説明

ゲームプログラム、ゲーム装置及びゲーム制御方法

【課題】プレイヤがキャラクタに対する命令を迅速に実行することができるようにする。
【解決手段】本ゲームプログラムでは、ゲーム空間を第1方向から見たときのキャラクタ102および移動体110が、制御部1に認識されたキャラクタの位置および移動体110の位置において画像表示部3に表示される。そして、画像表示部3に表示されたキャラクタ102の動作に応じて移動体110の移動方向が変化したか否かが制御部1により判断される。そして、キャラクタ102の動作に応じて移動体110の移動方向が変化したと制御部1に判断された場合に、変化した移動体110の移動方向に定められる移動体110の軌道150に近いキャラクタ103Aが第1対象キャラクタとして制御部1に認識される。そして、第1対象キャラクタに対応する情報200が画像表示部3に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、特に、画像表示部にキャラクタおよび移動体が表示されるゲームをコンピュータに実現させるためのゲームプログラムに関する。また、このゲームプログラムにより実現されるゲームを実行可能なゲーム装置、およびこのゲームプログラムにより実現されるゲームをコンピュータにより制御可能なビデオゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々なビデオゲームが提案されている。これらビデオゲームは、ゲーム装置において実行されるようになっている。たとえば、一般的なゲーム装置は、モニタと、モニタとは別体のゲーム機本体と、ゲーム機本体とは別体の入力部たとえばコントローラとを有している。コントローラには、複数の入力釦が配置されている。このようなゲーム装置においては、入力釦を操作することにより、モニタに表示されたキャラクタを動作させることができるようになっている。
【0003】
このようなゲーム装置において実行されるゲームの1つとして、対戦ゲームたとえば野球ゲームがある(非特許文献1を参照)。この野球ゲームでは、プレイヤがコントローラを操作することにより、投手キャラクタ、野手キャラクタおよび打者キャラクタに各種の指示をすることができる。たとえば、プレイヤが守備側のキャラクタを操作する場合、まず、打撃画面において、投手キャラクタと野手キャラクタとがモニタに表示される。そして、投手キャラクタに投球指示をすると、投手キャラクタからリリースされたボールがモニタに表示される。そして、相手プレイヤが打者キャラクタにスイング指示をすると、打者キャラクタがスイング動作する状態がモニタに表示される。そして、打者キャラクタのスイング動作によりボールが打ち返されると、打撃画面において、打ち返されたボールがモニタに表示される。そして、打撃画面から守備画面へと画面の切り換えが行われ、守備画面において、打者キャラクタにより打ち返されたボールと野手キャラクタとが表示される。このとき、打者キャラクタにより打ち返されたボールの移動方向に位置する野手キャラクタの上方には、三角記号が表示される。この状態で、プレイヤがコントローラの十字ボタンを操作すると、三角記号の下方に表示された野手キャラクタが操作された十字ボタンの方向に移動する状態が、モニタに表示される。そして、打ち返されたボールの近傍に野手キャラクタを移動させることができれば、野手キャラクタがボールを捕球する状態がモニタに表示される。すなわち、野手キャラクタにボールを捕球させることができる。
【非特許文献1】実況パワフルプロ野球12、コナミ株式会社、PS2版、2005年7月14日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の野球ゲームでは、打者キャラクタにより打ち返されたボールがモニタに表示された後に打撃画面から守備画面へと画面の切り換えが行われ、守備画面においてコントローラの十字ボタンが操作されることによって、野手キャラクタを打ち返されたボールの方向に移動させるようになっていた。しかしながら、打者キャラクタによりボールが打ち返されてから、打ち返されたボールが野手キャラクタの近傍に移動するまでの時間が、非常に短いにもかかわらず、プレイヤは、打撃画面から守備画面への切り換えが行われた後に、守備画面において、複数の野手キャラクタの中から操作対象にすべき野手キャラクタを選択する判断を行い、且つその選択した野手キャラクタに移動命令を指示しなければならなかった。このため、プレイヤは、操作対象にする野手キャラクタの選択を誤ってしまったり、野手キャラクタに指示する移動方向を誤ってしまったりするという問題点があった。たとえば、従来の野球ゲームでは、打撃画面において打者キャラクタによりボールが三遊間の方向に打ち返された場合、打撃画面において、プレイヤは、操作対象にすべき野手キャラクタがサードのキャラクタなのかショートのキャラクタなのかを判断することが難しい。この状態で、プレイヤは、打撃画面から切り換えられた守備画面において、ショートのキャラクタおよびサードのキャラクタのいずれか一方のキャラクタを選択する判断を行い、且つその選択したキャラクタに移動命令を指示しなければならならない。このため、プレイヤは、サードのキャラクタを選択することを望んでいたにもかかわらず、誤ってショートのキャラクタを選択してしまったり、選択したキャラクタに指示する移動方向を誤ってしまったりするという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、プレイヤがキャラクタに対する命令を迅速に実行することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係るゲームプログラムは、画像表示部にキャラクタおよび移動体が表示されるゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(1)ゲーム空間を制御部に認識させるゲーム空間認識機能。
(2)ゲーム空間に配置される複数のキャラクタの位置を制御部に認識させるキャラクタ位置認識機能。
(3)ゲーム空間において移動する移動体の位置を制御部に認識させる移動体位置認識機能。
(4)ゲーム空間を第1方向から見たときの複数のキャラクタのうちの少なくともいずれか1つのキャラクタおよび移動体を、制御部に認識されたキャラクタの位置および移動体の位置において画像表示部に表示する第1オブジェクト表示機能。
(5)画像表示部に表示されたキャラクタの動作に応じて移動体の移動方向が変化したか否かを制御部に判断させる移動方向判別機能。
(6)キャラクタの動作に応じて移動体の移動方向が変化したと制御部に判断された場合に、変化した移動体の移動方向に定められる移動体の軌道に近いキャラクタを第1対象キャラクタとして制御部に認識させる第1対象キャラクタ認識機能。
(7)第1対象キャラクタに対応する情報を画像表示部に表示する第1対象キャラクタ情報表示機能。
【0007】
このゲームプログラムでは、ゲーム空間認識機能において、ゲーム空間が制御部に認識される。キャラクタ位置認識機能においては、ゲーム空間に配置される複数のキャラクタの位置が制御部に認識される。移動体位置認識機能においては、ゲーム空間において移動する移動体の位置が制御部に認識される。第1オブジェクト表示機能においては、ゲーム空間を第1方向から見たときの複数のキャラクタのうちの少なくともいずれか1つのキャラクタおよび移動体が、制御部に認識されたキャラクタの位置および移動体の位置において画像表示部に表示される。移動方向判別機能においては、画像表示部に表示されたキャラクタの動作に応じて移動体の移動方向が変化したか否かが制御部により判断される。第1対象キャラクタ認識機能においては、キャラクタの動作に応じて移動体の移動方向が変化したと制御部に判断された場合に、変化した移動体の移動方向に定められる移動体の軌道に近いキャラクタが第1対象キャラクタとして制御部に認識される。第1対象キャラクタ情報表示機能においては、第1対象キャラクタに対応する情報が画像表示部に表示される。
【0008】
たとえば、このゲームプログラムによって野球ゲームが実現された場合、野球ゲームを実行するためのゲーム空間が制御部に認識される。そして、このゲーム空間に配置される投手キャラクタ、打者キャラクタ、野手キャラクタ、および捕手キャラクタ等からなる複数のキャラクタの位置が制御部に認識される。そして、ゲーム空間において移動するボールキャラクタの位置が制御部に認識される。たとえば、投手キャラクタからリリースされたボールキャラクタの位置や打者キャラクタにより打ち返されたボールキャラクタの位置等が制御部に認識される。すると、ゲーム空間を捕手キャラクタの方向から見たときの、投手キャラクタ、打者キャラクタ、および野手キャラクタと、投手キャラクタからリリースされたボールキャラクタとが、制御部に認識された各キャラクタの位置の位置において画像表示部に表示される。この状態において、画像表示部に表示された打者キャラクタの動作に応じてボールキャラクタの移動方向が変化したか否かが制御部により判断される。たとえば、打者キャラクタのスイング動作に応じてボールキャラクタが打ち返されたか否かが制御部により判断される。そして、打者キャラクタのスイング動作に応じてボールキャラクタが打ち返されたと制御部により判断された場合に、打ち返されたボールキャラクタの軌道に近い野手キャラクタが第1対象キャラクタとして制御部に認識される。すると、第1対象キャラクタに対応する情報が画像表示部に表示される。
【0009】
この場合、捕手キャラクタの方向から見たときの投手キャラクタ、打者キャラクタ、および野手キャラクタと、投手キャラクタからリリースされたボールキャラクタとが、画像表示部に表示された状態、たとえば打撃画面において、打者キャラクタのスイング動作に応じてボールキャラクタが打ち返されたと制御部により判断された場合に、打ち返されたボールキャラクタの軌道に近い第1対象キャラクタに対応する情報、たとえば選手名、選手の背番号、守備位置等が画像表示部に表示される。これにより、プレイヤは、守備画面に切り変わる前の打撃画面において、打ち返されたボールキャラクタの軌道に近い第1対象キャラクタに対応する情報を画像表示部において視認することができる。このため、打ち返されたボールキャラクタの軌道に近い第1対象キャラクタ、たとえば操作対象にするキャラクタを、操作対象のキャラクタに対応する情報に基づいて、打撃画面において判断することができ、次なる操作を迅速に実行することができる。すなわち、打者キャラクタにより打ち返されたボールキャラクタの捕球に関する判断を打撃画面の段階から開始することができる。これにより、プレイヤがキャラクタに対する命令を迅速に実行することができるようになる。
