説明

コネクタを封着したマイクロリアクター及びその製造方法

本発明はマイクロリアクター(20)とマイクロリアクターに封着された少なくとも1つのコネクタ(10’)とを有するマイクロ流体装置(200)に関するものである。また、本発明はそのようなマイクロ流体装置及びコネクタとして適した材料ブロックの製造方法に関するものでもある。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、「コネクタを封着したマイクロリアクター及びその製造方法」と題する、欧州特許出願第09305368.4号(出願日:2009年4月28日)の優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、マイクロリアクターの接続に関し、より詳細には、接続システムを備えたガラス、ガラスセラミック、及びセラミックから成るマイクロリアクター、並びにその製造方法及び接続システムとして適した材料ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0003】
マイクロリアクター(微細構造体)、具体的には、ガラス、ガラスセラミック、及びセラミックから成るマイクロリアクター(微細構造体)が、特許文献1等、多くの特許文献に記載されている。
【0004】
これらマイクロリアクターは、背面又は(及び)前面に穴を開けることにより、一般に熱流体の注入口及び排出口が確保されると共に、反応物質の注入口及び生成物質の排出口が確保されている。具体的な接続システムが既に記載されている。
【0005】
かかる接続システムは、具体的には、特許文献2及び3に記載されている(両方の文献において、ポリマーから成る封着材を用いたマルチポート・コネクタが記載されている。正面接続が可能であるがマイクロリアクターに機械的応力が加わる)。また特許文献4(記載されている接続はオスとメス部品との連携を暗示している)及び特許文献5(ここでは、機械的手段(ねじ、釘、あるいはその他の留め具)によって、コネクタがマイクロリアクターに固定されている)にも記載されている。また、本出願人が特許文献6において具体的な接続システムを提案している。この具体的な接続システムを添付の図1に従来技術として示す。各マイクロリアクター20に対し、数個の接続システム50が存在している。これらの接続システムは、1つの面に配置されてように示してあるが、通常は両方の面に配置されている。
【0006】
特許文献6によれば、各注入口及び排出口において、Cクランプ機械部品55を介してマイクロリアクター20に固定されたシングルポート・コネクタ50によって流体の正面接続が確保される。下記の部品が流体に接触する:
・ 通常パーフルオロエラストマー材料から成るリング型パッキング26
・ 通常PTFEから成るコネクタ・アダプター53、及び
・ 通常PFAから成る継手57であって、一般にはSwagelok(登録商標)継手
【0007】
材料を選択することによって、幅広く且つ高い耐化学性を有する流体接続を得ることができる。しかし、図6に示すように、使用内部圧力及び温度範囲が限られている。図6のA領域は高い耐化学性の標準の接続、即ちPTFEアダプターとPFAから成るSwagelok継手とを用いた接続における動作温度及び圧力範囲を示している。ステンレスから成るアダプターと継手を用いれば、動作条件(高い圧力と温度との組合せ)が向上するが、多くの用途において化学的適合性が失われる。ハステロイCの主な問題点はコストと耐化学性があまり高くないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,007,709号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第2821657明細書
【特許文献3】国際公開第2005/107937号パンフレット
【特許文献4】欧州特許出願公開第1925364号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2007/280855号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第1854543号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
各々が、例えばガラス微細構造体のような微細構造体20及びシングルポート・コネクタ50を有する、幾つかのマイクロ流体装置200’が多段工学リアクター60のモジュール61、62に取り付けられている。かかるリアクターは実際多数のモジュールから成ることができる。この種のリアクターは、リアクター60の各モジュール61、62が3つの微細構造体20を含み、予備加熱又は予備冷却、混合(単回注入又は頻回注入)、滞留時間等幾つかの機能を統合することにより、多数の化学反応、特に多重反応を可能としている。モジュール内の微細構造体20間の一般的な距離は120mmである。このような距離によって、シングルポート・コネクタ50による正面接続を可能にしている。
【0010】
このようなシングルポート・コネクタ及び導管を用いて連結された幾つかの微細構造体から成るリアクターを考えた場合、幾つかの問題を考慮する必要がある。その主な点は、まず、(潜在的に絶えず漏洩の原因となる)多くの窮屈な接続場所の発生、組立及び/又は保守の長時間化、リアクターの設置面積の大幅な増大、及び機械部品コストの大幅な増大につながる接続の複雑性を抑制する必要がある。次に、考慮しなければならないのは、圧力と温度とを組み合わせた動作範囲の制限である。高圧高温度で動作する用途の市場が拡大していることを指摘することは時宜を得たものである。接続される内部容積の削減、微細構造体に誘発される潜在的な機械的応力の回避、透明接続区域の提案等の問題にも取り組む必要がある。
