説明

シュウ酸誘導体およびその生理的冷却作用成分としての使用

【課題】皮膚および/または粘膜に生理的な冷却作用を及ぼすことのできる、特定のシュウ酸誘導体およびその混合物を提供する。
【解決手段】(a)以下の式(I)で表される化合物、または(b)以下の式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c)以下の式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物:


ここで、各場合において、以下の定義が当てはまる:Bは、特定の炭化水素残基を意味し:Xは、NR1R2またはSR3を意味する。(R1、R2およびR3は、水素原子および有機残基からなる群から選択され、場合により、NR1R2におけるR1およびR2は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚および/または粘膜に生理的冷却作用を及ぼすことのできる、特定のシュウ酸誘導体およびその混合物に関するものである。本発明は、また皮膚および/または粘膜に冷却作用を生じるのに十分な量で該シュウ酸誘導体を含有する、混合物および調剤にも関連する。更に、本発明は、ここに述べた化合物を、冷却物質として、あるいは医薬製造のための使用、および皮膚および/または粘膜に生理的冷却作用を達成する方法にも関係する。
【背景技術】
【0002】
生理的冷却作用成分は、しばしば、如何なる物理的な冷却、例えば現実に起こる、溶媒蒸発の際の冷却を伴うことなしに、皮膚または粘膜、例えば口腔、鼻孔および/または咽頭腔に涼味感を与える目的で使用される。個々の成分および混合物両者が、生理的冷却作用成分として使用することができる。
最もよく知られた冷却作用成分はL-メントールであるが、この化合物は様々な欠点、例えば強烈な嗅覚的印象、高い揮発性、および比較的高い濃度において、苦いおよび/または辛味のある刺激性風味を持つ等の欠点を示す。従って、幾つかの芳香性組成物、特に(ペパー)ミント芳香性を示さない傾向を示すものにおいて、L-メントールの使用は望ましくない可能性がある。
芳香性作用を持たない、強力な冷却活性成分の開発を目的とする研究が、既に行われている。例えば、DE 2,608,226号による、メントールの乳酸エステル、およびDE 4,226,043号による、メントールおよびポリオールとの混合カーボネート、およびEP 0,507,190号によるメントンケタールが記載されている。
US 5,725,865号およびUS 5,843,466号による、二酸のメンチルモノ-エステルは、事実興味深い天然産の代替品であるが、官能テストにおいて、これらは、前に記載した冷却活性成分の強度を達成することができない。
【0003】
J. Soc. Cosmet. Chem. 1978, 29, 185-200は、約1200種の化合物に関する研究の結果を報告しており、該化合物L-メンタンカルボン酸N-エチルアミド(WS3)および特にNα-(L-メンタンカルボニル)グリシンエチルエステル(WS5)は、最も強力な冷却活性成分であることが分かった。後者は、強力な作用を持つが、加水分解され易いという欠点を有し、結果として対応する遊離酸:Nα-(L-メンタンカルボニル)グリシンを形成し、このもの自体は、きわめて脆弱な冷却作用を示すに過ぎない。記載されたような徹底的な検討にも拘らず、可能な冷却活性成分の諸特性、特にその苦みおよび/または該成分の他の三叉神経作用に関する、系統的な予測は不可能であり、またこれまでに記載されていない。従って、該メンタンカルボキサミド群内にある多くの分子が、実際上強力に冷却性であるものの、これらは、しばしば同時に、顕著な苦み特性(例えば、JP 2004059474に従うメンタンカルボン酸N-(アルキルオキシアルキル)アミド)を呈し、あるいは付随的に強力な刺激物でもある(WS5:N-[[5-メチル-2-(1-メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシンエチルエステル、US 2005/0222256)。
Nα-(メンタンカルボニル)アルキルオキシアルキルアミドは、JP 2004/059474に記載されている。これらは、強力な冷却作用および加水分解に対する高い抵抗性を持つが、極めて苦みが強く、結果として食品において、また顔面手当用の化粧料製品においても使用することができないという、欠点をもつ。
【0004】
更に、メチルグリオキシレートおよびその水和物が、冷却性物質として、JP 2005343795に記載されている。
EP 1 493 336は、コハク酸のモノメンチルエステル誘導体およびその対応する高級な同族体を、冷却性物質として記載している。上記式(I)の化合物との直接的な比較において、熟練したパネラーに試食させた際に、これらの記載されたオキサメートは、該モノメンチルエステルよりも官能的に優れていることが分かった。というのは、匹敵する冷却作用を呈するものの、これらは付随する風味として、苦み、辛みのある刺激性を呈することがないからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第一の目的は、強力な生理的冷却作用を有し、また結果として食料品および/または爽快感を得るために消費される製品および/または口腔手当製品および/または(経口)製剤および/または化粧学的調剤における冷却性物質として使用することのできる、新規化合物または該化合物の混合物を提供することにある。提供すべき該化合物または該化合物の混合物は、好ましくはできる限り最小の固有の風味を示すべきであり、特にほんの僅かにまたは全く苦味を示すことがなく、また可能な最小の刺激性を示すものであるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記第一の目的は、本発明によれば、(a) 以下の式(I)で表される化合物、または(b) 以下の式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 以下の式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物により達成される:
【0007】
【化1】

【0008】
ここで、各場合において、以下の定義が当てはまる:
Bは、以下に列挙する基から選択される炭化水素残基を意味し:
【0009】
【化2】

【0010】
該残基において、破線は、該炭化水素残基Bを、前記式(I)における隣接酸素原子と接続する結合を示し、
Xは、NR1R2またはSR3を意味し、ここで各場合において相互に独立に、
NR1R2における基R1およびR2、SR3における基R3は、水素原子および炭素原子数1〜12の有機残基からなる群から選択され、該有機基は、好ましくは、置換または無置換のアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アルキニル、シクロアルキルアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアリール、シクロアルケニルアリール、シクロアルキルヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルアリール、ヘテロシクロアルケニルアリール、ヘテロシクロアルケニルヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
場合により、NR1R2における基R1およびR2は、それぞれ一つの水素原子を除く形で共有結合により互いに結合して環を形成していてもよく、
また、前記(a)の場合における、前記式(I)の化合物、および前記(b)の場合における、式(I)で表される少なくとも一つの化合物は、以下に列挙するものからなる群から選択される化合物ではないことを条件とする:
【0011】
【化3】

【0012】
化合物A、BおよびCは、好ましくは本発明の混合物中には存在しない。
本発明の好ましい態様は、前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物であり、ここで、該(a)の場合の該化合物、または該(b)または該(c)の場合における、該混合物の少なくとも一つの該化合物が、式(I)で表される化合物からなる群から選択され、ここでは、以下の条件が適用され:
Xは、NR1R2またはSR3を意味し、ここで各場合において相互に独立に、
NR1R2における基R1およびR2、SR3における基R3は、水素原子および1〜12個の炭素原子をもちかつ3個以下のヘテロ原子を任意にもつ有機残基からなる群から選択され、前記へテロ原子は各場合において相互に独立にN、SおよびOからなる群から選択され、また、場合により存在する、OおよびSからなる群から選択されるヘテロ原子は、この群の他のヘテロ原子とは共有結合しておらず、
Cに結合した水素原子の幾つかは、場合によりフッ素原子で置換されており、
場合により存在する置換基全てを含む、各場合における該有機残基は、C原子として、N、SおよびOからなる群から選択される、更なるヘテロ原子を含まず、かつ置換または無置換のC1-C10アルキル基、C1-C10ヘテロアルキル基、C2-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C4-C10シクロアルキルアルキル基、C2-C10アルケニル基、C3-C10シクロアルケニル基、C4-C10シクロアルケニルアルキル基、C2-C10アルキニル基、C5-C10シクロアルキルアルキニル基、C3-C10アリール基、C2-C10ヘテロアリール基、C4-C10アリールアルキル基、C8-C10シクロアルキルアリール基、C8-C10シクロアルケニルアリール基、C5-C10シクロアルキルヘテロアリール基、C8-C10ヘテロシクロアルキルアリール基、C8-C10ヘテロシクロアルケニルアリール基、C8-C10ヘテロシクロアルケニルヘテロアリール基、およびC3-C10ヘテロアリールアルキル基からなる群から選択され、
および好ましくは置換または無置換のC1-C8アルキル基、C2-C8ヘテロアルキル基、C1-C8ヘテロシクロアルキル基、C3-C8シクロアルキル基、C4-C8シクロアルキルアルキル基、C2-C8アルケニル基、C3-C8シクロアルケニル基、C4-C8シクロアルケニルアルキル基、C3-C6アリール基、C2-C6ヘテロアリール基、C4-C8アリールアルキル基からなる群から選択され、
場合により、NR1R2における基R1およびR2は、それぞれ一つの水素原子を除く形で共有結合により互いに結合して環を形成していてもよい。
【0013】
該(b)または(c)の場合における、該混合物中に存在する式(I)の各化合物は、好ましくは上記群から選択される。
本発明の特に好ましい態様は、上記態様の一つに従う、(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物であり、ここで、該(a)の場合の該化合物、または該(b)または該(c)の場合における、該混合物の少なくとも一つの該化合物が、式(I)で表される化合物からなる群から選択され、ここでは、以下の条件が適用され:
Xは、NR1R2を意味し、ここで各場合において相互に独立に、
NR1R2における基R1およびR2は、水素原子、および1〜12個の炭素原子をもちかつ3個以下のヘテロ原子を任意にもつ有機残基からなる群から選択され、前記へテロ原子は各場合において相互に独立にN、SおよびOからなる群から選択され、また、場合により存在する、OおよびSからなる群から選択されるヘテロ原子は、この群の他のヘテロ原子とは共有結合しておらず、
Cに結合した水素原子の幾つかは、場合によりフッ素原子で置換されており、
場合により存在する置換基全てを含む、各場合における該有機残基は、C原子として、N、SおよびOからなる群から選択される、更なるヘテロ原子を含まず、かつ置換または無置換のC1-C4アルキル基、C2-C5ヘテロアルキル基、C3-C6シクロアルキル基、C3-C6アリール基、C2-C8ヘテロアリール基、C4-C8アリールアルキル基からなる群から選択され、
また、好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、メトキシメチル、2-メトキシエチル、3-メトキシプロピル、2-エトキシエチル、3-エトキシプロピル、シクロプロピル、2,2-ジメチルシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、p-トルイル、p-アニシル、2-フルフリル、2-ピロリジル、2-ピリジニル、およびベンジルからなる群から選択され、
場合により、NR1R2における基R1およびR2は、それぞれ一つの水素原子を除く形で共有結合により互いに結合して環を形成していてもよい。
【0014】
最も顕著な冷却作用は、XがNHR2基を意味する、本発明に従う化合物によって示された。また、本発明の好ましい態様は、従って、上記態様の一つに従う、(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物であり、ここで、該(a)の場合の該化合物、または該(b)または該(c)の場合における、該混合物の少なくとも一つの該化合物が、式(I)で表される化合物からなる群から選択され、ここでは、以下の条件が適用される:
XはNHR1基を意味し、ここでR1は上記の意味を持つ。
該(b)または(c)の場合における、該混合物中に存在する式(I)の各化合物は、好ましくは上記群から選択される。
【0015】
優れた冷却作用のために好ましい、本発明の一態様は、上記態様の一つに従う、(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物であり、ここで、該(a)の場合の該化合物、または該(b)または該(c)の場合における、該混合物の少なくとも一つの該化合物が、式(I)で表される化合物からなる群から選択され、ここでは、以下の条件が適用される:
Bは、以下に列挙するものからなる群から選択される炭化水素残基を意味する:
【0016】
【化4】

