説明

コンパクトな液体洗濯洗剤組成物

洗濯のための商品であって、(a)コンパクトな液体洗濯組成物であって、水および非アミノ官能性溶媒を合計で組成物の5重量%〜45重量%含むコンパクトな液体洗濯組成物と、(b)コンパクトな液体洗濯洗剤組成物を放出可能に保存する水不溶性容器と、を含み、組成物が、20s−1で測定されるとき、1Pa.s(1,000cps)〜10Pa.s(10,000cps)の純粘度Vと、20s−1で測定されるとき、0.5V以下の希釈粘度Vと、を有し、好ましくは、洗濯組成物が希釈で薄まり、水不溶性容器がスクイーズ容器およびポンプ容器から選択される、商品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯用、液体組成物の保存および分注用の商品に関する。
【背景技術】
【0002】
液体やジェルのような液体洗濯製品は、固形状の洗剤よりも、多くの消費者に好まれる。また、多くの消費者は、その洗濯洗剤製品の性能を犠牲にしないことを望みつつ、資源を保護し無駄をなくそうと努める。さらに、ある国においては、大きいごみのパッケージ(例えば、プラスチック容器など)の処理には、ごみ分類などの面倒なリサイクル工程を必要であり、消費者にとっては費用がかかる。従って、濃縮洗濯製品またはいわゆるコンパクトな洗濯製品に高い関心がある。
【0003】
液体洗濯洗剤の圧縮は、技術的に問題がある。例えば、水および/または溶媒の容量を削減することにより、一般的に液体洗濯洗剤の粘度が増す。制御されない場合、圧縮による粘度のこのような増加は、使用中の適度な分注、相分離、溶解不良などの困難を増幅するような問題を引き起こす。過度に粘稠な製品は、容器から分注できない、または分注する場合に分注しにくい可能性がある。その一方、非常に低い粘度を有する組成物は、多くの場合、洗浄成分の好適なレベルを果たすには実用的ではなく、また消費者にとって十分な価値もない。
【0004】
コンパクトな液体洗濯洗剤および分注容器を含む商品を提供する上での問題を解決するには、製品製剤と分注容器の選択肢が、戸惑うほど多様に生じ、密接に関係しているため、配合者と包装技術者との間の学際的協力が必要となる。例えば、過度に粘稠な液体洗濯洗剤は、良好なクリーニング性能を有するように配合者により設計され得るが、コンパクトな液体洗剤は、それ自体が分注カップに不均一に分配され、分注された容量を読むまたは測定することを困難にするため、容量測定によって計量カップで分注することが厄介になる、またはそれが不可能ともなる場合がある。その一方で、製剤の特性を考慮せずに包装技術者により提供される包装の解決法は、多くの場合、役にたたないことが明らかである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、既存のコンパクトではない洗濯洗剤または希釈洗濯洗剤に性能が匹敵する濃縮またはコンパクトな液体洗濯洗剤の必要性が依然として残る。理想的には、任意のこのような同等の濃縮またはコンパクトな液体洗濯洗剤が、使用しやすく、消費者に審美的に魅力的な方法で提供されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、
洗濯のための商品であって、
(a)コンパクトな液体洗濯組成物であって、水および非アミノ官能性溶媒を合計で組成物の約5重量%〜約45重量%含むコンパクトな液体洗濯組成物と、
(b)コンパクトな液体洗濯洗剤組成物を放出可能に保存する水不溶性容器と、を含み、
組成物が、20s−1で測定されるとき、約1Pa.s(1,000cps)〜約10Pa.s(10,000cps)の純粘度Vと、20s−1で測定されるとき、約0.5V以下の希釈粘度Vと、を有する商品に関する。
【0007】
本発明の別の態様は、洗濯のための商品であって、
(a)コンパクトな液体洗濯洗剤であって、
(i)組成物の少なくとも10重量%の界面活性剤と、
(ii)組成物の少なくとも0.05重量%の香料と、
(iii)組成物の約1重量%〜約30重量%の水と、
(iv)組成物の約1重量%〜約15重量%の非アミノ官能性溶媒と、を含み、
水と非アミノ官能性溶媒との合計が、組成物の約5重量%〜40重量%であり、組成物が、20s−1で測定されるとき、約1Pa.s(1,000cps)〜約10Pa.s(10,000cps)の純粘度Vと、20s−1で測定されるとき、約0.5V以下の希釈粘度Vと、を有するコンパクトな液体洗濯洗剤と、
(b)コンパクトな液体洗濯洗剤組成物と直接接触し、かつコンパクトな液体洗濯洗剤組成物を放出可能に保存する水不溶性容器と、を含む商品に関する。
【0008】
本発明の別の態様は、洗濯用、接触する液体組成物の保存および分注用の商品であって、
(a)コンパクトな液体洗濯洗剤組成物であって、
(i)組成物の約20重量%〜約50重量%のアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤と、
(ii)組成物の約0.05重量%〜約3重量%の香料と、
(iii)組成物の約5重量%〜約30重量%の水と、
(iv)組成物の約3重量%〜約10重量%の非アミノ官能性溶媒と、
(v)組成物の約7重量%〜約20重量%の石鹸と、
(vi)組成物の約0重量%〜約1重量%のハイドロトロープおよび/または外部構造増粘剤と、
(vii)組成物の約0重量%〜約5重量%のアミンオキシドおよび/またはベタインと、を含み、
水および非アミノ官能性溶媒の合計は、組成物の少なくとも約15重量%〜約35重量%であり、コンパクトな液体洗濯洗剤は、20s−1で測定されるとき、約1Pa.s(1,000cps)〜約10Pa.s(10,000cps)の純粘度Vと、20s−1で測定されるとき、約0.5V以下の希釈粘度Vと、を有するコンパクトな液体洗濯洗剤組成物と、
(b)コンパクトな液体洗濯洗剤組成物と直接接触し、かつコンパクトな液体洗濯洗剤組成物を放出可能に保存する水不溶性容器と、を含む商品に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
商品−一実施形態では、本発明は、コンパクトな液体洗濯洗剤と、コンパクトな液体洗濯洗剤に直接接触し、かつ放出可能に保存する水不溶性容器と、を含む、洗濯用、液体組成物の保存および分注用の商品を対象とする。
【0010】
コンパクトな液体洗濯洗剤組成物−本明細書で使用するとき、「コンパクトな液体洗濯洗剤組成物」は、家庭用洗濯機で、例えば衣類などの繊維を濡らし洗浄することができる液体を含む、任意の洗濯処理組成物を示す。組成物は、適切に分類された形態で固形物またはガスを含むことができるが、全体的な組成物は、錠剤または粒剤などの概して非液体の製品形態は除外する。また概してガスである組成物も除外される。コンパクトな液体洗剤組成物は、存在する場合に、任意の固体の添加物を除外するが、任意の泡を含んで、1立方センチメートルあたり、約0.9グラム〜約1.3グラム、さらに具体的には、約1.00グラム〜約1.10グラムの範囲の密度を有する。
【0011】
コンパクトな液体洗濯洗剤組成物の例としては、自動洗濯機の洗濯サイクルで使用するための強力液体洗濯洗剤、デリケートな衣類(例えば絹または羊毛で出来ているもの)用であって、手洗いまたは自動洗濯機の洗濯サイクルのいずれかによる洗濯に適するもののような液体おしゃれ着洗剤(finewash)および液体色柄もの用洗剤(color care detergent)が挙げられる。ジェルまたはペーストとして知られる、流動可能であるがまだ固い稠度を有する対応する組成物が、同様に含まれる。ずり減粘ジェルのレオロジーは、文献により詳細に記載されている(例えばWO04027010A1(ユニリーバ(Unilever))を参照のこと)。
【0012】
一般的に、本明細書におけるコンパクトな液体洗濯洗剤組成物は等方性、または非等方性であってもよい。しかしながら、いくつかの具体的な実施形態に関して、それらは通常、当該技術分野において記述される相分離洗剤のように別々の層へ分離しない。1つの例示的な組成物は、非等方性であり、保管中に(i)2層に分離しないか、または(ii)組成物が複数の層に分離する場合、単一の主要層が存在し、組成物の少なくとも約80重量%、さらに具体的には約90重量%以上、またさらに具体的には約95重量%以上を構成する。他の例示的な組成物は、等方性である。
【0013】
本明細書で使用するとき、本発明の組成物および/または方法は、特定の成分を「実質的に含まない」場合、具体的には、特定の成分は意図的に組成物に一切加えられない、またはいずれにしても機能的に有用な量を加えられないことを意味する。様々な成分の微量が不純物として存在する場合があるということが当業者に理解されよう。誤解を避けるために、「実質的に含まない」とは、組成物が、組成物の約0.1重量%未満、具体的には0.01重量%未満の有効成分を含むことを意味するように解釈されるものとする。
【0014】
一実施形態では、コンパクトな液体洗濯洗剤は研磨剤、漂白剤、およびまたは有機ジアミンを実質的に含まない。
【0015】
一実施形態では、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物は希釈で薄まり、特定の非希釈および希釈の高ずり粘度を有し、具体的には、特定の純生成物低ずり粘度および高ずり粘度を有するずり減粘である。本実施形態において、水不溶性容器は、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物および水不溶性容器が、一緒に物品に組み込まれるとき、制御可能な汚れない投与などの良好な消費者の承認を促進し、布地を洗濯するための組成物の溶解および有効作用を保証するように、特別に適合される。
【0016】
(i)界面活性剤−本発明の組成物および方法は、1つ以上の界面活性の薬剤(界面活性剤)を含む。一実施形態では、界面活性剤は、境界面での界面張力の減少に起因する「洗浄性」または洗浄効果を有する、少なくとも部分的に水溶性である界面活性剤、通常完全に水溶性である界面活性剤から選択される。
【0017】
別の実施形態では、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、石鹸およびそれらの混合物から選択される。
【0018】
界面活性剤は、液体洗濯洗剤組成物の少なくとも約10重量%、具体的には10重量%〜約75重量%、さらに具体的には、約20重量%〜約70重量%、さらにより具体的には約40重量%〜約60重量%を構成する。
【0019】
一実施形態では、界面活性剤は、実質的に直鎖である。
【0020】
別の実施形態では、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物は界面活性剤によって内部で構造化され、液体洗濯洗剤は流動性を有する液体、ジェルまたはペーストの物理的形状を有する。
【0021】
一実施形態では、界面活性剤は、組成物、さらに具体的にはアミンオキシドおよび/またはC8〜C18ベタインなどの両性界面活性剤を含まない組成物の約5重量%、具体的には約0重量%〜約5重量%未満を構成する。
【0022】
本明細書で有用な界面活性剤の例証的な実施例は、米国特許第3,664,961号(1972年5月23日発行、ノリス(Norris))、米国特許第3,919,678号(1975年12月30日発行、ラフリン(Laughlin)ら)、米国特許第4,222,905号(1980年9月16日発行、コックレル(Cockrell))、米国特許第4,239,659号(1980年12月16日発行、マーフィー(Murphy))、米国特許第4,285,841号(1981年8月25日発行、バラット(Barrat)ら)、米国特許第4,284,532号(1981年8月18日発行、レイクヒム(Leikhim)ら)、米国特許第4,285,841号、米国特許第3,919,678号および米国特許第2,220,099号並びに第2,477,383号に記載されている。界面活性剤は、一般的に既知であり、カーク・オスマーの工業化学百科事典、3版、22巻、360〜379ページ、「界面活性剤および洗浄系(Surfactants and Detersive Systems)」、M.C.パブリッシング・カンパニー(M.C.Publishing Co.)のマカッチャンの洗剤および乳化剤(McCutcheon's Detergents & Emulsifiers)(北アメリカ版1997年)、シュワルツ(Schwartz)らの界面活性剤、それらの化学および技術(Surface Active Agents,Their Chemistry and Technology)、1949年、ニューヨーク:インターサイエンスパブリッシャーズ(Interscience Publishers)にさらに詳細に記載され、さらなる情報および実施例は「界面活性剤および洗剤(Surface Active Agents and Detergents)」(シュワルツ(Schwartz)、ペリー(Perry)およびバーチ(Berch)による、第1巻および2巻)に記載される。液体洗剤に関し、同書の章は特に強力液体洗濯洗剤に関する、ニューヨークのマルセルデッカー社(Marcel Dekker)より出版された、界面活性剤の科学シリーズ(Surfactant Science Series)、第67巻および129巻も参照のこと。
【0023】
非イオン性界面活性剤−一実施形態では、本発明の組成物および方法は、非イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤が任意成分である界面活性剤の混合物を含んでもよい。2つ以上の非イオン性界面活性剤を含む、2つ以上の界面活性剤の混合物を使用することができる。
