説明

コンテンツ配信装置、コンテンツメディア作成装置及びコンテンツ販売方法

【課題】不正コピーを防止する手段を確保したうえで、流通量の格差によるコンテンツホルダーと消費者双方の不利益と、コンテンツメディアが手元に残らないことによる消費者の不利益を解消する。
【解決手段】コンテンツホルダー2から提供されるコンテンツCntを、消費者窓口3側に設置されたコンテンツメディア作成装置30によって記録媒体に記録しコンテンツメディアとして販売するコンテンツ配信装置であって、三段階の暗号化手段と、購入要求データに含まれる、当該購入要求データに係るコンテンツ、ブランクメディア、及び要求元のコンテンツメディア作成装置30を特定し、これに応じて、前記タイトル鍵、前記ディスク鍵、及び前記レコーダー鍵の設定を行う。これらの暗号化データのうち、少なくとも暗号化コンテンツを第1の通信手段から配信し、それ以外のデータを、第1の通信手段とは別個の通信経路で、第1の通信手段から配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ提供者から提供されるコンテンツを記録媒体に記録し、これをコンテンツメディアとして販売するためのコンテンツ配信装置、コンテンツメディア作成装置及びコンテンツ販売方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在において、音楽や映像等のコンテンツの提供方法は、大きく分けて、パッケージメディアによる販売と、通信網を経由しての販売との二形態が主流となっている。前者のパッケージメディアによる販売とは、従来のパッケージメディア販売のように、コンテンツ自体と、そのコンテンツを格納するメディアとが、流通路上においてコンテンツメディアとして一体販売される形態であり、後者の通信網を経由しての販売とは、インターネット等の通信網を経由してコンテンツのみをデータとして販売する形態である。
【0003】
このようなコンテンツの販売に際し、従来より、コンテンツ自体の不正コピーを防止する技術的手段が、種々提案されている(特許文献1)。例えば、特許文献1では、プリフォーマッタに複数の異なった暗号化キーを予め用意し、作成する媒体の種類に応じて、その中の一つの暗号化キーを選択し使用する。そして、この選択された暗号化キーでディスクキーを、暗号化し、記録装置用の暗号化データを生成し、さらにディスクキーを、再生装置用暗号化キーで暗号化し、再生装置用暗号化データを生成する。これらの生成された2つの暗号化データは、ブランクメディアの読み出し専用領域に記録される。
【0004】
このような、特許文献1に開示された技術によれば、再生装置用の暗号化データを複数記録して複数の種類の再生装置に対応できるため、個々の再生装置に異なる再生装置用暗号化キーを割り当てることで、再生制限、つまり再生が許可される再生装置と再生可能な媒体の組み合わせに制限を加えることができる。
【0005】
また、不正コピーを防止する手段を確保したうえでメディアを販売する方法も従来から提案されている(特許文献2)。この特許文献2に開示された技術では、非デジタル商品の購入及び代金決済時に、当該非デジタル商品に関連するデジタル商品の購入キーを発行する。この購入キーが、予め管理された購入キーと一致したと判定した場合、暗号化デジタルコンテンツ及び復号化キーのクライアント端末への送出を許可する。このような特許文献2に開示された技術によれば、デジタル商品の購入権又は閲覧権を、書籍等の非デジタル商品の購入者に購入キーとして発行し、デジタルコンテンツを暗号化して配信し、その配信と復号化の制御を購入キーの確認で行うことにより、不正コピーを防止することができる。
【特許文献1】特開2002−184098号公報
【特許文献2】特開2003−242370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前者のパッケージメディアによる販売方法では、コンテンツメディアの流通量と、実際の消費量に誤差が生じる可能性がある。流通量が消費量を上回っている場合には、コンテンツメディアの在庫が生じることとなり、コストパフォーマンスが低下し、逆に流通量が消費量を下回ると、販売機会の消失となるため、コンテンツホルダー、消費者双方にとって不利益となる。
【0007】
一方、後者の通信網を経由しての販売方法では、消費者が購入するのはあくまでコンテンツのデータのみであり、DVDメディアのような保存するための媒体が手元に残らないこととなる。従来より馴れ親しんだパッケージメディアの購入と異なることもあり、消費者にとって不利益となる。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、不正コピーを防止する手段を確保したうえで、流通量の格差によるコンテンツホルダーと消費者双方の不利益と、コンテンツメディアが手元に残らないことによる消費者の不利益を解消するためのコンテンツ配信装置、コンテンツメディア作成装置及びコンテンツ販売方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、コンテンツ提供者から提供されるコンテンツを、消費者窓口側に設置されたデータ書込装置によって記録媒体に記録しコンテンツメディアとして販売するために、通信ネットワークを介してコンテンツの配信を行うコンテンツ配信装置であって、三段階の暗号化手段と、コンテンツの購入を要求する購入要求データを受信し、受信された購入要求データに含まれる、当該購入要求データに係るコンテンツ、コンテンツが記録される前の記録媒体(以下、「未記録媒体」とする。)、及び要求元のデータ書込装置を特定する購入要求解析手段と、前記購入要求解析手段によって特定された、コンテンツ、未記録媒体及びデータ書込装置に応じて、前記タイトル鍵、前記ディスク鍵、及び前記レコーダー鍵の設定を行う鍵情報設定手段とを備える。
