説明

コンテンツ記録装置、通信システム、制御方法、制御プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】受信したコンテンツの記録時に、コンテンツの利用者が送信元を特定したり、コンテンツの送信元が利用者を特定したりする必要のないコンテンツ記録装置などを提供する。
【解決手段】親機20Aは、コンテンツを受信する外部用通信制御部2と、受信したコンテンツを記録する格納部4Aと、受信したコンテンツの送信元を特定する送信元特定部31と、特定した送信元に対応するコンテンツの利用先を特定する利用先特定部32と、特定した利用先に対応づけて、受信したコンテンツを記録するように格納部4Aを制御する記録制御部3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを受信し、受信したコンテンツを記録するコンテンツ記録装置などに関するものである。具体的には、本発明は、音声信号を受信し、受信した音声信号の記録及び再生を行なう録音再生機能付電話システムなどに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の通信装置を含む通信システムの一例である従来の親機と複数の子機とからなる録音再生機能付電話システムは、公衆回線からの着信に対して、留守番モード設定中の場合には自動的に応答して、送信元からのメッセージ等を録音することが可能となっている。
【0003】
また、通常の電話の機能だけでなく、通話中の音声情報を録音する機能や、通話中ではなく自分がしゃべった音声を残すためのメモ録音の機能をも有している。
【0004】
前記録音再生機能付電話システムでは、一般的には録音データはそれぞれの親機・子機ごとではなく親機が有しているメモリに格納されており、ある録音データを再生する場合には、親機は当然として、どの子機からでも録音データを再生することが可能となっている。
【0005】
一方、前記録音再生機能付電話システムが家庭内で使用される場合においては、複数の子機はそれぞれの利用者の部屋に設置されているので、それぞれの子機を使用する利用者は、ほぼ特定されているのが一般的である。
【0006】
しかしながら、前記録音再生機能付電話システムでは、それぞれの利用者と子機との間の対応関係とは無関係に音声データが記録されているため、特定の利用者がすべての音声データの中から所望の録音データを選択するのが非常に困難であるという問題点がある。
【0007】
このような問題点を解決するための従来技術の一例として、特許文献1に開示された留守番電話機がある。この留守番電話機では、留守番状態で着信を受けると、発信者を識別し、この発信者の識別子を付加して通話を記憶手段に記憶するようになっている。
【0008】
そして、受信者が留守中に記憶された通話を再生する場合、受信者の希望する識別子と合致する識別子を付加した通話を記憶手段から検索して再生するようになっている。これにより、留守中に録音した複数の発信者の通話の中から、受信者の希望する発信者の通話のみを再生することができる。
【0009】
一方、前記従来技術の他の例として、特許文献2に開示されたコードレス電話機がある。前記コードレス電話機は、親機及び複数の子機とから構成される。このコードレス電話機では、それぞれの親機・子機を識別するための固有のコードを指定して、送信元が、外線からの用件メッセージや内線での伝言メッセージを親機に送る。
【0010】
親機はメモリに前記用件又は伝言メッセージを記録し、さらに前記コードと前記用件又は伝言メッセージの記録位置を示すアクセスコードとを記録する。
【0011】
親機は、子機から再生要求を受け取ると、再生要求を行なった前記子機のコードが記録されたコードに一致したとき、前記アクセスコードを参照して、該当する用件又は伝言メッセージをメモリから読み出して前記子機に送信する。
【0012】
すなわち、コードレス電話機は、送信元が、外線からの用件メッセージや内線での伝言メッセージを送る場合(メッセージの記録時)に、親機又は子機の固有のコードも指定して、用件又は伝言メッセージとともに保存することで、利用者による再生時に、指定されたコードに対応する特定の親機又は子機での再生のみ許容する。
【特許文献1】特開平03− 83441号公報(平成03年04月09日公開)
【特許文献2】特開平05−300225号公報(平成05年11月12日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1に開示された留守番電話機では、前記識別子は、送信元を識別するものであるため、再生する場合にどの送信元の録音データを再生するかを、利用者が、識別子で指定する必要があり、利用者にとってわずらわしい。また、仮に、利用者が、前記識別子を失念してしまった場合等には、識別子を指定できないので所望の録音データを聞くことができなくなってしまうという問題点がある。
【0014】
一方、特許文献2に開示されたコードレス電話機では、送信元が、メッセージを送る際(記録時)に親機又は子機の固有のコードを指定する必要があり面倒である。また、固有のコードを失念した場合等には、送信元は、どのコードを指定すればよいのか不明の状態となり、所望の利用者にメッセージを送ることができない。さらに、仮に、送信元が、不用意に任意のコードを指定した場合、メッセージを伝えたい相手以外の利用者にメッセージを送信してしまう可能性があり、プライバシー保護の観点からも問題がある。
【0015】
これらの、問題点が生じる原因は、記録時(メッセージを送る際など)、及び再生時に、送信元又は利用者による何らかの指定操作が必要となる点にあると考えられる。
【0016】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、受信したコンテンツの記録時に、コンテンツの利用者が送信元を特定したり、コンテンツの送信元が利用者を特定したりする必要のないコンテンツ記録装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のコンテンツ記録装置は、前記課題を解決するために、コンテンツを受信する受信部と、受信したコンテンツを記録する記録部とを備えるコンテンツ記録装置であって、受信したコンテンツの送信元を特定する送信元特定手段と、特定した送信元に対応するコンテンツの利用先を特定する利用先特定手段と、特定した利用先に対応づけて、受信したコンテンツを記録するように前記記録部を制御する記録制御手段とを備えることを特徴としている。
【0018】
また、本発明のコンテンツ記録装置の制御方法は、コンテンツを受信する受信部と、受信したコンテンツを記録する記録部とを備えるコンテンツ記録装置の制御方法であって、受信したコンテンツの送信元を特定する送信元特定ステップと、特定した送信元に対応するコンテンツの利用先を特定する利用先特定ステップと、特定した利用先に対応づけて、受信したコンテンツを記録するように前記記録部を制御する記録制御ステップとを備えることを特徴としている。
