説明

コンテンツ取得方法、コンテンツ取得装置、コンテンツ取得プログラム及び記録媒体

【課題】音声通話をデータ送受信に切り替えることなく1回の通信でコンテンツを送受信する。
【解決手段】通信部12が発呼して音声セッションと制御セッションの両方を確立し、制御セッションを利用してコンテンツを受信することにより、音声通話を行いながらコンテンツを受信することが可能となり、さらに、音声セッションを切断してもコンテンツを受信することができる。音声通信とデータ通信を別々のセッションで行うので、コンテンツの送受信にみなし音声を使用しなくてもよく、みなし音声への変換処理が不要となり、負担をかけることなくコンテンツの送受信が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してコンテンツを取得する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電話回線およびインターネット網を用いてコンテンツの送受信を行うシステムとしては、受信装置が送信装置へ発信してIVR(Interactive Voice Response)を利用した音声案内によりコンテンツを選択した後、送信装置が発信して受信装置と接続し、コンテンツを送信する方法や、受信装置が発信して送信装置と接続し、利用者が送信装置から流れる音声案内に従いコンテンツを選択した後、みなし音声信号によりコンテンツを受信する方法が知られている。
【0003】
特許文献1には、ファックス通信端末が画像データをインターネットを介して送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−352552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、コンテンツ選択には音声信号を利用し、コンテンツの送受信には音声信号以外の通信を利用するため、コンテンツの選択から取得まで1回の通信で継続して行うことができず、コンテンツの選択とコンテンツの送受信の2回の通信が必要となるという問題がある。
【0006】
また、音声通話の後に続けてコンテンツを送受信する方法では、コンテンツの送受信がデータを音声信号に変換して送受信するみなし音声により行われており、通信路における音声信号の欠如がコンテンツデータの欠損に影響を及ぼすという問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、音声通話をデータ送受信に切り替えることなく1回の通信でコンテンツを送受信するを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明に係るコンテンツ取得方法は、コンテンツ取得装置がコンテンツ配信装置からネットワークを介してコンテンツを取得するコンテンツ取得方法であって、コンテンツ取得装置による、コンテンツ配信装置へ発呼して音声通信に利用する音声セッションとデータ通信に利用する制御セッションの2つのセッションを確立するステップと、コンテンツ配信装置から制御セッションを用いてコンテンツを受信するステップと、を有し、コンテンツ取得装置は、音声セッションを切断した後も制御セッションを確立したままコンテンツを受信することを特徴とする。
【0009】
上記コンテンツ取得方法において、コンテンツ取得装置による、コンテンツ配信装置が提供するコンテンツの一覧を利用者へ提示して取得するコンテンツの選択を利用者から受け付けるために利用可能な能力を示す能力情報を生成するステップと、能力情報を制御セッションを用いてコンテンツ配信装置へ送信するステップと、コンテンツ配信装置による、能力情報を受信して当該能力情報に応じた方法でコンテンツの一覧をコンテンツ取得装置へ提供するステップと、コンテンツ取得装置による、コンテンツ取得装置が提供するコンテンツの一覧を利用者へ提示してコンテンツの選択を受け付けるステップと、を有することを特徴とする。
【0010】
上記コンテンツ取得方法において、コンテンツ配信装置は、音声通信によりコンテンツの一覧を提供することを特徴とする。
【0011】
上記コンテンツ取得方法において、コンテンツ配信装置は、データ通信によりコンテンツの一覧を提供することを特徴とする。
【0012】
