説明

コンテンツ再生装置及びコンテンツ再生方法

【課題】この発明は、特定サイトから他のサイトに遷移した状態で、ユーザに対して情報入力が要求された場合に、ユーザにサイトが遷移したことを警告することにより、ユーザ情報の流出を防止し得るようにしたコンテンツ再生装置及びコンテンツ再生方法を提供することを目的としている。
【解決手段】ネットワーク(32)を介してアクセスした特定サイト(34)から所望のコンテンツを取得し再生するコンテンツ再生装置である。そして、アクセスしているサイトから情報入力が要求されたとき、そのサイトが少なくとも特定サイト(34)に含まれるサイトであるか否かを判別する判別手段(63)と、判別手段(63)で特定サイトに含まれないと判断されたとき、その旨を示す警告(75a)を発生する制御手段(63)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばインターネット等のネットワークを介して特定のサイトにアクセスすることにより、所望のコンテンツを取得して再生することが可能なコンテンツ再生装置及びコンテンツ再生方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近年では、テレビジョン放送のデジタル化が推進されている。例えば、日本国内においては、BS(broadcasting satellite)デジタル放送及び110度CS(communication satellite)デジタル放送等の衛星デジタル放送だけでなく、地上デジタル放送も開始されている。
【0003】
また、現在では、映像や音声等を含むコンテンツを、インターネットを通じて配信する技術も実用化されている。特に、ユーザが特定サイトに対して所望のコンテンツを要求することにより、その要求されたコンテンツを特定サイトがユーザに個別に提供する、いわゆるVOD(video on demand)サービスが普及している。
【0004】
このため、上記したデジタルテレビジョン放送を受信するデジタル放送受信装置においても、VODサービスに対応する機能、つまり、ネットワーク経由で特定サイトにアクセスして所望のコンテンツを要求するとともに、その特定サイトから送信されたコンテンツを受信して再生する機能が搭載される傾向にある。
【0005】
ところで、このようなネットワーク経由でコンテンツを受信することができるデジタル放送受信装置にあっては、ネットワークを介して特定サイトにアクセスした際に、その特定サイトが提供しているサービス以外の他のサービスも閲覧することができ、そのサービスによるコンテンツを取得することも可能になっている。
【0006】
しかしながら、特定サイトが提供しているサービス以外のサービスを閲覧し、さらに、そのサービスの中でリンクされている他のサービスを閲覧するような操作を繰り返した場合、ユーザは、自己の知らないうちに最初にアクセスした特定サイト以外の他のサイトに遷移し、そこのサービスを閲覧していることがある。
【0007】
このような場合、ユーザが、例えば閲覧したいサービスにログインするために、自己のユーザID(identification)やパスワード等を入力することがあると、ユーザの個人情報が外部に流出する可能性が生じる。特に、悪質なサイトに遷移した場合には、ユーザにとって大きな問題となる。
【0008】
特許文献1には、VODの映像コンテンツを、ランキング、新着、視聴履歴等の所定の規則に基づいて並べ替えた映像コンテンツリストを作成し、リモコンのチャンネル上下ボタン操作により映像コンテンツリストの複数の映像コンテンツを順次受信し、再生するようにした技術が開示されている。
【0009】
また、特許文献2には、現在アクセスしているサイトの所有者(企業)の情報を常に表示し、ユーザが自分の意図したサイトにアクセスしているかどうかを常に確認できるようにすることで、フィッシング詐欺の被害にあう危険を低下させるようにしたアクセス防止の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−193284号公報
【特許文献2】特開2006−106928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、特定サイトから他のサイトに遷移した状態で、ユーザに対して情報入力が要求された場合に、ユーザにサイトが遷移したことを警告することにより、ユーザ情報の流出を防止し得るようにしたコンテンツ再生装置及びコンテンツ再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係るコンテンツ再生装置は、ネットワークを介してアクセスした特定サイトから所望のコンテンツを取得し再生するものを対象としている。そして、アクセスしているサイトから情報入力が要求されたとき、そのサイトが少なくとも特定サイトに含まれるサイトであるか否かを判別する判別手段と、判別手段で特定サイトに含まれないと判断されたとき、その旨を示す警告を発生する制御手段とを備えるようにしたものである。
