説明

シクロヘキセンカルボキシレート誘導体の調製

【課題】本発明の主たる目的は、新規な合成方法ならびに組成物を提供するこ
とにある。本発明のさらなる目的は、ノイラミニダーゼインヒビターの合成にお
いて有用な中間体の新規調製方法を提供することにある。本発明のさらなる目的
は、それ自体がノイラミニダーゼインヒビターの合成において有用な中間体とし
て有用な組成物を提供することにある。本発明のさらなる目的は、ノイラミニダ
ーゼインヒビターとして有用な組成物を提供することにある。
【解決手段】本願発明は、上記課題を解決するために、式:


の化合物の調製方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、炭素環式化合物ならびにその中間体の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の簡単な説明)
米国特許出願(代理人整理番号205.6)番号08/702,308(19
96年8月23日出願)は、米国特許出願番号08/653,034(1996
年3月24日出願)の一部継続出願であり、これは米国特許出願番号08/60
6,624(1996年2月26日出願)の一部継続出願であり、これは米国特
許出願番号08/580,567(1995年12月29日出願)の一部継続出
願であり、これは米国特許出願番号08/476,946(1995年6月6日
出願)の一部継続出願であり、これは米国特許出願番号08/395,245(
1995年2月27日出願)の一部継続出願であり、これらはすべて、その全体
、とりわけノイラミナダーゼインヒビターおよびノイラミニダーゼインヒビター
の合成における中間体の記載が、本明細書中に参考として援用される。本発明は
、これらの組成物の調製に有用なプロセスを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
(発明の目的)
本発明の選択された実施態様は、以下の目的のうちの1つ以上に関する:
本発明の主たる目的は、新規な合成方法ならびに組成物を提供することにある

【0004】
本発明のさらなる目的は、ノイラミニダーゼインヒビターの合成において有用
な中間体の新規調製方法を提供することにある。
【0005】
本発明のさらなる目的は、それ自体がノイラミニダーゼインヒビターの合成に
おいて有用な中間体として有用な組成物を提供することにある。
【0006】
本発明のさらなる目的は、ノイラミニダーゼインヒビターとして有用な組成物
を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、式
【0008】
【化3】

【0009】
の化合物の調製方法であって、
ここで、
1が環状ヒドロキシ保護基であり;
2がカルボン酸保護基であり;
3がヒドロキシ保護基であり;そして
各R20が独立してHまたは炭素原子1個から12個のアルキルであり;
該方法が、式:
【0010】
【化4】

【0011】
の化合物と脱水試薬との反応を包含する、方法を提供する。このことにより、上
記目的が達成される。
【0012】
好適な実施態様において、上記方法は、貴金属錯体での処理によって化合物5
を分離する工程をさらに包含する。
【0013】
好適な実施態様において、化合物5が式:
【0014】
【化5】

【0015】
の化合物である。
【0016】
本発明は、式:
【0017】
【化6】

【0018】
の化合物の調製方法であって、
ここで、
2がカルボン酸保護基であり;
3がヒドロキシ保護基であり;
4が−C(R303であり;
5がHまたはR3であり;
7がHまたはアミノ保護基であり;
8がHまたはR2であり;
9がHまたはチオール保護基であり;
各R20が独立してHまたは炭素原子1個から12個のアルキルであり;
各R21が独立して、R20、Br、Cl、F、I、CN、NO2またはN3であり

各R22が独立して、F、C1、Br、I、−CN、N3、−NO2、−OR5
−OR20、−N(R202、−N(R20)(R7)、−N(R72、−SR20、−
SR9、−S(O)R20、−S(O)220、−S(O)OR20、−S(O)OR
8、−S(O)2OR20、−S(O)2OR8、−C(O)OR20、−C(O)OR
8、−OC(O)R20、−N(R20)(C(O)R20)、−N(R7)(C(O)
20)、−N(R20)(C(O)OR20)、−N(R7)(C(O)OR20)、
−C(O)N(R202、−C(O)N(R7)(R20)、−C(O)N(R72
、−C(NR20)(N(R202)、−C(N(R7))(N(R202)、−C
(N(R20))(N(R20)(R7))、−C(N(R7))(N(R20)(R7
))、−C(N(R20))(N(R72)、−C(N(R7))(N(R72
、−N(R20)C(N(R20))(N(R202)、−N(R20)C(N(R20
))(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R7))(N(R202)、
−N(R7)C(N(R20))(N(R202)、−N(R7)C(N(R7))(
N(R202)、−N(R7)C(N(R20))(N(R20)(R7))、−N(
20)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R20))
(N(R72)、−N(R7)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(
7)C(N(R20))(N(R72)、−N(R20)C(N(R7))(N(R
72)、−N(R7)C(N(R7))(N(R72)、=O、­=S、=N
(R20)、=N(R7)またはWであり;
23が独立して炭素原子1個から11個のアルキル、炭素原子2個から11個
のアルケニル、または炭素原子2個から11個のアルキニルであり;
24が独立してR23であり、ここで各R23は0個から3個のR22基で置換され

24aが独立して炭素原子1個から11個のアルキレン、炭素原子2個から1
1個のアルケニレン、炭素原子2個から11個のアルキニレンであり、これらの
アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンのうちのいずれもが0個から3個
のR22基で置換され;
28が独立して、炭素原子1個から12個のアルキル、炭素原子2個から12
個のアルケニル、または炭素原子2個から12個のアルキニルであり;
29が独立してR22またはR28であり、ここで各R28が0個から3個のR22
で置換され;
各R30が独立してH、R24、Wまたは−R24aWであり;そして
Wが炭素環または複素環であり、ここでこれらの炭素環または複素環のいずれ
もが0個から3個のR29基で置換され;
該方法が、式:
【0019】
【化7】

【0020】
の化合物(ここでR31はケタールまたはアセタールである)とルイス酸試薬との
反応を包含し;
ただし、R4が全体として、0個から3個のR29基で置換された0個から3個
のW基と;それに加えて
0個から3個のR22基で置換された1個から12個の炭素原子を含む、方法を
提供する。このことにより、上記目的が達成される。
【0021】
好適な実施態様において、上記方法が、化合物10を還元試薬で処理する工程
をさらに包含する。
【0022】
好適な実施態様において、化合物11が式:
【0023】
【化8】

【0024】
の化合物である。
【0025】
好適な実施態様において、式:
【0026】
【化9】

【0027】
の化合物の調製方法であって、
ここで、
2がカルボン酸保護基であり;
3がヒドロキシ保護基であり;
4が−C(R303であり;
5がHまたはR3であり;
7がHまたはアミノ保護基であり;
8がHまたはR2であり;
9がHまたはチオール保護基であり;
各R20が独立してHまたは炭素原子1個から12個のアルキルであり;
各R21が独立して、R20、Br、Cl、F、I、CN、NO2またはN3であり

各R22が独立して、F、C1、Br、I、−CN、N3、−NO2、−OR5
−OR20、−N(R202、−N(R20)(R7)、−N(R72、−SR20、−
SR9、−S(O)R20、−S(O)220、−S(O)OR20、−S(O)OR
8、−S(O)2OR20、−S(O)2OR8、−C(O)OR20、−C(O)OR
8、−OC(O)R20、−N(R20)(C(O)R20)、−N(R7)(C(O)
20)、−N(R20)(C(O)OR20)、−N(R7)(C(O)OR20)、
−C(O)N(R202、−C(O)N(R7)(R20)、−C(O)N(R72
、−C(NR20)(N(R202)、−C(N(R7))(N(R202)、−C
(N(R20))(N(R20)(R7))、−C(N(R7))(N(R20)(R7
))、−C(N(R20))(N(R72)、−C(N(R7))(N(R72
、−N(R20)C(N(R20))(N(R202)、−N(R20)C(N(R20
))(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R7))(N(R202)、
−N(R7)C(N(R20))(N(R202)、−N(R7)C(N(R7))(
N(R202)、−N(R7)C(N(R20))(N(R20)(R7))、−N(
20)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R20))
(N(R72)、−N(R7)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(
7)C(N(R20))(N(R72)、−N(R20)C(N(R7))(N(R
72)、−N(R7)C(N(R7))(N(R72)、=O、­=S、=N
(R20)、=N(R7)またはWであり;
23が独立して炭素原子1個から11個のアルキル、炭素原子2個から11個
のアルケニル、または炭素原子2個から11個のアルキニルであり;
24が独立してR23であり、ここで各R23は0個から3個のR22基で置換され

24aが独立して炭素原子1個から11個のアルキレン、炭素原子2個から1
1個のアルケニレン、または炭素原子2個から11個のアルキニレンであり、こ
れらのアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンのうちのいずれもが0個か
ら3個のR22基で置換され;
28が独立して、炭素原子1個から12個のアルキル、炭素原子2個から12
個のアルケニル、または炭素原子2個から12個のアルキニルであり;
29が独立してR22またはR28であり、ここで各R28が0個から3個のR22
で置換され;
各R30が独立してH、R24、Wまたは−R24aWであり;
Wが炭素環または複素環であり、ここでこれらの炭素環または複素環のいずれ
もが0個から3個のR29基で置換され;
上記方法が、式:
【0028】
【化10】

【0029】
の化合物と還元試薬との反応を包含し;
ただし、R4が全体として、0個から3個のR29基で置換された0個から3個
のW基と;それに加えて
0個から3個のR22基で置換された1個から12個の炭素原子を含む。
【0030】
好適な実施態様において、前記還元試薬が、三置換ホスフィン還元試薬である

【0031】
好適な実施態様において、化合物31が式:
【0032】
【化11】

【0033】
の化合物である。
【0034】
本発明は、式:
【0035】
【化12】

【0036】
の化合物の調製方法であって、
ここで、
2がカルボン酸保護基であり;
3がヒドロキシ保護基であり;
4が−C(R303であり;
5がHまたはR3であり;
7がHまたはアミノ保護基であり;
8がHまたはR2であり;
9がHまたはチオール保護基であり;
各R20が独立してHまたは炭素原子1個から12個のアルキルであり;
各R21が独立して、R20、Br、Cl、F、I、CN、NO2またはN3であり

各R22が独立して、F、C1、Br、I、−CN、N3、−NO2、−OR5
−OR20、−N(R202、−N(R20)(R7)、−N(R72、−SR20、−
SR9、−S(O)R20、−S(O)220、−S(O)OR20、−S(O)OR
8、−S(O)2OR20、−S(O)2OR8、−C(O)OR20、−C(O)OR
8、−OC(O)R20、−N(R20)(C(O)R20)、−N(R7)(C(O)
20)、−N(R20)(C(O)OR20)、−N(R7)(C(O)OR20)、
−C(O)N(R202、−C(O)N(R7)(R20)、−C(O)N(R72
、−C(NR20)(N(R202)、−C(N(R7))(N(R202)、−C
(N(R20))(N(R20)(R7))、−C(N(R7))(N(R20)(R7
))、−C(N(R20))(N(R72)、−C(N(R7))(N(R72
、−N(R20)C(N(R20))(N(R202)、−N(R20)C(N(R20
))(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R7))(N(R202)、
−N(R7)C(N(R20))(N(R202)、−N(R7)C(N(R7))(
N(R202)、−N(R7)C(N(R20))(N(R20)(R7))、−N(
20)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R20))
(N(R72)、−N(R7)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(
7)C(N(R20))(N(R72)、−N(R20)C(N(R7))(N(R
72)、−N(R7)C(N(R7))(N(R72)、=O、­=S、=N
(R20)、=N(R7)またはWであり;
23が独立して炭素原子1個から11個のアルキル、炭素原子2個から11個
のアルケニル、または炭素原子2個から11個のアルキニルであり;
24が独立してR23であり、ここで各R23は0個から3個のR22基で置換され

24aが独立して炭素原子1個から11個のアルキレン、炭素原子2個から1
1個のアルケニレン、または炭素原子2個から11個のアルキニレンであり、こ
れらのアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンのうちのいずれもが0個か
ら3個のR22基で置換され;
28が独立して、炭素原子1個から12個のアルキル、炭素原子2個から12
個のアルケニル、または炭素原子2個から12個のアルキニルであり;
29が独立してR22またはR28であり、ここで各R28が0個から3個のR22
で置換され;
各R30が独立してH、R24、Wまたは−R24aWであり;
Wが炭素環または複素環であり、ここでこれらの炭素環または複素環のいずれ
もが0個から3個のR29基で置換され;そして
1がモノ−、ジ−または非置換のアミノ基であり;
該方法が、式:
【0037】
【化13】

【0038】
の化合物とアミン試薬との反応を包含し;
ただし、R4が全体として、0個から3個のR29基で置換された0個から3個
のW基と;それに加えて
0個から3個のR22基で置換された1個から12個の炭素原子を含む、方法を
提供する。これにより、上記目的が達成される。
【0039】
好適な実施態様において、前記アミン試薬がフタルイミド試薬である。
【0040】
好適な実施態様において、化合物41が式:
【0041】
【化14】

【0042】
の化合物である。
【0043】
本発明は、式:
【0044】
【化15】

【0045】
の化合物の調製方法であって、
ここで、
2がカルボン酸保護基であり;
3がヒドロキシ保護基であり;
4が−C(R303であり;
5がHまたはR3であり;
7がHまたはアミノ保護基であり;
8がHまたはR2であり;
9がHまたはチオール保護基であり;
各R20が独立してHまたは炭素原子1個から12個のアルキルであり;
各R21が独立して、R20、Br、Cl、F、I、CN、NO2またはN3であり

各R22が独立して、F、C1、Br、I、−CN、N3、−NO2、−OR5
−OR20、−N(R202、−N(R20)(R7)、−N(R72、−SR20、−
SR9、−S(O)R20、−S(O)220、−S(O)OR20、−S(O)OR
8、−S(O)2OR20、−S(O)2OR8、−C(O)OR20、−C(O)OR
8、−OC(O)R20、−N(R20)(C(O)R20)、−N(R7)(C(O)
20)、−N(R20)(C(O)OR20)、−N(R7)(C(O)OR20)、
−C(O)N(R202、−C(O)N(R7)(R20)、−C(O)N(R72
、−C(NR20)(N(R202)、−C(N(R7))(N(R202)、−C
(N(R20))(N(R20)(R7))、−C(N(R7))(N(R20)(R7
))、−C(N(R20))(N(R72)、−C(N(R7))(N(R72
、−N(R20)C(N(R20))(N(R202)、−N(R20)C(N(R20
))(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R7))(N(R202)、
−N(R7)C(N(R20))(N(R202)、−N(R7)C(N(R7))(
N(R202)、−N(R7)C(N(R20))(N(R20)(R7))、−N(
20)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R20))
(N(R72)、−N(R7)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(
7)C(N(R20))(N(R72)、−N(R20)C(N(R7))(N(R
72)、−N(R7)C(N(R7))(N(R72)、=O、­=S、=N
(R20)、=N(R7)またはWであり;
23が独立して炭素原子1個から11個のアルキル、炭素原子2個から11個
のアルケニル、または炭素原子2個から11個のアルキニルであり;
24が独立してR23であり、ここで各R23は0個から3個のR22基で置換され