第2の本発明に係るコンテンツ取得方法は、コンテンツ取得装置がコンテンツ配信装置からネットワークを介してコンテンツを取得するコンテンツ取得方法であって、コンテンツ取得装置による、SIPを利用してコンテンツ配信装置へ発呼してデータ通信に利用する制御セッションを確立するステップと、コンテンツ配信装置が提供するコンテンツの一覧を利用者へ提示して取得するコンテンツの選択を利用者から受け付けるために利用可能な能力を示す能力情報を生成するステップと、能力情報を制御セッションを用いてコンテンツ配信装置へ送信するステップと、コンテンツ配信装置による、能力情報を受信して当該能力情報に応じた方法でコンテンツの一覧をコンテンツ取得装置へ提供するステップと、コンテンツ取得装置による、コンテンツ取得装置が提供するコンテンツの一覧を利用者へ提示してコンテンツの選択を受け付けるステップと、コンテンツ配信装置から制御セッションを用いてコンテンツを受信するステップと、を有することを特徴とする。
【0013】
第3の本発明に係るコンテンツ取得装置は、ネットワークを介してコンテンツ配信装置からコンテンツを取得するコンテンツ取得装置であって、コンテンツ配信装置へ発呼して音声通信に利用する音声セッションとデータ通信に利用する制御セッションの2つのセッションを確立する通信手段と、コンテンツ配信装置から制御セッションを用いてコンテンツを受信する受信手段と、を有し、音声セッションを切断した後も制御セッションを確立したままコンテンツを受信することを特徴とする。
【0014】
上記コンテンツ取得装置において、コンテンツ配信装置が提供するコンテンツの一覧を利用者へ提示してコンテンツの選択を受け付ける選択手段と、選択手段の能力を示す能力情報を生成する生成手段と、を有し、通信部は、能力情報を制御セッションを用いてコンテンツ配信装置へ送信することを特徴とする。
【0015】
第4の本発明に係るコンテンツ取得プログラムは、上記コンテンツ取得装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0016】
第5の本発明に係る記録媒体は、上記コンテンツ取得装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させるためのコンテンツ取得プログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、音声通話をデータ送受信に切り替えることなく1回の通信でコンテンツを送受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】能力情報の例を示す図である。
【図3】コンテンツリストの例を示す図である。
【図4】上記コンテンツ配信システムにおいて、音声セッションと制御セッションを確立し、コンテンツ受信装置が自身の能力を通知するまでの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図5】音声によりコンテンツの選択を促し、コンテンツを受信する処理の流れを示すシーケンス図である。
【図6】コンテンツリストを表示してコンテンツの選択を促し、コンテンツを受信する処理の流れを示すシーケンス図である。
【図7】第2の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0020】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態におけるコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。同図に示すコンテンツ配信システムは、コンテンツ受信装置10とコンテンツ配信サーバ20を備え、呼制御にSIP(Session Initiation Protocol)を利用し、IPネットワーク100を介してコンテンツを送受信する。
【0021】
コンテンツ受信装置10は、通信I/F(Interface)11、通信部12、能力生成部13、コンテンツ選択部14、およびコンテンツ受信部15を備え、ボタン電話機の機能および受信した文書等のコンテンツを印刷する機能を有する。コンテンツ受信装置10は、演算処理装置、記憶装置、メモリ等を備えたコンピュータにより構成して、各部の処理がプログラムによって実行されるものとしてもよい。このプログラムはコンテンツ受信装置10が備える記憶装置に記憶されており、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。以下、各部について説明する。
【0022】
通信部12は、呼制御、音声通信及びデータ通信を行い、音声通信に利用する音声セッションとデータ通信に利用する制御セッションの2つのセッションがコンテンツ配信サーバ20との間で確立するように発呼する。通信部12は、通信I/F11を介してIPネットワーク100に接続される。
【0023】
