説明

コンバイン

【課題】
走行車台の左右一側にグレンタンクを、左右他側に脱穀部を搭載し、左右の車体水平制御機構を備えたコンバインにおいて、グレンタンクの重量増加による、湿田等での走行不能状態を回避する。
【解決手段】
脱穀クラッチスイッチ(SW3)及び前記自動水平制御スイッチ(SW1)が入りの状態において、前記グレンタンク(5)搭載側のクローラ走行装置(2)の相対高さ検出手段(SE1)が走行車台(1)に対する当該クローラ走行装置(2)の設定高さ(H)以上の下降を検出した場合に、グレンタンク(5)からの穀粒排出を促すべく報知手段(32)を作動させるコントローラ(31)を設ける。また、設定高さ(H)を設定可能な報知高さ設定手段(SW2)を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインは、不整地の走行を可能にするために、左右2つの無限軌道式の走行装置を採用している。この走行装置は走行車体の下部に設けられ、走行装置と走行車体との間に水平制御機構を設けることで、圃場の凹凸や軟弱度に応じて、機体の前後及び左右の傾斜角度を水平又は一定の傾斜角度に維持する車体水平制御を行なうことで、圃場内を安定して走行、旋回を可能にしている。例えば、特許文献1には、湿田作業において旋回内側の走行装置の駆動速度を上昇させるとともに、車体水平制御を行なう技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−192472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コンバインが前記車体水平制御を行いながら走行している場合、湿田等の軟弱地であるために走行装置が沈下していても搭乗している操縦者が気づき難い。一般的にコンバインは走行車体の左右一側に脱穀装置を、他側に貯留装置を搭載しているが、刈取収穫作業を行い貯留装置の重量が増加すると、貯留装置側の走行装置が沈下してしまい、圃場脇の運搬車等に貯留装置内の穀粒を排出するために移動することが困難になることがある。
【0005】
本発明の課題は、上記問題を解消し、収穫作業を円滑に行うことができるコンバインの制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、走行車台(1)の左右一側にグレンタンク(5)を、左右他側には脱穀装置(6)を搭載し、走行車台(1)に対して、該走行車台(1)の下部に設けた左右のクローラ走行装置(2,2)を夫々独立して昇降させる昇降手段(33R,33L)と、走行車台(1)に対する左右のクローラ走行装置(2,2)の高さを検出する相対高さ検出手段(SE1,SE2)を設け、自動水平制御スイッチ(SW1)の入り状態を検出すると、走行車台(1)の水平面に対する傾斜角度を検出する傾斜センサ(SE5)の検出結果に応じて前記昇降手段(33R,33L)を作動させて走行車台(1)を水平に維持する車体水平制御を行なう制御装置を備えたコンバインにおいて、脱穀クラッチスイッチ(SW3)及び前記自動水平制御スイッチ(SW1)が入りの状態において、前記グレンタンク(5)搭載側のクローラ走行装置(2)の相対高さ検出手段(SE1)が走行車台(1)に対する当該クローラ走行装置(2)の設定高さ(H)以上の下降を検出した場合に、グレンタンク(5)からの穀粒排出を促すべく報知手段(32)を作動させるコントローラ(31)を設けたことを特徴とするコンバインとした。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記設定高さ(H)を設定可能な報知高さ設定手段(SW2)を設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとした。
請求項3の発明は、機体旋回時における旋回内側のクローラ走行装置(2)の停止または逆転を牽制して当該旋回内側のクローラ走行装置(2)を旋回外側のクローラ走行装置(2)よりも低速で正転駆動させる湿田モードスイッチ(SW4)を設け、該湿田モードスイッチ(SW4)がONの状態においてのみ、前記報知手段(32)が作動しうる構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンバインとした。
【0008】
