サイドエアバッグ装置
【課題】車両用サイドエアバッグ装置は、事故発生の際に展開されて、その展開状態において車両の側壁部を覆うが、障害物により、展開状態が不適当になることがある。
【解決手段】エアバッグの展開の間、当該エアバッグを側壁部の領域に位置する障害物のまわりに偏向させる展開制御機構を備え、エアバッグの展開の信頼性向上を図る。
【解決手段】エアバッグの展開の間、当該エアバッグを側壁部の領域に位置する障害物のまわりに偏向させる展開制御機構を備え、エアバッグの展開の信頼性向上を図る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、サイドエアバッグ装置に関する。本発明は、より詳しくは展開制御機構を備えるサイドエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
例えば米国特許第６６９５３４０号にサイドエアバッグ装置が開示されている（本明細書に引用する）。先に知られたこのサイドエアバッグ装置は、事故の際に車両乗員を保護するべく、当該サイドエアバッグ装置のエアバッグを膨張させるガス発生器を備える。このエアバッグの展開状態においては、当該エアバッグが車両の側壁部分を覆い、そのため車両乗員、特には車両乗員の頭部が側壁部に衝突するのを防止する。このエアバッグは、そのメインチャンバー或いは側壁部を覆うのに適したチャンバーに加えて、メインチャンバーが側壁から離れるように曲がるのを防止するべく指に似た突出部分を備える。
【０００３】
本発明の一つの実施形態は、車両のサイドエアバッグ装置に関する。このサイドエアバッグ装置は、事故の際に展開されて、その展開状態において車両の側壁部を覆うエアバッグを備える。このエアバッグは、当該エアバッグが側壁部の領域にある障害物の周辺にて展開する間に、当該エアバッグを偏向する構成の展開制御機構を含む。
【０００４】
上述の一般的な記載及び以下の詳細な記載は典型的かつ説明上のものであり、クレームに記載の発明を限定するものではない。
【０００５】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、効果は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、図面の簡単な説明に記載の図面に示す典型的な実施形態によって明確化される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明の目的は、特に保護対象である車両乗員に対し高い安全性を確保するサイドエアバッグ装置を提供することである。特に、このサイドエアバッグ装置の場合には、エアバッグ（ガスバッグ）の確実な展開を確保すべきである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
そのため、本発明のサイドエアバッグ装置の実施形態においては、エアバッグが側壁部の領域にある障害物の周辺にて展開する間に、当該エアバッグを偏向する展開制御機構が提案される。以下、「側壁」ないし「側壁部」とは、車両ピラー、サイドウインドウ或いは他の所望領域のように、車両における側壁領域の全てを含む趣旨である。
【０００８】
本発明の実施形態におけるサイドエアバッグ装置は、エアバッグを完全かつ確実に展開させるのに効果的であり、その理由としては、このエアバッグが、想定される障害物を本発明の実施形態における展開制御機構によってバイパス（「迂回」或いは「偏向」ともいう）することによる。
【０００９】
特に車両ピラートリムは、サイドエアバッグが展開する間において、相当の障害物となり得る。商業ベースのサイドエアバッグ装置の場合には、特にＢピラーに関するトリムが、ルーフ領域の側面、すなわち車両ピラーの上方に取り付けられたエアバッグの展開を恒常的に悪化させて遅らせる。本実施形態のサイドエアバッグ装置によれば、障害物である車両ピラートリムのまわりにエアバッグを偏向させるように設計された展開制御機構が提供される。従って、ガスバッグが車両ピラートリムの上方に取り付けられる場合には、展開制御機構は、エアバッグが下方へと展開動作する間は、車両ピラートリムを通過するようにエアバッグを偏向する設計とされるのが好ましい。
【００１０】
エアバッグを障害物の外部領域、すなわち側壁部に極力近接した領域に配置するために、展開制御機構は、当該機構が障害物の外部領域においてエアバッグを側壁部に向けて押圧する設計とされるのが好ましい。
【００１１】
エアバッグのより最適な位置に関しては、展開制御機構がエアバッグの曲がり（湾曲）構造によって形成されるのが効果的であり、特に展開エアバッグは、障害物の領域においてこの障害物から離れるように、また側壁部に向けて曲がるのが好ましい。従って、この展開エアバッグは、それに応じて車両のＹ方向、すなわち車両のＹ方向或いはその反対方向へと曲がるのが好ましく、例えばＳ形のタイプを形成する。
【００１２】
エアバッグのこの曲がり形状は、例えば非対称形状のエアバッグの空のガスバッグによってなされる。このエアバッグが、車両乗員側に位置する１つの素材層と、車両乗員と反対側に位置する１つの素材層を備えるとすれば、これら２つの素材層は、外形が異なる、および／または非対称形状に連結される。
【００１３】
エアバッグの非対称形状、すなわち曲がりを得るためには、更なる手段が適しており、特に適した手段が以下の例によって説明され、例えば２つの素材層のうちの少なくとも１つをひだ付けすることによって、或いは２つの素材層のうちの少なくとも１つに対し特に縫合や接着によって素材折りを付して短縮化することによって可能とされる。変更或いは追加として、付加的なエアバッグ素材、例えばレンチル形状（lentil-shaped）のエアバッグ素材が、２つの素材層のうちの少なくとも１つに用いられる。
【００１４】
エアバッグは、側壁部を覆う有効チャンバー（エアバッグとして有効に利用されるチャンバー（ユーザブルチャンバー；usable chamber））に加えて、特に少なくとも１つの位置チャンバー（エアバッグの配設位置を設定するチャンバー（ポジショニングチャンバー；positioning chamber））をエアバッグ自体が備え、或いは例えばエアバッグにおいて展開制御機構を形成する、既に説明の曲がりのような別の手段との組み合わせによって備えるのが好ましい。例えば位置チャンバーは、有効チャンバーを回転させ或いは傾ける。障害物が存在し得る領域において、エアバッグのうち車両乗員と反対側にて位置チャンバーが展開するのが好ましく、これにより位置チャンバーが有効チャンバーを車両乗員に向けて押圧、すなわち障害物から離れるように押圧する。
【００１５】
更に、障害物の外部領域において、付加的な位置チャンバーは、エアバッグの車両乗員側において、有効チャンバーを側壁部の方向へと押圧するように展開される。付加的な位置チャンバーのこのような配置は、障害物の外部領域において、エアバッグが側壁部の方向へと押圧され、また突出しないために提案される。
【００１６】
位置チャンバーのエアバッグ素材及び有効チャンバーのエアバッグ素材が、エアバッグの取り付け部分によって形成される仮想線を挟んで反対側に位置する場合に、位置チャンバー及び有効チャンバーが特に簡素化され効果的とされる。
【００１７】
更に、位置チャンバーは、乗員頭部が車両のルーフフレームに衝突するのを防止する付加的な保護領域を形成してもよい。この場合、位置チャンバーは、「２つの機能」、すなわちエアバッグを障害物の周辺にて配置させ或いは偏向する機能に加え、更に車両のルーフフレーム領域を覆う直接的な保護機能を有する。
【００１８】
エアバッグは、位置チャンバーの素材層が有効チャンバーの素材層とともに折り畳まれるようにしてサイドエアバッグ装置に収容され、変更例としては、２つのチャンバーを分離して折り畳むことが可能とされる。エアバッグの折り畳みに関しては、有効チャンバーの素材層が互いに折り畳まれ、および／またはローラーによってジグザグ形状に折り畳まれるのが効果的である。
【００１９】
位置チャンバーの素材層は、例えば全部または一部が有効チャンバーを互いに折り畳んだ素材層の周辺に位置する。
【００２０】
別の手法では、展開制御機構は、エアバッグの展開を制御する１或いは更なる制御ストラップを備える。このタイプの制御ストラップの長さは、展開状態のガスバッグに対する制御ストラップの取り付け部の間隔よりも短いのが好ましい。この制御ストラップは、例えばガスバッグとともに折り畳まれ、変更例としては、この制御ストラップが互いに折り畳まれたガスバッグの周辺にて折り畳まれる。