能力生成部13は、コンテンツ受信装置10の能力情報を生成する。能力情報とは、コンテンツの選択を利用者から受け付けるために利用可能な手段の有無や性能であり、例えば、操作ボタンの有無、表示手段の有無、受話器の有無などである。図2に能力情報の例を示す。能力生成部13が生成した能力情報は、制御セッションを用いてコンテンツ配信サーバ20へ送信される。コンテンツ配信サーバ20は、その能力情報に応じたコンテンツ選択方法を提供する。
【0024】
コンテンツ選択部14は、コンテンツ選択部14に接続された各種手段を用いて、利用者にコンテンツの選択を促し、コンテンツの選択を受け付ける。図1に示す実施例では、コンテンツ選択部14には、入力部141および表示部142が接続されている。入力部141は、例えば操作ボタンを有し、表示部142は、例えば液晶ディスプレイを有する。
【0025】
コンテンツ受信部15は、制御セッションを用いてコンテンツを受信して記憶装置などに格納する。受信した文書や写真などのコンテンツを印刷する機能や表示する機能を備えるものでもよい。
【0026】
一方、コンテンツ配信サーバ20は、通信I/F21、通信部22、能力選択部23、応答機能部231、コンテンツリスト部232、コンテンツ送信部24、およびコンテンツ蓄積部25を備える。
【0027】
通信部22は、呼制御、音声通信及びデータ通信を行う。通信部22は、通信I/F21を介してIPネットワーク100に接続される。
【0028】
能力選択部23は、コンテンツ受信装置10から受信した能力情報に基づき、コンテンツ受信装置10に提供するコンテンツ選択方法を決定する。能力選択部23は、コンテンツ選択方法を提供するための応答機能部231およびコンテンツリスト部232を有する。応答機能部231は、音声セッションを利用した音声案内によりコンテンツの一覧を提供してコンテンツの選択を促す。コンテンツリスト部232は、コンテンツの一覧であるコンテンツリストを送信して表示させてコンテンツの選択を促す。図3にコンテンツリストの例を示す。同図では文書や写真などのコンテンツの例を示しているが、もちろんこれに限るものではなく、音楽や動画などその他のデータをコンテンツとするものでもよい。
【0029】
コンテンツ送信部24は、送信すべきコンテンツをコンテンツ蓄積部25から読み出し、コンテンツ受信装置10へ送信する。
【0030】
次に、コンテンツを送受信する処理の流れについて説明する。
【0031】
図4は、コンテンツ受信装置10とコンテンツ配信サーバ20との間で通信を確立し、コンテンツ受信装置10が自身の能力を通知するまでの処理の流れを示すシーケンス図である。
【0032】
まず、コンテンツ受信装置10の通信部12が音声セッション、制御セッションの両方を確立するように指定してコンテンツ配信サーバ20に発呼する(ステップS11)。具体的には、SDP(Session Description Protocol)のメディア名(m で指定するパラメータ)に、"m=audio" と "m=application" に始まるRFCに準拠した記述形式を2つを記述して発呼する。
【0033】
続いて、コンテンツ配信サーバ20が呼び出し中であることをコンテンツ受信装置10に通知し(ステップS12)、着呼する(S13)。コンテンツ配信サーバ20は、着呼すると、音声セッションおよび制御セッションの両方に対応可能である旨を応答する(ステップS14)。
【0034】
応答を受信したコンテンツ受信装置10は、コンテンツ配信サーバ20が音声セッションと制御セッションの両方に対応可能であることを確認する(ステップS15)。そして、コンテンツ受信装置10とコンテンツ配信サーバ20との間に、RTP(Real−time Transport Protocol)を利用する音声セッションとTCP(Transmission Control Protocol)を利用する制御セッションの2つのセッションを確立する(ステップS16、ステップS17)。
【0035】
また、通信部12は、能力生成部13にコンテンツ選択に用いる能力情報を要求する(ステップS18)。能力生成部13は、コンテンツ選択部14に問い合わせ(ステップS19)、コンテンツ選択部14からの応答に応じた能力情報を通信部12に通知する(ステップS20、ステップS21)。そして、通信部12はその能力情報をコンテンツ配信サーバ20へ送信する(ステップS22)。
【0036】
コンテンツ配信サーバ20は、能力情報を受信すると、能力通知受信確認を返すとともに(ステップS23)、受信した能力情報を能力選択部23へ通知する(ステップS24)。
【0037】
