説明

コネクタ及び検出スイッチ

【課題】挿抜される接続対象物である電子部品を装着した状態において衝撃荷重が加わった場合でも、接続対象物の挿抜を好適に検出すること。
【解決手段】挿入口111を介してメモリカードが内部の収容部に挿抜自在に装着されるコネクタ本体110に、弾性変形して揺動自在に設けられ、収容部に挿入されるメモリカードの押圧により揺動する可動端子160と、コネクタ本体110に可動端子160から離間して設けられ、揺動した可動端子160の押圧により接触してメモリカードの挿脱が検出される固定端子150とを有する。可動端子160及び固定端子150の接触部分である可動接点部164及び固定接点部154には、それぞれ互いに嵌合して、押圧方向と直交する方向への移動を規制するリブ156及び溝部が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿入により接続される接続対象物を検出する検出スイッチを有するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からデジタルカメラなどのデータの記憶媒体として、樹脂製の薄板状の筐体を有するメモリカードが広く用いられており、種々の種類や規格の小型のメモリカードが知られている。最近では、携帯電話用のデータの記憶媒体としてもメモリカードが用いられており、非常に小型のメモリカードも市販されている。
【0003】
これらのメモリカードを記憶媒体とするデジタルカメラや携帯電話などの電子機器には、メモリカードの大きさに対応したメモリカード用のコネクタ(コネクタ)が設けられ、メモリカードは、メモリカードコネクタに挿入することで電子機器に装着される。
【0004】
このようなメモリカードコネクタには、例えば、特許文献1に示すように、コネクタ本体に挿入されるメモリカードが接点部分を接近方向及び離間方向に移動させることにより、メモリカード自体の状態を電気的に検出する検出スイッチが設けられている。検出スイッチとしては、カード挿入を検出するカード検出スイッチがある。
【0005】
図12は、従来のメモリカードコネクタにメモリカードが挿入されたことを検出するカード検出スイッチの構成を示す図である。
【0006】
図12に示す従来のカード検出スイッチ1は、コネクタ本体3において、装着されるメモリカード2の挿入方向に沿って延在する一方の案内側壁4側に設けられている。
【0007】
カード検出スイッチ1は、コネクタ本体3の案内側壁4に沿って配置された固定板5と、固定板5にコネクタ本体の横幅方向で離間して配置された細長の可動板6とから構成されている。
【0008】
固定板5は、コネクタ本体3の奥側から挿入口側に向かって突出して配置され、その突出端部で、可動板6の一端部と、コネクタ本体3の横幅方向で対向している。
【0009】
可動板6は、挿入経路の側方を仕切る案内側壁4に沿って挿入口から挿入方向に向かって延在するように配置され、固定板5の突端部と対向する先端部は揺動自在となっている。この可動板6の先端部には、案内側壁4側から挿入経路内に突出する折曲部7が設けられている。可動板6の折曲部7は、メモリカード2が装着位置に在るときは、メモリカード2の側面によって押されて、折曲部7の基端の接点部が固定板5に当接する。これにより、可動板6と固定板5は電気的に導通状態(クローズ)となる。
【0010】
このように従来のメモリカードコネクタでは、挿入方向に沿う一方の案内側壁4側において、初期状態では、固定板5と可動板6は電気的に遮断状態(オープン)である。これに対して、メモリカード2が挿入されると、可動板6が側方に撓むことで固定板5に接触し、固定板5と可動板6は電気的に導通状態となる。また、メモリカード2をコネクタ本体3から抜去すると、可動板6の折曲部7は復帰して可動板6と固定板5は電気的に遮断状態となる。このようにして、メモリカード2の挿入を検出している。なお、これら可動板6と固定板5の終端は、コネクタ本体3が実装される図示しないプリント基板のカード検出回路に接続されている。
【特許文献1】特開2003−22870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来のコネクタの検出スイッチでは、接続対象であるカードが装着された状態では、メモリカードの挿入により可動板6が固定板5側に揺動して固定板5を押圧して導通した状態となる。
【0012】