請求項4の発明は、前記グレンタンク(5)に貯留された穀粒の量を検出する穀粒量検出センサ(SE4)を設け、該穀粒量検出センサ(SE4)の検出値が設定値(S)よりも大きい状態において、グレンタンク(5)搭載側へ旋回する場合には、旋回内側のクローラ走行装置(2)の駆動速度を、穀粒量検出センサ(SE4)の検出値が前記設定値(S)以下である場合よりも増速させ、脱穀装置(6)搭載側へ旋回する場合には、旋回内側のクローラ走行装置(2)の駆動速度を、穀粒量検出センサ(SE4)の検出値が前記設定値(S)以下である場合よりも減速させ、前記設定値(S)をグレンタンク(5)の重量と脱穀装置(6)の重量とが略等しくなる貯留量に対応する値に設定したことを特徴とする請求項3記載のコンバインとした。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によると、グレンタンク(5)搭載側のクローラ走行装置(2)の相対高さ検出手段(SE1)が走行車台(1)に対する当該クローラ走行装置(2)の設定高さ(H)以上の下降を検出した場合に、グレンタンク(5)の報知手段(32)を作動させて、オペレータにグレンタンク(5)の穀粒の排出を促すので、グレンタンク(5)の貯留容積には余裕があっても操縦者にグレンタンク(5)の適切な穀粒の排出タイミングを知らせることができる。すなわち、グレンタンク(5)の重量増加により、グレンタンク(5)側のクローラ走行装置(2)が設定高さ(H)よりも下降した場合に、クローラ走行装置(2)の沈下によって走行不能な状態となることを未然に防止することができる。
【0010】
請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明による効果に加えて、設定高さ(H)を設定可能な報知高さ設定手段(SW2)を設けたので、圃場の種々の硬軟状態に合わせて適正な穀粒排出時期を報知することができ、能率的な収穫作業をすることができる。
【0011】
請求項3記載の発明によると、上記請求項1又は請求項2記載の発明による効果に加えて、湿田モードスイッチ(SW4)がONのときにだけ報知手段(32)が作動するので、湿田での旋回性能を高めることができ、乾田での作業時にグレンタンク(5)の穀粒が満杯にならない状態での報知手段(32)の報知を防止し、収穫作業を能率的に行なうことができる。
【0012】
請求項4の発明によると、上記請求項3記載の発明による効果に加えて、グレンタンク(5)の重量と脱穀装置(6)の重量とが略等しくなる貯留量に設定した設定値(S)に対する貯留量の偏差に応じて旋回内側の走行装置の回転速度を変更するので、グレンタンク(5)の穀粒貯留量が変化しても、円滑に機体の旋回を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】コンバインの全体側面図。
【図2】コンバインの全体平面図。
【図3】走行ミッションケースの展開した切断正面図。
【図4】制御ブロック図。
【図5】コンバインの正面図。
【図6】走行車台の左右昇降構成を示す側面図。
【図7】フローチャート。
【図8】フローチャート。
【図9】フローチャート。
【図10】制御ブロック図。
【図11】操向パワステレバーの傾倒角と旋回ブレーキ圧との関係を示す図。
【図12】制御ブロック図。
【図13】コンバインの前側部の側面図。
【図14】コンバインの前側部の切断平面図。
【図15】コンバインの操縦部の正面図。
【図16】コンバインの操縦部の正面図。
【図17】操向パワステレバーの側面図、背面図。
【図18】エンジン、マフラー部の斜視図。
【図19】マフラー部の斜視図、正面図。
【図20】エンジン、マフラー部の斜視図、平面図。
【図21】排出オーガ、燃料タンク部の側面図、平面図、背面図。
【図22】クローラ走行装置の側面図。
【図23】グレンタンクの貯留量と旋回ブレーキ圧との関係を示す図。
【図24】グレンタンクの貯留量と旋回ブレーキ圧との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明の実施例について説明する。まず、図1及び図2に基づき本発明を実施しているコンバインの全体構成について説明する。
コンバインの走行車台1の下方には左右クローラ走行装置2,2を配設し、走行車台1上には、右側前部に座席付きの操縦部3を、操縦部3の後方下部にはエンジンを備えた原動部4を、原動部4の後方には穀粒収納用のグレンタンク5を配設している。走行車台1の左側部に脱穀装置6を搭載し、走行車台1の前側部には刈取搬送部7を昇降自在に設け、脱穀装置6及びグレンタンク5の後方に排稾処理装置8を設けている。また、グレンタンク5の後側部に排出オーガ9を設け、グレンタンク5内の穀粒を外部に排出するようにしている。
【0015】
