説明

シャッタ装置及び包み方法並びに包被食品の製造方法及び装置

【課題】偏平状な外皮材で内材を包み込んだ包被食品を製造するときに、外皮材の封着部側を反対側より薄く形成することのできるシャッタ装置及び包み込み方法並びに包被食品の製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】外皮材25でもって内材43を包み込んだ包被食品55を製造するための包被食品製造装置1におけるシャッタ装置であって、前記外皮材25でもって内材43を包み込むために、当該シャッタ装置5に開閉自在に備えた複数のシャッタ片23が前記外皮材25の周縁部25Eを中央部側へ押圧する押圧面31に、前記外皮材25の周縁部25Eを保持して中央部へ寄せ集めるための生地保持手段35,37を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパン生地や饅頭生地などのごとき外皮材でもって、例えば餡などのごとき内材を包み込んだ形態の包被食品を製造するためのシャッタ装置及び当該シャッタ装置によって内材を外皮材でもって包み込む包み込み方法並びに前記シャッタ装置を用いた包被食品の製造方法及び装置に係り、さらに詳細には、外皮材でもって内材を包み込むときに、外皮材の下側よりも上部側を薄肉に形成することのできるシャッタ装置、包み方法、包被食品の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外皮材でもって内材を包み込んで包被食品を製造する包被食品の製造方法及び装置に係る先行文献として特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4210779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載の構成は、第1のシャッタにおいて開いた状態にある複数のシャッタ片の上側に円板状の外皮材を載置した後、第1のシャッタ上に備えた第2のシャッタにおける各シャッタ片を閉作動して、前記第1のシャッタにおける開口部の中心と外皮材の中心とを一致させている。そして、第2のシャッタにおける各シャッタを開作動した後、押え部材が下降して前記外皮材の周縁部を前記第1のシャッタにおける各シャッタ片に押圧固定し、その後にノズルを下降して外皮材の中心部を下方向へ押圧して椀状に形成し内材の吐出を行っている。
【0005】
その後、前記第1のシャッタの下方に上下動自在に備えた支持部材によって内材の供給を受けた外皮材の下側を支持し、当該支持部材を下降することにより、外皮材の開いた状態にあって上方向へ相対的に持上げられた状態にある前記周縁部を、前記第1のシャッタにおける各シャッタ片の間に下降している。そして、前記第1のシャッタにおける各シャッタ片を閉動作することにより、開いた状態にある外皮材の周縁部の中央部に集めて封着を行っている。
【0006】
前述のごとく、円板状の外皮材の周縁部を中央部に集めて封着するものであるから、外皮材の厚さが全体に亘ってほぼ均等であると、中央部に集められた部分が厚肉になる。すなわち、内材を包み込んだ状態の包被食品においては上部側すなわち封着部側が厚肉になる。したがって、包被食品の製品として、封着部が下側になるように上下を反転すると、包被食品の製品においての外皮材は上側が薄肉であって下側が厚肉の形態となる。よって、例えば包被食品の上面に例えば襞などを形成する場合、薄肉の部分に襞等を形成することとなり、望ましいものではない。
【0007】
よって、包被食品を製造する場合、封着部側(上部側)の外皮材が反対側(下部側)の外皮材よりも薄肉に形成することが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品を製造するための包被食品製造装置におけるシャッタ装置であって、前記外皮材でもって内材を包み込むために、当該シャッタ装置に開閉自在に備えた複数のシャッタ片が前記外皮材の周縁部を中央部側へ押圧する押圧面に、前記外皮材の周縁部を保持して中央部へ寄せ集めるための生地保持手段を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
また、前記シャッタ装置において、前記生地保持手段は、前記押圧面の全長に亘って形成した長溝であって、前記押圧面の下部側に形成してあることを特徴とするものである。
【0010】
また、前記シャッタ装置を使用して外皮材でもって内材を包み込むための包み込み方法であって、シャッタ装置に開閉自在に備えた複数のシャッタ片の押圧面に備えられた生地保持手段によって外皮材の周縁部を保持して中央部へ寄せ集めて外皮材の上部を封着するとき、前記生地保持手段によって外皮材の周縁部を中央部側へ引っ張り誘導することによって、前記外皮材の上部側を下部側よりも薄肉に形成することを特徴とするものである。
【0011】
また、前記シャッタ装置を使用して外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品の製造方法であって、上下方向の開口部を備えた載置部材上に、前記開口部を覆うように偏平状の外皮材を載置する(a)工程と、前記載置部材の上側に配置したシャッタ装置に開閉自在に備えた複数のシャッタ片を閉動作して、前記外皮材を前記開口部に対して位置決めする(b)工程と、前記複数のシャッタ片が閉動作を停止して前記外皮材の周縁部に接触した状態にあるときに、前記外皮材上に内材を吐出するノズル部材を相対的に下降して、前記ノズル部材に備えた押圧部によって前記外皮材の外周縁付近を前記載置部材に押圧する(c)工程と、前記ノズル部材から前記外皮材上に内材を吐出して、前記外皮材を下方向へ次第に膨張する(d)工程と、前記ノズル部材を相対的に上昇した後、前記シャッタ装置に開閉自在に備えた複数のシャッタ片の押圧面に備えられた生地保持手段によって外皮材の周縁部を保持して中央部へ寄せ集めて外皮材の上部を封着するとき、前記生地保持手段によって外皮材の周縁部を中央部側へ引っ張り誘導することによって、前記外皮材の上部側を下部側よりも薄肉にする(e)工程と、の各工程を備えていることを特徴とする包被食品の製造方法。
【0012】
また、前記包被食品の製造方法において、ノズル部材内に、当該ノズル部材から吐出される内材の供給、停止を行う弁部材を上下動自在に備え、外皮材及び外皮材内の内材から前記ノズル部材を相対的に上方向へ離脱する際に、前記外皮材内の内材を前記弁部材によって押圧して、前記外皮材内の前記内材の上面をより低くする工程、を備えていることを特徴とするものである。
【0013】
また、前記シャッタ装置を使用して外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品を製造するための包被食品製造装置であって、上下方向の開口部を備えた載置部材と、前記開口部を覆うように前記載置部材上に偏平状の外皮材を移送する外皮材移送手段と、前記載置部材上の前記外皮材を前記開口部に対して位置決めするために、前記外皮材の周縁部を押圧自在な複数のシャッタ片を開閉自在に備えたシャッタ装置と、前記載置部材に対して相対的に上下動自在かつ前記外皮材上に内材を吐出するノズル部材とを備え、前記シャッタ装置は、前記外皮材でもって内材を包み込むために、当該シャッタ装置に開閉自在に備えた複数のシャッタ片が前記外皮材の周縁部を中央部側へ押圧する押圧面に、前記外皮材の周縁部を保持して中央部へ寄せ集めるための生地保持手段を備えていることを特徴とするものである。
【0014】
また、前記シャッタ装置を使用して外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品の製造方法であって、開口部を備えた載置部材上に、前記開口部を覆うように偏平状の外皮材を載置し、前記外皮材の前記開口部に対応した部分を自重によって開口部内へ没入する(a)工程と、開閉可能な複数のシャッタ片によって囲繞されたシャッタ開口部を閉動作して、前記開口部内への外皮材の没入を助長すると共に前記載置部材上に残る外皮材における環状の周縁部の残留量を所望量に調節する(b)工程と、内材を供給するための内材吐出ノズルを相対的に降下して、当該内材吐出ノズルに備えた環状の外皮材押圧面と前記載置部材とによって前記外皮材を挟み込む(c)工程と、前記載置部材上に残留している外皮材の周縁部を、前記開口部内へ没入された外皮材よりも薄肉に、前記内材吐出ノズルの外周面及び各シャッタ片の押圧面に沿って盛上げる(d)工程と、前記内材吐出ノズルから前記外皮材内に内材を供給して外皮材を次第に膨張する(e)工程と、前記内材吐出ノズルを相対的に上昇した後に、前記外皮材の盛上げられた周縁部を、前記シャッタ片によって中央部へ寄せ集めて封着するとき、各シャッタ片の押圧面に備えた生地保持手段によって外皮材の周縁部を保持し、中央部側へ引っ張り誘導することによって、外皮材の上部側を下部側よりも薄肉に形成する(f)工程、の各工程を備えていることを特徴とするものである。