【0010】
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(8)キャラクタの動作に応じて移動体の移動方向が変化したと制御部に判断されたときから所定の時間が経過したか否かを制御部に判断させる経過時間判断機能。
(9)所定の時間が経過したと制御部に判断された場合に、ゲーム空間を第2方向から見たときの複数のキャラクタの少なくともいずれか1つのキャラクタおよび移動体を、制御部に認識されたキャラクタの位置および移動体の位置において画像表示部に表示する第2オブジェクト表示機能。
【0011】
このゲームプログラムでは、経過時間判断機能において、キャラクタの動作に応じて移動体の移動方向が変化したと制御部に判断されたときから所定の時間が経過したか否かが制御部により判断される。第2オブジェクト表示機能においては、キャラクタの動作に応じて移動体の移動方向が変化したと制御部に判断されたときから所定の時間が経過したと制御部に判断された場合に、ゲーム空間を第2方向から見たときの複数のキャラクタの少なくともいずれか1つのキャラクタおよび移動体が、制御部に認識されたキャラクタの位置および移動体の位置において画像表示部に表示される。
【0012】
たとえば、このゲームプログラムによって野球ゲームが実現された場合、打者キャラクタのスイング動作に応じてボールキャラクタが打ち返されたと制御部に判断されたときから所定の時間が経過したか否かが制御部により判断される。そして、打者キャラクタのスイング動作に応じてボールキャラクタが打ち返されたと制御部に判断されたときから所定の時間が経過したと制御部により判断された場合に、ゲーム空間を上空から見たときの、投手キャラクタ、打者キャラクタ、捕手キャラクタ、および野手キャラクタと、打者キャラクタにより打ち返されたボールキャラクタとが、制御部に認識された各キャラクタの位置の位置において画像表示部に表示される。
【0013】
この場合、ボールキャラクタが打ち返されたと制御部に判断されたときから所定の時間が経過したと制御部により判断された場合に、ゲーム空間を上空から見たときの各キャラクタが、制御部に認識された各キャラクタの位置の位置において画像表示部に表示される。このように、捕手キャラクタの方向から見たときに各キャラクタが画像表示部に表示された状態たとえば打撃画面から、ゲーム空間を俯瞰的に見たときに各キャラクタが画像表示部に表示された状態たとえば守備画面へと、画面の切り換えが行われたときには、プレイヤは、第1対象キャラクタたとえば操作対象の野手キャラクタを、操作対象のキャラクタに対応する情報に基づいて、打撃画面において事前に判断することができているので、プレイヤは、守備画面において操作対象のキャラクタに迅速に命令を指示することができる。すなわち、プレイヤがキャラクタに対する命令を迅速に実行することができるようになる。
【0014】
請求項3に係るゲームプログラムでは、請求項2に記載のゲームプログラムにおいて、移動体の移動方向が変化したと制御部に判断されたときに制御部に認識された移動体の位置において、移動体が画像表示部に表示される。この機能は、第2オブジェクト表示機能において実現される。
【0015】
この場合、たとえば、ボールキャラクタの移動方向が変化したと制御部に判断されたときに制御部に認識されたボールキャラクタの位置において、ボールキャラクタが画像表示部に表示される。具体的には、打撃画面から守備画面へと画面の切り換えが行われたときに、ボールキャラクタが打者キャラクタにより打ち返されたときのボールキャラクタの位置に、ボールキャラクタが表示される。すなわち、守備画面に切り換わった時点では、時間的に若干過去に戻った状態でボールキャラクタが表示されはじめる。これにより、打撃画面において所定の時間が経過した後に守備画面に画面が切り換えられたとしても、ボールキャラクタが打者キャラクタにより打ち返されたときのボールキャラクタの位置にボールキャラクタが表示されるので、守備画面において、プレイヤが操作対象のキャラクタに命令を指示する時間を比較的長く確保することができる。これにより、ゲームに慣れていない初心者のプレイヤであっても比較的容易に、キャラクタの操作を行うことができる。なお、上記の「ボールキャラクタの移動方向が変化したと制御部に判断されたとき」とは、ボールキャラクタがバットによって打ち返された瞬間を含め、ボールキャラクタが若干、前方に向かって飛び出した状態までを含む。
【0016】
請求項4に係るゲームプログラムは、請求項1から3のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(10)入力部からの入力信号に基づいて、第1対象キャラクタとは異なるキャラクタを第2対象キャラクタとして制御部に認識させる第2対象キャラクタ認識機能。
(11)第2対象キャラクタに対応する情報を画像表示部に表示する第2対象キャラクタ情報表示機能。
【0017】
このゲームプログラムでは、第2対象キャラクタ認識機能において、入力部からの入力信号に基づいて、第1対象キャラクタとは異なるキャラクタが、第2対象キャラクタとして制御部に認識される。第2対象キャラクタ情報表示機能においては、第2対象キャラクタに対応する情報が画像表示部に表示される。
【0018】
たとえば、このゲームプログラムによって野球ゲームが実現された場合、プレイヤにより入力部の入力ボタンたとえば十字ボタンが操作されると、入力部からの入力信号に基づいて、第1対象キャラクタとは異なるキャラクタ、たとえば十字ボタンの操作方向のキャラクタが、第2対象キャラクタとして制御部に認識される。すると、この第2対象キャラクタに対応する情報が画像表示部に表示される。
【0019】
この場合、プレイヤが入力部たとえば十字ボタンを操作することによって第2対象キャラクタが制御部に認識され、第2対象キャラクタに対応する情報が画像表示部に表示される。すなわち、第1対象キャラクタとは異なる位置の第2対象キャラクタを選択するための十字ボタンの操作により、第2対象キャラクタに関する情報が画面に表示される。これにより、プレイヤにより選択された任意のキャラクタすなわち第2対象キャラクタに対応する情報を画像表示部において視認することができる。これにより、攻撃画面が表示されている段階で、次の守備画面に切り替わった瞬間における守備のキャラクタ(第2対象キャラクタ)を、プレイヤは事前に明確に認識することができる。このため、プレイヤにより選択された第2対象キャラクタたとえば操作対象にするキャラクタを、操作対象のキャラクタに対応する情報に基づいて判断することができ、次なる操作を迅速に実行することができる。すなわち、プレイヤがキャラクタに対する命令を迅速に実行することができるようになる。
【0020】
請求項5に係るゲームプログラムは、請求項2から4のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(12)キャラクタの動作に応じて移動体の移動方向が変化したと制御部に判断されたときから所定の時間が経過したと制御部に判断された場合に、画像表示部に表示された情報を非表示にするための命令を制御部に発行させる情報非表示命令発行機能。
【0021】
このゲームプログラムでは、情報非表示命令発行機能において、キャラクタの動作に応じて移動体の移動方向が変化したと制御部に判断されたときから所定の時間が経過したと制御部に判断された場合に、画像表示部に表示された情報を非表示にするための命令が制御部から発行される。
【0022】
たとえば、このゲームプログラムによって野球ゲームが実現された場合、打者キャラクタのスイング動作に応じてボールキャラクタが打ち返されたと制御部に判断されたときから所定の時間が経過したと制御部により判断されると、画像表示部に表示された情報を非表示にするための命令が制御部から発行される。すなわち、打撃画面から守備画面へと画面の切り換えが行われたときには、画像表示部に表示された情報が、画像表示部に表示されなくなる。これにより、打撃画面において操作対象のキャラクタに対応する情報をプレイヤに視認させた状態で、打撃画面から守備画面へと画面が切り換えられたときに、操作対象のキャラクタに直接的にプレイヤの注意を向けさせることができ、プレイヤがキャラクタに対する命令を迅速に実行することができるようになる。
【0023】
請求項6に係るゲームプログラムは、請求項1から5のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(13)第1対象キャラクタを報知するための表示子を画像表示部に表示する第1表示子表示機能。
【0024】
このゲームプログラムでは、第1表示子表示機能において、第1対象キャラクタを報知するための表示子が画像表示部に表示される。
【0025】
この場合、第1対象キャラクタを報知するための表示子、たとえば第1対象キャラクタを指し示す三角記号が、第1対象キャラクタの上方に表示される。これにより、打ち返されたボールキャラクタの軌道に近いキャラクタ(第1対象キャラクタ)を、プレイヤに瞬時に視認させることができ、プレイヤがキャラクタに対する命令を迅速に実行することができるようになる。
【0026】
請求項7に係るゲームプログラムは、請求項1から6のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(14)入力部からの入力信号に基づいて、第1対象キャラクタとは異なるキャラクタを第2対象キャラクタとして制御部に認識させる第2対象キャラクタ認識機能。
(15)第2対象キャラクタを報知するための表示子を画像表示部に表示する第2表示子表示機能。
【0027】
