説明

コンピュータ内蔵型多機能プリンタ

【課題】従来の複写装置は、コピー機能とファックス機能とを併せ持っているが、その装置の保守管理、付属品の管理は、一般的にレンタル会社が行っているため保守管理に相当な人数を要しているほか、使用料等の請求作業にも多くの社員を使用せざるを得なかった。
【解決手段】本発明装置は、従来のプリンタ装置にコンピュータを内蔵させ、併せてインターネット通信機能を組み込ませることによって、コピー機能、プリント機能、インターネット通信を一台の装置で行える新規なコンピュータ内蔵型多機能プリンタを開発することができ、これによりコピー用紙使用量や使用料金等の計算を瞬時にインターネット通信により管理会社に送信すると共に、故障時にはWeb画面にて故障の修理が指示され、また自動的に保守管理者に連絡されるという通信機能を有するものである。さらに使用料金についても、クレジットカード等によって、インターネット上で決済ができるものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、装置外筐に該装置の操作を行うディスプレーとコピー原稿用紙を複写するスキャナーとからなる複写部を設け、装置内部にはプリンタ機能を制御する制御部と、外部のデジタルデータを送受信するインターネット通信部と、マイクロコンピュータからなるコントローラ部と、ネットワークコンピュータ接続用ルータとを一台の装置内に内蔵した新規なコンピュータ内蔵型多機能プリンタを提供するものである。
【0002】
【従来の技術分野】従来、コピー専用機、あるいはファックス専用機と個々の用途に合わせて使用されたきたが、その後の開発でこれらの装置はコピー機能とファックス機能とが一台の装置で共用できるようになって市場に普及した。
【0003】さらに近年インターネット通信の発達に伴って、デジタルデータを複写するヂジタル複写機としてインターネット対応型の複写機が開発されている。このうち特開平10−16354号「インターネット対応型プリンタ」、特開平10−320316号「印刷システムおよび記録媒体」、特開平11−143670号「インターネット情報印刷システム」及び特開平11−316672号「インターネットプリントシステム」は、これらのインターネットで受信したデジタルデータをプリンタで出力できるシステムを開示している。
【0004】上記特開平10−16354号公報は、モデムを介して契約したインターネットプロバイダのWeb画面に接続して、予め付与されたIPアドレス等の識別コードを入力する入力手段と、Web画面を展開するリンク数入力手段と、入力されたアドレスとリンクからのデジタルデータをモデムを介して記憶部に取り込み、その後に必要なデータを印刷部で出力するプリンタを開示している。
【0005】また特開平10−320316号においては、自己のプリンタでの印刷の他に他者への印刷物の提供が容易にできるシステムを開示しており、この場合、パソコンのプリンタドライバで他のコンピュータシステムのパソコンが印刷データの送信先と選択された時には、印刷メール送信用ユーティリティ等によって他のパソコンに送信するシステムが知られている。
【0006】他のシステムに使用されるプリンタとして、特開平10−214163号公報「ネットワーク対応型印刷装置及び印刷方法」は、ホストコンピュータを介さずに直接ネットワークにアクセスして所望の情報資源を受信して、印刷できるプリンタを開示するが、この場合、プリンタには、インターネットに接続するためのネットワーク接続部と、WWWサーバ上の情報資源を登録するための登録部とを備え、登録部からのアクセス要求信号を発して能動的にインターネット接続し、得られた情報資源をダウンロードして印刷する事が知られている。
【0007】さらに1台の装置でコピー機能、ファックス機能、プリンタ機能のうち2つ以上を備えている複合装置も知られ、特開平10−117258号公報「複合装置」では、音声ガイドに従って前記各機能の操作を可能とするために、使用頻度の高いキーに簡単な識別部材を貼って区別する事を開示している。
【0008】このようにプリンタ装置として、現在の傾向として情報技術の発展と共に得られる大量のデジタルデータ情報を早く勝つ大量に印刷ができるものに開発主体が注がれている。