【0019】
前記構成及び方法によれば、受信したコンテンツから送信元を特定し、特定した送信元に対応するコンテンツの利用先を特定し、特定した利用先に対応づけて、受信したコンテンツを記録部に記録する。
【0020】
それゆえ、受信したコンテンツの記録時に、コンテンツの利用先が送信元を特定したり、コンテンツの送信元が利用先を特定したりする必要のないコンテンツ記録装置又はその制御方法を提供することができる。
【0021】
ここで、「コンテンツ」とは、コンピュータの処理対象となる情報のことである。また、コンテンツには、データベースに蓄積されたデータや、画像・動画・音声データなども含まれる。
【0022】
「受信したコンテンツの送信元を特定する」については、以下の2通りの場合が例示できる。第1に、コンテンツの送信元が送信先と接続を確立せずにコンテンツを送信するコネクションレス型伝送の場合には、送信元を特定できる情報がコンテンツとともに送信される。それゆえ、受信したコンテンツの送信元は、該送信元を特定できる情報から特定すればよい。
【0023】
第2に、コンテンツの送信元が送信先と接続を確立してからコンテンツを送信するコネクション型伝送の場合には、接続の要求時、或いは接続の確立時に送信元を特定するようにすれば良い。
【0024】
また、本発明のコンテンツ記録装置は、前記構成にくわえて、さらに、コンテンツの利用先からの再生要求を取得する再生要求取得手段と、取得した再生要求を行った利用先に対応するコンテンツを再生する再生制御手段とを備えることができる。
【0025】
前記構成によれば、コンテンツの利用先からの再生要求を取得すると、取得した再生要求を行った利用先に対応するコンテンツを再生する。
【0026】
それゆえ、受信したコンテンツの再生時にコンテンツの利用者が指定操作等をすることなく、不要なコンテンツを排除して、利用者に対応するコンテンツを再生することができるコンテンツ記録装置を提供することができる。
【0027】
また、本発明のコンテンツ記録装置は、前記構成にくわえて、前記記録部は、コンテンツの送信元を特定するための送信元識別情報と、コンテンツの利用先を特定するための利用先識別情報とを対応づける送信元利用先対応情報をあらかじめ記録しており、前記利用先特定手段は、前記送信元利用先対応情報を参照して、コンテンツの利用先を特定することが好ましい。
【0028】
前記構成によれば、コンテンツの送信元を特定するための送信元識別情報と、コンテンツの利用先を特定するための利用先識別情報とを対応づける送信元利用先対応情報をあらかじめ記録し、該送信元利用先対応情報を参照して、コンテンツの利用先を特定する。
【0029】
したがって、受信したコンテンツの記録時や再生時にコンテンツの利用先及び送信元が指定操作等をすることなく、前記コンテンツとともに送信される送信元識別情報を受信するだけで、コンテンツの利用先を特定することが可能となる。
【0030】
「送信元識別情報」とは、1つ以上の送信元のそれぞれを識別することができるような情報である。
【0031】
「利用先識別情報」とは、1つ以上の利用先のそれぞれを識別することができるような情報である。
【0032】
「送信元利用先対応情報」とは、「送信元識別情報」と「利用先識別情報」とを対応づけた情報のことであり、「対応づけ」には、少なくとも一対一対応、多対一対応、一対多対応の対応関係を利用する場合が含まれる。
【0033】
また、本発明のコンテンツ記録装置は、前記構成にくわえて、前記記録部は、1つ以上の送信元識別情報を含む送信元データ群をあらかじめ記録しており、さらに、前記送信元データ群を参照して、前記送信元利用先対応情報を更新する更新手段を備えることが好ましい。
【0034】
前記構成によれば、1つ以上の送信元識別情報を含む送信元データ群をあらかじめ記録し、前記送信元データ群を参照して、送信元利用先対応情報を更新する。
【0035】
それゆえ、利用者は、あらかじめ記録されている送信元利用先対応情報を、送信元データ群を参照して更新したい場合には、送信元データ群を記録部に記録しておくだけで良いので、面倒な更新作業を行なわなくても良い。
【0036】
「送信元データ群」とは、例えば電話帳データ、送信元識別情報を集めたデータベースなど、コンテンツの送信元を識別するための送信元識別情報を1つ以上含んでいる情報のことである。
【0037】
また、本発明のコンテンツ記録装置は、前記構成にくわえて、さらに、前記送信元利用先対応情報の更新要求をコンテンツの利用先から取得する更新要求取得手段を備えており、前記更新手段は、前記更新要求取得手段が、前記更新要求を取得した場合に、前記送信元データ群を参照して、前記送信元利用先対応情報を更新することが好ましい。
【0038】
前記構成によれば、前記送信元利用先対応情報の更新要求をコンテンツの利用先から取得した場合に、前記送信元データ群を参照して、前記送信元利用先対応情報を更新する。
【0039】
それゆえ、コンテンツの利用先が所望のタイミングで更新要求を行なうことで、送信元利用先対応情報を更新することができる。
【0040】
また、本発明のコンテンツ記録装置は、前記構成にくわえて、前記更新手段は、さらに、前記送信元データ群に、新しい送信元識別情報が追加された場合に、前記新しい送信元情報及び前記送信元データ群を参照して、前記送信元利用先対応情報を更新することが好ましい。
【0041】
前記構成によれば、送信元データ群に、新しい送信元識別情報が追加された場合に、新しい送信元情報及び送信元データ群を参照して、送信元利用先対応情報を更新する。
【0042】
それゆえ、利用者は、送信元データ群に新しい送信元識別情報が追加されるたびに、送信元利用先対応情報を更新しなければならないという、面倒な作業を回避することができる。
【0043】
また、本発明のコンテンツ記録装置は、前記構成にくわえて、前記コンテンツ記憶装置は、電話機であり、前記コンテンツは音声データであることが好ましい。
【0044】
また、本発明のコンテンツ記録装置は、前記構成にくわえて、前記構成にくわえて、ファクシミリであり、前記コンテンツは画像データであることが好ましい。
【0045】
また、本発明の通信システムは、前記課題を解決するために、複数の通信装置を備える通信システムであって、コンテンツを受信する受信部と、受信したコンテンツを記録する記録部とを備えており、前記受信したコンテンツの送信元を特定する送信元特定手段と、特定した送信元に対応する前記通信装置を特定する通信装置特定手段と、特定した通信装置に対応づけて、前記受信したコンテンツを記録するように前記記録部を制御する記録制御手段とを備えることを特徴としている。
【0046】
また、本発明の通信システムの制御方法は、複数の通信装置を備え、コンテンツを受信する受信部と、受信したコンテンツを記録する記録部とを備える通信システムの制御方法であって、前記受信したコンテンツの送信元を特定する送信元特定ステップと、特定した送信元に対応する前記通信装置を特定する通信装置特定ステップと、特定した通信装置に対応づけて、前記受信したコンテンツを記録するように前記記録部を制御する記録制御ステップとを備えることを特徴とする通信システムの制御方法。
