説明

コネクタ

【課題】端子金具の短絡状態を解除する短絡解除手段が破損等されないようにする。
【解決手段】一対の端子金具70に弾性接触片81A,81Bを当接させることでこの一対の端子金具70を短絡させる短絡端子80と、雌ハウジング10の前面に露出しつつ解除位置と短絡位置との間を移動可能に配置され、短絡位置では弾性接触片81A,81Bの端子金具70への当接動作を許容し、解除位置では弾性接触片81Bに当接してこの弾性接触片81Bを端子金具70から離間させるフロントマスク50と、雄ハウジング30に配置され、両ハウジング10,30の嵌合動作に伴ってフロントマスク50の解除用被押圧面54と摺接することでフロントマスク50を短絡位置から解除位置へと移動させる第一カム面35Aとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車のエアバッグ回路に用いられるコネクタは、メンテナンス等で回路を開いたときにエアバッグが不用意に動作するのを防止するため、回路を構成する一対の端子金具を短絡端子によって短絡させることで両端子金具間に電位差が生じないようにしてある。
この場合、端子金具と短絡端子はハウジングに収容され、短絡端子の弾性接触片が端子金具に対して相手側のハウジングとの嵌合方向と交差する方向に弾性的に当接する構造となっている。そして、相手側のハウジングには両ハウジングの嵌合過程で端子金具と短絡端子との間に分け入って弾性接触片を短絡解除方向に撓ませる解除片が設けられている。この解除片は、通常、筒状のフード部の奥面から開口面側へ向けて細長く突出する形状となっている。なお、特許文献1には、こうしたコネクタの一例が開示されている。
【特許文献1】特開2005−166490公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の場合、端子金具と短絡端子との接続位置がハウジングの内部に設定されていることから、両ハウジングの嵌合過程でその接続位置に解除片の先端部を至らす必要があり、解除片が長くなるのを余儀なくされた。
しかるにこのような構成であると、短絡解除時、解除片の根元には弾性接触片を撓ませるのに要する応力が集中することになるため、コネクタ小型化の要請によって解除片の根元径を十分に確保できない場合、最悪、解除片が破損・折損されるおそれもあった。また、単体状態にある雄ハウジングのフード部内に異物が入り込み、解除片が異物と干渉した場合にも破損・折損されるおそれがあった。そのため、このような突出形状の解除片以外の短絡解除手段が希求されていた。
【0004】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、突出形状の解除片以外の短絡解除手段によって短絡端子による端子金具の短絡状態を解除するとともに、その短絡解除手段が破損・折損されないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、相手側のハウジングと嵌合・離脱可能なハウジングと、前記ハウジング内に収容される少なくとも一対の端子金具と、前記一対の端子金具に弾性接触片を当接させることでこの一対の端子金具を短絡させる短絡端子と、前記ハウジングの嵌合面に露出しつつ解除位置と短絡位置とを移動可能に配置され、前記短絡位置では前記弾性接触片の前記端子金具への当接動作を許容し、前記解除位置では前記弾性接触片に当接してこの弾性接触片を前記端子金具から離間させる解除部材と、前記相手側のハウジングに配置され、両ハウジングの嵌合動作に伴って前記解除部材の露出部分と当接することでこの解除部材を前記短絡位置から前記解除位置へと移動させる移動手段とを備える構成としたところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記解除部材は、前記ハウジングの嵌合面に沿って移動可能であり、前記解除位置にて前記端子金具と対応する端子挿通口が形成されたフロントマスクによって構成されるところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記両ハウジングの離脱動作に伴って前記解除部材を前記解除位置から前記短絡位置へと移動させる戻り方向の移動手段をも有するところに特徴を有する。
【0007】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記解除部材は、前記解除位置と前記短絡位置との間を前記両ハウジングの嵌合・離脱方向と交差する方向に移動可能であり、前記移動手段は、筒状のフード部の内面に形成されたカム面によって構成されるところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0008】
<請求項1の発明>