【0024】
好適な非イオン性界面活性剤の例証的な実施例としては、アルコールエトキシレート(例えば、シェルケミカル社(Shell Chemical Co.)からのネオドール25−9(Neodol 25-9))、アルキルフェノールエトキシレート(例えば、ユニオンカーバイド社(Union Carbide Corp.)からのタージトールNP−9(Tergitol NP-9))、アルキルポリグルコシド(例えば、ヘンケル社(Henkel Corp.)からのグルカポン600CS(Glucapon 600CS))、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール(例えば、BASF社(BASF Corp.)からのプルロニックL−65(Pluronic L-65))、ソルビトールエステル(例えば、ヘンケル社(Henkel Corp.)からのエムソーブ2515(Emsorb 2515))、ポリオキシエチレン化ソルビトールエステル(例えば、ヘンケル社(Henkel Corp.)からのエムソーブ6900(Emsorb 6900))、アルカノールアミド(例えば、ローヌ・プーラン社(Rhone-Poulenc Co.)からのアルカミドDC212/SE(Alkamide DC212/SE))、およびN−アルキルピロリドン(例えば、ISPテクノロジーズ社(ISP Technologies Inc.)からのスルファドンLP−100(Surfadone LP-100)、並びにそれらの組合わせが挙げられる。さらに、例示的な好適な非イオン性界面活性剤は、米国特許第4,316,812号および同第3,630,929号に開示されるものである。
【0025】
非イオン性界面活性剤は、組成物中に存在する場合、組成物の約0.01重量%〜約70重量%、具体的には約1重量%〜約40重量%、さらに具体的には約5重量%〜約20重量%の量で存在してもよい。
【0026】
アニオン性界面活性剤−本明細書で使用するとき、用語「アニオン性界面活性剤」は、石鹸以外のアニオン性界面活性剤を示す。本発明の組成物および方法は、他の界面活性剤が存在しない場合に必須界面活性剤としてアニオン性界面活性剤を含み、またはアニオン性界面活性剤が任意成分である界面活性剤の混合物を含む。2つ以上のアニオン性界面活性剤を含む2つ以上の界面活性剤の混合物、またはそれらの非イオン性界面活性剤との混合物が使用することができる。
【0027】
好適なアニオン性界面活性剤は、LAS、AES(SLESと呼ばれる場合もある)、MESおよびそれらの混合物を含む。
【0028】
化学式の平衡のため、LASは通常、酸性(即ちHLAS)形態に配合され、その後、NaLAS、KLAS、アルカノールアンモニウムLASなどを形成するようにその位置で、中和されるか、または少なくとも部分的に中和されるということに留意することが有用である。他の一般的なアニオン性界面活性剤は、通常、前中和された形態に配合される。
【0029】
好適なアニオン性界面活性剤の例証的な実施例としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ビスタケミカル社(Vista Chemical Co.)から市販されるビスタC−500(Vista C-500))、分岐直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えばMLAS)、アルキルサルフェート(例えば、ステパン社(Stepan Co.)から市販されるポリステップB−5(Polystep B-5))、分岐アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート(例えば、ステパン社(Stepan Co.)から市販されるスタンダポールES−3(Standapol ES-3))、αオレフィンスルホネート(例えば、ウイトコ社(Witco Corp.)から市販されるウイトコネートAOS(Witconate AOS))、αスルホメチルエステル(例えば、ステパン社(Stepan Co.)から市販されるアルファステップMCp−48(Alpha-Step MCp-48)、およびイセチオネート(例えば、PPGインダストリーズ(PPG Industries Inc.)から市販されるジョーダポンCl(Jordapon Cl)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0030】
アニオン性界面活性剤は、任意の好適なカチオンを対イオンとして有してもよい。またカチオンの混合物も可能である。アニオン性界面活性剤に好適なカチオンの例証的な実施例としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、置換アンモニウム、アルカノールアンモニウムなどのアミノ官能性カチオンなど、並びにそれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、界面活性剤は、非アルカノール官能化のモノアンモニウムカチオンおよびジアンモニウムカチオンを含まない。
【0031】
一実施形態では、本発明の組成物および方法に存在するアニオン性界面活性剤の一部分は、その場で中和されてもよく、即ち、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物の調製中、アニオン性界面活性剤の一部分は、その酸性型または非中和型に加えられ、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩の酸性型または中和型は、アルキルベンゼンスルホン酸であり、その後非中和化アニオン性界面活性剤は、すでに組成物中に存在するか、非中和化アニオン性界面活性剤の追加の後に追加される、NaOH、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの中和剤で中和される。別の実施形態では、非中和化アニオン性界面活性剤は、組成物に加えられる直前に中和剤で中和される。好適な中和剤に関するさらなる情報は、本明細書に見出すことができる。
【0032】
アニオン性界面活性剤は、組成物中に存在する場合、洗剤組成物の約0.01重量%〜約70重量%、さらに具体的には約10重量%〜約50重量%、またさらに具体的には約20重量%〜約40重量%の量で存在してもよい。
【0033】
アニオン性界面活性剤対非イオン性界面活性剤の比率−本発明の組成物および方法の一実施形態では、アニオン性界面活性剤対非イオン性界面活性剤の重量比は、約1:1〜約5:1、さらに具体的には、約2:1以上〜約5:1であり、界面活性剤は、組成物の約10重量%〜約50重量%、さらに具体的には約20重量%〜約40重量のアニオン性界面活性剤を含み、組成物の約5重量%〜約40重量%、さらに具体的には約10重量%〜約30重量%の石鹸を含む。
【0034】
石鹸−本明細書に定義される石鹸は、脂肪酸およびその可溶性塩を含む。脂肪酸および/または石鹸或いはその誘導体は、界面活性剤、ビルダー、増粘剤、泡抑制剤などとして作用し、洗剤において多官能性を有することが既知である。従って、誤解を避けるためと化学式の平衡のために、本明細書の好適な実施形態において、石鹸および脂肪酸は別々に記載される。さらに、石鹸は、一般に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび/またはMEAなどのアルカノールアミンなどの中和剤を使用して、製剤においてその場で中和されるか、または部分的に中和される。
【0035】
石鹸は、任意の好適なカチオンを対イオンとして有してもよい。カチオンの混合物もまた可能である。石鹸に好適なカチオンの例証的な実施例としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、置換アンモニウム、アルカノールアンモニウムなどのアミノ官能性カチオンなど、並びにそれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、石鹸は、非アルカノール官能化のモノアンモニウムカチオンおよびジアンモニウムカチオンを含まない。
【0036】
ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、およびそれらの混合物を含む、任意の可溶性の石鹸または脂肪酸は、本明細書での使用に好適である。通常錯体混合物である、自然に得られる脂肪酸もまた好適である(タロー脂肪酸、ヤシ脂肪酸およびパーム核脂肪酸など)。一実施形態では、組成物の約10重量%〜約25重量%の脂肪酸が組成物に存在してもよい。
【0037】
一実施形態では、石鹸は約50%より高い中和度を有する。別の実施形態では、界面活性剤は組成物の約0重量%〜約40重量%未満の石鹸を含む。
【0038】
カチオン性および/またはアミンオキシド系および/または双極性イオン性および/または両性の界面活性剤−好適なカチオン性界面活性剤は、ニューヨークのマルセルデッカー社(Marcel Dekker)より出版された、クオ・ヤン・ライ(Kuo Yann Lai)編による界面活性剤の科学シリーズ(Surfactant Science Series)、第67巻、および米国2003/0199414A1のコラム9[135]〜[137]に記載される。カチオン性界面活性剤の好適なレベルは、組成物中に存在する場合、組成物の約0.01重量%〜約20重量%、具体的には、約1重量%〜約10重量%、さらに具体的には、約2重量%〜約5重量%である。或いは、C8〜C18アルキルジメチルアミン−N−オキシド、C8〜C18双極性界面活性剤、C8〜C18両性界面活性剤および/またはC8〜C18アルキルアミドプロピルアミン界面活性剤(APA)などのアミンオキシド系界面活性剤が、同様のレベルで使用されてもよい。そのような界面活性剤の混合物も使用できる。
【0039】
(ii)香料−1つの特定の補助剤は香料である。本明細書で使用するとき、「香料」は、広い意味では、プロ香料を含めて快適または魅力的な香りを拡散するか、または付与する任意の物質を含む。本発明の組成物および方法に有用な香料および香料成分は、アルデヒド、ケトン、エステル、持続的香料成分、ブルーミング香料成分、低臭気検知閾値香料成分、天然香料油成分などを含むがこれらに限定されない、広範囲の天然および合成の化学成分を含む。特定の一実施形態において、該香料は少なくとも1つのエッセンシャルオイルを含む。別の具体的な実施例では、香料は抽出物を含む。また、様々な天然抽出物および天然エキスも挙げられ、これらは、オレンジ油、レモン油、バラ抽出物、ラベンダー、ムスク、パチョリ、バルサムエキス、ビャクダン油、パイン油、シーダーなどの成分の複雑な混合物を含み得る。最終的な香料には、前述の成分の極めて複雑な混合物が含まれ得る。香料およびその構成成分に関するさらなる情報は、米国特許出願公開第2003/0104969A1号、米国特許第6,194,362号、米国特許第6,143,707号、米国特許第6,491,728号、米国特許第5,378,468号、米国特許第5,626,852号、米国特許第5,710,122号、米国特許第5,716,918号、米国特許第5,721,202号、米国特許5,744,435号、米国特許第5,756,827号、米国特許第5,830,835号、米国特許第5,919,752号、2000年1月20日公開の国際公開特許WO00/02986、および2001年1月18日公開の国際公開特許WO01/04248で見出だすことができる。
【0040】
香料は、存在する場合、具体的には、本明細書の組成物の約0.001重量%〜約10重量%、さらに具体的には、約0.1重量%〜約3重量%を構成する。
【0041】
(iii)水−本発明によるコンパクトな洗剤組成物は、水も含む。本明細書の組成物に存在する水の量は、従来の液体洗濯洗剤組成物と比較して比較的少なく、好ましくは、洗浄組成物の約1重量%〜約30重量%、具体的には約5重量%〜約25重量%であるだろう。
【0042】
一実施形態では、使用される水は蒸留水、脱イオン水、濾水、逆浸透処理水、およびそれらの組み合わせから選択される。本発明の別の任意の実施形態では、水は例えば水道用水処理場から得られるようないかなる飲料水であってもよい。
【0043】
(iv)非アミノ官能性溶媒−本明細書で使用するとき、「非アミノ官能性溶媒」は、アミノ官能基を含まない任意の溶媒を示す。非アミノ官能性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールおよび/またはプロパノールおよび/または1−エトキシペンタノールなどのC〜Cアルカノール、C〜Cジオール、C〜Cアルキレングリコール、C〜Cアルキレングリコールモノ低級アルキルエーテル、グリコールジアルキルエーテル、低分子量ポリエチレングリコール、グリセロールなどのC〜Cトリオール、およびそれらの混合物が挙げられる。さらに具体的には、非アミノ官能性溶媒は、周囲温度および周囲圧力(即ち21℃および1気圧)で液体であり、炭素、水素および酸素を含む。存在する場合に、非アミノ官能性溶媒は、本明細書で、組成物の約0重量%〜約10重量%、具体的には約0重量%〜約7重量%、さらに具体的には約2重量%〜約5重量%を構成する。
【0044】
一実施形態では、水および非アミノ官能性溶媒の合計は、組成物の5重量%〜45重量%であり、具体的には組成物の10重量%〜30重量%、具体的には組成物の約40重量%以下、さらに具体的には35重量%以下、よりさらに具体的には30重量%以下、またさらにより具体的には25重量%以下であり、具体的には組成物の約0重量%〜約10重量%以下、さらに具体的には約7重量%以下、よりさらに具体的には約2重量%〜約5重量%の非アミノ官能性溶媒を有する。