【0015】
また、前記包被食品の製造方法において、前記外皮材の前記周縁部を各シャッタ片の押圧面に沿って盛上げる工程は、前記内材吐出ノズルの前記外皮材押圧面と前記開口部の周縁とによって前記外皮材を挟み込むときに外方向へ押圧流動される外皮材における前記周縁部の放射外方向への拡大を、前記各シャッタ片の押圧面によって規制して前記周縁部を盛上げることを特徴とするものである。
【0016】
また、前記包被食品の製造方法において、前記外皮材の前記周縁部を各シャッタ片の押圧面に沿って盛上げる工程は、前記内材吐出ノズルの前記外皮材押圧面と前記開口部の周縁とによって前記外皮材を挟み込んだ後に、前記シャッタ片の開口部を閉動作するときに、前記外皮材の前記周縁部を放射内方向へ押圧移動して前記周縁部を盛上げることを特徴とするものである。
【0017】
また、前記包被食品の製造方法において、前記外皮材の前記周縁部を各シャッタ片の押圧面に沿って盛上げる工程は、前記内材吐出ノズルの前記外皮材押圧面と前記開口部の周縁とによって前記外皮材を挟み込むときに、前記外皮材の前記周縁部を放射外方向へ流動することと、前記シャッタ開口部の閉作動によって外皮材の前記周縁部を放射内方向へ押圧移動することとが同時的に行われることによって前記外皮財の前記周縁部を盛上げることを特徴とするものである。
【0018】
また、前記包被食品の製造方法において、前記シャッタ開口部を閉動作して前記外皮材の周縁部を中央側へ押圧するとき、前記載置部材の前記開口部内への外皮材の自重による没入を助長すると共に、前記載置部材上に残留する外皮材の周縁部の生地の残留量を調節するために前記シャッタ開口部の開口径を調節することを特徴とするものである。
【0019】
また、前記シャッタ装置を使用して外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品を製造するための包被食品製造装置であって、開口部を備えた載置部材と、前記開口部を覆うように偏平状の外皮材を前記載置部材上へ移送する外皮材移送手段と、シャッタ開口部を開閉可能かつ閉動作して前記載置部材における前記開口部内への外皮材の自重による没入を助長すべく前記外皮材の周縁部を押圧する押圧面に生地保持手段を備えた複数の前記シャッタ片と、前記載置部材に対して相対的に下降して前記外皮材内に内材を供給する内材吐出ノズルと、前記内材吐出ノズルが相対的に上昇した後に、前記外皮材の周縁部を中央部に寄せ集めて封着する複数の前記シャッタ片と、を備え、前記内材吐出ノズルは、前記載置部材における前記開口部の周縁との間に前記外皮材を挟み込むときに、前記載置部材上に残留している外皮材の環状の周縁部を、前記各シャッタ片の押圧面に沿って盛上げるために前記外皮材の前記周縁部を放射外方向へ流動させるための環状の外皮材押圧面を下部に備えていることを特徴とするものである。
【0020】
また、前記シャッタ装置を使用して外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品を製造するための包被食品製造装置であって、開口部を備えた載置部材と、前記開口部を覆うように偏平状の外皮材を前記載置部材上へ移送する外皮材移送手段と、シャッタ開口部を開閉可能かつ閉動作して前記載置部材における前記開口部内への外皮材の自重による没入を助長すべく前記外皮材の周縁部を押圧する押圧面に生地保持手段を備えた複数の前記シャッタ片と、前記載置部材に対して相対的に下降して前記外皮材内に内材を供給する内材吐出ノズルと、前記内材吐出ノズルが相対的に上昇した後に、前記外皮材の周縁部を中央部に寄せ集めて封着する複数の前記シャッタ片と、を備え、前記内材吐出ノズルが相対的に下降して前記載置部材の前記開口部の周縁との間に外皮材を挟み込んだ状態にあるときに、前記外皮材の周縁部を各シャッタ片の押圧面に沿って盛上げるために前記外皮材の周縁部を放射内方向へ押圧移動する各シャッタ片の閉動作を制御するための制御手段を備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品を製造するとき、外皮材を封着する封着部側、すなわち上部側の外皮材の厚さを下側の外皮材の厚さよりも薄くすることができ、前述したごとき従来の問題を解消することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る包被食品製造装置の斜視説明図である。
【図2】シャッタ装置におけるシャッタ片の構成を示す斜視説明図である。
【図3】包被食品を製造する工程の説明図である。
【図4】包被食品を製造する工程の説明図である。
【図5】包被食品を製造する工程の説明図である。
【図6】包被食品を製造する工程の説明図である。
【図7】包被食品を製造する工程の説明図である。
【図8】包被食品を製造する工程の説明図である。
【図9】包被食品を製造する工程の説明図である。
【図10】包被食品を製造する工程の説明図である。
【図11】包被食品を製造する工程の説明図である。
【図12】包被食品を製造する工程の説明図である。
【図13】シャッタ装置の開閉機構を示すための包被食品製造装置の平面図である。
【図14】第2の実施形態に係る包被食品製造装置によって包被食品を製造する工程の説明図である。
【図15】第2の実施形態に係る包被食品製造装置によって包被食品を製造する工程の説明図である。
【図16】第2の実施形態に係る包被食品製造装置によって包被食品を製造する工程の説明図である。
【図17】第2の実施形態に係る包被食品製造装置によって包被食品を製造する工程の説明図である。
【図18】第2の実施形態に係る包被食品製造装置によって包被食品を製造する工程の説明図である。
【図19】第2の実施形態に係る包被食品製造装置によって包被食品を製造する工程の説明図である。
【図20】第2の実施形態に係る包被食品製造装置によって包被食品を製造する工程の説明図である。
【図21】包被食品を製造する工程の説明図である。
【図22】包被食品を製造する工程の説明図である。
【図23】外皮材の外周縁を盛り上げる場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明するに、先ず、図1を参照して包被食品製造装置1の全体的構成について概念的、概略的に説明する。この包被食品製造装置1は、円盤形状の外皮材(図1には図示省略)でもって内材(図示省略)を包み込んだ形態の包被食品を製造するものであって、箱状の本体フレーム3を備えている。そして、この本体フレーム3の前面には、前記外皮材の外周縁を中央部に集束して、当該外皮材上へ供給された内材を包み込む作用をなすシャッタ装置5が上下動可能に備えられている。
【0024】
また、前記本体フレーム3の前面には、偏平な円盤形状に形成された外皮材を前記シャッタ装置5の位置へ移送する外皮材移送手段7が備えられている。この外皮材移送手段7はベルトコンベアから構成してあって、外皮材を載置するための第1ベルトコンベア7Aと、当該第1ベルトコンベア7Aから移載された外皮材を前記シャッタ装置5の位置へ移送するために、下流端が前記シャッタ装置5の上方位置へ進退自在な第2のベルトコンベア7Bとを備えている。なお、この種の外皮材移送手段7は周知の構成であるから、外皮材移送手段7についてのより詳細な説明は省略する。
【0025】
さらに、前記本体フレーム3には、前記シャッタ装置5の位置へ移送された外皮材上へ内材を吐出する内材吐出ノズル9が、前記シャッタ装置5に対して相対的に上下動可能に備えられている。そして、この内材吐出ノズル9には、内材を収容するホッパー11等を備えた内材供給手段13が接続してある。なお、この種の内材供給手段13の構成は周知であるから、内材供給手段13のより詳細な構成についての説明は省略する。