【0047】
前記構成及び方法によれば、コンテンツを受信する際に受信したコンテンツの送信元を特定する。つぎに、特定した送信元に対応する前記通信装置を特定し、特定した通信装置に対応づけて、前記受信したコンテンツを記録する。
【0048】
それゆえ、受信したコンテンツの記録時に、コンテンツの利用者が通信装置を特定したり、コンテンツの送信元が通信装置を特定したりする必要のない通信システム又はその制御方法を提供することができる。
【0049】
なお、前記コンテンツ記録装置、前記通信システムなどは、コンピュータによって実現しても良く、この場合には、コンピュータを前記各手段として動作させることにより前記コンテンツ記録装置、前記通信システムなどをコンピュータで実現させるコンテンツ記録装置及び通信システムの制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0050】
本発明のコンテンツ記録装置は、以上のように、コンテンツを受信する受信部と、受信したコンテンツを記録する記録部とを備えるコンテンツ記録装置であって、受信したコンテンツの送信元を特定する送信元特定手段と、特定した送信元に対応するコンテンツの利用先を特定する利用先特定手段と、特定した利用先に対応づけて、受信したコンテンツを記録するように前記記録部を制御する記録制御手段とを備えるものである。
【0051】
また、本発明のコンテンツ記録装置の制御方法は、コンテンツを受信する受信部と、受信したコンテンツを記録する記録部とを備えるコンテンツ記録装置の制御方法であって、受信したコンテンツの送信元を特定する送信元特定ステップと、特定した送信元に対応するコンテンツの利用先を特定する利用先特定ステップと、特定した利用先に対応づけて、受信したコンテンツを記録するように前記記録部を制御する記録制御ステップとを備える方法である。
【0052】
それゆえ、受信したコンテンツの記録時に、コンテンツの利用者が送信元を特定したり、コンテンツの送信元が利用者を特定したりする必要のないコンテンツ記録装置又はその制御方法を提供することができるという効果を奏する。
【0053】
また、本発明の通信システムは、以上のように、複数の通信装置を備える通信システムであって、コンテンツを受信する受信部と、受信したコンテンツを記録する記録部とを備えており、前記受信したコンテンツの送信元を特定する送信元特定手段と、特定した送信元に対応する前記通信装置を特定する通信装置特定手段と、特定した通信装置に対応づけて、前記受信したコンテンツを記録するように前記記録部を制御する記録制御手段とを備えるものである。
【0054】
また、本発明の通信システムの制御方法は、複数の通信装置を備え、コンテンツを受信する受信部と、受信したコンテンツを記録する記録部とを備える通信システムの制御方法であって、前記受信したコンテンツの送信元を特定する送信元特定ステップと、特定した送信元に対応する前記通信装置を特定する通信装置特定ステップと、特定した通信装置に対応づけて、前記受信したコンテンツを記録するように前記記録部を制御する記録制御ステップとを備える方法である。
【0055】
それゆえ、受信したコンテンツの記録時に、コンテンツの利用者が通信装置を特定したり、コンテンツの送信元が通信装置を特定したりする必要のない通信システム又はその制御方法を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
本発明の実施の形態の通信システムの一例について図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0057】
まず、図1及び図2に基づき、前記通信システムの一例である録音再生機能付電話システム(通信システム)1の構成について説明する。
【0058】
図1は、録音再生機能付電話システム1の概略構成を示す機能ブロック図である。また、図2は、録音再生機能付電話システム1の通信環境を説明するための概念図である。
【0059】
まず、図2に基づいて録音再生機能付電話システム1の通信環境について説明する。図2に示すように、音声データや画像データなどのコンテンツの送信元である送信元通信装置101は、電話回線などの電気通信回線201に接続される。また、録音再生機能付電話システム1の親機20Aも電気通信回線201に接続される。図2に示すように、複数の子機20Bは、親機20Aと無線又は有線で通信可能な構成となっている。こうして、送信元通信装置101は、電気通信回線201を介して、録音再生機能付電話システム1に、コンテンツを送信する。
【0060】
つぎに、図1に基づき、録音再生機能付電話システム1の構成について説明する。録音再生機能付電話システム1は、親機(コンテンツ記録装置・通信装置)20Aと複数の子機(通信装置)20Bとを備える構成である。なお、図1では、子機20Bは1台だけしか示していない。
【0061】
つぎに、親機20Aの各部について説明する。親機20Aは、図1に示すように、外部用通信制御部(受信部)2、記録制御部(記録制御手段)3、格納部(記録部)4A、キースイッチ5A、インタフェース6A、要求取得部7A、再生制御部(再生制御手段)8A、音声・画像出力制御部9A、スピーカ・LCD(Liquid Crystal Display)10A、マイク・カメラ11A、音声・画像入力制御部12A、子機用通信制御部(受信部)13A、及びアンテナ14Aを有する構成である。
【0062】
ここで、親機20Aの各部の詳細について説明する。外部用通信制御部2は電気通信回線201に接続され、該電気通信回線201との通信状態を管理するものである。また、電気通信回線201を通じて送信されてきたコンテンツを記録制御部3に送信するものである。
【0063】
記録制御部3はコンテンツ等の情報を格納部4Aへ記録させたり、格納部4Aに記録されているデータの更新を行なったりして、格納部4Aへの記録を管理するものであり、送信元特定部(送信元特定手段)31、利用先特定部32、及び更新制御部(更新手段)33を備える。
【0064】
格納部4Aは、ユーザ対応情報(送信元利用先対応情報)41A、コンテンツ・利用先識別情報42A、及び電話帳データ(送信元データ群)43Aなどの各種データ及び情報などを記録するものである。
【0065】
ユーザ対応情報41Aは、発信者番号と、装置識別情報(利用先識別情報)との対応関係を規定する情報である。また、装置識別情報は、利用先を特定するための情報である。
【0066】
コンテンツ・利用先識別情報42Aは、利用先識別情報及び該情報とともに対応づけて記録されるコンテンツである。送信元識別情報は、送信元を特定するための情報である。電話帳データ(送信元データ群)43Aは、送信元識別情報を1つ以上含んだ情報の集まりである。
【0067】