【0045】
粘度−一実施形態では、本明細書の組成物および方法は、20s−1で測定されるとき、約1Pa.s(1,000cps)(または同等に、ミリパスカル秒(mPas))〜約10Pa.s(10,000cps)、具体的には、20s−1で測定されるとき、約2Pa.s(2,000cps)〜約5Pa.s(5,000cps)の純粘度Vを有し、20s−1で測定されるとき、約0.5V以下であり、具体的には、20s−1で測定されるとき、約0.3V未満である希釈粘度Vを有する。本明細書で使用するとき、「純粘度V」とは希釈されていないコンパクトな液体洗濯洗剤の粘度を示す。本明細書で使用するとき、「希釈粘度V」は、本発明のコンパクトな液体洗濯洗剤、または本発明の方法で調製および/若しくは使用される液体洗濯洗剤組成物の50重量%水溶液の粘度を示す。別のより具体的な実施形態では、コンパクトな液体洗剤組成物がずり減粘する場合、組成物は0.5s−1で測定されるとき、約10Pa.s(10,000cps)〜約500Pa.s(500,000cps)の低ずり純粘度Vls、さらに具体的には0.5s−1で測定されるとき、約10Pa.s(10,000cps)〜約100Pa.s(100,000cps)の低ずり純粘度Vlsを特徴としてもよい。
【0046】
組成物の希釈粘度Vを決定するために水溶液を調製するために使用される水は脱イオン水である。
【0047】
希釈手順および粘度測定は、本明細書で、以下で実施例において記載される。
【0048】
審美学−コンパクトな液体洗濯洗剤組成物および水不溶性容器は任意の所望の外観または審美を有してもよい。コンパクトな液体洗濯洗剤組成物水および不溶性容器は、任意の色或いは外観が、パールエッセンス液体のように不透明、透明或いは半透明であってもよい。一実施形態では、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物は、空気または気泡、懸濁液滴、単一または多重のエマルション液滴、懸濁粒子など、およびそれらの組み合わせを含んでもよい。好適な大きさは、約0.1ミクロン〜約5mm、より具体的には約20ミクロン〜約1mmである。これらの任意の懸濁液体および/または粒子は、別々の実体(即ち、異なる色、形状、質感など、およびこれらの組み合わせなど)として可視である。これらの懸濁液および/または粒子は、異なる色、質感、またはコンパクトな液体洗濯洗剤組成物の他の部分と視覚的に区別できるその他の特徴があってもよい。
【0049】
さらに、水不溶性容器およびコンパクトな液体洗濯洗剤組成物は、どんな色でもよく、どのような色の組合わせでもよい。用語「色」は、すべての可視スペクトルの色、即ち、赤、オレンジ、黄、緑、青、青緑、茶、紫、薄紫、シーグリーン、黄褐色、濃紺、スミレ色、ピンクなどだけではなく、濃い青、薄い青、薄い緑など、これらの色の色合い、色調、色相など、またさらに黒、白、および灰色、並びにこれらの色のすべての色合い、色調、色相も含むということもまた理解される。さらには、水不溶性容器およびコンパクトな液体洗濯洗剤組成物は、例えば、多様な屈折率効果、パールエッセンス効果、オパールエッセンス効果、屈折効果、ホログラフィー効果、メタリック色、光沢仕上げ、つや消し仕上げなど、およびこれらの組み合わせの任意のさらなる視覚的な処理をさらに有してもよい。
【0050】
別の実施形態では、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物は、2つ以上の視覚的に識別できる範囲を含んでもよい。各範囲は、それ自体が1つ以上の特有の物理的相を含むことができる。本明細書で使用するとき、「視覚的に識別できる」という用語は、水不溶性容器の中で、または分注するときに視覚的に異なる範囲を示す組成物を表す。これらの異なる範囲は、はっきりと分離しているか、またはコンパクトな液体洗濯洗剤組成物が裸眼で見える限りで部分的に混合しているかのいずれかである。これらの視覚的に識別できる範囲の組み合わせは、例えば、ストライプ模様、マーブル模様、直線模様、分断ストライプ模様、チェック模様、まだら模様、縞模様、クラスター模様、スペックル模様、幾何学模様、斑点模様、リボン模様、ヘリカル模様、渦巻き模様、配列模様、斑紋状模様、型押し模様、溝模様、畝模様、波状模様、正弦波模様、螺旋模様、ねじれ模様、曲線模様、サイクル模様、筋模様、線状模様、輪郭模様、異方性模様、レース模様、織物模様、バスケット織り模様、斑点模様、およびモザイク模様を含む、すべての多様な模様を作るために選ぶことができる。模様は、ストライプ模様であってもよく、任意の容器の寸法にわたって相対的に均一および一様であってもよい。或いは、ストライプ模様は、一様でなくてもよく、即ち波形であってもよいし、または寸法において均一でなくてもよい。ストライプ模様は、必ずしも任意の容器の寸法全体にわたって伸びている必要はない。
【0051】
用語「ストライプ」は、本明細書で使用するとき、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物に存在する各相は、保存される水不溶性容器の内側の別々で個別の物理空間を占めるが、互いに直接接触する(即ち、バリアによって分離されず、かなりの任意程度までは乳化または混合されない)。ストライプは、水不溶性容器の寸法にわたって相対的に均一および一様であってもよい。或いは、ストライプは、一様でなくてもよく、即ち波形であってもよいし、または寸法において均一でなくてもよい。ストライプは、必ずしも水不溶性容器の寸法全体にわたって伸びている必要はない。「ストライプ」は、様々な幾何学模様、様々な色、およびまたは輝き、若しくは真珠光沢を含むことができるが、ただしこれらの濃度が視覚的に識別できる帯域または領域を形成するという条件である。
【0052】
本明細書で使用するとき、「大理石模様」という用語は、大理石に類似した脈状のおよび/または斑状の外観を有するストライプ模様のデザインを指す。
【0053】
構成成分の物理特性、即ち色、粘度、レオロジー、質感、密度などについて多くの変化が可能であるが、色の変化が広く求められている。コンパクトな液体洗濯洗剤組成物において得られる特定のデザインまたは模様(即ち、ストライプや大理石模様などの幅、長さ)は、例えば相のレオロジー特性、分注手段の直径、充填中の容器の回転の有無、速度および恒常性、並びにそれらの組み合わせなどの多くの要因を変えることにより変えることができる。
【0054】
リオトロピック液晶メソフェーズ−理論に制限されるものではないが、本明細書のコンパクトな液体洗濯洗剤は、物理的メソ構造を通じて、例えば、「応用界面・コロイド化学ハンドブック(Handbook of Applied Surface and Colloid Chemistry)」、K.ホルムバーグ(Ed. K. Holmberg)編、ISBN0471 490830、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)出版、ニューヨーク州ニューヨーク(New York, NY)(2001年)(全体として参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載されるように、既知のリオトロピック液晶メソフェーズのいずれをも含むことができるか、または含まなくてもよい。特に、第16章、ステフェンT.ハイド(Stephen T. Hyde)による「リオトロピック結晶性メソフェーズの同定(Identification of Lyotropic Crystalline Mesophases)」を参照のこと。
【0055】
本明細書のコンパクトな液体洗濯洗剤の特定の実施形態は、L−アルファフェーズ(別名ラメラメソフェーズ)、L−ベータフェーズ(別名ジェルメソフェーズ)およびそれらの混合物を含む。さらなる特定の実施形態は、光学顕微鏡で、検出可能なジェルフェーズを有さないラメラメソフェーズの存在、またはマルタクロステクスチャを含まないラメラメソフェーズを特徴とする。他の特定の実施形態では、マルタクロステクスチャは、組成物にずれを適用した後に現れる。特定の典型的な実施形態では、小胞または球形状のグロビュールへの取り込みは観察されない。
【0056】
一般的に、本明細書の特定の界面活性剤または両親媒性物質の詳説に記載されるように、本発明の組成物は、主として単鎖界面活性剤、両親媒性物質または洗剤に依存するが、メソ構造は二鎖型界面活性剤の制限された特性を含むことよって修飾されてもよい。さらに、本発明の特定の実施形態は、比較的に低い含有度のトポロジー多欠陥のラメラメソフェーズの存在を特徴とする。上述参考文献の308ページのセクション2.1.3「ラメラメソフェーズ(Lamellar mesophases)」および同章のそれ以下に記載された欠陥構造に関する説明を参照。
【0057】
補助剤−本発明のコンパクトな洗剤組成物および方法は、機能的性質および/または審美的性質のさらなる所望の特性を与えるための1つ以上の補助剤を含んでもよい。
【0058】
ハイドロトロープ−一実施形態では、補助剤はハイドロトロープを含む。ハイドロトロープは、液体結晶形成を低減する。例示的なハイドロトロープとしては、尿素、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸およびこれらの混合物が挙げられる。例示的な塩としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、ハイドロトロープはキシレンスルホン酸、尿素、およびこれらの組み合わせから選択される。一実施形態では、任意のハイドロトロープの量は、約0%〜約10%、より具体的には約0%〜5%、さらに具体的には約0%〜約2%、よりさらに具体的には、さらに約0%〜約1%の範囲であってもよい。
【0059】
有機外部構造剤−驚くべきことに、本明細書のコンパクトな液体洗濯洗剤は、有機外部構造剤を必要としないということが明らかになった。本発明の好適な実施形態は、有機外部構造剤を実質的に含まない。所望に応じて、有機外部構造剤は、例えば、特定の審美的実施形態のレオロジーを実現するために組み込まれることができる。そのような構造剤は、使用される場合、本明細書の組成物の約0.01重量%〜約1重量%、さらに具体的には約0.015重量%〜約0.75重量%、よりさらに具体的には約0.02重量%〜約0.5重量%を構成するであろう。
【0060】
本明細書に定義される「外部」構造剤は、レオロジー変性を提供するという主要機能を有する物質であり、典型的には液体またはジェルまたはペーストなどの流体の粘度を増大させる。本明細書において好適な外部構造剤は、その中またはそれ自体に、いかなる有効な布地洗浄効果または布地ケア効果をも提供しない。外部構造剤は、つまりは、マトリックスレオロジーを変性することも可能である一方で、いくつかのさらなる主要目的のために液体製品へ組み込まれる、「内部」構造剤とは異なる。要するに、例えば、内部構造剤は液体洗剤のレオロジー特性を変える働きをするが、主に洗浄成分の種類として作用するために製品に加えられるアニオン性界面活性剤であることができる。
【0061】
本発明の組成物に特に有用な外部構造剤の一種は、その場でマトリックス中に結晶化されると、液体マトリックスの全体にわたって糸状構造系を形成することができる非高分子(含まれてもよいアルコキシル化を除く)結晶性ヒドロキシ官能物質を含む。そのような物質は、一般に、結晶性ヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪酸エステルまたは脂肪ろうとして特徴付けできる。そのような物質は、以下の式を有するものから一般に選択される:
I)
【化1】

であり、式中、
【化2】

であり、RはRまたはHであり、RはRまたはHであり、Rは、独立して、少なくとも1つのヒドロキシル基を含むC10〜C22アルキルまたはアルケニルであり、
II)
【化3】

であり、式中、
【化4】

であり、Rは上述のi)に定義されるものであり、MはNa、K、Mg++またはAl3+、またはHであり、
III)Z−(CH(OH))a−Z’であり、式中、aは2〜4であり、具体的には2であり、ZおよびZ’は疎水基であって、特にC〜C20アルキルまたはシクロアルキル、C〜C24アルカリルまたはアラルキル、C〜C20アリールまたはそれらの混合物から選択される。任意に、Zはエーテルまたはエステルと同様に、1個以上の非極性酸素原子を含有することができる。
【0062】
式Iの種類の物質が好ましい。これらは、以下の式でより具体的に定義される:
【化5】

式中、(x+a)は11〜17であり、(y+b)は11〜17であり、(z+c)は11〜17である。具体的には、この式においてx=y=z=10および/またはa=b=c=5である。
【0063】
好ましい結晶性ヒドロキシル含有構造剤の具体的な例には、ヒマシ油およびその誘導体が挙げられる。特に好ましいものは、硬化ヒマシ油および水素添加キャスター蝋などの硬化ヒマシ油誘導体である。市販のヒマシ油系結晶性ヒドロキシル含有構造剤には、レオックス社(Rheox, Inc.)(現在のエレメンティス(Elementis))製のチキシン(THIXCIN)(商標)が挙げられる。
【0064】
結晶性ヒドロキシル含有構造剤としての使用に好適である代替的な市販物質は、上述の式IIIのものである。この種類の構造剤の例は、1,4−ジ−O−ベンジル−D−トレイトールのR,RおよびS,S形態、並びに光学的に活性であるかまたは活性ではない任意の混合物である。
【0065】