【0009】しかしながら一方、一般の事務所や一般家庭においては、コピー機能とファックス機能を合わせて有する複写装置が主力であり、インターネット機器はこれらの複写装置と別におかれているのが通常である。
【0010】特に事業用の複写装置をレンタルで貸す企業は、その複写装置のメンテナンスや付属備品の一括管理も併せて行っており、複写機の販売営業の他、賃貸管理部門や保守部門等に専任の社員をおかなければならないという基本的な問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにプリンタに関しては、近年インターネット対応型のプリンタが開発され大量の情報を印刷できる機能が提供されている一方で、複写装置のようにそのレンタル会社は、保守管理に相当な人数を必要とする問題があった。
【0012】他の課題は、ファックス機能付き複写装置とプリンタ装置とが殆ど別個に設置されていることから、製造側としても各々個別に製造しなければならないのは当然であるが、使用者側からすれば例えばインターネット端末で検索した情報を他人に送付する場合には、相手がインターネットに加盟していなければファックスや郵送で送付しなければならないという問題があった。
【0013】また特に複写装置の使用管理において、使用後の料金支払い、コピー用紙やトナー等の付属備品管理、装置の故障等については、その都度、メンテナンス部門と電話回線を利用して連絡を取らなければならないという基本的な問題があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のプリンタ装置に複写装置とコンピュータとを組み込み、1台の装置でコピー機能、プリンタ機能、通信機能、事務管理機能を併せ持つ新規なコンピュータ内蔵型多機能プリンタを提供するものである。
【0015】すなわち本発明の第1は、コピー、プリンタ等の機能を1台の装置に組み入れた多機能プリンタにおいて、装置外筐に該装置の操作を行うディスプレーとコピー原稿用紙を複写するスキャナーとからなる複写部と、装置内部にはプリンタ機能を制御する制御部と、外部のデジタルデータを送受信するインターネット通信部と、マイクロコンピュータからなるコントローラ部とを内蔵してあることを特徴とするコンピュータ内蔵型多機能プリンタである。
【0016】本発明の第2は、前記複写部におけるディスプレイは、コピー操作機能、プリンタ操作機能、インターネット通信操作機能をタッチパネル画面上で選択することにより、順次、各機能の細部項目に画面が変化する事を特徴とする請求項1記載のコンピュータ内蔵型多機能プリンタである。
【0017】本発明の第3は、前記プリンタ機能を制御する制御部は、複数のカラー・マネジメント・システムを搭載してなる制御部と、スキャンから入力された色の情報を記憶する記憶部と、用紙を順次回転させる回転ローダーと、印刷された用紙を排出する機構を連動するカラーLBPエンジンから成ることを特徴とする請求項1〜2記載のコンピュータ内蔵型多機能プリンタである。
【0018】本発明の第4は、前記インターネット通信部は、IEEE1284パラレル、イーサネット(登録商標)ネットワーク、WEB用管理ユーティリティーを有し、インターネット通信によって受信したデジタルデータをコントローラ部のサーバーに送信することを特徴とする請求項1〜3記載のコンピュータ内蔵型多機能プリンタである。
【0019】本発明の第5は、前記コントローラ部は、CPU、内蔵HDD、OS、IPアドレス、ルーター、データーを蓄積するサーバーとを内蔵するM/C管理部であることを特徴とする請求項1〜4記載のコンピュータ内蔵型多機能プリンタである。
【0020】本発明の第6は、コピー、プリンタ等の機能を1台の装置に組み入れた多機能プリンタにおいて、装置外筐に該装置の操作を行うディスプレーとコピー原稿用紙を複写するスキャナーとを設け、装置内部にはプリンタ機能を制御する制御部と、外部のデジタルデータを送受信するインターネット通信部と、マイクロコンピュータからなるコントローラ部と、ネットワークコンピュータ接続用ルータとを内蔵してあることを特徴とするコンピュータ内蔵型多機能プリンタである。
【0021】
