説明

コードレス電話装置

【課題】充電状態をユーザに適切に知らせることができるコードレス電話装置を提供すること。
【解決手段】整流回路103から出力された直流電圧を分圧抵抗106で分枝し、分圧抵抗106で分枝された直流電圧の値をADコンバータ107でデジタルデータにする。制御部60は、ADコンバータ107のデジタルデータ又は定電流回路104の電圧・電流特性に基づいて、実際に二次電池105に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値として、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)又は、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)を算出する。さらに、制御部60は、その算出結果に基づいて、二次電池105の充電状態を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電状態を報知するコードレス電話装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コードレス電話装置は、充電される際に充電器上に載置される。このとき、充電器との距離が短くなると、ハウリングが生じることがある。そこで、近年、そのハウリングを防止する発明に関連して、充電器に接近しているか否かを判断する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この技術では、充電器に設けた励磁コイルから発せられる交流磁界を検出コイルで検出すると、電磁誘導によりその検出コイルの両端に発生する交流電力を整流回路に入力し、その整流回路から分枝した出力を比較器に入力し、その比較器で基準電圧値と比較することにより、充電器に接近しているか否かを判断する。
【特許文献1】特開平7−221825号公報(第4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、基準電圧値と比較する比較器を使用しているため、充電器に接近しているか否かの2通りの状態しか判断できなかった。
従って、この判断技術を充電状態に応用すると、充電しているか否かの2通りの状態しか判断することができない。よって、充電器上に載置されていれば、常に、充電している状態と判断されることになる。
【0005】
従って、例えば、充電器上に載置されていても、接触型充電であれば充電用端子間にズレ・浮き・異物があり、あるいは、非接触型充電であればコイル間にズレ・浮き・異物があると、充電時間が長期に及んだり、充電が不能となったりするが、上記判断技術では、それらの充電状態をユーザに適切に知らせることができなかった。
また、充電器上に正しく載置されていても、接触型充電であれば充電用端子が被膜に覆われていると、同様にして、充電時間が長期に及んだり、充電が不能となったりするので、上記判断技術では、その充電状態をユーザに適切に知らせることができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、充電状態をユーザに適切に知らせることができるコードレス電話装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、コードレス電話装置であって、交流電力を受電する受電部と、前記受電部で受電した交流電力を直流電力にする整流回路と、前記整流回路から出力された直流電流を一定電流とする定電流回路と、前記整流回路から出力された直流電力が前記定電流回路を経て充電される二次電池と、前記整流回路から出力された直流電圧を分枝する分圧抵抗と、前記分圧抵抗で分枝された直流電圧の値をデジタルデータにするADコンバータと、前記ADコンバータのデジタルデータ又は前記定電流回路の電圧・電流特性に基づいて前記二次電池の充電値を算出する演算部と、前記演算部の算出結果に基づいて前記二次電池の充電状態を報知する第1報知部と、を備えたこと、を特徴とする。
【0008】
請求項1に係る発明のコードレス電話装置では、交流電力が受電部で受電されると、受電部で受電された交流電力が整流回路で直流電力になる。そして、整流回路から出力された直流電力は、定電流回路で一定電流になった後に、二次電池に充電される。
ここで、整流回路から出力された直流電圧を分圧抵抗で分枝し、分圧抵抗で分枝された直流電圧の値をADコンバータでデジタルデータにする。そして、演算部が、ADコンバータのデジタルデータ又は定電流回路の電圧・電流特性に基づいて、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値として、二次電池の充電値を算出する。さらに、演算部の算出結果に基づいて、第1報知部が、二次電池の充電状態を報知する。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載するコードレス電話装置であって、前記第1報知部は、前記演算部により算出された前記二次電池の充電値が第1所定値以上であれば前記二次電池の充電状態が正常状態である旨を報知すること、を特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明のコードレス電話装置では、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値として、演算部により算出された二次電池の充電値が第1所定値以上であれば、第1報知部が、二次電池の充電状態が正常状態である旨を報知する。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載するコードレス電話装置であって、前記第1報知部は、前記演算部により算出された前記二次電池の充電値が前記第1所定値以下であれば前記二次電池の充電状態が前記正常状態よりも充電時間が長くなる特殊状態である旨を報知すること、を特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明のコードレス電話装置では、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値として、演算部により算出された二次電池の充電値が第1所定値以下であれば、第1報知部が、二次電池の充電状態が正常状態よりも充電時間が長くなる特殊状態である旨を報知する。