このため、カードを装着した状態、つまり、可動板6が固定板5を押圧している状態のコネクタに、コネクタ自体の落下等によって衝撃荷重が加わる場合、可動板6が更に押圧方向に移動して固定板5を乗り越えて、固定板5に後ろ合わせで接触した状態となる恐れがある。これにより、カードを抜き去った後、可動板が固定板から離間した位置に戻らず、カードの挿抜の検出ができなくなるという問題がある。
【0013】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、挿抜される接続対象物である電子部品を装着した状態において衝撃荷重が加わった場合でも、接続対象物の挿抜を好適に検出できるコネクタ及び検出スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のコネクタは、挿入口を介して電子部品が内部の収容部に挿抜自在に装着されるコネクタ本体と、前記コネクタ本体に設けられ、前記収容部に挿入される前記電子部品の押圧により弾性変形して揺動する可動端子と、前記コネクタ本体に前記可動端子から離間して設けられ、揺動した前記可動端子が接触して前記電子部品の前記収容部への挿入又は前記収容部からの抜脱を検出可能な固定端子と、を有し、前記可動端子及び固定端子の接触部分の一方には嵌合部が形成され、他方には前記可動端子が前記固定端子を押圧した際に前記嵌合部と嵌合して、前記可動端子の揺動軸方向及び前記押圧方向の双方と直交する方向への移動を前記嵌合部とともに互いに規制する被嵌合部が形成されている構成を採る。
【0015】
本発明の挿抜検出スイッチは、挿入口を介して電子部品が内部に装着されるコネクタのコネクタ本体に設けられ、前記コネクタ本体内に挿入される前記電子部品の押圧により弾性変形して揺動する可動端子と、前記コネクタ本体に前記可動端子から離間して設けられ、揺動した前記可動端子により押圧されて前記可動端子に接触する固定端子と、を備え、前記可動端子及び固定端子の接触により前記電子部品の前記コネクタ本体への挿入又は前記コネクタ本体からの抜脱を検出する検出スイッチであって、前記可動端子及び固定端子の接触部分の一方には嵌合部が形成され、他方には前記可動端子が前記固定端子を押圧した際に前記嵌合部と嵌合して、前記可動端子の揺動軸方向及び前記押圧方向の双方と直交する方向への移動を前記嵌合部とともに互いに規制する被嵌合部が形成されている構成を採る。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、挿抜される接続対象物である電子部品を装着した状態において衝撃荷重が加わった場合でも、接続対象物の挿抜を好適に検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施の形態に係るコネクタの平面図、図2は同コネクタの左側面図、図3は同コネクタの右側面図、図4は同コネクタの正面図、図5は同コネクタの背面図、図6は同コネクタの底面図である。
【0019】
図1〜図6に示すコネクタ100は、挿入により接続される接続対象物をメモリカード20としたメモリカードコネクタである。なお、コネクタ100は、挿入される接続対象である接続相手コネクタなどを含む電子部品と、実装される基板とを電気的に接続する構成であれば、どのような接続対象物に対して用いられるコネクタとしてもよい。
【0020】
また、メモリカード20(図9〜図11参照)は、自由にデータの読み書きが行えるものであるが、書込が自由にできないものであってもよい。メモリカードとしては、PCカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード、スマートメディア、SDカード(Secure Digital memory card)(登録商標)、メモリースティック(登録商標)等が挙げられる。本実施の形態のコネクタは、幅11mm、長さ15mm、厚さ1.0mm、重量約0.4g、動作電圧2.7−3.6V、端子数8ピンのメモリカードであるmicroSD(登録商標)用コネクタとしており、書き込み防止スイッチは搭載していないが、書き込み防止スイッチを搭載した構成としてもよい。
【0021】
コネクタ100は、一方の面側に挿入口111を備える矩形薄板状をなすコネクタ本体110と、コネクタ本体110に配設され、コネクタ本体110内に挿入されるメモリカード20のパットに電気的に接続するコンタクト(図4〜図6参照)120と、メモリカード20の装着を検出する検出スイッチ(図1及び図2参照)130とを有する。
【0022】