【本発明の実施の形態】図1は、本発明装置の全体を示す斜視図である。本発明の上部外匡には、該装置の操作を行う液晶タイプのタッチパネル画面からなるディスプレーとコピー原稿用紙を複写するスキャナーとからなる複写部が設けられている。
【0022】このタッチパネル画面には、コピー機能、プリンタ機能、インターネット通信機能、事務管理機能、経理管理機能等を選択できるように表示され、順次、その選択した機能の詳細項目に従ってパネル画面が変化するようコンピュータにて設定されている。
【0023】装置上部に設けられた複写部は、通常のコピー操作をできるように設計されており、1枚毎に複写する場合には、複写部の上部蓋を上に上げ複写面に複写する面を向けて複写し、連続複写するには一枚毎に用紙が送付させる送付具を用いて順次複写をしている。
【0024】該装置の内部には、プリンタを制御するための制御部とインターネット通信を行うためのインターネット通信部と各種データを管理するコンピュータを内蔵している。
【0025】このうちプリンタ機能を制御する制御部は、上記複写部のカラースキャナーを3回転させて得られた3原色の色彩を認識して記録部に記録させ、次いでローダーを介して指定用紙を印刷して出力する機能を有している。これらの機能を実行するためのカラーLBPエンジン、複数のカラー・マネジメント・システムからなるプリンタ部と連動する。
【0026】プリンタ部には、市販のフジ・ゼロックス社のA3カラーLBP(LASER BeamPrinter)エンジンを用いているが、この場合の解像度は、最大2400X600dpiであり、使用できる用紙サイズは、特大サイズをはじめとして市販のプリンタと同様なサイズのものが使用できる。
【0027】このプリンタを使用した場合のプリント速度は、A4サイズの横カラーで4枚/分、A4サイズの白黒で16枚/分で通常のプリンタ装置と比較しても、早く印刷できるものである。
【0028】またカラーマネージメント機能としては、市販製品であるICCプロファイルス、ウインドウズ(登録商標)ICMやカラーシンク2.0に対応して使用できるものである。
【0029】該装置の内部には、外部の各種デジタルデータを蓄積するWWWサーバー等と接続するためのインターネット通信部を設け、この通信部にはインターフェイスを介してWEB端末を内蔵して、各種サーバーとインターネット通信ができる構造となっている。
【0030】情報の伝達を行うインタフェイス(I/F)としては、米国電気電子技術者協会(IEEE)が標準化した双方向パラレル(IEEE P1284)と、ネットワーク対応のためにLANアダプタであるEthernet(登録商標) 10/100BaseT/TXとを用いた。
【0031】本発明に於けるインターネット通信は、SOHO向けとしてのコントローラとしては、PHS(Personal Handyphone System)を組み込んだ公衆回線モデムに接続するが、一方、大企業向きコントローラとしては、パソコンをLAN接続してLAN対応としている。
【0032】この場合、モデムを装置外面に取付けダイヤルアップIP(Internet Protocol)接続によって、プロバイダと契約してIPアドレスを付与して貰い必要時にインターネット通信を行って必要なデジタルデータ情報を受信する。
【0033】得られたデジタルデータを内蔵したサーバーに蓄積したり、その内容を印刷したり、印刷枚数を管理するための機能としてマイクロコンピュータからなるコントロール部を設けてあるが、このコントロール部には、CPU、メモリー、RIP、OS、フォント等を特定して搭載している。
【0034】各部分の働きとして以下に説明するが、CPU(Central Processing Unit)は、コンピュータシステムの中で処理の中心的な働きを成すものであり、本発明においては、米国アドバンスド マイクロ デバイス社製の350MHz(商品名AMD K6−2)のCPUを用いている。
【0035】データを記憶するための装置としてのメモリには、標準256MB(最大512MB)のメモリを用いてインターネット通信で得たデジタルデータや、コピー操作の管理データ、保守サービスとの連絡通信のためのデータ等の蓄積と通信履歴の記憶を担える容量である。
