説明

コンベヤベルトの縦裂検出装置

【課題】被検出体の共振回路の疲労損傷を早期に発見できると共にベルト縦裂きの誤検出を低減できるコンベヤベルトの縦裂検出装置を提供する。
【解決手段】複数の共振回路6が所定間隔おきに埋設されているコンベヤベルト14の進行方向に向けて所定間隔をあけて並設された2つの検出ユニット18A,18Bを備え、検出ユニット18A,18Bによる共振状態の検出感度を互いに異なる値に設定しておき、判定ユニット19によって、検出感度が低く設定されている検出ユニット18Aが共振回路6と共振せず且つ検出感度が高く設定されている検出ユニット18Bがその共振回路6と共振したときに共振回路6に疲労損傷が生じていると判定し、少なくとも検出感度の高い検出ユニットが共振回路6と共振しないときにコンベヤベルトに縦裂きが生じており共振回路6の導電線が切断されていると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用中のコンベヤベルトに生じた縦裂きを検出するコンベヤベルトの縦裂検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉱石等の被運搬物を搬送する場合、大型のコンベヤベルトが用いられている。このようなコンベヤベルトで鉱石等を運搬する場合、コンベヤベルトに鉱石を投入落下させた際、或いは搬送時に鉱石の突起などによってコンベヤベルトに傷が付いたり縦裂きが生じることが多々あった。
【0003】
このようにコンベヤベルトに縦裂きを生じると、搬送作業に支障を生じるばかりか、多大な損害を被ることになる。
【0004】
このため、コンベヤベルトには縦裂きを検出する縦裂検出装置が備えられている。このようなコンベヤベルトの縦裂検出としては外装式、内装式等種々のものが知られている。
【0005】
図10は、前述した内装式縦裂検出装置の一例を示す構成図である。図において、1はコンベヤ装置で、駆動プーリ2、従動プーリ3、これらの駆動プーリ2と従動プーリ3に架け渡されたコンベヤベルト4、及び駆動プーリ2を回転させる電動機5から構成されている。
【0006】
また、コンベヤベルト4には、図11に示すように、その長手方向に所定の等間隔をあけて複数の被検出体が埋設されている。尚、コンベヤベルト4の基準位置には隣接して2つの被検出体が埋設され、基準位置を容易に検出できるようになっている。
【0007】
被検出体は、例えばコイル6aとコンデンサ6bとからなる共振回路6から構成され、コイル6aを形成する導電線の一部はコンベヤベルト4の幅方向に延ばしてコンベヤベルト4内に埋設されている。この共振回路6の共振周波数は、約650KHzに設定されている。
【0008】
さらに、駆動プーリ2にはエンコーダ7が設けられており、このエンコーダ7からは1回転の間にN個(Nは自然数)のタイミングパルス信号TPが等間隔で出力される。また、このタイミングパルス信号TPの出力タイミングは、コンベヤベルト4に埋設された共振回路6の移動に同期して設定されている。
【0009】
一方、コンベヤベルト4の下方には、3つの検出部8a乃至8cが固定して配設され、これらの検出部8a乃至8cは図12に示すようにコンベヤベルト4の幅方向に少しずつずらして配置されている。
【0010】
これらの検出部8a乃至8cにはそれぞれ、図13に示すようにアンテナコイル81、発振回路82、判定回路83が備えられ、発振回路82からはアンテナコイル81に約650KHzの周波数を有する交流電流が供給されている。また、判定回路83は、発振回路82からアンテナコイル81に供給される交流電流Aと、エンコーダ7から出力されるタイミングパルス信号TPとを入力し、これらの信号に基づいて共振回路6の異常の有無を判定し、異常があった際に異常信号Dを出力する。
【0011】
前述の構成よりなるコンベヤベルトの縦裂検出装置によれば、コンベヤベルト4に縦裂きが生じていないときは、各共振回路6は正常に動作し、検出部8a乃至8c上に共振回路6が位置したときに、アンテナコイル81と共振回路6が電磁結合する。これにより、アンテナコイル81から放射されるエネルギーが共振回路6に吸収されるため、アンテナコイル81に供給される交流電流のレベルが低下するので、共振回路6の正常が確認される。
【0012】
また、落下物の突起等によって使用中のコンベヤベルト4に縦裂きが生じた場合には、コンベヤベルト4内に埋設された共振回路6のコイル6aを構成する導電線が切断され、共振回路6が動作しなくなるので、アンテナコイル81から放射されるエネルギーが共振回路6に吸収されることがない。このため、アンテナコイル81に供給される交流電流のレベルが低下しないので、共振回路6の異常が検出される。これによりコンベヤベルトの縦裂きが検出される。このようにコンベヤベルト4の縦裂きが検出されると、判定回路83から電動機5に対して異常信号Dが出力され、電動機5が停止される。
【0013】
さらに、コンベヤベルト4が搬送中にその幅方向にずれることがあるが、前述したように複数の検出部8a乃至8cが配置されているので、共振回路6の状態を確実に検出することができる。
【0014】
前述した装置の一例としては、例えば、特開昭58−220012号公報(特許文献1)に開示されるコンベヤベルトのタテ裂検出装置、実開昭59−108726号公報(特許文献2)に開示されるコンベヤベルトの縦裂検出装置、特開昭60−165540号公報(特許文献3)に開示されるコンベヤベルトの縦裂検出装置、特開昭61−018618号公報(特許文献4)に開示されるコンベヤベルトの縦裂検出制御方法及びその制御装置、特開昭61−081315号公報(特許文献5)に開示されるコンベヤベルトの縦裂検出装置、特開昭62−285813号公報(特許文献6)に開示されるコンベヤーベルトの縦裂検出装置、特開平6−048549号公報(特許文献7)に開示されるコンベヤベルトの縦裂き検出装置、特開平8−324752号公報(特許文献8)に開示されるコンベヤベルトの縦裂検出装置、特開平11−208862号公報(特許文献9)に開示されるコンベヤベルトの縦裂検出装置等が知られている。
【0015】
上記特開昭58−220012号公報(特許文献1)に開示されるコンベヤベルトのタテ裂検出装置は、コンベヤベルトのカバーゴム内に、コイル、リード線、及びコンデンサを埋設して、コンベヤベルトのタテ裂検出用の共振回路を構成したコンベヤベルトのタテ裂検出装置において、前記コンベヤベルトの幅方向端縁内部に、導線を渦巻状にしたコイルと、このコイルの両端末部を巻き込んで構成した渦状コンデンサとを各々平行に埋設し、このコイルと渦状コンデンサとからそれぞれコンベヤベルトの幅方向に向かってリード線を複数本平行に配設し、前記コイルと渦状コンデンサと複数の平行なリード線とによって、タテ裂検出用の共振回路を構成したものである。
【0016】
上記実開昭59−108726号公報(特許文献2)に開示されるコンベヤベルトの縦裂検出装置は、コンベヤベルトの長手方向の所望の位置に、該コンベヤベルトの長手方向と直交する向きにコイルとコンデンサと、これらを接続するリード線とからなる検出用共振回路を埋設し、この検出用共振回路と隣接して、コイルとコンデンサとからなるマーク用共振回路を埋設すると共に、前記検出用共振回路とマーク用共振回路との共振周波数を略一致させる一方、検出用共振回路のコイル中心と、マーク用共振回路のコイル中心とがコンベヤベルトの側端部においてベルトの進行方向に平行で、且つ一直線状に位置するように配設したものである。
