説明

サーバ装置、再生装置、コンテンツ送信方法、コンテンツ再生方法、コンテンツ再生システム及びプログラム

【課題】
コンテンツの再生を中断したユーザのみが再生を再開することができるサーバ装置、再生装置、コンテンツ送信方法、コンテンツ再生方法、コンテンツ再生システム及びプログラムを提供すること。
【解決手段】
ユーザがリモコン212の中断ボタンを押下すると、再生装置200へコンテンツの中断命令が送信されるとともに、中断ボタンに設けられた指紋読取装置によりユーザの指紋が読み取られ、再生装置へ送信される。再生装置は中断命令を基にコンテンツの再生を中断するとともに、当該中断したコンテンツの中断位置データ及び受信した指紋データをホームサーバ100へ送信する。ホームサーバ100は両データを関連付けて記憶する。中断されたコンテンツの再生を再開する際には、リモコンの再開ボタンから再度指紋データがホームサーバ100へ送信されて再開権限が認証され、認証を通った場合に中断位置からコンテンツが再開される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画や音楽、ゲーム等のコンテンツを再生することが可能なサーバ装置、再生装置、コンテンツ送信方法、コンテンツ再生方法、コンテンツ再生システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワークを介して接続された配信装置(サーバ)から動画や音楽等のコンテンツを受信して再生する場合に、当該コンテンツの再生を中断及び再開する技術としては、以下のようなものがある。
【0003】
情報端末がサーバからコンテンツを受信して再生している途中にサーバへコンテンツの配信中断を指示すると、当該指示を受けてサーバがコンテンツの配信を中断するとともに中断箇所を記憶して当該コンテンツに関連付けたパスワードを生成し、当該パスワードを情報端末へ転送する。情報端末は、再生を中断したコンテンツの再生を再開する場合には配信再開指示上記パスワードとともにサーバへ転送し、サーバは受信したパスワードをチェックして当該パスワードから再開すべきコンテンツ及びその中断箇所(再開箇所)を検索して、再開指示のあった情報端末へコンテンツの配信を再開する。これにより、再生を中断する情報端末とは異なる情報端末における再生の再開を実現している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−244955号公報(段落[0028]〜[0034]、図1、図4等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の技術においては、上記パスワードは上記サーバが生成して情報端末へ送信し、当該パスワードが情報端末の画面に表示されるため、例えばテレビ画面を通して複数のユーザがコンテンツを視聴している場合等、当該パスワードが複数のユーザに知られてしまう場合がある。従って、当該パスワードを知りさえすれば、再生を中断したユーザでなくとも再生を再開することが可能であり、例えばあるユーザが自身の所有する情報端末において一人でコンテンツの続きを再開しようとしても、既に他のユーザにより他の情報端末において再開されてしまっている場合があり、利便性を害することになる。また、コンテンツの中断毎にサーバがパスワードを生成して情報端末へ送信するため、当該生成によりサーバに掛かる負荷も大きくなる。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、コンテンツの再生を中断したユーザのみが再生を再開することができるサーバ装置、再生装置、コンテンツ送信方法、コンテンツ再生方法、コンテンツ再生システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本発明のサーバ装置は、ユーザにより操作される再生装置とネットワークを介して接続されたサーバ装置において、前記再生装置へコンテンツを送信する第1の送信手段と、前記再生装置において前記ユーザの操作により再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報と、当該コンテンツの再生を中断した前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報とを前記再生装置から受信する第1の受信手段と、前記受信された中断位置情報と前記ユーザ識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記再生装置から前記ユーザ識別情報を再度受信する第2の受信手段と、前記記憶されたユーザ識別情報と前記再度受信されたユーザ識別情報との比較により、前記ユーザが前記コンテンツの再生を再開させるための再生再開権限を認証する認証手段と、前記ユーザの再生再開権限が認証された場合に、前記再生装置へ前記コンテンツを前記中断位置情報とともに送信する第2の送信手段とを具備する。
【0007】
ここで上記再生装置とは例えばテレビやデスクトップPC(Personal Computer)のような据え置き型の再生装置でもよいし、PDA(Personal Digital Assistance)やHDD(Hard Disk Drive)内蔵の動画再生端末やノートPCのような、携帯型の端末装置であってもよい。また上記コンテンツとは例えばビデオ等の動画や音楽、ゲーム画像等をいい、また上記中断位置情報とは具体的にはコンテンツの総再生時間のうち中断位置の時分を示すタイムスタンプ情報である。当該中断位置情報には、コンテンツのファイル名等、コンテンツを識別する情報が含まれていてもよい。
【0008】
この構成によれば、コンテンツの再生を中断したユーザの操作により上記再生装置からユーザ識別情報及び中断位置情報を受信し、それらを関連付けて記憶することで、自らユーザ識別情報を生成しなくともコンテンツの再生を中断したユーザ及びその中断位置を識別することができ、また上記ユーザ識別情報を再度受信してユーザの再生再開権限を認証することで、上記再生を中断したユーザのみにコンテンツの再生を再開させることができる。
【0009】
上記サーバ装置において、前記再生装置は複数存在し、前記第1の受信手段は、前記ユーザが第1の再生装置において前記コンテンツの再生を中断した場合に、当該第1の再生装置から前記中断位置情報及びユーザ識別情報を受信し、前記第2の受信手段は、前記コンテンツの再生を中断した前記ユーザが、前記再生を中断されたコンテンツの再生を第2の再生装置において再開する場合に、当該第2の再生装置から前記ユーザ識別情報を受信し、前記第2の送信手段は、前記コンテンツ及び中断位置情報を前記第2の再生装置へ送信するようにしてもよい。
【0010】
これにより、ユーザが第1の再生装置でコンテンツの再生を中断した後、他のユーザに当該コンテンツの再生を再開されることなく第2の再生装置において再生を再開することができる。例えば、家庭内の共有スペースのテレビで、一人でビデオを視聴していた場合に、家族が帰宅したために当該ビデオの再生を中断し、自身の個室のテレビやPC等でその続きを視聴するようなことが可能となる。
【0011】
上記サーバ装置において、前記ユーザ識別情報は、前記ユーザにより前記再生装置に入力された、前記ユーザの身体的特徴に関する情報であり、前記認証手段は、バイオメトリクス認証方式により前記再生再開権限を認証するようにしてもよい。
【0012】
上記身体的特徴とは、例えば指紋、眼球の奥の虹彩、声紋、顔の作り、筆圧等、ユーザ毎に特有の特徴をいう。バイオメトリクス認証方式とはこれら身体的特徴を用いて本人確認を行う認証方式である。これにより、パスワードやID等による認証に比べていわゆる「なりすまし」が極めてしにくい、よりセキュリティレベルの高い認証が可能となり、コンテンツの再生を中断したユーザ以外のユーザにより再生が再開されてしまうことを防ぐことができる。より好ましくは、前記ユーザ識別情報は前記ユーザの指紋情報である。これら以外にも、ユーザ識別情報は、例えばユーザが所有する非接触型のカードから上記再生装置に読み取られた情報であってもよい。
【0013】
本発明の再生装置は、サーバ装置とネットワークを介して接続され、ユーザにより操作される再生装置において、前記サーバ装置からコンテンツを受信する第1の受信手段と、前記受信されたコンテンツを再生する再生手段と、前記ユーザの操作により、前記再生されたコンテンツの再生を中断するとともに、当該ユーザから当該ユーザを識別するためのユーザ識別情報を入力する中断手段と、前記再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報及び前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信する第1の送信手段と、前記コンテンツの再生を中断したユーザから、前記コンテンツの再生再開命令及び前記ユーザ識別情報を入力する入力手段と、前記再生再開命令に基づき、前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信する第2の送信手段と、前記サーバ装置から、前記再生が中断されたコンテンツを前記中断位置情報とともに受信する第2の受信手段と、前記受信されたコンテンツ及び中断位置情報を基に、前記再生が中断されたコンテンツの再生を再開する再開手段とを具備する。
【0014】
この構成により、ユーザがコンテンツの再生を中断する際に当該ユーザからユーザ識別情報を入力し、当該ユーザ識別情報及び中断位置情報をサーバ装置へ送信することで、サーバ装置にコンテンツの中断位置を当該コンテンツの再生を中断したユーザと関連付けて記憶させることができ、コンテンツの再生を再開する際には当該ユーザ識別情報を再度入力してサーバ装置へ送信し、認証を受けることで、コンテンツの再生を中断したユーザのみに再生を再開させることができる。
【0015】
なお、上記再生装置は、例えば再生装置本体と当該本体を操作するためのリモートコントローラ(以下、リモコンという)で構成されていてもよい。
【0016】
上記再生装置において、前記ユーザ識別情報は、前記ユーザの身体的特徴に関する情報であってもよい。
【0017】
また、上記再生装置において、前記ユーザ識別情報は前記ユーザの指紋情報であり、前記中断手段は、前記コンテンツの再生を中断すると同時に前記ユーザの指紋情報を入力する中断ボタンを有し、前記入力手段は、前記ユーザの再生再開命令と同時に前記ユーザの指紋情報を入力する再開ボタンを有していてもよい。
【0018】
上記中断ボタン及び再開ボタンは、例えば上記リモコンに設けられる。そして中断ボタン及び再開ボタンは同時に指紋読取装置としても機能する。これにより、ユーザは上記中断ボタン及び再開ボタンを一度押下してコンテンツの中断及び再開を指示するだけで、例えばパスワードのように所定の桁数分の入力作業を要することなく、ユーザ識別情報としての指紋情報を意識せずに容易に入力することができる。
【0019】
また、上記再開ボタンによってのみコンテンツの再生が再開可能であり、あるユーザが中断ボタンを押下してコンテンツの再生を中断した後は、他のユーザが上記再開ボタンを押下しても上記サーバ装置に再生再開権限が認証されないため、コンテンツの再生を中断したユーザ以外のユーザにコンテンツの再生を再開されてしまうことがなくなる。
【0020】
本発明のコンテンツ再生システムは、サーバ装置とユーザにより操作される第1の再生装置及び第2の再生装置が通信を行うことによりコンテンツを再生するシステムにおいて、前記サーバ装置は、前記第1の再生装置へコンテンツを送信する手段と、前記第1の再生装置において前記ユーザの操作により再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報と、当該コンテンツの再生を中断した前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報とを前記第1の再生装置から受信する手段と、前記受信された中断位置情報と前記ユーザ識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記第2の再生装置から前記ユーザ識別情報を受信する手段と、前記記憶されたユーザ識別情報と前記再度受信されたユーザ識別情報との比較により、前記ユーザが前記コンテンツの再生を再開させるための再生再開権限を認証する手段と、前記ユーザの再生再開権限が認証された場合に、前記第2の再生装置へ前記コンテンツを前記中断位置情報とともに送信する手段とを有し、前記第1の再生装置は、前記サーバ装置からコンテンツを受信する手段と、前記受信されたコンテンツを再生する手段と、前記ユーザの操作により、前記再生されたコンテンツの再生を中断するとともに、当該ユーザから前記ユーザ識別情報を入力する手段と、前記再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報及び前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信する手段とを有し、前記第2の再生装置は、前記コンテンツの再生を中断したユーザから、前記コンテンツの再生再開命令及び前記ユーザ識別情報を入力する手段と、前記再生再開命令に基づき、前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信する手段と、前記サーバ装置から、前記再生が中断されたコンテンツを前記中断位置情報とともに受信する手段と、前記受信されたコンテンツ及び中断位置情報を基に、前記再生が中断されたコンテンツの再生を再開する手段とを有している。
【0021】
これにより、上記第1の再生装置においてコンテンツの再生を中断したユーザが当該第1の再生装置とは異なる第2の再生装置において再生を再開したい場合に、上記コンテンツの再生を中断したユーザのみが再生を再開することができる。
【0022】
