説明

コンテンツ配信システム、配信方法及び受信プログラム

【課題】 コンテンツデータにクライアント毎の識別情報を付加し、配信コンテンツの不正コピー等によって二次的利用を行った者を特定する。
【解決手段】 ユーザー端末1のキャッシュ部117において、コンテンツ配信サーバー2又は他のユーザー端末4からコンテンツデータD4を受信して一時的に蓄積し、ユーザー端末1の配信要求部119において、コンテンツ配信サーバー2又は他のユーザー端末4の通信部が実行可能なモードを検出し、検出したモードに応じて、通信相手となるコンテンツ配信サーバー2又は他のユーザー端末4を選択し、選択した通信相手にコンテンツの配信を要求し、クライアント識別情報付加部117aにおいて、コンテンツデータD4にクライアントの情報を付加し、キャッシュ部117に蓄積されたクライアント識別情報が付加されたコンテンツデータを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像や音楽等のコンテンツを、インターネット等の通信ネットワークを通じて、端末装置(クライアント)に対して、配信するコンテンツ配信システム、配信方法及び受信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インターネット等の通信ネットワークを通じて、パーソナルコンピュータ等の端末装置に対し、映像や音楽等のコンテンツを配信するサービスが提供されている。
【0003】
ところで、このコンテンツ配信サービスでは、配信されるデジタルコンテンツを安全に配信するために、著作権保護や無断視聴防止等のセキュリティ対策が求められている。特に、このようなコンテンツデータは、電子データであるため、一旦ダウンロードしてしまうと、複製が容易であり、著作権などの諸権利が容易に侵害されてしまうという問題がある。
【0004】
この問題を解決すべく、従来より、コンテンツデータに利用者を識別する識別子(ウォーターマーク)を付加する技術がある(例えば、特許文献1)。この従来の技術では、コンテンツ配信サービス側のコンテンツサーバーにおいて、配信に係るコンテンツデータに、その配信を要求した利用者を特定するためのウォーターマークを付加した上で、配信サービスを行う。このような従来技術によれば、配信サービスに係るコンテンツが不正に複製された場合には、コンテンツデータに付加されたウォーターマークにより、その不正複製に関与した利用者又は利用機器を特定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−342292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、コンテンツサーバー側において利用者を識別する識別子(ウォーターマーク)を付加するため、視聴ユーザー数が多い、大規模な配信システムである場合には、サーバー側におけるウォーターマークを付加する処理負担が集中し、サーバー側の処理負担が増大してしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、映像や音楽等のコンテンツを、インターネット等の通信ネットワークを通じて、端末装置(クライアント)に対し、配信するコンテンツ配信サービスにおいて、コンテンツ配信サーバーに対する処理負担を軽減しつつ、コンテンツデータの不正複製を効果的に抑止できるコンテンツ配信システム、配信方法及び受信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、通信ネットワークを通じ、ユーザー端末において、コンテンツサーバーからコンテンツデータの配信を受けるコンテンツ配信システムであって、ユーザー端末に備えられ、コンテンツサーバー又は他のユーザー端末からコンテンツデータを受信するコンテンツ取得部と、ユーザー端末に備えられ、コンテンツデータに当該クライアントの識別情報を付加するクライアント識別情報付加部とを有することを特徴とする。
【0009】
また、他の発明は、通信ネットワークを通じ、ユーザー端末において、コンテンツサーバーからコンテンツデータの配信を受けるコンテンツ配信方法であって、
(1)ユーザー端末において、コンテンツサーバー又は他のユーザー端末からコンテンツデータを受信するコンテンツ取得ステップと、
(2)ユーザー端末において、コンテンツデータに当該クライアントの識別情報を付加するクライアント識別情報付加ステップと
を有する。
【0010】
このような発明によれば、コンテンツデータに各クライアントの識別情報を付加するので、コンテンツデータを不正複製により二次的利用した場合、その二次的利用を行った者の特定を速やかに行うことができ、コンテンツデータの不正使用を抑制し、著作権を保護することができる。また、上記発明によれば、コンテンツデータへのクライアント識別情報の付加は、各ユーザー端末側で行うため、コンテンツ配信サーバーに処理負担が集中するのを回避することができる。
【0011】
なお、上記発明では、前記クライアント識別情報の付加と併せて、ユーザー端末において、コンテンツデータに、当該コンテンツデータに関する情報を付加することが好ましい。この場合には、付加されたコンテンツ情報に基づいて、当該コンテンツデータについて、不正な二次的利用を行った時点の状況を速やかに特定することができる。
【0012】
また、さらに他の発明は、通信ネットワークを通じ、ユーザー端末において、コンテンツサーバーからコンテンツデータの配信を受けるコンテンツ配信システムであって、ユーザー端末に備えられ、コンテンツサーバー又は他のユーザー端末からコンテンツデータを受信するコンテンツ取得部と、ユーザー端末に備えられ、コンテンツデータに、当該コンテンツデータに関する情報を付加するコンテンツ情報付加部とを有する。
【0013】
また、これに関する方法の発明は、通信ネットワークを通じ、ユーザー端末において、コンテンツサーバーからコンテンツデータの配信を受けるコンテンツ配信方法であって、
(1)ユーザー端末において、コンテンツサーバー又は他のユーザー端末からコンテンツデータを受信するコンテンツ取得ステップと、
(2)ユーザー端末において、コンテンツデータに、当該コンテンツデータに関する情報を付加するコンテンツ情報付加ステップと、
を有する。
【0014】
このような発明によれば、コンテンツデータに、コンテンツ情報を付加するため、コンテンツのファイル名やライセンス情報など、当該コンテンツデータに関する情報を付加するので、当該コンテンツデータのファイル名やライセンス情報などが改ざんされた場合でも、付加されたコンテンツ情報に基づいて、当該コンテンツデータについて、二次的利用を行った時点の状況を速やかに特定することができる。また、上記発明によれば、コンテンツデータへのコンテンツ情報の付加も、各ユーザー端末側で行うため、コンテンツ配信サーバーに処理負担が集中するのを回避することができる。
【0015】
上記発明において、前記コンテンツ情報の付加に際しては、取得したコンテンツデータを解析し、コンテンツデータからコンテンツ情報を抽出し、抽出されたコンテンツ情報を、当該コンテンツデータに付加することが好ましい。この場合には、コンテンツデータのメタデータなどから、コンテンツ識別情報や、ライセンス情報、再生経過時間など、当該コンテンツデータに関する情報を解析して、抽出し、それをさらに、独自の方式やフォーマット形式によりコンテンツデータ内に付加することから、当該コンテンツデータのファイル名やライセンス情報などが改ざんされた場合でも、当該コンテンツ情報により二次的利用がされた時点の状況を調査することができる。
【0016】
上記発明では、コンテンツの取得に際し、通信相手となるコンテンツサーバー又は他のユーザー端末を選択し、選択した通信相手にコンテンツの配信を要求し、この要求に応じて、コンテンツ配信サーバー又は他のユーザー端末から、要求に係るコンテンツデータの一部又は全部を受信するとともに、受信したコンテンツデータを再構築して出力することができ、クライアント識別情報の付加では、再構築したコンテンツデータに、クライアント識別情報を付加することが好ましい。
【0017】
この場合には、いわゆるOLM(OverLay Multicast)方式のピア・ツー・ピアのネットワークシステムにより、いずれかのユーザー端末がダウンロードしたコンテンツデータを他のユーザー端末と共有し、分散されたユーザー端末間でコンテンツデータの配信を相互に行うことによって、コンテンツ配信サーバーに対する負担を軽減することができるとともに、通信が集中するのを回避することができ、通信負荷を軽減することができる。
【0018】
上記発明において、前記コンテンツデータは、鍵情報により暗号化及びその復号が可能であり、クライアント識別情報の付加に際しては、ユーザー端末において、前記コンテンツデータの再生を可能とする鍵情報を生成し、その鍵情報を用いてコンテンツデータを暗号化するとともに、当該鍵情報を用いて、コンテンツデータを復号し、再生することが好ましい。
【0019】
