説明

シクロデキストリンで溶解したアダパレンを含む組成物

本発明は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体を用いて水性媒体に溶解させたアダパレンを含む組成物、その調製方法、および、化粧品および皮膚科学におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性媒体中のアダパレン(6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸)およびシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体を含む化粧品または医薬用途の組成物であって、前記アダパレンが、好ましくは、シクロデキストリンまたは誘導体との複合体の形態で溶解している組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アダパレンは、特に水に不溶である化合物であり、一般的に、ゲルまたはクリームタイプ(0.1% DIFFERINE(登録商標)ゲルおよび0.1% DIFFERINE(登録商標)クリーム)の組成物中で分散させる。本発明は、対照的に、アダパレンを水性媒体に溶解する手法を開示しており、この手法により、アダパレンを、特に、組成物の総重量に対して0.1重量%の含量で、または0.3重量%の含量で溶解することができる。
【0003】
従来技術(米国特許4371673号明細書)においては、シクロデキストリンまたはその誘導体を使用して複合体を形成することによって、水性媒体中でレチノイン酸の可溶性を増大することが提案されている。
尋常性座瘡に罹患した患者を用いたAnadolu et al.による本対象の最近の研究(「Improved efficacy and tolerability of retinoic acid in acne vulgaris: a new topical formulation with cyclodextrin complex」, European Academy of Dermatology and Venereology JEADV (2004) 18, 416-421)では、名称RETINO FORTE(登録商標) ゲル0.05% w/wで販売されているリファレンス製品と比較した、β-シクロデキストリンと複合体を形成させたレチノイン酸を用いたより有効な座瘡の治療を報告している。
欧州特許第0586395号明細書には、レチノイン酸およびヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンに基づく水性ゲルが開示されている。
国際公開公報第2004/084883号パンフレットには、経口投与のための医薬組成物を調製するための、シクロデキストリンとイソトレチノインとの複合体の使用が開示されている。
【0004】
アダパレンは、座瘡治療について、トレチノインと同様に有効な薬剤であると認識されているが、トレチノインよりも少ない副作用しかもたらさないという利点を有する薬剤であるとも認識されている。このことにより、アダパレンは、製品の選択となりえる。
【特許文献1】米国特許4371673号明細書
【特許文献2】欧州特許第0586395号明細書
【特許文献3】国際公開公報第2004/084883号パンフレット
【非特許文献1】「Improved efficacy and tolerability of retinoic acid in acne vulgaris: a new topical formulation with cyclodextrin complex」, European Academy of Dermatology and Venereology JEADV (2004) 18, 416-421
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ、その調合物が安定であり、十分な耐性を有し、アダパレンの皮膚への浸透を最適化するような、アダパレンを含む局所的医薬組成物を調製する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願人は、驚くべきことに、本明細書に開示する調合物により、アダパレンを可溶化させることができ、室温での耐性および化学的安定性に対して良好な結果が得られるとともに、皮膚への改善された浸透を有することを実証した。それゆえ、必要に応じて、本発明により、投与する活性成分の量を減少させることができる。
【0007】
以下の実施例に開示する調合物により、シクロデキストリンを使用して溶解したアダパレンが、化学的観点から長時間安定であることを示す。
さらにその上、複合体の形態で水性媒体中に溶解したアダパレンは、非常に良好な皮膚耐性を有しながら、活性成分の皮膚の浸透を改善する。
【0008】
本出願人は、また、本発明による組成物を製造する方法、従って、水性媒体中でアダパレンを溶解する方法を開発した。
【0009】
それ故、本発明は、生理学的に許容可能な水性媒体中に、
a) アダパレン;および
b) 1つまたは複数のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体
を含む組成物に関する。
本発明による組成物は、均一な溶液の形態である。用語「均一な溶液」とは、結晶形態のアダパレンを含まない溶液を意味すると理解される。
【0010】