【0011】
本発明者らはこれ等多くの問題を熟慮し、マイクロリアクター対する新規な接続概念を以下に提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、流体注入口及び排出口を備えたマイクロリアクターと、内部を貫通する流体チャネルを備えたコネクタとを有するマイクロ流体装置であって、マイクロリアクターの流体注入口及び排出口のうちの少なくとも1つがコネクタを通して接続されて成るマイクロ流体装置を提供するものである。マイクロリアクターはガラスセラミック、ガラスセラミック、及びガラスセラミック、又はガラスセラミックから成るコーティング材で被覆された金属から成る群より選択される第1の材料から成っている。また、コネクタはガラスセラミック、ガラスセラミック、及びガラスセラミック、又はガラスセラミックから成るコーティング材で被覆された金属から成る群より選択される第2の材料から成っている。コネクタは、ガラスセラミック、及びガラスセラミックから成る群より選択され、マイクロリアクター及びコネクタのガラスセラミック、及びガラスセラミックより低い軟化点及びマイクロリアクター及びコネクタのガラスセラミック、及びガラスセラミックに対応する膨張率(好ましくは、ガラスセラミック、及びガラスセラミックから選択される第1及び第2の材料、又は第1及び第2の金属材料のコーティング材より低い軟化点、及びガラスセラミック、及びガラスセラミックから選択される第1及び第2の材料、又は第1及び第2の金属材料のコーティング材に対応する膨張率)を有する第3の材料から成るフリット層を介して、マイクロリアクターに封着されている。
【0013】
一部の別の実施の形態によれば、
+コネクタが(一般に厚さeが0.5mm≦e≦2mm)のフリット板又は(厚さe’が、e’≦500μm)のフリット薄層を介してマクロリアクターに封着されている。
【0014】
+封着材がガラス/ガラス/ガラスセラミック/セラミック/セラミック、又はセラミック/ガラスセラミックである。
【0015】
+コネクタ内部の流体チャネルが直線状のチャネルではなく、側面接続を可能とするものである。
【0016】
+コネクタがマイクロリアクターの端部、好ましくは端部の隅部に位置している。
【0017】
+流体注入口及び排出口のうちの少なくとも2つが1つのコネクタを介して接続されている。すべての流体注入口及び排出口が1つのコネクタを介して接続されていることが好ましい。マルチポート接続が特に好ましい。
【0018】
+すべての流体注入口及び排出口が直線上に配列されていることが好ましく、そのすべての流体注入口及び排出口に対応する1つのコネクタが、マイクロリアクターの端部近傍(好ましくは隅部)に端部と平行に封着されている。
【0019】
+マイクロ流体装置がマイクロリアクターの端部近傍に端部と平行に配された1つのコネクタを通し、リング型パッキングを介して厚板に接続され、(マイクロリアクターとの機械的接触がなく、応力を生させず)厚板及びコネクタにのみ接触する機械的固定手段によって厚板に固定されている。
【0020】
また、本発明はかかるマイクロ流体装置の製造方法も提供する。この方法はマイクロリアクターの製造中又は製造後に、少なくとも1つのコネクタをマイクロリアクターに封着するステップを有している。
【0021】
一部の別の実施の形態によれば、
+封着するステップが、封着予定の2つの面の間にフリット板を配することを含んでいる。
【0022】
+封着するステップが、封着予定の2つの面の少なくとも1つに薄層を蒸着することを含んでいる。
【0023】
また、本発明はガラスセラミック、ガラスセラミック、及びガラスセラミック、又はガラスセラミックから成るコーティング材で被覆された金属から成る群より選択される材料から成るブロックを提供する。このブロックは2つの主面及び少なくとも1つの側面を有し、内部を貫通して1つの面から別の面、好ましくは1つの主面から側面に延びる少なくとも1つの流体チャネルを備え、流体接続、好ましくは側面流体接続を可能とするものである。このようなブロックはマイクロリアクターのコネクタとして好適である。
【0024】
一部の別の実施の形態によれば、
+流体チャネルの等価直径が、1〜10mm、好ましくは1.5〜5mmである。
【0025】
+ブロックが、内部容積が異なる流体チャネルを内部に有している。
【0026】
+ブロックが、内部において分岐している少なくとも1つの流体チャネル及び/又は合流している少なくとも2つの流体チャネルを有している。
【0027】
+ブロックが、流体チャネルから延び、センサーを収容するための少なくとも1つの収容部を内部に有している。
【0028】
本発明の更なる特徴及び効果は以下の詳細な説明に述べてあり、当業者にとって以下の説明によりある程度明白になり、また詳細な説明、クレーム、及び添付図面を含む本明細書に記載の本発明を実施することにより認識することができる。