このゲームプログラムでは、第2対象キャラクタ認識機能において、入力部からの入力信号に基づいて、第1対象キャラクタとは異なるキャラクタが、第2対象キャラクタとして制御部に認識される。第2表示子表示機能においては、第2対象キャラクタを報知するための表示子が画像表示部に表示される。
【0028】
この場合、第2対象キャラクタを報知するための表示子、たとえば第2対象キャラクタを指し示す三角記号が、第2対象キャラクタの上方に表示される。これにより、プレイヤにより選択された第2対象キャラクタを、プレイヤに瞬時に視認させることができ、プレイヤがキャラクタに対する命令を迅速に実行することができるようになる。
【0029】
請求項8に係るゲームプログラムでは、請求項1から7のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、キャラクタに対応する情報が、複数のキャラクタそれぞれを互いに差別化するための第1呼称、および複数のキャラクタそれぞれの役割を区別するための第2呼称を含んでいる。
【0030】
この場合、キャラクタに対応する情報が、第1呼称たとえば選手名および背番号と、第2呼称たとえば守備位置とからなっている。これにより、打ち返されたボールキャラクタの軌道に近い第1対象キャラクタに対応する情報や、プレイヤにより選択された第2対象キャラクタに対応する情報を、画像表示部において判断しやすくなり、プレイヤが対象キャラクタに対する命令をより迅速に実行することができるようになる。
【0031】
請求項9に係るゲーム装置は、画像表示部にキャラクタおよび移動体が表示されるゲームを実行可能なゲーム装置である。このゲーム装置は、ゲーム空間を制御部に認識させるゲーム空間認識手段と、ゲーム空間に配置される複数のキャラクタの位置を制御部に認識させるキャラクタ位置認識手段と、ゲーム空間において移動する移動体の位置を制御部に認識させる移動体位置認識手段と、ゲーム空間を第1方向から見たときの複数のキャラクタのうちの少なくともいずれか1つのキャラクタおよび移動体を、制御部に認識されたキャラクタの位置および移動体の位置において画像表示部に表示する第1オブジェクト表示手段と、画像表示部に表示されたキャラクタの動作に応じて移動体の移動方向が変化したか否かを制御部に判断させる移動方向判別手段と、キャラクタの動作に応じて移動体の移動方向が変化したと制御部に判断された場合に、変化した移動体の移動方向に定められる移動体の軌道に近いキャラクタを第1対象キャラクタとして制御部に認識させる第1対象キャラクタ認識手段と、第1対象キャラクタに対応する情報を画像表示部に表示する第1対象キャラクタ情報表示手段と、を備えている。
【0032】
請求項10に係るゲーム制御方法は、画像表示部にキャラクタおよび移動体が表示されるゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法である。このゲーム制御方法は、ゲーム空間を制御部に認識させるゲーム空間認識ステップと、ゲーム空間に配置される複数のキャラクタの位置を制御部に認識させるキャラクタ位置認識ステップと、ゲーム空間において移動する移動体の位置を制御部に認識させる移動体位置認識ステップと、ゲーム空間を第1方向から見たときの複数のキャラクタのうちの少なくともいずれか1つのキャラクタおよび移動体を、制御部に認識されたキャラクタの位置および移動体の位置において画像表示部に表示する第1オブジェクト表示ステップと、画像表示部に表示されたキャラクタの動作に応じて移動体の移動方向が変化したか否かを制御部に判断させる移動方向判別ステップと、キャラクタの動作に応じて移動体の移動方向が変化したと制御部に判断された場合に、変化した移動体の移動方向に定められる移動体の軌道に近いキャラクタを第1対象キャラクタとして制御部に認識させる第1対象キャラクタ認識ステップと、第1対象キャラクタに対応する情報を画像表示部に表示する第1対象キャラクタ情報表示ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0033】
本発明では、第1方向から見たときの各キャラクタが画像表示部に表示された状態において、キャラクタの動作に応じて移動体の移動方向が変化したと制御部により判断された場合に、変化した移動体の移動方向に定められる軌道に近い第1対象キャラクタに対応する情報が画像表示部に表示される。これにより、プレイヤは、変化した移動体の移動方向に定められる軌道に近い第1対象キャラクタに対応する情報を画像表示部において視認することができる。このため、移動体の軌道に近い第1対象キャラクタ、たとえば操作対象にするキャラクタを、操作対象のキャラクタに対応する情報に基づいて事前に判断することができ、次なる操作を迅速且つ正確に実行することができる。すなわち、プレイヤがキャラクタに対する命令を迅速に実行することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
〔ゲーム装置の構成と動作〕
図1は、本発明の一実施形態によるゲーム装置の基本構成を示している。ここでは、ビデオゲーム装置の一例として、家庭用ビデオゲーム装置をとりあげて説明を行うこととする。家庭用ビデオゲーム装置は、家庭用ゲーム機本体および家庭用テレビジョンを備える。家庭用ゲーム機本体には、記録媒体10が装填可能となっており、記録媒体10からゲームデータが適宜読み出されてゲームが実行される。このようにして実行されるゲーム内容が家庭用テレビジョンに表示される。
【0035】
家庭用ビデオゲーム装置のゲームシステムは、制御部1と、記憶部2と、画像表示部3と、音声出力部4と、操作入力部5とからなっており、それぞれがバス6を介して接続される。このバス6は、アドレスバス、データバス、およびコントロールバスなどを含んでいる。ここで、制御部1、記憶部2、音声出力部4および操作入力部5は、家庭用ビデオゲーム装置の家庭用ゲーム機本体に含まれており、画像表示部3は家庭用テレビジョンに含まれている。
【0036】
制御部1は、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御するために設けられている。制御部1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)7と、信号処理プロセッサ8と、画像処理プロセッサ9とから構成されている。CPU7と信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とは、それぞれがバス6を介して互いに接続されている。CPU7は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、3次元空間上又は擬似3次元空間上で実行された計算結果に基づいた画像および音声データの生成加工処理とを行っている。画像処理プロセッサ9は、主に、信号処理プロセッサ8の計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データをRAM12に書き込む処理を行っている。また、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、各種データを処理するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における各種データに対応する計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算とを行っている。
【0037】
記憶部2は、主に、プログラムデータや、プログラムデータで使用される各種データなどを格納しておくために設けられている。記憶部2は、たとえば、記録媒体10と、インターフェース回路11と、RAM(Random Access Memory)12とから構成されている。記録媒体10には、インターフェース回路11が接続されている。そして、インターフェース回路11とRAM12とはバス6を介して接続されている。記録媒体10は、オペレーションシステムのプログラムデータや、画像データ、音声データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータなどを記録するためのものである。この記録媒体10は、たとえば、ROM(Read Only Memory)カセット、光ディスク、およびフレキシブルディスクなどであり、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータなどが記憶される。なお、記録媒体10にはカード型メモリも含まれており、このカード型メモリは、主に、ゲームを中断するときに中断時点での各種ゲームパラメータを保存するために用いられる。RAM12は、記録媒体10から読み出された各種データを一時的に格納したり、制御部1からの処理結果を一時的に記録したりするために用いられる。このRAM12には、各種データとともに、各種データの記憶位置を示すアドレスデータが格納されており、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能になっている。
【0038】
画像表示部3は、主に、画像処理プロセッサ9によってRAM12に書き込まれた画像データや、記録媒体10から読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。この画像表示部3は、たとえば、テレビジョンモニタ20と、インターフェース回路21と、D/Aコンバータ(Digital-To-Analogコンバータ)22とから構成されている。テレビジョンモニタ20にはD/Aコンバータ22が接続されており、D/Aコンバータ22にはインターフェース回路21が接続されている。そして、インターフェース回路21にバス6が接続されている。ここでは、画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給され、ここでアナログ画像信号に変換される。そして、アナログ画像信号がテレビジョンモニタ20に画像として出力される。
【0039】