本発明による組成物は、活性成分として、アダパレン単独(6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸)またはその前駆体および/もしくは誘導体の1つ、あるいは、他の活性剤と会合したまたは組み合わせたアダパレンまたはその前駆体および/もしくは誘導体を含む。
【0011】
用語「アダパレン誘導体」は、特に、そのエステルおよび塩、例えば、医薬的に許容可能な塩基(特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化アンモニウムまたはリジン、アルギニンもしくはN-メチルグルカミンなどの有機塩基)を用いて形成させた塩を意味すると理解される。
用語「アダパレン塩」は、また、ジオクチルアミンおよびステアリルアミンなどの脂肪アミンを用いて形成させた塩を意味すると理解される。
さらにその上、アダパレンと会合させてまたは組み合わせて使用することができる活性剤は、ドキシサイクリンまたはクリンダマイシンなどの抗生物質とすることができる。アダパレンは、また、過酸化ベンゾイルと会合または組み合わせることができる。
【0012】
本発明においては、アダパレンまたはその前駆体および/もしくは誘導体の1つは、水性媒体の溶液中に存在する。
【0013】
好ましくは、本発明による組成物は、生理学的に許容可能な水性媒体中に、
a) アダパレン;および
b) 1つまたは複数のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体
を含み、前記化合物a)は、1つまたは複数のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体との複合体の形態で溶解している。
【0014】
用語「生理学的に許容可能な水性媒体」とは、皮膚、粘膜および/または当業者によく知られた付属物と適合する媒体を意味すると理解される。
【0015】
本発明で使用されるシクロデキストリンは、文献で知られているものである。
シクロデキストリン(CD)は、中央に親油性のキャビティを有し、外側に親水性の表面を有する、(α-1,4)α-D-グルコピラノース単位から構成される環状オリゴサッカリドである(Fromming KH, Szejtli J:「Cyclodextrins in pharmacy」, Kluwer Academic Publishers, Dortrecht, 1994)。
シクロデキストリンは、外側に親水性部分を有し、内側に疎水性部分を有する「籠(ケージ)」型の構造を形成することによって、分子の可溶性を増大することが知られている。シクロデキストリンは、それ故、キャビティの内側に分子全体を(または、より一般的には分子の親油性部分を)受け入れることによって、多くの薬剤との包接複合体を形成することができる。
【0016】
最も豊富な天然のシクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリンおよびγ-シクロデキストリンである。α-シクロデキストリン(Schardingerのα-デキストリン、シクロマルトヘキサオース、シクロヘキサグルカン、シクロヘキサアミロース、α-CD、ACD、C6Aという名称でも知られている)は、6つのグルコピラノース単位を含む。β-シクロデキストリン(Schardingerのβ-デキストリン、シクロマルトヘプタオース、シクロヘプタグルカン、シクロヘプタアミロース、β-CD、BCD、C7Aという名称でも知られている)は、7つのグルコピラノース単位を含み、γ-シクロデキストリン(Schardingerのγ-デキストリン、シクロマルトオクタオース、シクロオクタグルカン、シクロオクタアミロース、γ-CD、GCD、C8Aという名称でも知られている)は、8つのグルコピラノース単位を含む。
これらの3つのタイプのCDの中で、β-シクロデキストリンが、キャビティの大きさ、利用可能性、特性および低いコストにより、複合体形成薬剤として最も有用であると思われる。
【0017】
Dr. J. Szejtli(「Cyclodextrins」, in Encyclopedia of Supramolecular Chemistry, Eds. Marcel Dekker, 2004)によれば、シクロデキストリンは有用であるが、ある種の医薬製品にはシクロデキストリンの適用が制限されるという限定的な要因をも有する。更にその上、全ての製品が、シクロデキストリンと複合体を形成するのに適しているわけではない。多くの製品は、複合体を形成することができず、あるいは、複合体形成によって、いかなる基本的な有用性をも提供しない。無機化合物は、一般的に、シクロデキストリンとの複合体形成に適しない。
【0018】
シクロデキストリン誘導体は、また、本発明に使用される。シクロデキストリンにおいては、それぞれのグルコピラノース単位は、機能および反応性が異なる3つの遊離の水酸基を有する。
用語「シクロデキストリン誘導体」は、全てのまたは幾つかの水酸基が水酸基または水素原子の置換によって改変されたシクロデキストリンを意味すると理解される。
【0019】
エステル、エーテル、無水、デオキシ、酸性、塩基性等の誘導体は、当業者によく知られた化学的または酵素学的反応によって調製することができる。例えば、β-CDにおいては、21個の水酸基は、水素原子または水酸基を様々な基(例えば、アルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アミノ、チオ、トシル、グルコシル、マルトシル等の基)を用いて置換することによって改変することができる。