【0017】
上記特開昭60−165540号公報(特許文献3)に開示されるコンベヤベルトの縦裂検出装置は、共振回路をコンベヤベルト内に埋設し、コンベヤベルト外部に設置した共振回路検出用センサにて縦裂きを検出する装置において、コンベヤ装置にコンベヤベルトの走行距離をパルス数で検出するベルト位置検出手段を取り付け、一方、このベルト位置検出手段からのパルス信号数及び前記共振回路検出用センサにより検出されたパルス信号をそれぞれ記憶させる制御装置を設け、記憶したパルス信号数と新たに検出したパルス信号数との比較によりコンベヤベルトの異常を検出させるように構成したものである。
【0018】
上記特開昭61−018618号公報(特許文献4)に開示されるコンベヤベルトの縦裂検出制御方法及びその制御装置は、コンベヤベルトの長手方向と交差する方向に少なくともベルト幅を満たすように埋設した複数個の共振回路と、この共振回路のコイル部と対応する位置に設けられた複数個の共振検出器とを設けて、この共振検出器が共振現象を検出した場合に信号を出力させ、コンベヤベルトに縦裂が存在して前記複数個の検出器の何れか1つでも検出信号が得られない場合に限り、コンベヤベルトの駆動制御装置にコンベヤベルトが異常である信号を出力するものである。
【0019】
上記特開昭61−081315号公報(特許文献5)に開示されるコンベヤベルトの縦裂検出装置は、コンベヤベルトの長手方向に共振回路が略等間隔で埋設され、この共振回路の移動軌跡上に所定距離を隔てて設置された2つの検出器が前記共振回路の通過を検出することによりコンベヤベルトの縦裂を検出する縦裂検出装置において、コンベヤベルトの従動輪外周部近傍に等間隔でパルス発生部材を設けると共に、このパルス発生部材の軌跡上部にパルス検出装置を設けてこれにベルトの走行距離をパルス数で検出させ、縦裂検出装置の制御装置に共振回路の通過をベルトの走行距離に対比させながらコンベヤベルトの縦裂を検出させるように構成したものである。
【0020】
上記特開昭62−285813号公報(特許文献6)に開示されるコンベヤーベルトの縦裂検出装置は、被検出体をコンベヤーベルトに埋設し、コンベヤーベルト外部に設置した検出器にて縦裂を検出する装置であって、上記コンベヤーベルトの走行距離をパルス数で検出する手段と、この検出手段からのパルス信号の数により上記被検出体の埋設位置が記憶せしめられる記憶手段を備えると共に、上記検出器からの信号が得られた場合にその記憶手段の記憶内容と照合し、その信号が上記被検出体の通過に基づく正規の信号であるか否かを判断する制御装置とを有するものである。
【0021】
上記特開平6−048549号公報(特許文献7)に開示されるコンベヤベルトの縦裂き検出装置は、コンベヤベルトの複数箇所に埋設した被検出体の正常状態または断線状態を外部設置のセンサーで検知し、該センサーから発せられた電圧信号を制御装置で所定の処理をすることにより同ベルトの縦裂き発生を検出する装置において、上記センサー近傍に該センサーから発せられた電圧信号を周波数に変換するV/Fコンバータを配し、該周波数を再度電圧信号に変換するF/Vコンバータを上記制御装置内に配し、これらV/FコンバータとF/Vコンバータを信号ケーブルで接続したものである。
【0022】
上記特開平8−324752号公報(特許文献8)に開示されるコンベヤベルトの縦裂検出装置は、コンベヤベルト内に埋設され、該コンベヤベルトの幅方向に延びる導電線を含むコイルを備えた複数の被検出体と、前記コンベヤベルトの下方所定位置に固定して配設され、所定の検出信号を出力する検出部と、前記検出信号に基づいて前記被検出体の導電線の切断有無を判定する判定部とを備え、前記コンベヤベルトの縦裂を検出するコンベヤベルトの縦裂検出装置において、前記判定部を前記コンベヤベルトから所定距離だけ離して配置したものである。
【0023】
上記特開平11−208862号公報(特許文献9)に開示されるコンベヤベルトの縦裂検出装置は、ベルトの幅方向に延びる導電線を含むループコイルを有する複数の被検出体が埋設されたコンベヤベルトを備え、前記被検出体のループコイルが切断されたことによって前記コンベヤベルトの縦裂を検出するコンベヤベルトの縦裂検出装置において、相互誘導を生ずる所定の距離をおいて配置された発信コイルとセンスコイルとを有し、前記コンベヤベルトのベルト面に対向して設けられたアンテナ部と、所定の振幅を有する前記所定周波数の交流信号を基準信号として発振する発振手段と、前記発信コイルに対して前記基準信号に基づくドライブ信号を供給する駆動手段と、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在する情報を得る存在検知手段と、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在する情報と前記センスコイルに誘起される交流信号のレベルとに基づいて、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在するときに前記センスコイルに誘起される交流信号のレベル変化が所定値以下のとき、前記被検出体のループコイルが切断されているとして検出する切断検出手段とを設けたものである。
【特許文献1】特開昭58−220012号公報
【特許文献2】実開昭59−108726号公報
【特許文献3】特開昭60−165540号公報
【特許文献4】特開昭61−018618号公報
【特許文献5】特開昭61−081315号公報
【特許文献6】特開昭62−285813号公報
【特許文献7】特開平6−048549号公報
【特許文献8】特開平8−324752号公報
【特許文献9】特開平11−208862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
前述した従来の各装置においては、コンベヤベルト内にコイル等を含む共振回路を埋設しておき、ベルトの外部に固定した検出部に検出用のコイルを含む共振回路を設け、コンベヤベルト内の被検出体となる共振回路のコイルと検出用の共振回路のコイルとの結合によって生じる共振現象によるインダクタンス変化を検出することにより、コンベヤベルト内の共振回路が正常に動作し、ベルトに縦裂きが生じていないと判定している。また、コンベヤベルトに縦裂きが生じたときに共振回路が断線して動作不能になることによって、コンベヤベルトの縦裂きを検出している。
【0025】
しかしながら、コンベヤを長時間駆動して使用することにより、コンベヤベルト内の共振回路が断線や破壊にまでは至らず、疲労損傷によって導電線の抵抗値が増加したり、コイルのインダクタンス値やコンデンサのキャパシタンス値が変化すると共振周波数が変化し、検出用共振回路との間の共振現象の度合いが低下して、通常の検出信号では被検出体の共振回路の動作を検出できないことが多々生じている。このため、コンベヤベルトに縦裂きが生じていないにも関わらず、コンベヤベルトに縦裂きが生じたとして誤って検出され、コンベヤベルトの駆動が停止されてしまう。このような誤検出によるコンベヤベルトの駆動停止が生じると作業効率の著しい低下を来してしまう。
