass Tubes by a Magnetron Sputtering System)」、Proceedings of the International Solar Energy Society 1912-1916に記載されている。
【0047】
随意の蛍光材料。いくつかの実施態様において、蛍光材料(例えば、発光材料、リン光材料)を太陽電池300の層の表面に塗布する。いくつかの実施態様において、蛍光材料を透明ケース310の内面及び/又は外面に塗布する。いくつかの実施態様において、蛍光材料を透明導電性酸化物412の外面に塗布する。いくつかの実施態様において、太陽電池300は、随意の充填剤層330を含み、蛍光材料が随意の充填剤層に塗布される。いくつかの実施態様において、太陽電池300は、耐水層を含み、蛍光材料が耐水層に塗布される。いくつかの実施態様において、太陽電池300の2つ以上の表面が随意の蛍光材料で被覆される。いくつかの実施態様において、蛍光材料は、本出願のいくつかの半導体接合410が光を電気に変換するのに使用しない青色光及び/又は紫外光を吸収し、蛍光材料は、本出願のいくつかの太陽電池300における発電に有用な可視光及び/又は赤外光を放射する。
【0048】
蛍光、発光又はリン光材料は、青色又はUV領域の光を吸収し、可視光を放射することができる。リン光材料又はリン光体は、好適なホスト材料及び活性体材料を通常含む。ホスト材料は、典型的には、亜鉛、カドミウム、マンガン、アルミニウム、珪素又は様々な希土類金属の酸化物、硫化物、セレン化物、ハロゲン化物又は珪酸塩である。放射時間を長くするために活性体を添加する。
いくつかの実施態様において、リン光材料を本出願のシステム及び方法に組み込んで、太陽電池300による光吸収を向上させる。いくつかの実施態様において、随意の透明ケース310を作製するのに使用される材料にリン光材料を直接添加する。いくつかの実施態様において、上記のように、太陽電池300の様々な外層又は内層を被覆する透明塗料としての使用のためにリン光材料を結着剤と混合する。
代表的なリン光体としては、銅活性化硫化亜鉛(ZnS:Cu)及び銀活性化硫化亜鉛(ZnS:Ag)が挙げられるが、それらに限定されない。他の代表的なリン光材料としては、硫化亜鉛及び硫化カドミウム(ZnS:CdS)、ユーロピウムによって活性化されたアルミン酸ストロンチウム(SrAlO3:Eu)、プラセオジム及びアルミニウムによって活性化されたストロンチウムチタン(SrTiO3:Pr、Al)、ビスマスを有する硫化ストロンチウムを有する硫化カルシウム((Ca、Sr)S:Bi)、銅及びマグネシウム活性化硫化亜鉛(ZnS:Cu、Mg)又はそれらの任意の組合せが挙げられるが、それらに限定されない。
【0049】
リン光体材料を作製するための方法は、当該技術分野で知られている。例えばZnS:Cu又は他の関連リン光材料の製造方法は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているButlerらの米国特許第2,807,587号;Morrisonらの同第3,031,415号;Morrisonらの同第3,031,416号;Strockらの同第3,152,995号;Payneらの同第3,154,712号;Lagosらの同第3,222,214号;Possらの同第3,657,142号;Reillyらの同第4,859,361号及びKaramらの同第5,269,966号に記載されている。ZnS:Ag又は他の関連リン光材料の製造方法は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているParkらの米国特許第6,200,497号、Iharaらの同第6,025,675号;Takaharaらの同第4,804,882号及びMatsudaらの同第4,512,912号に記載されている。一般に、波長が小さくなるに従ってリン光体の残存率が高くなる。いくつかの実施態様において、CdSe又は類似のリン光材料の量子点を使用して、同じ効果を得ることができる。それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているDabbousiら、1995、「CdSe量子点/ポリマー複合体の電気発光(Electroluminescence from CdSe quantum-dot/polymer composites)」、Applied Physics Letters 66(11):1316-1318;Dabbousiら、1997「(CdSe)ZnSコア-シェル量子点:一連のサイズの高発光ナノ結晶の合成及び特性決定((CdSe)ZnS Core-Shell Quantum Dots:Synthesis and Characterization of a Size Series of Highly Luminescent Nanocrystallites)」、J.Phys.Chem.B、101:9463-9475;Ebensteinら、2002、「相関原子間力及び単一粒子蛍光顕微鏡法によって調査されたCdSe:ZnSナノ結晶の蛍光量子収率(Fluorescence quantum yield of CdSe:ZnS nanocrystals investigated by correlated atomic-force and single-particle fluorescence microscopy)」、Applied Physics Letters 80:4033-4035;及びPengら、2000、「CdSeナノ粒子の形状制御(Shape control of CdSe nanocrystals)」、Nature 404:59-61を参照されたい。
【0050】
いくつかの実施態様において、増白剤を本出願の随意の蛍光層に使用する。増白剤(光学増白剤、蛍光増白剤又は蛍光白色剤としても知られる)は、電磁スペクトルの紫外及び紫色領域の光を吸収し、青色領域の光を再放射する染料である。当該化合物としては、スチルベン(例えば、トランス-1,2-ジフェニルエチレン又は(E)-1,2-ジフェニルエチレン)が挙げられる。本出願の随意の蛍光層に使用できる別の代表的な増白剤は、やはりスペクトルのUV部のエネルギーを吸収するウンベリフェロン(7-ヒドロキシクマリン)である。次いで、このエネルギーを可視スペクトルの青色部において再放射する。Dean、1963、Naturally Occurring Oxygen Ring Compounds,Butterworths、London;Joule及びMills、2000、Heterocyclic Chemistry、第4版、Blackwell Science、英国Oxford;及びBarton、1999、Comprehensive Natural Products Chemistry 2:677、Nakanishi及びMeth-Cohn編集、Elsevier、英国Oxford、1999に増白剤に関するさらなる情報が記載されている。
【0051】
円周方向に配置する。本出願において、太陽電池を形成するために、材料の層を円筒基板403上に連続的に円周方向に配置する。本明細書に用いられているように円周方向に配置するという用語は、各当該材料層が必ずしも基部層上に配置されること又は太陽電池の形状が円筒状であることを示唆するものではない。実際、本出願には、当該層を成形し、或いは基部層上に形成する方法が教示されている。さらに、基板403の説明とともに上述したように、基板及び基部層は、いくつかの異なる非平面形のいずれかを有することができる。しかしながら、円周方向に配置するという用語は、上部層と基部層の間に空間(例えば環状空間)が存在しないように、上部層を基部層上に配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように円周方向に配置するという用語は、上部層を基部層上の周囲の少なくとも50パーセントに配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように円周方向に配置するという用語は、上部層を基部層の長さの少なくとも半分に沿って配置することを意味する。
【0052】
円周方向にシールする。本出願において、円周方向にシールするという用語は、上部層又は構造が、必ずしも基部層又は構造上に配置されることを示唆するものではない。実際、本出願には、当該層又は構造(例えば透明ケース310)を成形し、或いは基部層又は構造上に形成する方法が教示されている。しかしながら、円周方向にシールするという用語は、上部層又は構造体と基部層又は構造体との間に空間(例えば環状空間)が存在しないように、上部層又は構造体を基部層又は構造体上に配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように、円周方向にシールするという用語は、上部層を下部層上の全周囲に配置することを意味する。典型的な実施態様において、層又は構造は、それを基部層又は構造の全周囲に配置し、且つ基部層又は構造の全長に沿って配置する場合に基部層又は構造をシールする。しかし、本出願は、円周方向にシールする層又は構造が基部層又は構造の全長に沿って延びない実施態様を想定している。
【0053】
(5.1.1太陽電池ユニット組立品)
図4Aは、太陽電池組立品400を形成するために共平面に配置された3つの太陽電池ユニット300の構成の断面図を示す。図4Bは、図4Aの4B-4B線に関する断面図を示す。図4において、背面電極404が中実円筒基板として示される。しかし、図4によるいくつかの実施態様において、中実円筒基板であるよりむしろ、背面電極は、図3Bに示されるように基板403上に円周方向に配置された導電性材料の薄層である。図4における他のすべての層は、図3Bに示されている通りである。図3Bのように、図4に示される実施態様における充填剤層330は随意である。
【0054】
図4A及び4Bに見られるように、各長形電池402は、その断面の直径dと比較して大きい長さを有する。図4Aに示される構造の利点は、太陽電池402を遮る前面接点が存在しないことである。当該前面接点は、既知のデバイス(例えば図2Bの要素10)に見られる。図4Aに示される構造の別の利点は、長形電池402が並列でなく直列に電気接続されることである。当該直列構成において、各長形電池402の電圧は合算される。これは、システムの電圧を上昇させることにより、同等の並列構造と比べて、電流を低下させるように働き、抵抗損失を最小限に抑える。直列電気構造は、図4A及び4bに示されるように、長形太陽電池402のすべて又は一部を配列することによって維持される。図4Aに示される構造の別の利点は、システムの抵抗損失が小さいことである。これは、回路の各電極部品が極めて導電性の高い材料で構成されるためである。例えば、上記のように、各太陽電池402の導電性コア404は、金属などの導電性材料で構成される。或いは、導電性コア404が中実でなく、基板403上に円周方向に配置された背面電極層を含む場合は、背面電極404が極めて高い導電性を有することになる。背面電極404が図4に示すように中実構成であるか、図3Bに示すように薄層であるかにかかわらず、当該背面電極404は、抵抗による検知可能な電流損失を伴わずに電流を担持する。より導電性コア404(図4)及び/又はより厚い背面電極404(図3B)は、低い抵抗を保証するが、当該大きな導電性コア404を包括する透明導電層は、接点(対向電極帯又はリード線)420まで電流をさらに担持しなければならない。したがって、導電性コア404及び/又は基板403の大きさには上限がある。これらの及び他の条件を鑑みると、本出願のいくつかの実施態様において直径dは、0.5ミリメートル(mm)から20mmである。したがって、導電性コア404(図4)及び/又は基板403(図3B)は、それらが、検知可能な抵抗損失を伴わずに電流を担持するのに十分に大きく、透明導電層412が電流を対向電極帯420に効率的に送ることを可能にするのに十分に小さくなるような大きさに作製される。
【0055】
図4Aに示される構造の有利な低抵抗特性は、対向電極帯420の極めて高い導電特性によっても促進される。しかし、いくつかの実施態様において、対向電極帯は使用されない。その代わり、そのような目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の米国特許出願第11/378,835号に記載されているものなどのモノリシック集積構造が用いられる。
いくつかの実施態様において、例えば、対向電極帯420は、導電性エポキシ(例えば銀エポキシ)又は導電性インク等で構成される。例えば、いくつかの実施態様において、対向電極420は、薄い金属層を好適な基板に堆積し、次いで該層を一連の平行帯にパターン化することによって形成される。図4Dに示されるように、各対向電極帯420は、太陽電池402の長さに沿って導電性エポキシにより太陽電池402に固定される。いくつかの実施態様において、対向電極帯420は、太陽電池402に直接形成される。他の実施態様において、図3Bに示されるように、対向電極帯420は、外側透明導電層412に形成される。いくつかの実施態様において、図4Bに示されるように、対向電極帯420と電極433が直列接続される。
【0056】
図4Aに示される構造のさらに別の利点は、半導体接合410の吸収体層(例えば、図5の層502、510、520又は540)を通る経路長が、平均して、同じ幅を有し平面構成の同じ種類の吸収体層の経路長より長いことである。したがって、図4Aに示される長形構造は、類似の平面太陽電池と比べてより薄い吸収体層の設計を可能にする。長形構造において、より薄い吸収層は、層の経路長が長くなるため、光を吸収する。吸収層が、同等の平面太陽電池と比べて薄いため、抵抗が小さく、そのため類似の平面太陽電池と比べて電池の効率が全体的に向上する。十分な光量を吸収するより薄い吸収層を有するさらなる利点は、当該吸収体層が必要とする材料が少なくなるため、より安価になることである。また、吸収層が薄いほど製造が迅速になることにより、製造コストがさらに低下する。
【0057】
図4Aに示される長形太陽電池402の別の利点は、同等の平面太陽電池と比べて比較的表面積が小さく、示された実施態様において、放射相称を有することである。図示されていない実施態様は、必ずしも放射相称を有していない。これらの特性の各々は、半導体接合410を形成するのに必要なドープ半導体層の堆積の制御を可能にする。従来の平面パネル太陽電池と比べて表面積が小さいことは、半導体接合410を形成する層の堆積中に表面に全体にわたって均一の蒸気を提供することがより容易であることを意味する。均一の組成(例えば、均一の材料組成、均一のドーパント濃度等)及び/又は半導体接合410の個々の層の均一の厚さを保証するために、電池の製造中に、放射相称を利用することができる。例えば、太陽電池が放射相称を有する実施態様において、均一の材料組成及び/又は均一の厚さを保証するために、太陽電池402を作製するために層が堆積される導電性コア404を当該堆積中に縦軸に沿って回転させることができる。上述のように、本発明のすべての実施態様が放射相称を有しているわけではない。
図4Bにおいて、太陽電池402の断面形状は、全体的に円形である。他の実施態様において、四角形の断面又は楕円形の断面等を有する太陽電池402本体が使用される。実際、本出願において、太陽電池402の断面形状に制限はない。いくつかの実施態様において、太陽電池402は、それらの長さがそれらの直径よりはるかに長く、それらが断面放射相称又はほぼ断面放射相称の何らかの形を有する全体的に棒状の形状を維持する。いくつかの実施態様において、太陽電池402は、基板403の説明とともに上述した断面のいずれかを特徴とする。
【0058】
いくつかの実施態様において、図4Aに示されるように、第1及び第2の長形太陽電池(棒状太陽電池)402は、第1の長形太陽電池402の背面電極404(第1の電極)を第2の長形太陽電池402の対応する対向電極帯420に接続する電気接点433によって電気的に直列接続される。したがって、図4Aに示されるように、長形太陽電池402は、半導体層410、透明導電層412及び長形太陽電池402の金属導電性コア404をそれぞれ形成する基本ユニットである。いくつかの実施態様において、長形太陽電池402は、互いに平行又はほぼ平行に一列に多数配置され、互いに電気的に絶縁した独立リード線(対向電極)420上に存在する。有利には、図4Aに示される構成において、長形太陽電池402は、透明ケース310を通じて直接光を受光する。
【0059】
いくつかの実施態様において、組立品400における長形太陽電池402のすべてが、電気的に直列配置されるわけではない。例えば、いくつかの実施態様において、電気的に並列配置された長形太陽電池402の対が存在する。第1及び第2の長形太陽電池は、電気的に並列に接続することができ、それにより、第1の長形太陽電池の導電性コア404を第2の長形太陽電池に接合する第1の電気接点(例えば、不図示の導電性ワイヤ等)を使用することによって対合される。並列回路を完成するために、2つの長形太陽電池の透明導電層を直接、又は第2の電気接点(不図示)を介してのいずれかで接触させることによって、第1の長形太陽電池402の透明導電層412を第2の長形太陽電池402の透明導電層412に電気的に接続する。次いで、長形太陽電池の対を電気的に直列配置する。いくつかの実施態様において、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個又は12個以上の長形太陽電池402を電気的に並列配置する。次いで、これらの並列グループの長形太陽電池402を電気的に直列配置する。
図4Cは、対向電極帯420と、電極433と、背面電極404と、半導体層410と、透明導電層412の位置関係を示すために、背面電極404及び透明導電層412の一部が切り取られた図4Bの領域4Cの拡大図である。また、図4Cは、電気接点433が、1つの長形太陽電池402の背面電極404を、別の太陽電池402の対向電極420にどのように接合させるかを示す。
【0060】
図4に示される構成の1つの利点は、図4Bに示されるように、太陽電池402を互いに直列に接続させる電気接点433を組立品400の一端に配置するだけでよいことである。しかし、封入は、隣接する太陽電池402からの望ましくない電気接点から各太陽電池402を遮蔽し、封入が比較的単純になる。したがって、図4Bの4D-4D線に沿って捉えられた長形太陽電池402の断面図である図4Dを参照すると、図示されたようにして、太陽電池402の遠端455を透明ケース310で完全にシールすることが可能である。いくつかの実施態様において、このシールにおける層は、導電性コア404上の長さ方向に、即ち導電性コア404及び/又は基板403、半導体接合410、随意の薄い真性層(i層)415及び透明導電層412の堆積の順に円周方向に配置された層と同一である。当該実施態様において、端部455は、太陽光を受光できるため、太陽電池402の発電特性に寄与する。いくつかの実施態様において、透明ケース310は、電気接点が太陽電池のいずれの端部からも延びることができるように太陽電池402の両端で開口する。
【0061】
図4Dは、また、いくつかの実施態様において、電気接点433が見られる端部466において導電性コア404上に堆積した様々な層がどのように先細になる様子を示す。例えば、背面電極404の末端部が、図4Dに示されるように露出している。換言すれば、半導体接合410、随意のi層415及び透明導電層412が、導電性コア404の末端部から剥がれる。また、半導体接合410の末端部が、図4Dに示されるように露出している。即ち、随意のi層415及び透明導電層412が、半導体接合410の末端部から剥がれる。導電性コア404、半導体接合410、随意のi層415及び透明導電層412の残りの部分は、透明ケース310に被覆される。当該構成は、透明導電層412と導電性コア404の間にショートが生じることを防止するため有利である。図4Dにおいて、長形太陽電池402が対向電極帯420に配置され、それが次に電気抵抗性の透明ケース310に対して配置される。しかし、対向電極帯420が電気抵抗性の透明ケース310と接触する必要はない。実際、いくつかの実施態様において、長形太陽電池402及びそれらの対応する対向電極帯420は、好ましくない電気接点が存在しないように透明導電層412内にシールされる。当該実施態様において、長形太陽電池402及び対応する電極帯420は、エチレン酢酸ビニル又はシリコーンなどのシール材によって所定の位置に固定的に保持される。本出願によるいくつかの実施態様において、対向電極帯420は、太陽電池402の側面に取り付けられる金属ワイヤに代えられる。本出願のいくつかの実施態様において、太陽電池402は、追加的なワイヤ又は帯状対向電極の必要性をなくすための分割設計を実現させる。分割太陽電池設計に関する詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の「円筒状太陽電池のモノリシック集積(Monolithic Integration of Cylindrical Solar Cells)」という題名の米国特許同時係属出願第11/378,847号に見いだされる。
【0062】
図4Dは、長形太陽電池402を直列に接続させる電気接点433の斜視図をさらに示す。例えば、第1の電気接点433-1は、対向電極420と電気的に連結するのに対して、第2の電気接点433-2は、背面電極404(長形太陽電池402の第1の電極)と電気的に連結する。第1の電気接点433-1は、長形太陽電池402の対向電極を別の長形太陽電池の背面電極404に直列的に接続させる。図4Bに示されるように、第2の電気接点433-2は、長形太陽電池402の背面電極404を別の長形太陽電池402の対向電極420に直列に接続させる。背面電極404それ自体が中実円筒基板であるか、図3Bに示されるように基板403上の導電性材料の層であるかにかかわらず、当該電気的構成が可能である。各太陽電池402は、透明ケース310に被覆される。
加えて、図4Dは、随意の充填剤層330及び透明ケース310が太陽電池を覆い、電気接触を確立するために一端466のみを残す封入太陽電池402を示す。いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330及び透明ケース310は、長形太陽電池402の両端(例えば図4Dの455及び466)が電気接触を確立するために利用できるように構成されることが理解されるだろう。
【0063】
図7Aは、本出願の別の実施態様による太陽電池組立品700を示す。太陽電池組立品700は、それぞれ透明ケース310に封入された複数の長形太陽電池402を含む。複数の長形太陽電池における各長形太陽電池402は、第1の電極として構成される背面電極404を有する。図7Aに示される実施態様において、背面電極404は、中実の円筒状導電性基板である。しかし、図7による代替的な実施態様において、背面電極404は、図3Bのケースのように中空形状の基板に堆積された導電性材料の薄膜である。図7に開示された原理は、それぞれの当該形態の背面電極404に適応する。図7において、半導体接合410は、導電性コア402上に円周方向に配置され、透明導電層412は、半導体接合410上に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、複数の長形太陽電池402を幾何学的に並列又はほぼ並列に配置することによって、第1の面(組立品700の対向面733)及び第2の面(組立品700の対向面766)を有する平面アレイを形成する。複数の長形太陽電池は、複数の長形太陽電池における1つ以上の長形太陽電池が隣接する長形太陽電池と接触しないように配置される。いくつかの実施態様において、複数の長形太陽電池は、複数の長形太陽電池における長形太陽電池の各々が(透明導電層412を介して)隣接する長形太陽電池402に直接接触しないように配置される。いくつかの実施態様において、複数の長形太陽電池は、複数の長形太陽電池における長形太陽電池の各々が隣接する長形太陽電池402の外側透明ケース310に直接接触しないように配置される。
【0064】
いくつかの実施態様において、太陽電池402の反対側を長さ方向にそれぞれ延びる第1の溝777-1及び第2の溝777-2が存在する。図7Aにおいて、すべてではなくいくつかの溝777にラベルが付されている。いくつかの実施態様において、太陽電池の一方又は両方の溝に対向電極420が存在する。図6Aに示される実施態様において、複数の太陽電池における各太陽電池の第1及び第2の溝の両方に長さ方向に嵌合した対向電極が存在する。当該構成は、透明導電層412から引き出される電流の経路長を減少させるため有利である。換言すれば、電流が対向電極420に到達するまで透明導電層412を移動しなければならない最大距離が、透明導電層の周の4分の1になる。対照的に、所定の太陽電池402に付随する単一の対向電極420のみが存在する構成において、電流が対向電極420に到達するまで透明導電層412を移動しなければならない最大距離が、透明導電層412の周の半分になる。本出願は、広範な深さ及び形状特性を有する溝777を包括し、決して図7Aに示される溝777の形状に限定されない。概して、太陽電池402の長軸に沿って延び、対向電極420のすべて又は一部を収容することができる任意の溝形状777が、本出願の範囲内にある。例えば、図7Aに示されていないいくつかの実施態様において、各溝777は、溝777の外郭と対向電極帯420の間が静合するようにパターン化される。
【0065】
図7Aに示されるように、複数の金属対向電極420が存在し、複数の長形太陽電池における各々の長形太陽電池402は、第1の金属対向電極が、それぞれの長形太陽電池に沿って長さ方向に延びる溝777内に存在するように複数の金属対向電極における少なくとも第1の対応する金属対向電極420に結合される。また、図7Aに示される太陽電池組立品において、各々の長形太陽電池402は、第2の金属対向電極が、それぞれの長形太陽電池402に沿って長さ方向に延びる第2の溝777内に存在するように第2の対応する金属対向電極420に結合される。図7Aにさらに示されるように、第1の溝777及び第2の溝777は、それぞれの長形太陽電池402の反対側又は実質的に反対側にあり、電池の長軸に沿って延びる。
【0066】
いくつかの実施態様において、図14に示される透明ケース310などの透明ケース310を使用して、長形太陽電池402を収容する。空気を太陽電池ユニット402から排除することが重要であるため、本出願のいくつかの実施態様において、随意の充填剤層330を図7Aに示されるようにして太陽電池402と透明ケース310の間に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、酸素及び水の太陽電池402への浸出を防止する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、EVA又はシリコーンを含む。いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330は、そのような目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている、整理番号11653-032-888を有する「ラミネート層を有する光起電装置及びその製造方法(A Photovoltaic Apparatus Having a Laminate Layer and Method for Making the Same)」という題名の2007年3月13日出願の出願番号未定の米国仮特許出願に開示されたもののいずれかなどのラミネート層である。いくつかの実施態様において、個々に収容された太陽電池402を図7Aに示されるように平面アレイに集合させる。複数の長形太陽電池402が、平面アレイの面733及び面766の双方から直接光を受光するように構成される。
【0067】
図7Bは、図7Aの線7B-7Bに対する断面図を示す。太陽電池402は、図7A及び7Bに示されるように互いに接触しないように太陽電池を配置すること、及び図7Bを参照しながら以下に説明するように電気接点を使用することによって電気的に互いに直列配置される。透明ケース310の封入特徴を明示するために個々の太陽電池が互いに分離されているように示されるが、透明ケース310が、太陽電池ユニット300の個々の太陽電池402をあらゆる好ましくない電気接点から遮蔽するため、太陽電池402間の実際の隔たりは必要とされない。しかし、個々に遮蔽された太陽電池ユニット300に対して密接空間又は無空間充填を必要としない。実際、透明ケース310の存在は、太陽電池組立品にさらなる融通性を与える。例えば、いくつかの実施態様において、隣接する太陽電池ユニット300間の間隔は、0ミクロン以上、0.1ミクロン以上、0.5ミクロン以上、又は1ミクロンから5ミクロンであり、或いは太陽電池ユニット300のサイズ及び寸法に最適に関連づけられる。
【0068】
図7Bを参照すると、太陽電池402間の直列電気接触は、1つの長形太陽電池402の背面電極404を異なる太陽電池402の対応する対向電極120に電気的に接続させる電気接点788によってなされる。図7Bは、太陽電池402の構造をさらに示すために、1つの太陽電池402における金属導電性コア404及び半導体接合410の破断図をさらに示す。
図7に示される太陽電池は、いくつかの利点を有する。第1に、太陽電池402の平面構造は、組立品における遮光をほぼゼロパーセントにする。例えば、組立品は、面733及び面766の両方から直接太陽光を受光することができる。第2に、個々に封入された太陽電池402が間隔を又はほとんどあけずに互いに平行に整列される実施態様において、構造は完全に自立している。該組立品のさらに別の利点は、製造が容易なことである。図2Bに示されるもののような太陽電池と異なり、ガラス上の複雑な格子又は透明導電性酸化物を必要としない。例えば、太陽電池402及びその対応する対向電極420をアセンブルして、図7Aに示される回路を完成するために、対向電極420を、それがワイヤの形である場合に、導電性エポキシで被覆し、太陽電池402の溝777に落とし、硬化させることができる。
【0069】
図7Bに示されるように、導電性コア404、接合410及び透明導電層412は、長形太陽電池402の端部789において互いに同一平面にある。対照的に、端部799において、導電性コアは、図示されるように、接合410及び透明導電層412に対して若干突出する。接合410も、透明導電層412に対して端部799において若干突出する。端部799における導電性コア404の突出は、導電性コア404の末端部の側面が露出する(例えば、接合410及び透明導電層412によって被覆されない)ことを意味する。この構成の目的は、透明導電層412で対向電極420(又は溝777に対向電極を取り付けるのに使用されるエポキシ)をショートさせる可能性を低下させることである。いくつかの実施態様において、対向電極420の露出表面のすべて又は一部が、電気的なショートの可能性を低下させるために電気絶縁性材料で遮蔽される。例えば、いくつかの実施態様において、図7Bの箱形領域における対向電極420の露出表面が電気絶縁材料で遮蔽される。
図7に示される組立品のさらに別の利点は、対向電極420が陰影妨害を伴わずにはるかに高い導電性を有することができることである。換言すれば、対向電極420は、実質的な断面サイズを有する(例えば、太陽電池402が6mmの直径を有する場合に1mmの直径を有する)。したがって、対向電極420は、ワイヤをできるだけ長くすることができるため、有意な量の電流を担持することができ、それにより、より大きいパネルの作製が可能になる。
【0070】
太陽電池402間の直列接続は、図7Bに示される方式の太陽電池402の対間の接続であり得る。しかし、本出願は、それに限定されない。いくつかの実施態様において、2つ以上の太陽電池402を互いに集合させて(例えば、電気的に並列に接続させて)、一群の太陽電池を形成し、次いで当該太陽電池群を互いに直列に接続する。したがって、太陽電池間の直列接続は、当該太陽電池群が任意の数(例えば2、3、4、5、6等)の太陽電池402を有する太陽電池群の間の接続であり得る。しかし、図7Bは、各接点788が一対の太陽電池402のみを直列接続する好ましい実施態様を示す。
図7Bに示される組立品の別の利点は、透明ケース310が太陽電池402上に円周方向に配置されることである。いくつかの実施態様において、随意の充填層330が、太陽電池402の外面と透明ケース310の内面との間に存在する。図7Bは、隣接する太陽電池ユニット300の一端における電気回路のみを示しているが、電気回路を太陽電池ユニット300の両端或いは太陽電池ユニット300の2つの端部の間に確立することが可能になる。
【0071】
本出願による太陽電池設計は、各個々の太陽電池402が透明ケース310に封入されるという点で有利である。透明ケース310は、少なくとも部分的に透明であり、プラスチック又はガラスなどの非導電性材料で構成される。よって、この設計に従って製造された太陽電池組立品は、各太陽電池402間の長さ方向の絶縁体を必要としない。太陽電池組立品700のさらに別の実施態様は、組立品の一面の透明導電層又は金属格子によるさらなる吸収損失が存在しない実施態様である。さらに、組立品700は、同じ性能又は両面733及び766に露出する吸収体領域を有する。これにより、組立品700が対称になる。
組立品700の別の利点は、すべての電気接点788が同じレベル(例えば、図7Aの線7B-7Bの平面)で終端することである。そのように、端部における基板面領域をほとんど浪費することなく、それらの接続及び溶接がより容易になる。これは、太陽電池402の構成を簡単にすると同時に、太陽電池組立品700の全体効率を向上させる。この効率の向上は、溶接部がより小さくなり得るためである。
【0072】
図7に示されていないが、図7によるいくつかの実施態様において、複数の長形太陽電池402における長形太陽電池402の半導体接合410と透明導電層412との間に円周方向に配置された真性層415が存在する。真性層415を酸化亜鉛、金属酸化物又は絶縁性が極めて強い任意の透明金属などの非ドープ透明酸化物で構成することができる。いくつかの実施態様において、組立品700における太陽電池402の半導体接合410は、内側同軸層及び外側同軸層を含み、該外側同軸層が第1の導電型を含み、かつ該内側同軸層が第2の反対の導電型を含む。代表的な実施態様において、内側同軸層は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)を含むのに対して、外側同軸層は、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2及びドープZnOを含む。図7に示されないいくつかの実施態様において、太陽電池402における導電性コア404は中空である。
【0073】
図8は、透明導電層412が、太陽電池402の長軸に沿って延び、透明導電層412を完全に切断するブレーク810によって妨害される点を除いて、本出願の太陽電池組立品700と同一である本出願の太陽電池組立品800を示す。図8に示される実施態様において、太陽電池402の長さに沿って延びる2つのブレーク810が存在する。当該ブレーク810の効果は、太陽電池組立品800における各太陽電池402に付随する2つの対向電極420を電気的に絶縁することである。ブレーク800を構成できる多くの方法がある。例えば、レーザ又はHClエッチを使用できる。
いくつかの実施態様において、組立品800におけるすべての長形太陽電池402が電気的に直列配置されるわけではない。例えば、いくつかの実施態様において、電気的に並列配置された長形太陽電池402の対が存在する。第1及び第2の長形太陽電池は、電気的に並列に接続され得るため、該第1の長形太陽電池の導電性コア404を該第2の長形太陽電池に接合する第1の電気接点(例えば、不図示の導電性ワイヤ等)を使用することによって対合される。並列回路を完成するために、2つの長形太陽電池の透明導電層を直接、又は第2の電気接点(不図示)を介して接触させることによって、第1の長形太陽電池402の透明導電層412を第2の長形太陽電池402の透明導電層412に電気的に接続する。次いで、長形太陽電池の対を電気的に直列配置する。いくつかの実施態様において、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又は11個以上の長形太陽電池402を電気的に並列配置する。次いで、これらの並列グループの長形太陽電池402を電気的に直列配置する。
【0074】
いくつかの実施態様において、図14に示されているような透明ケース310を使用して、長形太陽電池402を収容する。太陽電池ユニット402から空気を排除することが重要であるため、充填剤層330を使用して、太陽電池402の酸化を防止することができる。図8に示されるように、充填剤層330(例えばEVA)は、酸素及び水の太陽電池402への浸入を防止する。充填剤層は、透明ケース310の太陽電池402と内層の間に配置される。いくつかの実施態様において、個々に封入された太陽電池402を図8に示されるように平面アレイにアセンブルする。
図9は、背面電極404が中空である本出願の太陽電池組立品900を示す。実際、本出願の実施態様のいずれかにおいて背面電極404を中空にすることができる。中空背面電極404設計の1つの利点は、太陽電池組立品の全体重量を減少させることである。背面電極404のすべて又は一部を介して長さ方向に延びるチャネルが存在する場合、背面電極404は中空である。いくつかの実施態様において、背面電極404は、金属管である。いくつかの実施態様において、背面電極404は、図3Bに示されるように、基板403に配置される導電性材料、例えばモリブデンの薄層である。いくつかの実施態様において、基板403は、ガラス、又は基板403の包括的な説明に関して上述した材料のいずれかで構成される。
【0075】
いくつかの実施態様において、組立品900におけるすべての長形太陽電池402が電気的に直列配置されるわけではない。例えば、いくつかの実施態様において、電気的に並列配置された長形太陽電池402の対が存在する。次いで、長形太陽電池の対を電気的に直列配置する。いくつかの実施態様において、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個又は11個以上の長形太陽電池402を電気的に並列配置する。次いで、これらの並列グループの長形太陽電池402を電気的に直列配置する。
いくつかの実施態様において、例えば図14に示される透明ケース310を使用して、長形太陽電池402を円周方向に被覆することができる。太陽電池402から空気を排除することが重要であるため、追加的なシール材を使用して、太陽電池402の酸化を防止することができる。或いは、図9に示されるように、随意の充填剤層330(例えばEVA又はシリコーン等)を使用して、酸素及び水の太陽電池402への浸入を防止することができる。いくつかの実施態様において、個々に収容された太陽電池402を、図9に示されるように平面アレイにアセンブルする。図10は、2つの個別的な接合を並列に形成するために、対向電極420、透明導電層412及び接合410が図示されているようにして貫通された本出願の太陽電池組立品1000を示す。いくつかの実施態様において、例えば図14に示される透明ケース310を使用して、随意の充填剤層330を有する、又は有さない長形太陽電池402を収容することができる。
【0076】
図15は、本出願による長形太陽電池402を示す。透明ケース310は、好適な電気接続を確立するために露出された電極420の端部のみを残して、長形太陽電池402を収容する。長形太陽電池402の端部を剥がし、導電層404を露出させる。先述の実施態様のように、背面電極404は、組立品における第1の電極として機能し、各長形電池402の外面の透明導電層412は、対向電極として機能する。しかし、図15に示される本出願によるいくつかの実施態様において、長形太陽電池402に取り付けられた突出対向電極420及び電極440は、便利な電気接続を提供する。
【0077】
図15に示される典型的な実施態様において、長形太陽電池402の対向面上に長さ方向にそれぞれ延びる第1の溝677-1及び第2の溝677-2が存在する。いくつかの実施態様において、対向電極420は、図15に示されるようにして、溝677に嵌合される。典型的には、当該対向電極420は、導電性インク又は導電性接着剤を使用して、溝677に接着される。例えば、導体として非酸化性銅を使用する噴霧可能な金属コーティング系であるCuPro-Cote(Lessemf.com(New York(ニューヨーク)州Albany)から入手可能)を使用できる。いくつかの実施態様において、対向電極420を溝677に嵌合し、次いで、導電性インク又は導電性接着剤のビードを塗布する。先述の実施態様のように、本出願は、広範な深さ及び形状特性を有する溝677を包括し、図15に示される溝677の形状に決して限定されない。概して、第1の太陽電池402の長軸に沿って延び、対向電極420のすべて又は一部を収容できる任意の種類の溝677が本出願の範囲内にある。対向電極420は、複合層410/(415)/412からの電流を通す。長形太陽電池402の両端の領域において、対向電極420は、導電層404から電気的に絶縁されるように、図15に示されるように被われる。しかし、突出対向電極420の端部は、被われていないため、さらなるデバイスと電気接触を形成することができる。いくつかの実施態様において、溝677及び対向電極420が存在しない。例えば、いくつかの実施態様において、そのような目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の米国特許出願第11/378,835号に開示されているようなモノリシック集積方式を使用する。
【0078】
図15に示される実施態様において、電極440の第2の集合体は、露出された背面電極404に取り付けられる。電極440の第2の集合体は、背面電極404からの電流を通す。図15に示されるように、本出願による実施態様は、各長形太陽電池402の2つの対向端部に接続された2つの電極440を有する。典型的には、電極440は、導電性インク又は導電性接着剤を使用して背面電極404に接着される。例えば、CuPro-Coteを使用することができる。いくつかの実施態様において、電極440を層404に接着し、次いで導電性インク又は導電性接着剤のビードを塗布する。電極440が層410/(415)/412と電気接触しないように注意する。また、本出願における電極440は、広範な長さ及び幅並びに形状特性を有し、図15に示される形状に決して限定されない。図15に示される実施態様において、長形太陽電池402の対向する端部における2つの電極440は、太陽電池の同じ側に存在しない。第1の電極440は、長形太陽電池402の下部側に存在し、第2の電極440は、長形太陽電池402の上部側に存在する。当該配置構造は、太陽電池の直列の接続を容易にする。本出願によるいくつかの実施態様において、2つの電極440は、長形太陽電池402の同じ側に存在し得る。
いくつかの実施態様において、各電極440は、導電層404/1304に取り付けられた導電性材料の薄帯で構成される(図15)。いくつかの実施態様において、各電極440は、導電性金属リボン(例えば、銅、アルミニウム、金、銀、モリブデン又はそれらの合金)或いは導電性インクで構成される。後続の図面を参照しながら説明するように、対向電極420及び電極440を使用して、長形太陽電池402を好ましくは直列に電気的に接続する。しかし、当該対向電極は随意である。
【0079】
(5.1.2透明ケース)
透明ケース310は、図3Aから図3Cに示されるように、太陽電池ユニット402をシールして、太陽電池に対する支持及び保護を提供する。透明ケース310の大きさ及び寸法は、太陽電池組立品ユニット402における個々の太陽電池402の大きさ及び寸法によって決定づけられる。透明ケース310をガラス、プラスチック又は任意の他の好適な材料で構成することができる。透明ケース310を構成するのに使用できる材料の例としては、ガラス(例えばソーダ石灰ガラス)、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル、ポリカーボネート、フルオロポリマー(例えばTefzel又はTeflon)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、Tedlar又はいくつかの他の好適な透明材料が挙げられるが、それらに限定されない。透明ケース310を構成するのに用いられる代表的な方法を以下に記載する。いくつかの実施態様において、透明ケース310は、太陽電池が嵌合されるガラス製の管状棒である。次いで、太陽電池を、液体又は半液体の形でケース310に注がれる充填剤層330でシールすることによって、デバイスをシールする。
【0080】
(5.1.2.1透明ケースの構成)
いくつかの実施態様において、透明ケース310は、ブロー成形を用いて製造される。ブロー成形は、押出又は再加熱が可能である軟化ポリマー管の端部を固定し、ブローピンでポリマーを成形壁に対して膨張させ、容器内の揮発性流体の導通又は蒸発によって生成物を冷却することを含む。ブロー成形の3つの一般的な種類は、押出ブロー成形、射出ブロー成形及び延伸ブロー成形である。米国特許第237168号には、ブロー成形の方法が記載されている(例えば図6Aの602)。透明ケース310を製造するのに使用できる他の形のブロー成形としては、低密度ポリエチレン(LDPE)ブロー成形、高密度ポリエチレン(HDPE)ブロー成形及びポリプロピレン(PP)ブロー成形が挙げられる。
押出ブロー成形。図6Aに示されるように、押出ブロー成形法は、パリソン(例えば図6Aの602)及びパリソンに近い金型部分(例えば図6Aの604)を含む。押出ブロー成形(extrusion blow molding)(EBM)では、材料を溶融し、中空管に押し出す(例えば、図6Aに示されるパリソン)。次いで、パリソンを冷却した金属金型に閉じ込めることによって取り込む。次いで、空気をパリソンに吹き込み、それを膨らませて、中空ボトル、容器又は部品の形状にする。材料を十分に冷却した後に、金型を開け、部品を排出させる。
【0081】
EBM法は、パリソン602の連続的又は断続的な押出からなる。それに応じてEBM装置の種類を分類することができる。典型的な連続押出装置は、通常は、回転車輪ブロー成形システム及びパリソンから完成品を輸送するシャトル装置を含む。代表的な断続押出装置は、往復スクリュー式装置及び蓄積器頭部装置を含む。PP、HDPE、PVC及びPETなどの基本ポリマーが、EVOH又はナイロンなどの高バリヤ樹脂と共にだんだんと共押出され、水、酸素、CO2又は他の物質に対する透過抵抗を提供する。
射出成形と比較して、ブロー成形は低圧法であり、典型的な送風圧力は25から150psiである。この低圧法は、経済的な低力クランピングステーションの製造を可能にし、一方で、部品を高光沢から粗面の表面仕上げで製造することができる。成形部品に生じる低応力は、容器に歪及び環境応力のひび割れに対する抵抗性を付与するのに役立つ。
【0082】
射出ブロー成形。射出ブロー成形(injection blow molding)(IBM)では、図6Bに示されるように、材料をコアピン(例えば、図6Bの612)上に射出成形する。次いで、コアピンをブロー成形ステーション(例えば、図6Bの614)まで回転させて、膨張させ、冷却する。該方法は、射出、吹き付け及び排出の3つの工程に分けられる。典型的なIBM装置は、押出機胴体及びポリマーを溶融するスクリュー組立品に基づく。溶融ポリマーをマニホールドに供給し、それをノズルから中空の加熱予備成形金型(例えば、図6Bの614)に射出する。予備成形金型は、外形を形成し、予備成型物の内径を形成する鋳型(コアロッド、例えば図6Bの612)の周囲に固定される。予備成形物は、本体を形成することになる厚いポリマー管が取り付けられた完全形性ボトル/ジャーネックからなる。
予備成形金型が開き、コア棒が回転し、中空の冷却ブロー成形用金型に固定される。コア棒612が開き、圧縮空気を予備成形物614に送り込み、それが予備成形物614を膨張させて、完成品形状にする。冷却期間後、ブロー成形用金型が開き、コア棒が排出位置まで回転する。完成品をコア棒から剥がし、漏れ試験を行ってから充填する。予備成形及びブロー成形用金型は、製品の大きさ及び必要な出力に応じて典型的には3から16の多くの穴を有し得る。同時的な予備成形射出、ブロー成形及び排出を可能にする3組のコア棒が存在する。
【0083】
延伸ブロー成形。延伸ブロー成形(stretch blow molding)(SBM)法では、図6Cに示されるように、射出成形法を用いて、材料を最初に「予備成形物」、例えば図6Cの628に成形する。典型的なSBMシステムは、延伸ブローピン(例えば図6Cの622)、空気入口(例えば図6Cの624)、金型通気穴(例えば図6Cの626)、予備成形物(例えば図6Cの628)及び冷却チャネル(例えば図6Cの632)を含む。これらの予備成形物は、一端にスレッド(「仕上」)を含むボトルのネックで製造される。これらの予備成形物は、梱包され、後に冷却後にEBMブロー成形機に供給される。SBM法では、それらのガラス転移温度を超える温度で、典型的には赤外線ヒータを使用して予備成形物を加熱し、次いで高圧空気を使用して金属ブロー成形用金型を使用するボトルに吹き込む。通常、該方法の一部として予備成形物をコア棒で延伸する(図6Cの位置630)。PET(ポリエチレンテレフタレート)のようないくつかのポリマーの延伸は、樹脂の歪硬化をもたらし、ボトルが、典型的には60psiに近い、炭酸飲料によって形成される圧力下で変形に抗することを可能にする。
図6Cは、ブロー成形用金型の内部で生じていることを示す。予備成形物を最初に延伸棒で機械的に延伸する。棒が移動するに従って、5から25バール(70から350psi)の低圧空気が導入されて、「泡」を吹き付ける。延伸棒が完全に伸びると、40バール(580psi)までの高圧空気が、膨張した泡をブロー成形用金型の形に吹きつける。
【0084】
プラスチック管の製造。いくつかの実施態様において、透明ケース310は、ガラスよりむしろプラスチックで構成される。当該実施態様における透明ケース310の製造は、基本的な成形機構が同じであるが、ガラス透明ケースの製造と異なる。典型的なプラスチック透明ケースの製造方法は、押出工程、頭部成形工程、装飾工程及びキャッピング工程を含み、最後の2つの工程は随意である。
いくつかの実施態様において、透明ケース310は、押出成形を用いて製造される。樹脂の混合物を押出ホッパーに供給する。樹脂の適正な溶融を保証するために、樹脂を供給しながら押出機の温度制御を行う。押出機に取り付けられた直角交差部内に封入された一組のサイズ調整ダイを介して材料を押し出す。成形ダイは、透明ケース310の形状を調節する。成形プラスチックスリーブは、送風空気下又は水浴中で冷却され、移動ベルト上で硬化する。冷却工程後、成形プラスチックスリーブは、回転ナイフによって所定の長さに裁断される準備が整う。
【0085】
成形ダイは、透明ケース310の形状を調節する。本出願によるいくつかの実施態様において、図14に示されるように、成形ダイは、透明ケース310が太陽電池ユニット402の形状を補完するように特注製造される。成形ダイは、透明ケース310の肉厚をも制御する。本出願によるいくつかの実施態様において、透明ケース310は、2mm以上、1mm以上、0.5mm以上、0.3mm以上又は0から0.3mmの任意の肉厚を有する。
1つの開放型の透明ケースの製造を通じて、製造法のバランスを3つの方法の1つで達成することができる。共通の方法は、頭部を管に成形する「下降」圧縮法である。この方法では、スリーブを頭部成形動作に供するコンベヤに配置し、頭部の肩を管の本体に結合させると同時に、スレッドを形成する。次いで、スリーブを鋳型に配置し、スラグ収集ステーションに移す。高温溶融帯又はスラグをスリーブの端部に融着させ、次いで成形ステーションに移す。この時点で、一動作において、肩の角、スレッド及びオリフィスをスリーブの端部に成形する。次いで、頭部を冷却し、金型から除去し、ピンコンベヤに移す。2つの他の頭部成形法、即ち頭部のスリーブへの射出成形、及び高温溶融帯又はスラグの代わりにドーナツ型の溶融樹脂材料を成形ステーションに落とし込む追加的な圧縮成形が米国で用いられ、世界中で広く見られる。1つの開放端を有する透明ケースは、図3、4、7、8、9、10又は11に示される実施態様などの太陽電池の実施態様の収容に好適である。両端が開放されたプラスチック管を使用して、図3及び15に示される太陽電池の実施態様を収容することができる。
【0086】
次いで、頭部成形透明ケースをアキュムレータに運ぶ。アキュムレータは、頭部成形と装飾動作のバランスをとるように設計される。ここから、透明ケース310は、装飾動作に移ることができる。プレス用インクを予め混合し、貯蔵容器に仕込む。この時点で、インクを一連のローラによってプレート上に移す。次いで、プレートがゴムブラケットと接触し、インクを収集し、それを透明ケース310の周に移す。管上の湿ったインクを紫外光又は熱によって硬化させる。本出願による実施態様において、管製品には透明性が必要とされるため、着色過程は不要である。しかし、保護膜を透明ケース310に塗布するために同様の方法を用いることができる。
装飾後、コンベヤは、管をキャッピングステーションに運び、そこでキャップを取り付け、顧客の仕様に従ってねじる。本出願の範囲では、キャッピング工程は不要である。
【0087】
追加的なガラス作製方法。ガラスは、より良好な防水性を与えるため保護を提供し、太陽電池402の性能を維持するとともに寿命を延ばすのに役立つため、プラスチックと比較して透明ケース310の好ましい材料選択である。ガラスは、プラスチックと同様に、標準的なブロー成形技術を用いて透明ケース310に製造され得る。加えて、キャスティング法、押出法、延伸法、加圧法、熱収縮法又は他の製造法を適用して、太陽電池402を円周方向に被覆及び/又は封入するための好適なガラス透明ケース310を製造することもできる。成形技術、特に微小製造のための微小成形技術が、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第6章、325〜379頁、第2版、CRC Press、New York、2002;「ポリマー工学の原理-性質、プロセス、設計試験(Polymer Engineering Principles:Properties,Processes,and Tests for Design)」、Hanser Publishers、New York、1993;及びLee、「ブロー成形の理解(Understanding Blow Molding)」、第1版、Hanser Gardner Publications、Munich、Cincinnati、2000により詳細に記載されている。