【0017】
ここでは、Bが、以下に列挙する基から選択される炭化水素基を意味することが好ましい:L-メンチル基、D-メンチル基またはrac-メンチル基。
該(b)または(c)の場合における、該混合物中に存在する式(I)の各化合物は、好ましくは上記群から選択される。
本発明の更なる好ましい態様は、上記態様の一つに従う、(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物であり、ここで、該(a)の場合の前記化合物、または(b)または(c)の場合における、前記混合物の少なくとも一つの前記化合物が、前記式(I)で表される化合物からなる群から選択され、ここで夫々独立に、かつ好ましくは、場合により存在する残基R1、R2、R3の、前記場合により存在する置換基全てが、相互に独立に以下に列挙するものからなる群から選択され:
C1-C5アルキル基、C3-C8シクロアルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、プロピニル基、C1-C4パーフルオロアルキル基、ヒドロキシル基、C1-C8アルコキシ基、C3-C8シクロアルコキシ基、C1-C4アシル基、C1-C4アルコキシカルボニル基、C1-C4アシルオキシ基、またはC2-C7ヘテロアルキル基、
【0018】
また、好ましくは以下に列挙するものからなる群から選択される:
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、エテニル、プロペニル、エチニル、プロピニル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、C3シクロアルコキシ、C5シクロアルコキシ、C6シクロアルコキシ、C8シクロアルコキシ、-[-O-CH2-CH2-]v-Qまたは-[-O-CH2-CHMe-]v-Q(ここで、Qは、OHまたはCH3であり、またvは1または2を表すことができる)、アセチル、CO2Me、CO2Et、CO2iso-Pro、CO2tert-Bu、アセチルオキシ。
該(b)または(c)の場合における、該混合物中に存在する式(I)の各化合物は、好ましくは上記群から選択される。
【0019】
本発明の更なる好ましい態様は、上記態様の一つに従う、(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物であり、ここで、該(a)の場合の前記化合物、または該(b)または(c)の場合における、前記混合物の少なくとも一つの前記化合物が、前記式(I)で表される化合物からなる群から選択され、
ここで場合により、NR1R2における基R1およびR2は、それぞれ一つの水素原子を除く形で共有結合により互いに結合して環を形成していてもよく、前記環は多くとも7-員の環を形成し、また好ましくはピペリジニルおよびモルホリニル基からなる群から選択される、基NR1R2を形成する。
特に前記環が無置換である場合における、4-員環の選択、および特に環が(i)正確に1個の窒素原子および正確に1個の酸素原子または(ii)正確に1個の窒素原子および正確に1個の硫黄原子を、該環内に含む場合における5-員環の選択は、余り好ましくない。
【0020】
良好な生理的冷却作用、弱い固有の風味および低い刺激性を持つものの有望な組み合わせは、上記態様の一つに従う、(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物によって示され、ここで、該(a)の場合の前記化合物、または該(b)または(c)の場合における、前記混合物の少なくとも一つの前記化合物は、前記式(I)で表される化合物からなる群から選択され、ここでは以下の条件が適用される:
Bは、L-メンチル、D-メンチルまたはrac-メンチル基からなる群から選択される、炭化水素残基を意味し、
Xは、NR1R2を意味し、ここで各場合において相互に独立に、
該残基R1およびR2は、水素原子および1〜12個の炭素原子をもちかつ3個以下のヘテロ原子を任意にもつ有機残基からなる群から選択され、前記へテロ原子は各場合において相互に独立にN、SおよびOからなる群から選択され、また、場合により存在するOおよびSからなる群から選択されるヘテロ原子は、この群の他のヘテロ原子とは共有結合しておらず、
Cに結合した水素原子の幾つかは、場合によりフッ素原子で置換されており、
場合により存在する置換基全てを含む、各場合における該有機残基は、C原子として、N、SおよびOからなる群から選択される、更なるヘテロ原子を含まず、かつ置換または無置換のC1-C4アルキル基、C2-C5ヘテロアルキル基、C3-C6シクロアルキル基、C3-C6アリール基、C2-C6ヘテロアリール基、C4-C8アリールアルキル基からなる群から選択され、
場合により、NR1R2における基R1およびR2は、それぞれ一つの水素原子を除く形で共有結合により互いに結合して環を形成していてもよく、前記環は、多くとも7員の環であり、
ここで、場合により存在する該残基R1、R2およびR3の、場合により存在する該置換基は、相互に独立に以下に列挙するものからなる群から選択される:
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、エテニル、プロペニル、エチニル、プロピニル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、C3シクロアルコキシ、C5シクロアルコキシ、C6シクロアルコキシ、C8シクロアルコキシ、-[-O-CH2-CH2-]v-Qまたは-[-O-CH2-CHMe-]v-Q(ここで、Qは、OHまたはCH3であり、またvは1または2を表すことができる)、アセチル、CO2Me、CO2Et、CO2iso-Pro、CO2tert-Bu、アセチルオキシ。
【0021】
良好な生理的冷却作用、弱い固有の風味を示す傾向および低い刺激性を持つものの特に有望な組み合わせは、上記態様の一つに従う、(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物によって示され、ここで、該(a)の場合の前記化合物、または該(b)または(c)の場合における、前記混合物の少なくとも一つの前記化合物は、以下に列挙する化合物からなる群から選択される:
メンチルオキサメート;メンチルN-メチルオキサメート;メンチルN,N-ジメチルオキサメート;メンチルN-エチルオキサメート;メンチルN,N-ジエチルオキサメート;メンチルN-プロピルオキサメート;メンチルN,N-ジプロピルオキサメート;メンチルN-イソプロピルオキサメート;メンチルN,N-ジイソプロピルオキサメート;メンチルN-シクロプロピルオキサメート;メンチルN-ブチルオキサメート;モルホリン-4-イル-オキソ-酢酸(1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシルエステル;メンチルN-(2-メトキシエチル)オキサメート;メンチルN-(3-メトキシプロパノール)オキサメート;メンチルN-(2-ヒドロキシエチル)オキサメート;メンチルN-(3-ヒドロキシプロピル)オキサメート。
該(b)または(c)の場合における、該混合物中に存在する式(I)の各化合物は、好ましくは上記群から選択される。
【0022】
同様に、得に好ましいものは、上記態様の一つに従う、(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物であり、ここで、該(a)の場合の前記化合物、または該(b)または(c)の場合における、前記混合物の少なくとも一つの前記化合物は、以下に列挙する化合物からなる群から選択される:
L-メンチルN-メチルオキサメート、D-メンチルN-メチルオキサメート、rac-メンチルN-メチルオキサメート、L-メンチルN-エチルオキサメート、D-メンチルN-エチルオキサメート、rac-メンチルN-エチルオキサメート。
該(b)または(c)の場合における、該混合物中に存在する式(I)の各化合物は、好ましくは上記群から選択される。
【0023】
L-メンチルオキサメートが、最も好ましい。というのは、これらが、本発明において横たわる上記問題点に対する最良の解決策を与えるからである。
上記式(I)の個々の化合物およびその合成は、文献に記載されているが、その生理的冷却作用または対応する用途または方法については記載されていない。オキサメートの合成に関する一例として、DE 1 002 318およびDE 2 413 966を参照されたい。
上に定義した式(I)に入る、以下の化合物A、BおよびCは、既に記載されており、特に化合物Aは、EP 0,350,693に、化合物Bは、DE 3027 527 A1およびUS 4,407,810に、また化合物Cは、Liebigs Ann. Chem. 765, 1972, 78に記載されている。構造的に、依然として関連している、化合物Dは、WO 01/70687に記載されている。
【0024】
【化5】