好ましい誘導体としては、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンの誘導体、特には、シクロデキストリンのメチル誘導体および2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPCD);2-ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン;2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリンおよび2-ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリンを挙げることができる。具体的には、Roquetteにより名称KLEPTOSE HPB(登録商標)で特に販売されているHPCDを挙げることができる。
【0020】
表現「シクロデキストリンとの複合体の形態のアダパレン」については、活性なアダパレン分子が、構造がどうであれ、全体的にまたは部分的に、「籠」構造内部に含まれていることは理解すべきである。
【0021】
一般的に、本発明によるシクロデキストリンとの包接複合体は、当業者によく知られた一般的な方法で調製される。複合体の形成は、pHの適切な調整、または、メタノールもしくはエタノールのような有機溶媒などの溶媒の使用によって容易に行うことができる。
【0022】
本発明によって得られる複合体においては、アダパレンとシクロデキストリンとの比率は、1/1から1/1000の間であり、この比率は、好ましくは、1/1から1/20の間である。
【0023】
本願明細書の全体においては、特に言及しない限り、濃度範囲が与えられている場合、それらは範囲の上限値および下限値を含むと理解される。
【0024】
本発明の1つの実施態様によれば、組成物は、1から60%(w/w)のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体を含み、0.01から1%(w/w)のアダパレンを含む。
本発明による組成物は、優先的には、3から40%(w/w)のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体を含み、0.05から0.5%(w/w)のアダパレンを含む。更により好ましくは、3から15%(w/w)、優先的には5から15%(w/w)のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体を含み、0.1から0.3%(w/w)のアダパレンを含む。優先的には、組成物は、0.1%(w/w)のアダパレンを含む。代替的には、組成物は、優先的に、0.3%(w/w)のアダパレンを含む。
【0025】
組成物は、塩基性化剤を含んでもよい。用語「塩基性化剤」とは、組成物のpHを増大することができる剤を意味すると理解される。具体的には、組成物は、0から1%の1つまたは複数の塩基性化剤を含むことができる。好ましくは、組成物は、0.02から0.5%の1つまたは複数の塩基性化剤を含む。
塩基性化剤としては、無機水酸化物、無機酸化物および無機弱酸の塩を含む無機塩基を挙げることができる。例としては、水酸化ナトリウムを挙げることができる。他の塩基性化剤としては、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)などの有機塩基、ならびに、非制限的な例としてトリエタノールアミン、シクロヘキシルアミンまたはピペリジンを含む一級、一置換または二置換アミン、ニトリルおよびイソシアニド、アミド、芳香族および非芳香族アミノヘテロ環を挙げることができる。好ましくは、塩基性化剤として、AMPおよび水酸化ナトリウムを挙げることができる。
【0026】
本発明による組成物は、また、薬理学的に許容可能な媒体中に、1つまたは複数の以下の成分を含むことができる:
a) 1つまたは複数のゲル化剤;
b) 1つまたは複数の界面活性剤;
c) 1つまたは複数の脂肪相;
d) 1つまたは複数の防腐剤;および
e) 1つまたは複数の皮膚軟化剤/保湿剤。
【0027】
用語「薬理学的に許容可能な担体」とは、皮膚、粘膜および/または付加物と適合する媒体を意味すると理解される。
【0028】
ゲル化剤としては、非制限的な例として、一般名称CARBOPOL(登録商標)で販売されているカルボマー、BF Goodrichによって名称ULTREZ 10(登録商標)またはCARBOPOL ETD(登録商標)で販売されている、電解質に不感受性と言われているカルボマー、非制限的な例として、KelcoによってKELTROL T(登録商標)などのキサンタンガム、グアーガム、キトサン、セルロースおよびヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、例えば、Aqualonによって名称NATROSOL HHX 250(登録商標)で販売されている製品を含むポリサッカリド、ならびに、Seppicによって名称SIMULGEL 600(登録商標)で販売されている、イソヘキサデカンおよびポリソルベート80中での40%分散物としてのアクリルアミドナトリウムとアクリルアミノ-2-メチル-プロパンスルホン酸とのコポリマーを挙げることができる。
好ましいゲル化剤としては、特に名称NATROSOL HXX 250(登録商標)で販売されているヒドロキシエチルセルロースを挙げることができる。
【0029】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのイオン性界面活性剤を挙げることができる。例えば、名称TWEEN 80(登録商標)で販売されているpolysorbate 80などの非イオン性界面活性剤も挙げることができる。
