説明

コイル組立体保持構造

【課題】大型化して重量が増大したコイル組立体においても、コイルボビンおよびコイルヨークを軸方向および周方向に確実に保持することができ、かつ、部品点数も削減することができるコイル組立体保持構造を提供する。
【解決手段】コイルハウジング4と、コイルハウジング4の開口部の周囲に形成された接合端面4Aに対向する座面3Aを有するバルブボディ3と、弾性部材5とを備え、コイルヨーク13は、コイル組立体2の軸方向の一端部側にコイルボビン11の一部を露出させるように構成されており、弾性部材5の外周側には、バルブボディ3の座面3Aとコイルハウジング4の接合端面4Aとの間に挟持されるシール部5Aが形成され、弾性部材5の内周側には、コイル組立体2の一端部側にてコイルヨーク13に押圧される第1保持部と、コイルヨーク13から露出するコイルボビン11の露出部分に押圧される第2保持部とが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル組立体保持構造に関し、詳しくは、電磁弁などの主要構成部品であるコイル組立体を適切に保持するためのコイル組立体保持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁弁などの主要構成部品であるコイル組立体として、ソレノイドコイルが巻回されたコイルボビンをコイルヨークが覆う構造のコイル組立体が従来一般に知られている(例えば特許文献1〜3参照)。
【0003】
ここで、特許文献1には、ソレノイドコイルが巻回されたコイルボビンにコ字型のコイルヨークが一体にカシメ付けられた構造のコイル組立体が記載されている。そして、このコイル組立体の保持構造として、ゴムシールに形成されたシール部によりコイルハウジングをシールし、かつ、シール部と一体に形成された線状部によりコイルボビンをコイル組立体の軸方向に付勢する構造が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、ソレノイドコイルが巻回されたコイルボビンと、このコイルボビンを覆う筒状のコイルヨークとの間にコイルばねを介在させてコイルボビンをコイル組立体の軸方向に付勢する構造が記載されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、ハウジングに一体成形された筒状のコイルヨークの一端部側の開口部に蓋部材をカシメ付け、この蓋部材に一端部が当接するコイルボビンの他端部と、この他端部を覆うコイルヨークの他端部との間に緩衝部材を介在させることにより、コイルボビンをコイル組立体の軸方向に付勢する構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−22223号公報
【特許文献2】特開2001−225731公報
【特許文献3】特開2008−99531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載されたコイル組立体の保持構造では、外部振動が繰り返し加わるような電磁弁、例えば車両用のアンチロックブレーキシステムを構成する電磁弁に適用された場合、コイル組立体の電磁力を増大するようコイルボビンやコイルヨークを大型化すると、その重量が増加してコイルボビンおよびコイルヨークをコイル組立体の軸方向および周方向に確実に保持できなくなる虞がある。ことに、合成樹脂製のコイルボビンは熱膨張率が大きいためにガタ付きが生じ易く、この点からもコイルボビンをコイル組立体の軸方向および周方向に確実に保持できなくなる虞がある。
【0008】
一方、特許文献2に記載されたコイル組立体の保持構造では、コイルハウジングをシールする部材の他に、これとは一体化できない別途のコイルばねをコイルボビンとコイルヨークとの間に介在させる必要があり、部品点数が増加するという問題がある。
【0009】
同様に、特許文献3に記載されたコイル組立体の保持構造では、コイルハウジングをシールする部材の他に、これとは一体化できない別途の緩衝部材をコイルボビンの他端部とコイルヨークの他端部との間に介在させる必要があり、部品点数が増加するという問題がある。
【0010】