前記概要説明及び本発明の実施の形態を示す以下の詳細な説明は、特許請求した本発明の本質及び特徴を理解するための要旨及び構成の提供を意図したものである。添付図面は本発明の理解を深めるためのものであり、本明細書に組み込まれその一部を構成するものである。図面は本発明の各種実施の形態を示すものであり、本明細書の記述と合わせて本発明の原理及び作用の説明に役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来技術によるコネクタ及び(拡大図に示す)その固定手段を備えた微細構造体(マイクロリアクター)を有する2つのモジュールから成る(従来技術の)多段工学リアクターの概略斜視図。
【図2】本発明によるマルチポート・コネクタの底面の概略斜視図。
【図3】本発明によるマルチポート・コネクタを備えた微細構造体(マイクロリアクター)から成る、本発明のマイクロ流体装置の概略斜視図。
【図4A】微細構造体と本発明のマルチポート・コネクタとの封着に適したフリット板の概略斜視図。
【図4B】微細構造体と本発明のマルチポート・コネクタとの封着に適したフリット板の概略斜視図。
【図5A】微細構造体と本発明のマルチポート・コネクタとの封着の概略断面図(図3のV−V線)。
【図5B】微細構造体と本発明のマルチポート・コネクタとの封着の概略断面図(図3のV−V線)。
【図6】本発明のコネクタ及び従来技術のコネクタの温度及び圧力の動作範囲を示す図。
【図7】本発明のマルチポート・コネクタに適合するマイクロリアクターの適切な接続パターンを示す概略図。
【図8】本発明によるマルチポート・コネクタを備え、厚板に固定された2つの微細構造体を有する組立体の概略斜視図(固定コネクタ及び厚板を拡大詳細断面図に示す)。
【発明を実施するための形態】
【0030】
添付図面に例を示す、現時点における本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図面全体を通し、可能な限り、同一又は同様の部品には同じ参照番号が付してある。
【0031】
図1(従来技術)については既に説明した。
【0032】
図2は本発明のマルチポート・コネクタ10の底面の概略斜視図である。コネクタ10は、2つの主面2、2’、及び4つの側面3、3’、3’ ’、3’ ’ ’を有するガラスセラミック、ガラスセラミック、又は(ガラスセラミック、ガラスセラミックから成るコーティング材で被覆された)金属材料から成るブロック1の内部に位置し、内部を貫通する流体チャネル4を備えている。図示しない別の実施の形態によれば、ブロックが2つの主面及び1つの側面を有する円筒形を成している。
【0033】
そのようなブロックが特許請求した本発明の主要部分を構成していると強調することができる。
【0034】
流体チャネル4によって主面2’が1つの側面3’に接続される、即ち、2つの直交する面が接続され、それによって側面接続が可能になる。そのような側面接続は特に有益である。図示しない別の実施の形態によれば、そのようなチャネルによって、面3、3’、3’ ’、3’ ’ ’から選択される少なくとも2つの異なる側面への主面2、2’の接続、及び/又はブロックの対向面の接続、及び/又は垂直且つ対向する面の接続が可能になり、側面接続及び正面接続のいずれも可能となる。
【0035】
図2のブロック1により、多くの(側面)接続が可能になる。従って、マルチポート・コネクタ10と称する。一般に、本発明のコネクタ又はブロックにより2〜10の接続が可能である。しかし、特許請求した本発明の範囲には、シングルポート接続、即ち、内部を貫通する1つのチャネルを備えたブロックも含まれるものである。しかし、マルチポート・コネクタの方が明らかに好ましい。直線に沿って配列されたチャネル4を有するマルチポート・コネクタが特に好ましい。
【0036】
一般に、流体チャネルの直径は1〜10mmであり、1.5〜5mmであることが好ましい。流体チャネルの直径は、内部を循環させる特定の用途に必要な流体の特性に依存する。1.5mmの直径は温度制御を伴わない少量の場合に適し、5mmの直径は高粘度又は高圧力低下を伴う高流速の場合に適している。
【0037】
図2に示すように、ブロック1内部の流体チャネル4の直径は異なっていてもよい(1つのチャネルの直径が少なくとも別の1つのチャネルの直径と異なっている)。一般に、コネクタ内部の流体チャネルの内部容積は異なっていてもよい。また、ブロック内部において2つの異なるチャネルに分岐(図示せず)及び/又は少なくとも2つが合流する流体チャネルを設けることができる。後者の例が図2に示してある。流体チャネル4a及び4bが合流して1つのチャネル4が現れる。
【0038】
具体的に言えば、任意の流体チャネルが必ずしも(断面が円形の)円筒形である必要がない場合、そのチャネルの直径は等価直径である。例えば、断面が円形でなく矩形のチャネルが十分にあり得る、つまりコネクタが加熱成形される場合がそうである。
【0039】
図2に示すように、本発明のマルチポート・コネクタ10は(材料ブロック1内において)流体チャネル4から延び、センサーを収容できる適切な収容部6を有している。センサーによってチャネル4の内部を循環する流体の温度及び/又は流速を測定することができる。
【0040】
また、材料ブロック1は、(本発明のマイクロ流体装置を構成するために)マイクロリアクターに加熱封着されるとき、正しく位置決めされその位置を保持するための位置合わせピン5を有している。マイクロリアクターの穴(注入口及び排出口)を流体チャネルの流出口及び流入口に位置合わせする必要がある(図7)。
【0041】
不図示の実施の形態によれば、コネクタ10によって交差接続ができる、即ち、ブロック1が(例えば、少なくとも1つの注入口が少なくとも1つの排出口と交差するよう)交差流体チャネルを有することができる。
【0042】