【0036】RIP(Raster Image Processor)は、PostScrptのコマンドを、ラスターイメージに変換するハードウェア部分をいうが、本発明では、米国アドベシステム社が開発した商品名Adobe PostScrpt3(Version 3011.103)を用いた。このほか、同等の能力を有するキャノン製のLIPS(LBP Image Processing System)、あるいはPCL6といわれるものでも良い。
【0037】本発明のコンピュータシステム管理を行うプログラムであるOS(Operation System)として、米国マイクロソフト社の最高上位OSである組み込みウインドーズNT(Windows New Technology)を用いたが、これは内部アーキテクチャを32ビットに拡張したものであり、ノンプリエンティブなマルチタスク、マルチスレッド機能、マルチユーザーによるセキュリティ機能、高性能ファイルシステム、ユニコードの採用などを特徴とするものである。
【0038】本発明で用いるコンピュータに標準搭載するフォントは、和文が日本の写植機メーカーであるモリサワが共同開発した日本語PostScrptフォント(モリサワCID2書体)、欧文がPS3標準136書体といわれるフォントである。
【0039】さらに本コントローラ部には、オプションとしてHP−GL/2/RTL、米国オートデスク社が開発した3次元データも表現可能なデータフォーマットであるDXF(Drawing Interchange Format)、2次元データを表現するラスターイメージの各種フィルター(TIFF,SunRaster,XWD,GIF,SGI,JPEG,BMP他)、カスタムフィルター、UNIX(登録商標)ユーティリティー等を使用可能である。
【0040】本発明の他の形態であるネットワークは、ルーターを介してLAN(Local Area Network)接合して、複数の端末と本発明の多機能プリンタが接続するが、各端末で得られたデジタルデータ情報は、サーバーにて蓄積される。
【0041】以下、実施例を参照して本発明を詳細に説明する。
【0042】
【実施例1】図1は、本発明の多機能プリンタ1の断面図であるが、本発明装置の上部外匡には、該装置の操作を行うタッチパネル画面から成るディスプレー2とコピー原稿用紙を複写するスキャナー4から成る複写部が設けられている。
【0043】このタッチパネル画面から成る液晶のディスプレー2には、図2に示されるようにコピー機能、プリンタ機能、インターネット通信機能、事務管理機能、経理管理機能等を選択できるように表示され、順次、その選択した機能の詳細項目に従ってパネル画面が変化するようコンピュータにて設定されている。
【0044】装置上部に設けられたスキャナー4は、通常のコピー操作をできるように設計されており、1枚毎に複写する場合には、複写部の上部蓋3を上に上げ複写面に複写する面を向けて複写し、連続複写するには一枚毎に用紙が送付させる送付具を用いて順次複写をしている。
【0045】該装置の内部には、図3に示されるようにプリンタを制御するための制御部5と、外部サーバーと通信を行うためのインターネット通信部6と得られたデータ等を管理するマイクロコンピュータを内蔵しているコントロー部7で構成される。
【0046】このうちプリンタ機能を制御する制御部5は、上記複写部のカラースキャナーを3回転させて得られた4原色(C、M、Y、K)あるいは3原色(Red、Green、Blackともいう)の色彩を認識して色彩記録部8に記録させ、次いでプリンタ部のローダ9を介して指定用紙を印刷して出力する機能を有している。これらの機能を実行するため、複数のカラー・マネジメント・システムを用いている。
【0047】プリンタ部には、市販のフジ・ゼロックス社のA3ノビ対応のカラーLBP(LASER Beam Printer)エンジンを用いているが、この場合の解像度は、最大2400X600dpiであり、使用できる用紙サイズは、特大サイズをはじめとして市販のプリンタと同様なサイズのものが使用できる。
【0048】このプリンタを使用した場合のプリント速度は、A4サイズの横カラーで4枚/分、A4サイズの白黒で16枚/分で通常のプリンタ装置と比較しても、早く印刷できるものである。
【0049】またカラー・マネージメント・システム(ICC Profile、Windows ICM、ColorSync)としては、市販製品であるICCプロファイルス、ウインドウズICMやカラーシンク2.0に対応して使用できるものである。
