説明

コネクタおよびその製造方法

【課題】内蔵するコンタクトと基板上に形成した配線パターンとをより確実にはんだ付けすることが可能なコネクタおよびその製造方法を得る。
【解決手段】基板6がサブアセンブリ10に対する取付位置に到達する前に、当該基板6の相対移動によって、一時的にコンタクト5を押し上げて弾性変形させ、当該コンタクト5を配線パターン7から離間させるアダプタ11を設けた。これにより、配線パターン7上に予め塗布したクリームはんだ等のはんだ付け用の接合剤がコンタクト5によって削り取られるのを抑制することができ、当該接合剤によってコンタクト5と配線パターン7とをより確実に接合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコネクタとして、複数のコンタクトを取り付けたハウジングと、複数のハウジングをそれぞれ電気的に接続する配線パターンが形成された基板と、を内蔵し、各コンタクトを基板の配線パターンを介してケーブル内の導線に電気的に接続するようにしたものが知られている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−42940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この種のコネクタでは、配線パターンとそれに対応するコンタクトとをはんだ付けするために、配線パターンのコンタクトとの接合位置に予めクリームはんだ等のはんだ付け用の接合剤を塗布しておくと、基板をハウジングに対して所定の取付位置へ向けて相対移動させるのに伴って、各コンタクトによって接合剤が削り取られてしまう虞があった。
【0004】
そこで、本発明は、コンタクトと基板上に形成した配線パターンとをより確実にはんだ付けすることが可能なコネクタおよびその製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明にあっては、ハウジングと当該ハウジングに固定された複数のコンタクトとを有するサブアセンブリと、複数の上記コンタクトをそれぞれ電気的に接続する配線パターンが形成された基板と、を備え、上記サブアセンブリに対して上記基板を相対的に近付けて当該サブアセンブリに対する取付位置まで相対的に移動させ、上記基板が上記取付位置にある状態で上記コンタクトを対応する上記配線パターンにはんだ付けするコネクタにおいて、上記基板が上記取付位置に到達する前に、当該基板の相対移動によって上記コンタクトを一時的に押し上げて弾性変形させ上記配線パターンから離間させる押圧機構を設けたことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明にあっては、上記押圧機構として機能するアダプタを備え、上記取付位置に向けて相対的に移動する上記基板によって上記アダプタを上記サブアセンブリに向けて相対的に押し込むように構成し、当該押し込まれたアダプタに設けた押圧部が、上記基板が上記取付位置に到達する前に、上記コンタクトを一時的に押し上げて弾性変形させ上記配線パターンから離間させるようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明にあっては、上記サブアセンブリに、上記アダプタを、上記基板によって押し込まれる最奥位置より手前側となる待機位置で仮保持する仮保持機構を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明にあっては、上記コンタクトに、上記アダプタが上記待機位置にある状態では上記押圧部から上記コンタクトに作用する上記配線パターンから離間させる方向への力を軽減させる押圧軽減部を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明にあっては、上記サブアセンブリおよび上記アダプタのうち少なくともいずれか一方に、上記基板によって押し込まれる上記アダプタを案内する案内機構を設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明にあっては、上記アダプタが上記基板によって押し込まれる最奥位置にある状態で、上記サブアセンブリと上記アダプタとが凹凸嵌合するようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明にあっては、上記押圧機構として機能する押圧突起を上記基板に設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明にあっては、上記基板に嵌合して装着されるアタッチメントを備え、上記アタッチメントに上記押圧突起を形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項9の発明にあっては、上記基板の、上記コンタクトが上記配線パターンに接合される位置に、凹部を形成したことを特徴とする。
【0014】
請求項10の発明にあっては、ハウジングに複数のコンタクトを一体化してサブアセンブリを構成する工程と、基板上に形成されて複数の上記コンタクトをそれぞれ電気的に接続する配線パターンの当該コンタクトとの接合位置に、はんだ付け用の接合剤を塗布する工程と、上記サブアセンブリに対して上記基板を相対的に近付けて当該サブアセンブリに対する取付位置まで相対的に移動させる工程と、上記基板が上記取付位置にある状態で上記接合剤を加熱しかつ冷却して上記コンタクトを上記配線パターンの接合位置にはんだ付けして接合する工程と、を備えたコネクタの製造方法において、上記基板を上記取付位置まで相対的に移動させる工程で、上記基板の相対移動によって上記コンタクトを上記配線パターンから離間する方向に押し上げる押圧機構によって、上記基板が上記取付位置に到達する前に、上記コンタクトを一時的に押し上げて弾性変