格納部4AのRAM(random access memory)などの揮発性の半導体メモリなどで構成される部分には、親機20Aの各部が処理を行なうために必要なデータ等が一時的に記録される。
【0068】
また、格納部4Aのフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリで構成される部分には、例えば、親機20Aを動作させるために実行されるプログラム、及び親機20Aの電源が切断されても保持すべきデータ等が記録される。なお、録音データなどのコンテンツやユーザ対応情報41Aも不揮発性のメモリに記録させるのが好ましい。
【0069】
送信元特定部31は、送信元を特定するものである。例えば、送信元通信装置101と録音再生機能付電話システム1との接続を確立する前に送信元通信装置101がコンテンツを送信するコネクションレス型伝送の場合には、コンテンツとともに発信者番号(送信元識別情報)などの送信元を識別するための情報を送信する。すなわち、この発信者番号などの情報により送信元を特定することができる。なお、録音再生機能付電話システム1の場合には、送信元は、発信者番号で特定することになるが、メールの場合にはメールアドレスで特定すれば良い。
【0070】
なお、接続を確立してからコンテンツを送信するコネクション型の場合は、接続を確立する場合に送信元を特定すれば良い。
【0071】
利用先特定部32は、ユーザ対応情報41Aを読み出し、このユーザ対応情報41Aに基づいて発信者番号に対応する装置識別情報から利用先を特定する。
【0072】
更新制御部33は、あらかじめ格納部4Aに記録されているユーザ対応情報41Aを更新するものである。
【0073】
キースイッチ5Aは、利用者の操作を受け付ける入力装置である。インタフェース6Aは、キースイッチ5Aを介して、要求取得部7Aに対して利用者の操作を入力信号として送信するものである。なお、入力装置としては、キースイッチに限られず、キーボード、マウスなど、情報を入力できる装置ならば何であっても良い。
【0074】
要求取得部7Aは、利用者による要求を、キースイッチ5A及びインタフェース6Aを介して取得するものである。要求取得部7Aは、取得した要求に応じて、親機20Aの各部に様々な命令を出すものである。利用者による要求の例としては、コンテンツを再生させる再生要求、画像データを出力させる表示要求、ユーザ対応情報41Aを更新させる更新要求、及び録音・録画をさせる録音・録画要求などが挙げられる。
【0075】
再生制御部8Aは、格納部4Aに記録されているコンテンツを再生する制御を行なうものである。再生制御部8Aは、該コンテンツを音声・画像出力制御部9A及び子機用通信制御部13Aに移送する。
【0076】
音声・画像出力制御部9Aは、例えば、再生制御部8Aから移送されてくるコンテンツに基づいてスピーカ・LCD10Aから音声・画像を出力する制御を行なうものである。なお、本実施形態では、表示装置としてLCDの例を示しているが、これに限られず、PDP(plasma display panel)、CRT(cathode-ray tube)など、情報を表示できる装置であれば、何であっても良い。
【0077】
音声・画像入力制御部12Aは、外部から音声又は画像をマイク・カメラ11Aにて取り込む制御を行なう。音声は、音声信号に変換され、画像は、画像信号に変換されて取り込まれる。
【0078】
子機用通信制御部13Aは、アンテナ14Aを介して利用先に該当する子機20Bにコンテンツを送ったり、子機20Bからの各種の要求を受け取ったりなどの子機20Bとの通信状態を制御するものである。ここで取り扱われるデータはコンテンツの他、親機20Aから子機20Bへの制御信号、子機20Bから親機20Aへの制御信号などが含まれる。また、図1に示してはいないが、子機用通信制御部13Aが、子機20Bから、コンテンツを受信したり、子機20Bからの各種の要求を受け取ったりする場合などについて制御することも考えられる。
【0079】
なお、本実施の形態においては、無線通信の場合について説明しているが、このような場合に限られず、親機20Aと子機20Bとが互いに有線でつながった形態であっても良い。
【0080】
つぎに、子機20Bの構成について説明する。なお、説明の便宜上、親機20Aの図面に示した部材と同様の機能を有する部材については、同一の番号を付し、アルファベットのA及びBで、それぞれ親機及び子機の構成を区別する。すなわち、アルファベットのAは親機に関する構成を示す符号であり、アルファベットのBは、子機に関する構成を示す符号である。
【0081】
図1に示すように、子機20Bは、格納部(記録部)4B、キースイッチ5B、インタフェース6B、要求取得部7B、再生制御部8B、音声・画像出力制御部9B、スピーカ・LCD10B、マイク・カメラ11B、音声・画像入力制御部12B、親機用通信制御部(受信部)13B、及びアンテナ14Bを備える構成である。
【0082】
ここで、子機20Bの各構成の詳細について説明する。格納部4Bは、コンテンツ42B及び電話帳データ43Bの他、各種データ及び情報などを記録するものである。
【0083】
コンテンツ42Bは、格納部4Bに記録されるコンテンツである。ここで、親機20Aにおけるコンテンツ・利用先識別情報42Aの様に記載せず、コンテンツ42Bと記載しているのは、利用先がすでに特定されているためである。電話帳データ43Bは、送信元識別情報を1つ以上含んだ情報の集まりである。
【0084】
格納部4BのRAMなどの揮発性の半導体メモリなどで構成される部分には、子機20Bの各部が処理を行なうために必要なデータ等が一時的に記録される。
【0085】
また、格納部4Bのフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリで構成される部分には、例えば、子機20Bを動作させるために実行されるプログラム、及び子機20Bの電源が切断されても保持すべきデータ等が記録される。なお、録音データなどのコンテンツも不揮発性のメモリに記録させるのが好ましい。
【0086】
キースイッチ5Bは、利用者の操作を受け付ける入力装置である。インタフェース6Bは、キースイッチ5Bを介して、要求取得部7Bに対して利用者の操作を入力信号として送信するものである。なお、入力装置としては、キースイッチに限られず、キーボード、マウスなど、情報を入力できる装置ならば何であっても良い。
【0087】
要求取得部7Bは、利用者による要求を、キースイッチ5B及びインタフェース6Bを介して取得するものである。要求取得部7Bは、取得した要求に応じて、子機20Bの各部に様々な命令を出すものである。利用者による要求の例としては、コンテンツを再生させる再生要求、画像データを出力させる表示要求、親機20Aの格納部4Aに記録されているユーザ対応情報41Aを更新させる更新要求、及び録音・録画をさせる録音・録画要求などが挙げられる。
【0088】