ハウジングの嵌合面に解除部材が露出して配置されるとともに、相手側のハウジングに移動手段が配置されており、両ハウジングの嵌合動作に伴って移動手段が解除部材の露出部分と当接することで解除部材が短絡位置から解除位置へと移動するから、短絡端子による端子金具の短絡状態を解除する短絡解除手段が解除部材と移動手段とによって賄われることとなり、従来における解除片を廃止することができる。そして、かかる解除片に代わって相手側のハウジングに配置される移動手段は、ハウジングの嵌合面に露出された解除部材の露出部分と当接するから、ハウジングの内部に進入可能な突出形状である必要はなく、破損・折損されるおそれはない。
【0009】
<請求項2の発明>
解除手段はフロントマスクによって構成されるから、フロントマスクとは別に設けられる場合と比べ、部品点数が少なくて済む。
<請求項3の発明>
両ハウジングの離脱動作に伴って解除部材を解除位置から短絡位置へと戻り方向に移動させる移動手段をも有するから、解除部材の短絡位置への戻し作業を手操作等で別途行わずに済み、作業性が良好となる。
【0010】
<請求項4の発明>
解除部材は解除位置と短絡位置との間を両ハウジングの嵌合・離脱方向と交差する方向に移動可能であるという事情があるものの、移動手段は筒状のフード部の内面に形成されたカム面によって構成されるに過ぎないから、移動手段の構成が複雑化するおそれはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図10によって説明する。本実施形態のコネクタは、互いに嵌合・離脱可能な雌雄一対のハウジング10,30と、フロントマスク50と、自動車のエアバッグ回路を構成する一対の端子金具70を含む複数の端子金具70と、短絡端子80とを備えて構成される。
【0012】
雌ハウジング10(本発明の「ハウジング」に相当する)は合成樹脂製であって、その内部に、雌側の端子金具70を収容する複数のキャビティ11が整列に形成されている(図5を参照)。各キャビティ11の内壁には前方へ向けて片持ち状に延出されるランス12が一体に形成されている。雌ハウジング10の前面にはフロントマスク50の組付空間13が開口されており、この組付空間13を挟んだ左右両側に、フロントマスク50のガイド壁14が上下方向(高さ方向)に柱状に沿設されている。ガイド壁14には、フロントマスク50を解除位置(後述する)に保持するための仮係止部15が凹み形成されるとともに、それより上方にフロントマスク50を短絡位置(後述する)に保持するための本係止部16が仮係止部15と並んで凹み形成されており、両位置においてフロンマスクの移動操作が一時停止される。なお、キャビティ11の前端には、端子金具70を前止りさせるための前壁が設けられておらず、フロントマスク50がこれにとって代る。
【0013】
ここで、端子金具70は導電性の金属板を曲げ加工等して一体に形成され、前後両面が開口された角筒状の箱部71と箱部71よりも後方に電線圧着部72とを備えて前後に細長い形状をなし、箱部71内には撓み片73が設けられ、電線圧着部72には電線74が固着されている。かかる端子金具70は、後方からキャビティ11内に挿入され、正規挿入位置においてランス12によって弾性的に抜け止め係止される。箱部71の上壁にはランス12が進入可能なランス孔75が開口され、このランス孔75の前端開口縁にランス12が後方から係止可能とされる。
【0014】
雌ハウジング10の上面の幅方向略中央部にはその前端から後方へ向けて延出されるロックアーム17が一体に形成されている。ロックアーム17は上下方向に弾性撓み可能とされ、両ハウジング10,30が正規嵌合されたときに、相手側の雄ハウジング30(本発明の「相手側のハウジング」に相当する)に設けられたロック受け部31を弾性係止し、これによって両ハウジング10,30を離脱規制状態(嵌合状態)に保持する。ロックアーム17の上面には、ロック突起18が突出して形成されており、このロック突起18がロック受け部31に対して両ハウジング10,30の離脱方向で当接可能とされる。ロックアーム17の根元部17Aの周囲は全周に亘って切り欠かれており、この根元部17Aの下面はフロントマスク50の上端と当接可能なストッパ面17Bとされ、ここに解除位置から短絡位置に至ったフロントマスク50が当て止めされる。
【0015】
また、雌ハウジング10には、その上下方向略中央部であって短絡対象となるキャビティ11の下方(ランス12と反対側)に、短絡端子80を収容するための短絡端子収容部19が形成されている。短絡端子収容部19は、雌ハウジング10の前面に開口されるとともにキャビティ11の前部に連通する作動空間19Aと、雌ハウジング10の後面に開口されるとともに略水平なスリット状をなす固定空間19Bとを有する。作動空間19Aの後面の略下半部(固定空間19Bを挟んで下部側の領域)は前下がりの傾斜面19Cとされる一方、作動空間19Aの後面の略上半部(固定空間19Bを挟んで上部側の領域)は前上がりの傾斜面19Dとされ、両傾斜面19C,19Dによって短絡端子80の作動領域が規定されている。
【0016】