【0026】
また、前記シャッタ装置5の下方であって前記本体フレーム3の前面には、前記シャッタ装置5の位置において製造される包被食品(図示省略)を下側から支持する支持手段15が上下動可能に備えられていると共に、前記支持手段15から移送された包被食品を次工程へ搬送する搬送手段17が備えられている。なお、前記支持手段15や搬送手段17の構成は周知であるから、前記支持手段15及び搬送手段17の構成についてのより詳細な説明は省略する。
【0027】
前記シャッタ装置5の構成について詳細に説明するに、シャッタ装置5は、前記内材吐出ノズル9に対して相対的に上下動自在に、前記本体フレーム3の前面に備えられた昇降部材19に備えられているものである。そして、シャッタ装置5には、中央部に上下方向に貫通した円形の開口部21H(図3参照)を備えた載置部材21が備えられている。この載置部材21の上面には、複数のシャッタ片23が開閉自在に備えられている。
【0028】
前記シャッタ装置5におけるシャッタ片23の枚数は、複数のシャッタ片23によって多角形状の囲繞領域を形成できればよいものであり、3枚以上であれば任意の枚数でよいものである。なお、図1にはシャッタ片23の枚数が6枚の場合について例示してある。そして、図3以下の説明においては、シャッタ片23の枚数が9枚の場合について例示してある。しかし、前述したようにシャッタ片23の枚数は所望枚数とすることができるものである。
【0029】
また、シャッタ装置5において複数のシャッタ片23を同期連動して開閉する構成としては、図13に示すように枢軸Sを中心として揺動(回動)自在に設けられた各シャッタ片23をリンクLを介して互に連動連結した構成とすることができる。また、正多角形の位置に回動可能に配置した複数の枢軸に備えたガイド部材に沿って各シャッタ片を長手方向へ摺動可能に備え、前記各枢軸を回動することによって互に摺接した複数のシャッタ片の開閉を行うことも可能である。さらには、正多角形状の枠体内に、当該枠体の内面に沿って摺動可能な複数のシャッタ片を互に摺接した状態に備えた構成とすることも可能である。
【0030】
すなわち、シャッタ装置5において複数のシャッタ片23を開閉する構成には種々の構成があり、それぞれよく知られた構成であるから、シャッタ装置5において各シャッタ片23の開閉を行う構成についての詳細な説明は省略する。
【0031】
前記シャッタ装置5における各シャッタ片23は、よく知られているように、前記載置部材21上に載置された外皮材25(図3参照)の外周縁部(周縁部)25Eを中央部へ押圧して中央部へ寄せ集め、この寄せ集めて集束された外周縁部25Eの封着(結着)を行う作用をなすものである。
【0032】
ところで、前記特許文献1に記載のごとき従来の包被食品製造装置におけるシャッタ装置は、載置部材上に載置された外皮材の中央部を、載置部材の開口部内へ押し込んで外皮材に凹部を形成することにより、外皮材全体を薄く伸ばした後、前記凹部内に内材を供給している。そして、内材を供給した後、前記内材よりも上方に位置する外皮材の外周縁部をシャッタ装置における各シャッタ片によって中央部へ押圧し収束(集束)して封着(結着)を行うことによって、包被食品を製造するものである。したがって、外皮材の外周縁部が次第に中央部へ集束されることにより、製造された包被食品における外皮材の封着側(この場合、上部側)が反対側(下部側)よりも厚肉になる。よって、封着部が下側になるように前記包被食品の上下を反転すると、反転された包被食品における外皮材は上部側が下部側よりも薄肉になるという問題がある。なお、前記外皮材の外周縁部の長さ(広がり幅)が充分でない場合には、上部中央においての外皮材の封着が難しくなるという問題がある。
【0033】
本発明は、上述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、本発明の実施形態に係る前記シャッタ装置5における各シャッタ片23は次のように構成してある。すなわち、図2に示すように、シャッタ片23はシャッタ片本体27を備えており、このシャッタ片本体27の上面29U及び下面29Lは水平面に形成してある。そして、シャッタ片23が前記外皮材25の周縁部25Eを押圧する押圧面31は垂直面に形成してある。
【0034】
前記押圧面31は、前記シャッタ片本体27の表面をなすものであって、このシャッタ片本体27における裏面には、各シャッタ片23の先端部23E(シャッタ片本体27の先端部27E)に至る逃げ面33が形成してある。上記逃げ面33は、各シャッタ片23における先端部23Eが中央部にそれぞれ近接するときに、隣接するシャッタ片23の前記押圧面31との干渉を回避するためのものである。なお、各シャッタ片23における先端部23Eが中央部にそれぞれ近接したときに、前記各押圧面31と隣接するシャッタ片23の各逃げ面33とが整合する構成とすることも可能である。
【0035】
前記シャッタ片23における前記押圧面31の下部付近には、前記外皮材25の周縁部25Eを中央部側へ押圧するとき、前記周縁部25Eを保持して中央部へ寄せ集めるための生地保持手段35が備えられている。上記生地保持手段35の1例として、本実施形態においては前記押圧面31の全長に亘って長溝37が形成してある。上記長溝37は、前記押圧面31の下部側であって、前記押圧面31における下部稜線(下部辺)39より上部側に形成してあり、この下部稜線39と前記長溝37の奥壁面(溝の底面)37Bとの間には、前記外皮材25の周縁部25Eを中央部側へ押圧するときに、前記周縁部25Eを掬い上げる作用をなす下傾斜面(掬面)41Lが前記下部稜線39から前記奥壁面37Bに向って高くなる傾斜面として形成してある。
【0036】
さらに、前記長溝37には、前記奥壁面37Bから前記押圧面31に向って高くなる傾斜面として上傾斜面41Uが形成してある。したがって、長溝37は、上下の傾斜面41U,41L及び奥壁面37Bを備えた構成である。
【0037】
ここで、前記内材吐出ノズル9の構成について説明するに、内材吐出ノズル9は、前記内材供給手段13から内材43(図3参照)の供給を受ける円筒形状のノズル本体45を備えており、このノズル本体45の下部にはノズル部材47が着脱可能に螺着固定してある。このノズル部材47の内孔47Hは下側が小径となるテーパ穴に形成してある。
【0038】
そして、前記ノズル本体45の中心部には、当該ノズル本体45の上部に備えた流体圧シリンダなどのごとき上下動用アクチュエータ49(図1参照)によって上下動されるパイプ状の上下作動杆51が備えられている。そして、この上下作動杆51の下端部には、前記ノズル部材47の内孔47Hを開閉自在な弁部材53が備えられている。この弁部材53の中心部には、前記上下作動杆51からのエアーを下方向へ噴出するエアー噴出孔53Hが備えられている。そして、前記弁部材53には、前記内孔47Hの最小内径部にほぼ等しい外径のストレート部53Sが上下方向に長く形成してある。
【0039】
したがって、内材吐出ノズル9においては、弁部材53を上下動することによってノズル部材47における内孔47Hの開閉が行われるものである。なお、ノズル部材47からの内材43の吐出は、内材43の粘性等により、内孔47Hの内周面と弁部材53の外周面との間隙寸法が所定寸法以上になると行われるものである。
【0040】
以上のごとき構成において、図3に示すように、下降した状態のシャッタ装置5の上方位置へ外皮材移送手段7における第2ベルトコンベア7Bによって外皮材25を搬送し、前記第2ベルトコンベア7Bを後退することにより、開いた状態にある各シャッタ片23によって囲繞された領域内に外皮材25を落下すると、外皮材25は開口部21Hを備えた載置部材21上に載置される(図4参照)。
【0041】
前述のように、載置部材21上に外皮材25を載置した後、シャッタ装置5における各シャッタ片23を閉動作すると、各シャッタ片23における各押圧面31でもって外皮材25の外周縁部25Eを中心側へ押圧する。この際、外皮材25の外周縁部25Eは、前記押圧面31に備えた下傾斜面41Lに掬い上げられる態様となって、鍔状(環状)に連なった生地保持手段35の1例としての長溝37内に入り込み保持されることになる。そして、前記各シャッタ片23が外皮材25を中央部へ押圧すると、外皮材25の中心部が載置部材21における開口部21Hの中心に合わされると共に、外皮材25の中央部は自重によって前記開口部21H内に入り込み、上面に凹部を生じることになる(図5参照)。
