説明

ケーブル、ケーブルの製造方法及びケーブルの位置特定方法

ケーブルに関するできるだけ広範囲で正確な情報、例えば製造情報は製造側でできるようにし、さらにそれらの情報、例えば連続するメートル数へのアクセスを容易にするために、本発明によれば、デジタルデータ(1231)を記憶するためのメモリ(123)と、このデジタルデータ(1231)を無線伝送するためのトランスポンダを備えたトランスポンダ装置(10)が集積されているケーブル(40)が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル、ケーブルの製造方法及びケーブルの位置特定方法に関する。
【0002】
背景技術
ケーブルの製造の際に得られる製造データはこれまでは製造書簡の形態で記録されるかコンピュータにケーブルからは切り離されて保存されていた。そのような製造データには、例えばケーブルのタイプ、個々のファイバーの数、個々のファイバーのタイプ、ケーブル若しくは個々のファイバーのための一義的な特性データなどが含まれる。
【0003】
特に連続したメートル数値(メートル長さ)は通常はケーブルの製造の際にインクプリンタや、紙/プラスチックからなる帯状箔ないし押箔などを用いてケーブル外装に印刷ないし箔押しされる。介在的に配設されるケーブル区間の長さは2つのメートル数値によって確定される。しかしながらケーブルが一度敷設されると、メートル数値に関する情報はもはや得ることができない。
【0004】
その他にも地中に埋設されたケーブルは波形の経過箇所を有し得るので、2つの箇所の間に埋設されたケーブル区間の長さと、例えば設計図上で求められる2つの箇所の区間距離とではもはや正確な対応付けが不可能となる。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許公開第19814540号公報からはケーブルとケーブル長検出のための測定装置が提案されており、そこではケーブルが所定の長手方向位置にトランスポンダ、バーコード又は磁気ストライプのようなデータ担体を支持しており、それらがデータ読出し機器によって読出し可能である。トランスポンダや磁気ストライプの場合の利点は、それらのデータ担体の内容が書込み装置によって変更可能なことである。それにより長さ情報以外の他の情報の受入れも可能である。
【0006】
ケーブルにトランスポンダ装置を適用する場合には次のことを考慮しなければならない。すなわちケーブル上の外的影響、例えば機械的な負荷や衝撃、あるいは湿度の侵入からトランスポンダ装置を保護してやらなければならない。さらにこのトランスポンダ装置は次のように配設されなければならない。すなわちケーブル製造中の例えば押し出し過程の際に生じる高温に直接さらされることのないように配設されなければならない。
【0007】
発明が解決しようとする課題
本発明の課題は、次のようなケーブルを提供することである。すなわちケーブルに関する広範囲で正確な情報を製造側で提供しそれらの情報へのアクセスを容易にさせ、ケーブルの製造の際及びケーブルの敷設の際の影響からできるだけ保護するためにトランスポンダ装置がケーブル内へ集積されているケーブルを提供することである。本発明のさらなる課題は、ケーブルに関する広範囲で正確な情報を製造側で提供しそれらの情報へのアクセスを容易にさせ、ケーブルの製造の際及びケーブルの使用の際の影響からできるだけ保護するためにトランスポンダ装置がケーブル内へ集積されているケーブルを製造するための方法を提供することである。さらに本発明の課題はそのようなケーブルの敷設箇所の位置特定方法を提供することである。
【0008】
課題を解決するための手段
前記課題は請求項1の特徴部分に記載されたケーブルによって解決され、請求項16の特徴部分に記載されたケーブル製造方法によって解決され、請求項21の特徴部分に記載されたケーブル位置特定方法によって解決される。
【0009】
発明を実施するための最良の形態
このケーブルは、トランスポンダ装置と、ケーブルシースと、伝送要素と、ブレードとを含んでおり、前記トランスポンダ装置は、デジタルデータを記憶するためのメモリと該デジタルデータを無線伝送するためのトランスポンダを有しており、前記ケーブルシースは、前記トランスポンダ装置を取り囲んでおり、前記伝送要素は、ケーブルシースによって取り囲まれ、当該伝送要素とケーブルシースの間に前記トランスポンダ装置が配設されており、前記ブレードは、前記伝送要素とトランスポンダ装置を取り囲み、当該ブレードによってトランスポンダ装置が伝送要素に保持されており、さらに前記ブレードによってトランスポンダ装置が熱的影響から十分に保護されるように構成されている。
【0010】
そのようなトランスポンダ装置は通常はRFIDタグ(Radio Frequency Identification Tag)、スマートチップ又はグリーンタグとも称される。このトランスポンダ装置はアンテナを介して例えば無線パルスを通信機器、特に読み取り装置若しくは書き込み装置から受信し、固定若しくは可変の情報を返信する。トランスポンダ装置は製造中にケーブルの構成的な構造部若しくは心線に集積され、ラベル内にはデジタルデータの記憶及び交換に必要な機能を含んでいる。このケーブルないし線路は電気的若しくは光学的な導体路を含んでおり、それらはエネルギーの伝送あるいはメッセージの転送のために設けられている。(装置の作動に必要な電力を通信機器の信号から得ている)パッシブトランスポンダ装置は実質的に無限の寿命を有し、埃や油、静電気にも不感である。そのようなトランスポンダ装置の典型的な記憶容量は2MB(Mega Byte)である。デジタルデータは例えば製造情報やケーブル区間の長さに依存した情報を含み得る。それらのデータは無線パスにおいてビジュアルリンクなしで高い伝送レートでメモリから読み出されたり、メモリに書き込まれる。データの交換は位置にかかわらずに行われる。つまり通信機器とトランスポンダ装置を所定の相対的位置に置くことなく行われる。しかしながらトランスポンダ装置はトランスポンダ装置の位置確定がケーブル又はラベルのルート検出のために必要であるのならば、適切に構成された通信機器によって検知され位置特定されてもよい。