【0030】
本発明による脂肪相は、例えば、植物性油、無機油、動物性油または合成油、シリコーン油およびこれらの混合物を含むことができる。
無機油の例としては、Essoによって販売されているPRIMOL 352(登録商標)、MARCOL 82(登録商標)、MARCOL 152(登録商標)などの様々な粘度のパラフィン油を挙げることができる。
植物性油としては、スィートアーモンド油、パーム油、ダイズ油、ゴマ油およびヒマワリ油を挙げることができる。
動物性油としては、ラノリン、スクアレン、魚油およびミンク油を挙げることができる。
【0031】
合成油としては、イソノナン酸セテアリル(例えばCognis Franceによって名称CETIOL SN(登録商標)で販売されている製品)、アジピン酸ジイソプロピル(例えばISFによって名称CERAPHYL 230(登録商標)で販売されている製品)、パルミチン酸イソプロピル(例えばCrodaによって名称CRODAMOL IPP(登録商標))、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(例えばUnivarによって販売されているMIGLYOL 812(登録商標))などのエステルを挙げることができる。
シリコーン油としては、名称Dow Corning 200 Fluid(登録商標)で販売されている製品などのジメチコン、Dow Corningによって名称Dow Corning 244 Fluid(登録商標)で販売されている製品またはSACI-CFPAによって名称MIRASIL CM5(登録商標)で販売されている製品などのシクロメチコンを挙げることができる。
【0032】
天然または合成ワックスなどの固体脂肪物質も使用することができる。この場合、当業者は、これらの固体の存在または非存在に依存して、調製時の加熱温度を調整するであろう。
【0033】
防腐剤の例としては、安息香酸およびその誘導体、ベンジルアルコール、塩化ベンズアルコニウム、安息香酸ナトリウム、ブロノポール、クロロヘキシジン、クロロクレゾールおよびその誘導体、エチルアルコール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノール、ソルビン酸カリウム、ジアゾリジニル尿素、パラベンまたはこれらの混合物を挙げることができる。メチルパラベンおよびフェノキシエタノールが、特に好ましい。
【0034】
保湿剤/皮膚軟化剤の例として、グリセロール、ソルビトールおよびプロピレングリコールを挙げることができる。
【0035】
組成物は、加えて、化粧品または医薬業界で通常使用される添加剤、例えば、保湿剤および/または共溶媒、緩和剤、抗酸化剤、キレート剤、1つまたは複数の湿潤界面活性剤、1つまたは複数の中和剤およびこれらの混合物を含むことができる。
【0036】
当然のことながら、当業者は、本発明による組成物の有利な特性が変化しないか、または実質的には変化しないように、このまたはこれらの適した添加化合物および/またはその質を確かに選択するであろう。
【0037】
これらの添加剤は、組成物の総重量に対して0.001から20重量%の量で組成物中に存在することができる。
【0038】
硝酸ストロンチウム、シアバター、18β-グリチルリチン酸(エノキソロン)およびそのカリウムまたは亜鉛塩、酢酸α-トコフェロール、アラントイン、アロエ、α-ビサボロール、タルクおよびこれらの混合物などの抗刺激剤および/または緩和剤も、調合物に加えることができる。
【0039】
本発明の特定の態様においては、組成物は、
- 0.05から1%のアダパレン;
- 3から40%の1つまたは複数のシクロデキストリンまたは誘導体;
- 0.01から2%の1つまたは複数のゲル化剤;
- 0から1%の1つまたは複数の塩基性化剤;および
- 0.01から2%の1つまたは複数の防腐剤
を含み、好ましい態様においては、組成物は、
- 0.1から0.3%のアダパレン;
- 5から15%の1つまたは複数のシクロデキストリンまたは誘導体;
- 0.1から1.5%の1つまたは複数のゲル化剤;
- 0.02から0.5%の1つまたは複数の塩基性化剤;および
- 0.01から1.5%の1つまたは複数の防腐剤
を含む。
【0040】
有利には、本発明による組成物は、水性形態であり、特に、ゲル、クリーム-ゲル、クリーム、エマルジョン、ローション、スプレーまたはムースの形態である。
【0041】
本発明の他の対象は、医薬として前記した組成物である。
【0042】
本発明の他の対象は、以下の工程:
- i) 活性剤を溶解化させる複合体形成工程:この工程は、均一な溶液を得るために、アダパレン、その前駆体の1つ、またはその誘導体の1つから選択される少なくとも1つの化合物である活性剤と、1つまたは複数のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体の溶液を混合することを含む;
- ii) 調合物ベースを調製する工程:ゲル、クリーム-ゲル、クリーム、エマルジョン、ローション、スプレーまたはムース調合物を得る;
- iii) i)で得られた活性剤溶液を、ii)で調製した調合物ベースへと導入する工程、および、均一な溶液を得る工程
を含む、本発明による組成物を調製する方法である。
【0043】
最初の2つの工程(複合体形成および調合物ベースの調製)は、連続してまたは並行して実施する:それらは、お互いに独立している。一方、第3の工程(活性剤溶液の調合物ベースへの導入)を、最初の2つの工程の終了後に実施する。
【0044】
本発明の特定の態様によれば、組成物を調製する方法は、以下の工程を含む:
