説明

サリチル酸を含むスキンケア組成物

皮膚に局所塗布するために適したスキンケア組成物を開示する。当該組成物はサリチル酸またはその塩、および加水分解乳タンパク質を含む。当該組成物はニキビの処置に有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスキンケア組成物、具体的には尋常性座瘡の処置で効果的な組成物および当該組成物の塗布に関与する皮膚の処置法に関する。
【背景技術】
【0002】
尋常性座瘡(ニキビ)は皮膚の毛嚢脂腺ユニットの慢性的炎症疾患で、特に若者達でよく見られる。当該疾患は通常皮膚上に面皰、赤色丘疹、吹き出物および時には嚢胞の形成を生じる。これは見苦しく、そして処置しなければニキビは皮膚の瘢痕を導く可能性がある。ニキビの主な原因は皮脂の増加、propionibacterium acne(P.acne)の存在増加、毛嚢脂腺ダクトの封鎖および炎症発生が考えられている。
【0003】
サリチル酸はニキビの処置に効果的であることが知られている。本物質は上皮細胞を接着している細胞間接着成分の溶解作用をする局所角質溶解薬である。サリチル酸は店頭販売の種々なニキビ治療薬中に使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
局所ニキビ処置の効果を改良するために、活性皮脂腺の数を調整する皮脂調節剤のような1種以上の油分調節剤または皮膚から過剰な油分を除去する吸収剤とともにサリチル酸を処方するのが望ましい。最適な性能を確保するために、当該スキンケア組成物中に油分調節剤を懸濁させる必要がある。しかしながら、そのような処方類を製造するとき、当該油分調節剤を懸濁するのに必要な成分類がサリチル酸組成物の酸性pHにおいて安定性が低く、満足な懸濁物が形成できないという問題が起こる。例えば、水溶性担体中での増粘剤としてカルボマー(商品名カーボポール、B.F.Goodrich社から入手可能)を使用すると、サリチル酸をタルク、活性炭、米澱粉および粘土のような油分調節剤と組合せることでは、満足な期間懸濁物中に油分調節剤を保持しない組成物になるということが分かった。同様な結果がアクリレート類/Palmeth‐25アクリル酸エステル共重合物(商品名Synthalen W2000で3V Sigma S.P.A社から入手可能)およびキサンタンガム(商品名Keltrol RDでKelco社から入手可能)のような増粘剤類でも得られた。これに加えて、藻類エキス、ゴボウエキス(Burdock Extract)、オランダカラシエキス(Watercress Extract)およびオレンジエキスのような皮脂調節剤をサリチル酸組成物に組み込むと、皮膚の上に満足な水分‐脂分の膜の形成ができない組成物となる。満足な水分‐脂分の膜の形成は、皮脂産生の調節および有効な皮脂腺の数を調整することで皮脂の流れを正常化して全てのタイプの皮膚の平衡を回復するのに重要である。
驚くことに、サリチル酸および加水分解乳タンパク質を含むスキンケア組成物はニキビの処置において治療的効果を改善することが見出された。前記スキンケア組成物はニキビの処置が可能であるとともに正常な水分‐脂分膜を皮膚上に作り上げる能力を有する。
【0005】
加水分解乳タンパク質は酸、酵素または他の加水分解法による乳タンパク質の加水分解物である。加水分解乳タンパク質はこれまで毛髪および皮膚の状態を改善する際の使用が知られていた。この物質は乾燥肌での皮脂の流れを改善し、脂性肌での過剰な皮脂産生を低減させる皮脂調節剤として使用できる。ニキビの処置における活性物質としてはこれまで使用されていなかった。しかしながら、他の油分調節剤で得られた結果を考慮すると、加水分解乳タンパク質とサリチル酸との組合せがこのような顕著な効果を有するとは驚きである。例えば、酸性pHであっても安定な懸濁液が作成できることが分かった。更に、試験では洗い流しおよび付け置き製品の両方において一回の塗布後でさえ少なくとも6時間皮脂のレベルを低下させることを示した。これに加えて、試験では塗布後に組成物を洗い流ししても皮膚の再脂性化を遅らせ、数日後でも皮脂の産生を顕著に低減させることを示す。本組合せにより、皮膚上におけるサリチル酸の過剰な乾燥化および刺激作用を考慮に入れながら、皮脂の産生を調節し、有効な皮脂腺を調整することにより皮脂の流れを正常にして全肌タイプの平衡を回復することができるので、ニキビの効果的処置ができる。試験ではサリチル酸および加水分解乳タンパク質の組合せを含有する組成物は、サリチル酸を毛穴深く透過させ、サリチル酸は毛包脂腺でも検出されることも示した。繰り返しの塗布では、サリチル酸は当該製品を洗い流しても8時間後まで毛穴で検出できた。更に当該サリチル酸組成物は皮膚では十分に許容されることが見出される。このことははサリチル酸はある程度の局所皮膚ピーリングおよび炎症や皮膚の発赤のような不快症状を生じるので特に重要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の最初の態様によれば、皮膚に局所的塗布に適したスキンケア組成物を提供し、前記組成物はサリチル酸またはその塩と加水分解乳タンパク質を含む。
【0007】