【0050】外部のWWWサーバー等に送受信できるインターネット通信部6には、インターフェイスとしてIEEE1284パラレル、WEB用管理ユーティリティーを設けて、デジタルデータを直接本発明装置に取り組む機構となっている。
【0051】また通信機器としては、単純PHS端末や、WEB接続用のPHS、あるいはパソコン機能を組み入れたインテリジェントPHSアドプターを用い、さらにこれらのソフト処理としては、インターネット経由で管理側サーバーに、使用者側の住所、地図表示、サービスマンへ指示、故障の内容、会話型リモート診断、調整、トナー残量把握、メータチャージ課金、その把握、インターネットFAXができるようにソフト化してある。
【0052】本発明装置の中枢を担うコントロール部7には、米国アドバンスド マイクロデバイス社製の350MHzCPU、内蔵HDD(3.2GB標準)、イーサネット・ネットワークを搭載しており、本装置の中枢を担っている。
【0053】本発明の各操作は、以下のように行った。先ずコピー機能としては、本装置外匡上部に設けた複写部を利用してコピーを行うが、この場合、コピー用紙の使用枚数、付属備品であるコピー用紙、トナー等の消費部品を含め、使用毎の枚数は、コンピュータにて計数管理されると共に、その使用枚数、使用料に区別されて販売会社、又はレンタル企業のコンピュータとインターネット通信で使用の都度送信される。
【0054】この場合、データを記憶するための装置としてのメモリには、コントロール部7に設置された標準256MB(最大512MB)のメモリを用いており、コピー操作の管理データ、保守サービスとの連絡通信のためのデータやインターネット通信で得たデジタルデータ等の蓄積と通信履歴の記憶を担っている。
【0055】インターネット通信を行って得たデジタルデータ情報は、一旦本発明装置のコントロール部に内蔵するサーバーにインターネット通信部6の通信/入出力機器インターフェイスを介して蓄積されるが、プリントを希望する場合には、同様に装置内に内蔵される複写部のフジ・ゼロックス社のA3カラーLBP(LASER Beam Printer)エンジンの働きで、特大サイズをはじめとして市販のプリンタと同様なサイズのものを、カラーあるいはモノクロで印刷することができる。
【0056】このプリントの場合の保守管理も、前記のコピー管理と同様にコピー用紙の使用枚数、付属備品であるコピー用紙、トナー等の消費部品を含め、使用毎の枚数は、コントロール部のCPUコンピュータにて計数管理されると共に、その使用枚数、使用料に区別されて販売会社、又はレンタル企業のコンピュータにインターネット通信で使用の都度送信される。
【0057】本装置では、RIP(Raster Image Processor)として米国アドベ システム社が開発した商品名Adobe PostScrpt3(Version 3011.103)を用いたが、同等の能力を有するキャノン製のLIPS(LBP Image Processing System)、あるいはPCL6といわれるものでも良い。
【0058】本発明装置のコンピュータシステム管理をプログラムであるOS(Operation System)として、米国マイクロソフト社の最高上位OSである組み込みウインドーズNT(Windows New Technology)を用いた他、情報の伝達を行うインタフェイス(I/F)としては、米国電気電子技術者協会(IEEE)が標準化した双方向パラレル(IEEE P1284)と、ネットワーク対応のためにLANアダプタであるEthernet 10/100BaseT/TXとを用いた。
【0059】インタフェイス(I/F)として上記双方向パラレルを採用したことにより、双方通信機能が可能となりインターネットファックスサービスもできるため、得られたカラー情報を自分から送信もできるし、あるいはリモートプリントもできるようになった。
【0060】またカラーマネージメント機能としては、市販製品であるICCプロファイルスを用いたが、このほかウインドウズICMやカラーシンク2.0に対応して使用できるものである。