形させ上記配線パターンから離間させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、基板をハウジングへの取付位置に向けて当該ハウジングに対して相対的に移動させることにより、押圧機構を用いてコンタクトを一時的に押し上げて弾性変形させ、コンタクトを配線パターンから離間させるようにしたため、配線パターン上に予め塗布したクリームはんだ等のはんだ付け用の接合剤がコンタクトによって削り取られるのを抑制することができ、当該接合剤によってコンタクトと配線パターンとをより確実に接合することができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、基板を取付位置に向けて移動させる際に、その基板によってアダプタを押し込むだけで、コンタクトを一時的に弾性変形させて配線パターンから離間させることができるため、上記押圧機構を動作させながらハウジングと基板とを組み付ける作業をより容易に行うことができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、アダプタをサブアセンブリに上記待機位置で仮保持することができるため、元々アダプタがサブアセンブリから分離されている場合に比べて、アダプタの取り扱いをより容易に行えるとともに、アダプタが予め待機位置にセットされている分、ハウジングと基板とを組み付ける作業をより容易に行うことができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、アダプタが待機位置にある状態でコンタクトが押圧部から受ける力によってへたるのを抑制することができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、アダプタが基板によって押し込まれる際に当該アダプタを所定の経路に沿って移動させることができるため、各コンタクトの押し上げをより確実に行うことができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、サブアセンブリとアダプタとの間での位置ずれを抑制することができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、基板に設けた押圧突起として、上記押圧機構を比較的簡素な構成として得ることができる。
【0022】
請求項8の発明によれば、基板自体に押圧突起を形成する場合に比べて、上記押圧機構をより容易に得ることができる。
【0023】
請求項9の発明によれば、基板に設けた凹部にコンタクトを係止させることで、当該凹部を、基板とサブアセンブリとの抜け止めとして機能させることができる。
【0024】
請求項10の発明によれば、基板をハウジングへの取付位置に向けて当該ハウジングに対して相対的に移動させることにより、押圧機構を用いてコンタクトを一時的に押し上げて弾性変形させ、コンタクトを配線パターンから離間させるようにしたため、配線パターン上に予め塗布したクリームはんだ等のはんだ付け用の接合剤がコンタクトによって削り取られるのを抑制することができ、当該接合剤によってコンタクトと配線パターンとをより確実に接合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素については共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0026】
(第1実施形態)図1〜図15は、本発明の第1実施形態を示している。このうち、図1は、本実施形態にかかるコネクタの斜視図、図2は、コネクタを差込突起側から見た正面図、図3は、コネクタの内部構成を示す斜視図である。
【0027】
図1および図2に示すように、コネクタ1は、絶縁性の合成樹脂材料で被覆されたボディ2と、ボディ2の一側面から突出する差込突起3と、差込突起3の反対側でボディ2に繋げられたコード4と、を備えている。差込突起3の内部には、金属等の導体からなるコンタクト5が複数整列して配置されている。このコネクタ1は、コード4の先端に設けられたプラグであり、これをレセプタクル(図示せず)に差し込むことで、当該プラグ(コネクタ1)内のコンタクト5と、レセプタクル内のコンタクトとが、弾性的に接触して電気的に接続され、これにより、コード4内の導線とレセプタクル内のコンタクトとが電気的に接続されるようになっている。なお、差込突起3は、扁平な直方体状に形成されている。なお、以下では、便宜上、各図に示すように、この差込突起3の形状を基準として、差込方向をX方向(差込突起3をレセプタクルに差し込む方向)、厚み方向をZ方向(差込突起3の厚み方向)、幅方向をY方向(差込突起3の幅方向)と規定する。また、差込方向(X方向)については、差込動作にしたがって手前側と先方側(奥側)とを規定する。
【0028】
図3に示すように、ボディ2内には、基板6が設けられており、コンタクト5とコード4内の導線(図示せず)とが、この基板6の表面に形成された配線パターン7を介して電気的に接続されるようになっている。各配線パターン7は、コンタクト5と接触する側(図3の左側)では間隔が狭いものの、コード4と接触する側(図3の右側)では間隔を広くしてある。すなわち、コンタクト5とコード4との間に基板6を介在させることで、複数のコンタクト5間の間隔が狭い場合であっても、基板6に形成した配線パターン7間の間隔を拡げて、コード4内の各導線とコネクタ1内の導体(すなわち配線パターン7)とを電気的に接続する作業を、より容易にかつより確実に行うことができる。つまり、本実施形態にかかるコネクタ1は、microHDMI(商標)コネクタ等の狭ピッチコネクタに有効である。なお、コード4内の導線は、配線パターン7のパッド部7aにはんだ付けされる。
【0029】