【0013】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載するコードレス電話装置であって、前記第1報知部は、前記演算部により算出された前記二次電池の充電値が第2所定値以下であれば前記二次電池の充電状態が異常状態である旨を報知すること、を特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明のコードレス電話装置では、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流の値として、演算部により算出された二次電池の充電値が第2所定値以下であれば、第1報知部が、二次電池の充電状態が異常状態である旨を報知する。
【0015】
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載するコードレス電話装置であって、前記演算部により算出された前記二次電池の充電値に基づいて前記二次電池の充電時間を推定する推定部を、備えたこと、を特徴とする。
【0016】
請求項5に係る発明のコードレス電話装置では、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値として、演算部により算出された二次電池の充電値に基づいて、推定部が、二次電池の充電時間を推定する。
【0017】
また、請求項6に係る発明は、請求項5に記載するコードレス電話装置であって、前記推定部の推定結果を報知する第2報知部を、備えたこと、を特徴とする。
【0018】
請求項6に係る発明のコードレス電話装置では、第2報知部が、推定部で推定した二次電池の充電時間を報知する。
【0019】
また、請求項7に係る発明は、請求項4に記載するコードレス電話装置であって、前記演算部により算出された前記二次電池の充電値が第2所定値以下であれば前記二次電池の充電状態が異常状態である旨を外部接続機器にデータ送信する送信部を、備えたこと、を特徴とする。
【0020】
請求項7に係る発明のコードレス電話装置では、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値として、演算部により算出された二次電池の充電値が第2所定値以下であれば、送信部が、二次電池の充電状態が異常状態である旨を外部接続機器にデータ送信する。
【0021】
また、請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載するコードレス電話装置であって、前記受電部は、一次側コイルが発生する磁束エネルギーにより交流を受電する二次側コイルであること、を特徴とする。
【0022】
請求項8に係る発明のコードレス電話装置では、受電部は、一次側コイルが発生する磁束エネルギーにより交流を受電する二次側コイルであることから、二次電池に対して非接触型充電が行われる。
【0023】
また、請求項9に係る発明は、コードレス電話装置であって、直流を受電する受電部と、前記受電部から出力された直流電流を一定電流とする定電流回路と、前記受電部から出力された直流電力が前記定電流回路を経て充電される二次電池と、前記受電部から出力された直流電圧を分枝する分圧抵抗と、前記分圧抵抗で分枝された直流電圧の値をデジタルデータにするADコンバータと、前記ADコンバータのデジタルデータ又は前記定電流回路の電圧・電流特性に基づいて前記二次電池の充電値を算出する演算部と、前記演算部の算出結果に基づいて前記二次電池の充電状態を報知する第1報知部と、を備えたこと、を特徴とする。
【0024】
請求項9に係る発明のコードレス電話装置では、直流電力が受電部で受電されると、受電部から出力された直流電流は、定電流回路で一定電流になった後に、二次電池に充電される。
ここで、受電部から出力された直流電圧を分圧抵抗で分枝し、分圧抵抗で分枝された直流電圧の値をADコンバータでデジタルデータにする。そして、演算部が、ADコンバータのデジタルデータ又は定電流回路の電圧・電流特性に基づいて、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値として、二次電池の充電値を算出する。さらに、演算部の算出結果に基づいて、第1報知部が、二次電池の充電状態を報知する。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に係る発明のコードレス電話装置では、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値を算出していることから、二次電池の充電状態を3つ以上の複数の状態に区分けして報知することが可能であり、もって、充電状態をユーザに適切に知らせることができる。
特に、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の関係は、定電流回路の電圧・電流特性に基づいており、二次電池の充電状態が不良になれば、常に、定電流回路の電圧・電流特性の線形部分に該当することから、その充電状態を多数の状態に区分けして判別することが可能となる。
【0026】
請求項2に係る発明のコードレス電話装置では、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値と第1所定値の大小関係を使用することにより、3つ以上に区分けされる二次電池の充電状態の一つとして、充電が正常に行われている状態を検知でき、その状態をユーザに報知することができるので、その後のユーザ対応に貢献することが可能となる。
【0027】
請求項3に係る発明のコードレス電話装置では、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値と第1所定値の大小関係を使用することにより、3つ以上に区分けされる二次電池の充電状態の一つとして、充電時間が普段よりも長くなる状態を検知でき、その状態をユーザに報知することができるので、その後のユーザ対応に貢献することが可能となる。
【0028】
請求項4に係る発明のコードレス電話装置では、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値と第2所定値の大小関係を使用することにより、3つ以上に区分けされる二次電池の充電状態の一つとして、正常な充電ができない状態を検知でき、その状態をユーザに報知することができるので、その後のユーザ対応に貢献することが可能となる。
【0029】
請求項5に係る発明のコードレス電話装置では、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値と二次電池の必要な充電量との関係から二次電池の充電時間を推定することで、充電に関する制御に役立たせることができる。
【0030】
