説明

シャンプー組成物

【課題】起泡性、泡持ち、洗浄効果に優れつつ、使用後の髮のごわつきのなさ、しなやかさにも優れたシャンプー組成物を提供すること。
【解決手段】成分、(A)下記の構造をスペーサーで2〜20個結合したN−アシル化合物、(B)成分(A)以外のアミノ酸系洗浄剤、(C)糖及び/または糖アルコールを配合したシャンプー組成物。


(ZはXの有する官能基に由来する結合部であり、R1COは炭素原子数2〜20の脂肪酸から誘導されるアシル基を示し、R2は水素または炭素原子数1〜3の低級アルキル基などを示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩の内のいずれかを示し、j、kはそれぞれ独立に0,1,2を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシャンプー組成物に関し、更に詳細には、起泡性、泡持ち、洗浄効果に優れ、使用後の髮のごわつきのなさ、しなやかさに優れたシャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャンプー組成物は、高い洗浄力と気泡性、及び使用後の良好な感触を得る為に、様々な種類の洗浄剤を配合する検討がなされてきた。特にマイルドな使用感と使用後の髪のごわつきを軽減するために、N−アシルグルタミン酸塩、N−アシル−β−アラニン塩、N−アシルグリシン塩等のアミノ酸系洗浄剤を用いた処方開発もなされている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【特許文献1】特開昭51−44650号公報
【特許文献2】特開昭54−50513号公報
【特許文献3】特開平7−316587号公報
【特許文献4】特開平4−149299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来用いられてきたアミノ酸系洗浄剤配合のシャンプー組成物は、使用後の髮にごわつきのなさ、しなやかさは得られるものの、起泡性や泡持ち、洗浄効果が十分ではない場合があり、シャンプー組成物としては必ずしも満足できるものではなかった。そこで、起泡性、泡持ちに優れつつ、高い洗浄効果を有し、使用後の髮のごわつきのなさ、しなやかさに優れたシャンプー組成物の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
かかる実情に鑑み、本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アミノ酸系洗浄剤配合のシャンプー組成物において、特定のN−アシル化合物、即ち、分子内にアシル基と親水基とをそれぞれ2個以上有するN−アシル化合物と、糖及び/または糖アルコールを配合することによって、従来のアミノ酸系洗浄剤では得られなかった起泡性、泡持ちに優れ、高い洗浄力を有しつつ、使用後の髮のごわつきのなさ、しなやかさに優れたシャンプー組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(C);
(A)一般式(1)に示すN−アシル化合物
【化3】

【0005】
(一般式(1)において、Xはm個の官能基、およびそれ以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下の直鎖または分枝鎖または環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーを示す。Xに結合しているn(m≧n)個のQは、一般式(2)で表される置換基であり、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。一般式(2)において、ZはXの有する官能基に由来する結合部であり、R1COは炭素原子数2〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるアシル基を示し、R2 は水素であるか、またはヒドロキシル基またはカルボキシル基が置換していてもよい炭素原子数1〜3の低級アルキル基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩の内のいずれかを示す。j、kはそれぞれ独立に0,1,2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではない。nは2〜20の整数を示す。また、mはm≧nである整数を示す。)
【化4】

【0006】
(B)成分(A)以外のアミノ酸系アニオン性界面活性剤
(C)糖及び/または糖アルコール
を配合することによって、起泡性、泡持ちに優れ、高い洗浄力を有しつつ、使用後の髮のごわつきのなさ、しなやかさに優れたシャンプー組成物を提供するものである。
更に成分(D)として、カチオン性基を有するコンディショニング化合物を配合することにより、より、使用後の髮のごわつきのなさ、しなやかさに優れたシャンプー組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のシャンプー組成物は、起泡性、泡持ちに優れ、高い洗浄力を有しつつ、使用後の髮のごわつきのなさ、しなやかさに優れるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について特にその好ましい形態を中心に具体的に説明する。
本発明に用いる成分(A)のN−アシル化合物(以下、単に「N−アシル化合物」という)は、例えば、特開2006−56874号公報に成分(A)として記載されているように、ダメージを受けた毛髪の補修改善効果を有するもので、下記一般式(1)および(2)に示すように分子内に少なくとも2個以上のアシル基とカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸残基、リン酸残基等の親水基とを有する化合物を適当なスペーサーで連結した構造のものである。
【0009】
【化5】

【0010】