この場合には、著作権保護のための鍵情報により暗号化されたコンテンツを前提として設計されたコンテンツ再生手段にも、本発明を適用することができ、不正複製されたコンテンツの流出を抑制するとともに、鍵情報によって暗号化及び復号を制限することにより、コンテンツの権利保護をより充実したものとすることができる。
【0020】
また、上記発明において、前記コンテンツデータは、第1の鍵情報及び第2の鍵情報により暗号化及びその復号が可能であり、クライアント識別情報の付加に先行させて、第1の鍵情報により暗号化されたコンテンツデータを復号し、前記クライアント識別情報を付加した後に、前記第2の鍵情報を生成し、この生成された第2の鍵情報を用いてコンテンツデータを暗号化するとともに、この第2の鍵情報を用いて、コンテンツデータを復号し、再生することが好ましい。
【0021】
この場合には、例えば、著作権保護のための鍵情報により暗号化されたコンテンツデータを前提として、設計されたDRM対応プレーヤーであり、且つ、配信に係るコンテンツデータがサービス側DRM鍵情報(第1の鍵情報)により暗号化されているような場合であっても、本発明を適用することができる。すなわち、第1の鍵情報により復号した後にクライアント識別情報を付加し、その後さらに、ユーザー側で発行された自己DRM鍵情報(第2の鍵情報)を用いてさらに暗号化したうえで再生処理を実行することができる。この結果、本発明であれば、鍵情報により暗号化されたコンテンツデータを前提とした既存のDRM対応プレーヤーをそのまま利用して再生することが可能となるうえ、クライアント情報を付加することにより、不正複製されたコンテンツの流出を抑制することができる。
【0022】
なお、上述したクライアント識別情報の付加では、コンテンツサーバー又は他のユーザー端末から受信した全部又は一部のコンテンツデータに自己のクライアント識別情報を付加するようにしてもよい。この場合には、クライアント識別情報は、コンテンツデータの一部についても付加することができるので、細分化されたコンテンツデータについても、不正コピー等によって二次的利用を行った者の特定を速やかに行うことができ、コンテンツデータの二次的利用を抑制することができる。
【0023】
上述した本発明のシステム及び方法は、所定の言語で記述されたプログラムの発明をコンピューター上で実行することにより実現することができる。具体的に、本発明は、通信ネットワークを通じて、コンテンツサーバーから配信されるコンテンツデータをユーザー端末で受信するためのコンテンツ受信プログラムであって、ユーザー端末に、
(1)コンテンツサーバー又は他のユーザー端末から前記コンテンツデータを受信するコンテンツ取得ステップと、
(2)前記コンテンツデータに当該クライアントの識別情報を付加するクライアント識別情報付加ステップと、
を有する処理を実行させる。
【0024】
そして、このプログラムを、ユーザー端末やWebサーバー等のコンピューターやICチップにインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能及び作用・効果を有するシステムを容易に構築することができる。このプログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、またスタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。
【0025】
そして、このようなプログラムは、汎用コンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録することができ、当該プログラムを記録した記録媒体によれば、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述したシステムや方法を実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
以上述べたように、この発明によれば、インターネット等の通信ネットワークを通じて映像や音楽等のコンテンツデータを配信するコンテンツ配信サービスにおいて、コンテンツデータにクライアント毎の識別情報を付加し、配信コンテンツの不正コピー等による二次的利用を行った者を特定することができ、コンテンツ配信サーバーに対する処理負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1実施形態に係るコンテンツ配信システムの全体構成を示す概念図である。
【図2】第1実施形態に係るコンテンツ配信サーバー及び管理サーバーの内部構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係るユーザー端末の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係るOLM方式によって、分散されたユーザー端末間でP2P通信を行う際の動作を模式的に示す説明図である。
【図5】第1実施形態に係るOLM方式によって、コンテンツにクライアント識別情報を付加する動作を模式的に示す説明図である。
【図6】第1実施形態に係る通信ネットワークシステムの動作を示すフローチャート図である。
【図7】第2実施形態に係るユーザー端末の内部構成を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態に係るユーザー端末で、コンテンツデータを再生する際の動作を模式的に示す説明図である。
【図9】第3実施形態に係るユーザー端末の内部構成を示すブロック図である。
【図10】第3実施形態に係るユーザー端末で、コンテンツデータを再生する際の動作を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[第1実施形態]
(コンテンツ配信システムの全体構成)
以下に添付図面を参照して、本発明に係るコンテンツ配信システムの第1実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るコンテンツ配信システムの全体構成を示す概念図である。
【0029】
図1に示すように、本実施形態に係るコンテンツ配信システムは、ユーザーが使用するユーザー端末1からの配信要求に応じて、通信ネットワーク8上のコンテンツサーバー群から、通信ネットワーク8を通じてコンテンツを配信するシステムであり、本実施形態において、 コンテンツサーバー群は、コンテンツ配信サーバー2と管理サーバー3とにより構成されている。そして、本システムでは、コンテンツの視聴に際し、ユーザー端末1では、いわゆるOLM方式(ピア・ツー・ピア)のネットワークシステム形態により、コンテンツサーバー又は他のユーザー端末4からコンテンツデータを受信する。
【0030】
コンテンツ配信サーバー2は、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(Hyper Text Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどの情報送信を行うサーバーコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、HTML文書や画像などの情報を蓄積しておき、Webブラウザなどのクライアントソフトウェアの要求に応じて、インターネットなどのIP網を通じて、これらの情報を送信する。そして、コンテンツ配信サーバー2には、管理サーバー3が接続されている。
【0031】
管理サーバー3は、ネットコンテンツの視聴に際し、ユーザーの認証処理を行うとともに、当該ユーザーのアクセス情報に基づいて、復号化鍵の発行を行うサーバー装置である。
【0032】
通信ネットワーク8は、通信プロトコルTCP/IPを用いて種々の通信回線(FTTHなどの光回線、ADSL回線などの公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型のIP網であり、このIP網には、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。
【0033】
ユーザー端末1は、CPUを備えた演算処理装置であり、本実施形態では、通信機能を備え、ストリーミング配信やファイル転送を受信し、視聴するアプリケーションを実行する機能をも備えている。このユーザー端末1としては、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピューターや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、モバイルコンピューターやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話機が含まれる。
【0034】
(コンテンツサーバー群の構成)
図2は、コンテンツサーバー群に含まれるコンテンツ配信サーバー2及び管理サーバー3の内部構成を示すブロック図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0035】