【００２１】
この制御ストラップは、規定の負荷を上回るときガスバッグから破断するのが好ましく、そのような破断は、例えばエアバッグが、展開の間に障害物を通過して一周する制御ストラップ、重要でない或いはエアバッグの更なる機能にとって不利となる制御ストラップによって誘導された後になされる。
【００２２】
本発明は、図面に示す典型的な実施形態を参照しつつ以下に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２３】
図中において同一ないし共通の構成要素には同一の参照符号が使用されている。
【００２４】
図１には、従来技術におけるエアバッグ（ガスバッグ）１０が示される。このエアバッグ１０は、生地による２つの素材層２０及び３０、すなわち生地層からなる。これら２つの素材層２０及び３０は、各々が同一の外形を有し、とりわけ縫い目４０及び５０によって互いに対称状に縫合される。従って、エアバッグは、展開状態において車両のＹ方向に曲がらず、その横断面に関して対称設計とされる。
【００２５】
このエアバッグ１０は、車両のＹ方向に曲がらないため、エアバッグ下向き、すなわち車両のＺ方向の展開動作の間、障害物に対し衝突し得る。このエアバッグ１０が、例えば車両のピラートリム上方、例えばＢピラーのトリム上方に配置される場合には、このエアバッグ１０は、展開動作の間、このピラートリムに対し衝突し、結果としてこのエアバッグ１０の展開が妨害され、或いは少なくとも展開が遅れる。
【００２６】
このエアバッグ１０の素材層２０及び３０が、膨張していない状態として図１Ａに再び示される。
【００２７】
図２には、本発明におけるサイドエアバッグ装置の第１の実施形態が示される。２つの素材層２０及び３０は、２つの縫い目４０及び５０によって互いに非対称状に縫合されており、詳しくは素材層２０の部位２０’がこの部位２０’に対向して配置される素材層３０の部位３０’よりも大きい構成とされる。これら２つの素材層のこのような大きさの違いによって、展開の間にエアバッグ１０の曲がりが発生する。この曲がりが図２中の符号６０によって示されており、部位３０’が部位２０’よりも小さい寸法とされるため、図２中のエアバッグ１０は右方に曲げられる。図２中の左側に例えば符号７０によって示されるような障害物が位置する場合には、エアバッグ１０は展開の間、この障害物７０をバイパスし、従ってエアバッグ１０の展開動作はこの障害物７０によって妨害されない。
【００２８】
図２におけるこの実施形態の場合、２つの素材層２０及び３０の形状或いは加工に関し、所定の素材層の片側においてひだ付けがなされた、一方の素材層側の生地の過剰（余剰）形成によって、結果としてエアバッグの曲がりを引き起こす展開制御機構を形成する。
【００２９】
２つの素材層２０及び３０は、より理解を深めるべくエアバッグ１０の非膨張状態にて図２Aに再び示される。特に素材層２０のうち、ひだ状（ギャザー）とされた素材領域２０’が示される。
【００３０】
図３には、本発明の第２の実施形態が示される。素材層２０に介在する生地片１００が追加されて縫い込まれている。この生地片１００は、素材層２０の部位２０’を拡張し、これによって図２及び２Ａにおいて一方側をひだ状とすることで非対称としたのと同様に非対称とされる。詳しくはエアバッグ１０の湾曲或いは曲がりが、符号６０が付された矢印によって示される。図３Ａには、ガスが空の状態とされた素材層が示される。
【００３１】
図３Ｂには、第２の実施形態における膨張状態のエアバッグ１０が三次元にて示される。エアバッグの非対称形状及び曲がりの効果として、エアバッグは、いくつかの部位において残りの部位よりも車両側壁から大きく離れている。
【００３２】
本発明の第３の実施形態が図４から４Ｅを参照しつつ説明される。
【００３３】
図４にはエアバッグ１０の２つの素材層２０及び３０の平面図が示される。エアバッグ１０の取り付け部１５０、例えば取り付け孔によって仮想の取り付けライン１６０が形成され、その取り付けライン１６０に沿ってエアバッグ１０が例えば水平ルーフストラットの領域に取り付けられる。更に、連結領域１７０が図４に示され、この連結領域１７０において２つの素材層２０及び３０が互いに連結される。この連結領域１７０は、例えば縫い目或いは接着による連結によって形成され、縫い目による連結の場合には、例えば２つの素材層２０及び３０に適したシリコンストリップ（strip）によってシールされるのが好ましい。
【００３４】
これら２つの素材層２０及び３０は、各々が図４中において符号２００，２１０及び２１０’で示される３つのガスバッグ部を備える。２つの素材層２０及び３０のガスバッグ部２００は、取り付けライン１６０の下方に配置され、エアバッグ１０の有効チャンバー２２０を形成する。事故発生の際、この有効チャンバー２２０は車両の側壁上に展開して、エアバッグ１０のうち車両乗員を保護する部位を形成する。
【００３５】
２つの素材層２０及び３０における２つのガスバッグ部２１０及び２１０’は、展開制御機構を形成し、詳しくは２つのガスバッグ部２１０及び２１０’は、各々が取り付けライン１６０上に配置されており、エアバッグ１０の２つの位置チャンバー２３０及び２３０’を形成する。これら２つの位置チャンバーの機能は、図４Ａから４Ｅを合わせて説明される。
【００３６】
図４Ａ及び４Ｂには、２つの素材層２０及び３０が互いにどのように折り畳まれるが示されており、図４Ａには図４のエアバッグ１０のＡ−Ａ断面線に関する断面部分が示され、図４Ｂには図４のエアバッグ１０のＢ−Ｂ断面線に関する断面部分が示されている。２つの素材層２０及び３０のガスバッグ部２００は互いに巻き取られ、変更例としては、これら２つのガスバッグ部２００がジグザグ状に折り畳まれ、或いはジグザグ状の巻き取り及び折り畳みがなされる。
【００３７】
図４における実施形態の場合には、２つの素材層２０及び３０のガスバッグ部２１０及び２１０’はガスバッグ部２００とともに巻き取られず、このガスバッグ部２００にて形成される素材巻き取り部２５０のまわりに配置される。勿論、これらガスバッグ部２１０及び２１０’は、異なる形態、例えば素材巻き取り部２５０中に配置或いは巻き取られる形態で配置されてもよく、一方では、車両乗員を適正に保護するべくエアバッグ１０がより迅速に展開されるのが重要とされる。
【００３８】
また、図４Ａ及び４Ｂにおいて、２つのガスバッグ部２１０及び２１０’は、異なる方法で素材巻き取り部２５０のまわりに配置されている。ガスバッグ部２１０は、素材巻き取り部２５０のまわりに反時計回り（矢印３００方向）に配置され、ガスバッグ部２１０’は、素材巻き取り部２５０のまわりに時計回り（矢印３００’方向）に配置されている。これら２つのガスバッグ部２１０及び２１０’における異なる処理による利点は、以下に図４Ｃから４Ｅを合わせて説明される。
【００３９】
図４Ｃには、Ａ−Ａ断面線に沿った断面（後方からみた）において取り付け状態のエアバッグ１０が示される。（部分的に示す）車両４１０の車両側壁４００の部位４００’、及び車両４１０の車両ピラー４２０が示され、この車両ピラー４２０は、例えば車両４１０のＢピラーとされる。この車両ピラー４２０は、例えば外観上（見栄え）のために、側壁の上部点４４０まで延在するピラートリム４３０によって覆われている。
【００４０】
上部点４４０の上方において、車両４１０のサイドエアバッグ装置内にエアバッグ１０が配置されている。素材巻き取り部２５０及び位置チャンバー２３０のガスバッグ部２１０が示される。更に、ガスチューブ４５０が示され、このガスチューブ４５０を通じてガス発生器（図示省略）からのガスがエアバッグ１０の内部へと吹き込まれる。
【００４１】
図４Ｄには、エアバッグ１０がいかに展開するか、すなわち事故或いは危険の発生後における展開の様子が示される。２つの素材層２０及び３０のガスバッグ部２１０が車両ピラー４２０のピラートリム４３０まわりに誘導される様子、詳しくは有効チャンバー２２０の前に少なくとも有効チャンバー２２０よりも迅速に膨張して、ガスバッグ部２１０をピラートリム４３０から離れるように押圧する位置チャンバー２３０によって誘導される様子が示される。この押圧によって、ガスバッグ部２１０がピラートリム４３０の上部側４６０に対し衝突して、これにより有効チャンバー２２０の展開動作の妨害および／または遅延が起こるのが防止される。有効チャンバー２２０のこの押圧を可能とするべく、位置チャンバー２３０が側壁４００と有効チャンバー２２０との間で展開し、これによってこの位置チャンバー２３０は、エアバッグ１０のうち車両乗員から離れた側に位置する。