しかして、圃場の穀稈を刈取搬送部7の分草杆により穀稈条列毎に分草し穀稈引起し装置に案内し、次いで、穀稈引起し装置で穀稈を引起し、引き起こした穀稈を掻込搬送装置で後方へ掻き込み搬送し刈刃装置で刈り、中継ぎ搬送装置で左右方向中央部へ集送しながら中継ぎ搬送し、次いで、引継ぎ搬送装置を経て脱穀装置6のフィードチエンへ穀稈を引き継ぎ搬送する。次いで、脱穀装置6で脱穀選別し、一番穀粒を一番揚穀機で揚穀しグレンタンク5に貯溜する。
【0016】
また、コンバインは操縦部3の操縦席において主変速レバー11及び副変速レバー(図示省略)を操作すると、エンジンの動力をミッションケース内の無段変速装置及び副変速装置で変速し、左右クローラ走行装置2,2に伝達し任意の速度で走行する。
【0017】
また、コンバインはオペレータが操縦席において操向パワステレバー12を左右に傾動操作することにより、旋回走行することができる。すなわち、操向パワステレバー12を旋回走行する方向に傾動操作すると、ミッションケース内のサイドクラッチと旋回クラッチが作動し、左右のクローラ走行装置2,2に速度差が与えられ走行方向の変更をすることができる。
【0018】
次に、図3に基づき走行ミッション装置について説明する。
走行ミッション装置15は、油圧式無段変速装置16の出力軸16a、第1副変速軸17、第2副変速軸18、サイドクラッチ軸19、左右ホイール軸20L,20Rを備えている走行ミッション基本伝動系と、クラッチ装置及びブレーキ装置を備えたクラッチブレーキ軸22と差動歯車機構支持用の支持軸23を備えた走行ミッション差動伝動系を備えている。
【0019】
走行ミッション基本伝動系には、エンジンからの回転動力が走行用無段変速装置16に伝達され、正逆転の切り換えや変速回転動力が出力軸16aから出力され、主変速レバー11により増減速の変速と前後進の切り換えがなされる。そして、操向パワステレバー12(図1に示す)の左右傾動操作により、サイドクラッチ、旋回クラッチ、差動歯車機構25を作動させ、左右ホイール軸20L,20Rを制動しながら旋回走行する構成である。
【0020】
走行ミッション装置15について更に説明を加えると、走行ミッション基本伝動系は、油圧式無段変速装置16からの駆動力を第一副変速軸17及び第二副変速軸18を介してサイドクラッチ軸19と一体のセンタギア19Cに伝達する。サイドクラッチ軸19には、該サイドクラッチ軸19に回転自在かつ軸方向移動可能な右サイドギア19R及び左サイドギア19Lを設けている。このサイドギア19R,19Lはセンタギア19C側の端面に爪クラッチを備え、図示せぬシフタによってセンタギア19Cに押付けられてセンタギア19Cの側面の爪クラッチと係合することで、サイドクラッチ軸19と一体回転する。なお、両サイドギア19R,19Lは夫々独立したシフタを持つ構成としている。そして、右サイドギア19Rは前記支持軸23の右スパーギア23Rbと、左サイドギア19Lは同様に左スパーギア23Lbと噛合わせている。
【0021】
走行ミッション差動伝動系は旋回力(左右のクローラ走行装置2,2の速度差)を調節する。クラッチブレーキ軸22には、直進入力ギア22cと旋回入力ギア22dとを夫々クラッチブレーキ軸22に回転自在に備える。旋回入力ギア22dは直進入力ギア22cよりも大径に設定している。
【0022】
直進入力ギア22cからは、直進クラッチ22bを接続することでクラッチブレーキ軸22に動力を伝達し、旋回入力ギア22dからは旋回クラッチ22aを接続することでクラッチブレーキ軸22に動力を伝達する。直進クラッチ22b及び旋回クラッチ22aは、湿式多板クラッチであり、切換える過程で動力伝達上手側と下手側との回転速度が連続的に同期されるものである。クラッチブレーキ軸22は支持軸23のケースギア23Cに動力を伝達する。
【0023】
しかして機体直進時には、サイドクラッチ軸19のセンタギア19Cに、右サイドギア19R及び左サイドギア19Lを押付けた状態として一体回転させ、この両サイドギア19R,19Lより両スパーギア23Rb,23Lbを介して左右ホイール軸23R,20Lを駆動する。
【0024】
機体旋回時には、サイドギア19R,19Lのうち、旋回内側のサイドギアへの駆動力を遮断すると共に、クラッチブレーキ軸22のブレーキクラッチ圧調整ソレノイドSL1を直進クラッチ22b側より徐々に旋回クラッチ22a側に切換える。これにより、左右ホイール軸20R,20Lのうち、旋回外側のホイール軸はサイドギアより駆動され、旋回内側のホイール軸には、旋回外側のスパーギアに入力された回転と、ケースギア23Cの回転を合成した回転が出力される。
【0025】
なお、以下の説明では、ブレーキクラッチ圧調整ソレノイドSL1への送油圧力、即ち前記直進クラッチ22b側から旋回クラッチ22a側に切換える圧力をブレーキ圧と称することがある。