本発明は、このような従来技術の問題点に対応してなされたものであり、大型化して重量が増大したコイル組立体においても、コイルボビンおよびコイルヨークをコイル組立体の軸方向および周方向に確実に保持することができ、かつ、部品点数も削減することができるコイル組立体保持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような課題を解決するため、本発明に係るコイル組立体保持構造は、ソレノイドコイルが巻回されたコイルボビンと、このコイルボビンを囲むコイルヨークとを有するコイル組立体を保持する構造であって、コイル組立体を収容してその軸方向の一端部側を収容空間の開口部に臨ませるコイルハウジングと、コイルハウジングの開口部の周囲に形成された接合端面に対向する座面を有するバルブボディと、バルブボディの座面とコイルハウジングの接合端面との間に配置されるリング状の弾性部材とを備え、コイルヨークは、コイル組立体の軸方向の一端部側にコイルボビンの一部を露出させるように構成されており、弾性部材の外周側には、バルブボディの座面とコイルハウジングの接合端面との間に挟持されるシール部が形成され、弾性部材の内周側には、コイル組立体の一端部側にてコイルヨークに押圧される第1保持部と、このコイルヨークから露出するコイルボビンの露出部分に押圧される第2保持部とが形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るコイル組立体保持構造では、リング状の弾性部材の外周側に形成されたシール部がバルブボディの座面とコイルハウジングの接合端面との間に挟持されると共に、リング状の弾性部材の内周側に形成された第1保持部および第2保持部のうち、第1保持部がコイル組立体の一端部側にてコイルヨークに押圧され、第2保持部がコイル組立体の一端部側にてコイルヨークから露出するコイルボビンの露出部分に押圧される。
【0013】
本発明のコイル組立体保持構造において、コイルヨークは、大きな電磁力を発生できるように、コイル組立体の軸方向の一端部側に底部を有する有底円筒状に形成してもよい。この場合、コイルヨークの底部には、コイルボビンを露出させる開口を形成し、この開口を通して弾性部材の第2保持部をコイルボビンの露出部分に押圧する。
【0014】
ここで、コイルヨークの底部に形成される開口がコイルヨークの底部の外周側に配置されていると、弾性部材の内周側に形成される第2保持部と弾性部材の外周側に形成されるシール部との距離が短くなり、その分弾性部材の材料が削減される。
【0015】
本発明のコイル組立体保持構造においては、コイルヨークの底部に形成された開口に突入する突部を弾性部材の内周側に形成し、この突部の頂部を第2保持部としてコイルボビンの露出部分に押圧し、前記突部の裾部を第1保持部としてコイルヨークの底部に押圧することができる。この場合、弾性部材の内周側に突部を形成するという簡易な構成により、コイルボビンおよびコイルヨークがコイル組立体の軸方向および周方向に保持される。
【0016】
ここで、弾性部材の内周側には複数の突部を形成することができる。この場合、弾性部材の内周側に複数の突部を形成するという簡易な構成により、コイルボビンおよびコイルヨークがコイル組立体の軸方向および周方向に保持される。
【0017】
また、弾性部材の内周側に形成される複数の突部は、等間隔で環状に配列すると共に、コイルヨークの底部に形成される開口は、複数の突部の環状配列に対応した円弧状に形成することができる。この場合、コイルボビンとコイルヨークの互いの周方向の向きを任意に組み合わせても、弾性部材の内周側に環状に配列された複数の突部の一部がコイルヨークの底部に円弧状に形成された開口を通してコイルボビンの露出部分に確実に押圧される。
【0018】
ここで、弾性部材の内周側に形成される突部の頂部が、前記バルブボディへの前記コイルハウジングの組付時に、コイルボビンの露出部分に当接した後、あるいは当接すると同時に、突部の裾部がコイルヨークの底部に当接するように構成されていると、突部の頂部がコイルボビンの露出部分に確実に押圧され、かつ、突部の裾部がコイルヨークの底部に確実に押圧される。
【0019】
本発明のコイル組立体保持構造においては、弾性部材がリング状であって、その表裏両面が対称形状をなす断面形状を有する場合、弾性部材は、表裏何れの向きでも組み付けることができ、その組付け作業性が向上する。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るコイル組立体保持構造では、リング状の弾性部材の外周側に形成されたシール部がバルブボディの座面とコイルハウジングの接合端面との間に挟持されると共に、リング状の弾性部材の内周側に形成された第1保持部および第2保持部のうち、第1保持部がコイル組立体の一端部側にてコイルヨークに押圧され、第2保持部がコイル組立体の一端部側にてコイルヨークから露出するコイルボビンの露出部分に押圧される。
【0021】
従って、本発明に係るコイル組立体保持構造によれば、大型化して重量が増大したコイル組立体においてもコイルボビンおよびコイルヨークをコイル組立体の軸方向および周方向に確実に保持することができ、かつ、部品点数も削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係るコイル組立体保持構造を示す電磁弁の断面図である。