【0025】
同様に、依然として構造的に関連している、化合物は、公開特許出願DE 2,413,966号に記載されており、この特許出願は、式:ANHCOCO2R5で表されるオキサミン酸の誘導体を記載しており、式において、R5は、低級アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基等の基を意味し、また特にシクロヘキシル基をも意味し、また該残基Aはピリジル基、ピラジニル基、ピリミジル基またはフェニル基である。
【0026】
故に、化合物A、BおよびCは、本発明によって提供されることはなく、また該化合物A、BおよびCの一つのみを含む混合物も、本発明により提供されることはなく、更に上で述べたBおよびXの意味を持つ上記式(I)の化合物も、本発明によって提供される化合物ではない。概して、EP 0,350,693号, DE 3,027,527 A1号, US 4,407,810号, Liebigs Ann. Chem. 765, 1972, 78に記載されている、上記式(I)の化合物および更に構造的に関連するDE 2,413,966号およびWO 01/70687号に記載されている化合物(これら化合物を含む、これら特許に記載されている混合物およびこれらに記載されているこれら化合物の製造方法)は、本発明によって提供されることはなく、あるいは本発明の目的にとって好ましいものではない。特に、基:-NR1R2が、置換または無置換のアゼチジンまたはNHR1基(ここで、R1は、置換2-チアゾリル基である)である化合物は、好ましくない。R5がシクロヘキシル基である、DE 2,413,966号に記載されている、上記式:ANHCOCO2R5で表されるオキサミン酸誘導体は、R5が無置換シクロアルキル基である、対応する化合物同様に、本発明によって提供されるものではない。同様なことは、単にこのような化合物を含有し、本発明による上記BおよびXの意味を持つ上記式(I)の化合物を含まない、混合物にも当てはまる。
【0027】
本発明は、本発明の化合物、即ち式(I)のシュウ酸誘導体およびその混合物が、皮膚または粘膜に、特に口腔、鼻孔および咽頭腔の粘膜に、強力かつ長期間持続する、涼味感を引起すという、驚くべき認識に基づくものである。該化合物は、香辛性、ヒリヒリ感または麻痺感等の他の三叉神経作用を示すことはなく、また苦味もない。同時に、従来の処方物および製造条件の範囲内で、本発明の化合物は、1〜12なるpH範囲内、特に4〜9なるpH範囲内で、水を含む調剤との関連性において、加水分解に対して抵抗性であり、結果として本発明の化合物および混合物は、調剤中で長期間の保存寿命を有し、また結果的に該特定の調剤自体が、長期間の保存寿命を持つことになる。
【0028】
本発明は、また上記のような混合物(b)にも係わり、該混合物は以下に列挙する成分からなり、あるいはこれらを含むものである:
(1) 1種、2種またはそれ以上の上記式(I)の化合物;および
(2) 生理的冷却作用を持つ1種またはそれ以上の更なる物質(即ち、上記式(I)に含まれない物質)、ここで、該更なる物質、または1種、数種または全ての該更なる物質は、(i) 味覚作用を生じ、あるいは(ii) 味覚作用を生じないものである;および/または
(3) 1種またはそれ以上の、生理的冷却作用を持たない、芳香性物質;および/または
(4) 三叉神経または催涎作用を持ち、生理的冷却作用を持たない、1種またはそれ以上の物質。
【0029】
得に好ましい本発明の混合物は、該成分(2)、即ち生理的冷却作用を持つ1種またはそれ以上の更なる物質として、如何なる味覚作用および芳香作用をも示さないが、その代りに何ら更なる官能効果を示さず、単に冷却作用のみを示す物質を含むものである。これは、本発明の該混合物の芳香プロフィールが、例えば「ミント」(ペパーミント)側に変動するのを防止する。
【0030】
本発明による特別に好ましい混合物は、該成分(3)として、生理的冷却作用を示さない、1種またはそれ以上の芳香性物質および/または該成分(4)として、相互に独立にあるいは共同して付加的に風味-調節作用および/または三叉神経および/または催涎刺激作用を引起す、1種またはそれ以上の化合物を含むものであり、ここで該三叉神経の刺激は、好ましくは生理的冷却作用を構成しない。特に、上記した成分(3)および(4)を同時に含む、本発明のこのような混合物は、快い冷却作用および釣合のとれた官能性プロフィールを有し、同時に高い影響力、即ち高い初期の味覚的印象を持つ。
【0031】
本発明の混合物において、該成分(2)として使用できる、生理的冷却作用をもつ、上記した1種またはそれ以上の更なる物質は、好ましくは以下に列挙する物質から選択される:メントールおよびメントール誘導体(例えば、L-メントール、D-メントール、rac-メントール(ラセミ体メントール)、イソメントール、ネオイソメントール、ネオメントール)、メンチルエーテル(例えば、(L-メントキシ)-1,2-プロパンジ-オール、(L-メントキシ)-2-メチル-1,2-プロパンジオール、L-メンチルメチルエーテル)、メンチルエステル(例えば、メンチルホルメート、メンチルアセテート、メンチルイソブチレート、メンチルラクテート、L-メンチルL-ラクテート、L-メンチルD-ラクテート、メンチル(2-メトキシ)アセテート、メンチル(2-メトキシエトキシ)アセテート、メンチルピログルタメート)、メンチルカーボネート(例えば、メンチルプロピレングリコールカーボネート、メンチルエチレングリコールカーボネート、メンチルグリセロールカーボネートまたはこれらの混合物)、メントールのジカルボン酸またはその誘導体との半-エステル(例えば、モノメンチルサクシネート、モノメンチルグルタレート、モノメンチルマロネート、O-メンチルサクシネート、N,N-(ジメチル)アミド、O-メンチルサクシンアミド)、メンタンカルボキサミド(本発明において、好ましくはUS 4,150,052号に記載されているようなメンタンカルボン酸N-エチルアミド(WS3)、Nα-(メンタンカルボニル)グリシンエチルエーテル(WS5)、またはメンタンカルボン酸N-(4-メトキシフェニル)アミド(WS12))、WO 2005/049553号に記載されているようなメンタンカルボン酸N-(4-シアノフェニル)アミド、またはメンタンカルボン酸N-(4-シアノメチルフェニル)アミド、メンタンカルボン酸N-(アルコキシアルキル)アミド、メントンおよびメントン誘導体(例えば、L-メントングリセロールケタール)、2,3-ジメチル-2-(2-プロピル)-ブタン酸誘導体(例えば、2,3-ジメチル-2-(2-プロピル)-ブタン酸N-メチルアミド(WS23))、イソプレゴールおよびそのエステル(例えば、L-(-)-イソプレゴール、L-(-)-イソプレゴールアセテート)、メンタン誘導体(例えば、p-メンタン-3,8-ジオール)、クベボール(cubebol)またはクベボールを含有する合成または天然産の混合物、シクロアルキルジオン誘導体のピロリドン誘導体(例えば、3-メチル-2-(1-ピロリジニル)-2-シクロペンテン-1-オン)、またはテトラ-ヒドロピリミジン-2-オン(例えば、WO 2004/026840号に記載されているようなイシリン(icilin)または関連化合物)。
【0032】
本発明による混合物の該成分(2)として使用できる、生理的冷却作用を持つ該1種またはそれ以上の更なる物質は、同時に味覚作用を引起すことなしに、少なくとも実質的に生理的冷却作用を生じる、特に好ましい物質である。このような好ましい物質は、メンチルエーテル(例えば、(L-メントキシ)-1,2-プロパンジオール、(L-メントキシ)-2-メチル-1,2-プロパンジオール)、より高度に極性のメンチルエステル(例えば、メンチルラクテート、L-メンチルL-ラクテート、L-メンチルD-ラクテート、メンチル(2-メトキシ)アセテート、メンチル(2-メトキシエトキシ)アセテート、メンチルピログルタメート)、メンチルカーボネート(例えば、メンチルプロピレングリコールカーボネート、メンチルエチレングリコールカーボネート、メンチルグリセロールカーボネート)、メントールのジカルボン酸またはその誘導体との半-エステル(例えば、モノメンチルサクシネート、モノメンチルグルタレート、モノメンチルマロネート、O-メンチルサクシネートN,N-(ジメチル)アミド、O-メンチルサクシンアミド)、本発明によらないメンタンカルボキサミド(例えば、メンタンカルボン酸N-エチルアミド(WS3)、Nα-(メンタンカルボニル)グリシンエチルエーテル(WS5)、メンタンカルボン酸N-(4-シアノフェニル)アミド、メンタンカルボン酸N-(アルコキシアルキル)アミド)、メントン誘導体(例えば、L-メントングリセロールケタール)、2,3-ジメチル-2-(2-プロピル)-ブタン酸誘導体(例えば、2,3-ジメチル-2-(2-プロピル)-ブタン酸N-メチルアミド)、シクロアルキルジオン誘導体のピロリドン誘導体(例えば、3-メチル-2-(1-ピロリジニル)-2-シクロペンテン-1-オン)またはテトラヒドロピリミジン-2-オン(例えば、WO 2004/026840号に記載されているイシリンまたは関連化合物)である。
【0033】
複合天然原料物質、例えば植物から得られる抽出物および精油、またはこれらから得られる画分および均一物質、および均一な合成またはバイオテクノロジーにより得られた芳香性物質両者が、芳香性物質として適している。
天然原料物質の例は、ペパーミント油、スペアミント油、メンタアルベンシス(Mentha arvensis)油、アニス油、クローブ油、シトラス油、シナモン油、ウインターグリーン油、カッシア油、デバナ(devana)油、松葉油、ユーカリ油、ウイキョウ油、ガルバヌム油、ショウガ油、カミルレ油、キャラウェー油、ローズ油、ゼラニウム油、セージ油、ヤロウ(ノコギリソウ)油、スターアニス油、タイム油、トショウ油、ローズマリー油、アンゼリカ油、およびこれらオイルの画分である。
【0034】
均一な芳香性物質の例は、アネトール、メントール、メントン、イソメントン、メンチルアセテート、メントフラン、メンチルメチルエーテル、ミントラクトン、ユーカリプトール、リモネン、オイゲノール、ピネン、サビネン水和物、3-オクタノール、カルボン、γ-オクタラクトン、γ-ノナラクトン、ゲルマクレン(germacrene)D、ビリジフロロール(viridiflorol)、1,3E,5Z-ウンデカトリエン、イソプレゴール、ピペリトン、2-ブタノン、蟻酸エチル、3-オクチルアセテート、イソアミルイソバレレート、ヘキサノール、ヘキサナール、cis-3-ヘキセノール、リナロオール、α-テルピネオール、cis-およびtrans-カルビル(carvyl)アセテート、p-シモール、チモール、4,8-ジメチル-3,7-ノナジエン-2-オン、ダマセノン、ダマソン(damascone)、ローズオキシド、ジメチルスルフィド、フェンコール、アセタルデヒドジエチルアセタール、cis-4-ヘプテナール、イソブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、cis-ジャスモン、アニスアルデヒド、メチルサリチレート、ミルテニルアセテート、8-オシメニルアセテート、2-フェニルエチルアルコール、2-フェニルエチルイソブチレート、2-フェニルエチルイソバレレート、シンナムアルデヒド、ゲラニオール、ネロールである。キラル化合物の場合、上記芳香性物質は、ラセミ体として、個々のエナンショマーとして、あるいはエナンショマーに富む混合物として存在することができる。
【0035】
上記式(I)の本発明による化合物と、有利に組合せることのできる、更なる香味料の例は、例えば生理的冷却作用を持つ物質、即ち皮膚または粘膜に涼味感をもたらす物質である。このような冷却活性成分は、例えばL-メントール、L-イソプレゴール、メントンアセタール(例えば、メントングリセロールアセタール)、メンチルエステル、即ちメントールと2〜6個のC原子をもつヒドロキシカルボン酸から調製されたエステル(例えば、メンチルラクテート)、置換メンタン3-カルボキサミド(例えば、メンタン3-カルボン酸N-エチルアミド)、分岐アルカンカルボキサミド(例えば、2-イソプロピル-N,2,3-トリメチルブタンアミド)、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、3-メントキシ-1,2-プロパンジオール、3-メントキシ-2-メチル-1,2-プロパンジオール、2-メントキシエタノール、2-メントキシプロパノール、3-メントキシプロパノール、4-メントキシブタノール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、グリセロールメンチルカーボネート、N-アセチルグリシンメンチルエステル、メンチルヒドロキシカルボン酸エステル(例えば、メンチル3-ヒドロキシブチレート)、メンタン-3,8-ジオール、メンチル2-メトキシアセテート、メンチル2-(2-メトキシエトキシ)アセテート、メンチルモノサクシネート、2-メルカプトシクロデカノン、メンチル2-ピロリジン-5-オンカルボキシレートである。生理的冷却作用を持つ好ましい物質は、メンチルエステル、メントンアセタール、メンタン3-カルボキサミドおよび分岐アルカンカルボキサミドである。
【0036】
また、皮膚および粘膜に香辛性の刺激的な風味または温熱感覚を、または口腔および咽頭内に、チクチク感またはヒリヒリ感をもたらす物質、例えばパプリカ粉末、チリペッパー粉末、パプリカ抽出液、ペッパー抽出物、チリペッパー抽出物、生姜根抽出物、パラダイス[アフラモマムメレゲタ(Aframomum melegueta)]の種子由来の抽出物、パラクレス(paracress)抽出物[ジャンブオレオレシン(jambu oleoresin), スピランテスアクメラ(Spilanthes acmella)またはスピランテスオレラセア(Spilanthes oleracea)]、山葵抽出物(Zanthoxylum piperitum)、バンウコン(Kaempferia galanga)抽出物、アルピニアガランガ(Alpinia galanga)抽出物、ヤナギタデ[ポリゴニウムハイドロパイパー(Polygonium hydropiper)]抽出物、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ジンゲオール(gingerol)、パラドール(paradol)、ショーガオール、ピペリン、サンショールI、サンショールII、サンショアミド、スピラントール、カルボン酸N-バニリルアミド、特にノナン酸N-バニリルアミド、2-ノネン酸アミド、特に2-ノネン酸N-イソブチルアミド、2-ノネン酸N-4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニルアミド、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、特に4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジルn-ブチルエーテル、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、3,4-ジメトキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、3,4-メチレンジオキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、バニリンのアセタール、エチルバニリンのアセタール、イソバニリンのアセタール、(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)アセタミド、特に(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)酢酸N-n-オクチルアミド、アリルイソチオシアネート、ニコチンアルデヒド、メチルニコチネート、プロピルニコチネート、2-ブトキシエチルニコチネート、ベンジルニコチネート、1-アセトキシシャビコールとの組合せで、上記式(I)の本発明による化合物を使用することが有利である。
【0037】
生理的冷却作用を持たない、好ましい芳香性物質は、その実際の芳香値に加えて、味覚的印象、風味調節作用または三叉神経作用性であるが、冷却性を示さない、あるいはまた催涎刺激作用をも引起す芳香性物質である。好ましい味覚的印象は、甘味、旨味、苦味、塩味、および酸味であり、好ましい風味調節作用は、苦味隠蔽、旨味増強、甘味増強、塩味増強および酸味隠蔽作用であり、好ましい三叉神経刺激作用性は、香辛性、ヒリヒリ感および味覚、嗅覚刺激性である。
【0038】
好ましい調節性芳香物質および/または香味料は、アデノシン5'-モノホスフェート、シチジン5'-モノホスフェート、イノシン5'-モノホスフェート、および製薬的に許容されるこれらの塩;ラクチゾール(lactisoles);2,4-ジヒドロキシ安息香酸;3-ヒドロキシ安息香酸;ナトリウム塩、好ましくは塩化ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム;ヒドロキシフラバノン、例えばエリオジクチオール、ホモエリオジクチオール、およびこれらのナトリウム塩;ヒドロキシ安息香酸アミド、例えば2,4-ジヒドロキシ安息香酸バニリルアミド、2,4-ジヒドロキシ安息香酸N-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アミド、2,4,6-トリヒドロキシ安息香酸N-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アミド、2-ヒドロキシ安息香酸N-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アミド、4-ヒドロキシ安息香酸N-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アミド、2,4-ジヒドロキシ安息香酸N-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アミド一ナトリウム塩、2,4-ジヒドロキシ安息香酸N-2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)エチルアミド、2,4-ジヒドロキシ安息香酸N-(4-ヒドロキシ-3-エトキシベンジル)アミド、2,4-ジヒドロキシ安息香酸N-(3,4-ジヒドロキシベンジル)アミドおよび2-ヒドロキシ-5-メトキシ-N-[2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)エチル]アミド;4-ヒドロキシ安息香酸バニリルアミド(特に、WO 2006/024587号に記載されているもの;この特許出願を、ここに開示した、対応する化合物に関する参考として、本件出願に組み入れる);ヒドロキシデオキシベンゾイン、例えば2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-1-(2,4,6-トリヒドロキシフェニル)エタノン、1-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)エタノン、1-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)エタノン(特に、WO 2006/106023号に記載されているもの;この特許出願を、ここに開示した、対応する化合物に関する参考として、本件出願に組み入れる);ヒドロキシフェニルアルカジオン、例えばジンジャージオン-[2]、ジンジャージオン-[3]、ジンジャージオン-[4]、デヒドロジンジャージオン-[2]、デヒドロジンジャージオン-[3]、デヒドロジンジャージオン-[4] (特に、WO 2007/003527号に記載されているもの;この特許出願を、ここに開示した、対応する化合物に関する参考として、本件出願に組み入れる);ジアセチルトリマー(特に、WO 2006/058893号に記載されているもの;この特許出願を、ここに開示した、対応する化合物に関する参考として、本件出願に組み入れる);WO 2005/096841号(この特許出願を、ここに開示した、対応する化合物に関する参考として、本件出願に組み入れる)に記載されているようなγ-アミノ酪酸;WO 2004/078302号に記載されているようなジバニリン;WO 2007/014879号に記載されているようなヘスペレチンからなる群から選択される。
【0039】
同様に、生理的冷却作用を示さない、特に好ましい芳香性物質は、催涎作用を持つ物質、例えばWO 04/000787号またはUS 2004/0241312号に記載されているようなペリトリン(pellitorines)およびDE 103 51 422に記載されているようなアルカミド(alkamides)である。
本発明は、また本発明による化合物の、対応する製造方法または本発明による化合物の混合物を製造する方法にも係わる。
以下の式(E)(XがNR1R2である、上記式(I)の化合物)で表される本発明の化合物の合成、または対応する混合物の合成は、好ましくは、対応するアルコール:B-OH(ここで、Bは、上記意味を持つ)と、(a) オキサリルクロリドとを反応させ、次いで対応するアミン:HNR1R2と反応させるか、あるいは(b) ジアルキルオキサレートと反応させ、次いで対応するアミン:HNR1R2と反応させるか、あるいは(c) アルキルクロロ-オキソアセチルクロリドと反応させ、次いで対応するアミン:HNR1R2と反応させるか、あるいは(d) 対応するアミノオキソアセチルクロリドと反応させることによって達成される。
XがSR3である上記式(I)の本発明の化合物の合成は、同様に進められる。
【0040】
【化6】