前述したようなこれらの結晶性ヒドロキシル含有構造剤はすべて、それらが本明細書の組成物の水性液体マトリックス内で、またはこうした水性液体マトリックスを形成するために用いられるプレミックス内で、その場で結晶化するときに、糸状構造系を形成することによって機能すると考えられている。そのような結晶化は、これらの物質の水性混合物を構造剤の融点を超える温度に加熱し、続いて液体を撹拌下に維持しながら混合物を室温に冷却することによりもたらされる。
【0066】
特定の条件下では、結晶性ヒドロキシル含有構造剤は、冷却すると、水性液体マトリックス中に糸状構造系を形成する。この糸状系は、繊維性または絡まった糸状の網状組織を含むことができる。「ロゼット」形態の非繊維性粒子も形成され得る。この網状組織における粒子は、約1.5:1〜約200:1、さらに具体的には約10:1〜約200:1のアスペクト比を有することができる。そのような繊維および非繊維の粒子は、約1ミクロン〜約100ミクロン、さらに具体的には約5ミクロン〜約15ミクロンの範囲である小寸法を有することができる。
【0067】
例示的な結晶性ヒドロキシル含有構造剤、およびそれらの水性ずり減粘マトリックスへの組み込みは、米国特許第6,080,708号およびPCT国際公開特許WO02/40627でより詳細に記載されている。
【0068】
以上に記載された非高分子結晶性ヒドロキシル含有構造剤の他に、他の種類の有機外部構造剤を本明細書の液体洗剤組成物に利用してもよい。例えば、好適な高分子構造剤には、ポリアクリレート、多糖類または多糖類誘導体の種類のものが挙げられる。多糖類誘導体は、典型的には高分子ゴム物質を含む構造剤として使用される。そのようなゴム類には、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガムおよびグアーガムが挙げられる。
【0069】
高分子構造剤が本明細書で使用される場合、この種類の好ましい物質はジェランガムである。ジェランガムは、シュードモナセロディア(Pseudomonaselodea)ATCC31461の発酵によって調製されるヘテロ多糖である。ジェランガムは、CPケルコU.S.社(CP Kelco U.S.,Inc.)によってケルコゲル(KELCOGEL)の商標名で市販されている。ジェランガムを調製する方法は、米国特許第4,326,052号、同第4,326,053号、同第4,377,636号および同第4,385,123号に記載されている。
【0070】
当然ながら、先に具体的に記述された物質の他に、任意の他の構造剤を使用することができる。そのような構造剤の例としては、「有機ゲル化剤(organogellant)」または「有機ゲル化剤(organogelator)」がさらに挙げられる。
【0071】
ホウ酸誘導体および/またはpHジャンプシステム−1つの具体的な任意の補助剤成分は、ホウ酸誘導体であってもよく、その使用は、例えば、酵素安定化で既知である。ホウ酸塩およびポリオール(特にソルビトール)の組み合わせは、例えば、アロンソン(Aronson)らの米国特許第5,089,163号および第4,959,179号など、当該技術分野においても既知であるpHジャンプシステムを構成する。本明細書においてpHジャンプシステムを包含することは好ましくない。別の実施形態では、コンパクトな液体洗濯洗剤は、前述のホウ砂ソルビトールpHジャンプシステムなどのような、pHジャンプシステムを実質的に含まない。
【0072】
任意の実施形態では、本明細書に記載の組成物および方法は、洗剤組成物の約3重量%未満、より具体的には洗剤組成物の約1重量%未満のホウ酸誘導体を含んでもよく、さらにより具体的にはホウ酸誘導体を実質的に含まない。
【0073】
「ホウ酸誘導体」は、ホウ素含有化合物、例えば、ホウ酸自体、置換ホウ酸、および少なくとも一部がホウ酸としてまたはその化学同等物、例えば置換ホウ酸として溶液に存在するその他のホウ酸誘導体を意味する。ホウ酸誘導体の例証的な実施例としては、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ砂、アルカリ金属ホウ酸塩(オルトホウ酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウムおよびピロホウ酸ナトリウム並びにペンタホウ酸ナトリウムなど)、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0074】
本明細書に記載されるように、これらのホウ酸誘導体は、ソルビトールなどの有機ポリオール溶媒との組み合わせでpHジャンプシステムとして過去に使用されてきた。本発明のコンパクトな液体洗濯洗剤組成物は、pHジャンプシステム、および必然的にこれらのホウ酸誘導体の使用の必要性を削減し、それにより、費用と時間を削減することができる。
【0075】
中和剤−一実施形態では、補助剤は中和剤であってもよい。中和剤は、中和するものによって、性質が酸性であってもよく、またはアルカリ性であってもよい。例示的な好適な中和剤としては、NaOH、LiOH、KOHなどのアルカリ金属水酸化物、Mg(OH)2、Ca(OH)2などのアルカリ土類水酸化物、アンモニウムまたは置換水酸化アンモニウム、例えば、モノエタノールアミン(MEA)などのモノ−、ジ−、トリエタノールのようなアルカノールアミン、硫酸、塩酸、硝酸などの無機酸、酢酸、クエン酸、乳酸などの有機酸、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0076】
これらの中和剤は、具体的には、コンパクトな洗剤組成物の約0.0001重量%〜約75重量%、より具体的には約0.001重量%〜約30重量%で、いずれの組成物または方法において任意に存在してよい。
【0077】
着色剤−一実施形態では、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物は着色剤を含み、より具体的には、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物の少なくとも1つの視覚的に明確な領域に着色剤を含む。組成物は、組成物の約0.00001重量%〜約10重量%の着色剤を含む。より具体的には、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物は、組成物の約0.0001重量%〜約1重量%、さらにより具体的には約0.001重量%〜約0.1重量%、よりさらに具体的には約0.005重量%〜約0.05重量%の着色剤を含む。
【0078】
特定の一実施形態では、着色剤は金属イオンを含む。より具体的には、着色剤は、バリウムおよびアルミニウムイオンを含まず、これにより層状の相の安定性を改善できる。着色剤は、より具体的には、UV安定性を維持する。
【0079】
コンパクトな液体洗濯洗剤組成物での使用に好適な着色剤は、有機顔料、無機顔料、干渉顔料、レーキ、天然着色剤、パールエッセンス剤、染料、カーマイン、およびそれらの混合物から選択されてよい。紫外線によって破壊されない染料も、必要に応じて使用してよい。
【0080】
着色剤の非限定的な実施例としては、D&Cレッド30タルクレーキ(D&C Red 30 Talc Lake)、D&Cレッド7カルシウムレーキ(D&C Red 7 Calcium Lake)、D&Cレッド34カルシウムレーキ(D&C Red 34 Calcium Lake)、雲母/二酸化チタン/カーマイン顔料(エンゲルハード社(Engelhard)より市販のクロリゾンネレッド(Clorisonne Red)、エンゲルハード社(Engelhard)より市販のデュオクロームRB(Duocrome RB)、ローナ(Rona)より市販のマジェンタ(Magenta)、ローナ(Rona)より市販のディクロナRB(Dichrona RB))、ヒルトンデイビス社(Hilton Davis)より市販のレッド30ローアイロン(Red 30 Low Iron)、レーキ27(Lake 27)およびレーキ30(Lake 30)のD&Cレッドレーキブレンド(D&C Red Lake Blend)、FD&Cイエロー5レーキ(FD&C Yellow 5 Lake)、コウェット二酸化チタン(Kowet Titanium Dioxide)、黄酸化鉄(Yellow Iron Oxide)、D&Cレッド30レーキ(D&C Red 30 Lake)、D&Cレッド28レーキ(D&C Red 28 Lake)、コスレッド酸化物BC(Cos Red Oxide BC)、コス鉄酸化物レッドBC(Cos Iron Oxide Red BC)、コス鉄酸化物ブラックBC(Cos Iron oxide Black BC)、コス鉄酸化物イエロー(Cos Iron Oxide Yellow)、コス鉄酸化物ブラウン(Cos Iron Oxide Brown)、コス鉄酸化物イエローBC(Cos Iron Oxide Yellow BC)、ユーロオキサイドレッドアンステリル(Euroxide Red Unsteril)、ユーロオキサイドブラックアンステリル(Euroxide Black Unsteril)、ユーロオキサイドイエローアンステリル(Euroxide Yellow Steril)、ユーロオキサイドブラックステリル(Euroxide Black Steril)、ユーロオキサイドレッド(Euroxide Red)、ユーロオキサイドブラック(Euroxide Black)、疎水性ユーロオキサイドブラック(Hydrophobic Euroxide Black)、疎水性ユーロオキサイドドイエロー(Hydrophobic Euroxide Yellow)、疎水性ユーロオキサイドレッド(Hydrophobic Euroxide Red)、D&Cイエロー6レーキ(D&C Yellow 6 Lake)、D&Cイエロー5Zrレーキ(D&C Yellow 5 Zr Lake)、ハイドアシッドブルー(Hidacid blue)、クロンプトン・アンド・ノールズ社(Crompton Knowles)およびトリコン社(Tri-Con)から市販のアシッドブルー145(Acid blue 145)、サンドス社(Sandoz Corp.)から市販の顔料グリーン7番(Pigment Green No. 7)、FD&Cグリーン7番(FD&C Green No. 7)、アシッドブルー80(Acid Blue 80)、アシッドバイオレット48(Acid Violet 48)、およびアシッドイエロー17(Acid Yellow 17)、ワーナージェンキンソン社(Warner Jenkinson Corp.)から市販のD&Cイエロー10(D&C Yellow No. 10)、並びにこれらの着色剤の組み合わせが挙げられる。
【0081】
本明細書において有用な色相染料の非制限例としては、ベーシックバイオレット3(Cl 42555)(Basic Violet 3(Cl 42555))およびベーシックバイオレット4(Cl 42600)(Basic Violet 4(Cl 42600))が挙げられるが、それらは両方ともスタンダードダイズ社(Standard Dyes)から市販される。
【0082】
一実施形態では、組成物は非染色性染料および染料色忠実度安定剤を含み、さらにより具体的には染料色忠実度安定剤は、還元剤であり、さらにより具体的には亜硫酸水素ナトリウムである。本明細書で使用するとき、「非染色性染料」は、純粋に審美目的でコンパクトな液体洗濯洗剤へ加えられるいかなる染料をも示し、そのような染料はコンパクトな液体洗濯洗剤組成物の非希釈形態に直接接触する白い綿に消えない跡を作らない。このことは、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物は汚れた布地の直接の前処理に使用すること、つまり、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物は、洗濯前処理剤として使用することができることを保証する。
【0083】
別の実施形態では、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物はいかなる染料も実質的に含まない。本コンパクトな液体洗濯洗剤組成物は、汚れた布地を直接前処理するためにも使用することができ、つまりは、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物は、洗濯前処理剤として使用することができる。
【0084】
その他の補助剤−本発明の一実施形態では、補助剤成分は、ビルダー、増白剤、移染防止剤、キレート剤、ポリアクレートポリマー、分散剤、着色染料、色相染料、香料、加工助剤、漂白添加剤、漂白活性化剤、漂白前駆体、漂白触媒、溶媒、共溶媒、ハイドロトロープ、液体担体、相安定剤、汚れ放出ポリマー、酵素安定剤、酵素、汚れ懸濁化剤、再付着防止剤、凝縮防止ポリマー、殺菌薬、防かび剤、UV吸収体、抗黄変剤、抗酸化剤、蛍光増白剤、石鹸泡抑制剤、乳白剤、石鹸泡促進剤、防食剤、ラジカルスカベンジャー、塩素スカベンジャー、構造剤(structurant)、布地柔軟添加剤、その他の布地ケア有益剤、pH調整剤、蛍光増白剤、スメクタイト粘土、構造剤(structuring agent)、防腐剤、増粘剤、着色剤、布地柔軟添加剤、レオロジー修飾剤、充填剤、殺菌剤、およびそれらの混合物から選択されてもよい。好適な補助剤成分および使用の程度のさらなる実施例は、1976年2月3日に発行された米国特許第3,936,537号(バスカーヴィルジュニア(Baskerville, Jr.)ら)、1981年8月25日に発行された米国特許第4,285,841号(バラット(Barrat)ら)、1989年7月4日に発行された米国特許第4,844,824号(マーメルスタイン(Mermelstein)ら)、米国特許第4,663,071号(ブッシュ(Bush)ら)、1990年3月20日に発行された米国特許第4,909,953号(サドロウスキ(Sadlowski)ら)、1976年1月20日に発行された米国特許第3,933,672号(パルトレッタ(Bartoletta)ら)、1979年1月23日に発行された米国特許第4,136,045号(ゴールト(Gault)ら)、米国特許第2,379,942号、米国特許第3,308,067号、米国特許第5,147,576号(モンタギュー(Montague)ら)、英国特許第1,470,250号、英国特許第401,413号(マリオット(Marriott))、英国特許第461,221号(マリオット(Marriott)およびグアム(Guam))、英国特許第1,429,143号、および1988年8月9日に発行された米国特許第4,762,645号(タッカー(Tucker)ら)に記載される。