【0042】
前述のごとく、シャッタ装置5における各シャッタ片23を閉動作して、各シャッタ片23によって囲繞された領域の直径が前記内材吐出ノズル9におけるノズル部材47における外径に対応した大きさに縮小すると、各シャッタ片23の閉動作が一時停止される。このように、各シャッタ片23の閉動作が一時停止された状態にあるときに、シャッタ装置5が内材吐出ノズル9に対して相対的に上昇される。すなわち、シャッタ装置5に対して内材吐出ノズル9が相対的に下降することとなり、前記ノズル部材47が各シャッタ片23によって囲繞された領域に相対的に入り込む。そして、前記ノズル部材47の外周面に備えた環状の外皮材押え部47Pでもって外皮材25の外周部付近の上面を前記載置部材21に押圧することになる(図6参照)。この際、外皮材25における周縁部25Eの一部は、前記長溝37内へ押圧される。
【0043】
既に理解されるように、外皮材25において前記載置部材21上に保持されている範囲は、ノズル部材47の外周面と各シャッタ片23の押圧面31との間に位置する環状の部分であって、必要最小限に規制されているものである。換言すれば、後工程で中央部へ寄せ集めて封着に使用される外皮材25の生地量がより少なく制限されているものである。
【0044】
前述のように、ノズル部材47における外皮材押え部47Pでもって外皮材25の外周付近の上面を載置部材21に押圧するときには、前記内材供給手段13の内材供給動作によって、ノズル部材47の内孔47H内に適量の内材43が移動された状態にある。その後、ノズル部材47から外皮材25の前記凹部内へ内材43が供給される(図7参照)。
【0045】
そして、内材43が供給されるに従って外皮材25が次第に下方向へ膨張されると、前記シャッタ装置5の下方にて、所要の高さ位置で待機している前記支持手段15は、前記外皮材25の底部を下側から支持するものである(図8参照)。そして、前記内材吐出ノズル9から所定量の内材43が外皮材25の凹部内へ供給されると、前記弁部材53が前記ノズル部材47の下端部から突出するように下降されて、内材43の供給が停止されると共に、外皮材25内の内材43が弁部材53によって押し込まれることになる。したがって、前記外皮材25内における内材43の上面43Uがより低くなり、外皮材25の封着を行うときに内材43が飛び出すようなことがなくなるものである。
【0046】
前述のごとく、弁部材53を下降して内材43の供給を停止すると同時に、又は内材43の供給を停止した後に、シャッタ装置5及び支持手段15を下降することにより、内材吐出ノズル9におけるノズル部材47は外皮材25及び外皮材25内の内材43から離脱することになる。この際、弁部材53の下面53L(図9参照)に対する内材43の付着を抑制するために上記下面53Lの接触面積を小さくすることが望ましいものである。したがって、本実施形態においては、前記下面53Lは水平面に形成してある。
【0047】
また、前記弁部材53の下面53Lに対する内材43の付着を抑制するために、前記弁部材53の下面53Lがノズル部材47から下方向へ突出するように下降した後に前記弁部材53を直ちに上昇させることが望ましいものである。この場合、弁部材53によって下方向へ押圧された内材43には下方向への慣性力が作用しており、この状態で弁部材53を直ちに逆方向である上方向へ移動することにより、弁部材53の下面53Lと内材43との剥離を効果的に行うことができ、弁部材53の下面53Lに対する内材43の付着を防止することができるものである。
【0048】
さらに、弁部材53の下面53Lに対する内材43の付着を抑制するには、シャッタ装置5等の下降開始と前記弁部材53の上昇開始を同時に行うことや、シャッタ装置5等の下降開始直後に弁部材53の上昇を開始することも効果的である(図12参照)。
【0049】
前述のごとく、シャッタ装置5等が下降し、内材吐出ノズル9における前記ノズル部材47の下端部(弁部材53の下面53L)が前記シャッタ装置5における各シャッタ片23の上面29Uにほぼ等しい高さ位置に相対的に上昇すると(図9参照)、シャッタ装置5における各シャッタ片23は停止状態にある閉動作位置から閉作動が再び開始されると共に、シャッタ装置5等の下降が継続される(図10参照)。したがって、シャッタ装置5における各シャッタ片23の閉動作が能率よく行われることになる。
【0050】
前述のごとく、シャッタ装置5における各シャッタ片23が閉作動するとき、外皮材25の外周縁部25Eは各シャッタ片23により環状に連なった下傾斜面41Lによって全周から掬い上げられ、外周縁部25Eが下傾斜面41Lにより支えられた状態となり、生地保持手段35の長溝37により全周から鍔状(環状であって一部が放射外方向へ僅かに拡大した形態)に保持された状態にある。したがって、外皮材25の外周縁部25Eが、各シャッタ片23における垂直面の押圧面31によって単に中央部側へ押圧移動される従来の場合とは異なり、前記外周縁部25Eが前記長溝37内に保持されながら中央部側へ引っ張り誘導される態様となる。よって、外皮材25における外周縁部25E付近の外周部は薄く伸ばされつつ中央部へ寄せ集められて封着されることになる(図11参照)。
【0051】
上述のごとく、外皮材25の外周縁部25E付近を薄く伸ばしつつ外周縁部25Eを中央部側へ引っ張り誘導するものであるから、図11に示されるように、外皮材25の上部側(封着部側)は下部側(封着部側の反対側)よりも薄肉になるものである。そして、外皮材25の封着部25A(図11参照)は、外周縁部25E付近が中央部に集束された部分であるから、前記長溝37よりも上側に突出して垂直な押圧面31によって押圧されるので、確実な封着を行うことができるものである。
【0052】
この際、外皮材25の封着に使用される生地量は、ノズル部材47の外周面と各シャッタ片23の押圧面31との間に予め規制されてより少なく制限されているので、前記封着部25Aをより小さく抑制することができるものである。
【0053】
前述のごとく、シャッタ装置5における各シャッタ片23が閉動作して、外皮材25の外周縁部25Eを中央部に集束して封着を開始すると、次の外皮材25を載置した第2ベルトコンベア7Bがシャッタ装置5の上方へ移動して、前記次の外皮材25の供給を行う待機状態となるものである。また、内材吐出ノズル9においては、弁部材53が初期状態の位置に上昇するものである(図11参照)。なお、内材吐出ノズル9において、前記弁部材53を初期状態の位置に上昇する時期は、シャッタ装置5を下降する時期、すなわち図9に示した状態のときであってもよいものである。
【0054】
前述したように、外皮材25でもって内材43を包み込んだ包被食品55が製造されて、この包被食品55が前記支持手段15から搬送手段17へ移載されると共に、次の外皮材25がシャッタ装置5の上方に搬送され、かつシャッタ装置5における各シャッタ片23が開作動されると、図3に示す初期状態となるものである。
【0055】
以上のごとき説明より理解されるように、外皮材25の外周縁部25E付近を中央部へ集束して封着を行うとき、各シャッタ片23の押圧面31に備えた生地保持手段(長溝37)によって外周縁部25Eを中央部側へ引っ張り誘導するものであるから、ノズル部材47における外皮材押え部47Pによって押えられる部分の放射方向(径方向)への拡がりが小さい場合であっても容易に封着することができるものである。
【0056】
換言すれば、前記ノズル部材47における外皮材押え部47Pの直径を、従来の構成に比較して小径にすることができるものであり、かつ外皮材25の封着を行うときの封着部側の厚さを、反対側の外皮材25の厚さよりも薄く形成することができ、前述したごとき従来の問題を解消し得るものである。
【0057】
ところで、前記説明においては、外皮材25及び外皮材25内の内材43から内材吐出ノズル9におけるノズル部材47、弁部材53を離脱するとき(図9参照)、及び外皮材25の外周縁部25Eを中央部側へ集束するとき(図10参照)、弁部材53の下面53Lをノズル部材47よりも下側に保持した場合について説明したが、前記弁部材53は、図12に示すように、初期状態の位置へ予め戻した状態に保持してもよいものである。