再生制御部8Bは、格納部4Bに記録されているコンテンツを再生する制御を行なうものである。再生制御部8Bは、該コンテンツを音声・画像出力制御部9B及び親機用通信制御部13Bに移送する。
【0089】
音声・画像出力制御部9Bは、例えば、再生制御部8Bから移送されてくるコンテンツに基づいてスピーカ・LCD10Bから音声・画像を出力する制御を行なうものである。なお、本実施形態では、表示装置としてLCDの例を示しているが、これに限られず、PDP、CRTなど、情報を表示できる装置であれば、何であっても良い。
【0090】
音声・画像入力制御部12Bは、外部から音声又は画像をマイク・カメラ11Bにて取り込む制御を行なう。音声は、音声信号に変換され、画像は、画像信号に変換されて取り込まれる。
【0091】
親機用通信制御部13Bは、アンテナ14Bを介して、格納部4Bに記録された電話帳データ43Bを親機20Aに送ったり、親機20Aからの各種の要求を受け取ったりなどの親機20Aとの通信状態を制御するものである。ここで取り扱われるデータはコンテンツや、電話帳データ43Bの他、子機20Bから親機20Aへの制御信号、親機20Aから子機20Bへの制御信号などが含まれる。また、図1に示してはいないが、親機用通信制御部13Bが、親機20Aから、コンテンツを受信したり、親機20Aからの各種の要求を受け取ったりする場合などについて制御することも可能である。なお、親機用通信制御部13Bは、親機20Aから転送されてきたコンテンツを他の子機20Bに送信する場合も考えられる。
【0092】
つぎに、図1及び図3に基づき、録音再生機能付電話システム1の留守番録音時の動作について説明する。図3は、録音再生機能付電話システム1の留守番録音時の動作を説明するためのフローチャートである。図1に示す親機20Aは、外部用通信制御部2が、電気通信回線201からの着信を検出すると、留守設定状態等であった場合には、自動的に応答し、図3に示すステップS11に移る。
【0093】
ステップS11では、外部用通信制御部2が着信に含まれる発信者番号を検出し、記録制御部3の利用先特定部32が、あらかじめ格納部4Aに記録されたユーザ対応情報41Aを参照し、前記発信者番号に対応する装置識別情報を読み出し、ステップS12に移る。
【0094】
ステップS12では、ステップS11で取り出した装置識別情報を格納部4Aに保持(保存)し、ステップS13に移る。
【0095】
ステップS13では、外部用通信制御部2から送信されてくる送信元のコンテンツを、記録制御部3が受け取り、記録制御部3は、受け取ったコンテンツを格納部4Aへ、記録し始め、ステップS14に移る。
【0096】
この際、外部用通信制御部2は、コンテンツがデジタルデータであれば、そのまま送信し、アナログデータであれば、デジタルデータに変換して、送信する。なお、ここでは、外部用通信制御部2がアナログデータをデジタルデータに変換する機能を備える場合を示したが、記録制御部3がこのような機能を備える構成であっても良い。
【0097】
ステップS14では、記録制御部3が、記録終了の操作である送信元の回線切断操作があったかどうかを監視し、該回線切断操作が行われるまで記録を継続する。また、上記記録終了の操作が行われたことを検知するとステップS15に移る。
【0098】
なお、ここでは、記録制御部3が、送信元の回線切断操作があったかどうかを監視する機能を備える場合を示したが、外部用通信制御部2がこのような機能を備え、監視した結果を記録制御部3に送信する構成であっても良い。
【0099】
ステップS15では、記録制御部3が、格納部4Aへのコンテンツの記録を終了するとともに、ステップS12にて格納部4Aに保持していた装置識別情報をコンテンツに対応づけて、記録する。なお、本実施の形態においては、親機20Aが、録音再生機能付電話システム1全体のコンテンツを管理する形態で説明した。しかし、このような形態に限られず、コンテンツと装置識別情報とが対応付けられた段階で、該装置識別情報に対応する子機20Bに、該コンテンツを送信し、その子機20Bの格納部4Bに該コンテンツを記録する形態としても良い。
【0100】
以上によれば、録音再生機能付電話システム1にコンテンツを記録する際に、送信元は親機20A・子機20Bを指定する操作が不要となり、指定する装置を間違えることがなくなる。
【0101】
ここで、図4に基づき本実施の形態の録音再生機能付電話システム1におけるユーザ対応情報41Aの一例について説明する。図4は、録音再生機能付電話システム1におけるユーザ対応情報41Aの一例を表形式で示す図である。
【0102】
図4は、親機20Aと同じ機能を有する親機110Aに対して、子機20Bと同じ機能を有する3台の子機210B・220B・230Bが接続されている場合について示している。図4に示すように、ユーザ対応情報41Aは、発信者番号に対してそれに対応する装置識別情報を参照できるようになっている。この発信者番号と装置識別情報との対応関係を規定するユーザ対応情報41Aは、あらかじめ設定が可能であり、適宜更新が可能である。
【0103】
例えば、発信者番号「03−2345−XXXX」に対応する装置識別情報は、「子機220B」となる。なお、図4では装置識別情報と発信者番号とは、一対一に対応しているが、多対一対応、一対多対応などの対応関係も採り得る。例えば或るコンテンツに対して複数の装置識別情報が対応する場合があり得る。この場合、複数の装置識別情報が上記コンテンツに対応付けて記録されることになる。なお、本実施の形態においては、子機220Bの例のように、同一の装置識別情報に対応するユーザ対応情報41Aが、テーブル内の別々の欄に存在する形態となっている。しかし、このような形態に限られず、装置識別情報ごとに発信者番号を整理した形態のテーブルを用いても良い。
【0104】
なお、本実施の形態では、利用先識別情報の一例として親機20A及び1台以上の子機20Bのそれぞれの装置を識別するための装置識別情報を用いた例を示すが、利用先識別情報の例としては、これに限られず、例えば、上述のように、親機20A及び1台以上の子機20Bのそれぞれについて、格納部4Aにおける専用のアドレスを指定した場合には、そのアドレスを利用先識別情報として利用する事もできる。
【0105】
つぎに、図1及び図5に基づき、録音再生機能付電話システム1の再生時の動作について説明する。図5は、録音再生機能付電話システム1の再生時の動作を説明するためのフローチャートである。図1に示す親機20Aを操作する利用者からのキースイッチ5Aの入力によって再生操作信号(再生要求)が要求取得部7Aに送信された場合には図5に示すステップS21に移る。若しくは、子機20Bを操作する利用者からのキースイッチ5Bの入力によって、子機20Bからの再生操作信号が、要求取得部7B及び親機用通信制御部13Bなどを介して要求取得部7Aに、送信されてきたときにステップS21に移る。
【0106】
ステップS21では、図1に示す親機20A側のキースイッチ5Aの入力で再生操作が行われた場合、要求取得部7Aは、親機20Aの装置識別情報を取得して格納部4Aに記録し、再生制御部8Aに再生命令を発してステップS22に移る。