【0041】
この点に関連して、各場合における残基Raは、相互に独立にアルキル基、好ましくはC1-C4アルキル基、好ましくはメチル基またはエチル基を意味する。
上記式(I)の本発明の化合物の更なる製法は、以下の諸工程を含む:
(1) 以下の式で表される混合シュウ酸エステルを製造し:
【0042】
【化7】

【0043】
ここで、Raは、アルキル基、好ましくはC1-C4アルキル基、好ましくはメチル基またはエチル基を意味し、またBは、上記の意味を持つ;
あるいは以下の式で表されるシュウ酸ハライド、好ましくはシュウ酸クロリドを製造する工程:
【0044】
【化8】

【0045】
ここで、Halはハロゲン原子、好ましくはClまたはBr、特に好ましくはClを意味し、またBは、上記の意味を持つ;
(2) アミン:HNR1R2またはチオール:HSR3または対応する塩を製造する工程、ここでR1、R2およびR3は、上記の意味を持つ;
(3) 該製造した化合物を相互に反応させて、本発明の化合物を得る工程。
特に好ましい合成経路は、以下の反応式によって示すことができ、該反応式は、式(Ia)で示される化合物に導き、ここで各場合におけるR1およびR2は、上記の意味を有する。対応する合成経路は、式(Ia)で表される化合物の製造にとって好ましい。
【0046】
【化9】