そして、雌ハウジング10には、固定空間19Bを縦断しつつ雌ハウジング10の下面に開口されるリテーナ収容部20が形成されている。ここに組み付けられるリテーナ76は前後に貫通する貫通孔77を有してブロック状をなし、仮係止位置と本係止位置との間を移動可能とされ、仮係止位置では、貫通孔77がキャビティ11と整合することで端子金具70のキャビティ11への挿抜動作を許容し、本係止位置では、キャビティ11内に正規挿入された端子金具70の箱部71の後端を抜け止め係止する。また、このリテーナ76には、解除位置と短絡位置のいずれの位置においても、固定空間19Bと対応することで、短絡端子80との干渉を回避可能な逃がし孔78が前後に貫通して形成されている。
【0017】
フロントマスク50は合成樹脂製であって、雌ハウジング10の前面に沿って移動可能であり、雌ハウジング10の前面に露出して組み付けられる。このフロントマスク50は、全体として雌ハウジング10の前面に沿った平板状をなし、雌ハウジング10の両ガイド壁14間に嵌合されつつ短絡位置とそれよりも下方の解除位置との間を上下方向に移動可能とされる。具体的にはフロントマスク50は、短絡位置では短絡端子80による端子金具70の短絡状態を維持し、短絡位置から解除位置への移動動作によって短絡端子80による端子金具70の短絡状態を解除し、さらに解除位置では端子金具70の短絡解除状態を維持する。
【0018】
フロントマスク50の左右両側縁には、左右一対の仮係止受け部51が突出して形成されるとともに、それより下方に左右一対の本係止受け部52が仮係止受け部51と並んで突出して形成されており、解除位置において仮係止受け部51が仮係止部15に係止され(図10を参照)、短絡位置において仮係止受け部51が本係止部16に係止されるとともに本係止受け部52が仮係止部15に係止されるようになっている(図9を参照)。フロントマスク50は、雌ハウジング10の組付空間13に収容され、短絡位置ではその下面が雌ハウジング10の下面とほぼ面一で略水平に連なる一方、解除位置ではその下面が雌ハウジング10の下面よりも下方に位置して、その下端部が組付空間13より下方に突出して配置される。
【0019】
フロントマスク50の上端縁の幅方向略中央部はここを挟んだ左右両側部よりも一段凹んだ凹部53となっており(図8を参照)、この凹部53がロックアーム17の根元部17Aに下から嵌合され、短絡位置では凹部53の底面がストッパ面17Bに突き当て状態で当接される。また、フロンマスクの上端縁のうち、凹部53を挟んだ左右両側部は、短絡位置と解除位置のいずれの位置においても上方に向けて露出状態で配置され、相手側の雄ハウジング30に設けられた移動手段によって押圧される解除用被押圧面54となっている。この解除用被押圧面54はフロントマスク50の上端縁において前下がりのテーパ状をなしている。一方、フロントマスク50の下端縁は短絡位置と解除位置のいずれの位置においても下方に向けて露出状態で配置され、相手側の雄ハウジング30に設けられた戻り方向の移動手段によって上記とは逆向きに押圧される短絡用被押圧面55となっている。なお、仮係止受け部51と仮係止部15との係止状態、仮係止受け部51と本係止部16との係止状態、及び本係止受け部52と仮係止部15との係止状態は、短絡用被押圧面55及び解除用被押圧面54からの押圧力を受けて解除される。
【0020】
そして、フロントマスク50には、複数の端子挿通口56と治具挿通口57とが相互に独立した態様で前後に貫通して形成されている。端子挿通口56は解除位置ではキャビティ11内に収容された端子金具70と対応する高さに位置して端子金具70がここに臨み、短絡位置ではランス12の型抜き空間21と対応する高さに位置してランス12がここに臨む。一方、治具挿通口57は、端子挿通口56と幅方向に位置ずれしつつその上方に対応して配置され、解除位置ではランス12の型抜き空間21と対応する高さに位置してランス12がここに臨む。したがって、フロントマスク50が解除位置にあるときには、端子挿通口56から相手側の雄端子金具79のタブ79Aが挿入されて端子金具70と接続可能とされるとともに、治具挿通口57から解除治具(図示せず)が挿入されてランス12を端子金具70から解離させる方向に撓ませることで端子金具70の抜き取りが可能とされる。なお、端子挿通口56の前半部の口縁はタブ79Aの誘い込み面56Aとして前方へ向けてラッパ状に開口されている。
【0021】
また、フロントマスク50の後面(雌ハウジング10の前面と対向する面)には雌ハウジング10において幅方向で隣接するキャビティ11間を仕切る仕切り壁と連続するリブ58が上下に延出されるとともに幅方向に複数並んで形成されている。各リブ58間の空間は端子金具70の前端部が後方から進入する進入空間59とされ、キャビティ11内に挿入された端子金具70の前端部は進入空間59に嵌合されるとともにその左右両側をリブ58によって拘束されることで幅方向に遊動規制される。
【0022】