(一般式(1)において、Xはm個の官能基、およびそれ以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下の直鎖または分枝鎖または環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーを示す。Xに結合しているn(m≧n)個のQは、一般式(2)で表される置換基であり、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。一般式(2)において、ZはXの有する官能基に由来する結合部であり、R1 COは炭素原子数2〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるアシル基を示し、R2 は水素であるか、またはヒドロキシル基またはカルボキシル基が置換していてもよい炭素原子数1〜3の低級アルキル基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩の内のいずれかを示す。j、kはそれぞれ独立に0,1,2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではない。nは2〜20の整数を示す。また、mはm≧nである整数を示す。)
【0011】
【化6】

【0012】
一般式(2)中、R1COで示されるアシル基としては、炭素原子数2〜20、より好ましくは炭素原子数8〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるアシル基であり、脂肪酸の直鎖、分岐、環状を問わず、それぞれ、独立して、すなわち、それぞれ異なっても同一でもよい。
【0013】
上記脂肪酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸のような直鎖脂肪酸;
【0014】
2−エチルヘキサン酸、2−ブチル−5−メチルペンタン酸、2−イソブチル−5−メチルペンタン酸、ジメチルオクタン酸、ジメチルノナン酸、2−ブチル−5−メチルヘキサン酸、メチルウンデカン酸、ジメチルデカン酸、2−エチル−3−メチルノナン酸、2,2−ジメチル−4−エチルオクタン酸、メチルドコサン酸、2−プロピル−3−メチルノナン酸、メチルトリデカン酸、ジメチルドデカン酸、2−ブチル−3−メチルノナン酸、メチルテトラデカン酸、エチルトリデカン酸、プロピルドデカン酸、ブチルウンデカン酸、ペンチルデカン酸、ヘキシルノナン酸、2−(3−メチルブチル)−3−メチルノナン酸、2−(2−メチルブチル)−3−メチルノナン酸、ブチルエチルノナン酸、メチルペンタデカン酸、エチルテトラデカン酸、プロピルトリデカン酸、ブチルドデカン酸、ペンチルウンデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプチルノナン酸、ジメチルテトラデカン酸、ブチルペンチルヘプタン酸、トリメチルトリデカン酸、メチルヘキサデカン酸、エチルペンタデカン酸、プロピルテトラデカン酸、ブチルトリデカン酸、ペンチルドデカン酸、ヘキシルウンデカン酸、ヘプチルデカン酸、メチルヘプチルノナン酸、ジペンチルヘプタン酸、メチルヘプタデカン酸、エチルヘキサデカン酸、エチルヘキサデカン酸、プロピルペンタデカン酸、ブチルテトラデカン酸、ペンチルトリデカン酸、ヘキシルドデカン酸、ヘプチルウンデカン酸、オクチルデカン酸、ジメチルヘキサデカン酸、メチルオクチルノナン酸、メチルオクタデカン酸、エチルヘプタデカン酸、ジメチルヘプタデカン酸、メチルオクチルデカン酸、メチルノナデカン酸、メチルノナデカン酸、ジメチルオクタデカン酸、ブチルヘプチルノナン酸のような分岐脂肪酸;
【0015】
オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、リンデル酸、トウハク酸、ラウロレイン酸、トリデセン酸、ツズ酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、ヘキセデセン酸、パルミトレイン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、オレイン酸、ノナデセン酸、ゴンドイン酸のような直鎖モノエン酸;
メチルヘプテン酸、メチルノネン酸、メチルウンデセン酸、ジメチルデセン酸、メチルドデセン酸、メチルトリデセン酸、ジメチルドデセン酸、ジメチルトリデセン酸、メチルオクタデセン酸、ジメチルヘプタデセン酸、エチルオクタデセン酸のような分岐モノエン酸;
リノール酸、リノエライジン酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、リノレンエライジン酸、プソイドエレオステアリン酸、パリナリン酸、アラキドン酸のようなジまたはトリエン酸;
【0016】
オクチン酸、ノニン酸、デシン酸、ウンデシン酸、ドデシン酸、トリデシン酸、テトラデシン酸、ペンタデシン酸、ヘプタデシン酸、オクタデシン酸、ノナデシン酸、ジメチルオクタデシン酸のようなアセチレン酸;
メチレンオクタデセン酸、メチレンオクタデカン酸、アレプロール酸、アレプレスチン酸、アレプリル酸、アレプリン酸、ヒドノカルプン酸、ショールムーグリン酸、ゴルリン酸、α−シクロペンチル酸、α−シクロヘキシル酸、α−シクロペンチルエチル酸のような環状酸から誘導されるアシル基があげられる。
【0017】
また、天然油脂から得られる脂肪酸由来でも良く、上記の炭素原子数2〜20の飽和または不飽和脂肪酸を80%以上含む混合脂肪酸由来のアシル基が好ましい。例えば、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、ツバキ油脂肪酸、菜種油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等から誘導されるアシル基が挙げられる。
【0018】
成分(A)のN−アシル化合物を塩として用いる場合には、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩等が挙げられ、具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛等の金属、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミン、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸、アンモニア等から任意に選ばれる1種または2種以上との塩である。これらの中でも、ナトリウム塩、カリウム塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩が特に好ましい。