【0047】
この点に関連して、該アルコール(ここでは、メントール)(F)は、例えば公知の方法を用いて、ジメチルオキサレートおよび触媒によって、対応する混合オキサレート(G)に転化することができる。
この反応は、場合により他の(補助的な)物質または添加剤の存在下で、例えば以下に列挙するものの存在下で進めることができる:
(i) 1種またはそれ以上の溶媒または希釈剤(例えば、トルエン、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、他のエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、アルカン、シクロアルカン、アルコール);および/または
(iii)相間移動触媒(例えば、パーアルキル化/パーアリール化アンモニウム塩またはホスホニウム塩、クラウンエーテル)。
【0048】
前記粗合成生成物は、好ましくは物理的な、場合によってはエナンショマー選択的またはエナンショマー特異的分離法、例えば抽出法、分配法、結晶化法、蒸留法、クロマトグラフィー法、昇華法、水蒸気蒸留法、逆浸透法、透過法等により、精製または濃縮される。前記分離法は、好ましくは分離操作の終了後、対応する式(I)の本発明の化合物の立体化学的特性(式(I)が、該立体化学的特性を規定する程度まで)が、精製された該生成物中に存在する式(I)の化合物全量に対して、90-100モル%、好ましくは95-100モル%の割合に相当するように選択される。
【0049】
本発明は、また栄養補給のためあるいは爽快さを得るのに役立ち、あるいは口腔衛生のために使用される調剤、あるいは薬理的または化粧学的な調剤にも係わり、該調剤は、皮膚および/または粘膜に対して生理的冷却作用を達成するために、十分な量の(1) 本発明の化合物または本発明の混合物(好ましくは、好ましいものとして述べた展開において)または(2)(ii) 本発明の混合物(好ましくは、好ましいものとして述べた展開において)を含む。特に、該化合物または混合物の使用量は、口腔、鼻孔および/または咽頭腔における粘膜に対して、生理的冷却作用を及ぼすのに十分なものとすべきである。
【0050】
本発明による好ましい調剤は、栄養補給のためあるいは爽快さを得るために消費され、あるいは口腔衛生のため、あるいは薬理的または化粧学的な調剤得るために使用される、公知の基本的な材料、補助的な物質および添加剤を含む。本発明による好ましい調剤は、該調剤の全質量に対して、0.0001〜20質量%なる範囲、好ましくは0.0001〜10質量%なる範囲、特に好ましくは0.001〜0.5質量%なる範囲の、上記式(I)の化合物を含む。更なる成分、特に上記式(I)の化合物および成分(2) (生理的冷却作用を持つ更なる物質)、(3) (生理的冷却作用を持たない芳香性物質)および/または(4) (生理的冷却作用を持たない三叉神経作用性および/または催涎作用性物質)(上記のような)および更に公知の原料物質、補助的な物質および添加剤は、該調剤の全質量に対して、0.0000001〜99.99質量%なる範囲、好ましくは10〜80質量%なる範囲の量で、該調剤に含めることができる。本発明の調剤は、更に該調剤の全質量に対して、99.99質量%まで、好ましくは5〜80質量%なる範囲の量で、水を含むことができる。
【0051】
栄養補給あるいは爽快さを得るのに役立つ調剤は、例えばベーカリー製品(例えば、パン、ドライクッキー、ケーキ、他のペースト状製品)、コンフェクショナリー製品(例えば、チョコレート、チョコレート棒状製品、他の棒状製品、フルーツガム、ハードおよびソフトキャラメル、チューインガム)、アルコール系またはノンアルコール系飲料(例えば、コーヒー、紅茶、ワイン、ワイン含有飲料、ビール、ビール含有飲料、リキュール、スピリット、リキュール、ブランデー、フルーツ含有炭酸飲料、等張性飲料、ソフトドリンク、ネクター、フルーツおよび野菜ジュース、フルーツまたは野菜ジュース処方物)、即席飲料(例えば、即席ココア飲料、即席紅茶飲料、即席コーヒー飲料)、肉加工製品(例えば、ハム、生または保蔵処理ソーセージ処方物、香辛料添加またはマリネ処理した生または保蔵処理肉製品)、卵または卵加工製品(乾燥卵、卵白、卵黄)、穀類加工製品(例えば、朝食用セリアル食品、ムエスリ(muesli)バー、調理済み出来合い米製品)、乳製品(例えば、ミルク飲料、ミルクアイスクリーム、ヨーグルト、ケフィール、カードチーズ、ソフトチーズ、ハードチーズ、乾燥ミルク粉末、ホエー、バター、バターミルク)、フルーツ処方物(例えば、ジャム、フルーツアイスクリーム、フルーツソース、フルーツ詰めもの)、野菜処方物(例えば、ケチャップ、ソース、乾燥野菜、冷凍野菜、調理済み野菜、保存野菜)、スナック物品(例えば、ベークドまたはフライドポテトチップまたはポテトドウ製品、トウモロコシまたはピーナッツを主成分とする押出成型品)、脂肪または油を主成分とする製品またはその乳化物(例えば、マヨネーズ、ケーバー、ドレッシング)、他の直に食することのできる食事およびスープ(例えば、乾燥スープ、即席スープ、調理済みスープ)、スパイス、調味料混合物および特に粉末調味料(これらは、例えばスナック食品用途において使用される)である。本発明の目的とする該調剤は、また栄養補給あるいは爽快さを得るのに役立つ、更なる調剤を製造するための、半完成品として使用することも可能である。本発明の目的とする該調剤は、またカプセル、錠剤(素錠、被覆錠剤、例えば胃液に対して耐性の被膜を持つ錠剤)、糖衣錠剤、顆粒剤、ペレット剤、固体混合物、液相中の分散剤、乳化剤、散剤、液剤、ペースト剤、または他の嚥下可能なまたは咀嚼性の調剤としての、栄養補給剤であってもよい。
【0052】
口腔衛生のために機能する調剤は、特に歯科手当用調剤、例えば、練歯磨き、トゥースゲル、トゥースクリーム、歯磨き粉、マウスウォッシュ、二成分式製品としてのトゥースクリームおよびマウスウォッシュ、デンタルフロス、(糖を含まない)チューインガムおよび他の口腔手当製品である。
【0053】
本発明による該化合物または混合物を含む、歯科手当用製品(口腔手当として機能する処方物の基材としての)は、一般に研磨剤系(研磨または磨き剤)、例えばシリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウムおよび/またはヒドロキシアパタイト、界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムラウリルザルコシネートおよび/またはコカミドプロピルベタイン、湿潤剤、例えばグリセロールおよび/またはソルビトール、増粘剤、例えばカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、カラギーナンおよび/またはラポナイト(LaponiteTM)、甘味料、例えばサッカリン、ナトリウムシクラメート、スクラロース、アセスルファム-Kまたは糖アルコール、不快な味覚的印象に対する矯味剤、例えばUS 2002/0188019号に記載のヒドロキシフラバノン、一般的には不快ではない味覚的印象に対する更なる矯味剤、風味調節物質(例えば、イノシトールホスフェート、ヌクレオチド、例えばグアノシン一リン酸、アデノシン一リン酸または他の物質、例えばグルタミン酸ナトリウムまたは2-フェノキシプロピオン酸)、冷却活性成分、例えばメントール、メントール誘導体(例えば、L-メントール、L-メンチルラクテート、L-メンチルアルキルカーボネート、メントンケタール、メンタンカルボキサミド)、2,2,2-トリアルキルアセタミド(例えば、2,2-ジイソプロピルプロピオン酸メチルアミド)、イシリンおよびイシリン誘導体、安定剤および活性成分、例えばフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、二フッ化スズ、四級フッ化アンモニウム、クエン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ピロリン酸スズ、二塩化スズ、種々のピロリン酸塩のブレンド、トリクロサン、セチルピリジニウムクロリド、乳酸アルミニウム、クエン酸カリウム、硝酸カリウム、塩化カリウム、塩化ストロンチウム、過酸化水素、芳香剤および/または重炭酸ナトリウム、または臭気矯正剤)を含む。
【0054】
本発明の該化合物または混合物を含有する、チューインガム(口腔手当のために役立つ該調剤の更なる例として)は、一般的にチューインガムベース、即ち咀嚼した際に可塑性物質となる咀嚼可能な塊状物、様々な種類の糖類、糖代替品、他の甘味風味を持つ物質、糖アルコール、不快な味覚的印象に対する矯味剤、風味-調節物質(例えば、リン酸イノシトール、ヌクレオチド、例えばグアノシン一リン酸、アデノシン一リン酸、または他の物質、例えばグルタミン酸ナトリウムまたは2-フェノキシプロピオン酸)、湿潤剤、増粘剤、乳化剤、芳香剤および安定剤または臭気矯正剤を含む。
【0055】
従来技術においては、多数の様々なチューインガムベースが知られており、ここで、「チューインガム」と「風船ガム」ベースとは区別する必要があり、後者はより軟質であり、従ってこれによりチューインガム風船を形成することができる。最近は、伝統的に利用されている天然樹脂または天然ラテックスチクルに加えて、共通のチューインガムベースは、通常、EP 0 242 325号、US 4,518,615号、US 5,093,136号、US 5,266,336号、US 5,601,858号またはUS 6,986,709号に記載されているような、エラストマー、例えばポリビニルアセテート(PVA)、ポリエチレン、(低または中分子量)ポリイソブテン(PIB)、ポリブタジエン、イソブテン/イソプレンコポリマー(ブチルゴム)、ポリビニルエチルエーテル(PVE)、ポリビニルブチルエーテル、ビニルエステルとビニルエーテルとのコポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマー(スチレン/ブタジエンゴム;SBR)またはビニルエラストマー、例えば酢酸ビニル/ビニルラウレート、酢酸ビニル/ビニルステアレートまたはエチレン/酢酸ビニル、および上記エラストマー混合物を含む。更に、チューインガムベースは、更に成分、例えば(無機)フィラー、可塑剤、乳化剤、酸化防止剤、ワックス、脂肪または脂肪油、例えば硬化(水添)植物性または動物性脂肪、モノ-、ジ-またはトリ-グリセライドをも含む。適当な(無機)フィラーは、例えば炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、タルク、酸化アルミニウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、水酸化マグネシウムおよびこれらの混合物である。適当な可塑剤または接着防止剤(粘着防止剤)は、例えばラノリン、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、酢酸エチル、ジアセチン(グリセロールジアセテート)、トリアセチン(グリセロールトリアセテート)、トリエチルシトレートである。適当なワックスは、例えばパラフィンワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、マイクロワックスおよびポリエチレンワックスである。適当な乳化剤は、例えばホスファチド、例えばレシチン、脂肪酸のモノ-およびジ-グリセライド、例えばグリセロールモノステアレートである。
【0056】
本発明の目的にとって好ましい本発明の薬理的製剤は、例えばカプセル、錠剤(未被覆および被覆錠剤、例えば胃液に対して耐性の被膜を持つ錠剤)、糖衣錠剤、顆粒剤、ペレット剤、固体混合物、液相中の分散剤、エマルション、散剤、液剤、ペースト剤または他の嚥下可能な調剤の形状にあると思われる、経口投与用の調剤であり、また要指示薬またはドラッグストア用薬剤または他の医薬としてまたは栄養サプリメントとして使用される。
【0057】
本発明の化粧料調剤は、例えば以下に列挙する形態の一種として存在し得る:石鹸、合成洗剤、液状の洗浄用、シャワー用、または浴用調剤、エマルション(製造工程および成分に依存して、「油中水」型(W/O)、「水中油」型(O/W)または多相エマルション、エマルションフォーム、マイクロエマルション、ナノエマルションピッカーリング(Pickering)エマルション形状にある、溶液、分散液、懸濁液、クリーム、ローションまたはミルク液)、軟膏、ペースト、ゲル(ヒドロゲル、水性分散ゲル、オイル分散ゲルを含む)、オイル、トナー、バルサム、漿液、パウダー、オードトワレ、化粧水、オーデコロン、香水、スティック状、ロール-オン、(ポンプ)スプレイ、エーロゾル(発泡性、非発泡性または後-発泡性)としてのワックス、足の手当製品(角質溶解性調剤、デオドラントを含む)、髭用シャンプーまたは髭手当用調剤、虫除け剤、サンスクリーン製剤、日焼け後製剤、髭剃用製剤(例えば、シェービングフォーム、石鹸またはゲル)またはアフターシェーブ(バルム薬、ローション)、脱毛製剤、ヘアケア製品、例えばシャンプー(例えば、2液性シャンプー、フケ防止シャンプー、ベビーシャンプー、乾燥性頭皮用シャンプー、シャンプー濃縮液)、コンディショナー、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアリンス、ヘアクリーム、ポマード、パーマ掛けおよびセット用ローション、毛髪平滑化製品(縮毛解消剤、縮毛矯正剤)、ヘアストレイトナー、整髪助剤(例えば、ゲルまたはワックス)、ブロンド化製品、ヘアライトナー、ヘアコンディショナー、ヘアムース、ヘア調色製品、毛染め剤(例えば、一時的、直接、半永続的、永続的毛染め)、ネイルケア製品、例えばネイルポリッシュ、ネイルポリッシュリムーバ、デオドラントおよび/または発汗防止剤、マウスウォッシュ、ウォーターピック、メイクアップ、メイクアップリムーバ、アイケアクリーム、リップ化粧品、リップケア製剤、装飾用化粧品(例えば、パウダー、アイシャドウ、コールペンシル、リップスティック)、浴用製品(例えば、カプセル)、またはフェースマスク。
【0058】
本発明による化合物または本発明による混合物を含む、本発明の製剤は、好ましくは該化合物または混合物、例えば本発明の化合物に加えて固体または液状担体を含む混合物を、基本となる処方物に配合することにより作られる。有利には、本発明の化合物を含有する、溶液状態にある本発明の混合物を、先ず噴霧乾燥することによって固体製剤とする。
【0059】
もう一つの好ましい態様によれば、本発明による製剤は、本発明による化合物または混合物を、場合により本発明の製剤の更なる成分と共に、先ずエマルションに、例えばホスファチジルコリンから出発するリポソームに、微小球に、ナノ球に、あるいはまたカプセル、顆粒または押出物に配合することによって製造することができ、これらは、食料品および爽快さを得るためのまたは化粧料製剤として消費される製品に適したマトリックスから、例えばデンプン、デンプン誘導体(例えば、変性デンプン)、セルロースまたはセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、他の多糖類(例えば、デキストリン、アルギネート、カードラン、カラギーナン、キチン、キトサン、プルラン)、天然脂肪、天然ワックス(例えば、ミツロウ、カルナウバロウ)、またはタンパク質、例えばゼラチンまたは他の天然製品(例えば、セラック)または天然産以外のマトリックス材料(例えば、ポリウレア)から製造される。該態様においては、該マトリックスに依存して、該製品は、噴霧乾燥、噴霧造粒、溶融造粒、コアセルベーション、凝固、押出、溶融押出、乳化法、被覆または他の適当なカプセル化法、および場合により上記方法の適当な組合せによって処理することができる。
【0060】
更に好ましい製造方法において、本発明の化合物または混合物は、最初に1種またはそれ以上の適当な錯化剤、例えばシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、好ましくはα、β-またはγ-シクロデキストリンで錯化され、またこの錯化された状態で、使用に付される。
本発明による特に好ましい製剤は、上記マトリックスが、該本発明の化合物または混合物、特に更に冷却成分および/または芳香剤をも含む混合物が、遅延様式で、長期間に渡り冷却作用を発揮すべく、該マトリックスから放出されるように、選択されるものである。
【0061】
栄養補給または爽快さを達成するのに役立つ、本発明の製剤において使用できる更なる成分は、食料品または爽快さを得る目的で消費される製品用の、従来の基本的なおよび補助的な物質および添加剤、例えば水、新鮮なまたは加工された、植物または動物性の基本的なまたは原料物質(例えば、生の、焙焼した、乾燥した、発酵させた、燻蒸した、および/または煮た肉、骨、軟骨、魚肉、野菜、果実、ハーブ、ナッツ、野菜または果実ジュースまたはペーストまたはこれらの混合物)、消化性または難消化性炭水化物(例えば、スクロース、マルトース、フルクトース、グルコース、デキストリン、アミロース、アミロペクチン、イヌリン、キシラン、セルロース、タガトース)、糖アルコール(例えば、ソルビトール、マニトール、エリスリトール)、天然または硬化脂肪(例えば、牛脂、ラード、ヤシ脂、ココナッツ油、硬化植物脂)、油(例えば、ヒマワリ油、ピーナッツ油、コーン胚芽油、オリーブ油、魚油、大豆油、ゴマ油)、脂肪酸またはその塩(例えば、カリウムステアレート)、タンパク質起源のまたは非-タンパク質起源のアミノ酸および関連化合物(例えば、γ-アミノ酪酸、タウリン)、ペプチド(例えば、グルタチオン)、天然起源のまたは加工タンパク質(例えば、ゼラチン)、酵素(例えば、ペプチダーゼ)、核酸、ヌクレオチド、不快な味覚的印象に対する風味矯正剤、一般的には不快な味覚的印象を与えない更なる風味に対する、更なる風味調節剤、他の風味調節物質(例えば、イノシトールホスフェート、ヌクレオチド、例えばグアノシン一リン酸、アデノシン一リン酸または他の物質、例えばナトリウムグルタメートまたは2-フェノキシプロピオン酸)、乳化剤(例えば、レシチン、ジアシルグリセロール、アラビアガム)、安定剤(例えば、カラギーナン、アルギネート)、保存剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸)、キレート化剤(例えば、クエン酸)、酸味剤(例えば、リンゴ酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リン酸)、苦味物質(例えば、キニン、カフェイン、リモニン、アマロゲンチン、フムロン、ルプロン、カテキン、タンニン)、無機塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、リン酸ナトリウム)、酵素の褐変を防止する物質(例えば、スルフィット、アスコルビン酸)、精油、植物抽出液、天然または合成染料または着色顔料(例えば、カロチノイド、フラボノイド、アントシアン、クロロフィルおよびこれらの誘導体)、スパイス、三叉神経活性物質またはこのような三叉神経活性物質を含有する植物抽出液、合成、天然または天然において認識される芳香性物質または悪臭を放つ物質および臭気-矯正剤である。
【0062】
本発明の化合物または本発明の混合物と、糖アルコール、特にキシリトール、ソルビトール、マニトールおよび/またはエリスリトールとの組合せは、高い、部分的には相乗的に高い冷却作用を呈した。
本発明のもう一つの局面は、(a) 以下の式(I)の化合物または(b) 式(I)の化合物の1種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 式(I)の化合物の二種またはそれ以上からなる混合物の使用に係わり:
【0063】
【化10】