そして、フロントマスク50の後面には、後方へ突出する左右一対の解除本体60が一体に形成されている。解除本体60は、それぞれ同形同大であって、フロントマスク50の高さ方向略中央部において左右両側に間隔をあけつつそれぞれ同じ高さに位置している(図7を参照)。具体的には解除本体60はその断面形状が略方形をなし、かつその先端(突出端)の周縁部には先細り状のテーパ面60Aが形成されている。また、解除本体60は、短絡位置ではキャビティ11内に挿入された端子金具70の箱部71を下から支承してその短絡状態を保持することが可能となっている。さらに、解除本体60は、解除位置へとフロントマスク50が下降した状態では、短絡端子80の弾性接触片81B(後述する)を下方(短絡解除方向)へ変位させることが可能となっている。つまり、解除本体60はフロントマスク50と一体となって、短絡位置と解除位置との間(端子金具70の前端部を支承する位置と弾性接触片81Bを撓ませる位置との間)で上下方向(端子金具70に対する弾性接触片81A,81Bの当接・離間方向と略平行な方向であって、両ハウジング10,30の嵌合・離脱方向と交差(略直交)する方向)に変位するようになっている。かかる解除本体60の移動経路は、短絡端子収容部19の作動空間19A内となっている。なお、解除本体60の突出寸法は、雄ハウジング30の前面が組付空間13によって後方へ控えた位置にあることに起因し、短く抑えられている。
【0023】
短絡端子80は導電性の金属板を曲げ加工等して一体に形成されており、方形平板状をなして略水平に配置される端子本体82と、端子本体82の前端縁から前方へ向けて片持ち状の延出される左右一対の弾性接触片81A,81Bとからなる。端子本体82の後端寄りの位置には、前上がりの傾斜をもって片持ち状に延出される前進規制片83が弾性撓み可能に形成されている。前進規制片83が固定空間19Bの壁面を引掛け状態で弾性係止することで、短絡端子80の前進が規制される。また、短絡端子80には後退規制片(図示せず)が形成されており、この後退規制片が固定空間19Bの壁面を引掛け状態で弾性係止することで、短絡端子80の後退が規制される。
【0024】
そして、両弾性接触片81A,81Bのうち一方の弾性接触片81A(正面から見て左側の弾性接触片81A)は、端子本体82から面一状(ほぼ水平)に延出される延出部82Aと、延出部82Aの前端からほぼ直角に近い角度で上向きに立ち上がるとともにその立上がり部83Aの上端から斜め下前方へ傾斜部84Aを延出させた態様の接触部85Aとからなる(図3を参照)。接触部85Aの頂上部(上端部)は、端子金具70の箱部71の下面に当接する接点部86Aとなっている。かかる弾性接触片81Aは、延出部82Aの後端(端子本体82への支持位置)を支点として上下方向に弾性撓み可能となっている。
【0025】
これに対し、他方の弾性接触片81B(正面から見て右側の弾性接触片81B)は、端子本体82から面一状(ほぼ水平)に延出される延出部82Bと、延出部82Bの前端からほぼ直角に近い角度で上向きに立ち上がるとともにその立上がり部83Bの上端から斜め下前方へ傾斜部84Bを延出させた態様の接触部85Bと、傾斜部84Bの前端から前方へ突出する受け部87Bとからなる。接触部85Bの頂上部(上端部)は、端子金具70の箱部71の下面に当接する接点部86Bとなっている。かかる弾性接触片81Bは、延出部82Bの後端(端子本体82への支持位置)を支点として上下方向に弾性撓み可能となっている。
【0026】
両弾性接触片81A,81Bが弾性撓みしていない自由状態においては、両接触部85A,85Bの立上がり部83A,83Bは前後方向において互いに同じ位置にあり、その立ち上がり角度も互いに同じ角度で、かつ、接点部86A,86Bも互いに同じ高さにある。ただし、両傾斜部84A,84Bの前端の高さが互いに同じ高さ(端子本体82及び延出部82A,82Bよりも上位)であるが、他方の傾斜部84Bの前端の位置は、一方の傾斜部84Aの前端よりも後方に位置している。換言すると、他方の傾斜部84Bの傾斜角度は、一方の傾斜部84Aの傾斜角度よりもきつい(大きい)角度となっている。そして、他方の弾性接触片81Bにのみ形成されている受け部87Bはほぼ水平であって、その受け部87Bの前端は、前後方向において一方の傾斜部84Aの前端と同じ位置にある。つまり、両弾性接触片81A,81Bの前端は、前後方向ついて互いに同じ位置にあり、かつ互いに同じ高さに位置している。
【0027】
雌ハウジング10の嵌合相手である雄ハウジング30は合成樹脂製であって、奥壁を構成する端子装着部32と、端子装着部32の周縁から前方へ向けて筒状、詳細には角筒状に突出するフード部33とからなる。端子装着部32には雄端子金具79が装着され、雄端子金具79のタブ79Aがフード部33内に突出して配置されている。雄端子金具79は全体として略Lの字に屈曲され、その下端が端子装着部32の後方においてプリント回路基板90の導電路に接続される。かかるフード部33には雌ハウジング10が内嵌されるようになっており、その嵌合動作に伴い、タブ79Aがフロントマスク50の端子挿通口56を通ってキャビティ11内に進入し、端子金具70の箱部71内の撓み片73に接触して両端子金具70,79の接続がとられる。なお、フード部33の奥面には検知端子を保護する保護壁34が突成されているが、従来において短絡端子80に対応して突成されていた短絡解除手段としての解除片は設けられていない。また、フード部33の上壁内面の前端幅方向略中央部には、ロックアーム17と弾性係止可能なロック受け部31が下向きに突出して形成されている。