サリチル酸は好ましくは遊離酸として本発明記載の組成物中に組入れる。しかしながら、当該組成物のpHはサリチル酸が当該組成物中で解離した形で存在するための値であってよく、一般的にそのような値となる。当該組成物はカチオン性の対イオンを含んでいてもよくて、当該サリチル酸はその場合塩の形で存在していると考えられる。これに代わるものとして、当該サリチル酸は、例えばサリチル酸ナトリウムのような第1族金属による塩のような塩の形で当該組成物に組入れることができる。本明細書で使用する場合、文脈が他を求めなければサリチル酸に関するいずれおよび全ての言及は当該酸および解離形態とその塩類を網羅して言及していると考えるべきである。
【0008】
本発明記載の当該組成物中のサリチル酸濃度は好ましくは少なくとも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.1%、大層好ましくは少なくとも0.5%、そしてとりわけ少なくとも1重量%である。当該サリチル酸の濃度は好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満、大層好ましくは4%未満そしてとりわけ3重量%未満である。サリチル酸の濃度はそれ故0.01%から10重量%、より好ましくは0.1%から5%、そして大層好ましくは0.5%から4%およびとりわけ1から3重量%の範囲になるであろう。とりわけ好ましいサリチル酸の濃度は2重量%である。
【0009】
本発明記載の組成物中の加水分解乳タンパク質は好ましくは少なくとも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.05重量%、大層好ましくは少なくとも0.08重量%、そしてとりわけ少なくとも0.1重量%である。加水分解乳タンパク質の濃度は好ましくは10%未満、より好ましくは3%未満、大層好ましくは2%重量未満および1重量%未満である。加水分解乳タンパク質はそれ故0.01重量%から10重量%、より好ましくは0.05%から3%、大層好ましくは0.08%から2%、そしてとりわけ0.1重量%から1.0重量%の範囲となる。特に好ましい加水分解乳タンパク質の濃度は0.2重量%である。
【0010】
本発明による好ましい組成物において、サリチル酸の濃度は0.5重量%から4重量%、より好ましくは0.5重量%から2重量%の範囲であり、加水分解乳タンパク質の濃度は0.08%から2%、より好ましくは0.1重量%から0.5重量%の範囲である。更に好ましい組成物では、サリチル酸またはその塩と加水分解乳タンパク質の比は1重量部:1重量部から20重量部:1重量部、より好ましくは2重量部:1重量部から15重量部:1重量部、大層好ましくは5重量部:1重量部から12重量部:1重量部である。
【0011】
当該組成物は好ましくは2.3から7.0、より好ましくは2.5から6.0のpH範囲、そして特に2.5から4.0の範囲のpH,例えば約pH3.0またはpH3.5のpHで調製される。
【0012】
本発明による組成物は活性成分としてはサリチル酸(またはその塩)および加水分解乳タンパク質のみを含んでもよい。しかしながら、本発明による組成物は更にスキンケアに有用な局所的有効成分類を1種以上含むこともできる。当該活性成分類は以下の1種以上を含んでもよい:
【0013】
例えば以下から選んだ抗微生物性または抗細菌性化合物類:
トリクロサン、ネオマイシン、クリンダマイシン、ポリミキシン、バシトラシン、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、ドキシサイクリンまたはミノサイクリンのようなテトラサイクリン類、スルファセタミドなどのスルファ剤類、ペニシリン類、セファレキシンなどのセファロスポリン類、およびロメフロキサシン、オルフォキサシンまたはトロバフロキサシンのようなキノロン類;
【0014】
例えばアシクロビル、タムビルおよびペンシクロビルから選ぶ、抗ウイルス化合物類;
【0015】
例えば以下から選んだ抗真菌化合物類:
ファルネソール、クロトリマゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、フルコナゾール、ウンデシレン酸カルシウムまたは亜鉛、ウンデシレン酸、塩酸ブテナフィン、シクロピロクスオラミン、硝酸ミコナゾール、ニスタチン、スルコナゾール、および塩酸テルビナフィン。
【0016】
例えば以下から選んだ抗炎症化合物類:
ハイドロコルチゾン、フルオシノロンアセトニド、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、プロピオン酸クロベタゾール、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾンおよびトリアムシノロンアセトニドから選ばれたステロイド剤およびアスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、アロベラゲル、アロエベラ、甘草エキス、ダンボロギク、カナダヤナギ根、亜鉛およびアラントインから選んだ非ステロイド抗炎症剤類;
【0017】
例えばメトロニダゾールのような駆虫性化合物類。
【0018】
特に適した抗細菌性剤は過酸化系抗細菌性剤である。当該組成物に含有される好ましい過酸化物系抗細菌性剤は過酸化水素である。これに代わるものとして、当該組成物は使用すると過酸化水素を生成することができる化合物を含むことができる。後者の類の化合物例には過酸化尿素(過酸化カルバミド)のような付加化合物がある。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、当該組成物はサリチル酸、加水分解乳タンパク質および過酸化水素の組合せを含む。