ブロック1はその性質上、コネクタとして機能できるよう、マイクロリアクター20の注入口及び排出口に整合して封着されるものである。
【0043】
マイクロリアクター20及びコネクタ10として適切なブロック1の構成材料について以下詳細に説明する。
【0044】
マイクロリアクター20はガラスセラミック、ガラスセラミック、及びガラスセラミック、又はガラスセラミックから成るコーティング材で被覆された金属から成るグループから選択される第1の材料から成っている。
【0045】
(加熱)封着によってマイクロリアクター20に封着された後、コネクタ10として用いられるブロック1もガラス(例えば、Pyrex(登録商標)又は「Pyrex」のようなガラス)、セラミック(例えば、アルミナ)、ガラスセラミック、及びガラスセラミック、又はガラスセラミックから成るコーティング材で被覆された金属から成るグループから選択される第2の材料から成っている。
【0046】
前記第1及び第2の材料をどのように選択すれば、循環する流体に対する耐性が得られるかについて当業者は理解できる。コネクタの化学的耐久性は少なくともマイクロリアクターの化学的耐久性と等しいことが好ましいことは容易に理解できる。従って、一般に、第2の材料の耐化学性は第1の材料の耐化学性と等しいかそれより高い。このような耐化学性及び化学的耐久性に対する考え方は当業者周知である。これ等の特性はサンプルの重量損失を測定することにより定量化することができる。当業者周知の標準化された試験方法(例えば、耐酸性に関するDIN12116試験、塩基耐性に関するISO695試験)がある。ガラスセラミック、ガラスセラミック、及びガラスセラミックから選択される第2の材料又は第2の金属材料のコーティング材はガラスセラミック、ガラスセラミック、及びガラスセラミックから選択される第1の材料又は第1の金属材料のコーティング材と同等又はそれより大きい軟化点(パラメータ、測定の正規化方法、具体的にはASTM C 1351M標準を当業者は承知している)を有することができ有益である。このように、封着温度サイクルにおいて、ブロック1が変形する危険性が全く無く、接続面が充分平坦に維持され適切なポリマーから成るリング型パッキングによって固定される。
【0047】
ブロック1は標準の機械加工又は加熱成形によって形成することができる。
【0048】
図4A、4B、5A、及び5Bを参照して、ブロック1をマイクロリアクター20に封着する過程における精度について以下説明する。
【0049】
図3はシングルポート・コネクタ10’を備えたマイクロリアクター20から成るマイクロ流体装置200を示す図である。シングルポート・コネクタ10’により5つの流体チャネル4を通して側面流体接続が可能である。何れの流体チャネルも分岐又は合流していない。シングルポート・コネクタ10’はマイクロリアクター20の流体注入口及び排出口の前面に封着され、流体チャネル4によって(マイクロリアクターと同一面に配置された)すべての流体注入口及び排出口をマイクロ流体面に対し直角な1つの接続面において駆動することができる。流体チャネル4は反応物質、生成物質、及び熱交換流体の注入又は排出に適している。
【0050】
マイクロリアクター20は4つの端部20a、20b、20c、及び20dで区切られた表面を有している。端部20aと20bとが隅部20’bで接続し、端部20bと20cとが隅部20’cで接続し、端部20cと20dとが隅部20’dで接続し、端部20dと20aとが隅部20’aで接続している。
【0051】
図3に示す本発明の好ましい態様によれば、シングルポート・コネクタ10’がすべての流体注入口及び排出口の前面に一列に封着されている。シングルポート・コネクタ10’はマイクロリアクター20の隅部20’aの端部20aの近傍において、端部20aに対し平行に封着されている。
【0052】
マイクロリアクター20と図2のコネクタ10や図3、図5A、5B、及び8のコネクタ10’のような本発明のコネクタとの封着は異なる方法で行われる。
【0053】
前記封着はフリット板を用いて行うことができる。フリット板には様々なデザインのものがある。2つのデザインを図4A及び4Bに示す。このようなフリット板は図5Aのフリット層23aの先駆体である。このようなフリット板は適切な材料、即ち、適切な耐化学性、(低)軟化点、及び適切な膨張率を有する、前記詳述したガラスセラミック、又はガラスセラミックの第3の材料から成っている。
【0054】
図4Aは掘削穴を有する平板を示す図である。穴の直径はコネクタ10又は10’のチャネル4の直径より若干大きい(一般に、+0.5mm)。一般的に穴の直径は2mm〜5.5mmであるがこれに限定されない。
【0055】
図4Bは前記と同様の穴が掘削された構造パッドを両面に有する板23’’を示す図である。
【0056】
フリット板23’a及び23’’aを用いた、微細構造体20に対するコネクタの封着は、より詳細には、微細構造体20の表面品質及び幾何学的平坦性に依存する。
【0057】
フリット板23’a及び23’’aは標準の機械加工又は加熱成形によって作製することができる。
【0058】
図5Aは(フリット板を用いた)封着原理を示す図である。即ち、コネクタ10'及びマイクロリアクター20という高い軟化点を有する2つの材料を封着するためにフリット板23’a及び23’’aの低軟化点が利用される。次いで、コネクタ10'及びマイクロリアクター20がフリット層23aを介して封着される。コネクタ10'を構成前のマイクロリアクター20(第1の形態)に(封着する2つの面の間にフリット板を配して)封着することができるが、封着熱処理(又は熱焼結サイクル)によって、マイクロリアクター20を構成する層、コネクタ10'、及びフリット板23’a又は23’’a から成る組立体を封着することもできる(第2の形態)。このような封着熱処理はマイクロリアクター20の形成及びその表面に対するコネクタ10’の封着の両方に使用される。