【図2】図1に示したコイル組立体および弾性部材の分解斜視図である。
【図3】図2に示した弾性部材の断面図である。
【図4】図2に示したコイル組立体および弾性部材の組付け時における部分断面図であり、(a)は第1段階の部分断面図、(b)は第2段階の部分断面図である。
【図5】図2に示したコイルヨークの開口および弾性部材の突部の変形例を示す図2に対応したコイル組立体および弾性部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明に係るコイル組立体保持構造を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。一実施形態のコイル組立体保持構造は、例えば図1に示すような断面構造を有する電磁弁1の主要構成部品であるコイル組立体2をバルブボディ3とコイルハウジング4との間に適切に保持するための構造であり、バルブボディ3の座面3Aとコイルハウジング4の接合端面4Aとの間に配置されるリング状の弾性部材5を備えている。
【0024】
電磁弁1は、例えば車両のブレーキシステムにおいて圧力保持用に使用されるものであり、そのバルブボディ3には、中心穴6Aを有する筒状の固定コア6を装着するための装着穴3Bが形成されると共に、その装着穴3Bの開口部の周囲には、リング状の弾性部材5を収容するための収容凹部3Cが座面3Aの一部として形成されている。
【0025】
筒状の固定コア6は、バルブボディ3の装着穴3Bとの間にブレーキ作動液の流路を形成するものであり、先端部がバルブボディ3の座面3Aから突出した状態で装着穴3Bに固定部材(Cリング)91で固定されている。
【0026】
固定コア6の中心穴6Aには、筒状の弁座部材7が圧入されると共に、この弁座部材7に対向する円柱状の弁体8が摺動自在に嵌挿されている。そして、この弁体8を軸方向に駆動するための可動コア9が弁体8の先端面に対面して固定コア6の先端側に配置されている。この可動コア9は、固定コア6の先端部に装着されたガイドキャップ10に覆われており、その内周に沿って摺動自在となっている。
【0027】
コイル組立体2は、ガイドキャップ10が挿入される中心穴11Aを有する樹脂製のコイルボビン11と、このコイルボビン11に巻かれたソレノイドコイル12と、このソレノイドコイル12およびコイルボビン11の外周を大径部13Aが囲み、バルブボディ3側の他端部側に位置する小径部13Bが固定コア6の先端部を受け入れる有底円筒状のコイルヨーク13と、このコイルヨーク13の大径部13Aの先端部内周に嵌合し、ガイドキャップ10の先端部が挿入されてコイルボビン11の一端部に当接するドーナツ板状のエンドプレート14とで円筒状に構成されている。
【0028】
このようなコイル組立体2は、その軸方向の一端部がコイルハウジング4の接合端面4Aから突出した状態でコイルハウジング4の接合端面4Aに開口する収容空間4Bに収容されている。すなわち、コイルヨーク13の一端部側の小径部13Bと大径部13Aとの間に形成されている軸方向に直交する環状の底部13Cが接合端面4Aから若干突出した状態でコイル組立体2がコイルハウジング4の収容空間4Bに収容されている。
【0029】
そして、コイルハウジング4の収容空間4B内において、コイル組立体2のソレノイドコイル12には、電気接合部であるターミナル15を介して給電線であるハーネス(図示省略)が接続されており、このハーネスは、コイルハウジング4の接合端面4Aとは反対側の端部から外部に導出されている。
【0030】
ここで、図2に示すように、有底円筒状のコイルヨーク13の一端部側に位置する環状の底部13Cには、コイルボビン11の一端部を一部露出させる複数の開口13Dが形成されている。これらの開口13Dは、環状の底部13Cの外周側に等間隔で環状に配列されており、図示の例では環状の配列方向に沿う長孔状の6個の開口13Dで構成されている。
【0031】
一方、リング状の弾性部材5の外周側には、バルブボディ3の収容凹部3Cの底面とコイルハウジング4の接合端面4Aとの間に挟持されて両者間をシールするシール部5Aが形成されている。また、弾性部材5の内周側には、バルブボディ3の収容凹部3Cの底面とコイル組立体2のコイルヨーク13の環状の底部13Cとの間に挟持されて両者に接触し、軸方向の保持を行うとともに摩擦力による周方向の保持を行う摩擦保持部5Bが形成されている。
【0032】