24aが独立して炭素原子1個から11個のアルキレン、炭素原子2個から1
1個のアルケニレン、または炭素原子2個から11個のアルキニレンであり、こ
れらのアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンのうちのいずれもが0個か
ら3個のR22基で置換され;
28が独立して、炭素原子1個から12個のアルキル、炭素原子2個から12
個のアルケニル、または炭素原子2個から12個のアルキニルであり;
29が独立してR22またはR28であり、ここで各R28が0個から3個のR22
で置換され;
各R30が独立してH、R24、Wまたは−R24aWであり;
Wが炭素環または複素環であり、ここでこれらの炭素環または複素環のいずれ
もが0個から3個のR29基で置換され;そして
1がモノ−、ジ−または非置換のアミノ基であり;
該方法が、式:
【0046】
【化16】

【0047】
の化合物と酸化試薬との反応を包含し;
ただし、R4が全体として、0個から3個のR29基で置換された0個から3個
のW基と;それに加えて
0個から3個のR22基で置換された1個から12個の炭素原子を含む、方法を
提供する。このことにより、上記目的が達成される。
【0048】
好適な実施態様において、化合物51が式:
【0049】
【化17】

【0050】
の化合物である。
【0051】
本発明は、式:
【0052】
【化18】

【0053】
の化合物の調製方法であって、
ここで、
2がカルボン酸保護基であり;
3がヒドロキシ保護基であり;
4が−C(R303であり;
5がHまたはR3であり;
7がHまたはアミノ保護基であり;
8がHまたはR2であり;
9がHまたはチオール保護基であり;
各R20が独立してHまたは炭素原子1個から12個のアルキルであり;
各R21が独立して、R20、Br、Cl、F、I、CN、NO2またはN3であり

各R22が独立して、F、C1、Br、I、−CN、N3、−NO2、−OR5
−OR20、−N(R202、−N(R20)(R7)、−N(R72、−SR20、−
SR9、−S(O)R20、−S(O)220、−S(O)OR20、−S(O)OR
8、−S(O)2OR20、−S(O)2OR8、−C(O)OR20、−C(O)OR
8、−OC(O)R20、−N(R20)(C(O)R20)、−N(R7)(C(O)
20)、−N(R20)(C(O)OR20)、−N(R7)(C(O)OR20)、
−C(O)N(R202、−C(O)N(R7)(R20)、−C(O)N(R72
、−C(NR20)(N(R202)、−C(N(R7))(N(R202)、−C
(N(R20))(N(R20)(R7))、−C(N(R7))(N(R20)(R7
))、−C(N(R20))(N(R72)、−C(N(R7))(N(R72
、−N(R20)C(N(R20))(N(R202)、−N(R20)C(N(R20
))(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R7))(N(R202)、
−N(R7)C(N(R20))(N(R202)、−N(R7)C(N(R7))(
N(R202)、−N(R7)C(N(R20))(N(R20)(R7))、−N(
20)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R20))
(N(R72)、−N(R7)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(
7)C(N(R20))(N(R72)、−N(R20)C(N(R7))(N(R
72)、−N(R7)C(N(R7))(N(R72)、=O、­=S、=N
(R20)、=N(R7)またはWであり;
23が独立して炭素原子1個から11個のアルキル、炭素原子2個から11個
のアルケニル、または炭素原子2個から11個のアルキニルであり;
24が独立してR23であり、ここで各R23は0個から3個のR22基で置換され

24aが独立して炭素原子1個から11個のアルキレン、炭素原子2個から1
1個のアルケニレン、または炭素原子2個から11個のアルキニレンであり、こ
れらのアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンのうちのいずれもが0個か
ら3個のR22基で置換され;
28が独立して、炭素原子1個から12個のアルキル、炭素原子2個から12
個のアルケニル、または炭素原子2個から12個のアルキニルであり;
29が独立してR22またはR28であり、ここで各R28が0個から3個のR22
で置換され;
各R30が独立してH、R24、Wまたは−R24aWであり;
Wが炭素環または複素環であり、ここでこれらの炭素環または複素環のいずれ
もが0個から3個のR29基で置換され;そして
1がモノ−、ジ−または非置換のアミノ基であり;
該方法が、式:
【0054】
【化19】

【0055】
の化合物と塩基との反応を包含し;
ただし、R4が全体として、0個から3個のR29基で置換された0個から3個
のW基と;それに加えて
0個から3個のR22基で置換された1個から12個の炭素原子を含む、方法を
提供する。これにより、上記目的が達成される。
【0056】
好適な実施態様において、化合物61が式:
【0057】
【化20】

【0058】
の化合物である。
【0059】
本発明は、式:
【0060】
【化21】

【0061】
の化合物の調製方法であって、
ここで、
2がカルボン酸保護基であり;
3がヒドロキシ保護基であり;
4が−C(R303であり;
5がHまたはR3であり;
7がHまたはアミノ保護基であり;
8がHまたはR2であり;
9がHまたはチオール保護基であり;
各R20が独立してHまたは炭素原子1個から12個のアルキルであり;
各R21が独立して、R20、Br、Cl、F、I、CN、NO2またはN3であり

各R22が独立して、F、C1、Br、I、−CN、N3、−NO2、−OR5
−OR20、−N(R202、−N(R20)(R7)、−N(R72、−SR20、−
SR9、−S(O)R20、−S(O)220、−S(O)OR20、−S(O)OR
8、−S(O)2OR20、−S(O)2OR8、−C(O)OR20、−C(O)OR
8、−OC(O)R20、−N(R20)(C(O)R20)、−N(R7)(C(O)
20)、−N(R20)(C(O)OR20)、−N(R7)(C(O)OR20)、
−C(O)N(R202、−C(O)N(R7)(R20)、−C(O)N(R72
、−C(NR20)(N(R202)、−C(N(R7))(N(R202)、−C
(N(R20))(N(R20)(R7))、−C(N(R7))(N(R20)(R7
))、−C(N(R20))(N(R72)、−C(N(R7))(N(R72
、−N(R20)C(N(R20))(N(R202)、−N(R20)C(N(R20
))(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R7))(N(R202)、
−N(R7)C(N(R20))(N(R202)、−N(R7)C(N(R7))(
N(R202)、−N(R7)C(N(R20))(N(R20)(R7))、−N(
20)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R20))
(N(R72)、−N(R7)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(
7)C(N(R20))(N(R72)、−N(R20)C(N(R7))(N(R
72)、−N(R7)C(N(R7))(N(R72)、=O、­=S、=N
(R20)、=N(R7)またはWであり;
23が独立して炭素原子1個から11個のアルキル、炭素原子2個から11個
のアルケニル、または炭素原子2個から11個のアルキニルであり;
24が独立してR23であり、ここで各R23は0個から3個のR22基で置換され

24aが独立して炭素原子1個から11個のアルキレン、炭素原子2個から1
1個のアルケニレン、または炭素原子2個から11個のアルキニレンであり、こ
れらのアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンのうちのいずれもが0個か
ら3個のR22基で置換され;
28が独立して、炭素原子1個から12個のアルキル、炭素原子2個から12
個のアルケニル、または炭素原子2個から12個のアルキニルであり;
29が独立してR22またはR28であり、ここで各R28が0個から3個のR22
で置換され;
各R30が独立してH、R24、Wまたは−R24aWであり;
Wが炭素環または複素環であり、ここでこれらの炭素環または複素環のいずれ
もが0個から3個のR29基で置換され;そして
1がモノ−、ジ−または非置換のアミノ基であり;
該方法が、式:
【0062】
【化22】

【0063】
の化合物と還元的アミノ化試薬との反応を包含し;
ただし、R4が全体として、0個から3個のR29基で置換された0個から3個
のW基と;それに加えて
0個から3個のR22基で置換された1個から12個の炭素原子を含む、方法を
提供する。これにより上記目的が達成される。
【0064】
好適な実施態様において、化合物71が式:
【0065】
【化23】

【0066】
の化合物である。
【0067】
本発明は、スキーム1および2のプロセスAA、AB、AC、AD、AE、A
F、AG、AH、AI、AJ、またはAKのうちのいずれか1つまたはそれらの
系列的な組み合わせである、方法を提供する。これにより上記目的が達成される

【0068】
本発明は、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、
実施例7、実施例8、実施例9、実施例10、実施例11、実施例12または実
施例13のいずれか1つまたはそれらの系列的な組み合わせである、方法を提供
する。これにより上記目的が達成される。
【0069】
本発明は、スキーム3のプロセスAL、AM、AN、AO、またはAPのうち
のいずれか1つまたはそれらの系列的な組み合わせである、方法を提供する。こ
れにより上記目的が達成される。
【0070】
(発明の要旨)
本発明の1つの局面は、式:
【0071】
【化24】

【0072】
の化合物の調製のためのプロセスに関する。ここで、
1は環状ヒドロキシ保護基であり;
2はカルボン酸保護基であり;
3はヒドロキシ保護基であり;そして
各R20は独立してHまたは炭素原子1個から12個のアルキルであり;
このプロセスは、式:
【0073】
【化25】

【0074】
の化合物と脱水試薬との反応を包含する。
【0075】
本発明の他の局面は、式:
【0076】
【化26】

【0077】
の化合物の調製のためのプロセスに関する。ここで、
2、R3およびR20のそれぞれは上記の通りであり;
4は−C(R303であり;
各R5は独立してHまたはR3であり;
各R7は独立してHまたはアミノ保護基であり;
各R8は独立してHまたはR2であり;
各R9は独立してHまたはチオール保護基であり;
各R21は独立して、R20、Br、Cl、F、I、CN、NO2またはN3であり

各R22は独立して、F、C1、Br、I、−CN、N3、−NO2、−OR5
−OR20、−N(R202、−N(R20)(R7)、−N(R72、−SR20、−
SR9、−S(O)R20、−S(O)220、−S(O)OR20、−S(O)OR
8、−S(O)2OR20、−S(O)2OR8、−C(O)OR20、−C(O)OR
8、−OC(O)R20、−N(R20)(C(O)R20)、−N(R7)(C(O)
20)、−N(R20)(C(O)OR20)、−N(R7)(C(O)OR20)、
−C(O)N(R202、−C(O)N(R7)(R20)、−C(O)N(R72
、−C(NR20)(N(R202)、−C(N(R7))(N(R202)、−C
(N(R20))(N(R20)(R7))、−C(N(R7))(N(R20)(R7
))、−C(N(R20))(N(R72)、−C(N(R7))(N(R72
、−N(R20)C(N(R20))(N(R202)、−N(R20)C(N(R20
))(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R7))(N(R202)、
−N(R7)C(N(R20))(N(R202)、−N(R7)C(N(R7))(
N(R202)、−N(R7)C(N(R20))(N(R20)(R7))、−N(
20)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R20))
(N(R72)、−N(R7)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(
7)C(N(R20))(N(R72)、−N(R20)C(N(R7))(N(R
72)、−N(R7)C(N(R7))(N(R72)、=O、­=S、=N
(R20)、=N(R7)またはWであり;
各R23は独立して炭素原子1個から11個のアルキル、炭素原子2個から11
個のアルケニル、または炭素原子2個から11個のアルキニルであり;
各R24は独立してR23であり、ここで各R23は0個から3個のR22基で置換さ
れ;
各R24aは独立して炭素原子1個から11個のアルキレン、炭素原子2個から
11個のアルケニレン、または炭素原子2個から11個のアルキニレンであり、
これらのアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンのうちのいずれもが0個
から3個のR22基で置換され;
各R28は独立して、炭素原子1個から12個のアルキル、炭素原子2個から1
2個のアルケニル、または炭素原子2個から12個のアルキニルであり;
各R29は独立してR22またはR28であり、ここで各R28は0個から3個のR22
基で置換され;
各R30は独立してH、R24、Wまたは−R24aWであり;そして
各Wは独立して炭素環または複素環であり、ここでこれらの炭素環または複素
環のいずれもが0個から3個のR29基で置換され;
この方法は、式:
【0078】
【化27】

【0079】
の化合物(ここでR31はケタールまたはアセタールである)とルイス酸試薬との
反応を包含し;
ただし、R4は全体として、0個から3個のR29基で置換された0個から3個
のW基と;それに加えて
0個から3個のR22基で置換された1個から12個の炭素原子を含む。
【0080】
本発明の他の局面は、式:
【0081】
【化28】

【0082】
の化合物の調製のためのプロセスに関する。ここで、
2、R4、R7、R20およびR21は上記の通りである。
この方法は、式:
【0083】
【化29】

【0084】
の化合物と還元試薬との反応を包含する。
【0085】
本発明の他の局面は、式:
【0086】
【化30】

【0087】
の化合物の調製のためのプロセスに関する。ここで、
2、R4、R5、R20およびR21は上記の通りであり;そして
1はモノ−、ジ−または非置換のアミノ基である;
この方法は、式:
【0088】
【化31】

【0089】
の化合物とアミン試薬との反応を包含する。
【0090】
本発明の他の局面は、式:
【0091】
【化32】

【0092】
の化合物の調製のためのプロセスに関する。ここで、
2、R4、R20、R21およびY1は上記の通りであり;
この方法は、式:
【0093】
【化33】

【0094】
の化合物と酸化試薬との反応を包含する。
【0095】
本発明の他の局面は、式:
【0096】
【化34】

【0097】
の化合物の調製のためのプロセスに関する。ここで、
2、R4、R20、R21およびY1は上記の通りであり;
この方法は、式:
【0098】
【化35】

【0099】
の化合物と塩基との反応を包含する。
【0100】
本発明の他の局面は、式:
【0101】
【化36】

【0102】
の化合物の調製のためのプロセスに関する。ここで、
2、R4、R7、R20、R21およびY1は上記の通りであり;
この方法は、式:
【0103】
【化37】