【0028】
さて、フード部33の内面には、雌ハウジング10との嵌合動作に伴ってフロントマスク50を短絡位置から解除位置に移動させる移動手段として第一カム面35Aと、雌ハウジング10との離脱動作に伴ってフロントマスク50を解除位置から短絡位置に移動させる戻り方向の移動手段としての第二カム面35Bとが設けられている。第一カム面35Aはフード部33の内面の上壁側に位置し、第二カム面35Bはフード部33の内面の下壁側に位置している。そして、第一カム面35Aは、フード部33の内面においてロック受け部31を挟んだ左右両側に対をなして配置され、第二カム面35Bは、フード部33の内面において第一カム面35Aと対向する左右両側に対をなして配置される(図6を参照)。
【0029】
具体的にフード部33の内面の上壁側は、このフード部33の開口端から後方(奥面側)へ向けてほぼ水平に延出される第一前側水平面36Aと、第一前側水平面36Aの後端を始端としてそこから後方へ向けてテーパ状の下り勾配となる第一カム面35Aと、第一カム面35Aの終端(後端)からフード部33の奥面にかけてほぼ水平に延出される第一後側水平面37Aとからなる(図1を参照)。第一カム面35Aの始端は、前後方向についてフード部33の深さ方向中央よりやや前方にあり、第一カム面35Aの終端は、前後方向についてフード部33の深さ方向中央とほぼ対応する位置にある。なお、フード部33の深さは雌ハウジング10の嵌合ストローク量に対応している。そして、フード部33の上壁の厚みは、第一前側水平面36Aと対応する側で薄く、第一後側水平面37Aと対応する側で厚くなっており、かつ、第一カム面35Aと対応する側では後方へ行くにしたがって次第に厚くなる形態とされる。
【0030】
一方、フード部33の内面の下壁側は、このフード部33の開口端から後方(奥面側)へ向けてほぼ水平に延出される第二前側水平面36Bと、第二前側水平面36Bの後端を始端としてそこから後方へ向けてテーパ状の下り勾配となる第二カム面35Bと、第二カム面35Bの終端(後端)からフード部33の奥面にかけてほぼ水平に延出される第二後側水平面37Bとからなる。第二カム面35Bの始端は、前後方向についてフード部33の深さ方向中央よりやや前方にあり、第二カム面35Bの終端は、前後方向についてフード部33の深さ方向中央とほぼ対応する位置にある。つまり、第二カム面35Bと第一カム面35Aの前後位置は略一致している。また、第二カム面35Bと第一カム面35Aは、ほぼ同じ傾斜角度をもって傾斜しており、互いに略平行に配置されている。そして、フード部33の下壁の厚みは、第二前側水平面36Bと対応する側で厚く、第二後側水平面37Bと対応する側で薄くなっており、かつ、第二カム面35Bと対応する側では後方へ行くにしたがって次第に薄くなる形態とされる。
【0031】
第一後側水平面37Aと第二前側水平面36Bとの高さ位置の差は雌ハウジング10の左右両側の高さ寸法に等しく、これにより、雌ハウジング10は、雄ハウジング30との嵌合過程で、第一後側水平面37Aと第二前側水平面36Bとによって上下に挟まれた状態でフード部33の奥面側へ向けて略水平に進行する。また、第一前側水平面36Aと第二前側水平面36Bとの高さ位置の差は、両水平面36A,36B間に嵌入されるフロントマスク50の左右両側の高さ寸法(解除用被押圧面54の上端から短絡用被押圧面55の下端までの距離)にほぼ等しい。よって、雌ハウジング10がフード部33内に浅く嵌入した状態では、雌ハウジング10において短絡位置に組み付けられたフロントマスク50の解除用被押圧面54が第一カム面35Aと前後で対面して配置される。その状態で、雌ハウジング10をフード部33の奥面側へ移動させると、解除用被押圧面54が第一カム面35Aの始端に至りそこから第一カム面35Aを摺動するとともに、この摺接動作によってフロントマスク50に下方(解除位置側)への押圧力が付与され、フロントマスク50が徐々に下降して行く。そして、解除用被押圧面54が第一カム面35Aの終端に至ると、フロントマスク50が解除位置に達して、解除本体60によって短絡端子80による端子金具70同士の短絡状態が解除される。
【0032】
フード部33の内部空間のうち第一カム面35Aよりも前方領域は、解除用被押圧面54を含むフロントマスク50の上端部が進入する前側逃がし空間38とされる。一方、フード部33の内部空間のうち第二カム面35Bよりも後方領域は、短絡用被押圧面55を含むフロントマスク50の下端部が進入する後側逃がし空間39とされる。また、第一後側水平面37Aと第二後側水平面37Bとの高さ位置の差は、両水平面37A,37B間に嵌入されるフロントマスク50の左右両側の高さ寸法(解除用被押圧面54の上端から短絡用被押圧面55の下端までの距離)に等しい。よって、両ハウジング10,30が正規嵌合された状態では、フロントマスク50の短絡用被押圧面55が第二カム面35Bと前後で対面して配置される。その状態で、雌ハウジング10をフード部33の開口面側へ移動させる(両ハウジング10,30を離脱させる)と、短絡用被押圧面55が第二カム面35Bを摺動するとともに、この摺接動作によってフロントマスク50に上方(短絡位置側)への押圧力が付与され、フロントマスク50が徐々に上昇して行く。そして、短絡用被押圧面55が第二カム面35Bの始端に至ると、フロントマスク50が短絡位置に達して、解除本体60による短絡解除状態が解除されて、端子金具70が再び短絡状態となる。