【0020】
本発明による組成物中に過酸化水素が存在する場合、過酸化水素の濃度は好ましくは少なくとも1重量%である。過酸化水素の濃度は好ましくは5%未満、より好ましくは3%未満、そして大層好ましくは2%未満である。過酸化水素の濃度はそれ故1重量%から5重量%、より好ましくは1%から3%、そして大層好ましくは1%から2%の範囲となる。
【0021】
本発明による組成物は、皮膚に冷却効果を有する、例えばメントールのような揮発性成分を1種以上含んでもよい。
【0022】
本発明による組成物は種々な形態で処方することができる。しかしながら、当該組成物はしばしば水溶性溶液または油性溶液または分散または乳液またはゲルの形態を取ることができる。乳液は水中油型または油中水型乳液でありうる。
【0023】
油中水型または水中油型乳液の油相は例えば以下を含む:
a)パラフィンまたは鉱油のような炭化水素油類;
b)蜜蝋またはパラフィンワックスのようなワックス類;
c)ひまわり油、杏仁油、シアーバターまたはホホバ油のような天然油類;
d)ジメチコン、シクロメチコンまたはセチルジメチコンのようなシリコーン油類
e)パルミン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、マレイン酸ジオクチル、オレイン酸グリセリルおよびイソノナン酸セトステアリルなどの脂肪酸エステル類;
f)セチルアルコールまたはステアリルアルコールおよびその混合物(例えばセテアリルアルコール)のような脂肪アルコール類;
g)ポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールエーテル類、例えばPPG‐14ブチルエーテル;または
h)例えばCutina(Henkel社)の商品名で市販され入手できるワックス類の混合物のようなそれらの混合物類。
【0024】
使用される乳化剤類は油中水型または水中油型の乳液に当技術分野で知られているいずれの乳化剤でもよい:既知で化粧品に許容できる乳化剤には:
a)例えば商品名Arlacel 83(ICI社)またはポリグリセリル‐2‐セスキオレエートで市販され入手できるセスキオレイン酸ソルビタンのようなセスキオレエート類;
b)例えば商品名Arlacel 989(ICI社)で市販され入手できる水素添加ヒマシ油のポリエトキシル化エステルのような天然油類の誘導体のエトキシル化エステル類;
c)例えば商品名ABIL WS08(Th.Goldschmidt AG社)で市販され入手できるシリコーンポリオール類のようなシリコーン系乳化剤;
d)例えばステアリン酸カリウムである脂肪酸石鹸、および例えば商品名Dehydaq(Henkel社)で市販され入手できるセトステアリル硫酸ナトリウムである脂肪酸硫酸エステルのようなアニオン乳化剤類;
e)例えば商品名Brij(ICI社)で市販され入手できる乳化剤類であるエトキシル化脂肪アルコール類;
f)例えば商品名Span(ICI社)で市販され入手できる乳化剤類のソルビタンエステル類;
g)例えば商品名Tween(ICI社)で市販され入手できる乳化剤である、エトキシル化ソルビタンエステル類;
h)例えば商品名Myrj(ICI社)で市販され入手できる乳化剤である、エトキシル化ステアレート類のようなエトキシル化脂肪酸エステル類;
i)例えば商品名Labrafil(Alfa Chem社)で市販され入手できる乳化剤類のエトキシル化モノ‐、ジ‐およびトリ‐グリセリド類;
j)例えば商品名Polawax(Croda社)で市販され入手できるワックスである非イオン自己乳化型ワックス類;
k)例えば商品名Tefose(Alfa Chem社)で市販され入手できる乳化剤類であるエトキシル化脂肪酸類;
l)Tegocare 450(Degussa Goldschmidt社)の名前で市販され入手できるポリグリセロール‐3メチルグルコースジステアレートのようなメチルグルコースエステル類;または
m)これらの混合物、が含まれる。
【0025】
本発明により提供されるゲル類は水溶性または非水溶性でありうる。水溶性ゲル類が好ましい。当該ゲルは十分な粘度を当該ゲルに与えるためにはゲル化剤を含有するであろう。特に適したゲル化剤はアクリロイルジメチルタウリン酸(またはその塩)の共重合体、特に他のビニル系モノマーとそのモノマーとの共重合体である。当該塩は第1族アルカリ金属の塩でよいが、より好ましいのはアンモニウム塩である。適している共重合体ゲル化剤の例はアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/ビニルピロリドン共重合体、アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/Beheneth‐5メタクリレート共重合体、アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/ビニルホルミアミド共重合体である。これらの物質はAristoflexの商品名で商品群の中でClariant GmbH社から入手できる。
【0026】
種々の増粘剤を当該液状担体の性質および必要な粘度に従って使用してもよい。水溶性または親水性である増粘剤が好ましく、例としては例えば商品名Carbopol(B.F.Goodrich社)で市販され入手できるアクリル酸重合体類、例えば商品名Natrosol(Hercules社)で市販され入手できるヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース、商品名N‐Hanceで入手できるアルキルガラクトマンナン、キサンタンガム、セチルアルコールおよび塩化ナトリウムが含まれる。