【0058】
なお、前述のごとく弁部材53を元の位置へ上昇するとき、弁部材53におけるストレート部53Sの外周面に付着した内材43は、ノズル部材47の先端縁(先端部)によって削ぎ落とされものである。そして、エアー噴出孔53Hからエアーを噴出することにより、削ぎ落とされた内材43は効果的に落下されるものである。
【0059】
ところで、前記説明においては、生地保持手段35の構成として長溝37を形成した場合について例示した。しかし、生地保持手段35は、封着部25Aを形成すべく外皮材25の外周縁部25Eをシャッタ片23の押圧面31でもって中央部側へ押圧するとき、前記外周縁部25Eを保持して中央部側へ引っ張り誘導する機能を奏すればよいものである。したがって、長溝37に限ることなく、下部稜線39よりも適宜にへこんだ適宜形状の凹部又は段差部に形成することも可能である。すなわち、生地保持手段35の形状としては種々の形状とすることができるものである。
【0060】
図14〜図23は、外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品を製造するとき、外皮材を封着する封着部側、すなわち上部側の外皮材の厚さを下側の外皮材の厚さよりも薄くすることのできる第2の実施形態に係る包被食品の製造方法及び装置の主要部を示すものである。この第2の実施形態において、前述した第1の実施形態における構成要素と同一機能を奏する構成要素には同一符号を付することとして、重複した説明は省略することとする。
【0061】
第2の実施形態に係るシャッタ装置5における各シャッタ片23は、第1の実施形態に係るシャッタ装置5のシャッタ片23と同様に、前記載置部材21上に載置された外皮材25の外周縁部(周縁部)25Eを中央部へ押圧して中央部へ寄せ集め、この寄せ集めて集束された外周縁部25Eの封着(結着)を行う作用をなすものである。すなわち、シャッタ装置5における各シャッタ片23は、前記外皮材25の周縁部25Eを放射内方向(径内方向)へ押圧するための押圧面31を備えている。上記押圧面31は、垂直面に形成してあり、この押圧面31には、生地押圧手段35の一例としての長溝37が形成してある。
【0062】
なお、前記各シャッタ片23を開閉動作するための駆動手段(図示省略)は、例えばサーボモータ、リニアモータなどのごとく、制御装置(図示省略)の制御の下に制御可能な制御用アクチュエータ(図示省略)からなるものである。したがって、前記各シャッタ片23における各押圧面31によって囲繞されたシャッタ開口部(囲繞領域)24は前記制御アクチュエータの駆動によって開閉動作されるものである。そして、制御装置の制御の下に前記制御アクチュエータの動作を制御することにより、前記シャッタ開口部24の開口径の大きさを所望の大きさに調整(調節)することができるものである。
【0063】
したがって、前記外皮材移送手段7によって載置部材21上に載置された円板状の前記外皮材25の周縁部25Eを押圧して、外皮材25の前記開口部21Hに対応した部分が外皮材の自重によって開口部21H内へ没入することを助長することができるものである。そして、前記シャッタ開口部24の開口径を調節することにより、前記載置部材21の前記開口部21Hから外皮材25の中央部分が自重によって開口部21H内に入り込む生地量と、前記載置部材21上に残留する外皮材25の環状の残留部としての周縁部25E付近の生地の残留量との比率(割合)を調節することができるものである。換言すれば、前記シャッタ装置5における各シャッタ片23によって中央部へ寄せ集めて封着するための周縁部(残留部)25Eの生地量(載置部材21上の残留量)を予め調節することができるものである。
【0064】
前記内材吐出ノズル9の構成について説明するに、内材吐出ノズル9は、前記内材供給手段13から内材43の供給を受ける円筒形状のノズル本体45を備えており、このノズル本体45の下部外周面には、前記載置部材21上に残る外皮材25の残留部としての環状の周縁部25Eを放射外方向(径外方向)へ押圧する環状の外皮材押圧面45Tを備えている。この外皮材押圧面45Tは、前述した外皮材押え部47Pに相当するものであって、下側が小径となるテーパ面に形成してある。
【0065】
なお、前記外皮材押圧面45Tは、テーパ面に限ることなく、上部側が次第に大径となる截頭円錐形状であって、周面が凸曲面又は凹曲面を呈する形状であってもよいものである。要は載置部材21上に残留している環状の残留部(周縁部)25Eを放射外方向へ押圧する機能を奏すればよいものである。
【0066】
そして、前記ノズル本体45の中心部には、当該ノズル本体45の上部に備えた流体圧シリンダなどのごとき上下動用アクチュエータ49(図1参照)によって上下動されるパイプ状の上下作動杆51が備えられている。この上下作動杆51の下端部には、前記ノズル本体45の開口部45Hを開閉自在な弁部材53が備えられている。そして、この弁部材53の中心部には、エアー供給源(図示省略)に接続した接続路が備えられており、前記上下作動杆51からのエアーを下方向へ噴出するエアー噴出孔53Hが下端面に備えられている。そして、前記弁部材53には、前記開口部45Hの内径にほぼ等しい外径のストレート部53Sが上下方向に長く形成してある。
【0067】
したがって、内材吐出ノズル9においては、弁部材53を上下動することにより、ノズル本体45における開口部45Hの開閉が行われるものである。
【0068】
以上のごとき構成において、図14に示すように、相対的に下降した状態のシャッタ装置5の上方位置へ外皮材移送手段7における第2ベルトコンベア7Bによって外皮材25を搬送し、前記第2ベルトコンベア7Bを後退することにより、開いた状態にある各シャッタ片23によって囲繞された領域内(シャッタ開口部24内)に外皮材25を落下すると、外皮材25の中心位置は載置部材21における開口部21Hの中心位置とほぼ一致した状態に載置される(図15参照)。なお、外皮材25の外径は、前記外皮材移送手段7による移送時に、計測手段によって自動的に計測されるものである。そして、外皮材25の中心位置は予め演算によって求められるものである。したがって、前述したように、開口部21Hの中心位置と外皮材25の中心位置とがほぼ一致した状態でもって載置部材21上に載置することができるものである。
【0069】
前述のように、載置部材21上に外皮材25を載置すると、外皮材25の開口部21Hに対応した部分は、自重によって直ちに没入を開始することになる。そして、シャッタ装置5における各シャッタ片23を閉動作すると、各シャッタ片23における各押圧面31でもって外皮材25の外周縁部25Eを中心側へ押圧するので、前記開口部21Hからの外皮材25の自重による没入が助長されることになる。すなわち、前記各シャッタ片23が外皮材25の周縁部25Eを中央部へ押圧すると、外皮材25は自重によって前記開口部21H内に入り込み、上面に凹部を生じることになる(図16参照)。
【0070】
この際、載置部材21における開口部21Hの中心と外皮材25の中心とがほぼ一致した状態でもって載置部材21上に外皮材25が載置されるので、前記開口部21Hの中心位置と外皮材25の中心位置とを合せる動作が不要であり、能率向上を図ることができるものである。換言すれば、載置部材21上に外皮材25を載置すると、直ちに、外皮材25の上面に前記凹部を形成するための動作を行い得るものである。
【0071】
前述のように、シャッタ装置5における各シャッタ片23を閉動作して、各シャッタ片23によって囲繞されたシャッタ開口部24の直径が前記内材吐出ノズル9におけるノズル本体31の外径に対応した所望の径又は予め設定された所定の径の大きさに縮小すると、各シャッタ片23の閉動作が一時停止される。この際、前記載置部材21における開口部21Hの直径は予め設定してあって一定であるから、前記シャッタ開口部24の直径を、前記開口部21Hとの関係において所定の径に調節することにより、前記載置部材21上において前記開口部21Hの周囲に残留する外皮材25の環状の残留部としての周縁部25E付近の生地の残留量すなわち、後工程で封着に使用する封着生地量を所望量に予め調節(調整)することができるものである。
【0072】