【0010】
上記三段階の暗号化手段は、各コンテンツ毎に設定されたタイトル鍵を用いて、コンテンツの暗号化を行い、暗号化コンテンツを生成するコンテンツ暗号化手段と、未記録媒体毎に設定されたディスク鍵を用いて、タイトル鍵の暗号化を行い、暗号化タイトル鍵を生成するタイトル鍵暗号化手段と、データ書込装置毎に設定されたレコーダー鍵を用いて、ディスク鍵の暗号化を行い、暗号化ディスク鍵を生成するディスク鍵暗号化手段とを備える。
【0011】
また、本発明のコンテンツ配信装置は、前記各暗号化手段により生成された暗号化データ(暗号化コンテンツ、暗号化タイトル鍵、及び暗号化ディスク鍵)のうち、少なくとも暗号化コンテンツを、前記通信ネットワークを通じて配信する第1の通信手段と、前記各暗号化手段により生成された暗号化データのうち、前記暗号化コンテンツ以外のデータを、前記第1の通信手段の通信経路とは別個の通信経路で配信する第2の通信手段とを備える。
【0012】
他の発明は、コンテンツ提供者から提供されるコンテンツを、記録媒体に記録しコンテンツメディアとして販売するために、通信ネットワークを介してコンテンツを受信し、書込を行うコンテンツメディア作成装置であって、当該コンテンツメディア作成装置に固有のレコーダー鍵を記憶保持する記憶手段と、購入するコンテンツ、コンテンツが記録される未記録媒体、及び要求元のデータ書込装置を特定する購入要求データを生成し、コンテンツ提供者に対して送信する購入要求手段とを備える。
【0013】
また、このコンテンツメディア作成装置は、購入要求データに応じたコンテンツに対して設定されたタイトル鍵を用い、コンテンツの暗号化を行って生成された暗号化コンテンツを、取得する暗号化コンテンツ取得手段と、購入要求データに応じた未記録媒体に対して設定されたディスク鍵を用い、タイトル鍵の暗号化を行って生成された暗号化タイトル鍵を取得する暗号化タイトル鍵取得手段と、購入要求データに応じたデータ書込装置に対して設定されたレコーダー鍵を用い、ディスク鍵の暗号化を行って生成された暗号化ディスク鍵を取得する暗号化ディスク鍵取得手段とを備える。
【0014】
さらに、このコンテンツメディア作成装置は、各取得手段により取得される暗号化データのうち、少なくとも暗号化コンテンツを、通信ネットワークを通じて受信する第1の通信手段と、各取得手段により取得される暗号化データのうち、暗号化コンテンツ以外のデータを、第1の通信手段の通信経路とは別個の通信経路で受信する第2の通信手段と、各取得手段により取得された暗号データを、記憶手段に記憶されたレコーダー鍵を用いて復号し、未記録媒体に記録する記録手段とを備える。
【0015】
さらに、他の発明は、コンテンツ提供者から提供されるコンテンツを、消費者窓口側に設置されたデータ書込装置によって記録媒体に記録しコンテンツメディアとして販売するコンテンツ販売方法であって、以下のステップを有する。
【0016】
(1)未記録媒体を、データ書込装置側に予め配布しておき、データ書込装置側において、購入されるコンテンツ、コンテンツが記録される未記録媒体、及び要求元のデータ書込装置を特定する購入要求データを生成し、通信ネットワークを通じて、コンテンツ提供者側のコンテンツ配信装置に対して送信する購入要求ステップ
(2)コンテンツ配信装置において、受信された購入要求データに含まれる、当該購入要求データに係るコンテンツ、未記録媒体、及び要求元のデータ書込装置を特定する購入要求解析ステップ
(3)購入要求解析ステップによって特定された、コンテンツ、未記録媒体及びデータ書込装置に応じて、タイトル鍵、ディスク鍵、及びレコーダー鍵の設定を行う鍵情報設定ステップ
(4)設定されたタイトル鍵を用いて、コンテンツの暗号化を行い、暗号化コンテンツを生成するコンテンツ暗号化ステップ
(5)設定されたディスク鍵を用いて、タイトル鍵の暗号化を行い、暗号化タイトル鍵を生成するタイトル鍵暗号化ステップ
(6)設定されたレコーダー鍵を用いて、ディスク鍵の暗号化を行い、暗号化ディスク鍵を生成するディスク鍵暗号化ステップ
(7)各暗号化手段により生成された暗号化データ(暗号化コンテンツ、暗号化タイトル鍵、及び暗号化ディスク鍵)のうち、少なくとも暗号化コンテンツを、通信ネットワークを通じて第1の通信手段から配信するとともに、各暗号化手段により生成された暗号化データのうち、暗号化コンテンツ以外のデータを、第1の通信手段の通信経路とは別個の通信経路で第2の通信手段から配信する配信ステップ
(8)データ書込装置側において取得された暗号化データ(暗号化コンテンツ、暗号化タイトル鍵、及び暗号化ディスク鍵)のうち少なくとも一つを、当該データ書込装置に固有のレコーダー鍵を用いて復号する復号ステップ
(9)暗号化コンテンツ、暗号化タイトル鍵、又は暗号化ディスク鍵、又は復号された鍵を未記録媒体に記録する記録ステップ
【0017】