【0104】
の化合物と還元的アミノ化試薬との反応を包含する。
【0105】
(詳細な説明)
(概論)
本発明は、本明細書中に記載される組成物の作成方法に関する。本発明の組成
物は任意の適用可能な有機合成技術で調製されるが、本発明はこの調製を達成す
るための有利な方法を提供する。
【0106】
多くの従来技術が当該分野で周知であり、これらをここでは詳述しない。しか
し、多くの公知技術が、「Compendium of Organic Sy
nthetic Methods」 (John Wiley & Sons,
New York), 第1巻, Ian T. Harrison および
Shuyen Harrison, 1971; 第2巻, Ian T.
Harrison および Shuyen Harrison, 1974;
第3巻, Louis S. Hegedus および Leroy Wade
, 1977; 第4巻, Leroy G. Wade, jr., 198
0; 第5巻, Leroy G. Wade, jr., 1984; およ
び 第6巻, Michael B. Smith; ならびに March,
J., 「Advanced Organic Chemistry, 第3
版」, (John Wiley & Sons, New York, 19
85), 「Comprehensive Organic Synthesi
s. Selectivity, Strategy & Efficienc
y in Modern Organic Chemistry. 全9巻」,
編者代表Barry M. Trost (Pergamon Press,
New York, 1993印刷)に詳述されている。
【0107】
一般に、温度、反応時間、溶媒、ワークアップ手順などのような反応条件は、
行われる個別の反応ごとに当該分野で一般的な条件である。引用した参照物なら
びにそこで引用されている物は、このような条件の詳細な説明を含む。
【0108】
「処理された」、「処理している」、「処理」などの用語は、接触させる、混
合する、反応させる、反応に至らしめる(allowing to react
)、接触に至らしめる(bringing into contact)、およ
び、1つ以上の化学物質を1つ以上の他の化学物質に転化するような方法で処理
することを示す当該分野で一般的な他の用語を意味する。これは、「化合物1を
化合物2で処理する」が、「化合物1を化合物2との反応に至らしめる」、「化
合物1を化合物2と接触させる」、「化合物1と化合物2とを反応させる」、お
よび有機合成分野で化合物1を化合物2で「処理した」、化合物1と化合物2と
を「反応させた」、化合物1を化合物2との「反応に至らしめる」などを合理的
に示す他の一般的な表現と同義であることを意味する。
【0109】
「処理」は、有機化学物質が反応に至らしめられる合理的かつ通常の方法を示
す。普通の濃度(0.01Mから10M、典型的には0.1Mから1M)、温度
(−100℃から250℃、典型的には−78℃から150℃、より典型的には
−78℃から100℃、さらにもっと典型的には0℃から100℃)、溶媒(非
プロトン性またはプロトン性)、反応時間(典型的には10秒から10日間、よ
り典型的には1分間から10時間、さらにもっと典型的には10分間から6時間
)、反応容器(典型的にはガラス、プラスチック、金属)、圧力、雰囲気(典型
的には、酸素および水に非感受性の反応のためには空気、あるいは酸素または水
に感受性の反応のためには窒素またはアルゴン)などが、他に断りのない限り意
図される。有機合成分野で公知の同様の反応の知識を用いて、所与のプロセスに
おける「処理」のための条件および装置が選択される。特に、有機合成分野の当
業者は、当該分野における知識に基づき、記載のプロセスの化学反応が首尾良く
行われると合理的に期待される条件および装置を選択する。
【0110】
酸化反応および還元反応は典型的には室温付近の温度(約20℃)で行われる
が、金属水素化物の還元については、しばしば温度は0℃から−100℃まで下
げられる。溶媒は典型的には還元については非プロトン性であり、そして酸化に
ついてはプロトン性または非プロトン性のいずれかであり得る。反応時間は所望
の転化率が達成されるように調節される。
【0111】
縮合反応は典型的には室温付近の温度で行われるが、非平衡の、速度論的に制
御された縮合の場合、低温度(0℃から−100℃)もまた一般的である。溶媒
はプロトン性(平衡反応の場合、一般的)または非プロトン性(速度論的に制御
された反応の場合、一般的)のいずれかであり得る。
【0112】
反応副生成物の共沸的除去および無水反応条件(例えば、不活性ガス環境)の
使用のような標準的な合成技術は当該分野で一般的であり、そして適用可能な場
合には適用される。ワークアップは典型的には、未反応試薬をクエンチし、次に
水/有機層系の間に分配(抽出)し、そして生成物を含む層を分離することから
構成される。以下のプロセスの各生成物は、次のプロセスで使用する前に、任意
に、分離、単離、および/または精製される。
【発明を実施するための形態】
【0113】
本発明の1つの局面は、式:
【0114】
【化38】

【0115】
の化合物の調製のためのプロセスに関する。
【0116】
1は環式ヒドロキシ保護基である。非常に多数の一般的な保護基(環式ヒド
ロキシ保護基を包含する)ならびに対応の化学的開裂反応が「Protecti
ve Groups in Organic Chemistry」, The
odora W. Greene (John Wiley & Sons,
Inc., New York, 1991, ISBN 0−471−623
01−6)(「Greene」)に記載されている。Kocienski, P
hilip J.; 「Protecting Groups」 (Georg
Thieme Verlag Stuttgart, New York,
1994)もまた参照のこと。特に、第1章、保護基;概要、第1頁〜第20頁
、第2章、ヒドロキシル保護基、第21〜第94頁、第3章、ジオール保護基、
第95頁〜第117頁、第4章、カルボキシル保護基、第118頁〜第154頁
、第5章、カルボニル保護基、第155頁〜第184頁、および第6章、アミノ
保護基、第185頁〜第243頁。典型的にはこの環式ヒドロキシ保護基は1,
2−ジオール保護基として一般に有用な基である。
【0117】
典型的な1,2−ジオール保護基(従って、ここで通常2つのOH基がR1
護官能基と一緒になる)はGreeneの第118頁〜第142頁に記載されて
おり、そして環状アセタールおよびケタール (メチレン、エチリデン、1−t
−ブチルエチリデン、1−フェニルエチリデン、(4−メトキシフェニル)エチ
リデン、2,2,2−トリクロロエチリデン、アセトニド (イソプロピリデン
)、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ベンジリ
デン、p−メトキシベンジリデン、2,4−ジメトキシベンジリデン、3,4−
ジメトキシベンジリデン、2−ニトロベンジリデン); 環状オルトエステル(
メトキシメチレン、エトキシメチレン、ジメトキシメチレン、1−メトキシエチ
リデン、1−エトキシエチリデン、1,2−ジメトキシエチリデン、α−メトキ
シベンジリデン、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチリデン誘導体、α−(N
,N−ジメチルアミノ)ベンジリデン誘導体、2−オキサシクロペンチリデン)
; シリル誘導体(ジ−t−ブチルシリレン基、1,3−(1,1,3,3−テ
トライソプロピルジシロキサニリデン)、およびテトラ−t−ブトキシジシロキ
サン−1,3−ジイリデン)、環状カーボネート、環状ボロネート、エチルボロ
ネートおよびフェニルボロネートを包含する。
【0118】
より典型的には、1,2−ジオール保護基は、表Aに示す基、あるいは環状(
ayalic)ケタールまたはアセタールを包含する。さらにもっと典型的には
、環状ケタールおよびアセタールである。
【0119】
(表A)
【0120】
【表1】

【0121】
ここでR1aはC1−C6アルキル(すぐ下で定義するような)である。
【0122】
本明細書において使用される「アルキル」は別段の指示のない限りC1−C6
炭化水素であり、ノルマル、第二級、第三級または環状の炭素原子を含む。例は
、メチル (Me、−CH3)、エチル (Et、−CH2CH3)、1−プロピ
ル (n−Pr、n−プロピル、−CH2CH2CH3)、2−プロピル (i−
Pr、i−プロピル、−CH(CH32)、1−ブチル (n−Bu、n−ブチ
ル、−CH2CH2CH2CH3)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブ
チル、−CH2CH(CH32)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH
(CH3)CH2CH3)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、
−C(CH33)、1−ペンチル (n−ペンチル、−CH2CH2CH2CH2
3)、2−ペンチル (−CH(CH3)CH2CH2CH3)、3−ペンチル
(−CH(CH2CH32)、2−メチル−2−ブチル (−C(CH32CH2
CH3)、3−メチル−2−ブチル (−CH(CH3)CH(CH32)、3−
メチル−1−ブチル (−CH2CH2CH(CH32)、2−メチル−1−ブチ
ル (−CH2CH(CH3)CH2CH3)、1−ヘキシル (−CH2CH2CH
2CH2CH2CH3)、2−ヘキシル (−CH(CH3)CH2CH2CH2CH3
)、3−ヘキシル (−CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3))、2−メチ
ル−2−ペンチル (−C(CH32CH2CH2CH3)、3−メチル−2−ペ
ンチル (−CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3)、4−メチル−2−ペン
チル (−CH(CH3)CH2CH(CH32)、3−メチル−3−ペンチル
(−C(CH3)(CH2CH32)、2−メチル−3−ペンチル (−CH(C
2CH3)CH(CH32)、2,3−ジメチル−2−ブチル (−C(CH3
2CH(CH32)、3,3−ジメチル−2−ブチル (−CH(CH3)C(
CH33)である。典型的なアルキルは、メチル、エチル、1−プロピル、およ
び2−プロピルである。
【0123】
2は、カルボン酸保護基である。典型的なカルボン酸保護基はR25(すぐ下
で定義される)またはGreeneの第224頁〜第276頁に記載の基である
。Greeneに記載の基は、エステル(メチル); 置換メチルエステル(9
−フルオレニルメチル、メトキシメチル、メチルチオメチル、テトラヒドロピラ
ニル、テトラヒドロフラニル、メトキシエトキシメチル、2−(トリメチルシリ
ル)エトキシメチル、ベンジルオキシメチル、フェナシル、p−ブロモフェナシ
ル、α−メチルフェナシル、p−メトキシフェナシル、カルボキシアミドメチル
、N−フタルイミドメチル); 2−置換エチルエステル(2,2,2−トリク
ロロエチル、2−ハロエチル、ω−クロロアルキル、2−(トリメチルシリル)
エチル、2−メチルチオエチル、1,3−ジチアニル−2−メチル、2−(p−
ニトロフェニルスルフェニル)エチル、2−(p−トルエンスルホニル)エチル
、2−(2’−ピリジル)エチル、2−(ジフェニルホスフィノ)エチル、1−
メチル−1−フェニルエチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
アリル、3−ブテン−1−イル、4−(トリメチルシリル)−2−ブテン−1−
イル、シンナミル、α−メチルシンナミル、フェニル、p−(メチルメルカプト
)フェニル、ベンジル); 置換ベンジルエステル(トリフェニルメチル、ジフ
ェニルメチル、ビス(o−ニトロフェニル)メチル、9−アントリルメチル、2
−(9,10−ジオキソ)アントリルメチル、5−ジベンゾスベリル、1−ピレ
ニルメチル、2−(トリフルオロメチル)−6−クロミルメチル、2,4,6−
トリメチルベンジル、p−ブロモベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベ
ンジル、p−メトキシベンジル、2,6−ジメトキシベンジル、4−(メチルス
ルフィニル)ベンジル、4−スルホベンジル、ピペロニル、4−ピコリル、p−
ポリ−ベンジル); シリルエステル(トリメチルシリル、トリエチルシリル、
t−ブチルジメチルシリル、i−プロピルジメチルシリル、フェニルジメチルシ
リル、ジ−t−ブチルメチルシリル); 活性化エステル(チオール); 種々
多様な(Misce11aneous)誘導体(オキサゾール、2−アルキル−
1,3−オキサゾリン、4−アルキル−5−オキソ−1,3−オキサゾリジン、
5−アルキル−4−オキソ−1,3−ジオキソラン、オルトエステル、フェニル
基、ペンタアミノコバルト(III)錯体); スタニルエステル(トリエチル
スタニル、トリ−n−ブチルスタニル); アミド(N,N−ジメチル、ピロリ
ジニル、ピペリジニル、5,6−ジヒドロフェナントリジニル、o−ニトロアニ
リド、N−7−ニトロインドリル、N−8−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロキノリル、p−ポリ−ベンゼンスルホンアミド);およびヒドラジド(ヒド
ラジド、N−フェニル、N,N’−ジイソプロピル)を包含する。
【0124】
25は、炭素原子1個から12個のアルキル、炭素原子2個から12個のアル
ケニル、または炭素原子2個から12個のアルキニルであり、これらのアルキル
、アルケニル、またはアルキニルのいずれもが0個から3個のR22基(R22は以
下に記載される)で置換される。より典型的にはR25は、炭素原子1個から6個
のアルキル、炭素原子2個から6個のアルケニル、または炭素原子2個から6個
のアルキニルであり、これらのアルキル、アルケニル、またはアルキニルのいず
れもが0個から3個のR22基で置換される。なおさらに典型的にはR25は、0個
から2個のR22基で置換された炭素原子1個から8個のアルキルである。さらに
より典型的には、R25は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、または
8個の炭素原子のアルキルである。もっとも典型的にはR25はメチル、エチル、
1−プロピルまたは2−プロピルである。
【0125】
本明細書において使用される「アルケニル」は、別段の指示のない限りC1
6の炭化水素であり、ノルマル、第二級、第三級または環状の炭素原子を含む
。例は、エテニル (−CH=CH2)、1−プロプ−1−エニル (−CH=
CHCH3)、1−プロプ−2−エニル (−CH2CH=CH2)、2−プロプ
−1−エニル (−C(=CH2)(CH3))、1−ブト−1−エニル (−C
H=CHCH2CH3)、1−ブト−2−エニル (−CH2CH=CHCH3)、
1−ブト−3−エニル (−CH2CH2CH=CH2)、2−メチル−1−プロ
プ−1−エニル (−CH=C(CH32)、2−メチル−1−プロプ−2−エ
ニル (−CH2C(=CH2)(CH3))、2−ブト−1−エニル (−C(
=CH2)CH2CH3)、2−ブト−2−エニル (−C(CH3)=CHCH3
)、2−ブト−3−エニル (−CH(CH3)CH=CH2)、1−ペント−1
−エニル (−C=CHCH2CH2CH3)、1−ペント−2−エニル (−C
HCH=CHCH2CH3)、1−ペント−3−エニル (−CHCH2CH=C
HCH3)、1−ペント−4−エニル (−CHCH2CH2CH=CH2)、2−
ペント−1−エニル (−C(=CH2)CH2CH2CH3)、2−ペント−2−
エニル (−C(CH3)=CH2CH2CH3)、2−ペント−3−エニル (−
CH(CH3)CH=CHCH3)、2−ペント−4−エニル (−CH(CH3
)CH2CH=CH2)または3−メチル−1−ブト−2−エニル (−CH2
H=C(CH32)である。より典型的には、アルケニル基は2個、3個または
4個の炭素原子のアルケニル基である。
【0126】
本明細書において使用される「アルキニル基」は、別段の指示のない限りC1
−C6の炭化水素であり、ノルマル、第二級、第三級または環状の炭素原子を含
む。例は、エチニル (−C≡CH)、1−プロプ−1−イニル (−C≡CC
3)、1−プロプ−2−イニル (−CH2C≡CH)、1−ブト−1−イニル
(−C≡CCH2CH3)、1−ブト−2−イニル (−CH2C≡CCH3)、
1−ブト−3−イニル (−CH2CH2C≡CH)、2−ブト−3−イニル (
CH(CH3)C≡CH)、1−ペント−1−イニル (−C≡CCH2CH2
3)、1−ペント−2−イニル (−CH2C≡CCH2CH3)、1−ペント−
3−イニル (−CH2CH2C≡CCH3)または1−ペント−4−イニル (
−CH2CH2CH2C≡CH)である。より典型的には、アルキニル基は、2個
、3個または4個の炭素原子のアルキニル基である。
【0127】
3は、ヒドロキシ保護基である。典型的なR3ヒドロキシ保護基は、Gree
ne(第14頁〜第118頁)に記載され、エーテル(メチル); 置換メチル
エーテル (メトキシメチル、メチルチオメチル、t−ブチルチオメチル、(フ
ェニルジメチルシリル)メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、p−メトキシ
ベンジルオキシメチル、(4−メトキシフェノキシ)メチル、グアイアコールメ
チル、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル、シロキシメチル、2
−メトキシエトキシメチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2
−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、テトラ
ヒドロピラニル、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル
(Tetrahydropthiopyranyl)、1−メトキシシクロヘキ
シル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラ
ニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル(4−Methoxytetra
hydropthiopyranyl)、S,S−ジオキシド、1−[(2−ク
ロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン4−イル、35、1,
4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル
、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチ
ル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル)); 置換エチルエーテル(1−
エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキ
シエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジル
オキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチル
シリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−ク
ロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル)
; 置換ベンジルエーテル (p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベン
ジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−
ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−および4
−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,
p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、
α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(
p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル
、4−(4’−ブロモフェナシルオキシ)フェニルジフェニルメチル、4,4’
,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,
4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス
(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イルメチル)
ビス(4’,4”−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシ
フェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キ
サンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾ
ジチオラン−2−イル、ベンズイソチアゾリル、 S,S−ジオキシド); シ
リルエーテル (トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリ
ル、ジメチルイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、ジメチルヘキ
シルシリル(Dimethylthexylsilyl)、t−ブチルジメチル
シリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリ
ルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル、t−ブチルメトキシ
フェニルシリル); エステル (ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテ
ート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフ
ルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フ
ェノキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、p−ポリ−フェニルア
セテート、3−フェニルプロピオネート、4−オキソペンタノエート(レブリネ
ート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート、ピバロエート、アダマン
トエート、クロトネート、4−メトキシクロトネート、ベンゾエート、p−フェ
ニルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエート (メシトエート))
; カーボネート (メチル、9−フルオレニルメチル、エチル、2,2,2−
トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)エチル、2−(フェニルスルホニ
ル)エチル、2−(トリフェニルホスホニオ)エチル、イソブチル、ビニル、ア
リル、p−ニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメト
キシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、S−ベンジルチオカ
ーボネート、4−エトキシ−1−ナフチル、メチルジチオカーボネート); 補
助的な開裂を伴う基(2−ヨードベンゾエート、4−アジドブチレート、4−ニ
トロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)ベンゾエート、2−
ホルミルベンゼンスルホネート、2−(メチルチオメトキシ)エチルカーボネー
ト、4−(メチルチオメトキシ)ブチレート、2−(メチルチオメトキシメチル
)ベンゾエート); 種々多様なエステル(2,6−ジクロロ−4−メチルフェ
ノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブ
チル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェ
ノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシ
ノエート、(E)−2−メチル−2−ブテノエート (チグロエート)、o−(
メトキシカルボニル)ベンゾエート、p−ポリ−ベンゾエート、α−ナフトエー
ト、ニトレート、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミデ
ート、N−フェニルカルバメート、ボレート、ジメチルホスフィノチオイル、2
,4−ジニトロフェニルスルフェネート); およびスルホネート (スルフェ
ート、メタンスルホネート (メシレート)、ベンジルスルホネート、トシレー
ト)を包含する。
【0128】
より典型的には、R3ヒドロキシ保護基は、置換メチルエーテル、置換ベンジ
ルエーテル、シリルエーテル、およびエステル(スルホン酸エステルを包含する
)を包含し、なおさらに典型的には、トリアルキルシリルエーテル、トシレート
、メシレートおよびアセテートである。
【0129】
各R20は独立してHまたは炭素原子1個から12個のアルキルである。典型的
にはR20はHまたは上記のような炭素1個から6個のアルキルである。なおさら
に典型的には、R20はHまたはメチルである。なおより典型的には、R20はHで
ある。
【0130】
このプロセスの実施態様は、式:
【0131】
【化39】