【0027】
当該組成物中のゲル化剤および/または増粘剤の量はそれぞれ0.1から5% w/w、より好ましくは0.5% w/wから5% w/wの範囲に入る。通常はゲル化剤および/または増粘剤の量はそれぞれ3% w/w未満、例えば約1% w/wまたは約2% w/wである。
【0028】
本発明による組成物は好ましくは約50mPa.sから20,000mPa.s、より好ましくは約100mPa.sから約10,000mPa.sの粘度を有する。粘度はスピンドル4を付けたBrookfield RVTを用い、10rpmの回転で2分後に測定する。
【0029】
多くの例で、当該組成物はキレート化剤または金属イオン封鎖剤、或いは当該組成物中に存在する金属イオン類と錯体または他の相互作用ができる他の薬剤を含んでいることが好ましい。当該薬剤は当該組成物の安定性を改良でき、具体的には幾つかの成分(例えば香料)の分解を阻止または防止できる。キレートまたは金属封鎖剤にはエチレンジアミン四酢酸およびその塩類、とりわけ二カリウムおよび特に二ナトリウム塩が含まれる。
【0030】
溶液類または分散液類、およびゲル類の場合、当該組成物は通常溶媒系または他の連続液体相を含有する。そのような系は好ましくは水溶性である。しかしながら、混合した溶媒系がしばしば有利なので使用される。そのような混合溶媒系は大層好ましくは水を共溶媒、大層好ましくは低級(例えばC1〜6)アルコール、具体的にはエタノールおよび三級ブチルアルコールとの混合で含む。
【0031】
好ましい水溶液系は少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、大層好ましくは少なくとも70重量%および殊に少なくとも80重量%の量で水を含んでいる。水の上限は当該組成物に組入れた他の成分類の量に依存して、水は当該組成物が100%になるまでの組成物の残量を構成する。通常の最大値は90重量%未満で、例えば80重量%または85重量%である。
【0032】
当該組成物は大層好ましくは共溶媒を5% w/w超で含み、そして当該共溶媒を10% w/w超、20% w/w超、30% w/wを超えて含む。当該組成物中に存在する共溶媒の量は好ましくは50% w/wを超えない。共溶媒の量はそれ故好ましくは5%から50% w/w、より好ましくは10%から50% w/wの範囲にある。一般的に、水への溶解度が低い成分(例えば、前に検討した通常活性成分類)をより高い比率で含有するには、組成物中により高い比率の共溶媒が必要とされる。当該成分類が存在しない場合、それらの濃度が比較的低い場合は、共溶媒の比率も他の実施形態よりは幾分低めで、例えば20% w/wまでである。
【0033】
当該組成物が、当分野の当事者によく知られている他の成分類を追加的に含んでもよい。これらには例えば:
【0034】
a)エモリエント剤‐皮膚の柔らかさ、滑らかさおよびしなやかな外観を保つのを助ける成分。当該成分類はその能力により皮膚の表面または表皮に残留して皮膚の剥離を低減または防止し、皮膚の外観を改善する潤滑剤として作用する。エモリエント剤類の例には、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸トリグリセリドまたはカプリン酸/カプリル酸トリグリセリドが例である脂肪酸のトリグリセリド類であり、当該トリグリセリドは商品名Miglyol 810(Huls社 UK)で市販され入手でき、そしてPPF‐15ステアリルエーテルとして知られているステアリルアルコールのプロピレングリコールエーテルがある。殊に好ましいエモリエント剤はポリシロキサン化合物類で、具体的にはシクロメチコンとして知られている、即ち環状ジメチルポリシロキサン化合物類で以下の式に従うが:
‐(Si(CH
式中、nは3と7の間の値である。
【0035】
b)湿潤剤または保湿剤‐皮膚の最表層の水分含量を増加させるための成分類。当該成分類の例には、グリセリン、1,3‐ブチレングリコールおよびプロピレングリコールがある。
c)界面活性剤‐界面活性剤は本発明による組成物に可溶化剤類或いは洗浄剤類または発泡促進剤類として使用できる。多くの異なる種類の界面活性剤が本発明による組成物に含有されるのに適しており、これらは当技術分野の当事者であれば容易に明らかである。適している界面活性剤類の例にはイソセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル(例えばイソセテス‐20)、イソステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル(例えばイソステアレス‐20)、セチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル(例えばセテス‐20)、オレイルアルコールのポリエチレングリコールエーテル(例えばオレス‐20)およびセテアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル(例えばセテアレス‐20)のようなアルコール類のポリエチレングリコールエーテル類が含まれる。本発明で使用される特に好ましい界面活性剤はイソセテス‐20である。