【0061】さらに本コントローラ部7には、オプションとしてHP−GL/2/RTL、米国オートデスク社が開発した3次元データも表現可能なデータフォーマットであるDXF(Drawing Interchange Format)、2次元データを表現するラスターイメージの各種フィルター(TIFF,SunRaster,XWD,GIF,SGI,JPEG,BMP他)、カスタムフィルター、UNIXユーティリティー等を使用可能である。
【0062】本発明に於けるインターネット通信は、Rs232cPORt通信機能を有し、通信Protcol備える機器として単純PHS(Personal Handyphone System)を組み込んだ公衆回線モデムを使用する。
【0063】この場合ソフトウェア処理としては、インターネット経由で当該サーバに住所、地図表示及びサービス万への指示、故障の内容等の把握はWebを経由せずに直接公衆回線をしようしてデータ通信することで対応できるようになっている。
【0064】
【実施例2】本発明の他の形態である多機能プリンタは、実施例1に示す装置に対して、さらにルーターを介してLAN(Local Area Network)接合して、複数の端末と本発明の多機能プリンタが接続している。
【0065】これによりある端末からのインターネット通信で得たデジタルデータをサーバーに蓄積したものを、他の端末で画面上に引き出し、その内容を確認してプリンとすることも可能となった。
【0066】コピー機能やプリンタ機能については実施例1と同様であり、その保守管理や経理管理等もコントロール部のコンピュータによってなされ、販売会社やレンタル会社とリアルタイムで接続して故障対策や、管理費の請求を受けることができた。
【0067】またインターネット通信は、Eメールアドレスを該インターネット通信部に設けることによりWEB経由によって双方向通信を可能としているが、このような通信を行うためRIP内蔵外置きコントローラにWEB接続用のPHS(Personal Handyphone System)を組み込んだ公衆回線モデムを使用する。
【0068】この場合ソフトウェア処理としては、インターネット経由で当該サーバに住所、地図表示及びサービス万への指示、故障の内容等の把握の他、会話型リモート診断、調整、トナー残量把握、メータチャージ課金、把握等の管理が可能となった。
【0069】さらにNTTサービスに接続して、インターネットFAX機能を付加してリモート印刷もできるようにした。これによりカラーFAXやCALSなどに対応できるようにした。
【0070】また本発明装置には、クレジットカードやプリペイドカード等の識別装置を合わせて設けているため、月ごとの使用料金、あるいは故障修理費等の請求を、インターネット通信により送信された場合に、自社のクレジットカードで支払ったところ、受領書を別途送信されたので出力して保存した。
【0071】
【発明の効果】本発明の効果をレンタル企業側から見れば、従来必ず必要であったサービス要員の大幅削減が可能となるほか、消耗品の実時間当たりの売上げをオンラインで集計できることにより在庫配置の最適化を進める事が可能となり、顧客に他する迅速な対応ができた。
【0072】この集計は、地域、業種、顧客等の区別で行えることから、サービス売上げの集計をリアルタイムで行えるという利点を有しているものである。
【0073】また利用料金の管理に要する検査員、使用料を管理連絡する経理職員等も、インターネット通信により自動的にその管理を行ってデジタルカード決済等が可能であることから、これらの人員も大幅に減員できる効果を有する。
【0074】さらに装置自体の故障診断が自動的にできるため、その連絡を通信機構によって管轄センターに瞬時に連絡できるため、その連絡を自動的に受けた保守員が、担当エリア内を瞬時に移動できるため顧客に対応できる他、Web画面での機器調整もできるという効果を合わせて有するものである。
【0075】一方利用者側から見れば、従来インターネット対応のプリンタと複写装置が別個であったものが、1台にその機能が集約されていることからインターネットで得た情報を、自分のプリンタで印刷できるばかりでなく、他人のパソコンにインターネット通信で送信できるため、通常のファックス機能は不要となっている。