なお、前記シャッタ開口部24の直径が予め設定された直径になるのと同時的に内材吐出ノズル9の外皮材押圧面45Tと載置部材21における開口部21Hの周縁によって外皮材25を挟み込むことも可能である。
【0073】
また、前記計測手段によって計測した外皮材25における外径の大きさに比較して、前記シャッタ開口部24の直径が所望の直径となるように、制御手段(図示省略)によって制御して各シャッタ片23の閉動作を一時停止することにより、前記載置部材21における開口部21H内へ自重によって入り込む生地量と、載置部材21上に残留する周縁部25E付近の生地の残留量との割合を予め調節することができるものである。
【0074】
前述のように、シャッタ装置5における各シャッタ片23の閉動作を一時停止して、載置部材21の開口部21H内へ自重によって入り込んだ生地の量と載置部材21上に残留している生地量とを予め調節した状態にあるときに、前記内材吐出ノズル9に対してシャッタ装置5及び載置部材21を相対的に上昇すると、前記内材吐出ノズル9の下端部は、相対的に下降してシャッタ開口部24内に入り込むことになる。このように、シャッタ開口部24に対して内材吐出ノズル9の下端部を相対的に挿入すると、前記内材吐出ノズル9の下部に備えた外皮材押圧面45Tが外皮材25における周縁部25E付近の生地を、前記外皮材押圧面45Tと前記載置部材21の開口部21Hの周縁とによって全周に亘って斜め方向から挟み込むことになる。
【0075】
前述のごとく、シャッタ開口部24に対して内材吐出ノズル9の下部を相対的に挿入すると、載置部材21上の外皮材25の周縁部25E付近の残留した部分は、内材吐出ノズル9における下部の外皮材押圧面45Tによって放射外方向へ押圧移動(流動)される。この際、外皮材25の周縁部25Eの放射外方向への拡大は、各シャッタ片23における押圧面31によって規制される。したがって、前記外皮材25の載置部材21上の周縁部25E付近の残留生地は、図17に示すように、前記各シャッタ片23の押圧面31と内材吐出ノズル9におけるノズル本体45の外周面との間の環状の空隙内に次第に迫り上げられて盛上げられることになる。この際、環状の空隙の間隔寸法は、外皮材25の厚さよりも小さな間隙寸法であり、前記盛上げられる部分は、前記開口部21内へ入り込んだ部分の生地の肉厚よりも薄肉に形成されるものである。
【0076】
換言すれば、外皮材25における周縁部25E付近は、前記載置部材21の上面に沿って上側から偏平状に押圧される形態とは異なり、前記載置部材21の上面に対して薄く立上る形態に形成されるものである。そして、前記シャッタ開口部24に対する前記内材吐出ノズル9、すなわちノズル本体45の相対的な最下降位置は、前記載置部材21における上面以上の高さ位置で調節可能に備えられている。したがって、前記シャッタ開口部24に対してノズル本体45を相対的に最下降した場合であっても、載置部材21における開口部21Hの周縁とノズル本体45の外皮材押圧面45Tとの間には比較的大きな環状の空隙が備えられるものである。
【0077】
したがって、前述のごとく、ノズル本体45の外皮材押圧面45Tと載置部材21における開口部21Hの周縁とによって外皮材25の周縁部25E付近を挟み込んだ場合であっても、外皮材25を強力に挟み込むようなことはないものである。よって、ノズル本体45と載置部材21によって挟圧された部分の生地が硬化するようなことはないものである。
【0078】
前述のごとく、ノズル本体45の外皮材押圧面45Tと載置部材21における開口部21Hの周縁との間に外皮材25を挟み込むに際しては、前記弁部材53を上昇してノズル本体45の開口部45Hは開かれた状態にあり、内材43は開口部45H付近に到達した状態に制御されている。そして、前記外皮材押圧面45Tと開口部21Hの周縁との間に外皮材25を挟み込むと、ノズル本体45から外皮材25内へ内材43が吐出供給される。したがって、外皮材25は、次第に下方向へ膨張される(図18参照)。
【0079】
前述のごとく、ノズル本体45から内材43を吐出供給するときは、前記外皮材25とノズル本体45との間は密閉された状態にあり、内材43が外部へ漏れ出るようなことはないものである。そして、内材43を供給しつつ外皮材25を次第に膨張させることができるものである。
【0080】
前述のように、内材43が供給されるに従って外皮材25が次第に下方向へ膨張されると、前記シャッタ装置5の下方にて、所要の高さ位置(待機位置)で待機している前記支持手段15は、前記外皮材25の底部を下側から支持するものである(図19参照)。さらに、内材43が供給されると、前記外皮材25は、水平方向(横方向)へ次第に膨張されるものである。このとき、内材43の吐出供給量に対応して前記支持手段15を次第に下降させることにより外皮材25は下方向へ膨張し水平方向への膨張を低減させることも可能である。
【0081】
そして、前記内材吐出ノズル9から所定量の内材43が外皮材25の凹部内へ供給された後、図17に想像線で示すように、前記弁部材53を前記ノズル本体45の開口部45Hから突出するように下降すると、内材43の供給が停止されると共に、外皮材25内の内材43が弁部材53によって下方向へ押し込まれることになる。したがって、図20に示すように、前記外皮材25内における内材43の上面43Uがより低くなり、外皮材25の封着を行うときに内材43が飛び出すようなことがなくなるものである。
【0082】
前述のごとく、弁部材53を下降して内材43の供給を停止すると同時に、又は内材43の供給を停止した後に、シャッタ装置5及び支持手段15を下降することにより、内材吐出ノズル9におけるノズル本体45は外皮材25及び外皮材25内の内材43から離脱することになる。この際、弁部材53の下面53L(図20参照)に対する内材43の付着を抑制するために上記下面53Lの接触面積を小さくすることが望ましいものである。したがって、本実施形態においては、前記下面53Lは水平面に形成してある。
【0083】
また、前記弁部材53の下面53Lに対する内材43の付着を抑制するために、前記弁部材53の下面53Lが前記開口部45Hから下方向へ突出するように下降した後に前記弁部材53を直ちに上昇させることが望ましいものである。この場合、弁部材53によって下方向へ押圧された内材43には下方向への慣性力が作用しており、この状態で弁部材53を直ちに逆方向である上方向へ移動することにより、弁部材53の下面53Lと内材43との剥離を効果的に行うことができ、弁部材53の下面53Lに対する内材43の付着を防止することができるものである。
【0084】
さらに、弁部材53の下面53Lに対する内材43の付着を抑制するには、シャッタ装置5等の下降開始と前記弁部材53の上昇開始を同時に行うことや、シャッタ装置5等の下降開始直後に弁部材53の上昇を開始することも効果的である。
【0085】
なお、前述のごとく、シャッタ装置5等を相対的に下降して、前記外皮材25からノズル本体45を離脱するとき、弁部材53に備えたエアー噴出孔53Hからエアーの噴出を行うことにより、内材43の上面をより低くすることができると共に、内材43が飛び出すことを抑制することができるものである。
【0086】
前述のごとく、シャッタ装置5等が下降し、内在吐出ノズル9における前記ノズル本体45の下端部(弁部材53の下面53L)が前記シャッタ装置5における各シャッタ片23の上面にほぼ等しい高さ位置以上に相対的に上昇すると(図20参照)、シャッタ装置5における各シャッタ片23は停止状態にある閉動作位置から閉作動が再び開始されると共に、シャッタ装置5等の下降が継続される(図21参照)。したがって、シャッタ装置5における各シャッタ片23の閉動作が能率よく行われることになる。
【0087】
なお、支持部材15の前記待機位置は、シャッタ装置5等を相対的に下降して、外皮材25からノズル本体45を離脱した後に内材43を供給された外皮材25が載置部材21の開口部21Hから落下することを防止できる高さ位置であってもよく、内材43を外皮材25に供給する際に、前記支持部材15が前記外皮材25の底部を下側から支持しない位置に設定することも可能である。
【0088】