【0107】
一方、子機20B側のキースイッチ5Bの入力で再生操作が行われた場合、子機20Bの要求取得部7Bが、該再生操作を再生要求と認識して、親機用通信制御部13Bを介して再生命令(命令)を親機20Aに送信し、親機20Aの要求取得部7Aに該再生命令が通知される。要求取得部7Aは、子機20Bの装置識別情報を取得して親機20A側の格納部4Aに記録し、再生制御部8Aに再生命令を発してステップS22に移る。
【0108】
ステップS22では、再生制御部8Aが、格納部4Aに記録された装置識別情報に合致したコンテンツが格納部4Aに存在するかどうかを確認する。合致するコンテンツがない場合には動作を終了し、合致したコンテンツがあった場合にはステップS23に移る。
【0109】
ステップS23では、再生制御部8Aが、前記合致したコンテンツを送信すべき装置を格納部4Aに記録された装置識別情報から特定する。特定された装置が親機20Aであった場合、前記コンテンツは音声・画像出力制御部9Aに送られ、そこでデジタルデータのコンテンツからアナログデータのコンテンツに変換し、親機20A側のスピーカ・LCD10Aから出力する。
【0110】
一方、特定された装置が子機20Bであれば、再生制御部8Aが、子機用通信制御部13A及びアンテナ14Aを介して、子機20Bへコンテンツを送信する。送信されたコンテンツは、親機用通信制御部13Bを介して格納部4Bに送られコンテンツ42Bの情報として記録される。記録されたコンテンツ42Bは、再生制御部8Bが読み出し、再生制御部8Bは、読み出したコンテンツ42Bを音声・画像出力制御部9Bに送る。音声・画像出力制御部9Bでは、デジタルデータのコンテンツからアナログデータのコンテンツに変換されて、子機20B側のスピーカ・LCD10Bから音声・画像情報が出力される。
【0111】
音声・画像情報の再生が完了するとステップS22へ移り、再生制御部8Aが、他に、前記合致するコンテンツがないかを確認し、合致するコンテンツがなくなるまでステップS22とS23とを繰り返す。
【0112】
なお、本実施の形態においては、全てのコンテンツを親機20Aが管理する形態について説明したが、装置識別情報とコンテンツとが対応づけられた段階で、該識別装置に対応する子機20Bにコンテンツを送信し、この子機20Bの格納部4Bにコンテンツ42Bの情報として該コンテンツがあらかじめ記録される形態も可能である。
【0113】
この形態においては、子機20Bの利用者からの再生要求に応じて再生制御部8Bが格納部4Bのコンテンツ42Bの情報として記録されているコンテンツを読み出して、該コンテンツを音声・画像出力制御部9B及びスピーカ・LCD10Bを介して音声・画像情報として出力するように構成すれば良い。
【0114】
以上より、録音再生機能付電話システム1によれば、各々の通信装置から再生要求があった時に、その通信装置に合致した装置識別情報が付加されているコンテンツのみを再生するため、ユーザにとって不要なその他の通信装置で使用されるコンテンツが再生されることがなくなり、ユーザの操作を簡素化することができる。
【0115】
つぎに、図6に基づき、本実施の形態の録音再生機能付電話システム1においてユーザ対応情報41Aを自動的に更新する場合の一例について説明する。図6は、本実施の形態の録音再生機能付電話システム1におけるユーザ対応情報41Aの更新方法の一例を説明するための図である。
【0116】
ここでは、図1に示す記録制御部3の更新制御部33が、親機20Aの格納部4Aにあらかじめ記録されているユーザ対応情報41Aを更新する場合について説明する。また、ユーザ対応情報41Aを、親機20A・子機20Bのそれぞれの格納部4A・4Bに記録されている電話帳データ43A・43Bを参照して更新する場合について説明する。なお、ユーザ対応情報41Aが、「あらかじめ記録されている」状態とは、ユーザ対応情報41Aが全く記録されていない場合は想定しないことを意味する。
【0117】
図6は、電話帳データ43A・43Bのいずれかにあらたな発信者番号が追加されたタイミングで、ユーザ対応情報41Aを更新する場合について説明するための図である。
【0118】
図6では、更新前の状態のユーザ対応情報41Aのテーブルと、更新後の状態のユーザ対応情報41Aのテーブルとを示している。なお、本実施形態では、更新の前後の状態が理解できるように、装置識別情報ごとに発信者番号を格納した形態のテーブルに基づいて説明するが、このような形態のテーブルに限られず、上述の図4の形態のテーブルなどであっても良い。
【0119】
例えば、図6に示すように、親機110Aの更新前の電話帳データ43Aに、発信者番号「03−1234−XXXX」が存在しており、あらたにアンダーラインで示した発信者番号「03−4567−XXXX」が追加されたタイミングで更新する場合を考える。この場合、更新制御部33は、電話帳データ43Aの発信者番号に装置識別情報を付加して、ユーザ対応情報41Aを、例えば「発信者番号:03−1234−XXXX 親機110A 発信者番号:03−4567−XXXX 親機110A」のように置き換える。
【0120】
同様にして、子機220Bの更新前の電話帳データ43Bに、発信者番号「03−2345−XXXX」及び「03−5678−XXXX」が存在しており、新たに、アンダーラインで示した発信者番号「03−3456−XXXX」が追加されたタイミングで更新する場合について考える。この場合、更新制御部33は、子機220Bの電話帳データ43Aの発信者番号に装置識別情報を付加して、ユーザ対応情報41Aを、「発信者番号:03−2345−XXXX 子機220B 発信者番号:03−5687−XXXX 子機220B 発信者番号:03−3456−XXXX 子機220B」のように置き換える。
【0121】
ここで更新制御部33がユーザ対応情報41Aを更新するタイミングには上記の場合を含め、以下の3つの場合が考えられる。
【0122】
まず、第1の場合は、上記の例で示したタイミングでユーザ対応情報41Aを更新する場合であるが、新しい発信者番号が電話帳データ43A・43Bに登録(又は削除)されたタイミングで、ユーザ対応情報41Aを更新する場合である。
【0123】
例えば、利用者が電話帳データ43A・43Bに新しい発信者番号を登録(又は削除)したタイミングや、装置の設定により自動的に電話帳データ43A・43Bに新しい発信者番号が登録されたタイミングで、その電話帳データ43A・43Bを有する装置に基づいて該装置を特定し、ユーザ対応情報41Aを更新する場合が考えられる。
【0124】
この第1の場合では、利用者は、電話帳データ43A・43Bに新しい発信者番号などの送信元識別情報が追加されるたびに、ユーザ対応情報41Aを更新しなければならないという、面倒な作業を回避することができる。
【0125】