【0026】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被検出体の共振回路の疲労損傷を早期に発見できると共にベルト縦裂きの誤検出を低減できるコンベヤベルトの縦裂検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は前記目的を達成するために、コンベヤベルトの長手方向に所定の間隔をあけてコンベヤベルト内に埋設され、該コンベヤベルトの幅方向に延びる導電線を含むコイルを備えた共振回路からなる複数の被検出体と、前記コンベヤベルトの下方所定位置に固定して配設され前記被検出体の共振回路と共振し該共振状態を検出する検出部と、前記検出部と前記被検出体との共振状態に基づいて前記被検出体の導電線の切断有無を判定する判定部とを備え、前記コンベヤベルトの縦裂きを検出するコンベヤベルトの縦裂検出装置において、前記コンベヤベルトの進行方向に向けて所定間隔をあけて並設された第1検出部及び第2検出部を備えると共に、前記第1検出部による前記共振状態の検出感度と前記第2検出部による前記共振状態の検出感度とが互いに異なる値に設定されており、前記判定部は、前記第1検出部及び第2検出部のうちの検出感度が低く設定されている検出部が前記被検出体との共振を検出せず且つ前記第1検出部及び第2検出部のうちの検出感度が高く設定されている検出部が前記被検出体との共振を検出したときに、前記被検出体に疲労損傷が生じていると判定し、前記第1検出部及び第2検出部のうちの少なくとも検出感度が高く設定されている検出部が共振を検出しないときにコンベヤベルトに縦裂きが生じており前記被検出体の導電線が切断されていると判定し、前記第1検出部及び第2検出部の双方が共振を検出したときにコンベヤベルトに縦裂きが生じておらず前記被検出体に異常が生じていないと判定する手段を有する。
【0028】
本発明のコンベヤベルトの縦裂検出装置によれば、コンベヤベルトの進行方向に向けて所定間隔をあけて並設された第1検出部と第2検出部とを備え、第1検出部による共振状態の検出感度と第2検出部による共振状態の検出感度とが互いに異なる値に設定されている。
【0029】
また、判定部によって、第1検出部及び第2検出部のうちの検出感度が低く設定されている検出部が被検出体との共振を検出せず且つ第1検出部及び第2検出部のうちの検出感度が高く設定されている検出部が前記被検出体との共振を検出したときに、被検出体に疲労損傷が生じていると判定される。さらに、判定部によって、第1検出部及び第2検出部のうちの少なくとも検出感度が高く設定されている検出部が共振を検出しないときに、コンベヤベルトに縦裂きが生じており被検出体の導電線が切断されていると判定され、第1検出部及び第2検出部の双方が共振を検出したときにコンベヤベルトに縦裂きが生じておらず被検出体に異常が生じていないと判定される。
【発明の効果】
【0030】
本発明のコンベヤベルトの縦裂検出装置によれば、コンベヤベルト内の共振回路が断線や破壊にまでは至らず、疲労損傷を生じていることを早期に発見することができる。これによって、被検出体の共振回路の導電線の抵抗値が増加したり、コイルのインダクタンス値やコンデンサのキャパシタンス値が変化すると共振周波数が変化し、検出用共振回路との間の共振現象の度合いが低下していることを早期に発見できるので、コンベヤベルトに縦裂きが生じていないにも拘わらず、コンベヤベルトに縦裂きが生じたとして誤って検出されて、コンベヤベルトの駆動が停止されるという誤動作を防止することができ、このような誤動作によるコンベヤベルトの駆動停止を防止できるため、作業効率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0032】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態におけるコンベヤ装置及びコンベヤベルトの縦裂検出装置を示す構成図、図2は本発明の第1実施形態におけるコンベヤベルトの縦裂検出装置の電気系回路を示すブロック図、図3は本発明の第1実施形態における検出ユニットの配置を説明する図である。
【0033】
図において、10はコンベヤベルトの縦裂検出装置を備えたコンベヤ装置で、駆動プーリ12、従動プーリ13、これらの駆動プーリ12と従動プーリ13に架け渡されたコンベヤベルト14、及び駆動プーリ12を回転させる電動機15、エンコーダ16、岩石や鉄鉱石等の被搬送物をコンベヤベルト14上に投入落下するホッパ17、検出ユニット18A,18B、判定ユニット19から構成されている。尚、本実施形態では、検出ユニット18A,18B及び判定ユニット19によって本発明のコンベヤベルトの縦裂検出装置が構成されている。
【0034】
また、コンベヤベルト14には、図11に示す従来例と同様に、その長手方向に所定の等間隔をあけて複数の被検出体が埋設されている。尚、コンベヤベルト14の基準位置には隣接して2つの被検出体の共振回路6が埋設され、基準位置を容易に検出できるようになっている。
【0035】
被検出体は、例えばコイル6aとコンデンサ6bとからなる共振回路6から構成され、コイル6aを形成する導電線の一部はコンベヤベルト14の幅方向に延ばしてコンベヤベルト14内に埋設されている。この共振回路6の共振周波数は、約650KHzに設定されている。
【0036】
従動プーリ13にはエンコーダ16が設けられており、このエンコーダ16からは1回転の間にN個(Nは自然数)のタイミングパルス信号TPが等間隔で出力される。また、このタイミングパルス信号TPの出力タイミングは、コンベヤベルト14に埋設された共振回路6の移動に同期して設定されている。尚、駆動プーリ12側ではコンベヤベルト14がスリップし易いため、駆動プーリ12側にエンコーダ16を設けると、タイミングパルス信号TPの出力タイミングの同期ができなくなることがあるので、本実施形態では従動プーリ13側にエンコーダ16を設けている。
【0037】
一方、被搬送物が載置されるコンベヤベルト14の下部には、2つの検出ユニット18A,18Bが固定して配設され、これらの検出ユニット18A,18Bはコンベヤベルト14の長手方向に並設されている。さらに、一方の検出ユニット18Aはコンベヤベルト14の始端部上に設けられたホッパ17の直前すなわちコンベヤベルト14の進行方向手前側に配置され、他方の検出ユニット18Bはホッパ17の直後に配置されている。一般的に、コンベヤベルト14の縦裂はホッパ17の真下よりもコンベヤベルト14の進行方向側で発生する確率が高いので、上記のように各検出ユニット18A,18Bを配置することにより、後述するように、共振回路6の疲労損傷を容易に検出できると共に共振回路6の破壊すなわちコンベヤベルト14の縦裂き発生を早期に検出できるようにしている。
【0038】
また、検出ユニット18A,18Bのそれぞれは、例えば、幅10cm、長さ25cm、厚さ3cmの絶縁物筐体111 を有し、この筐体111 中にアンテナコイル112 及び可変抵抗器113 が収納されている。アンテナコイル112 は筐体111 にほぼ対応した形状、即ち長方形或いは楕円形状に形成され、検出ユニット18A,18Bはアンテナコイル112 がコンベヤベルト14の幅方向に延びるように配置されている。
【0039】
判定ユニット19は、発振回路211と、第1電流値検出回路212、第2電流値検出回路213、第1判定回路214、第2判定回路215、総合判定回路216、表示制御回路217、表示部218、警報信号発生回路219、電源回路220とを備えている。
【0040】