ここで、画像データには、たとえば、ポリゴンデータやテクスチャデータなどがある。ポリゴンデータはポリゴンを構成する頂点の座標データのことである。テクスチャデータは、ポリゴンにテクスチャを設定するためのものであり、テクスチャ指示データとテクスチャカラーデータとからなっている。テクスチャ指示データはポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのデータであり、テクスチャカラーデータはテクスチャの色を指定するためのデータである。ここで、ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている。このような画像データでは、信号処理プロセッサ8により、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)が、画面自体(視点)の移動量データおよび回転量データに基づいて座標変換および透視投影変換されて、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置換される。そして、複数の2次元ポリゴンデータでポリゴン外形を構成して、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータが示すテクスチャデータを書き込む。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタを表現することができる。
【0040】
音声出力部4は、主に、記録媒体10から読み出される音声データを音声として出力するために設けられている。音声出力部4は、たとえば、スピーカー13と、増幅回路14と、D/Aコンバータ15と、インターフェース回路16とから構成されている。スピーカー13には増幅回路14が接続されており、増幅回路14にはD/Aコンバータ15が接続されており、D/Aコンバータ15にはインターフェース回路16が接続されている。そして、インターフェース回路16にバス6が接続されている。ここでは、音声データが、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給され、ここでアナログ音声信号に変換される。このアナログ音声信号が増幅回路14によって増幅され、スピーカー13から音声として出力される。音声データには、たとえば、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データやPCM(Pulse Code Modulation)データなどがある。ADPCMデータの場合、上述と同様の処理方法で音声をスピーカー13から出力することができる。PCMデータの場合、RAM12においてPCMデータをADPCMデータに変換しておくことで、上述と同様の処理方法で音声をスピーカー13から出力することができる。
【0041】
操作入力部5は、主に、コントローラ17と、操作情報インターフェース回路18と、インターフェース回路19とから構成されている。コントローラ17には、操作情報インターフェース回路18が接続されており、操作情報インターフェース回路18にはインターフェース回路19が接続されている。そして、インターフェース回路19にバス6が接続されている。
【0042】
コントローラ17は、プレイヤが種々の操作命令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤの操作に応じた操作信号をCPU7に送出する。コントローラ17には、第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、右方向キー17R、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1、R2ボタン17R2、スタートボタン17e、セレクトボタン17f、左スティック17SL及び右スティック17SRが設けられている。
【0043】
上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L及び右方向キー17Rは、例えば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ20の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU7に与えるために使用される。
【0044】
スタートボタン17eは、記録媒体10からゲームプログラムをロードするようにCPU7に指示するときなどに使用される。
【0045】
セレクトボタン17fは、記録媒体10からロードされたゲームプログラムに対して、各種選択をCPU7に指示するときなどに使用される。
【0046】
左スティック17SL及び右スティック17SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは、直立したスティックを有している。このスティックは、支点を中心として直立位置から前後左右を含む360°方向に亘って、傾倒可能な構成になっている。左スティック17SL及び右スティック17SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とするx座標及びy座標の値を、操作信号として操作情報インターフェース回路18とインターフェース回路19とを介してCPU7に送出する。
【0047】
第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1及びR2ボタン17R2には、記録媒体10からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能が割り振られている。
【0048】
なお、左スティック17SL及び右スティック17SRを除くコントローラ17の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチになっている。
【0049】
以上のような構成からなる家庭用ビデオゲーム装置の概略動作を、以下に説明する。電源スイッチ(図示省略)がオンにされゲームシステム1に電源が投入されると、CPU7が、記録媒体10に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体10から画像データ、音声データ、およびプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ、およびプログラムデータの一部若しくは全部は、RAM12に格納される。そして、CPU7が、RAM12に格納されたプログラムデータに基づいて、RAM12に格納された画像データや音声データを画像や音声としてテレビジョンモニタ20やスピーカー13に出力するためのコマンドを発行する。
【0050】
画像データの場合、CPU7からのコマンドに基づいて、まず、信号処理プロセッサ8が、3次元空間上におけるキャラクタの位置計算および光源計算などを行う。次に、画像処理プロセッサ9が、信号処理プロセッサ8の計算結果に基づいて、描画すべき画像データのRAM12への書き込み処理などを行う。そして、RAM12に書き込まれた画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給される。ここで、画像データがD/Aコンバータ22でアナログ映像信号に変換される。そして、画像データはテレビジョンモニタ20に供給され画像として表示される。
【0051】
音声データの場合、まず、信号処理プロセッサ8が、CPU7からのコマンドに基づいて音声データの生成および加工処理を行う。ここでは、音声データに対して、たとえば、ピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加などの処理が施される。次に、音声データは、信号処理プロセッサ8から出力されて、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給される。ここで、音声データがアナログ音声信号に変換される。そして、音声データは増幅回路14を介してスピーカー13から音声として出力される。
【0052】
〔ゲーム装置における各種処理概要〕
本ゲーム機1において実行されるゲームは、たとえば野球ゲームである。本ゲーム機1は、テレビジョンモニタ20にキャラクタおよびボールが表示されるゲームを実行可能になっている。図2は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【0053】
ゲーム空間認識手段は、ゲーム空間をCPU7に認識させる機能を備えている。
【0054】
この手段では、ゲーム空間がCPU7に認識される。この手段では、たとえば、ゲーム空間が3次元直交座標系に設定され、3次元ゲーム空間がCPU7に認識される。また、この手段では、たとえば、フェア領域とファウル領域とを区別するためのファウルライン、各ベース位置、およびフェア領域とホームラン領域とを区別するためのフェンスライン等の野球ゲームを実行する上で必要となる各種の基本座標データが、記録媒体10からRAM12へと供給される。そして、RAM12に格納された基本座標データがCPU7に認識される。
【0055】
キャラクタ位置認識手段は、ゲーム空間に配置される複数のキャラクタの位置をCPU7に認識させる機能を備えている。
【0056】
この手段では、ゲーム空間に配置される複数のキャラクタの位置がCPU7に認識される。この手段では、たとえば、投手キャラクタ、捕手キャラクタ、野手キャラクタ、および打者キャラクタ等をゲーム空間に配置するための位置座標データが、CPU7に認識される。この位置座標データは、各キャラクタごとに用意されている。初期データとしての各キャラクタの位置座標データは記録媒体10からRAM12へと供給される。そして、RAM12に格納された位置座標データが、CPU7に認識される。また、ゲーム実行中にキャラクタが移動した場合の位置座標データは連続的にRAM12に格納され、RAM12に格納された位置座標データがCPU7に認識される。
【0057】
ボール位置認識手段は、ゲーム空間において移動するボールの位置をCPU7に認識させる機能を備えている。
【0058】