このような本発明によれば、DVDなどのコンテンツメディアを流通路に供給する従来の販売形態から、流通路上では、コンテンツと、コンテンツを格納するメディア(未記録媒体:ブランクメディア)とに分離した形態でコンテンツ提供者から消費者窓口へ供給する。そして、販売時には、購入要求をコンテンツ提供者に送信し、消費者窓口側の記録装置にてブランクメディアにコンテンツを記録したコンテンツメディアを販売する。これにより、本発明によれば、流通量と消費量の格差による不利益を解消できるようになり、かつ消費者は購入後もコンテンツを記録したメディアが手元に残せるようになる。
【0018】
また、コンテンツ提供者から供給されるコンテンツは、レコーダー鍵が記憶保持された書込装置により未記録媒体に書込まれるため、コンテンツ提供者により承認されたコンテンツメディア作成装置でのみ正常なコンテンツメディアの作成をできるようにしたことにより、コンテンツが通信網上において配信される場合であっても、不正コピーを防止することができる。
【0019】
なお、前記第1の通信手段及び前記第2の通信手段のうちいずれか一つの通信経路として、通信衛星を介してデータの送受信が可能な通信衛星回線を用いることが好ましい。この場合には、BS放送、CS放送においては、送信事業者と受信者との契約により通信網自体に限定受信システム(CAS)が適用されているため、コンテンツの暗号化はもちろんのこと、送受信者間における盗聴の危険性も低下されることとなり、著作権保護の安全性をより高めることが可能となる。
【0020】
上記発明において、未記録媒体は、暗号化ディスク鍵が既に記録された状態で配布され、購入要求手段は、要求元に配布された未記録媒体から、暗号化ディスク鍵を特定する媒体識別子情報を読み出す読出手段を備え、購入要求データには、要求元に配布された未記録媒体から読み出された暗号化ディスク鍵を特定する媒体識別子情報が含まれ、購入要求解析手段は、媒体識別子情報に基づいて、未記録媒体の特定を行うことが好ましい。
【0021】
この場合には、暗号鍵を配布する経路として、未記録媒体の流通経路そのものを用いるため、仮に、通信ネットワークを介してコンテンツや復号鍵を不正に入手したとしても、未記録媒体を正規の流通経路から入手できる消費者窓口でなければ、入手したコンテンツや復号鍵の復号を行うことができず、著作権保護の安全性をより高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
以上述べたように、この発明によれば、コンテンツメディアの販売形態がコンテンツとメディアに分離した形態であるから、流通量と消費量の格差が生じても在庫が発生や、販売機会の消失といった不利益を解消できる。
【0023】
すなわち、この発明によれば、コンテンツ提供者が承認した消費者窓口のメディア作成装置でのみコンテンツメディアの作成が可能であるから、コンテンツを、通信網を介して配信しても不正コピーを防止することができる。また、消費者窓口から最終的に販売するのはコンテンツが格納されたコンテンツメディアであるから、通信網を利用したコンテンツの販売形態であっても、消費者の手元にコンテンツメディアを残すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
[第1実施形態]
(コンテンツメディア販売システムの概要)
以下に添付図面を参照して、コンテンツメディア販売システムの実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るコンテンツメディア販売システムの全体構成を示すブロック図である。
【0025】
同図に示すように、本実施形態では、コンテンツホルダー(コンテンツ提供者)2のコンテンツ配信装置20から配信されるコンテンツCntを、小売店等の消費者窓口3側に設置されたコンテンツメディア作成装置30によってブランクメディア5に記録し、コンテンツメディアとして販売する。コンテンツ配信装置20は、通信ネットワーク41,42を介してコンテンツCntや暗号鍵の配信を行うサーバ装置であって、消費者窓口3側からの購入要求に応じて、著作権管理団体6から提供される暗号鍵で、販売に係るコンテンツの暗号化を施し、消費者窓口3へ送信する。
【0026】
これらの暗号鍵としては、本実施形態では、図2で示すように、コンテンツCntを暗号化する鍵であるタイトルキーTkと、タイトルキーTkを暗号化する鍵であるディスクキーDkと、ディスクキーDkを暗号化する鍵であるレコーダーキーRkと、及びマスターキーMstkの4種類の暗号鍵が使用される。レコーダーキーRkは、消費者窓口3側に設置されたコンテンツメディア作成装置30と、販売形態を特定するために設定される暗号化鍵であり、著作権管理団体よりコンテンツホルダー2に割り当てられるマスターキーMstkとセットとして用いられる。
【0027】
タイトルキーTkは、記録媒体(ディスク)に記録されるタイトル毎に著作権者が自由に設定する鍵であり,ディスクキーDkで暗号化され、暗号化タイトルキーDTkとして、ディスク上のセクタヘッダ領域に記録される。ディスクキーDkもディスク毎に著作権者が自由に設定する鍵であり、これらをすべてのマスターキーMstkで暗号化した結果を並べたディスクキーセットが、ディスクのリードイン領域に記録される。レコーダーキーRkは、機器製造ライセンス受領者に個別に与えられる鍵であり,各コンテンツメディア作成装置にセキュアに実装される。
【0028】