ここまでの処理でコンテンツ受信装置10とコンテンツ配信サーバ20との間に音声セッションと制御セッションが確立され、コンテンツ受信装置10のコンテンツ選択能力がコンテンツ配信サーバ20に通知されている。以下、コンテンツ受信装置10がコンテンツを選択してコンテンツを受信するまでの2通りの処理について説明する。1つ目は音声によりコンテンツの選択を促すものであり、2つ目はコンテンツリストを表示してコンテンツの選択を促すものである。
【0038】
図5は、音声によりコンテンツの選択を促し、コンテンツを受信する処理の流れを示すシーケンス図であり、図4に続く処理である。コンテンツ受信装置10にコンテンツの一覧を表示する能力がないときに用いられる。
【0039】
図4において能力情報を受信した能力選択部23は、その能力情報に基づきコンテンツの選択方法を選び、音声でコンテンツの選択を促す応答機能部231に音声案内の開始を指示する(ステップS31)。
【0040】
応答機能部24が音声案内を開始、つまり、音声セッションを用いて音声案内を受信すると(ステップS32)、利用者は、コンテンツ受信装置10からその音声案内を聞く(ステップS33)。
【0041】
利用者は、音声案内に従い、受信したいコンテンツをボタン操作により入力部141に入力する(ステップS34)。入力部141がボタン操作をコンテンツ選択部14に通知すると(ステップS35)、コンテンツ選択部14は、ボタン操作に応じたコンテンツ選択情報をコンテンツ配信サーバ20へ送信する(ステップS36)。コンテンツ選択情報は利用者が選択したコンテンツを識別する情報を含み、制御セッションを用いて送信される。
【0042】
コンテンツが選択されると、応答機能部24は、音声セッションを用いて選択されたコンテンツの確認や操作案内などを送信する(ステップS37)。利用者は、コンテンツ受信装置10からその音声案内を聞く(ステップS38)。また、応答機能部24は、選択されたコンテンツをコンテンツ送信部24へ通知する(ステップS39)。コンテンツ送信部24は、コンテンツ蓄積部25から選択されたコンテンツを読み出してコンテンツの送信に備える(ステップS40)。
【0043】
利用者は、音声案内により送信されるコンテンツを確認し、受話器を置いて音声通信を終了する(ステップS41)。ここで利用者はボタン操作をすることでコンテンツを選択し直してもよい。コンテンツを選択し直す場合はステップS34の処理へ飛ぶ。
【0044】
利用者が受話器を置くと、通信部12は音声通話切断要求をコンテンツ配信サーバ20へ送信し(ステップS42)、コンテンツ配信サーバ20は音声通話を切断する(ステップS43)。この処理で音声セッションは切断されるが、制御セッションは確立したままである。
【0045】
通信部12がコンテンツ送信要求をコンテンツ配信サーバ20へ送信すると(ステップS44)、コンテンツ送信部24が制御セッションを用いてコンテンツを送信し(ステップS45)、コンテンツ受信装置10がコンテンツを受信する(ステップS46)。コンテンツの受信が終了すると制御セッションを切断し、通信を終了する。
【0046】
図6は、コンテンツ受信装置10がコンテンツリストを受信して表示部142に表示させてコンテンツの選択を促し、コンテンツを受信する処理の流れを示すシーケンス図であり、図4に続く処理である。コンテンツ受信装置10がコンテンツの一覧を表示する能力を有するときに用いられる。
【0047】
図4において能力情報を受信した能力選択部23は、その能力情報に基づきコンテンツの選択方法を選び、コンテンツリスト部232にコンテンツリストの送信を指示する(ステップS51)。このとき、操作方法などの音声案内を音声セッションを利用してコンテンツ受信装置10へ送信してもよい。なお、以降は、コンテンツの選択に関する情報の送受信には、制御セッションのみを利用するので、音声セッションをここで切断してもよい。
【0048】
コンテンツリストの送信を指示されたコンテンツリスト部232は、コンテンツ蓄積部25にコンテンツリストを要求し(ステップS52)、コンテンツリストを取得して(ステップS53)、コンテンツリストをコンテンツ受信装置10へ送信する(ステップS54)。
【0049】
コンテンツリストを受信したコンテンツ選択部14は、表示部142にコンテンツリストを表示させ利用者にコンテンツの選択を促す(ステップS55、ステップS56)。
【0050】
利用者は、表示部142を確認し、受信したいコンテンツをボタン操作により入力部141に入力する(ステップS57)。入力部141がボタン操作をコンテンツ選択部14に通知すると(ステップS58)、コンテンツ選択部14は、ボタン操作に応じたコンテンツ選択情報を通信部12に通知し(ステップS59)、通信部12は、コンテンツ配信サーバ20へコンテンツ送信要求を送信する(ステップS60)。コンテンツ送信要求には利用者が選択したコンテンツを識別する情報を含み、制御セッションを用いて送信される。なお、コンテンツ送信要求を送信する前に、コンテンツ選択情報をコンテンツ配信サーバ20へ送信し、送信するコンテンツの確認を利用者にさせてもよい。