本発明のコンテンツ送信方法は、ユーザにより操作される再生装置へネットワークを介してコンテンツを送信する方法であって、前記再生装置へコンテンツを送信するステップと、前記再生装置において前記ユーザの操作により再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報と、当該コンテンツの再生を中断した前記ユーザを識別するユーザ識別情報とを前記再生装置から受信するステップと、前記受信された中断位置情報と前記ユーザ識別情報とを対応付けて記憶するステップと、前記再生装置から前記ユーザ識別情報を再度受信するステップと、前記記憶されたユーザ識別情報と前記再度受信されたユーザ識別情報との比較により、前記ユーザが前記コンテンツの再生を再開させるための再生再開権限を認証するステップと、前記ユーザの再生再開権限が認証された場合に、前記再生装置へ前記コンテンツを前記中断位置情報とともに送信するステップとを具備する。
【0023】
本発明のコンテンツ再生方法は、ユーザにより操作される再生装置が、当該再生装置とネットワークを介して接続されたサーバ装置から送信されるコンテンツを再生する方法であって、前記サーバ装置からコンテンツを受信するステップと、前記受信されたコンテンツを再生するステップと、前記ユーザの操作により、前記再生されたコンテンツの再生を中断するとともに、当該ユーザから当該ユーザを識別するためのユーザ識別情報を入力するステップと、前記再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報及び前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信するステップと、前記コンテンツの再生を中断したユーザから、前記コンテンツの再生再開命令及び前記ユーザ識別情報を入力するステップと、前記再生再開命令に基づき、前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信するステップと、前記サーバ装置から、前記再生が中断されたコンテンツを前記中断位置情報とともに受信するステップと、前記受信されたコンテンツ及び中断位置情報を基に、前記再生が中断されたコンテンツの再生を再開するステップとを具備する。
【0024】
本発明の主たる観点に係るプログラムは、ユーザにより操作される再生装置とネットワークを介して接続されたサーバ装置に、前記再生装置へコンテンツを送信するステップと、前記再生装置において前記ユーザの操作により再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報と、当該コンテンツの再生を中断した前記ユーザを識別するユーザ識別情報とを前記再生装置から受信するステップと、前記受信された中断位置情報と前記ユーザ識別情報とを対応付けて記憶するステップと、前記再生装置から前記ユーザ識別情報を再度受信するステップと、前記記憶されたユーザ識別情報と前記再度受信されたユーザ識別情報との比較により、前記ユーザが前記コンテンツの再生を再開させるための再生再開権限を認証するステップと、前記ユーザの再生再開権限が認証された場合に、前記再生装置へ前記コンテンツを前記中断位置情報とともに送信するステップとを実行させるためのものである。
【0025】
本発明の他の観点に係るプログラムは、サーバ装置とネットワークを介して接続され、ユーザにより操作される再生装置に、前記サーバ装置からコンテンツを受信するステップと、前記受信されたコンテンツを再生するステップと、前記ユーザの操作により、前記再生されたコンテンツの再生を中断するとともに、当該ユーザから当該ユーザを識別するためのユーザ識別情報を入力するステップと、前記再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報及び前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信するステップと、前記コンテンツの再生を中断したユーザから、前記コンテンツの再生再開命令及び前記ユーザ識別情報を入力するステップと、前記再生再開命令に基づき、前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信するステップと、前記サーバ装置から、前記再生が中断されたコンテンツを前記中断位置情報とともに受信するステップと、前記受信されたコンテンツ及び中断位置情報を基に、前記再生が中断されたコンテンツの再生を再開するステップとを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明によれば、コンテンツの再生を中断したユーザのみが再生を再開することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0028】
図1は、本実施形態におけるコンテンツ再生システムの構成を示した図である。同図に示すように、本実施形態におけるシステムは、ホームサーバ100と再生装置200及び300で構成されている。ホームサーバ100と各再生装置は例えば家庭内のLAN109等のネットワークに接続され、互いに通信を行うことが可能である。再生装置の数は2つに限定されるものではなく、3つ以上の複数であってもよいし、また1つであっても構わない。
【0029】
ホームサーバ100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、通信部104、データ格納部105、操作入力部106及び表示部107で構成され、それらはバス108に接続されている。
【0030】
CPU101は、ホームサーバ100全体の動作を制御するメインコントローラであり、OS(Operating System)により提供されるプラットフォーム上で、例えば各再生装置へコンテンツを配信するためのアプリケーションやその他のアプリケーションを実行する。
【0031】
ROM102は、サーバ100の電源オン時に実行するプログラムや、ハードウェア制御用の制御コード等のデータを格納する、読み出し専用の不揮発性のメモリである。またRAM103は、CPU101がコンテンツを配信するためのプログラムやその他のプログラムをデータ格納部105からロードしたり、当該プログラムの作業データを書き込んだりするために用いられる、書き込み可能な揮発性のメモリである。
【0032】
通信部104は、LAN109を介して上記再生装置200及び300と通信を行い、各再生装置へコンテンツを送信したり、各種データ等をやり取りしたりするためのインターフェースとなる。
【0033】
データ格納部105は例えばHDD(Hard Disk Drive)であり、各再生装置へ配信するための動画データ、音楽データ、ゲームデータ等のコンテンツデータ、コンテンツを配信するためのアプリケーション、後述するコンテンツの中断位置データ及びユーザの指紋データ、その他のアプリケーション、プログラム及びデータを格納する。
【0034】
操作入力部106は、例えばキーボードやマウス等からなり、上記データ格納部105へコンテンツを格納したり、サーバ100の各種設定をしたりする際のユーザの操作を入力する。
【0035】
表示部107は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)、OEL(Organic Electroluminescence)等からなり、上記操作入力部106を操作する際の情報等を表示する。
【0036】
再生装置200は、CPU201、ROM202、RAM203、通信部204、データ格納部205、操作入力部206、出力部207、表示部208、音響部209、赤外線受信部210及びリモコン212から構成され、リモコン212以外の各部はバス210で接続されている。CPU201、ROM202及びRAM203の基本的構成及び機能は上記ホームサーバ100が有するものと同様のため、説明を省略する。
【0037】
通信部204は、LAN109を介して上記ホームサーバ100と通信を行い、各種コンテンツを受信したり、コンテンツの再生の中断位置データや指紋データ等、各種データをやり取りしたりする際のインターフェースとなる。
【0038】
データ格納部205は、コンテンツの再生に必要なアプリケーションやその他再生装置200の各種機能を実行するためのプログラム、データを格納する。これらのデータは上記RAM203にロードされ、CPU201により実行される。
【0039】
操作入力部206は、例えばキーボード、マウス、プッシュボタン、タッチパッド、タッチパネル、ジョグダイヤル等からなり、コンテンツの再生、中断及び再開等の操作や、再生装置200の各種設定を行ったり各種機能を実行したりする際の操作を入力する。これらの操作は上記リモコン212によって入力可能なものであってもよく、特に上記リモコン212では入力することができない操作を直接入力する際に用いられる。
【0040】
出力部207は、通信部204によりホームサーバ100から受信したコンテンツを再生させるために、コンテンツに含まれる映像データを表示部208へ、また音響データを音響部209へ出力する。
【0041】
表示部208は例えばLCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)、OEL(Organic Electroluminescence)等からなり、例えば上記出力部207から出力された映像データや、再生装置200の各種設定等を行う場合のメニュー画面等を表示する。また音響部209は、図示しないアンプ及びスピーカ等からなり、同じく出力部207から出力された音響データや、各種操作及び各種アプリケーションの起動時等の音響等を出力する。
【0042】
赤外線受信部210は、再生装置200の各種機能を実行する際にユーザの操作によりリモコン212から送信される、各種操作命令及び指紋データとしての赤外線信号を受信して、CPU201へ出力する。
【0043】
なお、各部の説明は省略するが、再生装置300も上記再生装置200と同様の構成及び機能(例えば操作入力部306、赤外線受信部210・・・等)を有し、ホームサーバ100からLAN109を介してコンテンツを受信して再生することが可能である。また当該再生装置300はリモコン312により操作される。
【0044】
図2は、上記リモコン212の外観を示した図である。図示しないが、リモコン312及びその他の再生装置に付属するリモコンも同様の構成及び機能を有する。
【0045】
同図に示すように、リモコン212には中断ボタン401、再開ボタン402、赤外線出力部403、電源ボタン404、液晶表示部405、再生ボタン406、巻戻しボタン407、早送りボタン408、十字ボタン409、数字ボタン410及びUp/Downボタン411が設けられている。
【0046】
中断ボタン401は、ユーザの押下操作により再生中のコンテンツの再生の中断命令を入力するとともに、指紋読取装置として機能する。よってユーザが中断ボタン401を押下した際には、中断ボタン401は当該ユーザの指紋を読取り、読み取った指紋データを中断命令とともに赤外線信号に変換して赤外線出力部403へ送信する。当該中断命令及び指紋データは赤外線出力部403を介して再生装置200へ赤外線信号として出力される。
【0047】
そして中断命令は再生装置200の赤外線受信部210により受信され、CPU201に送信されることによりコンテンツの再生が中断される。また指紋データも上記赤外線受信部210に受信され、例えばRAM203に一時的に記憶される。更に、指紋データ及び中断されたコンテンツの中断位置情報(タイムスタンプ情報)がホームサーバ100へLAN109を介して送信される。
【0048】
再開ボタン402は、ユーザの押下操作により中断したコンテンツの再生の再開命令を入力するとともに、上記中断ボタンと同様に指紋読取装置として機能する。よってユーザが再開ボタン402を押下した際には、再開ボタン402はユーザの指紋を読取り、読み取った指紋データを上記再開命令とともに赤外線信号に変換して赤外線出力部403へ送信する。当該再開命令及び指紋データも、赤外線出力部403を介して再生装置200へ赤外線信号として出力される。
【0049】
そして再開命令及び指紋データは再生装置200の赤外線受信部210により受信され、更にホームサーバ100へLAN109を介して送信される。これら中断ボタン及び再開ボタン押下時の動作の詳細については後述する。
【0050】
なお、指紋の読取方式としては、いわゆる半導体(静電容量)式、光学式、感圧式、感熱式いずれの方式を用いても構わない。図示しないが、例えば半導体式の場合、中断ボタン401及び再開ボタン402にはその表面にシートが設けられ、当該シートの下部には電極が例えば300行×300列程度設けられる。ボタンを押下した際には指紋の凹凸によって当該電極に溜まる電荷(静電容量)に変化が生じ、当該電荷量の変化を画像に変換することにより指紋を読み取る。
【0051】
また、当該電極の更に下部にはコンテンツの中断命令または再開命令を入力するためのスイッチが設けられ、ボタン押下時には指紋を読み取ると同時に当該スイッチがONとなり、中断命令または再開命令が赤外線出力部403へ伝えられる。
【0052】
液晶表示部405は、例えばリモコン212の操作方法やメニュー画面を表示したり、上記中断ボタン及び再開ボタンが読み取った指紋データ、または指紋データの読み取りが不完全だった場合のメッセージ等を表示したりする。
【0053】
電源ボタン404は再生装置200の電源のON/OFFを入力するためのボタンであり、再生ボタン406、巻戻しボタン407及び早送りボタン408はそれぞれコンテンツの再生、巻戻し及び早送りを再生装置200へ命令するためのボタンである。更に十字ボタン409、数字ボタン410及びUp/Downボタン411は、それぞれ再生装置200の表示部208にメニュー画面を表示させたり、当該メニュー画面から再生するコンテンツを選択したり、ボリュームの調整等、ボタン毎に割り当てられた再生装置200の機能の実行命令を入力したりする。
【0054】
図3は、上記ホームサーバ100のデータ格納部105に格納されるプログラム及びデータを示した図である。
【0055】
同図に示すように、データ格納部105には、コンテンツデータ501、中断位置データ502、指紋データ503、コンテンツ配信プログラム504及び認証プログラム505が格納されている。
【0056】
コンテンツデータ501は、各再生装置に配信するためのビデオデータ、音楽データ、ゲームデータ等であり、ビデオデータの場合には例えばインターネット等を介してダウンロードしたり、テレビ番組を録画したり、またDVD等のメディアから転送したりすることにより記憶している。