以下、図3〜図15を参照して、コネクタの製造工程および各部の詳細構造について説明する。図15は、コネクタの製造工程を示すフローチャートである。
【0030】
図3,図6等に示すように、コネクタ1は、複数のコンタクト5と、絶縁性の合成樹脂によって形成されるハウジング8と、金属導体からなるシェル9と、から構成されたサブアセンブリ10を内蔵している。
【0031】
まずは、このサブアセンブリ10を構成する工程S1(図15)、および工程S1に関わる部品の詳細な構造について、図4〜図6を参照しながら説明する。図4は、コネクタに含まれるハウジングとコンタクトの分解斜視図、図5は、ハウジング、コンタクト、およびシェルの分解斜視図、図6は、サブアセンブリとアダプタの分解斜視図である。
【0032】
ハウジング8は、図4に示すように、扁平な直方体状に形成された基体部8aを有している。この基体部8aには、コンタクト5を収容する収容孔8bが複数形成されている。収容孔8bは、差込方向(X方向)に沿って細長く伸びる貫通孔として、基体部8aの厚み方向(Z方向)に2段形成されており、各段にて基体部8aの幅方向(Y方向)に一定間隔(ピッチ)で配置されている。また、上段の収容孔8bと下段の収容孔8bは当該幅方向(Y方向)に互い違いに配置されている。
【0033】
そして、基体部8aのコード4側(X方向手前側、図4の右側)には、シェル9や、基板6、後述するアダプタ11等のガイドや位置決めとして機能するガイド突起8cが形成されている。ガイド突起8cは、Y方向の両端側に一対設けられており、いずれも、Z方向両側、ならびにX方向手前側(図4の右側)に突出する突起部8d,8e有している。そして、これら一対のガイド突起8cと基体部8aとによって、Z方向からの視線で略矩形状となる切欠部8fが形成されている。また、ガイド突起8cには、各部を収容する凹溝8g,8h,8iが形成されている。
【0034】
コンタクト5は、図4に示すように、それぞれ、細長い帯板状または棒状に形成されており、複数箇所で屈曲されている。X方向先方側(図4の左側)には、略U字状に屈曲されることによってレセプタクルのコンタクトと接触する接触部5aが形成される一方、X方向の手前側(図4の右側)には、やや長く伸びた平坦な底部を有する略U字状に屈曲されることによって接合部5bが形成されている。なお、上段(図4の上側)に配置されるコンタクト5の接触部5aおよび接合部5bは、いずれも下向き(図4の下側)に突設され、下段(図4の下側)に配置されるコンタクト5の接触部5aおよび接合部5bは、いずれも上向き(図4の上側)に向けて突設される。また、上段および下段のそれぞれについて、長さの長いものと短いものとを交互に配置して、接合部5bの差込方向における位置が交互に配置されるようにしてある。
【0035】
コンタクト5の長手方向略中央部には、その幅方向に凹凸する鋸歯部5cが形成されている。本実施形態では、各コンタクト5をハウジング8の収容孔8b内に挿入して、鋸歯部5cをハウジング8内に圧入して食い込ませることで、コンタクト5をハウジング8に固定するようにしてある。コンタクト5がハウジング8に固定された状態では、図5に示すように、コンタクト5の長手方向中央部からX方向先方側(図5の左側)はハウジング8内に収容され、X方向手前側(図5の右側)はハウジング8から突出した状態となる。なお、コンタクト5はハウジング8にインサート成形によって一体化してもよい。
【0036】
シェル9は、図5に示すように、基体部8aのX方向両側を開放して当該基体部8aの周囲を取り囲む略角筒状の囲繞部9aと、囲繞部9aのY方向両側の側壁の図5のX方向手前側(図5の右側)の端辺からさらにX方向手前側に向けて細長く伸びる一対のアーム部9bとを備えている。アーム部9bの先端部には、差込方向に細長いスリット9cが形成されており、これにより、アーム部9bは略U字状に形成されている。また、囲繞部9aの、厚み方向両側の側壁の、差込方向手前側の端辺には、相互に離間するように略S字状に屈曲しながらX方向手前側(図5の右側)に向けて突出する突壁部9d,9eが設けられている。
【0037】
そして、シェル9の囲繞部9aの筒内にハウジングの基体部8aをX方向手前側(図5の右側)から圧入することで、図6に示すサブアセンブリ10が形成される。このとき、囲繞部9aのX方向手前側(図5の右側)の端面9fとガイド突起8cとが突き当てられることにより、ハウジング8とシェル9とがX方向に位置決めされる。また、シェル9のアーム部9bは、ガイド突起8cの幅方向外側の端面に設けた凹溝8g内に収容される。
【0038】
次に、図6〜図9を参照して、サブアセンブリ10にアダプタ11を仮保持させる工程S2(図15)、および工程S2に関わる部品の詳細な構造について説明する。図7は、アダプタをサブアセンブリに仮保持位置で保持させた状態を示す斜視図、図8は、図7の構成をX方向手前側(図7の右側)から見た図、図9は、図8のIX-IX断面図である。
【0039】
本実施形態にかかるコネクタ1は、図6,図3等に示すように、基板6をサブアセンブリ10に対して所定の取付位置Pa(図3)まで相対移動させる際に、この基板6によってサブアセンブリ10に近接する方向に押し込むアダプタ11を備えている。本実施形態では、このアダプタ11を、基板6が所定の取付位置Pa(図3)に到達する前に、コンタクト5を基板6の表面上に形成された配線パターン7から離間する方向に一時的に押し上げる押圧機構として機能させる。なお、本実施形態では、基板6のサブアセンブリ10に対する相対移動(近接)方向は、コネクタ1の差込方向(すなわちX方向)と一致している。
【0040】