【００４２】
エアバッグ１０が位置チャンバー２３０によって側壁４００から大きく離れるように押圧され、車両乗員の保護効果が減少或いは阻害されるのを防止するべく、位置チャンバー２３０’はＢピラーの外部領域（図４Ｅ参照）に配され、
この位置チャンバー２３０’は、既に説明の通り、位置チャンバー２３０とは別の方法で有効チャンバー２２０のまわりに配置される。従って、この位置チャンバー２３０’は、エアバッグ１０のうち車両乗員に向かう側において、或いは側壁４００から離れた側において展開する。その展開後において、位置チャンバー２３０’は、有効チャンバー２２０の素材層２０及び３０を側壁４００の方向へと押圧し、これによって詳しくは図４に示すようにエアバッグ１０が側壁４００を押圧する。
【００４３】
エアバッグ１０による側壁４００の押圧は、車両乗員の保護効果を高めるべく、ピラートリム４３０のような障害物の全ての外部領域においてなされるのが好ましい。エアバッグ１０は、特に側壁の側面窓の領域において当該側壁を押圧するのが重要である。
【００４４】
図４における実施形態では、エアバッグ１０の位置を定めるべく２つの位置クッション２３０及び２３０’が設けられている。変更或いは追加として、制御ストラップ、いわゆるポジショニングストラップがエアバッグ１０に設けられて、有効チャンバー２２０をピラートリム４３０のような障害物のまわりに上述の如く誘導するのに用いられる。この制御ストラップは、予め規定された最大応力を上回ると破断するように取り付けられており、この最大応力は、例えば、有効チャンバー２２０が障害物、例えばＢピラーを通過するまで誘導されたのちに破断が生じるように規定されている。
【００４５】
図５から５Ｃには、ポジショニングストラップ（或いは制御ストラップ或いはテンションストラップ）を備えたエアバッグ１０の実施形態が示される。図５においてはエアバッグ１０を斜め側方からみた様子が三次元図面として示される。２つのポジショニングストラップの各々が符号５００によって参照される。図５Ａには、膨張前のエアバッグ１０の断面図が示され、このテンションストラップ５００と、エアバッグ１０の素材層からなる素材巻き取り部２５０が示される。このテンションストラップ５００は、２つの取り付け部５１０及び５２０においてエアバッグ１０に取り付けられている。
【００４６】
図５Ｂには、テンションストラップ５００がエアバッグ１０の展開を制御する様子、或いは展開に影響を生じる様子が示される。２つの取り付け部５１０及び５２０の距離がテンションストラップ５００の長さよりも長いためにこの影響が生じ、これによりテンションストラップは完全に引っ張られた状態とされ、２つの取り付け部５１０及び５２０を共に保持する。この保持によって、エアバッグ１０の展開に影響が生じ、エアバッグ１０が例えば車両の障害物（例えばＢピラートリム）のまわりに偏向される。
【００４７】
エアバッグ１０が障害物を通過するまで誘導された後は、エアバッグ１０を偏向するためのポジショニングストラップ５００は、もはや必要とならず、したがってこのポジショニングストラップ５００は、取り付け部５１０及び５２０の一方或いは両方にて破断、または２つの取り付け部の間の例えば中間領域にて破断するように設計され、或いは取り付けられている。図５Ｃには、この様子が例示的に示されている。
【００４８】
先願である２００５年１月１４日付け出願のドイツ特許出願１０２００５００２０８５．２の明細書、図面、請求の範囲及び要約の全体が本明細書に引用される。
【００４９】
本発明の開示により、本発明の目的及び趣旨の範囲内において、別の実施形態及び変更例を採り得ることが当業者によって理解される。従って、本発明の開示に基づき本発明の目的及び趣旨の範囲内において当業者によって想到される全ての変更例は、本発明の更なる実施形態として包含される。本発明の趣旨は、特許請求の範囲に記載によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【００５０】
【図１】図１は、非対称形状エアバッグを備えた典型的なサイドエアバッグ装置の一例を示すものであって、典型的な膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図１Ａ】図１Ａは、非対称形状エアバッグを備えた典型的なサイドエアバッグ装置の一例を示すものであって、典型的な非膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図２】図２は、本発明の第１の実施形態である余剰な生地のひだ付けによって形成された非対称形状エアバッグを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図２Ａ】図２Ａは、本発明の第１の実施形態である余剰な生地のひだ付けによって形成された非対称形状エアバッグを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、非膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図３】図３は、本発明の第２の実施形態である付加的な生地が用いられた非対称形状エアバッグを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図３Ａ】図３Ａは、本発明の第２の実施形態である付加的な生地が用いられた非対称形状エアバッグを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、非膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図３Ｂ】図３Ｂは、本発明の第２の実施形態である付加的な生地が用いられた非対称形状エアバッグを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、膨張状態のエアバッグの三次元図面である。
【図４】図４は、本発明の第３の実施形態である２つのポジショニングチャンバーを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、エアバッグが折り畳まれる前の生地層の平面図である。
【図４Ａ】図４Ａは、図４におけるエアバッグ装置のＡ−Ａ断面を示すものである。
【図４Ｂ】図４Ｂは、図４におけるエアバッグ装置のＢ−Ｂ断面を示すものである。
【図４Ｃ】図４Ｃは、図４におけるエアバッグ装置のＡ−Ａ断面を、車両に取り付けられた状態として示すものである。
【図４Ｄ】図４Ｄは、図４におけるエアバッグ装置のＡ−Ａ断面を、部分的な展開状態として示すものである。
【図４Ｅ】図４Ｅは、図５におけるエアバッグ装置のＢ−Ｂ断面を、部分的な展開状態として示すものである。
【図５】図５は、本発明の第４の実施形態であるポジショニングストラップを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図５Ａ】図５Ａは、本発明の第４の実施形態であるポジショニングストラップを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、非膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図５Ｂ】図５Ｂは、本発明の第４の実施形態であるポジショニングストラップを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、展開初期状態のエアバッグを示すものである。
【図５Ｃ】図５Ｃは、本発明の第４の実施形態であるポジショニングストラップを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、展開終了段階後のエアバッグを示すものである。
【符号の説明】
【００５１】
１０ エアバッグ
２０ 素材層
２０’ 部位
３０ 素材層
３０’ 部位
４０，５０ 縫い目
７０ 障害物
１００ 生地片
１５０ 取り付け部
１６０ 取り付けライン
１７０ 連結領域
２００，２１０，２１０’ ガスバッグ部
２２０ 有効チャンバー
２３０，２３０’ 位置チャンバー
２５０ 素材巻き取り部
３００，３００’
４００ 側壁
４１０ 車両
４２０ 車両ピラー
４３０ ピラートリム
４４０ 上部点
４６０ 上部側
５００ テンションストラップ
５１０ 取り付け部
５２０ 取り付け部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、サイドエアバッグ装置に関する。本発明は、より詳しくは展開制御機構を備えるサイドエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