【0088】
(5.1.2.2透明ケースの代表的な材料)
ガラス製透明ケース。いくつかの実施態様において、透明ケース310は、ガラス製である。その純粋な形において、ガラスは、透明で、比較的強く、耐摩耗性で、本質的に不活性で生物的に不活性な材料であり、非常に滑らか且つ不浸透性の表面に形成することができる。本出願は、透明ケース310の製造に使用される広範なガラスを想定しており、そのいくつかが本セクションに記載され、他は、関連技術分野の当業者に知られている。一般的なガラスは、石英に見られるのと同じ化学化合物である約70%の非晶質二酸化珪素(SiO2)及びその多結晶形の砂を含む。一般的なガラスを本出願のいくつかの実施態様に使用して、透明ケース310を製造する。しかし、一般的なガラスは、脆性であり、割れて尖った破片になる。したがって、いくつかの実施態様において、他の化合物の添加又は熱処理により一般的なガラスの特性を改質し、或いは全面的に改変する。
純粋なシリカ(SiO2)は、約2000℃の融点を有し、特殊な用途のガラス(例えば、溶融石英)に製造され得る。処理を簡単にするために他の2つの物質を一般的なガラスに添加することができる。1つは、融点を約1000℃に下げるソーダ(炭酸ナトリウムNa2CO3)又は同等のカリウム化合物であるカリである。しかし、ソーダは、ガラスを水溶性にし、それは望ましくないため、石灰(酸化カルシウム、CaO)が、不溶性を回復するために添加される第3の成分となる。得られたガラスは、シリカ約70%を含有し、ソーダ石灰ガラスと呼ばれる。ソーダ石灰ガラスを本出願のいくつかの実施態様に使用して、透明ケース310を製造する。
【0089】
最も一般的なガラスは、ソーダ石灰の他に、その特性を改変するための他の成分が添加される。鉛ガラス又はフリントガラスなどの鉛ガラスは、屈折率が高いために顕著により強い「光沢」を生じさせるためより「輝度」が高く、一方で、Pyrexのようにホウ素を添加して、熱及び電気特性を改変することができる。バリウムを添加することによっても屈折率が高くなる。酸化トリウムは、ガラスに高屈折率及び低散乱性を付与し、高品質レンズの製造に以前使用されたが、その放射活性により、近代ガラスでは酸化ランタンに取って代わられている。映写機用吸熱フィルタなどの、赤外線エネルギーを吸収するガラスに大量の鉄が使用され、UV波長(生物損傷性イオン化放射線)を吸収するガラスに酸化セリウム(IV)を使用することができる。これらの添加剤の1種以上を有するガラスを本出願のいくつかの実施態様に使用して、透明ケース310を製造する。
一般的なガラス材料の例としては、アルミノ珪酸、ホウ珪酸(例えば、Pyrex、Duran、Simax)、ダイクロイック、ゲルマニウム/半導体、ガラスセラミック、珪酸/溶融シリカ、ソーダ石灰、石英、カルコゲニド/硫化物、セリーテドガラス及びフッ化ガラスが挙げられるが、それらに限定されない。透明ケース310をこれらの材料で製造することができる。
【0090】
いくつかの実施態様において、透明ケース310は、ホウ珪酸ガラスなどのガラス材料で製造される。ホウ珪酸ガラスの商品名としては、Pyrex(登録商標)(Corning)、Duran(登録商標)(Schott Glass)及びSimax(登録商標)(Kavalier)が挙げられるが、それらに限定されない。たいていのガラスのように、ホウ珪酸ガラスの主な成分は、ホウ素及び様々な他の要素が添加されたSiO2である。ホウ珪酸ガラスは、石英などの材料より高温加工が容易であるため、製造コストがより小さくなる。ホウ珪酸ガラスの材料コストも溶融石英よりはるかに小さい。溶融石英を除くたいていのガラスと比較して、ホウ珪酸ガラスは、膨張係数が小さく、ソーダ石灰ガラスの3分の1である。これにより、ホウ珪酸ガラスは、熱環境において有用であり、熱衝撃による破壊の危険性がない。ソーダ石灰ガラスのように、フロート法を用いて、1mm未満から30mm以上の様々な厚さの比較的低コストの光学特性シート状ホウ珪酸ガラスを製造することができる。石英と比較して、ホウ珪酸ガラスは、容易に成形可能である。加えて、ホウ珪酸ガラスは、成形及び火炎加工の際の失透が最小限である。これは、成形及びスランピングの際に高品質面を維持できることを意味する。ホウ珪酸ガラスは、連続使用に対して500℃まで熱安定性を有する。ホウ珪酸ガラスは、また、家庭用ソーダ石灰ガラスより非フッ素化化学物質に対する抵抗が強く、ソーダ石灰ガラスより機械強度が強く硬質である。ホウ珪酸ガラスは、通常は、ソーダ石灰ガラスより2から3倍高価である。
ソーダ石灰及びホウ珪酸ガラスは、ガラス材料を使用して、透明ケース310を製造する際の検討対象の様々な態様を説明するための例として示されているにすぎない。先述の説明は、本出願の範囲を限定するものではない。実際、透明ケース310を例えばアルミノ珪酸、ホウ珪酸(例えば、Pyrex(登録商標)、Duran(登録商標)、Simax(登録商標))、ダイクロイック、ゲルマニウム/半導体、ガラスセラミック、珪酸/溶融シリカ、ソーダ石灰、石英、カルコゲニド/硫化物、セリーテドガラス及び/又はフッ化ガラスで製造することができる。
【0091】
プラスチック製透明ケース。いくつかの実施態様において、透明ケース310は、透明プラスチック製である。プラスチックは、ガラスのより安価な代替である。しかし、プラスチック材料は、概して、加熱下で不安定であり、より好ましくない光学特性を有し、水分子が透明ケース310を透過するのを防止しない。最後の要因は、修正されなければ、太陽電池402に損傷を与え、それらの寿命を酷く縮める。よって、いくつかの実施態様において、透明ケース310がプラスチックで製造される場合は、太陽電池402への水の浸入を防止するために、セクション5.1.1に記載の耐水層を使用する。
エチレン酢酸ビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリオレフィン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体(例えば、エチレン及びテトラフルオロエチレン:TEFLON(登録商標)モノマーの重合により誘導されるETFE(登録商標))、ポリウレタン/ウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニル(PVDF)、Tygon(登録商標)、ビニル及びViton(登録商標)を含むが、それらに限定されない広範な材料を使用して、透明ケース310を製造することができる。
【0092】
(5.1.2.3透明管製品の利用可能な商業的供給源)
透明ケース310を入手又はカスタム製造するための豊富な商業的供給源が存在する。プラスチック又はガラス管を製造するための技術が標準化されており、顧客対応のプラスチック又はガラス管がいくつかの企業から市販されている。エンジニアリング/リソースのウェブセンターである「透明円形プラスチック又はガラス管」のGlobalSpecデータベースを検索すると、950種以上のカタログ製品が見られる(www.glovalspec.com;GlobalSpec Inc.New York(ニューヨーク)州Troy)。180を超える会社が特製パイプ、管、ホース及び取付具を製造している。例えば、Clippard Instrument Laboratory,Inc.(Ohio(オハイオ)州Cincinnati)は、厚さが0.4mm程度のナイロン、ウレタン又はプラスチックポリウレタン管を提供する。Coast Wire & Plastic Tech.,Inc.(California(カリフォルニア)州Carson)は、SUMIMARK(商標)の商品名で包括的な一連のポリフッ化ビニリデン透明円形プラスチック管製品を製造している。それらの製品は、0.3mm程度の肉厚を有する。Parker Hannifin/Fluid Connectors/Parflex Division(Ohio(オハイオ)州Ravenna)は、厚さ0.8mm又は1mmのビニル、プラスチックポリウレタン、ポリエーテル系又はポリウレタン系透明プラスチックを提供する。Pneumadyne,Inc(Minnesota(ミネソタ)州Plymouth)にも同様のポリウレタン製品を見いだすことができる。Saint-Gobain High-Performance Materials(米国)は、厚さが0.8mmの一連の30 Tygon(登録商標)管製品をさらに提供する。Vindum Engineering,Inc.(California(カリフォルニア)州San Ramon)も厚さが0.8mmの透明PFA Teflon管を提供する。NewAge Industries,Inc.(Pennsylvania(ペンシルバニア)州Southampton)は、1mm以下の肉厚を有する63の透明丸形プラスチック管製品を提供する。特に、Sinclair & Rush,Inc.の一部門であるVisiPak Extrusion(Missouri(ミズーリ)州Arnold)は、0.5mm程度の透明丸形プラスチック管製品を提供する。Cleartec Packaging(Missouri(ミズーリ)州St.Louis、MOCAP Inc.の一部門)は、厚さ0.3mm程度の透明円形プラスチック管を製造している。
加えて、多くの会社が、さらに肉厚を薄くするといったような顧客対応仕様の透明丸形プラスチック又はガラス管を製造することができる。いくつかの例は、Elasto Proxy Inc.(カナダBoisbriand)、Flex Enterprises,Inc.(New York(ニューヨーク)州Victor)、Grob,Inc.(Wisconsin(ウィスコンシン)州Grafton)、Mercer Gasket & Shim(New Jersey(ニュージャージ)州Bellmawr)、New England Small Tube Corporation(New Hampshire(ニューハンプシャー)州Litchfield)、Precision Extrusion,Inc.(New York(ニューヨーク)州Glens Falls)及びPSI Urethanes,Inc.(Texas(テキサス)州Austin)である。
【0093】
(5.1.3太陽電池の透明ケースへの統合)
本出願において、酸化などの有害な効果を回避するために、透明ケース310と太陽電池402の間隙又は間隔をなくす。したがって、本出願において、透明ケース310の内壁と太陽電池402の外壁との間に空隙が存在しない。いくつかの実施態様(例えば図3B)において、充填剤層330を設けて、水又は酸素への有害な接触から太陽電池ユニット402をシールする。いくつかの実施態様において、太陽電池402が透明ケース310に直に接触するように充填剤層330を除くことができる。
いくつかの実施態様において、ガラス若しくはプラスチック又は他の好適な透明材料で製造された顧客対応設計の透明ケース310を使用して、密な嵌合及びより良好な保護を達成するように、太陽電池402の対応する実施態様を収容することができる。図14は、図4、7、8、9、10、11及び13に示される太陽電池の実施態様を適性に封入する透明ケース310の代表的な実施態様を示す。
【0094】
透明ケース310によって個々に収容された棒又は円筒状太陽電池402をアセンブルして、任意の形状及び大きさの太陽電池組立品とすることができる。いくつかの実施態様において、該組立品は、二面アレイ400(図4)、700(図7)、800(図8)、900(図9)又は1000(図10)であり得る。この複数の太陽電池402における太陽電池402の数に制限はない(例えば、10個以上、100個以上、1000個以上、10000個以上、5000個から100万個等の太陽電池402)。
或いは、太陽電池402を個々に封入し、次いで共にアセンブルして例えば平面アレイにする代わりに、アレイとして封入することもできる。例えば、図7Cに示されるように、多数の透明ケースを融着アレイとして製造することができる。図7Cに示されるように、組立品における透明ケース310の数に制限はない(例えば、10個以上、100個以上、1000個以上、10000個以上、5000個から100万個等の透明ケース310)。長形太陽電池402(例えば図4Aの402)をケースのアレイにおける透明ケース310のすべて又は一部に装填することによって太陽電池組立品をさらに完全なものにする。
【0095】
(5.1.3.1充填剤層を有する太陽電池を透明ケースに統合する)
本出願によるいくつかの実施態様において、充填剤層が塗布された太陽電池402を透明ケース310にアセンブルする。本出願によるいくつかの実施態様において、充填剤層330は、電気絶縁性、酸化防止効果、防水性及び/又は太陽電池ユニットの組み立て時に太陽電池402の透明導電層412の物理的保護の特性のうちの1つ以上を含む。
本出願によるいくつかの実施態様において、図20Aに示される吸引装填法を用いて、長形太陽電池402、随意の充填剤層330及び透明ケース310をアセンブルする。透明ガラス、プラスチック又は他の好適な材料で製造された透明ケース310を一端2002においてシールする。充填剤層330を形成するのに使用される材料、例えばシリコーンゲルをシールされた透明ケース310に注ぎ込む。シリコーンゲルの例は、Wacker SilGel(登録商標)612(Wacker-Chemie GmbH(ドイツMunich))である。Wacker SilGel(登録商標)612は、室温で加硫して軟質シリコーンゲルになる注入可能な添加硬化性のRTV-2シリコーンゴムである。シリコーンゲルのさらに別の例は、Sylgard(登録商標)シリコーンエラストマー(Dow Corning)である。シリコーンゲルの別の例は、Wacker Elastosil(登録商標)601(Wacker-Chemie GmbH(ドイツMunich))である。Wacker Elastosil(登録商標)601は、注入可能な添加硬化性のRTV-2シリコーンゴムである。図22を参照すると、シリコーンをガラスと有機線形ポリマーの間の分子ハイブリッドであると見なすことができる。図22に示されるように、R基が存在せず、酸素のみ存在する場合は、その構造は、無機シリカガラス(Q型Siと呼ばれる)である。1つの酸素がR基(例えばメチル、エチル、フェニル等)で置換される場合は、樹脂又はシルセキノキサン(T型Si)材料が形成される。これらのシルセキノキサンは、Q型材料より柔軟である。最後に、2個の酸素原子が有機基で置換される場合は、非常に柔軟な線形ポリマー(D型Si)が得られる。図示される最後の構造(M型Si)は、3個の酸素原子がR基で置換されているため、末端封止構造になる。R基が追加されると、骨格鎖柔軟性が高くなるため、材料の弾性率及びそれらの熱膨張係数(CTE)も変化する。本出願のいくつかの実施態様において、充填剤層を形成するのに使用されるシリコーンは、Q型シリコーン、シルセキノキサン、D型シリコン又はM型シリコンである。次いで、長形太陽電池402を透明ケース310に装填する。透明ケース310の開放端2004に随意の吸引力を加えて、充填剤材料を上方に引き上げて、太陽電池402と透明ケース310の間の空間を完全に埋めることができる。
【0096】
本出願によるいくつかの実施態様において、図20Bに示される圧力装填法を用いて、長形太陽電池402、充填剤層330及び透明ケース310をアセンブルすることができる。透明ガラス、プラスチック又は他の好適な材料で製造された透明ケース310を、随意の充填剤層330を形成するのに使用される随意の充填剤層材料(例えばシリコーンゲル)を含む容器2008に浸す。次いで、長形太陽電池402を透明ケース310に装填する。圧力を充填剤材料表面2006に加えて、充填剤材料を上方に押し上げて、太陽電池402と透明ケース310の間の空間を完全に埋める。
本出願によるさらに他の実施態様において、図20Cに示される注入及び滑動装填法を用いて、長形太陽電池402、充填剤層330及び透明ケース310をアセンブルする。透明ガラス、プラスチック又は他の好適な材料で製造された透明ケース310を一端2002においてシールする。充填剤材料(例えばシリコーンゲル)を含む容器2010を使用して、充填剤層材料をシールした透明ケース310に注ぎ込むと同時に、太陽電池402を透明ケース310内に滑り込ませる。透明ケース310に注ぎ込まれている充填剤材料は、太陽電池402と透明ケース310の間の空間を埋める。有利には、透明ケース310の側面に注がれている充填剤材料は、滑動装填プロセスを容易にするための潤滑を与える。
【0097】
(5.1.3.2随意の充填剤層を有さない太陽電池の透明ケースへの統合)
本出願によるいくつかの実施態様において、充填層330を有さない太陽電池402上にケース310をアセンブルする。当該実施態様において、ケース310は、太陽電池402に直に接触することができる。以下の方法の1つを用いることによって、太陽電池402に対するケース310の緻密な充填を達成することができる。このセクションに記載される太陽電池ユニット300をアセンブルするための方法を、充填層330とともに収容された太陽電池402に用いることができる。
熱収縮装填。いくつかの実施態様において、透明ケース310を太陽電池402上に熱収縮させる。熱収縮法を用いて、プラスチック及びガラス透明ケース310の双方を形成することができる。例えば、ポリオレフィン、フルオロポリマー(PVC、FEP、PTFE、Kynar(登録商標)PVDF)、塩素化ポリオレフィン(ネオプレン)及び高軟性エラストマー(Viton(登録商標))熱収縮性管で構成された熱収縮性プラスチック管を使用して、透明ケース310を形成することができる。当該材料の中で、フルオロポリマーは、潤滑性が高いため滑動が容易であり、水分吸収量が小さいため寸法安定性が向上する。PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(フッ素化エチレンプロピレン)及びPVDF(フッ化ポリビニリデン、商品名Kynar(登録商標))の少なくとも3つの当該材料が市販されている。透明熱収縮性プラスチック管が利用可能である。いくつかの実施態様において、熱収縮管は、2:1から3:1の膨張範囲で利用可能である。いくつかの実施態様において、管材料の熱収縮率は、2:1より小さく、例えば、フッ素化エチレン-プロピレン(FEP)は1.3:1である。別の実施態様において、透明ケース310の製造に好適な熱収縮管は、3:1を超える熱収縮率を有することができる。
【0098】
透明ケースを構成するための射出成形。いくつかの実施態様において、透明ケース310を射出成形によって太陽電池402上に円周方向に配置することができる。該方法のより詳細な説明は、既に上述されている。これらの実施態様において、太陽電池402を予備成形金型として使用することができ、(例えば、プラスチック材料で製造された)透明ケース310を太陽電池402の外面に直接形成する。プラスチック材料は、水分子を太陽電池402から完全にシールしない。水は、太陽電池402の機能を妨害するため、太陽電池402を耐水性にすることが重要である。プラスチック透明ケース310を使用して、太陽電池402を被覆する実施態様において、これは、太陽電池402又は透明ケース310を透明耐水性被膜340の1つ以上の層で被覆することによって達成される(図21)。いくつかの実施態様において、太陽電池402及び透明ケース310の両方を透明耐水性被膜340の1つ以上の層で被覆して、太陽電池ユニット300の機能的寿命を延ばす。他の実施態様において、随意の反射防止膜350も透明ケース310上に配置して、太陽電池の効率性を最大限に高める。
液体コーティング後重合。いくつかの実施態様において、太陽電池402を液体状懸濁物又は樹脂に浸し、続いて触媒又は硬化剤に接触させて、重合法により透明ケース310を形成する。当該実施態様において、透明ケース310を形成するのに使用される材料は、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンゲル、エポキシ、アクリル又はそれらの任意の組合せ若しくは変形物を含む。
【0099】
(5.1.4透明ケース及び随意の充填剤層に使用される材料の光学的及び化学的特性)
太陽放射線の入力を最大限にするために、太陽電池402の外側の任意の層(例えば、随意の充填剤層330又は透明ケース310)が太陽電池の入射放射線の特性に悪影響を与えるべきではない。太陽電池402の効率性を最適化する上で考慮すべき多くの要因がある。いくつかの重要な要因を太陽電池の製造に関連して詳細に述べる。
透明性。太陽電池吸収層(例えば半導体接合410)への入力を最大限にするために、太陽電池402の外側の任意の層による入射放射線の吸収を回避又は最小にすべきである。この透明性要件は、太陽電池402の下部半導体接合410の吸収特性の関数として変化する。概して、透明ケース310及び随意の充填剤層330は、半導体接合410によって吸収される波長に対して可能な限り透明である必要がある。例えば、半導体接合410がCIGSに基づく場合は、透明ケース310及び随意の充填剤層330を製造するのに使用される材料は、500nmから1200nmの波長範囲の光に対して透明である必要がある。
【0100】
紫外線安定性。太陽電池402の外側の層を構成するために使用される任意の材料は、化学的安定性で、特にUV光に露光された際に安定している必要がある。より具体的には、当該材料は、UV露光に際して透明性が低くなるべきではない。通常のガラスは、UVA(400及び300nmの波長)を部分的に遮断し、UVC及びUVB(300nm未満の波長)を全面的に遮断する。ガラスのUV遮断効果は、通常は、ガラスにおける添加剤、例えば炭酸ナトリウムに起因する。いくつかの実施態様において、ガラスで製造された透明ケース310における添加剤は、ケース310に全面的なUV保護性を付与することができる。当該実施態様において、透明ケース310は、UV波長に対する完全な保護を提供するため、下部の随意の充填剤層330のUV安定性要件が軽減される。例えば、透明ケース310がUV保護ガラスで製造される場合は、EVA、PVA、TPU(ウレタン)、シリコーン、ポリカーボネート及びアクリルを適用して、充填剤層330を形成することができる。或いは、いくつかの実施態様において、透明ケース310がプラスチック材料で製造される場合は、UV安定性要件を採用することができる。
【0101】
材料及び/又は随意の充填剤層330の黄色化により太陽電池402への放射線入力が遮断され、それらの効率性が低下するため、いくつかの実施態様において、透明ケース310としてUV放射線に敏感なプラスチック材料は使用されない。加えて、UV露光による透明ケース310のひび割れが、太陽電池402に恒久的に損傷を与える。例えば、ETFE及びTHVのようなフルオロポリマー(Dyneon)は、UV安定性を有し、かつ極めて透明である一方、PETは、透明であるが、十分なUV安定性を有さない。いくつかの実施態様において、透明ケース310は、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン及びフッ化ビニリデンの単量体をベースとしたフルオロポリマーで製造される。加えて、最も一般的な合成材料の1つであるポリ塩化ビニリデン(「PVC」又は「ビニル」)もUV露光に敏感である。PVCにUV安定性を付与する方法が開発されたが、UV安定化PVCでも典型的には十分な耐久性を有さない(例えば、比較的短時間使用するうちにPVC製品の黄色化及びひび割れが生じる)。ウレタンは、より好適であるが、ポリマー骨格の厳密な化学的性質に左右される。ウレタン材料は、ポリマー骨格が反応性の弱い化学基(例えば脂肪族又は芳香族)で形成されている場合に安定する。一方、ポリマー骨格がより反応性の強い基(例えば二重結合)で形成されている場合は、二重結合のUV触媒分解の結果として材料の黄色化が生じる。同様に、EVAが黄色化するため、連続的にUV光に露光するとPVBも黄色化する。他の選択肢は、ポリカーボネート(10年以内のOD露光ではUVに対して安定化させることができる)又はアクリル(本質的にUV安定性を有する)である。
【0102】
反射特性。図21を参照すると、入射光線L1が透明ケース310の表面に衝突する。入射光線L1の一部がL2として反射し、入射光線L1の残り(例えば図21の屈折光線L3として)透明ケース310を透過する。本出願によるいくつかの実施態様において、屈折光線L3は、(例えば、随意の充填剤層330が存在しない場合に)太陽電池402の透明導電層412に直接衝突する。或いは、充填剤層330が存在する場合は、図21に示されるように、L3は、充填剤層330の外面に衝突し、L1が透明ケース310の表面に衝突した場合のように反射及び屈折のプロセスが繰り返され、L3の一部が充填剤層330内へと反射され、L3の一部が充填剤層330によって屈折される。
【0103】
いくつかの実施態様において、太陽放射線の入力を最大限にするために、透明ケース310の外面における反射を最小限に抑える。反射防止膜を個別の層350として、又は耐水性被膜340と組み合わせて、透明ケース310の外側に塗布することができる。いくつかの実施態様において、この反射防止膜は、MgF2で構成される。いくつかの実施態様において、この反射防止膜は、硝酸珪素又は硝酸チタンで構成される。他の実施態様において、この反射防止膜は1つ以上の一酸化珪素(SiO)層で構成される。例えば、光沢性の珪素が鏡として作用でき、その上で輝く光の30パーセントを超える量を反射する。単層のSiOは、表面反射率を約10パーセントまで低下させ、第2のSiO層は、反射率を4パーセント未満まで低下させる。他の有機反射防止材料、特に、半導体デバイスの下部層の表面からの反射を防止し、かつウェハ及び感光膜上の下部層の様々な光学特性による定常波及び反射ノッチングを除去する材料が、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,803,172号に開示されている。さらなる反射防止膜材料及び方法が、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,689,535号;同第6,673,713号、同第6,635,583号;同第6,784,094号及び同第6,713,234号に開示されている。
【0104】
或いは、透明ケース310の外面を粗面化して、反射放射線を低減することができる。そうでなければ電池から屈折し得る光線を取り込む錐体及びピラミッドのパターンを化学エッチングで形成する。反射光は、電池に再誘導され、そこで吸収される別の機会を有する。エッチング又はエッチング技術とコーティング技術の組合せにより反射防止層を形成するための材料及び方法が、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,039,888号;同第6,004,722号;及び同第6,221,776号に開示されている。
屈折特性。図21に示されるように、入射光線L1の一部が、屈折光線L3として屈折される。入射光線L1がその経路からどの程度、そしてどの方向に屈曲するかは、光線L1及びL3が透過する媒体の屈折率によって決まる。スネルの法則は、以下の式を規定する。
η1sin(θ1)=η2sin(θ2)
上式において、η1及びη2は、2つの境界媒体1及び2の屈折率であり、θ1及びθ2は、それぞれ入射角及び屈折角を表す。
【0105】
図21において、第1の屈折プロセスは、入射光線L1が空中から透明ケース310をL3として透過するときに生じる。大気は、1付近の屈折率を有し(真空空間は、すべての既知の材料のなかで最も小さい1の屈折率である)、これは、ガラス材料(1.4から1.9で、広く使用される材料は1.5付近の屈折率を有する)又はプラスチック材料(1.45付近)の屈折率よりはるかに小さい。ηairは、ケースがガラス材料で形成されているか、又はプラスチック材料で形成されているかにかかわらず、常にη310よりはるかに小さいため、屈折率θ310は、入射角θairより常にはるかに小さい。即ち、入射光線は、透明ケース310を透過する際に常に太陽電池402の方に屈曲する。
充填剤層330が存在すると、光線L3は、充填剤層330を透過する際に新たな入射光線になる。理想的には、スネルの法則及び先述の分析に従って、充填剤層330の屈折率(例えば図21のη310)は、入射光線L3の屈折光線も太陽電池402の方に屈曲するように、透明ケース310の屈折率より大きくなる必要がある。この理想的な状況において、透明ケース310上のあらゆる光線が、2つの反射プロセス後に太陽電池402の方に屈曲することになる。しかし、実際には、随意の充填剤層330は、太陽電池402の透明ケース310への装填を上記のように達成できるように、流体様材料(但し、ときには非常に粘度の高い流体用材料)で構成される。実際、効率的な太陽放射線の吸収は、透明ケース310の屈折率に近い屈折率を有する充填剤材料を選択することによって達成される。いくつかの実施態様において、透明ケース310を形成する材料は、屈折率が1.5付近の透明材料(ガラス若しくはプラスチック又は他の好適な材料)を含む。例えば、溶融シリカガラスは、1.46の屈折率を有する。ホウ珪酸ガラス材料は、1.45から1.55の屈折率を有する(例えば、Pyrex(登録商標)ガラスは、1.47の屈折率を有する)。様々な量の鉛添加剤を含むフリントガラス材料は、1.5から1.9の屈折率を有する。一般的なプラスチック材料は、1.46から1.55の屈折率を有する。
【0106】
充填剤層330を形成するための好適な光学特性を有する代表的な材料は、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンゲル、エポキシ及びアクリル材料をさらに含む。シリコーン系接着剤及びシール材は、高度な柔軟性を有するため、他のエポキシ又はアクリル樹脂の強度を欠く。透明ケース310、随意の充填剤層330、随意の反射防止層350、耐水層340又はそれらの任意の組合せは、太陽電池402の効率を最大限にし、それを維持し、物理的支持を提供し、太陽電池402の寿命を延ばすパッケージを形成する。
いくつかの実施態様において、ガラス、プラスチック、エポキシ又はアクリル樹脂を使用して、透明ケース310を形成することができる。いくつかの実施態様において、随意の反射防止膜350及び/又は随意の耐水性被膜340は、透明ケース310上に円周方向に配置される。いくつかの当該実施態様において、充填剤層330は、シリコーンゲルなどのより軟質でより柔軟性の随意の好適な材料によって形成される。例えば、いくつかの実施態様において、充填剤層330は、シリコーン系接着剤又はシール材などのシリコーンゲルによって形成される。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、GE RTV 615シリコーンによって形成される。RTV615は、SS4120を重合用プライマーとして必要とする光学的に透明な二液流動性シリコーン製品である。(RTV615-1P)、いずれもGeneral Electric(Connecticut(コネチカット)州Fairfield)から入手可能。シリコーン系接着剤又はシール材は、強靱シリコーンエラストマー技術をベースとする。接着剤及びシール材などのシリコーン系材料の特性は、樹脂混合比、注封寿命及び硬化条件の3つの要因によって制御される。
【0107】
有利には、シリコーン接着剤は、高度な柔軟性及び非常に高い温度抵抗性(600°F(約316℃))を有する。シリコーン系接着剤及びシール材は、非常に高度な柔軟性を有する。シリコーン系接着剤及びシール材は、いくつかの技術(又は硬化システム)で利用可能である。これらの技術は、感圧、放射線硬化、水分硬化、熱硬化及び室温加硫(room temperature vulcanizing)(RTV)を含む。いくつかの実施態様において、シリコーン系シール材は、二成分添加若しくは濃縮硬化システム又は単一成分(RTV)形態を使用する。RTV形態は、空気中の水分との反応を介して容易に硬化し、硬化中に酸煙又は他の副産物の蒸気を発生させる。
感圧シリコーン接着剤は、非常にわずかな圧力でたいていの表面に接着し、それらの粘着性を保持する。この種の材料は、強固且つ恒久的な接着性を有し、指圧又は手圧より大きな圧力を必要とせずに接着する。いくつかの実施態様において、放射線を使用して、シリコーン系接着剤を硬化させる。いくつかの実施態様において、加熱又は過度の発熱を用いることなく恒久的な接着を可能にする紫外光、可視光又は電子放射線を使用して、シール材の硬化を開始する。UV系硬化は、1つの基板がUVに対して透明であることを必要とするが、電子ビームは、UV光に対して不透明な材料を透過することができる。水分又は水硬化機構に基づく特定のシリコーン接着剤及びシアノアクリレートは、太陽電池402の適正な機能に影響を与えることなく太陽電池402に適性に添加されるさらなる試薬を必要とし得る。熱硬化性シリコーン接着剤及びシリコーンシール材は、熱又は熱及び圧力を用いて硬化される架橋ポリマー樹脂である。硬化された熱硬化性樹脂は、加熱されても溶融/流動しないが、軟化し得る。加硫は、熱及び/又は圧力を加硫化剤と併用することを必要とする熱硬化反応で、ゴム様材料における強度、安定性及び弾力性を著しく向上させる。RTVシリコーンゴムは、室温で加硫する材料である。加硫化剤は、架橋性化合物又は触媒である。本出願によるいくつかの実施態様において、硫黄を従来の加硫化剤として添加する。
いくつかの実施態様において、例えば、随意の充填剤層330が存在しない場合は、エポキシ又はアクリル材料を太陽電池402に直接塗布して、透明ケース310を直接形成することができる。当該実施態様において、合理的な使用時間にわたって効率的な動作を保証するために、非ガラス透明ケース310に耐水特性及び/又は反射防止特性も備わるように注意する。
【0108】
電気絶縁性。いくつかの実施態様における透明ケース310及び随意の充填剤層330の特性は、電気絶縁性である。いくつかの実施態様において、導電性材料を使用せずに、透明ケース310又は随意の充填層330を形成する。
寸法要件。いくつかの実施態様において太陽電池402の外側の層の各々の合計幅(例えば、透明ケース310及び/又は随意の充填剤層330の組合せ)は、以下の式で表される。
【数1】
上式において、図3Bを参照すると、
riは、半導体接合410が薄膜接合であると仮定すると、太陽電池402の半径であり、
roは、透明ケース310及び/又は随意の充填剤層330の最外層の半径であり、
ηouter ringは、透明ケース310及び/又は随意の充填剤層330の最外層の屈折率である。
上記のように、透明ケース310及び、又は随意の充填剤層330を製造するのに使用される材料のすべてではないが、多くの屈折率は、約1.5である。したがって、典型的な実施態様において、roの値は、1.5*ri未満の許容可能な値である。この条件は、透明ケース310及び/又は随意の充填剤層330の組合せについての許容可能な厚さに制限をおくものである。
【0109】
(5.1.3.5透明ケースを形成するためのさらなる方法)
いくつかの実施態様において、透明ケース310は、スピン塗布、浸漬塗工、プラスチック噴霧、キャスティング、ドクターナイフ若しくはテープキャスティング、グロー放電重合又はUV硬化によって下部層に形成される(例えば、透明導電層412、充填剤層330又は耐水層に形成される)。これらの技術は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第3章、159〜161頁、第2版、CRC Press、New York、2002により詳細に記載されている。キャスティングは、透明ケース310がアクリル又はポリカーボネートから形成される場合に特に好適である。UV硬化は、透明ケース310がアクリルから形成される場合に特に好適である。
【0110】
(5.2代表的な半導体接合)
図5Aを参照すると、一実施態様において、半導体接合410は、背面電極404上に配置された吸収体層502と、吸収体層502上に配置された接合パートナー層504との間のヘテロ接合である。吸収体層502及び接合パートナー層504は、接合パートナー層504が吸収体層502より大きなバンドギャップを有するように異なるバンドギャップ及び電子親和性を有する異なる半導体からなる。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、pドープされ、接合パートナー層504は、nドープされる。当該実施態様において、透明導電層412は、n+ドープされる。代替的な実施態様において、吸収体層502は、nドープされ、接合パートナー層504は、pドープされる。当該実施態様において、透明導電層412は、p+ドープされる。いくつかの実施態様において、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPandeyの「半導体電析のハンドブック(Handbook of Semiconductor Electrodeposition)」、Marcel Dekker Inc.、1996、Appendix 5にリストされている半導体を使用して、半導体接合410を形成する。
【0111】
(5.2.1銅インジウムジセレニド及び他のI-III-VI型材料に基づく薄膜半導体接合)
図5Aをさらに参照すると、いくつかの実施態様において、吸収体層502は、銅インジウムジセレニド(CuInSe2;CISとして知られる)などのI-III-VI2族の化合物である。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、当該化合物が存在することが知られていれば、p型又はn型のCdGeAs2、ZnSnAs2、CuInTe2、AgInTe2、CuInSe2、CuGaTe2、ZnGeAs2、CdSnP2、AgInSe2、AgGaTe2、CuInS2、CdSiAs2、ZnSnP2、CdGeP2、ZnSnAs2、CuGaSe2、AgGaSe2、AgInS2、ZnGeP2、ZnSiAs2、ZnSiP2、CdSiP2又はCuGaS2からなる群から選択されるI-III-VI2族の三元化合物である。
いくつかの実施態様において、接合パートナー層504は、CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。一実施態様において、吸収体層502は、p型CISであり、接合パートナー層504は、n型CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。当該半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第6章に記載されている。
【0112】
いくつかの実施態様において、吸収体層502は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)である。当該層は、Cu(InGa)Se2としても知られる。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)であり、接合パートナー層504は、CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、p型CIGSであり、接合パートナー層504は、n型CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。当該半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」の第13章、2003、Luque及びHegedus(編)、Wiley & Sons、West Sussex、Englandの第12章、に記載されている。いくつかの実施態様において、CIGSは、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているBeck及びBrittの「最終技術報告(Final Technical Report)」、2006年1月、NREL/SR-520-39119;及びDelahoy及びChen、2005年8月、「高度CIGS光起電技術(Advanced CIGS Photovoltaic Technology)」、サブコントラクトレポート;Kapurら、2005年1月サブコントラクトレポート、NREL/SR-520-37284、「非真空薄膜CIGS太陽電池の実験室規模から大規模製造への移行(Lab to Large Scale Transition for Non-Vacuum Thin Film CIGS Solar Cells)」、Simpsonら、2005年10月、サブコントラクトレポート、「軟質CIGS PVモジュール製造のための軌道指向及び障害許容性高度プロセス制御(Trajectory-Oriented and Fault-Tolerant-Based Intelligent Process Control for Flexible CIGS PV Module Manufacturing)」、NREL/SR-520-38681;及びRamanathanら、31st IEEE Photovoltaics Specialists Conference and Exhibition、Lake Buena Vista、Florida、1月3〜7日、2005に開示されている技術を用いて堆積される。
【0113】
いくつかの実施態様において、CIGS吸収体層502は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているRamanthanら、2003、「効率19.2%のZnO/CdS/CuInGaSe2薄膜太陽電池の特性(Properties of 19.2% Efficiency ZnO/CdS/CuInGaSe2 Thin-film Solar Cells)」、Progress in Photovoltaics:Research and Applications 11、225に記載されている3段階プロセスに従って、原子源からの蒸発によりモリブデン背面電極404上に成長させる。いくつかの実施態様において、層504は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているRamanathanら、Conference Paper、「NRELにおけるCIGS薄膜太陽電池の研究:FY04の結果及び実績(CIGS Thin-Film Solar Research at NREL:FY04 Results and Accomplishments)」、NREL/CP-520-37020、2005年1月に記載されているZnS(O、OH)緩衝層である。
いくつかの実施態様において、層502は、厚さが0.5μmから2.0μmである。いくつかの実施態様において、層502におけるCu/(In+Ga)の組成比は、0.7から0.95である。いくつかの実施態様において、層502におけるGa/(In+Ga)の組成比は、0.2から0.4である。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、<110>結晶配向を有する。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、<112>結晶配向を有する。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、無作為に配向する。
【0114】
(5.2.2非晶質シリコン又は多結晶シリコンをベースとした半導体接合)
いくつかの実施態様において、図5Bを参照すると、半導体接合410は、非晶質シリコンを含む。いくつかの実施態様において、これは、n/n型ヘテロ結合である。例えば、いくつかの実施態様において、層514は、SnO2(Sb)を含み、層512は、非ドープ非晶質シリコンを含み、層510は、n+ドープ非晶質シリコンを含む。
いくつかの実施態様において、半導体接合410は、p-i-n型接合である。例えば、いくつかの実施態様において、層514は、p+ドープ非晶質シリコンであり、層512は、非ドープ非晶質シリコンであり、層510は、n+ドープ非晶質シリコンである。当該半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第3章に記載されている。
【0115】
本出願のいくつかの実施態様において、半導体接合410は、薄膜多結晶をベースとする。図5Bを参照すると、当該実施態様による一実施例において、層510は、pドープ多結晶シリコンであり、層512は、空欠多結晶シリコンであり、層514は、nドープ多結晶シリコンである。当該半導体接合は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているGreenの「シリコン太陽電池-進歩した原理及び実施(Silicon Solar Cells:Advanced Principles & Practice)」、Centre for Photovoltaic Devices and Systems、University of New South Wales、Sydney、1995;及びBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、57〜66頁に記載されている。
本出願のいくつかの実施態様において、非晶質Si:H太陽電池におけるp型微結晶Si:H及び微結晶Si:C:Hをベースとした半導体接合410が使用される。当該半導体接合は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、66〜67頁及び本明細書に引用された参考文献に記載されている。
【0116】
本出願のいくつかの実施態様において、半導体接合410は、直列接合である。直列接合は、例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているKimら、1989、「航空宇宙用途の軽量(AlGaAs)GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(Lightweight(AlGaAs)GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells for space applications)」、Aerospace and Electronic Systems Magazine、IEEE第4巻、第11号、1989年11月、23〜32頁;Deng、2005、「SiGe系三重極直列及び単一接合太陽電池(Optimization of a-SiGe based triple,tandem and single-junction solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、2005 Conference Record of the Thirty-first IEEE 3〜7、2005年1月、1365〜1370頁;Aryaら、2000、「非晶質シリコン系直列接合薄膜技術(Amorphous silicon based tandem junction thin-film technology:a manufacturing perspective)」、Photovoltaic Specialists Conference、2000.Conference Record of the Twenty-Eighth IEEE 15〜22、2000年9月、1433〜1436頁;Hart、1988、「GaAs/Ge太陽電池の高高度電流-電圧測定(High altitude current-voltage measurement of GaAs/Ge solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、764〜765頁、第1巻;Kim、1988、「高効率GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(High efficiency GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、457〜461頁、第1巻;Mitchell、1988、「単一及び直列接合CuInSe2電池及びモジュール技術(Single and tandem junction CuInSe2 cell and module technology)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988年、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、1384〜1389頁、第2巻;及びKim、1989、「航空宇宙用途の高比出力(AlGaAs)GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(High specific power(AlGaAs)GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells for space applications)」、Energy Conversion Engineering Conference、1989、IECEC-89、Proceedings of the 24th Intersociety 6〜11、1989年8月、779〜784頁、第2巻に記載されている。
【0117】
(5.2.3ガリウム砒素及び他のIII-V型材料をベースとした半導体接合)
いくつかの実施態様において、半導体接合410は、ガリウム砒素(GaAs)又はInP、AlSb及びCdTeなどの他のIII-V型材料をベースとする。GaAsは、1.43eVのバンドギャップを有する直接バンドギャップ材料であり、約2ミクロンの厚さでAM1放射線の97%を吸収することができる。本出願の半導体接合410として機能できる好適なIII-V型接合は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第4章に記載されている。
【0118】
また、いくつかの実施態様において、半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているGee及びVirshup、1988、20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、754頁に記載されているGaAs/Si機械的積層多接合、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているStanberyら、19th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、280頁及びKimら、20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、1487頁に記載されているGaAs薄膜上部電池及びZnCdS/CuInSe2薄膜下部電池からなるGaAs/CuInSe2 MSMJ四端末デバイスなどのハイブリッド多接合太陽電池である。他のハイブリッド多接合太陽電池は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、131〜132頁に記載されている。
【0119】
(5.2.4テルル化カドミウム及び他のII-VI型材料をベースとした半導体接合)
いくつかの実施態様において、半導体接合410は、n型又はp型の形で調製できるII-VI型化合物をベースとする。よって、いくつかの実施態様において、図5Cを参照すると、半導体接合410は、層520及び540が、以下の表に示される任意の組合せ又はそれらの合金であるp-nヘテロ接合である。
【表2】
II-VI化合物をベースとする半導体接合410を製造するための方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第4章に記載されている。
【0120】
(5.2.5結晶シリコンをベースとした半導体接合)
薄膜半導体膜から構成される半導体接合410が好ましいが、本出願は、それに限定されない。いくつかの実施態様において、半導体接合410は、結晶シリコンをベースとする。例えば、図5Dを参照すると、いくつかの実施態様において、半導体接合410は、p型結晶シリコン540の層及びn型結晶シリコン550の層を含む。結晶シリコン半導体接合410を製造するための方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第2章に記載されている。
【0121】
(5.3アルベド実施態様)
本出願の太陽電池設計は、周面全体を介して集光できるため有利である。よって、本出願のいくつかの実施態様において、これらの太陽電池組立品(例えば、太陽電池組立品400、700、800、900等)は、太陽電池組立品の周囲の表面がある量のアルベドを有する反射環境に配置される。アルベドは、表面又は本体の反射率の測度である。それは、反射した電磁放射線(EM放射線)のそれに入射した量に対する比である。この比は、通常は、0%から100%までの百分率で表される。いくつかの実施態様において、本出願の太陽電池組立品の近傍の表面は、当該表面を反射性白色に塗装することによって、それらが高いアルベドを有するように調製される。いくつかの実施態様において、高いアルベドを有する他の材料を使用することができる。例えば、当該太陽電池の周囲のいくつかの材料のアルベドは、ほぼ90%又はそれ以上である。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBoer、1977、Solar Energy 19、525を参照されたい。しかし、任意の量のアルベド(例えば5%以上、10%以上、20%以上)を有する表面が、本出願の範囲内である。一実施態様において、本出願の太陽電池組立品は、砂利の反射特性を向上させるために砂利が白色に塗装された砂利面上に列をなして配置される。概して、任意のランベルト又は拡散反射面を用いて、高アルベド面を提供することができる。
【0122】