アダプタ11は、図6に示すように、Z方向の両側に伸びる凸条部11b,11cと、X方向の両側に伸びる凸条部11d,11eとを備えており、Y方向からの視線では略十字状に形成されている。凸条部11dから凸条部11eにかけては、各コンタクト5に対応して、X方向に略沿って伸びる貫通孔11fが複数形成されており、図7および図8に示すように、アダプタ11をサブアセンブリ10に向けてX方向に近接させるときに、コンタクト5が対応する貫通孔11fを相対的に貫通するようにしてある。
【0041】
また、本実施形態では、基板6によって押し込んだアダプタ11をサブアセンブリ10に向けて最奥位置Pb(図3)まで移動させると、アダプタ11の凸条部11b,11c,11dが、ハウジング8に形成された切欠部8f(図4参照)に挿入され、さらに、凸条部11dの先端部分が、シェル9の囲繞部9aの筒内(図5参照)に挿入されるようにしてある。また、凸条部11b,11cは、シェル9の一対の突壁部9d,9e(図5参照)間に緩やかに挟持されるようになっている。すなわち、かかる構成により、アダプタ11が最奥位置Pb(図3参照)にある状態で、サブアセンブリ10とアダプタ11とが凹凸嵌合されるようになっている。
【0042】
さらに、アダプタ11の幅方向両側の端面には、それぞれ、X方向に沿って伸びる一対の凸条部11gが形成されている。そして、アダプタ11をサブアセンブリ10に向けてX方向に相対移動させる際には、各凸条部11gが、ガイド突起8cの幅方向内側に形成されてX方向に略沿って伸びる凹溝8h(図4,図8参照)内に挿入されてガイドされ、当該凹溝8hに沿って移動するようになっている。すなわち、本実施形態では、凸条部11gと凹溝8hとによって、アダプタ11の案内機構12が構築されている。
【0043】
そして、本実施形態では、図9に示すように、貫通孔11f内に設けられた突起部11aと、この突起部11aに対応してコンタクト5に設けられた略U字状の屈曲部5dとによって、アダプタ11をサブアセンブリ10に対して仮保持する仮保持機構13が構成されている。アダプタ11をX方向手前側(図9の右側)からサブアセンブリ10に相対的に近接させて、各コンタクト5を対応する貫通孔11f内に挿入すると、コンタクト5が弾性変形しながら当該コンタクト5の接合部5bが突起部11aを相対的に乗り越え、その後、図9に示すように、突起部11aが屈曲部5d内に丁度収容される位置(Pc)に到達する。この位置(Pc)では、突起部11aと屈曲部5dとが係合し、これによりアダプタ11のサブアセンブリ10に対するX方向両側への相対移動が規制されることになる。すなわち、本実施形態では、図7〜図9に示すアダプタ11の位置が、待機位置Pcとなる。なお、本実施形態では、アダプタ11が待機位置Pcにある状態では、凸条部11b,11c,11dが一対のガイド突起8cに挟持されることによってY方向への移動が規制され、凸条部11gが凹溝8hに挿入されることによってZ方向への移動が規制されるようになっている。
【0044】
さらに、図9から、サブアセンブリ10によるアダプタ11の仮保持状態では、屈曲部5dが、押圧部としての突起部11aからコンタクト5に作用する配線パターン7から離間させる方向への力を軽減させていることが理解できよう。すなわち、本実施形態では、屈曲部5dが押圧軽減部に相当する。
【0045】
次に、図10〜図14を参照して、上記工程S2よりさらに後の工程S3〜S6(図15)、およびこれら工程S3〜S6に関わる部品の詳細な構造について説明する。図10は、基板の斜視図、図11は、基板をアダプタに当接させた状態を示す斜視図(図9に対応する斜視図)、図12は、基板によってアダプタを押し込むことによりコンタクトを配線パターンから離間する方向に一時的に押し上げた状態を示す斜視図、図13は、図8のIX-IX断面と同じ断面での図12の断面図、図14は、図8のIX-IX断面と同じ断面での図3の断面図である。
【0046】
まずは、図10を参照して基板6の構成について説明する。なお、ここでは、基板6をXY平面に沿って配置した姿勢(すなわちサブアセンブリ10に向けて移動させる姿勢)で説明する。図10に示すように、基板6は略矩形の平板状に形成されており、X方向先方側(図10の左側)にはY方向に広い略矩形の切欠部6aを形成し、これにより、Y方向両端部にX方向先方側に伸びる突出部6b,6bが形成されている。表面6cおよび裏面6dには、各コンタクト5に対応する配線パターン7が形成されている。配線パターン7には、コードの導線をはんだ付けするパッド部7aと、コンタクト5の接合部5bをはんだ付けするパッド部7bとが設けられている。パッド部7bは、コンタクト5の接合部5bの位置に対応させて設けられており、幅方向に一定の間隔で設けられるとともに、X方向に互い違いに配置されている。このパッド部7bは、配線パターン7における接合部5bとの接合位置に相当する。そして、各配線パターン7は、パッド部7a,7b間を結ぶ延伸部7cを備えており、延伸部7cは、X方向先方側から手前側(図10の左側から右側)に向けて幅方向にその間隔が拡がるように配置されている。また、パッド部7bの形成領域のY方向両端側には、それぞれグラウンド電極7dが配置されている。
【0047】
また、パッド部7bは、基板6に形成した凹部6eの底面に形成されている。このように、凹部6eを設けることで、この凹部6eにクリームはんだ等の接合剤を留めやすくなるとともに、コンタクト5の接合部5bを係止する抜け止めとして機能させることができる。なお、上記基板6の構成は、図10では表面6c側のみ示しているが、裏面6d側もほぼ同様の構成となっている。
【0048】
そして、基板6のパッド部7bには、予め、すなわち基板6をサブアセンブリ10に向けてX方向に相対移動させて近接させる前に、クリームはんだ等のはんだ付け用の接合剤を塗布しておく(工程S3、図15)。そして、図7に示すようにアダプタ11がサブアセンブリ10に待機位置Pcで仮保持された状態で、図9および図11に示すように、アダプタ11にX方向手前側から基板6を突き当て、サブアセンブリ10に対してX方向手前側から先方側に向けて基板6を相対的に近接させ、アダプタ11を押し込みながら、基板6を取付位置Pa(図3)まで相対移動させる(工程S4、図15)。