【0011】
製造側でのケーブルへの情報の記憶は、製造メーカーからのケーブルに関する情報とケーブルとの間の対応付けの際に、データがケーブルとは別に記憶されている場合に発生し得るような困難性を回避させる。
【0012】
ケーブルが製造された後では、ケーブルシースがトランスポンダ装置にも支持要素よりも十分な保護を提供する。ケーブルシースによって取り囲まれたケーブルコア内へのトランスポンダ装置の挿入によってシースエクストルーダーで発生する温度に対するトランスポンダ装置の保護が保証される。
【0013】
伝送要素へのトランスポンダ装置の固定は、シースエクストルーダーにおけるトランスポンダ装置の簡単な取付けを可能にする。
【0014】
ブレードによってトランスポンダ装置はケーブルから離間され、それによってシースエクストルーダーで発生する温度に対して効果的に保護される。
【0015】
このケーブルは有利には長手区間の帯状の支持要素を含み、この支持要素にトランスポンダ装置が固定されている。
【0016】
この支持要素はプラスチックバンドであってもよいし、あるいは円形の断面を有していてもよい。トランスポンダ装置はこの支持要素内へ鋳込み成形されてもよい。そのようにすればトランスポンダ装置が既にケーブルの製造中に埃や油、静電気から保護されるようになる。
【0017】
前記ブレードは、繊維状の保持素子を含んでいる。
【0018】
この繊維状の保持素子は溶融物から押し出し成形されてもよい。
【0019】
前記繊維状の保持素子は有利にはカーボン繊維(ケブラー繊維)やガラス繊維を含んでいる。
【0020】
このケブラー繊維又はガラス繊維は、引張り負荷に対しても有効であり得る。
【0021】
前記伝送要素は有利には光導波路を含み、前記ケーブルはトランスポンダ装置を取り囲む周辺領域において有利には誘電材料のみから構成されている。
【0022】
トランスポンダ装置のアンテナ近傍に金属が何も配設されていないならば、トランスポンダ装置内に記憶されているデジタルデータは通信機器によって比較的離れた距離を介して読み出し可能である。
【0023】
前記伝送要素は有利には金属化部を含んでいる。
【0024】
トランスポンダ装置のアンテナの適切な配向によって金属導体路のあく影響が部分的に補償され得る。
【0025】
ケーブルは有利にはケーブルシースを含み、その中にトランスポンダ装置が埋込まれている。このケーブルシースはこの場合有利には2つの層を含んでおり、それらの層は押し出し成形法によって生成される。トランスポンダ装置は第1の金属層に被着される。引き続き第2の金属層がその上に押し出しされる。
【0026】
トランスポンダ装置は約200℃の温度にさらされ得る。シース押し出しの際には約85℃の温度が発生する。このトランスポンダ装置は例えばさらに高温のケーブルシース内へ押し込まれる可能性がある。
【0027】
ケーブルは有利には伝送要素を含んでおり、この伝送要素はスリーブを有している。この場合トランスポンダ装置はこのスリーブによって取り囲まれる。
【0028】
つまりトランスポンダ装置は伝送要素内部に配設されてもよい。このケースでは、ケーブルがそれぞれ1つの相応するトランスポンダ装置を有している複数のそのような伝送要素を含むことが考えられる。ケーブルの内部構造はケーブルから一緒に読み出される情報によって反映される。
【0029】
前記トランスポンダ装置は、プロセッサを含んでおり、該プロセッサにはトランスポンダを介して電力とシステムクロックが供給されており、さらに前記プロセッサは、メモリからのデジタルデータの読出しとトランスポンダを介したデジタルデータの送信を実施するように構成されている。
【0030】
トランスポンダを介して受信されたデジタルデータはプロセッサによってメモリに書込み可能である。
【0031】
トランスポンダ装置のメモリは例えば製造過程中か若しくは製造後に最初の書き込みが可能である。さらにメモリ内に含まれるデジタルデータはケーブルの修理の後で更新可能である。
【0032】
ケーブルの長手区間が所定の長さを有しており、前記メモリ内のデジタルデータは当該長手区間の長さに関する情報を含んでいる。
【0033】
ケーブルのメートル数はワイヤレス経路上で通信機器によって読み出される。2つの異なる箇所でのメートル数の読み出しによってこれらの箇所の間に設置されたケーブル区間の長さが検出できる。
【0034】
メモリ内のデジタル情報が第1の特徴を含んでおり、トランスポンダによって受信されたさらなるデジタルデータによって第2の特徴が定められており、前記メモリ内のデジタルデータは、第1の特徴と第2の特徴が一致した場合にのみメモリから読出し可能である。
【0035】
第1の特徴はほぼ製造メーカ側でトランスポンダ装置内に記憶されたセキュリティ上の特徴であり得る。通信機器から送信されたキーワードはセキュリティ特徴(情報)に基づいて検査され、その検査結果に依存して、記憶されているデータが転送されたり転送されなかったりする。そのようにして記憶されているデジタルデータは不正アクセスから保護されている。