(フェーズ1:複合体形成工程)
1) 精製水を用いてシクロデキストリンの溶液を調製する工程;
2) シクロデキストリンが完全に溶け、均一な溶液が得られるまで、溶液を約30分間攪拌する工程;
3) アダパレンまたはその前駆体の1つまたはその誘導体の1つなどの活性剤を、前記の溶液に導入する工程;
4) 活性成分が完全に溶け、均一な溶液が得られるまで、混合物を攪拌する工程。
【0045】
代替的に、塩基性化剤を溶液に導入する場合、工程の最初に導入することができる。この場合、精製水を用いて塩基性化剤の溶液を調製し、その後に、室温で渦が得られるように磁気的に溶液を攪拌することが推奨される。シクロデキストリンの溶液を、その後、この塩基性化剤/精製水溶液へと導入する。前記の方法に続いて、ポイント2)を続ける。
【0046】
(フェーズ2:調合物ベースの調製工程)
選択した調合物ベース(ゲル、クリーム-ゲル、クリーム、ローション、エマルジョン、スプレー、ムース)に依存して、このベースを、当業者に良く知られた一般的な方法に従って調製する。
【0047】
(フェーズ3:フェーズ1および2の混合工程)
1) フェーズ1で得られた溶液を、フェーズ2で得られた調合物ベースへと注ぎ込み、攪拌しながら混合する工程;
2) 攪拌を減少させて、1)で得られた組成物を静置して、均一化する工程;
3) 必要であれば、エバポレーションによる減少を補うために、水を添加する工程;
4) 均一化してパッケージングする工程
【0048】
適した添加物の導入は、その化学的特性に応じて、前記した調製方法の工程の1つの間に実施することができる。
特に、防腐剤の導入は、フェーズ2の終わりに、またはフェーズ3中でさえ、実施することができる。例えば、ゲル調合物を得るための方法においては、防腐剤は、均一化の後のフェーズ2の間に、またはフェーズ1および2の混合後のフェーズ3の間でさえも導入する。
【0049】
本発明は、また、化粧品および皮膚科学における、前記の新規の組成物の使用に関する。
特に、本発明は、細胞分化および増殖が関与する角化異常に関係した皮膚病変を治療および/または予防することを意図した、特に、尋常性座瘡、面皰または多形座瘡、酒さ、ノジュロシスティック座瘡(nodulocystic acne)、集族性座瘡、老年性座瘡、二次座瘡、例えば太陽光線性座瘡、投薬関連座瘡または職業性座瘡を治療することを意図した医薬調製物を製造するための、前記した組成物の使用に関する。
【0050】
本発明による組成物は、優先的には、局所的塗布を介して投与される。
【0051】
本発明は、また、1つまたは複数のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体を用いて、および場合によってはサンスクリーンを用いて水性媒体に溶解したアダパレンを含む組成物を、皮膚および/または付属物に塗布することを特徴とする、皮膚を美化する、および/または、その表面外観を改善する非治療的な美容処理方法に関する。
使用することができるサンスクリーンは、UVAおよび/またはUVB範囲で活性(吸収剤)であり、水溶性または脂溶性または一般的に使用されている化粧品溶媒に不溶である少なくとも1つの有機光保護剤および/または少なくとも1つの無機光保護剤であると理解される。例えば、Chimexによって名称MEXORYL SXで製造されているテレフタリリデンジカンファースルホン酸、およびRhodia Chimieによって名称SILATRIZOLEで販売されているドロメトリゾールトリシロキサンを挙げることができる。
【0052】
本発明による化粧品組成物は、皮膚の不完全性、拡張した毛穴、不均一な皮膚のテクスチャおよび/または赤いシミを治療するために使用する。
【0053】
以下の調合物の例により、本発明による組成物を例示することができるが、本発明の範囲を制限するものではない。本発明による組成物の安定性を例示する実施例も記載する。
【実施例】
【0054】
以下の組成物(実施例1、2および4)においては、様々な成分の量は、組成物の総重量に対する重量パーセントとして表す。実施例は、特に言及している以外は、室温で実施した。
【0055】
(実施例1:塩基性化剤としてAMPを用いたゲルタイプの調合物)
【0056】
【表1】

【0057】
以下の方法に従って、調合物を調製した。
(フェーズ1:複合体形成工程)
1) 2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)の1%溶液を、精製水を用いて調製した。
2) 精製水を、その後に前記で調製したAMPの水性溶液をビーカーへと秤量した。
3) 混合物を、室温で渦が得られるようにマグネティックスターラーを用いて攪拌した。
4) ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを秤量し、前記の溶液へとゆっくり導入した。
5) シクロデキストリンが完全に溶解するまで(約30分間)混合物を攪拌した。
6) アダパレンを秤量し、前記の溶液へと導入した。
7) 活性成分が完全に溶解し、透明な溶液が得られるまで混合物を攪拌した。
(フェーズ2:ゲルの調製)
1) 精製水をベーカーへと秤量し、Rayneriミキサーを用いて200rpmで攪拌し、ホットプレートを用いて85℃に加熱した。
2) メチルパラベンを秤量し、導入した。
3) メチルパラベンが完全に溶解するまで、混合物を攪拌した。
4) ビーカーをホットプレートから外し、50℃になるまで冷却した。
5) ヒドロキシエチルセルロースを秤量し、導入した。
6) 混合物を均一化した。