【0036】
d)塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウムのような乳化安定化剤。
【0037】
e)防腐剤類‐微生物の繁殖を防止または遅滞させ、腐敗しないように当該組成物を保護する成分類。防腐剤類の例にはプロピルパラベン、ブロノポール、デヒドロ酢酸ナトリウム、塩酸ポリヘキサメチレンビグアニド、イソチアゾロンおよびジアゾリジニル尿素が含まれる。
【0038】
f)キレート化剤または金属イオン封鎖剤(金属封鎖剤)‐上記したように当該組成物の安定性または外観に対する悪影響を防止するために金属イオンと複合体を作り不活性化する性能を有する成分類。キレート化剤の例はエチレンジアミン四酢酸およびその塩類、特にその二カリウムおよびとりわけ二ナトリウムまたは四ナトリウム塩である。
【0039】
g)スクラブ剤類‐望ましくない組織または外来物質を当該組成物の塗布して皮膚から除去するのを助けるために使用する成分類。スクラブ剤類は普通細かい固体粒子を含む。適切なスクラブ剤類の1つの例はポリエチレンビーズ群である。
【0040】
h)pH調節剤‐当該組成物のpHを調整する際に使用する成分類。pH調節剤の例には水酸化ナトリウムのような無機塩およびトリエタノールアミンのような有機塩基類がある。
【0041】
i)例えば塩化ジステアリルジモニウムであるコンディショニング剤。
【0042】
j)香料類および色材類。
【0043】
本発明による組成物は塗布し皮膚上に付け置きして望ましい治療効果を発揮してもよいし、塗布して例えば水で洗い流してもよい。当該組成物は繊維質材料、例えばパッドまたはティッシュの助けで塗布してもよい。
【0044】
本発明の他の態様によれば、例えばサリチル酸またはその塩および加水分解乳タンパク質を含むスキンケア組成物を含浸させたパッドまたはティッシュの形状をした材料である繊維質基材を含んだ製品が提供される。当該繊維質材料は当該組成物を皮膚に塗布する際に使用できる。
【0045】
好ましくは、前記繊維質材料は本発明によるスキンケア組成物を当該繊維質材料の重量に対し10から30重量%、好ましくは15から25重量%、そして大層好ましくは重量で18から22重量%で含浸させる。適切な繊維質材料にはセルロースまたは木綿繊維またはその混合物が含まれる。当該繊維質材料は湿潤ティッシュとして当該組成物を含浸させ、それを使用者の皮膚に本発明のスキンケア組成物を塗布する際に直接使用するために調える。これに代わるものとして、当該繊維質材料に当該スキンケア組成物を含浸させ、そして乾燥して乾燥ティッシュを形成させてもよいが、それは使用できるようにするには例えば水で湿潤させる必要がある。
【0046】
本発明の更なる態様によれば、ニキビの予防または治療用の処置の方法が提供され、その方法はサリチル酸またはその塩および加水分解乳タンパク質を含んだスキンケア組成物を患者の皮膚に局所塗布することを含んでいる。
【0047】
本発明の本態様による方法は治療的方法であるが、主としてしばしば化粧品的方法にもなり、この目的は尋常性座瘡の外見的に見えて時には醜い症状を低減する或いはなくすことである。
【0048】
本発明の更なる態様では、皮膚へ組成物を局所塗布することによりニキビの予防的または治療的処置するための組成物の製造においてサリチル酸および加水分解乳タンパク質の使用を提供する。
【0049】
本発明はここで以下の実施例に関連して実例を通してのみであるが、より細かに説明する。実施例中では当該加水分解乳タンパク質はSederma社、フランスから入手する;当該スパンレースは商品名Standard JH50gsm Spunlace JH501074L2でJacob Holm Industries社(フランス)から得た。
【実施例1】
【0050】
実施例1
油分調節用クリーム洗浄剤
成分 % w/w
ココイルイソチオナートナトリウム 16.40
セチルアルコール 10.00
ラウレス‐3 5.00
グリセリン 3.00
サリチル酸 2.00
水酸化カリウム 0.36
加水分解乳タンパク質 0.20
香料 0.20
EDTA二ナトリウム 0.01
水 100%とする
方法
セチルアルコールとラウレス‐3を60℃に加熱して油相を作成した。当該成分類の残りを混合して水相を作成した。当該油相を水相に投入した。当該組成物を攪拌しながら室温まで冷却し、均一な組成物とした。
【実施例2】
【0051】
実施例2
スクラブティッシュ
成分 % w/w
PPG‐14ブチルエーテル 8.00
イソノナン酸セテアリル 2.25
サリチル酸 2.00
セテアレス‐20 1.13
セテアリルアルコール 1.13
ステアリン酸グリセリル 0.45
グリセリン 0.45
加水分解乳タンパク質 0.20
過酸化水素(活性35%) 1.50
メントール 0.10
EDTA二ナトリウム 0.10
パルミチン酸セチル 0.15
パルミチン酸セテアレス 0.15
香料 0.10
水 100%とする
方法
加水分解乳タンパク質、過酸化水素、メントールおよび香料を除いた全ての成分を混合し、90℃に加熱した。当該混合物を攪拌しながら室温まで冷却した。残りの成分を当該混合物中に攪拌しながら入れて均一な組成物とした。
当該混合物を標準スパンレース、幅895mm〜1074mm.厚み0.55mm、吸収能1091%、基本重量50.7g/m2として入手できるティッシュ材料中に、32枚のティッシュに対して140mlローションを用いて含浸させた。