ここで、弾性部材5の内周側の摩擦保持部5Bには、コイルヨーク13の環状の底部13Cに形成された例えば6個の開口13Dにそれぞれ突入する突部5Cが形成されている。これらの突部5Cは、例えば円錐台状に形成されて弾性部材5の表裏両面から厚さ方向にそれぞれ突出しており、弾性部材5は、図3に示すように、表裏両面が対称形状をなす断面形状を有している。
【0033】
弾性部材5の内周側に形成された円錐台状の各突部5Cは、コイルヨーク13の環状の底部13Cに形成された各開口13Dに突入することで、その開口13D内に露出するコイルボビン11の露出部分11Bに各突部5Cの頂部5Dが当接して押圧される。また、円錐台状の各突部5Cの裾部5Eは、各開口13Dの周囲のコイルヨーク13の底部13Cに当接して押圧される。
【0034】
すなわち、弾性部材5の内周側に形成された円錐台状の各突部5Cの頂部5Dが第2保持部としてコイルボビン11の露出部分11Bに押圧され、各突部5Cの裾部5Eが第1保持部としてコイルヨーク13の底部13Cに押圧される。
【0035】
ここで、弾性部材5の各突部5Cの突出高さは、バルブボディ3へのコイルハウジング4の組付時に、各突部5Cの頂部5Dがコイルボビン11の露出部分11Bに当接した後、あるいは当接すると同時に、各突部5Cの裾部5Eがコイルヨーク13の底部13Cに当接するように設定されている。
【0036】
次に、図1に示した電磁弁1のバルブボディ3とコイルハウジング4との間にコイル組立体2を適切に保持するための組付け作業を説明する。この組付け作業に当たって、バルブボディ3の装着穴3Bには予め固定コア6を固定しておく。すなわち、可動コア9を覆うガイドキャップ10が先端部に装着された固定コア6をバルブボディ3の装着穴3Bに固定部材91で固定しておく。また、コイルハウジング4の収容空間4Bには予めコイル組立体2を収容しておく。
【0037】
このような準備の後、まず、第1段階として、図4の(a)に示すように、バルブボディ3の収容凹部3Cに弾性部材5を載置して収容する。この場合、弾性部材5は、表裏両面が対称形状をなす断面形状のリング状に形成されているため、バルブボディ3の収容凹部3Cには表裏何れの向きでも収容することができ、その組付け作業性が良い。
【0038】
次に、第2段階として、図4の(b)に示すように、コイルハウジング4と共にコイル組立体2をバルブボディ3の座面3A側に接近させてコイルハウジング4の接合端面4Aをバルブボディ3の座面3Aに当接させる。これにより、弾性部材5の外周側のシール部5Aがコイルハウジング4の接合端面4Aに押圧されて充分に弾性変形し、コイルハウジング4の接合端面4Aとバルブボディ3の収容凹部3Cの底面との間を確実にシールする。
【0039】
その際、弾性部材5の内周側の摩擦保持部5Bにおいては、円錐台状の各突部5Cがコイルヨーク13の環状の底部13Cに形成された各開口13Dに突入することで、その開口13D内に露出するコイルボビン11の露出部分11Bに各突部5Cの頂部5Dが当接して押圧される。また、円錐台状の各突部5Cの裾部5Eが各開口13Dの周囲のコイルヨーク13の底部13Cに当接して押圧される。
【0040】
従って、一実施形態のコイル組立体保持構造によれば、コイル組立体2の電磁力を増大するようコイルボビン11およびコイルヨーク13が大型化されて重量が増大しているコイル組立体2においても、コイルボビン11およびコイルヨーク13をコイル組立体2の軸方向および周方向にガタつきなく確実に保持することができる。
【0041】
また、弾性部材5がコイルハウジング4をシールする部材と、コイルボビン11およびコイルヨーク13をコイル組立体2の軸方向および周方向に保持する部材とを兼用するため、部品点数も削減することができる。
【0042】
さらに、コイルヨーク13の環状の底部13Cに形成される各開口13Dがその底部13Cの外周側に配置されているため、弾性部材5の内周側の摩擦保持部5Bに形成される各突部5Cと弾性部材5の外周側に形成されるシール部5Aとの距離が短くなり、その分、弾性部材5の材料を削減することができる。
【0043】
本発明に係るコイル組立体保持構造は、前述した一実施形態に限定されるものではない。例えば、図2に示したように弾性部材5の内周側に等間隔で環状に配列される複数の突部5Cは、図5に示すような連続した環状突部5Fに変更することができる。また、これに対応して、図2に示したようにコイルヨーク13の環状の底部13Cに等間隔で環状に配列された複数の開口13Dは、弾性部材5の環状突部5Fが弾性変形して突入可能な円弧状の開口13E,13Eに変更することができる。
【0044】