【0026】
車体水平制御について説明する。
操縦部3に設けている車高上げスイッチ、車高下げスイッチを操作し、走行車台1の地上高さを適正に保持したり、車高右傾斜スイッチ、車高左傾斜スイッチを操作し左右傾斜手段を作動させ、また、前上りスイッチ、前下げスイッチを操作し前後傾斜手段を作動させ、コンバインの車体の傾斜を調節するようにしている。
【0027】
すなわち、右側車高センサ(相対高さ検出手段)SE1、左側車高センサ(相対高さ検出手段)SE2の出力、水平面に対する前後左右の傾斜角度を検出する傾斜センサSE5、ピッチングシリンダセンサの検出情報に基づき、コントローラ31の制御指令により、走行車台1の左右傾斜調節及び前後傾斜調節をし、走行車台1を水平に自動制御するように構成している。
【0028】
また、湿田モードスイッチSW4を設けている。この湿田モードスイッチSW4は後進時に車高を上げるかあるいは車高上げと同時に車体を前上げ状態にするものである。前記湿田モードスイッチSW4は湿田内を走行中に操向パワステレバー12の切れ角度が所定の切れ角になると、旋回内側の左右ホイール軸20L,20Rの回転数を乾田または路上走行時の設定値よりも上げる(旋回内側のクラッチ、ブレーキの油圧を下げる)ものである。また、自動水平制御スイッチSW1を設け、自動水平制御スイッチSW1は車体の左右方向傾斜あるいは前後方向傾斜の少なくともいずれか一方を水平状態に保つ制御を行なうためのスイッチである。
【0029】
次に、図4乃至図6に基づき他の車体水平制御について説明する。
図4に示す制御ブロック図において、コントローラ31の入力側に接続されているのは、脱穀スイッチ(脱穀クラッチスイッチ)SW3、湿田モードスイッチSW4、右側車高センサSE1及び左側車高センサSE2、警告高さ設定ダイヤル(警告高さ設定手段)SW2、自動水平制御スイッチSW1である。また、出力側には、本発明の昇降手段である昇降シリンダ(右)33R及び昇降シリンダ(左)33L、報知手段32として穀粒満杯ランプ32a及びホーン32bを接続している。
【0030】
自動車体水平制御機構を備えたコンバインにおいて、自動水平制御スイッチSW1が入りの作業中に昇降シリンダ(右)33Rが伸長しグレンタンク5側の車体の車高が最上げ状態となると、コントローラ31の制御指令により、グレンタンク5の穀粒満杯ランプ32aが点灯しホーン32bで警告を発する(また操作パネルの表示画面に「グレンタンクの穀粒を排出してください。」と表示する)ようにしている。
【0031】
コンバインの湿田での作業では収穫穀粒が多くなるとその重量により、グレンタンク5側の右クローラ走行装置2が脱穀装置6側の左クローラ走行装置2よりも沈下する傾向にある。作業中は車体水平制御が作動中の場合には、車体が水平に保たれているため、穀粒の重量による右クローラ走行装置2の沈下量が分かりにくく、オペレータはグレンタンク5にどれぐらい穀粒が入ったかを気にしながら作業をしなければならない。また、グレンタンク5に穀粒が多量に入ったことに気付いた時には、車体のグレンタンク5側が最大傾斜状態となっていて、穀粒排出位置までコンバインを走行させることができない不具合が発生することがある。
【0032】
しかし、この実施例では、図7に示すように、刈取・脱穀クラッチの入り状態を刈取・脱穀クラッチスイッチSW3が検出し(ステップS1)、自動水平制御スイッチSW1が入り(ステップS2)の場合には、グレンタンク5搭載側の右側車高センサSE1が最上げ状態を検出すると(ステップS3)、グレンタンク5の穀粒満杯ランプ32aが点灯し、ホーン32bで警告を発して(ステップS4)、オペレータに穀粒の排出を促すようにしている。
【0033】
従って、グレンタンク5に容量的には余裕があっても、地盤が軟弱であるために走行可能な重量の限界が低い場合であっても、穀粒の適切な排出タイミングをオペレータに知らせることができ、前記不具合を回避することができる。
【0034】
また、前記制御において、報知高さ設定手段SW2を設け、警報を発する右側車高センサSE1の検出値を変更できるように構成すると、種々の湿田状態に合わせて適正な穀粒排出時期に報知することができ、能率的に収穫作業をすることができる。
【0035】
また、前記報知高さ設定手段SW2を設けた場合には、図8に示すように、刈取・脱穀クラッチの入り状態を刈取・脱穀クラッチスイッチSW3が検出し(ステップS11)、自動水平制御スイッチSW1が入り(ステップS12)の場合には、グレンタンク5搭載側の右側車高センサSE1が報知高さ設定ダイヤルSW2による設定値(設定高さ)H以上の車高上昇を検出すると(ステップS13)、グレンタンク5の穀粒満杯ランプ32を点灯し、ホーン32bで警告を発して(ステップS14)、オペレータに穀粒の排出を促すようにしている。