コネクタ本体110は、矩形状の底面部112a(図4〜図6参照)の両側辺部から垂直に両側壁部112b、112c(図4及び図5参照)が立ち上がり、且つ、絶縁部材からなるハウジング112(図4参照)に、上方から金属製のシールドカバー113(図4参照)を被せて形成されている。
【0023】
なお、コネクタ本体110では、両側壁部112b、112cはメモリカード20を収容する収容部110a(図4及び図5参照)を両側方からそれぞれ仕切っている。両側壁部のうち一方(ここでは右側壁部112c)にイジェクト機構が配設され、他方(ここでは、左側壁部112b)に検出スイッチ130が配設されている。また、コネクタ本体110では、弾性変形するコンタクト120が底面部112aから収容部110a内に突出して配設されている。ここではコンタクト120はハウジング112にインサート成形によって設けられ、コネクタ自体の薄型化が図られている。
【0024】
イジェクト機構は、プッシュプッシュ式の周知の機構であり、挿入方向に移動自在に設けられ、挿入されるメモリカード20により押圧されてハウジング底面上を挿入方向に移動するスライダ(図1及び図6参照)141を有する。スライダ141は、後側壁部112d(図6参照)との間に介設されたコイルスプリング(図1及び図6参照)142によってメモリカードの挿入口111側に向けて付勢されている。このスライダ141に追従して移動するロックピン143(図9参照)を介して、スライダ141を挿入完了位置でロックするハートカム溝部144(図1参照)に連結されている。
【0025】
このイジェクト機構によって、メモリカードは、コネクタ100に完全に挿入された挿入完了位置、つまり、メモリカードに押圧されるスライダ141によってロックピン143がハートカム溝部144の挿入完了位置144a(図1参照)でロックされた状態の位置で保持される。また、メモリカードは、挿入完了位置144aの手前の挿入位置で軽く保持するためのハーフロック位置、つまり、収容部110a内に挿入されたメモリカードが挿入口側に位置するスライダ141に当接した状態の位置との2箇所の位置で保持される。
【0026】
図1及び図2に示す検出スイッチ130は、左側壁部112bの後端側に設けられ、コネクタ本体110に固定される固定端子150と、挿入口111を介してコネクタ本体110内に侵入するメモリカードの押圧により可動して固定端子150に接触して導通する可動端子160とを有する。これら固定端子150及び可動端子160の導通を用いて検出スイッチ130ではメモリカードの装着、非装着が検出される。ここでは、固定端子150及び可動端子160の導通によってメモリカードの装着を検出し、図示しない電子回路にその旨を示す信号を出力するものとする。
【0027】
固定端子150及び可動端子160は、それぞれ導電性を有する材料、ここでは金属板を加工して形成されている。
【0028】
固定端子150及び可動端子160は、それぞれ可撓性を有する帯状をなし、両者ともコネクタ本体110に、挿入方向に沿って配置されている。固定端子150及び可動端子160では、互いの先端部は、左側壁部112bの後端側を切り欠いて形成された切り欠き部112f内に配置され、横方向で対向している。
【0029】
具体的には、固定端子150は、図1及び図2に示すように、左側壁部112bの後端部112eに、左側壁部112bの切り欠き部112f内に延び出るように、圧入などにより取り付けられている。固定端子150の先端部には、後端部112eから延び出る延出部152よりも幅広の固定接点部154が設けられている。
【0030】
固定接点部154の内側、つまり、収容部110a側には、固定接点部154に対向して配置され、コネクタ本体110の横幅方向(詳細には、固定接点部154に接触する方向及び離間する方向)に移動自在な可動端子160の可動接点部164が配置されている。これら可動接点部164と固定接点部154とで可動端子160及び固定端子150の接触部分を構成している。
【0031】
可動端子160は、コネクタ本体110の左側壁部112bに圧入などによって取り付けられ、切り欠き部112f内に、切り欠き部112fよりも挿入口111側から突出して配置されている。
【0032】
可動端子160は、挿入口111側から切り欠き部112f内に突出して設けられ、弾性変形してコネクタ本体110の横幅方向(図7で示す両矢印A方向)に揺動自在な可動アーム162と、可動アーム162から収容部110a側に突出して設けられ、収容部110a内に挿入されるメモリカードに当接して横幅方向(図7で示す両矢印A方向)において固定端子150側に押圧されるカード当接部165とを有する。