例として、本出願のいくつかの実施態様において、本出願の両面太陽電池組立品(パネル)は、第1及び第2の面を有し、北半球で南向きに(又は南半球で北向きに)列をなして配置される。パネルの各々は、地面からいくらか離して(例えば地面から100cm上方に)配置される。パネル間の東西方向の間隔は、パネルの全体寸法に依存する。単なる例示として、約106cm×44cmの全体寸法を有するパネルは、パネル間の東西方向の間隔が10cmから50cmになるように列をなして配置される。1つの具体的な実施例において、パネル間の東西方向の間隔は、25cmである。
いくつかの実施態様において、パネルの列におけるパネルの中心点は、地面から0.5メートルと2.5メートルの間にある。1つの具体的な実施例において、パネルの中心点は、地面から1.55メートルにある。パネルの列の間の南北方向の間隔は、パネルの寸法に依存する。例示として、パネルが約106cm×44cmの全体寸法を有する1つの具体的な実施例において、南北方向の間隔は、2.8メートルである。いくつかの実施態様において、南北方向の間隔は、0.5メートルから5メートルである。いくつかの実施態様において、南北方向の間隔は、1メートルから3メートルである。
【0123】
いくつかの実施態様において、その全体が参照により本明細書に組み込まれているLorenzoら、1985、Solar Cells 13、277〜292頁に記載されている太陽パネルによって受光される太陽光線の量を計算するためのモデルを使用して、反射環境に配置された太陽パネルの列における太陽パネルの最適な水平方向傾斜及び東西方向間隔を計算する。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品に内部又は外部反射器を実装することで、アルベド効果を利用し、太陽電池組立品への光入力を向上させる。内部反射器(例えば反射器1404)の代表的な実施例を図16に示す。本出願と併用できるアルベド表面のさらなる説明が、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/315,523号に開示されている。
【0124】
(5.4二重層コア実施態様)
本出願の太陽電池402の導電性コア404が均一の導電性材料で構成された本出願の実施態様を開示した。本出願は、これらの実施態様に限定されない。いくつかの実施態様において、導電性コア404は、実際、内部コア及び外部導電性コアを有する。当該実施態様において、内側コアは、基板403と称することができ、外側コアは、背面電極404と称することができる。当該実施態様において、外部導電性コアは、基板403上に円周方向に配置される。当該実施態様において、基板403は、典型的には、非導電性であるのに対して、外側コアは導電性である。基板403は、本出願の他の実施態様と一致する長形を有する。いくつかの実施態様において、基板403は、導電性非金属材料である。しかし、本出願は、外側コアが電極として機能できるため、基板403が導電性である実施態様に限定されない。いくつかの実施態様では、基板403は管(例えばガラス管)である。
【0125】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリベンズアミダゾール(例えば、Celazole(登録商標)、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能(Texas(テキサス)州Shiner))などの材料で構成される。いくつかの実施態様において、内側コアは、ポリミド(例えば、DuPont(商標)Vespel(登録商標)又はDuPont(商標)Kapton(登録商標)(Delaware(デラウェア)州Wilmington))で構成される。いくつかの実施態様において、内側コアは、それぞれBoedeker Plastics,Incから入手可能なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、ポリアミド-イミド(例えば、Torlon(登録商標)PAI、Solvay Advanced Polymers(Georgia(ジョージア)州Alpharetta))で構成される。
いくつかの実施態様において、基板403は、ガラス系フェノールで構成される。フェノール積層体は、合成熱硬化性樹脂が含浸された紙、カンバス、リネン又はガラス布の層に熱又は圧力を加えることによって構成される。熱及び圧力を層に加えると、化学反応(重合)により、個別の層が、再び軟化できない「固定」形状の単一積層材料に変換される。したがって、これらの材料は、「熱硬化物」と呼ばれる。様々な樹脂タイプ及び布材料を使用して、一連の機械的、熱的及び電気的特性を有する熱硬化性積層体を製造することができる。いくつかの実施態様において、基板403は、G-3、G-5、G-7、G-9、G-10又はG-11のNEMAグレードを有するフェノール積層体である。代表的なフェノール積層体は、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能である。
【0126】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリスチレンで構成される。ポリスチレンの例としては、汎用ポリスチレン、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜174頁に詳述されている高耐衝撃性ポリスチレンが挙げられる。さらに他の実施態様において、基板403は、架橋ポリスチレンで構成される。架橋ポリスチレンの一例は、Rexolite(登録商標)(C-Lec Plastics,Inc.)である。Rexoliteは、ポリスチレンをジビニルベンゼンで架橋することによって製造される熱硬化性の、特に硬い半透明プラスチックである。
さらに他の実施態様において、基板403は、ポリカーボネートで構成される。当該ポリカーボネートは、材料の引張強度、剛性、圧縮強度並びに熱膨張率を調節するために、異なる量(例えば、10%、20%、30%又は40%の)ガラス繊維を有することができる。代表的なポリカーボネートは、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能であるZelux(登録商標)M及びZelux(登録商標)Wである。
【0127】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリエチレンで構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)又は超高分子量ポリエチレン(UHMW PE)で構成される。HDPEの化学特性は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜173頁に記載されている。いくつかの実施態様において、基板403は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン(Teflon)、ポリメタクリレート(ルーサイト又はプレキシグラス)、ナイロン6,6、酪酸酢酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンで構成される。これらの材料の化学特性は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6-172頁から1-175頁に記載されている。
【0128】
基板403を形成するのに使用できるさらなる代表的な材料は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている「現代プラスチック百科事典(Modern Plastics Encyclopedia)」、McGraw-Hill;Reinhold Plastics Applications Series、Reinhold Roffの「繊維、プラスチック、ゴム(Fibres,Plastics and Rubbers)」、Butterworth;Lee及びNevilleの「エポキシ樹脂(Epoxy Resins)」、McGraw-Hill;Bilmetyerの「ポリマー科学のテキスト(Textbook of Polymer Science)」、Interscience;Schmidt及びMarliesの「高ポリマーの原理、理論、実施(Principles of high polymer theory and practice)」、McGraw-Hill;Beadle編、「プラスチック(Plastics)」、Morgan-Grampiand,Ltd.、第2巻、1970;Tobolsky and Mark編、「ポリマー科学と材料(Polymer Science and Materials)」、Wiley、1971;Glanvilleの「プラスチック技術者のデータブック(The Plastic's Engineer's Data Book)」、Industrial Press、1971;Mohr(編集及び監修)、Oleesky、Shook及びMeyersの「強化プラスチックコンポジットの技術工学のSPIハンドブック(SPI Handbook of Technology and Engineering of Reinforced Plastics Composites)」、Van Nostrand Reinhold、1973に見いだされる。
【0129】
概して、外側コアは、無視し得る抵抗損失で太陽電池によって生成される光起電流を支持することができる任意の材料から構成される。いくつかの実施態様において、外側コアは、アルミニウム、モリブデン、鋼、ニッケル、銀、金又はそれらの合金などの任意の導電性金属で構成される。いくつかの実施態様において、外側コアは、金属‐、グラファイト‐、カーボンブラック‐若しくは超導電性カーボンブラック‐充填酸化物、エポキシ、ガラス又はプラスチックで構成される。いくつかの実施態様において、外側コアは、導電性プラスチックで構成される。いくつかの実施態様において、この導電性プラスチックは、本質的に導電性で、充填剤を一切必要としない。いくつかの実施態様では、内側コアは導電性材料から構成され、外側コアはモリブデンから構成される。いくつかの実施態様において、内側コアは、ガラス棒などの非導電性材料から構成され、外側コアは、モリブデンから構成される。
【0130】
(5.5代表的な寸法)
本出願は、広範な寸法に含まれる任意の寸法を有する太陽電池組立品を包括する。例えば、図4Bを参照すると、本出願は、1cmから50000cmの長さl、及び1cmから50000cmの幅wを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、10cmから1000cmの長さl、及び10cmから1000cmの幅wを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、40cmから500cmの長さl、及び40cmから500cmの幅wを有する。
図3Aに示されるように、太陽電池300は、その断面の幅に比べて大きい長さlを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池300は、10ミリメートル(mm)から100000mmの長さl、及び3mmから10000mmの幅wを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池300は、10mmから5000mmの長さl、及び10mmから1000mmの幅wを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池300は、40mmから15000mmの長さl、及び10mmから50mmの幅dを有する。
【0131】
いくつかの実施態様において、太陽電池300を図3Aに示されるように長形にすることができる。図3Aに示されるように、長形太陽電池300は、長さ寸法l及び幅寸法wを有することを特徴とするものである。長形太陽電池300のいくつかの実施態様において、長さ寸法lは、幅寸法wの少なくとも4倍、少なくとも5倍又は少なくとも6倍である。いくつかの実施態様において、太陽電池300の長さ寸法lは、10センチメートル以上、20センチメートル以上又は100センチメートル以上である。いくつかの実施態様において、太陽電池300の幅w(例えば直径)は、5ミリメートル以上、10ミリメートル以上、50ミリメートル以上、100ミリメートル以上、500ミリメートル以上、1000ミリメートル以上又は2000mmミリメートル以上である。
【0132】
(5.6さらなる太陽電池の実施態様)
元素番号の参照のために図3Bを用いると、いくつかの実施態様において、本明細書ではCIGSと称する銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(Cu(InGa)Se2)を使用して、接合110の吸収体層を構成する。当該実施態様において、モリブデンで背面電極404を構成することができる。いくつかの実施態様において、背面電極404は、ポリイミドの内側コア、及びCIGSの堆積前にポリイミドコアにスパッタリングされるモリブデンの薄膜である外側コアを含む。光を吸収するCIGS膜をモリブデンの上面に蒸着する。次いで、半導体接合410を完成するために、硫化カドミウム(CdS)をCIGS上に堆積する。所望により、次いで、薄い真性層(i層)415を半導体接合410上に堆積する。酸化亜鉛、金属酸化物、又は極めて絶縁性の任意の透明材料を含むが、それらに限定されない材料を使用してi層415を形成することができる。次に、透明導電層412をi層(存在する場合)又は半導体接合410(i層が存在しない場合)の上に配置する。透明導電層412をアルミニウムドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛、インジウム-亜鉛酸化物又はインジウム-錫酸化物で構成することができる。
【0133】
ITN Energy Systems,Inc.、Global Solar Energy,Inc.及びエネルギー変換研究所(IEC)は、CIGS層の堆積のためのロールツーロール共蒸発法を使用してポリイミド基板上にCIGS太陽電池を製造するための技術を共同開発した。この方法では、ウェブと称するモリブデン被覆ポリイミド膜を巻出し、1つ以上の堆積ゾーン内に連続的に移動させる。堆積ゾーンにおいて、ウェブを450℃までの温度に加熱し、セレニウム蒸気の存在下でその上に銅、インジウム及びガリウムを蒸着する。ウェブは、堆積ゾーンを通過した後、冷却され、引き取りスプールに巻き取られる。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2003、Jensenら、「ポリイミド基板上のCIGS太陽電池の製造時のバック接点ひび割れ(Back Contact Cracking During Fabrication of CIGS Solar Cells on Polyimide Substrates)」、NCPV and Solar Program Review Meeting 2003、NREL/CD-520-33586、877〜881頁を参照されたい。同様に、参照により本明細書に組み込まれているBirkmireら、2005、Progress in Photovoltaics:Research and Applications 13、141〜148には、ポリイミド/Moウェブ構造、具体的にはPI/Mo/Cu(InGa)Se2/CdS/ZnO/ITO/Ni-Alが開示されている。鋼箔上の同様の構造の堆積についても調査された。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているSimpsonら、2004、「鋼箔上の軟質CIGS PVの製造法の進歩(Manufacturing Process Advancements for Flexible CIGS PV on Stainless Foil)」、DOE Solar Energy Technologies Program Review Meeting、PV Manufacturing Research and Development,P032を参照されたい。
【0134】
本出願のいくつかの実施態様において、吸収体材料をGlobal Solar Energy(Arizona(アリゾナ)州Tucson)によって開発されたもののようなポリイミド/モリブデンウェブ又は金属箔(例えば、Simpsonらに開示された箔)上に堆積する。いくつかの実施態様において、いくつかの実施態様において、吸収体材料は、本明細書に開示された吸収体のいずれかである。特定の実施態様において、吸収体は、Cu(InGa)Se2である。いくつかの実施態様において、長形コアは、非ドーププラスチックなどの非導電性材料で構成される。いくつかの実施態様において、長形コアは、導電性金属、金属充填エポキシ、ガラス若しくは樹脂又は導電性プラスチック(例えば、導電性充填剤を含有するプラスチック)などの導電性材料で構成される。次に、窓層を吸収体層に堆積することによって半導体接合410を完成する。吸収体層がCu(InGa)Se2である場合は、CdSを使用することができる。最後に、随意のi層415及び透明導電層412を添加して、太陽電池を完成させる。次に、箔をワイヤ状又は管状長形コアに巻き付ける、及び/又は接着する。当該製造法の利点は、吸収体層、窓層、i層又は透明導電層412の堆積温度に耐えることができない材料を太陽電池の内側コアとして使用できることである。この製造法を用いて、導電性コア402が内側及び外側導電性コアを含む、本出願に開示されている太陽電池402のいずれかを製造することができる。内側コアは、本明細書に開示されている任意の導電性又は非導電性材料であるのに対して、外側導電性コアは、箔を内側コアに巻き付ける前に、吸収体層、窓層及び透明導電層がその上に堆積されたウェブ又は箔である。いくつかの実施態様において、適切な接着剤を使用してウェブ又は箔を内側コアに接着する。
【0135】
本出願の一態様は、吸収体層を金属ウェブ又は導電性箔に堆積することを含む太陽電池の製造方法を提供する。次に、窓層を吸収体層に堆積する。次に、透明導電層を窓層に堆積する。次いで、金属ウェブ又は導電性箔を長形コアに巻き付けることによって、長形太陽電池402を形成する。いくつかの実施態様において、吸収体層は銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(Cu(InGa)Se2)であり、窓層は硫化カドミウムである。いくつかの実施態様において、金属ウェブは、ポリイミド/モリブデンウェブである。いくつかの実施態様において、導電性箔は、鋼箔又はアルミニウム箔である。いくつかの実施態様において、長形コアは、導電性金属、金属充填エポキシ、金属充填ガラス、金属充填樹脂又は導電性プラスチックで構成される。
【0136】
いくつかの実施態様において、金属ウェブ又は箔を長形コアに巻き付けるというよりむしろ、透明導電性酸化物導電膜を管状又は硬質中実棒状コア上に堆積する。当該実施態様において、管状又は硬質中実棒状コアは、例えば、プラスチック棒、ガラス棒、ガラス管又はプラスチック管であり得る。当該実施態様は、半導体接合の内面又はバック接点と電気的に接続する何らかの形の導体を必要とする。いくつかの実施態様において、当該導体を設けるために、管状又は硬質中実棒状長形コアにおけるディボットに導電性金属を充填する。透明導電層又は導電性バック接点膜を管状又は硬質中実棒状長形コアに堆積する前に、導体をディボットに挿入することができる。いくつかの実施態様において、当該導体を、長形太陽電池402の側面に沿って長さ方向に延びる金属源から形成する。この金属を、蒸着、スパッタリング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、金属プレス、導電性インク、又は金属ワイヤを接着するのに使用される接着剤、或いは他の金属堆積手段によって堆積することができる。
【0137】
次に、より具体的な実施態様を説明する。いくつかの実施態様において、長形コアは、ガラス管の外表面に長さ方向に延びるディボットを有するガラス管であり、製造方法は、ローリング工程の前にディボットに導体を堆積することを含む。いくつかの実施態様において、ガラス管は、ガラス管の表面において長さ方向に延びる第2のディボットを有する。当該実施態様において、第1のディボット及び第2のディボットは、ほぼ又は正確にガラス管の円周方向反対側にある。よって、当該実施態様において、該方法は、ローリング前に、或いはローリングが用いられない実施態様では内側透明導電層又は導電膜、接合及び外側透明導電層を長形コア上に堆積する前に、第2のディボットに導体を堆積することをさらに含む。
【0138】
いくつかの実施態様において、長形コアは、ガラス棒の表面に長さ方向に延びる第1のディボットを有するガラス棒であり、該方法は、ローリングの前に第1のディボットに導体を堆積することを含む。いくつかの実施態様において、ガラス棒は、ガラス棒の表面において長さ方向に延びる第2のディボットを有し、該第1のディボット及び該第2のディボットは、ほぼ又は正確にガラス棒の円周方向反対側にある。よって、当該実施態様において、該方法は、ローリング前に、或いはローリングが用いられない実施態様では内側透明導電層又は導電膜、接合及び外側透明導電層を長形コア上に堆積する前に、第2のディボットに導体を堆積することをさらに含む。導体の好適な材料は、アルミニウム、モリブデン、チタン、鋼、ニッケル、銀、金又はそれらの合金を含むが、それらに限定されない、本明細書に導体として記載されている材料のいずれかである。
【0139】
図13は、本出願の一実施態様による太陽電池402の断面を詳細に示す図である。ローリング法又は堆積技術のいずれかを使用して太陽電池402を製造することができる。本出願の他の実施態様に対応する参照番号(例えば410、412及び420)は、当該実施態様に開示されているのと同じ材料で構成される。図13において、示されるように、管に沿って長さ方向に(紙面に垂直に)延び、管1306の円周方向に反対側にある第1及び第2のディボットを有する長形管1306が存在する。典型的な実施態様において、管1306は、導電性でない。例えば、管1306は、いくつかの実施態様において、プラスチック又はガラスで構成される。図13に示されるように、導電性配線1302が第1及び第2のディボットに配置される。いくつかの実施態様において、導電性配線は、本出願の導電性材料のいずれかで構成される。いくつかの実施態様において、導電性配線1302は、アルミニウム、モリブデン、鋼、ニッケル、チタン、銀、金又はそれらの合金から構成される。1304が導電性箔又は金属ウェブである実施態様において、長形コア1306に金属ウェブ又は導電性箔1304を巻き付ける前に、導電性配線1302をディボットに挿入する。1304が透明導電性酸化物又は導電性膜である実施態様において、透明導電性酸化物又は導電性膜1304を長形コア1306上に堆積する前に、導電性配線1302をディボットに挿入する。言及したように、いくつかの実施態様において、金属ウェブ又は導電性箔1304を管1306に巻き付ける。いくつかの実施態様において、金属ウェブ又は導電性箔1304を管1306に接着する。いくつかの実施態様において、層1304は、金属ウェブ又は導電性箔でない。例えば、いくつかの実施態様において、層1304は、透明導電層である。当該層は、半導体接合においてより薄い吸収層を可能にするため有利である。層1304が透明導電層である実施態様において、堆積技術を用いて、透明導電層、透明導電層、半導体接合410及び外側透明導電層412を堆積する。
【0140】
本出願の一態様は、各々が図13に開示された構造を有する複数の長形太陽電池402を含む太陽電池組立品を提供する。即ち、複数の長形太陽電池における各長形太陽電池402は、長形管1306、該長形管1306上に円周方向に配置された金属ウェブ又は導電性箔(或いはTCOの層)1304、該金属ウェブ又は導電性箔(或いはTCOの層)1304上に円周方向に配置された半導体接合410、及び該半導体接合410上に配置された透明導電性酸化物層412を含む。複数の長形太陽電池における長形太陽電池402を幾何学的に並列又はほぼ並列に配置することによって、第1の面及び第2の面を有する平面アレイを形成する。複数の長形太陽電池は、複数の長形太陽電池における1つ以上の長形太陽電池が隣接する太陽電池と導電接触しないように配置される。いくつかの実施態様において、長形太陽電池は、隣接する長形太陽電池の間に絶縁層が存在する場合は、互いに物理的に接触し得る。太陽電池組立品は、複数の金属対向電極をさらに含む。複数の長形太陽電池におけるそれぞれの長形太陽電池402は、第1の金属対向電極が、それぞれの長形太陽電池402において長さ方向に延びる第1の溝に存在するように、複数の金属対向電極における第1の対応する金属対向電極420に結合される。該装置は、平面アレイの面のすべて又は一部を被覆する透明電気絶縁性基板をさらに含む。複数の長形太陽電池における第1及び第2の長形太陽電池は、第1の長形太陽電池の第1の電極を第2の長形太陽電池の第1の対応する対向電極に接続する電気接点によって、直列に電気接続される。いくつかの実施態様において、長形管1306は、導体1302が充填された1つ以上の溝を有するガラス管又はプラスチック管である。いくつかの実施態様において、複数の長形太陽電池におけるそれぞれの長形太陽電池402は、第2の金属対向電極がそれぞれの長形太陽電池402において長さ方向に延びる第2の溝に存在し、かつ第1の溝及び第2の溝がそれぞれの長形太陽電池402の円周方向の反対側又は実質的に反対側に存在するように、複数の金属対向電極における第2の対応する金属対向電極420に結合される。いくつかの実施態様において、複数の長形太陽電池402は、平面アレイの第1の面及び第2の面から直接光を受光するように構成される。
【0141】
(5.7静的集光器)
封入太陽電池ユニット300を、例えば、組立品400(図4)、700(図7)、800(図8)、900(図9)又は1000(図10)のいずれかにアセンブルすることができる。いくつかの実施態様において、本出願の太陽電池組立品の性能を向上させるために静的集光基を使用する。1つの代表的な実施態様における静的集光器の使用を図11に示し、ここで、両面太陽電池組立品CDの効率性を向上させるために、開口ABを有する静的集光器1102が使用され、該太陽電池組立品CDは、例えば、組立品400(図4)、700(図7)、800(図8)、900(図9)又は1000(図10)或いは本出願の太陽電池ユニット300の他の組立品のいずれかである。静的集光器1102を、例えば、適性に屈曲又は成形された単純なアルミニウムシート又はポリウレタン上の反射膜などの当該技術分野で知られている任意の静的集光器材料から形成することができる。図11に示される集光器1102は、低集光率の非撮像合成放物線状集光器(CPC)型集光器である。本出願の太陽電池組立品に任意の(CPC)型集光器を使用することができる。(CPC)型集光器に関するさらなる情報については、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPereira及びGordon、1989、Journal of Solar Energy Engineering、111、111〜116頁を参照されたい。
【0142】
本出願に使用できるさらなる静的集光器は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているUematsuら、1999、Proceedings of the 11th International Photovoltaic Science and Engineering Conference、Sapporo、Japan、957〜958頁;Uematsuら、1998、Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion、Vienna、Austria,1570〜1573頁;Warabisakoら、1998、Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion、Vienna、Austria、1226〜1231頁;Eamesら、1998、Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion、Vienna Austria、2206〜2209頁;Bowdenら、1993、Proceedings of the 23rd IEEE Photovoltaic Specialists Conference、1068〜1072頁;及びParadaら、1991、Proceedings of the 10th EC Photovoltaic Solar Energy Conference、975〜978頁に開示されている。
【0143】
いくつかの実施態様において、図12に示される静的集光器を使用する。図12に示される両面太陽電池は、組立品400(図4)、700(図7)、800(図8)、900(図9)又は1000(図10)を含むが、それらに限定されない本出願の任意の両面太陽電池組立品であり得る。図12に示される静的集光器は、図示されているように入射光を捕捉及び反射する用に設計された1ミリメートル以下のV字形溝を有するモジュールの前面及び後面に2枚のカバーガラスを使用する。当該集光器のより詳細な説明は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているUematsuら、2001、Solar Energy Materials & Solar Cell 67、425〜434頁及びUematsuら、2001、Solar Energy Materials & Solar Cell 67、441〜448頁に見いだされる。本出願に使用できるさらなる静的集光器は、「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」、2003、Luque and Hegedus(編)、Wiley & Sons、West Sussex、England、第12章に記載されている。
【0144】
(5.8内部反射器の実施態様)
長形太陽電池402を例えば図15に示されるように封入した後、それらを配置して、太陽電池組立品を形成することができる。図16は、本出願の一実施態様による太陽電池組立品1600を示す。この代表的な実施態様において、内部反射器1404を使用して、太陽電池システムへの太陽光線入力を向上させる。図16に示されるように、長形太陽電池402及び内部反射器1404をアセンブルして、図示される交互アレイにする。太陽電池組立品1600における長形太陽電池402は、対向電極420及び電極440を有する。図16に示されるように、太陽電池組立品1600は、複数の太陽電池402を含む。この複数における太陽電池402の数に制限はない(例えば、10個以上、100個以上、1000個以上、10000個以上、5000から100万個の間等の太陽電池402)。よって、太陽電池組立品1600は、複数の内部反射器1404をも含む。この複数における内部反射器1404の数に制限はない(例えば、10個以上、100個以上、1000個以上、10000個以上、5000から100万個の間等の反射器1404)。
【0145】
太陽電池組立品1600内では、内部反射器1404が、対応する長形太陽電池402に沿って長さ方向に延びる。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、中空コアを有する。長形導電性コア404の場合のように、中空導電性コア(例えば、図3Bの基板403)は、当該デバイスを製造するのに必要な材料の量を減少させることによってコストを下げるため、多くの場合に有利である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、プラスチックケース上に堆積された反射性の極めて高い材料(例えば、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、鋼等)の層を有するプラスチックケースである。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、鋼等で構成された単一の部品である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、金属箔テープ上に積層された金属又はプラスチックケースである。代表的な金属箔テープとしては、3Mアルミニウム箔テープ425、3Mアルミニウム箔テープ427、3Mアルミニウム箔テープ431、及び3Mアルミニウム箔テープ439(3M(Minnesota(ミネソタ)州St.Paul))が挙げられるが、それらに限定されない。内部反射器1404は、広範囲な設計を採用することができ、そのうちの1つのみが図16に示されるものである。本出願の好ましい実施態様に見いだされる反射器1404の設計の中心は、太陽電池組立品1600の両側面(即ち側面1620及び側面1640)に入射する直接光を反射する必要性である。
【0146】
概して、本出願の反射器1404は、隣接する長形太陽電池402への光の反射を最適化するように設計される。太陽電池組立品1600の1つの側面(例えば、図16に描かれた太陽電池組立品の平面の上方の側面1940)に入射する直接光は、太陽から直接入射するのに対して、太陽電池の他方の側面(例えば、図16に描かれた太陽電池組立品の平面の下方の側面1620)は、表面から反射されたものである。いくつかの実施態様において、この表面は、ランベルト、拡散又はインボリュート反射器である。したがって、太陽電池組立品の各側面は、異なる光環境に直面するため、側面1620上の内部反射器1404の形状は、側面1640上のそれと異なっていてもよい。
【0147】
図16では、内部反射器1404は、対称性四面断面形状を有するものとして示されているが、本出願の内部反射器1404の断面形状は、当該構成に限定されない。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、星状である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、線形である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、放物線状である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、凹面形である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、円形又は楕円形である。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、内部反射器上に拡散面を定める。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、長形太陽電池402の断面形状のインボリュートである。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、二面形、三面形、四面形、五面形又は六面形である。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器1404における内部反射器の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、小面である。
【0148】
いくつかの実施態様において、隣接する長形太陽電池402への反射を向上させるために反射器1404にさらなる特徴が加えられる。改造反射器1404には、入射光が反射器1404の側面1610から効果的に反射されるように、強い反射特性が備えられる。いくつかの実施態様において、表面1610からの反射光は、方向指向性を有さない。他の実施態様において、反射器表面1610は、反射光が、最適な吸収のために長形太陽電池402の方へ誘導されるように設計される。
いくつかの実施態様において、内部反射器1404と隣接する長形電池との接続は、さらなるアダプタ部品によって提供される。当該アダプタ部品は、当該部品同士を緻密に嵌合させるために、内部反射器1404並びに長形太陽電池402の双方の形状に対して相補的な表面特徴を有する。いくつかの実施態様において、当該アダプタ部品は、内部反射器1404上に固定される。他の実施態様において、アダプタ部品は、長形太陽電池402上に固定される。さらなる実施態様において、長形太陽電池402と反射器1404の間の接続を、導電性接着剤又はテープによって強化することができる。
【0149】
拡散反射。本出願によるいくつかの実施態様において、反射器1404の側面1610は、拡散反射面(例えば、図16の1610)である。最初に鏡面反射を理解することによって、拡散反射の概念をより良く理解できる。鏡面反射は、鏡又は水の静穏水などの滑らかな表面からの反射として定義づけられる(図17Aの1702)。鏡面上で、光は、主に反射光線の方向に反射し、表面の物理特性に応じた量だけ減衰する。表面から反射した光は、主に反射光線の方向にあるため、観察者の位置(例えば、長形太陽電池402の位置)は、表面の知覚照明を決定づける。鏡面反射は、光沢面又は鏡状面の光反射特性をモデル化する。鏡面反射と対照的に、布、紙及びアスファルト道路などの粗面からの反射は、拡散反射として知られる異なるタイプの反射をもたらす(図17B)。拡散反射面に入射する光は、すべての方向に均等に反射し、表面の物理特性に応じた量だけ減衰する。光は、すべての方向に均等に反射するため、表面の知覚照明は、反射光の観察者又は受光者の位置(例えば、長形太陽電池402の位置)に依存しない。拡散反射は、無光沢面の光反射特性をモデル化する。
【0150】
拡散反射面は、観察者にとって方向依存性のない光を反射する。表面が微視的に粗いか滑らかであるかは、続く光線の反射に大きな影響を与える。単一の方向性光源からの入力光は、拡散反射面上ですべての方向に反射する(例えば、図17Bの1704)。拡散反射は、光の内部拡散、例えば光が吸収され、次いで再放射されること、及び物体の粗面からの外部散乱の組合せを起源とする。
ランベルト反射。本出願によるいくつかの実施態様において、反射器1404の表面1610は、ランベルト反射面である(例えば図17Cの1706)。ランベルト光源は、ランベルトの余弦法則に従う光源、即ちそれを観察する角度の余弦に正比例する強度を有する光源として定義づけられる(図17C)。よって、ランベルト面は、放射面の全表面積が、測定されている面積より大きいことを前提に、そのラジアンス(又はルミナンス)が、それを測定できるすべての方向で同じになる(例えば、ラジアンスは観察角度から独立する)ように入射放射線の拡散を均一にする表面として定義づけられる。
【0151】
完全拡散面において、任意の小表面部品から所定の方向に発生する光の強度は、表面に対して直角の角度の余弦に比例する。ランベルト面の輝度(ルミナンス、ラジアンス)は、それが観察される角度にかかわらず一定である。
入射光
【数2】
は、ランベルト面(図17C)に衝突し、異なる方向に反射する。
【数3】
の強度をIinと定義すれば、反射光
【数4】
の強度(例えばIout)は、ランベルトの余弦法則に従って以下のように定義づけることができる:
【数5】
上式において、
【数6】
及びkdcosθoutは、表面特性に関連する。入射角はθinと定義され、反射角はθoutと定義される。ベクトルドット積の式を用いて、反射光の強度を以下のように記すこともできる:
【数7】
上式において、
【数8】
は、ランベルト面に対して法線ベクトルを表す。
【0152】
当該ランベルト面は、入射光線を失わないが、表面の照明側で、2πラジアンの利用可能なすべての立体角でそれを再放射する。さらに、ランベルト面は、表面が任意の角度から均等な輝度で見えるように光を放射する。即ち、等しい投射面積が、等量の光束を放射する。これは理想的であるが、多くの実表面がそれに近い。例えば、ランベルト面を拡散白色塗料で生成することができる。当該典型的なランベルト面の反射率は、93%であってもよい。いくつかの実施態様において、ランベルト面の反射率は、93%より高くてもよい。いくつかの実施態様において、ランベルト面の反射率は、93%より低くてもよい。ランベルト面は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarshallの米国特許第6,257,737号;Sternの米国特許第6,661,521号;Parkynらの米国特許第6,603,243号において、照明を最適化するためにLED設計に広く使用されてきた。
有利には、反射器1404上のランベルト表面1610は、すべての方向に光を効率的に反射する。次いで、太陽電池性能を向上させるために、反射光を長形太陽電池402の方に誘導する。
【0153】
インボリュート面の反射。本出願によるいくつかの実施態様において、反射器1404の表面1610は、長形太陽電池管402のインボリュート面である。いくつかの実施態様において、長形太陽電池管402は、円形又はほぼ円形である。反射器表面1610は、好ましくは、円のインボリュートである(例えば図18Aの1804)。円のインボリュート1802は、円の周りを回転する直線上の点によって追跡される経路と定義される。円のインボリュートを以下の工程で描くことができる。第1に、線を曲線上の点に接続する。第2に、線が接続点で曲線に接するように線を延長させる。第3に、線を巻き上げ、それを張りつめた状態にする。線の末端によって追跡された点の座位(例えば、図18の1804)を、本来の円1802のインボリュートと呼ぶ。本来の円1802を、そのインボリュート曲線1804のエボリュートと呼ぶ。
【0154】
概して、曲線は独自のエボリュートを有するが、開始点の異なる選択に対応する無制限に多くのインボリュートを有する。インボリュートを、所定の曲線に対するすべての正接に直交する任意の曲線と考えることもできる。任意の時間tにおける半径rの円について、その式を以下のように記すことができる:
x=r cos t
y=r sin t
よって、円のインボリュートのパラメータ式は、以下のようになる:
xi=r(cos t+t sin t)
yi=r(sin t-t cos t)
エボリュート及びインボリュートは、相互関数である。円のインボリュートのエボリュートは、円である。
【0155】
インボリュート面は、光反射率を最適化するために、多くの特許の設計で実装されてきた。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている閃光ランプ反射器(その全体が参照により本明細書に組み込まれているDraggooの米国特許第4,641,315号)及び凹面光反射器デバイス(その全体が参照により本明細書に組み込まれているRoseの米国特許第4,641,315号)はともに光反射効率を向上させるためのインボリュート面を利用する。
図18Bにおいて、内部反射器1404は、2つの長形太陽電池402に接続される。反射器1404及び太陽電池402の詳細は、長形太陽電池402の形状と、内部反射器1404の側面1610の形状との固有の関係を強調するために、省略する。側面1610は、それらが円形の長形太陽電池402のインボリュートになるように構成される。
有利には、インボリュート-エボリュート設計は、反射器1404の側面1610と、隣接する長形太陽電池402との相互作用を最適にする。反射器1404の側面1610が、反射器1404に隣接又は接続された長形太陽電池402に対応するインボリュート面である場合は、光は、長形太陽電池402に向かって最適化される方向でインボリュート面から効率的に反射する。
図16に示されていないいくつかの実施態様において、長形太陽電池402を、端部における直径が当該電池の中心に向かう直径より小さくなるようにそれらの端部で加圧変形させる。これらの加圧変形した端部に電極440を配置する。
【0156】
太陽電池組立品。図16に示されるように、複数の長形太陽電池402における太陽電池を幾何学的に並列又はほぼ並列に配置する。いくつかの実施態様において、長形導電性コア404は、セクション5.4に記載されている二層コアのいずれかである。いくつかの実施態様において、導電性コア404を形成するよりも、背面電極404は、例えば図3Bに示されるように基板403上に配置された金属の薄層である。いくつかの実施態様において、長形太陽電池402の末端部を外側コアまで剥がすことができる。例えば、長形太陽電池402が、円筒基板403で構成された内側コア、及びモリブデンで構成された外側コア(背面電極404)で構成される場合を考慮されたい。そのような場合では、長形太陽電池402の端部をモリブデンの背面電極404まで剥がすことができ、電極440を背面電極404と電気的に接続することができる。
【0157】
いくつかの実施態様において、各内部反射器1404は、例えば、図16に示されるように、2つの封入長形太陽電池402(例えば、図15及び16の300で示される)と接続する。これにより、長形太陽電池402は、単一の複合デバイスに効率的に接合される。図16において、電極440は、背面電極404からの接続を拡大する。いくつかの実施態様において、内部反射器ユニット1404は、透明ケース310上の圧痕を介して、封入太陽電池300に接続される。いくつかの実施態様において、透明ケース310上の圧痕は、内部反射器ユニット1404の形状を補完するように形成される。2つの透明ケース310上の圧痕は、2つの封入太陽電池300の間に位置する1つの内部反射器ユニット1404を固定するために使用される。いくつかの実施態様において、接着剤、例えばエポキシ接着剤を使用して、太陽放射線が封入太陽電池ユニット300に向かって適性に反射されて吸収されるように、内部反射器ユニット1404と隣接する封入太陽電池ユニット300との接続を強化する。
【0158】
本出願によるいくつかの実施態様において、内部反射器ユニット1404及び透明ケース310を同じ成形法で形成することができる。例えば、図19の1900で示される透明ケース310と星状反射器1404を交互に配列するアレイを単一の複合物として構成することができる。内部反射器1404によるアルベド効果を向上させ、或いは透明ケース310と太陽電池402のより良好な嵌合を促進するためにさらなる改造を行うことができる。ケース310は、太陽電池402のいくつかの形状を補完する内部改造を含むことができる。図19に示される組立品における内部反射器1404及びケース300の数に制限はない(例えば、10個以上、100個以上、1000個以上、10000個以上、5000から100万個の内部反射器1404及びケース310など)。
【0159】
(6.引用参考文献)
本明細書に引用されているすべての参考文献は、個々の文献又は特許若しくは特許出願が、あらゆる目的でその全体が参照により組み込まれていることが具体的且つ個別に示されるのと同じ範囲で、その全体が参照により、あらゆる目的で本明細書に組み込まれている。
当業者に理解されるように、本出願の主旨及び範囲を逸脱することなく多くの改造及び変更を加えることができる。本明細書に記載されている具体的な実施態様は、例示のみを目的とし、本出願は、添付の請求項に権利が与えられた全範囲の同等物とともに、添付の請求項の用語によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0160】
(4.図面の簡単な説明)
【図1】従来技術による相互接続太陽電池を示す図である。
【図2A】従来技術によるp型内層及びn型外層を含む球状太陽電池を示す図である。
【図2B】従来技術による、外側p導電型領域及び管状太陽電池を形成するために、ホウ素を外面に拡散させたn型導電の円筒状シリコン管を含む、管状光起電要素を示す図である。
【図2C】従来技術による長形太陽電池の断面図である。
【図2D】従来技術による、複数の長形太陽電池が導電基板に固定された太陽電池組立品の断面図である。
【図2E】従来技術による、反射壁から離れて配置された太陽電池組立品の断面図である。
【0161】
【図3A】本出願の実施態様による管状ケースを有する光起電要素を示す図である。
【図3B】本出願の実施態様による透明管状ケース入長形太陽電池の断面図である。
【図3C】本出願の実施態様による、長形太陽電池の多層部品を示す図である。
【図3D】本出願の実施態様による透明管状ケースを示す図である。
【図4A】本出願の実施態様による、電気的に直列配置され、幾何学的に並列又はほぼ並列配置された管状ケース入長形太陽電池の断面図である。
【図4B】本出願の実施態様による、組立品における太陽電池の直列電気配置を示す、図4Aの4B-4B線に沿って捉えられた断面図である。
【図4C】本出願の一実施態様による長形太陽電池における様々な層を示す、図4Bの領域4Cの引伸し斜視図である。
【図4D】本出願の実施態様による、図4Bの4D-4D線に沿って捉えられた長形太陽電池の断面図である。
【0162】
【図5A】本出願の様々な実施態様における様々な長形太陽電池に使用される半導体接合を示す図である。
【図5B】本出願の様々な実施態様における様々な長形太陽電池に使用される半導体接合を示す図である。
【図5C】本出願の様々な実施態様における様々な長形太陽電池に使用される半導体接合を示す図である。
【図5D】本出願の様々な実施態様における様々な長形太陽電池に使用される半導体接合を示す図である。
【図6A】従来技術による押出ブロー成形法を示す図である。
【図6B】従来技術による射出ブロー成形法を示す図である。
【図6C】従来技術による延伸ブロー成形法を示す図である。
【0163】
【図7A】本出願の別の実施態様による、対向電極が個々の太陽電池に圧接する組立品において電気的に直列配置された長形太陽電池の断面図である。
【図7B】本発明の実施態様による組立品における円筒状太陽電池の直列配置を示す、図7Aの7B-7B線に沿って捉えられた断面図である。
【図7C】本出願の実施態様による交互管状ケースのアレイの斜視図である。
【図8】本出願の別の実施態様による、対向電極が個々の太陽電池に圧接し、かつ外側TCOが切断された組立品において電気的に直列配置された長形太陽電池の断面図である。
【図9】本出願の実施態様による、内部金属電極が中空である組立品において電気的に直列配置された長形太陽電池の断面図である。
【図10】本出願の実施態様による、溝が、対向電極、透明導電酸化物層、及び太陽電池の接合層を貫通する組立品において電気的に直列配置された長形太陽電池の断面図である。
【0164】
【図11】本出願のいくつかの実施態様において使用される静的集光器を示す図である。
【図12】本出願のいくつかの実施態様において使用される静的集光器を示す図である。
【図13】本出願の実施態様による太陽電池の断面図を示す図である。
【図14】本出願のいくつかの実施態様による成形管状ケースを示す図である。
【図15】本出願の実施態様による、突出電極接続部を有する長形太陽電池構造の斜視図を示す図である。
【図16】本出願の実施態様による太陽電池構造の斜視図を示す図である。
【0165】
【図17A】従来技術による鏡面の光反射を示す図である。
【図17B】従来技術による拡散面の光反射を示す図である。
【図17C】従来技術によるランベルト面の光反射を示す図である。
【図18A】従来技術による円及び円のインボリュートを示す図である。
【図18B】本出願の実施態様による太陽電池構造の断面図を示す図である。
【図19】本出願の実施態様による、交互管状ケースのアレイ及び内部反射器の断面図を示す図である。
【0166】
【図20A】本出願による吸入荷重組立法を示す図である。
【図20B】本出願による圧力荷重組立法を示す図である。
【図20C】本出願による注入及び滑動荷重組立法を示す図である。
【図21】本出願の実施態様による透明管状ケース入長形太陽電池の部分断面図を示す図である。
【図22】従来技術によるQ型シリコーン、シルセキノキサン、D型シリコン及びM型シリコンを示す図である。 同様の参照番号は、図面のいくつかの図の全体を通じて対応する部分を指す。寸法は、一定の縮尺で描かれていない。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
その全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の「管状ケース入長形光電池(Elongated Photovoltaic Cells in Tubular Casings)」という題名の米国特許出願第11/378,847号の優先権を主張するものである。
(1.分野)
本出願は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽電池組立品に関し、特には改良型太陽電池組立品に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.背景)
太陽電池は、典型的には、集光表面積が4〜6cm2以上の個別の物理的実体として作製される。このため、それらの集光面が単一の大きな集光面の近似を与えるように、電池を支持面又はパネル上に平坦アレイで搭載することは発電分野にとって標準的技法である。また、各電池自体は、少量しか発電しないが、直列及び/又は並列マトリックスのアレイの電池を相互接続することによって、必要な電圧及び/又は電量が達成される。
従来技術の太陽電池構造を図1に示す。異なる層の厚さの範囲が大きいため、それらは概略的に描かれている。さらに、図1は、「厚膜」太陽電池及び「薄膜」太陽電池の両方の特徴を表すように極めて概略的である。吸収体層の厚膜は、十分な量の光を吸収することが求められるため、概して、間接的なバンドギャップ材料を使用して、光を吸収する太陽電池は、典型的には「厚膜」太陽電池として構成される。十分な量の光を吸収するのに間接的なバンドギャップ材料の薄層のみが必要とされるため、直接的なバンドギャップ材料を使用して光を吸収する太陽電池は、典型的には「薄膜」として構成される。
【0003】
図1の上部の矢印は、電池上の直接的な太陽照明源を示す。層102は、基板である。ガラス又は金属は、共通の基板である。薄膜太陽電池において、基板102は、ポリマー系裏打、金属又はガラスであり得る。いくつかの場合において、基板102を被覆する封入層(不図示)が存在する。層104は、太陽電池に対するバック電気接点である。