【0049】
工程S4では、まず、基板6をサブアセンブリ10に対してX方向の手前側から先方側に向けて相対的に近接させ、図11および図9に示すように、基板6の差込方向先方側の端面6f(切欠部6aの奥面)をアダプタ11の差込方向手前側の端面11iに突き当てる。この状態では、コンタクト5の接合部5bは、基板6の表面6cおよび裏面6dに近い位置にある。
【0050】
また、このように基板6をアダプタ11に当接させた状態では、図11に示すように、基板6は、シェル9のアーム部9bに形成されたスリット9c(図5参照)内に挿入されている。すなわち、本実施形態では、スリット9cを有するアーム部9bが、基板6を取付位置Paに向けて案内するガイドになるとともに、サブアセンブリ10と基板6との厚み方向の位置決めとなっていることが理解できよう。
【0051】
ここで、図9等に示すように、基板6の表面6c側に位置するコンタクト5(表面6c上に形成された配線パターン7と接触するコンタクト5)には、当該表面6cに向けて略V字状に凹む屈曲部5eが形成され、基板6の裏面6d側に位置するコンタクト5(裏面6d上に形成された配線パターン7と接触するコンタクト5)には、当該裏面6dに向けて略V字状に凹む屈曲部5eが形成されている。
【0052】
したがって、工程S4では、図11および図9に示す状態から、基板6をさらにX方向先方側に移動させ、基板6によってアダプタ11を押し込むと、図13および図12に示すように、アダプタ11の貫通孔11f内に形成された突起部11aが、コンタクト5に形成された屈曲部5eを基板6の表面6cおよび裏面6dから離間する方向、すなわち配線パターン7から離間する方向に押し上げる。これに伴って、各コンタクト5は、弾性変形して配線パターン7から離間する。つまり、本実施形態では、突起部11aが押圧部に相当する。これは、言い換えれば、サブアセンブリ10とアダプタ11との近接に伴って、コンタクト5(の屈曲部5e)が突起部11aを相対的に乗り越えると言うこともできる。
【0053】
また、基板6によってアダプタ11を押し込むのに際し、本実施形態では、図11および図9に示す状態、すなわち仮保持機構13によってアダプタ11が待機位置Pcに仮保持された状態では、既に凸条部11gが凹溝8h内に挿入され、アダプタ11が案内機構12によって移動案内された状態となっている。したがって、アダプタ11は突き当てた基板6の位置や姿勢が多少ずれていたとしても、基板6によって押し込まれた当初から、所期の経路を移動することができる。
【0054】
そして、図12に示すように、基板6に形成された切欠部6aの幅は、シェル9の一対のアーム部9b,9bの外幅と略一致しており、一対の突出部6b,6bと一対のアーム部9b,9bとが、基板6を取付位置Paに向けて案内するガイドになるとともに、サブアセンブリ10と基板6との幅方向の位置決めにもなっていることが理解できよう。なお、基板6の突出部6bをさらに長く突出させておき、基板6が待機位置Pcにあるアダプタ11に突き当たる前から、一対の突出部6b,6b間に一対のアーム部9b,9bが収容されて、基板6がサブアセンブリ10に対して移動案内された状態となるようにしてもよい。
【0055】
工程S4では、図12および図13に示す状態から、基板6をさらにX方向先方側に移動させ、基板6によってアダプタ11をさらに押し込み、図3および図14に示すように、アダプタ11を取付位置Paに到達させる。このとき、取付位置Paに到達する前に、コンタクト5(の屈曲部5e)は弾性的に変形しながら突起部11aを相対的に乗り越えて、突起部11aは、屈曲部5eに対してX方向先方側に位置することになる。この位置では、突起部11aがコンタクト5を押圧しない状態となるようにしてある。よって、突起部11aからコンタクト5に作用していた当該コンタクト5を配線パターン7から離間させる方向の押圧力が解除され、当該コンタクト5の弾性によって、接合部5bが、コンタクト5の弾性によって、それぞれ配線パターン7のパッド部7bに対して、弾性的に押し付けられる。
【0056】
以上のように、工程S4では、基板6をサブアセンブリ10に対して相対的に近接させて、待機位置Pcから取付位置Paまで移動させる際、コンタクト5の接合部5bは、パッド部7bに対して、X方向に沿って近接するのではなく、基板6の表面6cおよび裏面6dの法線方向(Z方向)に一度離間した後、当該法線方向に近接することになる。したがって、本実施形態によれば、コンタクト5の接合部5b等によってパッド部7bに塗布されていたクリームはんだ等の接合剤を削り取る不具合を回避することができる。
【0057】
また、図3に示すように、基板6が最終的に取付位置Paに到達し、アダプタ11が最奥位置Pbに到達すると、アダプタ11の凸条部11bに形成された突起11jが、対応するシェル9の突壁部9dに形成された貫通孔9gに挿入され、これにより、アダプタ11が差込方向手前側に抜け出すのが規制されるようになっている。
【0058】
その後、図3および図14に示す内部構成を、適宜に加熱しかつ冷却することで、基板6の凹部6e(パッド部7b)に予め塗布しておいた接合剤としてのクリームはんだを溶融しかつ固化して、コンタクト5の接合部5bと配線パターン7のパッド部7bとを接合し、電気的に接続する(工程S5、図15)。
【0059】
次いで、配線パターンのパッド部7aには、コード4内の対応する導線(図示せず)をはんだ付けし、電気的に接続する。また、シェル9のアーム部9bの先端部9hは、グラウンド電極7dに対応する位置に到達しており、基板6の表裏の合計4箇所で、先端部9hをグラウンド電極7dにはんだ付けし、サブアセンブリ10と基板6とを固定するとともに、グラウンド接続する(工程S6、図15)。