発振回路211は、電源回路220から供給される電力によって動作し、約650KHzの交流電流を各検出ユニット18A,18Bのアンテナコイル112 に供給する。すなわち、発振回路211の一方の出力端子は各検出ユニット18A,18Bのアンテナコイル112の一端に接続されている。また、発振回路211のもう一方の出力端子は第1電流値検出回路212と可変抵抗器113を介して検出ユニット18Aのアンテナコイル112の他端に接続されると共に第2電流値検出回路213と可変抵抗器113を介して検出ユニット18Bのアンテナコイル112の他端に接続されている。
【0041】
第1電流値検出回路212は、発振回路211から一方の検出ユニット18Aのアンテナコイル112に供給される交流電流を電圧に変化した後に全波整流及び平滑して直流電圧に変換し、その直流電圧を第1判定回路214に出力する。
【0042】
第2電流値検出回路213は、発振回路211からもう一方の検出ユニット18Bのアンテナコイル112に供給される交流電流を電圧に変化した後に全波整流及び平滑して直流電圧に変換し、その直流電圧を第2判定回路215に出力する。
【0043】
第1判定回路214は、第1電流値検出回路212から出力される直流電圧とエンコーダ16から出力されるタイミングパルス信号TPを入力し、被検出体の共振回路6が検出ユニット18Aの上を通過したときの直流電圧値が所定の第1基準値TH1以下の値であるか否かを判定し、第1基準値TH1以下になっていないときに、被検出体の共振回路6に異常が生じていると判定して、総合判定回路216に対して異常状態を表す信号を出力する。
【0044】
第2判定回路215は、第2電流値検出回路213から出力される直流電圧とエンコーダ16から出力されるタイミングパルス信号TPを入力し、被検出体の共振回路6が検出ユニット18Bの上を通過したときの直流電圧値が所定の第2基準値TH2以下の値であるか否かを判定し、第2基準値TH2以下になっていないときに、被検出体の共振回路6に異常が生じていると判定して、総合判定回路216に対して異常状態を表す信号を出力する。
【0045】
尚、上記第1基準値TH1の値と上記第2基準値TH2の値は同じ値に設定されている。
【0046】
総合判定回路216は、第1判定回路214の出力信号と第2判定回路215の出力信号とを入力しこれらに基づいて、被検出体の共振回路6の状態を判定し、この判定結果に基づいて、表示制御回路217及び警報信号発生回路219を駆動する信号を出力する。すなわち、総合判定回路216は、第1判定回路214の出力信号と第2判定回路215の出力信号の双方が異常状態を示していないときは被検出体の共振回路に異常がないと判定し、表示制御回路217には異常なしの表示を行わせる信号を出力し、警報信号発生回路219には駆動信号を出力しない。また、総合判定回路216は、第1判定回路214の出力信号が異常状態を示し、第2判定回路215の出力信号が異常状態を示していないときは被検出体の共振回路6が疲労損傷していると判定し、表示制御回路216には疲労損傷の表示を行わせる信号を出力し、警報信号発生回路219には駆動信号を出力しない。さらに、総合判定回路216は、第1判定回路214の出力信号と第2判定回路215の出力信号の双方あるいは少なくとも第2判定回路215の出力信号が異常状態を示しているときは被検出体の共振回路6が破壊されている、すなわちコンベヤベルト14に縦裂きが生じて共振回路6の導電線が切断されていると判定し、表示制御回路217には縦裂発生の表示を行わせる信号を出力すると共に、警報信号発生回路219に駆動信号を出力する。
【0047】
さらに、総合判定回路216は、エンコーダ16から出力されるタイミングパルス信号TPを入力し、該タイミングパルス信号TPの数を計数することにより前記基準位置からの距離を算出する。基準位置からの距離の算出は、総合判定回路216に予め設定してある駆動プーリ12の直径の値に基づいて算出している。総合判定回路216は、表示制御回路217を介して報知手段としての表示部218に疲労損傷の表示或いは縦裂発生の表示を行う際に、この算出した基準位置からの距離、すなわち疲労損傷を生じている或いは破壊されている共振回路6の位置を表示する。
【0048】
表示制御回路217は、総合判定回路216から入力する信号に基づいて表示部218に表示を行う。
【0049】
警報信号発生回路219は、総合判定回路216から駆動信号を入力したときに、電動機15に対して異常信号を出力し、電動機15を停止する。
【0050】
電源回路220は、商用電源から電力を入力し、これを直流電圧に変換して装置内の各回路等に駆動電力を供給する。
【0051】
また、本実施形態では、一方の検出ユニット18Aのアンテナコイル112に供給される交流電流のレベルが、他方の検出ユニット18Bのアンテナコイル112に供給される交流電流のレベルよりも大きくなるように、各検出ユニット18A,18Bの可変抵抗器113の抵抗値が設定されている。このようにして本実施形態では、一方の検出ユニット18Aの検出感度を他方の検出ユニット18Bの検出感度よりも低く設定している。
【0052】
尚、本実施形態では、第1検出ユニット18Aと第1電流値検出回路212と第1判定回路214が本発明における第1検出部を構成し、第2検出ユニット18Bと第2電流値検出回路213と第2判定回路215が本発明における第2検出部を構成し、総合判定回路216が本発明における判定部を構成している。
【0053】
前述の構成よりなるコンベヤベルトの縦裂検出装置では、コンベヤベルト14に縦裂きが生じていないときは、各共振回路6は正常に動作し、検出ユニット18A,18B上に共振回路6が位置したときに、アンテナコイル112と共振回路6が電磁結合する。これにより、アンテナコイル112から放射されるエネルギーが共振回路6に吸収されるため、アンテナコイル112に供給される交流電流のレベルが低下するので、第1電流値検出回路212から出力される直流電圧の値が第1基準値以下となり共振を検出できると共に、第2電流値検出回路213から出力される直流電圧の値が第2基準値以下となり共振を検出できるため、共振回路6の正常が確認される。
【0054】
また、ホッパ17からの落下物の突起等によって使用中のコンベヤベルト14に縦裂きが生じた場合には、コンベヤベルト14内に埋設された共振回路6のコイル6aを構成する導電線が切断され、共振回路6が動作しなくなるので、アンテナコイル112から放射されるエネルギーが共振回路6に吸収されることがない。このため、アンテナコイル112に供給される交流電流のレベルが低下しないので、第1電流値検出回路212から出力される直流電圧の値が第1基準値以下にならないので共振を検出できないと共に、第2電流値検出回路213から出力される直流電圧の値が第2基準値以下とならないので共振を検出できないため、第1判定回路214及び第2判定回路215の双方から異常を表す信号が出力される。これにより、総合判定回路216は、コンベヤベルト14に縦裂きが生じて共振回路6の導電線が断線したと判定し、表示制御回路217を介してコンベヤベルト14に縦裂きが発生したことを表示部218に表示すると共に、警報信号発生回路219から電動機15に対して異常信号を出力して、電動機15を停止する。
【0055】