【0036】
第1の特徴には有利にはケーブルの長手区間の長さに関する情報が含まれている。
【0037】
この第1の特徴はトランスポンダ装置内に記憶されたメートル数を含み得る。第2の特徴はテスト値を含み得る。このトランスポンダ装置は次のように構成されていてもよい。すなわちテスト値と記憶されているメートル数が一致した場合にのみ送信信号に応答するように構成されていてもよい。そのようにすれば、複数のトランスポンダ装置の中から通信機器の応答レンジ内に配置されている1つのみを応答させる衝突のないプロトコルが実現できる。
【0038】
トランスポンダ装置は有利にはパッシブシステムとして構成される。このケースでは、トランスポンダ装置を含んでいるチップ上にエネルギー供給装置を設ける必要がない。トランスポンダ装置を作動させるためのエネルギーは例えば通信機器の電磁界から直接ピックアップされる。
【0039】
本発明の別の実施例によれば、前記トランスポンダ装置は、トランスポンダ装置のためのエネルギー供給を提供するための固有の供給装置を含んだアクティブシステムとして構成されている。この場合トランスポンダ装置に供給するためのエネルギーは有利には再充電可能な供給装置によって提供される。本発明のさらなる特徴によれば、前記再充電可能な供給装置は、再充電可能な蓄電池として構成されている。この再充電可能な供給装置は有利にはワイヤレス経路上で再充電可能である。
【0040】
トランスポンダ装置はそれによって電力を供給するための、あるいはデジタルデータを交換するための露出されたコネクタ等を必要とせず、シールド形態で何らかの摩耗やメンテナンスを必要とすることなくケーブル内に挿入され得る。再充電可能な蓄電池を備えたトランスポンダ装置は、有効範囲の広いトランスポンダが望まれるときやケーブルが金属化部を有する伝送要素を含んでいるときにもちいることが可能である。
【0041】
再充電可能な蓄電池の利用によって、ユーザーにはトランスポンダ装置の機能が時間的に無制限に使用できることが保証される。蓄電池が放電した場合、あるいは蓄電池が既に何度も行われたトランスポンダへのアクセスに起因して放電状態に達した場合には、トランスポンダ装置のメモリからの情報の書き込みや読み出しがもはや不可能となり、トランスポンダ装置のためのエネルギー供給を提供する供給装置が再び充電される。この充電は有利には無線リンクを介したワイヤレスで行われるので、地中に埋込まれたケーブルを掘り出す必要はない。それでもやはりエネルギー供給に対してバッテリが用いられる場合には、長寿命を保証するためにもバッテリが送信に対してのみ応答するようにしたほうがよい。
【0042】
本発明によるケーブルを製造するための方法は、少なくとも1つの光導波路を含んでいる伝送要素を供給するステップと、デジタルデータを記憶するそれぞれ1つのメモリを備えた複数のトランスポンダ装置を供給するステップを含んでいる。前記伝送要素と複数のトランスポンダ装置は製造ユニットに供給される。この製造ユニットにおいては前記トランスポンダ装置を伝送要素に保持するブレードが生成される。前記ブレード周りにはケーブルシースが押し出される。この場合前記トランスポンダ装置はこのブレードによって、ケーブルシースの押し出しの際に発生する高温から十分に保護される。
【0043】
ケーブルの製造の際には例えば複数のトランスポンダ装置が規則的な間隔をおいてシースエクストルーダーに供給される。このシースエクストルーダーにおいては、ケーブルシースが複数のトランスポンダ装置周りに押し出され、その際のシース材料中の温度は約85℃に達する。通常のトランスポンダ装置は200℃までの温度にさらすことができるので、これらの複数のトランスポンダ装置はもっと高温のシース材料中にも挿入が可能である。
【0044】
通常のブレードは例えばストレインリリーフエレメントやエクパンディングフェルトなどを含んでいる。通常の物質の多くは、シース押し出し直後のシース材料中に発生する温度に対するトランスポンダ装置の耐熱性向上にも適している。
【0045】
ブレードを生成するステップには有利にはケブラー繊維やガラス繊維を供給するステップが含まれる。
【0046】
このケブラー繊維やガラス繊維は通常は引張りや歪みの緩和に用いられる。
【0047】
前記方法には有利には、デジタルデータを複数のトランスポンダ装置のそれぞれ1つに無線伝送するための書き込み装置を供給するステップと、デジタルデータを複数のトランスポンダ装置のそれぞれ1つのメモリ内に書き込むステップとが含まれる。
【0048】
前記トランスポンダ装置はケーブル内への挿入の前若しくは後にプログラミングが可能である。ケーブル内へ挿入した後は複数のトランスポンダ装置の各々はトランスポンダを介してのみプログラミング可能となる。そのためメモリはプロセッサによって書込み可能でなければならない。ケーブル内への挿入前で特にトランスポンダ装置のシーリング前はトランスポンダやプロセッサを迂回したメモリのプログラミングも可能であろう。従ってメモリはプロセッサに対して読み出しのみ可能に実施されてもよい。
【0049】
前記方法は有利には、複数のトランスポンダ装置を長手区間の帯状支持要素を用いて製造ユニッに供給するステップを含んでおり、前記支持要素は長手方向において複数の区間に分割され、該区間内若しくは該区間表面に複数のトランスポンダ装置の各々1つが固定されている。
【0050】
支持要素は例えば円形の断面を有していてもよいし、伝送要素若しくは引張り緩和要素のために設けられた供給装置と共にケーブル内に埋込まれてもよい。