この手段では、ゲーム空間において移動するボールの位置がCPU7に認識される。この手段では、たとえば、投手キャラクタからリリースされたボールキャラクタの位置を示す位置座標データや、打者キャラクタにより打ち返されたボールキャラクタの位置を示す位置座標データ等が、ボールキャラクタの移動中に連続的にRAM12に格納され、RAM12に格納された位置座標データがCPU7に認識される。
【0059】
第1オブジェクト表示手段は、ゲーム空間を第1方向から見たときの複数のキャラクタのうちの少なくともいずれか1つのキャラクタおよびボールを、CPU7に認識されたキャラクタの位置およびボールの位置においてテレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。
【0060】
この手段では、ゲーム空間を第1方向から見たときの複数のキャラクタのうちの少なくともいずれか1つのキャラクタおよびボールが、CPU7に認識されたキャラクタの位置およびボールの位置においてテレビジョンモニタ20に表示される。この手段では、たとえば、ゲーム空間を捕手方向から見たときの、投手キャラクタ、打者キャラクタ、野手キャラクタ、およびボールキャラクタが、各キャラクタの画像データを用いて、CPU7に認識された各キャラクタの位置座標データにより規定される位置においてテレビジョンモニタ20に表示される。ここで、各キャラクタの画像データは、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12にロードされ、RAM12に格納されている。なお、本実施形態では、ゲーム空間を捕手方向から見たときの画面を攻撃画面と記述する場合がある。
【0061】
移動方向判別手段は、テレビジョンモニタ20に表示されたキャラクタの動作に応じてボールの移動方向が変化したか否かをCPU7に判断させる機能を備えている。
【0062】
この手段では、テレビジョンモニタ20に表示されたキャラクタの動作時にボールの移動方向が変化したか否かがCPU7により判断される。この手段では、たとえば、テレビジョンモニタ20に表示された打者キャラクタのスイング動作時にボールキャラクタの移動方向が変化したか否かがCPU7により判断される。ここでは、ボールキャラクタの移動方向が変化したか否かの判断は、たとえば、移動体の移動方向を変化させるオブジェクトたとえばボールキャラクタの移動方向を変化させるミートカーソルと、移動中の移動体たとえば移動中のボールキャラクタとが重なり合うか否かがCPU7により判断される。具体的には、打者キャラクタのスイング動作に応じてバットオブジェクトによりボールキャラクタが捉えられたか否か、すなわち打者キャラクタの動作時にミートカーソルの領域内の少なくとも1つ座標データとボールキャラクタの表示範囲内の少なくとも1つの座標データとが一致するか否かが、CPU7により判断される。
【0063】
なお、ここでは、操作入力部5たとえばコントローラ17が操作されると、ミートカーソルの中心位置がゲーム空間において連続的に移動し、移動後のミートカーソルの中心位置がゲーム空間に規定される。詳細には、操作入力部5たとえばコントローラ17が操作されたときに、コントローラ17からの入力信号がCPU7に認識される。そして、CPU7に認識された入力信号に基づいて、ミートカーソルの中心位置をゲーム空間に規定するための位置座標データが連続的に移動させる命令がCPU7から発行される。すると、ミートカーソルの中心位置が移動し、移動後のミートカーソルの位置座標データがCPU7に認識される。このように、ミートカーソルの位置座標データをCPU7に認識させることにより、ミートカーソルの中心位置がゲーム空間に規定される。このように、ミートカーソルの中心位置がゲーム空間に規定されると、ミートカーソルの中心位置を基準として、ミートカーソルの領域に対応するミートカーソルの領域内の座標データがCPU7に認識される。なお、ミートカーソルの領域内の座標データを規定するための境界は、ゲームプログラムおいて予め規定されている。
【0064】
ボール軌道算出手段は、テレビジョンモニタ20に表示されたキャラクタの動作に応じてボールの移動方向が変化したとCPU7に判断された場合に、ボールの軌道をCPU7に算出させる機能を備えている。
【0065】
この手段では、テレビジョンモニタ20に表示されたキャラクタの動作に応じてボールの移動方向が変化したとCPU7に判断された場合に、ボールキャラクタの軌道がCPU7により算出される。この手段では、たとえば、テレビジョンモニタ20に表示された打者キャラクタの動作に応じてボールキャラクタの移動方向が変化したとCPU7に判断された場合に、ボールキャラクタの軌道がCPU7により算出される。具体的には、打者キャラクタの動作時にミートカーソルの領域内の少なくとも1つ座標データとボールキャラクタの表示範囲内の少なくとも1つの座標データとが一致したとCPU7により判断された場合に、ボールキャラクタの軌道がCPU7により算出される。
【0066】
ボールキャラクタの軌道の算出は、次のように行われる。まず、ボールキャラクタの質量に対応する質量データ、ボールの空気抵抗に対応する空気抵抗データ、ボールキャラクタの移動方向が変化する基点となるミートカーソルの中心位置を示す位置座標データと、ボールキャラクタの移動方向が変化したときのミートカーソルの中心位置におけるボールキャラクタの初速度に対応する初速度データと、ボールキャラクタの移動方向が変化したときのミートカーソルの中心位置からのボールキャラクタの放出角度に対応する放出角度データとが、CPU7に認識される。次に、これら各種のデータを計算条件として、ボールの軌道方程式(m(d2x/dt2)=-r(dx/dt)、m(d2z/dt2)=-mg-r(dz/dt))に基づいて、ボールキャラクタの軌道が算出される。具体的には、ゲームプログラムにおいては、上記のボールの軌道方程式が離散化された状態で記述されており、この離散化された軌道方程式に上記に示した各種のデータが代入される。このように各種のデータが代入された軌道方程式を単位時間(dt)ずつ時間進行させる計算をCPU7に実行させることにより、ボールキャラクタの各時刻における位置座標すなわち位置座標データを算出することができる。このようにして、ボールキャラクタの軌道が算出される。
【0067】
第1対象キャラクタ認識手段は、キャラクタの動作に応じてボールキャラクタの移動方向が変化したとCPU7に判断された場合に、変化したボールキャラクタの移動方向に定められるボールキャラクタの軌道に近いキャラクタを第1対象キャラクタとしてCPU7に認識させる機能を備えている。
【0068】
この手段では、キャラクタの動作に応じてボールの移動方向が変化したとCPU7に判断された場合に、変化したボールの移動方向に定められるボールの軌道に近いキャラクタが第1対象キャラクタとしてCPU7に認識される。具体的には、打者キャラクタの動作時にミートカーソルの領域内の少なくとも1つ座標データとボールキャラクタの表示範囲内の少なくとも1つの座標データとが一致したとCPU7により判断された場合に、変化したボールキャラクタの移動方向に定められたボールキャラクタの軌道に近いキャラクタが、第1対象キャラクタとしてCPU7に認識される。より具体的には、打者キャラクタの動作時にミートカーソルの領域内の少なくとも1つ座標データとボールキャラクタの表示範囲内の少なくとも1つの座標データとが一致したとCPU7により判断された場合に、CPU7により算出された軌道と各キャラクタの位置座標との距離がCPU7により算出され、算出された距離のうち最も小さい距離に位置するキャラクタが第1対象キャラクタとしてCPU7に認識される。
【0069】
第1対象キャラクタ情報表示手段は、第1対象キャラクタに対応する情報をテレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。なお、ここに示す情報は、複数のキャラクタそれぞれを互いに差別化するための第1呼称、および複数のキャラクタそれぞれの役割を区別するための第2呼称を含んでいる。
【0070】
この手段では、第1対象キャラクタに対応する情報がテレビジョンモニタ20に表示される。この手段では、第1対象キャラクタに対応する情報、たとえば複数のキャラクタそれぞれを互いに差別化するための第1呼称、および複数のキャラクタそれぞれの役割を区別するための第2呼称がテレビジョンモニタ20に表示される。第1対象キャラクタに対応する情報は、第1対象キャラクタ用情報データに基づいて、テレビジョンモニタ20に表示される。第1対象キャラクタ用情報データは、第1呼称たとえば選手名又は背番号を画像で表現するための第1呼称用画像データ、および第2呼称たとえば守備位置名を画像で表現するための第2呼称用画像データからなっている。これら第1呼称用画像データおよび第2呼称用画像データは、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12にロードされ、RAM12に格納されている。そして、RAM12に格納された第1呼称用画像データおよび第2呼称用画像データと、第1対象キャラクタとの対応関係は、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。なお、本実施形態では、選手名を画像で表現するための第1呼称用画像データを用いて、選手名がテレビジョンモニタ20に表示される場合の例が示される。
【0071】
経過時間判断手段は、キャラクタの動作に応じてボールキャラクタの移動方向が変化したとCPU7に判断されたときから所定の時間が経過したか否かをCPU7に判断させる機能を備えている。
【0072】
この手段では、キャラクタの動作に応じてボールの移動方向が変化したとCPU7に判断されたときから所定の時間が経過したか否かがCPU7により判断される。この手段では、たとえば、打者キャラクタの動作時にミートカーソルの領域内の少なくとも1つ座標データとボールキャラクタの表示範囲内の少なくとも1つの座標データとが一致したとCPU7により判断されたときから所定の時間たとえば1秒が経過したか否かがCPU7により判断される。
【0073】
情報非表示命令発行手段は、キャラクタの動作に応じてボールキャラクタの移動方向が変化したとCPU7に判断されたときから所定の時間が経過したとCPU7に判断された場合に、テレビジョンモニタ20に表示された情報を非表示にするための命令をCPU7に発行させる機能を備えている。