【0132】
の化合物と脱水試薬との反応を包含する。典型的には、1位のヒドロキシ基が、
シス−4,5−ジオール保護基を除去することなく、脱離する。1位のヒドロキ
シ基が脱離して、1位と6位との間にオレフィン結合が形成される。
【0133】
典型的には、このプロセスは、化合物4を適切な脱水剤、例えば鉱酸(HCl
、H2SO4)またはSO2Cl2で処理する工程を包含する。より典型的には、化
合物4をSO2Cl2で処理し、次いでアルカノールで処理する。なおさらに典型
的には、化合物4を適切な極性の非プロトン性溶媒、例えばアミン中でSO2
2で処理し、オレフィンを形成する。さらになお典型的には、化合物4をピリ
ジン/CH2Cl2中で−100℃と0℃との間の温度、典型的には−100℃と
−10℃との間の温度、より典型的には−78℃で、SO2Cl2で処理して、化
合物5を形成する。
【0134】
典型的な実施態様において、ジクロロメタン中の化合物4およびピリジンの溶
液を−20℃から−30℃に冷却し、そして塩化スルフリルで一滴ずつ処理する
。発熱反応が鎮静した後、得られるスラリーをエタノールでクエンチし、0℃ま
で加温し、そして16%硫酸、水および5%重炭酸ナトリウム水溶液で順次洗浄
する。この実施の詳細な例は以下実施例4として提供される。
【0135】
任意に、この実施態様のプロセスは、化合物5を貴金属錯体で処理することに
よって、任意に他の反応生成物または他の不純物、例えば、他の二重結合異性体
、ハロゲン化副生成物または出発物質および試薬から、精製または分離する工程
をさらに包含する。貴金属は、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、レニウ
ム、水銀、ルテニウムおよびオスミウムを包含する。典型的には、この実施態様
の貴金属錯体は、白金またはパラジウムの錯体である。より典型的には、この錯
体は、パラジウム(0)錯体であり、さらに典型的には、錯体はテトラキス(ト
リアリールホスフィン)パラジウム(0)錯体である。
【0136】
典型的な実施態様において、反応の有機層は、オレフィンおよびハロゲン化生
成物の混合物、ならびに出発物質を含む。これを減圧下濃縮し、そして酢酸エチ
ルを加える。溶液をピロリジンおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(0)で、室温で処理し、次いで16%硫酸で洗浄する。有機層をシリ
カゲルのパッドを通して濾過し、そして酢酸エチルで溶出する。濾液を減圧下濃
縮する。残渣を酢酸エチルに還流下溶解し、そしてヘキサンを加える。冷却する
と、生成物が結晶化し、そしてこれを濾過により分離し、そしてヘキサン中14
%の酢酸エチルで洗浄する。減圧下乾燥した後、5が得られた。この実施態様の
詳細な例は以下実施例4として提供される。
【0137】
この実施態様の他の例において、化合物5は、式:
【0138】
【化40】

【0139】
の化合物である。
【0140】
本発明の他の局面は、式:
【0141】
【化41】

【0142】
の化合物の調製のためのプロセスに関する。ここで:
2、R3およびR20は上で定義したとおりである。
【0143】
4は以下説明する。
【0144】
Wは、炭素環または複素環であり、ここでこの炭素環または複素環のいずれも
が0個から3個のR29基(R29は以下説明する)で置換される。
【0145】
Wは、炭素環または複素環であり、ただし、各Wは独立して0個から3個のR
29基(R29は以下説明する)で置換される。W炭素環および複素環は安定な化学
構造である。このような構造は、測定可能な収率で、測定可能な純度で、反応混
合物から−78℃から200℃の温度で単離され得る。各Wは独立して0個から
3個のR29基で置換される。典型的には、Wは飽和、不飽和または芳香族の環で
あり、単環式または二環式の炭素環または複素環を含む。より典型的には、Wは
3個から10個の環原子を有し、さらに典型的には3個から7個の環原子を有し
、そして通常3個から6個の環原子を有する。W環は、3個の環原子を含む場合
には飽和であり、4個の環原子を含む場合には飽和または単不飽和であり、5個
の環原子を含む場合は、飽和、単不飽和または二不飽和であり、そして6個の環
原子を含む場合には飽和、単不飽和または二不飽和、あるいは芳香族である。
【0146】
Wが炭素環式の場合、Wは典型的には炭素3個から7個の単環であり、あるい
は炭素原子7個から12個の二環である。より典型的には、Wは3個から6個の
環原子、さらに典型的には5個または6個の環原子を有する単環式炭素環である
。W二環式炭素環は、典型的にはビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]
または[6,6]系として配置された7個から12個の環原子を有し、さらに典
型的にはビシクロ[5,6]または[6,6]系として配置された9個または1
0個の環原子を有する。例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、1−シクロペンタ−1−エニル、1−シクロペンタ−2−エニル、1−シ
クロペンタ−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1
−シクロヘキサ−2−エニル、1−シクロヘキサ−3−エニル、フェニル、スピ
リルおよびナフチルが包含される。
【0147】
W複素環は、典型的には、3個から7個の環員(2個から6個の炭素原子およ
び1個から3個の、N、O、P、およびSから選択される複素原子)を有する単
環、または7個から10個の環員(4個から9個の炭素原子および1個から3個
の、N、O、P、およびSから選択される複素原子)を有する二環である。より
典型的には、Wは3個から6個の環原子(2個から5個の炭素原子および1個か
ら2個の、N、O、およびSから選択される複素原子)有し、さらに典型的には
5個または6個の環原子(3個から5個の炭素原子および1個から2個の、Nお
よびSから選択される複素原子)を有する複素環式単環である。W複素環式二環
は、典型的には、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]または[6,6
]系として配置された7個から10個の環原子(6個から9個の炭素原子および
1個から2個の、N、O、およびSから選択される複素原子)、さらに典型的に
はビシクロ[5,6]または[6,6]系として配置された9個または10個の
環原子(8個から9個の炭素原子および1個から2個の、NおよびSから選択さ
れる複素原子)を有する。
【0148】
「複素環」は本明細書において、例示であり、限定ではないが、例として、P
aquette, Leo A.; 「Principles of Mode
rn Heterocyclic Chemistry」(W.A. Benj
amin, New York, 1968)、特に第1、3、4、6、7、お
よび9章;「The Chemistry of Heterocyclic
Compounds, A series of Monographs」(J
ohn Wiley & Sons, New York, 1950から現在
)、特に第13、14、16、19、および28巻;および「J. Am. C
hem. Soc.」、82:5566(1960)に記載の複素環を包含する

【0149】
例示される複素環の例は、ピリジル、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル
、硫黄酸化(sulfur oxidized) テトラヒドロチオフェニル、
ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テ
トラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、
キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ピペリジニル、4−ピペリ
ドニル、ピロリジニル、2−ピロリドニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル
、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニ
ル、オクタヒドロイソキノリニル、アゾシニル、トリアジニル、6H−1,2,
5−チアジアジニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、チエニル、チア
ントレニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェ
ノキサチイニル、2H−ピロリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピラジニ
ル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、1H
−インダゾリル(indazoly)、プリニル、4H−キノリジニル、フタラ
ジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテ
リジニル、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナン
トリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル
、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマ
ニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピ
ペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル
、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソキサゾリル、オキシイン
ドリル、ベンズオキサゾリニル、およびイサチノイルを包含するが、これらに限
定されない。
【0150】
例示であり、限定ではないが、炭素結合複素環は、ピリジンの2位、3位、4
位、5位、または6位、ピリダジンの3位、4位、5位、または6位、ピリミジ
ンの2位、4位、5位、または6位、ピラジンの2位、3位、5位、または6位
、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロールまたはテト
ラヒドロピロールの2位、3位、4位、または5位、オキサゾール、イミダゾー
ルまたはチアゾールの2位、4位、または5位、イソキサゾール、ピラゾール、
またはイソチアゾールの3位、4位、または5位、アジリジンの2位または3位
、アゼチジンの2位、3位、または4位、キノリンの2位、3位、4位、5位、
6位、7位、または8位、またはイソキノリンの1位、3位、4位、5位、6位
、7位、または8位で結合する。さらに典型的には、炭素結合複素環は、2−ピ
リジル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリジル、6−ピリジル、3−ピリ
ダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル、6−ピリダジニル、2−ピリ
ミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、2−ピラ
ジニル、3−ピラジニル、5−ピラジニル、6−ピラジニル、2−チアゾリル、
4−チアゾリル、または5−チアゾリルを包含する。
【0151】
例示であり、限定ではないが、窒素結合複素環は、アジリジン、アゼチジン、
ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾ
リジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−
ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリ
ン、1H−インダゾールの1位、イソインドール、またはイソインドリンの2位
、モルホリンの4位、およびカルバゾールまたはβ−カルボリンの9位で結合す
る。さらに典型的には、窒素結合複素環は、1−アジリジル、1−アゼチジル(
azetedyl)、1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、およ
び1−ピペリジニルを包含する。
【0152】
典型的にはW複素環は、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル
、s−チアジニル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリ
ル、ピラゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チオフラニル、チエニル、または
ピロリルから選択される。
【0153】
より典型的には、Wの複素環は、その炭素原子または窒素原子を介して結合す
る。さらに典型的にはW複素環は、その炭素または窒素原子を介して安定な共役
結合で結合する。安定な共役結合は上記のような化学的に安定な構造である。
【0154】
Wは任意に:
【0155】
【化42】