例えば米国特許第６６９５３４０号にサイドエアバッグ装置が開示されている（本明細書に引用する）。先に知られたこのサイドエアバッグ装置は、事故の際に車両乗員を保護するべく、当該サイドエアバッグ装置のエアバッグを膨張させるガス発生器を備える。このエアバッグの展開状態においては、当該エアバッグが車両の側壁部分を覆い、そのため車両乗員、特には車両乗員の頭部が側壁部に衝突するのを防止する。このエアバッグは、そのメインチャンバー或いは側壁部を覆うのに適したチャンバーに加えて、メインチャンバーが側壁から離れるように曲がるのを防止するべく指に似た突出部分を備える。
【０００３】
本発明の一つの実施形態は、車両のサイドエアバッグ装置に関する。このサイドエアバッグ装置は、事故の際に展開されて、その展開状態において車両の側壁部を覆うエアバッグを備える。このエアバッグは、当該エアバッグが側壁部の領域にある障害物の周辺にて展開する間に、当該エアバッグを偏向する構成の展開制御機構を含む。
【０００４】
上述の一般的な記載及び以下の詳細な記載は典型的かつ説明上のものであり、クレームに記載の発明を限定するものではない。
【０００５】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、効果は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、図面の簡単な説明に記載の図面に示す典型的な実施形態によって明確化される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明の目的は、特に保護対象である車両乗員に対し高い安全性を確保するサイドエアバッグ装置を提供することである。特に、このサイドエアバッグ装置の場合には、エアバッグ（ガスバッグ）の確実な展開を確保すべきである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
そのため、本発明のサイドエアバッグ装置の実施形態においては、エアバッグが側壁部の領域にある障害物の周辺にて展開する間に、当該エアバッグを偏向する展開制御機構が提案される。以下、「側壁」ないし「側壁部」とは、車両ピラー、サイドウインドウ或いは他の所望領域のように、車両における側壁領域の全てを含む趣旨である。
【０００８】
本発明の実施形態におけるサイドエアバッグ装置は、エアバッグを完全かつ確実に展開させるのに効果的であり、その理由としては、このエアバッグが、想定される障害物を本発明の実施形態における展開制御機構によってバイパス（「迂回」或いは「偏向」ともいう）することによる。
【０００９】
特に車両ピラートリムは、サイドエアバッグが展開する間において、相当の障害物となり得る。商業ベースのサイドエアバッグ装置の場合には、特にＢピラーに関するトリムが、ルーフ領域の側面、すなわち車両ピラーの上方に取り付けられたエアバッグの展開を恒常的に悪化させて遅らせる。本実施形態のサイドエアバッグ装置によれば、障害物である車両ピラートリムのまわりにエアバッグを偏向させるように設計された展開制御機構が提供される。従って、ガスバッグが車両ピラートリムの上方に取り付けられる場合には、展開制御機構は、エアバッグが下方へと展開動作する間は、車両ピラートリムを通過するようにエアバッグを偏向する設計とされるのが好ましい。
【００１０】
エアバッグを障害物の外部領域、すなわち側壁部に極力近接した領域に配置するために、展開制御機構は、当該機構が障害物の外部領域においてエアバッグを側壁部に向けて押圧する設計とされるのが好ましい。
【００１１】
エアバッグのより最適な位置に関しては、展開制御機構がエアバッグの曲がり（湾曲）構造によって形成されるのが効果的であり、特に展開エアバッグは、障害物の領域においてこの障害物から離れるように、また側壁部に向けて曲がるのが好ましい。従って、この展開エアバッグは、それに応じて車両のＹ方向、すなわち車両のＹ方向或いはその反対方向へと曲がるのが好ましく、例えばＳ形のタイプを形成する。
【００１２】
エアバッグのこの曲がり形状は、例えば非対称形状のエアバッグの空のガスバッグによってなされる。このエアバッグが、車両乗員側に位置する１つの素材層と、車両乗員と反対側に位置する１つの素材層を備えるとすれば、これら２つの素材層は、外形が異なる、および／または非対称形状に連結される。
【００１３】
エアバッグの非対称形状、すなわち曲がりを得るためには、更なる手段が適しており、特に適した手段が以下の例によって説明され、例えば２つの素材層のうちの少なくとも１つをひだ付けすることによって、或いは２つの素材層のうちの少なくとも１つに対し特に縫合や接着によって素材折りを付して短縮化することによって可能とされる。変更或いは追加として、付加的なエアバッグ素材、例えばレンチル形状（lentil-shaped）のエアバッグ素材が、２つの素材層のうちの少なくとも１つに用いられる。
【００１４】
エアバッグは、側壁部を覆う有効チャンバー（エアバッグとして有効に利用されるチャンバー（ユーザブルチャンバー；usable chamber））に加えて、特に少なくとも１つの位置チャンバー（エアバッグの配設位置を設定するチャンバー（ポジショニングチャンバー；positioning chamber））をエアバッグ自体が備え、或いは例えばエアバッグにおいて展開制御機構を形成する、既に説明の曲がりのような別の手段との組み合わせによって備えるのが好ましい。例えば位置チャンバーは、有効チャンバーを回転させ或いは傾ける。障害物が存在し得る領域において、エアバッグのうち車両乗員と反対側にて位置チャンバーが展開するのが好ましく、これにより位置チャンバーが有効チャンバーを車両乗員に向けて押圧、すなわち障害物から離れるように押圧する。
【００１５】
更に、障害物の外部領域において、付加的な位置チャンバーは、エアバッグの車両乗員側において、有効チャンバーを側壁部の方向へと押圧するように展開される。付加的な位置チャンバーのこのような配置は、障害物の外部領域において、エアバッグが側壁部の方向へと押圧され、また突出しないために提案される。
【００１６】
位置チャンバーのエアバッグ素材及び有効チャンバーのエアバッグ素材が、エアバッグの取り付け部分によって形成される仮想線を挟んで反対側に位置する場合に、位置チャンバー及び有効チャンバーが特に簡素化され効果的とされる。
【００１７】
更に、位置チャンバーは、乗員頭部が車両のルーフフレームに衝突するのを防止する付加的な保護領域を形成してもよい。この場合、位置チャンバーは、「２つの機能」、すなわちエアバッグを障害物の周辺にて配置させ或いは偏向する機能に加え、更に車両のルーフフレーム領域を覆う直接的な保護機能を有する。
【００１８】
エアバッグは、位置チャンバーの素材層が有効チャンバーの素材層とともに折り畳まれるようにしてサイドエアバッグ装置に収容され、変更例としては、２つのチャンバーを分離して折り畳むことが可能とされる。エアバッグの折り畳みに関しては、有効チャンバーの素材層が互いに折り畳まれ、および／またはローラーによってジグザグ形状に折り畳まれるのが効果的である。
【００１９】
位置チャンバーの素材層は、例えば全部または一部が有効チャンバーを互いに折り畳んだ素材層の周辺に位置する。
【００２０】
別の手法では、展開制御機構は、エアバッグの展開を制御する１或いは更なる制御ストラップを備える。このタイプの制御ストラップの長さは、展開状態のガスバッグに対する制御ストラップの取り付け部の間隔よりも短いのが好ましい。この制御ストラップは、例えばガスバッグとともに折り畳まれ、変更例としては、この制御ストラップが互いに折り畳まれたガスバッグの周辺にて折り畳まれる。
【００２１】
この制御ストラップは、規定の負荷を上回るときガスバッグから破断するのが好ましく、そのような破断は、例えばエアバッグが、展開の間に障害物を通過して一周する制御ストラップ、重要でない或いはエアバッグの更なる機能にとって不利となる制御ストラップによって誘導された後になされる。
【００２２】
本発明は、図面に示す典型的な実施形態を参照しつつ以下に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２３】
図中において同一ないし共通の構成要素には同一の参照符号が使用されている。
【００２４】