【0059】
前記第2の形態による方法は、
・ マイクロ流体装置の部品であるマクロリアクター20の構成層、コネクタ10又は10’、及びフリット板23’a又は23’’aを製造するステップと、
・ 前記部品を組み立てるステップと、
・ 前記すべての構成部品が封着されるよう前記組立体を熱処理するステップと、
を有している。
【0060】
前記封着処理により、マイクロリアクター及びコネクタを含む連続した構造物であり、40バールを超える圧力に耐えることができるマイクロ流体装置が形成される。また、マイクロリアクター20に幾つかのコネクタ10’(又は10)を封着することができ、この場合、すべての注入口及び排出口に対し、シングルポート・コネクタ10’(又は10)が用いられることが好ましい。
【0061】
図5Bは封着フリット層の先駆体としてのフリット板の代わりに、2つのフリット薄層を使用した別の方法による封着原理を示す図である。本方法によれば、封着する面に被覆された2つのフリット薄層23b1、23b2から封着フリット層23bが得られる。本方法は次のように実行される。
【0062】
マイクロリアクター20が予備構成される。(コネクタ10’が封着される予定の)外表面の一部にフリット薄層23b1が被覆される。
【0063】
少なくともコネクタ10’も予備構成され、マイクロリアクター20に封着される予定の外表面の一部にフリット薄層23b2が被覆される。通常、フリット薄層23b2は、流体チャネル4を閉塞しないよう注意してコネクタ10’に被覆される。
【0064】
次に、2つのフリット被覆薄層23b1及び23b2を密着して適切な熱処理を施すことにより、封着、即ちフリット層23bが形成される。
【0065】
従って本方法は、
・ マイクロリアクター20を製造し、その外表面の一部にフリット薄層23b1を被覆するステップと、
・ 少なくともコネクタ10又は10’を製造し、マイクロリアクター20に封着される予定の外表面の一部にフリット薄層23b2を被覆するステップと、
・ 前記2つの被覆されたフリット薄層23b1と23b2とを密着させるステップと、
・ 前記のように構成された組立体を熱処理して2つのフリット層23b1と23b2とを封着するステップと、
を有している。
【0066】
封着予定の2つの面の何れかに被覆した1つのフリット薄層によって良好な封着を得ることは充分可能である。従って、本方法は1つ及び2つのフリット薄層を用いることを含んでいる。
【0067】
また、1つ又は2つのフリット薄層を用いた前記予備構成されたマイクロリアクターに対し実施された封着方法を(最終的なマイクロ流体装置のフリット層を形成するための1つのフリット層又は2つのフリット薄層のうちの1つがマイクロリアクターの適切な層の外表面の一部に被覆された)マイクロリアクターの構成に使用することは充分可能である。
【0068】
フリット板23’a又は23’’aから成るフリット層23aの一般的な厚さは0.5〜2mmであり、(1つ又は2つの薄層23b1、23b2から成る)フリット層23bの一般的な厚さは500μm以下である。
【0069】
どの封着方法においても、同種の材料を封着することが好ましい。従って、本発明のマイクロ流体装置は、ガラスから成るコネクタを備えたガラスから成るマイクロリアクター、セラミックから成るコネクタを備えたセラミックから成るマイクロリアクター、あるいはガラスセラミックから成るコネクタを備えたガラスセラミックから成るマイクロリアクターから成っている。
【0070】
本発明のマイクロ流体装置は、ガラスから成るコネクタを備えたガラスから成るマイクロリアクター又はセラミックから成るコネクタを備えたセラミックから成るマイクロリアクターが特に好ましい。封着は適切なフリット材料を用いて実施されることは言うまでもない。従って、マイクロリアクター/フリット層/コネクタの好ましい封着材は、ガラス/ガラス/ガラス封着材、セラミック/セラミック/セラミック封着材、及びセラミック/ガラスセラミック封着材である。本発明のマイクロ流体装置は封着マイクロリアクター/フリット層/コネクタ又は少なくとも2つの封着マイクロリアクター/フリット層/コネクタを有している。
【0071】
フリット層の材料(第3の材料)については、適切な軟化点及び(第1の材料と第2の材料との有効な封着を可能とする)適切な膨張率を有している必要がある。軟化点はマイクロリアクター及びコネクタのガラスセラミック、及びガラスセラミックの軟化点より低くなければならない。また、膨張率はマイクロリアクター及びコネクタのガラスセラミック、及びガラスセラミック(マイクロリアクター及びコネクタがこれ等の材料(ガラスセラミック、及びガラスセラミック)から成るかこれ等の材料を金属の被覆として含んでいる)の膨張率と対応している必要がある。第3の材料の軟化点がガラスセラミック、及びガラスセラミックから選択される第1の材料及び第2の材料又は第1及び第2の金属材料の被覆の軟化点より低いことが好ましく、膨張率がガラスセラミック、及びガラスセラミックから選択される第1の材料及び第2の材料又は第1及び第2の金属材料の被覆の膨張率と対応していることが好ましい。第3の材料の膨張率と第1及び第2の材料の膨張率との差が20×10−7−1未満であることが適切であり(対応している)、10×10−7−1未満であることが好ましい(これ等は25℃〜300℃における熱膨張率の値を10−7−1の単位で表したものである)。