また、被検出体の共振回路6が断線や破壊にまでは至らず、疲労損傷を生じている場合には、共振回路6の導電線の抵抗値が増加したり、コイルのインダクタンス値やコンデンサのキャパシタンス値が変化するため、その共振周波数が変化し、アンテナコイル112との間の共振現象の度合いが低下するので、検出ユニット18A,18Bのアンテナコイル112に供給される交流電流のレベルの低下が少なくなり、第1電流値検出回路212から出力される直流電圧の値が第1基準値以下にならないので共振を検出できず、且つ、第2電流値検出回路213から出力される直流電圧の値が第2基準値以下となり共振を検出できるため、第1判定回路214のみから異常を表す信号が出力される。これにより、総合判定回路216は被検出体の共振回路6に疲労損傷が生じていると判定し、表示制御回路217を介して共振回路6に疲労損傷が発生したことを表示部218に表示する。
【0056】
また、疲労損傷或いは破壊が生じた共振回路6の位置が、基準位置からの距離で表示部218に表示されるので、メンテナンス作業の効率向上を図ることができる。
【0057】
さらに、コンベヤベルト14が搬送中にその幅方向にずれることがあるが、前述したように検出ユニット18A,18Bがコンベヤベルト14の幅方向に延ばして配置されているので、共振回路6の状態を確実に検出することができる。
【0058】
このように、本実施形態のコンベヤベルトの縦裂検出装置によれば、コンベヤベルト14内の共振回路6が断線や破壊にまでは至らず、疲労損傷を生じていることを早期に発見することができる。これによって、被検出体の共振回路6の導電線の抵抗値が増加したり、コイルのインダクタンス値やコンデンサのキャパシタンス値が変化すると共振周波数が変化し、検出用共振回路との間の共振現象の度合いが低下していることを早期に発見できるので、コンベヤベルト14に縦裂きが生じていないにも拘わらず、コンベヤベルト14に縦裂きが生じたとして誤って検出されて、コンベヤベルト14の駆動が停止されるという誤動作を防止することができ、このような誤動作によるコンベヤベルト14の駆動停止を防止できるため、作業効率の向上を図ることができる。
【0059】
尚、本実施形態では、検出ユニット18A,18Bのアンテナコイル112へ供給される交流電流のレベルを可変抵抗器113によって互いに異なる値に設定することにより、各検出ユニット18A,18Bによる検出感度を異ならせるようにしたが、検出ユニット18A,18Bのアンテナコイル112へ供給される交流電流のレベルを同じに設定し、前記第1基準値TH1と第2基準値TH2を異なる値に設定することにより、各検出ユニット18A,18Bによる検出感度を異ならせるようにしても良い。
【0060】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
【0061】
図4は本発明の第2実施形態におけるコンベヤベルトの縦裂検出装置の電気系回路を示すブロック図である。図において、前述した第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表しその説明を省略する。また、第2実施形態と第1実施形態との相違点は、第1実施形態における第1判定回路214、第2判定回路215、総合判定回路216に代えて、A/D(アナログ/ディジタル)変換回路221,222、CPU223、メモリ224を設けた判定ユニット19Aを備え、判定処理をCPU223のプログラム処理によって行うようにしたことである。その他の構成は前述した第1実施形態と同じである。
【0062】
図4に示す第2実施形態においては、第1電流値検出回路212から出力された直流電圧はA/D変換回路221に入力され、A/D変換回路221によって電圧値がディジタルデータに変換されてCPU223に出力される。さらに、第2電流値検出回路213から出力された直流電圧はA/D変換回路222に入力され、A/D変換回路222によって電圧値がディジタルデータに変換されてCPU223に出力される。
【0063】
CPU223は、メモリ224に格納されているプログラムによって動作し、第1実施形態における第1判定回路214、第2判定回路215及び総合判定回路216の行っていた判定処理、及びこの判定結果に基づく表示制御回路217と警報信号発生回路219の駆動制御を行う。
【0064】
即ち、CPU223は図5のフローチャートに示すように、タイミングパルス信号TPをカウントすることによって被検出体の共振回路6の位置を把握し、共振回路6が検出ユニット18Aの上に位置するか否かを判定し(S1)、共振回路6が検出ユニット18Aの上に位置するときにA/D変換回路221から出力される電圧値V1を取り込む(S2)。さらに、共振回路6が検出ユニット18Aの上から検出ユニット18Bの上に移動して検出ユニット18Bの上に位置するか否かを判定し(S3)、共振回路6が検出ユニット18Bの上に位置するときにA/D変換回路222から出力される電圧値V2を取り込む(S4)。
【0065】
次に、電圧値V1が第1基準値TH1よりも大きいか否かを判定し(S5)、電圧値V1が第1基準値TH1以下であるときは共振回路6に異常はないと判断して前記S1の処理に移行し、電圧値V1が第1基準値TH1よりも大きいときは電圧値V2が第2基準値TH2よりも大きいか否かを判定する(S6)。
【0066】
この判定の結果、電圧値V2が第2基準値TH2よりも大きいときは、コンベヤベルト14に縦裂きが生じて共振回路6の導電線が切断されているとして、表示制御回路217を介してコンベヤベルト14に縦裂きが発生したことを表示部218に表示する(S7)と共に、警報信号発生回路219に異常信号を出力するように指示して、電動機15に対して異常信号を出力させて、電動機15を停止する(S8)。
【0067】
また、電圧値V2が第2基準値TH2以下であるときは、被検出体の共振回路6に疲労損傷が生じていると判定し、表示制御回路217を介して共振回路6に疲労損傷が発生したことを表示部218に表示する(S9)。
【0068】
尚、CPU223は、上記の処理と並行して、エンコーダ16から出力されるタイミングパルス信号TPを入力し、該タイミングパルス信号TPの数を計数することにより前記基準位置からの距離を算出する。基準位置からの距離の算出は、メモリ224に予め設定してある駆動プーリ12の直径の値に基づいて算出している。CPU223は、表示制御回路217を介して表示部218に疲労損傷の表示或いは縦裂発生の表示を行う際に、この算出した基準位置からの距離、すなわち疲労損傷を生じている或いは破壊されている共振回路6の位置を表示する。
【0069】
本実施形態では、第1検出ユニット18Aと第1電流値検出回路212とA/D変換回路221及びCPU223が本発明における第1検出部を構成し、第2検出ユニット18Bと第2電流値検出回路213とA/D変換回路222及びCPU223が本発明における第2検出部を構成し、CPU223が本発明における判定部を構成している。
【0070】
本実施形態のようにCPU223を用いてコンピュータプログラムによって判定処理を行っても第1実施形態と同様に、コンベヤベルト14内の共振回路6が断線や破壊にまでは至らず、疲労損傷を生じていることを早期に発見することができる。
【0071】
また、疲労損傷或いは破壊が生じた共振回路6の位置が、基準位置からの距離で表示部218に表示されるので、メンテナンス作業の効率向上を図ることができる。
【0072】