【0085】
可能な補助剤のいくつかの非限定的な実施例は、以下である。
【0086】
本明細書でコンパクトな液体洗濯洗剤の実施形態は、キレート剤を含む。キレート剤は、それらが優先的に遷移金属を結合するという点で、クエン酸塩などの一般ビルダーから区別される。コンパクトな液体洗濯洗剤中のキレート剤の好適なレベルは、0%〜約5%、より具体的には約0.5%〜約3%、よりさらに具体的には約1%〜約2%である。
【0087】
好適なキレート剤の非限定的な実施例としては、S,S−エチレンジアミンニコハク酸(EDDS)、チロン(Tiron)(登録商標)(別名カテコール−2,5−ジスルホネートで、酸または水溶性塩として知られる)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタアセテート(DTPA)、1−ヒドロキシエチリデン1,1ジホスホン酸(HEDP)、ジエチレントリアミン−ペンタ−メチレンホスホン酸(DTPMP)、ジピコリン酸および塩および/またはそれらの酸並びにそれらの混合物が挙げられる。好適なキレート化剤および使用レベルのさらなる例は、米国特許第3,812,044号、同第4,704,233号、同第5,292,446号、同第5,445,747号、同第5,531,915号、同第5,545,352号、同第5,576,282号、同第5,641,739号、同第5,703,031号、同第5,705,464号、同第5,710,115号、同第5,710,115号、同第5,712,242号、同第5,721,205号、同第5,728,671号、同第5,747,440号、同第5,780,419号、同第5,879,409号、同第5,929,010号、同第5,929,018号、同第5,958,866号、同第5,965,514号、同第5,972,038号、同第6,172,021号、および同第6,503,876号に記載されている。
【0088】
本明細書で有用なその他のキレート剤は、具体的には、メチレンジホスホン酸のナトリウム、カリウムおよびリチウム塩、エチレンジホスホン酸のナトリウム、カリウムおよびリチウム塩、エタン−I,I,2−トリホスホン酸のナトリウム、カリウムおよびリチウム塩を含む水溶性ポリホスネートである。別の実施例としては、エタン−2−カルボキシ−I,I−ジホスホン酸ヒドロキシメタンジホスホン酸、カルボキシルジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−I,I,2−トリホスホン酸、エタン−2−ヒドロキシ−1,I,2−トリホスホン酸、プロパン−1,1,3,3−テトラホスホン酸、プロパン−1,1,2,3−テトラホスホン酸、およびプロパン−1,2,2,3−テトラ−ホスホン酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
【0089】
本明細書のコンパクトな液体洗濯洗剤の実施形態としては、クエン酸塩、ポリカルボキシレート、カルボキシメチロキシコハク酸、オキシジコハク酸、酒石酸モノコハク酸、酒石酸ジコハク酸、およびそれらの混合物などの一般ビルダーが挙げられる。コンパクトな液体洗濯洗剤中のビルダーの好適なレベルは、0%〜約20%、より具体的には約0.5%〜約10%、よりさらに具体的には約1%〜約8%である。本明細書のコンパクトな液体洗濯洗剤の一実施形態は、約5%未満のビルダーを含み、1つ以上のキレート剤を含む。
【0090】
好適なビルダーの他の例としては、水溶性のアルカリ金属リン酸塩、ポリリン酸塩、ケイ酸塩および炭酸塩である。そのような塩の特定の実施例は、トリホスホン酸、ピロリン酸、オルトリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、四ホウ酸塩、ケイ酸塩、および炭酸塩のナトリウムおよびカリウムである。
【0091】
好適なビルダーのその他の実施例は、米国特許第3,308,067号に記載されるポリカルボキシレートポリマーおよびコポリマーの水溶性塩である。さらに、その他のポリカルボキシレートビルダーは、クエン酸の水溶性塩、およびカルボキシメチルオキシコハク酸、イタコン酸およびマレイン酸のポリマーの塩、酒石酸モノコハク酸、酒石酸ジコハク酸およびそれらの混合物(TMS/TDS)を含み、満足に使用することができる。
【0092】
本発明に使用されてもよい酵素を、以下により詳細に記述する。一実施形態では、任意の酵素は、存在する場合、プロテアーゼ、クチナーゼ、へミルラーゼ、ペルオキシダーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラクターゼ、アミラーゼ、およびそれらの混合物から選択されてよい。
【0093】
好適な市販の酵素の非限定的な実施例としては、国際公開特許WO94/02597、および国際公開特許WO96/23873に記載されるアミラーゼ(αおよび/またはβ)が挙げられる。市販品の例は、ピュラフェクトOxAm(Purafect Ox Am)(登録商標)[ジェネンコア(Genencor)]、並びにターマミル(Termamyl)(登録商標)、ナタラーゼ(Natalase)(登録商標)、バン(Ban)(登録商標)、フンガミル(Fungamyl)(登録商標)、およびデュラミル(Duramyl)(登録商標)[すべてノボザイムズ(Novozymes)より]である。セルラーゼとしては、細菌性または真菌性セルラーゼ、例えばフミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)、特にDSM1800により生成されるもの、例えば50Kda、および43kD[ケアザイム(Carezyme)(登録商標)]が挙げられる。好適なセルラーゼはまた、トリコデルマ・ロンギプラチアタム(Trichoderma longibrachiatum)由来のEGIIIセルラーゼである。好適なリパーゼとしては、シュードモナス(Pseudomonas)およびクロモバクター(Chromobacter)群によって産生されるものが挙げられる。好ましいのは、例えばノボザイムズ(Novozymes)からのリポラーゼ(Lipolase)(登録商標)、リポラーゼ・ウルトラ(Lipolase Ultra)(登録商標)、リポプライム(Lipoprime)(登録商標)およびリペックス(Lipex)(登録商標)である。クチナーゼ[EC3.1.1.50]およびエステラーゼも好適である。カルボヒドラーゼ、例えばマンナナーゼ(米国特許第6060299号)、ペクテートリアーゼ(pectate lyase)(国際公開特許WO99/27083)、シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ(国際公開特許WO96/33267)、キシログルカナーゼ(国際公開特許WO99/02663)。最終的にエンハンサーと共に用いられる漂白酵素としては、例えばペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、オキシゲナーゼ(例えば、カテコール1,2ジオキシゲナーゼ、リポキシゲナーゼ(国際公開特許WO95/26393)、(非ヘム)ハロペルオキシダーゼが挙げられる。好適な市販のプロテアーゼとしては、ノボザイムズ(Novozymes)より市販のアルカラーゼ(Alcalase)(登録商標)、サビナーゼ(Savinase)(登録商標)、カンナーゼ(Kannase)(登録商標)、エバラーゼ(Everlase)(登録商標)、エスペラーゼ(Esperase)(登録商標)、ジェネンコア(Genencor)から市販のピュラフェクト(Purafect)(登録商標)、ピュラフェクトOx(Purafext Ox)(登録商標)、プロペラーゼ(Properase)(登録商標)、ヘンケル(Henkel)から市販のBLAPおよびBLAP変異型、ギストブロケーズ社(Gist-Brocades)から市販のマクサターゼ(Maxatase)およびマクサカル(Maxacal)、昭和電工(Showa Denko)のカズサーゼ(Kazusase)、並びに花王(KAO)から市販のK−16−ライクプロアテーゼ(K-16 -like proteases)を含む。さらなる例示的なプロテアーゼは、例えば、欧州特許130756、国際公開特許WO91/06637、国際公開特許WO95/10591、国際公開特許WO99/20726、米国特許5030378(プロアテーゼ「A」)、および欧州特許251446(プロアテーゼ「B」)に記載される。
【0094】
例示的な漂白添加剤は、過酸化水素、過ホウ酸塩、過炭酸塩または6−フタルイミドペルオキシへキサン酸などのペルオキシ酸およびそれらの混合物などの漂白剤を含む。本発明の物品は、漂白剤を実質的に含まない実施形態を含む。
【0095】
それらは、さらに製剤に、微量の土壌懸濁剤または再付着防止剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)に、含まれてもよい。
【0096】
土壌解除剤(例えば、ポリエステルの誘導体)は、米国特許第5,147,576号(モンタギュー(Montague)ら)で見られるような解膠ポリマーのように、本明細書において使用することができる。
【0097】
また消泡剤(例えば、シリケーンL7604(Silicane L 7604)などのシリコーン化合物)も組成物へ添加することができる。
【0098】
特定の任意の補助剤成分は、アロンソン(Aronson)らの米国特許第5,089,163号および同第4,959,179号に記載されるような、pHジャンプシステム(例えば、ホウ素化合物/ポリオール)であってもよい。pHジャンプシステムの含有は、中和された脂肪酸の効果を得て界面活性剤の量を最小化するように、pHが洗濯機内で急激に上がり脂肪酸を石鹸形状に中和することを確実にする。別の実施形態では、コンパクトな液体洗濯洗剤は、前述のホウ砂ソルビトールpHジャンプシステムなどのような、pHジャンプシステムを実質的に含まない。
【0099】
これらの補助剤は、コンパクトな洗剤組成物の約0.0001重量%〜約95重量%、具体的には約0.001重量%〜約70重量%で、本発明の組成物または方法のいずれにおいても任意に存在してもよい
本明細書の補助剤のリストは、限定する目的ではなく、その他の記載されない当該技術分野において周知の補助剤もまた組成物に含まれてもよい。
【0100】
水不溶性容器−一実施形態では、コンパクトな液体洗濯洗剤は、水不溶性容器に放出可能に保存されてもよい。本明細書で使用するとき「水不溶性容器」は、その形状、一般的には、コンパクトな液体洗濯洗剤が水不溶性容器に残っている間、コンパクトな液体洗濯洗剤と直接接触し、コンパクトな液体洗濯洗剤を放出可能に保存する機能を失わない容器を示す。具体的には、これは、水不溶性材料が、水に不溶性である材料を含むことを意味する。
【0101】
水不溶性容器は、ガラス、金属、ポリマーなど、およびそれらの組み合わせなどのいずれの好適な材料から作られてよい。一実施形態では、水不溶性容器はポリマー材料を含むが、フィルムライニングを備える板紙カートンおよびガラスボトルなどのその他のパッケージも使用してよい。一実施形態では、水不溶性容器は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、およびそれらの組み合わせから選択されるポリマー材料である。
【0102】
一実施形態では、水不溶性容器は、少なくとも部分的に、より具体的には全体的に透明または半透明であってもよい。別の実施形態では水不溶性容器は、少なくとも部分的に、より具体的には全体的に不透明であってもよい。別の実施形態では、水不溶性容器は、実質的に不透明であり、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物が水不溶性容器内にどれくらい存在するかの情報を提供することのできる、透明なまたは不透明な部分或いは窓を含む。この透明または不透明な部分或いは窓は、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物が水不溶性容器内にどれくらい存在するかの情報を提供するのに十分である限り、いかなる好適な大きさまたは形状であってもよい。別の実施形態では、内容量がより容易に見えるように、拡大窓を水不溶性容器に配置することができる。
【0103】
本発明の水不溶性容器は、家庭用の液体の保存または梱包に好適ないかなる形状または大きさであってもよい。例えば、一実施形態では、水不溶性容器は100mL〜3000mL、より具体的には250mL〜1500mLの容量を有する。一実施形態では、水不溶性容器は容易な扱いに好適であり、例えば容器は、取っ手、または、片手で容器を容易に持ち上げまたは運ぶことを可能にするような寸法を備える部分を有してもよい。