【0156】
からなる群から選択される。
【0157】
5はHまたはR3である。
【0158】
7はHまたはアミノ保護基である。R7アミノ保護基は、Greeneの第3
15頁〜第385頁に記載される。これらは、カルバメート (メチルおよびエ
チル、9−フルオレニルメチル、9(2−スルホ)フルオレニルメチル(flu
oroenylmethyl)、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメチル
、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10
,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチル、4−メトキシフェナシル);
置換エチル (2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル
、2−フェニルエチル、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル、1 ,
1−ジメチル−2−ハロエチル、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチル、
1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチル、1−メチル−1−(4−ビ
フェニル)(biphenylyl)エチル、1−(3,5−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−1−メチルエチル、2−(2’−および4’−ピリジル)エチル、2
−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキシアミド)エチル、t−ブチル、1−ア
ダマンチル、ビニル、アリル、1−イソプロピルアリル、シンナミル、4−ニト
ロシンナミル、8−キノリル、N−ヒドロキシピペリジニル、アルキルジチオ、
ベンジル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、p−ブロモベンジル、
p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、4−メチルスルフィニルベン
ジル、9−アントリルメチル、ジフェニルメチル); 補助的な開裂を伴う基
(2−メチルチオエチル、2−メチルスルホニルエチル、2−(p−トルエンス
ルホニル)エチル、[2−(1,3−ジチアニル)]メチル、4−メチルチオフ
ェニル、2,4−ジメチルチオフェニル、2−ホスホニオエチル、2−トリフェ
ニルホスホニオイソプロピル、1,1−ジメチル−2−シアノエチル、m−クロ
ロ−p−アシルオキシベンジル、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジル、5−ベ
ンズイソキサゾリルメチル、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチ
ル); 光開裂し得る基 (m−ニトロフェニル、3,5−ジメトキシベンジル
、o−ニトロベンジル、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジル、フェニル(
o−ニトロフェニル)メチル); 尿素型誘導体 (フェノチアジニル−(10
)−カルボニル、N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル、N’−フェ
ニルアミノチオカルボニル); 種々多様なカルバメート (t−アミル、S−
ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジル、シクロブチル、シクロヘキシ
ル、シクロペンチル、シクロプロピルメチル、p−デシルオキシベンジル、ジイ
ソプロピルメチル、2,2−ジメトキシカルボニルビニル、o−(N,N−ジメ
チルカルボキシアミド)ベンジル、1,1−ジメチル−3−(N、N−ジメチル
カルボキシアミド)プロピル、1,1−ジメチルプロピニル、ジ(2−ピリジル
)メチル、2−フラニルメチル、2−ヨードエチル、イソボルニル、イソブチル
、イソニコチニル、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジル、1−メチル
シクロブチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチル−1−シクロプロピルメ
チル、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチル、1−メチル−
1−(p−フェニルアゾフェニル)エチル、1−メチル−1−フェニルエチル、
1−メチル−1−(4−ピリジル)エチル、フェニル、p−(フェニルアゾ)ベ
ンジル、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル、4−(トリメチルアンモニウ
ム)ベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル); アミド(N−ホルミル、
N−アセチル、N−クロロアセチル、N−トリクロロアセチル、N−トリフルオ
ロアセチル、N−フェニルアセチル、N−3−フェニルプロピオニル、N−ピコ
リノイル、N−3−ピリジルカルボキシアミド、N−ベンゾイルフェニルアラニ
ル、N−ベンゾイル、N−p−フェニルベンゾイル);補助的な開裂を伴うアミ
ド(N−o−ニトロフェニルアセチル、N−o−ニトロフェノキシアセチル、N
−アセトアセチル、(N’−ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセチル
、N−3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル、N−3−(o−ニトロフ
ェニル)プロピオニル、N−2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロピ
オニル、N−2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロピオニル、
N−4−クロロブチリル、N−3−メチル−3−ニトロブチリル、N−o−ニト
ロシンナモイル、N−アセチルメチオニン、N−o−ニトロベンゾイル、N−o
−(ベンゾイルオキシメチル)ベンゾイル、4,5−ジフェニル−3−オキサゾ
リン−2−オン); 環状イミド誘導体 (N−フタルイミド、N−ジチアスク
シノイル、N−2,3−ジフェニルマレオイル、N−2,5−ジメチルピロリル
、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加体、5−
置換 1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5
−置換 1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン
、1−置換 3,5−ジニトロ−4−ピリドニル); N−アルキルおよびN−
アリールアミン(N−メチル、N−アリル、N−[2−(トリメチルシリル)エ
トキシ]メチル、N−3−アセトキシプロピル、N−(1−イソプロピル−4−
ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)、第四級アンモニウム塩、N−
ベンジル、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチル、N−5−ジベンゾスベリル
、N−トリフェニルメチル、N−(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル、
N−9−フェニルフルオレニル、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチ
レン、N−フェロセニルメチル、N−2−ピコリルアミン N’−オキシド)、
イミン誘導体 (N−1,1−ジメチルチオメチレン、N−ベンジリデン、N−
p−メトキシベンジリデン(methoxybenylidene)、N−ジフ
ェニルメチレン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレン、N,(N’,N
’−ジメチルアミノメチレン、N、N’−イソプロピリデン、N−p−ニトロベ
ンジリデン、N−サリチリデン、N−5−クロロサリチリデン、N−(5−クロ
ロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレン、N−シクロヘキシリデン);
エナミン誘導体 (N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセ
ニル)); N−金属誘導体(N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸(b
orinic acid)誘導体、N−[フェニル(ペンタカルボニルクロム−
または−タングステン)]カルベニル、N−銅またはN−亜鉛キレート); N
−N誘導体 (N−ニトロ、N−ニトロソ、N−オキシド); N−P誘導体(
N−ジフェニルホスフィニル、N−ジメチルチオホスフィニル、N−ジフェニル
チオホスフィニル、N−ジアルキルホスホリル、N−ジベンジルホスホリル、N
−ジフェニルホスホリル); N−Si誘導体; N−S誘導体; N−スルフ
ェニル誘導体 (N−ベンゼンスルフェニル、N−o−ニトロベンゼンスルフェ
ニル、N−2,4−ジニトロベンゼンスルフェニル、N−ペンタクロロベンゼン
スルフェニル、N−2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェニル、N−トリ
フェニルメチルスルフェニル、N−3−ニトロピリジンスルフェニル);および
N−スルホニル誘導体 (N−p−トルエンスルホニル、N−ベンゼンスルホニ
ル、N−2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホニル、N−2,
4,6−トリメトキシベンゼンスルホニル、N−2,6−ジメチル−4−メトキ
シベンゼンスルホニル、N−ペンタメチルベンゼンスルホニル、N−2,3,5
,6,−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホニル、N−4−メトキシベ
ンゼンスルホニル、N−2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル、N−2,
6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホニル、N−2,2,5,7,8−ペ
ンタメチルクロマン−6−スルホニル、N−メタンスルホニル、N−β−トリメ
チルシリエタンスルホニル、N−9−アントラセンスルホニル、N−4−(4’
,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホニル、N−ベンジルスルホ
ニル、N−トリフルオロメチルスルホニル、N−フェナシルスルホニル)を包含
する。典型的には、R7はHまたは−C(O)R25である(R25は上記)。
【0159】
8はHまたはR2である。典型的にはR8はHである。
【0160】
9はHまたはチオール保護基である。R9アミノ保護基はGreeneの第2
77頁から第308頁に記載されている。これらは、チオエーテル (S−ベン
ジル、S−p−メトキシベンジル、S−o−もしくは p−ヒドロキシ−または
アセトキシベンジル、S−p−ニトロベンジル、S−4−ピコリル、S−2−
ピコリルN−オキシド、S−9−アントリルメチル、S−9−フルオレニルメチ
ル、S−フェロセニルメチル); S−ジフェニルメチル、置換 S−ジフェニ
ルメチル、およびS−トリフェニルメチルチオエーテル (S−ジフェニルメチ
ル、S−ビス(4−メトキシフェニル)メチル、S−5−ジベンゾスベリル、S
−トリフェニルメチル、S−ジフェニル−4−ピリジルメチル、S−フェニル、
S−2,4−ジニトロフェニル、S−t−ブチル、S−1−アダマンチル);
置換 S−メチル誘導体モノチオ、ジチオ、およびアミノチオアセタール (S
−メトキシメチル、S−イソブトキシメチル、S−2−テトラヒドロピラニル、
S−ベンジルチオメチル、S−フェニルチオメチル、チアゾリジン、S−アセト
アミドメチル、S−トリメチルアセトアミドメチル、S−ベンズアミドメチル、
S−アセチル−、S−カルボキシ−、およびS−シアノメチル); 置換 S−
エチル誘導体 (S−2−ニトロ−1−フェニルエチル、S−2−(4’−ピリ
ジル)エチル、S−2−シアノエチル、S−2,2−ビス(カルボエトキシ)エ
チル、S−1−m−ニトロフェニル−2−ベンゾイルエチル、S−2−フェニル
スルホニルエチル、S−1−(4−メチルフェニルスルホニル)−2−メチルプ
ロプ−2−イル); シリルチオエーテル、チオエステル、(S−アセチル誘導
体、S−ベンゾイル誘導体、S−N−[[(p−ビフェニリル)イソプロポキシ
]カルボニル]−N−メチル−γ−アミノブチレート、S−N−(t−ブトキシ
カルボニル)−N−メチル−γ−アミノブチレート); チオカルボネート誘導
体 (S−2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、S−t−ブトキシカル
ボニル、S−ベンジルオキシカルボニル、S−p−メトキシベンジルオキシカル
ボニル); チオカルバメート誘導体 (S−(N−エチル)、S−(N−メト
キシメチル);種々多様な誘導体、非対称ジスルフィド (S−エチル、S−t
−ブチル、置換 S−フェニル); スルフェニル誘導体 (S−スルホネート
、S−スルフェニルチオカルボネート、S−3−ニトロ−2−ピリジンスルフェ
ニルスルフィド); ジチオール、ジチオアセタールおよびケタールの保護体と
して (S,S’−メチレン、S,S’−イソプロピリデン、およびS,S’−
ベンジリデン、S,S’−p−メトキシベンジリデン); スルフィドの保護体
として (S−メチルスルホニウム塩、S−ベンジル−およびS−4−メトキシ
ベンジルスルホニウム塩、S−1−(4−フタルイミドブチル)スルホニウム塩
); S−P誘導体 (S−(ジメチルホスフィノ)チオイル、S−(ジフェニ
ルホスフィノ)チオイル)を包含する;
各R21は独立にR20、Br、Cl、F、I、CN、NO2 またはN3である。
典型的には、R21はCl、FまたはR20である。より典型的には、R20であり、
いっそう典型的には、Hである。
【0161】
各R22は独立にF、Cl、Br、I、−CN、N3、−NO2、−OR5、−O
20、−N(R202、−N(R20)(R7)、−N(R72、−SR20、−SR
9、−S(O)R20、−S(O)220、−S(O)OR20、−S(O)OR8
−S(O)2OR20、−S(O)2OR8、−C(O)OR20、−C(O)OR8
−OC(O)R20、−N(R20)(C(O)R20)、−N(R7)(C(O)R2
0)、−N(R20)(C(O)OR20)、−N(R7)(C(O)OR20)、−C
(O)N(R202、−C(O)N(R7)(R20)、−C(O)N(R72、−
C(NR20)(N(R202)、−C(N(R7))(N(R202)、−C(N
(R20))(N(R20)(R7))、−C(N(R7))(N(R20)(R7))
、−C(N(R20))(N(R72)、−C(N(R7))(N(R72)、−
N(R20)C(N(R20))(N(R202)、−N(R20)C(N(R20))
(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R7))(N(R202)、−N
(R7)C(N(R20))(N(R202)、−N(R7)C(N(R7))(N(
202)、−N(R7)C(N(R20))(N(R20)(R7))、−N(R20
)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(R20)C(N(R20))(N
(R72)、−N(R7)C(N(R7))(N(R20)(R7))、−N(R7
C(N(R20))(N(R72)、−N(R20)C(N(R7))(N(R72
)、−N(R7)C(N(R7))(N(R72)、=O、=S、=N(R20)、
=N(R7)またはWである。
【0162】
典型的には、R22 はF、C1、Br、I、−CN、N3、−NO2、−OR5
、−OR20、−N(R202、−N(R20)(R7)、−N(R72、−SR20
−SR9、−S(O)R20、−S(O)220、−S(O)OR20、−S(O)O
8、−S(O)2OR20、−S(O)2OR8、−C(O)OR20、−C(O)O
8、=O、=S、=N(R20) または=N(R7)である。より典型的には、
22 はF、Cl、Br、−CN、N3、−NO2、−OR5、−OR20、−N(
202、−N(R20)(R7)、−N(R72、−C(O)OR20、−C(O)
OR8、または=Oである。よりいっそう典型的には、R22 はF、C1、Br
、−CN、N3、−NO2、−OR20、−N(R202、−C(O)OR20または
=Oである。さらにより典型的には、R22 はF、C1、Br、−CN、−OH
、−N(H)2、−C(O)OR20または=Oである。
【0163】
各R23は独立して、炭素原子1個から11個のアルキル、炭素原子2個から1
1個のアルケニル、または炭素原子2個から11個のアルキニルである。より典
型的にはR23は炭素原子1個から8個のアルキル、炭素原子2個から8個のアル
ケニル、または炭素原子2個から8個のアルキニルであり、さらに典型的にはR
23は炭素原子1個から6個のアルキル、炭素原子2個から6個のアルケニル、ま
たは炭素原子2個から6個のアルキニルである。さらになお典型的には、R23
25である。
【0164】
各R24は独立してR23であり、ここで各R23は、0個から3個のR22基で置換
される。R23およびR22の典型的な実施態様の各々は、R24にも典型的である。
より典型的には、R24は0個、1個、2個、または3個のR22基で置換される。
【0165】
24aは独立して炭素原子1個から11個のアルキレン、炭素原子2個から1
1個のアルケニレン、または炭素原子2個から11個のアルキニレンであり、こ
れらのアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレンのいずれもが0個から3個
のR22基で置換される。より典型的にはR24aは、炭素原子1個から8個のアル
キレン、炭素原子2個から8個のアルケニレン、または炭素原子2個から8個の
アルキニレンであり、さらに典型的には、R24aは炭素原子1個から6個のアル
キレン、炭素原子2個から6個のアルケニレン、または炭素原子2個から6個の
アルキニレンである。さらになお典型的には、R24aは−CH2−、−CH2CH2
−、−CH2CH2CH2−または−C(H)(CH3)−である。
【0166】
各R28は独立して、炭素原子1個から12個のアルキル、炭素原子2個から1
2個のアルケニル、または炭素原子2個から12個のアルキニルである。より典
型的にはR28は炭素原子1個から8個のアルキル、炭素原子2個から8個のアル
ケニル、または炭素原子2個から8個のアルキニルであり、さらに典型的にはR
28は炭素原子1個から6個のアルキル、炭素原子2個から6個のアルケニル、ま
たは炭素原子2個から6個のアルキニルである。さらになお典型的には、R28
25である。
【0167】
各R29は独立してR22またはR28であり、ここで各R28は、0個から3個のR
22基で置換される。R28およびR22の典型的な実施態様の各々は、R29にも典型
的である。より典型的には、R29は0個、1個、2個、または3個のR22基で置
換される。
【0168】
各R30は独立して、H、R24、Wまたは−R24aWである。
【0169】
4は−C(R303であり、ただしR4は全体として、0個から3個のR29
29は上記)で置換された0個から1個のW基(W基は上記)を含み、それに加
えて0個から3個のR22基(R22は上記)で置換された1個から12個の炭素原
子を含む。R4の実施態様の例は、上記「関連技術の簡単な説明」で引用した文
献の中にU1実施態様として提供されている。
【0170】
典型的には1つのR30はHである。より典型的には、1つのR30はHであり、
そして残りの2つのR30は独立してR24、Wまたは−R24aWである。さらにな
お典型的には、1つのR30はHであり、1つのR30はR24であり、そして残りの
30は独立してR24、Wまたは−R24aWである。
【0171】
4の1つの実施態様において、1つのR30はHであり、1つのR30はR25
あり、そして1つのR30はR24、Wまたは−R24aWである。典型的には、1つ
のR30はHであり、そして2つのR30はR25である。R4の他の実施態様におい
て、1つのR30はHであり、1つのR30は−R24aWであり、そして1つのR30
はR24、Wまたは−R24aWである。典型的には、1つのR30はHであり、1つ
のR30は−R24aWであり、そして1つのR30はR24である。他の実施態様にお
いて、1つのR30はHであり、そして2つのR30は炭素原子1個から6個のアル
キルである。
【0172】
他の実施態様において、R4は:
【0173】
【化43】