【0051】
コンテンツ配信サーバ20がコンテンツ送信要求を受信すると、コンテンツ送信部24は、コンテンツ蓄積部25から選択されたコンテンツを読み出し(ステップS61)、制御セッションを利用してコンテンツを送信する(ステップS62)。そして、コンテンツ受信装置10がコンテンツを受信する(ステップS63)。コンテンツの受信が終了すると制御セッションを切断し、通信を終了する。
【0052】
したがって、本実施の形態によれば、通信部12が発呼して音声セッションと制御セッションの両方を確立し、制御セッションを利用してコンテンツを受信することにより、音声通話を行いながらコンテンツを受信することが可能となり、さらに、音声セッションを切断してもコンテンツを受信することができる。その結果、1回の通信でコンテンツの選択、取得が完結するので通信料の課金が1回で済む。また、音声通信とデータ通信を別々のセッションで行うので、コンテンツの送受信にみなし音声を使用しなくてもよく、みなし音声への変換処理が不要となり、負担をかけることなくコンテンツの送受信が可能となる。また、コンテンツの送受信にTCPを用いることで、再送制御を実施することができ、コンテンツデータの欠損を防止すること可能となる。
【0053】
本実施の形態によれば、音声セッション、制御セッションの確立後に、取得するコンテンツの選択を利用者から受け付けるために利用可能な能力を示す能力情報をコンテンツ配信サーバ20へ送信することにより、コンテンツ配信サーバ20は、コンテンツ受信装置10に適した選択方法を提供することができるので、利用者の利便性を向上させることができる。
【0054】
[第2の実施の形態]
図7は、第2の実施の形態におけるコンテンツ配信システムが通信を確立し、能力情報を送信する処理の流れを示すシーケンス図である。第2の実施の形態では、音声セッションを確立せず、制御セッションのみを確立する点で第1の実施の形態と異なる。例えば、音声案内が不要の場合に用いる。
【0055】
図7に示すコンテンツ受信装置も第1の実施の形態と同様にSIPにより呼制御を行う。通常、SIPを用いる場合は、音声通信を目的とするものであるが、第2の実施の形態では、音声通信は行わず、制御セッションを用いたデータの送受信のみを行う。以下、処理の流れについて説明する。
【0056】
利用者がコンテンツ配信サーバ20の電話番号を入力すると、コンテンツ受信装置10が制御セッションを確立するように指定してコンテンツ配信サーバ20に発呼する(ステップS71)。具体的には、SDPのメディア名に、"m=application" に始まるRFCに準拠した記述形式を記述して発呼する。
【0057】
続いて、コンテンツ配信サーバ20が呼び出し中であることをコンテンツ受信装置10に通知し(ステップS72)、着呼する(S73)。コンテンツ配信サーバ20は、着呼すると、制御セッションに対応可能である旨を応答する(ステップS74)。
【0058】
応答を受信したコンテンツ受信装置10は、コンテンツ配信サーバ20が制御セッションに対応可能であることを確認し(ステップS75)、TCPを利用する制御セッションを確立する(ステップS76)。
【0059】
そして、コンテンツ受信装置10は、コンテンツ選択能力を示す能力情報を取得してコンテンツ配信サーバ20へ送信する(ステップS77)。コンテンツ配信サーバ20は、能力情報を受信すると、能力通知受信確認を返す(ステップS78)。
【0060】
なお、第2の実施の形態では、音声セッションを確立していないので、音声によるコンテンツ選択は行われず、図4で示したコンテンツリストを表示する方法によりコンテンツの選択が行われる。以降のコンテンツの選択、受信の処理の流れは、図6で示したものと同様であるので、重複する説明は省略する。
【符号の説明】
【0061】
10…コンテンツ受信装置
11…通信I/F部
12…通信部
13…能力生成部
14…コンテンツ選択部
141…入力部
142…表示部
15…コンテンツ受信部
20…コンテンツ配信サーバ
21…通信I/F部
22…通信部
23…能力選択部
231…応答機能部
232…コンテンツリスト部
24…コンテンツ送信部
24…応答機能部
25…コンテンツ蓄積部
100…IPネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ取得装置がコンテンツ配信装置からネットワークを介してコンテンツを取得するコンテンツ取得方法であって、