【0033】
カード当接部165は、コネクタ本体110の横幅方向に表裏面を向けた細長板状の金属板において可動アーム162を構成する部位の先端部を折曲して、頂点が収容部110a側に位置するV字状に形成されている。
【0034】
可動アーム162の先端からV字状に収容部110a側に突出するカード当接部165との境界部分において固定接点部154と対向する部位を可動接点部164としている。
【0035】
図7は、検出スイッチ130の要部を示す斜視図である。
【0036】
図7に示すように、固定端子150及び可動端子160のそれぞれが有する固定接点部154及び可動接点部164には、嵌合部及び被嵌合部が設けられている。嵌合部及び被嵌合部は、可動端子160が固定端子150側に移動して当接した際に嵌合して、互いの当接方向と直交する方向への移動を規制する。
【0037】
図8は挿入口111側からみた検出スイッチ130の接点部分の部分端面図である。
【0038】
嵌合部及び被嵌合部は、図7及び図8に示すように、固定接点部154及び可動接点部164のそれぞれに、互いに対向する方向に形成された凸状のリブ(リブ156)と、凹状に形成された溝又はスリット(溝部166)である。
【0039】
ここでは、嵌合部及び被嵌合部は、固定接点部154に設けられ、可動接点部164側に突出するリブ156と、可動接点部164において、固定接点部154に対向する部分で開口するように設けられ、前記リブ156と嵌合する溝部166と、により形成されている。
【0040】
本実施の形態では、リブ156及び溝部166は、固定端子150及び可動端子160において固定接点部154及び可動接点部164となる部位に絞り加工によって形成している。具体的には、図8に示すように、リブ156は、固定接点部154において可動接点部164と対向する面側から突出して形成されている。一方、溝部166は、可動接点部164において固定接点部154と対向する面側で窪むように形成され、対向する面の背面側では溝部166の底部を形成する部位が突条に突出している。この突条は、可動端子160において可動アーム162とカード当接部165とが交差して交わる部分の補強リブとして機能し、可動端子160自体の強度向上を図っている。
【0041】
固定接点部154及び可動接点部164のリブ156及び溝部166は、可動接点部164が移動して固定接点部154及び可動接点部164が当接した際に、溝部166内に入り込むリブ156が、溝部166において対向する両内壁面の2点C1、C2で接触する(図8に想像線Bで示す)。
【0042】
この溝部166は可動接点部164においてリブ156が摺動する部位である可動アーム162からカード当接部165の基端部側に渡って延在し、カード当接部165の基端部側で開口するように設けられている。
【0043】
次に、本実施の形態のコネクタ100における検出スイッチ130の動作を説明する。
【0044】
図1〜図6に示すコネクタ100に挿入口111からメモリカード20を挿入する。
【0045】
図9は、メモリカード20が装着されたコネクタ100を示す図であり、図10は、メモリカード20が装着されたコネクタ100の検出スイッチ130を示す要部斜視図、図11は同検出スイッチ130の要部部分断面図である。なお、図9のコネクタ100では、検出スイッチ130における固定端子150及び可動端子160を断面で示す。
【0046】
コネクタ100にメモリカード20を挿入すると、メモリカード20によりスライダ141が押圧されてコネクタ本体110の奥側に移動し、ロックピン143がハートカム溝部144の挿入完了位置144aでロックされ、メモリカード20は装着状態の位置で保持される。この動作に伴い、検出スイッチ130では、挿入されるメモリカード20によって、可動端子160のカード当接部165が挿入方向に押圧される。挿入方向に押圧されるカード当接部165の変位によって、可動アーム162は弾性変形し、挿入口111側の基端部を中心に変位し、先端部のカード当接部165は、収容部110aから離間する方向(固定端子150に向かう方向)に移動する。これに伴い、可動接点部164は、固定接点部154側に移動して、固定接点部154を押圧する。
【0047】