【0057】
中断位置データ502及び指紋データ503は、各再生装置がコンテンツ再生中にユーザの操作により当該再生を中断した場合に各再生装置から送信されるものである。両データは、各再生装置から受信された場合に関連付けられて格納される。
【0058】
コンテンツ配信プログラム504は、各再生装置を操作するユーザの配信指示に基づき、上記コンテンツを各再生装置へ配信する。また認証プログラム505は、上記中断位置データ502と指紋データ503との関連付けを行うとともに、各再生装置からコンテンツ再開命令を指紋データとともに受信した場合に、当該受信した指紋データと上記格納された指紋データ503との一致を照合することにより上記再開命令を送信したユーザの再開権限を認証する。
【0059】
図4は、上記中断位置データ502及び指紋データ503を管理するためのデータベースを示した図である。
【0060】
同図に示すように、中断位置データ502はコンテンツ名と中断位置を示すタイムスタンプデータからなり、それらがコンテンツ毎に指紋データ(指紋画像)と1対1で対応付けられて記憶される。また同一のユーザが再生装置から複数のコンテンツの中断位置データを送信した場合には、同一の指紋データに対して複数のコンテンツの中断位置データが対応付けられることになる。例えばコンテンツAとコンテンツCはどちらも指紋画像aと関連付けられており、どちらも同一のユーザが中断していることを示している。
【0061】
当該指紋データは、各再生装置から送信される場合にはコード化されているため、上記認証プログラム505は当該コード化されたデータを画像として復元して記憶する。また、画像として記憶するのではなく、例えば当該指紋画像の特徴点を所定のデータとして記憶するようにしてもよい。
【0062】
上記認証プログラム505は、ユーザの再開権限を認証する場合にはまず当該各指紋データを参照し、認証をクリアした場合には、上記コンテンツ配信プログラム504が当該指紋データに関連付けられたコンテンツ及びその中断位置データを上記ユーザが操作する再生装置へ送信する。
【0063】
次に、以上のように構成されたシステムにおいて、コンテンツが再生、中断及び再開される際のホームサーバ100及び各再生装置の動作について説明する。
【0064】
まず、各再生装置において再生中のコンテンツが中断される際の動作について説明する。図5はこの場合のホームサーバ100、再生装置200及びリモコン212の動作の流れを示したシーケンス図である。同図においては再生装置200及びリモコン212をユーザAが操作し、コンテンツを再生及び中断するものとする。なお、再生装置300及びその他の再生装置が再生を中断する際の動作も同様である。
【0065】
同図(a)に示すように、まず、再生装置200は、ユーザAのリモコン212の操作により再生装置200の表示部208にコンテンツ選択画面を表示させて選択させる等して、再生装置200において再生したいコンテンツの送信をホームサーバ100へ指示する(ステップ601)。当該指示を受けたホームサーバ100は、コンテンツ配信プログラム504の動作により、ユーザにより選択されたコンテンツを上記データ格納部105から呼び出して、通信部104によりLAN109を介して再生装置200へ送信する(ステップ602)。再生装置200は当該コンテンツを受信して(ステップ603)、例えばリモコン212の再生ボタン406を押下することにより再生する(ステップ604)。
【0066】
次に、上記コンテンツを再生中に、ユーザAが何らかの理由により再生を中断したい事由が発生した場合には、ユーザAはリモコン212を再生装置200へ向けて中断ボタン401を押下して、コンテンツの中断命令を入力する(ステップ605)。当該中断ボタン401が押下されると、リモコン212は、コンテンツ再生の中断命令を入力するとともに、当該中断ボタン401に設けられた指紋読取装置によりユーザAの指紋データを読み取る(ステップ606)。そして当該中断命令及び指紋データをコード化して、赤外線出力部403を介して再生装置200へ送信する(ステップ607)。
【0067】
再生装置200は上記中断命令及び指紋データを赤外線受信部210により受信して(ステップ608)、中断命令に基づきコンテンツの再生を中断するとともに(ステップ609)、中断されたコンテンツの中断位置データと上記指紋データを通信部204によりLAN109を介してホームサーバ100へ送信する(ステップ610)。上述したように当該中断位置データにはコンテンツ名と当該コンテンツの総再生時間のうちの中断位置を示すタイムスタンプデータが含まれる。
【0068】
そしてホームサーバ100は当該中断位置データ及び指紋データを通信部104により受信して、認証プログラム505の動作により両データを結び付けて上記データ格納部105のデータベースへ格納する(ステップ611)。
【0069】
以上の動作によりコンテンツの中断位置及び当該コンテンツを中断したユーザAの識別情報としての指紋データがホームサーバ100へ保持される。ホームサーバ100は各再生装置においてコンテンツの再生が中断される毎に上記動作を行い、各コンテンツの中断位置データを指紋データと結びつけて保存しておく。
【0070】
次に、各再生装置において上記再生を中断されたコンテンツの再生を再開する場合の動作について説明する。図6は、この場合のホームサーバ100及、再生装置300及びリモコン312の動作を示したシーケンス図である。同図においては、上記再生を中断したユーザAが、再生装置200とは別の位置に存在する再生装置300及びリモコン312を操作してコンテンツの再生を再開するものとする。このような場合としては、例えばユーザAが家庭内のリビングにある上記再生装置200において一人でビデオを再生していた場合に、家族が帰宅した等の理由により再生を中断して、ユーザAの個室にてその続きを視聴するような場合が考えられる。
【0071】
まず、ユーザAはリモコン312を再生装置300へ向けて再開ボタンを押下し、中断したコンテンツの再生再開命令を入力する(ステップ701)。リモコン312はコンテンツ再生の再開命令を入力するとともに、当該再開ボタンに設けられた指紋読取装置によりユーザAの指紋データを読み取る(ステップ702)。そして当該再開命令及び指紋データをコード化して、赤外線出力部を介して再生装置200へ送信する(ステップ703)。
【0072】
再生装置300は、上記再開命令及び指紋データを赤外線受信部により受信して(ステップ704)、指紋データを通信部によりLAN109を介してホームサーバ100へ送信する(ステップ705)。
【0073】
ホームサーバ100は上記指紋データを通信部104により受信すると(ステップ706)、認証プログラム505がデータ格納部105に格納されたデータベースを検索して、いわゆる指紋認証によりデータベース中の指紋データと上記受信した指紋データとを照合することにより、上記コンテンツの再生再開権限を認証する(ステップ707、708)。
【0074】
データベース中に、上記受信した指紋データと合致する指紋データが存在した場合には(ステップ708のYES)、認証プログラム505は当該指紋データに関連付けられたコンテンツの中断位置データをデータ格納部105から引き出し、続いてコンテンツ配信プログラム504の動作により、当該中断位置データとともにコンテンツを再生装置300へ送信する(ステップ709)。
【0075】
再生装置300はコンテンツ及び中断位置データを受信すると(ステップ711)、当該中断位置データを解析して、中断された位置から当該コンテンツの再生を再開する(ステップ712)。
【0076】
なお、上記ホームサーバ100において合致する指紋データが無かった場合(ステップ708のNO)、すなわち、ユーザA以外の、コンテンツの再生を中断していないユーザが再開ボタンを押下して指紋データを送信したような場合には、認証プログラム505は、当該指紋データに対応するコンテンツが無かった旨を通信部104により再生装置300へ送信する(ステップ710)。当該再生装置300は当該通知を受信すると(ステップ713)、例えばその旨を表示部へ表示する(ステップ714)。
【0077】
なお、ユーザAの指紋データに対応する中断位置データ及びコンテンツが複数あった場合にはホームサーバ100は例えば当該複数のコンテンツのリストを再生装置300へ送信して再生装置300の表示部に表示させ、所望のコンテンツを選択させるようにしてもよい。
【0078】
また、ユーザA以外のユーザが、ユーザAが中断したコンテンツ以外のコンテンツを中断していた場合には、リモコン312を当該他のユーザが押下した場合でも対応するコンテンツが存在するため、当該コンテンツが再生装置300において再生される。
【0079】
再生装置300以外の再生装置においても、それぞれのリモコンの再生ボタンが押下された場合には上記と同様の動作が行われる。
【0080】
以上の動作により、中断されたコンテンツの再生を再開する際には、コンテンツ中断時に中断ボタンにより読み取られて上記ホームサーバ100へ保存された指紋データと、上記中断ボタン上記再生ボタンにより再生装置300に入力された指紋データとをホームサーバ100が照合して再開権限を認証することとしたため、例えばホームサーバ100が生成したパスワードのようなユーザ識別情報を用いる場合に比べて、再開しようとしたコンテンツが他のユーザにより再開されてしまうことなく、コンテンツの再生を中断したユーザのみが当該コンテンツの再生を再開することができる。
【0081】
また、上記中断ボタン及び再開ボタンが指紋読取装置としても機能するため、例えばパスワードを入力する場合と異なり、ユーザは自身を識別するための情報を入力するということを意識することなく、また煩雑な操作をすることなく、自らの識別情報としての指紋データを容易に送信することができる。
【0082】
なお、本発明は以上説明した実施の形態には限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0083】
上述の実施形態においては、ユーザを識別する情報として指紋データを用いたが、例えばユーザの声紋情報を用いることもできる。この場合、再生装置にマイク(いわゆるボイスコマンド機能)及び声紋読取装置を設けて、ユーザが例えば「中断」と発声することによりコンテンツの再生が中断されると同時にユーザの声紋情報が読み取られてホームサーバ100へ中断位置データとともに送信され、ホームサーバ100において両データが関連付けられて記憶される。そして再生を再開する場合には、ユーザが例えば「再開」と発声することにより読み取られた声紋情報がホームサーバ100へ送信され、認証されることによりコンテンツの再生が再開される。
【0084】
上記指紋や声紋以外にも、同様のバイオメトリクス認証方式として例えば眼球の奥の虹彩、顔の作り、筆圧等による認証を行うようにしてもよい。またそれ以外にも、ユーザが個人で所有する非接触カードとその読取装置により認証を行うことも可能である。
【0085】
また上記ホームサーバ100を、GUI(Graphical User Interface)情報を配信することができる装置として適用し、上記再生装置を、当該GUI情報を受信して画像を描画できる装置として適用することも可能である。例えば、ホームサーバ100がゲーム機器として機能して、上記コンテンツとしてゲーム画面のGUI情報を配信する。そして各再生装置は当該GUI情報を基にゲームを実行することができる装置であり、上記リモコンがゲームのコントローラである場合には、当該コントローラに中断ボタン及び再開ボタンを設けることにより、上記再生装置200において実行していたゲームを中断して上記再生装置300において再開するようなことが可能となる。このようなGUI情報以外にもコンテンツとしては、再生の中断及び再開が可能なものであればどのようなものであっても構わない。
【0086】
上述の実施形態においては家庭内のネットワークにおいてコンテンツをやり取りしていたが、例えばインターネット等の広域ネットワークに適用することも勿論可能である。例えばユーザが自宅のテレビで視聴していたコンテンツの再生を中断して、外出先でPDAや携帯電話のような携帯端末を用いて再生を再開するようなことも可能である。この場合、上記PDAや携帯電話に指紋読取装置としても機能する中断ボタン及び再開ボタンを設けておけばよい。
【0087】
上述の実施形態においては各再生装置を操作するためにリモコンを用いていたが、リモコンを用いることなく再生装置自体に上記中断ボタン及び再開ボタンを設けるようにしても構わない。
【0088】
更に、本発明を、以下に示すようなネットワークシステムに適用することも可能である。
【0089】
まず、当該ネットワークシステムについて説明する。図7は、当該ネットワークシステムの一例を示し、ネットワーク9を介して複数の情報処理装置1、2、3、4が接続されたものである。情報処理装置1、2、3、4は、例えば各種のAV機器やポータブル機器、上述の実施形態におけるホームサーバや再生装置等である。
【0090】
情報処理装置1について示すと、情報処理装置1は、コンピュータ機能部として情報処理コントローラ11を備える。情報処理コントローラ11は、メインプロセッサ21−1、サブプロセッサ23−1,23−2,23−3、DMAC(ダイレクトメモリアクセスコントローラ)25−1及びDC(ディスクコントローラ)27−1を有する。
【0091】
メインプロセッサ21−1は、サブプロセッサ23−1,23−2,23−3によるプログラム実行(データ処理)のスケジュール管理と、情報処理コントローラ11(情報処理装置1)の全般的な管理とを行う。ただし、メインプロセッサ21−1内で管理のためのプログラム以外のプログラムが動作するように構成することもできる。その場合には、メインプロセッサ21−1はサブプロセッサとしても機能することになる。メインプロセッサ21−1は、LS(ローカルストレージ)22−1を有する。
【0092】
サブプロセッサは、1つでもよいが、望ましくは複数とする。本例は、複数の場合である。各サブプロセッサ23−1,23−2,23−3は、メインプロセッサ21−1の制御によって並列的かつ独立にプログラムを実行し、データを処理する。更に、場合によってメインプロセッサ21−1内のプログラムがサブプロセッサ23−1,23−2,23−3内のプログラムと連携して動作するように構成することもできる。後述する機能プログラムもメインプロセッサ21−1内で動作するプログラムである。各サブプロセッサ23−1,23−2,23−3も、LS(ローカルストレージ)24−1,24−2,24−3を有する。