【0036】
また、前記グレンタンク5の穀粒排出警報制御は湿田モードスイッチSW4がONのときにだけ行なうようにしている。
すなわち、図9に示すごとく構成してもよい。刈取・脱穀クラッチスイッチSW3の入り状態を刈取・脱穀クラッチスイッチSW3が検出し(ステップS21)、自動水平制御スイッチSW1が入り(ステップS22)で、湿田モードスイッチSW4がON(ステップS23)の場合には、グレンタンク5搭載側の右側車高センサSE1がグレンタンク警報調節スイッチの設定値以上の重量を検出すると(ステップS24)、グレンタンク5の穀粒満杯ランプ32が点灯し、ホーン32bで警告を発して(ステップS25)、オペレータに穀粒の排出を促すようにしている。
【0037】
次に、図3、図10及び図11基づき左右クローラ走行装置2,2の旋回制御について説明する。
単一の差動歯車機構25を使用し、左右クローラ走行装置2,2の左右ブレーキ圧を調整しながら旋回するコンバインにおいて、操向ブレーキ圧調整ダイヤル(右)SW5と、ブレーキ調整ダイヤル(左)SW6を設け、左右のブレーキ圧をそれぞれ設定可能に構成している。従って、操向パワステレバー12の操作方向により左右いずれかの旋回方向を判定し、左右それぞれに設定されたブレーキ圧力によりクラッチブレーキ軸22の左右ブレーキ装置を作動し、左右ホイール軸20L,20Rを制動し左右クローラ走行装置2,2を駆動しながら旋回する。
【0038】
図10に示すように、コントローラ31の入力側に、操向パワステレバー12の操作位置検出用の操向パワステレバーセンサSE3と、操向ブレーキ圧調整ダイヤル(右)SW5と、ブレーキ調整ダイヤル(左)SW6を接続している。コントローラ31の出力側に、ブレーキクラッチ圧調整ソレノイドSL1、プッシュシリンダソレノイド(右)SL2、プッシュシリンダソレノイド(左)SL3を接続している。
【0039】
操向ブレーキ圧調整ダイヤル(右)SW5、操向ブレーキ調整ダイヤル(左)SW6を高低に調整すると、図11に示すように、左右の旋回ブレーキ圧を左右ブレーキ圧基準線Lk、Rkに対して左右高圧ブレーキ圧線Lu,Ru側に、あるいは、左右低圧ブレーキ圧線Ld,Rd側に調整することができる。
【0040】
しかして、操向パワステレバー12を左右操向操作をすると、操作方向により左右いずれかの旋回方向を判定し、左右それぞれに設定されたブレーキ圧力に応じて左右ブレーキ装置が制動され左右旋回することができる。
【0041】
単一の差動歯車機構25を使用し左右クローラ走行装置2,2の左右ブレーキ圧を調整しながら旋回するコンバインにおいては、左右それぞれのブレーキ圧調整ができないため、圃場や路面状態により適正なブレーキ圧への調整が困難であった。
【0042】
しかし、前記構成によると、左右クローラ走行装置2,2に対して左右独立したブレーキ圧の調整ができ、圃場や路面状態に応じたブレーキ圧の調整が容易になり、左右旋回操向の操作性を向上させることができる。
【0043】
上記旋回制御はグレンタンク5に貯留される穀粒の量に応じて旋回ブレーキ圧の調整を行なっている。(図3、図11及び図12を参照。)
走行車台1の右側にグレンタンク5を搭載し、左側に脱穀装置6を搭載し、単一の差動歯車機構25を使用し、左右クローラ走行装置2,2のブレーキ圧を調整しながら旋回するコンバインにおいて、グレンタンク5に穀粒溜り量検出用の穀粒量検出センサSE4を設けている。クローラ走行装置2,2の旋回制御を、穀粒量検出センサSE4に連係させるにあたり、該穀粒量検出センサSE4の設定値Sを設定している。この設定値Sは機体左側の脱穀装置6の重量と、機体右側のグレンタンク5の重量とが、略等しくなるグレンタンク5の貯留量に対応する検出値に設定している。
【0044】
そして、穀粒量検出センサSE4の検出値が設定値Sよりも大のときには、図23に示すように、左旋回における左クローラ走行装置2のブレーキ力を標準よりも強くし、右旋回における右クローラ走行装置2のブレーキ力を標準よりも弱く設定する。また、穀粒量検出センサSE4の検出値が左側の脱穀装置6の重量に略等しいときには、左右クローラ走行装置2,2のブレーキ力を略等しいブレーキ力に設定する。
【0045】