7) 攪拌速度を、得られるゲルの堅さに調整した(600rpm)。
(フェーズ3:フェーズ1および2の混合)
1) フェーズ1を、フェーズ2へと注ぎ込んだ。
2) 攪拌をゆるめ、均一なゲルが得られるまで混合物を均一化した。
3) フェノキシエタノールを秤量し、導入した。
4) 混合物を均一化した。
5) エバポレーションによる損失を補うために、必要であれば、水を添加した。
6) 混合物を均一化し、パッケージングした。
【0058】
得られたゲルは透明なゲルであった。
【0059】
(実施例2:塩基性化剤として水酸化ナトリウム(NaOH)を用いたゲルタイプの調合物)
【0060】
【表2】

【0061】
調製方法は、AMPを水酸化ナトリウムで置き換えた実施例1で記載した方法と同じである。
【0062】
(実施例3:実施例1のゲル調合物の化学的安定性)
実施例1のゲル調合物の化学的安定性を、室温で(RT)三ヶ月にわたってHPLCで測定した。
【0063】
【表3】

【0064】
結果は、この組成物が、室温で三ヶ月にわたって化学的に安定であることを示している。
【0065】
(実施例4:塩基性化剤としてAMPを用いたエマルジョンタイプの調合物)
【0066】
【表4】

【0067】
以下の方法に従って、調合物を調製した。
(フェーズ1:複合体形成工程)
1) 2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)の1%溶液を、精製水を用いて調製した。
2) 精製水を、その後に前記で調製したAMPの水性溶液をビーカーへと秤量した。
3) 混合物を、室温で渦が得られるようにマグネティックスターラーを用いて攪拌した。
4) ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを秤量し、前記の溶液へとゆっくり導入した。
5) シクロデキストリンが完全に溶解するまで(約30分間)混合物を攪拌した。
6) アダパレンを秤量し、前記の溶液へと導入した。
7) 活性成分が完全に溶解し、透明な溶液が得られるまで混合物を攪拌した。
(フェーズ2:エマルジョンの調製)
脂肪相の調製:
1) ビーカーの風袋を秤量し、脂肪相の賦形剤を秤量した:PEG20セスキステアリン酸メチルグルコース、セスキステアリン酸メチルグルコース、プロピルパラベン、フェノキシエタノールおよびペルヒドロスクアレン。
2) ウォーターバスで、混合物を80℃で溶解した。
3) 全てが溶解したときに、温度を60℃に下げ、シクロメチコン-5を導入した。
水相の調製:
1) ビーカーの風袋を秤量し、水を秤量して攪拌した。
2) EDTA二ナトリウムを秤量し、少量ずつ導入した。
3) ヒドロキシエチルセルロースを秤量し、少量ずつ導入した。
4) ゲル化剤が完全に溶解するまで、加熱せずに混合物を攪拌した。
5) 混合物が均一になった時に、ウォーターバスで水相を60℃に上げた。
防腐相の調製:
1) 小さなビーカーの風袋を秤量し、グリセロールおよびメチルパラベンを秤量した。
2) ビーカーを磁気的に攪拌しながらホットプレート上に置き、グリセロールにメチルパラベンを溶解させた。混合物は、その後、完全に透明になった。
3) この相を、その後、あらかじめ60℃に加温した水相へと導入した。
エマルジョン形成:
1) ホットプレートで、脂肪相を60℃で攪拌した。
2) 水相を、その後、脂肪相へとゆっくり導入した。何ら問題もなく、エマルジョン形成を実施した。
3) 加熱を5分間維持し、その後、ホットプレートを外し、穏やかに攪拌しながら製品をゆっくりと冷却した。
(フェーズ3:フェーズ1および2の混合)
1) フェーズ1を、フェーズ2(エマルジョン)へと注ぎ込んだ。
2) 攪拌をゆるめ、均一なエマルジョンが得られるまで混合物を均一化した。
3) フェノキシエタノールを秤量し、導入した。
4) 混合物を均一化した。
5) エバポレーションによる損失を補うために、必要であれば、水を添加した。
6) 混合物を均一化し、パッケージングした。
【0068】
(実施例5:BALB/cマウスにおける耐性実験)
本研究は、6日間にわたって繰り返した局所的な塗布の後の、BALB/cマウスの耳の皮膚上における、0.1%のアダパレンを含む本発明の組成物の炎症作用を評価することを目的とした。
【0069】
実施例1および2で記載の2つの調合物の毎日の局所的塗布(20μl)を、6日間にわたって一日一回の塗布の割合で、4つの群に分けたBALB/cマウス(約9週齢のメスマウス)の耳の皮膚に実施した。
評価は、Oditestを使用した耳の厚さの測定によって、ならびに、2日目から12日目の、15日目から19日目の、および22日目の動物の臨床的観察によって実施した。
【0070】
結果を、以下の表ならびに図1および2に示す。
- 図1は、試験した様々なサンプルについての、マウスの耳の内面における皮膚の浮腫の2日目と22日目との間における曲線下面積(areas under the curves (AUC))の結果を示す。サンプルは以下のとおりである。
【0071】
【化1】

【0072】
- 図2は、試験した様々なサンプルについての、2日目と22日目との間におけるマウスの耳の平均の厚さのカイネティクスを示す。サンプルは以下のとおりである。
【0073】
【化2】

【0074】
【表5】

【0075】
本研究の結果により、BALB/cマウスの耳において、1日目から6日目での試験したサンプルの毎日20μlの局所的塗布後に、
- DIFFERINE(登録商標)ゲル プラセボは、如何なる炎症を誘導しなかった。
- シクロデキストリン/AMPおよびシクロデキストリン/NaOH プラセボは、如何なる炎症も誘導しなかった。