前記コンテンツ取得装置による、
前記コンテンツ配信装置へ発呼して音声通信に利用する音声セッションとデータ通信に利用する制御セッションの2つのセッションを確立するステップと、
前記コンテンツ配信装置から前記制御セッションを用いて前記コンテンツを受信するステップと、を有し、
前記コンテンツ取得装置は、前記音声セッションを切断した後も前記制御セッションを確立したまま前記コンテンツを受信することを特徴とするコンテンツ取得方法。
【請求項2】
前記コンテンツ取得装置による、
前記コンテンツ配信装置が提供するコンテンツの一覧を利用者へ提示して取得するコンテンツの選択を前記利用者から受け付けるために利用可能な能力を示す能力情報を生成するステップと、
前記能力情報を前記制御セッションを用いて前記コンテンツ配信装置へ送信するステップと、
前記コンテンツ配信装置による、
前記能力情報を受信して当該能力情報に応じた方法でコンテンツの一覧を前記コンテンツ取得装置へ提供するステップと、
前記コンテンツ取得装置による、
前記コンテンツ取得装置が提供する前記コンテンツの一覧を前記利用者へ提示してコンテンツの選択を受け付けるステップと、
を有することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ取得方法。
【請求項3】
前記コンテンツ配信装置は、音声通信により前記コンテンツの一覧を提供することを特徴とする請求項2記載のコンテンツ取得方法。
【請求項4】
前記コンテンツ配信装置は、データ通信により前記コンテンツの一覧を提供することを特徴とする請求項2記載のコンテンツ取得方法。
【請求項5】
コンテンツ取得装置がコンテンツ配信装置からネットワークを介してコンテンツを取得するコンテンツ取得方法であって、
前記コンテンツ取得装置による、
SIPを利用して前記コンテンツ配信装置へ発呼してデータ通信に利用する制御セッションを確立するステップと、
前記コンテンツ配信装置が提供するコンテンツの一覧を利用者へ提示して取得するコンテンツの選択を前記利用者から受け付けるために利用可能な能力を示す能力情報を生成するステップと、
前記能力情報を前記制御セッションを用いて前記コンテンツ配信装置へ送信するステップと、
前記コンテンツ配信装置による、
前記能力情報を受信して当該能力情報に応じた方法でコンテンツの一覧を前記コンテンツ取得装置へ提供するステップと、
前記コンテンツ取得装置による、
前記コンテンツ取得装置が提供する前記コンテンツの一覧を前記利用者へ提示してコンテンツの選択を受け付けるステップと、
前記コンテンツ配信装置から前記制御セッションを用いて前記コンテンツを受信するステップと、
を有することを特徴とするコンテンツ取得方法。
【請求項6】
ネットワークを介してコンテンツ配信装置からコンテンツを取得するコンテンツ取得装置であって、
前記コンテンツ配信装置へ発呼して音声通信に利用する音声セッションとデータ通信に利用する制御セッションの2つのセッションを確立する通信手段と、
前記コンテンツ配信装置から前記制御セッションを用いて前記コンテンツを受信する受信手段と、を有し、
前記音声セッションを切断した後も前記制御セッションを確立したまま前記コンテンツを受信することを特徴とするコンテンツ取得装置。
【請求項7】
前記コンテンツ配信装置が提供するコンテンツの一覧を利用者へ提示してコンテンツの選択を受け付ける選択手段と、
前記選択手段の能力を示す能力情報を生成する生成手段と、を有し、
前記通信部は、前記能力情報を前記制御セッションを用いて前記コンテンツ配信装置へ送信することを特徴とする請求項6記載のコンテンツ取得装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のコンテンツ取得装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させるためのコンテンツ取得プログラム。
【請求項9】
請求項6又は7に記載のコンテンツ取得装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させるためのコンテンツ取得プログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−268060(P2010−268060A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115737(P2009−115737)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】