【0013】
また、この発明に係るコンテンツ再生方法は、ネットワークを介してアクセスした特定サイトから所望のコンテンツを取得し再生する方法を対象としている。そして、アクセスしているサイトから情報入力が要求されたとき、そのサイトが少なくとも特定サイトに含まれるサイトであるか否かを判別する工程と、特定サイトに含まれないと判断されたとき、その旨を示す警告を発生する工程とを有するようにしたものである。
【発明の効果】
【0014】
上記した発明によれば、アクセスしているサイトから情報入力が要求されたとき、そのサイトが少なくとも特定サイトに含まれるサイトであるか否かを判別し、含まれないと判断されたとき、その旨を示す警告を発生させるようにしている。このため、ユーザ情報の流出を防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、デジタルテレビジョン放送受信装置とそれを中心として構成されるネットワークシステムの一例を説明するために示す図。
【図2】同実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置の主要な信号処理系を説明するために示すブロック構成図。
【図3】同実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置のリモートコントローラを説明するために示す外観図。
【図4】同実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置で実行される主要な処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図5】同実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置で表示されるサイト選択画面の一例を説明するために示す図。
【図6】同実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置で表示されるサービス選択画面の一例を説明するために示す図。
【図7】同実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置で表示される文字入力画面の一例を説明するために示す図。
【図8】同実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置で表示される文字入力画面の他の例を説明するために示す図。
【図9】同実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置で表示されるサイト登録画面の一例を説明するために示す図。
【図10】同実施の形態におけるデジタルテレビジョン放送受信装置で表示される警告切替画面の一例を説明するために示す図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明するデジタルテレビジョン放送受信装置11の外観と、このデジタルテレビジョン放送受信装置11を中心として構成されるネットワークシステムの一例を概略的に示している。
【0017】
すなわち、デジタルテレビジョン放送受信装置11は、主として、薄型のキャビネット12と、このキャビネット12を起立させて支持する支持台13とから構成されている。そして、キャビネット12には、例えば液晶表示パネル等を備えた平面パネル型ディスプレイである映像表示器14、一対のスピーカ15、操作部16、リモートコントローラ17から送信される操作情報を受ける受光部18等が設置されている。
【0018】
また、このデジタルテレビジョン放送受信装置11は、第1のLAN(local area network)端子21、第2のLAN端子22及びUSB(universal serial bus)端子23を備えている。
【0019】
このうち、第1のLAN端子21は、LAN対応HDD専用ポートとして使用されるもので、接続されたNAS(network attached storage)であるLAN対応のHDD(hard disk drive)25に対して、イーサネット(登録商標)により情報の記録再生を行なうために使用される。
【0020】
このように、LAN対応HDD専用ポートとしての第1のLAN端子21を設けることにより、他のネットワーク環境やネットワーク使用状況等に影響されることなく、HDD25に対してハイビジョン画質による番組の情報記録を安定して行なうことができるようになる。
【0021】
また、第2のLAN端子22は、イーサネット(登録商標)を用いた一般的なLAN対応ポートとして使用されるもので、例えばハブ26を介して、LAN対応のHDD27、PC(personal computer)28、デジタル放送受信機能を有するHDD内蔵のDVD(digital versatile disk)レコーダ29等の機器を接続し、これらの機器と情報伝送を行なうために使用される。