層106は、半導体吸収体層である。バック電気接点104は、吸収体層106とオーム接触する。すべてではないが多くの場合において、吸収体層106は、p型半導体である。吸収体層106は、光を吸収するのに十分に厚い。層108は、半導体吸収体層106と一緒になって、p-n接合の形成を完成する半導体接合パートナーである。p-n接合は、太陽電池において見られる一般的なタイプの接合である。p-n接合系太陽電池において、半導体吸収体層106がp型ドープ材料である場合は、接合パートナー108は、n型ドープ材料である。逆に、半導体吸収体層106がn型ドープ材料である場合は、接合パートナー108はp型ドープ材料である。一般に、接合パートナー108は、吸収体層106よりはるかに薄い。例えば、いくつかの例において、接合パートナー108は、約0.05ミクロンの厚さを有する。接合パートナー108は、太陽放射線に対して極めて透明である。接合パートナー108は、また、光を吸収体層106まで透過させるため、窓層としても知られる。
【0004】
典型的な厚膜太陽電池において、吸収体層106及び窓層108は、同一の半導体材料から製造され得るが、それらの2つの層にそれらの異なるp型及びn型特性を与えるために異なるキャリア種類(ドーパント)及び/又はキャリア濃度を有する。銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)が吸収体層106である薄膜電池において、CdSを使用して、接合パートナー108を形成すると、効率性の高い電池が得られた。接合パートナー108に使用できる他の材料としては、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2及びドープZnOが挙げられるが、それらに限定されない。
【0005】
層110は、対向電極であり、それで機能電池が完成する。接合パートナー108は、一般には抵抗が大きすぎてこの機能を発揮できないため、接合から電流を遠ざけるのに対向電極110が使用される。そのように、対向電極110は、導電性及び光に対する透明性が高い。対向電極110は、実際、個別的な層を形成するのでなく、層108に印刷された金属の櫛状構造体であり得る。対向電極110は、典型的には、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛)、インジウム-錫酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)又はインジウム-亜鉛酸化物などの透明な導電性酸化物(TCO)である。しかし、TCO層が存在しても、TCOは、抵抗が大きすぎてより大きい太陽電池ではこの機能を効率的に発揮できないため、典型的には、従来の太陽電池では電流を除去するために母線ネットワーク114が必要である。ネットワーク114は、電荷キャリアが金属接点に到達するためにTCO層内で移動しなければならない距離を短くすることによって、抵抗損失を低減する。格子線とも呼ばれる金属母線を例えば銀、鋼又はアルミニウムなどの任意の適度に導電性を有する金属で製造することができる。ネットワーク114の設計において、より高い導電性を有するが、より多くの光を遮断するより太い格子線と、より低い導電性を有するが、より少ない光を遮断する細い格子線との間に設計トレードオフが存在する。金属バーは、TCO層110に光線を通すように櫛状構造で構成されるのが好ましい。母線ネットワーク層114とTCO層110が組み合わさると、単一の金属ユニットとして作用し、第1のオーム接点と機能的に連結して、集電回路を形成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれているSverdrupらの米国特許第6,548,751号には、銀の母線ネットワークとインジウム-錫酸化物層の組合せが単一の透明ITO/Ag層として機能する。
【0006】
随意の反射防止膜112は、大量の余剰光を電池に送る。電池の使用目的に応じて、図1に示されるように、それを上部導体に直接堆積することができる。代替的又は追加的に、作製された反射防止膜112を、上部電極110を覆う個別のカバーガラスに堆積することができる。理想的には、反射防止膜は、光電吸収が生じるスペクトル領域で電池の反射をゼロの極めて近くまで低減すると同時に、他のスペクトル領域で反射を強化して、過熱を低減する。その全体が参照により本明細書に組み込まれているAguileraらの米国特許第6,107,564号には、当該技術分野で知られている代表的な反射防止膜が記載されている。
太陽電池は、典型的には、小さな電圧しか生成しない。例えば、シリコン系太陽電池は、約0.6ボルト(V)の電圧を生成する。したがって、太陽電池は、より大きい電圧を達成するために、直列又は並列で相互接続される。直列接続される場合は、個々の電池の電圧が合算されるが、電流は変化しない。したがって、直列配置された太陽電池は、並列配置された類似の太陽電池と比較して、当該電池を流れる電流の量を減少させることによって、効率を向上させる。図1に示されるように、直列の太陽電池の配列は、相互接続点116を使用して達成される。概して、相互接続点116は、1つの太陽電池の第1の電極を隣接する太陽電池の対向電極と電気接続させる。
【0007】
上記のように、且つ図1に示されるように、従来の太陽電池は、典型的には板構造の形である。当該電池は、小さい場合は効率性が高いが、より大きい平面太陽電池は、当該太陽電池に接合を形成する半導体膜を均一にするのがより困難であるため、効率性が低い。また、より大きい平面太陽電池では、ピンホール及びより小さい欠陥の発生が増える。これらの特徴は、接合に短絡を生じ得る。
いくつかの問題が、既知の技術分野に存在する太陽電池設計と対応づけられる。次に、いくつかの従来技術の太陽電池設計及び各設計の短所について論述する。
【0008】
図2Aに示されるように、Asiaらの米国特許第6,762,359号B2には、p型層12及びn型層14を含む太陽電池210が開示されている。第1の電極32が、太陽電池の1つの側に設けられている。電極32は、太陽電池210のn型層14と電気接続する。第2の電極60が、太陽電池の反対側に存在する。電極60は、太陽電池のp型層と電気接続する。透光層200及び202は、デバイス210の1つの側を形成し、層62は、他方の側を形成する。電極32及び60は、絶縁体40及び50によって隔てられている。いくつかの場合において、太陽電池は、図2に示される球形でなく管形を有する。デバイス210は、機能的であるが、満足できるものではない。電極60は、電気接点を構成するために、吸収体12を貫通しなければならない。これは、吸収体面積の正味の損失をもたらし、太陽電池の効率性が低下する。また、当該接合は、他の太陽電池設計と比べて構成するのが困難である。
【0009】
図2Bに示されるように、Mlavskyの米国特許第3,976,508号には、その外面にホウ素を拡散させて、外部のp導電型領域4及びp-n接合6を形成するn型導電の円筒状シリコン管2を含む管状太陽電池が開示されている。円筒管の内部表面には、管とのオーム接続点を形成する接着性金属導電膜8の形の第1の電極が設けられている。膜8は、米国特許第2984775号、同第3046324号及び同第3005862号に開示されているように、管の内面全体を被覆し、比較的高い導電性を有する選択された金属又は金属合金、例えば、金、ニッケル、アルミニウム又は銅からなる。外面には、縦に延びる1つ以上の導体12によって相互接続された円周方向に延びる複数の導体10からなる格子の形の第2の電極が設けられている。中空管の外面の反対側の端部には、縦に延びる導体12と交差する円周方向に延びる2つの端末導体14及び16が設けられている。円周方向に延びる導体10と縦に延びる導体12との間隔は、太陽放射線に曝される管の外面の領域18を残すようになっている。導体12、14及び16は、円周方向に延びる導体10のどれよりも大きい電流を担持するため、導体10より広く構成されている。これらの導体は、内部電極8のような接着性金属膜で構成され、管の外面とのオーム接触点を形成する。図2Bに開示されている太陽電池は機能的であるが、それも満足できるものではない。導体12、14及び16は、光に対して透明でないため、太陽電池が受光する光量が減少する。
【0010】
Weinstein及びLeeの米国特許第3,990,914号には、別の形の管状太陽電池が開示されている。Mlavskyのように、Weinstein及びLeeの太陽電池も中空コアを有する。しかし、Mlavskyと異なり、Weinstein及びLeeは、ガラス管状支持部材に太陽電池を配置する。Weinstein及びLeeの太陽電池は、嵩高く、構成するのに費用がかかるという欠点を有する。
図2C及び2Dを参照すると、1984年7月20日に公開された特許出願公開公報第S59-125670号(凸版印刷株式会社)(以降「S59-125670」)には、棒状太陽電池が開示されている。棒状太陽電池は、棒状太陽電池の断面を図2Cに示す。導電性金属を電池のコア1として使用される。光活性非晶質シリコン半導体層3がコア1に設けられている。導電性透明導電層4が半導体層3の上部に構成されている。透明導電層4を酸化インジウム、酸化錫又はインジウム錫酸化物(ITO)などの材料で構成することができる。図2Cに示されるように、良好な導電体で構成された層5が、太陽電池の下部に設けられている。この良好な導電層5は、特に必要でないが、棒と、対向電極として機能する導電性基板7との間の接触抵抗を下げるのに役立つことが該文献に記載されている。そのように、導電層5は、図2Dに示される対向電極7の導電性を補う集電体として機能する。
【0011】
図2Dに示されるように、棒状太陽電池6は、互いに平行して一列に多数配置され、対向電極層7は、各透明導電層4と電気的に接触するように光が放射されない棒の表面に設けられている。棒状太陽電池6は、並列に配置され、太陽電池の両端部は、棒を所定位置に固定するために、樹脂又は類似の材料で硬化される。
S59-125670は、平面太陽電池に付随する欠点の多くに対処している。しかし、S59-125670は、開示のデバイスの効率性を制限するいくつかの多くの欠点を有する。第1に、層5は、棒全体には巻き付けられないため(例えば図2C参照)、電流を外面から除去する方法が不十分である。第2に、基板7は、光を透過させない金属プレートである。したがって、各棒の全面が露光されないため、漏出経路として機能し得る。当該漏出経路は、太陽電池の効率性を低下させる。例えば、当該暗色の接合領域は、電池の光電流から逸れることになる漏出をもたらす。図2C及び2Dに開示された設計に伴う別の欠点は、棒が直列でなく並列に配置されていることである。したがって、当該デバイスにおける電流レベルは、対応する直列配置モデルと比べて大きいため、抵抗損失を被ることになる。
【0012】
図2Eを参照すると、1995年5月24日公開のTwin Solar-Technik Entwicklungs-GmbHの独国未調査特許出願DE4339547A1(以降「Twin Solar」)にも、太陽電池の本体を形成する透明シート28の内側に並列に配置された複数の棒状太陽電池2が開示されている。したがって、ツインソーラは、S59-125670に見られる欠点のいくつかを有さない。透明シート28は、両面47A及び47Bから光を受け入れる。透明シート28は、液体冷媒が流動できる空隙26を提供するように壁27から離れて設置される。したがって、ツインソーラデバイスは、それらが真に二面でないという欠点を有する。換言すれば、ツインソーラデバイスの面47Aのみが直接光を受光することが可能である。本明細書に定義されるように、「直接光」は、空気以外の媒体を透過していない光である。例えば、透明基板を透過して太陽電池組立品に入り、組立品を励起した光は、太陽電池組立品を出ると、直接光でなくなる。しかし、表面から単に反射された光は、太陽電池組立品を通らなかったと仮定すると直接光である。直接光のこの定義に基づいて、面47Bは、直接光を受光するように構成されていない。これは、面47Bによって受光されるすべての光が、面47Aを通じて太陽電池装置に入った後に太陽電池装置の本体を最初に横切らなければならないためである。次いで、当該光は、冷却チャンバ26を横切り、壁42から反射され、最終的に面47Bを通じて太陽電池に再入光する。したがって、太陽電池組立品は、直接光が組立品の両側に入ることができないため非効率的である。
【0013】
太陽電池の管状設計は、平面太陽電池に伴い欠点の多くに対処したが、いくつかの問題が解決されていない。物理的衝撃に耐える太陽電池の能力が、1つの未解決の問題である。従来の太陽電池パネルは、しばしば経時的に亀裂する。太陽電池組立品は、小さい個々の太陽電池ユニットからしばしば構成される。この手法は、効率性及び柔軟性を与える。小さい太陽電池ほど大きなスケールで製造することが容易であり、最終的な用途に合わせて異なる大きさ及び形状にアセンブルすることもできる。必然的に、より小さい太陽電池ユニット設計は、脆弱性も伴う。より小さい太陽電池ユニットは、輸送又は日常的な操作過程を通じて加圧下で容易に破壊する。当該技術分野において必要なことは、小設計の利点を維持しながら、太陽電池ユニットを支持及び強化する方法とシステムである。
本明細書における参考文献の説明及び引用は、当該参考文献が本出願に対する先行技術であると認めるものと見なされるものではない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
(3.要旨)
本出願の一態様は、円筒状太陽電池及び透明管状ケースを含む太陽電池ユニットを提供する。円筒状太陽電池は、背面電極と、該背面電極上に円周方向に配置された半導体接合層と、該半導体接合上に配置された透明導電層とを含む。透明管状ケースは、透明管状ケースと太陽電池ユニット内の円筒状太陽電池との間に空気が入らないように、円筒状太陽電池に円周方向にシールされる。いくつかの実施態様において、透明管状ケースは、プラスチック又はガラスで構成される。いくつかの実施態様において、円筒状の太陽電池は、円筒基板をさらに含み、背面電極が該円筒基板上に円周方向に配置される。プラスチック、金属又はガラスを含む広範な材料で円筒基板を構成することができる。典型的には、円筒基板は、中空(例えば管)である。したがって、本出願の多くの実施態様において、空気、窒素又はヘリウムなどの流体を円筒基板に流すことができる。しかし、いくつかの実施態様において、円筒基板は中実である。
【0015】
いくつかの実施態様において、半導体接合は、ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合を含む。いくつかの実施態様において、半導体接合は、吸収体層及び接合パートナー層を含み、接合パートナー層は、吸収体層上に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、吸収体層は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、接合パートナー層は、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2又はドープZnOである。
いくつかの実施態様において、円筒状太陽電池は、半導体接合上に円周方向に配置された真性層をさらに含む。当該実施態様において、透明導電層は、半導体接合でなく真性層上に配置される。
【0016】
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層をさらに含む。当該実施態様において、透明管状ケースが充填剤層上に円周方向に配置されることによって、管状太陽電池を円周方向にシールする。
いくつかの実施態様において、耐水層が透明導電層上に円周方向に配置される。当該実施態様において、透明管状ケースが耐水層上に円周方向に配置されることによって、円筒状太陽電池を円周方向にシールする。
いくつかの実施態様において、耐水層が透明導電層上に円周方向に配置され、充填剤層が耐水層上に円周方向に配置される。当該実施態様において、透明管状ケースが充填剤層上に円周方向に配置されることによって、円筒状太陽電池を円周方向にシールする。
【0017】
いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層、及び耐水層上に円周方向に配置された耐水層をさらに含む。当該実施態様において、透明管状ケースが耐水層上に円周方向に配置されることによって、円筒状太陽電池を円周方向にシールする。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、透明管状ケース上に円周方向に配置された反射防止膜をさらに含む。
いくつかの実施態様において、円筒状太陽電池は、少なくとも1つの電極帯をさらに含み、該少なくとも1つの電極帯における各電極帯は、太陽電池の長い円筒軸に沿って太陽電池の透明導電層上に積層される。いくつかの実施態様において、少なくとも1つの電極帯は、複数の電極帯が、太陽電池の同筒軸に沿って互いに平行又はほぼ平行になるように透明導電層に間隔をあけて配置される複数の電極帯を含む。複数の電極帯を太陽電池の透明導電層の表面に例えば60度の間隔をあけて配置することができる。実際、複数の電極帯における電極帯を、均等間隔又は不均等間隔のいずれかで太陽電池の透明導電層の表面に間隔をあけて配置することができる。いくつかの実施態様において、円筒状太陽電池の長さは、0.3メートルから2メートルである。いくつかの実施態様において、透明な管状ケースの外面が粗面化される。
【0018】
本出願の別の態様は、複数の太陽電池ユニットを含む太陽電池組立品を提供する。複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットは、上記の太陽電池ユニットのいずれかの構造を有する。複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットは、共平面列で配置されて、太陽電池組立品を形成する。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、複数の太陽電池ユニット内に太陽光を反射するように配置されたアルベド面をさらに含む。いくつかの実施態様において、アルベド面は、95%を超えるアルベドを有する。いくつかの実施態様において、アルベド面は、ランベルト、拡散又はインボリュート反射面である。いくつかの実施態様において、複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが、直列又は並列で電気的に配置される。
【0019】
本出願のさらに別の態様は、複数の太陽電池ユニット及び複数の内部反射器を含む太陽電池組立品を含む。複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットの各々は、上記太陽電池ユニットのいずれかの構造を有する。本実施例において、複数の内部反射器は、複数の太陽電池ユニットにおける内部反射器が、複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットに圧接する共平面列で配置されることによって、太陽電池組立品を形成する。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器は。中空コアを有する。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器は、プラスチックケース上に堆積した反射材料の層を有するプラスチックケースを含む。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器は、反射材料から構成された単一部品である。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器の断面形状は、星形である。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器の断面形状は、四面形であり、四面断面形の一面は、直線形、放物線形、凹面形、円形又は楕円形である。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器の断面形状は、四面形であり、四面断面形の一面は、内部反射器上に拡散面を定める。
【0020】
本出願のさらに別の態様は、円筒状太陽電池と、充填剤層と、透明管状ケースとを含む太陽電池ユニットを提供する。いくつかの実施態様において、円筒状太陽電池は、円筒基板、該円筒基板上に円周方向に配置された背面電極、該背面電極上に円周方向に配置された半導体接合、及び該半導体接合上に円周方向に配置された透明導電層を含む。円筒基板は、中空シリンダ(例えば管)又は中実シリンダであり得る。充填剤層は、透明導電層上に円周方向に配置され、透明管状ケースは、該充填剤層上に円周方向に配置される。本出願の本態様によるいくつかの実施態様において、半導体接合は、吸収体層及び接合パートナー層を含み、該接合パートナー層は、該吸収体層上に円周方向に配置され、該吸収体層は、背面電極上に円周方向に配置される。本出願の本態様によるいくつかの実施態様において、太陽電池ユニットは、透明管状ケース上に円周方向に配置された反射防止膜をさらに含む。
【0021】
本出願のさらに別の態様は、円筒状太陽電池と、耐水層と、充填剤層と、透明管状ケースとを含む太陽電池ユニットを提供する。円筒状太陽電池は、円筒基板、該円筒基板上に円周方向に配置された背面電極、該背面電極上に円周方向に配置された半導体接合、及び該半導体接合上に配置された透明導電層を含む。円筒基板は、中実シリンダ又は中空シリンダ(例えば管)であり得る。耐水層は、透明導電層上に円周方向に配置される。充填剤層は、耐水層上に円周方向に配置される。透明管状ケースは、充填剤層上に円周方向に配置される。
本出願のさらに他の態様は、円筒状太陽電池と、充填剤層と、耐水層と、透明管状ケースとを含む太陽電池ユニットを提供する。円筒状太陽電池は、円筒基板、該円筒基板上に円周方向に配置された背面電極、該背面電極上に円周方向に配置された半導体接合、及び該半導体接合上に配置された透明導電層を含む。円筒基板は、中実又は中空(例えば管)であり得る。充填剤層は、透明導電層上に円周方向に配置される。耐水層は、充填剤層上に円周方向に配置される。透明管状ケースは、耐水層上に円周方向に配置される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(5.詳細な説明)
太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するための非平面太陽電池組立品、より詳細には改良型太陽電池及び太陽電池アレイを本明細書に開示する。
(5.1基本構造)
本出願は、図3Aの斜視図に示され、かつ図3Bの断面図に示される個々に円周方向に被覆された非平面太陽電池ユニット300を提供する。太陽電池ユニット300において、長形非平面太陽電池402(図3C)が、透明ケース310(図3D)によって円周方向に被覆される。いくつかの実施態様において、太陽電池ユニット300は、透明ケース310で被覆された太陽電池402を含む。いくつかの実施態様において、隣接する太陽電池402又は他の回路との電気的接触を形成するために、長形太陽電池402の一端のみを透明ケース310に接触させる。いくつかの実施態様において、隣接する太陽電池402又は他の回路との電気的接触を形成するために、長形太陽電池402の両端を透明ケース310に接触させる。
【0023】
いくつかの実施態様において、透明ケース310は、円筒形を有する。本明細書に用いられているように、円筒状という用語は、円筒形又はほぼ円筒形を有する物体を指す。実際、円筒状物体は、物体が、全体として捉えた場合にほぼ円筒状である限り不規則な形状を有することができる。当該円筒形は、中実(例えば棒)又は中空(例えば管)であり得る。本明細書に用いられているように、管状という用語は、管形又はほぼ管形を有する物体を指す。実際、管状物体は、物体が、全体として捉えられた場合にほぼ管状である限り不規則な形状を有することができる。
太陽電池ユニット300に関する本出願におけるたいていの説明が封入実施態様又は円周方向に被覆する実施態様の文脈であるが、当該説明は、本出願の範囲に対する制限としての役割を果たすものでないことを理解すべきである。長形太陽電池に支持及び保護を提供し、長形太陽電池の間の電気的接続を可能にする任意の透明ケースは、本出願のシステム及び方法の範囲内である。
【0024】
このセクション並びにセクション5.2から5.8では代表的な太陽電池402について記載する。例えば、太陽電池402に使用できる半導体接合の例をセクション5.2に記載する。透明ケース310を製造するための代表的なシステム及び方法をセクション5.1.2に記載する。太陽電池ユニット300を形成するために、太陽電池402を透明ケース310で被覆するためのシステム及び方法がセクション5.1.3に見られる。太陽電池ユニット300を様々な大きさ及び形状の太陽電池組立品へと組み立て、発電すること、及び潜在的には水又は他の流体を加熱することができる。
図3Bは、太陽電池ユニット300の代表的な実施態様の断面図を示す。太陽電池の他の代表的な実施態様(例えば図4Aの402)も、透明ケース310による被覆に好適である。
【0025】
基板403。基板403は、太陽電池402の基板として機能する。いくつかの実施態様において、基板403は、プラスチック、金属、金属合金又はガラスで構成される。いくつかの実施態様において、基板403は円筒状である。いくつかの実施態様において、基板403は、図3Bに示されるように、中空コアを有する。いくつかの実施態様において、基板403は、中実コアを有する。いくつかの実施態様において、基板403の形状は、およそ円筒状物体の形状であり、基板403の長軸に対して直角に捉えた断面が、円というより楕円を定めることを意味する。該用語が本明細書に用いられているように、当該およその形状の物体は、本出願では円筒状であると見なされる。
【0026】
いくつかの実施態様において、基板403のすべて又は一部は、非平面閉鎖形状である。例えば、いくつかの実施態様において、基板403のすべて又は一部は、硬質の管又は硬質の中実棒である。いくつかの実施態様において、基板403のすべて又は一部は、任意の中実円筒形又は中空円筒形である。いくつかの実施態様において、基板102は、プラスチック、金属又はガラスから構成された硬質の管である。いくつかの実施態様において、太陽電池の外形全体が基板403と同じ形状である。いくつかの実施態様において、太陽電池の外形全体が、基板403の形状と異なる。いくつかの実施態様において、基板403は、非繊維状である。
【0027】
いくつかの実施態様において、基板403は硬質である。ヤング率を含むが、それに限定されないいくつかの異なる計量を用いて材料の硬さを測定することができる。固体力学において、ヤング率(E)(ヤング率、弾性係数、弾性率又は引張弾性率としても知られる)は、所定の材料の剛性の測度である。それは、小さな歪については、歪による応力の変化率の比と定義される。これを、材料のサンプルに対して実施される引張試験を通じて作製される応力-歪曲線の傾きから求めることができる。様々な材料のヤング率を以下の表に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
本出願のいくつかの実施態様において、材料(例えば基板403)は、それが20GPa以上、30GPa以上、40GPa以上、50GPa以上、60GPa以上又は70GPa以上のヤング率を有する材料で構成される場合に硬質であると考えられる。本出願のいくつかの実施態様において、材料(例えば基板403)は、該材料のヤング率がある範囲の歪に対して一定である場合に硬質である。当該材料は、線形材料と呼ばれ、フックの法則に従うと言われる。したがって、いくつかの実施態様において、基板403は、フックの法則に従う線形材料から構成される。線形材料の例としては、鋼、炭素繊維及びガラスが挙げられるが、それらに限定されない。ゴム及び土(非常に小さい歪みは除く)は、非線形材料である。
【0030】
本出願は、硬質円筒形を有する、又は中実棒である基板に限定されない。基板403のすべて又は一部は、図3Bに示される円形以外のいくつかの形状のいずれか1つによって境界が定められる断面を特徴とすることができる。境界形状は、円形、卵形、又は1つ以上の滑らかな曲面若しくは滑らかな曲面の任意の結線のいずれか1つによって特徴づけられる任意の形状であり得る。境界形状は、また、三角形、四角形、五角形、六角形を含み、或いは任意の数の線形分割面を有する本質的に線形であり得る。境界形状は、nが3、5又は5より大きいn角形であり得る。或いは、断面を線形面、弓形面又は曲面の任意の組合せによって境界を定めることができる。本明細書に記載されているように、単に説明を容易にするために、光起電デバイスの非平面実施態様を表すために全円形断面を示す。しかし、任意の断面幾何構造を実質的に非平面の光起電デバイスに使用できることに留意されたい。
【0031】
いくつかの実施態様において、基板403の第1の部分は、第1の断面形状を特徴とし、基板403の第2の部分は、第2の断面形状を特徴とし、該第1及び第2の断面形状は、同一又は異なっている。いくつかの実施態様において、基板403の長さの少なくとも10パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも30パーセント、少なくとも40パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも90パーセント又はすべてが、第1の断面形状を特徴とする。いくつかの実施態様において、第1の断面形状は、平面であり(例えば弓形の面を有さない)、第2の断面形状は、少なくとも弓形の面を有する。
【0032】
いくつかの実施態様において、基板403は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フルオロポリマー、ポリベンズアミダゾール、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ガラス系フェノール、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン、ポリメタクリレート、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンで構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス(例えば、Pyrex、Duran、Simax等)、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、溶融シリカ、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、Pyrexガラス、ガラス系フェノール、セリーテドガラス又はフリントガラスで構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、中実円筒形である。当該中実円筒基板403をプラスチック、ガラス、金属又は金属合金から構成することができる。
【0033】
いくつかの実施態様において、基板403の断面は、円であり、3mmから100mm、4mmから75mm、5mmから50mm、10mmから40mm又は14mmから17mmの外径を有する。いくつかの実施態様において、基板403の断面は、円であり、1mmから1000mmの外径を有する。
いくつかの実施態様において、基板403は、中空の内部を有する管である。当該実施態様において、基板403の断面は、中空の内部を定める内側半径及び外側半径を特徴とする。内側半径と外側半径の差は、基板403の厚さである。いくつかの実施態様において、基板403の厚さは、0.1mmから20mm、0.3mmから10mm、0.5mmから5mm又は1mmから2mmである。いくつかの実施態様において、内側半径は、1mmから100mm、3mmから50mm又は5mmから10mmである。
いくつかの実施態様において、基板403は、5mmから10000mm、50mmから5000mm、100mmから3000mm又は500mmから1500mmの(図3Bによって定められる平面に対して垂直な)長さである。一実施態様において、基板403は、15mmの外径及び1.2mmの厚さ並びに1040mmの長さを有する中空管である。基板403が図3Bに実線で示されているが、多くの実施態様において、基板403は、中空コアを有し、ガラス管によって形成された構造などの硬質環状構造を採用することが理解されるであろう。
【0034】
背面電極404。背面電極404は、基板403上に円周方向に配置される。背面電極404は、組立品における第1の電極として機能する。概して、背面電極404は、無視できる抵抗損失で太陽電池ユニット300によって生成される光起電電流を維持できるように任意の材料から構成される。いくつかの実施態様において、背面電極404は、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、白金、銀、金、それらの合金又はそれらの任意の組合せなどの任意の導電性材料で構成される。いくつかの実施態様において、背面電極404は、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック充填酸化物、超導電性カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス又は導電性プラスチックなどの任意の導電性材料で構成される。本明細書に定められるように、導電性プラスチックは、混合技術を介して、後にプラスチックに導電特性を付与する導電性充填剤を含むプラスチックである。いくつかの実施態様において、背面電極404を形成するのに本出願に使用される導電性プラスチックは、無視できる抵抗損失で太陽電池ユニット300によって生成される光起電電流を維持するために、プラスチックマトリックスを介して十分な導電性電流担持経路を形成する充填剤を含有する。導電性プラスチックのプラスチックマトリックスは、典型的には絶縁性であるが、生成される複合体は、充填剤の導電特性を示す。
【0035】
半導体接合410。半導体接合410は、背面電極404の周囲に形成される。半導体接合410は、直接的なバンドギャップ吸収体(例えば結晶シリコン)又は間接的なバンドギャップ吸収体(例えば非晶質シリコン)である吸収体層を有する任意の光起電ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合である。当該接合は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第1章、並びにLugue及びHegedus、2003、「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」、John Wiley & Sons、Ltd.、West Sussex、Englandに記載されている。本出願による代表的な種類の半導体接合410の詳細を以下のセクション5.2に開示する。以下のセクション5.2に開示される代表的な接合に加えて、接合410は、好ましくは十分により小さいバンドギャップを有する多数の接合を介して光が接合410のコアに入るマルチ接合であり得る。いくつかの実施態様において、半導体接合410は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)吸収体層を含む。いくつかの実施態様において、半導体接合410は、所謂薄膜半導体接合である。いくつかの実施態様において、半導体接合410は、所謂厚膜(例えばシリコン)半導体接合である。
【0036】
随意の真性層415。所望により、半導体接合410を円周方向に被覆する薄い真性層(i-層)415が存在する。酸化亜鉛、金属酸化物又は極めて絶縁性の強い任意の透明材料を含むが、それらに限定されない任意の非ドープ透明酸化物を使用して、i-層415を形成することができる。いくつかの実施態様において、i-層415は、極めて純度の高い酸化亜鉛である。
透明導電層412。透明導電層412を半導体接合層410上に円周方向に配置することによって回路を完成させる。上記のように、いくつかの実施態様において、薄いi-層415は、半導体接合410上に円周方向に配置される。当該実施態様において、透明導電層412は、i-層415上に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、透明導電層412は、(フッ素ドーピングされた、又はされていない)酸化錫SnOx、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛)、インジウム-亜鉛酸化物又はそれらの任意の組合せで構成される。いくつかの実施態様において、透明導電層412は、pドープ又はnドープされている。いくつかの実施態様において、透明導電層は、炭素ナノチューブで構成される。炭素ナノチューブは、例えば、Eikos(Massachusetts(マサチューセッツ)州Franklin)から商業的に入手可能であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,988,925号に記載されている。例えば、接合410の外側半導体層がpドープされた実施態様において、透明導電層412をpドープすることができる。同様に、接合410の外側半導体層がnドープされた実施態様において、透明導電層412をnドープすることができる。概して、透明導電層412は、好ましくは、非常に低い抵抗、好適な光透過特性(例えば90%を超える)及び半導体接合410及び/又は随意のi-層415の基部層に損傷を与えない析出温度を有する材料で構成される。いくつかの実施態様において、透明導電層412は、導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えばBayrton)又はそれらのいずれかの誘導体などの導電性ポリマー材料である。いくつかの実施態様において、透明導電層412は、(フッ素ドーピングされた、又はされていない)酸化錫SnOx、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム-亜鉛酸化物、ドープ亜鉛酸化物(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛)又はそれらの組合せを含む第1の層と、導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えばBayrton)又はそれらのいずれかの誘導体を含む第2の層とを含む2つ以上の層を含む。透明導電層を形成するのに使用できるさらなる好適な材料が、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPichlerの米国特許公報第2004/0187917A1号に開示されている。
【0037】
随意の電極帯420。本出願によるいくつかの実施態様において、電流の流れを容易にするために、随意の対向電極帯又はリード420が透明導電層412上に配置される。いくつかの実施態様において、電極帯420は、図4Aに示されるように、円筒状太陽電池の長軸(円筒軸)に沿って長さ方向に延びる導電性材料の細い帯である。いくつかの実施態様において、随意の電極帯は、透明導電層412の表面に間隔をあけて配置される。例えば、図3Bにおいて、電極帯420は、互いに平行に延び、太陽電池の円筒軸に沿って90度の間隔をあけて配置される。いくつかの実施態様において、電極帯420は、透明導電層412の表面に5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、90度又は180度の間隔をあけて配置される。いくつかの実施態様において、透明導電層412の表面に単一電極帯420が存在する。いくつかの実施態様において、透明導電層412の表面に電極帯420が存在しない。いくつかの実施態様において、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15以上又は30以上の電極帯が透明導電層412に存在し、いずれも太陽電池の長(円筒)軸に沿って互いに平行又はほとんど平行に延びている。いくつかの実施態様において、電極帯420は、例えば図3Bに示されるように、透明導電層412の周に沿って等間隔で配置される。代替的な実施態様において、電極帯420は、透明導電層412の周に沿って等間隔で配置されない。いくつかの実施態様において、電極帯420は、太陽電池の一面にのみ存在する。図3Bの要素403、404、410、415(随意)及び412は、図3Aの太陽電池402を集合的に含む。いくつかの実施態様において、電極帯420は、導電性エポキシ、導電性インク、銅若しくはその合金、アルミニウム若しくはその合金、ニッケル若しくはその合金、銀若しくはその合金、金若しくはその合金、導電性接着剤又は導電性プラスチックで構成される。
【0038】
いくつかの実施態様において、太陽電池の長(円筒)軸に沿って延びる電極帯が存在し、これらの電極帯は、格子線によって互いに接続される。これらの格子線は、電極帯より厚い、薄い、又は同じ幅であり得る。これらの格子線を電極帯と同一又は異なる導電材料で構成することができる。
いくつかの実施態様において、電極帯420は、インクジェット印刷を用いて、透明導電層412に堆積される。当該電極帯に使用できる導電性インクの例としては、銀充填又はニッケル充填導電性インクが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施態様において、エポキシ並びに異方性導電性接着剤を使用して、電極帯420を構成することができる。典型的な実施態様において、電極帯420を形成するために当該インク又はエポキシを熱硬化させる。
【0039】
随意の充填剤層330。本出願のいくつかの実施態様において、図3Bに示されるように、透明導電層412を、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フルオロポリマー及び/又はウレタンなどのシール材の充填剤層330で被覆して、空気の侵入を防ぐとともに、所望により透明ケース310への取付けを補完する。
いくつかの実施態様において、充填剤層330は、Q型シリコーン、シリセキノキサン、D型シリコン及びM型シリコンである。しかし、いくつかの実施態様において、1つ以上の電極帯420が存在していても随意の充填剤層330を必要としない。随意の充填剤層330のためのさらなる好適な材料を以下のセクション5.1.4に開示する。
【0040】
いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330は、そのような目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている、整理番号11653-032-888を有する「ラミネート層を有する光起電装置及びその製造方法(Photovoltaic Apparatus Having a Laminate Layer and Method for Making the Same)」という題名の2007年3月13日出願の出願番号未定の米国仮特許出願に開示されたもののいずれかなどのラミネート層である。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、1×106cP未満の粘度を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、500×10-6/℃を超える又は1000×10-6/℃を超える熱膨張率を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、エポリジメチルシロキサンポリマー(epolydimethylsiloxane)を含む。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、50重量%未満の誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分と、少なくとも30重量%の透明シリコン油とを含み、該透明シリコン油は、該誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分の初期粘度の半分以下の初期粘度を有する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、500×10-6/℃を超える熱膨張率を有し、50重量%未満の誘電ゲル又は誘電ゲルを形成する成分と、少なくとも30重量%の透明シリコン油とを含む。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、シリコン油と誘電ゲルの混合物から形成される。いくつかの実施態様において、シリコン油は、ポリジメチルシロキサンポリマー液であり、誘電ゲルは、第1のシリコーンエラストマーと第2のシリコーンエラストマーの混合物である。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、X重量%のポリジメチルシロキサンポリマー液、Y重量%の第1のシリコーンエラストマー、及びZ重量%の第2のシリコーンエラストマーから形成され、X、Y及びZの合計が100である。いくつかの実施態様において、ポリジメチルシロキサンポリマー液は、化学式(CH3)3SiO[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3を有し、nは、ポリマー液が50センチストークから100000センチストークの範囲の平均バルク粘度を有するように選択される範囲の整数である。いくつかの実施態様において、第1のシリコーンエラストマーは、少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサンと、3から7重量パーセントの珪酸塩とを含む。いくつかの実施態様において、第2のシリコーンエラストマーは、(i)少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサンと、(ii)10から30重量パーセントの水素末端ジメチルシロキサンと、(iii)3から7重量パーセントのトリメチル化シリカとを含む。いくつかの実施態様において、Xは、30から90であり、Yは、2から20であり、Zは、2から20である。
【0041】
透明ケース310。透明ケース310は、透明導電層412及び/又は随意の充填剤層330上に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、ケース310は、プラスチック又はガラスで構成される。いくつかの実施態様において、長形太陽電池402は、以下に示されるように将来の梱包のために適性に改造された後に、透明ケース310に封入される。図4Aに示されるように、透明ケース310は、長形太陽電池402の最外層に取り付けられる。いくつかの実施態様において、長形太陽電池402は、隣接する長形太陽電池402が太陽電池の端部を除いて互いに電気接触を形成しないように、透明ケース310の内側に存在する。熱収縮、射出成形又は真空装填などの方法を用いて、酸素及び水を系から排除するとともに、基部の太陽電池402への取付けを補完するように、透明ケース310を構成することができる。いくつかの実施態様において、例えば図14に示されるように、透明ケース310を使用して、長形太陽電池402を被覆することができる。
透明ケース310の潜在的な幾何学構造としては、円筒状、半径寸法が長さをはるかに下回る様々な長形構造、パネル状、弓形特徴を有する形状、箱形、又は起電発電に適した任意の潜在的幾何学構造を挙げることができる。一実施態様において、透明ケース310は管状であり、中空コアを有する。
【0042】
いくつかの実施態様において、透明ケース310は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、フルオロポリマー、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンゲル、エポキシ、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリオレフィン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体(例えば、エチレン及びテトラフルオロエチレンの重合により誘導されるETFE(登録商標):TEFLON(登録商標)モノマー)、ポリウレタン/ウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、Tygon(登録商標)、ビニル、Viton(登録商標)又はそれらの任意の組合せ又は変形物で構成される。
いくつかの実施態様において、透明ケース310は、複数の透明ケース層を含む。いくつかの実施態様において、各透明ケースは、異なる材料で構成される。例えば、いくつかの実施態様において、透明ケース310は、第1の透明ケース層及び第2の透明ケース層を含む。太陽電池の正確な構成に応じて、第1の透明ケース層は、透明導電層412、随意の充填剤層330又は耐水層上に配置される。第2の透明ケース層は、第1の透明ケース層上に配置される。
【0043】
いくつかの実施態様において、各透明ケース層は、異なる特性を有する。一例において、外側透明ケース層は、優れたUV遮蔽特性を有し、内部透明ケース層は、良好な耐水特性を有する。さらに、多数の透明ケース層を使用して、コストを削減し、且つ/又は透明ケース310の全体特性を向上させることができる。例えば、所望の物理特性を有する高価な材料で1つの透明ケース層を構成することができる。1つ以上のさらなる透明ケース層を使用することによって、高価な透明ケース層の厚さを減少させることにより、材料コストの節約を達成することができる。別の例において、1つの透明ケース層は、優れた光学特性(例えば屈折率等)を有することができるが、非常に重くなる。1つ以上の追加的な透明ケース層を使用することによって、重い透明ケース層の厚さを減少させることにより、透明ケース310の全重量を減少させることができる。
【0044】
随意の耐水層。いくつかの実施態様において、水分子の損傷効果を防止するために、1つ以上の耐水層を太陽電池402に塗布する。いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330を堆積し、太陽電池402を透明ケース310に入れる前に1つ以上の耐水層を透明導電層412に円周方向に塗布する。いくつかの実施態様において、太陽電池402を透明ケース310に入れる前に、当該耐水層を所望の充填剤層330に円周方向に塗布する。いくつかの実施態様において、当該耐水層を透明ケース310自体に円周方向に塗布する。水分子を太陽電池402から封止するために耐水層が設けられる実施態様において、耐水層の光学特性は、太陽電池402による入射太陽放射線の吸収を妨げるものであってはならないことを言及すべきである。いくつかの実施態様において、この耐水層は、透明シリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx又はAl2O3(x及びyは整数である)で構成される。いくつかの実施態様において、耐水層は、Q型シリコーン、シルセキノキサン、D型シリコン又はM型シリコンで構成される。
【0045】
随意の反射防止膜。いくつかの実施態様において、太陽電池の効率性を最大にするために、随意の反射防止膜も透明ケース310上に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、耐水層及び反射防止膜の両方が透明ケース310に配置される。いくつかの実施態様において、単一の層が、耐水層及び反射防止膜の二重の目的を果たす。いくつかの実施態様において、反射防止膜は、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素(SiO)又は亜硝酸酸化珪素で構成される。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在する。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在し、各層は、同一の材料で構成される。いくつかの実施態様において、2つ以上の反射防止膜層が存在し、各層は、異なる材料で構成される。
【0046】
いくつかの実施態様において、多層太陽電池402の層のいくつかは、円筒磁電管スパッタリング技術を用いて構成される。いくつかの実施態様において、多層太陽電池402の層のいくつかは、長形の管又は帯に対する従来のスパッタリング法又は反応スパッタリング法を用いて構成される。長形の管又は帯に対するスパッタリングコーティング法は、例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているHoshiら、1983、「円筒磁電管スパッタリングによるワイヤ及び小管の内壁に対する薄膜コーティング技術(Thin Film Coating Techniques on Wires and Inner Walls of Small Tubes via Cylindrical Magnetron Sputtering)」、Electrical Engineering in Japan 103:73-80;Lincoln及びBlickensderfer、1980、「長形管及び帯のコーティングのための従来のスパッタリング装置の適用(Adapting Conventional Sputtering Equipment for Coating Long Tubes and Strips)」、J.Vac.Sci.Technol.17:1252-1253;Harding、1977、「管のコーティングのためのdc反応スパッタリングシステムの改善(Improvements in a dc Reactive Sputtering System for Coating Tubes)」、J.Vac.Sci.Technol.14:1313-1315;Pearce、1970、「マイクロ波管部品コーティングのための厚膜真空蒸着システム(A Thick Film Vacuum Deposition System for Microwave Tube Component Coating)」、Conference Records of 1970 Conference on Electron Device Techniques 208-211;及びHardingら、1979、「磁電スパッタリングシステムによってガラス管に塗布された選択的表面の特性の生成(Production of Properties of Selective Surfaces Coated onto Glass Tubes by a Magnetron Sputtering System)」、Proceedings of the International Solar Energy Society 1912-1916に記載されている。