また、穀粒量検出センサSE4の検出値が設定値Sよりも小のときには、図24に示すように、左旋回にける左クローラ走行装置2のブレーキ力を標準よりも弱く設定し、右旋回における右クローラ走行装置2のブレーキ力を標準よりも強く設定し、左右の旋回走行を同等に円滑に行なうようにしている。
【0046】
図11に示すように、左右クローラ走行装置2,2のブレーキ力は、穀粒量検出センサSE4の検出値が設定値Sである場合の、左右ブレーキ力基準線Lak,Rakに基づいて設定する。貯留量が設定値Sを超えて貯留容量の限界まで貯留された状態では、この左右ブレーキ力基準線Lak,Rakに対して所定比率で高くなるように強い左右ブレーキ力強設定線Lau,Rauを設定する。また、グレンタンク5に穀粒が貯留されていない状態では、左右ブレーキ力基準線Lak,Rakに対して、所定比率で弱くなるように弱い左右ブレーキ力弱設定線Lad,Radを設定している。しかして、左右クローラ走行装置2,2のブレーキ力は、左右ブレーキ力弱設定線Lad,Radから左右ブレーキ力強設定線Lau,Rauまでの範囲でグレンタンク5の貯留量の変化に応じて連続的に変化する構成としている。
【0047】
コンバインの作業ではグレンタンク5の穀粒量が少ないときには、右側のグレンタンク5側が左側の脱穀装置6側よりも軽く、グレンタンク5の穀粒量が多いときには、右側のグレンタンク5側が左側の脱穀装置6側よりも重くなる。そのため、左右クローラ走行装置2,2の駆動力に差が生じ、左右のブレーキ力が異なり、左右同等のブレーキ力を付与すると左右の旋回半径が変化し円滑に旋回できないという不具合が発生する。
【0048】
しかし、前記構成によると、グレンタンク5の穀粒貯留量に応じて左右クローラ走行装置2,2のブレーキ圧を自動的に調整するので、左右クローラ走行装置2,2に対して左右均等に旋回するブレーキ圧が得られ、旋回性能を向上させることができる。また、オペレータによる左右ブレーキ圧の調整も不要となり、旋回操作性を向上させることができる。
【0049】
また、左右のブレーキ圧を調整するにあたり、グレンタンク5側の右クローラ走行装置2と脱穀装置6側の左クローラ走行装置2とを独立して調整するので調整が容易となる。また、左右クローラ走行装置2,2の調整用のブレーキ圧基準線を設定するにあたり、右側のグレンタンク5の重量と左側の脱穀装置6の重量が略等しくなる状態での左右ブレーキ力基準線Lak,Rakを同じ傾斜に設定し、強い左右ブレーキ力強設定線Lau,Rau、及び、左右ブレーキ力弱設定線Lad,Radを左右ブレーキ力基準線Lak,Rakに対して所定比率で増減変化させ変化量を少なくしながら設定でき、旋回性を安定した状態で調整することができる。
【0050】
次に、図13及び図14に基づきコンバインの補助ステップ71について説明する。
操縦部3の右側部のオペレータの乗降部下方部位に補助ステップ71を右側へ突出するように設けている。この補助ステップ71を操縦部3の右側端部から右側方に延出し、且つ後側部ほど右側に長く突出するようにし、足の接地面積を広くし、乗降の安全を図っている。
【0051】
また、操縦部3の後方には原動部4を近接させて設けエンジン(図示省略)を配設し、エンジンの右側部をラジエータカバー72で被覆している。そして、ラジエータカバー72の下端部を前後方向に沿った前後ピン72a,72aにより開閉可能に支持している。また、補助ステップ72の後側端部をラジエータカバー72の前ピン72aの近傍下方まで延出し、ラジエータカバー72の前側下端を下方から覆い、ラジエータカバー72の障害物への衝突を防止している。
【0052】
また、補助ステップ72を機体に取り付けるにあたり、図15に示すように、右側の車体フレーム73の内側上部にブラケット73aを取り付け、補助ステップ71の内側下面を車体フレーム73とブラケット73aの上面に載置し、ボルト・ナット74で着脱自在に取り付け、変形しても交換できるようにしている。
【0053】
また、図16に示すように、右側の車体フレーム73の外側部上部に前後方向から見て外側に屈曲している支持部材73bを取り付け、補助ステップ7を下方から支持すると共に、前記ラジエータカバー72の前ピン72aを下方から覆うようにしてもよい。このようにすると、補助ステップ71及びラジエータカバー72の支持部を防護し、変形破損を防止することができる。
【0054】
また、補助ステップ71を前後方向から見て断面コ字型に屈折して構成し、且つ後側を幅広に構成すると、補助ステップ71を強固に構成しながら、ラジエータカバー72の支持部の破損を効果的に防止することができる。
【0055】
次に、図18に基づき操向パワステレバー12の他の実施例について説明する。