【0033】
次に、本実施形態の作用を説明する。まず、雌ハウジング10の組み付け工程について説明する。
組み付けにあたり、雌ハウジング10のリテーナ収容部20にリテーナ76を差し込んで仮係止位置に保持しておく。続いて、雌ハウジング10の短絡端子収容部19に対して前方から短絡端子80を挿入する。短絡端子80の挿入過程では端子本体82が固定空間19Bに圧入状態で進入する。
【0034】
次いで、雌ハウジング10の組付空間13に対して下方からフロントマスク50をガイド壁14の内面に沿わせつつ組み付ける。フロントマスク50が短絡位置に達すると、凹部53にロックアーム17の根元部17Aが嵌合するとともに、本係止受け部52が仮係止部15に係止される(図9を参照)。このとき、短絡端子80の両弾性接触片81A,81Bの前端を解除本体60の移動経路よりも後方に待避させておくことでフロントマスク50の組み付けに伴って解除本体60が弾性接触片81A,81Bと干渉するのを回避できる。フロントマスク50の組み付け後、待避位置にある短絡端子80を前方の正規組付位置まで移動させる。短絡端子80が正規組付位置に達すると、前進規制片83及び後退規制片による係止作用によって短絡端子80が雌ハウジング10に対して前後に移動規制状態に固定される。この状態では、両弾性接触片81A,81Bの上端部がキャビティ11内に進入している。
【0035】
その後、後方からキャビティ11内に端子金具70を挿入する。挿入過程では、ランス12が端子金具70の箱部71の上面に当接することで上方へ弾性撓みするとともに、弾性接触片81A,81Bが作動空間19A内で下方へ弾性撓みする。そして、端子金具70が正規挿入位置に達すると、箱部71の前端がフロントマスク50によって前止まりされるとともに、ランス12の係止作用によって端子金具70の後方への抜けが規制される。この後、仮係止位置にあるリテーナ76を本係止位置に移動させると、端子金具70がランス12とリテーナ76とで二重係止状態に抜け止めされる。
【0036】
かく端子金具70が正規挿入されると、短絡端子80は、両弾性接触片81A,81Bを下方へ撓ませつつ箱部71に対して接点部86A,86Bを弾性的に当接させ、この当接動作によって左右(幅方向)に並ぶ一対の端子金具70を導通可能に接続(短絡)させる。このとき、弾性接触片81A,81Bの端子金具70への当接方向は端子金具70の長さ方向(両ハウジング10,30の嵌合・離脱方向と略平行な方向)に対してほぼ直角な上向きの方向となる。また、箱部71に対する弾性接触片81A,81B(接点部86A,86B)の当接位置は、前後方向について箱部71に対するランス12の係止位置とほぼ同じ位置となる。そして、弾性接触片81A,81Bの弾性復元力により、箱部71は上方(ランス12側)へ押し上げられるため、箱部71とランス12との係止代を深く確保することができる。
【0037】
また、弾性接触片81A,81Bが弾性撓みしている状態では、弾性接触片81A,81Bが前下がりの姿勢をとってその前端が弾性接触片81A,81Bの後端部(撓みの支点)よりも下方に位置する。そして、他方の弾性接触片81Bの受け部87Bは、自由状態における水平姿勢から前下がりの傾斜姿勢をとる。つまり、受け部87Bの前端縁から解除本体60の下面までの直線距離は、受け部87Bの後端縁から解除本体60の下面までの直線距離よりも大きくなっている。また、フロントマスク50が短絡位置にある状態では、解除本体60が箱部71の前端部の下面に当接または近接して対向し、これにより、解除本体60が箱部71の前端部を下から支承し得る状態となる。
【0038】
一方、キャビティ11内の端子金具70を抜き取る際には、まず本係止位置にあるリテーナ76を仮係止位置に移動させて、リテーナ76による抜け止め状態を解除する。続いて、フロントマスク50の治具挿通口57に対して前方から解除治具を差し込み、解除治具の先端でランス12を上方(係止解除方向)に撓ませることによって端子金具70から離間させ、ランス12による抜け止め状態を解除する。そして、この解除治具による解除状態を保ったまま、雌ハウジング10の後面から導出されている電線74を摘んで方向へ引っ張り、端子金具70をキャビティ11から抜き取るようにする。
【0039】
次に、上記によってフロントマスク50を短絡位置に組み付けた雌ハウジング10を相手側の雄ハウジング30に嵌合させる工程について説明する。