請求項6に係る発明のコードレス電話装置では、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値に基づいて推定した二次電池の充電時間をユーザに報知することで、その後のユーザ対応に貢献できる。
【0031】
請求項7に係る発明のコードレス電話装置では、離れた位置に居るユーザに対し、データ送信が行われる外部接続機器を介して、正常な充電ができていない二次電池の充電状態を報知することができる。
【0032】
請求項8に係る発明のコードレス電話装置では、一次側コイルと二次側コイルの間で非接触の送電が行われることから、二次電池に対して非接触型充電が行われるものであるが、上記各効果を発揮させることによって、一次側コイルと二次側コイルの間にズレ・浮き・異物があっても、その充電状態に見合った充電制御を行うことが可能である。
【0033】
請求項9に係る発明のコードレス電話装置では、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値を算出していることから、二次電池の充電状態を3つ以上の複数の状態に区分けして報知することが可能であり、もって、充電状態をユーザに適切に知らせることができる。
特に、実際に二次電池に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の関係は、定電流回路の電圧・電流特性に基づいており、二次電池の充電状態が不良になれば、常に、定電流回路の電圧・電流特性の線形部分に該当することから、その充電状態を多数の状態に区分けして判別することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
図4は電話装置1の斜視図であり、図2(a)は本発明の子機50の背面を示す斜視図であり、図2(b)は充電台80の斜視図であり、図1と図3は電話装置1の電気的構成を表すブロック図である。
【0035】
電話装置1は、電話回線網100(図3参照)を介して音声通話を実現する機能(電話通話機能)や電話回線網100を介して画像データの送受信を行う機能(ファクシミリ機能)等を有しており、図4に示すように、電話回線網100に接続される親機10と、その親機10との間で無線回線を介して接続される子機50と、図示しない外部電源に接続され、子機50を着脱可能に載置し、載置された子機50を所定の電圧で充電するための充電台80とから構成されている。尚、本実施形態の電話装置1において、ファクシミリ機能に関連する構成要素は、本発明とは直接関係ないため説明は省略する。
【0036】
親機10は、その親機本体ケース11の側部に、親機10本体から取り外した状態で使用される送受話器であるハンドセット12が取り付けられている。更に、親機本体ケース11の上面には、各種機能に関連する情報を表示するための表示パネル13と、相手側の電話番号を入力するためのダイヤルボタン14a,表示パネル13に表示されるメニュー画面等で選択するときに操作される選択ボタン14bなどの各種操作ボタン14が備えられている。尚、表示パネル13は、表示画面を背面から照明するバックライト付の液晶ディスプレイ(LCD)である。
【0037】
子機50は、ハンドセットの形状をした子機本体ケース51の表面上に、各種機能に関連する情報を表示するための表示パネル53と、相手側の電話番号を入力するためのダイヤルボタン54a,外線通話を開始するときに操作される外線通話ボタン54b,通話を終了するときに操作される切ボタン54c,表示パネル53に表示されるメニュー画面等で選択するときに操作される選択ボタン54d等の各種操作ボタン54とが備えられている。
【0038】
尚、表示パネル53は、表示画面を背面から照明するバックライト付の液晶ディスプレイ(LCD)である。充電台80は、図2(b)に示すように、子機50を着脱可能に載置する載置用凹部81aが形成された充電台本体81から構成される。
【0039】
次に、電話装置1の電気的構成について、図3を用いて説明する。
親機10は、親機10全体の動作を制御する制御部20,ハンドセット12,表示パネル13,操作ボタン14,子機50との間で音声信号(通話信号に相当)やデータ信号を無線通信により送受信する無線通信部30等を備えている。
【0040】
制御部20には、操作ボタン14からの出力信号、無線通信部30からの出力信号(音声・データ信号)、電話装置1外部からの音声信号が入力される。
また、制御部20は、電話装置1外部から入出力する音声信号の伝送先および伝送元となる伝送経路を設定する。具体的に説明すると、ハンドセット12が親機10本体から取り外された場合には、伝送経路をハンドセット12に切り換え、子機50により通話を開始するための通話開始操作が行われた場合には、伝送経路を無線通信部30に切り換える。
【0041】
更に、制御部20は、子機50との間で無線通信を行うためのデータ信号や音声信号を無線通信部30に出力したり、ハンドセット12及び無線通信部30からの音声信号を電話装置1外部へ出力する。
【0042】
無線通信部30は、CPU,RAM,ROM,A/D変換器等からなる無線通信制御部32と、EEPROM34と、コンパンダ36と、子機50との間で無線通信を行うためのRFモジュール38と、を備えている。
【0043】
コンパンダ36は、子機50から送信された無線信号をRFモジュール38を介して取得し、その信号を音声信号とデータ信号とに切り分け、音声信号を制御部20に送り、データ信号を無線通信制御部32に送る。また、コンパンダ36は、制御部20からの音声信号や、無線通信制御部32からのデータ信号をRFモジュール38に送る。
【0044】
RFモジュール38は、無線通信制御部32と通信可能に構成されており、無線通信制御部32からの指令に基づき、無線通信に使用する無線チャンネルを周波数の異なる複数の無線チャンネルの中から選択し、その選択した無線チャンネルを用いて、コンパンダ36からの出力信号を子機50へ送信すると共に、子機50から送信されてくる無線信号を受信する。
【0045】
尚、本実施形態において、RFモジュール38が無線通信に使用する無線チャンネルは、380MHz帯にて各無線チャンネルの周波数間隔が12.5kHzである89個のチャンネルであり、子機50(詳しくは、後述のRFモジュール68)が無線通信に使用する無線チャンネルは、280MHz帯にて各無線チャンネルの周波数間隔が12.5kHzである89個のチャンネルである。また、そのうち、データ信号のみの送受信を行う際には、46チャンネルと89チャンネルが使用され、音声信号を送受信する場合には、残りの1チャンネル〜45チャンネル及び47チャンネル〜88チャンネルの何れかが使用される。また、以下の説明において、親機10/子機50間で利用される無線チャンネルを区別する場合には、46,89チャンネルを制御チャンネルといい、1〜45,47〜88チャンネルを通信チャンネルという。