【0051】
前記方法は有利には伝送要素と共に支持要素が捩られるステップを含んでいる。
【0052】
そのような捩りは例えばこれらの支持要素と伝送要素の機械的な特性が相互に類似している場合に有利となる。しかしながら支持要素の周りで複数の伝送要素が捩られるようにすることも可能である。
【0053】
ケーブルの所定の箇所を位置特定するための方法は、本発明によるケーブルを供給するステップと、ケーブルの長手区間の長さを確定できるデジタルデータをトランスポンダ装置のメモリ内に記憶するステップと、ケーブルに沿って伝播される第1の測定信号を生成し、ケーブルに沿って存在する所定の箇所における第1の測定信号の反射によって第2の測定信号を生成する前提のもとで、ケーブルを介して到来する第2の測定信号を検出し、前記第1の測定信号と第2の測定信号の間の遅延時間を検出するための測定機器を供給するステップを含んでいる。前記遅延時間からは前記測定機器と所定の箇所との間の間隔距離が確定される。さらに前記方法は、読み取り装置の位置に依存して空間的に制限された応答レンジを有する読み取り装置を供給するステップを含み、この場合トランスポンダ装置が応答レンジ内に存在している場合にはデジタルデータが当該読み取り装置によってトランスポンダ装置から読出し可能である。さらに前記方法は、デジタルデータをメモリから読み出し、ケーブルの長手区間の長を確定し、読み取り装置の位置に前記長さを対応付けるステップを含んでいる。前記所定箇所の位置は、前記遅延時間から求められた間隔と、トランスポンダ装置のメモリから読み出された長さの比較によって求められる。
【0054】
デジタルデータの読み出しによって2つの箇所の間に設置されたケーブル区間の長さが検出できる。読み出し装置の位置と応答レンジの寸法から2つの箇所の間の距離が推定可能である。それにより例えば地中に埋設されたケーブル上のメートルマークから位置座標を比較的正確に推定することが可能となる。
【0055】
線路中断箇所から反射された電磁的信号の伝播時間ないし遅延時間の測定によって、測定位置から測定され線路中断箇所までのケーブル長さを求めることが可能になる。従ってケーブルの経過を追跡することができ、長さに依存した情報を複数のトランスポンダ装置の各々から読み出すことができる。遅延時間の測定から求められた長さに相応する箇所に達した場合には、隣接するトランスポンダ装置が応答レンジの絞り込みによって最大精度で位置特定でき、さらに線路中断ないし破断箇所の位置が適切な補間によって確定される。最後にこの該当するケーブルを掘り出して線路破断箇所が取り除かれる。
【0056】
前記方法にはさらに有利には前記トランスポンダ装置の所定の箇所のより正確な絞り込みのために応答レンジを縮小するステップが含まれている。
【0057】
例えば1つの応答レンジはまず約30mの半径を有していて、この半径がその後複数のトランスポンダ装置のうちの1つを正確に位置特定するために段階的に例えば約1mに絞り込まれていってもよい。
【0058】
図面の説明
図1は本発明によるケーブルと通信機器の間の信号交換の例を示した図であり、
図2は本発明によるケーブルの実施例を示した図であり、
図3は本発明によるケーブル実施例の断面を示した図であり、
図4は本発明によるケーブルの製造方法の実施例を示した図であり、
図5はケーブルの位置測定のための方法と管路欠陥の位置特定のための方法の適用例を示した図であり、
図6は、本発明によるケーブルのトランスポンダ装置のブロック回路図であり、
図7は本発明によるケーブルのトランスポンダ装置と通信機器の間の電磁的な結合の例を示した図である。
【0059】
実施例
図1には本発明によるケーブルと通信機器の例示的な配置構成が示されている。ケーブル40は複数のトランスポンダ装置10を含み、これらのトランスポンダ装置はケーブル40に沿って相互に間隔をおいて配設され当該ケーブル40内に統合されている。トランスポンダ装置10はそれぞれデジタルデータ1231の記憶と、第1の信号51の受信と、第2の信号52の生成のために構成されている。隣接するトランスポンダ装置10の間にはそれぞれケーブル40の1つの区分が配設されている。通信機器20は第1の信号の生成と第2の信号52の検出のために構成されている。第1の信号51は電力511の伝送と通信機器20からトランスポンダ装置10へのクロック制御信号512の伝送のために用いられる。第2の信号52はトランスポンダ装置10から通信機器20へのデジタルデータ1231の伝送のために用いられる。第1の信号51は、付加的にデジタルデータ1231の伝送若しくはさらなるデジタルデータ1232の伝送のために用いられる。これらのトランスポンダ装置10はそれぞれ第1の信号と共に伝送されるデジタルデータ1231の記憶のために構成されている。
【0060】
図2には本発明によるケーブルの実施例が示されている。ケーブル40は、複数の伝送要素400を含んでおり、これらの伝送要素はケーブルシース41によって取り囲まれ、ケーブル長手方向に延在している。伝送要素400はそれぞれケーブル長手方向に延在する少なくとも1つの光導波路及び/又は金属線を含んでいる。図示のケーブル区分は、さらにトランスポンダ装置10の1つを含んでいる。前記トランスポンダ装置10の各々1つは、アンテナ11と集積回路12と接続コンタクト13を有しており、この場合集積回路12はそれぞれ1つの接続コンタクト13を介してアンテナ11に接続されている。集積回路12は、アンテナ11を介した第1の信号51の受信と、アンテナ11を介した第2の信号52の送信と、第1の信号51と共に伝送されるデジタルデータ1231の記憶のために構成されている。例えばデジタルデータ1231は、基準位置0とそれぞれの各トランスポンダ装置10との間に配設されるケーブル40の長さdに関する情報を含んでいてもよい。