【0022】
なお、DVDレコーダ29については、第2のLAN端子22を介して通信されるデジタル情報が制御系のみの情報であるため、デジタルテレビジョン放送受信装置11との間でアナログの映像及び音声情報を伝送するために、専用のアナログ伝送路30を設ける必要がある。
【0023】
さらに、この第2のLAN端子22は、ハブ26に接続されたブロードバンドルータ31を介して、例えばインターネット等のネットワーク32に接続可能であり、そのネットワーク32を介して遠隔地にあるPC33やコンテンツ提供サービスを行なう情報提供業者のサイト34等と情報伝送を行なうために使用される。
【0024】
また、上記USB端子23は、一般的なUSB対応ポートとして使用されるもので、例えばハブ35を介して、携帯電話36、デジタルカメラ37、メモリカードに対するカードリーダ/ライタ38、HDD39、キーボード40等のUSB機器を接続し、これらのUSB機器と情報伝送を行なうために使用される。
【0025】
図2は、上記したデジタルテレビジョン放送受信装置11の主要な信号処理系を示している。すなわち、BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ43で受信した衛星デジタル放送信号は、入力端子44を介して衛星デジタル放送用のチューナ45に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0026】
そして、このチューナ45で選局された放送信号は、PSK(phase shift keying)復調器46に供給されてTS(transport stream)が復調される。このTSは、TS復号器47に供給されてデジタルの映像信号及び音声信号等に復号化された後、信号処理部48に出力される。
【0027】
また、地上波放送受信用のアンテナ49で受信した地上デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子50を介して地上デジタル放送用のチューナ51に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0028】
そして、このチューナ51で選局された放送信号は、OFDM(orthogonal frequency division multiplexing)復調器52に供給されてTSが復調される。このTSは、TS復号器53に供給されてデジタルの映像信号及び音声信号に復号化された後、上記信号処理部48に出力される。
【0029】
また、上記地上波放送受信用のアンテナ49で受信した地上アナログテレビジョン放送信号は、入力端子50を介して地上アナログ放送用のチューナ54に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。そして、このチューナ54で選局された放送信号は、アナログ復調器55に供給されてアナログの映像信号及び音声信号に復調された後、上記信号処理部48に出力される。
【0030】
ここで、上記信号処理部48は、TS復号器47,53からそれぞれ供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部56及び音声処理部57に出力している。
【0031】
また、上記信号処理部48には、複数(図示の場合は4つ)の入力端子58a,58b,58c,58dが接続されている。これら入力端子58a〜58dは、それぞれ、アナログの映像信号及び音声信号を、デジタルテレビジョン放送受信装置11の外部から入力可能とするものである。
【0032】
そして、この信号処理部48は、上記アナログ復調器55及び各入力端子58a〜58dからそれぞれ供給されたアナログの映像信号及び音声信号を選択的にデジタル化し、そのデジタル化された映像信号及び音声信号に対して所定のデジタル信号処理を施した後、グラフィック処理部56及び音声処理部57に出力している。
【0033】
このうち、グラフィック処理部56は、信号処理部48から供給されるデジタルの映像信号に、OSD(on screen display)信号生成部59で生成されるOSD信号を重畳して出力する機能を有する。また、このグラフィック処理部56は、信号処理部48の出力映像信号と、OSD信号生成部59の出力OSD信号とを選択的に出力することや、両出力をそれぞれ画面の半分を構成するように組み合わせて出力することができる。
【0034】
そして、グラフィック処理部56から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部60に供給される。この映像処理部60は、入力されたデジタルの映像信号を、前記映像表示器14で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換した後、映像表示器14に出力して映像表示させるとともに、出力端子61を介して外部に導出させる。