つぎに、第2の場合は、一定期間ごとのタイミングで、ユーザ対応情報41Aを、電話帳データ43A・43Bを参照して更新する場合が考えられる。なお、新しい発信者番号を1つも取得していない場合は、その更新を中止する構成としても良い。
【0126】
この第2の場合では、ユーザ対応情報41Aは、一定の期間ごとに更新されるので、自動的に電話帳データ43A・43Bに新しい発信者番号が登録(又は削除)されるような場合には、利用者は面倒な登録作業等を行なわなくても、ユーザ対応情報41Aを更新させることができる。
【0127】
つぎに、第3の場合は、利用者が、装置に対してユーザ対応情報41Aの更新の意思表示を示したタイミングで電話帳データ43A・43Bを参照して更新する場合が考えられる。意思表示の例としては、図1の示すキースイッチ5A・5Bを操作して親機20A又は子機20Bのいずれかに更新要求する場合が考えられる。
【0128】
なお、ここでは、利用者の意思表示の例としてキースイッチ5A・5Bを操作する例を示したが、このような場合に限られず、装置が認識できる態様であれば、どのような意思表示であっても良い。たとえば、音声認識なども考えられる。
【0129】
この第3の場合では、利用者の所望のタイミングで、ユーザ対応情報41Aを更新することができる。
【0130】
つぎに、録音再生機能付電話システム1などの購入時に、ユーザ対応情報41Aをあらたに作成する場合について説明する。ここで、「あらたに作成する」とは、上記の更新の場合と異なり、ユーザ対応情報41Aが、全く記録されていない初期の状態を想定するという意義である。
【0131】
ここで、録音再生機能付電話システム1の購入後に、親機20A及びそれぞれの子機20Bの格納部4A・4Bの電話帳データ43A・43Bのいずれかに、1つ以上の発信者番号があらたに登録された場合について考える。
【0132】
例えば、親機20Aの記録制御部3の更新制御部33が、あらたに発信者番号が登録された電話帳データ43A・43Bの記録先から、対応する装置を特定し、装置識別情報を取得して、それぞれの発信者番号に応じたユーザ対応情報41Aを作成するように構成する。この場合には、電話帳データ43A・43Bが記録されている装置は明白であり、その特定の電話帳データが記録されている装置に対応させてユーザ対応情報41Aを作成すれば良い。
【0133】
なお、本実施の形態では、記録制御部3は親機20Aに内蔵されているので、記録制御部3が、それぞれの子機20Bの要求取得部7Bに、それぞれの電話帳データ43Bを、親機用通信制御部13B、子機用通信制御部13A及びそれらに接続されるアンテナ14B・14Aを介して親機20Aに送信させる要求を行なうような構成とすれば良い。なお、本実施の形態においては、要求取得部7Bが電話帳データ43Bを読み出して親機20Aに送信するようにしているが、このような場合に限られず、親機用通信制御部13Bが同様の機能を果すように構成しても良い。
【0134】
また、本実施の形態では、記録制御部3は親機20Aに内蔵されているが、それぞれの子機20Bにも同様の記録制御部を内蔵させても良い。この場合には、それぞれの装置の記録制御部が電話帳データ43A・43Bに基づいてユーザ対応情報41Aを作成し、親機20Aの格納部4Aに送信して記録するような構成とすれば良い。また、同様の記録制御部を、親機20A及び子機20Bの外部に設置しても良い。
【0135】
こうして、利用者は、ユーザ対応情報41Aを、電話帳データ43A・43Bを参照して作成させる場合には、電話帳データ43A・43Bを格納部4A・4Bに記録しておくだけで良いので、面倒な更新作業を行なわなくても良い。
【0136】
以上より、録音再生機能付電話システム1は、発信者番号に応じた装置識別情報を、通信装置に各々格納されている電話帳データ43A・43Bから自動的に作成することによって、あらかじめユーザ対応情報41Aを設定する操作が不要となり。ユーザの操作を簡素化することができる。
【0137】
以上の説明においては、電話帳データ43A・43Bなどの管理は親機20A・子機20Bごとに行なわれている。しかし、このような場合に限られず、特定の装置に対応する電話帳データ43A・43Bを、その装置と対応づけて、親機20Aが一括して電話帳データ43A・43Bを記録し、管理する構成であっても良い。
【0138】
また、ユーザ対応情報41Aの管理は、親機20Aの格納部4Aで行なわれている。しかし、このような場合に限られず、ユーザ対応情報41Aを複数の子機20Bのいずれかが管理するようにしても良い。すなわち、ユーザ対応情報41Aの記録場所は、親機20Aの格納部4A内であっても良いし、複数の子機20Bのいずれかの格納部4B内であっても良い。
【0139】
さらに、電話帳データ43A・43Bを送信元データ群の一例として説明したが、データベースなどで送信元データ群を管理するよう構成しても良い。
【0140】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0141】
最後に、録音再生機能付電話システム1、親機20A及び子機20Bの各ブロック、特に記録制御部3及び再生制御部8Aは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0142】
すなわち、録音再生機能付電話システム1、親機20A及び子機20Bは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、前記プログラムを展開するRAM、前記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記録装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである録音再生機能付電話システム1、親機20A及び子機20Bの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、録音再生機能付電話システム1、親機20A及び子機20Bに供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0143】
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやコンパクトディスク−ROM/MO/MD/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0144】
また、録音再生機能付電話システム1、親機20A及び子機20Bを通信ネットワークと接続可能に構成し、前記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、親子電話など、複数の通信装置を有する通信システムに適用することができる。また、IP(Internet protocol)電話など、複数の情報端末機をネットワークで結合させたシステムにも幅広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる録音再生機能付電話システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】前記録音再生機能付電話システムの通信環境を示す概念図である。