【0072】
第3の材料をどのように選択すれば流体の循環に対し耐性を持たせることができるかについても当業者は理解でき。第2の材料の1つとしての第3の材料の化学的耐久性が少なくとも1つの第1の材料化学的耐久性と等しいことが好ましいことも理解できる。従って、第3の材料は一般に1つの第1の材料の耐化学性と同等又はそれより大きい耐化学性を有している。
【0073】
マルチポート・コネクタの使用が好ましいことを注記しておく。
【0074】
本発明の接続概念の主たる効果を図6に示す。
【0075】
従来技術(図1の欧州特許出願公開第1854543号明細書)による接続は、PTFEアダプター及び(Swagelok)継手を使用しているため、動作圧力及び温度範囲の観点から制約があることを示している。これ等2つの材料は非常に高い化学的適合性を示すが、温度が上昇したときの高圧力に耐えることができない(安全係数を考慮して、100℃において、10バール以下)。Chemraz(登録商標)リング型パッキングのようなリング型パッキングが制約要因ではない、というのは、そのようなパッキングは250℃において20バールの圧力に耐えることができるからである。
【0076】
微細構造体に封着された本発明によるコネクタは、2つの制約構成部品であるPTFEアダプター及び(Swagelok)継手に代わるものである。従って、残る構成部品はリング型パッキングのみである。
【0077】
その結果、容認できる動作圧力及び温度範囲が250℃、20バールに向けて拡大し、それによって化学用途も拡大することができる。
【0078】
図6は高耐化学性を有するが動作条件が制約される従来技術(図1の欧州特許出願公開第1854543号明細書)による接続域を表す領域A及び本発明により拡大された接続域表す領域A+Bを示す図である。
【0079】
本発明によりシングルポート・コネクタをマイクロリアクターの注入口又は排出口に封着できるが、マルチポート・コネクタの方が明らかに好ましいこと、及びマルチポート・コネクタはすべての注入口及び排出口が直線に沿って配されたマイクロリアクターの端部近傍に配置することが特に好ましいことは既に述べた。そのような構造のマイクロリアクターを図7に示す。
【0080】
いずれにしても、マイクロリアクターのパターンとコネクタとが適応(一致)して接続を可能とする必要があることは明らかである。
【0081】
図7の好ましい変形によれば、すべての流体注入口21、21’、21a及び排出口22、22aが、微細構造体20の端部近傍(端部に充分近くマルチポート・コネクタのサイズが限定される(正面封着))の、端部と平行な線25上に位置している。
図示の形態によれば、21はそれぞれ異なる反応物質の注入口、21aは熱交換流体の注入口、21’は予備の注入位置、22aは熱交換流体の排出口である。
【0082】
(線25とマイクロリアクター20との)一般的な距離dは5〜30mmであり、(封着される適切なコネクタの長さを表す)一般的な距離eは20〜150mmである。本発明のコネクタにより2〜10の接続が行なわれることが好ましいことは既に(非限定的に)述べた。従って、図7のマイクロリアクターの表面領域には、一般的に2〜10の流体注入口及び排出口が設けられている。これ等の数値は本発明の流体微細構造体の設計に用いられる推奨接続パターンを明示している。ここでも、例えば、シングルポート・コネクタの使用、少なくとも1つのマルチポート・コネクタの使用、あるいは1つの直線上に配置されていない注入口及び排出口の接続に適したマルチポート・コネクタの使用等、本発明の接続概念の変形が可能である。
【0083】
図8は、各々がマイクロリアクター20及びそれに封着されたマルチポート・コネクタ10’を備えた本発明の2つのマイクロ流体装置200を示す図である。2つのマイクロ流体装置200はそれぞれのマルチポート・コネクタ10’を介して厚板30に接続されている。厚板30とコネクタタ10’とはリング型パッキング26及びクランプ・システム27によって固定されている。厚板30の厚み内部のチャネルは図示せず。
【0084】
図7に詳細に示す本発明のマルチポート側面接続が特に好ましい。
【0085】
微細構造体20に機械的に接触しない(応力がかからない)1つのクランプ・システム27によって固定された1つの側接続面が関与している。
【0086】
限定されたスペースに幾つかのマイクロ流体装置200を配置することができる。マイクロ流体装置200間の距離を100mmとすることができる。この距離は従来技術による距離120mm(図1)と比較する価値がある。
【0087】
流体バックボーン手法に基づいたリアクターの構造設計の可能性が得られる。幾つかのマイクロ流体装置200を電子カードのように流体バックボーンに差し込み、流体バックボーンを通して微細構造体20間における流体接続を行うことができる。
【0088】
本発明、より詳細には、マイクロリアクター表面に直角な1つの共通面におけるすべての注入口及び排出口を駆動できるコネクタを用いた本発明の好ましい形態に対し、当業者が非常な関心を抱いたことは疑いの余地がない。
【0089】
以下、本発明の新規な流体接続方法の主な効果について説明する。すべての形態に共通の効果もあれば、特定の(好ましい)形態に限定される効果もある。少なくとも1つの添付図面を参照してほとんどの効果について既に説明した。以下の説明では、欧州特許出願公開第1854543号明細書の教示を参照する。