操向パワステレバー12は左右方向に操作することにより、旋回内側の左右クローラ走行装置2を制動し進行方向を変え、また、前後方向に操作することにより、刈取搬送部7を昇降するもので、この操向パワステレバー12の操作部12aに掻込スイッチSW7を設けている。
【0056】
この掻込スイッチSW7はコントローラ31に接続されていて、主変速レバー11が中立位置で、刈取・脱穀クラッチレバーが入りの状態で、掻込スイッチSW7をONにすると、ミッションケース内の左右サイドクラッチを切り作動し、左右クローラ走行装置2,2の走行を停止し、且つ、脱穀装置6のフィードチエンを駆動し、脱穀作業を継続することができる。
【0057】
また、掻込スイッチSW7がON状態では、主変速レバー11を前側に倒す前進操作をしても、左右クローラ走行装置2,2の停止状態を維持し、操作の簡単化を図っている。
また、刈取・脱穀クラッチレバーが入りでないときには、掻込スイッチSW7をONにしても、左右サイドクラッチは切り作動しないようにすると、操作を簡単化し刈取・脱穀作業を円滑に行なうことができる。
【0058】
次に、図18及び図19に基づきエンジンEへのマフラー79の取付構成について説明する。
エンジンEのフライホイール77側から後側板78を右側に突出するように取り付け、後側板78にマフラーブラケット79aを介してマフラー79を取り付け、排気マニホールドから延出しているエキゾーストパイプ80をマフラー79に接続している。
【0059】
また、後側板78の先端側上下部を前側にL字型に屈折して上側取付板78aを構成し、先端側下部から前側へ延出している下側取付板78bを溶接などで取り付けている。また、マフラーブラケット79aを横断面コ字型に屈折して上側取付板79b、下側取付板79cを構成している。そして、これらを接合しボルト・ナット81で固着し、円筒状のマフラー79を上下方向に沿うように取り付けている。
【0060】
また、後側板78の上側取付板78aと下側取付板79bの間、及び、下側取付板78bと下側取付板79cとの間に、ナットのインサートされている円筒状弾性体82,82を介装し、マフラー79の長手方向に沿ったボルト・ナット81,81の締め付け具合により、弾性体82のバネ定数を調整できるようにしている。
【0061】
前記構成により、マフラー79を振動を抑制しながら強固に取り付けることができる。
また、図20のように構成してもよい。上下方向に沿ったマフラー79から長手方向に沿うように内側ブラケット79e,外側ブラケット79fを延出し、この内側ブラケット79e,外側ブラケット79fの上下長さをマフラー79の長さの1/2以上の長さとしている。エンジンE側に上下方向に沿った内側取付板Ea,外側取付板Ebを設けて、内側ブラケット79eと内側取付板Eaの間、及び、外側ブラケット79fと外側取付板Ebとの間に、円筒状弾性体82,…を介装し、ボルト・ナット81,81でバネ定数を調節自在に取り付けている。
【0062】
次に、図21に基づき燃料タンク86への燃料供給構成について説明する。図21において、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
走行車台1の右側後部にグレンタンク5の穀粒排出用の排出オーガ85を配設し、排出オーガ85の左側部に燃料タンク86を配設し、給油口86aを排出オーガ85の近傍に臨ませている。燃料載せ台87を例えば角パイプでU字型に屈折構成している。排出オーガ85の下側部に設けている取付板85bに排出オーガモータ85aを取り付け、この取付板85bに燃料載せ台87の支持部87a,87aを燃料タンク86の給油口86aよりも高い位置に設けている。
【0063】
しかして、ポリタンク88を利用して燃料タンク86に燃料を供給する際には、燃料載せ台87の端部角パイプ部を排出オーガ85側の支持部87a,87aに挿入固定し、燃料載せ台87にポリタンク88を載置し、燃料を楽に供給することができる。また、終了後には排出オーガ85の下端部の走行車台1の右側フレーム部1aの内側に収納するようにしている。
【0064】
前記構成によると、燃料載せ台87を簡単安価に構成し、燃料載せ台87の取付収納を迅速にしながら燃料タンク86に燃料を楽に供給することができる。また、燃料載せ台87を利用してコンバインの後側高所のメンテナンス作業を楽にすることができる。
【0065】
次に、図22に基づきクローラ走行装置2,2のクローラガイド2fについて説明する。