【0093】
DMAC25−1は、情報処理コントローラ11に接続されたDRAM(ダイナミックRAM)などからなるメインメモリ26−1に格納されているプログラム及びデータにアクセスするものであり、DC27−1は、情報処理コントローラ11に接続された外部記録部28−1,28−2にアクセスするものである。
【0094】
外部記録部28−1,28−2は、固定ディスク(ハードディスク)でも、リムーバブルディスクでもよく、また、MO,CD±RW,DVD±RWなどの光ディスク、メモリディスク、SRAM(スタティックRAM)、ROMなど、各種のものを用いることができる。したがって、DC27−1は、ディスクコントローラと称するが、外部記録部コントローラである。図7の例のように、情報処理コントローラ11に対して外部記録部28を複数接続できるように、情報処理コントローラ11を構成することができる。
【0095】
メインプロセッサ21−1、各サブプロセッサ23−1,23−2,23−3、DMAC25−1及びDC27−1は、バス29−1によって接続される。
【0096】
情報処理コントローラ11には、当該の情報処理コントローラ11を備える情報処理装置1を、ネットワーク全体を通して一意的に識別できる識別子が、情報処理装置IDとして割り当てられる。
【0097】
メインプロセッサ21−1及び各サブプロセッサ23−1,23−2,23−3に対しても同様に、それぞれを特定できる識別子が、メインプロセッサID及びサブプロセッサIDとして割り当てられる。
【0098】
情報処理コントローラ11は、ワンチップIC(集積回路)として構成することが望ましい。他の情報処理装置2、3、4も、上記と同様に構成される。ここで、図7において親番号が同一であるユニットは枝番号が異なっていても、特に断りがない限り同じ働きをするものとする。また、以下の説明において枝番号が省略されている場合には、枝番号の違いにいる差異を生じないものとする。
【0099】
上述したように、1つの情報処理コントローラ内の各サブプロセッサ23は、独立にプログラムを実行し、データを処理するが、異なるサブプロセッサがメインメモリ26内の同一領域に対して同時に読み出しまたは書き込みを行った場合には、データの不整合を生じ得る。そこで、サブプロセッサ23からメインメモリ26へのアクセスは、以下のような手順によって行う。
【0100】
図8(A)に示すように、メインメモリ26は、複数のアドレスを指定できるメモリロケーションによって構成される。各メモリロケーションに対しては、データの状態を示す情報を格納するための追加セグメントが割り振られる。追加セグメントは、F/Eビット、サブプロセッサID及びLSアドレス(ローカルストレージアドレス)を含むものとされる。また、各メモリロケーションには、後述のアクセスキーも割り振られる。F/Eビットは、以下のように定義される。
【0101】
F/Eビット=0は、サブプロセッサ23によって読み出されている処理中のデータ、または空き状態であるため最新データではない無効データであり、読み出し不可であることを示す。また、F/Eビット=0は、当該メモリロケーションにデータ書き込み可能であることを示し、書き込み後に1に設定される。
【0102】
F/Eビット=1は、当該メモリロケーションのデータがサブプロセッサ23によって読み出されておらず、未処理の最新データであることを示す。当該メモリロケーションのデータは読み出し可能であり、サブプロセッサ23によって読み出された後に0に設定される。また、F/Eビット=1は、当該メモリロケーションがデータ書き込み不可であることを示す。
【0103】
更に、上記F/Eビット=0(読み出し不可/書き込み可)の状態において、当該メモリロケーションについて読み出し予約を設定することは可能である。F/Eビット=0のメモリロケーションに対して読み出し予約を行う場合には、サブプロセッサ23は、読み出し予約を行うメモリロケーションの追加セグメントに、読み出し予約情報として当該サブプロセッサ23のサブプロセッサID及びLSアドレスを書き込む。
【0104】
その後、データ書き込み側のサブプロセッサ23によって、読み出し予約されたメモリロケーションにデータが書き込まれ、F/Eビット=1(読み出し可/書き込み不可)に設定されたとき、予め読み出し予約情報として追加セグメントに書き込まれたサブプロセッサID及びLSアドレスに読み出される。
【0105】
複数のサブプロセッサによってデータを多段階に処理する必要がある場合、このように各メモリロケーションのデータの読み出し/書き込みを制御することによって、前段階の処理を行うサブプロセッサ23が、処理済みのデータをメインメモリ26上の所定のアドレスに書き込んだ後に即座に、後段階の処理を行う別のサブプロセッサ23が前処理後のデータを読み出すことが可能となる。
【0106】
図8(B)に示すように、各サブプロセッサ23内のLS24も、複数のアドレスを指定できるメモリロケーションによって構成される。各メモリロケーションに対しては、同様に追加セグメントが割り振られる。追加セグメントは、ビジービットを含むものとされる。
【0107】
サブプロセッサ23がメインメモリ26内のデータを自身のLS24のメモリロケーションに読み出すときには、対応するビジービットを1に設定して予約する。ビジービットが1であるメモリロケーションには、他のデータは格納することができない。LS24のメモリロケーションに読み出し後、ビジービットは0になり、任意の目的に使用できるようになる。
【0108】
図8(A)に示すように、さらに、各情報処理コントローラと接続されたメインメモリ26には、複数のサンドボックスが含まれる。サンドボックスは、メインメモリ26内の領域を画定するものであり、各サンドボックスは、各サブプロセッサ23に割り当てられ、そのサブプロセッサが排他的に使用することができる。すなわち、各々のサブプロセッサ23は、自身に割り当てられたサンドボックスを使用できるが、この領域を超えてデータのアクセスを行うことはできない。メインメモリ26は、複数のメモリロケーションから構成されるが、サンドボックスは、これらのメモリロケーションの集合である。
【0109】
更に、メインメモリ26の排他的な制御を実現するために、図8(C)に示すようなキー管理テーブルが用いられる。キー管理テーブルは、情報処理コントローラ内のSRAM等の比較的高速のメモリに格納され、DMAC25と関連付けられる。キー管理テーブル内の各エントリには、サブプロセッサID、サブプロセッサキー及びキーマスクが含まれる。
【0110】
サブプロセッサ23がメインメモリ26を使用する際のプロセスは、以下の通りである。まず、サブプロセッサ23はDMAC25に、読み出しまたは書き込みのコマンドを出力する。このコマンドには、自身のサブプロセッサIDと、使用要求先であるメインメモリ26のアドレスが含まれる。
【0111】
DMAC25は、このコマンドを実行する前に、キー管理テーブルを参照して、使用要求元のサブプロセッサのサブプロセッサキーを調べる。次に、DMAC25は、調べた使用要求元のサブプロセッサキーと、使用要求先であるメインメモリ26内の図8(A)に示したメモリロケーションに割り振られたアクセスキーとを比較して、2つのキーが一致した場合にのみ、上記のコマンドを実行する。
【0112】
図8(C)に示したキー管理テーブル上のキーマスクは、その任意のビットが1になることによって、そのキーマスクに関連付けられたサブプロセッサキーの対応するビットが0または1になることができる。例えば、サブプロセッサキーが1010であるとする。通常、このサブプロセッサキーによって1010のアクセスキーを持つサンドボックスへのアクセスだけが可能になる。しかし、このサブプロセッサキーと関連付けられたキーマスクが0001に設定されている場合には、キーマスクのビットが1に設定された桁のみにつき、サブプロセッサキーとアクセスキーとの一致判定がマスクされ、このサブプロセッサキー1010によってアクセスキーが1010または1011のいずれかであるアクセスキーを持つサンドボックスへのアクセスが可能となる。
【0113】
以上のようにして、メインメモリ26のサンドボックスの排他性が実現される。すなわち、1つの情報処理コントローラ内の複数のサブプロセッサによってデータを多段階に処理する必要がある場合、以上のように構成することによって、前段階の処理を行うサブプロセッサと、後段階の処理を行うサブプロセッサのみが、メインメモリ26の所定アドレスにアクセスできるようになり、データを保護することができる。
【0114】
例えば、以下のように使用することが考えられる。まず、情報処理装置の起動直後においては、キーマスクの値は全てゼロである。メインプロセッサ内のプログラムが実行され、サブプロセッサ内のプログラムと連携動作するものとする。第1のサブプロセッサにより出力された処理結果データを一旦メインメモリに格納し、第2のサブプロセッサに入力したいときには、該当するメインメモリ領域は、当然どちらのサブプロセッサからもアクセス可能である必要がある。そのような場合に、メインプロセッサ内のプログラムは、キーマスクの値を適切に変更し、複数のサブプロセッサからアクセスできるメインメモリ領域を設けることにより、サブプロセッサによる多段階的な処理を可能にする。
【0115】
より具体的には、他の情報処理装置からのデータ→第1のサブプロセッサによる処理→第1のメインメモリ領域→第2のサブプロセッサによる処理→第2のメインメモリ領域、という手順で多段階処理が行われるときには、
第1のサブプロセッサのサブプロセッサキー:0100、
第1のメインメモリ領域のアクセスキー :0100、
第2のサブプロセッサのサブプロセッサキー:0101、
第2のメインメモリ領域のアクセスキー :0101
というような設定のままだと、第2のサブプロセッサは第1のメインメモリ領域にアクセスすることができない。そこで、第2のサブプロセッサのキーマスクを0001にすることにより、第2のサブプロセッサによる第1のメインメモリ領域へのアクセスを可能にすることができる。
【0116】
図7のネットワークシステムでは、情報処理装置1、2、3、4間での分散処理のために、情報処理装置1、2、3、4間でソフトウェアセルが伝送される。すなわち、ある情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21は、コマンド、プログラム及びデータを含むソフトウェアセルを生成し、ネットワーク9を介して他の情報処理装置に送信することによって、処理を分散することができる。
【0117】
図9に、ソフトウェアセルの構成の一例を示す。この例のソフトウェアセルは、全体として、送信元ID、送信先ID、応答先ID、セルインターフェース、DMAコマンド、プログラム及びデータによって構成される。
【0118】
送信元IDには、ソフトウェアセルの送信元である情報処理装置のネットワークアドレス及び当該情報処理装置の情報処理装置ID、更に、その情報処理装置内の情報処理コントローラが備えるメインプロセッサ21及び各サブプロセッサ23の識別子(メインプロセッサID及びサブプロセッサID)が含まれる。
【0119】
送信先ID及び応答先IDには、それぞれ、ソフトウェアセルの送信先である情報処理装置、及びソフトウェアセルの実行結果の応答先である情報処理装置についての、同じ情報が含まれる。
【0120】
セルインターフェースは、ソフトウェアセルの利用に必要な情報であり、グローバルID、必要なサブプロセッサの情報、サンドボックスサイズ及び前回のソフトウェアセルIDから構成される。
【0121】
グローバルIDは、ネットワーク全体を通して当該ソフトウェアセルを一意的に識別できるものであり、送信元ID及びソフトウェアセルの作成または送信の日時(日付及び時刻)に基づいて作成される。
【0122】
必要なサブプロセッサの情報は、当該ソフトウェアセルの実行に必要なサブプロセッサの数を設定する。サンドボックスサイズは、当該ソフトウェアセルの実行に必要なメインメモリ26内及びサブプロセッサ23のLS24内のメモリ量を設定する。前回のソフトウェアセルIDは、ストリーミングデータなどのシーケンシャルな実行を要求する1グループのソフトウェアセル内の、前回のソフトウェアセルの識別子である。
【0123】
ソフトウェアセルの実行セクションは、DMAコマンド、プログラム及びデータから構成される。DMAコマンドには、プログラムの起動に必要な一連のDMAコマンドが含まれ、プログラムには、サブプロセッサ23によって実行されるサブプロセッサプログラムが含まれる。ここでのデータは、このサブプロセッサプログラムを含むプログラムによって処理されるデータである。
【0124】
更に、DMAコマンドには、ロードコマンド、キックコマンド、機能プログラム実行コマンド、ステータス要求コマンド、及びステータス返信コマンドが含まれる。
【0125】
ロードコマンドは、メインメモリ26内の情報をサブプロセッサ23内のLS24にロードするコマンドであり、ロードコマンド自体のほかに、メインメモリアドレス、サブプロセッサID及びLSアドレスを含む。メインメモリアドレスは、情報のロード元であるメインメモリ26内の所定領域のアドレスを示す。サブプロセッサID及びLSアドレスは、情報のロード先であるサブプロセッサ23の識別子及びLS24のアドレスを示す。
【0126】
キックコマンドは、プログラムの実行を開始するコマンドであり、キックコマンド自体のほかに、サブプロセッサID及びプログラムカウンタを含む。サブプロセッサIDは、キック対象のサブプロセッサ23を識別し、プログラムカウンタは、プログラム実行用プログラムカウンタのためのアドレスを与える。
【0127】
機能プログラム実行コマンドは、後述のように、ある情報処理装置が他の情報処理装置に対して、機能プログラムの実行を要求するコマンドである。機能プログラム実行コマンドを受信した情報処理装置内の情報処理コントローラは、後述の機能プログラムIDによって、起動すべき機能プログラムを識別する。
【0128】