従って、第2実施形態においても、被検出体の共振回路6の導電線の抵抗値が増加したり、コイルのインダクタンス値やコンデンサのキャパシタンス値が変化すると共振周波数が変化し、検出用共振回路との間の共振現象の度合いが低下していることを早期に発見できるので、コンベヤベルトに縦裂きが生じていないにも拘わらず、コンベヤベルト14に縦裂きが生じたとして誤って検出されて、コンベヤベルト14の駆動が停止されるという誤動作を防止することができ、このような誤動作によるコンベヤベルト14の駆動停止を防止できるため、作業効率の向上を図ることができる。
【0073】
尚、本実施形態では、検出ユニット18A,18Bのアンテナコイル112へ供給される交流電流のレベルを可変抵抗器113によって互いに異なる値に設定することにより、各検出ユニット18A,18Bによる検出感度を異ならせるようにしたが、検出ユニット18A,18Bのアンテナコイル112へ供給される交流電流のレベルを同じに設定し、CPU223のプログラムの第1基準値TH1と第2基準値TH2を異なる値に設定することにより、各検出ユニット18A,18Bによる検出感度を異ならせるようにしても良い。また、第1基準値TH1と第2基準値TH2をスイッチや可変抵抗器等を用いて外部から適宜設定できるようにしても良い。
【0074】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
【0075】
図6は本発明の第3実施形態におけるコンベヤ装置及びコンベヤベルトの縦裂検出装置を示す構成図、図7は本発明の第3実施形態における検出ユニットの配置を説明する図、図8は本発明の第3実施形態における検出ユニットの電気系回路を示すブロック図、図9は本発明の第3実施形態におけるコンベヤベルトの縦裂検出装置の電気系回路示すブロック図である。図において、前述した第1及び第2実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表しその説明を省略する。
【0076】
また、本実施形態と第1及び第2実施形態との相違点は、第1及び第2実施形態における検出ユニット18A,18B及び判定ユニット19,19Aに代えて、検出ユニット31A,31B及び判定ユニット50を設け、判定ユニット50ををコンベヤ装置10から所定距離だけ離して配置したことである。
【0077】
即ち、検出ユニット31A,31Bは、被搬送物が載置されるコンベヤベルト14の下部に固定して配置され、これらの検出ユニット31A,31Bはコンベヤベルト14の長手方向に並設されている。さらに、一方の検出ユニット31Aはコンベヤベルト14の始端部上に設けられたホッパ17の直前すなわちコンベヤベルト14の進行方向手前側に配置され、他方の検出ユニット31Bはホッパ17の直後に配置されている。
【0078】
また、検出ユニット31A,31Bのそれぞれは、例えば図7に示すように、幅10cm、長さ25cm、厚さ3cmの絶縁物筐体311 を有し、この筐体311 中にアンテナコイル312 及び検出回路313 が収納されている。アンテナコイル312 は筐体311 にほぼ対応した形状、即ち長方形或いは楕円形状に形成され、検出ユニット31A,31Bはアンテナコイル312 がコンベヤベルト14の幅方向に延びるように配置されている。
【0079】
また、検出回路313 は図8に示すように、発振回路313a、フィルタ回路313b、及び周波数変換回路313cから構成されている。
【0080】
発振回路313aは、判定ユニット50から供給される電力PWによって動作し、約650KHzの交流電流HSをアンテナコイル312 に供給する。また、発振回路313aに設けられている可変抵抗器VRの値を変化させることにより交流電流HSの電流値を変化できるようになっている。
【0081】
フィルタ回路313bはアンテナコイル312 に供給される交流電流を入力し、この交流電流中の周波数650KHzの成分のみを周波数変換回路313cに出力する。
【0082】
周波数変換回路313cはフィルタ回路313bから入力した周波数650KHzの信号を放送電波等の影響を受けない低周波数の信号、例えば20〜50KHzの周波数の交流電圧信号LSに変換して判定ユニット50に出力する。これらのフィルタ回路313b及び周波数変換回路313cに対しても判定ユニット50から駆動電力PWが供給されている。
【0083】
判定ユニット50は、図9に示すように、電力供給回路501と、第1レベル判定回路502、第2レベル判定回路503、総合判定回路504、表示制御回路505、表示部506、警報信号発生回路507、電源回路508とを備えている。
【0084】
電力供給回路501は、検出ユニット31A,31Bのそれぞれへ駆動電力PWを供給する。
【0085】
第1レベル判定回路502は、一方の検出ユニット31Aから出力される交流電圧信号LSとエンコーダ16から出力されるタイミングパルス信号TPを入力し、被検出体の共振回路6が検出ユニット31Aの上を通過したときの交流電圧信号LSの値が所定の第1基準値THa以下の値であるか否かを判定し、第1基準値THa以下になっていないときに、被検出体の共振回路6に異常が生じていると判定して、総合判定回路504に対して異常状態を表す信号を出力する。
【0086】
第2レベル判定回路503は、他方の検出ユニット31Bから出力される交流電圧信号LSとエンコーダ16から出力されるタイミングパルス信号TPを入力し、被検出体の共振回路6が検出ユニット31Bの上を通過したときの交流電圧信号LSの値が所定の第2基準値THb以下の値であるか否かを判定し、第2基準値THb以下になっていないときに、被検出体の共振回路6に異常が生じていると判定して、総合判定回路504に対して異常状態を表す信号を出力する。
【0087】
総合判定回路504は、第1レベル判定回路502の出力信号と第2レベル判定回路503の出力信号とを入力し、これらに基づいて、被検出体の共振回路6の状態を判定し、この判定結果に基づいて、表示制御回路505及び警報信号発生回路507を駆動する信号を出力する。すなわち、総合判定回路504は、第1レベル判定回路502の出力信号と第2レベル判定回路503の出力信号の双方が異常状態を示していないときは被検出体の共振回路6に異常がないと判定し、表示制御回路505には異常なしの表示を行わせる信号を出力し、警報信号発生回路507には駆動信号を出力しない。
【0088】
また、総合判定回路504は、第1レベル判定回路502の出力信号が異常状態を示し、第2レベル判定回路503の出力信号が異常状態を示していないときは被検出体の共振回路6が疲労損傷していると判定し、表示制御回路505には疲労損傷の表示を行わせる信号を出力し、警報信号発生回路507には駆動信号を出力しない。
【0089】
さらに、総合判定回路504は、第1レベル判定回路502の出力信号と第2レベル判定回路503の出力信号の双方あるいは少なくとも第2レベル判定回路503の出力信号が異常状態を示しているときは、コンベヤベルトに縦裂きが生じ、被検出体の共振回路6の導電線が切断されて共振回路6が破壊されていると判定し、表示制御回路505には縦裂き発生の表示を行わせる信号を出力すると共に、警報信号発生回路507に駆動信号を出力する。
【0090】