【0174】
であり、ここでR26は、H、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3、−O
CH3、−OAc(−O−C(O)CH3)、−OH、−NH2、または−SHで
あり、典型的にはH、−CH3、または−CH2CH3である。
【0175】
典型的には、各R4は(全体として)0個から3個のW基を含み、この各々は
独立して0個から3個のR29基で置換される;そして各R4は(全体として)そ
れに加えて1個から12個の炭素原子を含み、この各々の炭素原子は独立して0
個から3個のR22基で置換される。より典型的には、各R4は0個、1個または
2個のこのようなW基を含み、さらになお典型的には0個または1個のこのよう
なW基を含む。
【0176】
他の実施態様において、R4の各R30基は(全体として)、化合物11の形成
を妨げるほど電子吸引性ではない。Lowry, T.H.およびRichar
dson, K.S.「Mechanism and Theory in O
rganic Chemistry」(Harper & Row, 1976
)、第2.2節、第60頁〜第71頁、およびMarch, J.「Advan
ced Organic Chemistry」(McGraw−Hill,
1977)、第9章、「反応性に対する構造の影響の定量的処理」、第251頁
〜第259頁は、置換基の電子吸引性についての詳細が述べられている。他の実
施態様において、R4の各R30基は(全体として)、ハメットのσパラ値が約1
未満であり、典型的には約0.75未満であり、より典型的には約0.5未満で
ある。他の実施態様において、R4の各R30基は(全体として)、ハメットのσ
パラ値が−1.0から1.0であり、より典型的には−0.75から0.75で
あり、さらになお典型的には−0.5から0.5である。
【0177】
このプロセスの実施態様は、式:
【0178】
【化44】

【0179】
の化合物(ここでR31はケタールまたはアセタールである)とルイス酸試薬との
反応を包含する。典型的には、R31はC(R302−であり、ここでR30は上記
の通りである。
【0180】
典型的には、化合物10を当該分野で一般的なルイス酸触媒、例えば、BF3
・ Et2O、TiCl3、TMSOTf、SmI2(THF)2、LiClO4
Mg(ClO42、Ln(OTf)3 (ここでLn=Yb、Gd、Nd)、T
i(Oi−Pr)4、AlCl3、AlBr3、BeCl2、CdCl2、ZnCl2
、BF3、BCl3、BBr3、GaCl3、GaBr3、TiCl4、TiBr4
ZrCl4、SnC14、SnBr4、SbCl5、SbCl3、BiCl3、FeC
3、UCl4、ScCl3、YCl3、LaCl3、CeCl3、PrCl3、Nd
Cl3、SmCl3、EuCl3、GdCl3、TbCl3、LuCl3、DyCl3
、HoCl3、ErCl3、TmCl3、YbCl3、ZnI2、A1(OPri3
、Al(acac)3、ZnBr2、またはSnCl4と反応させる。
【0181】
任意に、化合物10はまた還元試薬で処理される。典型的な還元試薬は、B(
303の形態のもの、例えばBH3である。任意に、B(R303の形態の還元
試薬は、ジエチルエーテルおよびジメチルスルフィドのような一般的な溶媒と錯
体を形成する。広範囲のボラン還元試薬が公知であり、ここでは詳述しない。例
えば、Brown, H.C.「Boranes in Organic Ch
emistry」、(Cornell Univ. Press, Ithac
a, N.Y., 1972)(Brown)は、非常に多くの例を提供してお
り、そのような例は、第4部、選択的還元、第209頁から第251頁、第5部
、ハイドロボレーション、第255頁〜第297頁、および第6部、有機ボラン
、第301頁〜第446頁に見いだされる。
【0182】
典型的な実施態様において、化合物10は非プロトン性溶媒中でルイス酸で処
理される。より典型的には、化合物10は、非プロトン性溶媒中でルイス酸およ
び還元試薬で処理される。
【0183】
典型的な実施態様において、ジクロロメタン中の10の溶液を冷却し、そして
ボラン−メチルスルフィド錯体およびトリメチルシリルトリフルオロメタンスル
ホネートで処理する。10%重炭酸ナトリウム水溶液をゆっくりと加える。この
混合物を周囲温度まで加温し、そして攪拌する。有機層を濾過し、そして減圧下
濃縮して化合物11を残す。この実施態様の詳細な例は、下記実施例6として提
供される。
【0184】
この実施態様の他の例示プロセスにおいて、化合物11は式:
【0185】
【化45】

【0186】
の化合物である。
【0187】
本発明の他の局面は、式:
【0188】
【化46】

【0189】
の化合物の調製のためのプロセスに関する。ここで:
2、R4、R7、R20およびR21は上で定義された通りである。
【0190】
このプロセスの実施態様は、式:
【0191】
【化47】

【0192】
の化合物と還元試薬との反応を包含する。
【0193】
化合物30のアジドを還元して、化合物31を形成する。
【0194】
典型的には、このプロセスは化合物30を還元剤で処理して、化合物31を形
成する工程を包含する。より典型的には、このプロセスは、化合物30を水素ガ
スおよび触媒(例えば、白金担持炭素またはリンドラー触媒)、または還元試薬
(典型的には、トリアルキル(P(R253のような三置換ホスフィン)または
トリアリールホスフィン(PW3、例えばトリフェニルホスフィン)で処理する
工程を包含する。さらになお典型的には、このプロセスは化合物30をトリフェ
ニルホスフィンおよび塩基で処理して、化合物31を形成する工程を包含する。
【0195】
典型的には、化合物30を無水アセトニトリルのような適切な極性の非プロト
ン性溶媒に溶解する。無水テトラヒドロフランのような適切な溶媒または溶媒混
合物中の無水トリフェニルホスフィン溶液を一滴ずつ加える。混合物を加熱還流
し、次に減圧下濃縮して、化合物5を残す。この実施態様の詳細な例を下記実施
例9として提供する。
【0196】
このプロセスの他の実施態様において、化合物31は式:
【0197】
【化48】

【0198】
の化合物である。
【0199】
本発明の他の局面は、式:
【0200】
【化49】

【0201】
の化合物の調製のためのプロセスに関する。ここで:
2、R4、R5、R20およびR21は上で定義したとおりである。
【0202】
1はモノ−、ジ−または非置換のアミノ基である。典型的には、Y1は式−N
(R302、フタルイミドまたは窒素含有複素環(上記でWとして定義した)で
あり、より典型的には、Y1はフタルイミドであり、さらになお典型的には、フ
タルイミド塩である。
【0203】
このプロセスの実施態様は、式:
【0204】
【化50】

【0205】
の化合物とアミン試薬との反応を包含する。典型的には、アミン試薬は式HY1
のアミンまたはHY1の塩、例えば、例示として、NH3(McMannsら、「
Bull Soc. Chim. France」850(1974))、HY
1全般(Moussevon, M.ら、「Synth. Commun.」3
:177(1973))またはフタルイミド(Gabrielら、「Ber.」
20:2224(1887)またはGibsonら、「Angew, Chem
. Int.」、7:919−930(1968))である。
【0206】
このプロセスは、化合物40をアミン試薬で処理して、化合物32を生成する
工程を包含する。より典型的には、化合物40を適切な極性の非プロトン性溶媒
(例えば、CH3CN、DMFまたはTHF)中のアミン試薬で処理する。任意
に、化合物40はアミン試薬および塩基で処理される。このプロセスの実施態様
の典型的な詳細は、March、「Advanced Organic Che
mistry」第4版、第425頁〜第427頁に見いだされ得る。
【0207】
このプロセスの他の実施態様において、化合物41は式:
【0208】
【化51】

【0209】
の化合物である。
【0210】
本発明の他の局面は、式:
【0211】
【化52】

【0212】
の化合物の調製のためのプロセスに関する。ここで:
2、R4、R20、R21およびY1は上で定義したとおりである。
【0213】
このプロセスの実施態様は、式:
【0214】
【化53】

【0215】
の化合物と酸化試薬との反応を包含する。広範囲の適切な酸化試薬が当該分野で
公知であり、ここでは詳述しない。例えば、House, H.O.「Mode
rn Synthetic Reactions、第2版」、第5章、第259
頁〜第273頁はアルコールの選択的酸化を記載する。典型的な試薬は、CrO
3、Na2Cr27、KMnO4、PDCおよびPCCを包含する。このプロセス
の実施態様の典型的な詳細は、Larock, 「Comprehensive
Organic Transformations」、第604頁〜第614
頁;Coreyら、「Tetrahedron Lett.」31:2647−
50(1975);Leyら、「Chem. Common」1625(198
7); Sweonら、「J. Org. Chem.」43:2480−2(
1978);およびMartinら、「J. Org. Chem.」48:4
155−56(1983)に見いだされ得る。溶媒は典型的には不活性な極性溶
媒(例えばCH2Cl2、トルエンまたはCH3CN)を包含する。
【0216】
本発明のプロセスの他の実施態様において、化合物51は式:
【0217】
【化54】

【0218】
の化合物である。
【0219】
本発明の他の局面は、式:
【0220】
【化55】

【0221】
の化合物の調製のためのプロセスに関する。ここで
2、R4、R20、R21およびY1は上で定義したとおりである。
【0222】
このプロセスの実施態様は、式:
【0223】
【化56】

【0224】
の化合物と塩基との反応を包含する。典型的には、塩基はヒンダードアミンまた
はヒンダードアルコキシドあるいはそのいずれかの塩である。より典型的には、
塩基は式NaOR25、KOR25またはNR253であり、さらになお典型的には、
DBN、DBUまたはジイソプロピルエチルアミンである。
【0225】
このプロセスの他の実施態様において、化合物61は式:
【0226】
【化57】

【0227】
の化合物である。
【0228】
本発明の他の局面は、式:
【0229】
【化58】

【0230】
の化合物の調製のためのプロセスに関する。ここで:
2、R4、R7、R20、R21およびY1は上で定義したとおりである。
【0231】
このプロセスの実施態様は、式:
【0232】
【化59】

【0233】
の化合物と還元的アミノ化試薬との反応を包含する。このプロセスの実施態様の
典型的な詳細ならびに参照は、Larock(前掲)の第421頁〜第425頁
に見いだされ得る。他の典型的な説明(NaCNBH3法)はBorch、「J
. Am. Chem. Soc.」93:2897−2904(1971)
である。
【0234】
スキーム1および2は、本発明の実施態様を示す。スキーム1および2のプロ
セスの詳細な説明は、実施例(後述)で提供される。
【0235】
本発明のさらなる個別のプロセスの実施態様は、スキーム1および2のプロセ
スAA、AB、AC、AD、AE、AF、AG、AH、AI、AJ、またはAK
のうちのいずれか1つまたはそれらの系列的な組み合わせを包含する。「系列的
な組み合わせ」とは、本明細書において、1つより多いプロセスであって、個別
のプロセスが指示された順序で順次行われるプロセスを意味する。単離、分離、
精製は、いずれの個別のプロセスの前でも、任意に行われる。
【0236】
本発明のさらなる個別のプロセスの実施態様は、実施例1、実施例2、実施例
3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例9、実施例1
0、実施例11、実施例12または実施例13のいずれか1つまたはそれらの系
列的な組み合わせを包含する。
【0237】
(スキーム1)
【0238】
【化60】

【0239】
(スキーム2)
【0240】
【化61】

【0241】
スキーム3は、代替の窒素求核試薬(March,「Advanced Or
ganic Chemistry,」第4版、第425頁〜第427頁)を用い
てエポキシド201を開環することによる、ノイラミニダーゼインヒビター20
6(R=H2)の合成を示す。アジドアルコール202の酸化によりケトン20
3が得られ(Larock, 「Comprehensive Organic
Transformations」、第604頁〜第614頁)、ここでβア
キシャルNR基は異性体化されてαエクアトリアル立体配置204となる。ケト
ン204の還元的アミノ化(Larock(前掲)、第421頁〜第425頁)
により、βエクアトリアルアミン205が得られ、これをアセチル化して206
を得る。R部分の開裂(Greene、「Protective Groups
in Organic Synthesis」、第218頁〜第287頁)に
よりノイラミダーゼインヒビター206(R=H2)が得られる。
【0242】
本発明のさらなる個別のプロセスの実施態様は、スキーム3のプロセスAL、
AM、AN、AO、またはAPのうちのいずれか1つまたはそれらの系列的な組
み合わせを包含する。
【0243】
(スキーム3)
【0244】
【化62】