管理サーバー3は、図2に示すように、通信インターフェース31と、配信要求受信部32と、ライセンス部33と、ユーザーデータベース34と、課金集計部35とを備えている。
【0036】
通信インターフェース31は、通信ネットワーク8を通じて、各種データをパケットとして送受信するモジュールであり、ここでは、この通信インターフェース31を介して、配信要求D1がユーザー端末1側から受信され、再生許可D3や端末リストD2等が、ユーザー端末1に対して送信される。
【0037】
配信要求受信部32は、ユーザー操作(コンテンツ選択やチャンネル変更)に従ってコンテンツデータ再生のための配信要求を受信するモジュールである。本実施形態において、配信要求は、再生許可D3の配信要求と、コンテンツデータ(本編ストリームやバナーデータ、CMデータ等を含む)D4の配信要求とがあり、これらの配信要求は、ライセンス部33に送信される。
【0038】
ライセンス部33は、コンテンツの視聴に際し、ユーザーの認証処理を行うとともに、当該ユーザーのアクセス情報に基づいて、再生許可D3の発行を行うサーバー装置である。具体的には、ライセンス部33は、ユーザー端末1から再生許可D3の配信要求D1を受付け、認証処理の後、正規のユーザーに対して再生許可D3の発行・配信を行う。ライセンス部33からユーザーのユーザー端末1に対して再生許可D3が配信されることにより、ユーザー端末1において、この再生許可D3に基づいてコンテンツデータD4の再生処理が可能となる。
【0039】
また、ライセンス部33には、ユーザーデータベース34が接続されており、ライセンス部33は、認証処理及び再生許可D3の配信履歴に基づいて、各ユーザーによる視聴状況を収集し、ユーザーデータベース34に蓄積する。このとき、ライセンス部33は、ユーザーデータベース34に蓄積されたデータに基づいて、いずれのユーザーが、いずれのコンテンツを、何時、視聴しているかを集計し、集計結果を視聴履歴データとしてユーザーデータベース34に蓄積する。
【0040】
さらにライセンス部33には、端末リスト生成部33aを備えており、端末リスト生成部33aは、要求に係るコンテンツデータの全部又は一部を保持する他のユーザー端末4が記載された端末リストD2を生成する。
【0041】
ユーザーデータベース34は、各ユーザーに関する個人情報や、認証情報、決済情報の他、当該ユーザーによる視聴状況などを顧客情報として記憶する記憶装置であり、配信コンテンツの視聴内容や再生経過時間、クライアントのIPアドレス及びクライアント識別情報等を記憶している。ライセンス部33は、このユーザーデータベース34に蓄積された認証情報に照合してユーザーのアクセス規制や、コンテンツデータの再生許可の発行を行う。
【0042】
課金集計部35は、ユーザーデータベース34から取得した視聴履歴データや決済情報に基づいて、各ユーザーに対する課金を集計し、決済機関に対して課金徴収を依頼したり、集計結果である課金情報をユーザーデータベース34に顧客情報として蓄積する。
【0043】
コンテンツ配信サーバー2は、図2に示すように、コンテンツ配信系のモジュールとして、コンテンツ配信部21と、コンテンツ蓄積部22と、通信インターフェース23を備えている。
【0044】
通信インターフェース23は、通信ネットワーク8を通じて、データをパケットとして送受信するモジュールであり、この通信インターフェース23を介して、コンテンツデータD4が、ユーザー端末1に対して送信される。
【0045】
コンテンツ配信部21は、コンテンツ蓄積部22から読み出したコンテンツをファイル転送やストリーミングにより、通信インターフェース23を通じてユーザー端末1に配信するモジュールである。また、コンテンツ配信部21は、ユーザー端末1側におけるチャンネルボタンに対する選択操作に応じて、配信するコンテンツを切り替える機能を有している。すなわち、配信要求受信部32を通じて、ユーザーが選択したチャンネルを検出し、そのチャンネルとの関連付けによって特定された配信スケジュールを参照して、コンテンツの選択を行う機能も有している。また、コンテンツ配信部21は、ユーザーデータベース34と接続されており、配信したコンテンツの配信履歴をユーザーデータベース34に送信する。
【0046】
コンテンツ蓄積部22は、コンテンツを多数蓄積する記憶メモリであり、各コンテンツが、ジャンル毎に蓄積されている。特に本実施形態においては、配信コンテンツを細分化したコンテンツデータを備えており、配信要求に応じて、全部又は一部のコンテンツデータD4をコンテンツ配信部21に送信する。
【0047】
(ユーザー端末の構成)
図3は、本実施形態に係るユーザー端末1の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、ユーザー端末1は、コンテンツの受信・再生に関するモジュールとして、通信インターフェース111と、コンテンツ受信部112と、キャッシュ部117と、コンテンツ再生部113と、出力信号生成部114と、出力インターフェース118と、表示部120とを備えている。
【0048】
通信インターフェース111は、通信ネットワーク8を通じて、データをパケットとして送受信するモジュールであり、この通信インターフェース111を介して、コンテンツデータD4や、端末リストD2等が受信され、配信要求D1等が、管理サーバー3に対して送信される。
【0049】
コンテンツ受信部112は、通信インターフェース111が受信した全部又は一部のコンテンツデータを受信するモジュールであり、コンテンツ受信部112には、コンテンツ再構築部112aを備えている。コンテンツ再構築部112aは、コンテンツ配信サーバー2又は他のユーザー端末4から送信された全部又は一部のコンテンツデータD4aを再構築するモジュールであり、その再構築されたコンテンツデータD4をキャッシュ部117に送信する。
【0050】
キャッシュ部117は、コンテンツ配信サーバー2又は他のユーザー端末4から受信され、コンテンツ再生部113で再生されるコンテンツデータD4を一時的に蓄積するバッファ装置であり、本実施形態では、コンテンツ再生部113によるコンテンツ再生に先行して、コンテンツを予めキャッシュ部117にダウンロードして記憶する。このキャッシュ部117に記憶されたデータは、OLM(Over Lay Multicast)方式のピア・ツー・ピアのネットワークシステムにより、他のユーザー端末4と共有することができ、他のユーザー端末4から配信要求があった場合には、当該他のユーザー端末4に対して送信される。
【0051】
また、キャッシュ部117には、クライアント識別情報付加部117aと、コンテンツ情報付加部117cとが備えられている。クライアント識別情報付加部117aは、コンテンツ配信サーバー2又は他のユーザー端末4から受信したコンテンツデータD4に対して、当該クライアントの識別情報を付加するモジュールである。このクライアントの識別情報としては、例えば、ユーザー端末1やアプリケーションに固有のプロダクトIDや、IPアドレス、ユーザーのIDなどの情報が含まれる。
【0052】
コンテンツ情報付加部117cは、再構築されたコンテンツデータに対して、当該コンテンツデータに関する情報をコンテンツ情報として付加するモジュールである。ここで、コンテンツ情報とは、コンテンツサーバ2側において予め付加された、製作者や作品名などの著作権者に関する情報、配信を行なった事業者に関する情報、および複製可能回数などのライセンス情報などである。また、このコンテンツ情報には、コンテンツの再生経過時間の指標となる情報としてタイムライン情報(例えば、Program-A20100124,12:00:00等)を含むようにしてもよい。そして、コンテンツ情報付加部117cは、再構築されたコンテンツデータを解析し、これらのコンテンツ情報を抽出し、抽出されたコンテンツ情報をコンテンツデータの内部に付加する。
【0053】
そして、本実施形態において、クライアント識別情報付加部117aは、コンテンツデータD4がキャッシュ部117に蓄積された段階において、コンテンツデータD4にクライアント識別情報を付加する。また、同様に、コンテンツ情報付加部117cも、コンテンツデータD4がキャッシュ部117において再構築された段階において、コンテンツデータD4にコンテンツ情報を付加する。本実施形態において、これらデータの付加方法としては、不可視的な電子透かし等を用いて、上記クライアント識別情報やコンテンツ情報等を所定の暗号データとして、コンテンツデータ内に埋め込むウォーターマーキング方法等がある。なお、クライアント識別情報やコンテンツ情報の付加としては、この方式に限定されることなく、可視的であってもよい。
【0054】
コンテンツ再生部113は、キャッシュ部117に蓄積されたクライアント識別情報が付加されたコンテンツデータD4を出力する出力部であり、具体的には、Webページや、動画データ、音声データを再生し、表示部120上のウィンドウ121に映像を表示させ、スピーカー118a等から音声を出力させる。このコンテンツ再生部113は、配信要求D1に応じて取得されたコンテンツに対応する再生許可D3を管理サーバー3から取得し、キャッシュ部117にキャッシュされたコンテンツデータD4を再生許可D3によって復号し、再生する。