【0074】
この手段では、キャラクタの動作に応じてボールの移動方向が変化したとCPU7に判断されたときから所定の時間が経過したとCPU7に判断された場合に、テレビジョンモニタ20に表示された情報を非表示にするための命令がCPU7から発行される。この手段では、たとえば、打者キャラクタの動作時にミートカーソルの領域内の少なくとも1つ座標データとボールキャラクタの表示範囲内の少なくとも1つの座標データとが一致したとCPU7により判断されたときから所定の時間たとえば1秒が経過したとCPU7に判断された場合に、テレビジョンモニタ20に表示された情報を非表示にするための命令がCPU7から発行される。すると、テレビジョンモニタ20に表示された情報が、テレビジョンモニタ20において非表示になる。
【0075】
第2オブジェクト表示手段は、所定の時間が経過したとCPU7に判断された場合に、ゲーム空間を第2方向から見たときの複数のキャラクタの少なくともいずれか1つのキャラクタおよびボールキャラクタを、CPU7に認識されたキャラクタの位置およびボールキャラクタの位置においてテレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。また、第2オブジェクト表示手段は、ボールキャラクタの移動方向が変化したとCPU7に判断されたときにCPU7に認識されたボールキャラクタの位置において、ボールキャラクタをテレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。
【0076】
この手段では、キャラクタの動作に応じてボールの移動方向が変化したとCPU7に判断されたときから所定の時間が経過したとCPU7に判断された場合に、ゲーム空間を第2方向から見たときの複数のキャラクタの少なくともいずれか1つのキャラクタおよびボールキャラクタが、CPU7に認識されたキャラクタの位置およびボールキャラクタの位置においてテレビジョンモニタ20に表示される。詳細には、キャラクタの動作に応じてボールキャラクタの移動方向が変化したとCPU7に判断されたときから所定の時間が経過したとCPU7に判断された場合に、ゲーム空間を第2方向から見たときの複数のキャラクタの少なくともいずれか1つのキャラクタおよびボールキャラクタが、ボールキャラクタの移動方向が変化したとCPU7に判断されたときにCPU7に認識されたキャラクタの位置およびボールキャラクタの位置においてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0077】
この手段では、たとえば、打者キャラクタの動作時にミートカーソルの領域内の少なくとも1つ座標データとボールキャラクタの表示範囲内の少なくとも1つの座標データとが一致したとCPU7に判断されたときから所定の時間が経過したとCPU7に判断された場合に、ゲーム空間を俯瞰的に見たときの、投手キャラクタ、捕手キャラクタ、打者キャラクタ、野手キャラクタ、およびボールキャラクタが、各キャラクタの画像データを用いて、打者キャラクタの動作時にミートカーソルの領域内の少なくとも1つ座標データとボールキャラクタの表示範囲内の少なくとも1つの座標データとが一致したとCPU7により判断されたときにCPU7に認識された各キャラクタの位置およびボールキャラクタの位置においてテレビジョンモニタ20に表示される。ここで、各キャラクタの位置は各キャラクタの位置座標データにより規定され、ボールキャラクタの位置はボールキャラクタの位置座標データにより規定される。ここでは、各キャラクタの画像データは、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12にロードされ、RAM12に格納されている。なお、本実施形態では、ゲーム空間を俯瞰的に見たときの画面すなわちゲーム空間を上空から見たときの画面を守備画面と記述する場合がある。
【0078】
第1表示子表示手段は、第1対象キャラクタを報知するための表示子をテレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。
【0079】
この手段では、第1対象キャラクタを報知するための表示子がテレビジョンモニタ20に表示される。この手段では、第1対象キャラクタを報知するための表示子、たとえば第1対象キャラクタを指し示す三角記号が、三角記号用画像データを用いて、第1対象キャラクタの上方においてテレビジョンモニタ20に表示される。この三角記号用画像データは、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12にロードされ、RAM12に格納されている。このRAM12に格納された三角記号用画像データを用いることにより、第1対象キャラクタを指し示す三角記号が、第1対象キャラクタの上方においてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0080】
第2対象キャラクタ認識手段は、操作入力部5たとえばコントローラ17からの入力信号に基づいて、第1対象キャラクタとは異なるキャラクタを第2対象キャラクタとしてCPU7に認識させる機能を備えている。
【0081】
この手段では、コントローラ17からの入力信号に基づいて、第1対象キャラクタとは異なるキャラクタが第2対象キャラクタとしてCPU7に認識される。この手段では、たとえば、第1対象キャラクタがCPU7に認識された状態において、コントローラ17が操作されると、コントローラ17からの入力信号がCPU7に認識される。そして、CPU7に認識された入力信号に基づいて、コントローラ17で指示した方向に位置するキャラクタが第2対象キャラクタとしてCPU7に認識される。
【0082】
第2表示子表示手段は、第2対象キャラクタを報知するための表示子をテレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。
【0083】
この手段では、第2対象キャラクタを報知するための表示子がテレビジョンモニタ20に表示される。この手段では、たとえば、第2対象キャラクタを報知するための表示子、たとえば第2対象キャラクタを指し示す三角記号が、三角記号用画像データを用いて、第2対象キャラクタの上方においてテレビジョンモニタ20に表示される。この三角記号用画像データは、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12にロードされ、RAM12に格納されている。このRAM12に格納された三角記号用画像データを用いることにより、第2対象キャラクタを指し示す三角記号が、第2対象キャラクタの上方においてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0084】
なお、本実施形態では、ゲーム空間の第1視点位置たとえば捕手キャラクタの位置を基準として3次元ゲーム空間を2次元ゲーム空間に変換する処理をCPU7に実行させることにより、ゲーム空間を第1方向から見たときの画面が生成される。同様に、ゲーム空間の第2視点位置たとえば投手キャラクタの上方位置を基準として3次元ゲーム空間を2次元ゲーム空間に変換する処理をCPU7に実行させることにより、ゲーム空間を第2方向から見たときの画面が生成される。
【0085】
〔野球ゲームにおける選択選手事前報知システムの処理フローと説明〕
次に、野球ゲームにおける選択選手事前報知システムの具体的な内容について説明する。また、図8に示す選択選手事前報知システムに関するフローについても同時に説明する。
【0086】
ここでは、守備側のキャラクタをプレイヤが動作させ、打撃キャラクタを対戦相手のプレイヤが動作させる場合を例として説明を行うものとする。
【0087】
まず、野球ゲームプログラムがゲーム装置にロードされたときに、野球ゲームが実行される3次元ゲーム空間がCPU7に認識される(S1)。このとき、このゲーム空間に規定される基本座標データがCPU7に認識される。そして、このゲーム空間に配置される各キャラクタの位置座標データが、CPU7に認識される。そして、各キャラクタの画像データが、CPU7に認識される(S2)。ここで、CPU7に認識される各データは、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12にロードされ、RAM12に格納されている。
【0088】
次に、試合開始命令がCPU7から発行されると(S3)、図3に示すように、攻撃画面がテレビジョンモニタ20に表示される(S4)。攻撃画面は、ゲーム空間を捕手方向から見たときの画面である。この攻撃画面では、投手キャラクタ101、打者キャラクタ102、および野手キャラクタ103が、各キャラクタの画像データを用いて、CPU7に認識された各キャラクタの位置座標データにより規定される位置においてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0089】
続いて、コントローラ17が操作されることにより、投手キャラクタ101の投球コースおよび球種がCPU7に認識され投手キャラクタ101へのボールのリリース命令がCPU7から発行されると(S5)、CPU7に認識された投球コースへCPU7に認識された球種で移動するボールキャラクタ110の移動位置すなわち位置座標データが、RAM12に連続的に格納される。そして、RAM12に格納された位置座標データがCPU7に認識される。すると、図4に示すように、投手キャラクタ101からリリースされたボールキャラクタ110がCPU7に認識された投球コースへCPU7に認識された球種で移動する状態が、CPU7に認識されたボールキャラクタの位置座標データに基づいて、テレビジョンモニタ20に表示される(S6)。
【0090】