【0019】
一般式(2)中、R2は水素であるか、またはヒドロキシル基またはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩等が置換していてもよい炭素原子数1〜3の低級アルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ(イソ)プロピル基、ジヒドロキシ(イソ)プロピル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、スルホエチル基等が挙げられる。
【0020】
一般式(1)中、Xに結合したn個の置換基Q(式(2))は、それぞれ互いに、異なっても同一でもよい。また、式(2)は、いわゆる酸性アミノ酸がN−アシル化されたものを示すものであり、それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
【0021】
上記酸性アミノ酸は、分子中に存在するカルボキシル基とアミノ基の数がそれぞれ2個と1個のモノアミノジカルボン酸が好ましく、アミノ基はN−メチル基またはN−エチル基でもかまわない。また光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。酸性アミノ酸としては、例えばグルタミン酸、アスパラギン酸、ランチオニン、β−メチルランチオニン、シスタチオニン、ジエンコール酸、フェリニン、アミノマロン酸、β−オキシアスパラギン酸、α−アミノ−α−メチルコハク酸、β−オキシグルタミン酸、γ−オキシグルタミン酸、γ−メチルグルタミン酸、γ−メチレングルタミン酸、γ−メチル−γ−オキシグルタミン酸、α−アミノアジピン酸、α−アミノ−γ−オキシアジピン酸、α−アミノピメリン酸、α−アミノ−γ−オキシピメリン酸、β−アミノピメリン酸、α−アミノスベリン酸、α−アミノセバシン酸、パントテン酸等が挙げられる。
Xに付くn個の置換基(式(2))は、酸性アミノ酸、特にL−体が、生分解性に優れることから好ましい。
【0022】
一般式(2)中、Zは、Xに置換したm個(m≧n、かつ、2〜20の整数)の官能基(ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基)に由来する結合部(−O−、−NR3−、−S−)である。ここで、R3は水素、または炭素原子数1〜10のアルキル基またはアルケニル基またはアリール基またはアルキルアリール基である。
【0023】
一般式(1)中、Xはヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる1種または2種以上からなるm個の官能基を有する分子量100万以下の直鎖または分岐鎖または環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーであり、Xは、前記ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基以外の置換基を有していてもよい。 一般式(1)中、Xは好ましくはヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる1種または2種以上の官能基をm個有する分子量100万以下のm価の化合物の残基であって、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基以外の置換基を有していてもよい化合物残基である。ここで、m価の上記化合物は、m個の官能基に由来する結合を作りうることを意味する。それらは光学異性体、例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
【0024】
このようなm価の化合物としては、例えば、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、シスチンジスルホキシド、シスタチオニン、メチオニン、アルギニン、リジン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、オキシプロリン等のアミノ酸類;
アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、アミノプロパンジオール、アミノエチルエタノールアミン、アミノエチルアミノエタノール、アミノクレゾール、アミノナフトール、アミノナフトールスルホン酸、アミノヒドロキシ安息香酸、アミノヒドロキシブタン酸、アミノフェノール、アミノフェネチルアルコール、グルコサミン等の分子内にアミノ基とヒドロキシル基を有する化合物類;
メルカプトエタノール、メルカプトフェノール、メルカプトプロパンジオール、グルコチオース等の分子内にチオール基とヒドロキシル基を有する化合物類;
アミノチオフェノール、アミノトリアゾールチオール等の分子内にチオール基とアミノ基を有する化合物類;
が挙げられる。また、タンパク質やペプチド等、またはそれらを加水分解したもの等でも良い。
【0025】
また、一般式(1)中、Xは好ましくはヒドロキシル基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下のm価(m≧n)のポリヒドロキシル化合物残基であっても良い。ここで、m価のポリヒドロキシル化合物は、m個のエステル結合を作りうることを意味する。それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
このようなm価のポリヒドロキシル化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、イソプレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ソルバイト、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ダイマージオール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、酒石酸、ジヒドロキシ酒石酸、メバロン酸、3,4−ジヒドロキシけい皮酸、3,4−ジヒドロキシヒドロけい皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシフェニルアラニン等およびこれらの各異性体等の2価ヒドロキシル化合物;