【0046】
また、RFモジュール38は、外部から無線にて受信した信号の信号強度を検出して、その検出結果を無線通信制御部32のA/D変換器に出力する。尚、本実施形態において、無線通信制御部32のA/D変換器では、RFモジュール38から入力された検出結果を、8ビットのデジタル値に変換する。
【0047】
無線通信制御部32には、制御部20やコンパンダ36から出力されるデータ信号が入力され、無線通信制御部32は、制御部20からのデータ信号をコンパンダ36に出力する。
【0048】
また、無線通信制御部32は、当該親機10から子機50と通信を開始する際、RFモジュール38にて検出される信号強度に基づき、使用可能な無線チャンネルを選択し、その結果をRFモジュール38に送信する。
【0049】
これにより、親機10は、無線通信制御部32が選択した無線チャンネルを用いて子機50との無線通信を開始することとなる。
次に、子機50は、子機50全体の動作を制御する制御部60と、表示パネル53と、操作ボタン54と、レシーバ62と、マイク64と、コンパンダ66と、親機10(詳しくは、RFモジュール38)との間で音声信号やデータ信号を無線通信により送受信するためのRFモジュール68と、EEPROM70と、操作ボタン54を背後から照らすための操作ボタンLED72と、子機50全体に電源を供給する二次電池105(図1参照)を充電台80から供給される電源電圧により充電する被充電回路55と備えている。
【0050】
コンパンダ66は、親機10から送信された無線信号をRFモジュール68を介して取得し、その信号を音声信号とデータ信号とに切り分け、音声信号をレシーバ62に送り、データ信号を制御部60に送る。また、コンパンダ66は、マイク64からの音声信号や、制御部60からのデータ信号をRFモジュール68に送る。
【0051】
RFモジュール68は、制御部60と通信可能に構成されており、制御部60からの指令に基づき、無線通信に使用する無線チャンネルを89個の無線チャンネルの中から選択し、その選択した無線チャンネルを用いてコンパンダ66からの出力信号を親機10へ送信すると共に、親機10から送信されてくる無線信号を受信する。
【0052】
また、RFモジュール68は、外部から無線にて受信した信号の信号強度を検出して、その検出結果を、制御部60に内蔵されたA/D変換器に出力する。尚、本実施形態において、制御部60のA/D変換器では、RFモジュール68から入力された検出結果を、8ビットのデジタル値(以下、RSSI値という)に変換する。
【0053】
制御部60は、CPU,RAM,ROM,A/D変換器等を備えており、操作ボタン54からの出力信号やコンパンダ66からのデータ信号が入力される。
また、制御部60は、親機10との間で無線通信を行うためのデータ信号をコンパンダ66に出力する。
【0054】
また、制御部60は、RFモジュール68と通信可能に構成されており、当該子機50から親機10と通信を開始する際、RFモジュール68にて検出される信号強度に基づき、使用可能な無線チャンネルを選択し、その結果をRFモジュール68に送信する。
【0055】
これにより、子機50は、制御部60が選択した無線チャンネルを用いて親機10との無線通信を開始することとなる。
また更に、制御部60は、子機50が通信チャンネルを介して親機10と無線通信を行っているときに、その通信チャンネルを介して親機10から送信されてくる無線信号の信号強度を、RFモジュール68を介して周期的に取得し、取得した過去5回分の信号強度(即ち、RSSI値)の平均値を算出する。
【0056】
そして、制御部60は、算出した平均値とROMに記憶されている複数の閾値とを比較することにより、その平均値を段階的に数値化し、その数値化した結果に基づいて模式的な図形を生成し、その生成した図形を親機10との通信状況として表示パネル53に表示させる。尚、その具体的な説明は省略する。
【0057】
次に、充電台80は、充電回路82を備え、外部の所要電源からの供給を受けることにより所定の電源電圧を生成し、子機50に非接触型の電源供給を行う。
【0058】
そこで、子機50と充電台80との間で行われる非接触型の電源供給に関して説明する。図1のブロック図に示すように、充電台80の充電回路82には一次側コイル101が設けられている。
【0059】
一方、子機50の被充電回路55には、二次側コイル102と、共振用コンデンサ108と、整流回路103と、定電流回路104と、二次電池105とが設けられている。二次側コイル102は、充電台80の一次側コイル101から発生する交流電力の磁束エネルギーを受電する受電部である。共振用コンデンサ108は、受電部である二次側コイル102から電流を取り出すときの電圧ドロップを小さくするものである。整流回路103は、ダイオード103Aやコンデンサ103Bなどを組み合わせることによって、二次側コイル102で受電した交流電力を直流電力にする。定電流回路104は、整流回路103から出力された直流電流を一定電流とする。そして、二次電池105は、定電流回路104に接続されており、定電流回路104から出力された直流電流IAによって充電される。
【0060】
さらに、本実施の形態では、子機50の被充電回路55において、整流回路103から出力された直流電圧を分枝する分圧抵抗106と、その分圧抵抗106で分枝された直流電圧の値をデジタルデータにするADコンバータ107とが設けられている。そして、ADコンバータ107のデジタルデータを制御部60に入力することにより、二次電池105の充電電流値として、定電流回路104から出力された直流電流IAの値等を求めている。
【0061】
そのため、制御部60には、分圧抵抗106の抵抗比や定電流回路104の電圧・電流特性(後述する図5参照)がインプットされている。そして、制御部60は、先ず、分圧抵抗106の抵抗比とADコンバータ107のデジタルデータ(分圧抵抗106で分枝された直流電圧の値)により、整流回路103から出力された直流電圧Vの値を算出する。この点、整流回路103から出力された直流電圧Vは、定電流回路104に入力される直流電圧VINであることから、整流回路103から出力された直流電圧Vの値を取得することができれば、定電流回路104の電圧・電流特性により、定電流回路104から出力された直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)を求めることができる。