まず、フード部33の開口に雌ハウジング10を対面させ、その状態からフード部33内に雌ハウジング10を嵌入して行く(図1を参照)。このときの嵌入方向は端子金具70に対する短絡端子80の当接・離間方向と略直角な方向となる。雌ハウジング10の嵌入動作が進むのに伴い、フロントマスク50の解除用被押圧面54が第一カム面35Aに摺接し、その傾斜によって解除用被押圧面54が下向きに押圧され、その押圧力によって短絡位置に保持されているフロントマスク50が下方(解除位置側)へ押し下げられる(図2を参照)。なお、フロントマスク50の解除用被押圧面54が第一カム面35Aの始端に至るのは雌ハウジング10がフード部33内に略半分進入した時点である。そして、フロントマスク50は、解除用被押圧面54が第一カム面35Aの終端に至ることによって解除位置に達する(図3を参照)。
【0040】
かくフロントマスク50が短絡位置から解除位置へ移動するのに伴い、フロントマスク50の解除本体60が短絡端子80における他方の弾性接触片81Bの受け部87Bに対して上から押圧し、この押圧動作によって他方の弾性接触片81Bのみが下方へ移動して端子金具70から離間する。これにより、左右に並んで対をなす端子金具70同士は短絡端子80による短絡状態を解除される。
【0041】
フロントマスク50が解除位置に至った後、さらに雌ハウジング10の嵌入動作が進むと、雄端子金具79のタブ79Aがフロントマスク50の治具挿通口57を通してキャビティ11内に進入する。この間、フロントマスク50は、解除用被押圧面54が第一後側水平面37Aに摺接することによって解除位置に保たれる。雌ハウジング10がフード部33に正規深さで嵌入される(両ハウジング10,30が正規嵌合される)と、フロントマスク50が解除位置に保たれたままフロントマスク50の前面がフード部33の奥面(端子装着部32の前面)に当接し、かつ、雌ハウジング10の下面の前端部がフード部33の内面との間に後側逃がし空間39を保有しつつ、タブ79Aと端子金具70とが正規接続される(図4を参照)。なお、雌ハウジング10はフード部33内に嵌入される全工程を通じて略水平に移動し、フロントマスク50は第一カム面35A(第二カム面35Bを含む)に摺接する間を除いて略水平に移動する。
【0042】
一方、メンテナンス等により嵌合状態にある両ハウジング10,30を離脱させる際には、ロックアーム17とロック受け部31とのロック状態を解除した後、雌ハウジング10の後端部を摘んでこの雌ハウジング10をフード部33から離間する方向に引っ張るようにする。すると、解除位置にあるフロントマスク50の下端部における短絡用被押圧面55が第二カム面35Bに摺接し、その傾斜によって短絡用被押圧面55が上向きに押圧され、その押圧力によって解除位置に保持されているフロントマスク50が上方(短絡位置側)へ押し上げられる。フロントマスク50は、短絡用被押圧面55が第二カム面35Bの始端に至ることによって短絡位置に達する(図2を参照)。フロントマスク50が解除位置から短絡位置へ移動するのに伴い、フロントマスク50の解除本体60が受け部87Bから離間して受け部87Bへの押圧状態を解除し、これによって他方の弾性接触片81Bが弾性復帰方向に変位して端子金具70の箱部71の下面に再び当接する。その後は、雌ハウジング10をフード部33から引き離すことにより、フロントマスク50が短絡位置に組み付けられた雌ハウジング10が単体として得られる。
【0043】
以上のようの本実施形態によれば次の効果を奏する。
両ハウジング10,30の嵌合動作に伴って雄ハウジング30の第一カム面35Aがフロントマスク50において露出して配された解除用被押圧面54と当接(摺接)することにより、フロントマスク50の全体が雌ハウジング10の前面に沿って短絡位置から解除位置へと移動し、その移動動作によってフロントマスク50に一体に形成された解除本体60が短絡端子80の弾性接触片81Bを短絡解除方向に撓ませるから、端子金具70の短絡状態を解除する短絡解除手段として従来の解除片を用いなくて済む。そして、雄ハウジング30側の移動手段としては、雌ハウジング10の前面に露出されたフロントマスク50の露出部分(解除用被押圧面54)と当接する構造であれば足りるから、フード部33の内面における第一カム面35Aによって構成されることとなり、従来の解除片と違って破損・折損されるおそれはない。
【0044】
また、フロントマスク50は、短絡端子80による端子金具70の短絡状態を解除する機能に加え、ランス12の型抜き空間21の前方を覆いつつタブ79Aを位置決めした状態で端子金具70との接続位置へ誘導するという機能を有するから、両機能を有する部材が別々に設けられるのに比べ、部品点数を少なくできる。
【0045】
さらに、戻り方向の移動手段として第二カム面35Bが設けられており、両ハウジング10,30の離脱動作に伴って第二カム面35Bがフロントマスク50の短絡用被押圧面55と当接(摺接)することにより、フロントマスク50の全体が雌ハウジング10の前面に沿って解除位置から短絡位置へ戻り方向に移動して、端子金具70の短絡状態が回復されるから、両ハウジング10,30の分離後にフロントマスク50の短絡位置への戻し作業を手操作等で別途行わずに済み、作業性が良好となる。