【0047】
随意の蛍光材料。いくつかの実施態様において、蛍光材料(例えば、発光材料、リン光材料)を太陽電池300の層の表面に塗布する。いくつかの実施態様において、蛍光材料を透明ケース310の内面及び/又は外面に塗布する。いくつかの実施態様において、蛍光材料を透明導電性酸化物412の外面に塗布する。いくつかの実施態様において、太陽電池300は、随意の充填剤層330を含み、蛍光材料が随意の充填剤層に塗布される。いくつかの実施態様において、太陽電池300は、耐水層を含み、蛍光材料が耐水層に塗布される。いくつかの実施態様において、太陽電池300の2つ以上の表面が随意の蛍光材料で被覆される。いくつかの実施態様において、蛍光材料は、本出願のいくつかの半導体接合410が光を電気に変換するのに使用しない青色光及び/又は紫外光を吸収し、蛍光材料は、本出願のいくつかの太陽電池300における発電に有用な可視光及び/又は赤外光を放射する。
【0048】
蛍光、発光又はリン光材料は、青色又はUV領域の光を吸収し、可視光を放射することができる。リン光材料又はリン光体は、好適なホスト材料及び活性体材料を通常含む。ホスト材料は、典型的には、亜鉛、カドミウム、マンガン、アルミニウム、珪素又は様々な希土類金属の酸化物、硫化物、セレン化物、ハロゲン化物又は珪酸塩である。放射時間を長くするために活性体を添加する。
いくつかの実施態様において、リン光材料を本出願のシステム及び方法に組み込んで、太陽電池300による光吸収を向上させる。いくつかの実施態様において、随意の透明ケース310を作製するのに使用される材料にリン光材料を直接添加する。いくつかの実施態様において、上記のように、太陽電池300の様々な外層又は内層を被覆する透明塗料としての使用のためにリン光材料を結着剤と混合する。
代表的なリン光体としては、銅活性化硫化亜鉛(ZnS:Cu)及び銀活性化硫化亜鉛(ZnS:Ag)が挙げられるが、それらに限定されない。他の代表的なリン光材料としては、硫化亜鉛及び硫化カドミウム(ZnS:CdS)、ユーロピウムによって活性化されたアルミン酸ストロンチウム(SrAlO3:Eu)、プラセオジム及びアルミニウムによって活性化されたストロンチウムチタン(SrTiO3:Pr、Al)、ビスマスを有する硫化ストロンチウムを有する硫化カルシウム((Ca、Sr)S:Bi)、銅及びマグネシウム活性化硫化亜鉛(ZnS:Cu、Mg)又はそれらの任意の組合せが挙げられるが、それらに限定されない。
【0049】
リン光体材料を作製するための方法は、当該技術分野で知られている。例えばZnS:Cu又は他の関連リン光材料の製造方法は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているButlerらの米国特許第2,807,587号;Morrisonらの同第3,031,415号;Morrisonらの同第3,031,416号;Strockらの同第3,152,995号;Payneらの同第3,154,712号;Lagosらの同第3,222,214号;Possらの同第3,657,142号;Reillyらの同第4,859,361号及びKaramらの同第5,269,966号に記載されている。ZnS:Ag又は他の関連リン光材料の製造方法は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているParkらの米国特許第6,200,497号、Iharaらの同第6,025,675号;Takaharaらの同第4,804,882号及びMatsudaらの同第4,512,912号に記載されている。一般に、波長が小さくなるに従ってリン光体の残存率が高くなる。いくつかの実施態様において、CdSe又は類似のリン光材料の量子点を使用して、同じ効果を得ることができる。それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているDabbousiら、1995、「CdSe量子点/ポリマー複合体の電気発光(Electroluminescence from CdSe quantum-dot/polymer composites)」、Applied Physics Letters 66(11):1316-1318;Dabbousiら、1997「(CdSe)ZnSコア-シェル量子点:一連のサイズの高発光ナノ結晶の合成及び特性決定((CdSe)ZnS Core-Shell Quantum Dots:Synthesis and Characterization of a Size Series of Highly Luminescent Nanocrystallites)」、J.Phys.Chem.B、101:9463-9475;Ebensteinら、2002、「相関原子間力及び単一粒子蛍光顕微鏡法によって調査されたCdSe:ZnSナノ結晶の蛍光量子収率(Fluorescence quantum yield of CdSe:ZnS nanocrystals investigated by correlated atomic-force and single-particle fluorescence microscopy)」、Applied Physics Letters 80:4033-4035;及びPengら、2000、「CdSeナノ粒子の形状制御(Shape control of CdSe nanocrystals)」、Nature 404:59-61を参照されたい。
【0050】
いくつかの実施態様において、増白剤を本出願の随意の蛍光層に使用する。増白剤(光学増白剤、蛍光増白剤又は蛍光白色剤としても知られる)は、電磁スペクトルの紫外及び紫色領域の光を吸収し、青色領域の光を再放射する染料である。当該化合物としては、スチルベン(例えば、トランス-1,2-ジフェニルエチレン又は(E)-1,2-ジフェニルエチレン)が挙げられる。本出願の随意の蛍光層に使用できる別の代表的な増白剤は、やはりスペクトルのUV部のエネルギーを吸収するウンベリフェロン(7-ヒドロキシクマリン)である。次いで、このエネルギーを可視スペクトルの青色部において再放射する。Dean、1963、Naturally Occurring Oxygen Ring Compounds,Butterworths、London;Joule及びMills、2000、Heterocyclic Chemistry、第4版、Blackwell Science、英国Oxford;及びBarton、1999、Comprehensive Natural Products Chemistry 2:677、Nakanishi及びMeth-Cohn編集、Elsevier、英国Oxford、1999に増白剤に関するさらなる情報が記載されている。
【0051】
円周方向に配置する。本出願において、太陽電池を形成するために、材料の層を円筒基板403上に連続的に円周方向に配置する。本明細書に用いられているように円周方向に配置するという用語は、各当該材料層が必ずしも基部層上に配置されること又は太陽電池の形状が円筒状であることを示唆するものではない。実際、本出願には、当該層を成形し、或いは基部層上に形成する方法が教示されている。さらに、基板403の説明とともに上述したように、基板及び基部層は、いくつかの異なる非平面形のいずれかを有することができる。しかしながら、円周方向に配置するという用語は、上部層と基部層の間に空間(例えば環状空間)が存在しないように、上部層を基部層上に配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように円周方向に配置するという用語は、上部層を基部層上の周囲の少なくとも50パーセントに配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように円周方向に配置するという用語は、上部層を基部層の長さの少なくとも半分に沿って配置することを意味する。
【0052】
円周方向にシールする。本出願において、円周方向にシールするという用語は、上部層又は構造が、必ずしも基部層又は構造上に配置されることを示唆するものではない。実際、本出願には、当該層又は構造(例えば透明ケース310)を成形し、或いは基部層又は構造上に形成する方法が教示されている。しかしながら、円周方向にシールするという用語は、上部層又は構造体と基部層又は構造体との間に空間(例えば環状空間)が存在しないように、上部層又は構造体を基部層又は構造体上に配置することを意味する。また、本明細書に用いられているように、円周方向にシールするという用語は、上部層を下部層上の全周囲に配置することを意味する。典型的な実施態様において、層又は構造は、それを基部層又は構造の全周囲に配置し、且つ基部層又は構造の全長に沿って配置する場合に基部層又は構造をシールする。しかし、本出願は、円周方向にシールする層又は構造が基部層又は構造の全長に沿って延びない実施態様を想定している。
【0053】
(5.1.1太陽電池ユニット組立品)
図4Aは、太陽電池組立品400を形成するために共平面に配置された3つの太陽電池ユニット300の構成の断面図を示す。図4Bは、図4Aの4B-4B線に関する断面図を示す。図4において、背面電極404が中実円筒基板として示される。しかし、図4によるいくつかの実施態様において、中実円筒基板であるよりむしろ、背面電極は、図3Bに示されるように基板403上に円周方向に配置された導電性材料の薄層である。図4における他のすべての層は、図3Bに示されている通りである。図3Bのように、図4に示される実施態様における充填剤層330は随意である。
【0054】
図4A及び4Bに見られるように、各長形電池402は、その断面の直径dと比較して大きい長さを有する。図4Aに示される構造の利点は、太陽電池402を遮る前面接点が存在しないことである。当該前面接点は、既知のデバイス(例えば図2Bの要素10)に見られる。図4Aに示される構造の別の利点は、長形電池402が並列でなく直列に電気接続されることである。当該直列構成において、各長形電池402の電圧は合算される。これは、システムの電圧を上昇させることにより、同等の並列構造と比べて、電流を低下させるように働き、抵抗損失を最小限に抑える。直列電気構造は、図4A及び4bに示されるように、長形太陽電池402のすべて又は一部を配列することによって維持される。図4Aに示される構造の別の利点は、システムの抵抗損失が小さいことである。これは、回路の各電極部品が極めて導電性の高い材料で構成されるためである。例えば、上記のように、各太陽電池402の導電性コア404は、金属などの導電性材料で構成される。或いは、導電性コア404が中実でなく、基板403上に円周方向に配置された背面電極層を含む場合は、背面電極404が極めて高い導電性を有することになる。背面電極404が図4に示すように中実構成であるか、図3Bに示すように薄層であるかにかかわらず、当該背面電極404は、抵抗による検知可能な電流損失を伴わずに電流を担持する。より導電性コア404(図4)及び/又はより厚い背面電極404(図3B)は、低い抵抗を保証するが、当該大きな導電性コア404を包括する透明導電層は、接点(対向電極帯又はリード線)420まで電流をさらに担持しなければならない。したがって、導電性コア404及び/又は基板403の大きさには上限がある。これらの及び他の条件を鑑みると、本出願のいくつかの実施態様において直径dは、0.5ミリメートル(mm)から20mmである。したがって、導電性コア404(図4)及び/又は基板403(図3B)は、それらが、検知可能な抵抗損失を伴わずに電流を担持するのに十分に大きく、透明導電層412が電流を対向電極帯420に効率的に送ることを可能にするのに十分に小さくなるような大きさに作製される。
【0055】
図4Aに示される構造の有利な低抵抗特性は、対向電極帯420の極めて高い導電特性によっても促進される。しかし、いくつかの実施態様において、対向電極帯は使用されない。その代わり、そのような目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の米国特許出願第11/378,835号に記載されているものなどのモノリシック集積構造が用いられる。
いくつかの実施態様において、例えば、対向電極帯420は、導電性エポキシ(例えば銀エポキシ)又は導電性インク等で構成される。例えば、いくつかの実施態様において、対向電極420は、薄い金属層を好適な基板に堆積し、次いで該層を一連の平行帯にパターン化することによって形成される。図4Dに示されるように、各対向電極帯420は、太陽電池402の長さに沿って導電性エポキシにより太陽電池402に固定される。いくつかの実施態様において、対向電極帯420は、太陽電池402に直接形成される。他の実施態様において、図3Bに示されるように、対向電極帯420は、外側透明導電層412に形成される。いくつかの実施態様において、図4Bに示されるように、対向電極帯420と電極433が直列接続される。
【0056】
図4Aに示される構造のさらに別の利点は、半導体接合410の吸収体層(例えば、図5の層502、510、520又は540)を通る経路長が、平均して、同じ幅を有し平面構成の同じ種類の吸収体層の経路長より長いことである。したがって、図4Aに示される長形構造は、類似の平面太陽電池と比べてより薄い吸収体層の設計を可能にする。長形構造において、より薄い吸収層は、層の経路長が長くなるため、光を吸収する。吸収層が、同等の平面太陽電池と比べて薄いため、抵抗が小さく、そのため類似の平面太陽電池と比べて電池の効率が全体的に向上する。十分な光量を吸収するより薄い吸収層を有するさらなる利点は、当該吸収体層が必要とする材料が少なくなるため、より安価になることである。また、吸収層が薄いほど製造が迅速になることにより、製造コストがさらに低下する。
【0057】
図4Aに示される長形太陽電池402の別の利点は、同等の平面太陽電池と比べて比較的表面積が小さく、示された実施態様において、放射相称を有することである。図示されていない実施態様は、必ずしも放射相称を有していない。これらの特性の各々は、半導体接合410を形成するのに必要なドープ半導体層の堆積の制御を可能にする。従来の平面パネル太陽電池と比べて表面積が小さいことは、半導体接合410を形成する層の堆積中に表面に全体にわたって均一の蒸気を提供することがより容易であることを意味する。均一の組成(例えば、均一の材料組成、均一のドーパント濃度等)及び/又は半導体接合410の個々の層の均一の厚さを保証するために、電池の製造中に、放射相称を利用することができる。例えば、太陽電池が放射相称を有する実施態様において、均一の材料組成及び/又は均一の厚さを保証するために、太陽電池402を作製するために層が堆積される導電性コア404を当該堆積中に縦軸に沿って回転させることができる。上述のように、本発明のすべての実施態様が放射相称を有しているわけではない。
図4Bにおいて、太陽電池402の断面形状は、全体的に円形である。他の実施態様において、四角形の断面又は楕円形の断面等を有する太陽電池402本体が使用される。実際、本出願において、太陽電池402の断面形状に制限はない。いくつかの実施態様において、太陽電池402は、それらの長さがそれらの直径よりはるかに長く、それらが断面放射相称又はほぼ断面放射相称の何らかの形を有する全体的に棒状の形状を維持する。いくつかの実施態様において、太陽電池402は、基板403の説明とともに上述した断面のいずれかを特徴とする。
【0058】
いくつかの実施態様において、図4Aに示されるように、第1及び第2の長形太陽電池(棒状太陽電池)402は、第1の長形太陽電池402の背面電極404(第1の電極)を第2の長形太陽電池402の対応する対向電極帯420に接続する電気接点433によって電気的に直列接続される。したがって、図4Aに示されるように、長形太陽電池402は、半導体層410、透明導電層412及び長形太陽電池402の金属導電性コア404をそれぞれ形成する基本ユニットである。いくつかの実施態様において、長形太陽電池402は、互いに平行又はほぼ平行に一列に多数配置され、互いに電気的に絶縁した独立リード線(対向電極)420上に存在する。有利には、図4Aに示される構成において、長形太陽電池402は、透明ケース310を通じて直接光を受光する。
【0059】
いくつかの実施態様において、組立品400における長形太陽電池402のすべてが、電気的に直列配置されるわけではない。例えば、いくつかの実施態様において、電気的に並列配置された長形太陽電池402の対が存在する。第1及び第2の長形太陽電池は、電気的に並列に接続することができ、それにより、第1の長形太陽電池の導電性コア404を第2の長形太陽電池に接合する第1の電気接点(例えば、不図示の導電性ワイヤ等)を使用することによって対合される。並列回路を完成するために、2つの長形太陽電池の透明導電層を直接、又は第2の電気接点(不図示)を介してのいずれかで接触させることによって、第1の長形太陽電池402の透明導電層412を第2の長形太陽電池402の透明導電層412に電気的に接続する。次いで、長形太陽電池の対を電気的に直列配置する。いくつかの実施態様において、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個又は12個以上の長形太陽電池402を電気的に並列配置する。次いで、これらの並列グループの長形太陽電池402を電気的に直列配置する。
図4Cは、対向電極帯420と、電極433と、背面電極404と、半導体層410と、透明導電層412の位置関係を示すために、背面電極404及び透明導電層412の一部が切り取られた図4Bの領域4Cの拡大図である。また、図4Cは、電気接点433が、1つの長形太陽電池402の背面電極404を、別の太陽電池402の対向電極420にどのように接合させるかを示す。
【0060】
図4に示される構成の1つの利点は、図4Bに示されるように、太陽電池402を互いに直列に接続させる電気接点433を組立品400の一端に配置するだけでよいことである。しかし、封入は、隣接する太陽電池402からの望ましくない電気接点から各太陽電池402を遮蔽し、封入が比較的単純になる。したがって、図4Bの4D-4D線に沿って捉えられた長形太陽電池402の断面図である図4Dを参照すると、図示されたようにして、太陽電池402の遠端455を透明ケース310で完全にシールすることが可能である。いくつかの実施態様において、このシールにおける層は、導電性コア404上の長さ方向に、即ち導電性コア404及び/又は基板403、半導体接合410、随意の薄い真性層(i層)415及び透明導電層412の堆積の順に円周方向に配置された層と同一である。当該実施態様において、端部455は、太陽光を受光できるため、太陽電池402の発電特性に寄与する。いくつかの実施態様において、透明ケース310は、電気接点が太陽電池のいずれの端部からも延びることができるように太陽電池402の両端で開口する。
【0061】
図4Dは、また、いくつかの実施態様において、電気接点433が見られる端部466において導電性コア404上に堆積した様々な層がどのように先細になる様子を示す。例えば、背面電極404の末端部が、図4Dに示されるように露出している。換言すれば、半導体接合410、随意のi層415及び透明導電層412が、導電性コア404の末端部から剥がれる。また、半導体接合410の末端部が、図4Dに示されるように露出している。即ち、随意のi層415及び透明導電層412が、半導体接合410の末端部から剥がれる。導電性コア404、半導体接合410、随意のi層415及び透明導電層412の残りの部分は、透明ケース310に被覆される。当該構成は、透明導電層412と導電性コア404の間にショートが生じることを防止するため有利である。図4Dにおいて、長形太陽電池402が対向電極帯420に配置され、それが次に電気抵抗性の透明ケース310に対して配置される。しかし、対向電極帯420が電気抵抗性の透明ケース310と接触する必要はない。実際、いくつかの実施態様において、長形太陽電池402及びそれらの対応する対向電極帯420は、好ましくない電気接点が存在しないように透明導電層412内にシールされる。当該実施態様において、長形太陽電池402及び対応する電極帯420は、エチレン酢酸ビニル又はシリコーンなどのシール材によって所定の位置に固定的に保持される。本出願によるいくつかの実施態様において、対向電極帯420は、太陽電池402の側面に取り付けられる金属ワイヤに代えられる。本出願のいくつかの実施態様において、太陽電池402は、追加的なワイヤ又は帯状対向電極の必要性をなくすための分割設計を実現させる。分割太陽電池設計に関する詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の「円筒状太陽電池のモノリシック集積(Monolithic Integration of Cylindrical Solar Cells)」という題名の米国特許同時係属出願第11/378,847号に見いだされる。
【0062】
図4Dは、長形太陽電池402を直列に接続させる電気接点433の斜視図をさらに示す。例えば、第1の電気接点433-1は、対向電極420と電気的に連結するのに対して、第2の電気接点433-2は、背面電極404(長形太陽電池402の第1の電極)と電気的に連結する。第1の電気接点433-1は、長形太陽電池402の対向電極を別の長形太陽電池の背面電極404に直列的に接続させる。図4Bに示されるように、第2の電気接点433-2は、長形太陽電池402の背面電極404を別の長形太陽電池402の対向電極420に直列に接続させる。背面電極404それ自体が中実円筒基板であるか、図3Bに示されるように基板403上の導電性材料の層であるかにかかわらず、当該電気的構成が可能である。各太陽電池402は、透明ケース310に被覆される。
加えて、図4Dは、随意の充填剤層330及び透明ケース310が太陽電池を覆い、電気接触を確立するために一端466のみを残す封入太陽電池402を示す。いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330及び透明ケース310は、長形太陽電池402の両端(例えば図4Dの455及び466)が電気接触を確立するために利用できるように構成されることが理解されるだろう。
【0063】
図7Aは、本出願の別の実施態様による太陽電池組立品700を示す。太陽電池組立品700は、それぞれ透明ケース310に封入された複数の長形太陽電池402を含む。複数の長形太陽電池における各長形太陽電池402は、第1の電極として構成される背面電極404を有する。図7Aに示される実施態様において、背面電極404は、中実の円筒状導電性基板である。しかし、図7による代替的な実施態様において、背面電極404は、図3Bのケースのように中空形状の基板に堆積された導電性材料の薄膜である。図7に開示された原理は、それぞれの当該形態の背面電極404に適応する。図7において、半導体接合410は、導電性コア402上に円周方向に配置され、透明導電層412は、半導体接合410上に円周方向に配置される。いくつかの実施態様において、複数の長形太陽電池402を幾何学的に並列又はほぼ並列に配置することによって、第1の面(組立品700の対向面733)及び第2の面(組立品700の対向面766)を有する平面アレイを形成する。複数の長形太陽電池は、複数の長形太陽電池における1つ以上の長形太陽電池が隣接する長形太陽電池と接触しないように配置される。いくつかの実施態様において、複数の長形太陽電池は、複数の長形太陽電池における長形太陽電池の各々が(透明導電層412を介して)隣接する長形太陽電池402に直接接触しないように配置される。いくつかの実施態様において、複数の長形太陽電池は、複数の長形太陽電池における長形太陽電池の各々が隣接する長形太陽電池402の外側透明ケース310に直接接触しないように配置される。
【0064】
いくつかの実施態様において、太陽電池402の反対側を長さ方向にそれぞれ延びる第1の溝777-1及び第2の溝777-2が存在する。図7Aにおいて、すべてではなくいくつかの溝777にラベルが付されている。いくつかの実施態様において、太陽電池の一方又は両方の溝に対向電極420が存在する。図6Aに示される実施態様において、複数の太陽電池における各太陽電池の第1及び第2の溝の両方に長さ方向に嵌合した対向電極が存在する。当該構成は、透明導電層412から引き出される電流の経路長を減少させるため有利である。換言すれば、電流が対向電極420に到達するまで透明導電層412を移動しなければならない最大距離が、透明導電層の周の4分の1になる。対照的に、所定の太陽電池402に付随する単一の対向電極420のみが存在する構成において、電流が対向電極420に到達するまで透明導電層412を移動しなければならない最大距離が、透明導電層412の周の半分になる。本出願は、広範な深さ及び形状特性を有する溝777を包括し、決して図7Aに示される溝777の形状に限定されない。概して、太陽電池402の長軸に沿って延び、対向電極420のすべて又は一部を収容することができる任意の溝形状777が、本出願の範囲内にある。例えば、図7Aに示されていないいくつかの実施態様において、各溝777は、溝777の外郭と対向電極帯420の間が静合するようにパターン化される。
【0065】
図7Aに示されるように、複数の金属対向電極420が存在し、複数の長形太陽電池における各々の長形太陽電池402は、第1の金属対向電極が、それぞれの長形太陽電池に沿って長さ方向に延びる溝777内に存在するように複数の金属対向電極における少なくとも第1の対応する金属対向電極420に結合される。また、図7Aに示される太陽電池組立品において、各々の長形太陽電池402は、第2の金属対向電極が、それぞれの長形太陽電池402に沿って長さ方向に延びる第2の溝777内に存在するように第2の対応する金属対向電極420に結合される。図7Aにさらに示されるように、第1の溝777及び第2の溝777は、それぞれの長形太陽電池402の反対側又は実質的に反対側にあり、電池の長軸に沿って延びる。
【0066】
いくつかの実施態様において、図14に示される透明ケース310などの透明ケース310を使用して、長形太陽電池402を収容する。空気を太陽電池ユニット402から排除することが重要であるため、本出願のいくつかの実施態様において、随意の充填剤層330を図7Aに示されるようにして太陽電池402と透明ケース310の間に円周方向に配置する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、酸素及び水の太陽電池402への浸出を防止する。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、EVA又はシリコーンを含む。いくつかの実施態様において、随意の充填剤層330は、そのような目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている、整理番号11653-032-888を有する「ラミネート層を有する光起電装置及びその製造方法(A Photovoltaic Apparatus Having a Laminate Layer and Method for Making the Same)」という題名の2007年3月13日出願の出願番号未定の米国仮特許出願に開示されたもののいずれかなどのラミネート層である。いくつかの実施態様において、個々に収容された太陽電池402を図7Aに示されるように平面アレイに集合させる。複数の長形太陽電池402が、平面アレイの面733及び面766の双方から直接光を受光するように構成される。
【0067】
図7Bは、図7Aの線7B-7Bに対する断面図を示す。太陽電池402は、図7A及び7Bに示されるように互いに接触しないように太陽電池を配置すること、及び図7Bを参照しながら以下に説明するように電気接点を使用することによって電気的に互いに直列配置される。透明ケース310の封入特徴を明示するために個々の太陽電池が互いに分離されているように示されるが、透明ケース310が、太陽電池ユニット300の個々の太陽電池402をあらゆる好ましくない電気接点から遮蔽するため、太陽電池402間の実際の隔たりは必要とされない。しかし、個々に遮蔽された太陽電池ユニット300に対して密接空間又は無空間充填を必要としない。実際、透明ケース310の存在は、太陽電池組立品にさらなる融通性を与える。例えば、いくつかの実施態様において、隣接する太陽電池ユニット300間の間隔は、0ミクロン以上、0.1ミクロン以上、0.5ミクロン以上、又は1ミクロンから5ミクロンであり、或いは太陽電池ユニット300のサイズ及び寸法に最適に関連づけられる。
【0068】
図7Bを参照すると、太陽電池402間の直列電気接触は、1つの長形太陽電池402の背面電極404を異なる太陽電池402の対応する対向電極120に電気的に接続させる電気接点788によってなされる。図7Bは、太陽電池402の構造をさらに示すために、1つの太陽電池402における金属導電性コア404及び半導体接合410の破断図をさらに示す。
図7に示される太陽電池は、いくつかの利点を有する。第1に、太陽電池402の平面構造は、組立品における遮光をほぼゼロパーセントにする。例えば、組立品は、面733及び面766の両方から直接太陽光を受光することができる。第2に、個々に封入された太陽電池402が間隔を又はほとんどあけずに互いに平行に整列される実施態様において、構造は完全に自立している。該組立品のさらに別の利点は、製造が容易なことである。図2Bに示されるもののような太陽電池と異なり、ガラス上の複雑な格子又は透明導電性酸化物を必要としない。例えば、太陽電池402及びその対応する対向電極420をアセンブルして、図7Aに示される回路を完成するために、対向電極420を、それがワイヤの形である場合に、導電性エポキシで被覆し、太陽電池402の溝777に落とし、硬化させることができる。
【0069】
図7Bに示されるように、導電性コア404、接合410及び透明導電層412は、長形太陽電池402の端部789において互いに同一平面にある。対照的に、端部799において、導電性コアは、図示されるように、接合410及び透明導電層412に対して若干突出する。接合410も、透明導電層412に対して端部799において若干突出する。端部799における導電性コア404の突出は、導電性コア404の末端部の側面が露出する(例えば、接合410及び透明導電層412によって被覆されない)ことを意味する。この構成の目的は、透明導電層412で対向電極420(又は溝777に対向電極を取り付けるのに使用されるエポキシ)をショートさせる可能性を低下させることである。いくつかの実施態様において、対向電極420の露出表面のすべて又は一部が、電気的なショートの可能性を低下させるために電気絶縁性材料で遮蔽される。例えば、いくつかの実施態様において、図7Bの箱形領域における対向電極420の露出表面が電気絶縁材料で遮蔽される。
図7に示される組立品のさらに別の利点は、対向電極420が陰影妨害を伴わずにはるかに高い導電性を有することができることである。換言すれば、対向電極420は、実質的な断面サイズを有する(例えば、太陽電池402が6mmの直径を有する場合に1mmの直径を有する)。したがって、対向電極420は、ワイヤをできるだけ長くすることができるため、有意な量の電流を担持することができ、それにより、より大きいパネルの作製が可能になる。
【0070】
太陽電池402間の直列接続は、図7Bに示される方式の太陽電池402の対間の接続であり得る。しかし、本出願は、それに限定されない。いくつかの実施態様において、2つ以上の太陽電池402を互いに集合させて(例えば、電気的に並列に接続させて)、一群の太陽電池を形成し、次いで当該太陽電池群を互いに直列に接続する。したがって、太陽電池間の直列接続は、当該太陽電池群が任意の数(例えば2、3、4、5、6等)の太陽電池402を有する太陽電池群の間の接続であり得る。しかし、図7Bは、各接点788が一対の太陽電池402のみを直列接続する好ましい実施態様を示す。
図7Bに示される組立品の別の利点は、透明ケース310が太陽電池402上に円周方向に配置されることである。いくつかの実施態様において、随意の充填層330が、太陽電池402の外面と透明ケース310の内面との間に存在する。図7Bは、隣接する太陽電池ユニット300の一端における電気回路のみを示しているが、電気回路を太陽電池ユニット300の両端或いは太陽電池ユニット300の2つの端部の間に確立することが可能になる。
【0071】
本出願による太陽電池設計は、各個々の太陽電池402が透明ケース310に封入されるという点で有利である。透明ケース310は、少なくとも部分的に透明であり、プラスチック又はガラスなどの非導電性材料で構成される。よって、この設計に従って製造された太陽電池組立品は、各太陽電池402間の長さ方向の絶縁体を必要としない。太陽電池組立品700のさらに別の実施態様は、組立品の一面の透明導電層又は金属格子によるさらなる吸収損失が存在しない実施態様である。さらに、組立品700は、同じ性能又は両面733及び766に露出する吸収体領域を有する。これにより、組立品700が対称になる。
組立品700の別の利点は、すべての電気接点788が同じレベル(例えば、図7Aの線7B-7Bの平面)で終端することである。そのように、端部における基板面領域をほとんど浪費することなく、それらの接続及び溶接がより容易になる。これは、太陽電池402の構成を簡単にすると同時に、太陽電池組立品700の全体効率を向上させる。この効率の向上は、溶接部がより小さくなり得るためである。
【0072】
図7に示されていないが、図7によるいくつかの実施態様において、複数の長形太陽電池402における長形太陽電池402の半導体接合410と透明導電層412との間に円周方向に配置された真性層415が存在する。真性層415を酸化亜鉛、金属酸化物又は絶縁性が極めて強い任意の透明金属などの非ドープ透明酸化物で構成することができる。いくつかの実施態様において、組立品700における太陽電池402の半導体接合410は、内側同軸層及び外側同軸層を含み、該外側同軸層が第1の導電型を含み、かつ該内側同軸層が第2の反対の導電型を含む。代表的な実施態様において、内側同軸層は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)を含むのに対して、外側同軸層は、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2及びドープZnOを含む。図7に示されないいくつかの実施態様において、太陽電池402における導電性コア404は中空である。
【0073】
図8は、透明導電層412が、太陽電池402の長軸に沿って延び、透明導電層412を完全に切断するブレーク810によって妨害される点を除いて、本出願の太陽電池組立品700と同一である本出願の太陽電池組立品800を示す。図8に示される実施態様において、太陽電池402の長さに沿って延びる2つのブレーク810が存在する。当該ブレーク810の効果は、太陽電池組立品800における各太陽電池402に付随する2つの対向電極420を電気的に絶縁することである。ブレーク800を構成できる多くの方法がある。例えば、レーザ又はHClエッチを使用できる。
いくつかの実施態様において、組立品800におけるすべての長形太陽電池402が電気的に直列配置されるわけではない。例えば、いくつかの実施態様において、電気的に並列配置された長形太陽電池402の対が存在する。第1及び第2の長形太陽電池は、電気的に並列に接続され得るため、該第1の長形太陽電池の導電性コア404を該第2の長形太陽電池に接合する第1の電気接点(例えば、不図示の導電性ワイヤ等)を使用することによって対合される。並列回路を完成するために、2つの長形太陽電池の透明導電層を直接、又は第2の電気接点(不図示)を介して接触させることによって、第1の長形太陽電池402の透明導電層412を第2の長形太陽電池402の透明導電層412に電気的に接続する。次いで、長形太陽電池の対を電気的に直列配置する。いくつかの実施態様において、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又は11個以上の長形太陽電池402を電気的に並列配置する。次いで、これらの並列グループの長形太陽電池402を電気的に直列配置する。
【0074】
いくつかの実施態様において、図14に示されているような透明ケース310を使用して、長形太陽電池402を収容する。太陽電池ユニット402から空気を排除することが重要であるため、充填剤層330を使用して、太陽電池402の酸化を防止することができる。図8に示されるように、充填剤層330(例えばEVA)は、酸素及び水の太陽電池402への浸入を防止する。充填剤層は、透明ケース310の太陽電池402と内層の間に配置される。いくつかの実施態様において、個々に封入された太陽電池402を図8に示されるように平面アレイにアセンブルする。
図9は、背面電極404が中空である本出願の太陽電池組立品900を示す。実際、本出願の実施態様のいずれかにおいて背面電極404を中空にすることができる。中空背面電極404設計の1つの利点は、太陽電池組立品の全体重量を減少させることである。背面電極404のすべて又は一部を介して長さ方向に延びるチャネルが存在する場合、背面電極404は中空である。いくつかの実施態様において、背面電極404は、金属管である。いくつかの実施態様において、背面電極404は、図3Bに示されるように、基板403に配置される導電性材料、例えばモリブデンの薄層である。いくつかの実施態様において、基板403は、ガラス、又は基板403の包括的な説明に関して上述した材料のいずれかで構成される。
【0075】
いくつかの実施態様において、組立品900におけるすべての長形太陽電池402が電気的に直列配置されるわけではない。例えば、いくつかの実施態様において、電気的に並列配置された長形太陽電池402の対が存在する。次いで、長形太陽電池の対を電気的に直列配置する。いくつかの実施態様において、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個又は11個以上の長形太陽電池402を電気的に並列配置する。次いで、これらの並列グループの長形太陽電池402を電気的に直列配置する。
いくつかの実施態様において、例えば図14に示される透明ケース310を使用して、長形太陽電池402を円周方向に被覆することができる。太陽電池402から空気を排除することが重要であるため、追加的なシール材を使用して、太陽電池402の酸化を防止することができる。或いは、図9に示されるように、随意の充填剤層330(例えばEVA又はシリコーン等)を使用して、酸素及び水の太陽電池402への浸入を防止することができる。いくつかの実施態様において、個々に収容された太陽電池402を、図9に示されるように平面アレイにアセンブルする。図10は、2つの個別的な接合を並列に形成するために、対向電極420、透明導電層412及び接合410が図示されているようにして貫通された本出願の太陽電池組立品1000を示す。いくつかの実施態様において、例えば図14に示される透明ケース310を使用して、随意の充填剤層330を有する、又は有さない長形太陽電池402を収容することができる。
【0076】
図15は、本出願による長形太陽電池402を示す。透明ケース310は、好適な電気接続を確立するために露出された電極420の端部のみを残して、長形太陽電池402を収容する。長形太陽電池402の端部を剥がし、導電層404を露出させる。先述の実施態様のように、背面電極404は、組立品における第1の電極として機能し、各長形電池402の外面の透明導電層412は、対向電極として機能する。しかし、図15に示される本出願によるいくつかの実施態様において、長形太陽電池402に取り付けられた突出対向電極420及び電極440は、便利な電気接続を提供する。
【0077】
図15に示される典型的な実施態様において、長形太陽電池402の対向面上に長さ方向にそれぞれ延びる第1の溝677-1及び第2の溝677-2が存在する。いくつかの実施態様において、対向電極420は、図15に示されるようにして、溝677に嵌合される。典型的には、当該対向電極420は、導電性インク又は導電性接着剤を使用して、溝677に接着される。例えば、導体として非酸化性銅を使用する噴霧可能な金属コーティング系であるCuPro-Cote(Lessemf.com(New York(ニューヨーク)州Albany)から入手可能)を使用できる。いくつかの実施態様において、対向電極420を溝677に嵌合し、次いで、導電性インク又は導電性接着剤のビードを塗布する。先述の実施態様のように、本出願は、広範な深さ及び形状特性を有する溝677を包括し、図15に示される溝677の形状に決して限定されない。概して、第1の太陽電池402の長軸に沿って延び、対向電極420のすべて又は一部を収容できる任意の種類の溝677が本出願の範囲内にある。対向電極420は、複合層410/(415)/412からの電流を通す。長形太陽電池402の両端の領域において、対向電極420は、導電層404から電気的に絶縁されるように、図15に示されるように被われる。しかし、突出対向電極420の端部は、被われていないため、さらなるデバイスと電気接触を形成することができる。いくつかの実施態様において、溝677及び対向電極420が存在しない。例えば、いくつかの実施態様において、そのような目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月18日出願の米国特許出願第11/378,835号に開示されているようなモノリシック集積方式を使用する。
【0078】
図15に示される実施態様において、電極440の第2の集合体は、露出された背面電極404に取り付けられる。電極440の第2の集合体は、背面電極404からの電流を通す。図15に示されるように、本出願による実施態様は、各長形太陽電池402の2つの対向端部に接続された2つの電極440を有する。典型的には、電極440は、導電性インク又は導電性接着剤を使用して背面電極404に接着される。例えば、CuPro-Coteを使用することができる。いくつかの実施態様において、電極440を層404に接着し、次いで導電性インク又は導電性接着剤のビードを塗布する。電極440が層410/(415)/412と電気接触しないように注意する。また、本出願における電極440は、広範な長さ及び幅並びに形状特性を有し、図15に示される形状に決して限定されない。図15に示される実施態様において、長形太陽電池402の対向する端部における2つの電極440は、太陽電池の同じ側に存在しない。第1の電極440は、長形太陽電池402の下部側に存在し、第2の電極440は、長形太陽電池402の上部側に存在する。当該配置構造は、太陽電池の直列の接続を容易にする。本出願によるいくつかの実施態様において、2つの電極440は、長形太陽電池402の同じ側に存在し得る。
いくつかの実施態様において、各電極440は、導電層404/1304に取り付けられた導電性材料の薄帯で構成される(図15)。いくつかの実施態様において、各電極440は、導電性金属リボン(例えば、銅、アルミニウム、金、銀、モリブデン又はそれらの合金)或いは導電性インクで構成される。後続の図面を参照しながら説明するように、対向電極420及び電極440を使用して、長形太陽電池402を好ましくは直列に電気的に接続する。しかし、当該対向電極は随意である。
【0079】
(5.1.2透明ケース)
透明ケース310は、図3Aから図3Cに示されるように、太陽電池ユニット402をシールして、太陽電池に対する支持及び保護を提供する。透明ケース310の大きさ及び寸法は、太陽電池組立品ユニット402における個々の太陽電池402の大きさ及び寸法によって決定づけられる。透明ケース310をガラス、プラスチック又は任意の他の好適な材料で構成することができる。透明ケース310を構成するのに使用できる材料の例としては、ガラス(例えばソーダ石灰ガラス)、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル、ポリカーボネート、フルオロポリマー(例えばTefzel又はTeflon)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、Tedlar又はいくつかの他の好適な透明材料が挙げられるが、それらに限定されない。透明ケース310を構成するのに用いられる代表的な方法を以下に記載する。いくつかの実施態様において、透明ケース310は、太陽電池が嵌合されるガラス製の管状棒である。次いで、太陽電池を、液体又は半液体の形でケース310に注がれる充填剤層330でシールすることによって、デバイスをシールする。
【0080】
(5.1.2.1透明ケースの構成)
いくつかの実施態様において、透明ケース310は、ブロー成形を用いて製造される。ブロー成形は、押出又は再加熱が可能である軟化ポリマー管の端部を固定し、ブローピンでポリマーを成形壁に対して膨張させ、容器内の揮発性流体の導通又は蒸発によって生成物を冷却することを含む。ブロー成形の3つの一般的な種類は、押出ブロー成形、射出ブロー成形及び延伸ブロー成形である。米国特許第237168号には、ブロー成形の方法が記載されている(例えば図6Aの602)。透明ケース310を製造するのに使用できる他の形のブロー成形としては、低密度ポリエチレン(LDPE)ブロー成形、高密度ポリエチレン(HDPE)ブロー成形及びポリプロピレン(PP)ブロー成形が挙げられる。
押出ブロー成形。図6Aに示されるように、押出ブロー成形法は、パリソン(例えば図6Aの602)及びパリソンに近い金型部分(例えば図6Aの604)を含む。押出ブロー成形(extrusion blow molding)(EBM)では、材料を溶融し、中空管に押し出す(例えば、図6Aに示されるパリソン)。次いで、パリソンを冷却した金属金型に閉じ込めることによって取り込む。次いで、空気をパリソンに吹き込み、それを膨らませて、中空ボトル、容器又は部品の形状にする。材料を十分に冷却した後に、金型を開け、部品を排出させる。
【0081】
EBM法は、パリソン602の連続的又は断続的な押出からなる。それに応じてEBM装置の種類を分類することができる。典型的な連続押出装置は、通常は、回転車輪ブロー成形システム及びパリソンから完成品を輸送するシャトル装置を含む。代表的な断続押出装置は、往復スクリュー式装置及び蓄積器頭部装置を含む。PP、HDPE、PVC及びPETなどの基本ポリマーが、EVOH又はナイロンなどの高バリヤ樹脂と共にだんだんと共押出され、水、酸素、CO2又は他の物質に対する透過抵抗を提供する。
射出成形と比較して、ブロー成形は低圧法であり、典型的な送風圧力は25から150psiである。この低圧法は、経済的な低力クランピングステーションの製造を可能にし、一方で、部品を高光沢から粗面の表面仕上げで製造することができる。成形部品に生じる低応力は、容器に歪及び環境応力のひび割れに対する抵抗性を付与するのに役立つ。
【0082】
射出ブロー成形。射出ブロー成形(injection blow molding)(IBM)では、図6Bに示されるように、材料をコアピン(例えば、図6Bの612)上に射出成形する。次いで、コアピンをブロー成形ステーション(例えば、図6Bの614)まで回転させて、膨張させ、冷却する。該方法は、射出、吹き付け及び排出の3つの工程に分けられる。典型的なIBM装置は、押出機胴体及びポリマーを溶融するスクリュー組立品に基づく。溶融ポリマーをマニホールドに供給し、それをノズルから中空の加熱予備成形金型(例えば、図6Bの614)に射出する。予備成形金型は、外形を形成し、予備成型物の内径を形成する鋳型(コアロッド、例えば図6Bの612)の周囲に固定される。予備成形物は、本体を形成することになる厚いポリマー管が取り付けられた完全形性ボトル/ジャーネックからなる。
予備成形金型が開き、コア棒が回転し、中空の冷却ブロー成形用金型に固定される。コア棒612が開き、圧縮空気を予備成形物614に送り込み、それが予備成形物614を膨張させて、完成品形状にする。冷却期間後、ブロー成形用金型が開き、コア棒が排出位置まで回転する。完成品をコア棒から剥がし、漏れ試験を行ってから充填する。予備成形及びブロー成形用金型は、製品の大きさ及び必要な出力に応じて典型的には3から16の多くの穴を有し得る。同時的な予備成形射出、ブロー成形及び排出を可能にする3組のコア棒が存在する。
【0083】
延伸ブロー成形。延伸ブロー成形(stretch blow molding)(SBM)法では、図6Cに示されるように、射出成形法を用いて、材料を最初に「予備成形物」、例えば図6Cの628に成形する。典型的なSBMシステムは、延伸ブローピン(例えば図6Cの622)、空気入口(例えば図6Cの624)、金型通気穴(例えば図6Cの626)、予備成形物(例えば図6Cの628)及び冷却チャネル(例えば図6Cの632)を含む。これらの予備成形物は、一端にスレッド(「仕上」)を含むボトルのネックで製造される。これらの予備成形物は、梱包され、後に冷却後にEBMブロー成形機に供給される。SBM法では、それらのガラス転移温度を超える温度で、典型的には赤外線ヒータを使用して予備成形物を加熱し、次いで高圧空気を使用して金属ブロー成形用金型を使用するボトルに吹き込む。通常、該方法の一部として予備成形物をコア棒で延伸する(図6Cの位置630)。PET(ポリエチレンテレフタレート)のようないくつかのポリマーの延伸は、樹脂の歪硬化をもたらし、ボトルが、典型的には60psiに近い、炭酸飲料によって形成される圧力下で変形に抗することを可能にする。
図6Cは、ブロー成形用金型の内部で生じていることを示す。予備成形物を最初に延伸棒で機械的に延伸する。棒が移動するに従って、5から25バール(70から350psi)の低圧空気が導入されて、「泡」を吹き付ける。延伸棒が完全に伸びると、40バール(580psi)までの高圧空気が、膨張した泡をブロー成形用金型の形に吹きつける。
【0084】
プラスチック管の製造。いくつかの実施態様において、透明ケース310は、ガラスよりむしろプラスチックで構成される。当該実施態様における透明ケース310の製造は、基本的な成形機構が同じであるが、ガラス透明ケースの製造と異なる。典型的なプラスチック透明ケースの製造方法は、押出工程、頭部成形工程、装飾工程及びキャッピング工程を含み、最後の2つの工程は随意である。
いくつかの実施態様において、透明ケース310は、押出成形を用いて製造される。樹脂の混合物を押出ホッパーに供給する。樹脂の適正な溶融を保証するために、樹脂を供給しながら押出機の温度制御を行う。押出機に取り付けられた直角交差部内に封入された一組のサイズ調整ダイを介して材料を押し出す。成形ダイは、透明ケース310の形状を調節する。成形プラスチックスリーブは、送風空気下又は水浴中で冷却され、移動ベルト上で硬化する。冷却工程後、成形プラスチックスリーブは、回転ナイフによって所定の長さに裁断される準備が整う。
【0085】
成形ダイは、透明ケース310の形状を調節する。本出願によるいくつかの実施態様において、図14に示されるように、成形ダイは、透明ケース310が太陽電池ユニット402の形状を補完するように特注製造される。成形ダイは、透明ケース310の肉厚をも制御する。本出願によるいくつかの実施態様において、透明ケース310は、2mm以上、1mm以上、0.5mm以上、0.3mm以上又は0から0.3mmの任意の肉厚を有する。
1つの開放型の透明ケースの製造を通じて、製造法のバランスを3つの方法の1つで達成することができる。共通の方法は、頭部を管に成形する「下降」圧縮法である。この方法では、スリーブを頭部成形動作に供するコンベヤに配置し、頭部の肩を管の本体に結合させると同時に、スレッドを形成する。次いで、スリーブを鋳型に配置し、スラグ収集ステーションに移す。高温溶融帯又はスラグをスリーブの端部に融着させ、次いで成形ステーションに移す。この時点で、一動作において、肩の角、スレッド及びオリフィスをスリーブの端部に成形する。次いで、頭部を冷却し、金型から除去し、ピンコンベヤに移す。2つの他の頭部成形法、即ち頭部のスリーブへの射出成形、及び高温溶融帯又はスラグの代わりにドーナツ型の溶融樹脂材料を成形ステーションに落とし込む追加的な圧縮成形が米国で用いられ、世界中で広く見られる。1つの開放端を有する透明ケースは、図3、4、7、8、9、10又は11に示される実施態様などの太陽電池の実施態様の収容に好適である。両端が開放されたプラスチック管を使用して、図3及び15に示される太陽電池の実施態様を収容することができる。
【0086】
次いで、頭部成形透明ケースをアキュムレータに運ぶ。アキュムレータは、頭部成形と装飾動作のバランスをとるように設計される。ここから、透明ケース310は、装飾動作に移ることができる。プレス用インクを予め混合し、貯蔵容器に仕込む。この時点で、インクを一連のローラによってプレート上に移す。次いで、プレートがゴムブラケットと接触し、インクを収集し、それを透明ケース310の周に移す。管上の湿ったインクを紫外光又は熱によって硬化させる。本出願による実施態様において、管製品には透明性が必要とされるため、着色過程は不要である。しかし、保護膜を透明ケース310に塗布するために同様の方法を用いることができる。
装飾後、コンベヤは、管をキャッピングステーションに運び、そこでキャップを取り付け、顧客の仕様に従ってねじる。本出願の範囲では、キャッピング工程は不要である。
【0087】
追加的なガラス作製方法。ガラスは、より良好な防水性を与えるため保護を提供し、太陽電池402の性能を維持するとともに寿命を延ばすのに役立つため、プラスチックと比較して透明ケース310の好ましい材料選択である。ガラスは、プラスチックと同様に、標準的なブロー成形技術を用いて透明ケース310に製造され得る。加えて、キャスティング法、押出法、延伸法、加圧法、熱収縮法又は他の製造法を適用して、太陽電池402を円周方向に被覆及び/又は封入するための好適なガラス透明ケース310を製造することもできる。成形技術、特に微小製造のための微小成形技術が、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第6章、325〜379頁、第2版、CRC Press、New York、2002;「ポリマー工学の原理-性質、プロセス、設計試験(Polymer Engineering Principles:Properties,Processes,and Tests for Design)」、Hanser Publishers、New York、1993;及びLee、「ブロー成形の理解(Understanding Blow Molding)」、第1版、Hanser Gardner Publications、Munich、Cincinnati、2000により詳細に記載されている。