コンテンツ及び各鍵の復号は,コンテンツメディア作成装置30がセキュアに保持しているレコーダーキーRk’を用いてディスクキーDkを復号し,このディスクキーDkを用いてタイトルキーTkを復号し,このタイトルキーTkを用いてコンテンツCntを復号することにより行われる。
【0029】
本実施形態において、コンテンツホルダー2により許可された記録装置32と販売形態であれば、記録装置32に実装されているレコーダーキーRk’は、コンテンツホルダーにより設定されたレコーダーキーRkと等しくなる。
(数1)
Rk’=Rk (1)
さらに、コンテンツホルダーから受信した暗号化ディスクレコーダーキーEDRkから、Rk’を用いて、復号化された暗号化ディスクキーEDk’は、コンテンツホルダーにより設定された暗号化ディスクキーEDkと等しくなる。
(数2)
EDk’=EDk (2)
上記(1)及び(2)の条件を満足している場合、消費者窓口で作成されるコンテンツメディアには、コンテンツホルダーにより設定された暗号化キーセット(ETk、EDk)と同じパラメータを記録することができ、コンテンツメディアの再生装置において暗号化キーセットから暗号化コンテンツの正常な復号化が可能となる。
【0030】
前述とは異なり、コンテンツホルダーにより許可されない記録装置もしくは販売形態であれば、記録装置に実装されているレコーダーキーRk’は、コンテンツホルダーにより設定されたレコーダーキーRkとは一致しない。
(数3)
Rk’≠Rk (3)
さらに、そのRk’を用いてコンテンツホルダーから受信した暗号化ディスクレコーダーキーEDRkから復号化された暗号化ディスクキーEDk’は、コンテンツホルダーにより設定された暗号化ディスクキーEDkと一致しない。
(数4)
EDk’≠EDk (4)
上記(3)、(4)の場合、消費者窓口で作成されるコンテンツメディアには、コンテンツホルダーにより設定された暗号化キーセット(ETk、EDk)と一致しない不正なパラメータが記録されることになり、メディアの再生装置において暗号化キーセットから暗号化コンテンツの正常な復号化が不可能となる。
【0031】
このようにコンテンツホルダーにより予め許可された記録装置と販売形態以外の組み合わせでは、ブランクメディアに記録される暗号化ディスクキーEDkが不正な値となり、コンテンツの正常な再生は不可能となる。
【0032】
(コンテンツ配信装置)
図3は、コンテンツ配信装置の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、コンテンツ配信装置20は、四段階の暗号化手段21〜24と、コンテンツCntの購入を要求する購入要求データを受信する通信I/F25,26と、受信された購入要求データを解析する購入要求解析手段27と、購入要求解析手段の解析結果に応じて、各鍵の設定を行う鍵情報設定手段28とを備える。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0033】
購入要求解析手段27は、コンテンツメディア作成装置30から送信される購入要求に含まれる、当該購入に係るコンテンツ、消費者窓口3にストックされているブランクディスク、及び消費者窓口3のコンテンツメディア作成装置30を特定するモジュールである。
【0034】
鍵情報設定手段28は、購入要求解析手段によって特定された、コンテンツ、未記録媒体及びデータ書込装置に応じて、タイトルキーTk、ディスクキーDk、及びレコーダー鍵の設定を行うモジュールである。
【0035】
上記四段階の暗号化手段は、タイトルキーTkを用いてコンテンツCntの暗号化を行い、暗号化コンテンツECntを生成する暗号化手段21と、ディスクキーDkを用いてタイトルキーTkの暗号化を行い、暗号化タイトルキーETkを生成する暗号化手段22と、マスターキーMstkを用いてディスクキーDkの暗号化を行い、暗号化ディスクキーEDkを生成する暗号化装置23と、さらに暗号化ディスクキーEDkをレコーダーキーRkにより暗号化し、暗号化ディスクレコーダーキーEDRkを生成する暗号化装置24とから構成される。なお、本実施形態では、暗号化装置23及び24により、ディスクキー暗号化手段を構成し、レコーダーキーRkによる暗号化の前段階として、ディスクキーをマスターキーMstkで暗号化し、そのうえでレコーダーキーRkを用いた暗号化を行っている。
【0036】
また、コンテンツ配信装置20は、各暗号化手段により生成された暗号化データのうち、暗号化コンテンツECntと、暗号化タイトルキーETkを、通信ネットワーク41を通じて配信する第1通信I/F25と、暗号化ディスクレコーダーキーEDRkを、第1通信I/F25とは別個の通信経路42で配信する第2通信I/F26とを備える。
【0037】
(コンテンツメディア作成装置)
一方、図4は、コンテンツメディア作成装置30の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、消費者窓口3に設置されるコンテンツメディア作成装置30は、コンテンツ提供者から提供されるコンテンツを、通信ネットワークを介して受信し、記録媒体に記録しコンテンツメディアとして販売する装置であり、個人用パーソナルコンピュータ、セットトップボックス、ドライブ装置やディスクレコーダーにより実現することができる。
【0038】