【0104】
水不溶性容器は熱成形、吹込み成形、射出成形、射出延伸ブロー成形(ISBM)または、同様な任意の好適な工程によって形成されてもよい。水不溶性容器は、いずれの大きさまたは形状であってもよい。
【0105】
一実施形態では、水不溶性容器は、少なくとも部分的に、より具体的には全体的に透明または半透明であってもよい。別の実施形態では底部分注容器は、少なくとも部分的に、より具体的には全体的に不透明であってもよい。
【0106】
一実施形態では、水不溶性容器は上部分注容器、底部分注容器、側部分注容器、およびそれらの組合わせから選択される。
【0107】
別の実施形態では、水不溶性容器は、組成物を注入するために好適な手段および水不溶性容器を再閉口するための手段を有する。注入手段はいかなるサイズまたは形状であってもよいが、液体洗剤組成物を注入しやすいように十分広いものが好ましい。任意の閉口手段は、いかなる形状またはサイズであってもよいが、通常、水不溶性容器を閉じるために容器にネジ式で、またはカチッと閉まるように、乃至は別の方法で固定されるであろう。任意の閉口手段は、水不溶性容器から外すことができるキャップであってもよい。或いは、任意のキャップは、水不溶性容器が開口しているか閉口しているかに関わらず、水不溶性容器に付いていることができる。任意の閉口手段は、水不溶性容器に組み込まれてもよい。
【0108】
一実施形態では、水不溶性容器は、一般的に、そこを通じて組成物を分注するための開口部および組成物を分注するための作動手段を含む。例示的な一種の水不溶性容器は、いわゆるスクイーズ容器である。スクイーズ容器は、通常、弾力的に変形可能な材料から形成され、より具体的には、開口部を通る流れを制御するための弁を有してもよい容器の上部、側部および/または底部に開口部を有する。
【0109】
有用な弁の1つの種類は、弁を回転させることで作動する開閉弁である。特に有用な別の弁は、弁を通る圧力差に従って流量を制御する感圧分注弁である。そのような弁は、通常では閉口し、容器が圧迫されるときに開口の形状をとるように構成することができる。
【0110】
或いは、スクイーズ容器は、いわゆるボトル容器状の袋またはいわゆる無気ボトル容器であってもよい。
【0111】
水不溶性スクイーズ容器の任意の特徴としては、分注の間の組成物の損失を防ぐためのキャップを含む。ポンプ機構を有する剛体材料の水不溶性容器もまた、本明細書の使用に好適である。
【0112】
別の実施形態では、水不溶性容器は、コンパクトな液体洗濯洗剤を分注する最中、不溶性容器においてコンパクトな液体洗濯洗剤組成物と共にある上部空間の臭いに消費者が接近することを防ぐことが可能である。本明細書で使用するとき、「臭いの接近を防ぐ」とは、消費者が臭いに接近できない、即ち、分注中にコンパクトな液体洗濯洗剤の上部空間のにおいをを嗅ぐまたは検知することができないことを意味する。この臭いの接近は、容器の底部、前部、および/または側部などの容器の上部空間の位置から離れた水不溶性容器の一部分からコンパクトな液体洗濯洗剤を分注することにより防いでもよい。
【0113】
別の実施形態では、水不溶性容器は、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物を保存するための変形可能な容器および分注キャップを含む。変形可能な容器は下端部および下端部の開口部を有するが、より具体的には、開口部は、液体、ジェルおよび/またはペーストを分注するために採用されるスリット弁を含む。分注キャップは、変形可能な容器の下端部へ取り外し可能に取り付けられ、下端部の少なくとも開口部を覆う。より具体的には、分注キャップは、下端部の開口部と流体連通する閉口可能な注出開口部をさらに含む。
【0114】
別の実施形態では、水不溶性容器は、多様な量、または1回量のコンパクトな液体洗濯洗剤組成物を分注することが可能である。別の実施形態では、水不溶性容器は、既定の量、または既定の1回量のコンパクトな液体洗濯洗剤組成物を分注することが可能である。別の実施形態では、既定の1回量は、推奨用量の半分の単位を提供するように、容器によって予め設定される。本明細書で使用するとき「推奨用量」とは、いずれの特定の使用状況において、消費が使用すべきコンパクトな液体洗濯洗剤組成物の量を示す。別の実施形態では、商品は、水の硬度および土壌レベルによって以下の推奨用量を有する。低土壌または軟水向けの用量は10mL〜40mLであり、中質土壌または中硬度の水向けの用量20mL〜50mLであり、高土壌または高硬度の水向けの用量30mL〜70mLである。
【0115】
別の実施形態では、水不溶性容器は、約3〜約50、具体的には、約6〜約50のコンパクトな液体洗濯洗剤組成物の推奨用量を含むことのできる容量を有する。別の実施形態では、水不溶性容器は、250mL〜1500mLの容量、および推奨用量約6〜約50回分の容量を有する。
【0116】
別の実施形態では、布地を洗濯するためのコンパクトな液体洗濯洗剤組成物の多様な用量を分注するための分注器具は、水不溶性容器とともに提供される。分注器具は、存在する場合、取り外し可能に水不溶性容器に備え付けられる。一実施形態では、分注器具は、分注キャップである。
【0117】
別の実施形態では、水不溶性容器、より具体的には、注入ボールなどの分注器具または注入器具は、特定数の推奨用量の一部が硬水、中水、および軟水での洗濯に使用されるように、推奨用量の一部を提供するためのマーキングを有する。これらのマーキングによって、洗濯機での使用のためのコンパクトな液体洗濯洗剤組成物を注入する際に、用量の順守が容易になる。別の実施形態では、水不溶性容器は、水不溶性容器に取り外し可能に取り付けられた分注器具を含み、分注器具は、それ自体にマーキングを有する。
【0118】
好適な水不溶性容器の例証的な実施例は、2004年2月2日に出願された米国仮出願整理番号第60/541,114、名称「らせん状の取っ手を有する容器(CONTAINER HAVING A HELICAL GRIP)」(ブライアン・フロイド(Brian Floyd))、米国特許第4,550,862号、および第4,981,239号、2004年3月16日に発行された米国特許第6,705,492号(ローリー(Lowry))、1990年11月13日に発行された米国特許第4,969,581号(セイフェルト(Seifert)ら)、2002年12月17日に発行された米国特許第6,494,346号(グロス(Gross)ら、1997年5月6日に発行された米国特許第5,626,262号(フィッテン(Fitten)ら)、1997年8月12日に発行された米国特許第5,655,687号(フィッテン(Fitten)ら)、1988年3月1日に発行された米国特許第4,728,006号(ドロビッシュ(Drobish)ら)、2001年8月7日に発行された米国特許第6,269,837号(アレント(Arent)ら)、1988年6月7日に発行された米国特許第4,749,108号(ドルンブッシュ(Dornsbusch)ら)、2004年1月13日に発行された米国特許第6,675,845号(ボルペンハイム(Volpenheim)ら)、米国特許第4,732,315号、同第6,021,926号、同第6,269,962号、同第4,846,359号、同第6,960,375号、同第6,223,945号、同第6,902,077号、同第6,824,001号、同第6,959,834号、同第6,491,165号、同第5,050,742号、同第6,705,465号、同第6,630,437号、同第6,756,350号、同第6,366,402号、同第6,159,958号、および同第6,601,705号、1992年12月10日に公開された国際公開特許WO92/21569、名称「逆ディスペンサー(Inverted Dispenser)」(カナダ社(Canada Inc)の名義)、2001年12月18日に公開された国際公開特許WO01/04006、名称「容器(Container)」(ユニリーバ(Unilever)の名義)、1981年1月7日に公開された欧州特許21,545(プロテクター・アンド・ギャンブル社(Procter and Gamble Company)の名義)、並びに1997年12月10日に公開された欧州特許811,559(ユニリーバ(Unilever)の名義)、並びに米国意匠特許第403,578号、同第414,421号、同第425,792号、同第491,071号、同第466,816号、同第457,064号、同第439,520号、同第286,602号、同第429,643号、同第472,151号、同第417,622号、同第322,748号、同第509,748号に見出すことができる。
【0119】
水不溶性容器、即ち、底分注容器の例証的な実施例は、2006年5月5日に出願された、代理人整理番号10403Pの同時係属の米国仮特許出願第__/___,___号、名称「布地処理分注包装容器(Fabric Treatment Dispensing Package)」(アン・ドゥーリー(Ann Dewree)らの名義)に見出すことができる。
【0120】
一実施形態では、水不溶性容器は、それに伴うしるしを有してもよい。本明細書で使用するとき、「しるし」とは、香り、商標付け、梱包、特性、音、言葉、フレーズ、文字、キャラクター、ブランド名、社名、会社のロゴまたはシンボル、説明、ロゴ、アイコン、デザイン、デザイナー名、シンボル、モチーフ、記章、図、マーク、信号、色、質感、形状、表象、広告、およびそれらの組合わせを示す。
【0121】
本明細書で使用するとき、「伴う」とは、しるしなどのように、消費者にしるしを伝達することができるよう、商品、水不溶性容器自体、または商品或いはその一部に付けられたラベルに、直接印刷されるか、またはそれに付けられるかのいずれかであり、および/或いは冊子、印刷広告、電子広告および/または口頭の伝達を含む、異なる方法で存在するということを意味する。
【0122】
一実施形態では、しるしは、言葉、フレーズ、ブランド名、会社名、説明、香料名、デザイナー名、広告、およびそれらの組合わせから選択される。しるしは、1言語以上であってもよい。
【0123】
一実施形態では、水不溶性容器に伴うしるしは、分注情報、保存情報、布地情報、製品情報、関連製品情報、およびそれらの組合わせから選択される情報を含む。
【0124】
別の特定の任意の実施形態では、1つ以上のしるしが、水不溶性容器、より具体的には、変形可能な容器および/または分注キャップに、直接的に印刷されてもよい。別の特定の任意の実施形態では、1つ以上のしるしが、水不溶性容器、より具体的には、変形可能な容器および/または分注キャップに、エンボス加工されてもよい。
【0125】
一実施形態では、水不溶性容器、より具体的には変形可能な容器および/または分注キャップに伴うしるしは、ラベルによるものである。ラベルは、しるしなどのために店頭における便利な場所を提供する。用語「ラベル」は、例証的な例として、容器の上にしるしを直接置く方法(例えば、印刷またはモールド成形)、基材上にしるしを印刷する方法を含み(これにおいて基材は、水不溶性容器、より具体的には変形可能な容器および/または分注キャップの外側面上、或いは水不溶性容器、より具体的には変形可能な容器および/または分注キャップを含む箱のようなパッケージに置かれるか、或いはそれに伴う)、任意に表現される任意の1つ以上のしるしを含む有形的表現媒体を含み、広範囲の意味で、本明細書において使用することができる。一実施形態では、嗅覚的香り記述子は、ラベル(例えば、包装)によって提供されてもよい。例えば、ラベル自体が香料を付けられてもよく、即ち、香りを有することができる。
【0126】
本発明の任意のラベルは、一般的に、水不溶性容器、より具体的には変形可能な容器および/または分注キャップの形状を模倣してもよい。好適なラベルの例証的な実施例としては、部分的に巻かれるラベル、巻かれるラベル、収縮包装フィルムのラベル、ステッカー、インモールドラベル下げ札、製品名を載せるラベル、およびそれらの組合わせが挙げられる。
【0127】
一実施形態では、しるしがラベル上に印刷され、水不溶性容器、より具体的には変形可能な容器および/または分注キャップ(水不溶性容器、より具体的には変形可能な容器および/または分注キャップが透明/半透明である場合)は、消費者がラベルを通してしるしがない場所を実質的に目で見ることができるように、ラベルは、透明基材である。理論に束縛されるものではないが、消費者への伝達において、透明なラベルであれば、組成物の色または水不溶性容器の色合いが最大化され得る。
【0128】
別の実施形態では、ユーザーにさらに伝達するように、ラベルは背景色を有する。例えば、香りまたは香り識別子がモクレンおよびオレンジの場合、オレンジ色がオレンジの果実および/またはオレンジの花、即ちオレンジの香りと視覚的に関連付けられることを前提として、この香りの体験をユーザーにさらに伝達できるように、ラベルはオレンジ色の背景色を有することができる。
【0129】
別の特定の任意の実施形態では、1つ以上のしるしが、水不溶性容器、より具体的には、変形可能な容器および/または分注キャップに、直接的に印刷されてもよい。別の実施形態では、1つ以上のしるしが、水不溶性容器、より具体的には、変形可能な容器および/または分注キャップに、エンボス加工されてもよい。
【0130】
任意の一実施形態では、ラベルは、水不溶性容器上、より具体的には変形可能な容器および/または分注キャップ上で「収縮包装」される。別の任意の実施形態では、ラベルは水不溶性容器、より具体的には変形可能な容器および/または分注キャップに接着剤によって、接着される。
【0131】
水不溶性容器、および/または例えば分注キャップなどのそれらの一部の、多様で任意の実施形態は、図1〜10を参照して、さらに説明され例示される。