【0061】
図3には本発明によるケーブルの断面図が示されている。このケーブル40はケーブルシース41と一般に複数の伝送要素400を含んでおり、これらの伝送要素400はケーブルシース41によって囲まれている。各伝送要素400はスリーブ401を含み、一般に複数の導体路4000、例えば複数の光導波路及び/又は電気的導体路を含んでいる。これらの導体路は、中央に配置された導電領域4002、例えばグラスファイバー又は金属線と、当該線路領域を取り囲んでいる絶縁領域4001、例えばプラスチック層を含んでいる。ケーブル40は、伝送要素400を取り囲むブレード43を含み得る。前記ブレードは繊維状の保持素子431、例えばカーボン繊維(ケブラー繊維)やガラス繊維を含んでいてもよい。この繊維状の保持素子は引張りや歪みの緩和に用いられてもよい。ケーブルは複数のトランスポンダ装置10を含んでおり、これらのトランスポンダ装置10は当該ケーブル40の長手方向に延在する支持要素60に固定されている。この支持要素601は有利にはプラスチックから成るフィルムであり、その表面若しくは中にトランスポンダ装置10が固定されている。支持要素60とトランスポンダ装置10は、例えば伝送要素400と繊維状保持素子431の間に配設される。またこの支持要素60とトランスポンダ装置10は、ブレード43とケーブルシース41の間に配設されてもよい。トランスポンダ装置10はさらに個別にケーブルシース41内に埋込まれてもよい。
【0062】
図4には本発明によるケーブルの製造方法に対する実施例が示されている。ケーブル40の製造のための製造区間には、複数のスリーブエクストルーダー81と、捩り及び編み装置82と、シースエクストルーダー83と冷却区間84が含まれている。スリーブエクストルーダー81の各々では、相応のスリーブ401が一般には複数の相応する導体路4000,例えば光導波路若しくは電気的導体路の周囲に押し出し成形され、それによって伝送要素400の各々が生成される。それに対してこのスリーブエクストルーダー81にはそのつど相応する導波路4000とスリーブ材料811の溶融物が供給される。捩り及び編み装置82では、伝送要素400がまず相互に捩られ、引き続きブレード43を組まれることでケーブルコア42が形成される。それに対して前記捩り及び編み装置82には伝送要素400と繊維状の保持素子431が供給されている。繊維状保持素子431は、ブレード材料の溶融材から押し出しされてもよい。シースエクストルーダー83ではケーブルシース41がケーブルコア42の周りに押し出しされ、それによってケーブル40が形成される。それに対してシースエクストルーダー83にはケーブルコア42と流体状シース材料831の溶融物が供給される。ケーブル40は冷却区間84に沿って冷却され、ケーブルドラムに巻き取られる。
【0063】
この製造区間はさらにトランスポンダ装置10をケーブル内に設けるための供給ユニット85を含んでいる。トランスポンダ装置10は例えば組み付け装置85によって、長手方向に延在する帯状の支持要素60に被着されケーブルシース41内に挿入される。この支持要素60は例えば伝送要素400と一緒に捩り及び編み装置82に供給される。それによりブレード43が支持要素60とトランスポンダ装置10を囲繞することが達成される。
【0064】
支持要素60はまたケーブルコア42と共にシースエクストルーダー83に供給され得る。それによりトランスポンダ装置10がケーブルコア42とケーブルシース41の間に配置されることが達成される。
【0065】
前記製造区間はさらにトランスポンダ装置10のプログラミングのための書込み装置2012を含み得る。トランスポンダ装置10はケーブル40内への挿入前若しくは後にプログラミング可能である。その際にトランスポンダ装置10の各メモリ123内には、デジタルデータ1231と、特にそれぞれの各トランスポンダ装置10と基準位置70との間に配設されるケーブル40区間の長さdに関する情報が記憶される。
【0066】
図5には、ケーブル40の位置測定と線路欠陥箇所の位置特定のための方法に対する実施例が示されている。ケーブル40内には複数のトランスポンダ装置10が設けられている。これらのトランスポンダ装置10の各々と測定位置70との間にはケーブル40の1つの長手区間が配置されており、この長手区間は相応する長さdを有している。第1及び第2のトランスポンダ装置10と基準位置70との間には、それぞれ長さd1、d2を有するケーブル40の各長手区間が配置されている。第1及び第2の各トランスポンダ装置10には、それぞれの長さd1,d2が記憶されている。この第1及び第2の各トランスポンダ装置10の間には、線路欠陥71が存在している。基準位置70においてケーブルはアクセス可能である。前記線路欠陥71を位置特定するために、まず基準位置70において、導体路4000の1つに接続された測定装置90を用いて、ケーブル40に沿って伝播する信号が生成される。この信号の一部は前記線路欠陥71において反射され、測定装置90によって検出される。反射された一部の信号の遅延(伝播)時間Δtから基準位置70と当該線路欠陥の間に配置されたケーブル40区間の長さΔsが確定される。それによって、それらの間に線路欠陥が存在している第1及び第2のトランスポンダ装置10が位置特定される。