【0064】
ここで、各場合において、以下の定義が当てはまる:
Bは、以下に列挙する基から選択される炭化水素残基を意味し:
【0065】
【化11】

【0066】
該残基において、破線は、該炭化水素残基Bを、前記式(I)における隣接酸素原子と接続する結合を示し、
Xは、NR1R2またはSR3を意味し、ここで各場合において相互に独立に、
NR1R2における基R1およびR2およびSR3における基R3は、水素原子および炭素原子数1〜12の有機残基からなる群から選択され、
該有機基は、置換または無置換のアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アルキニル、シクロアルキルアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアリール、シクロアルケニルアリール、シクロアルキルヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルアリール、ヘテロシクロアルケニルアリール、ヘテロシクロアルケニルヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
場合により、NR1R2における基R1およびR2は、それぞれ一つの水素原子を除く形で共有結合により互いに結合して環を形成していてもよく、
ここで、該化合物または混合物は、
(i) 治療目的以外に、皮膚または粘膜に冷却作用を及ぼすために、または
(ii) 医薬を製造するために使用される。
【0067】
本発明の混合物に係る上記の記述は、従って、好ましく使用される、(a) 式(I)の化合物、(b) 式(I)の化合物の1種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 式(I)の化合物の二種またはそれ以上からなる混合物にも当てはまる。
本発明による該化合物(a)および/または混合物(b)、(c)は、好ましくは咳、風邪、口腔、鼻、喉の症状、または咽頭の炎症、咽喉炎または嗄声を根絶または軽減するように機能する、医薬を製造するために使用される。
本発明の更なる局面は、皮膚および/または粘膜に生理的冷却作用を及ぼすための、治療的または非-治療的方法に係わり、該方法は、以下の工程:
該皮膚および/または粘膜に、
(1) 上記の如き化合物または混合物;または
(2) 上記の如き調剤を
生理的冷却作用を達成するのに十分な量で適用する工程を含む。
【0068】
本発明の更なる局面は、本発明による化合物、本発明による混合物、好ましくは1種またはそれ以上の芳香性成分および/または1種またはそれ以上の更なる冷却活性成分(上記一般式(I)の化合物以外の冷却活性成分)を含有する本発明による混合物を含む、半完成品であって、該半完成品を使用して製造される完成品に、香味、芳香性を付与するための、本発明に従う調剤の使用にも係わる。
本発明の更なる局面は、以下に記載される実施例および添付した特許請求の範囲から明らかになる。
【実施例】
【0069】
以下に記載される実施例は、本発明を限定するものではなく、単に例示するためのものである。特記しない限り、述べられる全ての値は、質量基準のものである。
【0070】
実施例1:L-メンチルメチルオキサレートの合成
【化12】

【0071】
156gのL-メントールを、先ず、116gのトリエチルアミンと共に、500mLのジクロロメタンに導入し、またモノメチルオキサリルクロリドを、30分以内に、0℃にてこれに滴添した。室温にて1時間攪拌を続け、次いで水洗を行った。該溶媒を除去した後、240gの該化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS): δ= 0.78 (d, J = 7.0 Hz, 3 H), 0.86-0.96 (m, 1 H), 0.91 (d, J = 7.0 Hz, 3 H), 0.93 (d, J = 6.5 Hz, 3 H) 1.02-1.19 (m, 2 H), 1.46-1.58 (m, 2 H), 1.67-1.76 (m, 2 H), 1.89 (dhept, J = 2.8 Hz, J = 7.0 Hz, 1 H), 2.02-2.08 (m, 1 H), 3.90 (s, 3 H), 4.87 (dt, J = 11 Hz, J = 4.5 Hz, 1 H) ppm.
13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS): δ = 16.18 (CH3), 20.65 (CH3), 21.92 (CH3), 23.35 (CH2), 26.17 (CH), 31.46 (CH), 34.02 (CH2), 40.28 (CH2), 46.72 (CH), 53.46 (CH3), 77.89 (CH), 157.33 (CO), 158.59 (CO) ppm.
MS (EI): m/z = 242 (1, M+), 227 (1), 183 (1), 155 (1), 139 (22), 123 (7), 95 (30), 83 (100), 69 (40), 55 (55)
【0072】
実施例2:L-メンチルN-メチルオキサメートの合成
【化13】

【0073】
120gのL-メンチルメチルオキサレートを、先ず1000mLのジエチルエーテルに導入し、次いで1.1当量のメチルアミンを、一定温度に冷却(0℃)しつつ徐々に滴添した。30分間攪拌を続け、水洗し、乾燥し、蒸発させた後に、得られた116gの粗生成物を、290gのヘプタンから再結晶させた。このようにして、98.1gのL-メンチルN-メチルオキサメートを得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS): δ = 0.75 (d, J = 7.0 Hz, 3 H), 0.85-0.96 (m, 1 H), 0.90 (d, J = 7.0 Hz, 3 H), 0.92 (d, J = 6.6 Hz, 3 H), 1.01-1.22 (m, 2 H), 1.44-1.64 (m, 2 H), 1.67-1.75 (m, 2 H), 1.90 (dhept, J = 7.0 Hz, J = 2.8 Hz, 1 H), 1.97-2.03 (m, 1 H), 2.93 (d, J = 5.2 Hz, 3 H), 4.83 (dt, J = 11 Hz, J = 4.5 Hz, 1 H), 7.14 (s, br., NH) ppm.
13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS): δ = 16.09 (CH3), 20.65 (CH3), 21.94 (CH3), 23.26 (CH2), 26.08 (CH), 26.46 (CH3), 31.50 (CH), 34.03 (CH2), 40.29 (CH2), 46.57 (CH), 77.77 (CH), 157.46 (CO), 160.26 (CO) ppm.
MS (EI): m/z = 241 (1, M+), 183 (1), 155 (1), 139 (20), 123 (5), 97 (19), 83 (100), 69 (37), 55 (52)
【0074】
実施例3:L-メンチルN-エチルオキサメートの合成
L-メンチルN-メチルオキサメートの合成と同様な方法で、L-メンチルエチルオキサレートから出発して、L-メンチルN-エチルオキサメートを得た:
【0075】
【化14】