【0062】
図5は、定電流回路104の電圧・電流特性を示した図である。図5に示すように、定電流回路104では、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)の値が電圧値VCを超えると、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)が電流値ICで一定となる特性がある。
【0063】
さらに、定電流回路104では、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)の値が、電圧値VC未満にあれば、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)と1次又は2次の比例関係にある。
【0064】
従って、図5に示す定電流回路104の電圧・電流特性を使用すれば、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)の値により、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)を算出することができる。
【0065】
もっとも、本実施の形態では、二次電池105の充電を正常状態で行うためには、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)が、電流値ICまで要求されることはなく、電流値I1以上であれば十分である。その一方で、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)が電流値I2以下にあれば、二次電池105の充電が異常状態にあり、二次電池105の充電を完了することはできない。さらに、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)が電流値I1と電流値I2の間にあれば、二次電池105の充電電流値としては不十分であり、二次電池105の充電を完了するためには正常状態よりも充電時間が長くなる特殊状態にある。
【0066】
この点、図5に示す定電流回路104の電圧・電流特性によれば、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)が電流値I1であるときには、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)の値が電圧値V1である。また、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)が電流値I2であるときには、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)の値が電圧値V2である。
【0067】
従って、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)の値を検知できれば、二次電池105の充電が正常状態・特殊状態・異常状態のいずれにあるかを判定することができる。
【0068】
そこで、子機50では、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)の値によって、二次電池105の充電状態(正常状態・特殊状態・異常状態のいずれか)を判定し、その判定結果である二次電池105の充電状態を、表示パネル53に表示したり、親機10の表示パネル13に表示させたりすることによって、ユーザに報知している。
【0069】
図6は、子機50が二次電池105の充電状態をユーザに報知するためのプログラムを示したフローチャート図である。尚、図6のフローチャートで示されたプログラムは、制御部60のROMに記憶されており、制御部60のCPUにより実行される。
【0070】
子機50では、図6に示すように、先ず、ステップ(以下、「S」と略記する)11において、制御部60に分圧値が入力される。ここで、分圧値とは、分圧抵抗106で分枝された直流電圧の値をいい、上述したように、ADコンバータ107でデジタルデータにされた後に制御部60に入力される。
【0071】
S12では、定電流回路104に入力される直流電圧VINの値を算出する。ここでは、定電流回路104に入力される直流電圧VINの値として、整流回路103から出力される直流電圧の値を上記S11の分圧値と分圧抵抗106の抵抗比により算出する。
【0072】
S13では、定電流回路104に入力される直流電圧VINの値が電圧値V1以上であるか否かを判定する。尚、電圧値V1は、上記図5で示された定電流回路104の電圧・電流特性に基づいた値である。ここで、定電流回路104に入力される直流電圧VINの値が電圧値V1以上であると判定した場合には(S13:YES)、S14に進んで、正常報知を行う。この正常報知では、二次電池105の充電が正常状態である旨のメッセージを表示パネル53に表示する。その後は、S19に進む。
【0073】
一方、上記S13において、定電流回路104に入力される直流電圧VINの値が電圧値V1以上でないと判定した場合には(S13:NO)、S15に進む。S15では、定電流回路104に入力される直流電圧VINの値が電圧値V2以上であるか否かを判定する。尚、電圧値V2も、上記図5で示された定電流回路104の電圧・電流特性に基づいた値である。
【0074】
ここで、定電流回路104に入力される直流電圧VINの値が電圧値V2以上であると判定した場合には(S15:YES)、S16に進んで、充電時間の推定を行う。充電時間とは、二次電池105の充電が完了するまでに要する時間をいい、例えば、以下の関係式(1)から算出する。
充電容量=係数×充電電流値×充電時間 …(1)
この点、充電電流値は、上述したように、定電流回路104から出力される直流電流IAの値であり、上記図5で示された定電流回路104の電圧・電流特性に基づき、定電流回路104に入力される直流電圧VINの値(上記S12の算出値)から算出される。
【0075】
そして、S17では、特殊報知を行う。この特殊報知では、二次電池105の充電時間が正常状態よりも長くなる特殊状態である旨のメッセージを、上記S16で推定した充電時間の値とともに表示パネル53に表示する。このとき、特殊状態であることを示す第1警告音をレシーバ62を介して発してもよい。その後は、S19に進む。
【0076】