クローラ走行装置2,2は、前側の駆動スプロケット2a、後側の遊動ローラ2b、中間の中間転輪2c,…にクローラ2dを巻回し、中間転輪2c,…の左右中間部位下方に位置するようにクローラガイド2fを配置し、クローラフレーム2eにクローラガイド2fを固定状態に支持し、クローラ2bの芯金に接触させクローラ2bの脱輪防止を図っている。このような構成であると、クローラガイド2fとクローラ2dの芯金との間が拡がり、クローラ2dが脱輪することがある。
【0066】
このような不具合を防止するために、クローラガイド2fを一定張力のある板バネ2gを介してクローラフレーム2eに取り付け、クローラガイド2fをクローラ2dの芯金側に押圧し、隙間をなくして脱輪を防止している。また、板バネ2gを前後方向中間部が高位で前後両側が低位になる側面視変形U字型に屈曲構成し、この前後方向中間部をクローラフレーム2eに取り付け、低位の前後両側部をクローラガイド2fに取り付けてクローラガイド2fを下方に押圧し、上下及び左右に屈曲変形しながら押圧し、クローラガイド2fの摩耗を軽減しながらクローラ2dの脱輪防止を図っている。
【符号の説明】
【0067】
1 走行車台
2 クローラ走行装置
5 グレンタンク
6 脱穀装置
20L 左ホイール軸
20R 右ホイール軸
31 コントローラ
32 報知手段
33R,33L 昇降手段
H 設定高さ
S 設定値
SW1 自動水平制御スイッチ
SW2 報知高さ設定手段
SW3 脱穀クラッチスイッチ
SW4 湿田モードスイッチ
SE1,SE2 相対高さ検出手段
SE4 穀粒量検出センサ
SE5 傾斜センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車台(1)の左右一側にグレンタンク(5)を、左右他側には脱穀装置(6)を搭載し、走行車台(1)に対して、該走行車台(1)の下部に設けた左右のクローラ走行装置(2,2)を夫々独立して昇降させる昇降手段(33R,33L)と、走行車台(1)に対する左右のクローラ走行装置(2,2)の高さを検出する相対高さ検出手段(SE1,SE2)を設け、自動水平制御スイッチ(SW1)の入り状態を検出すると、走行車台(1)の水平面に対する傾斜角度を検出する傾斜センサ(SE5)の検出結果に応じて前記昇降手段(33R,33L)を作動させて走行車台(1)を水平に維持する車体水平制御を行なう制御装置を備えたコンバインにおいて、脱穀クラッチスイッチ(SW3)及び前記自動水平制御スイッチ(SW1)が入りの状態において、前記グレンタンク(5)搭載側のクローラ走行装置(2)の相対高さ検出手段(SE1)が走行車台(1)に対する当該クローラ走行装置(2)の設定高さ(H)以上の下降を検出した場合に、グレンタンク(5)からの穀粒排出を促すべく報知手段(32)を作動させるコントローラ(31)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記設定高さ(H)を設定可能な報知高さ設定手段(SW2)を設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
機体旋回時における旋回内側のクローラ走行装置(2)の停止または逆転を牽制して当該旋回内側のクローラ走行装置(2)を旋回外側のクローラ走行装置(2)よりも低速で正転駆動させる湿田モードスイッチ(SW4)を設け、該湿田モードスイッチ(SW4)がONの状態においてのみ、前記報知手段(32)が作動しうる構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記グレンタンク(5)に貯留された穀粒の量を検出する穀粒量検出センサ(SE4)を設け、
該穀粒量検出センサ(SE4)の検出値が設定値(S)よりも大きい状態において、グレンタンク(5)搭載側へ旋回する場合には、旋回内側のクローラ走行装置(2)の駆動速度を、穀粒量検出センサ(SE4)の検出値が前記設定値(S)以下である場合よりも増速させ、脱穀装置(6)搭載側へ旋回する場合には、旋回内側のクローラ走行装置(2)の駆動速度を、穀粒量検出センサ(SE4)の検出値が前記設定値(S)以下である場合よりも減速させ、
前記設定値(S)をグレンタンク(5)の重量と脱穀装置(6)の重量とが略等しくなる貯留量に対応する値に設定したことを特徴とする請求項3記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−152117(P2012−152117A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12036(P2011−12036)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】