【0060】
そして、図3および図14に示す内部構成に対して、絶縁性の合成樹脂材料を用いて樹脂モールド処理を行うことにより、図1および図2に示すコネクタ1が形成される。なお、この場合、樹脂モールドは、複数回に分けて行ってもよい(工程S7、図15)。
【0061】
以上、説明したように、本実施形態によれば、基板6が取付位置Paに到達する前に、当該基板6の相対移動によって、一時的にコンタクト5を押し上げて弾性変形させ、当該コンタクト5を配線パターン7から離間させる押圧機構(アダプタ11)を設けた。かかる構成により、配線パターン7上に予め塗布したクリームはんだ等のはんだ付け用の接合剤がコンタクト5によって削り取られるのを抑制することができ、当該接合剤によってコンタクト5と配線パターン7とをより確実に接合することができる。
【0062】
また、本実施形態では、押圧機構として機能するアダプタ11を備え、取付位置Paに向けて相対移動する基板6によってアダプタ11を押し込むように構成した。よって、基板6を取付位置Paに向けて移動させる際に、基板6によってアダプタ11を押し込むだけで、コンタクト5を配線パターン7から離間する方向に一時的に押し上げて弾性変形させることができるため、上記押圧機構を動作させながらハウジング8と基板6とを組み付ける作業をより容易に行うことができる。
【0063】
また、本実施形態にかかる押圧機構としてのアダプタ11は、それ自体、実質的に弾性変形したり塑性変形したりすることなく、サブアセンブリ10に向けて近接する方向(本実施形態ではX方向)に単に相対移動するものであり、しかも、直線的に相対移動するだけである。すなわち、本実施形態にかかる構成によれば、コンタクト5の弾性変形を利用することで、押圧機構自体は簡素化することができる上、押圧機構自体を変形させるような場合に比べて、複数のコンタクト5に対して、押し上げ量のばらつき等が生じるのを抑制しやすくなる。
【0064】
また、基板6とともにアダプタ11を押し込むようにしたため、基板6とサブアセンブリ10との組付作業において、押圧機構を動作させるための追加の作業(基板6のサブアセンブリ10に対する相対移動操作とは別の作業)を特段要しない。
【0065】
さらに、基板6とサブアセンブリ10との相対移動において、コンタクト5の接合部5b等が配線パターン7のパッド部7bに対応する相対位置関係にあるときにのみ、コンタクト5を一時的に押し上げて弾性変形させるものであるから、コンタクト5に対する負荷が小さく、コンタクト5のへたりを抑制することができる。
【0066】
さらに、本実施形態では、サブアセンブリ10に、アダプタ11を、基板6によって押し込まれる最奥位置Pbより手前側となる待機位置Pcで仮保持する仮保持機構13を設けた。よって、アダプタ11がサブアセンブリ10から分離されている場合に比べて、アダプタ11の取り扱いをより容易に行うことができるとともに、アダプタ11が予め待機位置Pcにセットされている分、ハウジング8と基板6とを組み付ける作業をより容易に行うことができる。なお、仮保持機構13は、サブアセンブリ10の他の部品(例えばハウジング8やシェル9等)に設けることも可能である。
【0067】
また、本実施形態では、コンタクト5に、アダプタ11が待機位置Pcにある状態では押圧部としての突起部11aからコンタクト5に作用する配線パターン7から離間させる方向への力を軽減させる押圧軽減部としての屈曲部5dを設けた。よって、アダプタ11が待機位置Pcにあるときにコンタクト5が突起部11aから受ける力によってへたるのを抑制することができる。また、コンタクト5に突起部11aから力が加わる状態で待機位置Pcにアダプタ11を仮保持すると、コンタクト5の弾性的な反力によってアダプタ11が待機位置Pcから不本意に移動してしまう虞があるが、本実施形態によれば、そのような不具合を抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態では、サブアセンブリ10およびアダプタ11のうち少なくともいずれか一方(本実施形態では両方)に、基板6によって押し込まれる11アダプタを移動案内する案内機構12を設けた。よって、アダプタ11を所期の経路に沿って移動させることができ、各コンタクト5に対する押し上げをより確実にかつより精度良く行うことができる。
【0069】
また、本実施形態では、アダプタ11が基板6によって押し込まれる最奥位置Pbにある状態で、サブアセンブリ10とアダプタ11とが凹凸嵌合するようにした。よって、サブアセンブリ10とアダプタ11との間での位置ずれを抑制することができる。また、サブアセンブリ10、アダプタ11、および基板6を一体化した構成の剛性を確保しやすくなって、その後の工程をより容易にかつより精度良く行えるようになるとともに、それらを一体化した構成を内蔵するコネクタ1自体の剛性も向上させやすくなる。
【0070】
また、本実施形態では、基板6の、コンタクト5が配線パターン7に接合される位置としてのパッド部7bに、凹部6eを形成した。よって、凹部6eにコンタクト5を係止させることで、当該凹部6eを、基板6に対するコンタクト5の抜け止め、ひいてはサブアセンブリ10に対する基板5の抜け止めとして機能させることができる。
【0071】
なお、上記実施形態では、シェル9は、サブアセンブリ10に予め一体化させたが、アダプタ11や基板6をハウジング8と一体化させた後に一体化させるようにしてもよい。また、サブアセンブリに対する基板の相対移動方向や各部品の組付方向を、コネクタ1の差込方向と一致させることは必須ではない。
【0072】