【0026】
グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリヒドロキシステアリン酸等の3価ポリヒドロキシル化合物;
ペンタエリスリトール、エリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ソルビタン等の4価ポリヒドロキシル化合物;
アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグリセリン等の5価ポリヒドロキシル化合物;
【0027】
ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース、アロース等の6価ポリヒドロキシル化合物;またはこれらの脱水縮合物、ポリグリセリン等が挙げられる。
また、糖類、例えば、エリスロース、スレオース、エリスルロース等のテトロース;
リボース、アラビノース、キシロース、リクソース、キシルロース、リブロース等のペントース;アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、ギューロース、イドース、ガラクトース、タロース、フラクトース、ソルボース、プシコース、タガトース等のヘキソース等の単糖類;
マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオース、ラクトース、ツラノース、トレハロース、サッカロース、マンニトリオース、セロトリオース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース、セロテトロース、スタキオース等のオリゴ糖類が挙げられる。
また、その他の糖類、例えばヘプトース、デオキシ糖、アミノ糖、チオ糖、セレノ糖、アルドン糖、ウロン酸、糖酸、ケトアルドン酸、アンヒドロ糖、不飽和糖、糖エステル、糖エーテル、グリコシド等の残基でもよく、デンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン、キトサン等の多糖類またはそれらを加水分解したものでもよい。
【0028】
また、一般式(1)中、Xは好ましくはアミノ基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下のm価のポリアミノ化合物残基であっても良い。ある。ここで、m価のポリアミノ化合物は、m個の酸アミド結合を作りうることを意味する。それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
このようなm価のポリアミノ化合物としては、例えばN,N’−ジメチルヒドラジン、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン、ジアミノアジピン酸、ジアミノプロパン酸、ジアミノブタン酸およびこれらの各異性体等の脂肪族ジアミン類;
ジエチレントリアミン、トリアミノヘキサン、トリアミノドデカン、1,8−ジアミノ−4−アミノメチル−オクタン、2,6−ジアミノカプリン酸−2−アミノエチルエステル、1,3,6−トリアミノヘキサン、1,6,11−トリアミノウンデカン、ジ(アミノエチル)アミンおよびこれらの各異性体等の脂肪族トリアミン類;
ジアミノシクロブタン、ジアミノシクロヘキサン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、トリアミノシクロヘキサン等の脂環族ポリアミン類;
【0029】
ジアミノベンゼン、ジアミノトルエン、ジアミノ安息香酸、ジアミノアントラキノン、ジアミノベンゼンスルホン酸、ジアミノ安息香酸、およびこれらの各異性体等の芳香族ポリアミン類;
ジアミノキシレン、ジ(アミノメチル)ベンゼン、ジ(アミノメチル)ピリジン、ジ(アミノメチル)ナフタレン、およびこれらの各異性体等の芳香脂肪族ポリアミン類;
ジアミノヒドロキシプロパンおよびこれらの各異性体等のヒドロキシル基が置換したポリアミン類等が挙げられる。
【0030】
また、一般式(1)中、Xは好ましくはチオール基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下のm価のポリチオール化合物残基であっても良い。ここで、m価のポリチオール化合物は、m個のチオエステル結合を作りうることを意味する。それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
【0031】
このようなm価のポリチオール化合物としては、例えば、ジチオエチレングリコール、ジチオエリトリトール、ジチオトレイトール等のジチオール化合物類等が挙げられる。
【0032】
Xは上に挙げた化合物の残基の中でも、炭素数1〜40の場合が好ましい、さらに好ましくはXは炭素数1〜20である。また、Xは天然に存在する型である場合の方が、生分解性に優れるという点で好ましい。
【0033】
一般式(2)中、Yで示されるカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基およびX中に含まれうるカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等は、種々の塩基性物質との間に塩を形成し得る。
かかる塩としては、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩、多価金属塩等が挙げられ、具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛、鉄、コバルト、チタン、ジルコニウム等の金属、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミン、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸、アンモニア等から任意に選ばれる1種または2種以上との塩である。
【0034】