それに対しては読取り装置20が基準位置70から線路欠陥71方向へのケーブル40のおおよそのルートに沿って移動する。その間読取り装置20からは第1の信号51が送信される。読み取り装置20周辺の応答レンジ2011内に存在する各トランスポンダ装置10は第1の信号51を介して電力とシステムクロックを受信し、第2の信号52を介してトランスポンダ装置内に記憶されているデジタルデータ1231を転送する。このようにしてそれぞれの応答レンジ2011内に敷設された各トランスポンダ装置10のデジタルデータ1231が読み取り装置20によって読出される。データが何も読出されなかった場合には、その応答レンジ2011内にはトランスポンダ装置10が何も存在していない。応答レンジ2011内に少なくとも1つのトランスポンダ装置10が存在する場合には、当該の少なくとも1つのトランスポンダ装置10と基準位置70の間に配設されたケーブル40の長手区間の長さdが検出できる。同時に読取り装置20の応答レンジ2012と位置2010が既知となる。特に第1及び第2のトランスポンダ装置10からのデジタルデータ1231が、読取り装置20によって長さd1及びd2に対するそれぞれ記憶されている値と共に読出される場合には、当該第1及び第2のトランスポンダ装置10の間に位置している線路欠陥71が読取り装置20の応答レンジ内に存在し、それに伴って位置測定ないし位置特定がなされる。前述した位置測定方法の精度は次のようにすることで向上させることが可能である。すなわち応答レンジ2011の半径及び/又は立体角を送信出力の低減及び/又は方向性アンテナの使用によって制限することで向上させることが可能である。
【0067】
図6には、本発明によるケーブル40のトランスポンダ装置10のブロック回路図が示されている。この回路は、送信器124と受信器125(これらはそれぞれアンテナ11に接続されている)、前記送信器124と受信器125に接続されているプロセッサ122、該プロセッサ122に接続されているメモリ123を含んでいる。さらにこの回路は前記アンテナ11に接続された整流器120と前記アンテナ11に接続されたクロック制御部121を含み、前記整流器120はプロセッサ122と送信器124と受信器125に直流電圧を供給し、前記クロック制御部121はプロセッサ122にシステムクロックCを供給している。整流器120に電圧Cを供給するために再充電可能な蓄電池126が設けられている。この蓄電池126はこの場合有利には無線手段(例えばワイヤレス)で再充電可能である。それによりトランスポンダ装置は短い充電期間の後にはいつでも使用可能になる。この無線リンクを介した蓄電池の充電によって当該ケーブルとトランスポンダ装置の探索や掘り起こしが回避される。その代わりに蓄電池は地上のユーザーによって充電されるようになる。
【0068】
その他にも純粋なパッシブシステムを用いることも可能である。その場合には図6において蓄電池126は設けられない。トランスポンダ装置10のパッシブなエネルギー供給のためには読み取り装置からアンテナ11に放射された電界から電力がピックアップされ、それがトランスポンダ装置の作動に利用される。
【0069】
受信器125によってデジタル入力データIがアンテナ11を介して受信された第1の信号51から読出され、プロセッサ122に転送される。送信器124によって、プロセッサ122から転送されたデジタル出力データOは第2の信号52に挿入される。入力データIはプロセッサ122によって制御のために利用されるか若しくはメモリ123に記憶される。出力データOはプロセッサ122によってメモリ123から読出される。
【0070】
図7には本発明によるトランスポンダ装置10の回路例と読み取り装置20の間の電磁結合が示されている。トランスポンダ装置10のアンテナ11と読み取り装置20のさらなるアンテナ21はそれぞれ誘導結合されたコイルとして構成されている。アンテナ11のインダクタンスと入力キャパシタンス1251は、アンテナ11の巻線抵抗111と負荷抵抗1252によって減衰される並列共振回路を形成しており、その共振周波数は読取り装置20の送信周波数に調整されている。
【0071】
トランスポンダ装置10に記憶されているデジタルデータ1231の読出しのために読取り装置20のさらなるアンテナ21において高周波な交流磁界が生成される。それにより高周波な交流電圧がトランスポンダ装置10のアンテナ11に誘起される。この高周波な交流電圧からはプロセッサ122の電力供給とクロック制御のための直流電圧とクロック周波数が導出される。
【0072】
トランスポンダ装置10のプロセッサ122から送信器124に転送された出力データOによってスイッチSが制御される。例えばハイレベルはスイッチSの接続された状態に相応し、ローレベルはスイッチSの開かれた状態に相応する。スイッチSが閉じられた場合には負荷抵抗1252にさらなる負荷抵抗1253が並列接続される。つまり当該並列共振回路の全負荷抵抗はスイッチSの状態に依存して変化する。少ない負荷抵抗のもとでは比較的高い電流がアンテナ11に流れる。トータルの負荷抵抗の変化はアンテナ11を流れる電流の変化に作用し、誘導結合の結果として読取り装置20のさらなるアンテナ21において付加的な電圧を引き起こす。このいわゆるトランスフォーマーカップリングによって出力データOはトランスポンダ装置10から読取り装置20に転送される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明によるケーブルと通信機器の間の信号交換の例を示した図