- DIFFERINE(登録商標)ゲルは、26%のAUCの増加を伴う炎症を誘導し、これは、プラセボに対して顕著なものであった。
- 実施例1および2による2つの0.1%アダパレン調合物は、それぞれの担体に対して顕著な炎症を誘導しなかった
ことが示された。
【0076】
本実施例により、本発明による調合物は、リファレンス製品0.1% DIFFERINE(登録商標)ゲルに比較して、良好なin vivo耐性を有することが実証された。
【0077】
(実施例6:in vitro放出実験)
本研究は、非閉塞的な方法での、市販のリファレンス製品(0.1% DIFFERINE(登録商標)ゲル)とアダパレンと、シクロデキストリンを含むゲルにおいて0.1%(w/w)で調合したアダパレンとのin vitro放出および人の皮膚を介した浸透を比較することを目的とする。
新規な調合物においては、実施例1で記載したように、アダパレンはヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンと複合体形成させ、ヒドロキシエチルセルロース(NATROSOL HHX 250(登録商標))に基づくゲルへと調合した。
【0078】
実験条件は以下のとおりである:吸収試験は、16時間、静的な条件化でマウントした切断ヒト組織を使用して、実施した。女性(68歳)に由来する3つの皮膚サンプルを使用した。
10mgの各調合物(10μgのアダパレン)を、1cm2の皮膚の表面領域に塗布した。時間経過後の回収した液体フラクションのアダパレンの濃度、および、実験終了時点での皮膚に残ったアダパレンの濃度を、蛍光検出を用いたHPCL手法によって評価した(認証された方法に基づく;定量限界:1ng/ml)。
【0079】
実験結果によって、試験した調合物に関わらず、アダパレンは主に皮膚(角質層を含む表皮および真皮)に分布していたことが示された。浸透した総量(角質層+表皮+真皮+レシピエント液体)は、以下のとおりであった。
【0080】
【表6】

【0081】
これらの結果により、試験した調合物に関わらず、アダパレンは主に角質層を含む表皮に広がり、より少ない程度で真皮に広がることが示された。
それぞれの調合物については、回収した液体におけるアダパレンの量は、定量限界より低かった。
浸透したアダパレン(すなわち、角質層+表皮+真皮+回収した液体)の総量は、0.1%(w/w) DIFFERINE(登録商標)については、塗布した量の1.3%であり、実施例1による0.1%アダパレンシクロデキストリンについては、塗布した量の5.8%であった。
【0082】
これらの結果により、in vitroでのヒトの皮膚において、本発明によるシクロデキストリンとの複合体の形態で溶解させたアダパレンの、リファレンス製品DIFFERINE(登録商標)と比較した、顕著に良好な放出性および良好な浸透性が示された。シクロデキストリンとの複合体の形態で溶解させたアダパレンは、リファレンス製品DIFFERINE(登録商標)ゲルよりも4倍顕著に皮膚に浸透した。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は、試験した様々なサンプルについての、マウスの耳の内面における皮膚の浮腫の2日目と22日目との間における曲線下面積(areas under the curves (AUC))の結果を示す。
【図2】図2は、試験した様々なサンプルについての、2日目と22日目との間におけるマウスの耳の平均の厚さのカイネティクスを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的に許容可能な水性媒体中に、
a) アダパレン;および
b) 1つまたは複数のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体
を含む組成物。
【請求項2】
前記組成物が、均一な溶液の形態であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記化合物a)が、1つまたは複数のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体との複合体の形態で溶解していることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
1から60%(w/w)のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
0.01から1%(w/w)のアダパレンを含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
0.1%(w/w)のアダパレンを含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
0.3%(w/w)のアダパレンを含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記アダパレンが、単独で存在するか、または他の活性剤と会合して存在するか、または他の活性剤と組み合わされて存在することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンおよび誘導体から選択されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記シクロデキストリン誘導体が、シクロデキストリンのメチル誘導体、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリンおよび2-ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリンから選択されることを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