図１には、従来技術におけるエアバッグ（ガスバッグ）１０が示される。このエアバッグ１０は、生地による２つの素材層２０及び３０、すなわち生地層からなる。これら２つの素材層２０及び３０は、各々が同一の外形を有し、とりわけ縫い目４０及び５０によって互いに対称状に縫合される。従って、エアバッグは、展開状態において車両のＹ方向に曲がらず、その横断面に関して対称設計とされる。
【００２５】
このエアバッグ１０は、車両のＹ方向に曲がらないため、エアバッグ下向き、すなわち車両のＺ方向の展開動作の間、障害物に対し衝突し得る。このエアバッグ１０が、例えば車両のピラートリム上方、例えばＢピラーのトリム上方に配置される場合には、このエアバッグ１０は、展開動作の間、このピラートリムに対し衝突し、結果としてこのエアバッグ１０の展開が妨害され、或いは少なくとも展開が遅れる。
【００２６】
このエアバッグ１０の素材層２０及び３０が、膨張していない状態として図１Ａに再び示される。
【００２７】
図２には、本発明におけるサイドエアバッグ装置の第１の実施形態が示される。２つの素材層２０及び３０は、２つの縫い目４０及び５０によって互いに非対称状に縫合されており、詳しくは素材層２０の部位２０’がこの部位２０’に対向して配置される素材層３０の部位３０’よりも大きい構成とされる。これら２つの素材層のこのような大きさの違いによって、展開の間にエアバッグ１０の曲がりが発生する。この曲がりが図２中の符号６０によって示されており、部位３０’が部位２０’よりも小さい寸法とされるため、図２中のエアバッグ１０は右方に曲げられる。図２中の左側に例えば符号７０によって示されるような障害物が位置する場合には、エアバッグ１０は展開の間、この障害物７０をバイパスし、従ってエアバッグ１０の展開動作はこの障害物７０によって妨害されない。
【００２８】
図２におけるこの実施形態の場合、２つの素材層２０及び３０の形状或いは加工に関し、所定の素材層の片側においてひだ付けがなされた、一方の素材層側の生地の過剰（余剰）形成によって、結果としてエアバッグの曲がりを引き起こす展開制御機構を形成する。
【００２９】
２つの素材層２０及び３０は、より理解を深めるべくエアバッグ１０の非膨張状態にて図２Aに再び示される。特に素材層２０のうち、ひだ状（ギャザー）とされた素材領域２０’が示される。
【００３０】
図３には、本発明の第２の実施形態が示される。素材層２０に介在する生地片１００が追加されて縫い込まれている。この生地片１００は、素材層２０の部位２０’を拡張し、これによって図２及び２Ａにおいて一方側をひだ状とすることで非対称としたのと同様に非対称とされる。詳しくはエアバッグ１０の湾曲或いは曲がりが、符号６０が付された矢印によって示される。図３Ａには、ガスが空の状態とされた素材層が示される。
【００３１】
図３Ｂには、第２の実施形態における膨張状態のエアバッグ１０が三次元にて示される。エアバッグの非対称形状及び曲がりの効果として、エアバッグは、いくつかの部位において残りの部位よりも車両側壁から大きく離れている。
【００３２】
本発明の第３の実施形態が図４から４Ｅを参照しつつ説明される。
【００３３】
図４にはエアバッグ１０の２つの素材層２０及び３０の平面図が示される。エアバッグ１０の取り付け部１５０、例えば取り付け孔によって仮想の取り付けライン１６０が形成され、その取り付けライン１６０に沿ってエアバッグ１０が例えば水平ルーフストラットの領域に取り付けられる。更に、連結領域１７０が図４に示され、この連結領域１７０において２つの素材層２０及び３０が互いに連結される。この連結領域１７０は、例えば縫い目或いは接着による連結によって形成され、縫い目による連結の場合には、例えば２つの素材層２０及び３０に適したシリコンストリップ（strip）によってシールされるのが好ましい。
【００３４】
これら２つの素材層２０及び３０は、各々が図４中において符号２００，２１０及び２１０’で示される３つのガスバッグ部を備える。２つの素材層２０及び３０のガスバッグ部２００は、取り付けライン１６０の下方に配置され、エアバッグ１０の有効チャンバー２２０を形成する。事故発生の際、この有効チャンバー２２０は車両の側壁上に展開して、エアバッグ１０のうち車両乗員を保護する部位を形成する。
【００３５】
２つの素材層２０及び３０における２つのガスバッグ部２１０及び２１０’は、展開制御機構を形成し、詳しくは２つのガスバッグ部２１０及び２１０’は、各々が取り付けライン１６０上に配置されており、エアバッグ１０の２つの位置チャンバー２３０及び２３０’を形成する。これら２つの位置チャンバーの機能は、図４Ａから４Ｅを合わせて説明される。
【００３６】
図４Ａ及び４Ｂには、２つの素材層２０及び３０が互いにどのように折り畳まれるが示されており、図４Ａには図４のエアバッグ１０のＡ−Ａ断面線に関する断面部分が示され、図４Ｂには図４のエアバッグ１０のＢ−Ｂ断面線に関する断面部分が示されている。２つの素材層２０及び３０のガスバッグ部２００は互いに巻き取られ、変更例としては、これら２つのガスバッグ部２００がジグザグ状に折り畳まれ、或いはジグザグ状の巻き取り及び折り畳みがなされる。
【００３７】
図４における実施形態の場合には、２つの素材層２０及び３０のガスバッグ部２１０及び２１０’はガスバッグ部２００とともに巻き取られず、このガスバッグ部２００にて形成される素材巻き取り部２５０のまわりに配置される。勿論、これらガスバッグ部２１０及び２１０’は、異なる形態、例えば素材巻き取り部２５０中に配置或いは巻き取られる形態で配置されてもよく、一方では、車両乗員を適正に保護するべくエアバッグ１０がより迅速に展開されるのが重要とされる。
【００３８】
また、図４Ａ及び４Ｂにおいて、２つのガスバッグ部２１０及び２１０’は、異なる方法で素材巻き取り部２５０のまわりに配置されている。ガスバッグ部２１０は、素材巻き取り部２５０のまわりに反時計回り（矢印３００方向）に配置され、ガスバッグ部２１０’は、素材巻き取り部２５０のまわりに時計回り（矢印３００’方向）に配置されている。これら２つのガスバッグ部２１０及び２１０’における異なる処理による利点は、以下に図４Ｃから４Ｅを合わせて説明される。
【００３９】
図４Ｃには、Ａ−Ａ断面線に沿った断面（後方からみた）において取り付け状態のエアバッグ１０が示される。（部分的に示す）車両４１０の車両側壁４００の部位４００’、及び車両４１０の車両ピラー４２０が示され、この車両ピラー４２０は、例えば車両４１０のＢピラーとされる。この車両ピラー４２０は、例えば外観上（見栄え）のために、側壁の上部点４４０まで延在するピラートリム４３０によって覆われている。
【００４０】
上部点４４０の上方において、車両４１０のサイドエアバッグ装置内にエアバッグ１０が配置されている。素材巻き取り部２５０及び位置チャンバー２３０のガスバッグ部２１０が示される。更に、ガスチューブ４５０が示され、このガスチューブ４５０を通じてガス発生器（図示省略）からのガスがエアバッグ１０の内部へと吹き込まれる。
【００４１】
図４Ｄには、エアバッグ１０がいかに展開するか、すなわち事故或いは危険の発生後における展開の様子が示される。２つの素材層２０及び３０のガスバッグ部２１０が車両ピラー４２０のピラートリム４３０まわりに誘導される様子、詳しくは有効チャンバー２２０の前に少なくとも有効チャンバー２２０よりも迅速に膨張して、ガスバッグ部２１０をピラートリム４３０から離れるように押圧する位置チャンバー２３０によって誘導される様子が示される。この押圧によって、ガスバッグ部２１０がピラートリム４３０の上部側４６０に対し衝突して、これにより有効チャンバー２２０の展開動作の妨害および／または遅延が起こるのが防止される。有効チャンバー２２０のこの押圧を可能とするべく、位置チャンバー２３０が側壁４００と有効チャンバー２２０との間で展開し、これによってこの位置チャンバー２３０は、エアバッグ１０のうち車両乗員から離れた側に位置する。
【００４２】
エアバッグ１０が位置チャンバー２３０によって側壁４００から大きく離れるように押圧され、車両乗員の保護効果が減少或いは阻害されるのを防止するべく、位置チャンバー２３０’はＢピラーの外部領域（図４Ｅ参照）に配され、
この位置チャンバー２３０’は、既に説明の通り、位置チャンバー２３０とは別の方法で有効チャンバー２２０のまわりに配置される。従って、この位置チャンバー２３０’は、エアバッグ１０のうち車両乗員に向かう側において、或いは側壁４００から離れた側において展開する。その展開後において、位置チャンバー２３０’は、有効チャンバー２２０の素材層２０及び３０を側壁４００の方向へと押圧し、これによって詳しくは図４に示すようにエアバッグ１０が側壁４００を押圧する。