ステータス要求コマンドは、送信先IDで示される情報処理装置の現在の動作状態(状況)に関する装置情報を、応答先IDで示される情報処理装置宛に送信要求するコマンドである。機能プログラムについては後述するが、図12に示す情報処理コントローラのメインメモリ26が記憶するソフトウェアの構成図において機能プログラムにカテゴライズされるプログラムである。機能プログラムは、メインメモリ26にロードされ、メインプロセッサ21により実行される。
【0129】
ステータス返信コマンドは、上記のステータス要求コマンドを受信した情報処理装置が、自身の装置情報を当該ステータス要求コマンドに含まれる応答先IDで示される情報処理装置に応答するコマンドである。ステータス返信コマンドは、実行セクションのデータ領域に装置情報を格納する。
【0130】
図10に、DMAコマンドがステータス返信コマンドである場合におけるソフトウェアセルのデータ領域の構造を示す。
【0131】
情報処理装置IDは、情報処理コントローラを備える情報処理装置を識別するための識別子であり、ステータス返信コマンドを送信する情報処理装置のIDを示す。情報処理装置IDは、電源投入時、その情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21によって、電源投入時の日時、情報処理装置のネットワークアドレス及び情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるサブプロセッサ23の数などに基づいて生成される。
【0132】
情報処理装置種別IDには、当該情報処理装置の特徴を表す値が含まれる。情報処理装置の特徴とは、例えば、オーディオプレーヤや、上述の実施形態における再生装置等である。また、情報処理装置種別IDは、音声情報再生、動画再生等の機能を表すものであってもよい。情報処理装置の特徴や機能を表す値は予め決定されているものとし、情報処理装置種別IDを読み出すことにより、当該情報処理装置の特徴や機能を把握することが可能である。
【0133】
MS(マスター/スレーブ)ステータスは、後述のように情報処理装置がマスター装置またはスレーブ装置のいずれで動作しているかを表すもので、これが0に設定されている場合にはマスター装置として動作していることを示し、1に設定されている場合にはスレーブ装置として動作していることを示す。
【0134】
メインプロセッサ動作周波数は、情報処理コントローラ内のメインプロセッサ21の動作周波数を表す。メインプロセッサ使用率は、メインプロセッサ21で現在動作している全てのプログラムについての、メインプロセッサ21での使用率を表す。メインプロセッサ使用率は、対象メインプロセッサの全処理能力に対する使用中の処理能力の比率を表した値で、例えばプロセッサ処理能力評価のための単位であるMIPSを単位として算出され、または単位時間あたりのプロセッサ使用時間に基づいて算出される。後述のサブプロセッサ使用率についても同様である。
【0135】
サブプロセッサ数は、当該の情報処理コントローラが備えるサブプロセッサ23の数を表す。サブプロセッサIDは、当該の情報処理コントローラ内の各サブプロセッサ23を識別するための識別子である。
【0136】
サブプロセッサステータスは、各サブプロセッサ23の状態を表すものであり、unused,reserved,busyなどの状態がある。unusedは、当該のサブプロセッサが現在使用されてなく、使用の予約もされていないことを示す。reservedは、現在は使用されていないが、予約されている状態を示す。busyは、現在使用中であることを示す。
【0137】
サブプロセッサ使用率は、当該のサブプロセッサで現在実行している、または当該のサブプロセッサに実行が予約されているプログラムについての、当該サブプロセッサでの使用率を表す。すなわち、サブプロセッサ使用率は、サブプロセッサステータスがbusyである場合には、現在の使用率を示し、サブプロセッサステータスがreservedである場合には、後に使用される予定の推定使用率を示す。
【0138】
サブプロセッサID、サブプロセッサステータス及びサブプロセッサ使用率は、1つのサブプロセッサ23に対して一組設定され、1つの情報処理コントローラ内のサブプロセッサ23に対応する組数が設定される。
【0139】
メインメモリ総容量及びメインメモリ使用量は、それぞれ、当該の情報処理コントローラに接続されているメインメモリ26の総容量及び現在使用中の容量を表す。
【0140】
外部記録部数は、当該の情報処理コントローラに接続されている外部記録部28の数を表す。外部記録部IDは、当該の情報処理コントローラに接続されている外部記録部28を一意的に識別する情報である。外部記録部種別IDは、当該の外部記録部の種類(例えば、ハードディスク、CD±RW、DVD±RW、メモリディスク、SRAM、ROMなど)を表す。
【0141】
外部記録部総容量及び外部記録部使用量は、それぞれ、外部記録部IDによって識別される外部記録部28の総容量及び現在使用中の容量を表す。
【0142】
外部記録部ID、外部記録部種別ID、外部記録部総容量及び外部記録部使用量は、1つの外部記録部28に対して一組設定されるものであり、当該の情報処理コントローラに接続されている外部記録部28の数の組数だけ設定される。すなわち、1つの情報処理コントローラに複数の外部記録部が接続されている場合、各々の外部記録部には異なる外部記録部IDが割り当てられ、外部記録部種別ID、外部記録部総容量及び外部記録部使用量も別々に管理される。
【0143】
ある情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21は、以上のような構成のソフトウェアセルを生成し、ネットワーク9を介して他の情報処理装置及び当該装置内の情報処理コントローラに送信する。送信元の情報処理装置、送信先の情報処理装置、応答先の情報処理装置、及び各装置内の情報処理コントローラは、それぞれ、上記の送信元ID、送信先ID及び応答先IDによって識別される。
【0144】
ソフトウェアセルを受信した情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21は、そのソフトウェアセルをメインメモリ26に格納する。さらに、送信先のメインプロセッサ21は、ソフトウェアセルを読み出し、それに含まれるDMAコマンドを処理する。具体的には、送信先のメインプロセッサ21は、まず、ロードコマンドを実行する。これによって、ロードコマンドで指示されたメインメモリアドレスから、ロードコマンドに含まれるサブプロセッサID及びLSアドレスで特定されるサブプロセッサ内のLS24の所定領域に、情報がロードされる。ここでロードされる情報は、受信したソフトウェアセルに含まれるサブプロセッサプログラムまたはデータ、あるいはその他の指示されたデータである。
【0145】
次に、メインプロセッサ21は、キックコマンドを、これに含まれるサブプロセッサIDで指示されたサブプロセッサに、同様にキックコマンドに含まれるプログラムカウンタと共に出力する。指示されたサブプロセッサは、そのキックコマンド及びプログラムカウンタに従って、サブプロセッサプログラムを実行する。そして、実行結果をメインメモリ26に格納した後、実行を完了したことをメインプロセッサ21に通知する。
【0146】
なお、送信先の情報処理装置内の情報処理コントローラにおいてソフトウェアセルを実行するプロセッサはサブプロセッサ23に限定されるものではなく、メインプロセッサ21がソフトウェアセルに含まれる機能プログラムなどのメインメモリ用プログラムを実行するように指定することも可能である。
【0147】
この場合には、送信元の情報処理装置は、送信先の情報処理装置宛に、サブプロセッサプログラムの代わりに、メインメモリ用プログラム及びそのメインメモリ用プログラムによって処理されるデータを含み、DMAコマンドがロードコマンドであるソフトウェアセルを送信し、メインメモリ26にメインメモリ用プログラム及びそれによって処理されるデータを記憶させる。次に、送信元の情報処理装置は、送信先の情報処理装置宛に、送信先の情報処理装置内の情報処理コントローラについてのメインプロセッサID、メインメモリアドレス、メインメモリ用プログラムを識別するための後述の機能プログラムIDなどの識別子、及びプログラムカウンタを含み、DMAコマンドがキックコマンドまたは機能プログラム実行コマンドであるソフトウェアセルを送信して、メインプロセッサ21に当該メインメモリ用プログラムを実行させる。
【0148】
以上のように、この発明のネットワークシステムでは、送信元の情報処理装置は、サブプロセッサプログラムまたはメインメモリ用プログラムをソフトウェアセルによって送信先の情報処理装置に送信するとともに、当該サブプロセッサプログラムを送信先の情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるサブプロセッサ23にロードさせ、当該サブプロセッサプログラムまたは当該メインメモリ用プログラムを送信先の情報処理装置に実行させることができる。
【0149】
送信先の情報処理装置内の情報処理コントローラでは、受信したソフトウェアセルに含まれるプログラムがサブプロセッサプログラムである場合には、当該サブプロセッサプログラムを指定されたサブプロセッサにロードさせる。そして、ソフトウェアセルに含まれるサブプロセッサプログラムまたはメインメモリ用プログラムを実行させる。したがって、ユーザが送信先の情報処理装置を操作しなくても自動的に、当該サブプロセッサプログラムまたは当該メインメモリ用プログラムを送信先の情報処理装置内の情報処理コントローラに実行させることができる。
【0150】
このようにして情報処理装置は、自装置内の情報処理コントローラがサブプロセッサプログラムまたは機能プログラムなどのメインメモリ用プログラムを有していない場合には、ネットワークに接続された他の情報処理装置からそれらを取得することができる。更に、各サブプロセッサ間ではDMA方式によりデータ転送を行い、また上述したサンドボックスを使用することによって、1つの情報処理コントローラ内でデータを多段階に処理する必要がある場合でも、高速かつ高セキュリティに処理を実行することができる。
【0151】
ソフトウェアセルの使用による分散処理の結果、図11の上段に示すようにネットワーク9に接続されている複数の情報処理装置1、2、3、4は、図11の下段に示すように、仮想的な1台の情報処理装置7として動作する。ただし、そのためには、以下のような構成によって、以下のような処理が実行される必要がある。
【0152】
図12に、個々の情報処理コントローラのメインメモリ26が記憶するソフトウェアの構成を示す。これらのソフトウェア(プログラム)は、情報処理装置に電源が投入される前においては、当該の情報処理コントローラに接続される外部記録部28に記録されているものである。各プログラムは、機能または特徴によって、制御プログラム、機能プログラム及びデバイスドライバにカテゴライズされる。
【0153】
制御プログラムは、各情報処理コントローラが同じものを備え、各情報処理コントローラのメインプロセッサ21が実行するもので、後述のMS(マスター/スレーブ)マネージャ及び能力交換プログラムを含む。
【0154】
機能プログラムは、メインプロセッサ21が実行するもので、記録用、再生用、素材検索用など、情報処理コントローラごとに情報処理装置に応じたものが備えられる。
【0155】
デバイスドライバは、情報処理コントローラ(情報処理装置)の入出力(送受信)用で、放送受信、モニタ出力、ビットストリーム入出力、ネットワーク入出力など、情報処理コントローラ毎に情報処理装置に応じたものが備えられる。
【0156】
情報処理装置が物理的にネットワーク9に接続された状態で、情報処理装置に主電源が投入され、情報処理装置が電気的・機能的にもネットワーク9に接続されると、その情報処理装置の情報処理コントローラのメインプロセッサ21は、制御プログラムに属する各プログラム、及びデバイスドライバに属する各プログラムを、メインメモリ26にロードする。
【0157】
ロード手順としては、メインプロセッサ21は、まず、DC27に読み出し命令を実行させることによって、外部記録部28からプログラムを読み出し、次に、DMAC25に書き込み命令を実行させることによって、そのプログラムをメインメモリ26に書き込む。
【0158】
機能プログラムに属する各プログラムについては、必要なときに必要なプログラムだけをロードするように構成してもよく、または、他のカテゴリに属するプログラムと同様に、主電源投入直後に各プログラムをロードするように構成してもよい。
【0159】
ここで、機能プログラムに属する各プログラムは、ネットワークに接続された全ての情報処理装置の外部記録部28に記録されている必要はなく、いずれか1つの情報処理装置の外部記録部28に記録されていれば、前述の方法によって他の情報処理装置からロードすることができるので、結果的に図11の下段に示すように、仮想的な1台の情報処理装置7として機能プログラムを実行することができる。
【0160】
また、前述したようにメインプロセッサ21によって処理される機能プログラムは、サブプロセッサ23によって処理されるサブプロセッサプログラムと連携動作する場合がある。そこでメインプロセッサ21が外部記録部28から機能プログラムを読み出し、メインメモリ26に書き込む際に対象となる機能プログラムと連携動作するサブプロセッサプログラムが存在する場合には、当該サブプロセッサプログラムも併せて同じメインメモリ26に書き込むものとする。この場合、連携動作するサブプロセッサプログラムは1個である場合もあるし、複数個であることもあり得る。複数個である場合には、全ての連携動作するサブプロセッサプログラムをメインメモリ26に書き込むことになる。メインメモリ26に書き込まれたサブプロセッサプログラムはその後、サブプロセッサ23内のLS24に書き込まれ、メインプロセッサ21によって処理される機能プログラムと連携動作する。
【0161】
図9のソフトウェアセルに示したように、機能プログラムには、プログラムごとにプログラムを一意的に識別できる識別子が、機能プログラムIDとして割り当てられる。機能プログラムIDは、機能プログラムの作成の段階で、作成日時や情報処理装置IDなどから決定される。
【0162】