【図3】前記録音再生機能付電話システムの記録時の動作を示すフローチャートである。
【図4】前記録音再生機能付電話システムにおけるユーザ対応情報41Aの例を表形式で示す図である。
【図5】前記録音再生機能付電話システムの再生時の動作を示すフローチャートである。
【図6】前記録音再生機能付電話システムのユーザ対応情報41Aを更新する場合の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0147】
1 録音再生機能付電話システム(通信システム)
2 外部制御通信部(受信部)
3 記録制御部(記録制御手段)
4A,4B 格納部(記録部)
5A,5B キースイッチ
6A,6B インタフェース
7A,7B 要求取得部(再生要求取得手段・更新要求取得手段)
8A,8B 再生制御部(再生制御手段)
9A,9B 音声・画像出力制御部
10A,10B スピーカ・LCD
11A,11B マイク・カメラ
12A,12B 音声・画像入力制御部
13A 子機用通信制御部(受信部)
13B 親機用通信制御部(受信部)
14A,14B アンテナ
20A 親機(コンテンツ記録装置・通信装置)
20B 子機(コンテンツ記録装置・通信装置)
31 送信元特定部(送信元特定手段・通信装置特定手段)
32 利用先特定部(利用先特定手段)
33 更新制御部(更新手段)
41A ユーザ対応情報(送信元利用先対応情報)
42A コンテンツ・装置識別情報(コンテンツ・利用先識別情報)
42B コンテンツ
43A、43B 電話帳データ(送信元データ群)
101 送信元通信装置
201 電気通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを受信する受信部と、受信したコンテンツを記録する記録部とを備えるコンテンツ記録装置であって、
受信したコンテンツの送信元を特定する送信元特定手段と、
特定した送信元に対応するコンテンツの利用先を特定する利用先特定手段と、
特定した利用先に対応づけて、受信したコンテンツを記録するように前記記録部を制御する記録制御手段とを備えることを特徴とするコンテンツ記録装置。
【請求項2】
さらに、コンテンツの利用先からの再生要求を取得する再生要求取得手段と、
取得した再生要求を行った利用先に対応するコンテンツを再生する再生制御手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項3】
前記記録部は、
コンテンツの送信元を特定するための送信元識別情報と、コンテンツの利用先を特定するための利用先識別情報とを対応づける送信元利用先対応情報をあらかじめ記録しており、
前記利用先特定手段は、
前記送信元利用先対応情報を参照して、コンテンツの利用先を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項4】
前記記録部は、
1つ以上の送信元識別情報を含む送信元データ群を利用先ごとにあらかじめ記録しており、
さらに、前記送信元データ群を参照して、前記送信元利用先対応情報を更新する更新手段を備えることを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項5】
さらに、前記送信元利用先対応情報の更新要求をコンテンツの利用先から取得する更新要求取得手段を備えており、
前記更新手段は、
前記更新要求取得手段が、前記更新要求を取得した場合に、前記送信元データ群を参照して、前記送信元利用先対応情報を更新することを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項6】
前記更新手段は、
さらに、前記送信元データ群に、新しい送信元識別情報が追加された場合に、前記送信元利用先対応情報を更新することを特徴とする請求項4又は5に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項7】
前記コンテンツ記憶装置は、電話機であり、前記コンテンツは音声データであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項8】
前記コンテンツ記憶装置は、ファクシミリであり、前記コンテンツは画像データであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項9】
複数の通信装置を備える通信システムであって、
コンテンツを受信する受信部と、
受信したコンテンツを記録する記録部とを備えており、
前記受信したコンテンツの送信元を特定する送信元特定手段と、
特定した送信元に対応する前記通信装置を特定する通信装置特定手段と、
特定した通信装置に対応づけて、前記受信したコンテンツを記録するように前記記録部を制御する記録制御手段とを備えることを特徴とする通信システム。
【請求項10】
コンテンツを受信する受信部と、受信したコンテンツを記録する記録部とを備えるコンテンツ記録装置の制御方法であって、
受信したコンテンツの送信元を特定する送信元特定ステップと、
特定した送信元に対応するコンテンツの利用先を特定する利用先特定ステップと、
特定した利用先に対応づけて、受信したコンテンツを記録するように前記記録部を制御する記録制御ステップとを備えることを特徴とするコンテンツ記録装置の制御方法。
【請求項11】
複数の通信装置を備え、
コンテンツを受信する受信部と、受信したコンテンツを記録する記録部とを備える通信システムの制御方法であって、
前記受信したコンテンツの送信元を特定する送信元特定ステップと、
特定した送信元に対応する前記通信装置を特定する通信装置特定ステップと、
特定した通信装置に対応づけて、前記受信したコンテンツを記録するように前記記録部を制御する記録制御ステップとを備えることを特徴とする通信システムの制御方法。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のコンテンツ記録装置における各手段としてコンピュータを動作させるためのコンテンツ記録装置の制御プログラム。
【請求項13】
請求項9に記載の通信システムにおける各手段としてコンピュータを動作させるための通信システムの制御プログラム。
【請求項14】
請求項12に記載のコンテンツ記録装置の制御プログラム、及び請求項13に記載の通信システムの制御プログラムの少なくとも一方を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−147975(P2008−147975A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−332591(P2006−332591)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】