【0090】
1)広動作温度及び圧力範囲
動作範囲は欧州特許出願公開第1854543号明細書による従来技術より広い(図6及び対応する説明を参照)。
【0091】
2)マイクロ流体装置構造の簡略化、クランプ・システム数及び窮屈区域の低減
微細構造体に封着された本発明のマルチポート・コネクタにより、機械的構造を簡略化することができる。
【0092】
・ シングルポート・コネクタ当たり、従って、注入口及び排出口当たり1つのクランプ・システムを備える代わりに、マルチポート・コネクタのための1つのグローバルなクランプ・システムで充分である。従って、一般に、5つのCクランプ(図1の55)を1つのクランプ・システム(図8の27)に置換することができ、組立時間及び機械部品コストに好影響を与えることができる。
【0093】
・ マイクロリアクターにコネクタを封着する方法が、ポリマー封着域の使用を避ける方法であり、それによって関連する漏洩リスクが回避される。
【0094】
欧州特許出願公開第1854543号明細書に記載の従来技術による接続(図1参照)においては、2つのマイクロリアクター間における流体接続には、少なくとも2つのリング型パッキング及び1つの(Swagelok)継手が必要である。マルチポート封着コネクタを用いた本発明によれば、流体バックボーン手法において、2つのリング型パッキングのみが必要であり、(Swagelok)継手は必要としない。これにより、システムから前記制約構成部品を排除することができる。
【0095】
3)側面接続:リアクターの小型化及び流体バス・リアクター構造との適合性
従来技術の接続(欧州特許出願公開第1854543号明細書)は、シングルポート・コネクタを用いたマイクロリアクター両面における正面接続である(図1参照)。既に述べたように、幾つかのマイクロリアクターを1つに組み立てた場合、最小必要距離が120mmであるため、リアクターの設置面積が大きくなる。マイクロリアクターの端部に位置し、マイクロリアクターの表面に直角な1つの接続面を有することによって最適化される本発明による側面接続によって、2つのマイクロリアクター間の距離を100mm以下とすることができる。12のリアクターを含む一般的な構造において、設置面積が約20%削減できるという効果が得られる。図8に関連して既に述べたように、側面接続は流体バックボーン手法に基づいた構造設計の可能性が得られる。
【0096】
4)温度制御なしの低内部容積
PTFEアダプター及びPFA(Swagelok)継手を使用した図1に示す代表的なシングルポート・コネクタの内部容積は0.5mlである。制御されない反応が接続され導管されるリスクを避けるため、温度制御せずに、内部容積を制限することが非常に重要である。図示の本発明による代表的な側面接続によれば、接続チャネル当たりの内部容積を0.1mlとすることができる。
【0097】
5)保守の容易性
側面接続であることが好ましい、封着マルチポート・コネクタの更なる効果はプラグ・アンド・プレイが容易であることである。1つのクランプ・システムであること、及び隣接する微細構造体に直接接触しないことから、他の微細構造体を移動することなく組立体の1つの微細構造体を迅速に交換することができる。
【0098】
主として(Swagelok)継手に基づく、欧州特許出願公開第1854543号明細書による従来の接続においては、1つのシングルポート・コネクタを除去するために、各シングルポート・コネクタを操作する必要があり、ときにより幾つかの微細構造体を移動させる必要もある。
【0099】
6)堅牢性
欧州特許出願公開第1854543号明細書に記載の接続においては、微細構造体そのものに対しシングルポート・コネクタが固定されるため、内圧や温度勾配のような応力に対処する必要がある。また、微細構造体間の接続が行なわれ配管が付加されたとき、とりわけ熱交換ステンレス配管が付加されたとき、圧縮応力を越え、微細構造体に曲げ応力が加わる可能性がある。
【0100】
本発明によれば、微細構造体に封着されたコネクタに対し1つの締め付け力が加わるのみで、微細構造体そのものには機械的力が加わらない(機械的接触も必要ない)ため、ガラスから成る微細構造体の機械的堅牢性が向上する(図8)
7)透明接続
ガラスから成る本発明のコネクタは透明である。従って、接続区域においても反応物質及び生成物を視認することができる(このことは、欧州特許出願公開第1854543号明細書の従来技術によるシングルポート・コネクタでは不可能である)。注入及び排出区域の閉塞を検知できることは有益である。従って、マイクロリアクターが透明であるという利点がそのまま本発明のコネクタにも堅持されている。
【産業上の利用可能性】
【0101】