【００４３】
エアバッグ１０による側壁４００の押圧は、車両乗員の保護効果を高めるべく、ピラートリム４３０のような障害物の全ての外部領域においてなされるのが好ましい。エアバッグ１０は、特に側壁の側面窓の領域において当該側壁を押圧するのが重要である。
【００４４】
図４における実施形態では、エアバッグ１０の位置を定めるべく２つの位置クッション２３０及び２３０’が設けられている。変更或いは追加として、制御ストラップ、いわゆるポジショニングストラップがエアバッグ１０に設けられて、有効チャンバー２２０をピラートリム４３０のような障害物のまわりに上述の如く誘導するのに用いられる。この制御ストラップは、予め規定された最大応力を上回ると破断するように取り付けられており、この最大応力は、例えば、有効チャンバー２２０が障害物、例えばＢピラーを通過するまで誘導されたのちに破断が生じるように規定されている。
【００４５】
図５から５Ｃには、ポジショニングストラップ（或いは制御ストラップ或いはテンションストラップ）を備えたエアバッグ１０の実施形態が示される。図５においてはエアバッグ１０を斜め側方からみた様子が三次元図面として示される。２つのポジショニングストラップの各々が符号５００によって参照される。図５Ａには、膨張前のエアバッグ１０の断面図が示され、このテンションストラップ５００と、エアバッグ１０の素材層からなる素材巻き取り部２５０が示される。このテンションストラップ５００は、２つの取り付け部５１０及び５２０においてエアバッグ１０に取り付けられている。
【００４６】
図５Ｂには、テンションストラップ５００がエアバッグ１０の展開を制御する様子、或いは展開に影響を生じる様子が示される。２つの取り付け部５１０及び５２０の距離がテンションストラップ５００の長さよりも長いためにこの影響が生じ、これによりテンションストラップは完全に引っ張られた状態とされ、２つの取り付け部５１０及び５２０を共に保持する。この保持によって、エアバッグ１０の展開に影響が生じ、エアバッグ１０が例えば車両の障害物（例えばＢピラートリム）のまわりに偏向される。
【００４７】
エアバッグ１０が障害物を通過するまで誘導された後は、エアバッグ１０を偏向するためのポジショニングストラップ５００は、もはや必要とならず、したがってこのポジショニングストラップ５００は、取り付け部５１０及び５２０の一方或いは両方にて破断、または２つの取り付け部の間の例えば中間領域にて破断するように設計され、或いは取り付けられている。図５Ｃには、この様子が例示的に示されている。
【００４８】
先願である２００５年１月１４日付け出願のドイツ特許出願１０２００５００２０８５．２の明細書、図面、請求の範囲及び要約の全体が本明細書に引用される。
【００４９】
本発明の開示により、本発明の目的及び趣旨の範囲内において、別の実施形態及び変更例を採り得ることが当業者によって理解される。従って、本発明の開示に基づき本発明の目的及び趣旨の範囲内において当業者によって想到される全ての変更例は、本発明の更なる実施形態として包含される。本発明の趣旨は、特許請求の範囲に記載によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【００５０】
【図１】図１は、非対称形状エアバッグを備えた典型的なサイドエアバッグ装置の一例を示すものであって、典型的な膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図１Ａ】図１Ａは、非対称形状エアバッグを備えた典型的なサイドエアバッグ装置の一例を示すものであって、典型的な非膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図２】図２は、本発明の第１の実施形態である余剰な生地のひだ付けによって形成された非対称形状エアバッグを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図２Ａ】図２Ａは、本発明の第１の実施形態である余剰な生地のひだ付けによって形成された非対称形状エアバッグを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、非膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図３】図３は、本発明の第２の実施形態である付加的な生地が用いられた非対称形状エアバッグを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図３Ａ】図３Ａは、本発明の第２の実施形態である付加的な生地が用いられた非対称形状エアバッグを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、非膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図３Ｂ】図３Ｂは、本発明の第２の実施形態である付加的な生地が用いられた非対称形状エアバッグを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、膨張状態のエアバッグの三次元図面である。
【図４】図４は、本発明の第３の実施形態である２つのポジショニングチャンバーを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、エアバッグが折り畳まれる前の生地層の平面図である。
【図４Ａ】図４Ａは、図４におけるエアバッグ装置のＡ−Ａ断面を示すものである。
【図４Ｂ】図４Ｂは、図４におけるエアバッグ装置のＢ−Ｂ断面を示すものである。
【図４Ｃ】図４Ｃは、図４におけるエアバッグ装置のＡ−Ａ断面を、車両に取り付けられた状態として示すものである。
【図４Ｄ】図４Ｄは、図４におけるエアバッグ装置のＡ−Ａ断面を、部分的な展開状態として示すものである。
【図４Ｅ】図４Ｅは、図５におけるエアバッグ装置のＢ−Ｂ断面を、部分的な展開状態として示すものである。
【図５】図５は、本発明の第４の実施形態であるポジショニングストラップを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図５Ａ】図５Ａは、本発明の第４の実施形態であるポジショニングストラップを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、非膨張状態のエアバッグを示すものである。
【図５Ｂ】図５Ｂは、本発明の第４の実施形態であるポジショニングストラップを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、展開初期状態のエアバッグを示すものである。
【図５Ｃ】図５Ｃは、本発明の第４の実施形態であるポジショニングストラップを備えたサイドエアバッグ装置を示すものであって、展開終了段階後のエアバッグを示すものである。
【符号の説明】
【００５１】
１０ エアバッグ
２０ 素材層
２０’ 部位
３０ 素材層
３０’ 部位
４０，５０ 縫い目
７０ 障害物
１００ 生地片
１５０ 取り付け部
１６０ 取り付けライン
１７０ 連結領域
２００，２１０，２１０’ ガスバッグ部
２２０ 有効チャンバー
２３０，２３０’ 位置チャンバー
２５０ 素材巻き取り部
３００，３００’
４００ 側壁
４１０ 車両
４２０ 車両ピラー
４３０ ピラートリム
４４０ 上部点
４６０ 上部側
５００ テンションストラップ
５１０ 取り付け部
５２０ 取り付け部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
事故の際に展開して、その展開状態において車両の側壁部を覆うエアバッグを備える車両用サイドエアバッグ装置であって、
前記エアバッグは、その展開の間に当該エアバッグを前記側壁部の領域にある障害物のまわりに偏向する構成の展開制御機構を含むサイドエアバッグ装置。
【請求項２】
請求項１に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記障害物は車両ピラートリムであり、前記展開制御機構はこの車両ピラートリムのまわりに前記エアバッグを偏向する構成であるサイドエアバッグ装置。
【請求項３】
請求項２に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記エアバッグは前記車両ピラートリムの上方に取り付けられており、前記展開制御機構は前記エアバッグが下方へと展開する間に前記車両ピラートリムを通過するように当該エアバッグを偏向する構成であるサイドエアバッグ装置。