このコンテンツメディア作成装置30は、記憶手段33と、購入要求手段36とを備えている。記憶手段33は、当該コンテンツメディア作成装置30に固有のレコーダーキーRk’を記憶保持する記憶装置である。購入要求手段36は、購入するコンテンツ、コンテンツが記録されるブランクメディア5、及び記録装置32を特定する購入要求データを生成し、コンテンツホルダー2に対して送信するモジュールである。
【0039】
また、このコンテンツメディア作成装置30は、購入要求データに応じて設定された各暗号化データを取得する取得手段37〜39を備えている。これら取得手段37〜39により取得される暗号化データのうち、暗号化コンテンツECnt及び暗号化タイトルキーETkは、通信ネットワーク41を通じて第1通信I/F34で受信され、暗号化ディスクレコーダーキーEDRkは、第1通信I/F34とは別個の通信経路42により第2通信I/F35で受信される。
【0040】
さらに、コンテンツメディア作成装置30は、暗号化ディスクレコーダーキーEDRkを、記憶手段33に記憶されたレコーダーキーRkを用いて復号する復号化装置31と、暗号化コンテンツECntと、暗号化タイトルキーETkと、暗号化ディスクレコーダーキーEDRkを、ブランクメディア5に記録する記録装置32とを備える。
【0041】
(コンテンツの配信方法)
以上の構成を有するコンテンツ販売システムを動作させることによって、本発明のコンテンツ販売方法を実施することができる。図5は、本実施形態に係るコンテンツ配信の手順を示すフローチャート図である。
【0042】
まず、消費者窓口においてユーザーが購入を希望するコンテンツが選択されると、その購入要求がコンテンツホルダー2側に送信される。これに応じて、コンテンツ配信装置20側において、受信された購入要求データに含まれる、当該購入要求データに係るコンテンツ、未記録媒体、及び要求元のデータ書込装置を特定する。そして、消費者により選択され特定されたコンテンツ毎に、コンテンツホルダーがタイトルキーTk、ディスクキーDk、レコーダーキーRkの各暗号化キーが設定される(S101)。
【0043】
次いで、コンテンツホルダーによりコンテンツCnt毎に設定されたタイトルキーTkを鍵として、暗号化装置21によりコンテンツCntの暗号化処理を行い、暗号化コンテンツECntの生成する(S102)。その後、コンテンツホルダーにより設定されるディスクキーDkを鍵として、暗号化装置22によりTkの暗号化処理を行い、暗号化された暗号化タイトルキーETkを生成する(S103)。
【0044】
そして、消費者窓口3へ送信可否の確認を行い(S104)、送信が許可されない場合には(S104における”N”)、ステップS101〜S103の処理を繰り返し、送信が許可された場合には(S104における”Y”)、通信ネットワーク41を経由して消費者窓口3へ暗号化コンテンツECntとタイトルキーTkのセットを送信する(S105)。
【0045】
送信完了の確認処理がなされた場合には(S106における”Y”)、著作権管理団体6よりコンテンツホルダー2に割り当てられるマスターキーMstkを鍵としてディスクキーDkの暗号化処理を行い、暗号化ディスクキーEDkを生成する(S107)。
【0046】
配信先記録装置と販売形態を特定するためにコンテンツホルダーにより設定されたレコーダーキーRkを鍵として、暗号化装置24により、暗号化ディスクキーEDkの再暗号化処理を行い、暗号化ディスクレコーダーキーEDRkを生成する(S108)。
【0047】
暗号化ディスクレコーダーキーEDRkを通信網へ送信する(S109)。なお、本実施形態では、この暗号化ディスクレコーダーキーEDRkの送信は、ECntとETkセットを配信した通信網とは別の通信網を使用する。
【0048】
そして、送信完了の確認処理を行い、確認が成功した場合(S110における”Y”)には、コンテンツ配信処理を終了し、確認に失敗した場合(S110における”N”)には、ステップS109を再実行する。
【0049】
一方、このようにして送信されたコンテンツ及び鍵を用いた、消費者窓口3側におけるコンテンツメディアの作成は、以下の手順により行う。図6は、コンテンツメディアの作成の手順を示すフローチャート図である。なお、メディア製造者1から消費者窓口3へは、コンテンツの記録されていないブランクメディア5が既に提供されているものとする。
【0050】
まず、消費者窓口3において、コンテンツホルダーから通信網を経由して暗号化タイトルキーETkと暗号化コンテンツECntを受信する(S201)。
【0051】
次いで、暗号化タイトルキーETkを、ブランクメディアのリードイン領域へ書込み処理を行い、暗号化コンテンツECntを、ブランクメディアのデータ領域へ書込み処理を行う(S202)。
【0052】
その後、ECntとETkの書込処理が完了した旨を、コンテンツホルダー2ヘ通知(S203)し、通信網を経由してコンテンツホルダー2から配信された暗号化ディスクレコーダーキーEDRkを受信する(S204)。配信のコンテンツメディア作成装置30と、販売形態を特定するために記録装置に実装されたレコーダーキーRk’を鍵として、復号化装置31により暗号化ディスクレコーダーキーEDRkの復号化処理を行い、暗号化ディスクキーEDk’を生成し(S205)、暗号化ディスクキーEDk’を、ブランクメディア5のリードイン領域への書込処理を行う(S206)。その後、コンテンツホルダーヘのEDk’の書込完了を通知する(S207)。
【0053】