このような一般式(1)で示されるN−アシル化合物の製造方法としては、一般式(3)で示されるN−アシル酸性アミノ酸無水物と分子内にヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる1種または2種以上のm個の官能基を有する化合物とを、水および/または水と有機溶媒との混合溶媒中で反応させることによって、またはテトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、アセトン等の不活性溶媒を使用して、あるいは無溶媒で−5℃〜200℃でいずれかの融点以上の温度で混合して反応することで得ることができる。
【0035】
【化7】

【0036】
または一般式(1)で示されるN−アシル化合物は、N−アシル酸性アミノ酸モノ低級エステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル)とポリヒドロキシル化合物またはポリアミノ化合物またはポリチオール化合物、または分子内にヒドロキシル基、アミノ基、チオール基のうちいずれか2種または3種を有する化合物とをジメチルホルムアミド等の適当な溶媒中に溶解し、炭酸カリウム等の触媒を加え、減圧下に−5℃〜250℃で加熱反応させた後反応溶媒を除去することで得ることができる。あるいは、無溶媒で加熱溶融し、水酸化ナトリウム等の触媒を加えて室温〜250℃でエステル交換反応させて得ることができる。
【0037】
以上、本発明の成分(A)について詳述したが、成分(A)の好ましい例についてまとめると、一般式(1)中のXとしては、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、シスチンジスルホキシド、シスタチオニン、メチオニン、アルギニン、リジン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、オキシプロリン等のアミノ酸類が好ましく、Qとしては、酸性アミノ酸のN−アシル化物が好ましく、nは2が好ましい。更に、Xとしては、リジンが、Qとしては、炭素原子数8〜20のN−アシル基を有するL−(アシル)グルタミン酸残基が、がより好ましい。
成分(A)のとりわけ好ましい具体例としては、下記一般式(4)で示されるようなものがある。
【0038】
【化8】

【0039】
(p、q、r、sはこれらのうち任意に選ばれる2つが2であり、残りの2つが0である。R4−C(=O)−とR5−C(=O)−はそれぞれ独立に炭素原子数2〜20、好ましくは炭素原子数8〜20の飽和又は不飽和の脂肪酸から誘導されるアシル基である。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、有機アミン、塩基性アミノ酸又はアンモニウムを示し、好ましくはナトリウム原子、カリウム原子等のアルカリ金属原子、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール等の有機アミン、L−アルギニン、L−リジン等の塩基性アミノ酸又はアンモニウムである。)
このような市販品としては、例えば、「ぺリセア L−30」(旭化成ケミカルズ株式会社製 ジN−ラウロイルグルタミン酸リジンナトリウム水溶液)等が挙げられる。
【0040】
成分(A)のN−アシル化合物は、一種又は二種以上組み合わせて用いても良く、その配合量は、特に限定はないが、0.005〜10質量%(以下、単に「%」とする)が好ましく、更に好ましくは0.1〜5%である。この範囲であれば、成分(A)が有するダメージを受けた毛髪を補修改善する効果に加え、成分(B)だけでは十分ではなかった起泡性、泡持ちに優れ、高い洗浄力を有しつつ、使用後の髮のごわつきのなさ、しなやかさに優れたものが得られる。
【0041】
成分(B)のアミノ酸系アニオン性界面活性剤は、本発明のシャンプー組成物において頭皮や頭髪の汚れを落す為に必須の成分であり、洗浄効果に加え、使用後の、しなやかさを与える洗浄成分である。成分(B)は成分(A)以外のアミノ酸系アニオン性界面活性剤であれば、特に限定されるものではないが、具体的にはN−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸アンモニウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、N−ラウロイル−N−メチルアラニントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン等のN−アシルアミノ酸塩;N−ヤシ油脂肪酸アシルメチルタウリンナトリウム、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルメチルタウリンカリウム等のN−アシルアルキルタウリン塩;ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンカリウム、ラウロイル加水分解シルクナトリウム等のN−アシルポリペプチド塩が挙げられる。
本発明に用いる成分(B)のアミノ酸系アニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば「アラノンALTA」(川研ファインケミカル社製)、「アミノサーファクトACMT−L」(旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。
【0042】
成分(B)は、一種または二種以上用いることができ、その配合量は、特に限定されないが、0.01〜30%が好ましく、更に好ましくは1〜20%である。この範囲であれば洗浄効果、使用後の髮のごわつきのなさ、しなやかさに優れたものが得られる。
【0043】
本発明に用いる成分(C)の糖、糖アルコールは特に限定されるものではなく、その由来物質、製法等も特に問われないが、具体的にはソルビトール、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、トレハロース、イノシトール、グルコース、マンニトール、ペンタエリスリトール、果糖、蔗糖およびそのエステル、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ、黒砂糖抽出物等が挙げられ、特にソルビトール、エリスリトールが泡持ちの点で、より好ましい。成分(C)はこれらを一種または二種以上用いることができる。