(第2実施形態)図16は、本実施形態にかかるコネクタに含まれる基板および押圧機構として機能するアタッチメントの分解斜視図、図17は、それらを一体化した状態を示す斜視図、図18は、アタッチメントを取り付けた基板をサブアセンブリに対して相対移動させて取付位置に配置した状態での断面を示す斜視図である。
【0073】
本実施形態では、アダプタ11を設けず、その代わりに、基板6Aに、押圧機構として機能する押圧突起14aを設けた点が、上記第1実施形態と相違している。すなわち、基板6Aを、ハウジング8Aを含むサブアセンブリ10A(図18参照)に相対移動させて近接させる際、接合部5bがパッド部7bに到達する前に、基板6Aに設けた押圧突起14aによって、コンタクト5Aを一時的に押し上げて弾性変形させ、配線パターン7から離間させる。
【0074】
そして、本実施形態では、この押圧突起14aを、基板6Aに嵌合して取り付けることができるアタッチメント14に設けてある。したがって、基板6A自体に押圧突起を形成する場合に比べて、押圧機構をより容易に得ることができる。
【0075】
具体的には、基板6Aの切欠部6aの奥面6kには、矩形状の浅い凹部(切欠)6jを形成してある。アタッチメント14は、比較的硬質の絶縁性の合成樹脂材料によって断面略U字状に細長く形成されており、切欠6jによってY方向に位置決めされ、かつ一対の押圧突起14a,14aによって基板6Aの切欠部6aの奥側を表裏方向(Z方向)に挟み込む状態で、当該基板6Aに装着される。なお、アタッチメント14を基板6Aに取り付けた状態では、アタッチメント14の背面14bと切欠部6aの奥面6kとがほぼ段差の無い一連の平面を形成するようにしてある。
【0076】
かかる構成では、基板6Aをサブアセンブリ10Aに対してX方向手前側から先方側に向けて相対移動させて近接させると、押圧突起14aが、コンタクト5を、配線パターン7から離間する方向に押し上げ、コンタクト5が弾性変形する。このとき、長さの短いコンタクト5については、接合部5bが押圧突起14aによって押し上げられる。一方、長さの長いコンタクト5については、接合部5bが押圧突起14aによって押し上げられた後、引き続き、それに長手方向に隣接する屈曲部5eが押圧突起14aによって押し上げられる。屈曲部5eは、接合部5bと同じ方向(基板6Aの表面6cまたは裏面6dに近付く側)に向けて凹んでおり、当該接合部5bに対して比較的浅い段差を持って形成されている。この段差は、接合部5bが凹部6eに挿入されたときに、当該屈曲部5eが基板6Aの表面6cまたは裏面6dと干渉しないように設定される。
【0077】
そして、基板6Aを取付位置Paまで相対移動させると、押圧突起14aは、コンタクト5に形成された屈曲部5e,5fとは逆向きの屈曲部5fが形成された位置に到達する。この屈曲部5fは、押圧突起14aからコンタクト5に配線パターン7から離間する方向の力が作用しないように形成される。よって、この状態では、コンタクト5の弾性により、コンタクト5の接合部5bが、配線パターン7のパッド部7bに押し付けられる。
【0078】
このように、本実施形態によっても、基板6Aをサブアセンブリ10に対して相対的に近接させて、取付位置Paまで相対的に移動させる際に、コンタクト5は、パッド部7bに対してX方向に沿って近接するのではなく、基板6Aの表面6cおよび裏面6dの法線方向(Z方向)に一度離間した後当該法線方向に近接することになる。したがって、コンタクト5の接合部5b等によってパッド部7bに塗布されていたクリームはんだ等の接合剤を削り取る不具合を回避することができる。
【0079】
そして、本実施形態では、押圧機構として機能する押圧突起14aを基板6Aに設けた。したがって、押圧機構を比較的簡素な構成として得ることができる。さらに、本実施形態では、基板6Aに嵌合して装着されるアタッチメント14に押圧突起14aを形成した。したがって、基板自体に押圧突起を形成する場合に比べて、上記押圧機構をより簡素な構成として比較的容易に得ることができる。なお、基板自体に押圧突起を形成した場合でも、上記不具合を抑制できることは言うまでもない。
【0080】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施形態にかかるコネクタの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態にかかるコネクタを差込突起側から見た正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかるコネクタの内部構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかるコネクタに含まれるハウジングとコンタクトの分解斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかるコネクタに含まれるハウジング、コンタクト、およびシェルの分解斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態にかかるコネクタに含まれるサブアセンブリとアダプタの分解斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態にかかるコネクタに含まれるアダプタをサブアセンブリに仮保持位置で保持させた状態を示す斜視図である。
【図8】図7の構成をX方向手前側から見た図である。
【図9】図8のIX-IX断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態にかかるコネクタに含まれる基板の斜視図である。
【図11】本発明の第1実施形態にかかるコネクタに含まれる基板をアダプタに当接させた状態を示す斜視図(図9に対応する斜視図)である。
【図12】本発明の第1実施形態にかかるコネクタに含まれる基板によってアダプタを押し込むことによりコンタクトを配線パターンから離間する方向に一時的に押し上げた状態を示す斜視図である。