可動接点部164が固定接点部154を押圧する際に、可動接点部164の溝部166内に固定接点部154のリブ156が入り込み、可動接点部164は、更に固定端子150側に移動するように移動していく。これに伴い、リブ156は溝部166内を可動端子160の先端側に向かって長手方向に摺動する。そして、図10及び図11に示すように所定位置、つまり、メモリカード20が装着された位置で、リブ156と溝部166とが接触した状態で保持される。
【0048】
このとき、溝部166は、図8の想像線Bで示すように、リブ156と2点C1、C2で点接触した状態で保持される。
【0049】
このように本実施の形態のコネクタ100では、可動端子160の先端側が固定端子150側に移動して、可動接点部164が固定接点部154に当接し、固定接点部154を収容部110aから離間する方向に押圧する際に、リブ156が溝部166内に入り溝部166内を摺動しつつ移動し、所定位置で接触した状態で維持される。
【0050】
このように検出スイッチ130では、固定接点部154及び可動接点部164とは、リブ156と溝部166とが嵌合することによって、固定端子150及び可動端子160が相対的に接触方向とは直交する方向へ移動することを規制する。
【0051】
よって、検出スイッチ130の導通状態、つまり、メモリカード20を装着した状態のコネクタ100に、コネクタ100自体の落下等によって衝撃荷重が加わる場合でも、固定端子150に押し付けられている可動端子160が、固定端子150を乗り越えて、押し付け方向つまり、揺動方向に移動することがない。つまり、可動端子160の可動接点部164と、固定端子150の固定接点部154とが後ろ合わせの位置に移動することがない。これにより、衝撃加重が加えられたコネクタ100からカードを抜き去った後でも、可動端子160は固定端子150から離間した初期位置に戻り、カードの挿抜を好適に検出することができる。
【0052】
また、固定接点部154と可動接点部164とが後ろ合わせの位置に移動すると、薄型化が図られたコネクタでは、他の配線を形成する端子に接触する可能性があるが、本実施の形態では、これを回避することができる。
【0053】
また、検出スイッチ130では、固定接点部154及び可動接点部164が摺動により接触して、固定端子150及び可動端子160が導通する。このため、固定接点部154及び可動接点部164の間に外部から侵入するゴミやカード当接部165に接触するメモリカードの削りカス等が入る場合でも、ゴミ及びカスを除去して安定した接触状態を維持することができる。
【0054】
また、検出スイッチ130において接触により導通する固定端子150及び可動端子160のスパンが長い場合、これら固定端子150及び可動端子160をハウジングに圧入して取り付ける際には、圧入のバラツキによって高さ方向、つまり、コネクタ本体110の厚み方向の接点位置にバラツキが生じる可能性がある。
【0055】
しかし、本実施の形態では、固定端子150と可動端子160とが当接する部位に、互いに嵌合するリブ156と溝部166とを設けている。このため、固定端子150及び可動端子160が、コネクタ本体110に、厚み方向の接点位置に多少のバラツキが生じる位置で取り付けられた場合でも、固定接点部154に押圧される可動接点部164は、溝部166内にリブ156を案内させて接触させることができ、互いの接触部分を所定位置に規制して接点部分のバラツキを抑制することができる。
【0056】
本実施の形態では、コネクタ100を、挿入される電子部品をメモリカードとしたカードコネクタ100として説明するが、これに限らない。コネクタ100は、挿入される電子部品と、実装される基板とを電気的に接続する構成であれば、どのような電子部品に対して用いられるコネクタとしてもよい。
【0057】
なお、上記本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り、種々の改変をなすことができ、そして本発明が該改変させたものに及ぶことは当然である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明に係るコネクタは、挿抜される接続対象物である電子部品を装着した状態において衝撃荷重が加わった場合でも、接続対象物の挿抜を好適に検出できる効果を有し、装着される電子部品の挿抜を好適に検出し、メモリカードを装着するメモリカードコネクタとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施の形態に係るコネクタの平面図
【図2】同コネクタの左側面図
【図3】同コネクタの右側面図
【図4】同コネクタの正面図
【図5】同コネクタの背面図
【図6】同コネクタの底面図