【0035】
また、上記音声処理部57は、入力されたデジタルの音声信号を、前記スピーカ15で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換した後、スピーカ15に出力して音声再生させるとともに、出力端子62を介して外部に導出させる。
【0036】
ここで、このデジタルテレビジョン放送受信装置11は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作を制御部63によって統括的に制御されている。この制御部63は、CPU(central processing unit)63aを内蔵しており、前記操作部16からの操作情報を受け、または、リモートコントローラ17から送出され前記受光部18で受信した操作情報を受けて、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0037】
この場合、制御部63は、主として、そのCPU63aが実行する制御プログラムを格納したROM(read only memory)63bと、該CPU63aに作業エリアを提供するRAM(random access memory)63cと、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリ63dとを利用している。
【0038】
また、上記制御部63は、通信I/F68を介して第1のLAN端子21に接続されている。これにより、制御部63は、第1のLAN端子21に接続されたLAN対応のHDD25と、通信I/F68を介して情報伝送を行なうことができる。この場合、制御部63は、DHCP(dynamic host configuration protocol)サーバ機能を有し、第1のLAN端子21に接続されたLAN対応のHDD25にIP(internet protocol)アドレスを割り当てて制御している。
【0039】
さらに、上記制御部63は、通信I/F69を介して第2のLAN端子22に接続されている。これにより、制御部63は、第2のLAN端子22に接続された各機器(図1参照)と、通信I/F69を介して情報伝送を行なうことができる。この場合、制御部63は、ユーザの操作に基づいて、ネットワーク32経由で任意のサーバが運営する特定のサイト34にアクセスし、所望のサービスの閲覧やコンテンツの取得を行なうように機能する。
【0040】
このとき、上記制御部63は、特定サイト34から送信されたコンテンツを受信して、映像表示部14での映像表示やスピーカ15での音声再生に供させたり、例えばHDD25,27,39等の記録再生機器への記録に供させたりするように機能している。
【0041】
すなわち、デジタルテレビジョン放送受信装置11は、サイト34から取得したコンテンツに対して、映像表示部14で映像表示するように処理すること、サイト34から取得したコンテンツをスピーカ15で音声出力するように処理することの少なくとも一方を行なう再生機能を有している。
【0042】
また、上記制御部63は、USB I/F70を介して前記USB端子23に接続されている。これにより、制御部63は、USB端子23に接続された各機器(図1参照)と、USB I/F70を介して情報伝送を行なうことができる。
【0043】
また、上記制御部63は、ブラウザ部63eを備えている。このブラウザ部63eは、前述したように、ネットワーク32経由で任意のサーバが運営する特定のサイト34にアクセスし、アクセスしているサイト34上で公開されているサービスを閲覧したり、サイト34から所望のコンテンツを取得したりする機能を行なっている。
【0044】
図3は、上記リモートコントローラ17の外観を示している。このリモートコントローラ17には、主として、電源キー17a、入力切換キー17b、衛星デジタル放送チャンネルのダイレクト選局キー17c、地上波放送チャンネルのダイレクト選局キー17d、クイックキー17e、カーソルキー17f、決定キー17g、番組表キー17h、ページ切換キー17i、faceネット(ナビゲーション)キー17j、戻るキー17k、終了キー17l、青,赤,緑,黄のカラーキー17m、チャンネルアップダウンキー17n、音量調整キー17o及びメニューキー17p等が設けられている。
【0045】
図4は、上記デジタルテレビジョン放送受信装置11における主要な処理動作をまとめたフローチャートを示している。この処理は、ユーザが、リモートコントローラ17のメニューキー17pを操作して、階層構造となされたメニュー画面に分け入ることにより、図5に示すようなサイト選択画面72を映像表示器14に表示させることによって開始(ステップS1)される。
【0046】