【実施例3】
【0052】
実施例3
ゲル状洗浄剤
成分 % w/w
ラウレス硫酸塩 11.9
ココグルコシド 4.0
グリセリン 3.0
サリチル酸 2.0
塩化ナトリウム 1.6
加水分解乳タンパク質 0.2
香料 0.2
メントール 0.1
水 100とする
方法
全ての成分を室温で混合し、均一な組成物とした。
【実施例4】
【0053】
実施例4
含浸パッド用のローション
成分 % w/w
アルコール(99.9%)
および三級ブチルアルコール(0.1%) 37.00
イソセテス‐20 3.00
サリチル酸 2.00
過酸化水素(活性35%) 4.29
加水分解乳タンパク質
(プロピレングリコールと水との混合) 0.20
水酸化ナトリウム(30%) 0.20
香料 0.10
EDTA二ナトリウム 0.005
水 100%とする
方法
全ての成分を室温で混合して均一な組成物とする。当該組成物をレーヨンおよびポリプロピレン製不織布パッドに約100mlのローションを用いて65個のパッドに含浸させた。
【実施例5】
【0054】
実施例5
クリーム状スクラブ剤
成分 % w/w
ステアリルアルコール 3.00
セチルアルコール 1.00
サリチル酸 2.00
グリセリン 3.00
キサンタンガム 0.20
ステアレス‐21 0.50
ステアレス‐2 0.25
塩化ジステアリルジモニウム 1.50
ベヘニルアルコール 0.42
PPG‐15ステアリルエーテル(99.9%)
およびBHT(0.1%) 4.00
セチルベタイン(30%)、塩化ナトリウム(7%)、
アルコール(10%)、水(10%)の混合物 6.70
ラウリル硫酸ナトリウム 3.60
ポリエチレンビーズ 4.00
加水分解乳タンパク質
(プロピレングリコールと水との混合物) 0.20
合成ロウおよびマイカのビーズ 0.35
香料 0.20
EDTA二ナトリウム 0.01
水 100とする
方法
ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアレス‐21、ステアレス‐2、塩化ジステアリルジモニウム、PPG‐15ステアリルエーテルおよびBHTを60℃に加熱して油相を形成した。成分の残りを混合して水相とした。加熱した油相を当該水相に添加した。当該組成物を攪拌しながら室温まで冷却した。
【実施例6】
【0055】
実施例6
ゲルローション
成分 % w/w
アルコール(99.9%)+
三級ブチルアルコール(0.1%) 11.5
グリセリン 0.50
イソセテス‐20 1.00
サリチル酸 0.50
過酸化水素(35%) 4.29
アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/
ビニルピロリドン共重合体 1.50
加水分解乳タンパク質 0.20
水酸化ナトリウム(30%) 0.40
香料 0.20
EDTA二ナトリウム 0.005
水 100%とする
方法
サリチル酸をアルコール/三級ブチルアルコール中に混合した。サリチル酸を十分溶解させて、水、グリセリンおよびEDTA二ナトリウムを混合した。当該アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン共重合体を連続的ホモジナイズしながら加え、次いでイソセテス‐20、過酸化水素、加水分解乳タンパク質および香料を水に入れて添加した。当該pHを水酸化ナトリウム(30%)で調整した。
【実施例7】
【0056】
実施例7
ローション
成分 % w/w
ソルビトール(70%) 0.50
変性エタノール 37.00
グリセリン 1.50
イソセテス‐20 2.00
サリチル酸 2.00
加水分解乳タンパク質 0.20
水酸化ナトリウム(30%) 0.38
香料 0.10
水 100%とする
方法
サリチル酸、イソセテス‐20および香料をエタノールに溶解し、油相を形成させた。残りの成分群を水と混合して水相とした。当該油相および水相を混合し、均一な組成物とした。
【実施例8】
【0057】
実施例8
ローション
成分 % w/w
ソルビトール(70%) 0.50
変性アルコール 37.00
過酸化水素 4.29
イソセテス‐20 3.00
サリチル酸 2.00
加水分解乳タンパク質 0.20
水酸化ナトリウム(30%) 0.20
香料 0.10
EDTA二ナトリウム 0.005
水 100%とする
方法
サリチル酸、イソセテス‐20および香料をエタノールに溶解し、油相を作成した。残りの成分群を水と混合して水相とした。当該油相および水相を混合し均一な組成物とした。
【実施例9】
【0058】
2%のサリチル酸および0.2%の加水分解乳タンパク質を含有する化粧品の皮膚の皮脂レベルへの影響を測定する臨床的試験
プロトコール
20人の志願者が2%のサリチル酸および0.2%のHMPを含有する化粧品処方の幾つかの種類につき皮膚皮脂レベルへの影響を評価するための皮脂計測研究に参加した。5つの製品を試験するために当該志願者の背中を5×5cmの7領域に区割りした:3種の洗い流し製品(ゲル洗浄剤(実施例3)、クリーム洗浄剤(実施例1)、クリーム状スクラブ剤(実施例5))および2種の付け置き製品(含浸したパッド(実施例4)および含浸したティッシュ(実施例2)。未処置領域(付け置き製品に対する比較に使用する)および水で洗浄して乾燥した領域(洗い流し製品に対する比較に使用する)を対照として使用した。背中の位置に関係した皮脂含量の変動をなくすために被験者の7領域間の無作為化工程を行った。