前述のごとく、シャッタ装置5における各シャッタ片23が閉作動するとき、外皮材25の周縁部25Eは、各シャッタ片23の押圧面31に沿って盛上げられた形態、すなわち立上げられた形態に薄く形成されているので、各シャッタ片23の押圧面31によって外皮材25の周縁部25Eを放射内方向に倒すように寄せ集めて封着することになる。したがって、外皮材25の外周縁部25Eを中央に集束しての封着が確実容易に行い得る。また、封着すべく外皮材25の外周縁部25Eの量は予め調節された量であるから、封着時における封着部25Aが大きく突出することを抑制することができるものである。
【0089】
前述のごとく、外皮材25の外周縁部25Eを中央部へ寄せ集めて封着するとき、前記周縁部25Eはノズル本体45の外周面と各シャッタ片23の押圧面31との間に挟み込まれて予め薄肉に形成されているので、包被食品の上部側の外皮材25の厚さを下側の厚さよりも薄くすることができるものである。また、各シャッタ片23の押圧面31に生地保持手段としての長溝37を備えていることにより、外周縁部25Eの一部が前記長溝37に保持されながら中央部側へ引っ張り誘導されることとなる。したがって、外皮材25に外周縁部25Eは薄く伸ばされつつ中央部へ寄せ集められて封着されることになるものである。
【0090】
前述のごとく、シャッタ装置5における各シャッタ片23が閉動作して、外皮材25の外周縁部25Eを中央部に集束して封着を開始すると、次の外皮材25を載置した第2ベルトコンベア7Bがシャッタ装置5の上方へ移動して、前記次の外皮材25の供給を行う待機状態となるものである(図22参照)。前述したように、外皮材25でもって内材43を包み込んだ包被食品55が製造されて、この包被食品55が前記支持手段15から搬送手段17へ移載されると共に、次の外皮材25がシャッタ装置5の上方に搬送され、かつシャッタ装置5における各シャッタ片23が開作動されると、図14に示す初期状態となるものである。
【0091】
以上のごとき説明より理解されるように、外皮材25の載置部材21上の周縁部25Eは、封着部25Aが大きく突出することを抑制すべく予め調節(調整)された状態にあり、かつ各シャッタ片23における押圧面31に沿って予め薄く盛上げられた状態すなわち立上げられた状態にあるので、各シャッタ片23を閉動作して、外皮材25の周縁部25Eを中央部へ寄せ集めて封着しようとするとき、封着作用を確実容易に行うことができると共に封着部25Aが大きくなることを抑制することができるものである。
【0092】
なお、前述のごとく弁部材53を元の位置へ上昇するとき、弁部材53におけるストレート部53Sの外周面に付着した内材43は、ノズル本体45の開口部45Hの先端縁(先端部)によって削ぎ落とされるものである。そして、エアー噴出孔53Hからのエアーを噴出することにより、削ぎ落とされた内材43は効果的に落下されるものである。
【0093】
ところで、前述したごとき実施形態のみに限るものではなく、適宜の変更を行うことにより、そのほかの形態でもって実施可能である。すなわち、前記実施形態においては、外皮材25の周縁部25Eを各シャッタ片23の押圧面31に沿って盛上げる(立上げる)作用として、内材吐出ノズル9におけるノズル本体45の外皮材押圧面45Tでもって外皮材25の周縁部25Eを放射外方向へ押圧移動する場合について説明した。
【0094】
しかし、前記ノズル本体45を相対的に最下降した状態にあるときに、制御手段の制御の下にシャッタ装置5における各シャッタ片23を閉作動する。そして、外皮材25の周縁部25E付近の生地を放射内方向へ押圧移動することにより、前記ノズル本体45の外周面と各シャッタ片23の押圧面31とによって挟み込む。このように、ノズル本体45の外周面と各シャッタ片23の押圧面31によって外皮材25の周縁部25E付近の生地を押圧し、前記ノズル本体45の外周面と各シャッタ片23の押圧面31との間に外皮材25の周縁部25E付近の生地を薄く盛り上げる(迫り上げる)ことも可能である。
【0095】
さらには、内材吐出ノズル9に対しシャッタ装置5等を相対的に接近させる動作と、前記シャッタ装置5における各シャッタ片23の閉動作とを並行して行うことによりノズル本体45における外皮材押圧面45Tによって外皮材25の周縁部25E付近の生地を放射外方向へ押圧移動することと、シャッタ装置5における各シャッタ片23の閉動作によって前記周縁部25E付近の生地を放射内方向へ押圧移動することとを同時的に行うことも可能である。このような場合であっても、載置部材21の開口部21Hから外皮材25の中央部分が自重によって開口部21H内に入り込む生地量と、載置部材21上に残留する外皮材25の環状の残留部としての周縁部25E付近の生地の残留量との比率(割合)を調節することができ、また、ノズル本体45の外周面と各シャッタ片23の押圧面31との間に外皮材25の周縁部25E付近の生地を薄く盛り上げることができる。
【0096】
また、ノズル本体45の形状を図23に示すごとく形成することも可能である。つまり、ノズル本体45の下端外周面をストレートに形成し、かつ下端面の形状を、ほぼストレートのようなごく小さいテーパ状の下端面45Lとしてもよい。このような形状の場合であっても、前記下端面45Lは前記載置部材21における開口部21Hの周縁との間に外皮材25を挟み込むための外皮材押圧面として作用するものである。そして、ノズル本体45の相対的な下降位置を前記載置部材21に対し適宜調整することにより外皮材25を強力に挟み込むことなく、また、ノズル本体45の下端外周面と各シャッタ片23の押圧面とによって外皮材25の周縁部25E付近の生地を薄く盛上げる(立上げる)ことができるものである。
【符号の説明】
【0097】
1 包被食品製造装置
5 シャッタ装置
9 内材吐出ノズル
13 内材供給手段
15 支持手段
21 載置部材
23 シャッタ片
25 外皮材
25A 封着部
25E 外周縁部
27 シャッタ片本体
31 押圧面
33 逃げ面
35 生地保持手段
37 長溝
41 下傾斜面(掬い面)
43 内材
45 ノズル本体
47 ノズル部材
47P 外皮材押え部
53 弁部材
53S ストレート部
53H エアー噴出孔
53L 下面
55 包被食品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品を製造するための包被食品製造装置におけるシャッタ装置であって、前記外皮材でもって内材を包み込むために、当該シャッタ装置に開閉自在に備えた複数のシャッタ片が前記外皮材の周縁部を中央部側へ押圧する押圧面に、前記外皮材の周縁部を保持して中央部へ寄せ集めるための生地保持手段を備えていることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシャッタ装置において、前記生地保持手段は、前記押圧面の全長に亘って形成した長溝であって、前記押圧面の下部側に形成してあることを特徴とするシャッタ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシャッタ装置を使用して外皮材でもって内材を包み込むための包み込み方法であって、シャッタ装置に開閉自在に備えた複数のシャッタ片の押圧面に備えられた生地保持手段によって外皮材の周縁部を保持して中央部へ寄せ集めて外皮材の上部を封着するとき、前記生地保持手段によって外皮材の周縁部を中央部側へ引っ張り誘導することによって、前記外皮材の上部側を下部側よりも薄肉に形成することを特徴とする包み込み方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のシャッタ装置を使用して外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品の製造方法であって、
(a)上下方向の開口部を備えた載置部材上に、前記開口部を覆うように偏平状の外皮材を載置する工程、
(b)前記載置部材の上側に配置したシャッタ装置に開閉自在に備えた複数のシャッタ片を閉動作して、前記外皮材を前記開口部に対して位置決めする工程、
(c)前記複数のシャッタ片が閉動作を停止して前記外皮材の周縁部に接触した状態にあるときに、前記外皮材上に内材を吐出するノズル部材を相対的に下降して、前記ノズル部材に備えた押圧部によって前記外皮材の外周縁付近を前記載置部材に押圧する工程、
(d)前記ノズル部材から前記外皮材上に内材を吐出して、前記外皮材を下方向へ次第に膨張する工程、