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、DVDなどのコンテンツメディアを流通路に供給する従来の販売形態から、流通路上では、コンテンツとコンテンツを格納するメディア(未記録媒体:ブランクメディア)とに分離した形態でコンテンツ提供者から消費者窓口へ供給する。そして、販売時には、購入要求をコンテンツ提供者に送信し、消費者窓口側の記録装置にてブランクメディアにコンテンツを記録したコンテンツメディアを販売する。これにより、本発明によれば、流通量と消費量の格差による不利益を解消できるようになり、かつ消費者は購入後もコンテンツを記録したメディアが手元に残せるようになる。
【0054】
また、コンテンツ提供者から供給されるコンテンツは、レコーダー鍵が記憶保持された書込装置により未記録媒体に書込まれるため、コンテンツ提供者により承認されたコンテンツメディア作成装置でのみ正常なコンテンツメディアの作成をできるようにしたことにより、コンテンツが通信網上において配信される場合であっても、不正コピーを防止することができる。
【0055】
なお、前記第1の通信手段及び前記第2の通信手段のうちいずれか一つとして、通信衛星を介して、データの送受信が可能な通信衛星回線を用いることが好ましい。この場合には、BS放送、CS放送においては、送信事業者と受信者との契約により通信網自体に限定受信システム(CAS)が適用されているため、コンテンツの暗号化はもちろんのこと、送受信者間における盗聴の危険性も低下することとなり、著作権保護の安全性をより高めることが可能となる。
【0056】
上記発明において、未記録媒体は、ディスクキーDkが既に記録された状態で配布され、購入要求手段は、要求元に配布された未記録媒体から、ディスクキーDkを特定する媒体識別子情報を読み出す読出手段を備え、購入要求データには、要求元に配布された未記録媒体から読み出されたディスクキーDkを特定する媒体識別子情報が含まれ、購入要求解析手段は、媒体識別子情報に基づいて、未記録媒体の特定を行うことが好ましい。
【0057】
この場合には、暗号鍵を配布する経路として、未記録媒体の流通経路そのものを用いるため、仮に、通信ネットワークを介してコンテンツや復号鍵を不正に入手したとしても、未記録媒体を正規の流通経路から入手できる消費者窓口でなければ、入手したコンテンツや復号鍵の復号を行うことができず、著作権保護の安全性をより高めることが可能となる。
【0058】
(変更例)
上述した実施形態では、コンテンツ配信装置から消費者窓口への暗号化コンテンツ、暗号化タイトルキー、及び暗号化ディスクレコーダーキーの送受信に、インターネットなどの一般の通信網を使用している。
【0059】
しかしながら、インターネットのような広く開かれた通信網においては、通信プロトコルを定め、通信網上における送受信手段は確立されてはいるものの、送受信するデータのセキュリティを保つための技術の使用は基本的にオプション扱いとなり、セキュリティを保つための別途の技術を追加する必要がある。また、インターネットのような通信網においては、送信者と受信者間が一対一という関係ではなく、通信路上の途中に送受信者以外の第三者が介在する場合があり、送信者と受信者間の通信内容を第三者に盗聴される危険性がある。
【0060】
したがって、上述した実施形態では、コンテンツホルダー側が承認した消費者窓口と販売形態でのみコンテンツメディアの作成が可能であるが、暗号化コンテンツや各暗号化キーの配信途中において、コンテンツホルダーと消費者窓口以外の第三者にこれらが盗聴されることは、著作権保護手段の安全性を低下させることにつながる。
【0061】
そこで、セキュリティを向上させる変更例として、例えば、コンテンツホルダーと消費者窓口の通信に使用する通信網として、以下のような別の著作権保護手段を有する通信網を利用するようにする。なお、以下の変更例においても、コンテンツホルダー内、及び消費者窓口内の処理、及び送信処理は、上述した第1実施形態と同様であり、その説明は省略する。
【0062】
(1)通信衛星を利用したコンテンツの配信記録装置
例えば、図7に示すように、上述した著作権保護手段として、コンテンツ配信装置20から消費者窓口3への、暗号化ディスクレコーダーキー送受信用の通信経路42として、BSデジタル放送、又はCSデジタル放送で使用されている通信衛星網を使用する。
【0063】
かかるBS放送、CS放送においては、送信事業者と受信者との契約により通信網自体に限定受信システム(CAS)が適用されているため、コンテンツの暗号化はもちろんのこと、送受信者間における盗聴の危険性も低下するため、著作権保護の安全性をより高めることが可能となる。
【0064】
(2)電話回線を利用したコンテンツの配信記録装置
また、コンテンツ配信装置から消費者窓口への暗号化ディスクレコーダーキーの送受信に電話回線を使用する一方、暗号化コンテンツ、暗号化タイトルキーの送受信には、BSデジタル放送、又はCSデジタル放送で使用されている通信衛星網を使用するようにしてもよい。
【0065】
この場合においても、上述したように、BS放送、CS放送においては、送信事業者と受信者との契約により通信網自体に限定受信システム(CAS)が適用されているため、コンテンツの暗号化はもちろんのこと、送受信者間における盗聴の危険性も低下することとなり、著作権保護の安全性をより高めることが可能である。さらに本変更例では、暗号化ディスクレコーダーキーを送信する通信網と、暗号化コンテンツ、暗号化タイトルキーを送信する通信網が分離されることにより、正しい暗号化コンテンツと暗号化キーセットを取得することがより困難となり、著作権保護の安全性をさらに高めることが可能である。