このサイト選択画面72には、上記ブラウザ部63eによってアクセス可能な複数のサイト名(情報提供業者名)「AAA」、「BBB」、「CCC」、……等が表示されている。そして、ユーザは、ステップS2で、サイト選択画面72上からアクセスすべき特定のサイト34を選定する。
【0047】
この特定サイト34の選定は、ユーザが、サイト選択画面72上において、リモートコントローラ17の上または下方向のカーソルキー17fを操作していずれかのサイト名を選択した後、リモートコントローラ17の決定キー17gを操作して決定することにより実行される。なお、特定サイト34の選定は、ユーザがURLアドレスを直接入力する手段を設けることによっても可能であるが、このようなサイト選択画面72によるサイトの選択がユーザにとってより便利である。
【0048】
このようにして特定サイト(例えばAAA)34が決定されると、制御部63は、ステップS3で、その特定サイト(AAA)34にアクセスし、当該特定サイト(AAA)34のポータルページとなる、図6に示すようなサービス選択画面73を映像表示器14に表示させる。
【0049】
このサービス選択画面73には、上記特定サイト(AAA)34によって閲覧可能な複数のサービス名「ニュース」、「スポーツ」、「天気」、「料理」、「テレビ」、「占い」、「旅行」……等が表示されている。そして、ユーザは、ステップS4で、サービス選択画面73上から閲覧を希望するサービスを選定する。
【0050】
このサービスの選定も、ユーザが、サービス選択画面73上において、リモートコントローラ17の右、左、上または下方向のカーソルキー17fを操作していずれかのサービス名を選択した後、リモートコントローラ17の決定キー17gを操作して決定することにより実行される。
【0051】
このようにして閲覧するサービスが決定され、以後、ユーザが、そのサービスの閲覧中に、当該サービスの中でリンクされている他のサービスを閲覧し、さらに、そのサービスの中でリンクされている他のサービスを閲覧するといった操作を繰り返し行なった場合を考える。
【0052】
この場合、ユーザは、自己の知らないうちに最初にアクセスした特定サイト34以外の他のサイトに遷移し、そこのサービスを閲覧していることがある。このような場合、ユーザが、例えば閲覧したいサービスにログインするために、不用意に自己のユーザIDやパスワード等を入力してしまうと、ユーザの個人情報が外部に流出する可能性が生じる。
【0053】
特に、ユーザが最初に選定した特定サイト34、つまり、悪意のないサイトになりすまして、ユーザに個人情報を入力するように巧みに誘導するような悪質なサイトも存在することから、ユーザが自己の情報を入力することを要求された場合には、十分な注意が必要となる。
【0054】
そこで、この実施の形態では、上記のようにユーザがサービスを閲覧している間、制御部63が、ステップS5に示すように、サイト側からユーザに対して文字入力が要求されたか否かを判別している。この場合、入力を要求される文字情報としては、例えばユーザIDやパスワード等のユーザの個人情報に関するものが含まれている。
【0055】
そして、文字入力が要求されたと判断された場合(YES)、制御部63は、ステップS6で、現在アクセスしているサイトが、少なくともユーザがサイト選択画面72上で選定した特定サイト(AAA)34に含まれるサイトであるか否かを判別する。この判別は、現在アクセスしているサイトを識別するための識別情報[例えばそのサイトのURL(uniform resource locator)に含まれるドメイン名等]が、ユーザがサイト選択画面72上で選定した特定サイト(AAA)34の識別情報に含まれているか否かを判別することにより行なわれる。
【0056】
ここで、現在アクセスしているサイトが特定サイト(AAA)34に含まれていると判断された場合(YES)、制御部63は、ステップS7で、図7に示すように、現在アクセスしているサイトが要求する通常の文字入力画面74を映像表示器14に表示させ、処理を終了(ステップS9)する。
【0057】
この文字入力画面74においては、リモートコントローラ17の地上波放送チャンネルのダイレクト選局キー17dを用いて、かな漢字文字、英数字等を文字表示領域74aに入力することができるようになっている。
【0058】
また、上記ステップS6で現在アクセスしているサイトが特定サイト(AAA)34に含まれていないと判断された場合(NO)、制御部63は、ステップS8で、図8に示すように、現在アクセスしているサイトが要求する文字入力画面75に警告メッセージ75aを付加して映像表示器14に表示させた後、処理を終了(ステップS9)する。
【0059】
この場合、文字入力画面75に付加する警告メッセージ75aとしては、例えば「このページは、特定サイト(AAA)ではありません。特定サイト(AAA)のパスワードやIDを入力しないでください。」等のように、ユーザに対して文字情報、特に個人情報の入力を抑制させるような内容となっている。
【0060】