(e)前記ノズル部材を相対的に上昇した後、前記シャッタ装置に開閉自在に備えた複数のシャッタ片の押圧面に備えられた生地保持手段によって外皮材の周縁部を保持して中央部へ寄せ集めて外皮材の上部を封着するとき、前記生地保持手段によって外皮材の周縁部を中央部側へ引っ張り誘導することによって、前記外皮材の上部側を下部側よりも薄肉にする工程、
の各工程を備えていることを特徴とする包被食品の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の包被食品の製造方法において、ノズル部材内に、当該ノズル部材から吐出される内材の供給、停止を行う弁部材を上下動自在に備え、外皮材及び外皮材内の内材から前記ノズル部材を相対的に上方向へ離脱する際に、前記外皮材内の内材を前記弁部材によって押圧して、前記外皮材内の前記内材の上面をより低くする工程、を備えていることを特徴とする包被食品の製造方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のシャッタ装置を使用して外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品を製造するための包被食品製造装置であって、上下方向の開口部を備えた載置部材と、前記開口部を覆うように前記載置部材上に偏平状の外皮材を移送する外皮材移送手段と、前記載置部材上の前記外皮材を前記開口部に対して位置決めするために、前記外皮材の周縁部を押圧自在な複数のシャッタ片を開閉自在に備えた前記シャッタ装置と、前記載置部材に対して相対的に上下動自在かつ前記外皮材上に内材を吐出するノズル部材とを備え、前記シャッタ装置は、前記外皮材でもって内材を包み込むために、当該シャッタ装置に開閉自在に備えた複数のシャッタ片が前記外皮材の周縁部を中央部側へ押圧する押圧面に、前記外皮材の周縁部を保持して中央部へ寄せ集めるための生地保持手段を備えていることを特徴とする包被食品製造装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のシャッタ装置を使用して外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品の製造方法であって、
(a)開口部を備えた載置部材上に、前記開口部を覆うように偏平状の外皮材を載置し、前記外皮材の前記開口部に対応した部分を自重によって開口部内へ没入する工程、
(b)開閉可能な複数のシャッタ片によって囲繞されたシャッタ開口部を閉動作して、前記開口部内への外皮材の没入を助長すると共に前記載置部材上に残る外皮材における環状の周縁部の残留量を所望量に調節する工程、
(c)内材を供給するための内材吐出ノズルを相対的に降下して、当該内材吐出ノズルに備えた環状の外皮材押圧面と前記載置部材とによって前記外皮材を挟み込む工程、
(d)前記載置部材上に残留している外皮材の周縁部を、前記開口部内へ没入された外皮材よりも薄肉に、前記内材吐出ノズルの外周面及び各シャッタ片の押圧面に沿って盛上げる工程、
(e)前記内材吐出ノズルから前記外皮材内に内材を供給して外皮材を次第に膨張する工程、
(f)前記内材吐出ノズルを相対的に上昇した後に、前記外皮材の盛上げられた周縁部を、前記シャッタ片によって中央部へ寄せ集めて封着するとき、各シャッタ片の押圧面に備えた生地保持手段によって外皮材の周縁部を保持し、中央部側へ引っ張り誘導することによって、外皮材の上部側を下部側よりも薄肉に形成する工程、
の各工程を備えていることを特徴とする包被食品の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の包被食品の製造方法において、前記外皮材の前記周縁部を各シャッタ片の押圧面に沿って盛上げる工程は、前記内材吐出ノズルの前記外皮材押圧面と前記開口部の周縁とによって前記外皮材を挟み込むときに外方向へ押圧流動される外皮材における前記周縁部の放射外方向への拡大を、前記各シャッタ片の押圧面によって規制して前記周縁部を盛上げることを特徴とする包被食品の製造方法。
【請求項9】
請求項7に記載の包被食品の製造方法において、前記外皮材の前記周縁部を各シャッタ片の押圧面に沿って盛上げる工程は、前記内材吐出ノズルの前記外皮材押圧面と前記開口部の周縁とによって前記外皮材を挟み込んだ後に、前記シャッタ片の開口部を閉動作するときに、前記外皮材の前記周縁部を放射内方向へ押圧移動して前記周縁部を盛上げることを特徴とする包被食品の製造方法。
【請求項10】
請求項7に記載の包被食品の製造方法において、前記外皮材の前記周縁部を各シャッタ片の押圧面に沿って盛上げる工程は、前記内材吐出ノズルの前記外皮材押圧面と前記開口部の周縁とによって前記外皮材を挟み込むときに、前記外皮材の前記周縁部を放射外方向へ流動することと、前記シャッタ開口部の閉作動によって外皮材の前記周縁部を放射内方向へ押圧移動することとが同時的に行われることによって前記外皮財の前記周縁部を盛上げることを特徴とする包被食品の製造方法。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれかに記載の包被食品の製造方法において、前記シャッタ開口部を閉動作して前記外皮材の周縁部を中央側へ押圧するとき、前記載置部材の前記開口部内への外皮材の自重による没入を助長すると共に、前記載置部材上に残留する外皮材の周縁部の生地の残留量を調節するために前記シャッタ開口部の開口径を調節することを特徴とする包被食品の製造方法。
【請求項12】
請求項1又は2に記載のシャッタ装置を使用して外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品を製造するための包被食品製造装置であって、
開口部を備えた載置部材と、
前記開口部を覆うように偏平状の外皮材を前記載置部材上へ移送する外皮材移送手段と、
シャッタ開口部を開閉可能かつ閉動作して前記載置部材における前記開口部内への外皮材の自重による没入を助長すべく前記外皮材の周縁部を押圧する押圧面に生地保持手段を備えた複数の前記シャッタ片と、
前記載置部材に対して相対的に下降して前記外皮材内に内材を供給する内材吐出ノズルと、
前記内材吐出ノズルが相対的に上昇した後に、前記外皮材の周縁部を中央部に寄せ集めて封着する複数の前記シャッタ片と、を備え、
前記内材吐出ノズルは、前記載置部材における前記開口部の周縁との間に前記外皮材を挟み込むときに、前記載置部材上に残留している外皮材の環状の周縁部を、前記各シャッタ片の押圧面に沿って盛上げるために前記外皮材の前記周縁部を放射外方向へ流動させるための環状の外皮材押圧面を下部に備えていることを特徴とする包被食品製造装置。
【請求項13】
請求項1又は2に記載のシャッタ装置を使用して外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品を製造するための包被食品製造装置であって、
開口部を備えた載置部材と、
前記開口部を覆うように偏平状の外皮材を前記載置部材上へ移送する外皮材移送手段と、
シャッタ開口部を開閉可能かつ閉動作して前記載置部材における前記開口部内への外皮材の自重による没入を助長すべく前記外皮材の周縁部を押圧する押圧面に生地保持手段を備えた複数の前記シャッタ片と、
前記載置部材に対して相対的に下降して前記外皮材内に内材を供給する内材吐出ノズルと、
前記内材吐出ノズルが相対的に上昇した後に、前記外皮材の周縁部を中央部に寄せ集めて封着する複数の前記シャッタ片と、を備え、
前記内材吐出ノズルが相対的に下降して前記載置部材の前記開口部の周縁との間に外皮材を挟み込んだ状態にあるときに、前記外皮材の周縁部を各シャッタ片の押圧面に沿って盛上げるために前記外皮材の周縁部を放射内方向へ押圧移動する各シャッタ片の閉動作を制御するための制御手段を備えていることを特徴とする包被食品製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−46606(P2013−46606A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−79973(P2012−79973)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【出願人】(000115924)レオン自動機株式会社 (98)
【Fターム(参考)】