尚、二次電池105の充電時間の推定と報知は、上記S14での正常報知で行ってもよい。すなわち、上記S13において、定電流回路104に入力される直流電圧VINの値が電圧値V1以上であると判定した場合には(S13:YES)、上記S16の充電時間の推定を行い、その後、上記S14において、二次電池105の充電が正常状態である旨のメッセージを、上記S16で推定した充電時間の値とともに表示パネル53に表示する。
【0077】
一方、上記S15において、定電流回路104に入力される直流電圧VINの値が電圧値V2以上でないと判定した場合には(S15:NO)、S18に進んで、異常報知を行う。この異常報知では、二次電池105の充電が異常状態(二次電池105の充電を完了することができない状態)である旨のメッセージを表示パネル53に表示する。このとき、異常状態であることを示す第2警告音をレシーバ62を介して発し続けてもよい。その後は、S19に進む。
【0078】
S19では、親機10に送信するか否かを判定する。この判定は、ユーザによる子機50の環境設定に基づく。ここで、親機10に送信しないと判定した場合には(S19:NO)、本プログラムを終了する。
【0079】
一方、親機10に送信すると判定した場合には(S19:YES)、S20に進んで、親機10に表示データを送信する。ここで、表示データとは、二次電池105の充電状態を示すデータを含んだ一連の制御データをいい、例えば、上記S14,S17,S18で表示した各メッセージや上記S16で算出した充電時間が含まれる。その後は、本プログラムを終了する。
【0080】
尚、表示データの送信は、子機50のRFモジュール68と親機10のRFモジュール38間の無線通信により行われる。そして、表示データを受信した親機10は、上記S14,S17,S18と同様にして、メッセージや充電時間を表示パネル13に表示し、また、警告音をハンドセット12を介して発
する。もっとも、表示データの送信先は、子機50と親機10で構成される電話装置1とは別個の通信装置(例えば、パーソナル・コンピュータ)であってもよい。
【0081】
さらに、図7のフローチャートで示されたプログラムのように、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)と2つの電流値I1,I2の大小関係から、二次電池105の充電状態(正常状態・特殊状態・異常状態のいずれか)を判定してもよい。この点、2つの電流値I1,I2とは、上記図5で示された定電流回路104の電圧・電流特性に基づいた値である。
【0082】
尚、図7のフローチャートで示されたプログラムは、上記図6のフローチャートで示されたプログラムのS12,S13,S15,S16を除いて、上記図6のフローチャートで示されたプログラムと同様であるため、同じ処理については説明を省略し、以後は、異なる処理についてのみ説明する。
【0083】
図7のフローチャートで示されたプログラムでは、上記図6のフローチャートで示されたプログラムのS12に代わって、S12の2が行われ、定電流回路104から出力される直流電流IAの値の算出が行われる。ここでは、先ず、定電流回路104に入力される直流電圧VINの値として、整流回路103から出力される直流電圧の値を上記S11の分圧値と分圧抵抗106の抵抗比により算出する。次に、上記図5で示された定電流回路104の電圧・電流特性に基づいて、定電流回路104に入力される直流電圧VINの値より、定電流回路104から出力される直流電流IAの値が算出する。
【0084】
また、図7のフローチャートで示されたプログラムでは、上記図6のフローチャートで示されたプログラムのS13に代わって、S13の2が行われ、定電流回路104から出力される直流電流IAの値が電流値I1以上であるか否かを判定する。ここで、定電流回路104から出力される直流電流IAの値が電流値I1以上である場合には(S13の2:YES)、S14に進み、定電流回路104から出力される直流電流IAの値が電流値I1以上でない場合には(S13の2:NO)、S15の2に進む。
【0085】
さらに、図7のフローチャートで示されたプログラムでは、上記図6のフローチャートで示されたプログラムのS15に代わって、S15の2が行われ、定電流回路104から出力される直流電流IAの値が電流値I2以上であるか否かを判定する。ここで、定電流回路104から出力される直流電流IAの値が電流値I2以上である場合には(S15の2:YES)、S16に進み、定電流回路104から出力される直流電流IAの値が電流値I2以上でない場合には(S15の2:NO)、S18に進む。
尚、S16における充電時間の推定では、上記S12の2の算出値をそのまま使用する。
【0086】
以上詳細に説明したように、子機50では、図1に示すように、充電台80の一次側コイル101から発生した交流電力の磁束エネルギーを二次側コイル102で受電すると、二次側コイル102で受電された交流電力が整流回路103で直流電力になる。そして、整流回路103から出力された直流電力は、定電流回路104で一定電流になった後に、二次電池105に充電される。
ここで、整流回路103から出力された直流電圧を分圧抵抗106で分枝し、分圧抵抗106で分枝された直流電圧の値をADコンバータ107でデジタルデータにする。そして、制御部60が、ADコンバータ107のデジタルデータ又は定電流回路104の電圧・電流特性(図5参照)に基づいて、実際に二次電池105に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値として、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)又は、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)を算出する(S12,S12の2)。さらに、制御部60の算出結果に基づいて(S13,S15,S13の2,S15の2)、二次電池105の充電状態(正常状態・特殊状態・異常状態のいずれか)を表示パネル53に表示する(S14,S17,S18)。
【0087】
従って、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)又は、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)を算出することで、実際に二次電池105に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の値を算出していることから、二次電池105の充電状態を3つ以上の複数の状態(本実施形態では、正常状態・特殊状態・異常状態の3つ)に区分けして報知することが可能であり、もって、充電状態をユーザに適切に知らせることができる。
【0088】