【0044】
成分(C)の配合量は、全成分中0.01〜3%が好ましく、更に好ましくは0.1〜2%である。この範囲であれば使用時の泡持ちが良好で、べたつくこともなく、使用後の髮のごわつきのなさ、しなやかさに優れたものが得られる。
【0045】
本発明のシャンプー組成物に更なる成分として用いられる成分(D)のカチオン性基を有するコンディショニング化合物としては、カチオン性基を有するものであれば特に限定されるものではなく、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー、両性ポリマー等が挙げられる。
【0046】
カチオン性界面活性剤としては、通常シャンプー等に使用されるカチオン性の界面活性剤であれば特に限定されることはないが、具体的には塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ジオレイルジメチルアンモニウム、メチル硫酸セチルベヘニルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩、ステアロイルリジンブチルエステル・塩酸塩、N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、ラウロイル−オルニチンプロピルエステル・酢酸塩等のモノ−N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩、デシルグアニジン酢酸塩、2−グアニジノエチルラウリルアミド塩酸塩、2−グアニジノブチルステアロアミド・DL−ピロリドンカルボン酸塩等のグアニジン誘導体等を例示することが特に塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩が毛髪への親和性及び吸着性が高く、毛髪により良好な感触を付与し、好ましい。本発明に用いるカチオン界面活性剤は例えば市販品として「GENAMIN STAC」、「ゲナミン KDM−P」(共に、クラリアントジャパン社製)「アーカード 22−80」、「アーカード 2HP−75」(共に、ライオン・アクゾ社製)等が挙げられる。
【0047】
カチオン性ポリマーとしては、通常シャンプーに使用されるカチオン性のポリマーであれば特に限定されることはないが、ポリマー鎖に結合したアミノ基またはアンモニウム基を含むか、またはジメチルジアリルアンモニウムハライドを構成単位として含む水溶性のものが好ましい。
具体的な例では、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化デンプン、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンジペリニウム等が挙げられる。これらの中でも、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体が、毛髪への親和性及び吸着性が高く、毛髪により良好な感触を付与するため、特に好ましい。本発明に用いるカチオン性ポリマーは、例えば市販品として「ポリマーJR400」(ユニオンカーバイト社製)、「リポフローMN」(ライオン社製)、「JAGUAR C−14S」(ローディア社製)等が挙げられる。
【0048】
両性ポリマーとしては、通常シャンプーに使用される両性のポリマーであれば特に限定されることはない。具体的には、(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体等が挙げられる。これらの中でも、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体が毛髪への親和性、感触の良好さの面で好ましい。本発明に用いる両性ポリマーは例えば市販品として「MERQUAT PLUS3330」(NALCO COMPANY社製)等が挙げられる。
【0049】
本発明のシャンプー組成物において成分(D)の配合量は、特に限定されないが、0.01〜5%が好ましく、更に好ましくは0.1〜2%である。この範囲であれば使用後の髮のごわつきのなさ、しなやかさに優れるものが得られる。
【0050】
本発明のシャンプー組成物には、上記成分(A)〜(D)に加え、更にアミノ酸類を配合すると、より高い毛髪補修効果が得られ、髮のごわつきのなさ、しなやかさが増し、好ましい。
アミノ酸類としては、テアニン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、グルタミングルタミン酸、システイン、シスチン、チロシン、スレオニン、セリン、アスパラギン酸、トリプトファン、メチオニン、イソロイシン、フェニルアラニン、テアニン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、またはこれらの塩等のアミノ酸およびこれらの誘導体並びに塩、ピロリドンカルボン酸およびその塩、加水分解コラーゲン、小麦ペプチド、大豆ペプチドなどのペプチド類が挙げられる。特に、これらのうち、テアニン、グリシン、アラニン、セリン、アルギニンを配合すると、より高い毛髪補修効果が得られ好ましい。
【0051】
本発明のシャンプー組成物には、上記成分以外に基剤成分や任意成分として、本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、上記成分(A)のうち界面活性能を有するもの、成分(B)のアミノ酸系アニオン性界面活性剤及び成分(D)のカチオン性界面活性剤以外の界面活性剤、アルコール類、上記成分(D)以外の水溶性高分子、粉体、パール光沢付与剤、皮膜形成剤、樹脂、塩類、pH調整剤、キレート剤、紫外線吸収剤、清涼剤、抗菌剤、香料、消臭剤、保湿剤、植物抽出物、ビタミン類、アミノ酸類等を配合することができる。
【0052】