続いて、リリースされたボールキャラクタ110がテレビジョンモニタ20に表示された状態で、コントローラ17の十字ボタンの上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、又は右方向キー17Rが相手プレイヤにより操作されると、このコントローラ17からの入力信号に基づいて、ミートカーソルMKを操作方向に移動させるためのカーソル移動命令がCPU7から発行される。すると、各キーの押下回数に応じて操作方向に移動するミートカーソルMKの中心位置(図中では十字記号にて表示)を示す位置座標データがCPU7に認識される。このときに、ミートカーソルMKの位置座標データを含む、ミートカーソルMKの領域に対応するミートカーソルMKの領域内の座標データが、CPU7に認識される。すると、各キーの押下回数に応じてミートカーソルMKが操作方向に移動する状態が、ミートカーソルMKの位置座標データに基づいて、テレビジョンモニタ20に表示される(S7)。そして、コントローラ17の第3ボタン17cが相手プレイヤにより操作されると、このコントローラ17からの入力信号に基づいて、打者キャラクタ102にスイング動作を開始させるためのスイング開始命令がCPU7から発行される。すると、打者キャラクタ102がスイング動作する状態がテレビジョンモニタ20に表示される(S8)。
【0091】
続いて、打者キャラクタ102の動作時にミートカーソルMKの領域内の少なくとも1つ座標データとボールキャラクタ110の表示範囲内の少なくとも1つの座標データとが一致するか否かがCPU7により判断される(S9)。そして、ミートカーソルMKの領域内の少なくとも1つ座標データとボールキャラクタ110の表示範囲内の少なくとも1つの座標データとが一致したとCPU7により判断された場合(S9でYes)、図9に示すように、ボールキャラクタ110の軌道150が軌道方程式に基づいてCPU7により算出される(S10)。すると、CPU7により算出された軌道上を移動するボールキャラクタ110の位置座標データがCPU7に認識される。すると、軌道上のボールキャラクタ110の位置座標と各キャラクタの位置座標とに基づいて、軌道と各キャラクタとの距離(図中では矢印にて表示)がCPU7により算出される(S11)。この距離は、各キャラクタの位置座標から軌道150への垂線を引いたときの垂線の足に最も近いボールキャラクタ110の位置座標と各キャラクタの位置座標とを結ぶ直線の距離に対応する。このように算出された距離のうち最も小さい距離Lに位置するキャラクタがCPU7に認識され、このキャラクタが第1対象キャラクタとしてCPU7に認識される(S12)。ここでは、軌道150に最も近い位置に位置するキャラクタはショートのキャラクタであるので、ショートのキャラクタ103Aが、第1対象キャラクタとしてCPU7に認識されている。
【0092】
なお、ミートカーソルMKの領域内の少なくとも1つ座標データとボールキャラクタ110の表示範囲内の少なくとも1つの座標データとが一致しないとCPU7により判断された場合(S9でNo)、投球コースおよび球種を設定するためのコントローラ17からの入力信号を受け付けられるように、CPU7は入力信号待機状態になる。
【0093】
続いて、第1対象キャラクタに対応する情報、たとえばショートキャラクタ103Aの名前および守備位置名200が、ショートキャラクタ用情報データに基づいて、テレビジョンモニタ20に表示される(S13)。ここでは、図5に示すように、ショートキャラクタ103Aの名前および守備位置名200が、ショートキャラクタ用情報データに基づいて、テレビジョンモニタ20の左下部分に表示されている。
【0094】
続いて、ミートカーソルMKの領域内の少なくとも1つ座標データとボールキャラクタ110の表示範囲内の少なくとも1つの座標データとが一致したとCPU7により判断されたときから所定の時間たとえば1秒が経過したか否かがCPU7により判断される(S14)。そして、所定の時間たとえば1秒が経過したとCPU7により判断された場合(S14でYes)、テレビジョンモニタ20に表示されたショートキャラクタ103Aの名前および守備位置名200を非表示にするための命令がCPU7から発行される。すると、ショートキャラクタ103Aの名前および守備位置名200が、テレビジョンモニタ20に表示されなくなる(S15)。すなわち、次に示す守備画面に画面が切り換えられたときには、ショートキャラクタ103Aの名前および守備位置名200が、テレビジョンモニタ20に表示されていない状態になる。
【0095】
なお、ここでは、情報非表示命令発行手段を実行することにより、画面切り換え時にショートキャラクタ103Aの名前および守備位置名200が非表示になるようになっているが、必ずしも情報非表示命令発行手段が実行される必要はない。たとえば、ゲーム装置が情報非表示命令発行手段を有してない場合や情報非表示命令発行手段が実行されない場合は、ショートキャラクタ103Aの名前および守備位置名200が次画面すなわち守備画面において表示されることになる。
【0096】
続いて、ミートカーソルMKの領域内の少なくとも1つ座標データとボールキャラクタ110の表示範囲内の少なくとも1つの座標データとが一致したとCPU7に判断されたときから所定の時間たとえば1秒が経過したとCPU7に判断された場合には、守備画面がテレビジョンモニタ20に表示される(S16)。守備画面は、ゲーム空間を俯瞰的に見たときの画面である。この守備画面では、図6に示すように、投手キャラクタ101、捕手キャラクタ104、打者キャラクタ102、野手キャラクタ103、およびボールキャラクタ110が、ミートカーソルMKの領域内の少なくとも1つ座標データとボールキャラクタ110の表示範囲内の少なくとも1つの座標データとが一致したとCPU7により判断されたときの各キャラクタの位置およびボールキャラクタ110の位置において、テレビジョンモニタ20に表示される。すると、ショートキャラクタ103Aをプレイヤに報知するための表示子たとえば三角記号201が、三角記号用画像データを用いて、ショートキャラクタ103Aの上方においてテレビジョンモニタ20に表示される(S17)。
【0097】
続いて、操作入力部5たとえばコントローラ17のL1ボタンL1がプレイヤにより操作されたか否かがCPU7により判断される(S18)。すなわち、コントローラ17のL1ボタンL1の操作信号がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。そして、コントローラ17のL1ボタンの操作信号がCPU7に認識されたとCPU7により判断された場合に(S18でYes)、コントローラ17の十字ボタンの上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、又は右方向キー17Rが操作されると、このコントローラ17からの入力信号に基づいて、コントローラ17の操作方向に隣接する野手キャラクタ103が第2対象キャラクタとしてCPU7に認識される(S19)。たとえば、コントローラ17のL1ボタン17L1を押した状態で十字ボタンの左方向キー17Lがプレイヤにより操作されると、ショートキャラクタ103AがCPU7に認識された状態が解除され、サードキャラクタ103Bが第2対象キャラクタとしてCPU7に認識される。すると、図7に示すように、ショートキャラクタ103Aの上方に表示された三角記号201が消失し、三角記号201が新規にサードキャラクタ103Bの上方に表示される(S20)。
【0098】
続いて、操作入力部5たとえばコントローラ17のR1ボタンR1がプレイヤにより操作されたか否かがCPU7により判断される(S21)。すなわち、コントローラ17のR1ボタンの操作信号がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。そして、コントローラ17のR1ボタンの操作信号がCPU7に認識されたとCPU7により判断された場合に(S21でYes)、コントローラ17の十字ボタンの上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、又は右方向キー17Rが操作されると、このコントローラ17からの入力信号に基づいて、コントローラ17の操作方向に第2対象キャラクタたとえばサードキャラクタ103Bを移動させるための移動命令がCPU7から発行される(S22)。すると、コントローラ17の操作方向にサードキャラクタ103Bが三角記号201とともに移動する状態がテレビジョンモニタ20に表示される(S23)。
【0099】
一方で、コントローラ17のL1ボタンL1の操作信号がCPU7に認識されてないとCPU7により判断された場合(S18でNo)、操作入力部5たとえばコントローラ17のR1ボタンR1がプレイヤにより操作されたか否かがCPU7により判断される(S21)。すなわち、コントローラ17のR1ボタンの操作信号がCPU7に認識されたか否かがCPU7により判断される。そして、コントローラ17のR1ボタンの操作信号がCPU7に認識されたとCPU7により判断された場合に(S21でYes)、コントローラ17の十字ボタンの上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、又は右方向キー17Rが操作されると、このコントローラ17からの入力信号に基づいて、コントローラ17の操作方向に第1対象キャラクタたとえばショートキャラクタ103Aを移動させるための移動命令がCPU7から発行される(S22)。すると、コントローラ17の操作方向にショートキャラクタ103Aが三角記号201とともに移動する状態がテレビジョンモニタ20に表示される(S23)。
【0100】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての家庭用ビデオゲーム装置を用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、モニタが別体に構成されたゲーム装置、モニタが一体に構成されたゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。
【0101】
(b) 本発明には、前述したようなゲームを実行するプログラムおよびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。
【0102】