【0088】
(5.1.2.2透明ケースの代表的な材料)
ガラス製透明ケース。いくつかの実施態様において、透明ケース310は、ガラス製である。その純粋な形において、ガラスは、透明で、比較的強く、耐摩耗性で、本質的に不活性で生物的に不活性な材料であり、非常に滑らか且つ不浸透性の表面に形成することができる。本出願は、透明ケース310の製造に使用される広範なガラスを想定しており、そのいくつかが本セクションに記載され、他は、関連技術分野の当業者に知られている。一般的なガラスは、石英に見られるのと同じ化学化合物である約70%の非晶質二酸化珪素(SiO2)及びその多結晶形の砂を含む。一般的なガラスを本出願のいくつかの実施態様に使用して、透明ケース310を製造する。しかし、一般的なガラスは、脆性であり、割れて尖った破片になる。したがって、いくつかの実施態様において、他の化合物の添加又は熱処理により一般的なガラスの特性を改質し、或いは全面的に改変する。
純粋なシリカ(SiO2)は、約2000℃の融点を有し、特殊な用途のガラス(例えば、溶融石英)に製造され得る。処理を簡単にするために他の2つの物質を一般的なガラスに添加することができる。1つは、融点を約1000℃に下げるソーダ(炭酸ナトリウムNa2CO3)又は同等のカリウム化合物であるカリである。しかし、ソーダは、ガラスを水溶性にし、それは望ましくないため、石灰(酸化カルシウム、CaO)が、不溶性を回復するために添加される第3の成分となる。得られたガラスは、シリカ約70%を含有し、ソーダ石灰ガラスと呼ばれる。ソーダ石灰ガラスを本出願のいくつかの実施態様に使用して、透明ケース310を製造する。
【0089】
最も一般的なガラスは、ソーダ石灰の他に、その特性を改変するための他の成分が添加される。鉛ガラス又はフリントガラスなどの鉛ガラスは、屈折率が高いために顕著により強い「光沢」を生じさせるためより「輝度」が高く、一方で、Pyrexのようにホウ素を添加して、熱及び電気特性を改変することができる。バリウムを添加することによっても屈折率が高くなる。酸化トリウムは、ガラスに高屈折率及び低散乱性を付与し、高品質レンズの製造に以前使用されたが、その放射活性により、近代ガラスでは酸化ランタンに取って代わられている。映写機用吸熱フィルタなどの、赤外線エネルギーを吸収するガラスに大量の鉄が使用され、UV波長(生物損傷性イオン化放射線)を吸収するガラスに酸化セリウム(IV)を使用することができる。これらの添加剤の1種以上を有するガラスを本出願のいくつかの実施態様に使用して、透明ケース310を製造する。
一般的なガラス材料の例としては、アルミノ珪酸、ホウ珪酸(例えば、Pyrex、Duran、Simax)、ダイクロイック、ゲルマニウム/半導体、ガラスセラミック、珪酸/溶融シリカ、ソーダ石灰、石英、カルコゲニド/硫化物、セリーテドガラス及びフッ化ガラスが挙げられるが、それらに限定されない。透明ケース310をこれらの材料で製造することができる。
【0090】
いくつかの実施態様において、透明ケース310は、ホウ珪酸ガラスなどのガラス材料で製造される。ホウ珪酸ガラスの商品名としては、Pyrex(登録商標)(Corning)、Duran(登録商標)(Schott Glass)及びSimax(登録商標)(Kavalier)が挙げられるが、それらに限定されない。たいていのガラスのように、ホウ珪酸ガラスの主な成分は、ホウ素及び様々な他の要素が添加されたSiO2である。ホウ珪酸ガラスは、石英などの材料より高温加工が容易であるため、製造コストがより小さくなる。ホウ珪酸ガラスの材料コストも溶融石英よりはるかに小さい。溶融石英を除くたいていのガラスと比較して、ホウ珪酸ガラスは、膨張係数が小さく、ソーダ石灰ガラスの3分の1である。これにより、ホウ珪酸ガラスは、熱環境において有用であり、熱衝撃による破壊の危険性がない。ソーダ石灰ガラスのように、フロート法を用いて、1mm未満から30mm以上の様々な厚さの比較的低コストの光学特性シート状ホウ珪酸ガラスを製造することができる。石英と比較して、ホウ珪酸ガラスは、容易に成形可能である。加えて、ホウ珪酸ガラスは、成形及び火炎加工の際の失透が最小限である。これは、成形及びスランピングの際に高品質面を維持できることを意味する。ホウ珪酸ガラスは、連続使用に対して500℃まで熱安定性を有する。ホウ珪酸ガラスは、また、家庭用ソーダ石灰ガラスより非フッ素化化学物質に対する抵抗が強く、ソーダ石灰ガラスより機械強度が強く硬質である。ホウ珪酸ガラスは、通常は、ソーダ石灰ガラスより2から3倍高価である。
ソーダ石灰及びホウ珪酸ガラスは、ガラス材料を使用して、透明ケース310を製造する際の検討対象の様々な態様を説明するための例として示されているにすぎない。先述の説明は、本出願の範囲を限定するものではない。実際、透明ケース310を例えばアルミノ珪酸、ホウ珪酸(例えば、Pyrex(登録商標)、Duran(登録商標)、Simax(登録商標))、ダイクロイック、ゲルマニウム/半導体、ガラスセラミック、珪酸/溶融シリカ、ソーダ石灰、石英、カルコゲニド/硫化物、セリーテドガラス及び/又はフッ化ガラスで製造することができる。
【0091】
プラスチック製透明ケース。いくつかの実施態様において、透明ケース310は、透明プラスチック製である。プラスチックは、ガラスのより安価な代替である。しかし、プラスチック材料は、概して、加熱下で不安定であり、より好ましくない光学特性を有し、水分子が透明ケース310を透過するのを防止しない。最後の要因は、修正されなければ、太陽電池402に損傷を与え、それらの寿命を酷く縮める。よって、いくつかの実施態様において、透明ケース310がプラスチックで製造される場合は、太陽電池402への水の浸入を防止するために、セクション5.1.1に記載の耐水層を使用する。
エチレン酢酸ビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリオレフィン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体(例えば、エチレン及びテトラフルオロエチレン:TEFLON(登録商標)モノマーの重合により誘導されるETFE(登録商標))、ポリウレタン/ウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニル(PVDF)、Tygon(登録商標)、ビニル及びViton(登録商標)を含むが、それらに限定されない広範な材料を使用して、透明ケース310を製造することができる。
【0092】
(5.1.2.3透明管製品の利用可能な商業的供給源)
透明ケース310を入手又はカスタム製造するための豊富な商業的供給源が存在する。プラスチック又はガラス管を製造するための技術が標準化されており、顧客対応のプラスチック又はガラス管がいくつかの企業から市販されている。エンジニアリング/リソースのウェブセンターである「透明円形プラスチック又はガラス管」のGlobalSpecデータベースを検索すると、950種以上のカタログ製品が見られる(www.glovalspec.com;GlobalSpec Inc.New York(ニューヨーク)州Troy)。180を超える会社が特製パイプ、管、ホース及び取付具を製造している。例えば、Clippard Instrument Laboratory,Inc.(Ohio(オハイオ)州Cincinnati)は、厚さが0.4mm程度のナイロン、ウレタン又はプラスチックポリウレタン管を提供する。Coast Wire & Plastic Tech.,Inc.(California(カリフォルニア)州Carson)は、SUMIMARK(商標)の商品名で包括的な一連のポリフッ化ビニリデン透明円形プラスチック管製品を製造している。それらの製品は、0.3mm程度の肉厚を有する。Parker Hannifin/Fluid Connectors/Parflex Division(Ohio(オハイオ)州Ravenna)は、厚さ0.8mm又は1mmのビニル、プラスチックポリウレタン、ポリエーテル系又はポリウレタン系透明プラスチックを提供する。Pneumadyne,Inc(Minnesota(ミネソタ)州Plymouth)にも同様のポリウレタン製品を見いだすことができる。Saint-Gobain High-Performance Materials(米国)は、厚さが0.8mmの一連の30 Tygon(登録商標)管製品をさらに提供する。Vindum Engineering,Inc.(California(カリフォルニア)州San Ramon)も厚さが0.8mmの透明PFA Teflon管を提供する。NewAge Industries,Inc.(Pennsylvania(ペンシルバニア)州Southampton)は、1mm以下の肉厚を有する63の透明丸形プラスチック管製品を提供する。特に、Sinclair & Rush,Inc.の一部門であるVisiPak Extrusion(Missouri(ミズーリ)州Arnold)は、0.5mm程度の透明丸形プラスチック管製品を提供する。Cleartec Packaging(Missouri(ミズーリ)州St.Louis、MOCAP Inc.の一部門)は、厚さ0.3mm程度の透明円形プラスチック管を製造している。
加えて、多くの会社が、さらに肉厚を薄くするといったような顧客対応仕様の透明丸形プラスチック又はガラス管を製造することができる。いくつかの例は、Elasto Proxy Inc.(カナダBoisbriand)、Flex Enterprises,Inc.(New York(ニューヨーク)州Victor)、Grob,Inc.(Wisconsin(ウィスコンシン)州Grafton)、Mercer Gasket & Shim(New Jersey(ニュージャージ)州Bellmawr)、New England Small Tube Corporation(New Hampshire(ニューハンプシャー)州Litchfield)、Precision Extrusion,Inc.(New York(ニューヨーク)州Glens Falls)及びPSI Urethanes,Inc.(Texas(テキサス)州Austin)である。
【0093】
(5.1.3太陽電池の透明ケースへの統合)
本出願において、酸化などの有害な効果を回避するために、透明ケース310と太陽電池402の間隙又は間隔をなくす。したがって、本出願において、透明ケース310の内壁と太陽電池402の外壁との間に空隙が存在しない。いくつかの実施態様(例えば図3B)において、充填剤層330を設けて、水又は酸素への有害な接触から太陽電池ユニット402をシールする。いくつかの実施態様において、太陽電池402が透明ケース310に直に接触するように充填剤層330を除くことができる。
いくつかの実施態様において、ガラス若しくはプラスチック又は他の好適な透明材料で製造された顧客対応設計の透明ケース310を使用して、密な嵌合及びより良好な保護を達成するように、太陽電池402の対応する実施態様を収容することができる。図14は、図4、7、8、9、10、11及び13に示される太陽電池の実施態様を適性に封入する透明ケース310の代表的な実施態様を示す。
【0094】
透明ケース310によって個々に収容された棒又は円筒状太陽電池402をアセンブルして、任意の形状及び大きさの太陽電池組立品とすることができる。いくつかの実施態様において、該組立品は、二面アレイ400(図4)、700(図7)、800(図8)、900(図9)又は1000(図10)であり得る。この複数の太陽電池402における太陽電池402の数に制限はない(例えば、10個以上、100個以上、1000個以上、10000個以上、5000個から100万個等の太陽電池402)。
或いは、太陽電池402を個々に封入し、次いで共にアセンブルして例えば平面アレイにする代わりに、アレイとして封入することもできる。例えば、図7Cに示されるように、多数の透明ケースを融着アレイとして製造することができる。図7Cに示されるように、組立品における透明ケース310の数に制限はない(例えば、10個以上、100個以上、1000個以上、10000個以上、5000個から100万個等の透明ケース310)。長形太陽電池402(例えば図4Aの402)をケースのアレイにおける透明ケース310のすべて又は一部に装填することによって太陽電池組立品をさらに完全なものにする。
【0095】
(5.1.3.1充填剤層を有する太陽電池を透明ケースに統合する)
本出願によるいくつかの実施態様において、充填剤層が塗布された太陽電池402を透明ケース310にアセンブルする。本出願によるいくつかの実施態様において、充填剤層330は、電気絶縁性、酸化防止効果、防水性及び/又は太陽電池ユニットの組み立て時に太陽電池402の透明導電層412の物理的保護の特性のうちの1つ以上を含む。
本出願によるいくつかの実施態様において、図20Aに示される吸引装填法を用いて、長形太陽電池402、随意の充填剤層330及び透明ケース310をアセンブルする。透明ガラス、プラスチック又は他の好適な材料で製造された透明ケース310を一端2002においてシールする。充填剤層330を形成するのに使用される材料、例えばシリコーンゲルをシールされた透明ケース310に注ぎ込む。シリコーンゲルの例は、Wacker SilGel(登録商標)612(Wacker-Chemie GmbH(ドイツMunich))である。Wacker SilGel(登録商標)612は、室温で加硫して軟質シリコーンゲルになる注入可能な添加硬化性のRTV-2シリコーンゴムである。シリコーンゲルのさらに別の例は、Sylgard(登録商標)シリコーンエラストマー(Dow Corning)である。シリコーンゲルの別の例は、Wacker Elastosil(登録商標)601(Wacker-Chemie GmbH(ドイツMunich))である。Wacker Elastosil(登録商標)601は、注入可能な添加硬化性のRTV-2シリコーンゴムである。図22を参照すると、シリコーンをガラスと有機線形ポリマーの間の分子ハイブリッドであると見なすことができる。図22に示されるように、R基が存在せず、酸素のみ存在する場合は、その構造は、無機シリカガラス(Q型Siと呼ばれる)である。1つの酸素がR基(例えばメチル、エチル、フェニル等)で置換される場合は、樹脂又はシルセキノキサン(T型Si)材料が形成される。これらのシルセキノキサンは、Q型材料より柔軟である。最後に、2個の酸素原子が有機基で置換される場合は、非常に柔軟な線形ポリマー(D型Si)が得られる。図示される最後の構造(M型Si)は、3個の酸素原子がR基で置換されているため、末端封止構造になる。R基が追加されると、骨格鎖柔軟性が高くなるため、材料の弾性率及びそれらの熱膨張係数(CTE)も変化する。本出願のいくつかの実施態様において、充填剤層を形成するのに使用されるシリコーンは、Q型シリコーン、シルセキノキサン、D型シリコン又はM型シリコンである。次いで、長形太陽電池402を透明ケース310に装填する。透明ケース310の開放端2004に随意の吸引力を加えて、充填剤材料を上方に引き上げて、太陽電池402と透明ケース310の間の空間を完全に埋めることができる。
【0096】
本出願によるいくつかの実施態様において、図20Bに示される圧力装填法を用いて、長形太陽電池402、充填剤層330及び透明ケース310をアセンブルすることができる。透明ガラス、プラスチック又は他の好適な材料で製造された透明ケース310を、随意の充填剤層330を形成するのに使用される随意の充填剤層材料(例えばシリコーンゲル)を含む容器2008に浸す。次いで、長形太陽電池402を透明ケース310に装填する。圧力を充填剤材料表面2006に加えて、充填剤材料を上方に押し上げて、太陽電池402と透明ケース310の間の空間を完全に埋める。
本出願によるさらに他の実施態様において、図20Cに示される注入及び滑動装填法を用いて、長形太陽電池402、充填剤層330及び透明ケース310をアセンブルする。透明ガラス、プラスチック又は他の好適な材料で製造された透明ケース310を一端2002においてシールする。充填剤材料(例えばシリコーンゲル)を含む容器2010を使用して、充填剤層材料をシールした透明ケース310に注ぎ込むと同時に、太陽電池402を透明ケース310内に滑り込ませる。透明ケース310に注ぎ込まれている充填剤材料は、太陽電池402と透明ケース310の間の空間を埋める。有利には、透明ケース310の側面に注がれている充填剤材料は、滑動装填プロセスを容易にするための潤滑を与える。
【0097】
(5.1.3.2随意の充填剤層を有さない太陽電池の透明ケースへの統合)
本出願によるいくつかの実施態様において、充填層330を有さない太陽電池402上にケース310をアセンブルする。当該実施態様において、ケース310は、太陽電池402に直に接触することができる。以下の方法の1つを用いることによって、太陽電池402に対するケース310の緻密な充填を達成することができる。このセクションに記載される太陽電池ユニット300をアセンブルするための方法を、充填層330とともに収容された太陽電池402に用いることができる。
熱収縮装填。いくつかの実施態様において、透明ケース310を太陽電池402上に熱収縮させる。熱収縮法を用いて、プラスチック及びガラス透明ケース310の双方を形成することができる。例えば、ポリオレフィン、フルオロポリマー(PVC、FEP、PTFE、Kynar(登録商標)PVDF)、塩素化ポリオレフィン(ネオプレン)及び高軟性エラストマー(Viton(登録商標))熱収縮性管で構成された熱収縮性プラスチック管を使用して、透明ケース310を形成することができる。当該材料の中で、フルオロポリマーは、潤滑性が高いため滑動が容易であり、水分吸収量が小さいため寸法安定性が向上する。PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(フッ素化エチレンプロピレン)及びPVDF(フッ化ポリビニリデン、商品名Kynar(登録商標))の少なくとも3つの当該材料が市販されている。透明熱収縮性プラスチック管が利用可能である。いくつかの実施態様において、熱収縮管は、2:1から3:1の膨張範囲で利用可能である。いくつかの実施態様において、管材料の熱収縮率は、2:1より小さく、例えば、フッ素化エチレン-プロピレン(FEP)は1.3:1である。別の実施態様において、透明ケース310の製造に好適な熱収縮管は、3:1を超える熱収縮率を有することができる。
【0098】
透明ケースを構成するための射出成形。いくつかの実施態様において、透明ケース310を射出成形によって太陽電池402上に円周方向に配置することができる。該方法のより詳細な説明は、既に上述されている。これらの実施態様において、太陽電池402を予備成形金型として使用することができ、(例えば、プラスチック材料で製造された)透明ケース310を太陽電池402の外面に直接形成する。プラスチック材料は、水分子を太陽電池402から完全にシールしない。水は、太陽電池402の機能を妨害するため、太陽電池402を耐水性にすることが重要である。プラスチック透明ケース310を使用して、太陽電池402を被覆する実施態様において、これは、太陽電池402又は透明ケース310を透明耐水性被膜340の1つ以上の層で被覆することによって達成される(図21)。いくつかの実施態様において、太陽電池402及び透明ケース310の両方を透明耐水性被膜340の1つ以上の層で被覆して、太陽電池ユニット300の機能的寿命を延ばす。他の実施態様において、随意の反射防止膜350も透明ケース310上に配置して、太陽電池の効率性を最大限に高める。
液体コーティング後重合。いくつかの実施態様において、太陽電池402を液体状懸濁物又は樹脂に浸し、続いて触媒又は硬化剤に接触させて、重合法により透明ケース310を形成する。当該実施態様において、透明ケース310を形成するのに使用される材料は、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンゲル、エポキシ、アクリル又はそれらの任意の組合せ若しくは変形物を含む。
【0099】
(5.1.4透明ケース及び随意の充填剤層に使用される材料の光学的及び化学的特性)
太陽放射線の入力を最大限にするために、太陽電池402の外側の任意の層(例えば、随意の充填剤層330又は透明ケース310)が太陽電池の入射放射線の特性に悪影響を与えるべきではない。太陽電池402の効率性を最適化する上で考慮すべき多くの要因がある。いくつかの重要な要因を太陽電池の製造に関連して詳細に述べる。
透明性。太陽電池吸収層(例えば半導体接合410)への入力を最大限にするために、太陽電池402の外側の任意の層による入射放射線の吸収を回避又は最小にすべきである。この透明性要件は、太陽電池402の下部半導体接合410の吸収特性の関数として変化する。概して、透明ケース310及び随意の充填剤層330は、半導体接合410によって吸収される波長に対して可能な限り透明である必要がある。例えば、半導体接合410がCIGSに基づく場合は、透明ケース310及び随意の充填剤層330を製造するのに使用される材料は、500nmから1200nmの波長範囲の光に対して透明である必要がある。
【0100】
紫外線安定性。太陽電池402の外側の層を構成するために使用される任意の材料は、化学的安定性で、特にUV光に露光された際に安定している必要がある。より具体的には、当該材料は、UV露光に際して透明性が低くなるべきではない。通常のガラスは、UVA(400及び300nmの波長)を部分的に遮断し、UVC及びUVB(300nm未満の波長)を全面的に遮断する。ガラスのUV遮断効果は、通常は、ガラスにおける添加剤、例えば炭酸ナトリウムに起因する。いくつかの実施態様において、ガラスで製造された透明ケース310における添加剤は、ケース310に全面的なUV保護性を付与することができる。当該実施態様において、透明ケース310は、UV波長に対する完全な保護を提供するため、下部の随意の充填剤層330のUV安定性要件が軽減される。例えば、透明ケース310がUV保護ガラスで製造される場合は、EVA、PVA、TPU(ウレタン)、シリコーン、ポリカーボネート及びアクリルを適用して、充填剤層330を形成することができる。或いは、いくつかの実施態様において、透明ケース310がプラスチック材料で製造される場合は、UV安定性要件を採用することができる。
【0101】
材料及び/又は随意の充填剤層330の黄色化により太陽電池402への放射線入力が遮断され、それらの効率性が低下するため、いくつかの実施態様において、透明ケース310としてUV放射線に敏感なプラスチック材料は使用されない。加えて、UV露光による透明ケース310のひび割れが、太陽電池402に恒久的に損傷を与える。例えば、ETFE及びTHVのようなフルオロポリマー(Dyneon)は、UV安定性を有し、かつ極めて透明である一方、PETは、透明であるが、十分なUV安定性を有さない。いくつかの実施態様において、透明ケース310は、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン及びフッ化ビニリデンの単量体をベースとしたフルオロポリマーで製造される。加えて、最も一般的な合成材料の1つであるポリ塩化ビニリデン(「PVC」又は「ビニル」)もUV露光に敏感である。PVCにUV安定性を付与する方法が開発されたが、UV安定化PVCでも典型的には十分な耐久性を有さない(例えば、比較的短時間使用するうちにPVC製品の黄色化及びひび割れが生じる)。ウレタンは、より好適であるが、ポリマー骨格の厳密な化学的性質に左右される。ウレタン材料は、ポリマー骨格が反応性の弱い化学基(例えば脂肪族又は芳香族)で形成されている場合に安定する。一方、ポリマー骨格がより反応性の強い基(例えば二重結合)で形成されている場合は、二重結合のUV触媒分解の結果として材料の黄色化が生じる。同様に、EVAが黄色化するため、連続的にUV光に露光するとPVBも黄色化する。他の選択肢は、ポリカーボネート(10年以内のOD露光ではUVに対して安定化させることができる)又はアクリル(本質的にUV安定性を有する)である。
【0102】
反射特性。図21を参照すると、入射光線L1が透明ケース310の表面に衝突する。入射光線L1の一部がL2として反射し、入射光線L1の残り(例えば図21の屈折光線L3として)透明ケース310を透過する。本出願によるいくつかの実施態様において、屈折光線L3は、(例えば、随意の充填剤層330が存在しない場合に)太陽電池402の透明導電層412に直接衝突する。或いは、充填剤層330が存在する場合は、図21に示されるように、L3は、充填剤層330の外面に衝突し、L1が透明ケース310の表面に衝突した場合のように反射及び屈折のプロセスが繰り返され、L3の一部が充填剤層330内へと反射され、L3の一部が充填剤層330によって屈折される。
【0103】
いくつかの実施態様において、太陽放射線の入力を最大限にするために、透明ケース310の外面における反射を最小限に抑える。反射防止膜を個別の層350として、又は耐水性被膜340と組み合わせて、透明ケース310の外側に塗布することができる。いくつかの実施態様において、この反射防止膜は、MgF2で構成される。いくつかの実施態様において、この反射防止膜は、硝酸珪素又は硝酸チタンで構成される。他の実施態様において、この反射防止膜は1つ以上の一酸化珪素(SiO)層で構成される。例えば、光沢性の珪素が鏡として作用でき、その上で輝く光の30パーセントを超える量を反射する。単層のSiOは、表面反射率を約10パーセントまで低下させ、第2のSiO層は、反射率を4パーセント未満まで低下させる。他の有機反射防止材料、特に、半導体デバイスの下部層の表面からの反射を防止し、かつウェハ及び感光膜上の下部層の様々な光学特性による定常波及び反射ノッチングを除去する材料が、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,803,172号に開示されている。さらなる反射防止膜材料及び方法が、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,689,535号;同第6,673,713号、同第6,635,583号;同第6,784,094号及び同第6,713,234号に開示されている。
【0104】
或いは、透明ケース310の外面を粗面化して、反射放射線を低減することができる。そうでなければ電池から屈折し得る光線を取り込む錐体及びピラミッドのパターンを化学エッチングで形成する。反射光は、電池に再誘導され、そこで吸収される別の機会を有する。エッチング又はエッチング技術とコーティング技術の組合せにより反射防止層を形成するための材料及び方法が、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,039,888号;同第6,004,722号;及び同第6,221,776号に開示されている。
屈折特性。図21に示されるように、入射光線L1の一部が、屈折光線L3として屈折される。入射光線L1がその経路からどの程度、そしてどの方向に屈曲するかは、光線L1及びL3が透過する媒体の屈折率によって決まる。スネルの法則は、以下の式を規定する。
η1sin(θ1)=η2sin(θ2)
上式において、η1及びη2は、2つの境界媒体1及び2の屈折率であり、θ1及びθ2は、それぞれ入射角及び屈折角を表す。
【0105】
図21において、第1の屈折プロセスは、入射光線L1が空中から透明ケース310をL3として透過するときに生じる。大気は、1付近の屈折率を有し(真空空間は、すべての既知の材料のなかで最も小さい1の屈折率である)、これは、ガラス材料(1.4から1.9で、広く使用される材料は1.5付近の屈折率を有する)又はプラスチック材料(1.45付近)の屈折率よりはるかに小さい。ηairは、ケースがガラス材料で形成されているか、又はプラスチック材料で形成されているかにかかわらず、常にη310よりはるかに小さいため、屈折率θ310は、入射角θairより常にはるかに小さい。即ち、入射光線は、透明ケース310を透過する際に常に太陽電池402の方に屈曲する。
充填剤層330が存在すると、光線L3は、充填剤層330を透過する際に新たな入射光線になる。理想的には、スネルの法則及び先述の分析に従って、充填剤層330の屈折率(例えば図21のη310)は、入射光線L3の屈折光線も太陽電池402の方に屈曲するように、透明ケース310の屈折率より大きくなる必要がある。この理想的な状況において、透明ケース310上のあらゆる光線が、2つの反射プロセス後に太陽電池402の方に屈曲することになる。しかし、実際には、随意の充填剤層330は、太陽電池402の透明ケース310への装填を上記のように達成できるように、流体様材料(但し、ときには非常に粘度の高い流体用材料)で構成される。実際、効率的な太陽放射線の吸収は、透明ケース310の屈折率に近い屈折率を有する充填剤材料を選択することによって達成される。いくつかの実施態様において、透明ケース310を形成する材料は、屈折率が1.5付近の透明材料(ガラス若しくはプラスチック又は他の好適な材料)を含む。例えば、溶融シリカガラスは、1.46の屈折率を有する。ホウ珪酸ガラス材料は、1.45から1.55の屈折率を有する(例えば、Pyrex(登録商標)ガラスは、1.47の屈折率を有する)。様々な量の鉛添加剤を含むフリントガラス材料は、1.5から1.9の屈折率を有する。一般的なプラスチック材料は、1.46から1.55の屈折率を有する。
【0106】
充填剤層330を形成するための好適な光学特性を有する代表的な材料は、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンゲル、エポキシ及びアクリル材料をさらに含む。シリコーン系接着剤及びシール材は、高度な柔軟性を有するため、他のエポキシ又はアクリル樹脂の強度を欠く。透明ケース310、随意の充填剤層330、随意の反射防止層350、耐水層340又はそれらの任意の組合せは、太陽電池402の効率を最大限にし、それを維持し、物理的支持を提供し、太陽電池402の寿命を延ばすパッケージを形成する。
いくつかの実施態様において、ガラス、プラスチック、エポキシ又はアクリル樹脂を使用して、透明ケース310を形成することができる。いくつかの実施態様において、随意の反射防止膜350及び/又は随意の耐水性被膜340は、透明ケース310上に円周方向に配置される。いくつかの当該実施態様において、充填剤層330は、シリコーンゲルなどのより軟質でより柔軟性の随意の好適な材料によって形成される。例えば、いくつかの実施態様において、充填剤層330は、シリコーン系接着剤又はシール材などのシリコーンゲルによって形成される。いくつかの実施態様において、充填剤層330は、GE RTV 615シリコーンによって形成される。RTV615は、SS4120を重合用プライマーとして必要とする光学的に透明な二液流動性シリコーン製品である。(RTV615-1P)、いずれもGeneral Electric(Connecticut(コネチカット)州Fairfield)から入手可能。シリコーン系接着剤又はシール材は、強靱シリコーンエラストマー技術をベースとする。接着剤及びシール材などのシリコーン系材料の特性は、樹脂混合比、注封寿命及び硬化条件の3つの要因によって制御される。
【0107】
有利には、シリコーン接着剤は、高度な柔軟性及び非常に高い温度抵抗性(600°F(約316℃))を有する。シリコーン系接着剤及びシール材は、非常に高度な柔軟性を有する。シリコーン系接着剤及びシール材は、いくつかの技術(又は硬化システム)で利用可能である。これらの技術は、感圧、放射線硬化、水分硬化、熱硬化及び室温加硫(room temperature vulcanizing)(RTV)を含む。いくつかの実施態様において、シリコーン系シール材は、二成分添加若しくは濃縮硬化システム又は単一成分(RTV)形態を使用する。RTV形態は、空気中の水分との反応を介して容易に硬化し、硬化中に酸煙又は他の副産物の蒸気を発生させる。
感圧シリコーン接着剤は、非常にわずかな圧力でたいていの表面に接着し、それらの粘着性を保持する。この種の材料は、強固且つ恒久的な接着性を有し、指圧又は手圧より大きな圧力を必要とせずに接着する。いくつかの実施態様において、放射線を使用して、シリコーン系接着剤を硬化させる。いくつかの実施態様において、加熱又は過度の発熱を用いることなく恒久的な接着を可能にする紫外光、可視光又は電子放射線を使用して、シール材の硬化を開始する。UV系硬化は、1つの基板がUVに対して透明であることを必要とするが、電子ビームは、UV光に対して不透明な材料を透過することができる。水分又は水硬化機構に基づく特定のシリコーン接着剤及びシアノアクリレートは、太陽電池402の適正な機能に影響を与えることなく太陽電池402に適性に添加されるさらなる試薬を必要とし得る。熱硬化性シリコーン接着剤及びシリコーンシール材は、熱又は熱及び圧力を用いて硬化される架橋ポリマー樹脂である。硬化された熱硬化性樹脂は、加熱されても溶融/流動しないが、軟化し得る。加硫は、熱及び/又は圧力を加硫化剤と併用することを必要とする熱硬化反応で、ゴム様材料における強度、安定性及び弾力性を著しく向上させる。RTVシリコーンゴムは、室温で加硫する材料である。加硫化剤は、架橋性化合物又は触媒である。本出願によるいくつかの実施態様において、硫黄を従来の加硫化剤として添加する。
いくつかの実施態様において、例えば、随意の充填剤層330が存在しない場合は、エポキシ又はアクリル材料を太陽電池402に直接塗布して、透明ケース310を直接形成することができる。当該実施態様において、合理的な使用時間にわたって効率的な動作を保証するために、非ガラス透明ケース310に耐水特性及び/又は反射防止特性も備わるように注意する。
【0108】
電気絶縁性。いくつかの実施態様における透明ケース310及び随意の充填剤層330の特性は、電気絶縁性である。いくつかの実施態様において、導電性材料を使用せずに、透明ケース310又は随意の充填層330を形成する。
寸法要件。いくつかの実施態様において太陽電池402の外側の層の各々の合計幅(例えば、透明ケース310及び/又は随意の充填剤層330の組合せ)は、以下の式で表される。
【数1】
上式において、図3Bを参照すると、
riは、半導体接合410が薄膜接合であると仮定すると、太陽電池402の半径であり、
roは、透明ケース310及び/又は随意の充填剤層330の最外層の半径であり、
ηouter ringは、透明ケース310及び/又は随意の充填剤層330の最外層の屈折率である。
上記のように、透明ケース310及び、又は随意の充填剤層330を製造するのに使用される材料のすべてではないが、多くの屈折率は、約1.5である。したがって、典型的な実施態様において、roの値は、1.5*ri未満の許容可能な値である。この条件は、透明ケース310及び/又は随意の充填剤層330の組合せについての許容可能な厚さに制限をおくものである。
【0109】
(5.1.3.5透明ケースを形成するためのさらなる方法)
いくつかの実施態様において、透明ケース310は、スピン塗布、浸漬塗工、プラスチック噴霧、キャスティング、ドクターナイフ若しくはテープキャスティング、グロー放電重合又はUV硬化によって下部層に形成される(例えば、透明導電層412、充填剤層330又は耐水層に形成される)。これらの技術は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMadouの「マイクロ加工の基礎(Fundamentals of Microfabrication)」、第3章、159〜161頁、第2版、CRC Press、New York、2002により詳細に記載されている。キャスティングは、透明ケース310がアクリル又はポリカーボネートから形成される場合に特に好適である。UV硬化は、透明ケース310がアクリルから形成される場合に特に好適である。
【0110】
(5.2代表的な半導体接合)
図5Aを参照すると、一実施態様において、半導体接合410は、背面電極404上に配置された吸収体層502と、吸収体層502上に配置された接合パートナー層504との間のヘテロ接合である。吸収体層502及び接合パートナー層504は、接合パートナー層504が吸収体層502より大きなバンドギャップを有するように異なるバンドギャップ及び電子親和性を有する異なる半導体からなる。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、pドープされ、接合パートナー層504は、nドープされる。当該実施態様において、透明導電層412は、n+ドープされる。代替的な実施態様において、吸収体層502は、nドープされ、接合パートナー層504は、pドープされる。当該実施態様において、透明導電層412は、p+ドープされる。いくつかの実施態様において、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPandeyの「半導体電析のハンドブック(Handbook of Semiconductor Electrodeposition)」、Marcel Dekker Inc.、1996、Appendix 5にリストされている半導体を使用して、半導体接合410を形成する。
【0111】
(5.2.1銅インジウムジセレニド及び他のI-III-VI型材料に基づく薄膜半導体接合)
図5Aをさらに参照すると、いくつかの実施態様において、吸収体層502は、銅インジウムジセレニド(CuInSe2;CISとして知られる)などのI-III-VI2族の化合物である。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、当該化合物が存在することが知られていれば、p型又はn型のCdGeAs2、ZnSnAs2、CuInTe2、AgInTe2、CuInSe2、CuGaTe2、ZnGeAs2、CdSnP2、AgInSe2、AgGaTe2、CuInS2、CdSiAs2、ZnSnP2、CdGeP2、ZnSnAs2、CuGaSe2、AgGaSe2、AgInS2、ZnGeP2、ZnSiAs2、ZnSiP2、CdSiP2又はCuGaS2からなる群から選択されるI-III-VI2族の三元化合物である。
いくつかの実施態様において、接合パートナー層504は、CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。一実施態様において、吸収体層502は、p型CISであり、接合パートナー層504は、n型CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。当該半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第6章に記載されている。
【0112】
いくつかの実施態様において、吸収体層502は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)である。当該層は、Cu(InGa)Se2としても知られる。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)であり、接合パートナー層504は、CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。いくつかの実施態様において、吸収体層502は、p型CIGSであり、接合パートナー層504は、n型CdS、ZnS、ZnSe又はCdZnSである。当該半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」の第13章、2003、Luque及びHegedus(編)、Wiley & Sons、West Sussex、Englandの第12章、に記載されている。いくつかの実施態様において、CIGSは、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているBeck及びBrittの「最終技術報告(Final Technical Report)」、2006年1月、NREL/SR-520-39119;及びDelahoy及びChen、2005年8月、「高度CIGS光起電技術(Advanced CIGS Photovoltaic Technology)」、サブコントラクトレポート;Kapurら、2005年1月サブコントラクトレポート、NREL/SR-520-37284、「非真空薄膜CIGS太陽電池の実験室規模から大規模製造への移行(Lab to Large Scale Transition for Non-Vacuum Thin Film CIGS Solar Cells)」、Simpsonら、2005年10月、サブコントラクトレポート、「軟質CIGS PVモジュール製造のための軌道指向及び障害許容性高度プロセス制御(Trajectory-Oriented and Fault-Tolerant-Based Intelligent Process Control for Flexible CIGS PV Module Manufacturing)」、NREL/SR-520-38681;及びRamanathanら、31st IEEE Photovoltaics Specialists Conference and Exhibition、Lake Buena Vista、Florida、1月3〜7日、2005に開示されている技術を用いて堆積される。
【0113】
いくつかの実施態様において、CIGS吸収体層502は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているRamanthanら、2003、「効率19.2%のZnO/CdS/CuInGaSe2薄膜太陽電池の特性(Properties of 19.2% Efficiency ZnO/CdS/CuInGaSe2 Thin-film Solar Cells)」、Progress in Photovoltaics:Research and Applications 11、225に記載されている3段階プロセスに従って、原子源からの蒸発によりモリブデン背面電極404上に成長させる。いくつかの実施態様において、層504は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているRamanathanら、Conference Paper、「NRELにおけるCIGS薄膜太陽電池の研究:FY04の結果及び実績(CIGS Thin-Film Solar Research at NREL:FY04 Results and Accomplishments)」、NREL/CP-520-37020、2005年1月に記載されているZnS(O、OH)緩衝層である。
いくつかの実施態様において、層502は、厚さが0.5μmから2.0μmである。いくつかの実施態様において、層502におけるCu/(In+Ga)の組成比は、0.7から0.95である。いくつかの実施態様において、層502におけるGa/(In+Ga)の組成比は、0.2から0.4である。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、<110>結晶配向を有する。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、<112>結晶配向を有する。いくつかの実施態様において、CIGS吸収体は、無作為に配向する。
【0114】
(5.2.2非晶質シリコン又は多結晶シリコンをベースとした半導体接合)
いくつかの実施態様において、図5Bを参照すると、半導体接合410は、非晶質シリコンを含む。いくつかの実施態様において、これは、n/n型ヘテロ結合である。例えば、いくつかの実施態様において、層514は、SnO2(Sb)を含み、層512は、非ドープ非晶質シリコンを含み、層510は、n+ドープ非晶質シリコンを含む。
いくつかの実施態様において、半導体接合410は、p-i-n型接合である。例えば、いくつかの実施態様において、層514は、p+ドープ非晶質シリコンであり、層512は、非ドープ非晶質シリコンであり、層510は、n+ドープ非晶質シリコンである。当該半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第3章に記載されている。
【0115】
本出願のいくつかの実施態様において、半導体接合410は、薄膜多結晶をベースとする。図5Bを参照すると、当該実施態様による一実施例において、層510は、pドープ多結晶シリコンであり、層512は、空欠多結晶シリコンであり、層514は、nドープ多結晶シリコンである。当該半導体接合は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているGreenの「シリコン太陽電池-進歩した原理及び実施(Silicon Solar Cells:Advanced Principles & Practice)」、Centre for Photovoltaic Devices and Systems、University of New South Wales、Sydney、1995;及びBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、57〜66頁に記載されている。
本出願のいくつかの実施態様において、非晶質Si:H太陽電池におけるp型微結晶Si:H及び微結晶Si:C:Hをベースとした半導体接合410が使用される。当該半導体接合は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、66〜67頁及び本明細書に引用された参考文献に記載されている。
【0116】
本出願のいくつかの実施態様において、半導体接合410は、直列接合である。直列接合は、例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているKimら、1989、「航空宇宙用途の軽量(AlGaAs)GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(Lightweight(AlGaAs)GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells for space applications)」、Aerospace and Electronic Systems Magazine、IEEE第4巻、第11号、1989年11月、23〜32頁;Deng、2005、「SiGe系三重極直列及び単一接合太陽電池(Optimization of a-SiGe based triple,tandem and single-junction solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、2005 Conference Record of the Thirty-first IEEE 3〜7、2005年1月、1365〜1370頁;Aryaら、2000、「非晶質シリコン系直列接合薄膜技術(Amorphous silicon based tandem junction thin-film technology:a manufacturing perspective)」、Photovoltaic Specialists Conference、2000.Conference Record of the Twenty-Eighth IEEE 15〜22、2000年9月、1433〜1436頁;Hart、1988、「GaAs/Ge太陽電池の高高度電流-電圧測定(High altitude current-voltage measurement of GaAs/Ge solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、764〜765頁、第1巻;Kim、1988、「高効率GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(High efficiency GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、457〜461頁、第1巻;Mitchell、1988、「単一及び直列接合CuInSe2電池及びモジュール技術(Single and tandem junction CuInSe2 cell and module technology)」、Photovoltaic Specialists Conference、1988年、Conference Record of the Twentieth IEEE 26〜30、1988年9月、1384〜1389頁、第2巻;及びKim、1989、「航空宇宙用途の高比出力(AlGaAs)GaAs/CuInSe2直列接合太陽電池(High specific power(AlGaAs)GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells for space applications)」、Energy Conversion Engineering Conference、1989、IECEC-89、Proceedings of the 24th Intersociety 6〜11、1989年8月、779〜784頁、第2巻に記載されている。
【0117】
(5.2.3ガリウム砒素及び他のIII-V型材料をベースとした半導体接合)
いくつかの実施態様において、半導体接合410は、ガリウム砒素(GaAs)又はInP、AlSb及びCdTeなどの他のIII-V型材料をベースとする。GaAsは、1.43eVのバンドギャップを有する直接バンドギャップ材料であり、約2ミクロンの厚さでAM1放射線の97%を吸収することができる。本出願の半導体接合410として機能できる好適なIII-V型接合は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第4章に記載されている。
【0118】
また、いくつかの実施態様において、半導体接合410は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているGee及びVirshup、1988、20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、754頁に記載されているGaAs/Si機械的積層多接合、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているStanberyら、19th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、280頁及びKimら、20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference、IEEE Publishing、New York、1487頁に記載されているGaAs薄膜上部電池及びZnCdS/CuInSe2薄膜下部電池からなるGaAs/CuInSe2 MSMJ四端末デバイスなどのハイブリッド多接合太陽電池である。他のハイブリッド多接合太陽電池は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、London、131〜132頁に記載されている。
【0119】
(5.2.4テルル化カドミウム及び他のII-VI型材料をベースとした半導体接合)
いくつかの実施態様において、半導体接合410は、n型又はp型の形で調製できるII-VI型化合物をベースとする。よって、いくつかの実施態様において、図5Cを参照すると、半導体接合410は、層520及び540が、以下の表に示される任意の組合せ又はそれらの合金であるp-nヘテロ接合である。
【表2】
II-VI化合物をベースとする半導体接合410を製造するための方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第4章に記載されている。
【0120】
(5.2.5結晶シリコンをベースとした半導体接合)
薄膜半導体膜から構成される半導体接合410が好ましいが、本出願は、それに限定されない。いくつかの実施態様において、半導体接合410は、結晶シリコンをベースとする。例えば、図5Dを参照すると、いくつかの実施態様において、半導体接合410は、p型結晶シリコン540の層及びn型結晶シリコン550の層を含む。結晶シリコン半導体接合410を製造するための方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBubeの「光起電材料(Photovoltaic Materials)」、1998、Imperial College Press、Londonの第2章に記載されている。
【0121】
(5.3アルベド実施態様)
本出願の太陽電池設計は、周面全体を介して集光できるため有利である。よって、本出願のいくつかの実施態様において、これらの太陽電池組立品(例えば、太陽電池組立品400、700、800、900等)は、太陽電池組立品の周囲の表面がある量のアルベドを有する反射環境に配置される。アルベドは、表面又は本体の反射率の測度である。それは、反射した電磁放射線(EM放射線)のそれに入射した量に対する比である。この比は、通常は、0%から100%までの百分率で表される。いくつかの実施態様において、本出願の太陽電池組立品の近傍の表面は、当該表面を反射性白色に塗装することによって、それらが高いアルベドを有するように調製される。いくつかの実施態様において、高いアルベドを有する他の材料を使用することができる。例えば、当該太陽電池の周囲のいくつかの材料のアルベドは、ほぼ90%又はそれ以上である。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているBoer、1977、Solar Energy 19、525を参照されたい。しかし、任意の量のアルベド(例えば5%以上、10%以上、20%以上)を有する表面が、本出願の範囲内である。一実施態様において、本出願の太陽電池組立品は、砂利の反射特性を向上させるために砂利が白色に塗装された砂利面上に列をなして配置される。概して、任意のランベルト又は拡散反射面を用いて、高アルベド面を提供することができる。
【0122】