油剤としては、高級アルコール、炭化水素油、エステル油、脂肪酸類、油脂、シリコーンなどの油性成分を使用できる。例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、シトステロール、ラノステロール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の高級アルコール類、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油類、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等のロウ類、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン誘導体、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、グリセリン変性ポリシロキサン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコンゴム、シリコーンレジン等が挙げられる。
【0053】
界面活性剤としては、前述の成分(A)のうち界面活性能を有するもの、成分(B)のアミノ酸系アニオン性界面活性剤及び成分(D)のカチオン性界面活性剤以外のものであり、ノニオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、ポリオキシプロレンヤシ油脂肪酸モノイソパノールアミド、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム等の高級脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸塩;テトラデセンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸カリウム等のα−オレフィンスルホン酸塩;ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム等のヒドロキシエーテルカルボン酸塩;スルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸等が挙げられる。
【0054】
アルコール類としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール等がある。
【0055】
水溶性高分子としては、前述の成分(D)のカチオン性ポリマー及び両性ポリマー以外のコンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムチン、デルマタン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸から選ばれるムコ多糖類及びその塩、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン等がある。また、この中には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。
【0056】
抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
【0057】
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等、清涼剤としては、l−メントール、カンフル等が挙げられる。
【0058】
ビタミン類としては、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、リノレン酸及びその誘導体等のビタミンF類;フィトナジオン、メナキノン、メナジオン、メナジオール等のビタミンK類;エリオシトリン、ヘスペリジン等のビタミンP類;その他、ビオチン、カルチニン、フェルラ酸等が挙げられる。
【0059】
本発明のシャンプー組成物は、剤型として、液状、乳液状、クリーム状、ジェル状、粉末状のいずれでもよく、外観が、透明、白濁状、パール状のいずれでも構わない。また、噴射剤を配合してエアゾールやエアゾールフォームとしてもよく、また、ポンプ容器を使用してミスト状としたり、ポンプフォーム容器を使用してフォーム状タイプとしての実施も可能である。
【実施例】
【0060】
次に実施例をもって本発明をより詳細に説明する。本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
【0061】
本発明品1〜5及び比較品1〜3:ヘアシャンプー
表1に示すヘアシャンプーを下記製造方法により調製し、使用時の起泡性、泡持ち、洗浄効果、使用後の髮のごわつきのなさ、使用後のしなやかさ)について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表1に示した。
【0062】
【表1】

【0063】
(製造方法)
A:成分1〜10を加熱して均一溶解する。
B:Aを冷却して、シャンプー組成物を得た。
【0064】
〔使用感の評価方法〕
化粧品評価専門パネル16名に、本発明品及び比較品のヘアシャンプーを使用してもらい、使用時の起泡性、泡持ち、洗浄効果、使用後の髮のごわつきのなさ、使用後のしなやかさのそれぞれの項目について、各自が以下の評価基準に従って5段階評価し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
<評価基準>:
[評価結果] :[評点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
<判定基準>:
[評点の平均点] :[判定]
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満 : ○
1.5以上〜3.5未満 : △
1.5未満 : ×
【0065】
本発明品1〜5のシャンプー組成物は、いずれも起泡性、泡持ち、洗浄効果、使用後の髮のごわつきのなさ、使用後のしなやかさの全てにおいて優れたシャンプー組成物となった。
一方、シャンプー組成物に成分(A)のN−アシル化合物を配合しない比較品1は、成分(B)のアミノ酸系洗浄剤を多く配合しても、使用後のごわつきのなさ、しなやかさは得られるものの起泡性、泡持ちが劣り、洗浄効果も十分ではなかった。成分(B)のアミノ酸系洗浄剤を配合してない比較品2は、成分(D)を配合していても起泡性、泡持ちに劣り、洗浄効果も十分ではなかった。そして、成分(C)を配合していない比較例3は泡持ちが悪く、使用後の髮のしなやかさにおいて満足いくものが得られなかった。
【0066】
実施例2 シャンプー組成物
(処方) (%)