【0055】
なお、このコンテンツ再生部113には、Webページ上にバナーデータを挿入したり、コンテンツの本編ストリーム内に広告用のビデオクリップを挿入したりする機能を設けてもよい。このようなビデオクリップ挿入機能は、例えば、本編ストリームを解析し、CMクリップデータ等の付加情報が挿入される位置を検出する挿入位置検出処理と、この検出処理で検出された位置に、CMクリップを挿入する挿入処理とを実行し、本編ストリームにCMクリップを挿入しつつ、ネットコンテンツの再生を行う。
【0056】
さらに、コンテンツ再生部113には、再生されたコンテンツの再生履歴及び再生中止位置をユーザー動向データとして記録し、この記録に応じて、次回の再生開始位置を変更する機能を備えてもよい。具体的には、ユーザーが既に視聴したコンテンツ(本編ストリーム、CMクリップ)やバナーデータのファイル名、再生中止位置を再生履歴(ユーザー動向データ)として、ハードディスク等の蓄積装置に蓄積しておき、再生に際し、この再生履歴を参照して、既に視聴済みのコンテンツであればそれをスキップしたり、途中で視聴を中止していた場合には、その続きから再生を続行させる。
【0057】
なお、コンテンツ再生部113には、ユーザーがコンテンツデータを実際に視聴した際の時刻である視聴時刻情報を記録する機能を設けてもよい。具体的には、コンテンツ再生部113は、ユーザーがコンテンツデータを実際に視聴した際の時刻である視聴時刻情報を端末に設置されたシステム計時部より取得し、コンテンツ情報付加部117cを通じて、この視聴時刻情報を再生履歴としてコンテンツ情報に付加してもよい。この場合においてシステム計時部は、ユーザー端末1内部の時刻情報を計時するモジュールであり、例えば、コンテンツ再生部113からの要求に応じて、システム計時部において計時された時刻情報をコンテンツ情報付加部117cに入力する。そして、コンテンツ情報付加部117cでは、この視聴時刻情報を上記タイムライン情報と関連付けてコンテンツ情報に追加し、コンテンツ情報をコンテンツデータの内部に付加するようにしてもよい。
【0058】
出力信号生成部114は、コンテンツ再生部113で再生可能となったコンテンツを映像信号及び音声信号に変換するとともに、表示部120に表示されるメディア視聴アプリケーションによるウィンドウ121等の映像信号に、コンテンツの映像信号を合成し、表示部120やスピーカー118aで出力可能な信号を生成するモジュールである。出力インターフェース118は、映像及び音声の出力信号を、表示部120及びスピーカー118aからそれぞれ出力させるモジュールである。表示部120は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置であり、メディア視聴アプリケーションなどのアプリケーションによって生成されるウィンドウ121を通じて、映像や文字などを表示することができる。
【0059】
また、ユーザー端末1は、配信要求に関するモジュールとして、配信要求部119を備えている。この配信要求部119は、コンテンツ配信サーバー2又は他のユーザー端末4の通信インターフェースが実行可能なモードを検出し、検出したモードに応じて、通信相手となるコンテンツ配信サーバー2又は他のユーザー端末4を選択し、選択した通信相手にコンテンツの配信を要求するモジュールである。本実施形態において、配信要求D1は、再生許可D3の配信要求と、コンテンツデータ(本編ストリーム・バナーデータ)D4の配信要求とがあり、これらの配信要求は、管理サーバー3や他のユーザー端末4に送信される。
【0060】
また、配信要求部119は、コンテンツ配信サーバー2又は他のユーザー端末4に対して実行可能な通信モードを検出し、検出した通信モードに応じて、通信相手となるコンテンツ配信サーバー2又は他のユーザー端末4を選択し、選択した通信相手に対して、通信モードを指定したコンテンツの配信要求を送信するモジュールである。なお、この通信モードに応じた通信相手の選択は、端末リストD2中に記載された各端末の実行可能通信モードに基づいて行う。
【0061】
さらに、ユーザー端末1は、ユーザーインターフェースに関するモジュールとして、アプリケーション実行部115と、操作デバイスインターフェース116とを備えている。
【0062】
アプリケーション実行部115は、一般のOSやブラウザソフト、メディア視聴アプリケーションなどのアプリケーションを実行するモジュールであり、通常はCPU等により実現される。なお、本実施形態では、このアプリケーション実行部115で、例えば、メディア視聴アプリケーションを実行することによって、コンテンツ再生部113がCPU上に仮想的に構築される。このメディア視聴アプリケーションは、コンテンツデータのダウンロード機能や、再生機能をユーザー端末1に実装させるプログラムであり、ダウンロードしたコンテンツデータを再生することによって、表示部120に表示されたウィンドウ121を通じて、その映像を出力する。
【0063】
操作デバイスインターフェース116は、マウスやキーボード等の操作デバイスが接続され、その操作信号が入出力されるモジュールである。これらのアプリケーション実行部115と、操作デバイスとによって、ユーザーは、コンテンツデータを再生するための操作の他、視聴したいコンテンツを検索したりなど、関連するサービスを受けることができる。
【0064】
(コンテンツ配信方法)
以上の構成を有するコンテンツ配信システムを動作させることで、本発明のコンテンツ配信方法を実施することができる。図4(a)は、本実施形態に係るコンテンツ配信システムの動作を模式的に示す説明図であり、(b)は、ユーザー端末側におけるコンテンツデータの受信から再生までの処理を模式的に示す説明図である。また、図5は、コンテンツ配信システム全体の動作を模式的に示す説明図である。
【0065】
本実施形態においては、このコンテンツ配信サーバー2によるストリーミングの視聴に際し、ユーザー端末1では、いわゆるOLM方式(ピア・ツー・ピア)のネットワークシステム形態により、コンテンツ配信サーバー2が配信するコンテンツデータを受信する。具体的には、例えば、図4(a)に示すように、ユーザー端末1は、ライセンス部33に対して配信要求D1を送信し、配信要求に係るコンテンツデータD4を再生するための再生許可D3を、ライセンス部33から受信する。また、これと併せて、ユーザー端末1は、要求に係るコンテンツデータD4の全部又は一部を保持する他のユーザー端末4が記載された端末リストD2を、ライセンス部33から取得する。
【0066】
次いで、ユーザー端末1は、端末リストD2の中から任意のユーザー端末4をパートナー端末装置として選択して配信要求D1を行う。パートナー端末として選択されたユーザー端末(4a〜4d)は、図5に示すように、コンテンツ配信サーバー2等から受信し、自機のキャッシュメモリに保持されているコンテンツデータD4の全部又は一部のデータ(D4a〜D4d)を、配信要求に係るクライアント端末(ユーザー端末1)に対して送信する。
【0067】
次いで、ユーザー端末1では、選択したパートナー端末(4a〜4d)や、コンテンツ配信サーバー2から要求に係るコンテンツデータD4(D4a〜D4d)の全部又は一部を受信する。その後、図4(b)に示すように、ユーザー端末1では、部分的なコンテンツデータD4a〜D4dから当該コンテンツデータD4を再構築し、再生許可D3により再生して視聴する。この際、クライアント識別情報付加部117aが、再構築されたコンテンツデータD4に対して、ユーザー端末1のクライアント識別情報を付加するとともに、コンテンツ情報付加部117cが、再構築されコンテンツデータD4を解析し、コンテンツデータD4からコンテンツ情報を抽出し、このコンテンツ情報をコンテンツデータD4内に埋め込む処理を行う。
【0068】
配信要求を行ったユーザー端末1も、上述した他の端末(パートナー端末4a〜4d)と同様に、配信されたコンテンツデータD4を受信すると、キャッシュ部117にキャッシュし、このキャッシュしたコンテンツデータD4をコンテンツ再生部113で順次再生するとともに、このコンテンツデータD4を配信用としてキャッシュ部117に一定時間、保存しておく。そして、他のユーザー端末4からの配信要求を受信した際には、このキャッシュ部117にキャッシュしておいたコンテンツデータD4を、他のユーザー端末4に配信する。
【0069】
(コンテンツ受信プログラム)
上述した本実施形態係るコンテンツ配信システム及び方法は、所定の言語で記述されたコンテンツ受信プログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。具体的には、上述したメディア視聴アプリケーションのように、ネットワークを通じて、コンテンツデータをユーザー端末1で受信して再生するプログラムをパーソナルコンピュータ等のコンピューターに実装させる。
【0070】