そして、このような第一カム面35A及び第二カム面35Bによって雄ハウジング30側の移動手段が構成されることにより、雄ハウジング30全体の構成を簡素化できる。
【0046】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、フロントマスクの移動動作によって短絡端子による端子金具の短絡状態を解除する構成であったが、本発明によれば、フロントマスクの代わりに、短絡解除機能以外の機能を特にもっていない専用の解除部材を用いても構わない。
(2)短絡端子が一対の端子金具の上方に位置し、弾性接触片が端子金具に対して上から当接する場合、フロントマスク(解除部材)は短絡位置から解除位置にかけて上方に移動する構成とすればよい。また、短絡端子が一対の端子金具の側方に位置し、弾性接触片が端子金具に対して横から当接する場合、フロントマスク(解除部材)が短絡位置から解除位置にかけて横方向(幅方向)に移動する構成とすればよい。
(3)解除部材は、短絡位置では雌ハウジングの前面から前方に浮いた状態で配置される部分を含み、解除位置ではその部分が両ハウジングの嵌合動作に伴ってフード部の奥面等により押圧されて後方へ移動させられ、その移動動作に伴ってその背面側に設けられた解除本体によって短絡端子の弾性接触片を短絡解除方向に弾性撓みさせる構成であってもよい。
(4)第一カム面及び第二カム面は曲線状の斜面であってもよい。
(5)解除用被押圧面はテーパ面でなくてもよく、例えば垂直面として構成されてもよい。
(6)短絡用被押圧面は第二カム面と面接触可能なテーパ面であってもよい。
(7)フロントマスク(解除部材)は雌ハウジングと一体化する形態であってもよい。
(8)第二カム面はなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施形態1において両ハウジングの嵌合前の状態を示す断面図
【図2】フード部内に雌ハウジングが浅く嵌入した状態を示す断面図
【図3】フロントマスクが短絡位置に達した状態を示す断面図
【図4】両ハウジングが正規嵌合された状態を示す断面図
【図5】雌ハウジングの正面図
【図6】雄ハウジングの正面図
【図7】フロントマスクの背面図
【図8】フロントマスクの正面図
【図9】フロントマスクが短絡位置に保持された雌ハウジングの正面図
【図10】フロントマスクが解除位置に保持された雌ハウジングの正面図
【符号の説明】
【0048】
10…雌ハウジング(ハウジング)
11…キャビティ
12…ランス
19…短絡端子収容部
30…雄ハウジング(相手側のハウジング)
33…フード部
35A…第一カム面(移動手段)
35B…第二カム面(戻り方向の移動手段)
36A…第一前側水平面
36B…第二前側水平面
37A…第一後側水平面
37B…第二後側水平面
50…フロントマスク(解除部材)
54…解除用被押圧面
55…短絡用被押圧面
60…解除本体
70…端子金具
79…雄端子金具
79A…タブ
80…短絡端子
81A,81B…弾性接触片
87B…受け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側のハウジングと嵌合・離脱可能なハウジングと、
前記ハウジング内に収容される少なくとも一対の端子金具と、
前記一対の端子金具に弾性接触片を当接させることでこの一対の端子金具を短絡させる短絡端子と、
前記ハウジングの嵌合面に露出しつつ解除位置と短絡位置との間を移動可能に配置され、前記短絡位置では前記弾性接触片の前記端子金具への当接動作を許容し、前記解除位置では前記弾性接触片に当接してこの弾性接触片を前記端子金具から離間させる解除部材と、
前記相手側のハウジングに配置され、両ハウジングの嵌合動作に伴って前記解除部材の露出部分と当接することでこの解除部材を前記短絡位置から前記解除位置へと移動させる移動手段とを備えることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記解除部材は、前記ハウジングの嵌合面に沿って移動可能であり、前記解除位置にて前記端子金具と対応する端子挿通口が形成されたフロントマスクによって構成されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記両ハウジングの離脱動作に伴って前記解除部材を前記解除位置から前記短絡位置へと移動させる戻り方向の移動手段をも有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記解除部材は、前記解除位置と前記短絡位置との間を前記両ハウジングの嵌合・離脱方向と交差する方向に移動可能であり、前記移動手段は、筒状のフード部の内面に形成されたカム面によって構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−235040(P2008−235040A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−73866(P2007−73866)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】