【0076】また製造メーカー側から見れば、従来プリンタ装置と複写機とを別々に製造していたものを、1台で兼用できることから市場性において他社より優位に立てるため、これらの従来の業種の他に、新たにコンピュータを利用する情報技術関連への展開を図れる等のメリットを有するものである。
【0077】特に自社で製造したこの多機能プリンタに組み込んだインターネット通信を利用して、プロバイダ事業や、Webを利用して財務会計サービス、有料サイト情報サービス等のISP事業を行えるものである。
【0078】上記の通信機能として、双方通信機能を組み込んでいるためインターネットファックスサービスもできるため、得られたカラー情報を自分から送信もできるし、あるいはリモートプリントもできるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置全体を示す断面図である。
【図2】本発明装置のタッチパネル場面の機能選択を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・・プリンタ本体
2・・・・ディスプレー(液晶)
3・・・・上部蓋
4・・・・スキャナー
5・・・・制御部
6・・・・インターネット通信部
7・・・・コントロール部
8・・・・色彩記憶部
9・・・・ローダ
10・・・排紙トレイ
11・・・印刷用紙搬送具
12・・・給紙トレイ
13・・・インターネット
14・・・サーバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】コピー、プリンタ等の機能を1台の装置に組み入れた多機能プリンタにおいて、装置外筐に該装置の操作を行うディスプレーとコピー原稿用紙を複写するスキャナーとからなる複写部と、装置内部にはプリンタ機能を制御する制御部と、外部のデジタルデータを送受信するインターネット通信部と、マイクロコンピュータからなるコントローラ部とを内蔵してあることを特徴とするコンピュータ内蔵型多機能プリンタ。
【請求項2】前記複写部におけるディスプレイは、コピー操作機能、プリンタ操作機能、インターネット通信操作機能をタッチパネル画面上で選択することにより、順次、各機能の細部項目に画面が変化する事を特徴とする請求項1記載のコンピュータ内蔵型多機能プリンタ。
【請求項3】前記プリンタ機能を制御する制御部は、複数のカラー・マネジメント・システムを搭載してなる制御部と、スキャンから入力された色の情報を記憶する記憶部と、用紙を順次回転させる回転ローダーと、印刷された用紙を排出する機構を連動するカラーLBPエンジンとから成ることを特徴とする請求項1〜2記載のコンピュータ内蔵型多機能プリンタ。
【請求項4】前記インターネット通信部は、IEEE1284パラレル、イーサネットネットワーク、WEB用管理ユーティリティーを有し、インターネット通信によって受信したデジタルデータをコントローラ部のサーバーに送信することを特徴とする請求項1〜3記載のコンピュータ内蔵型多機能プリンタ。
【請求項5】前記コントローラ部は、CPU、内蔵HDD、OS、IPアドレス、ルーター、データーを蓄積するサーバーとを内蔵するM/C管理部であることを特徴とする請求項1〜4記載のコンピュータ内蔵型多機能プリンタ。
【請求項6】コピー、プリンタ等の機能を1台の装置に組み入れた多機能プリンタにおいて、装置外筐に該装置の操作を行うディスプレーとコピー原稿用紙を複写するスキャナーとを設け、装置内部にはプリンタ機能を制御する制御部と、外部のデジタルデータを送受信するインターネット通信部と、マイクロコンピュータからなるコントローラ部と、ネットワークコンピュータ接続用ルータとを内蔵してあることを特徴とするコンピュータ内蔵型多機能プリンタ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2001−268296(P2001−268296A)
【公開日】平成13年9月28日(2001.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−75237(P2000−75237)
【出願日】平成12年3月17日(2000.3.17)
【出願人】(500477698)日本テクノ・ラボ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】