【0245】
上記スキームの各々の改変により、上で生成される特定の例示物質の種々のア
ナログが導かれる。適切な有機合成方法を記載する上記引用参照文献は、このよ
うな改変に適用可能である。
【0246】
上記例示スキームの各々において、反応生成物を互いに分離すること、および
/または出発物質から分離することが有利であり得る。各工程または一連の工程
の所望の生成物を、当該分野で一般的な技術で所望の均一度まで分離および/ま
たは精製して(以下、分離)する。典型的には、このような分離は、多相抽出、
溶媒または溶媒混合物からの結晶化、蒸留、昇華、またはクロマトグラフィーを
伴う。クロマトグラフィーは、任意の数の方法を伴い得る。例えば、サイズ排除
またはイオン交換クロマトグラフィー、高圧、中圧、または低圧液体クロマトグ
ラフィー、小規模および分取の薄層または厚層クロマトグラフィー、ならびに小
規模な薄層およびフラッシュクロマトグラフィーの技術が包含される。
【0247】
分離方法の他のクラスは、所望の生成物、未反応の出発物質、反応副生成物な
どに結合するように選択された試薬、あるいは他の方法で分離し得る試薬で混合
物を処理することを伴う。このような試薬は、吸着剤または吸収剤、例えば、活
性炭、モレキュラーシーブ、イオン交換媒体など包含する。あるいは、この試薬
は、塩基性物質の場合には酸であり得、酸性物質の場合は塩基であり得、抗体、
結合タンパク質のような結合試薬、クラウンエーテルのような選択的錯形成剤、
液/液イオン抽出試薬(LIX)などであり得る。
【0248】
適切な分離方法の選択は、関与する物質の性質に依存する。例えば、蒸留およ
び昇華の場合、沸点および分子量、クロマトグラフィーの場合、極性官能基の存
在または非存在、多相抽出の場合、酸性媒体および塩基性媒体中での物質の安定
性などである。当業者は所望の分離が達成される可能性が最も高い技術を適用す
る。
【0249】
(立体異性体)
本発明の化合物は、いずれかのまたはすべての不斉原子で濃縮(enrich
)または分割された光学異性体である。例えば、記述から明らかなキラル中心が
、キラル異性体またはラセミ混合物として提供される。ラセミ混合物およびジア
ステレオマー混合物の両方、ならびに単離または合成された個別の光学異性体(
そのエナンチオマーまたはジアステレオマー対応物を実質的に含まないもの)が
すべて、本発明の範囲内である。
【0250】
下記の多くの方法の1つ以上を用いて、エナンチオマー的に濃縮された異性体
または純粋な異性体が、ここで調製される。これらの方法は、ほぼその優先度の
順に列記される。すなわち、キラル前駆体からの立体特異的合成は、クロマトグ
ラフィーによる分割の前に行うべきであり、クロマトグラフィーによる分割は自
発的結晶化の前に行われるべきである。
【0251】
立体特異的合成は実施例中で記載される。このタイプの方法は、適切なキラル
出発物質が入手可能な場合に都合良く行われ、そして反応工程は、キラル部位で
の所望されないラセミ化が生じないように選択される。立体特異的合成の1つの
利点は、所望されないエナンチオマーを生成しないことである。所望されないエ
ナンチオマーは最終生成物から除去しなければならないため、全体としての合成
収率を低下させる。通常、当業者は、立体特異的合成によって所望のエナンチオ
マー的に濃縮された異性体あるいは純粋な異性体を得るために、どのような出発
物質および反応条件を使用すべきか理解する。立体特異的であると考えられる方
法において予期せぬラセミ化が起こった場合にのみ、所望の生成物を得るために
次の分離方法のうちの1つを使用する必要がある。
【0252】
適切な立体特異的合成が、ルーチンの実験で経験的に設計されないかあるいは
決定され得ない場合、当業者は他の方法に変えるべきである。全般的に有用な1
つの方法は、キラルクロマトグラフィー樹脂によるエナンチオマーのクロマトグ
ラフィー分割である。これらの樹脂はカラム(一般にPirkleカラムと呼ば
れる)に充填され、そして市販されている。カラムはキラル固定相を含む。ラセ
ミ化合物を溶液中に入れ、そしてカラムにロードし、その後HPLCで分離する
。例えば、Proceedings Chromatographic Soc
iety−キラル分離に関する国際シンポジウム(1987年9月3日〜4日)
を参照のこと。最適な分離技術に関してスクリーニングのために使用され得るキ
ラルカラムの例は、Diacel Chriacel OD、Regis Pi
rkle Covalent Dphenylglycine、Regis P
irkle Type 1A、Astec Cyclobond II、Ast
ec Cyclobond III、Serva Chiral D−DL=D
altosil 100、Bakerbond DNBLeu、Sumipax
OA−1000、Merck Cellulose Triacetate
column、Astec Cyclobond I−Beta、またはReg
is Pirkle Covalent D−Naphthylalanine
を包含する。これらのカラムのすべてがすべてのラセミ混合物に有効な可能性が
あるわけではない。しかし、当業者は、最も有効な固定相を同定するためにある
程度の量のルーチンのスクリーニングが必要とされ得ることを理解する。このよ
うなカラムを用いる場合、電荷が中和されていない(例えば、カルボキシルのよ
うな酸性官能基がエステル化またはアミド化されていない)本発明の化合物の実
施態様を使用することが望ましい。
【0253】
他の方法は、混合物中のエナンチオマーをキラル助剤を用いてジアステレオマ
ーに転化し、次に普通のカラムクロマトグラフィーでこの結合体を分離すること
を伴う。これは、特に実施態様が、キラル助剤と塩を形成するか、あるいは共有
結合する遊離のカルボキシル、アミノまたはヒドロキシルを含む場合に、非常に
適した方法である。キラル的に純粋なアミノ酸、有機酸または有機スルホン酸は
すべてキラル助剤として検討するに値し、これらはすべて当該分野で周知である
。このような助剤との塩が形成され得、あるいはこのような助剤は官能基と共有
結合(しかし可逆的に)し得る。例えば、純粋なDまたはLアミノ酸を用いて本
発明の実施態様のカルボキシル基をアミド化することができ、そして次にクロマ
トグラフィーで分離する。
【0254】
酵素的分割は、潜在的価値のある別の方法である。このような方法において、
ラセミ混合物中のエナンチオマーの共有結合誘導体(通常低級アルキルエステル
(例えばカルボキシルエステル))を調製し、次にこの誘導体を酵素によって開
裂(通常、加水分解)させる。この方法を成功させるためには、立体特異的開裂
を可能とする酵素を選択しなければならず、そのため、これにはしばしばいくつ
もの酵素をルーチンにスクリーニングする必要がある。エステルを開裂させる場
合、エステラーゼ、ホスファターゼ、およびリパーゼのグループを選択し、そし
て誘導体に対するそれらの活性を決定する。典型的なエステラーゼは肝臓、膵臓
または他の動物の器官から得られ、ブタ肝臓エステラーゼを包含する。
【0255】
エナンチオマー混合物が溶液または溶融物から塊として、すなわちエナンチオ
マー的に純粋な結晶の混合物として分離される場合、結晶は機械的に分離され得
、それによりエナンチオマー的に濃縮された調製物が生成される。しかしこの方
法は、大規模な調製のためには実用的ではなく、そして真のラセミ化合物に対し
ては無価値である。
【0256】
不斉合成が、エナンチオマー的濃縮を達成するための別の技術である。例えば
、キラル保護基を保護すべき基と反応させ、そしてこの反応混合物を平衡化させ
る。この反応がエナンチオマー的に特異的である場合、生成物はそのエナンチオ
マーにおいて濃縮される。
【0257】
エナンチオマー混合物の分離におけるさらなるガイダンスは、例示であり限定
ではないが、「Enantiomers, Racemates, and r
esolutions」、Jean Jacques, Andre Coll
et, および Samuel H. Wilen (Krieger Pub
lishing Company, Malabar, FL, 1991,
ISBN 0−89464−618−4)に見いだされ得る。詳細には、第2部
、「エナンチオマー混合物の分割」、第217頁〜第435頁;より詳細には、
第4節、「直接結晶化による分割」、第217頁〜第251頁、第5節、「ジア
ステレオマーの形成および分離」、第251頁〜第369頁、第6節、「結晶化
誘導不斉変換」、第369頁〜第378頁、および第7節、「分割の実験的局面
および技術」、第378頁〜第435頁;さらに詳細には、第5.1.4節、「
アルコールの分割、アルコールから塩形成誘導体への変換」、第263頁〜第2
66頁、第5.2.3節、「アルコール、チオール、およびフェノールの共有結
合誘導体」、第332頁〜第335頁、第5.1.1節、「酸の分割」、第25
7頁〜第259頁、第5.1.2節、「塩基の分割」、第259頁〜第260頁
、第5.1.3節、「アミノ酸の分割」、第261頁〜第263頁、第5.2.
1節、「酸の共有結合誘導体」、第329頁、第5.2.2節、「アミンの共有
結合誘導体」、第330頁〜第331頁、第5.2.4節、「アルデヒド、ケト
ン、およびスルホキシドの共有結合誘導体」、第335頁〜第339頁、および
第5.2.7節、「共有結合ジアステレオマーのクロマトグラフィー挙動」、第
348頁〜第354頁が当業者の例として引用される。
【0258】
(塩および水和物)
本発明の組成物は、任意に本明細書中の化合物の塩、例えば、Na+、Li+
+、Ca++およびMg++を含む。このような塩は、アルカリおよびアルカリ土
類金属イオンまたはアンモニウムおよび第四級アミノイオンのような適切なカチ
オンと酸アニオン部分との組み合わせによって誘導される塩を含み得る。水溶性
塩が所望される場合、一価の塩が好ましい。
【0259】
金属塩は典型的には金属水酸化物と本発明の化合物とを反応させることによっ
て調製される。この方法で調製される金属塩の例は、Li+、Na+、およびK+
を含む塩である。溶解性の低い金属塩は、適切な金属化合物を添加することによ
って、より溶解性の高い塩の溶液から沈殿し得る。
【0260】
さらに、塩は、特定の有機酸および無機酸、例えばHCl、HBr、H2SO4
、H3PO4または有機スルホン酸の、塩基性中心、典型的にはアミンへの酸付加
によって形成され得る。最後に、本明細書の組成物は、本発明の化合物の非イオ
ン化形態、ならびに双性イオン形態を含み、そして化学量論量の水と水和物とし
て組み合わされたものを含むことが理解される。
【0261】
また本発明の範囲内に含まれるのは、親化合物と1つ以上のアミノ酸との塩で
ある。上記のアミノ酸のいずれもが適しており、特にタンパク質の成分として見
いだされる天然アミノ酸が適しているが、このアミノ酸は典型的には、塩基性ま
たは酸性基を有する側鎖を持っているアミノ酸、例えば、リジン、アルギニンま
たはグルタミン酸、あるいは中性の基を有する側鎖を持っているアミノ酸、例え
ば、グリシン、セリン、トレオニン、アラニン、イソロイシン、またはロイシン
である。
【0262】
(発明の化合物のさらなる使用)
本発明の化合物は多官能性である。それ自体として、本発明の化合物はポリマ
ーの合成のための独特のクラスのモノマーを代表する。例示であり限定ではない
が、本発明の化合物から調製されるポリマーは、ポリアミド、ポリエステルおよ
び混合ポリエステル−ポリアミドを包含する。
【0263】
本発明の化合物は、独特のペンダント官能基を有するポリマーを入手する手段
を提供するモノマーとして使用される。本発明の化合物は、本発明の範囲内に入
らないモノマーと組み合わされるコモノマーとして有用である。本発明の化合物
のポリマーはモレキュラーシーブ(ポリアミド)、織物、繊維、フィルム、成形
物品などの調製におけるカチオン交換剤(ポリエステルまたはポリアミド)とし
ての有用性を有する。ポリマーは任意の従来方法によって調製される。例えば、
本発明の化合物の−OHまたは−NH2基を二酸コモノマーで架橋することによ
って調製される。本発明の化合物からのこれらのポリマーの調製は、それ自体従
来的である。
【0264】
本発明の化合物はまた多官能性界面活性剤の独特のクラスとしてもまた有用で
ある。特にR4またはR2が親水性置換基を含まず、そして例えばアルキルである
場合、その化合物は二官能性界面活性剤の性質を有する。それ自体として、この
化合物は、界面活性、表面コーティング、乳化改変、レオロジー改変、および表
面湿潤の特性を有する。
【0265】
定義された形を有し、かつ極性部分と非極性部分を同時に有する多官能性化合
物として、本発明の化合物は相転移剤の独特のクラスとして有用である。例示で
あり限定ではないが、本発明の化合物は相転移触媒作用および液/液イオン抽出
(LIX)において有用である。
【0266】
本発明の化合物は任意に不斉炭素原子を含む。それ自体として、他の光学活性
物質の合成または分割において使用するためのキラル助剤の独特のクラスとであ
る。例えば、カルボン酸のラセミ混合物は、1)−OHまたは−NH2基を含む
本発明の化合物と共に、ジアステレオマー性のエステルまたはアミドの混合物を
形成し;2)このジアステレオマーを分離し;そして3)エステル構造を加水分
解することによって、その成分のエナンチオマーに分割され得る。さらに、この
ような方法は、ラセミ出発物質の代わりに光学活性な酸を使用するならば、本発
明の化合物それ自体を分割するために使用され得る。
【0267】
本発明の化合物は、親和性吸収マトリクス、プロセス制御のための固定化酵素
、またはイムノアッセイ試薬を調製する際のリンカーまたはスペーサーとして有
用である。本明細書の化合物は、複数の官能基を含み、これは所望の物質との架
橋のための部位として適している。例えば、ホルモン、ペプチド、抗体、薬剤な
どの親和性試薬を不溶性基質に連結させることは従来的である。これらの不溶化
試薬は、製造調製物、診断試料、および他の不純な混合物から親和性試薬に対す
る結合パートナーを吸収するための公知のやり方で使用される。同様に、固定化
酵素は、酵素が容易に回収される触媒的転化を行うために使用される。二官能性
化合物は一般に、診断試薬の調製において分析物を検出可能な基に連結するため
に使用される。
【0268】
本発明の化合物の多くの官能基は架橋における使用に適している。例えば、−
OHおよび−NH2基である。架橋試薬を構築する間、必要な場合には反応性基
を適切に保護して、本発明の二官能性化合物の重合を防ぐ。通常、この化合物は
、ヒドロキシルまたはアミノ基を介してそれらを第1の連結パートナーのカルボ
ン酸またはホスホン酸基と連結させ、次に他の−OHまたは−NH2基を介して
他の結合パートナーに共有結合させることによって使用される。例えば、ステロ
イドホルモンのような第1の結合パートナーを反応させて、本発明の化合物の−