具体的には、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)が電圧値V1以上にあれば(S13:YES)、あるいは、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)が電流値I1以上にあれば(S13の2:YES)、二次電池105の充電状態が正常状態である旨のメッセージが表示パネル53に表示される(S14)。
【0089】
よって、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)と電圧値V1の大小関係又は、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)と電流値I1の大小関係を使用することにより、3つ以上に区分けされる二次電池105の充電状態の一つとして、充電が正常に行われている状態(正常状態)を検知でき、その状態をユーザに報知することができるので、その後のユーザ対応に貢献することが可能となる。
【0090】
また、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)が電圧値V1未満にあれば(S13:NO)、あるいは、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)が電流値I1未満にあれば(S13の2:NO)、所定条件を満たすことにより(S15:YES又は、S15の2:YES)、二次電池105の充電状態が正常状態よりも充電時間が長くなる特殊状態である旨のメッセージが表示パネル53に表示される(S17)。
【0091】
よって、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)と電圧値V1の大小関係又は、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)と電流値I1の大小関係等を使用することにより、3つ以上に区分けされる二次電池105の充電状態の一つとして、充電時間が普段よりも長くなる状態(特殊状態)を検知でき、その状態をユーザに報知することができるので、その後のユーザ対応に貢献することが可能となる。
【0092】
また、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)が電圧値V2未満にあれば(S15:NO)、あるいは、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)が電流値I2未満にあれば(S15の2:NO)、二次電池105の充電状態が異常状態である旨のメッセージが表示パネル53に表示される(S18)。
【0093】
よって、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)と電圧値V2の大小関係又は、定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)と電流値I2の大小関係を使用することにより、3つ以上に区分けされる二次電池105の充電状態の一つとして、正常な充電ができない状態(異常状態)を検知でき、その状態をユーザに報知することができるので、その後のユーザ対応に貢献することが可能となる。
【0094】
この点、実際に二次電池105に充電されている最中の直流電流又は直流電圧の関係は、定電流回路104に入力される直流電圧VIN(すなわち、整流回路103から出力される直流電圧)の値と定電流回路104から出力される直流電流IAの値(すなわち、二次電池105の充電電流値)の関係に置き換えることができる。それらの関係は、図5に示す定電流回路105の電圧・電流特性に基づいており、二次電池105の充電電流が不十分であれば、常に、図5に示す定電流回路105の電圧・電流特性の線形(1次比例)部分に該当することから、二次電池105の充電電流が不十分である状態を多数の状態(本実施形態では、特殊状態・異常状態の2つ)に区分けして判別することが可能となる。
【0095】
また、二次電池105の充電状態が特殊状態である旨のメッセージが表示パネル53に表示される際には(S17)、上記関係式(1)により、制御部60が二次電池105の充電時間を推定する(S16)。これにより、充電に関する制御に役立たせることができる。例えば、本実施形態では、制御部60が推定した二次電池105の充電時間を、二次電池105の充電状態が正常状態よりも充電時間が長くなる特殊状態である旨のメッセージとともに表示パネル53に表示しており(S17)、その後のユーザ対応に貢献できる。
【0096】
また、二次電池105の充電状態(本実施形態では、正常状態・特殊状態・異常状態のいずれか)に関するデータは、子機50から親機10に無線通信で送信される(S20)。そして、親機10において、二次電池105の充電状態(本実施形態では、正常状態・特殊状態・異常状態のいずれか)が表示パネル13に表示され、さらに、二次電池105の充電状態が特殊状態・異常状態にあれば警告音が発せられる。従って、ユーザは、子機50から離れた位置に居ても、親機10の近くに居れば、、子機50における二次電池105の充電状態(本実施形態では、正常状態・特殊状態・異常状態のいずれか)を知ることが可能となる。
特に、子機50における二次電池105の充電状態が異常状態にあれば、子機50は動作不能を起こすことから、その旨を知らせることは、子機50から離れた位置に居るユーザにとっては有意義である。
【0097】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、図6のフローチャートで示されたプログラムでは、S13,S15,S16のの各処理において、図5に示した定電流回路104の電圧・電流特性を使用している。この点、図5に示した定電流回路104の電圧・電流特性を、近似式等で保持してもよいが、二次電池105の充電状態の判別も含めて、一対一にデータ化したテーブルによって保持してもよい。図7のフローチャートで示されたプログラム(S12の2,S13の2,S15の2)でも、同様である。
【0098】
また、本実施形態では、充電台80の一次側コイル101と子機50の二次側コイル102の間で非接触の電源供給が行われることから、二次電池105に対して非接触型充電が行われる。従って、充電台80に子機50が正しく載置されない場合には、充電台80の一次側コイル101と子機50の二次側コイル102の間にズレ・浮きなどが生じ、二次電池105の充電状態が異常状態又は特殊状態である旨の表示がなされる。また、異物を挟んで充電台80に子機50が載置された場合でも、二次電池105の充電状態が異常状態又は特殊状態である旨の表示がなされる。