そしてサブプロセッサプログラムにもサブプロセッサプログラムIDが割り当てられ、これによりサブプロセッサプログラムを一意的に識別可能である。割り当てられるサブプロセッサプログラムIDは、連携動作する相手となる機能プログラムの機能プログラムIDと関連性のある識別子、例えば機能プログラムIDを親番号とした上で最後尾に枝番号を付加させたもの等であることもあり得るし、連携動作する相手となる機能プログラムの機能プログラムIDとは関連性のない識別子であってもよい。いずれにしても機能プログラムとサブプロセッサプログラムが連携動作する場合には、両者とも相手の識別子であるプログラムIDを自プログラム内に互いに記憶しておく必要がある。機能プログラムが複数個のサブプロセッサプログラムと連携動作する場合にも、当該機能プログラムは複数個ある全てのサブプロセッサプログラムのサブプロセッサプログラムIDを記憶しておくことになる。
【0163】
メインプロセッサ21は、自身が動作する情報処理装置の装置情報(動作状態に関する情報)を格納するための領域をメインメモリ26に確保し、当該情報を自装置の装置情報テーブルとして記録する。ここでの装置情報は、図10に示した情報処理装置ID以下の各情報である。
【0164】
上述したネットワークシステムでは、ある情報処理装置への主電源投入時、その情報処理装置の情報処理コントローラのメインプロセッサ21は、マスター/スレーブマネージャ(以下、MSマネージャ)をメインメモリ26にロードし、実行する。
【0165】
MSマネージャは、自身が動作する情報処理装置がネットワーク9に接続されていることを検知すると、同じネットワーク9に接続されている他の情報処理装置の存在を確認する。ここでの「接続」または「存在」は、上述したように、情報処理装置が物理的にネットワーク9に接続されているだけでなく、電気的・機能的にもネットワーク9に接続されていることを示す。また、自身が動作する情報処理装置を自装置、他の情報処理装置を他装置と称する。当該装置も、当該情報処理装置を示すものとする。
【0166】
MSマネージャが同じネットワーク9に接続されている他の情報処理装置の存在を確認する方法を以下に示す。
【0167】
MSマネージャは、DMAコマンドがステータス要求コマンドであり、送信元ID及び応答先IDが当該情報処理装置で、送信先IDを特定しないソフトウェアセルを生成して、当該情報処理装置が接続されたネットワーク上に送信して、ネットワーク接続確認用のタイマーを設定する。タイマーのタイムアウト時間は、例えば10分とされる。
【0168】
当該ネットワークシステム上に他の情報処理装置が接続されている場合、その他装置は、上記ステータス要求コマンドのソフトウェアセルを受信し、上記応答先IDで特定されるステータス要求コマンドを発行した情報処理装置に対して、DMAコマンドがステータス返信コマンドであり、かつデータとして自身(その他装置)の装置情報を含むソフトウェアセルを送信する。このステータス返信コマンドのソフトウェアセルには、少なくとも当該他装置を特定する情報(情報処理装置ID、メインプロセッサに関する情報、サブプロセッサに関する情報など)及び当該他装置のMSステータスが含まれる。
【0169】
ステータス要求コマンドを発行した情報処理装置のMSマネージャは、上記ネットワーク接続確認用のタイマーがタイムアウトするまで、当該ネットワーク上の他装置から送信されるステータス返信コマンドのソフトウェアセルの受信を監視する。その結果、MSステータス=0(マスター装置)を示すステータス返信コマンドが受信された場合には、自装置の装置情報テーブルにおけるMSステータスを1に設定する。これによって、当該装置は、スレーブ装置となる。
【0170】
一方、上記ネットワーク接続確認用のタイマーがタイムアウトするまでの間にステータス返信コマンドが全く受信されなかった場合、またはMSステータス=0(マスター装置)を示すステータス返信コマンドが受信されなかった場合には、自装置の装置情報テーブルにおけるMSステータスを0に設定する。これによって、当該装置は、マスター装置となる。
【0171】
すなわち、いずれの装置もネットワーク9に接続されていない状態、またはネットワーク9上にマスター装置が存在しない状態において、新たな情報処理装置がネットワーク9に接続されると、当該装置は自動的にマスター装置として設定される。一方、ネットワーク9上に既にマスター装置が存在する状態において、新たな情報処理装置がネットワーク9に接続されると、当該装置は自動的にスレーブ装置として設定される。
【0172】
マスター装置及びスレーブ装置のいずれについても、MSマネージャは、定期的にステータス要求コマンドをネットワーク9上の他装置に送信してステータス情報を照会することにより、他装置の状況を監視する。その結果、ネットワーク9に接続されている情報処理装置の主電源が遮断され、またはネットワーク9から情報処理装置が切り離されることにより、予め判定用に設定された所定期間内に特定の他装置からステータス返信コマンドが返信されなかった場合や、ネットワーク9に新たな情報処理装置が接続された場合など、ネットワーク9の接続状態に変化があった場合には、その情報を後述の能力交換プログラムに通知する。
【0173】
メインプロセッサ21は、MSマネージャから、ネットワーク9上の他装置の照会及び自装置のMSステータスの設定完了の通知を受けると、能力交換プログラムを実行する。
【0174】
能力交換プログラムは、自装置がマスター装置である場合には、ネットワーク9に接続されている全ての他装置の装置情報、すなわち各スレーブ装置の装置情報を取得する。他装置の装置情報の取得は、上述したように、DMAコマンドがステータス要求コマンドであるソフトウェアセルを生成して他装置に送信し、その後、DMAコマンドがステータス返信コマンドで、かつデータとして他装置の装置情報を含むソフトウェアセルを他装置から受信することによって可能である。
【0175】
能力交換プログラムは、マスター装置である自装置の装置情報テーブルと同様に、ネットワーク9に接続されている全ての他装置(各スレーブ装置)の装置情報を格納するための領域を自装置のメインメモリ26に確保し、これら情報を他装置(スレーブ装置)の装置情報テーブルとして記録する。すなわち、マスター装置のメインメモリ26には、自装置を含むネットワーク9に接続されている全ての情報処理装置の装置情報が、装置情報テーブルとして記録される。
【0176】
一方、自装置がスレーブ装置である場合には、能力交換プログラムは、ネットワーク9に接続されている全ての他装置の装置情報、すなわちマスター装置及び自装置以外の各スレーブ装置の装置情報を取得し、これら装置情報に含まれる情報処理装置ID及びMSステータスを、自装置のメインメモリ26に記録する。すなわち、スレーブ装置のメインメモリ26には、自装置の装置情報が、装置情報テーブルとして記録されるとともに、自装置以外のネットワーク9に接続されているマスター装置及び各スレーブ装置についての情報処理装置ID及びMSステータスが、別の装置情報テーブルとして記録される。
【0177】
また、マスター装置及びスレーブ装置のいずれについても、能力交換プログラムは、上記のようにMSマネージャから、新たにネットワーク9に情報処理装置が接続されたことが通知されたときには、その情報処理装置の装置情報を取得し、上述したようにメインメモリ26に記録する。
【0178】
なお、MSマネージャ及び能力交換プログラムは、メインプロセッサ21で実行されることに限らず、いずれかのサブプロセッサ23で実行されてもよい。また、MSマネージャ及び能力交換プログラムは、情報処理装置の主電源が投入されている間は常時動作する常駐プログラムであることが望ましい。
【0179】
マスター装置及びスレーブ装置のいずれについても、能力交換プログラムは、上記のようにMSマネージャから、ネットワーク9に接続されている情報処理装置の主電源が遮断され、またはネットワーク9から情報処理装置が切り離されたことが通知されたときには、その情報処理装置の装置情報テーブルを自装置のメインメモリ26から削除する。
【0180】
更に、このようにネットワーク9から切断された情報処理装置がマスター装置である場合には、以下のような方法によって、新たにマスター装置が決定される。
【0181】
具体的には、例えば、ネットワーク9から切断されていない情報処理装置は、それぞれ、自装置及び他装置の情報処理装置IDを数値に置き換えて、自装置の情報処理装置IDを他装置の情報処理装置IDと比較し、自装置の情報処理装置IDがネットワーク9から切断されていない情報処理装置中で最小である場合、そのスレーブ装置は、マスター装置に移行して、MSステータスを0に設定し、マスター装置として、上述したように、ネットワーク9に接続されている全ての他装置(各スレーブ装置)の装置情報を取得して、メインメモリ26に記録する。
【0182】
図11の下段に示したようにネットワーク9に接続されている複数の情報処理装置1、2、3、4を仮想的な1台の情報処理装置7として動作させるためには、マスター装置がユーザの操作及びスレーブ装置の動作状態を把握する必要がある。
【0183】
図13に、4台の情報処理装置が仮想的な1台の情報処理装置7として動作する様子を示す。情報処理装置1がマスター装置、情報処理装置2、3、4がスレーブ装置A、B、Cとして、動作しているものとする。
【0184】
ユーザがネットワーク9に接続されている情報処理装置を操作した場合、操作対象がマスター装置1であれば、その操作情報は、マスター装置1において直接把握され、操作対象がスレーブ装置であれば、その操作情報は、操作されたスレーブ装置からマスター装置1に送信される。すなわち、ユーザの操作対象がマスター装置1とスレーブ装置のいずれであるかにかかわらず、その操作情報は常にマスター装置1において把握される。操作情報の送信は、例えば、DMAコマンドが操作情報送信コマンドであるソフトウェアセルによって行われる。
【0185】
そして、マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、その操作情報に従って、実行する機能プログラムを選択する。その際、必要であれば、マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、上記の方法によって自装置の外部記録部28−1、28−2からメインメモリ26−1に機能プログラムをロードするが、他の情報処理装置(スレーブ装置)がマスター装置1に機能プログラムを送信してもよい。
【0186】
機能プログラムには、その実行単位毎に必要となる、図10に示した各情報として表される情報処理装置種別ID、メインプロセッサまたはサブプロセッサの処理能力、メインメモリ使用量、外部記録部に関する条件等の、装置に関する要求スペックが規定されている。
【0187】
マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、各機能プログラムについて必要となる上記要求スペックを読み出す。また、予め能力交換プログラムによってメインメモリ26−1に記録された装置情報テーブルを参照し、各情報処理装置の装置情報を読み出す。ここでの装置情報は、図10に示した情報処理装置ID以下の各情報を示し、メインプロセッサ、サブプロセッサ、メインメモリ及び外部記録部に関する情報である。
【0188】
マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、ネットワーク9上に接続された各情報処理装置の上記装置情報と、機能プログラム実行に必要となる上記要求スペックとを順次比較する。
【0189】
そして、例えば、機能プログラムが録画機能を必要とする場合には、情報処理装置種別IDに基づいて、録画機能を有する情報処理装置のみを特定して抽出する。更に、機能プログラムを実行するために必要なメインプロセッサまたはサブプロセッサの処理能力、メインメモリ使用量、外部記録部に関する条件を確保できるスレーブ装置を、実行要求候補装置として特定する。ここで、複数の実行要求候補装置が特定された場合には、当該候補装置から1つの実行要求候補装置を特定して選択する。
【0190】
実行要求するスレーブ装置が特定されたら、マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、その特定されたスレーブ装置について、自装置内の情報処理コントローラ11に含まれるメインメモリ26−1に記録されている当該スレーブ装置の装置情報テーブルを更新する。
【0191】
更に、マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、DMAコマンドが機能プログラム実行コマンドであるソフトウェアセルを生成し、当該ソフトウェアセルのセルインターフェースに、機能プログラムに関する必要なサブプロセッサの情報及びサンドボックスサイズ(図9参照)を設定して、上記実行要求されるスレーブ装置に対して送信する。
【0192】
機能プログラムの実行を要求されたスレーブ装置は、その機能プログラムを実行するとともに、自装置の装置情報テーブルを更新する。その際、必要であれば、スレーブ装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21は、上記の方法によって自装置の外部記録部28からメインメモリ26に機能プログラムおよび当該機能プログラムと連携動作するサブプロセッサプログラムをロードする。
【0193】
機能プログラムの実行を要求されたスレーブ装置の外部記録部28に、必要な機能プログラムまたは当該機能プログラムと連携動作するサブプロセッサプログラムが記録されていない場合には、他の情報処理装置が当該機能プログラムまたはサブプロセッサプログラムを、その機能プログラム実行要求先スレーブ装置に送信するように、システムを構成すればよい。
【0194】
サブプロセッサプログラムについては、前述のロードコマンドおよびキックコマンドを利用して他の情報処理装置に実行させることもできる。
【0195】