NH2基とアミド結合を形成し、そして次にこの結合体を、ヒドロキシルを介し
て臭化シアン活性化Sepaharoseに架橋し、このようにして固定化ステ
ロイドが得られる。結合のための他の化学が周知である。例えば、Maggio
、「Enzyme−Immunoassay」(CRC、1988、第71頁〜
第135頁)およびその中で引用されている参考文献を参照のこと。
【0269】
以下の実施例は、当業者に本発明の化合物および組成物の作製方法の完全な開
示および説明を提供するために提示され、本発明者らがその発明であると見なす
範囲を限定することを意図するものではない。使用される数値(例えば、量、温
度など)に関して正確を期すべく努力したが、いくぶんかの実験誤差および偏差
は考慮されるべきである。他に指示のない限り、部は重量部であり、温度は摂氏
温度であり、そして圧力は大気圧付近である。
【実施例】
【0270】
(実施例1)
ラクトン100: キニン酸(20kg、104mol;[α]D−43.7
°(c=1.12、水);「Merck Index第11版」、8071:[
α]D−42゜から−44°(水))、2,2−ジメトキシプロパン(38.0
kg、365mol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.200kg
、1.05mol)のアセトン(80kg)中の溶液を2時間加熱還流した。エ
タノール中の21%ナトリウムエトキシド(0.340kg、1.05mol)
を加えて反応をクエンチし、そして溶媒の大部分を減圧蒸留した。残渣を酢酸エ
チル(108kg)と水(30kg)との間で分配した。水層を酢酸エチル(1
3kg)で逆抽出し、そして合わせた有機層を5%重炭酸ナトリウム水溶液(1
4kg)で洗浄した。酢酸エチルの大部分を減圧蒸留すると、淡黄色の固体残渣
100が残り、これを次の工程に直接使用した。
【0271】
(実施例2)
ヒドロキシエステル101: 粗ラクトン100(104molの(−)キニ
ン酸から)の無水エタノール(70kg)中の溶液をエタノール中の20%ナト
リウムエトキシド(0.340kg、1.05mol)で処理した。室温で2時
間後、酢酸(0.072kg、1.2mol)を加え、そして溶媒を減圧蒸留し
た。酢酸エチル(36kg)を加え、そしてほぼ乾固するまで蒸留を続けた。黄
褐色の固体残渣は101:100の約5:1の混合物から構成され、これを酢酸
エチル(9kg)に還流下溶解し、そしてヘキサン(9kg)を加えた。冷却す
ると、白色結晶性固体が形成され、これを濾過により単離して、101:100
の約6.5:1の混合物を得た(19.0kg、収率70%)。
【0272】
(実施例3)
メシルエステル102: ジクロロメタン(77kg)中のヒドロキシエステ
ル101とラクトン100との約6.5:1混合物(18.7kg、約72mo
l)の溶液を0−10℃に冷却し、そして塩化メタンスルホニル(8.23kg
、71.8mol)で処理し、次にトリエチルアミン(10.1kg、100m
ol)をゆっくりと加えた。塩化メタンスルホニルの追加部分(0.84kg、
7.3mol)を加えた。1時間後、水(10kg)および3%塩酸(11kg
)を加えた。層分離し、そして有機層を水(9kg)で洗浄し、次に減圧蒸留す
ると、メシルエステル102とメシルラクトン103との約6.5:1混合物か
ら構成される半固体残渣が残った。残渣を酢酸エチル(11kg)に溶解し、そ
して−10℃から−20℃に2時間かけて冷却した。メシルラクトン103が結
晶化し、これを濾過により分離し、そして冷酢酸エチル(11kg)で洗浄した
。濾液を濃縮して、メシルエステル102をオレンジ色の樹脂(20.5kg、
収率84.3%)として得た。
【0273】
(実施例4)
メシルアセトニド104: メシルエステル102(10.3kg、30.4
mol)およびピリジン(10.4kg、183mol)のジクロロメタン(6
3kg)中の溶液を−20℃から−30℃に冷却し、そして塩化スルフリル(6
.22kg、46mol)で一滴ずつ処理した。発熱反応が鎮静した後、得られ
たスラリーをエタノール(2.4kg)でクエンチし、0℃に加温し、そして1
6%硫酸(35kg)、水(15kg)および5%重炭酸ナトリウム水溶液(1
kg)で順次洗浄した。有機層は104:105:106の約4:1:1:混合
物を含み、これを減圧濃縮し、そして酢酸エチル(14kg)を加えた。アリル
性メシレート105を、ピロリジン(2.27kg、31.9mol)およびテ
トラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.0704kg、0
.061mol)の酢酸エチル溶液で周囲温度で5時間処理し、次に16%硫酸
(48kg)で洗浄することによって選択的に除去した。有機層をシリカゲルの
パッド(11kg)を通して濾過し、そして酢酸エチル(42kg)で溶出した
。濾液を減圧濃縮すると、104:106の約4:1混合物から構成される濃厚
なオレンジ色の油状物が残った。残渣を酢酸エチル(5.3kg)中に還流下溶
解し、そしてヘキサン(5.3kg)を加えた。冷却すると、メシルアセトニド
104が結晶化し、そしてこれを濾過により分離し、そしてヘキサン中の14%
酢酸エチル(2.1kg)で洗浄した。減圧乾燥の後、104が淡黄色針状物と
して得られた(4.28kg、収率43.4%)。融点102−3℃。
【0274】
(実施例5)
ペンチルケタール107: アセトニド104(8.9kg、27.8mol
)、3−ペンタノン(24kg、279mol)および70%過塩素酸(0.0
56kg、0.39mol)の溶液を18時間攪拌した。揮発性物質を周囲温度
で減圧蒸留し、そして新しい3−ペンタノン(30kg、348mol)を蒸留
が進行するにつれ徐々に加えた。反応混合物を濾過し、トルエン(18kg)を
加え、そして得られた溶液を6%重炭酸ナトリウム水溶液(19kg)、水(1
8kg)および食塩水(24kg)で順次洗浄した。有機層を減圧濃縮し、そし
てトルエン(28kg)を蒸留が進行するにつれ徐々に加えた。蒸留がそれ以上
できなくなった時点で、残渣はオレンジ色の油状物であり、これはペンチルケタ
ール107(9.7kg、収率100%)およびトルエン(約2kg)から構成
されていた。
【0275】
(実施例6)
ペンチルエーテル108: ケタール107(8.6kg、25mol)のジ
クロロメタン(90kg)中の溶液を−30℃から−20℃に冷却し、そしてボ
ラン−メチルスルフィド錯体(2.1kg、27.5mol)およびトリフルオ
ロメタンスルホン酸トリメチルシリル(7.2kg、32.5mol)で処理し
た。1時間後、10%重炭酸ナトリウム水溶液(40kg)をゆっくりと加えた
。混合物を周囲温度まで加温し、そして12時間攪拌した。有機層を濾過し、そ
して減圧濃縮すると、108:109の約8:1混合物が灰色のろう状固体とし
て残った(7.8kg、収率90%)。
【0276】
(実施例7)
エポキシド110: エタノール(26kg)中のペンチルエーテル異性体1
08:109の約8:1混合物(7.8kg、22.3mol)を水22(kg
)中の炭酸水素カリウム(3.52kg、35mol)の溶液で処理した。55
℃〜65℃に2時間加熱した後、溶液を冷却し、そして2回ヘキサン(31kg
、次に22kg)で抽出した。未反応の109が水性エタノール層中に残留した
。合わせたヘキサン抽出物を濾過し、そして減圧濃縮すると、エポキシド110
が羊毛状の白色結晶固体として残った(3.8kg、収率60%)。融点54.
6℃。
【0277】
(実施例8)
ヒドロキシアジド111: 水(0.265L)およびエタノール(1.06
5L)中のエポキシド110(548g、2.0mol)、アジ化ナトリウム(
156g、2.4mol)および塩化アンモニウム(128.4g、2.4mo
l)の混合物を70℃〜75℃に8時間加熱した。重炭酸ナトリウム水溶液(8
%溶液0.42L)を加え、そしてエタノールを減圧蒸留した。水性残渣を酢酸
エチル(1L)で抽出し、そして抽出物を水(0.5L)で洗浄した。水洗浄物
を酢酸エチル(0.5L)で逆抽出した。合わせた有機抽出物を食塩水(0.5
L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過および減圧濃縮すると、ヒド
ロキシアジド異性体111:112の約10:1混合物(608g、収率102
%)が暗褐色の油状物として残った。
【0278】
(実施例9)
アジリジン113: ヒドロキシアジド111:112の約10:1混合物(
608g、2.0mol)を減圧下3回、無水アセトニトリル(3×0.3L)
から共蒸発させ、次に無水アセトニトリル(1L)中に溶解した。無水テトラヒ
ドロフラン(0.1L)および無水アセトニトリル(0.92L)中の無水トリ
フェニルホスフィン(483g、1.84mol)の溶液を2時間かけて一滴ず
つ加えた。混合物を6時間還流加熱し、次に減圧下濃縮すると、アジリジン11
3、トリフェニルホスフィンオキシドおよび微量のトリフェニルホスフィンから
構成される金色のペーストが残った。このペーストをジエチルエーテル(0.3
5L)で粉末化した。不溶のトリフェニルホスフィンオキシドの大部分を濾過に
より除去し、そしてジエチルエーテル(1.5L)で洗浄した。濾液を減圧下濃
縮すると、暗褐色の油状物が残り、これを20%水性メタノールに溶解し、そし
てヘキサン(3×1L)で3回抽出して、トリフェニルホスフィンを除去した。
ヘキサン抽出物を20%水性メタノール(0.5L)で逆抽出し、そして合わせ
た水性メタノール層を減圧下濃縮した。残渣を無水アセトニトリル(2×0.5
L)から減圧下2回共蒸発すると、暗褐色の油状物が残り、これはアジリジン(
aziridene)113(490、収率96.8%)およびトリフェニルホ
スフィンオキシド(約108g)から構成されており、これを次の工程に直接用
いた。
【0279】
(実施例10)
アセトアミドアジド115: アジリジン113(490g、1.93mol
)およびトリフェニルホスフィンオキシド(約108g)、アジ化ナトリウム(
151g、2.33mol)および塩化アンモニウム(125g、2.33mo
l)のジメチルホルムアミド(1.3L)中の混合物を80℃〜85℃に5時間
加熱した。重炭酸ナトリウム(32.8g、0.39mol)および水(0.6
L)を加えた。アミノアジド114を反応混合物からヘキサン(6×1L)で6
回抽出することによって単離した。合わせたヘキサン抽出物を減圧下濃縮して総
容積約4.5Lとし、そしてジクロロメタン(1.04L)を加えた。重炭酸ナ
トリウム水溶液(8%溶液4.2L、3.88mol)を加え、次いで無水酢酸
(198g、1.94mol)を加えた。周囲温度で1時間攪拌した後、水層を
捨てた。有機相を減圧下濃縮して全体で1.74kgとし、これを還流下酢酸エ
チル(0.209L)に溶解した。冷却すると、アセトアミドアジド115が結
晶化し、これを濾過によって単離した。ヘキサン(1L)中の冷15%酢酸エチ
ルで洗浄し、そして減圧下周囲温度で乾燥した後、純粋な115がオフホワイト
色の結晶(361g、収率55%)として得られた。融点126−132℃。
【0280】
(実施例11)
アセトアミドアミン116: アジド115(549g、1.62mol)お
よびリンドラー触媒(50g)の無水エタノール(3.25L)中の混合物を1
8時間攪拌し、その間、水素(1気圧)を混合物を通してバブリングした。セラ
イトを通して濾過し、そして濾液を減圧濃縮して、116を泡状物として得、こ
れは放置すると固化した(496g、収率98%)。
【0281】
(実施例12)
116のリン酸塩: アセトアミドアミン116(5.02g、16.1mm
ol)のアセトン(75mL)中の溶液を還流し、これを無水エタノール(25
mL)中の85%リン酸(1.85g、16.1mmol)で処理した。即時に
結晶化が開始し、そして0℃で12時間冷却した後、沈殿を濾過により採取して
、116・H3PO4を長い無色針状物として得た(4.94g、収率75%;[
α]D−39.9゜(c=1、水))。融点203−4℃。
【0282】
(実施例13)
116の塩酸塩: アセトアミドアミン116(2.8g、8.96mmol
)の無水エタノール(9mL)中の溶液をエタノール中2.08M塩化水素(8
.6mL、17.9mmol)で処理した。エタノールの大部分を減圧下蒸発さ
せ、そして油状残渣を酢酸エチル(20mL)と共に固体が形成されるまで攪拌
した。ヘキサン(20mL)を攪拌した混合物に徐々に加えた。周囲温度で1時
間後、固体を濾過により採取し、ジエチルエーテルで洗浄し、そして減圧下乾燥
した。これは116・HClをオフホワイト色の固体として与えた(2.54g
、収率81%;[α]D−43゜(c=0.4、水))。融点206℃。
【0283】
上記引用の文献および特許のすべては、本明細書中にその全体がその引用箇所
に明白に参考として援用される。特に上記引用の著作の引用部分または頁は、明
確に援用される。
【0284】
本明細書中に記載の化合物が1つより多い同じ記号の基(例えば、例示であり
限定ではないが、「R7」、「R8」、「R9」、「R20」、または「R22」)で
置換される場合にはいつも、それらの基の各々は、同じであってもよく、異なっ
ていても良いことが理解される。すなわち、各基は独立して選択される。そのた
め例えば、「R22は」という語句は、「各R22は独立して」という語句と同義で
ある。
【0285】
本発明を、当業者が以下の請求の範囲の内容を作製および使用することが可能
であるように十分詳細に記載した。以下の請求の範囲の方法および組成の特定
改変は、本発明の範囲および思想の範囲内でなし得ることは明らかである。
【0286】
本発明は、新規合成法ならびに新規組成物を提供する。特に、式(I)−(I
V)を有するような中間体、式(I)−(IV)を有し、ノイラミニダーゼイン
ヒビターの合成において有用な中間体、およびそれ自体がノイラミニダーゼイン
ヒビターの合成において有用な中間体として有用な組成物の調製のための新規方
法が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【公開番号】特開2009−167210(P2009−167210A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103480(P2009−103480)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【分割の表示】特願2002−162217(P2002−162217)の分割
【原出願日】平成9年8月22日(1997.8.22)
【出願人】(500029420)ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】