さらにまた、総合判定回路504は、エンコーダ16から出力されるタイミングパルス信号TPを入力し、該パルス信号TPの数を計数することにより前記基準位置からの距離を算出する。基準位置からの距離の算出は、総合判定回路504に予め設定してある駆動プーリ12の直径の値に基づいて算出している。総合判定回路504は、表示制御回路505を介して表示部506に疲労損傷の表示或いは縦裂き発生の表示を行う際に、この算出した基準位置からの距離、すなわち疲労損傷を生じている或いは破壊されている共振回路6の位置を表示する。
【0091】
表示制御回路505は、総合判定回路504から入力する信号に基づいて表示部506に表示を行う。
【0092】
警報信号発生回路507は、総合判定回路504から駆動信号を入力したときに、電動機15に対して異常信号を出力し、電動機15を停止する。
【0093】
電源回路508は、商用電源から電力を入力して、これを直流電圧に変換して装置内の各回路等に駆動電力を供給する。
【0094】
また、本実施形態では、一方の検出ユニット31Aのアンテナコイル312に供給される交流電流のレベルが、他方の検出ユニット31Bのアンテナコイル312に供給される交流電流のレベルよりも大きくなるように、各検出ユニット31A,31Bの可変抵抗器VRの抵抗値が設定されている。
【0095】
尚、本実施形態では、第1検出ユニット31Aと第1レベル判定回路502が本発明における第1検出部を構成し、第2検出ユニット31Bと第2レベル判定回路503が本発明における第2検出部を構成し、総合判定回路504が本発明における判定部を構成している。
【0096】
前述の構成よりなるコンベヤベルトの縦裂検出装置では、コンベヤベルト14に縦裂きが生じていないときは、各共振回路6は正常に動作し、検出ユニット31A,31B上に共振回路6が位置したときに、アンテナコイル312と共振回路6が電磁結合する。これにより、アンテナコイル312から放射されるエネルギーが共振回路6に吸収されるため、アンテナコイル312に供給される交流電流のレベルが低下するので、検出ユニット31Aの周波数変換回路313cから出力される交流電圧信号LSの電圧値が第1基準値THa以下となると共に、検出ユニット31Bの周波数変換回路313cから出力される交流電圧信号LSの電圧値が第2基準値THb以下となるため、共振回路6の正常が確認される。
【0097】
また、ホッパ17からの落下物の突起等によって使用中のコンベヤベルト14に縦裂きが生じた場合には、コンベヤベルト14内に埋設された共振回路6のコイル6aを構成する導電線が切断され、共振回路6が動作しなくなるので、アンテナコイル312から放射されるエネルギーが共振回路6に吸収されることがない。このため、アンテナコイル312に供給される交流電流HSのレベルが低下しないので、検出ユニット31Aの周波数変換回路313cから出力される交流電圧信号LSの電圧値が第1基準値THa以下にならないので共振を検出できないと共に、検出ユニット31Bの周波数変換回路313cから出力される交流電圧信号LSの電圧値が第2基準値THb以下とならないので共振を検出できないため、第1レベル判定回路502及び第2レベル判定回路503の双方から異常を表す信号が出力される。これにより、総合判定回路504は、コンベヤベルトに縦裂きが生じて共振回路6の導電線が断線したと判定し、表示制御回路505を介してコンベヤベルト14に縦裂きが発生したことを表示部506に表示すると共に、警報信号発生回路507から電動機15に対して異常信号を出力して、電動機15を停止する。
【0098】
また、被検出体の共振回路6が断線や破壊にまでは至らず、疲労損傷を生じている場合には、共振回路6の導電線の抵抗値が増加したり、コイルのインダクタンス値やコンデンサのキャパシタンス値が変化するため、その共振周波数が変化し、アンテナコイル312との間の共振現象の度合いが低下するので、検出ユニット31A,31Bのアンテナコイル312に供給される交流電流HSのレベルの低下が少なくなり、検出ユニット31Aの周波数変換回路313cから出力される交流電圧信号LSの電圧値が第1基準値THa以下にならないので共振を検出できず、且つ、検出ユニット31Bの周波数変換回路313cから出力される交流電圧信号LSの電圧値が第2基準値THb以下となり共振を検出できるため、第1レベル判定回路502のみから異常を表す信号が出力される。
【0099】
これにより、総合判定回路504は、被検出体の共振回路6に疲労損傷が生じていると判定し、表示制御回路505を介して共振回路6に疲労損傷が発生したことを表示部506に表示する。
【0100】
また、疲労損傷或いは破壊が生じた共振回路6の位置が、基準位置からの距離で表示部506に表示されるので、メンテナンス作業の効率向上を図ることができる。
【0101】
さらに、コンベヤベルト14が搬送中にその幅方向にずれることがあるが、前述したように検出ユニット31A,31Bが配置されているので、共振回路6の状態を確実に検出することができる。
【0102】
このように、本実施形態のコンベヤベルトの縦裂検出装置によれば、コンベヤベルト14内の共振回路6が断線や破壊にまでは至らず、疲労損傷を生じていることを早期に発見することができる。これによって、被検出体の共振回路6の導電線の抵抗値が増加したり、コイルのインダクタンス値やコンデンサのキャパシタンス値が変化すると共振周波数が変化し、検出用共振回路との間の共振現象の度合いが低下していることを早期に発見できるので、コンベヤベルトに縦裂きが生じていないにも拘わらず、コンベヤベルトに縦裂きが生じたとして誤って検出されて、コンベヤベルトの駆動が停止されるという誤動作を防止することができ、このような誤動作によるコンベヤベルトの駆動停止を防止できるため、作業効率の向上を図ることができる。
【0103】
さらに、本実施形態では判定ユニット50が、検出ユニット31A,31Bから分離され、コンベヤ装置10から離して配置されているので、電動機15から発せられるノイズが判定ユニット50内の各回路内に混入することがない。これにより、判定ユニット50におけるノイズによる誤動作を防止することができる。
【0104】
また、検出ユニット31A,31Bにおいては、発振回路313aからアンテナコイル312 に供給される650KHzの信号のみを、フィルタ回路313bを介して周波数変換回路313cに入力しているので、電動機15から発せられるノイズが周波数変換回路313cに混入することがない。
【0105】
さらに、検出ユニット31A,31Bから判定ユニット50に出力する交流電圧信号LSを20〜50KHzの低周波数としているので、放送電波等が混入することがなく、これによる誤動作も防止することができる。
【0106】
尚、本実施形態では、検出ユニット31A,31Bのアンテナコイル312へ供給される交流電流HSのレベルを可変抵抗器VRによって互いに異なる値に設定することにより、各検出ユニット31A,31Bによる検出感度を異ならせるようにしたが、検出ユニット38A,31Bのアンテナコイル312へ供給される交流電流のレベルを同じに設定し、前記第1基準値THaと第2基準値THbを異なる値に設定することにより、各検出ユニット31A,31Bによる検出感度を異ならせるようにしても良い。
【0107】
また、上記各実施形態は、本発明の一具体例であって、本発明が上記実施形態の構成のみに限定されることはなく、前述した特許文献1乃至9に開示されている各従来例に対しても本発明を適用することにより上記実施形態と同様の効果を得られることは言うまでもないことである。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の第1実施形態におけるコンベヤ装置及びコンベヤベルトの縦裂検出装置を示す構成図