機能プログラムの実行終了後、機能プログラムを実行したスレーブ装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21は、終了通知をマスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1に送信するとともに、自装置の装置情報テーブルを更新する。マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、その終了通知を受信して、機能プログラムを実行したスレーブ装置の装置情報テーブルを更新する。
【0196】
マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、自装置及び他装置の装置情報テーブルの参照結果から、当該の機能プログラムを実行することができる情報処理装置として、自身を選択する場合もあり得る。その場合には、マスター装置1が当該機能プログラムを実行する。
【0197】
図13の例で、ユーザがスレーブ装置A(情報処理装置2)を操作し、当該操作に応じた機能プログラムを別のスレーブ装置B(情報処理装置3)が実行する場合について、図14を用いてその分散処理の例を説明する。
【0198】
図14の例では、ユーザがスレーブ装置Aを操作することによって、スレーブ装置Aを含むネットワークシステム全体の分散処理が開始して、まず、スレーブ装置Aは、ステップ81で、その操作情報をマスター装置1に送信する。
【0199】
マスター装置1は、ステップ72で、その操作情報を受信し、さらにステップ73に進んで、自装置のメインメモリ26−1に記録されている自装置及び他装置の装置情報テーブルから、各情報処理装置の動作状態を調べて、受信した操作情報に応じた機能プログラムを実行することができる情報処理装置を選択する。この例は、スレーブ装置Bが選択される場合である。
【0200】
次に、マスター装置1は、ステップ74で、その選択したスレーブ装置Bに対して機能プログラムの実行を要求する。
【0201】
スレーブ装置Bは、ステップ95で、その実行要求を受信し、さらにステップ96に進んで、実行要求された機能プログラムを実行する。
【0202】
以上のように、ユーザは、1台の情報処理装置のみを操作することによって、他の情報処理装置を操作することなく、複数の情報処理装置1、2、3、4を仮想的な1台の情報処理装置7として動作させることができる。
【0203】
次に、以上説明したネットワークシステムを、本発明に適用した場合の実施の形態について説明する。図15は、本実施形態におけるコンテンツ再生システムの構成を示した図である。同図においては、上述の図7における情報処理装置1にホームサーバ100を、情報処理装置2に上述の再生装置200を、情報処理装置3に上述の再生装置300を、情報処理装置4に上述のリモコン212を、情報処理装置5にリモコン312を適用し、また情報処理装置6として携帯電話機51、情報処理装置7として携帯電話機52が存在する。上述の実施形態の場合と同様、各再生装置及びそのリモコンの数はいくつであっても構わない。携帯電話機はそれを所有するユーザ毎に存在する。
【0204】
なお、携帯電話機51はユーザAが、また携帯電話機52はユーザBが所有するものであり、また各携帯電話機には予め当該携帯電話機の所有者であるユーザA及びユーザBの指紋データがそれぞれ登録されてある。そして、ホームサーバ100は、各再生装置から受信した指紋データと当該登録された指紋データによる認証を行うことにより、各携帯電話機との通信路(例えばインターネット)を確立することができる。
【0205】
上述の実施形態においては、ホームサーバ100はコンテンツ配信プログラム504により各再生装置へコンテンツを配信するとともに、認証プログラム505により指紋データ及び中断位置データを対応付けて記憶し、また指紋データによりユーザの再開権限を認証していたが、本実施形態においては、当該認証プログラム505に相当する機能を各携帯電話機が有している。
【0206】
すなわち、ホームサーバ100は、コンテンツの再生が中断された際、再生装置から中断位置データ及び指紋データを受信すると、各携帯電話機に対して当該指紋データを用いて認証を行い、認証を通った(合致する指紋データが登録されてある)携帯電話機に対して上記中断位置データを送信する。携帯電話機は当該中断位置データを保存しておき、ユーザがコンテンツの再生を再開する場合には、ホームサーバ100の要求に応じて中断位置データをホームサーバ100へ送信する。これらの動作の詳細については後述する。
【0207】
また同図において、上述の実施形態と同様の構成となる部分については同一の符号を付して説明を簡略または省略し、異なる点を中心に説明する。なお、上記図7における情報処理装置1のメインメモリ26−1に、上記実施形態の図1におけるRAM103を、外部記憶部26−1及び26−2に、図1におけるROM102及びデータ格納部(HDD)105を適用している。また同様に、上記図7における情報処理装置2のメインメモリ26−2及び外部記憶部28−3に上記実施形態の図1における再生装置200のRAM203及びデータ格納部(HDD)205を適用し、情報処理装置3のメインメモリ26−3及び外部記憶部28−5に再生装置300のRAM303、データ記憶部(HDD)306を適用している。
【0208】
上記サーバ100、再生装置200及び300、リモコン212及び312、携帯電話機51及び52は、それぞれ上述のメインプロセッサ、サブプロセッサを含む情報処理コントローラを有し、上記DMAコマンド等によりソフトウェアセルを実行したり、上記コンテンツ、指紋データ及び中断位置データ等の各種データをやり取りしたりすることが可能である。よって、各機器には、それぞれを識別するための上記情報処理装置IDが付与されている。
【0209】
次に、本実施形態において上記各機器が有するソフトウェア構成について説明する。図16〜図19は、各リモコン(212、312、・・・)、各再生装置(200、300、・・・)、ホームサーバ100及び各携帯電話機(51、52、・・・)が有するソフトウェア構成をそれぞれ示した図である。各ソフトウェアのうち、上述のMSマネージャ及び能力交換プログラム等の制御プログラムは各機器が共通して有しており、上述の図12において説明した場合と同様の機能を実行することが可能である。
【0210】
図16に示すように、各リモコンは、機能プログラムとして、各ユーザの指紋を読み取るための指紋読取プログラムを有し、デバイスドライバとして指紋情報入力及び赤外線出力に必要な各ドライバを有している。
【0211】
図17に示すように、各再生装置は、機能プログラムとして、動画等のコンテンツを受信するためのコンテンツ受信プログラム、画像として読み取った指紋情報をコード化するための指紋情報コード化プログラム、またコンテンツの再生を中断した場合の中断位置情報をコード化するための中断位置コード化プログラムを有し、デバイスドライバとしてネットワーク入出力に必要なドライバを有している。
【0212】
図18に示すように、ホームサーバ100は、ホームサーバ100は、機能プログラムとして、動画等のコンテンツを配信するためのコンテンツ配信プログラム、上記図17において各再生装置が有するものと同様の指紋情報コード化プログラム及び中断位置コード化プログラムを有し、デバイスドライバとしてネットワーク入出力に必要なドライバを有している。
【0213】
図19に示すように、各携帯電話機は、機能プログラムとして、各ユーザの指紋データを認証するための認証プログラム、ホームサーバ100から受信した中断位置データを保存するためのデータ保存プログラム、保存した中断位置データを検索するためのデータ検索プログラムを有し、デバイスドライバとしてネットワーク入出力に必要なドライバを有している。上記中断位置データとしては、上述の実施形態と同様、中断されたコンテンツを識別するためのコンテンツ名及び当該コンテンツの中断位置を示すタイムスタンプデータが含まれる。
【0214】
各機器は、以上の各機能プログラムを、ソフトウェアセルを用いてやり取りすることにより、仮想的な一台の情報処理装置として機能することが可能である。
【0215】
次に、以上のように構成されたシステムにおいて、コンテンツの再生が中断され、また再開される際の動作について説明する。以下の説明において、指紋データ及び中断位置データ等のデータのやり取りは、上述のソフトウェアセルにより実行されるものとする。
【0216】
図20は、再生中のコンテンツの再生が中断される際の各機器の動作の流れを示したシーケンス図である。同図においては、例えば家庭内の共有スペースに存在する再生装置200及びリモコン212をユーザAが操作してコンテンツを再生及び中断するものとし、ユーザAは携帯電話51を所有するものとする。この場合ホームサーバ100がマスター装置、再生装置200、リモコン212及び携帯電話51がそれぞれスレーブ装置として機能する。
【0217】
ユーザAがリモコン212の中断ボタン401を押下することによりコンテンツの再生が中断され、中断位置データ及び指紋データがホームサーバへ送信されるまでの動作については上述の実施形態における図5と同様であるため(ステップ601〜608)、その部分については説明を省略し、その後の動作から説明する。
【0218】
ホームサーバ100は、再生装置200から中断位置データ及び指紋データを受信すると(ステップ802)、当該受信した指紋データにより携帯電話機を認証する(ステップ803)。すなわち、受信した指紋データをブロードキャストして、受信した指紋データと合致する指紋データを予め登録してある携帯電話機を検索する。
【0219】
上記認証に通った携帯電話機があった場合には(ステップ804のYES)、当該携帯電話機と通信路を確立する。通信可能な携帯電話機が無い場合には、見つかるまで検索を繰り返す(ステップ804のNO)。同図においては、ユーザAが上記中断ボタンを押下しており、ユーザAが所有する携帯電話機51にはユーザAの指紋データが予め登録されているため、当該携帯電話機51が検索され、接続される。そして、ホームサーバ100は、上記受信した中断位置データを携帯電話機51へ送信する(ステップ805)。
【0220】
携帯電話機51は、中断位置データを受信し(ステップ806)、データベースに保存する(ステップ807)。図示しないが、当該データベースは、中断されたコンテンツを識別するコンテンツ名と、中断された位置を示すタイムスタンプデータからなる。
【0221】
なお、再生装置300やその他の再生装置が再生を中断する際の動作も上記と同様である。また、ユーザBがコンテンツの再生を中断する場合には、上記中断位置データはユーザB所有の携帯電話52に保存される。
【0222】
図21は、上記再生が中断されたコンテンツの再生が再開される際の各機器の動作の流れを示したシーケンス図である。同図においては、例えばユーザAの個室に存在する再生装置300及びリモコン312をユーザAが操作して、コンテンツの再生を再開するものとする。また、この場合ホームサーバ100がマスター装置、再生装置300、リモコン312及び携帯電話51がスレーブ装置として機能する。
【0223】
ユーザAがリモコン312の再開ボタンを押下して、再生装置300からホームサーバ100へ指紋データが送信されるまでの動作については上述の実施形態における図6と同様であるため(ステップ701〜705)、その部分については説明を省略し、その後の動作から説明する。
【0224】
ホームサーバ100は、再生装置300から指紋データを受信すると(ステップ902)、上記図20のステップ803と同様、受信した指紋データにより通信可能な携帯電話機を認証する(ステップ903)。通信可能な携帯電話機(この場合には携帯電話機51)が見つかった場合には、当該携帯電話機51が有するデータベースを参照して、ホームサーバ100が有するコンテンツと一致するコンテンツ名を検索する(ステップ905)。通信可能な携帯電話機が見つからなかった場合には、接続が確立されなかった旨を再生装置300へ通知し(ステップ906)、再生装置300においてはその旨が表示部へ表示される(ステップ907、908)。
【0225】
一致するコンテンツ名がある場合には(ステップ909のYES)、携帯電話機51は、当該コンテンツ名に関連付けられたタイムスタンプデータを検索し、両データを中断位置データとしてホームサーバ100へ送信する(ステップ910)。ホームサーバ100は、当該中断位置データを受信すると(ステップ912)、当該中断位置データ及びそれに対応するコンテンツを再生装置300へ送信する(ステップ913)。再生装置300は、当該コンテンツ及び中断位置データを受信すると(ステップ916)、当該データを基にコンテンツの再生を再開する(ステップ917)。なお、指紋データに一致するコンテンツが複数存在する場合や、同一のコンテンツに対応する中断位置データが複数存在する場合には、当該コンテンツまたは中断位置のリストを再生装置300の表示部に表示させ、再生すべきコンテンツまたは中断位置をユーザに選択させる。
【0226】
また、携帯電話機51は、一致するコンテンツ名が無かった場合には(ステップ909のNO)、その旨をホームサーバ100へ通知し(ステップ911)、当該通知を受信したホームサーバ100は(ステップ914)、指紋データに対応するコンテンツが無かった旨を再生装置300へ送信し(ステップ915)、再生装置300においてその旨が表示部に表示される(ステップ918、919)。
【0227】
なお、再生装置200やその他の再生装置において再生が再開される場合の動作も上記と同様である。また、ユーザBが中断したコンテンツの再生を再開する場合には、携帯電話機52に保存された中断位置データがホームサーバ100へ引き出される。
【0228】
以上の動作により、ユーザ専用の携帯電話機を用いることにより、各機器が仮想的な一台の情報処理装置として機能し、コンテンツの再生を中断して当該中断したユーザのみに対して当該コンテンツの再生を再開させることが可能となる。
【0229】
なお、本実施形態において、通常はホームサーバ100がコンテンツの中断位置データ及び指紋データを関連付けて記憶するようにしておき、例えばホームサーバ100の処理がビジーの場合には、ホームサーバ100の代わりに上記認証を通った携帯電話機が中断位置データを記憶するようにしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0230】
【図1】本発明の一の形態におけるコンテンツ再生システムの構成を示した図である。