【0066】
(3)未記録媒体の流通経路を利用したコンテンツの配信記録装置
さらには、図8に示すように、ブランクメディアに、暗号化ディスクキーEDkが既に記録された状態で配布し、窓口において、配布されたブランクメディアから、暗号化ディスクキーEDkを読み出して、暗号化ディスクキーEDkを特定する読出手段を設け、購入の際には、購入要求データに、ブランクメディア5から読み出された暗号化ディスクキーEDkに関する媒体識別し情報を記述して送信し、コンテンツホルダー2側では、媒体識別子情報に基づいて、ブランクメディア5の特定を行い、特定された暗号化ディスク鍵に合致したディスクキーを用いて暗号化を行う。
【0067】
この場合には、暗号鍵を配布する経路として、未記録媒体の流通経路そのものを用いるため、仮に、通信ネットワークを介してコンテンツや復号鍵を不正に入手したとしても、未記録媒体を正規の流通経路から入手できる消費者窓口でなければ、入手したコンテンツや復号鍵の復号を行うことができず、著作権保護の安全性をより高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施形態に係るコンテンツメディア販売システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係るコンテンツメディア販売方法の概要を示す説明図である。
【図3】実施形態に係るコンテンツ配信装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係るコンテンツメディア作成装置30の内部構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態に係るコンテンツ配信の手順を示すフローチャート図である。
【図6】実施形態に係るコンテンツメディアの作成の手順を示すフローチャート図である。
【図7】変更例に係るコンテンツメディア販売システムの全体構成を示すブロック図である。
【図8】変更例に係るコンテンツメディア販売システムの全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0069】
Cnt…コンテンツ
Dk…ディスクキー
ECnt…暗号化コンテンツ
EDRk…暗号化ディスクレコーダーキー
EDk…暗号化ディスクキー
ETk…暗号化タイトルキー
Mstk…マスターキー
Rk…レコーダーキー
Tk…タイトルキー
1…メディア製造者
2…コンテンツホルダー
3…消費者窓口
5…ブランクメディア
6…著作権管理団体
20…コンテンツ配信装置
21〜24…暗号化装置
25,34…第1通信I/F
26,35…第2通信I/F
27…要求解析手段
28…鍵情報設定手段
30…コンテンツメディア作成装置
31…復号化装置
32…記録装置
33…記憶手段
36…購入要求手段
37〜39…取得手段
41,42…通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ提供者から提供されるコンテンツを、消費者窓口側に設置されたデータ書込装置によって記録媒体に記録しコンテンツメディアとして販売するために、通信ネットワークを介して該コンテンツの配信を行うコンテンツ配信装置であって、
各コンテンツ毎に設定されたタイトル鍵を用いて、該コンテンツの暗号化を行い、暗号化コンテンツを生成するコンテンツ暗号化手段と、
前記コンテンツが記録される前の未記録媒体毎に設定されたディスク鍵を用いて、前記タイトル鍵の暗号化を行い、暗号化タイトル鍵を生成するタイトル鍵暗号化手段と、
前記データ書込装置毎に設定されたレコーダー鍵を用いて、前記ディスク鍵の暗号化を行い、暗号化ディスク鍵を生成するディスク鍵暗号化手段と、
前記コンテンツの購入を要求する購入要求データを受信し、受信された購入要求データに含まれる、当該購入要求データに係るコンテンツ、前記記録媒体、及び要求元のデータ書込装置を特定する購入要求解析手段と、
前記購入要求解析手段によって特定された、コンテンツ、未記録媒体及びデータ書込装置に応じて、前記タイトル鍵、前記ディスク鍵、及び前記レコーダー鍵の設定を行う鍵情報設定手段と、
前記各暗号化手段により生成された暗号化コンテンツ、暗号化タイトル鍵、及び暗号化ディスク鍵のうち、少なくとも暗号化コンテンツを前記通信ネットワークを通じて配信する第1の通信手段と、
前記各暗号化手段により生成された暗号化コンテンツ、暗号化タイトル鍵、及び暗号化ディスク鍵のうち、前記暗号化コンテンツ以外の暗号化データを、前記第1の通信手段の通信経路とは別個の通信経路で配信する第2の通信手段と
を備えることを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項2】
前記第1の通信手段及び前記第2の通信手段の通信経路のうちいずれか一つが、通信衛星を介してデータの送受信が可能な通信衛星回線であることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項3】
前記未記録媒体は、前記暗号化ディスク鍵が既に記録された状態で配布され、