【0132】
図1は、取り外し可能に取り付けられた変形可能な容器110および分注キャップ120を含む水不溶性容器100の例証的な一実施例である。変形可能な容器110は、その中に開口部140を備える下端部130を有する。分注キャップ120は、開口部140を覆い、変形可能な容器110の下端部130に取り外し可能に付けられる。また、分注キャップ120は、直立の状態で面150上に置かれて示される。
【0133】
図1は、それに伴うしるし160および165を有する水不溶性容器100の例証的な実施例である。しるし160および165は、同一、または異なるものであってもよいが、変形可能な容器110および分注キャップ120に伴う。本実施形態において、それに伴うしるし160および165は、接着剤によって変形可能な容器110および分注キャップ120に固定される2つのラベルである。
【0134】
また、図1の変形可能な容器110は、下端部130から遠位の上端部170を有する。さらに、変形可能な容器110は上端部170が面150上に接触して直立の状態で面150上に置かれることが可能であり、つまりここで、図1に示されるように、変形可能な容器110に対して逆になる。
【0135】
前述のように、変形可能な容器110および/または分注キャップ120のなどの水不溶性容器100の任意の部分は、半透明または透明であることが可能である。
【0136】
図2は、線2に沿った、図1の水不溶性容器100の可能な一実施形態の断面図である。この断面図は、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物180およびコンパクトな液体洗濯洗剤組成物180が分注される任意の弁175を示す。水不溶性容器100はまた、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物180に直接接触し、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物180を保存して示される。また変形可能な容器110の壁190も示されている。
【0137】
図3は、水不溶性容器300の別の代替実施例であり、変形可能な容器310および取り外し可能にそれに取り付けられた分注キャップ350を含む。変形可能な容器310は、例えば、スナップ式取り付けによって、開口部340を備える直立の状態の変形可能な容器310を支えるベース330を有する分注末端部320に取り付けられる。分注キャップ350は、開口部340および弁430を覆う(図5)。分注キャップ350は、変形可能な容器310を直立の状態で支持する。分注キャップ350は、分注開口部340上に弁430および開口部340を覆って変形可能な容器310に取り外し可能に取り付けられる。分注キャップ350は、面360および、面から延設して分注キャップ350の内側380を画定する円筒型壁370を有するカップ型部材410から形成される。分注キャップ350の面360もまた、直立の状態で面390上に置かれて示される。分注キャップ350は、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物450(図5)を受け取り分注し、より具体的には、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物450を洗濯機内で分注することが可能である。
【0138】
水不溶性容器300は、それに伴うしるし400および405を有する。しるし400および405は、同一、または異なるものであってもよいが、変形可能な容器310および分注キャップ350に伴う。本実施形態において、それに伴うしるし400および405は、接着剤によって変形可能な容器310および分注キャップ350に固定される2つのラベルである。
【0139】
図4は、図3の水不溶性容器300の分解図であり、変形可能な容器310に取り外し可能に取り付けられた分注キャップ350を示す。
【0140】
図5は、線5に沿った、図4の水不溶性容器300の可能な一実施形態の断面図である。この断面図は、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物450を保存するための内側キャビティ440、およびコンパクトな液体洗濯洗剤組成物450が分注される任意の弁430を示す。また変形可能な容器310の壁420も示されている。弁430は、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物450が、分注開口部340を通り抜けないようにするように、閉口した状態で示される。
【0141】
図6は、線6に沿った、図5の弁430の1つの可能な実施形態の断面図である。弁430は、それを通る小さなクロススリット460を有する。
【0142】
図7は、線5に沿った、図4の水不溶性容器300の可能な一実施形態の断面図である。弁430は、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物450が内側キャビティ440から分注開口部340を通って流れることが可能であるように、開口した状態で示される。
【0143】
特定の任意の一実施形態における弁430は、通常の重力下でのコンパクトな液体洗濯洗剤組成物450の圧力以上の圧力に曝された場合のみ、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物450が開口部430を通過することを可能にする。
【0144】
或いは、別の特定の任意の実施形態における弁430は、バイモーダル弁であって、図5に図示されるように、変形可能な容器310が意図的ではない外力に曝された場合に、漏れることなくコンパクトな液体洗濯洗剤組成物450を保持することのできる第1作用モード、および、図7に図示されるように、変形可能な容器310が意図的にユーザーにより適用される外力に曝される場合に、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物450を分注することのできる第2作用モードを有するバイモーダル弁である。
【0145】
図8は、人間の手500によって握られ、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物450を分注する図3の水不溶性容器300の例証的な実施例である。(注意:人間の手、またはその一部は、本発明の範囲の一部ではない。)
図9は、別の可能な水不溶性容器の例証的な実施例である。図9では、水不溶性容器700は、側部分注球形変形可能な容器610および長方形分注キャップ620を含む。
【0146】
図10は、水不溶性容器800の別の例証的な実施例であり、この場合、上部分注容器は、変形可能な容器810およびそれに取り外し可能に取り付けられた分注キャップ820を含む。変形可能な容器810は、その中に開口部840を備える上端部870を有する。分注キャップ820は、開口部840を覆い、変形可能な容器810の上端部870に取り外し可能に取り付けられる。また変形可能な容器810の底部は、直立の状態で面850上に置かれて示される。
【0147】
図10は、それに伴うしるし860および865を有する水不溶性容器800の例証的な実施例である。しるし860および865は、同一、または異なるものであってもよいが、変形可能な容器810および分注キャップ820に伴う。本実施形態において、それに伴うしるし860および865は、接着剤によって変形可能な容器810および分注キャップ820に固定される2つのラベルである。
【0148】
また、図10の変形可能な容器810は、上端部870から遠位の下端部830を有する。また変形可能な容器810も、面850上に接触する下端部830を備え直立の状態で面850上に置くことができる。
【0149】
前述のように、変形可能な容器810および/または分注キャップ820などの水不溶性容器800の任意の部分は、半透明または透明であることができる。
【0150】
一連の消費者製品−本発明の任意の一態様は、一連の消費者製品を含み、特に少なくとも1つの本明細書に記載される商品を含む。一実施形態では、一連の消費者製品に存在するそれぞれの商品は、いくつかの方法において相違がある。この相違は、例えば、水不溶性容器またはその一部(変形可能な容器および/または分注キャップなど)の形状、水不溶性容器またはその一部の容量、水不溶性容器またはその一部の寸法、水不溶性容器またはその一部の色、水不溶性容器またはその一部に伴うしるし、異なるコンパクトな液体洗濯洗剤組成物など、およびそれらの組合わせであり得る。
【0151】
一実施形態では、一連のものとは、一連の洗濯製品、よりさらに具体的には、少なくとも2つ以上の商品間の関係の可視表示を提供する、少なくとも2つ以上の商品に伴うしるしを有する一連の洗濯製品である。
【0152】
透明または不透明−本明細書で使用するとき、「透明または不透明」とは、可視スペクトルにおいて(約410nm〜800nm)電磁放射線の少なくとも1つの波長が約25%よりも大きい透過性、より具体的には、電磁スペクトルの可視部分において約25%以上、さらにより具体的には約30%以上、さらにより具体的には約40%以上、またさらにより具体的には約50%以上の透過性を示し、これにおいて透過性率は、以下に等しい。
【数1】

【0153】
或いは、容器、組成物などは、可視電磁スペクトルのボトルの吸光度が約0.6未満である場合、半透明または透明であるとみなされてよい。半透明または透明物質の例証的な実施例は、透明ボトルまたは透明組成物である。半透明または透明な対象の別の実施例は、青い色合いまたは赤い色合いを有するように着色されているが、可視スペクトルにおいて電磁放射線の少なくとも1つの波長が約25%よりも大きい透過性をさらに有するボトルまたは組成物である。
【0154】
一実施形態では、コンパクトな液体洗濯洗剤組成物は透明または半透明であり、約410ナノメートル〜約800ナノメートルの波長で1cmキュベットを使用して、少なくとも約50%透過性の光の透過性を有する。
【0155】
半透明または透明および不透明な容器および/または組成物などのさらなる例示的な情報および実施例は、マーフィー(Murphy)らに発行された米国特許第6,630,437号、ギブリン(Giblin)らに発行された同第6,756,350号、ギブリン(Giblin)らに発行された同第6,631,783号、およびぺ・リー(Bae-Lee)らに発行された同第6,159,958号に見出すことができる。
【0156】
本明細書で使用するとき、「不透明」とは、可視スペクトルにおいてすべての電磁放射線の波長の約25%未満である透過性、より具体的には、電子スペクトルの可視部分において約20%未満、さらにより具体的には約15%未満、さらにより具体的にはさらに約10%未満、またさらにより具体的にはさらに約5%未満である透過性を示す。或いは、容器、組成物などは、可視電磁スペクトルのボトルの吸光度が約0.6より大きい場合、不透明であるとみなされてよい。
【0157】
方法論−吸光度および透過性の測定−機器:ミルトンロイスペクトロニック601(Milton Roy Spectronic 601)
手順:
1.分光分析装置および電源ボックスの両方にスイッチを入れ、30分間ウォームアップさせる。
2.波長を設定する:キーパッドで所望の波長を入力する(即ち、590、640など)。[第2機能(second function)]キーを押す。「λへ進む(go to)」[はい(yes)]キーを押す。その後機械は、選択された波長で読み込む準備ができる。
3.機器をゼロに合わせる:[第2機能(second function)]キーを押す。「ゼロA(zero A)」[%T/AIC]を押す。その後機器は、「XXXNM 0.000A T」を読み込む。
4.カバーを開き、試料をセンサーの前に垂直に置く。
5.蓋を閉じ、読み込み(例えば、640NM 0.123A T)を記録する。
注意:すべての読み込みは「A」モード(吸光度モード)で取られる。新しい波長への変更および/または新しい試料の度に機器をゼロに合わせる。
【表1】

【0158】
組成物の使用−コンパクトな液体洗濯洗剤は、洗濯洗浄製品として使用されてもよい。使用中、コンパクトな液体洗濯洗剤の測定された量が布地、衣類などに沈着、または洗濯機内に入れられ、水と混合されて、洗濯洗浄に作用する。コンパクトな液体洗濯洗剤は、前面投入型洗濯機、またはいわゆる高性能、つまりHE(High Efficiency)洗濯機での使用に特に好適であるということに留意するべきである。
【0159】
粘度測定−本明細書の液体洗剤の粘度、即ち、VおよびVは、TAインスツルメンツ社(TA Instruments Ltd.)(ビルトンセンター(Bilton Center)、クリ−ブロード(Cleeve Road)、レザーヘッド(Letherhead)、サリー(Surrey)KT22 7UQ、英国)より製造されるTA AR550レオメーター(TA AR550 Rheometer)を使用して測定される。
【0160】
使用されるソフトエウェアが機器に備えられ、「レオロジーアドバンテージインスツルメントコントロールAR(Rheology Advantage Instrument Control AR)」と呼ばれる。
【0161】