【0059】
全て塗布前に、皮脂レベルをSebumeter(登録商標)SM810(Courage and Khazaka)を用いて測定し、各領域における基準皮脂量を定めた。他の測定は、各領域における各製品の標準化塗布後2、4および6時間に実施した。
結果
結果は以下の表1に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
水で処置しただけの対照領域は2時間後のみで統計的に有意な低減を示した。処置後4および6時間では皮脂のレベルは無処置対照と差異がなかった。
【0062】
洗い流す製品群(ゲル状洗浄剤、クリーム状洗浄剤およびクリーム状スクラブ剤)の全てが2,4および6時間後において水対照に対し皮脂レベルの減少につき統計的に有意を示した。
【0063】
付け置き製品群に関しては含浸したティッシュでは、2,4および6時間後において無処置領域に対し皮脂レベルの減少につき統計的有意であった。含浸パッドでは、無処置領域に対して皮脂レベルの減少は2および4時間後で統計的に有意であった。当該パッドで処置した領域では、6時間後の皮脂量は少なくなってはいたが無処理領域との統計的な差異はなかった。
【0064】
結論
パッドは使用後4時間では少なくとも統計的有意で皮脂の減少を示した。他の4種の製品群は一回の塗布後6時間で皮脂の減少を示した。
【実施例10】
【0065】
実施例10
サリチル酸および加水分解乳タンパク質を含有する2種類の製品評価
計画
試験は汚れ/吹き出物/ニキビに悩んでいる12と19歳の間の10代男女50名で異なるグループについて行った。これら試験を行ったグループの1つはゲル状洗浄剤(実施例3)、他のグループはクリーム状スクラブ剤(実施例5)を通常の使い方で試験した。使用3日後、当該志願者に電話して、安全性、効果および当該製品の化粧品としての使用感に関する質問に対する回答を訊ねた。2週間後にも同じような質問を電話で訊ねた。
【0066】
結果
以下は使用3日後および14日後における質問の幾つかに対する志願者の回答の平均である。
【0067】
クリーム状スクラブ剤に関しては、志願者の64%が3日目の回答では全般的に非常に満足、または満足しており、そして14日後でも回答者の74%であった。この満足感は3日目の回答では毛穴が見た目に小さくなった(はっきりとそして概ね同意する60%)を含めて3日目の回答では良好な皮膚状態によるもので(僅かにおよび顕著に良い64%)、そして3日目の回答ではニキビに効く効果によるもの(はっきりとそして概ね同意する68%)であり、14日目では新たなニキビを防止する(はっきりとそして概ね同意する64%)であった。志願者が定期的に使用したとき、ニキビおよび黒色ニキビが減少したに対して、はっきりとそして概ね同意するがそれぞれ58%と60%であった。これに加えて、皮膚が3日目の回答では柔らかくそして滑らかになった(はっきりとそして概ね同意する、それぞれ80%および72%)、そして2週間後も柔らかくそして滑らかになった(はっきりとそして概ね同意する、それぞれ86%および80%)である。
【0068】
志願者の70%が本製品は使用後にてかりを低下させるということ、および塗布後14日後には脂っぽさのもどりを遅らせる(はっきりとそして概ね同意する66%)ということに対しはっきりとそして概ね同意するので、本製品の皮脂レベルについての作用も認められた。
【0069】
ゲル状洗浄剤に関して、志願者の69%が3日目の回答では全体的に非常に満足または満足し、そして14日後では回答者の60%であった。この場合も、この満足は主に3日目の回答では皮膚の状態が改善されたということで(僅かから非常に良い63%)、そして3日目の回答ではニキビに効く効果による(はっきりとそして概ね同意63%)。これに加えて、その皮膚は3日目の回答ではより柔らかくそしてより滑らかになり(はっきりとそして概ね同意が、それぞれ78%と72%)、そして2週間続いた(はっきりとそして概ね同意が、それぞれ67%と71%)。更に、当該製品は使用すると3日目の回答での評価で皮膚のてかりが減少し(はっきりとそして概ね同意が66%)、14日後は塗布後の脂っぽさのもどりが遅くなる(はっきりとそして概ね同意が67%)。
【0070】
結論
サリチル酸およびHMPを含有する両製品は:
−皮脂に対しては、てかりを低下させ、脂っぽさの戻りを遅らせ、
−ニキビおよび黒ニキビに対して
明確に同時に作用する。
活性な組合せを含有するこれら2種類の製品は、皮膚状態に対する全体の効能および明確な作用について明らかに高く評価される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サリチル酸またはその塩と加水分解乳タンパク質を含む組成物で、皮膚に局所的塗布するのに適したスキンケア組成物。
【請求項2】
サリチル酸を含む、請求項1で請求している組成物。
【請求項3】
サリチル酸の濃度は少なくとも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%そして大層好ましくは少なくとも1重量%である、請求項2で請求している組成物。
【請求項4】
サリチル酸の濃度は10重量%未満、より好ましくは5重量%未満、そして大層好ましくは3重量%未満である、請求項2で請求している組成物。
【請求項5】