上記した実施の形態では、サイトのサービスを閲覧中に文字入力が要求されたとき、現在アクセスしているサイトが、少なくともユーザの選択したサイトに含まれるサイトであるか否かを判別し、ユーザの選択したサイトに含まれるサイトでない場合に、その旨を示し、かつ、文字入力を抑制させる内容の警告メッセージ75aを文字入力画面75に表示させるようにしている。
【0061】
このため、ユーザは、自己の知らないうちに選択していないサイトに遷移してしまっていた場合に、その旨を知ることができるとともに、遷移先のサイトに対して自己の個人情報を入力してしまうことを留まることができ、不用意に個人情報が流出することを防止することができる。
【0062】
特に、この警告メッセージ75aは、遷移先のサイトが安心できる優良な大手サイトであった場合には、サイトが変わってしまったことをユーザに伝えて注意喚起を促すものとして機能し、遷移先のサイトが悪質なサイトであった場合には、ユーザの個人情報の盗難を防止する警告として機能するので、いずれの場合でも効果的である。
【0063】
なお、上記特定サイト34は、ユーザが映像表示器14に表示させたサイト選択画面72にて最初に選定したサイトであることが望ましい。
【0064】
また、上記した実施の形態では、現在アクセスしているサイトが特定サイト(AAA)34に含まれていないサイトに遷移している場合に、文字入力画面75に警告メッセージ75aを表示させるようにしたが、これに限らず、サイトが遷移している旨を、専用アイコンによって表示させたり、警告音や音声メッセージ等によってユーザに知らせたりするようにしても良いものである。
【0065】
さらに、ユーザが予め所定のサイトを登録しておき、その登録されたサイトに遷移した場合には、情報入力が要求されても警告を発生しないようにすることも可能である。このサイト登録は、ユーザが、リモートコントローラ17のメニューキー17pを操作して、階層構造となされたメニュー画面に分け入ることにより、図9に示すようなサイト登録画面76を映像表示器14に表示させる。
【0066】
そして、このサイト登録画面76において、ユーザが、リモートコントローラ17の地上波放送チャンネルのダイレクト選局キー17dによる英数字入力機能を用いて、サイト入力領域76aに登録を希望するサイトのドメイン名等を入力し、決定キーを操作することにより登録を行なうことができる。
【0067】
また、現在アクセスしているサイトが特定サイト(AAA)34に含まれていないサイトに遷移した場合に、警告を発生させるか否かをユーザが選択的に切り替えるようにすることもできる。この切り替えは、ユーザが、リモートコントローラ17のメニューキー17pを操作して、階層構造となされたメニュー画面に分け入ることにより、図10に示すような警告切替画面77を映像表示器14に表示させる。
【0068】
この警告切替画面77においては、「警告を発生しますか?」の問いとともに、「YES」及び「NO」の項目がユーザに表示される。このため、ユーザは、リモートコントローラ17の右または左方向のカーソルキー17fを操作して、「YES」または「NO」のいずれかの項目を選択し、リモートコントローラ17の決定キー17gを操作して決定することにより、切り替えが行なわれる。
【0069】
また、ユーザは、予め悪質サイトや有害サイトに対するリストを、所定の優良サイトやその他の善意あるサイト等から取得することができる。このようなリストが取得された場合、デジタルテレビジョン放送受信装置11の制御部63は、そのリストに掲載されているサイトに遷移した場合に、当該サイトが要求する文字入力画面を非表示にさせて、文字入力を強制的に禁止させるようにすることができる。または、文字入力画面を一旦表示させた後、自動的に非表示にさせて文字入力を強制的に禁止させることができる。このようにした場合、例えば「悪質サイトにアクセスしましたので文字入力を禁止しました」のようなメッセージを、映像表示器14に表示させると、ユーザにとって便利である。
【0070】
また、上記した実施の形態では、デジタルテレビジョン放送受信装置11を例に説明したが、これに限らず、例えばSTB(set top box)や携帯電話等にも、この発明は広く適用することができるものである。
【0071】
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【符号の説明】
【0072】