前記購入要求データには、前記要求元に配布された未記録媒体から読み出された暗号化ディスク鍵を特定する媒体識別子情報が含まれ、
前記購入要求解析手段は、前記媒体識別子情報に基づいて、未記録媒体の特定を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項4】
コンテンツ提供者から提供されるコンテンツを、消費者窓口側において記録媒体に記録しコンテンツメディアとして販売するために、通信ネットワークを介して該コンテンツを受信し、書込を行うコンテンツメディア作成装置であって、
当該コンテンツメディア作成装置に固有のレコーダー鍵を記憶保持する記憶手段と、
購入するコンテンツ、該コンテンツが記録される未記録媒体、及び要求元のデータ書込装置を特定する購入要求データを生成し、前記コンテンツ提供者に対して送信する購入要求手段と、
前記購入要求データに応じたコンテンツに対して設定されたタイトル鍵を用い、該コンテンツの暗号化を行って生成された暗号化コンテンツを、取得する暗号化コンテンツ取得手段と、
前記購入要求データに応じた未記録媒体に対して設定されたディスク鍵を用い、前記タイトル鍵の暗号化を行って生成された暗号化タイトル鍵を取得する暗号化タイトル鍵取得手段と、
前記購入要求データに応じたデータ書込装置に対して設定されたレコーダー鍵を用い、前記ディスク鍵の暗号化を行って生成された暗号化ディスク鍵を取得する暗号化ディスク鍵取得手段と、
前記各取得手段により取得される暗号化コンテンツ、暗号化タイトル鍵、及び暗号化ディスク鍵のうち、少なくとも暗号化コンテンツを、前記通信ネットワークを通じて受信する第1の通信手段と、
前記各取得手段により取得される暗号化コンテンツ、暗号化タイトル鍵、及び暗号化ディスク鍵のうち、前記暗号化コンテンツ以外の暗号化データを、前記第1の通信手段の通信経路とは別個の通信経路で受信する第2の通信手段と、
前記各取得手段により取得された暗号化コンテンツ、暗号化タイトル鍵、又は暗号化ディスク鍵を、前記記憶手段に記憶されたレコーダー鍵を用いて復号し、前記未記録媒体に記録する記録手段と
を備えることを特徴とするコンテンツメディア作成装置。
【請求項5】
前記第1の通信手段及び前記第2の通信手段の通信経路のうちいずれか一つが、通信衛星を介してデータの送受信が可能な通信衛星回線であることを特徴とする請求項4に記載のコンテンツメディア作成装置。
【請求項6】
前記未記録媒体は、前記暗号化ディスク鍵が既に記録された状態で配布され、
購入要求手段は、前記要求元に配布された未記録媒体から、暗号化ディスク鍵を特定する媒体識別子情報を読み出す読出手段を備え、
前記購入要求データには、前記読出手段で読み出された媒体識別子情報が含まれる
ことを特徴とする請求項4に記載のコンテンツメディア作成装置。
【請求項7】
コンテンツ提供者から提供されるコンテンツを、消費者窓口側に設置されたデータ書込装置によって記録媒体に記録しコンテンツメディアとして販売するコンテンツ販売方法であって、
前記コンテンツが記録される前の未記録媒体を、前記データ書込装置側に予め配布しておき、
前記データ書込装置側において、購入されるコンテンツ、該コンテンツが記録される未記録媒体、及び要求元のデータ書込装置を特定する購入要求データを生成し、通信ネットワークを通じて、前記コンテンツ提供者側のコンテンツ配信装置に対して送信する購入要求ステップと、
コンテンツ配信装置において、受信された購入要求データに含まれる、当該購入要求データに係るコンテンツ、該未記録媒体、及び要求元のデータ書込装置を特定する購入要求解析ステップと、
前記購入要求解析ステップによって特定された、コンテンツ、未記録媒体及びデータ書込装置に応じて、前記タイトル鍵、前記ディスク鍵、及び前記レコーダー鍵の設定を行う鍵情報設定ステップと、
設定された前記タイトル鍵を用いて、該コンテンツの暗号化を行い、暗号化コンテンツを生成するコンテンツ暗号化ステップと、
設定された前記ディスク鍵を用いて、前記タイトル鍵の暗号化を行い、暗号化タイトル鍵を生成するタイトル鍵暗号化ステップと、
設定された前記レコーダー鍵を用いて、前記ディスク鍵の暗号化を行い、暗号化ディスク鍵を生成するディスク鍵暗号化ステップと、
前記各暗号化手段により生成された暗号化コンテンツ、暗号化タイトル鍵、及び暗号化ディスク鍵のうち、少なくとも暗号化コンテンツを、前記通信ネットワークを通じて第1の通信手段から配信するとともに、前記各暗号化手段により生成された暗号化データのうち、前記暗号化コンテンツ以外のデータを、前記第1の通信手段の通信経路とは別個の通信経路で第2の通信手段から配信する配信ステップと、
前記データ書込装置側において取得された暗号化コンテンツ、暗号化タイトル鍵、及び暗号化ディスク鍵のうち少なくとも一つを、当該データ書込装置に固有のレコーダー鍵を用いて復号する復号ステップと、
暗号化コンテンツ、暗号化タイトル鍵、又は暗号化ディスク鍵、又は復号された鍵を前記未記録媒体に記録する記録ステップと
を備えることを特徴とするコンテンツ販売方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−9523(P2009−9523A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172678(P2007−172678)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】