【0099】
もっとも、上記両コイル101,102に代えて、例えば、図8に示すように、充電台80の載置用凹部81a内に充電用端子182を設けるとともに、子機50に充電用端子155を設け、充電台80に子機50が載置された場合に両充電用端子155,182が接触することによって直流の電源供給が行われるものであってもよい。この場合には、整流回路103が省かれるが、二次電池105に対して接触型充電が行われる。また、非接触型充電と同様にして、充電台80に子機50が正しく載置されない場合には、充電台80の充電用端子182と子機50の充電用端子155の間にズレ・浮きなどが生じ、二次電池105の充電状態が異常状態又は特殊状態である旨の表示がなされる。また、異物を挟んで充電台80に子機50が載置された場合でも、二次電池105の充電状態が異常状態又は特殊状態である旨の表示がなされる。さらに、充電台80の充電用端子182又は子機50の充電用端子155に被膜が形成された場合でも、二次電池105の充電状態が異常状態又は特殊状態である旨の表示がなされる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、コードレス電話装置の充電状態を検知・報知する技術に適用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本実施形態の電話装置の電気的構成を表すブロック図である。
【図2】電話装置の子機および充電台の斜視図である。
【図3】電話装置の電気的構成を表すブロック図である。
【図4】電話装置の斜視図である。
【図5】電話装置の子機に搭載された定電流回路の電圧・電流特性を示した図である。
【図6】電話装置の子機が二次電池の充電状態をユーザに報知するためのプログラムを示したフローチャート図である。
【図7】電話装置の子機が二次電池の充電状態をユーザに報知するためのプログラムを示したフローチャート図である。
【図8】電話装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0102】
1 電話装置
10 親機
50 子機
55 被充電回路
60 制御部
80 充電台
82 充電回路
101 一次側コイル
102 二次側コイル
103 整流回路
104 定電流回路
105 二次電池
106 分圧抵抗
107 ADコンバータ
155 充電用端子
182 充電用端子
A 定電流回路の出力電流値(充電電流値)
IN 定電流回路の入力電圧値(充電電圧値)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流を受電する受電部と、
前記受電部で受電した交流電力を直流電力にする整流回路と、
前記整流回路から出力された直流電流を一定電流とする定電流回路と、
前記整流回路から出力された直流電力が前記定電流回路を経て充電される二次電池と、
前記整流回路から出力された直流電圧を分枝する分圧抵抗と、
前記分圧抵抗で分枝された直流電圧の値をデジタルデータにするADコンバータと、
前記ADコンバータのデジタルデータ又は前記定電流回路の電圧・電流特性に基づいて前記二次電池の充電値を算出する演算部と、
前記演算部の算出結果に基づいて前記二次電池の充電状態を報知する第1報知部と、を備えたこと、を特徴とするコードレス電話装置。
【請求項2】
請求項1に記載するコードレス電話装置であって、
前記第1報知部は、前記演算部により算出された前記二次電池の充電値が第1所定値以上であれば前記二次電池の充電状態が正常状態である旨を報知すること、を特徴とするコードレス電話装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載するコードレス電話装置であって、
前記第1報知部は、前記演算部により算出された前記二次電池の充電値が前記第1所定値以下であれば前記二次電池の充電状態が前記正常状態よりも充電時間が長くなる特殊状態である旨を報知すること、を特徴とするコードレス電話装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載するコードレス電話装置であって、
前記第1報知部は、前記演算部により算出された前記二次電池の充電値が第2所定値以下であれば前記二次電池の充電状態が異常状態である旨を報知すること、を特徴とするコードレス電話装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載するコードレス電話装置であって、
前記演算部により算出された前記二次電池の充電値に基づいて前記二次電池の充電時間を推定する推定部を、備えたこと、を特徴とするコードレス電話装置。
【請求項6】
請求項5に記載するコードレス電話装置であって、
前記推定部の推定結果を報知する第2報知部を、備えたこと、を特徴とするコードレス電話装置。
【請求項7】
請求項4に記載するコードレス電話装置であって、
前記演算部により算出された前記二次電池の充電値が第2所定値以下であれば前記二次電池の充電状態が異常状態である旨を外部接続機器にデータ送信する送信部を、備えたこと、を特徴とするコードレス電話装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載するコードレス電話装置であって、
前記受電部は、一次側コイルが発生する磁束エネルギーにより交流を受電する二次側コイルであること、を特徴とするコードレス電話装置。
【請求項9】
直流を受電する受電部と、
前記受電部から出力された直流電流を一定電流とする定電流回路と、
前記受電部から出力された直流電力が前記定電流回路を経て充電される二次電池と、
前記受電部から出力された直流電圧を分枝する分圧抵抗と、
前記分圧抵抗で分枝された直流電圧の値をデジタルデータにするADコンバータと、
前記ADコンバータのデジタルデータ又は前記定電流回路の電圧・電流特性に基づいて前記二次電池の充電値を算出する演算部と、
前記演算部の算出結果に基づいて前記二次電池の充電状態を報知する第1報知部と、を備えたこと、を特徴とするコードレス電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−211928(P2008−211928A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47173(P2007−47173)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】