【図2】本発明によるケーブルの実施例が示された図
【図3】本発明によるケーブル実施例の断面図、
【図4】本発明によるケーブルの製造方法の実施例を示した図
【図5】ケーブルの位置測定のための方法と管路欠陥の位置特定のための方法の適用例を示した図
【図6】本発明によるケーブルのトランスポンダ装置のブロック回路図
【図7】本発明によるケーブルのトランスポンダ装置と通信機器の間の電磁的な結合の例を示した図
【符号の説明】
【0074】
10 トランスポンダ装置
11 アンテナ
111 アンテナ抵抗
12 集積回路
1251 入力キャパシタンス、コンデンサー
1252 入力抵抗
1253 負荷抵抗
1254 制御可能なスイッチ
120 整流器
121 クロック制御部
122 プロセッサ
123 メモリ
124 送信器、トランスミッタ
125 受信器
13 接続コンタクト
20 通信機器
2010 通信機器の場所
2011 応答レンジ
R 半径
0 空間角度
30 制御プログラムを有するさらなるプロセッサ
40 ケーブル
41 ケーブルシース
42 ケーブルコア
43 ブレード
400 伝送要素
401 スリーブ
4000 光導波路又は電気的導体路
4001 ファイバー被覆層又はワイヤ絶縁層
4002 グラスファイバ又は金属ワイヤ
51 第1の信号
52 第2の信号
511,P 電力
512,C システムクロック
1231 デジタルデータ
12311 第1の特徴
1232 さらなるデジタルデータ
12321 第2の特徴
60 支持要素
70 基準位置
71 線路欠陥
81 スリーブエクストルーダー
811 スリーブ材料
62 捩じり及び編み装置
83 シースエクストルーダー
831 シース材料
84 冷却区間
85 組付け装置
90 遅延時間測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル(40)において、
前記ケーブルは、トランスポンダ装置(10)と、ケーブルシース(41)と、伝送要素(400)と、ブレード(43)とを含んでおり、
前記トランスポンダ装置(10)は、デジタルデータ(1231)を記憶するためのメモリ(123)と該デジタルデータ(1231)を無線伝送するためのトランスポンダ(11,124,125)を有しており、
前記ケーブルシース(41)は、前記トランスポンダ装置(10)を取り囲んでおり、 前記伝送要素(400)は、ケーブルシース(41)によって取り囲まれ、当該伝送要素(400)とケーブルシース(41)の間に前記トランスポンダ装置(10)が配設されており、
前記ブレード(43)は、前記伝送要素(400)とトランスポンダ装置(10)を取り囲み、当該ブレードによってトランスポンダ装置(10)が伝送要素(400)に保持されており、さらに前記ブレード(43)によってトランスポンダ装置(10)が熱的影響から十分に保護されるように構成されていることを特徴とするケーブル。
【請求項2】
長手区間に帯状の支持要素(60)を含み、該支持要素はケーブルシース(41)によって取り囲まれており、前記トランスポンダ装置(10)は当該支持要素(60)に固定されている、請求項1記載のケーブル。
【請求項3】
前記ブレード(43)は、繊維状の保持素子(431)を含んでいる、請求項1又は2記載のケーブル。
【請求項4】
前記繊維状の保持素子(431)はケブラー繊維若しくはガラス繊維を含んでいる、請求項3記載のケーブル。
【請求項5】
前記伝送要素(400)は光導波路(4000)を含み、前記ケーブル(40)はトランスポンダ装置(10)を取り囲む周辺領域(402)において純粋に誘電的に構成されている、請求項1から4いずれか1項記載のケーブル。
【請求項6】
前記伝送要素(400)は金属化部を含んでいる、請求項1から5いずれか1項記載のケーブル。
【請求項7】
前記トランスポンダ装置(10)は、プロセッサ(122)を含んでおり、該プロセッサ(122)にはトランスポンダ(124,125)を介して電力とシステムクロック(C)が供給されており、さらに前記プロセッサ(122)は、メモリ(123)からのデジタルデータ(1231)の読出しとトランスポンダ(124,125)を介したデジタルデータ(1231)の送信を実施するように構成されている、請求項1から6いずれか1項記載のケーブル。
【請求項8】
トランスポンダ(124,125)を介して受信されたデジタルデータ(1231)はプロセッサ(122)によってメモリ(123)に書き込み可能である、請求項7記載のケーブル。
【請求項9】
ケーブル(40)の長手区間が長さ(d1,d2)を有しており、前記メモリ(123)内のデジタルデータ(1231)が当該長手区間(401)の長さ(d1,d2)に関する情報を含んでいる、請求項7または8記載のケーブル。
【請求項10】
メモリ(123)内のデジタル情報(1231)が第1の特徴(12311)を含んでおり、トランスポンダ(124,125)によって受信されたさらなるデジタルデータ(1232)によって第2の特徴(12321)が定められており、前記メモリ(123)内のデジタルデータ(1231)は、第1の特徴(12311)と第2の特徴(12321)が一致した場合にのみメモリ(123)から読出し可能である、請求項7から9いずれか1項記載のケーブル。
【請求項11】
前記第1の特徴(12311)はケーブル(40)の長手区間の長さ(d1,d2)に関する情報を含んでいる、請求項10記載のケーブル。
【請求項12】