一般に、本発明のマイクロ流体装置は、微細構造体内において行なわれる、混合、分離、抽出、結晶化、沈殿に関わるあらゆる処理、流体又は多相流体混合物を含む流体混合物の処理、あるいは流体又は固体を含有する多相流体混合物を含む流体混合物の処理に有用である。処理には物理的処理、有機物と無機物との相互変換、有機物間の相互変換、無機物間の相互変換を伴う化学反応、生化学処理、あるいはその他の種類の処理を含むことができる。本発明の装置において、酸化、還元、置換、脱離、添加、配位子交換、金属交換、及びイオン交換反応を行うことができるが、これに限定されない。より具体的には、本発明の装置において、これに限定されない以下に掲げる反応を行うことができる。即ち、重合、アルキル化、脱アルキル、ニトロ化、過酸化、スルホキシド化、エポキシ化、アンモ酸化、水素化、脱水素化、有機金属反応、貴金属化学/均一触媒反応、カルボニル化、チオカルボニル化、アルコキシル化、ハロゲン化、脱ハロゲン化水素、脱ハロゲン化、ヒドロホルミル化、カルボキシル化、脱カルボキシル化、アミノ化、アリール化、ペプチド結合、アルドール縮合、環状縮合、脱水素環化、エステル化、アミド化、複素環合成、脱水、アルコール分解、加水分解、アンモノリシス、エーテル化、酵素合成、ケタール化、鹸化、異性化、四級化、ホルミル化、相間移動反応、シリル化、ニトリル合成、リン酸化反応、オゾン分解、アジド化学、メタセシス、ヒドロシリル化、カップリング反応、及び酵素反応。
【符号の説明】
【0102】
1 ブロック
2、2’ 主面
3、3’、3’ ’、3’ ’ ’ 側面
4 流体チャネル
5 位置合わせピン
10、10’ コネクタ
20 マイクロリアクター(微細構造体)
23’a、23’’a フリット板
23a フリット層
23b1、23b2 フリット薄層
23b 封着フリット層
26 リング型パッキング
27 クランプ・システム
30 厚板
200 マイクロ流体装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体注入口及び排出口を備えたマイクロリアクターと、内部を貫通する流体チャネルを備えたコネクタとを有するマイクロ流体装置であって、前記マイクロリアクターの前記流体注入口及び排出口のうちの少なくとも1つが、前記コネクタを通して接続されて成る装置において、
前記マイクロリアクターが、ガラスセラミック、ガラスセラミック、及びガラスセラミック、又はガラスセラミックから成るコーティング材で被覆された金属から成る群より選択される第1の材料から成り、
前記コネクタが、ガラスセラミック、ガラスセラミック、及びガラスセラミック、又はガラスセラミックから成るコーティング材で被覆された金属から成る群より選択される第2の材料から成り、
前記コネクタが、ガラスセラミック、及びガラスセラミックから成る群より選択され、前記マイクロリアクター及び前記コネクタのガラスセラミック、及びガラスセラミックより低い軟化点及び前記マイクロリアクター及び前記コネクタのガラスセラミック、及びガラスセラミックに対応する膨張率を有する第3の材料から成るフリット層を介して、前記マイクロリアクターに封着されて成る
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第3の材料が、ガラスセラミック、及びガラスセラミックから選択される前記第1及び第2の材料、又は前記第1及び第2の金属材料のコーティング材より低い軟化点、及びガラスセラミック、及びガラスセラミックから選択される前記第1及び第2の材料、又は前記第1及び第2の金属材料のコーティング材に対応する膨張率を有して成ることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記コネクタが、フリット板又はフリット薄層を介して、前記マイクロリアクターに封着されて成ることを特徴とする請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
前記コネクタ内部の前記流体チャネルが、直線状のチャネルではなく、側面接続を可能とするものであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記コネクタが、前記マイクロリアクターの端部に位置して成ることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記コネクタが、前記マイクロリアクターの隅部に位置して成ることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記流体注入口及び排出口のうちの少なくとも2つが1つの前記コネクタを介して接続されて成ることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の装置。
【請求項8】
すべての前記流体注入口及び排出口が前記1つのコネクタを介して接続されて成ることを特徴とする請求項7記載の装置。
【請求項9】
すべての前記流体注入口及び排出口が直線上に配列されて成り、該すべての流体注入口及び排出口に対応する1つの前記コネクタが、前記マイクロリアクターの端部近傍に、該端部と平行に封着されて成ることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の装置。
【請求項10】
前記マイクロリアクターの端部近傍に、該端部と平行に配された1つの前記コネクタを通し、リング型パッキングを介して厚板に接続され、該厚板及び前記コネクタにのみ接触する機械的固定手段によって、前記厚板に固定されて成ることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−525254(P2012−525254A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508638(P2012−508638)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/032742
【国際公開番号】WO2010/126992
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】