本装置は、各測定の前に、マニュアル「AR550レオメーターインスツルメントおよびアクセサリマニュアル(AR550 Rheometer Instrument and accessory manual)」(2004年1月、PN500034.001 rev F)、25ページ〜29ページ、40ページ〜44ページ、およびマニュアル「レオロジーアドバンテージインスツルメントコントロールスタートアップガイド(Rheology advantage Instrument Control Getting Started Guide)」(2004年1月、改訂E)、9ページ〜14ページ、20ページ、25ページ〜28ページ、37ページ〜38ページに報告される説明書に従って、設定される。使用される設定およびパラメータは本明細書に記載される。
【0162】
ソフトウェアの「ジオメトリ」のセクション(「レオロジーアドバンテージインスツルメントコントロールスタートアップガイド(Rheology advantage Instrument Control Getting Started Guide)」(2004年、改訂E)、9ページを参照のこと)では、回転プレート(40mm鋼プレート)と試料プラットフォーム(ペルティエプレート)との間の間隙は、500ミクロンに設定される。手順は連続的なランプ試験であり、即ち、試料のレオロジーが増加するずり速度に対して測定されるやり方である。ずり速度の設定は、連続的なランプ試験の3分間の総持続時間で、また各ずり速度の10倍増毎の20ポイントのサンプリング(自動的に行われる)で0.04s−1〜30s−1の範囲であり、合計60測定で提供される。温度は21℃に設定される。
【0163】
本発明によるコンパクトな液体洗濯洗剤組成物の試料、または比較のための本発明によらない洗濯洗剤の試料は、本明細書に記載される充填手順によってレオメーターに充填される。試料充填手順(マニュアルに詳細に記述される通り)は、以下である。
1.温度を確認し(「機器の状態(instrument status)」セクションを参照のこと)、設定温度と一致しているかを確認する。温度が正しくない場合、設定は、マニュアルの設定に従って変える必要がある。
2.試料は、先端で4mmの最小直径を備えるプラスチックピペットを使用して充填される(充填動作による応力の試料のレオロジーへの影響を最小化するため)。最少量である5mLが、回転プレートの製品のすべてをカバーすることを保証するために、ペルティエプレートの中央に適用される必要がある。
3.回転プレート(測定システムに接続されたプレート)は、設定された距離に移動される(上述通り)。
4.過剰な試料(即ち、回転プレートの縁部に存在するいかなる試料)は、マニュアルの説明に従って、試料の充填を修正するへらで取り除かれる。
【0164】
測定の工程は、以下である。
5.試料を充填した後、動かさずに10秒間放置する必要がある。結果に影響を及ぼすため、装置が測定中に振動に曝されないことを確認し、稼動を開始する。測定が振動の影響を受けた場合、振動源を排除しながら、実験を繰り返す。
6.稼動終了時に、プログラムは自動的に停止する。すべての粘度データは、自動的に保存される。
7.プレートは、水およびエタノールで洗浄され、それから、ペーパータオルで乾燥される。
【0165】
本明細書に引用される粘度データVnは、20s−1のずり速度で決定される。
【0166】
特許実施例に引用されるデータは、20s−1のずり速度を参照する。測定が、正確に20s−1で得られなかった場合、データは20s−1のポイントに最近似位であるデータポイントの補間に基づいて計算される。
【0167】
表1は、詳細な製品組成物を示す。組成物1は、本発明の代表的なものである。組成物AおよびBは比較組成物である。
【表2】

【0168】
組成物1並びに参照組成物AおよびBの粘度Vnは、上述の報告されたプロトコルに従って測定される。
【0169】
次に、組成物は以下のプロトコルに従って、水で希釈される。
【0170】
100グラムの組成物は、プラスチックビーカーで加重される。ビーカーは、製品内への空気の封入を避けるために低速200rpmで回転する機械的撹拌器で撹拌される。撹拌中に、50mLの脱イオン水が組成物へ加えられる。組成物は、組成物が完全に均質になるまで、4分間撹拌される。組成物は、粘度測定を開始する前に15分間、静止される。全手順は、室温で実行される。
【0171】
粘度データVおよびVは、表2に報告される。
【表3】

【0172】
表1、組成物1のクリーニング性能が試験された。以下の条件を使用した:ボッシュシーメンズ社(Bosch Siemens)の製造のBosch MaxxWFL2450洗濯機(Bosch Maxx WFL2450 WFL2450 washing machine)などの西欧の水平軸洗濯機、2.5mモル/リットルの硬度の水、40℃の洗浄温度、通常の綿用サイクル、16種類の異なる汚れを含んだ1.5kgの綿製品の洗濯物。組成物1は、1洗浄あたり35グラムの投与用量で試験され、同じ条件下で同じ染みで、1洗浄あたり80グラムの投与用量で試験された市販のアリエール液体コンパクト(Ariel liquid Compact)(プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Ltd.))の試料と比較される。組成物1および比較のアリエール液体コンパクト組成物の両方は、市販の分注ボールなどのそれらの投与器具にそれぞれ入れられ、これらは洗浄ドラムに直接入れられる。その後、汚れた布地を加え、洗濯機のサイクルが始動する。洗浄の終了時に、組成物1で洗浄された汚れた布地、およびアリエール液体で洗浄された汚れた布地は、2つの専門洗濯評価機のパネルで比較され、2つの製品によって結果として生じる染み除去(すべての染みにわたって平均する)は、同等であると判断された。
【0173】
本発明の例示的なその他の組成物を、表3および表4に例示する。
【表4】

【表5】

【0174】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味または定義が、参照により組み込まれる文献における用語のいずれかの意味または定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味または定義を適用するものとする。
【0175】
本発明の組成物は、本発明の構成成分並びに本明細書で記載されるその他の成分を包含することができ、それらから本質的になることができ、またはそれらからなることができる。本明細書で使用するとき、「から本質的になる」とは、組成物または構成成分が追加成分を包含してよいが、それら追加成分が特許請求される組成物または方法の基本的および新規な特徴を大きく変化させない場合に限ることを意味する。特に記載のない限り、冠詞「a」、「an」、および「the」は、「1つまたはそれ以上」を意図する。
【0176】
ここで記述されるすべての百分率は、特に指定のない限り、重量百分率である。本明細書全体を通じて記載されているあらゆる最大数値限定には、それより小さいあらゆる数値限定が、そのようなより小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含まれると理解すべきである。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最小数値限定には、それよりも大きいあらゆる数値限定が、あたかもこうしたそれよりも大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように、包含される。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる数値範囲には、こうしたより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲が、あたかもこうしたそれよりも狭い数値範囲がすべて本明細書に明確に記載されているかのように、包含される。温度は、特に指定しない限り、すべて摂氏(℃)である。
【0177】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく他の様々な変更および修正を実施できることが当業者には自明である。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更および修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】1つの可能な水不溶性容器の正面図の例証的な実施例。
【図2】図1の水不溶性容器の断面。
【図3】別の可能な水不溶性容器の正面図の例証的な実施例。
【図4】図3水不溶性容器の分解図。
【図5】閉口位置の弁を示す図3の水不溶性容器の断面。
【図6】図3の水不溶性容器の弁の断面。
【図7】開口位置の弁を示す図3の水不溶性容器の断面。
【図8】人間の手によって握られる図3に図示される水不溶性容器の例証的な実施例。
【図9】別の水不溶性容器の例証的な実施例。
【図10】さらに別の水不溶性容器の例証的な実施例。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯のための商品であって、
(a)コンパクトな液体洗濯組成物であって、水および非アミノ官能性溶媒を合計で前記組成物の5重量%〜45重量%含むコンパクトな液体洗濯組成物と、
(b)前記コンパクトな液体洗濯洗剤組成物を放出可能に保存する水不溶性容器と、を含み、
前記組成物が、20s−1で測定されるとき、1Pa.s(1,000cps)〜10Pa.s(10,000cps)の純粘度Vと、20s−1で測定されるとき、0.5V以下の希釈粘度Vと、を有し、
好ましくは、前記洗濯組成物が希釈で薄まり、前記水不溶性容器がスクイーズ容器およびポンプ容器から選択される、商品。
【請求項2】
洗濯のための商品であって、
(a)コンパクトな液体洗濯洗剤であって、
(i)前記組成物の少なくとも10重量%の界面活性剤と、
(ii)前記組成物の少なくとも0.05重量%の香料と、
(iii)前記組成物の1重量%〜30重量%、好ましくは、5重量%〜30重量%の水と、
(iv)前記組成物の1重量%〜15重量%の非アミノ官能性溶媒と、を含み、
前記水と前記非アミノ官能性溶媒との合計が、前記組成物の5重量%〜45重量%以下であり、前記組成物が、20s−1で測定されるとき、1Pa.s(1,000cps)〜10Pa.s(10,000cps)の純粘度Vと、20s−1で測定されるとき、0.5V以下の希釈粘度Vと、を有するコンパクトな液体洗濯洗剤と、
(b)前記コンパクトな液体洗濯洗剤組成物と直接接触し、かつ前記コンパクトな液体洗濯洗剤組成物を放出可能に保存する水不溶性容器と、を含む、商品。
【請求項3】
前記コンパクトな液体洗濯洗剤が、前記界面活性剤によって内部で構造化される、請求項2に記載の商品。
【請求項4】
前記界面活性剤がアニオン性界面活性剤、石鹸、およびそれらの混合物から選択され、前記界面活性剤がナトリウム、カリウム、アミノ官能性カチオンおよびそれらの組合わせから選択されるカチオンを有し、前記界面活性剤が、前記組成物の5重量%未満のアミンオキシドおよび/またはベタインを含む、請求項2または3に記載の商品。
【請求項5】
前記アミノ官能性カチオンが、非アルカノール官能化モノアンモニウムおよびジアンモニウムを実質的に含まない、請求項4に記載の商品。
【請求項6】
前記コンパクトな液体洗濯洗剤が、パールエッセンス、オパールエッセンス、キレート剤、ポリマー、酵素、酵素阻害剤、増白剤、ビルダー、移染防止剤、染料、染料色忠実度安定剤、漂白触媒および/または漂白促進剤、漂白活性化剤、緩衝剤、抗菌剤、UV吸収体、布地柔軟添加剤、石鹸泡促進剤、石鹸泡抑制剤、分散剤、加工助剤、汚れ放出ポリマー、中和剤、ハイドロトロープ、増粘剤、構造剤およびそれらの混合物から選択される補助剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の商品。
【請求項7】
前記補助剤が、前記組成物の3重量%〜20重量%の中和剤を含み、前記コンパクトな液体洗濯洗剤組成物が研磨剤、漂白剤および/または有機ジアミンを実質的に含まず、好ましくは、前記補助剤が、
前記組成物の0重量%〜0.1重量%の非染色性染料と、前記組成物の0.001重量%〜1重量%の染料色忠実度安定剤、好ましくは還元剤、さらに好ましくは亜硫酸水素ナトリウムから選択されるものと、を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の商品。
【請求項8】
前記水不溶性容器が、
前記コンパクトな液体洗濯洗剤を保存するための変形可能な容器であって、下端部および前記下端部の開口部を有する変形可能な容器と、
前記変形可能な容器の前記下端部に取り外し可能に取り付けられ、少なくとも前記下端部の前記開口部を覆う分注キャップと、を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の商品。
【請求項9】
前記分注キャップが、前記下端部の前記開口部と流体連通する閉口可能な放出開口部をさらに含む、請求項2に記載の商品。
【請求項10】
洗剤の予め測定された1回量を分注し、布地を洗濯するための、請求項2に記載の商品の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−536250(P2009−536250A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509738(P2009−509738)
【出願日】平成19年5月4日(2007.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/010825
【国際公開番号】WO2007/130567
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】