塩基性化剤を含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
a) 1つまたは複数のゲル化剤;
b) 1つまたは複数の界面活性剤;
c) 1つまたは複数の脂肪相;
d) 1つまたは複数の防腐剤;および
e) 1つまたは複数の皮膚軟化剤/保湿剤
から選択される1つまたは複数の成分も含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
水性形態であることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
ゲル、クリーム-ゲル、クリーム、エマルジョン、ローション、スプレーまたはムースの形態であることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
- 0.05から1%のアダパレン;
- 3から40%の1つまたは複数のシクロデキストリンまたは誘導体;
- 0.01から2%の1つまたは複数のゲル化剤;
- 0から1%の1つまたは複数の塩基性化剤;および
- 0.01から2%の1つまたは複数の防腐剤
を含むことを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
- 0.1から0.3%のアダパレン;
- 5から15%の1つまたは複数のシクロデキストリンまたは誘導体;
- 0.1から1.5%の1つまたは複数のゲル化剤;
- 0.02から0.5%の1つまたは複数の塩基性化剤;および
- 0.01から1.5%の1つまたは複数の防腐剤
を含むことを特徴とする、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
医薬としての請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
- i) 均一な溶液を得るために、アダパレンまたはその前駆体もしくはその誘導体の1つから選択される少なくとも1つの化合物と、1つまたは複数のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体の溶液を混合する工程;
- ii) 調合物ベースを調製する工程;
- iii) i)で得られた溶液を、ii)で調製した調合物ベースへと導入する工程、および、均一な溶液を得る工程
を含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物の調製方法。
【請求項19】
前記工程i)が、
1) 精製水を用いてシクロデキストリンの均一な溶液を調製する工程;
2) アダパレンまたはその前駆体もしくはその誘導体の1つを、前記の溶液に導入する工程;
3) 均一な溶液が得られるまで、混合物を攪拌する工程
を含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記工程iii)が、
1) 必要であれば、エバポレーションによる減少を補うために、水を添加する工程;
2) 均一化してパッケージングする工程
によって終了することを特徴とする、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
1つまたは複数の防腐剤を、工程iii)における均一な溶液が得られた後に導入することを特徴とする、請求項18または20に記載の方法。
【請求項22】
前記工程i)が、塩基性化剤溶液中で、シクロデキストリンまたは誘導体の溶液を混合することによって開始することを特徴とする、請求項18から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
皮膚病変を治療および/または予防することを意図した、細胞分化および増殖が関与する角化異常に関係した皮膚病変を治療することを意図した、特に、尋常性座瘡、面皰または多形座瘡、酒さ、ノジュロシスティック座瘡、集族性座瘡、老年性座瘡、二次座瘡、例えば太陽光線性座瘡、投薬関連座瘡または職業性座瘡を治療することを意図した医薬調製物を製造するための、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項24】
前記組成物が、局所的塗布を介して使用されることを特徴とする、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
請求項1から16のいずれか一項に記載のアダパレンを含む組成物を、皮膚および/または付属物に塗布することを特徴とする、皮膚を美化する、および/または、その表面外観を改善する非治療的な美容処理方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−525385(P2008−525385A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547563(P2007−547563)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【国際出願番号】PCT/FR2005/003173
【国際公開番号】WO2006/070093
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】