図6は、本実施形態に係るメディア視聴アプリケーションにより、上述したコンテンツ配信システム及び方法を実施する場合を例示するシーケンス図である。なお、ここでは、他のユーザー端末4において、いわゆるOLM方式(ピア・ツー・ピア)のネットワークシステム形態により、既にコンテンツデータD4の全部又は一部がダウンロードされており、ユーザー端末4のキャッシュ部117内にコンテンツデータD4が蓄積されているものとする。
【0071】
先ず、ユーザー端末1のアプリケーション実行部115により、メディア視聴アプリケーションを実行する。そして、ユーザー操作に応じて、当該ユーザー端末1からコンテンツデータD4の配信要求D1がされたとする。詳述すると、ユーザー端末1は、管理サーバー3のライセンス部33に対して視聴を希望するコンテンツデータD4(ここでは、ユーザー端末4において既にダウンロードされているコンテンツデータD4と同一)の配信要求D1を送信する(S101)。
【0072】
管理サーバー3では、配信要求D1に係るコンテンツデータD4の全部又は一部を保持する他のユーザー端末4をリストアップし(S102)、パートナーとなる端末を選択する(S103)。そして、このパートナーとなる端末の端末リストD2を作成するとともに、配信要求D1に係るコンテンツデータD4を再生するための再生許可D3を、ライセンス部33からユーザー端末1に送信する(S104,S106)。
【0073】
次いで、ユーザー端末1は、端末リストD2及び再生許可D3を受信し(S105,S107)、端末リストD2の中から任意のユーザー端末(ここでは、ユーザー端末4)をパートナー端末装置として選択して配信要求D1を行う(S108)。この配信要求D1を受けたユーザー端末4は、アップロードを開始する(S109,S110)。
【0074】
ユーザー端末1では、パートナー端末であるユーザー端末4から要求に係るコンテンツデータD4の全部又は一部を受信して(S111)、当該コンテンツデータD4を再構築する。この際、クライアント識別情報付加部117a及びコンテンツ付加部117cは、再構築されたコンテンツデータにユーザーのクライアント識別情報及びコンテンツ情報を埋め込む。
【0075】
(S112)。そして、コンテンツ再生部113において再生許可D3より再生して視聴することができる。また、ユーザーは、クライアント識別情報及びコンテンツ情報が付加されたコンテンツデータD4を動画再生プレーヤー等にデータを送出し、コンテンツを視聴する(S113)。
【0076】
また、キャッシュ部117において、クライアント識別情報及びコンテンツ情報が付加されたコンテンツデータD4を記憶しておき、他のユーザー端末4より配信要求がされた場合、このクライアント識別情報及びコンテンツ情報が付加されたコンテンツデータD4を、他のユーザー端末4に送信する。
【0077】
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、各ユーザー端末において、ダウンロードされたコンテンツデータD4に、クライアントの識別情報及びコンテンツ情報を付加することから、ある者がコンテンツデータD4を不正コピー等によって二次的利用した場合でも、クライアント識別情報により、その二次的利用を行った者の特定を速やかに行うことができるとともに、コンテンツ情報によりコンテンツデータの出所や、二次的利用をした時点の状況を特定することができるので、コンテンツデータの不正な複製及び二次的利用を抑制し、著作権を保護することができる。特に、本実施形態では、コンテンツデータD4へのクライアント識別情報及びコンテンツ情報の付加は、ユーザー端末1において実行されるので、コンテンツ配信サーバー2に対する処理が集中するのを回避させ、処理負担を軽減することができる。
【0078】
なお、上述したメディア視聴アプリケーションは、汎用コンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録することができ、当該プログラムを記録した記録媒体によれば、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述したコンテンツ配信システムや方法を実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
【0079】
[第2実施形態]
(コンテンツ配信システム及びプログラムの構成)
次いで、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、メディア視聴アプリケーションが、既存のDRM(Digital Rights Management:デジタル著作権管理技術)に対応した仕様である場合に、このDRMに対応した機能を付加した例を説明する。図7は、本実施形態に係るコンテンツ配信サーバー及び管理サーバーの内部構成を示すブロック図であり、図8は、本実施形態に係るユーザー端末で、コンテンツデータを再生する際の動作を模式的に示す説明図である。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
【0080】
本実施形態では、図7に示すように、上述した第1実施形態で説明したユーザー端末1のモジュール構成に、自己DRM鍵情報発行部122aと、暗号化部122bと、復号部122cとを追加する。
【0081】
本実施形態において、コンテンツデータは、DRM等による暗号化はされずに配信され、その視聴に際しては、復号が不要な仕様となっているものとする。一方、本実施形態に係るコンテンツ再生部1130は、DRMに準拠した仕様で暗号化されたコンテンツデータを前提として設計されたコンテンツ再生手段であり、復号部122cを内包したDRM対応プレーヤーである。
【0082】
鍵情報発行部122aは、DRMに準拠した暗号技術による鍵情報(自己DRM鍵情報D30)を生成するモジュールであり、例えば乱数発生に基づいて、擬似的なIDを生成し、そのIDに対応した鍵情報を生成する。この鍵情報は、暗号化及び復号化の両方で必要となるものであり、この鍵情報発行部122aで生成された鍵情報は、暗号化部122b及び復号部122cに入力される。
【0083】
暗号化部122bは、コンテンツ再構築部112aで再構築されたコンテンツデータを、上述した鍵情報を用いて暗号化するモジュールである。この暗号化部122bで暗号化されることによって、当該コンテンツデータは、DRMに準拠したデータ構造となる。復号部122cは、DRMに準拠した暗号技術により、上記自己DRM鍵情報を用いて暗号化されたコンテンツデータを復号するモジュールである。この復号部122cは、既存のメディア視聴アプリケーション内に実装されている公知のものでよい。
【0084】
なお、上述した自己DRM鍵情報発行部122a、暗号化部122b及び復号部122cも、コンテンツ受信プログラムとして作成することができ、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピューターにこのコンテンツ受信プログラムをインストールすることによって、上述した自己DRM鍵情報発行部122a、暗号化部122b及び復号部122cを、コンピューターに実装させることができる。
【0085】
(コンテンツ配信方法)
以上の構成を有するコンテンツ配信システムを動作させることによって、本発明のコンテンツ配信方法を実施することができる。なお、本実施形態においても、コンテンツ配信サーバー2によるストリーミングの視聴に際し、ユーザー端末1では、いわゆるOLM方式(ピア・ツー・ピア)により、コンテンツデータを受信する。
【0086】
そして、ユーザー端末1は、選択したパートナー端末(4a〜4d)や、コンテンツ配信サーバー2から要求に係るコンテンツデータD4(D4a〜D4d)の全部又は一部を受信した後、図8に示すように、再構築されたコンテンツデータD4に対し、クライアント識別情報付加部117aによって、ユーザー端末1のクライアント識別情報を付加する。また、コンテンツ情報付加部117cは、再構築されたコンテンツデータを解析し、コンテンツデータD4からコンテンツ情報を抽出する。そして、これと併せて、自己DRM鍵情報発行部122aによって、DRMに準拠した自己DRM鍵情報D30を発行する。
【0087】
次いで、再構築されたコンテンツデータD4を、暗号化部122bにおいて、自己DRM鍵情報発行部122aから発行された自己DRM鍵情報D30を用いて暗号化する。暗号化されたコンテンツデータは、コンテンツ再生部1130において、自己DRM鍵情報D30により復号され、再生される。この再生にあたっては、再生許可D3を参照する。
【0088】
なお、本実施形態では、自己DRM鍵情報D30の生成を、乱数に基づいて行うが、例えば、ユーザーのIDやパスワード、端末装置に固有の識別子などを用いて、生成させてもよい。この場合、例えば、ユーザーIDやパスワードの設定をユーザーに行わせ、コンテンツデータの再生に際し、ユーザーに対して、ユーザーIDとパスワードを問い合わせるようにしてもよい。
【0089】