例として、本出願のいくつかの実施態様において、本出願の両面太陽電池組立品(パネル)は、第1及び第2の面を有し、北半球で南向きに(又は南半球で北向きに)列をなして配置される。パネルの各々は、地面からいくらか離して(例えば地面から100cm上方に)配置される。パネル間の東西方向の間隔は、パネルの全体寸法に依存する。単なる例示として、約106cm×44cmの全体寸法を有するパネルは、パネル間の東西方向の間隔が10cmから50cmになるように列をなして配置される。1つの具体的な実施例において、パネル間の東西方向の間隔は、25cmである。
いくつかの実施態様において、パネルの列におけるパネルの中心点は、地面から0.5メートルと2.5メートルの間にある。1つの具体的な実施例において、パネルの中心点は、地面から1.55メートルにある。パネルの列の間の南北方向の間隔は、パネルの寸法に依存する。例示として、パネルが約106cm×44cmの全体寸法を有する1つの具体的な実施例において、南北方向の間隔は、2.8メートルである。いくつかの実施態様において、南北方向の間隔は、0.5メートルから5メートルである。いくつかの実施態様において、南北方向の間隔は、1メートルから3メートルである。
【0123】
いくつかの実施態様において、その全体が参照により本明細書に組み込まれているLorenzoら、1985、Solar Cells 13、277〜292頁に記載されている太陽パネルによって受光される太陽光線の量を計算するためのモデルを使用して、反射環境に配置された太陽パネルの列における太陽パネルの最適な水平方向傾斜及び東西方向間隔を計算する。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品に内部又は外部反射器を実装することで、アルベド効果を利用し、太陽電池組立品への光入力を向上させる。内部反射器(例えば反射器1404)の代表的な実施例を図16に示す。本出願と併用できるアルベド表面のさらなる説明が、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/315,523号に開示されている。
【0124】
(5.4二重層コア実施態様)
本出願の太陽電池402の導電性コア404が均一の導電性材料で構成された本出願の実施態様を開示した。本出願は、これらの実施態様に限定されない。いくつかの実施態様において、導電性コア404は、実際、内部コア及び外部導電性コアを有する。当該実施態様において、内側コアは、基板403と称することができ、外側コアは、背面電極404と称することができる。当該実施態様において、外部導電性コアは、基板403上に円周方向に配置される。当該実施態様において、基板403は、典型的には、非導電性であるのに対して、外側コアは導電性である。基板403は、本出願の他の実施態様と一致する長形を有する。いくつかの実施態様において、基板403は、導電性非金属材料である。しかし、本出願は、外側コアが電極として機能できるため、基板403が導電性である実施態様に限定されない。いくつかの実施態様では、基板403は管(例えばガラス管)である。
【0125】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリベンズアミダゾール(例えば、Celazole(登録商標)、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能(Texas(テキサス)州Shiner))などの材料で構成される。いくつかの実施態様において、内側コアは、ポリミド(例えば、DuPont(商標)Vespel(登録商標)又はDuPont(商標)Kapton(登録商標)(Delaware(デラウェア)州Wilmington))で構成される。いくつかの実施態様において、内側コアは、それぞれBoedeker Plastics,Incから入手可能なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、ポリアミド-イミド(例えば、Torlon(登録商標)PAI、Solvay Advanced Polymers(Georgia(ジョージア)州Alpharetta))で構成される。
いくつかの実施態様において、基板403は、ガラス系フェノールで構成される。フェノール積層体は、合成熱硬化性樹脂が含浸された紙、カンバス、リネン又はガラス布の層に熱又は圧力を加えることによって構成される。熱及び圧力を層に加えると、化学反応(重合)により、個別の層が、再び軟化できない「固定」形状の単一積層材料に変換される。したがって、これらの材料は、「熱硬化物」と呼ばれる。様々な樹脂タイプ及び布材料を使用して、一連の機械的、熱的及び電気的特性を有する熱硬化性積層体を製造することができる。いくつかの実施態様において、基板403は、G-3、G-5、G-7、G-9、G-10又はG-11のNEMAグレードを有するフェノール積層体である。代表的なフェノール積層体は、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能である。
【0126】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリスチレンで構成される。ポリスチレンの例としては、汎用ポリスチレン、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜174頁に詳述されている高耐衝撃性ポリスチレンが挙げられる。さらに他の実施態様において、基板403は、架橋ポリスチレンで構成される。架橋ポリスチレンの一例は、Rexolite(登録商標)(C-Lec Plastics,Inc.)である。Rexoliteは、ポリスチレンをジビニルベンゼンで架橋することによって製造される熱硬化性の、特に硬い半透明プラスチックである。
さらに他の実施態様において、基板403は、ポリカーボネートで構成される。当該ポリカーボネートは、材料の引張強度、剛性、圧縮強度並びに熱膨張率を調節するために、異なる量(例えば、10%、20%、30%又は40%の)ガラス繊維を有することができる。代表的なポリカーボネートは、Boedeker Plastics,Inc.から入手可能であるZelux(登録商標)M及びZelux(登録商標)Wである。
【0127】
いくつかの実施態様において、基板403は、ポリエチレンで構成される。いくつかの実施態様において、基板403は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)又は超高分子量ポリエチレン(UHMW PE)で構成される。HDPEの化学特性は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6〜173頁に記載されている。いくつかの実施態様において、基板403は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン(Teflon)、ポリメタクリレート(ルーサイト又はプレキシグラス)、ナイロン6,6、酪酸酢酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル又はポリプロピレンで構成される。これらの材料の化学特性は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」、第9版、1987、McGraw-Hill,Inc.、6-172頁から1-175頁に記載されている。
【0128】
基板403を形成するのに使用できるさらなる代表的な材料は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている「現代プラスチック百科事典(Modern Plastics Encyclopedia)」、McGraw-Hill;Reinhold Plastics Applications Series、Reinhold Roffの「繊維、プラスチック、ゴム(Fibres,Plastics and Rubbers)」、Butterworth;Lee及びNevilleの「エポキシ樹脂(Epoxy Resins)」、McGraw-Hill;Bilmetyerの「ポリマー科学のテキスト(Textbook of Polymer Science)」、Interscience;Schmidt及びMarliesの「高ポリマーの原理、理論、実施(Principles of high polymer theory and practice)」、McGraw-Hill;Beadle編、「プラスチック(Plastics)」、Morgan-Grampiand,Ltd.、第2巻、1970;Tobolsky and Mark編、「ポリマー科学と材料(Polymer Science and Materials)」、Wiley、1971;Glanvilleの「プラスチック技術者のデータブック(The Plastic's Engineer's Data Book)」、Industrial Press、1971;Mohr(編集及び監修)、Oleesky、Shook及びMeyersの「強化プラスチックコンポジットの技術工学のSPIハンドブック(SPI Handbook of Technology and Engineering of Reinforced Plastics Composites)」、Van Nostrand Reinhold、1973に見いだされる。
【0129】
概して、外側コアは、無視し得る抵抗損失で太陽電池によって生成される光起電流を支持することができる任意の材料から構成される。いくつかの実施態様において、外側コアは、アルミニウム、モリブデン、鋼、ニッケル、銀、金又はそれらの合金などの任意の導電性金属で構成される。いくつかの実施態様において、外側コアは、金属‐、グラファイト‐、カーボンブラック‐若しくは超導電性カーボンブラック‐充填酸化物、エポキシ、ガラス又はプラスチックで構成される。いくつかの実施態様において、外側コアは、導電性プラスチックで構成される。いくつかの実施態様において、この導電性プラスチックは、本質的に導電性で、充填剤を一切必要としない。いくつかの実施態様では、内側コアは導電性材料から構成され、外側コアはモリブデンから構成される。いくつかの実施態様において、内側コアは、ガラス棒などの非導電性材料から構成され、外側コアは、モリブデンから構成される。
【0130】
(5.5代表的な寸法)
本出願は、広範な寸法に含まれる任意の寸法を有する太陽電池組立品を包括する。例えば、図4Bを参照すると、本出願は、1cmから50000cmの長さl、及び1cmから50000cmの幅wを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、10cmから1000cmの長さl、及び10cmから1000cmの幅wを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池組立品は、40cmから500cmの長さl、及び40cmから500cmの幅wを有する。
図3Aに示されるように、太陽電池300は、その断面の幅に比べて大きい長さlを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池300は、10ミリメートル(mm)から100000mmの長さl、及び3mmから10000mmの幅wを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池300は、10mmから5000mmの長さl、及び10mmから1000mmの幅wを有する。いくつかの実施態様において、太陽電池300は、40mmから15000mmの長さl、及び10mmから50mmの幅dを有する。
【0131】
いくつかの実施態様において、太陽電池300を図3Aに示されるように長形にすることができる。図3Aに示されるように、長形太陽電池300は、長さ寸法l及び幅寸法wを有することを特徴とするものである。長形太陽電池300のいくつかの実施態様において、長さ寸法lは、幅寸法wの少なくとも4倍、少なくとも5倍又は少なくとも6倍である。いくつかの実施態様において、太陽電池300の長さ寸法lは、10センチメートル以上、20センチメートル以上又は100センチメートル以上である。いくつかの実施態様において、太陽電池300の幅w(例えば直径)は、5ミリメートル以上、10ミリメートル以上、50ミリメートル以上、100ミリメートル以上、500ミリメートル以上、1000ミリメートル以上又は2000mmミリメートル以上である。
【0132】
(5.6さらなる太陽電池の実施態様)
元素番号の参照のために図3Bを用いると、いくつかの実施態様において、本明細書ではCIGSと称する銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(Cu(InGa)Se2)を使用して、接合110の吸収体層を構成する。当該実施態様において、モリブデンで背面電極404を構成することができる。いくつかの実施態様において、背面電極404は、ポリイミドの内側コア、及びCIGSの堆積前にポリイミドコアにスパッタリングされるモリブデンの薄膜である外側コアを含む。光を吸収するCIGS膜をモリブデンの上面に蒸着する。次いで、半導体接合410を完成するために、硫化カドミウム(CdS)をCIGS上に堆積する。所望により、次いで、薄い真性層(i層)415を半導体接合410上に堆積する。酸化亜鉛、金属酸化物、又は極めて絶縁性の任意の透明材料を含むが、それらに限定されない材料を使用してi層415を形成することができる。次に、透明導電層412をi層(存在する場合)又は半導体接合410(i層が存在しない場合)の上に配置する。透明導電層412をアルミニウムドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛、インジウム-亜鉛酸化物又はインジウム-錫酸化物で構成することができる。
【0133】
ITN Energy Systems,Inc.、Global Solar Energy,Inc.及びエネルギー変換研究所(IEC)は、CIGS層の堆積のためのロールツーロール共蒸発法を使用してポリイミド基板上にCIGS太陽電池を製造するための技術を共同開発した。この方法では、ウェブと称するモリブデン被覆ポリイミド膜を巻出し、1つ以上の堆積ゾーン内に連続的に移動させる。堆積ゾーンにおいて、ウェブを450℃までの温度に加熱し、セレニウム蒸気の存在下でその上に銅、インジウム及びガリウムを蒸着する。ウェブは、堆積ゾーンを通過した後、冷却され、引き取りスプールに巻き取られる。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2003、Jensenら、「ポリイミド基板上のCIGS太陽電池の製造時のバック接点ひび割れ(Back Contact Cracking During Fabrication of CIGS Solar Cells on Polyimide Substrates)」、NCPV and Solar Program Review Meeting 2003、NREL/CD-520-33586、877〜881頁を参照されたい。同様に、参照により本明細書に組み込まれているBirkmireら、2005、Progress in Photovoltaics:Research and Applications 13、141〜148には、ポリイミド/Moウェブ構造、具体的にはPI/Mo/Cu(InGa)Se2/CdS/ZnO/ITO/Ni-Alが開示されている。鋼箔上の同様の構造の堆積についても調査された。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているSimpsonら、2004、「鋼箔上の軟質CIGS PVの製造法の進歩(Manufacturing Process Advancements for Flexible CIGS PV on Stainless Foil)」、DOE Solar Energy Technologies Program Review Meeting、PV Manufacturing Research and Development,P032を参照されたい。
【0134】
本出願のいくつかの実施態様において、吸収体材料をGlobal Solar Energy(Arizona(アリゾナ)州Tucson)によって開発されたもののようなポリイミド/モリブデンウェブ又は金属箔(例えば、Simpsonらに開示された箔)上に堆積する。いくつかの実施態様において、いくつかの実施態様において、吸収体材料は、本明細書に開示された吸収体のいずれかである。特定の実施態様において、吸収体は、Cu(InGa)Se2である。いくつかの実施態様において、長形コアは、非ドーププラスチックなどの非導電性材料で構成される。いくつかの実施態様において、長形コアは、導電性金属、金属充填エポキシ、ガラス若しくは樹脂又は導電性プラスチック(例えば、導電性充填剤を含有するプラスチック)などの導電性材料で構成される。次に、窓層を吸収体層に堆積することによって半導体接合410を完成する。吸収体層がCu(InGa)Se2である場合は、CdSを使用することができる。最後に、随意のi層415及び透明導電層412を添加して、太陽電池を完成させる。次に、箔をワイヤ状又は管状長形コアに巻き付ける、及び/又は接着する。当該製造法の利点は、吸収体層、窓層、i層又は透明導電層412の堆積温度に耐えることができない材料を太陽電池の内側コアとして使用できることである。この製造法を用いて、導電性コア402が内側及び外側導電性コアを含む、本出願に開示されている太陽電池402のいずれかを製造することができる。内側コアは、本明細書に開示されている任意の導電性又は非導電性材料であるのに対して、外側導電性コアは、箔を内側コアに巻き付ける前に、吸収体層、窓層及び透明導電層がその上に堆積されたウェブ又は箔である。いくつかの実施態様において、適切な接着剤を使用してウェブ又は箔を内側コアに接着する。
【0135】
本出願の一態様は、吸収体層を金属ウェブ又は導電性箔に堆積することを含む太陽電池の製造方法を提供する。次に、窓層を吸収体層に堆積する。次に、透明導電層を窓層に堆積する。次いで、金属ウェブ又は導電性箔を長形コアに巻き付けることによって、長形太陽電池402を形成する。いくつかの実施態様において、吸収体層は銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(Cu(InGa)Se2)であり、窓層は硫化カドミウムである。いくつかの実施態様において、金属ウェブは、ポリイミド/モリブデンウェブである。いくつかの実施態様において、導電性箔は、鋼箔又はアルミニウム箔である。いくつかの実施態様において、長形コアは、導電性金属、金属充填エポキシ、金属充填ガラス、金属充填樹脂又は導電性プラスチックで構成される。
【0136】
いくつかの実施態様において、金属ウェブ又は箔を長形コアに巻き付けるというよりむしろ、透明導電性酸化物導電膜を管状又は硬質中実棒状コア上に堆積する。当該実施態様において、管状又は硬質中実棒状コアは、例えば、プラスチック棒、ガラス棒、ガラス管又はプラスチック管であり得る。当該実施態様は、半導体接合の内面又はバック接点と電気的に接続する何らかの形の導体を必要とする。いくつかの実施態様において、当該導体を設けるために、管状又は硬質中実棒状長形コアにおけるディボットに導電性金属を充填する。透明導電層又は導電性バック接点膜を管状又は硬質中実棒状長形コアに堆積する前に、導体をディボットに挿入することができる。いくつかの実施態様において、当該導体を、長形太陽電池402の側面に沿って長さ方向に延びる金属源から形成する。この金属を、蒸着、スパッタリング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、金属プレス、導電性インク、又は金属ワイヤを接着するのに使用される接着剤、或いは他の金属堆積手段によって堆積することができる。
【0137】
次に、より具体的な実施態様を説明する。いくつかの実施態様において、長形コアは、ガラス管の外表面に長さ方向に延びるディボットを有するガラス管であり、製造方法は、ローリング工程の前にディボットに導体を堆積することを含む。いくつかの実施態様において、ガラス管は、ガラス管の表面において長さ方向に延びる第2のディボットを有する。当該実施態様において、第1のディボット及び第2のディボットは、ほぼ又は正確にガラス管の円周方向反対側にある。よって、当該実施態様において、該方法は、ローリング前に、或いはローリングが用いられない実施態様では内側透明導電層又は導電膜、接合及び外側透明導電層を長形コア上に堆積する前に、第2のディボットに導体を堆積することをさらに含む。
【0138】
いくつかの実施態様において、長形コアは、ガラス棒の表面に長さ方向に延びる第1のディボットを有するガラス棒であり、該方法は、ローリングの前に第1のディボットに導体を堆積することを含む。いくつかの実施態様において、ガラス棒は、ガラス棒の表面において長さ方向に延びる第2のディボットを有し、該第1のディボット及び該第2のディボットは、ほぼ又は正確にガラス棒の円周方向反対側にある。よって、当該実施態様において、該方法は、ローリング前に、或いはローリングが用いられない実施態様では内側透明導電層又は導電膜、接合及び外側透明導電層を長形コア上に堆積する前に、第2のディボットに導体を堆積することをさらに含む。導体の好適な材料は、アルミニウム、モリブデン、チタン、鋼、ニッケル、銀、金又はそれらの合金を含むが、それらに限定されない、本明細書に導体として記載されている材料のいずれかである。
【0139】
図13は、本出願の一実施態様による太陽電池402の断面を詳細に示す図である。ローリング法又は堆積技術のいずれかを使用して太陽電池402を製造することができる。本出願の他の実施態様に対応する参照番号(例えば410、412及び420)は、当該実施態様に開示されているのと同じ材料で構成される。図13において、示されるように、管に沿って長さ方向に(紙面に垂直に)延び、管1306の円周方向に反対側にある第1及び第2のディボットを有する長形管1306が存在する。典型的な実施態様において、管1306は、導電性でない。例えば、管1306は、いくつかの実施態様において、プラスチック又はガラスで構成される。図13に示されるように、導電性配線1302が第1及び第2のディボットに配置される。いくつかの実施態様において、導電性配線は、本出願の導電性材料のいずれかで構成される。いくつかの実施態様において、導電性配線1302は、アルミニウム、モリブデン、鋼、ニッケル、チタン、銀、金又はそれらの合金から構成される。1304が導電性箔又は金属ウェブである実施態様において、長形コア1306に金属ウェブ又は導電性箔1304を巻き付ける前に、導電性配線1302をディボットに挿入する。1304が透明導電性酸化物又は導電性膜である実施態様において、透明導電性酸化物又は導電性膜1304を長形コア1306上に堆積する前に、導電性配線1302をディボットに挿入する。言及したように、いくつかの実施態様において、金属ウェブ又は導電性箔1304を管1306に巻き付ける。いくつかの実施態様において、金属ウェブ又は導電性箔1304を管1306に接着する。いくつかの実施態様において、層1304は、金属ウェブ又は導電性箔でない。例えば、いくつかの実施態様において、層1304は、透明導電層である。当該層は、半導体接合においてより薄い吸収層を可能にするため有利である。層1304が透明導電層である実施態様において、堆積技術を用いて、透明導電層、透明導電層、半導体接合410及び外側透明導電層412を堆積する。
【0140】
本出願の一態様は、各々が図13に開示された構造を有する複数の長形太陽電池402を含む太陽電池組立品を提供する。即ち、複数の長形太陽電池における各長形太陽電池402は、長形管1306、該長形管1306上に円周方向に配置された金属ウェブ又は導電性箔(或いはTCOの層)1304、該金属ウェブ又は導電性箔(或いはTCOの層)1304上に円周方向に配置された半導体接合410、及び該半導体接合410上に配置された透明導電性酸化物層412を含む。複数の長形太陽電池における長形太陽電池402を幾何学的に並列又はほぼ並列に配置することによって、第1の面及び第2の面を有する平面アレイを形成する。複数の長形太陽電池は、複数の長形太陽電池における1つ以上の長形太陽電池が隣接する太陽電池と導電接触しないように配置される。いくつかの実施態様において、長形太陽電池は、隣接する長形太陽電池の間に絶縁層が存在する場合は、互いに物理的に接触し得る。太陽電池組立品は、複数の金属対向電極をさらに含む。複数の長形太陽電池におけるそれぞれの長形太陽電池402は、第1の金属対向電極が、それぞれの長形太陽電池402において長さ方向に延びる第1の溝に存在するように、複数の金属対向電極における第1の対応する金属対向電極420に結合される。該装置は、平面アレイの面のすべて又は一部を被覆する透明電気絶縁性基板をさらに含む。複数の長形太陽電池における第1及び第2の長形太陽電池は、第1の長形太陽電池の第1の電極を第2の長形太陽電池の第1の対応する対向電極に接続する電気接点によって、直列に電気接続される。いくつかの実施態様において、長形管1306は、導体1302が充填された1つ以上の溝を有するガラス管又はプラスチック管である。いくつかの実施態様において、複数の長形太陽電池におけるそれぞれの長形太陽電池402は、第2の金属対向電極がそれぞれの長形太陽電池402において長さ方向に延びる第2の溝に存在し、かつ第1の溝及び第2の溝がそれぞれの長形太陽電池402の円周方向の反対側又は実質的に反対側に存在するように、複数の金属対向電極における第2の対応する金属対向電極420に結合される。いくつかの実施態様において、複数の長形太陽電池402は、平面アレイの第1の面及び第2の面から直接光を受光するように構成される。
【0141】
(5.7静的集光器)
封入太陽電池ユニット300を、例えば、組立品400(図4)、700(図7)、800(図8)、900(図9)又は1000(図10)のいずれかにアセンブルすることができる。いくつかの実施態様において、本出願の太陽電池組立品の性能を向上させるために静的集光基を使用する。1つの代表的な実施態様における静的集光器の使用を図11に示し、ここで、両面太陽電池組立品CDの効率性を向上させるために、開口ABを有する静的集光器1102が使用され、該太陽電池組立品CDは、例えば、組立品400(図4)、700(図7)、800(図8)、900(図9)又は1000(図10)或いは本出願の太陽電池ユニット300の他の組立品のいずれかである。静的集光器1102を、例えば、適性に屈曲又は成形された単純なアルミニウムシート又はポリウレタン上の反射膜などの当該技術分野で知られている任意の静的集光器材料から形成することができる。図11に示される集光器1102は、低集光率の非撮像合成放物線状集光器(CPC)型集光器である。本出願の太陽電池組立品に任意の(CPC)型集光器を使用することができる。(CPC)型集光器に関するさらなる情報については、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPereira及びGordon、1989、Journal of Solar Energy Engineering、111、111〜116頁を参照されたい。
【0142】
本出願に使用できるさらなる静的集光器は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているUematsuら、1999、Proceedings of the 11th International Photovoltaic Science and Engineering Conference、Sapporo、Japan、957〜958頁;Uematsuら、1998、Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion、Vienna、Austria,1570〜1573頁;Warabisakoら、1998、Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion、Vienna、Austria、1226〜1231頁;Eamesら、1998、Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion、Vienna Austria、2206〜2209頁;Bowdenら、1993、Proceedings of the 23rd IEEE Photovoltaic Specialists Conference、1068〜1072頁;及びParadaら、1991、Proceedings of the 10th EC Photovoltaic Solar Energy Conference、975〜978頁に開示されている。
【0143】
いくつかの実施態様において、図12に示される静的集光器を使用する。図12に示される両面太陽電池は、組立品400(図4)、700(図7)、800(図8)、900(図9)又は1000(図10)を含むが、それらに限定されない本出願の任意の両面太陽電池組立品であり得る。図12に示される静的集光器は、図示されているように入射光を捕捉及び反射する用に設計された1ミリメートル以下のV字形溝を有するモジュールの前面及び後面に2枚のカバーガラスを使用する。当該集光器のより詳細な説明は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれているUematsuら、2001、Solar Energy Materials & Solar Cell 67、425〜434頁及びUematsuら、2001、Solar Energy Materials & Solar Cell 67、441〜448頁に見いだされる。本出願に使用できるさらなる静的集光器は、「光起電性科学・工学便覧(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」、2003、Luque and Hegedus(編)、Wiley & Sons、West Sussex、England、第12章に記載されている。
【0144】
(5.8内部反射器の実施態様)
長形太陽電池402を例えば図15に示されるように封入した後、それらを配置して、太陽電池組立品を形成することができる。図16は、本出願の一実施態様による太陽電池組立品1600を示す。この代表的な実施態様において、内部反射器1404を使用して、太陽電池システムへの太陽光線入力を向上させる。図16に示されるように、長形太陽電池402及び内部反射器1404をアセンブルして、図示される交互アレイにする。太陽電池組立品1600における長形太陽電池402は、対向電極420及び電極440を有する。図16に示されるように、太陽電池組立品1600は、複数の太陽電池402を含む。この複数における太陽電池402の数に制限はない(例えば、10個以上、100個以上、1000個以上、10000個以上、5000から100万個の間等の太陽電池402)。よって、太陽電池組立品1600は、複数の内部反射器1404をも含む。この複数における内部反射器1404の数に制限はない(例えば、10個以上、100個以上、1000個以上、10000個以上、5000から100万個の間等の反射器1404)。
【0145】
太陽電池組立品1600内では、内部反射器1404が、対応する長形太陽電池402に沿って長さ方向に延びる。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、中空コアを有する。長形導電性コア404の場合のように、中空導電性コア(例えば、図3Bの基板403)は、当該デバイスを製造するのに必要な材料の量を減少させることによってコストを下げるため、多くの場合に有利である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、プラスチックケース上に堆積された反射性の極めて高い材料(例えば、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、鋼等)の層を有するプラスチックケースである。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、鋼等で構成された単一の部品である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404は、金属箔テープ上に積層された金属又はプラスチックケースである。代表的な金属箔テープとしては、3Mアルミニウム箔テープ425、3Mアルミニウム箔テープ427、3Mアルミニウム箔テープ431、及び3Mアルミニウム箔テープ439(3M(Minnesota(ミネソタ)州St.Paul))が挙げられるが、それらに限定されない。内部反射器1404は、広範囲な設計を採用することができ、そのうちの1つのみが図16に示されるものである。本出願の好ましい実施態様に見いだされる反射器1404の設計の中心は、太陽電池組立品1600の両側面(即ち側面1620及び側面1640)に入射する直接光を反射する必要性である。
【0146】
概して、本出願の反射器1404は、隣接する長形太陽電池402への光の反射を最適化するように設計される。太陽電池組立品1600の1つの側面(例えば、図16に描かれた太陽電池組立品の平面の上方の側面1940)に入射する直接光は、太陽から直接入射するのに対して、太陽電池の他方の側面(例えば、図16に描かれた太陽電池組立品の平面の下方の側面1620)は、表面から反射されたものである。いくつかの実施態様において、この表面は、ランベルト、拡散又はインボリュート反射器である。したがって、太陽電池組立品の各側面は、異なる光環境に直面するため、側面1620上の内部反射器1404の形状は、側面1640上のそれと異なっていてもよい。
【0147】
図16では、内部反射器1404は、対称性四面断面形状を有するものとして示されているが、本出願の内部反射器1404の断面形状は、当該構成に限定されない。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、星状である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、線形である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、放物線状である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、凹面形である。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、円形又は楕円形である。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器における内部反射器の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、内部反射器上に拡散面を定める。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、長形太陽電池402の断面形状のインボリュートである。いくつかの実施態様において、内部反射器1404の断面形状は、二面形、三面形、四面形、五面形又は六面形である。いくつかの実施態様において、複数の内部反射器1404における内部反射器の断面形状は、四面形であり、四面断面形状の少なくとも1つの面は、小面である。
【0148】
いくつかの実施態様において、隣接する長形太陽電池402への反射を向上させるために反射器1404にさらなる特徴が加えられる。改造反射器1404には、入射光が反射器1404の側面1610から効果的に反射されるように、強い反射特性が備えられる。いくつかの実施態様において、表面1610からの反射光は、方向指向性を有さない。他の実施態様において、反射器表面1610は、反射光が、最適な吸収のために長形太陽電池402の方へ誘導されるように設計される。
いくつかの実施態様において、内部反射器1404と隣接する長形電池との接続は、さらなるアダプタ部品によって提供される。当該アダプタ部品は、当該部品同士を緻密に嵌合させるために、内部反射器1404並びに長形太陽電池402の双方の形状に対して相補的な表面特徴を有する。いくつかの実施態様において、当該アダプタ部品は、内部反射器1404上に固定される。他の実施態様において、アダプタ部品は、長形太陽電池402上に固定される。さらなる実施態様において、長形太陽電池402と反射器1404の間の接続を、導電性接着剤又はテープによって強化することができる。
【0149】
拡散反射。本出願によるいくつかの実施態様において、反射器1404の側面1610は、拡散反射面(例えば、図16の1610)である。最初に鏡面反射を理解することによって、拡散反射の概念をより良く理解できる。鏡面反射は、鏡又は水の静穏水などの滑らかな表面からの反射として定義づけられる(図17Aの1702)。鏡面上で、光は、主に反射光線の方向に反射し、表面の物理特性に応じた量だけ減衰する。表面から反射した光は、主に反射光線の方向にあるため、観察者の位置(例えば、長形太陽電池402の位置)は、表面の知覚照明を決定づける。鏡面反射は、光沢面又は鏡状面の光反射特性をモデル化する。鏡面反射と対照的に、布、紙及びアスファルト道路などの粗面からの反射は、拡散反射として知られる異なるタイプの反射をもたらす(図17B)。拡散反射面に入射する光は、すべての方向に均等に反射し、表面の物理特性に応じた量だけ減衰する。光は、すべての方向に均等に反射するため、表面の知覚照明は、反射光の観察者又は受光者の位置(例えば、長形太陽電池402の位置)に依存しない。拡散反射は、無光沢面の光反射特性をモデル化する。
【0150】
拡散反射面は、観察者にとって方向依存性のない光を反射する。表面が微視的に粗いか滑らかであるかは、続く光線の反射に大きな影響を与える。単一の方向性光源からの入力光は、拡散反射面上ですべての方向に反射する(例えば、図17Bの1704)。拡散反射は、光の内部拡散、例えば光が吸収され、次いで再放射されること、及び物体の粗面からの外部散乱の組合せを起源とする。
ランベルト反射。本出願によるいくつかの実施態様において、反射器1404の表面1610は、ランベルト反射面である(例えば図17Cの1706)。ランベルト光源は、ランベルトの余弦法則に従う光源、即ちそれを観察する角度の余弦に正比例する強度を有する光源として定義づけられる(図17C)。よって、ランベルト面は、放射面の全表面積が、測定されている面積より大きいことを前提に、そのラジアンス(又はルミナンス)が、それを測定できるすべての方向で同じになる(例えば、ラジアンスは観察角度から独立する)ように入射放射線の拡散を均一にする表面として定義づけられる。
【0151】
完全拡散面において、任意の小表面部品から所定の方向に発生する光の強度は、表面に対して直角の角度の余弦に比例する。ランベルト面の輝度(ルミナンス、ラジアンス)は、それが観察される角度にかかわらず一定である。
入射光
【数2】
は、ランベルト面(図17C)に衝突し、異なる方向に反射する。
【数3】
の強度をIinと定義すれば、反射光
【数4】
の強度(例えばIout)は、ランベルトの余弦法則に従って以下のように定義づけることができる:
【数5】
上式において、
【数6】
及びkdcosθoutは、表面特性に関連する。入射角はθinと定義され、反射角はθoutと定義される。ベクトルドット積の式を用いて、反射光の強度を以下のように記すこともできる:
【数7】
上式において、
【数8】
は、ランベルト面に対して法線ベクトルを表す。
【0152】
当該ランベルト面は、入射光線を失わないが、表面の照明側で、2πラジアンの利用可能なすべての立体角でそれを再放射する。さらに、ランベルト面は、表面が任意の角度から均等な輝度で見えるように光を放射する。即ち、等しい投射面積が、等量の光束を放射する。これは理想的であるが、多くの実表面がそれに近い。例えば、ランベルト面を拡散白色塗料で生成することができる。当該典型的なランベルト面の反射率は、93%であってもよい。いくつかの実施態様において、ランベルト面の反射率は、93%より高くてもよい。いくつかの実施態様において、ランベルト面の反射率は、93%より低くてもよい。ランベルト面は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているMarshallの米国特許第6,257,737号;Sternの米国特許第6,661,521号;Parkynらの米国特許第6,603,243号において、照明を最適化するためにLED設計に広く使用されてきた。
有利には、反射器1404上のランベルト表面1610は、すべての方向に光を効率的に反射する。次いで、太陽電池性能を向上させるために、反射光を長形太陽電池402の方に誘導する。
【0153】
インボリュート面の反射。本出願によるいくつかの実施態様において、反射器1404の表面1610は、長形太陽電池管402のインボリュート面である。いくつかの実施態様において、長形太陽電池管402は、円形又はほぼ円形である。反射器表面1610は、好ましくは、円のインボリュートである(例えば図18Aの1804)。円のインボリュート1802は、円の周りを回転する直線上の点によって追跡される経路と定義される。円のインボリュートを以下の工程で描くことができる。第1に、線を曲線上の点に接続する。第2に、線が接続点で曲線に接するように線を延長させる。第3に、線を巻き上げ、それを張りつめた状態にする。線の末端によって追跡された点の座位(例えば、図18の1804)を、本来の円1802のインボリュートと呼ぶ。本来の円1802を、そのインボリュート曲線1804のエボリュートと呼ぶ。
【0154】
概して、曲線は独自のエボリュートを有するが、開始点の異なる選択に対応する無制限に多くのインボリュートを有する。インボリュートを、所定の曲線に対するすべての正接に直交する任意の曲線と考えることもできる。任意の時間tにおける半径rの円について、その式を以下のように記すことができる:
x=r cos t
y=r sin t
よって、円のインボリュートのパラメータ式は、以下のようになる:
xi=r(cos t+t sin t)
yi=r(sin t-t cos t)
エボリュート及びインボリュートは、相互関数である。円のインボリュートのエボリュートは、円である。
【0155】
インボリュート面は、光反射率を最適化するために、多くの特許の設計で実装されてきた。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている閃光ランプ反射器(その全体が参照により本明細書に組み込まれているDraggooの米国特許第4,641,315号)及び凹面光反射器デバイス(その全体が参照により本明細書に組み込まれているRoseの米国特許第4,641,315号)はともに光反射効率を向上させるためのインボリュート面を利用する。
図18Bにおいて、内部反射器1404は、2つの長形太陽電池402に接続される。反射器1404及び太陽電池402の詳細は、長形太陽電池402の形状と、内部反射器1404の側面1610の形状との固有の関係を強調するために、省略する。側面1610は、それらが円形の長形太陽電池402のインボリュートになるように構成される。
有利には、インボリュート-エボリュート設計は、反射器1404の側面1610と、隣接する長形太陽電池402との相互作用を最適にする。反射器1404の側面1610が、反射器1404に隣接又は接続された長形太陽電池402に対応するインボリュート面である場合は、光は、長形太陽電池402に向かって最適化される方向でインボリュート面から効率的に反射する。
図16に示されていないいくつかの実施態様において、長形太陽電池402を、端部における直径が当該電池の中心に向かう直径より小さくなるようにそれらの端部で加圧変形させる。これらの加圧変形した端部に電極440を配置する。
【0156】
太陽電池組立品。図16に示されるように、複数の長形太陽電池402における太陽電池を幾何学的に並列又はほぼ並列に配置する。いくつかの実施態様において、長形導電性コア404は、セクション5.4に記載されている二層コアのいずれかである。いくつかの実施態様において、導電性コア404を形成するよりも、背面電極404は、例えば図3Bに示されるように基板403上に配置された金属の薄層である。いくつかの実施態様において、長形太陽電池402の末端部を外側コアまで剥がすことができる。例えば、長形太陽電池402が、円筒基板403で構成された内側コア、及びモリブデンで構成された外側コア(背面電極404)で構成される場合を考慮されたい。そのような場合では、長形太陽電池402の端部をモリブデンの背面電極404まで剥がすことができ、電極440を背面電極404と電気的に接続することができる。
【0157】
いくつかの実施態様において、各内部反射器1404は、例えば、図16に示されるように、2つの封入長形太陽電池402(例えば、図15及び16の300で示される)と接続する。これにより、長形太陽電池402は、単一の複合デバイスに効率的に接合される。図16において、電極440は、背面電極404からの接続を拡大する。いくつかの実施態様において、内部反射器ユニット1404は、透明ケース310上の圧痕を介して、封入太陽電池300に接続される。いくつかの実施態様において、透明ケース310上の圧痕は、内部反射器ユニット1404の形状を補完するように形成される。2つの透明ケース310上の圧痕は、2つの封入太陽電池300の間に位置する1つの内部反射器ユニット1404を固定するために使用される。いくつかの実施態様において、接着剤、例えばエポキシ接着剤を使用して、太陽放射線が封入太陽電池ユニット300に向かって適性に反射されて吸収されるように、内部反射器ユニット1404と隣接する封入太陽電池ユニット300との接続を強化する。
【0158】
本出願によるいくつかの実施態様において、内部反射器ユニット1404及び透明ケース310を同じ成形法で形成することができる。例えば、図19の1900で示される透明ケース310と星状反射器1404を交互に配列するアレイを単一の複合物として構成することができる。内部反射器1404によるアルベド効果を向上させ、或いは透明ケース310と太陽電池402のより良好な嵌合を促進するためにさらなる改造を行うことができる。ケース310は、太陽電池402のいくつかの形状を補完する内部改造を含むことができる。図19に示される組立品における内部反射器1404及びケース300の数に制限はない(例えば、10個以上、100個以上、1000個以上、10000個以上、5000から100万個の内部反射器1404及びケース310など)。
【0159】
(6.引用参考文献)
本明細書に引用されているすべての参考文献は、個々の文献又は特許若しくは特許出願が、あらゆる目的でその全体が参照により組み込まれていることが具体的且つ個別に示されるのと同じ範囲で、その全体が参照により、あらゆる目的で本明細書に組み込まれている。
当業者に理解されるように、本出願の主旨及び範囲を逸脱することなく多くの改造及び変更を加えることができる。本明細書に記載されている具体的な実施態様は、例示のみを目的とし、本出願は、添付の請求項に権利が与えられた全範囲の同等物とともに、添付の請求項の用語によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0160】
(4.図面の簡単な説明)
【図1】従来技術による相互接続太陽電池を示す図である。
【図2A】従来技術によるp型内層及びn型外層を含む球状太陽電池を示す図である。
【図2B】従来技術による、外側p導電型領域及び管状太陽電池を形成するために、ホウ素を外面に拡散させたn型導電の円筒状シリコン管を含む、管状光起電要素を示す図である。
【図2C】従来技術による長形太陽電池の断面図である。
【図2D】従来技術による、複数の長形太陽電池が導電基板に固定された太陽電池組立品の断面図である。
【図2E】従来技術による、反射壁から離れて配置された太陽電池組立品の断面図である。
【0161】
【図3A】本出願の実施態様による管状ケースを有する光起電要素を示す図である。
【図3B】本出願の実施態様による透明管状ケース入長形太陽電池の断面図である。
【図3C】本出願の実施態様による、長形太陽電池の多層部品を示す図である。
【図3D】本出願の実施態様による透明管状ケースを示す図である。
【図4A】本出願の実施態様による、電気的に直列配置され、幾何学的に並列又はほぼ並列配置された管状ケース入長形太陽電池の断面図である。
【図4B】本出願の実施態様による、組立品における太陽電池の直列電気配置を示す、図4Aの4B-4B線に沿って捉えられた断面図である。
【図4C】本出願の一実施態様による長形太陽電池における様々な層を示す、図4Bの領域4Cの引伸し斜視図である。
【図4D】本出願の実施態様による、図4Bの4D-4D線に沿って捉えられた長形太陽電池の断面図である。
【0162】
【図5A】本出願の様々な実施態様における様々な長形太陽電池に使用される半導体接合を示す図である。
【図5B】本出願の様々な実施態様における様々な長形太陽電池に使用される半導体接合を示す図である。
【図5C】本出願の様々な実施態様における様々な長形太陽電池に使用される半導体接合を示す図である。
【図5D】本出願の様々な実施態様における様々な長形太陽電池に使用される半導体接合を示す図である。
【図6A】従来技術による押出ブロー成形法を示す図である。
【図6B】従来技術による射出ブロー成形法を示す図である。
【図6C】従来技術による延伸ブロー成形法を示す図である。
【0163】
【図7A】本出願の別の実施態様による、対向電極が個々の太陽電池に圧接する組立品において電気的に直列配置された長形太陽電池の断面図である。
【図7B】本発明の実施態様による組立品における円筒状太陽電池の直列配置を示す、図7Aの7B-7B線に沿って捉えられた断面図である。
【図7C】本出願の実施態様による交互管状ケースのアレイの斜視図である。
【図8】本出願の別の実施態様による、対向電極が個々の太陽電池に圧接し、かつ外側TCOが切断された組立品において電気的に直列配置された長形太陽電池の断面図である。
【図9】本出願の実施態様による、内部金属電極が中空である組立品において電気的に直列配置された長形太陽電池の断面図である。
【図10】本出願の実施態様による、溝が、対向電極、透明導電酸化物層、及び太陽電池の接合層を貫通する組立品において電気的に直列配置された長形太陽電池の断面図である。
【0164】
【図11】本出願のいくつかの実施態様において使用される静的集光器を示す図である。
【図12】本出願のいくつかの実施態様において使用される静的集光器を示す図である。
【図13】本出願の実施態様による太陽電池の断面図を示す図である。
【図14】本出願のいくつかの実施態様による成形管状ケースを示す図である。
【図15】本出願の実施態様による、突出電極接続部を有する長形太陽電池構造の斜視図を示す図である。
【図16】本出願の実施態様による太陽電池構造の斜視図を示す図である。
【0165】
【図17A】従来技術による鏡面の光反射を示す図である。
【図17B】従来技術による拡散面の光反射を示す図である。
【図17C】従来技術によるランベルト面の光反射を示す図である。
【図18A】従来技術による円及び円のインボリュートを示す図である。
【図18B】本出願の実施態様による太陽電池構造の断面図を示す図である。
【図19】本出願の実施態様による、交互管状ケースのアレイ及び内部反射器の断面図を示す図である。
【0166】
【図20A】本出願による吸入荷重組立法を示す図である。
【図20B】本出願による圧力荷重組立法を示す図である。
【図20C】本出願による注入及び滑動荷重組立法を示す図である。
【図21】本出願の実施態様による透明管状ケース入長形太陽電池の部分断面図を示す図である。
【図22】従来技術によるQ型シリコーン、シルセキノキサン、D型シリコン及びM型シリコンを示す図である。 同様の参照番号は、図面のいくつかの図の全体を通じて対応する部分を指す。寸法は、一定の縮尺で描かれていない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)その少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板;
前記基板上に円周方向に配置された背面電極;
前記背面電極上に円周方向に配置された半導体接合層;及び
前記半導体接合上に円周方向に配置された透明導電層;を含む太陽電池と、
(B)前記円筒状太陽電池上に円周方向に配置された透明ケースと
を含む、太陽電池ユニット。
【請求項2】
前記透明ケースがプラスチック又はガラスで構成される、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項3】
前記透明ケースが、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス又はセリーテドガラスを含む、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項4】
前記透明ケースが、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フルオロポリマー、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリアミド又はポリオレフィンを含む、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項5】
前記透明ケースが、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項6】
前記基板がプラスチック又はガラスを含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項7】
前記基板が金属又は金属合金を含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項8】
前記基板がソーダ石灰ガラスを含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項9】
前記基板が、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、ガラス系フェノール、フリントガラス又はセリーテドガラスを含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項10】
前記基板が管状であり、流体が前記基板を流れる、請求項1〜5のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項11】