【図13】図8のIX-IX断面と同じ断面での図12の断面図である。
【図14】図8のIX-IX断面と同じ断面での図3の断面図である。
【図15】本実施形態にかかるコネクタの製造工程を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2実施形態にかかるコネクタに含まれる基板ならびに押圧機構として機能するアタッチメントの分解斜視図である。
【図17】本発明の第2実施形態にかかるコネクタに含まれる基板とアタッチメントとを一体化した状態を示す斜視図である。
【図18】本発明の第2実施形態にかかるコネクタのアタッチメントを取り付けた基板をサブアセンブリに対して相対移動させて取付位置に配置した状態での断面を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0082】
1 コネクタ
5,5A コンタクト
5d 屈曲部(押圧軽減部)
6,6A 基板
6e 凹部
7 配線パターン
7b パッド部(接合位置)
8,8A ハウジング
10,10A サブアセンブリ
11 アダプタ(押圧機構)
11a 突起部(押圧部)
12 案内機構
13 仮保持機構
14 アタッチメント
14a 押圧突起(押圧機構)
Pa 取付位置
Pb 最奥位置
Pc 待機位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと当該ハウジングに固定された複数のコンタクトとを有するサブアセンブリと、複数の前記コンタクトをそれぞれ電気的に接続する配線パターンが形成された基板と、を備え、前記サブアセンブリに対して前記基板を相対的に近付けて当該サブアセンブリに対する取付位置まで相対的に移動させ、前記基板が前記取付位置にある状態で前記コンタクトを対応する前記配線パターンにはんだ付けするコネクタにおいて、
前記基板が前記取付位置に到達する前に、当該基板の相対移動によって前記コンタクトを一時的に押し上げて弾性変形させ前記配線パターンから離間させる押圧機構を設けたことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記押圧機構として機能するアダプタを備え、
前記取付位置に向けて相対的に移動する前記基板によって前記アダプタを前記サブアセンブリに向けて相対的に押し込むように構成し、当該押し込まれたアダプタに設けた押圧部が、前記基板が前記取付位置に到達する前に、前記コンタクトを一時的に押し上げて弾性変形させ前記配線パターンから離間させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記サブアセンブリに、前記アダプタを、前記基板によって押し込まれる最奥位置より手前側となる待機位置で仮保持する仮保持機構を設けたことを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記コンタクトに、前記アダプタが前記待機位置にある状態では前記押圧部から前記コンタクトに作用する前記配線パターンから離間させる方向への力を軽減させる押圧軽減部を設けたことを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記サブアセンブリおよび前記アダプタのうち少なくともいずれか一方に、前記基板によって押し込まれる前記アダプタを案内する案内機構を設けたことを特徴とする請求項2〜4のうちいずれか一つに記載のコネクタ。
【請求項6】
前記アダプタが前記基板によって押し込まれる最奥位置にある状態で、前記サブアセンブリと前記アダプタとが凹凸嵌合するようにしたことを特徴とする請求項2〜5のうちいずれか一つに記載のコネクタ。
【請求項7】
前記押圧機構として機能する押圧突起を前記基板に設けたことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記基板に嵌合して装着されるアタッチメントを備え、
前記アタッチメントに前記押圧突起を形成したことを特徴とする請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記基板の、前記コンタクトが前記配線パターンに接合される位置に、凹部を形成したことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか一つに記載のコネクタ。
【請求項10】
ハウジングに複数のコンタクトを一体化してサブアセンブリを構成する工程と、
基板上に形成されて複数の前記コンタクトをそれぞれ電気的に接続する配線パターンの当該コンタクトとの接合位置に、はんだ付け用の接合剤を塗布する工程と、
前記サブアセンブリに対して前記基板を相対的に近付けて当該サブアセンブリに対する取付位置まで相対的に移動させる工程と、
前記基板が前記取付位置にある状態で前記接合剤を加熱しかつ冷却して前記コンタクトを前記配線パターンの接合位置にはんだ付けして接合する工程と、
を備えたコネクタの製造方法において、
前記基板を前記取付位置まで相対的に移動させる工程で、前記基板の相対移動によって前記コンタクトを前記配線パターンから離間する方向に押し上げる押圧機構によって、前記基板が前記取付位置に到達する前に、前記コンタクトを一時的に押し上げて弾性変形させ前記配線パターンから離間させるようにしたことを特徴とするコネクタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−73549(P2010−73549A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240933(P2008−240933)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】