【請求項４】
請求項１に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記展開制御機構は、前記エアバッグを前記障害物の外部領域において前記側壁部の方向へと押圧する構成であるサイドエアバッグ装置。
【請求項５】
請求項１に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記展開制御機構は、車両のＹ方向に曲がり形状となるように展開した前記エアバッグによって構成されるサイドエアバッグ装置。
【請求項６】
請求項５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
展開した前記エアバッグは前記障害物から離間するように曲がり、前記障害物の外部において展開した前記エアバッグは当該エアバッグによって覆われる前記側壁部に向けて曲がるサイドエアバッグ装置。
【請求項７】
請求項５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記展開制御機構は、非対称設計とされた前記エアバッグの空のガスバッグ素材によって形成されるサイドエアバッグ装置。
【請求項８】
請求項５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記エアバッグは、車両乗員に向かう側の第１の素材層と、前記車両乗員から離れた側の第２の素材層を含み、これら第１及び第２の素材層は異なる外形とされおよび／または非対称状に連結されているサイドエアバッグ装置。
【請求項９】
請求項８に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記第１及び第２の素材層のうちの少なくとも一方は、片側にひだ付けがなされているサイドエアバッグ装置。
【請求項１０】
請求項８に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記第１及び第２の素材層のうちの少なくとも一方は、素材折りが付されることによって短縮されているサイドエアバッグ装置。
【請求項１１】
請求項１０に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記素材折りは、縫合或いは接着によって付されるサイドエアバッグ装置。
【請求項１２】
請求項８に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記第１及び第２の素材層のうちの少なくとも一方は、折り重ねられるサイドエアバッグ装置。
【請求項１３】
請求項８に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記第１及び第２の素材層のうちの少なくとも一方は、付加的なエアバッグ素材を含むサイドエアバッグ装置。
【請求項１４】
請求項１３に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記付加的なエアバッグ素材は、レンチル形状とされているサイドエアバッグ装置。
【請求項１５】
請求項１に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記エアバッグは、側壁部を覆う少なくとも一つの有効チャンバーと、前記展開制御機構を形成する少なくとも一つの位置チャンバーを含むサイドエアバッグ装置。
【請求項１６】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記位置チャンバーは、前記有効チャンバーを回転させ或いは傾けるサイドエアバッグ装置。
【請求項１７】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記位置チャンバーは、前記エアバッグのうち車両乗員から離れた側において展開し、前記有効チャンバーを前記車両乗員の方向へと押圧するサイドエアバッグ装置。
【請求項１８】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
更に、前記エアバッグのうち前記車両乗員の側において展開する第２の位置チャンバーを備え、この第２の位置チャンバーは、前記有効チャンバーを当該エアバッグによって覆われる前記側壁部の方向へと押圧するサイドエアバッグ装置。
【請求項１９】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記位置チャンバーのエアバッグ素材及び前記有効チャンバーのエアバッグ素材は、前記エアバッグの取り付け部によって形成される仮想線に関し異なる側に設けられるサイドエアバッグ装置。
【請求項２０】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記位置チャンバーは、車両のルーフフレームから車両乗員の頭部を保護する付加的な保護領域を形成するサイドエアバッグ装置。
【請求項２１】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記有効チャンバーのエアバッグ素材層は、互いに折り畳まれ、および／またはローラーによってジクザグ形状に巻き取られるサイドエアバッグ装置。
【請求項２２】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記位置チャンバーの素材層が前記有効チャンバーの素材層と共に折り畳まれるようなサイドエアバッグ装置とされるサイドエアバッグ装置。
【請求項２３】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記位置チャンバーの素材層の全部または一部が共に折り畳まれた前記有効チャンバーの素材層のまわりに位置するようなサイドエアバッグ装置とされるサイドエアバッグ装置。
【請求項２４】
請求項１に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記展開制御機構は、前記エアバッグの展開を制御する少なくとも一つの制御ストラップを備えるサイドエアバッグ装置。
【請求項２５】
請求項２４に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記制御ストラップの長さは、前記制御ストラップの前記エアバッグへの取り付け部の間の距離よりも短いサイドエアバッグ装置。
【請求項２６】
請求項２４に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記制御ストラップは、前記エアバッグと共に折り畳まれるサイドエアバッグ装置。
【請求項２７】
請求項２４に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記制御ストラップは、共に折り畳まれた前記エアバッグのまわりに配設されるサイドエアバッグ装置。
【請求項２８】
請求項２４に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記制御ストラップは、規定の負荷を上回るときに前記エアバッグから破断するように構成されているサイドエアバッグ装置。
【請求項１】
事故の際に展開して、その展開状態において車両の側壁部を覆うエアバッグを備える車両用サイドエアバッグ装置であって、
前記エアバッグは、その展開の間に当該エアバッグを前記側壁部の領域にある障害物のまわりに偏向する構成の展開制御機構を含むサイドエアバッグ装置。
【請求項２】
請求項１に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記障害物は車両ピラートリムであり、前記展開制御機構はこの車両ピラートリムのまわりに前記エアバッグを偏向する構成であるサイドエアバッグ装置。
【請求項３】
請求項２に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記エアバッグは前記車両ピラートリムの上方に取り付けられており、前記展開制御機構は前記エアバッグが下方へと展開する間に前記車両ピラートリムを通過するように当該エアバッグを偏向する構成であるサイドエアバッグ装置。
【請求項４】
請求項１に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記展開制御機構は、前記エアバッグを前記障害物の外部領域において前記側壁部の方向へと押圧する構成であるサイドエアバッグ装置。