また、図2の弾性部材5と、図5のコイルヨーク13とを組み合わせて使用することもできる。この場合には、コイルボビン11とコイルヨーク13の互いの周方向の向きを任意に組み合わせても、弾性部材5の複数の突部5Cの一部が円弧状の開口13E,13Eを通してコイルボビン11の露出部分11Bに確実に押圧される。なお、図5に示した実施形態や図2の弾性部材5と図5のコイルヨーク13とを組み合わせて使用する態様においては、環状突部5Fや複数の突部5Cのうち円弧状の開口13E,13Eに突入する部分と突入しない部分とがでてくる。この場合、突入する部分は、コイルヨーク13に押圧される第1保持部およびコイルボビン11の露出部分11Bに押圧される第2保持部として機能し、突入しない部分は、コイルヨーク13に押圧される第1保持部として機能する。
【符号の説明】
【0045】
1 電磁弁
2 コイル組立体
3 バルブボディ
3A 座面
3B 装着穴
3C 収容凹部
4 コイルハウジング
4A 接合端面
5 弾性部材
5A シール部
5B 摩擦保持部
5C 突部
5D 頂部
5E 裾部
11 コイルボビン
12 ソレノイドコイル
13 コイルヨーク
13C 底部
13D 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソレノイドコイルが巻回されたコイルボビンと、このコイルボビンを囲むコイルヨークとを有するコイル組立体を保持する構造であって、
コイル組立体を収容して軸方向の一端部側を収容空間の開口部に臨ませるコイルハウジングと、
前記コイルハウジングの開口部の周囲に形成された接合端面に対向する座面を有するバルブボディと、
前記バルブボディの座面と前記コイルハウジングの接合端面との間に配置されるリング状の弾性部材とを備え、
前記コイルヨークは、コイル組立体の軸方向の一端部側にコイルボビンの一部を露出させるように構成されており、
前記弾性部材の外周側には、前記バルブボディの座面と前記コイルハウジングの接合端面との間に挟持されるシール部が形成され、
前記弾性部材の内周側には、前記コイル組立体の一端部側にてコイルヨークに押圧される第1保持部と、このコイルヨークから露出するコイルボビンの露出部分に押圧される第2保持部とが形成されていることを特徴とするコイル組立体保持構造。
【請求項2】
請求項1に記載のコイル組立体保持構造であって、
前記コイルヨークは、コイル組立体の軸方向の一端部側に底部を有する有底円筒状に形成され、前記底部には、前記コイルボビンを露出させる開口が形成されており、
前記開口を通して前記弾性部材の第2保持部が前記コイルボビンの露出部分に押圧されることを特徴とするコイル組立体保持構造。
【請求項3】
請求項2に記載のコイル組立体保持構造であって、
前記開口は、前記コイルヨークの底部の外周側に配置されていることを特徴とするコイル組立体保持構造。
【請求項4】
請求項2または3に記載のコイル組立体保持構造であって、
前記弾性部材の内周側には、前記開口に突入する突部が形成されており、
前記突部の頂部が前記第2保持部として前記コイルボビンの露出部分に押圧され、前記突部の裾部が前記第1保持部として前記コイルヨークの底部に押圧されることを特徴とするコイル組立体保持構造。
【請求項5】
請求項4に記載のコイル組立体保持構造であって、
前記弾性部材の内周側には、前記突部が複数形成されていることを特徴とするコイル組立体保持構造。
【請求項6】
請求項5に記載のコイル組立体保持構であって、
前記弾性部材の内周側に形成される複数の突部は、等間隔で環状に配列されており、
前記コイルヨークの底部に形成される開口は、前記複数の突部の環状配列に対応した円弧状に形成されていることを特徴とするコイル組立体保持構造。
【請求項7】
請求項4〜6の何れか1の請求項に記載のコイル組立体保持構造であって、
前記バルブボディへの前記コイルハウジングの組付時に、前記突部の頂部が前記コイルボビンの露出部分に当接した後、あるいは当接すると同時に、前記突部の裾部が前記コイルヨークの底部に当接することを特徴とするコイル組立体保持構造。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1の請求項に記載のコイル組立体保持構造であって、
前記弾性部材は、表裏両面が対称形状をなす断面形状を有することを特徴とするコイル組立体保持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−231640(P2012−231640A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99554(P2011−99554)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000226677)日信工業株式会社 (840)
【Fターム(参考)】