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、コンテンツ再生部1130が、著作権保護のための鍵情報により暗号化されたコンテンツデータを前提として設計されたDRM対応プレーヤーであっても、本発明を適用することができる。すなわち、本実施形態によれば、配信されたコンテンツデータD4を、既存のDRM対応プレーヤーで再生することが可能となるうえ、不正複製されたコンテンツデータD4の流出を抑制できる。
【0090】
[第3実施形態]
(コンテンツ配信システム及びプログラムの構成)
次いで、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、メディア視聴アプリケーションが、既存のDRMに対応した仕様であり、かつ配信に係るコンテンツデータD4がDRMにより再生制限がかけられている場合を例に説明する。図9は、本実施形態に係るコンテンツ配信サーバー及び管理サーバーの内部構成を示すブロック図であり、図10は、本実施形態に係るユーザー端末で、コンテンツデータを再生する際の動作を模式的に示す説明図である。なお、本実施形態において、上述した第1若しくは第2実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
【0091】
本実施形態では、図9に示すように、上述した第1若しくは2実施形態で説明した再生許可D3に代えて、コンテンツ配信サービスのサービス提供側が発行するサービス側DRM鍵情報(第1の鍵情報)D31が用いられる。
【0092】
このサービス側DRM鍵情報D31は、コンテンツ再生部1130でのコンテンツ再生処理を規制する鍵情報であり、コンテンツ配信サービスのサービス提供側によって発行され、通信ネットワーク8を通じてユーザーに対して一意に配信される。コンテンツデータD4は、通信ネットワーク8からダウンロードされた直後の状態では、サービス側DRM鍵情報D31と、ユーザー操作によって入力される認証情報(IDやパスワード等)D5とを用いて復号することにより、再生制限を解除でき、その再生が可能となっている。
【0093】
クライアント識別情報付加部117aは、コンテンツ配信サーバー2又は他のユーザー端末4から受信したコンテンツデータD4に対して、当該クライアントの識別情報を付加するモジュールであり、本実施形態では、鍵情報判定部117bが備えられている。この鍵情報判定部117bは、コンテンツ再構築部112aが再構築したコンテンツデータD4が、鍵情報により暗号化されているかどうか、また、暗号化されている場合にはその鍵情報の種別(サービス側DRM又は自己DRM)を判定し、暗号化されていない場合(又は、既に自己DRMによって暗号化されている場合)には、クライアント識別情報付加部117aにクライアント情報の付加を実行させるとともに、コンテンツ情報付加部117cにコンテンツ情報の付加を実行させる。一方、サービス側DRM鍵情報D31で暗号化されている場合、クライアント識別情報付加部117a及びコンテンツ情報付加部117cは、クライアント情報及びクライアント情報の付加を実行することなく、コンテンツデータD4を、一旦、暗号化された状態のまま、直接コンテンツ再生部1130に送出し、コンテンツ再生部1130で復号したコンテンツデータを受け取り、クライアント識別情報付加部117a及びコンテンツ情報付加部117cにクライアント情報及びコンテンツ情報の付加を実行させ、その後、クライアント情報及びコンテンツ情報が付加されたコンテンツデータを再度、コンテンツ再生部1130に送出する。
【0094】
コンテンツ再生部1130は、DRMに準拠した仕様で暗号化されたコンテンツデータを前提として設計されたコンテンツ再生手段であり、復号部122cを内包したDRM対応プレーヤーである。特に、本実施形態に係るコンテンツ再生部1130は、再生に係るコンテンツデータD4を暗号化したDRM鍵情報の種別に応じて、コンテンツデータD4の再生を開始するか、一旦キャッシュ部117に戻すかを選択して実行する機能を有している。
【0095】
具体的に、コンテンツ再生部1130は、鍵情報判定部117bの判定結果に基づいて、再生に係るコンテンツデータD4の暗号化の有無、及び暗号化したDRM鍵情報の種別を特定し、自己DRM鍵情報で暗号化されていると判定されたときには、既にクライアント情報及びコンテンツ情報が付加されていることから、これを自己DRM鍵情報で復号し、コンテンツデータD4の再生を直ちに開始する。一方、サービス側DRM鍵情報D31で暗号化されていると判定されたときには、未だクライアント情報及びコンテンツ情報が付加されていないことから、サービス側DRM鍵情報でコンテンツデータD4を復号した後、一旦キャッシュ部117に送出し、クライアント情報付加処理及びコンテンツ情報付加処理を実行させる。
【0096】
復号部122cは、コンテンツ再生部1130内において、DRMに準拠した暗号技術により、上記鍵情報を用いて暗号化されたコンテンツデータを復号するモジュールであり、特に本実施形態では、サービス側DRM鍵情報D31で復号したコンテンツデータD4を、再生することなく、一旦キャッシュ部117に戻して、クライアント情報及びコンテンツ情報を付加させ、その後再生処理を行う機能を備えている。
【0097】
詳述すると、コンテンツデータD4は、サービス側DRM鍵情報D31によって暗号化された状態で、ネットワーク8を通じて配信される場合があり、このような場合、端末装置1では、受信したコンテンツデータD4をサービス側DRM鍵情報D31によって復号し、サービス側による再生制限を解除した後、一旦、キャッシュ部117に入力する。クライアント識別情報付加部117aでは、再生制限が解除されたコンテンツデータD4に対してクライアント情報を付加するとともに、コンテンツ情報付加部117cでは、再生制限が解除されたコンテンツデータD4に対してコンテンツ情報を付加する。そして、キャッシュ部117は、このクライアント情報及びコンテンツ情報が付加されたコンテンツデータD4を暗号化部122bに入力する。暗号化部122bでは、自己DRM鍵情報発行部122aが発行した自己DRM鍵情報D30を用いて暗号化し、コンテンツ再生部1130に受け渡す。復号部122cは、自己DRM鍵情報D30を自己DRM鍵情報発行部122aから取得し、暗号化部122bが暗号化したコンテンツデータD4を復号した後に、再生を開始する。
【0098】
鍵情報発行部122aは、DRMに準拠した暗号技術による自己DRM鍵情報(第2の鍵情報)を生成するモジュールであり、例えば乱数発生に基づいて、擬似的なIDを生成し、そのIDに対応した鍵情報を生成する。この鍵情報は、暗号化及び復号化の両方で必要となるものであり、この鍵情報発行部122aで生成された自己DRM鍵情報D30は、暗号化部122b及び復号部122cに入力される。
【0099】
本実施形態においてキャッシュ部117は、コンテンツ再構築部112aで再構築されたコンテンツデータ、又は復号部122cで復号されたコンテンツデータを一時的に蓄積する。すなわち、キャッシュされたコンテンツデータが、サービス側DRM鍵情報D31により暗号化されている場合には、クライアント情報及びコンテンツ情報を付加することなく直接復号部122cに送出する一方、キャッシュされたサービス側DRM鍵情報D31により暗号化されていない場合には、クライアント識別情報付加部117aによりクライアント情報を付加し、コンテンツ情報付加部117cによりコンテンツ情報を付加した上で、暗号化部122bに受け渡す。この結果、暗号化部122bには、常に暗号化されていない状態のコンテンツデータD4が入力され、自己DRM鍵情報を用いた暗号化が可能となる。
【0100】
なお、本実施形態に係る自己DRM鍵情報発行部122a、暗号化部122b、復号部122c、及び鍵情報判定部117bも、コンテンツ受信プログラムとして作成することができ、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピューターにこのコンテンツ受信プログラムをインストールすることによって、上述した鍵情報発行部122a、暗号化部122b、復号部122c及び鍵情報判定部117bを、コンピューターに実装させることができる。
【0101】
(コンテンツ配信方法)
以上の構成を有するコンテンツ配信システムを動作させることによって、本発明のコンテンツ配信方法を実施することができる。なお、本実施形態においても、コンテンツ配信サーバー2によるストリーミングの視聴に際し、ユーザー端末1では、いわゆるOLM方式(ピア・ツー・ピア)により、コンテンツデータを受信する。また、本実施形態では、コンテンツデータD4は、サービス側DRM鍵情報(第1の鍵情報)D31により暗号化された状態で、上記OLM方式により配信されるものとする。
【0102】
そして、ユーザー端末1は、選択したパートナー端末(4a〜4d)や、コンテンツ配信サーバー2から要求に係るコンテンツデータD4(D4a〜D4d)の全部又は一部を受信した後、コンテンツ再構築部112aによりコンテンツデータD4を再構築し、キャッシュ部117に蓄積するとともに、再構築されたコンテンツデータD4が、サービス側DRMによる暗号化がなされているか否かを判定する。