【0076】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS): δ = 0.76 (d, J = 7.0 Hz, 3 H), 0.85-0.96 (m, 1 H), 0.90 (d, J = 7.0 Hz, 3 H), 0.92 (d, J = 6.6 Hz, 3 H), 1.02-1.22 (m, 2 H), 1.22 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 1.44-1.64 (m, 2 H), 1.66-1.76 (m, 2 H), 1.91 (dhept, J = 7.0 Hz, J = 2.7 Hz, 1 H), 1.97-2.04 (m, 1 H), 3.35-3.43 (m, 2 H), 4.83 (dt, J = 11.0 Hz, J = 4.5 Hz, 1 H), 7.17 (s, br., 1 NH) ppm.
13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS): δ = 14.39 (CH3), 16.10 (CH3), 20.65 (CH3), 21.94 (CH3), 23.27 (CH2), 26.05 (CH), 31.50 (CH), 34.03 (CH2), 34.81 (CH2), 40.28 (CH2), 46.55 (CH), 77.70 (CH), 156.65 (CO), 160.48 (CO) ppm.
MS (EI): m/z = 255 (1, M+), 168 (1), 155 (1), 139 (20), 123 (5), 97 (20), 83 (100), 69 (37), 55 (50)
【0077】
実施例4:ネオメンチルN-メチルオキサメートの合成
L-メンチルN-メチルオキサメートの合成と同様な方法で、ネオメンチルメチルオキサレートから出発して、ネオメンチルN-メチルオキサメートを得た:
【0078】
【化15】

【0079】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS): δ = 0.84-1.16 (m, 4 H), 0.85 (d, J = 6.6 Hz, 3 H), 0.86 (d, J = 6.7 Hz, 3 H), 0.90 (d, J = 6.7 Hz, 3 H), 1.43-1.57 (m, 2 H), 1.63-1.83 (m, 2 H), 1.94-2.01 (m, 1 H), 2.92 (d, J = 5.2 Hz, 3 H), 5.34 (d, br., J = 2.1 Hz, 1 H), 7.05 (s, br., 1 NH) ppm.
13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS): δ = 20.77 (CH3), 20.84 (CH3), 22.04 (CH3), 24.86 (CH2), 26.39 (CH), 26.41 (CH3), 29.05 (CH), 34.60 (CH2), 38.84 (CH2), 46.79 (CH), 74.90 (CH), 157.48 (CO), 160.09 (CO) ppm.
MS (EI): m/z = 242 (1, MH+), 182 (1), 155 (1), 139 (25), 123 (5), 95 (20), 83 (100), 69 (45), 55 (55)
【0080】
実施例5:ネオメンチルN-シクロプロピルオキサメートの合成
L-メンチルN-メチルオキサメートの合成と同様な方法で、ネオメンチルメチルオキサレートから出発して、ネオメンチルN-シクロプロピルオキサメートを得た:
【0081】
【化16】

【0082】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS): δ = 0.60-0.65 (m, 2 H), 0.82-1.15 (m, 5 H), 0.85 (d, J = 6.5 Hz, 3 H), 0.86 (d, J = 6.7 Hz, 3 H), 0.90 (d, J = 6.7 Hz, 3 H), 1.44-1.57 (m, 2 H), 1.62-1.82 (m, 3 H), 1.92-2.00 (m, 1 H), 2.77-2.84 (m, 1 H), 5.32 (d, br., J = 2.1 Hz, 1 H), 7.08 (s, br., 1 H) ppm.
13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS): δ = 6.53 (2 × CH2), 20.79 (CH3), 20.83 (CH3), 22.04 (CH3), 22.81 (CH), 24.80 (CH2), 26.35 (CH), 29.00 (CH), 34.61 (CH2), 38.83 (CH2), 46.83 (CH), 74.97 (CH), 157.95 (CO), 160.25 (CO) ppm.
MS (EI): m/z = 267 (1, M+), 155 (1), 139 (25), 129 (22), 95 (20), 83 (100), 69 (30), 55 (45)
【0083】
実施例6:L-メンチルモルホリノオキサメートの合成
(モルホリン-4-イル-オキソ-酢酸(1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシルエステル)
L-メンチルN-メチルオキサメートの合成と同様な方法で、L-メンチルメチルオキサレートから出発して、L-メンチルモルホリノオキサメートを得た:
【0084】
【化17】

【0085】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS): δ = 0.79 (d, J = 6.9 Hz, 3 H), 0.85-0.95 (m, 1 H), 0.91 (d, J = 7.0 Hz, 3 H), 0.93 (d, J = 7.0 Hz, 3 H), 1.02-1.16 (m, 2 H). 1.46-1.58 (m, 2 H), 1.67-1.76 (m, 2 H), 1.92 (dhept, J = 7.0 Hz, J = 2.8 Hz, 1 H), 2.03-2.10 (m, 1 H), 3.42-3.46 (m, 2 H), 3.58-3.77 (m, 6 H), 4.86 (dd, J = 10.9 Hz, J = 4.4 Hz, 1 H) ppm.
13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS): δ = 16.08 (CH3), 20.68 (CH3), 21.93 (CH3), 23.26 (CH2), 26.12 (CH), 31.48 (CH), 34.01 (CH2), 40.47 (CH2), 41.60 (CH2), 46.33 (CH2), 46.74 (CH), 66.40 (CH2), 66.62 (CH2), 76.79 (CH) 160.49 (CO), 162.30 (CO) ppm.
MS (EI): m/z = 297 (2, M+), 160 (1), 139 (15), 114 (14), 97 (20), 83 (100), 69 (30), 55 (35)
【0086】
実施例7:L-メンチルオキサメートの合成
L-メンチルN-メチルオキサメートの合成と同様な方法で、L-メンチルメチルオキサレートから出発して、L-メンチルオキサメートを得た:
【0087】
【化18】

【0088】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS): δ = 0.77 (d, J = 7.1 Hz, 3 H), 0.90 (d, J = 7.1 Hz, 3 H), 0.85-0.97 (m, 1 H), 0.93 (d, J = 6.7 Hz, 3 H), 1.02-1.22 (m, 2 H), 1.46-1.63 (m, 2 H), 1.67-1.76 (m, 2 H), 1.89 (dhept, J = 7.0 Hz, J = 2.7 Hz, 1 H), 1.99-2.05 (m, 1 H), 4.85 (dt, J = 11.0 Hz, J = 4.5 Hz, 1 H), 6.23 (s, br. NH), 6.98 (s, br. NH) ppm.
13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS): δ = 16.10 (CH3), 20.65 (CH3), 21.92 (CH3), 23.25 (CH2), 26.13 (CH), 31.50 (CH), 34.00 (CH2), 40.28 (CH2), 46.60 (CH), 78.08 (CH), 158.73 (CO), 159.67 (CO) ppm.
MS (EI): m/z = 155 (1), 139 (20), 123 (5), 97 (17), 83 (100), 69 (32), 55 (55), 41 (25)
【0089】
実施例8:ボルニルN-エチルオキサメートの合成
L-メンチルN-メチルオキサメートの合成と同様な方法で、ボルニルメチルオキサレートから出発して、ボルニルN-エチルオキサメートを得た:
【0090】
【化19】

【0091】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS): δ = 0.88 (s, 3 H), 0.9 (s, 3 H), 0.93 (s, 3 H), 1.11 (dd, J = 13.8 Hz, J = 3.4 Hz, 1 H), 1.22 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 1.28-1.41 (m, 2 H), 1.70-1.81 (m, 2 H), 2.04-2.13 (m, 1 H), 2.35-2.44 (m, 1 H), 3.34-3.43 (m, 2 H), 5.01 (ddd, J = 10 Hz, J = 3.5 Hz, J = 2.1 Hz, 1 H), 7.06 (s, br., 1 NH) ppm.
13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS): δ = 13.49 (CH3), 14.42(CH3), 18.84 (CH3), 19.68 (CH3), 27.02 (CH2), 27.91 (CH2), 34.77 (CH2), 36.27 (CH2), 44.85 (CH), 48.07 (C), 49.17 (C), 83.18 (CH), 156.58 (CO), 161.26 (CO) ppm.
MS (EI): m/z = 253 (2, M+), 225 (3), 197 (10), 181 (10), 153 (52), 137 (70), 121 (23), 109 (21), 95 (98), 81 (100), 41 (25)
【0092】
実施例9:D-メンチルN,N-ジメチルオキサメートの合成
L-メンチルN-メチルオキサメートの合成と同様な方法で、D-メンチルメチルオキサレートから出発して、D-メンチルN,N-ジメチルオキサメートを得た:
【0093】
【化20】

【0094】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS): δ = 0.80 (d, J = 7.0 Hz, 3 H), 0.87-0.95 (m, 1 H), 0.91 (d, J = 7.0 Hz, 3 H), 0.93 (d, J = 6.5 Hz, 3 H), 1.03-1.17 (m, 2 H), 1.45-1.59 (m, 2 H), 1.67-1.76 (m, 2 H), 1.96 (dhept, J = 2.8 Hz, J = 7.0 Hz, 1 H), 2.06-2.12 (m, 1 H), 2.98 (s, 3 H), 3.01 (s, 3 H), 4.87 (dt, J = 11 Hz, J = 4.4 Hz, 1 H) ppm.
13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS): δ = 16.03 (CH3), 20.70 (CH3), 21.93 (CH3), 23.23 (CH2), 26.02 (CH), 31.46 (CH), 33.89 (CH3), 34.04 (CH2), 36.98 (CH3), 40.44 (CH2), 46.75 (CH), 76.39 (CH), 162.06 (CO), 162.94 (CO) ppm.
MS (EI): m/z = 255 (1, M+), 139 (17), 123 (5), 97 (20), 83 (100), 69 (36), 55 (49)
【0095】
実施例10:フェンチルN-メチルオキサメートの合成
L-メンチルN-メチルオキサメートの合成と同様な方法で、フェンチルメチルオキサレートから出発して、フェンチルN-メチルオキサメートを得た:
【0096】
【化21】

【0097】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS): δ = 0.82 (s, 3 H), 1.08 (s, 3 H), 1.12 (s, 3 H), 1.17 (m, 1 H), 1.25 (dd, J = 10.4 Hz, J = 1.6 Hz, 1 H), 1.49 (m, 1 H), 1.62 (m, 1 H), 1.74-1.76 (m, 2 H), 1.90 (m, 1 H), 2.93 (d, J = 5.2 Hz, 3 H), 4.48 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 7.05 (s, br. 1 H) ppm.
13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS): δ = 19.34 (CH3), 20.20 (CH3), 25.79 (CH2), 26.42 (CH3), 26.53 (CH2), 29.78 (CH3), 39.77 (C), 41.46 (CH2), 48.28 (CH), 48.53 (C), 89.30 (CH), 157.28 (CO), 161.02 (CO) ppm.
MS (EI): m/z = 240 (1, MH+), 211 (1), 183 (1), 153 (100), 137 (30), 81 (90), 58 (20)
【0098】
実施例11:1-イソプロピル-2-メチルプロピルN-エチルオキサメートの合成
L-メンチルN-メチルオキサメートの合成と同様な方法で、(1-イソプロピル-2-メチル)プロピルメチルオキサレートから出発して、1-イソプロピル-2-メチルプロピルN-エチルオキサメートを得た:
【0099】
【化22】