1:テトラデセンスルホン酸ナトリウム 5
2:ラウリル硫酸トリエタノールアミン 2.5
3:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 2.5
4:2−アルキル−N−カルボキシル−
N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 1
5:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.5
6:N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン
(注2) 7.5
7:塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1
8:カチオン化セルロース (注3) 0.5
9:塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体 1
10:N−アシル化合物 (注1) 0.5
11:エデト酸2ナトリウム 0.2
12:安息香酸ナトリウム 0.3
13:リンゴ酸 0.3
14:1、3−ブチレングリコール 0.2
15:パラオキシ安息香酸エステル 0.2
16:フェノキシエタノール 0.3
17:グルコース 1
18:L−テアニン 0.1
19:精製水 残量
20:香料 0.3
21:ジステアリン酸エチレングリコール 1
22:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1
【0067】
(製造方法)
A:成分1〜10、20〜22を加熱して均一溶解する。
B:Aを冷却する。
C:Bに成分11〜19を予め溶解したものを添加混合して、シャンプー組成物を得た。
【0068】
実施例2のシャンプー組成物は、使用時の起泡性、泡持ち、洗浄効果、使用後の髮のごわつきのなさ、しなやかさの全てにおいて優れ、毛髪補修効果も高いものであった。
【0069】
実施例3 シャンプー組成物
(処方) (%)
1:ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム 5
2:ラウリル硫酸トリエタノールアミン 3
3:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 2.5
4:2−アルキル−N−カルボキシル−
N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 1
5:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.5
6:N−ラウロイル−N−メチル−βアラニントリエタノールアミン
(注4) 1
7:塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1
8:塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 0.5
9:カチオン化グアーガム 0.5
10:N−アシル化合物 (注1) 10
11:エデト酸2ナトリウム 0.2
12:安息香酸ナトリウム 0.2
13:クエン酸 0.3
14:グリシン 0.1
15:1、3−ブチレングリコール 0.2
16:パラオキシ安息香酸エステル 0.2
17:エリスリトール (注5) 1
18:香料 0.3
19:ジステアリン酸エチレングリコール 1
20:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1
21:精製水 残量
(注4)アラノンALTA(川研ファインケミカル社製)
(注5)日研化成社製
【0070】
(製造方法)
A:成分1〜10、19〜21を加熱して均一溶解する。
B:Aを冷却する。
C:Bに成分11〜18を予め溶解したものを添加混合して、シャンプー組成物を得た。
【0071】
実施例3に示したシャンプー組成物は、使用時の起泡性、泡持ち、洗浄効果、使用後の髮のごわつきのなさ、しなやかさの全てにおいて優れたものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(C);
(A)一般式(1)に示すN−アシル化合物
【化1】

(一般式(1)において、Xはm個の官能基、およびそれ以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下の直鎖または分枝鎖または環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーを示す。Xに結合しているn(m≧n)個のQは、一般式(2)で表される置換基であり、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。一般式(2)において、ZはXの有する官能基に由来する結合部であり、R1COは炭素原子数2〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるアシル基を示し、R2 は水素であるか、またはヒドロキシル基またはカルボキシル基が置換していてもよい炭素原子数1〜3の低級アルキル基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩の内のいずれかを示す。j、kはそれぞれ独立に0,1,2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではない。nは2〜20の整数を示す。また、mはm≧nである整数を示す。)
【化2】

(B)成分(A)以外のアミノ酸系アニオン性界面活性剤
(C)糖及び/または糖アルコール
を配合することを特徴とするシャンプー組成物。
【請求項2】
更に、成分(D)として、カチオン性基を有するコンディショニング化合物を配合することを特徴とする請求項1記載のシャンプー組成物。

【公開番号】特開2008−231034(P2008−231034A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−73650(P2007−73650)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】