【0103】
具体的には、再構築されてキャッシュ部117に蓄積されたコンテンツデータD4が暗号化されているかどうかを、鍵情報判定部117bによって判定し、コンテンツデータD4が暗号化されていない場合には、クライアント識別情報付加部117aにクライアント情報の付加を実行させるとともに、コンテンツ情報付加部117cにコンテンツ情報の付加を実行させ、暗号化部122bに送出する。一方、サービス側DRM鍵情報D31によって暗号化されている場合には、図10に示すように、一旦、サービス側DRM鍵情報D31で復号を行った後、復号されたコンテンツデータD4に対してクライアント情報及びコンテンツ情報を付加し、次いで、自己DRM鍵情報D30で暗号化する。この自己DRM鍵情報D30で暗号化されたコンテンツデータD4は、DRM対応プレーヤーなどのコンテンツ再生部1130において、復号され、再生される。
【0104】
これらの処理の選択は、具体的には、コンテンツ再生部1130において、再生に係るコンテンツデータD4を暗号化した鍵情報の種別に応じて、コンテンツデータD4の再生を開始するか、一旦キャッシュ部117に戻すかの判定結果に基づき行われる。
【0105】
コンテンツデータD4がサービス側DRM鍵情報D31によって暗号化されていると判定された場合には、コンテンツデータD4をサービス側DRM鍵情報D31によって復号し、サービス側による再生制限を解除する。この再生制限の解除では、ユーザーに対してIDやパスワード等の認証情報の入力を要求し、ユーザー操作によって入力された認証情報(IDやパスワード等)D5を用いて、コンテンツデータD4を復号し、その再生を可能とする。そして、サービス側DRMで復号したコンテンツデータD4は、一旦、キャッシュ部117のクライアント識別情報付加部117aに受け渡され、クライアント識別情報の付加処理が実行されるとともに、コンテンツ情報付加部117cにおいて、コンテンツ情報の付加処理が実行される。
【0106】
クライアント識別情報付加部117aでは、再生制限が解除されたコンテンツデータD4に対してクライアント情報を付加し、コンテンツ情報付加部117cでは、再生制限が解除されたコンテンツデータD4に対してコンテンツ情報を付加し、キャッシュ部1117は、クライアント情報及びコンテンツ情報が付加されたコンテンツデータD4を暗号化部122bに送出する。これと併せて、鍵情報発行部122aでは、DRMに準拠した自己DRM鍵情報D30を発行する。暗号化部122bでは、自己DRM鍵情報発行部122aが発行した自己DRM鍵情報D30を用いてコンテンツデータD4を暗号化し、コンテンツ再生部1130に受け渡す。この暗号化されたコンテンツデータD4は、コンテンツ再生部1130において、自己DRM鍵情報D30により復号され、再生される。なお、この再生にあたっては、上述した第2実施形態における再生許可D3を参照するようにしてもよい。
【0107】
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、コンテンツ再生部1130が、著作権保護のための鍵情報により暗号化されたコンテンツデータを前提として設計されたDRM対応プレーヤーであり、且つ、配信に係るコンテンツデータD4がサービス側DRM鍵情報D31により暗号化されているような場合であっても、本発明を適用することができる。すなわち、サービス側DRM鍵情報D31により復号した後に、そのコンテンツデータD4にクライアント識別情報及びコンテンツ情報を付加し、その後さらに、ユーザー側で発行された自己DRM鍵情報D30を用いてさらに暗号化したうえで再生処理を実行することができる。この結果、本実施形態によれば、鍵情報により暗号化されたコンテンツデータD4を前提とした既存のDRM対応プレーヤーをそのまま利用して再生することが可能となるうえ、クライアント情報を付加することにより、不正複製されたコンテンツの流出を抑制することができる。
【0108】
[変更例]
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
【0109】
例えば、上述した実施形態では、細分化されたコンテンツデータを収集して再構築し、再構築されたコンテンツデータに対してクライアント識別情報及びコンテンツ情報を付加するようにしたが、再構築される前の、細分化された状態にあるコンテンツデータD4a〜dに、それぞれクライアント識別情報及びコンテンツ情報を付加するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0110】
D1…配信要求
D2…端末リスト
D3…再生許可
D30…自己DRM鍵情報
D31…サービス側DRM鍵情報
D4…コンテンツデータ
D4a〜D4d…細分化されたコンテンツデータ
D5…認証情報(ID・パスワード)
1…ユーザー端末
2…コンテンツ配信サーバー
3…管理サーバー
4…ユーザー端末
4a〜4d…パートナー端末
8…通信ネットワーク
21…コンテンツ配信部
22…コンテンツ蓄積部
23…通信インターフェース
31…通信インターフェース
32…配信要求受信部
33…ライセンス部
33a…端末リスト生成部
34…ユーザーデータベース
35…課金集計部
111…通信インターフェース
112…コンテンツ受信部
112a…コンテンツ再構築部
113…コンテンツ再生部
114…出力信号生成部
115…アプリケーション実行部
116…操作デバイスインターフェース
117…キャッシュ部
117a…クライアント識別情報付加部
117b…鍵情報判定部
117c…コンテンツ情報付加部
118…出力インターフェース
118a…スピーカー
119…配信要求部
120…表示部
121…ウィンドウ
122a…自己DRM鍵情報発行部
122b…暗号化部
122c…復号部
1130…コンテンツ再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを通じ、ユーザー端末において、コンテンツサーバーからコンテンツデータの配信を受けるコンテンツ配信システムであって、
前記ユーザー端末に備えられ、前記コンテンツサーバー又は他のユーザー端末から前記コンテンツデータを受信するコンテンツ取得部と、
前記ユーザー端末に備えられ、前記コンテンツデータに当該クライアントの識別情報を付加するクライアント識別情報付加部と、
を有することを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項2】
前記ユーザー端末は、前記コンテンツデータに、当該コンテンツデータに関する情報を付加するコンテンツ情報付加部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項3】
通信ネットワークを通じ、ユーザー端末において、コンテンツサーバーからコンテンツデータの配信を受けるコンテンツ配信システムであって、
前記ユーザー端末に備えられ、前記コンテンツサーバー又は他のユーザー端末から前記コンテンツデータを受信するコンテンツ取得部と、
前記ユーザー端末に備えられ、前記コンテンツデータに、当該コンテンツデータに関する情報を付加するコンテンツ情報付加部と、
を有することを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項4】
前記コンテンツ情報付加部は、前記コンテンツ取得部が取得したコンテンツデータを解析し、該コンテンツデータから前記コンテンツ情報を抽出し、抽出されたコンテンツ情報を、当該コンテンツデータに付加することを特徴とする請求項2又は3に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項5】
前記コンテンツ取得部は、
通信相手となる前記コンテンツサーバー又は前記他のユーザー端末を選択し、選択した通信相手にコンテンツの配信を要求する配信要求部と、
前記要求に応じて、前記コンテンツ配信サーバー又は他のユーザー端末から、要求に係るコンテンツデータの一部又は全部を受信するとともに、受信したコンテンツデータを再構築して出力する再構築部と
をさらに有し、
前記クライアント識別情報付加部は、前記再構築部が再構築したコンテンツデータに、前記クライアント識別情報を付加する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のコンテンツ配信システム。
【請求項6】
前記コンテンツデータは、鍵情報により暗号化及びその復号が可能であり、
前記ユーザー端末は、
前記鍵情報を生成する鍵情報生成部と、
前記鍵情報生成部で生成された前記鍵情報を用いて前記コンテンツデータを暗号化する暗号化部と、
前記鍵情報生成部で生成された前記鍵情報を用いて、前記コンテンツデータを復号し、再生する再生部と
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のコンテンツ配信システム。