【請求項５】
請求項１に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記展開制御機構は、車両のＹ方向に曲がり形状となるように展開した前記エアバッグによって構成されるサイドエアバッグ装置。
【請求項６】
請求項５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
展開した前記エアバッグは前記障害物から離間するように曲がり、前記障害物の外部において展開した前記エアバッグは当該エアバッグによって覆われる前記側壁部に向けて曲がるサイドエアバッグ装置。
【請求項７】
請求項５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記展開制御機構は、非対称設計とされた前記エアバッグの空のガスバッグ素材によって形成されるサイドエアバッグ装置。
【請求項８】
請求項５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記エアバッグは、車両乗員に向かう側の第１の素材層と、前記車両乗員から離れた側の第２の素材層を含み、これら第１及び第２の素材層は異なる外形とされおよび／または非対称状に連結されているサイドエアバッグ装置。
【請求項９】
請求項８に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記第１及び第２の素材層のうちの少なくとも一方は、片側にひだ付けがなされているサイドエアバッグ装置。
【請求項１０】
請求項８に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記第１及び第２の素材層のうちの少なくとも一方は、素材折りが付されることによって短縮されているサイドエアバッグ装置。
【請求項１１】
請求項１０に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記素材折りは、縫合或いは接着によって付されるサイドエアバッグ装置。
【請求項１２】
請求項８に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記第１及び第２の素材層のうちの少なくとも一方は、折り重ねられるサイドエアバッグ装置。
【請求項１３】
請求項８に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記第１及び第２の素材層のうちの少なくとも一方は、付加的なエアバッグ素材を含むサイドエアバッグ装置。
【請求項１４】
請求項１３に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記付加的なエアバッグ素材は、レンチル形状とされているサイドエアバッグ装置。
【請求項１５】
請求項１に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記エアバッグは、側壁部を覆う少なくとも一つの有効チャンバーと、前記展開制御機構を形成する少なくとも一つの位置チャンバーを含むサイドエアバッグ装置。
【請求項１６】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記位置チャンバーは、前記有効チャンバーを回転させ或いは傾けるサイドエアバッグ装置。
【請求項１７】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記位置チャンバーは、前記エアバッグのうち車両乗員から離れた側において展開し、前記有効チャンバーを前記車両乗員の方向へと押圧するサイドエアバッグ装置。
【請求項１８】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
更に、前記エアバッグのうち前記車両乗員の側において展開する第２の位置チャンバーを備え、この第２の位置チャンバーは、前記有効チャンバーを当該エアバッグによって覆われる前記側壁部の方向へと押圧するサイドエアバッグ装置。
【請求項１９】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記位置チャンバーのエアバッグ素材及び前記有効チャンバーのエアバッグ素材は、前記エアバッグの取り付け部によって形成される仮想線に関し異なる側に設けられるサイドエアバッグ装置。
【請求項２０】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記位置チャンバーは、車両のルーフフレームから車両乗員の頭部を保護する付加的な保護領域を形成するサイドエアバッグ装置。
【請求項２１】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記有効チャンバーのエアバッグ素材層は、互いに折り畳まれ、および／またはローラーによってジクザグ形状に巻き取られるサイドエアバッグ装置。
【請求項２２】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記位置チャンバーの素材層が前記有効チャンバーの素材層と共に折り畳まれるようなサイドエアバッグ装置とされるサイドエアバッグ装置。
【請求項２３】
請求項１５に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記位置チャンバーの素材層の全部または一部が共に折り畳まれた前記有効チャンバーの素材層のまわりに位置するようなサイドエアバッグ装置とされるサイドエアバッグ装置。
【請求項２４】
請求項１に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記展開制御機構は、前記エアバッグの展開を制御する少なくとも一つの制御ストラップを備えるサイドエアバッグ装置。
【請求項２５】
請求項２４に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記制御ストラップの長さは、前記制御ストラップの前記エアバッグへの取り付け部の間の距離よりも短いサイドエアバッグ装置。
【請求項２６】
請求項２４に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記制御ストラップは、前記エアバッグと共に折り畳まれるサイドエアバッグ装置。
【請求項２７】
請求項２４に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記制御ストラップは、共に折り畳まれた前記エアバッグのまわりに配設されるサイドエアバッグ装置。
【請求項２８】
請求項２４に記載のサイドエアバッグ装置であって、
前記制御ストラップは、規定の負荷を上回るときに前記エアバッグから破断するように構成されているサイドエアバッグ装置。
【図１】
【図１Ａ】
【図２】
【図２Ａ】
【図３】
【図３Ａ】
【図３Ｂ】
【図４】
【図４Ａ】
【図４Ｂ】
【図４Ｃ】
【図４Ｄ】
【図４Ｅ】
【図５】
【図５Ａ】
【図５Ｂ】
【図５Ｃ】
【図１Ａ】
【図２】
【図２Ａ】
【図３】
【図３Ａ】
【図３Ｂ】
【図４】
【図４Ａ】
【図４Ｂ】
【図４Ｃ】
【図４Ｄ】
【図４Ｅ】
【図５】
【図５Ａ】
【図５Ｂ】
【図５Ｃ】
【公開番号】特開２００６−１９３１５１（Ｐ２００６−１９３１５１Ａ）
【公開日】平成１８年７月２７日（２００６．７．２７）
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願２００６−３３０５８（Ｐ２００６−３３０５８）
【出願日】平成１８年１月１３日（２００６．１．１３）
【出願人】（５０３０３８４４３）タカターペトリ（ウルム）ゲーエムベーハー (9)
【氏名又は名称原語表記】ＴＡＫＡＴＡ−ＰＥＴＲＩ（Ｕｌｍ）ＧｍｂＨ
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年７月２７日（２００６．７．２７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−３３０５８（Ｐ２００６−３３０５８）
【出願日】平成１８年１月１３日（２００６．１．１３）
【出願人】（５０３０３８４４３）タカターペトリ（ウルム）ゲーエムベーハー (9)
【氏名又は名称原語表記】ＴＡＫＡＴＡ−ＰＥＴＲＩ（Ｕｌｍ）ＧｍｂＨ
【Ｆターム（参考）】
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