11…デジタルテレビジョン放送受信装置、12…キャビネット、13…支持台、14…映像表示器、15…スピーカ、16…操作部、17…リモートコントローラ、18…受光部、21…第1のLAN端子、22…第2のLAN端子、23…USB端子、25…HDD、26…ハブ、27…HDD、28…PC、29…DVDレコーダ、30…アナログ伝送路、31…ブロードバンドルータ、32…ネットワーク、33…PC、34…サイト、35…ハブ、36…携帯電話、37…デジタルカメラ、38…カードリーダ/ライタ、39…HDD、40…キーボード、43…アンテナ、44…入力端子、45…チューナ、46…PSK復調器、47…TS復号器、48…信号処理部、49…アンテナ、50…入力端子、51…チューナ、52…OFDM復調器、53…TS復号器、54…チューナ、55…アナログ復調器、56…グラフィック処理部、57…音声処理部、58a〜58d…入力端子、59…OSD信号生成部、60…映像処理部、61…出力端子、62…出力端子、63…制御部、63a…CPU、63b…ROM、63c…RAM、63d…不揮発性メモリ、63e…ブラウザ部、68…通信I/F、69…通信I/F、70…USB I/F、72…サイト選択画面、73…サービス選択画面、74…文字入力画面、74a…文字表示領域、75…文字入力画面、75a…警告メッセージ、76…サイト登録画面、76a…サイト入力領域、77…警告切替画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してアクセスした特定サイトから所望のコンテンツを取得し再生するコンテンツ再生装置であって、
アクセスしているサイトから情報入力が要求されたとき、そのサイトが少なくとも前記特定サイトに含まれるサイトであるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段で前記特定サイトに含まれないと判断されたとき、その旨を示す警告を発生する制御手段とを具備することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記判別手段は、アクセスしているサイトに付された識別情報と前記特定サイトに付された識別情報とを比較して、アクセスしているサイトが少なくとも前記特定サイトに含まれるサイトであるか否かを判別することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記判別手段は、アクセスしているサイトのURLに含まれるドメイン名と前記特定サイトのURLに含まれるドメイン名とを比較して、現在アクセスしているサイトが少なくとも前記特定サイトに含まれるサイトであるか否かを判別することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記判別手段により、アクセスしているサイトが少なくとも前記特定サイトに含まれないと判断されたとき、その旨を示す警告を映像表示及び音声出力の少なくとも一方で発生することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記判別手段により、アクセスしているサイトが少なくとも前記特定サイトに含まれないと判断されたとき、その旨を示すメッセージと情報入力をしない旨を示すメッセージとを共に映像表示する警告を発生することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記判別手段により、アクセスしているサイトが少なくとも前記特定サイトに含まれないと判断されたとき、その旨を示すメッセージを、アクセスしているサイトによって要求された文字入力画面に付加して映像表示する警告を発生することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ再生装置。
【請求項7】
前記制御手段は、情報入力が要求されても警告を発生しないサイトを予め登録しておく登録手段を備えることを特徴とする請求項1記載のコンテンツ再生装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記ネットワークを介して予め取得したリストに掲載されているサイトから要求された情報入力を強制的に禁止する禁止手段を備えることを特徴とする請求項1記載のコンテンツ再生装置。
【請求項9】
サイト選択画面を表示させるように制御するサイト選択画面表示制御手段を備え、
前記特定サイトは、前記サイト選択画面にて選択されたサイトであることを特徴とする請求項1記載のコンテンツ再生装置。
【請求項10】
ネットワークを介してアクセスした特定サイトから所望のコンテンツを取得し再生するコンテンツ再生方法であって、
アクセスしているサイトから情報入力が要求されたとき、そのサイトが少なくとも前記特定サイトに含まれるサイトであるか否かを判別する工程と、
前記特定サイトに含まれないと判断されたとき、その旨を示す警告を発生する工程とを有することを特徴とするコンテンツ再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−250687(P2010−250687A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101125(P2009−101125)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】