サリチル酸の濃度は0.01重量%から10重量%、より好ましくは0.1重量%から5重量%、そして大層好ましくは1重量%から3重量%である、請求項2で請求している組成物。
【請求項6】
加水分解乳タンパク質の濃度は少なくとも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.05重量%、そして大層好ましくは少なくとも0.1重量%である、請求項1で請求している組成物。
【請求項7】
加水分解乳タンパク質の濃度は10重量%未満、より好ましくは少なくとも3重量%未満、そして大層好ましくは少なくとも1重量%未満である、請求項1で請求している組成物。
【請求項8】
加水分解乳タンパク質の濃度は0.01重量%から10重量%、より好ましくは0.05重量%から3重量%、そして大層好ましくは0.1重量%から1.0重量%である、請求項1で請求している組成物。
【請求項9】
サリチル酸の濃度が0.5重量%から4重量%、より好ましくは0.5重量%から2重量%であり、加水分解乳タンパク質の濃度が0.08重量%から2重量%、より好ましくは0.1重量%から0.5重量%である、請求項1で請求している組成物。
【請求項10】
サリチル酸またはその塩と加水分解乳タンパク質の比が1重量部:1重量部から20重量部:1重量部で、より好ましくは2重量部:1重量部から15重量部:1重量部で、大層好ましくは5重量部:1重量部から12重量部:1重量部である、先行請求項のいずれかで請求している組成物。
【請求項11】
当該組成物のpHが2.3から7.0、より好ましくは2.5から6.0である、先行請求項のいずれかで請求している組成物。
【請求項12】
当該pHが2.5から4.0の範囲である、請求項11で請求している組成物。
【請求項13】
更に抗微生物性化合物または抗細菌性化合物、抗ウイルス性化合物、抗真菌性化合物、抗炎症性化合物および駆虫性化合物から選んだ局所的活性スキンケア剤を更に1種以上含んだ、先行請求項のいずれかで請求している組成物。
【請求項14】
抗細菌性化合物が過酸化物系抗細菌性剤である、請求項13で請求している組成物。
【請求項15】
水溶性または油溶性の溶液または分散物または乳液またはゲルの形態を有する、先行請求項のいずれかで請求している組成物。
【請求項16】
乳液の形態である、請求項15で請求している組成物。
【請求項17】
当該乳化物が水中油型乳化物である、請求項16で請求している組成物。
【請求項18】
当該乳化物が油中水型乳化物である、請求項16で請求している組成物。
【請求項19】
水溶性ゲルの形態をした、請求項15で請求している組成物。
【請求項20】
ゲル化剤および/または増粘剤を更に含む、先行請求項のいずれかで請求している組成物。
【請求項21】
当該ゲル化剤がアクリロイルジメチルタウリン酸またはその塩である、請求項20で請求している組成物。
【請求項22】
水溶性溶媒系を含む、請求項のいずれかで請求している組成物。
【請求項23】
当該溶媒系が共溶媒と混合している水を含む混合溶媒系である、請求項22で請求している組成物。
【請求項24】
当該共溶媒がアルコールである、請求項23で請求している組成物。
【請求項25】
乳化剤類、エモリエント剤類、脂質類、保湿剤類または湿潤剤類、結合剤、コンディショニング類、乳化安定化塩類、防腐剤類、キトート化剤類または金属イオン封鎖剤類、スクラブ剤類、pH調節剤類、界面活性剤類、香料類および色材類からなる群より選んだ1種以上の賦形剤を含む、先行請求項のいずれかで請求している組成物。
【請求項26】
サリチル酸またはその塩および加水分解乳タンパク質を含むスキンケア組成物で含浸させた繊維質基材を含む製品。
【請求項27】
当該繊維質材料は、当該繊維質材料の重量の10重量%から30重量%、好ましくは15重量%から25重量%、そして大層好ましくは18重量%から22重量%の範囲の量の当該スキンケア組成物で含浸させてある、請求項26で請求している製品。
【請求項28】
セルロースまたは木綿繊維或いはその混合材料を含む、請求項26または27のいずれかで請求している製品。
【請求項29】
サリチル酸またはその塩および加水分解乳タンパク質を含むスキンケア組成物を患者の皮膚に局所塗布することを含む方法である、ニキビの予防的または治療的処置のための方法。
【請求項30】
化粧的方法である、請求項29で請求している方法。
【請求項31】
治療的方法である、請求項29で請求している方法。
【請求項32】
皮膚への当該組成物の局所的塗布によりニキビの予防的または治療的処置をするための組成物中でのサリチル酸またはその塩および加水分解乳タンパク質の使用。
【請求項33】
サリチル酸またはその塩および加水分解乳タンパク質だけが当該組成物中の活性成分類である、請求項32で請求している使用。

【公表番号】特表2007−523137(P2007−523137A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553646(P2006−553646)
【出願日】平成17年2月19日(2005.2.19)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000503
【国際公開番号】WO2005/079745
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(397030341)レキット アンド コールマン(オーバーシーズ) リミテッド (3)
【Fターム(参考)】