(c) 前記実施形態では、第1対象キャラクタに対応する情報がテレビジョンモニタ20に表示される場合の例を示したが、情報の表示形態に関しては前記実施形態に限定されず、次のような機能を付加するようにしても良い。たとえば、ゲーム装置が、第2対象キャラクタ情報表示手段を有するようにして、第2対象キャラクタに対応する情報をテレビジョンモニタ20に表示するようにしても良い。具体的には、前記実施形態で第1対象キャラクタに対応する情報がテレビジョンモニタ20に表示されている状態において、コントローラ17の十字ボタンの上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、又は右方向キー17Rが操作されると、このコントローラ17からの入力信号に基づいて、コントローラ17の操作方向に隣接する野手キャラクタ103が第2対象キャラクタとしてCPU7に認識される。すると、第2対象キャラクタに対応する情報がテレビジョンモニタ20に表示される。たとえば、打撃画面において第1対象キャラクタに対応する情報がテレビジョン20に表示されている状態において、コントローラ17の十字ボタンの左方向キー17Lが操作されると、第2対象キャラクタに対応する情報、たとえばサードキャラクタ103Bの名前および守備位置名が、サードキャラクタ用情報データに基づいて、テレビジョンモニタ20に表示される。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の一実施形態によるビデオゲーム装置の基本構成図。
【図2】前記ゲーム装置の機能ブロック図。
【図3】初期状態の打撃画面。
【図4】打者操作時の打撃画面。
【図5】第1対象キャラクタに対応する情報が表示された打撃画面。
【図6】打撃画面から切りかわった直後の守備画面。
【図7】第2対象キャラクタの選択時の守備画面。
【図8A】選択選手事前報知システムに関するフローチャート(その1)。
【図8B】選択選手事前報知システムに関するフローチャート(その2)。
【図9】軌道の算出方法を説明するための図。
【符号の説明】
【0104】
1 制御部
3 画像表示部
5 操作入力部
7 CPU
12 RAM
17 コントローラ
20 テレビジョンモニタ
50 ゲーム空間認識手段
51 キャラクタ位置認識手段
52 ボール位置認識手段
53 第1オブジェクト表示手段
54 移動方向判別手段
55 ボール軌道算出手段
56 第1対象キャラクタ認識手段
57 第1対象キャラクタ情報表示手段
58 経過時間判断手段
59 情報非表示命令発行手段
60 第2オブジェクト表示手段
61 第1表示子表示手段
62 第2対象キャラクタ認識手段
63 第2表示子表示手段
101 投手キャラクタ
102 打者キャラクタ
103 野手キャラクタ
103A ショートキャラクタ(第1対象キャラクタ)
103B サードキャラクタ(第2対象キャラクタ)
110 ボールキャラクタ
150 軌道
200 キャラクタ名・守備位置名(情報)
201 三角記号(表示子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示部にキャラクタおよび移動体が表示されるゲームを実現可能なコンピュータに、
ゲーム空間を制御部に認識させるゲーム空間認識機能と、
前記ゲーム空間に配置される複数の前記キャラクタの位置を制御部に認識させるキャラクタ位置認識機能と、
前記ゲーム空間において移動する前記移動体の位置を制御部に認識させる移動体位置認識機能と、
前記ゲーム空間を第1方向から見たときの複数の前記キャラクタのうちの少なくともいずれか1つの前記キャラクタおよび前記移動体を、制御部に認識された前記キャラクタの位置および前記移動体の位置において画像表示部に表示する第1オブジェクト表示機能と、
画像表示部に表示された前記キャラクタの動作に応じて前記移動体の移動方向が変化したか否かを制御部に判断させる移動方向判別機能と、
前記キャラクタの動作に応じて前記移動体の移動方向が変化したと制御部に判断された場合に、変化した前記移動体の移動方向に定められる前記移動体の軌道に近い前記キャラクタを第1対象キャラクタとして制御部に認識させる第1対象キャラクタ認識機能と、
前記第1対象キャラクタに対応する情報を画像表示部に表示する第1対象キャラクタ情報表示機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記キャラクタの動作に応じて前記移動体の移動方向が変化したと制御部に判断されたときから所定の時間が経過したか否かを制御部に判断させる経過時間判断機能と、
前記所定の時間が経過したと制御部に判断された場合に、前記ゲーム空間を第2方向から見たときの複数の前記キャラクタの少なくともいずれか1つの前記キャラクタおよび前記移動体を、制御部に認識された前記キャラクタの位置および前記移動体の位置において画像表示部に表示する第2オブジェクト表示機能と、
をさらに実現させるための請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
第2オブジェクト表示機能においては、前記移動体が、前記移動体の移動方向が変化したと制御部に判断されたときに制御部に認識された前記移動体の位置において、画像表示部に表示される、
請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
入力部からの入力信号に基づいて、前記第1対象キャラクタとは異なる前記キャラクタを第2対象キャラクタとして制御部に認識させる第2対象キャラクタ認識機能と、
前記第2対象キャラクタに対応する情報を画像表示部に表示する第2対象キャラクタ情報表示機能と、
をさらに実現させるための請求項1から3のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
前記所定の時間が経過したと制御部に判断された場合に、画像表示部に表示された前記情報を非表示にするための命令を制御部に発行させる情報非表示命令発行機能、
をさらに実現させるための請求項2から4のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
前記第1対象キャラクタを報知するための表示子を画像表示部に表示する第1表示子表示機能、
をさらに実現させるための請求項1から5のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータに、
入力部からの入力信号に基づいて、前記第1対象キャラクタとは異なる前記キャラクタを第2対象キャラクタとして制御部に認識させる第2対象キャラクタ認識機能と、
前記第2対象キャラクタを報知するための表示子を画像表示部に表示する第2表示子表示機能と、
をさらに実現させるための請求項1から6のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記情報は、複数の前記キャラクタそれぞれを互いに差別化するための第1呼称、および複数の前記キャラクタそれぞれの役割を区別するための第2呼称を含んでいる、
請求項1から7のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項9】
画像表示部にキャラクタおよび移動体が表示されるゲームを実行可能なゲーム装置であって、
ゲーム空間を制御部に認識させるゲーム空間認識手段と、
前記ゲーム空間に配置される複数の前記キャラクタの位置を制御部に認識させるキャラクタ位置認識手段と、
前記ゲーム空間において移動する前記移動体の位置を制御部に認識させる移動体位置認識手段と、
前記ゲーム空間を第1方向から見たときの複数の前記キャラクタのうちの少なくともいずれか1つの前記キャラクタおよび前記移動体を、制御部に認識された前記キャラクタの位置および前記移動体の位置において画像表示部に表示する第1オブジェクト表示手段と、
画像表示部に表示された前記キャラクタの動作に応じて前記移動体の移動方向が変化したか否かを制御部に判断させる移動方向判別手段と、
前記キャラクタの動作に応じて前記移動体の移動方向が変化したと制御部に判断された場合に、変化した前記移動体の移動方向に定められる前記移動体の軌道に近い前記キャラクタを第1対象キャラクタとして制御部に認識させる第1対象キャラクタ認識手段と、
前記第1対象キャラクタに対応する情報を画像表示部に表示する第1対象キャラクタ情報表示手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項10】
画像表示部にキャラクタおよび移動体が表示されるゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法であって、
ゲーム空間を制御部に認識させるゲーム空間認識ステップと、
前記ゲーム空間に配置される複数の前記キャラクタの位置を制御部に認識させるキャラクタ位置認識ステップと、
前記ゲーム空間において移動する前記移動体の位置を制御部に認識させる移動体位置認識ステップと、
前記ゲーム空間を第1方向から見たときの複数の前記キャラクタのうちの少なくともいずれか1つの前記キャラクタおよび前記移動体を、制御部に認識された前記キャラクタの位置および前記移動体の位置において画像表示部に表示する第1オブジェクト表示ステップと、
画像表示部に表示された前記キャラクタの動作に応じて前記移動体の移動方向が変化したか否かを制御部に判断させる移動方向判別ステップと、
前記キャラクタの動作に応じて前記移動体の移動方向が変化したと制御部に判断された場合に、変化した前記移動体の移動方向に定められる前記移動体の軌道に近い前記キャラクタを第1対象キャラクタとして制御部に認識させる第1対象キャラクタ認識ステップと、
前記第1対象キャラクタに対応する情報を画像表示部に表示する第1対象キャラクタ情報表示ステップと、
を備えるゲーム制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−312900(P2007−312900A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−143977(P2006−143977)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】