【図7】検出スイッチの要部を示す斜視図
【図8】挿入口側からみた検出スイッチの接点部分の部分端面図
【図9】メモリカードが装着されたコネクタを示す図
【図10】メモリカードが装着されたコネクタの検出スイッチを示す要部斜視図
【図11】同検出スイッチの要部部分断面図
【図12】従来のメモリカードコネクタにおけるメモリカード挿入を検出するカード検出スイッチの構成を示す図
【符号の説明】
【0060】
20 メモリカード
100 コネクタ
110 コネクタ本体
111 挿入口
130 検出スイッチ
150 固定端子
152 延出部
154 固定接点部
156 リブ
160 可動端子
162 可動アーム
164 可動接点部
165 カード当接部
166 溝部
110a 収容部
112a 底面部
112b 左側壁部
112c 右側壁部
112d 後側壁部
112e 後端部
112f 切り欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入口を介して電子部品が内部の収容部に挿抜自在に装着されるコネクタ本体と、
前記コネクタ本体に設けられ、前記収容部に挿入される前記電子部品の押圧により弾性変形して揺動する可動端子と、
前記コネクタ本体に前記可動端子から離間して設けられ、揺動した前記可動端子が接触して前記電子部品の前記収容部への挿入又は前記収容部からの抜脱を検出可能な固定端子と、
を有し、
前記可動端子及び固定端子の接触部分の一方には嵌合部が形成され、他方には前記可動端子が前記固定端子を押圧した際に前記嵌合部と嵌合して、前記可動端子の揺動軸方向及び前記押圧方向の双方と直交する方向への移動を前記嵌合部とともに互いに規制する被嵌合部が形成されている、
コネクタ。
【請求項2】
前記嵌合部は、前記可動端子及び固定端子の接触部分の前記他方側に突出する凸状部であり、
前記被嵌合部は、前記一方側に開口して前記凸状部に嵌合する凹状部である、
請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記嵌合部及び被嵌合部は、前記可動端子が揺動することにより互いに摺動しつつ嵌合し、
前記凹状部である前記被嵌合部は摺動方向に延在する溝である、
請求項2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記電子部品はメモリカードである、
請求項1記載のコネクタ。
【請求項5】
前記可動端子は、一端側で前記コネクタ本体に固定され、他端部側を揺動自在とした可動アームと、可動アームから前記収容部に突出して配置され、挿入される前記電子部品に押圧される押圧部と、前記可動アームの他端部側に設けられ、前記電子部品が前記押圧部を押圧することにより変位して前記固定端子の固定接点部に当接する可動接点部とを有し、
前記固定端子は、前記コネクタ本体に、前記可動端子の延在方向に沿って、且つ前記可動端子に向かって突出して取り付けられ、前記固定端子の先端部は、前記固定接点部として前記可動接点部の変位方向に離間する位置に配置されている請求項1記載のコネクタ。
【請求項6】
前記可動端子は前記コネクタ本体に、前記収容部から離間する方向に揺動して、前記固定端子を押圧する、
請求項1記載のコネクタ。
【請求項7】
挿入口を介して電子部品が内部に装着されるコネクタのコネクタ本体に設けられ、前記コネクタ本体内に挿入される前記電子部品の押圧により弾性変形して揺動する可動端子と、
前記コネクタ本体に前記可動端子から離間して設けられ、揺動した前記可動端子により押圧されて前記可動端子に接触する固定端子と、
を備え、前記可動端子及び固定端子の接触により前記電子部品の前記コネクタ本体への挿入又は前記コネクタ本体からの抜脱を検出する検出スイッチであって、
前記可動端子及び固定端子の接触部分の一方には嵌合部が形成され、他方には前記可動端子が前記固定端子を押圧した際に前記嵌合部と嵌合して、前記可動端子の揺動軸方向及び前記押圧方向の双方と直交する方向への移動を前記嵌合部とともに互いに規制する被嵌合部が形成されている、
検出スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−73369(P2010−73369A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237008(P2008−237008)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】