【図2】リモコン212の外観を示した図である。
【図3】ホームサーバ100のデータ格納部105に格納されるプログラム及びデータを示した図である。
【図4】中断位置データ502と指紋データ503を管理するためのデータベースを示した図である。
【図5】再生中のコンテンツの再生が中断される際の各機器の動作の流れを示したシーケンス図である。
【図6】中断されたコンテンツの再生が再開される際の各機器の動作の流れを示したシーケンス図である。
【図7】本発明の他の実施形態において前提となるシステムの構成を示した図である。
【図8】情報処理装置が備える情報処理コントローラの説明に供する図である。
【図9】ソフトウェアセルの一例を示す図である。
【図10】DMAコマンドがステータス返信コマンドである場合のソフトウェアセルのデータ領域を示す図である。
【図11】複数の情報処理装置が仮想的な1台の情報処理装置として動作する様子を示す図である。
【図12】情報処理コントローラのソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図13】4台の情報処理装置が仮想的な1台の情報処理装置として動作する様子を示す図である。
【図14】図13のシステムにおける分散処理の例を示す図である。
【図15】本発明の他の実施形態におけるコンテンツ再生システムの具体的構成を示す図である。
【図16】本発明の他の実施形態において各リモコンが有するソフトウェアの構成を示した図である。
【図17】本発明の他の実施形態において各再生装置が有するソフトウェアの構成を示した図である。
【図18】本発明の他の実施形態においてホームサーバが有するソフトウェアの構成を示した図である。
【図19】本発明の他の実施形態において各携帯電話機が有するソフトウェアの構成を示した図である。
【図20】本発明の他の実施形態において再生中のコンテンツの再生が中断される際の各機器の動作の流れを示したシーケンス図である。
【図21】本発明の他の実施形態において中断されたコンテンツの再生が再開される際の各機器の動作の流れを示したシーケンス図である。
【符号の説明】
【0231】
100…ホームサーバ
105…データ格納部
200、300…再生装置
212、312…リモコン
401…中断ボタン
402…再開ボタン
501…コンテンツデータ
502…中断位置データ
503…指紋データ
504…コンテンツ配信プログラム
505…認証プログラム
51、52…携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより操作される再生装置とネットワークを介して接続されたサーバ装置において、
前記再生装置へコンテンツを送信する第1の送信手段と、
前記再生装置において前記ユーザの操作により再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報と、当該コンテンツの再生を中断した前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報とを前記再生装置から受信する第1の受信手段と、
前記受信された中断位置情報と前記ユーザ識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記再生装置から前記ユーザ識別情報を再度受信する第2の受信手段と、
前記記憶されたユーザ識別情報と前記再度受信されたユーザ識別情報との比較により、前記ユーザが前記コンテンツの再生を再開させるための再生再開権限を認証する認証手段と、
前記ユーザの再生再開権限が認証された場合に、前記再生装置へ前記コンテンツを前記中断位置情報とともに送信する第2の送信手段と
を具備することを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバ装置において、
前記再生装置は複数存在し、
前記第1の受信手段は、前記ユーザが第1の再生装置において前記コンテンツの再生を中断した場合に、当該第1の再生装置から前記中断位置情報及びユーザ識別情報を受信し、
前記第2の受信手段は、前記コンテンツの再生を中断した前記ユーザが、前記再生を中断されたコンテンツの再生を第2の再生装置において再開する場合に、当該第2の再生装置から前記ユーザ識別情報を受信し、
前記第2の送信手段は、前記コンテンツ及び中断位置情報を前記第2の再生装置へ送信することを特徴とするサーバ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のサーバ装置において、
前記ユーザ識別情報は、前記ユーザにより前記再生装置に入力された、前記ユーザの身体的特徴に関する情報であり、
前記認証手段は、バイオメトリクス認証方式により前記再生再開権限を認証することを特徴とするサーバ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のサーバ装置において、
前記ユーザ識別情報は前記ユーザの指紋情報であることを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
サーバ装置とネットワークを介して接続され、ユーザにより操作される再生装置において、
前記サーバ装置からコンテンツを受信する第1の受信手段と、
前記受信されたコンテンツを再生する再生手段と、
前記ユーザの操作により、前記再生されたコンテンツの再生を中断するとともに、当該ユーザから当該ユーザを識別するためのユーザ識別情報を入力する中断手段と、
前記再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報及び前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信する第1の送信手段と、
前記コンテンツの再生を中断したユーザから、前記コンテンツの再生再開命令及び前記ユーザ識別情報を入力する入力手段と、
前記再生再開命令に基づき、前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信する第2の送信手段と、
前記サーバ装置から、前記再生が中断されたコンテンツを前記中断位置情報とともに受信する第2の受信手段と、
前記受信されたコンテンツ及び中断位置情報を基に、前記再生が中断されたコンテンツの再生を再開する再開手段と
を具備することを特徴とする再生装置。
【請求項6】
請求項5に記載の再生装置であって、
前記ユーザ識別情報は、前記ユーザの身体的特徴に関する情報であることを特徴とする再生装置。
【請求項7】
請求項6に記載の再生装置であって、
前記ユーザ識別情報は前記ユーザの指紋情報であり、
前記中断手段は、前記コンテンツの再生を中断すると同時に前記ユーザの指紋情報を入力する中断ボタンを有し、
前記入力手段は、前記ユーザの再生再開命令と同時に前記ユーザの指紋情報を入力する再開ボタンを有することを特徴とする再生装置。
【請求項8】
サーバ装置とユーザにより操作される第1の再生装置及び第2の再生装置が通信を行うことによりコンテンツを再生するシステムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記第1の再生装置へコンテンツを送信する手段と、
前記第1の再生装置において前記ユーザの操作により再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報と、当該コンテンツの再生を中断した前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報とを前記第1の再生装置から受信する手段と、
前記受信された中断位置情報と前記ユーザ識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記第2の再生装置から前記ユーザ識別情報を受信する手段と、
前記記憶されたユーザ識別情報と前記再度受信されたユーザ識別情報との比較により、前記ユーザが前記コンテンツの再生を再開させるための再生再開権限を認証する手段と、
前記ユーザの再生再開権限が認証された場合に、前記第2の再生装置へ前記コンテンツを前記中断位置情報とともに送信する手段とを有し、
前記第1の再生装置は、
前記サーバ装置からコンテンツを受信する手段と、
前記受信されたコンテンツを再生する手段と、
前記ユーザの操作により、前記再生されたコンテンツの再生を中断するとともに、当該ユーザから前記ユーザ識別情報を入力する手段と、
前記再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報及び前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信する手段とを有し、
前記第2の再生装置は、
前記コンテンツの再生を中断したユーザから、前記コンテンツの再生再開命令及び前記ユーザ識別情報を入力する手段と、
前記再生再開命令に基づき、前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信する手段と、
前記サーバ装置から、前記再生が中断されたコンテンツを前記中断位置情報とともに受信する手段と、
前記受信されたコンテンツ及び中断位置情報を基に、前記再生が中断されたコンテンツの再生を再開する手段とを有することを特徴とするコンテンツ再生システム。
【請求項9】
ユーザにより操作される再生装置へネットワークを介してコンテンツを送信する方法であって、
前記再生装置へコンテンツを送信するステップと、
前記再生装置において前記ユーザの操作により再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報と、当該コンテンツの再生を中断した前記ユーザを識別するユーザ識別情報とを前記再生装置から受信するステップと、
前記受信された中断位置情報と前記ユーザ識別情報とを対応付けて記憶するステップと、
前記再生装置から前記ユーザ識別情報を再度受信するステップと、
前記記憶されたユーザ識別情報と前記再度受信されたユーザ識別情報との比較により、前記ユーザが前記コンテンツの再生を再開させるための再生再開権限を認証するステップと、
前記ユーザの再生再開権限が認証された場合に、前記再生装置へ前記コンテンツを前記中断位置情報とともに送信するステップと
を具備することを特徴とするコンテンツ送信方法。
【請求項10】
ユーザにより操作される再生装置が、当該再生装置とネットワークを介して接続されたサーバ装置から送信されるコンテンツを再生する方法であって、
前記サーバ装置からコンテンツを受信するステップと、
前記受信されたコンテンツを再生するステップと、
前記ユーザの操作により、前記再生されたコンテンツの再生を中断するとともに、当該ユーザから当該ユーザを識別するためのユーザ識別情報を入力するステップと、
前記再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報及び前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信するステップと、
前記コンテンツの再生を中断したユーザから、前記コンテンツの再生再開命令及び前記ユーザ識別情報を入力するステップと、
前記再生再開命令に基づき、前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信するステップと、
前記サーバ装置から、前記再生が中断されたコンテンツを前記中断位置情報とともに受信するステップと、
前記受信されたコンテンツ及び中断位置情報を基に、前記再生が中断されたコンテンツの再生を再開するステップと
を具備することを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項11】
ユーザにより操作される再生装置とネットワークを介して接続されたサーバ装置に、
前記再生装置へコンテンツを送信するステップと、
前記再生装置において前記ユーザの操作により再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報と、当該コンテンツの再生を中断した前記ユーザを識別するユーザ識別情報とを前記再生装置から受信するステップと、
前記受信された中断位置情報と前記ユーザ識別情報とを対応付けて記憶するステップと、
前記再生装置から前記ユーザ識別情報を再度受信するステップと、
前記記憶されたユーザ識別情報と前記再度受信されたユーザ識別情報との比較により、前記ユーザが前記コンテンツの再生を再開させるための再生再開権限を認証するステップと、
前記ユーザの再生再開権限が認証された場合に、前記再生装置へ前記コンテンツを前記中断位置情報とともに送信するステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項12】
サーバ装置とネットワークを介して接続され、ユーザにより操作される再生装置に、
前記サーバ装置からコンテンツを受信するステップと、
前記受信されたコンテンツを再生するステップと、
前記ユーザの操作により、前記再生されたコンテンツの再生を中断するとともに、当該ユーザから当該ユーザを識別するためのユーザ識別情報を入力するステップと、
前記再生が中断されたコンテンツの中断位置を示す中断位置情報及び前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信するステップと、
前記コンテンツの再生を中断したユーザから、前記コンテンツの再生再開命令及び前記ユーザ識別情報を入力するステップと、
前記再生再開命令に基づき、前記ユーザ識別情報を前記サーバ装置へ送信するステップと、
前記サーバ装置から、前記再生が中断されたコンテンツを前記中断位置情報とともに受信するステップと、
前記受信されたコンテンツ及び中断位置情報を基に、前記再生が中断されたコンテンツの再生を再開するステップと
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−5759(P2006−5759A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181465(P2004−181465)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】