【図2】本発明の第1実施形態におけるコンベヤベルトの縦裂検出装置の電気系回路を示すブロック図
【図3】本発明の第1実施形態における検出ユニットの配置を説明する図
【図4】本発明の第2実施形態におけるコンベヤベルトの縦裂検出装置の電気系回路を示すブロック図
【図5】本発明の第2実施形態におけるコンベヤベルトの縦裂検出装置の動作を説明するフローチャート
【図6】本発明の第3実施形態におけるコンベヤ装置及びコンベヤベルトの縦裂検出装置を示す構成図
【図7】本発明の第3実施形態における検出ユニットの配置を説明する図
【図8】本発明の第3実施形態における検出ユニットの電気系回路を示すブロック図
【図9】本発明の第3実施形態におけるコンベヤベルトの縦裂検出装置の電気系回路示すブロック図
【図10】従来例の内装式縦裂検出装置を示す構成図
【図11】従来例における被検出体の共振回路の構成及び配置を示す図
【図12】従来例における検出部の配置を示す図
【図13】従来例における検出部の電気系回路を示すブロック図
【符号の説明】
【0109】
6…共振回路、6a…コイル、6b…コンデンサ、10…コンベヤ装置、12…駆動プーリ、13…従動プーリ、14…コンベヤベルト、15…電動機、16…エンコーダ、17…ホッパ、18A,18B…検出ユニット、19,19A…判定ユニット、31A,31B…検出ユニット、50…判定ユニット、111…筐体、112…アンテナコイル、113…可変抵抗器、211…発振回路、212…第1電流値検出回路、213…第2電流値検出回路、214…第1判定回路、215…第2判定回路、216…総合判定回路、217…表示制御回路、218…表示部、219…警報信号発生回路、220…電源回路、221,222…A/D変換回路、223…CPU、224…メモリ、311…筐体、312…アンテナコイル、313…検出回路、313a…発振回路、313b…フィルタ回路、313c…周波数変換回路、VR…可変抵抗器、501…電力供給回路、502…第1レベル判定回路、503…第2レベル判定回路、504…総合判定回路、505…表示制御回路、506…表示部、507…警報信号発生回路、508…電源回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤベルトの長手方向に所定の間隔をあけてコンベヤベルト内に埋設され、該コンベヤベルトの幅方向に延びる導電線を含むコイルを備えた共振回路からなる複数の被検出体と、前記コンベヤベルトの下方所定位置に固定して配設され前記被検出体の共振回路と共振し該共振状態を検出する検出部と、前記検出部と前記被検出体との共振状態に基づいて前記被検出体の導電線の切断有無を判定する判定部とを備え、前記コンベヤベルトの縦裂きを検出するコンベヤベルトの縦裂検出装置において、
前記コンベヤベルトの進行方向に向けて所定間隔をあけて並設された第1検出部及び第2検出部を備えると共に、
前記第1検出部による前記共振状態の検出感度と前記第2検出部による前記共振状態の検出感度とが互いに異なる値に設定されており、
前記判定部は、前記第1検出部及び第2検出部のうちの検出感度が低く設定されている検出部が前記被検出体との共振を検出せず且つ前記第1検出部及び第2検出部のうちの検出感度が高く設定されている検出部が前記被検出体との共振を検出したときに、前記被検出体に疲労損傷が生じていると判定し、前記第1検出部及び第2検出部のうちの少なくとも検出感度が高く設定されている検出部が共振を検出しないときにコンベヤベルトに縦裂きが生じており前記被検出体の導電線が切断されていると判定し、前記第1検出部及び第2検出部の双方が共振を検出したときにコンベヤベルトに縦裂きが生じておらず前記被検出体に異常が生じていないと判定する手段を有する
ことを特徴とするコンベヤベルトの縦裂検出装置。
【請求項2】
前記判定部による判定結果を報知する報知手段を設けた
ことを特徴とする請求項1に記載のコンベヤベルトの縦裂検出装置。
【請求項3】
前記第1検出部及び第2検出部のそれぞれはアンテナコイルを有し、
前記判定部は、
前記第1検出部のアンテナコイルに所定の第1交流電流を供給する第1電流供給手段と、
前記第2検出部のアンテナコイルに所定の第2交流電流を供給する第2電流供給手段と、
前記第1検出部及び第2検出部に供給する電流量を監視する電流量監視手段と、
前記第1検出部に供給する前記第1交流電流の電流量を第1基準値と比較して、前記第1交流電流の電流量が第1基準値に満たないときに、前記第1検出部の近傍を通過した被検出体に異常が生じていると判定する第1判定手段と、
前記第2検出部に供給する前記第2交流電流の電流量を第2基準値と比較して、前記第2交流電流の電流量が第2基準値に満たないときに、前記第2検出部の近傍を通過した被検出体に異常が生じていると判定する第2判定手段と、
前記第1判定手段及び第2判定手段の判定結果に基づいて、前記第1判定手段及び第2判定手段のうちの前記検出感度が低く設定されている検出部に対応する判定手段によってのみ異常が生じていると判定されたときは判定対象の被検出体に疲労損傷が生じていると判定し、前記第1判定手段及び第2判定手段のうちの前記検出感度が高く設定されている検出部に対応する判定手段によって異常が生じていると判定されたときに判定対象の被検出体に異常が生じていると判定する総合判定手段とを備え、
前記第1交流電流及び第2交流電流の組または前記第1基準値及び第2基準値の組のうちの少なくとも何れか一方の組が互いに異なる値に設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載のコンベヤベルトの縦裂検出装置。
【請求項4】
前記総合判定手段による判定結果を報知する報知手段を設けた
ことを特徴とする請求項3に記載のコンベヤベルトの縦裂検出装置。
【請求項5】
前記第1検出部及び第2検出部のアンテナコイルは、前記コンベヤベルトの幅方向に延ばして形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載のコンベヤベルトの縦裂検出装置。
【請求項6】
前記コンベヤベルトの基準位置を検出する手段と、
前記第1検出部及び前記第2検出部の上を通過する被検出体の前記基準位置に対する相対位置を検出する手段と、
前記疲労損傷した被検出体及び縦裂発生箇所の前記相対位置を表示する手段とを備えた
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のコンベヤベルトの縦裂検出装置。
【請求項7】
前記第1検出部と前記第2検出部はコンベヤベルト上へ搭載する被搬送物の落下位置を挟んで設けられていると共に、コンベヤベルトの進行方向手前側に前記検出感度が低く設定されている検出部が配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載のコンベヤベルトの縦裂検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−290558(P2006−290558A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−114423(P2005−114423)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】