前記流体が、水、空気、窒素又はヘリウムである、請求項10記載の太陽電池ユニット。
【請求項12】
前記基板が空胴コアを有する、請求項1〜11のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項13】
前記背面電極が、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、プラチナ、銀、金、それらの合金又はそれらの任意の組合せで構成される、請求項1〜12のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項14】
前記背面電極が、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック-カーボンブラック充填酸化物、超導電性カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス又は導電性プラスチックで構成される、請求項1〜12のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項15】
前記半導体接合が、ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合を含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項16】
前記透明導電層が、炭素ナノチューブ、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1〜15のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項17】
前記半導体接合が、吸収体層及び接合パートナー層を含み、前記接合パートナー層が、前記吸収体層上に円周方向に配置されている、請求項1〜14のいずれか一項又は請求項16記載の太陽電池ユニット。
【請求項18】
前記吸収体層が銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、前記接合パートナー層が、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2又はドープZnOである、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項19】
前記吸収体層が0.5μmから2.0μmの厚さである、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項20】
前記吸収体層におけるCu/(In+Ga)の組成比が0.7から0.95である、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項21】
前記吸収体層におけるGa/(In+Ga)の組成比が0.2から0.4である、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項22】
前記吸収体層が、<110>結晶配向を有するCIGSを含む、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項23】
前記吸収体層が、<112>結晶配向を有するCIGSを含む、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項24】
前記吸収体層が、無作為に配向されたCIGSを含む、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項25】
前記太陽電池が、前記半導体接合上に円周方向に配置された真性層をさらに含み、前記透明導電層が前記真性層上に配置される、請求項1〜24のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項26】
前記真性層が非ドープ透明酸化物である、請求項25記載の太陽電池ユニット。
【請求項27】
前記真性層が非ドープ酸化亜鉛を含む、請求項25記載の太陽電池ユニット。
【請求項28】
前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層をさらに含み、前記透明ケースが前記充填剤層上に円周方向に配置されることによって、前記円筒状太陽電池を円周方向にシールする、請求項1〜27いずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項29】
前記充填剤層が、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル酸、フルオロポリマー又はウレタンを含む、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項30】
前記充填剤層が1×106cP未満の粘度を有する、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項31】
前記充填剤層が500×10-6/℃を超える熱膨張率を有する、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項32】
前記充填剤層が、誘電ゲルと混合されたシリコン油から形成される、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項33】
前記シリコン油がポリジメチルシロキサンポリマー液であり、前記誘電ゲルが、第1のシリコーンエラストマーと第2のシリコーンエラストマーとの混合物である、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項34】
前記充填剤層が、X重量%のポリジメチルシロキサンポリマー液、Y重量%の第1のシリコーンエラストマー、及びZ重量%の第2のシリコーンエラストマーから形成され、X、Y及びZの合計が100になる、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項35】
前記ポリジメチルシロキサンポリマー液が化学式(CH3)3SiO[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3を有し、nは、ポリマー液が50センチストークから100000センチストークの範囲の平均バルク粘度を有するように選択される整数の範囲である、請求項34記載の太陽電池ユニット。
【請求項36】
前記第1のシリコーンエラストマーが、少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサン及び3から7重量パーセントの珪酸塩を含む、請求項34記載の太陽電池ユニット。
【請求項37】
前記第2のシリコーンエラストマーが、(i)少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサン;(ii)10から30重量パーセントの水素末端ジメチルシロキサン;及び(iii)3から7重量パーセントのトリメチル化シリカ;を含む、請求項34記載の太陽電池ユニット。
【請求項38】
Xが30から90であり;Yが2から20であり;Zが2から20である、請求項34記載の太陽電池ユニット。
【請求項39】
前記透明導電層上に円周方向に配置された耐水層をさらに含み、前記透明ケースが、前記耐水層上に円周方向に配置されることによって、前記円筒状太陽電池を円周方向にシールする、請求項1〜38のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項40】
前記耐水層が、透明なシリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx又はAl2O3を含み、x及びyが整数である、請求項39記載の太陽電池ユニット。
【請求項41】
前記透明導電層上に円周方向に配置された耐水層と、
前記耐水層上に円周方向に配置された充填剤層とをさらに含み、前記透明ケースが前記充填剤層上に円周方向に配置されることによって、前記円筒状太陽電池を円周方向にシールする、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項42】
前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層と、
前記耐水層上に円周方向に配置された耐水層とをさらに含み、前記透明ケースが前記耐水層上に円周方向に配置されることによって、前記円筒状太陽電池を円周方向にシールする、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項43】
前記透明ケース上に円周方向に配置された反射防止膜をさらに含む、請求項1〜42のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項44】
前記反射防止膜が、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は窒化酸化珪素を含む、請求項43記載の太陽電池ユニット。
【請求項45】
前記太陽電池が円筒状であってかつ円筒軸を有し、前記太陽電池が少なくとも1つの電極帯をさらに含み、前記少なくとも1つの電極帯における各電極帯が前記太陽電池の前記円筒軸に沿って前記透明導電層上に積層される、請求項1〜44のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項46】
前記少なくとも1つの電極帯が、前記太陽電池の前記円筒軸に沿って互いに平行又はほぼ平行に延びるように前記透明導電層上に間隔をおいて配置された複数の電極帯を含む、請求項45記載の太陽電池ユニット。
【請求項47】
前記複数の電極帯における電極帯が、前記透明導電層の表面に均等な間隔をおいて配置される、請求項46記載の太陽電池ユニット。
【請求項48】
前記複数の電極帯における電極帯が、前記透明導電層の表面に不均等な間隔をおいて配置される、請求項46記載の太陽電池ユニット。
【請求項49】
前記基板が20GPa以上のヤング率を有する、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項50】
前記基板が40GPa以上のヤング率を有する、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項51】
前記基板が70GPa以上のヤング率を有する、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項52】
前記基板が線形材料で構成される、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項53】
前記基板のすべて又は一部が、硬質管又は硬質中実棒である、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項54】
前記基板のすべて又は一部が、円形断面、卵形断面、三角形断面、五角形断面、六角形断面、少なくとも1つの弓形部を有する断面、又は少なくとも1つの湾曲部を有する断面により特徴づけられる、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項55】
前記基板の第1の部分が第1の断面形状により特徴づけられ、前記基板の第2の部分が第2の断面形状により特徴づけられる、請求項1〜54記載の太陽電池ユニット。
【請求項56】
前記第1の断面形状と前記第2の断面形状とが同一である、請求項55記載の太陽電池ユニット。
【請求項57】
前記第1の断面形状と前記第2の断面形状とが異なる、請求項55記載の太陽電池ユニット。
【請求項58】
前記基板の長さの少なくとも90パーセントが第1の断面形状により特徴づけられる、請求項55記載の太陽電池ユニット。
【請求項59】
前記第1の断面形状が平面であり、かつ前記第2の断面形状が少なくとも1つの弓形側面を有する、請求項55記載の太陽電池ユニット。
【請求項60】
前記基板の断面が円であり、かつ1mmから1000mmの外径を有する、請求項1〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項61】
前記基板の断面が円であり、かつ14mmから17mmの外径を有する、請求項1〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項62】
前記基板の断面が、
前記基板の中空内部を定める内径、及び
前記基板の境界線を定める外形
により特徴づけられる、請求項1〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項63】
前記基板の厚さが0.1mmから20mmである、請求項62記載の太陽電池ユニット。
【請求項64】
前記基板の厚さが1mmから2mmである請求項62記載の太陽電池ユニット。
【請求項65】
前記太陽電池ユニットが5mmから10000mmの長さを有する、請求項1〜64のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項66】
複数の太陽電池ユニットを含む太陽電池組立品であって、前記複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが請求項1に記載の太陽電池ユニットの構造を有し、前記複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットが、前記太陽電池組立品を形成するように共平面列で配置される、前記太陽電池組立品。
【請求項67】
太陽光線を前記複数の太陽電池ユニットに反射させるように配置されたアルベド面をさらに含む、請求項66記載の太陽電池ユニット。
【請求項68】
前記アルベド表面が80%を超えるアルベドを有する、請求項67記載の太陽電池組立品。
【請求項69】
前記アルベド面がランベルト又は拡散である、請求項67記載の太陽電池組立品。
【請求項70】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に直列配置される、請求項66記載の太陽電池ユニット。
【請求項71】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に並列配置される、請求項66記載の太陽電池ユニット。
【請求項72】
前記透明ケースの外面が粗面化されている、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項73】
複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが請求項1に記載の太陽電池ユニットの構造を有する前記複数の太陽電池ユニットと、
複数の内部反射器とを含む太陽電池組立品であって、
前記複数の太陽電池ユニット及び前記複数の内部反射器は、前記複数の太陽電池ユニットにおける内部反射器が前記複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットに圧接することによって、前記太陽電池組立品を形成する共平面列に配置される、前記太陽電池組立品。
【請求項74】
前記複数の内部反射器における内部反射器が中空コアを有する、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項75】
前記複数の内部反射器における内部反射器が、反射材料の層が堆積されたプラスチックケースを含む、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項76】
前記反射材料の層が、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル又は鋼である、請求項75記載の太陽電池組立品。
【請求項77】
前記複数の内部反射器における内部反射器が、反射材料から構成された単一部品である、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項78】
前記反射材料が、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル又は鋼である、請求項77記載の太陽電池組立品。
【請求項79】
前記複数の内部反射器における内部反射器が、金属箔テープが積層されるプラスチックケースを含む、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項80】
前記金属箔テープがアルミニウム箔テープである、請求項79記載の太陽電池組立品。
【請求項81】
前記複数の内部反射器における内部反射器の断面形状が星状又はインボリュートである、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項82】
前記複数の内部反射器における内部反射器の断面形状が四面形であり、
前記四面形の断面形状の一面が、線形、放物線形、凹面、円形又は楕円形である、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項83】
前記複数の内部反射器における内部反射器の断面形状が四面形であり、
前記四面形の断面形状の一面が、前記内部反射器上に拡散面を定める、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項84】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に直列配置される、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項85】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に並列配置される、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項86】
前記太陽電池がモノリシック集積されている、請求項1〜65のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項87】
(A)その少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板;
前記基板上に円周方向に配置された背面電極;
前記背面電極上に円周方向に配置された半導体接合;及び
前記半導体接合上に円周方向に配置された透明導電層;を含む太陽電池と、
(B)前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層と、
(C)前記充填剤層上に円周方向に配置された透明ケースと
を含む、太陽電池ユニット。
【請求項88】
前記基板が中空コアを有する、請求項87記載の太陽電池ユニット。
【請求項89】
前記基板がプラスチック、金属又はガラスで構成される、請求項87又は88記載の太陽電池ユニット。
【請求項90】
前記基板が、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、ガラス系フェノール、フリントガラス又はセリーテドガラスを含む、請求項87又は88記載の太陽電池ユニット。
【請求項91】
前記半導体接合が吸収体層及び接合パートナー層を含み、
前記接合パートナー層が前記吸収体層上に円周方向に配置され、かつ、
前記吸収体層が前記背面電極上に円周方向に配置される、請求項87〜90のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項92】
前記吸収体層が銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、かつ前記接合パートナー層が、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2又はドープZnOである、請求項91記載の太陽電池ユニット。
【請求項93】
前記吸収体層が、<110>結晶配向若しくは<112>結晶配向を有する、又は結晶配向を有さないCIGSを含む、請求項91記載の太陽電池ユニット。
【請求項94】
前記太陽電池ユニットが、
(D)前記透明ケース上に円周方向に配置された反射防止膜をさらに含む、請求項87〜93のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項95】
前記反射防止膜が、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は窒化酸化珪素を含む、請求項94記載の太陽電池ユニット。
【請求項96】
前記太陽電池が円筒状であり、かつ
【数1】
が成り立つ、請求項87記載の太陽電池ユニット
(式中、
riは、前記太陽電池の半径であり、
roは、前記透明ケースの半径であり、及び
ηouter ringは、前記透明ケースの屈折率である)。
【請求項97】
前記透明ケースが、第1の透明ケース層及び第2の透明ケース層を含む複数の透明ケース層を含み、前記第1の透明ケース層が前記充填剤層上に円周方向に配置され、かつ前記第2の透明ケース層が前記第1の透明ケース層上に円周方向に配置される、請求項87〜96のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項98】
(A)その少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板;
前記基板上に円周方向に配置された背面電極;
前記背面電極上に円周方向に配置された半導体接合;及び
前記半導体接合上に円周方向に配置された透明導電層;を含む太陽電池と、
(B)前記透明導電層上に円周方向に配置された耐水層と、
(C)前記耐水層上に円周方向に配置された充填剤層と、
(D)前記充填剤層上に円周方向に配置された透明ケースと
を含む太陽電池ユニット。
【請求項99】
前記基板が管である、請求項98記載の太陽電池ユニット。
【請求項100】
前記太陽電池が円筒形を有し、かつ
【数2】
が成り立つ、請求項98記載の太陽電池ユニット
(式中、
riは、前記太陽電池の半径であり、
roは、前記透明ケースの半径であり、及び
ηouter ringは、前記透明ケースの屈折率である)。
【請求項101】
前記透明ケースが、第1の透明ケース層及び第2の透明ケース層を含む複数の透明ケース層を含み、前記第1の透明ケース層が前記充填剤層上に円周方向に配置され、かつ前記第2の透明ケース層が前記第1の透明ケース層上に円周方向に配置される、請求項98〜100のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項102】
(A)その少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板;
前記基板上に円周方向に配置された背面電極;
前記背面電極上に円周方向に配置された半導体接合;及び
前記半導体接合上に円周方向に配置された透明導電層;を含む太陽電池と、
(B)前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層と、
(C)前記充填剤層上に円周方向に配置された耐水層と、
(D)前記耐水層上に円周方向に配置された透明ケースと
を含む太陽電池ユニット。
【請求項103】
前記太陽電池が円筒形を有し、かつ
【数3】
が成り立つ、請求項102記載の太陽電池ユニット
(式中、
riは、前記太陽電池の半径であり、
roは、前記透明ケースの半径であり、及び
ηouter ringは、前記透明ケースの屈折率である)。
【請求項104】
前記基板が管である、請求項102記載の太陽電池ユニット。
【請求項105】
前記太陽電池が円筒形を有し、かつ
【数4】
が成り立つ、請求項1記載の太陽電池ユニット
(式中、
riは、前記太陽電池の半径であり、
roは、前記透明ケースの半径であり、及び
ηouter ringは、前記透明ケースの屈折率である)。
【請求項106】
前記透明ケースが、第1の透明ケース層及び第2の透明ケース層を含む複数の透明ケース層を含み、前記第1の透明ケース層が前記半導体接合上に円周方向に配置され、かつ前記第2の透明ケース層が前記第1の透明ケース層上に円周方向に配置される、請求項1〜65のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項107】
前記透明導電層が蛍光材料で被覆される、請求項1〜65のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項108】
前記透明ケースの内面又は外面が蛍光材料で被覆される、請求項1〜65のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項109】
前記耐水層又は前記充填剤層が蛍光材料で被覆される、請求項41記載の太陽電池ユニット。
【請求項110】
前記基板がプラスチック棒である、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項111】
前記基板がガラス棒である、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項112】
前記基板がガラス管である、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項113】
前記基板がプラスチック管である、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項1】
(A)その少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板;
前記基板上に円周方向に配置された背面電極;
前記背面電極上に円周方向に配置された半導体接合層;及び
前記半導体接合上に円周方向に配置された透明導電層;を含む太陽電池と、
(B)前記円筒状太陽電池上に円周方向に配置された透明ケースと
を含む、太陽電池ユニット。
【請求項2】
前記透明ケースがプラスチック又はガラスで構成される、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項3】
前記透明ケースが、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス又はセリーテドガラスを含む、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項4】
前記透明ケースが、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フルオロポリマー、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリアミド又はポリオレフィンを含む、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項5】
前記透明ケースが、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項6】
前記基板がプラスチック又はガラスを含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項7】
前記基板が金属又は金属合金を含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項8】
前記基板がソーダ石灰ガラスを含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項9】
前記基板が、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、ガラス系フェノール、フリントガラス又はセリーテドガラスを含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項10】
前記基板が管状であり、流体が前記基板を流れる、請求項1〜5のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項11】
前記流体が、水、空気、窒素又はヘリウムである、請求項10記載の太陽電池ユニット。
【請求項12】
前記基板が空胴コアを有する、請求項1〜11のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項13】
前記背面電極が、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオビウム、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、プラチナ、銀、金、それらの合金又はそれらの任意の組合せで構成される、請求項1〜12のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項14】
前記背面電極が、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック-カーボンブラック充填酸化物、超導電性カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス又は導電性プラスチックで構成される、請求項1〜12のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項15】
前記半導体接合が、ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合又は直列接合を含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項16】
前記透明導電層が、炭素ナノチューブ、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム-亜鉛酸化物又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1〜15のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項17】
前記半導体接合が、吸収体層及び接合パートナー層を含み、前記接合パートナー層が、前記吸収体層上に円周方向に配置されている、請求項1〜14のいずれか一項又は請求項16記載の太陽電池ユニット。
【請求項18】
前記吸収体層が銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、前記接合パートナー層が、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2又はドープZnOである、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項19】
前記吸収体層が0.5μmから2.0μmの厚さである、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項20】
前記吸収体層におけるCu/(In+Ga)の組成比が0.7から0.95である、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項21】
前記吸収体層におけるGa/(In+Ga)の組成比が0.2から0.4である、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項22】
前記吸収体層が、<110>結晶配向を有するCIGSを含む、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項23】
前記吸収体層が、<112>結晶配向を有するCIGSを含む、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項24】
前記吸収体層が、無作為に配向されたCIGSを含む、請求項17記載の太陽電池ユニット。
【請求項25】
前記太陽電池が、前記半導体接合上に円周方向に配置された真性層をさらに含み、前記透明導電層が前記真性層上に配置される、請求項1〜24のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項26】
前記真性層が非ドープ透明酸化物である、請求項25記載の太陽電池ユニット。
【請求項27】
前記真性層が非ドープ酸化亜鉛を含む、請求項25記載の太陽電池ユニット。
【請求項28】
前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層をさらに含み、前記透明ケースが前記充填剤層上に円周方向に配置されることによって、前記円筒状太陽電池を円周方向にシールする、請求項1〜27いずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項29】
前記充填剤層が、エチレン酢酸ビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル酸、フルオロポリマー又はウレタンを含む、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項30】
前記充填剤層が1×106cP未満の粘度を有する、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項31】
前記充填剤層が500×10-6/℃を超える熱膨張率を有する、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項32】
前記充填剤層が、誘電ゲルと混合されたシリコン油から形成される、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項33】
前記シリコン油がポリジメチルシロキサンポリマー液であり、前記誘電ゲルが、第1のシリコーンエラストマーと第2のシリコーンエラストマーとの混合物である、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項34】
前記充填剤層が、X重量%のポリジメチルシロキサンポリマー液、Y重量%の第1のシリコーンエラストマー、及びZ重量%の第2のシリコーンエラストマーから形成され、X、Y及びZの合計が100になる、請求項28記載の太陽電池ユニット。
【請求項35】
前記ポリジメチルシロキサンポリマー液が化学式(CH3)3SiO[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3を有し、nは、ポリマー液が50センチストークから100000センチストークの範囲の平均バルク粘度を有するように選択される整数の範囲である、請求項34記載の太陽電池ユニット。
【請求項36】
前記第1のシリコーンエラストマーが、少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサン及び3から7重量パーセントの珪酸塩を含む、請求項34記載の太陽電池ユニット。
【請求項37】
前記第2のシリコーンエラストマーが、(i)少なくとも60重量パーセントのジメチルビニル末端ジメチルシロキサン;(ii)10から30重量パーセントの水素末端ジメチルシロキサン;及び(iii)3から7重量パーセントのトリメチル化シリカ;を含む、請求項34記載の太陽電池ユニット。
【請求項38】
Xが30から90であり;Yが2から20であり;Zが2から20である、請求項34記載の太陽電池ユニット。
【請求項39】
前記透明導電層上に円周方向に配置された耐水層をさらに含み、前記透明ケースが、前記耐水層上に円周方向に配置されることによって、前記円筒状太陽電池を円周方向にシールする、請求項1〜38のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項40】
前記耐水層が、透明なシリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx又はAl2O3を含み、x及びyが整数である、請求項39記載の太陽電池ユニット。
【請求項41】
前記透明導電層上に円周方向に配置された耐水層と、
前記耐水層上に円周方向に配置された充填剤層とをさらに含み、前記透明ケースが前記充填剤層上に円周方向に配置されることによって、前記円筒状太陽電池を円周方向にシールする、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項42】
前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層と、
前記耐水層上に円周方向に配置された耐水層とをさらに含み、前記透明ケースが前記耐水層上に円周方向に配置されることによって、前記円筒状太陽電池を円周方向にシールする、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項43】
前記透明ケース上に円周方向に配置された反射防止膜をさらに含む、請求項1〜42のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項44】
前記反射防止膜が、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は窒化酸化珪素を含む、請求項43記載の太陽電池ユニット。
【請求項45】
前記太陽電池が円筒状であってかつ円筒軸を有し、前記太陽電池が少なくとも1つの電極帯をさらに含み、前記少なくとも1つの電極帯における各電極帯が前記太陽電池の前記円筒軸に沿って前記透明導電層上に積層される、請求項1〜44のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項46】
前記少なくとも1つの電極帯が、前記太陽電池の前記円筒軸に沿って互いに平行又はほぼ平行に延びるように前記透明導電層上に間隔をおいて配置された複数の電極帯を含む、請求項45記載の太陽電池ユニット。
【請求項47】
前記複数の電極帯における電極帯が、前記透明導電層の表面に均等な間隔をおいて配置される、請求項46記載の太陽電池ユニット。
【請求項48】
前記複数の電極帯における電極帯が、前記透明導電層の表面に不均等な間隔をおいて配置される、請求項46記載の太陽電池ユニット。
【請求項49】
前記基板が20GPa以上のヤング率を有する、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項50】
前記基板が40GPa以上のヤング率を有する、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項51】
前記基板が70GPa以上のヤング率を有する、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項52】
前記基板が線形材料で構成される、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項53】
前記基板のすべて又は一部が、硬質管又は硬質中実棒である、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項54】
前記基板のすべて又は一部が、円形断面、卵形断面、三角形断面、五角形断面、六角形断面、少なくとも1つの弓形部を有する断面、又は少なくとも1つの湾曲部を有する断面により特徴づけられる、請求項1〜48のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項55】
前記基板の第1の部分が第1の断面形状により特徴づけられ、前記基板の第2の部分が第2の断面形状により特徴づけられる、請求項1〜54記載の太陽電池ユニット。
【請求項56】
前記第1の断面形状と前記第2の断面形状とが同一である、請求項55記載の太陽電池ユニット。
【請求項57】
前記第1の断面形状と前記第2の断面形状とが異なる、請求項55記載の太陽電池ユニット。
【請求項58】
前記基板の長さの少なくとも90パーセントが第1の断面形状により特徴づけられる、請求項55記載の太陽電池ユニット。
【請求項59】
前記第1の断面形状が平面であり、かつ前記第2の断面形状が少なくとも1つの弓形側面を有する、請求項55記載の太陽電池ユニット。
【請求項60】
前記基板の断面が円であり、かつ1mmから1000mmの外径を有する、請求項1〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項61】
前記基板の断面が円であり、かつ14mmから17mmの外径を有する、請求項1〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項62】
前記基板の断面が、
前記基板の中空内部を定める内径、及び
前記基板の境界線を定める外形
により特徴づけられる、請求項1〜59のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項63】
前記基板の厚さが0.1mmから20mmである、請求項62記載の太陽電池ユニット。
【請求項64】
前記基板の厚さが1mmから2mmである請求項62記載の太陽電池ユニット。
【請求項65】
前記太陽電池ユニットが5mmから10000mmの長さを有する、請求項1〜64のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項66】
複数の太陽電池ユニットを含む太陽電池組立品であって、前記複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが請求項1に記載の太陽電池ユニットの構造を有し、前記複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットが、前記太陽電池組立品を形成するように共平面列で配置される、前記太陽電池組立品。
【請求項67】
太陽光線を前記複数の太陽電池ユニットに反射させるように配置されたアルベド面をさらに含む、請求項66記載の太陽電池ユニット。
【請求項68】
前記アルベド表面が80%を超えるアルベドを有する、請求項67記載の太陽電池組立品。
【請求項69】
前記アルベド面がランベルト又は拡散である、請求項67記載の太陽電池組立品。
【請求項70】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に直列配置される、請求項66記載の太陽電池ユニット。
【請求項71】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に並列配置される、請求項66記載の太陽電池ユニット。
【請求項72】
前記透明ケースの外面が粗面化されている、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項73】
複数の太陽電池ユニットにおける各太陽電池ユニットが請求項1に記載の太陽電池ユニットの構造を有する前記複数の太陽電池ユニットと、
複数の内部反射器とを含む太陽電池組立品であって、
前記複数の太陽電池ユニット及び前記複数の内部反射器は、前記複数の太陽電池ユニットにおける内部反射器が前記複数の太陽電池ユニットにおける太陽電池ユニットに圧接することによって、前記太陽電池組立品を形成する共平面列に配置される、前記太陽電池組立品。
【請求項74】
前記複数の内部反射器における内部反射器が中空コアを有する、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項75】
前記複数の内部反射器における内部反射器が、反射材料の層が堆積されたプラスチックケースを含む、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項76】
前記反射材料の層が、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル又は鋼である、請求項75記載の太陽電池組立品。
【請求項77】
前記複数の内部反射器における内部反射器が、反射材料から構成された単一部品である、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項78】
前記反射材料が、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル又は鋼である、請求項77記載の太陽電池組立品。
【請求項79】
前記複数の内部反射器における内部反射器が、金属箔テープが積層されるプラスチックケースを含む、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項80】
前記金属箔テープがアルミニウム箔テープである、請求項79記載の太陽電池組立品。
【請求項81】
前記複数の内部反射器における内部反射器の断面形状が星状又はインボリュートである、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項82】
前記複数の内部反射器における内部反射器の断面形状が四面形であり、
前記四面形の断面形状の一面が、線形、放物線形、凹面、円形又は楕円形である、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項83】
前記複数の内部反射器における内部反射器の断面形状が四面形であり、
前記四面形の断面形状の一面が、前記内部反射器上に拡散面を定める、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項84】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に直列配置される、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項85】
前記複数の太陽電池ユニットにおける第1の太陽電池ユニット及び第2の太陽電池ユニットが電気的に並列配置される、請求項73記載の太陽電池組立品。
【請求項86】
前記太陽電池がモノリシック集積されている、請求項1〜65のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項87】
(A)その少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板;
前記基板上に円周方向に配置された背面電極;
前記背面電極上に円周方向に配置された半導体接合;及び
前記半導体接合上に円周方向に配置された透明導電層;を含む太陽電池と、
(B)前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層と、
(C)前記充填剤層上に円周方向に配置された透明ケースと
を含む、太陽電池ユニット。
【請求項88】
前記基板が中空コアを有する、請求項87記載の太陽電池ユニット。
【請求項89】
前記基板がプラスチック、金属又はガラスで構成される、請求項87又は88記載の太陽電池ユニット。
【請求項90】
前記基板が、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、ガラス系フェノール、フリントガラス又はセリーテドガラスを含む、請求項87又は88記載の太陽電池ユニット。
【請求項91】
前記半導体接合が吸収体層及び接合パートナー層を含み、
前記接合パートナー層が前記吸収体層上に円周方向に配置され、かつ、
前記吸収体層が前記背面電極上に円周方向に配置される、請求項87〜90のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項92】
前記吸収体層が銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、かつ前記接合パートナー層が、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2又はドープZnOである、請求項91記載の太陽電池ユニット。
【請求項93】
前記吸収体層が、<110>結晶配向若しくは<112>結晶配向を有する、又は結晶配向を有さないCIGSを含む、請求項91記載の太陽電池ユニット。
【請求項94】
前記太陽電池ユニットが、
(D)前記透明ケース上に円周方向に配置された反射防止膜をさらに含む、請求項87〜93のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項95】
前記反射防止膜が、MgF2、硝酸珪素、硝酸チタン、一酸化珪素又は窒化酸化珪素を含む、請求項94記載の太陽電池ユニット。
【請求項96】
前記太陽電池が円筒状であり、かつ
【数1】
が成り立つ、請求項87記載の太陽電池ユニット
(式中、
riは、前記太陽電池の半径であり、
roは、前記透明ケースの半径であり、及び
ηouter ringは、前記透明ケースの屈折率である)。
【請求項97】
前記透明ケースが、第1の透明ケース層及び第2の透明ケース層を含む複数の透明ケース層を含み、前記第1の透明ケース層が前記充填剤層上に円周方向に配置され、かつ前記第2の透明ケース層が前記第1の透明ケース層上に円周方向に配置される、請求項87〜96のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項98】
(A)その少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板;
前記基板上に円周方向に配置された背面電極;
前記背面電極上に円周方向に配置された半導体接合;及び
前記半導体接合上に円周方向に配置された透明導電層;を含む太陽電池と、
(B)前記透明導電層上に円周方向に配置された耐水層と、
(C)前記耐水層上に円周方向に配置された充填剤層と、
(D)前記充填剤層上に円周方向に配置された透明ケースと
を含む太陽電池ユニット。
【請求項99】
前記基板が管である、請求項98記載の太陽電池ユニット。
【請求項100】
前記太陽電池が円筒形を有し、かつ
【数2】
が成り立つ、請求項98記載の太陽電池ユニット
(式中、
riは、前記太陽電池の半径であり、
roは、前記透明ケースの半径であり、及び
ηouter ringは、前記透明ケースの屈折率である)。
【請求項101】
前記透明ケースが、第1の透明ケース層及び第2の透明ケース層を含む複数の透明ケース層を含み、前記第1の透明ケース層が前記充填剤層上に円周方向に配置され、かつ前記第2の透明ケース層が前記第1の透明ケース層上に円周方向に配置される、請求項98〜100のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項102】
(A)その少なくとも一部が硬質且つ非平面である基板;
前記基板上に円周方向に配置された背面電極;
前記背面電極上に円周方向に配置された半導体接合;及び
前記半導体接合上に円周方向に配置された透明導電層;を含む太陽電池と、
(B)前記透明導電層上に円周方向に配置された充填剤層と、
(C)前記充填剤層上に円周方向に配置された耐水層と、
(D)前記耐水層上に円周方向に配置された透明ケースと
を含む太陽電池ユニット。
【請求項103】
前記太陽電池が円筒形を有し、かつ
【数3】
が成り立つ、請求項102記載の太陽電池ユニット
(式中、
riは、前記太陽電池の半径であり、
roは、前記透明ケースの半径であり、及び
ηouter ringは、前記透明ケースの屈折率である)。
【請求項104】
前記基板が管である、請求項102記載の太陽電池ユニット。
【請求項105】
前記太陽電池が円筒形を有し、かつ
【数4】
が成り立つ、請求項1記載の太陽電池ユニット
(式中、
riは、前記太陽電池の半径であり、
roは、前記透明ケースの半径であり、及び
ηouter ringは、前記透明ケースの屈折率である)。
【請求項106】
前記透明ケースが、第1の透明ケース層及び第2の透明ケース層を含む複数の透明ケース層を含み、前記第1の透明ケース層が前記半導体接合上に円周方向に配置され、かつ前記第2の透明ケース層が前記第1の透明ケース層上に円周方向に配置される、請求項1〜65のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項107】
前記透明導電層が蛍光材料で被覆される、請求項1〜65のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項108】
前記透明ケースの内面又は外面が蛍光材料で被覆される、請求項1〜65のいずれか一項記載の太陽電池ユニット。
【請求項109】
前記耐水層又は前記充填剤層が蛍光材料で被覆される、請求項41記載の太陽電池ユニット。
【請求項110】
前記基板がプラスチック棒である、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項111】
前記基板がガラス棒である、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項112】
前記基板がガラス管である、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【請求項113】
前記基板がプラスチック管である、請求項1記載の太陽電池ユニット。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21】
【図22】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2009−530852(P2009−530852A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501465(P2009−501465)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/006615
【国際公開番号】WO2008/060315
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(508280302)ソルインドラ,インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/006615
【国際公開番号】WO2008/060315
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(508280302)ソルインドラ,インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
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