【請求項7】
前記コンテンツデータは、第1の鍵情報及び第2の鍵情報により暗号化及びその復号が可能であり、
前記ユーザー端末は、
第1の鍵情報により暗号化されたコンテンツデータを復号する第1の復号部と、
前記第2の鍵情報を生成する鍵情報生成部と、
前記鍵情報生成部で生成された前記第2の鍵情報を用いて前記コンテンツデータを暗号化する暗号化部と、
前記鍵情報生成部で生成された前記第2の鍵情報を用いて、前記コンテンツデータを復号し、再生する再生部と、
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のコンテンツ配信システム。
【請求項8】
通信ネットワークを通じ、ユーザー端末において、コンテンツサーバーからコンテンツデータの配信を受けるコンテンツ配信方法であって、
前記ユーザー端末において、前記コンテンツサーバー又は他のユーザー端末から前記コンテンツデータを受信するコンテンツ取得ステップと、
前記ユーザー端末において、前記コンテンツデータに当該クライアントの識別情報を付加するクライアント識別情報付加ステップと、
を有することを特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項9】
前記クライアント識別情報付加ステップと併せて、前記ユーザー端末において、前記コンテンツデータに、当該コンテンツデータに関する情報を付加するコンテンツ情報付加ステップをさらに有することを特徴とする請求項8に記載のコンテンツ配信方法。
【請求項10】
通信ネットワークを通じ、ユーザー端末において、コンテンツサーバーからコンテンツデータの配信を受けるコンテンツ配信方法であって、
前記ユーザー端末において、前記コンテンツサーバー又は他のユーザー端末から前記コンテンツデータを受信するコンテンツ取得ステップと、
前記ユーザー端末において、前記コンテンツデータに、当該コンテンツデータに関する情報を付加するコンテンツ情報付加ステップと、
を有することを特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項11】
前記コンテンツ情報付加ステップでは、前記コンテンツ取得部が取得したコンテンツデータを解析し、該コンテンツデータから前記コンテンツ情報を抽出し、抽出されたコンテンツ情報を、当該コンテンツデータに付加することを特徴とする請求項9又は10に記載のコンテンツ配信方法。
【請求項12】
前記コンテンツ取得ステップでは、
通信相手となる前記コンテンツサーバー又は前記他のユーザー端末を選択し、選択した通信相手にコンテンツの配信を要求する配信要求ステップと、
前記要求に応じて、前記コンテンツ配信サーバー又は他のユーザー端末から、要求に係るコンテンツデータの一部又は全部を受信するとともに、受信したコンテンツデータを再構築して出力する再構築ステップと
をさらに有し、
前記クライアント識別情報付加ステップでは、前記再構築ステップで再構築したコンテンツデータに、前記クライアント識別情報を付加する
ことを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載のコンテンツ配信方法。
【請求項13】
前記コンテンツデータは、鍵情報により暗号化及びその復号が可能であり、前記クライアント識別情報付加ステップの後に、
前記ユーザー端末において、前記鍵情報を生成する鍵情報生成ステップと、
前記ユーザー端末において、前記鍵情報生成ステップで生成された前記鍵情報を用いて前記コンテンツデータを暗号化する暗号化ステップと、
前記ユーザー端末において、前記鍵情報生成ステップで生成された前記鍵情報を用いて、前記コンテンツデータを復号し、再生する再生ステップと
をさらに有することを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載のコンテンツ配信方法。
【請求項14】
前記コンテンツデータは、第1の鍵情報及び第2の鍵情報により暗号化及びその復号が可能であり、前記クライアント識別情報付加ステップに先行させて、前記ユーザー端末において、第1の鍵情報により暗号化されたコンテンツデータを復号する復号ステップを有し、
前記クライアント識別情報付加ステップの後に、
前記ユーザー端末において、前記第2の鍵情報を生成する鍵情報生成ステップと、
前記ユーザー端末において、前記鍵情報生成ステップで生成された前記第2の鍵情報を用いて前記コンテンツデータを暗号化する暗号化ステップと、
前記ユーザー端末において、前記鍵情報生成ステップで生成された前記第2の鍵情報を用いて、前記コンテンツデータを復号し、再生する再生ステップと
をさらに有することを特徴とする請求項8乃至13のいずれかに記載のコンテンツ配信方法。
【請求項15】
通信ネットワークを通じて、コンテンツサーバーから配信されるコンテンツデータをユーザー端末で受信するためのコンテンツ受信プログラムであって、該ユーザー端末に、
前記コンテンツサーバー又は他のユーザー端末から前記コンテンツデータを受信するコンテンツ取得ステップと、
前記コンテンツデータに当該クライアントの識別情報を付加するクライアント識別情報付加ステップと、
を有する処理を実行させることを特徴とするコンテンツ受信プログラム。
【請求項16】
前記クライアント識別情報付加ステップと併せて、前記ユーザー端末において、前記コンテンツデータに、当該コンテンツデータに関する情報を付加するコンテンツ情報付加ステップをさらに有することを特徴とする請求項15に記載のコンテンツ受信プログラム。
【請求項17】
通信ネットワークを通じて、コンテンツサーバーから配信されるコンテンツデータをユーザー端末で受信するためのコンテンツ受信プログラムであって、該ユーザー端末に、
前記ユーザー端末において、前記コンテンツサーバー又は他のユーザー端末から前記コンテンツデータを受信するコンテンツ取得ステップと、
前記ユーザー端末において、前記コンテンツデータに、当該コンテンツデータに関する情報を付加するコンテンツ情報付加ステップと、
を有することを特徴とするコンテンツ受信プログラム。
【請求項18】
前記コンテンツ情報付加ステップでは、前記コンテンツ取得部が取得したコンテンツデータを解析し、該コンテンツデータから前記コンテンツ情報を抽出し、抽出されたコンテンツ情報を、当該コンテンツデータに付加することを特徴とする請求項16又は17に記載のコンテンツ受信プログラム。。
【請求項19】
前記コンテンツ取得ステップでは、
通信相手となる前記コンテンツサーバー又は前記他のユーザー端末を選択し、選択した通信相手にコンテンツの配信を要求する配信要求ステップと、
前記要求に応じて、前記コンテンツ配信サーバー又は他のユーザー端末から、要求に係るコンテンツデータの一部又は全部を受信するとともに、受信したコンテンツデータを再構築して出力する再構築ステップと
をさらに有し、
前記クライアント識別情報付加ステップでは、前記再構築ステップで再構築したコンテンツデータに、前記クライアント識別情報を付加する
ことを特徴とする請求項15乃至18のいずれかに記載のコンテンツ受信プログラム。
【請求項20】
前記コンテンツデータは、鍵情報により暗号化及びその復号が可能であり、前記クライアント識別情報付加ステップの後に、
前記鍵情報を生成する鍵情報生成ステップと、
前記鍵情報生成ステップで生成された前記鍵情報を用いて前記コンテンツデータを暗号化する暗号化ステップと、
前記鍵情報生成ステップで生成された前記鍵情報を用いて前記コンテンツデータを復号し、再生する再生ステップと
をさらに有することを特徴とする請求項15乃至19のいずれかに記載のコンテンツ受信プログラム。
【請求項21】
前記コンテンツデータは、第1の鍵情報及び第2の鍵情報により暗号化及びその復号が可能であり、前記クライアント識別情報付加ステップに先行させて、前記ユーザー端末において、第1の鍵情報により暗号化されたコンテンツデータを復号する復号ステップを有し、
前記クライアント識別情報付加ステップの後に、
前記ユーザー端末において、前記第2の鍵情報を生成する鍵情報生成ステップと、
前記ユーザー端末において、前記鍵情報生成ステップで生成された前記第2の鍵情報を用いて前記コンテンツデータを暗号化する暗号化ステップと、
前記ユーザー端末において、前記鍵情報生成ステップで生成された前記第2の鍵情報を用いて、前記コンテンツデータを復号し、再生する再生ステップと
をさらに有することを特徴とする請求項15乃至20のいずれかに記載のコンテンツ受信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−28724(P2011−28724A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64041(P2010−64041)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(501275178)ソフトバンクBB株式会社 (112)
【Fターム(参考)】