前記トランスポンダ装置は、トランスポンダ装置の作動のためのエネルギーを電磁界からピックアップするパッシブシステムとして構成されている、請求項1から11いずれか1項記載のケーブル
【請求項13】
前記トランスポンダ装置は、トランスポンダ装置のためのエネルギー供給を提供するための供給装置(126)を含んでいるアクティブシステムとして構成されている、請求項1から11いずれか1項記載のケーブル
【請求項14】
前記エネルギー供給を提供するための供給装置は、再充電可能な蓄電池を含んでいる、請求項13記載のケーブル。
【請求項15】
前記供給装置は無線手段によって再充電可能である、請求項14記載のケーブル。
【請求項16】
ケーブル(40)を製造するための方法において、
少なくとも1つの光導波路(4000)を含んでいる伝送要素(400)を供給するステップと、
デジタルデータ(1231)を記憶するそれぞれ1つのメモリ(123)を備えた複数のトランスポンダ装置(10)を供給するステップと、
前記伝送要素(400)と複数のトランスポンダ装置(10)を製造ユニット(82)に供給するステップと、
前記製造ユニット(82)において前記トランスポンダ装置を伝送要素に保持するブレード(43)を生成するステップと、
前記ブレード(43)周りにケーブルシース(41)を押し出しするステップとを有し、
前記トランスポンダ装置(10)がブレード(43)によって、ケーブルシース(41)の押し出しの際に発生する高温から十分に保護されるようにしたことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記ブレード(43)を生成するステップに、ケブラー繊維(431)又はガラス繊維(432)を供給するステップが含まれる、請求項16記載の方法。
【請求項18】
デジタルデータ(1231)を複数のトランスポンダ装置(10)のそれぞれ1つに無線伝送するための書込み装置(20)を供給するステップと、デジタルデータ(1231)を複数のトランスポンダ装置のそれぞれ1つのメモリ(123)内に書き込むステップとが含まれる、請求項16または17記載の方法。
【請求項19】
複数のトランスポンダ装置(10)を長手区間の帯状支持要素(60)を用いて製造ユニット(82)に供給するステップを含み、前記支持要素(60)は長手方向において複数の区間(601)に分割され、該区間内若しくは該区間表面に複数のトランスポンダ装置(10)の各々1つが固定されている、請求項16から18いずれか1項記載の方法。
【請求項20】
前記支持要素(60)を伝送要素(400)と共に捩り込むステップが含まれている、請求項19記載の方法。
【請求項21】
ケーブル(40)の所定の箇所(71)を位置特定するための方法において、
請求項1から15いずれか1項記載のケーブル(40)を供給するステップと、
ケーブル(40)の長手区間(401)の長さ(4011)を確定できるデジタルデータ(1231)をトランスポンダ装置(10)のメモリ(123)内に記憶するステップと、
ケーブル(40)に沿って伝播される第1の測定信号(901)を生成し、ケーブル(40)に沿って存在する所定の箇所(71)における第1の測定信号(901)の反射によって第2の測定信号(902)を生成する前提のもとで、ケーブル(40)を介して到来する第2の測定信号(902)を検出し、前記第1の測定信号(901)と第2の測定信号(902)の間の遅延時間(Δt)を検出するための測定機器(90)を供給するステップと、
前記遅延時間(Δt)から前記測定機器(90)と所定箇所(71)の間の間隔(Δs)を確定するステップと、
読み取り装置(20)の位置(2010)に依存して空間的に制限された応答レンジ(2011)を有する読み取り装置(20)を供給するステップと、この場合トランスポンダ装置(10)が応答レンジ(2011)内に存在している場合にはデジタルデータ(1231)が当該読み取り装置(20)によってトランスポンダ装置(10)から読出し可能であり、
デジタルデータ(1231)をメモリ(123)から読み出し、ケーブル(40)の長手区間の長さ(d1,d2)を確定し、読み取り装置(20)の位置(2010)に前記長さ(d1,d2)を対応付けるステップと、
前記遅延時間(Δt)から求められた間隔(Δs)と、トランスポンダ装置(10)のメモリ(123)から読み出された長さ(d1,d2)の比較によって前記箇所(71)の位置を求めるステップとを有していることを特徴とする方法。
【請求項22】
前記トランスポンダ装置(10)の箇所(1010)のより正確な絞り込みのために応答レンジ(2011)を縮小するステップが含まれている、請求項21記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−517336(P2008−517336A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537227(P2007−537227)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011360
【国際公開番号】WO2006/045560
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(502057980)シーシーエス テクノロジー インコーポレイテッド (14)
【氏名又は名称原語表記】CCS Technology, Inc.
【住所又は居所原語表記】103 Foulk Road, Wilmington, Delaware 19803, USA
【Fターム(参考)】