【0100】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS): δ = 0.91 (d, J = 6.9 Hz, 6 H), 0.92 (d, J = 6.7 Hz, 6 H), 1.22 (t, J = 7.2 Hz, 3 H), 2.03 (m, 2 H), 3.39 (m, 2 H), 4.70 (t, J = 6.2 Hz, 1 H), 7.06 (s, br., NH) ppm.
13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS): δ = 14.43 (CH3), 17.23 (2 × CH3), 19.43 (2 × CH3), 29.36 (2 × CH), 34.80 (CH2), 86.78 (CH), 156.55 (CO), 160.96 (CO) ppm.
MS (EI): m/z = 216 (1, MH+), 172 (1), 128 (1), 144 (1), 115 (1), 99 (20), 73 (30), 57 (100), 43 (40)
【0101】
実施例12:L-メンチルN-2-メトキシエチルオキサメートの合成
L-メンチルN-メチルオキサメートの合成と同様な方法で、L-メンチルメチルオキサレートから出発して、L-メンチルN-2-メトキシエチルオキサメートを得た:
【0102】
【化23】

【0103】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, TMS): δ = 0.76 (d, J = 7.0 Hz, 3 H), 0.85-0.96 (m, 1 H), 0.90 (d, J = 7.0 Hz, 3 H), 0.93 (d, J = 6.5 Hz, 3 H), 1.02-1.22 (m, 2 H), 1.45-1.64 (m, 2 H), 1.66-1.76 (m, 2 H), 1.90 (dhept, J = 2.8 Hz, J = 7.0 Hz, 1 H), 1.98-2.05 (m, 1 H), 3.38 (s, 3 H), 3.48-3.57 (m, 4 H), 4.83 (dt, J = 11.0 Hz, J = 4.5 Hz, 1 H), 7.42 (s, br., NH) ppm.
13C-NMR (100 MHz, CDCl3, TMS): δ = 16.15 (CH3), 20.64 (CH3), 21.94 (CH3), 23.30 (CH2), 26.10 (CH), 31.49 (CH), 34.03 (CH2), 39.64 (CH2), 40.27 (CH2), 46.56 (CH), 58.85 (CH3), 70.49 (CH2), 77.79 (CH), 156.87 (CO), 160.17 (CO) ppm.
MS (EI): m/z = 286 (1, MH+), 253 (1), 158 (1), 147 (15), 139 (17), 97 (17), 83 (100), 69 (30), 55 (43)
【0104】
応用例1:冷却作用
実施例1〜12の化合物を、その官能特性、特にその冷却作用についてテストした。そのために、これらの化合物を、各場合において特定の最終濃度にて、スクロース(サッカロース)および水から調製した塊状体(賦形剤)(糖菓製造業者のフォンダン;提供者:ノードステメン(Nordstemmen)のノルズッカー(Nordzucker)AG)に溶解し、熟練したパネルに評価させた。官能的な印象をランク付けし、該冷却作用を、1(冷却作用なし)から9(きわめて強力な冷却作用)までの範囲内で評価した。何れの場合にも、これらの結果が確認された。
完全な調剤に対する、L-メンチルN-メチルオキサメート(実施例2)の、濃度0.05質量%におけるプロフィールを、以下に記載した:極めて微かな苦味;冷却作用6。
【0105】
応用例2:冷却作用を達成するための、芳香性混合物
【表1】

【0106】
室温(20℃)にて液体の、強い冷却作用性を持つが、その他は事実上無味無臭の芳香性混合物が、これら成分を混合することにより得られた。
【0107】
応用例2A:冷却作用を達成するための、芳香性混合物
【表2】

【0108】
強い冷却作用性を持つが、事実上無味無臭の芳香性混合物が、これら成分を混合することにより得られた。
【0109】
応用例3:冷却作用を達成するための芳香性混合物
【表3】

【0110】
室温(20℃)にて液体の、強い冷却作用性を持つが、その他は事実上無味無臭の芳香性混合物が、これら成分を混合することにより得られた。
【0111】
応用例4:芳香性付与作用および冷却作用を達成するための、芳香性混合物
【表4】

【0112】
強いペパーミント臭を持つ、強力な冷却作用性の、芳香性ブレンドが、これらの成分を混合することによって得られた。
【0113】
応用例5:ヒリヒリした刺激作用を同時に持つ、冷却作用を達成する、芳香性混合物
【表5】

【0114】
唾液の分泌を刺激し、かつヒリヒリした刺激作用を引起す、強力な冷却作用性の、芳香性ブレンドが、これらの成分を混合することによって得られた。
【0115】
応用例6:練歯磨きにおける芳香性混合物としての使用
【表6】

【0116】
該部分AおよびBの成分を、各場合において独立に、予備混合し、また各場合において十分に、25-30℃にて、30分間に渡り、減圧下で攪拌した。該部分Cを予備混合し、該AおよびBに添加し、次いでDを添加し、得られた該混合物を、25-30℃にて、30分間に渡り、減圧下で攪拌した。該減圧状態から解放した後、該練歯磨きは調えられた状態にあり、これは包装することができた。
この得られた練歯磨きを使用した際には、明らかな冷却作用が確認できた。
【0117】
応用例7:シュガーレスチューインガムにおける冷却活性成分としての使用
【表7】

【0118】
部分A〜Dを、混合し、かつ激しく混練した。得られた粗製混合物を、そのまま使用できるチューインガム、例えば薄いストリップ形状に加工した。
この得られたチューインガムを使用した際には、明らかな冷却作用が確認できた。
【0119】
応用例8:マウスウォッシュにおける冷却活性成分としての使用
【表8】

【0120】
該部分AおよびBの成分を、各場合において独立に混合した。該部分Bは、該混合物が均一になるまで、該部分A中で穏やかに攪拌した。
この得られたマウスウォッシュを使用した際には、明らかな冷却作用が確認できた。
【0121】
応用例9:液状/粘稠コア充填物を含む咽用キャンディー(中詰めハードキャンディー)
【表9】

【0122】
液状/粘稠コアを持つキャンディーは、US 6,432,441号(その実施例1)およびUS 5,458,894号またはUS 5,002,791号に記載されている方法に基いて製造した。該2種の混合物AおよびBを、別々に加工して、該シェル用のベース(混合物A)まコア(混合物B)用のベースを製造した。症状を持つ個人により消費された際に、同時押出法で得た、該充填咽用キャンディーは、咳、咽頭炎および嗄声に対して効果的であった。
【0123】
応用例10:チューインガム
チューインガムベースK2は、以下の成分:28.5%のテルペン樹脂、33.9%のポリ酢酸ビニル(MW=14,000)、16.25%の水添植物油、5.5%のモノ-およびジ-グリセライド、0.5%のポリイソブテン(MW=75,000)、2.0%のブチルゴム(イソブテン/イソプレンコポリマー)、4.6%のアモルファス二酸化ケイ素(含水率約2.5%)、0.05%の酸化防止剤:t-ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、0.2%のレシチン、および8.5%の炭酸カルシウムからなっていた。チューインガムベースK2および目的のチューインガムは、US 6,986,907号と同様な方法で製造した。
【0124】
【表10】

【0125】
処方(I)および(II)の該チューインガムは、ストリップ状に成型し、また処方(III)の該チューインガムは、ペレット状に成型した。
得られたこれらのチューインガムを使用した際には、明らかな冷却作用を確認することができた。
【0126】
応用例11:調節消費するためのゼラチンカプセル
【表11】

【0127】
アロマXは、以下のような組成をもつものである(各場合における値は、質量%単位である):0.1%のネオテーム粉末、0.05%のアスパルテーム、29.3%のペパーミントアルベンシス(arvensis)油、29.3%のペパーミントピペリタ(piperita)油ウイラメット(Willamette)、2.97%のスクラロース、2.28%のトリアセチン、5.4%のジエチルタルタレート、12.1%のペパーミント油ヤキマ(yakima)、0.7%のエタノール、3.36%の2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、3.0%の2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、5.77%のD-リモネン、5.67%のL-メンチルアセテート。
直接消費するのに適したゼラチンカプセルI、II、IIIは、WO 2004/050069号に従って製造し、また各場合において、該カプセルは5mmなる径を有し、コア材料対シェル材料の比は、90:10であった。各場合における該カプセルは、10秒未満以内に口内部で解放され、50秒未満以内に完全に溶解した。このようにして製造した該ゼラチンカプセルを咀嚼し、かつ消費した際には、明らかな冷却作用が確認された。
【0128】
応用例12:咀嚼可能なキャンディー
【表12】

【0129】
製造上の指示:
a) 水中で、70℃にて2時間、ゼラチンを膨潤させる(ゼラチンの量の1.8倍);
b) 砂糖、シロップ、水、脂肪およびレシチンを123℃にて煮沸する;
c) ゼラチン溶液と該煮沸したバッチとを、穏やかに混合する;
d) 実施例2由来の芳香性ブレンド中で攪拌し、場合により着色する;
e) 得られた塊状物を、冷却台上で、放置して約70℃とし、次いでフォンダンを添加し、またプリング(潰し)装置で、約3分間通気する;
f) 次いで、該咀嚼性キャンディー塊を、裁断し、かつ包装する。
該咀嚼性キャンディーを消費した場合、その咀嚼中に、爽やかな、冷たいラズベリー風味を知覚した。
【0130】
応用例13:押出物
【表13】

製造上の指示(WO 03/092412をも参照のこと)。
【0131】
すべての成分を混合し、一点分配により押出機内に搬送した。押出温度は100〜120℃なる範囲とし、比エネルギー入力は0.2kWh/kgであった。1mmの孔を備えた、該押出機のダイプレートから出てくるストランドを、該ダイを出た直後に、径約1mmの粒子に、回転ブレードによって細断した。
【0132】
応用例14:流動床顆粒
44質量%の水、8質量%のレモン香料、3質量%の応用例4の香料混合物、13質量%のアラビアガム、および32質量%の加水分解デンプン(マルトデキストリンDE 15-19)および少量の緑色染料からなる溶液を、EP 163,836号に記載された型の造粒装置(以下の特徴を持つ:分配装置の基盤の径:225mm;噴霧ノズル:2-流体ノズル;空気式篩別排出器:ジグザグ気流式篩別装置;フィルタ:内部バッグ式フィルタ)内で造粒した。該溶液を、温度32℃にて、該流動床造粒装置に噴霧した。該床の内容物は、40kg/hなる量の窒素ガスを吹込むことにより、流動化させた。該排出ガスの温度は、76℃であった。使用した該気流式篩別(分級)ガスは、同様に温度50℃の、15kg/hなる量の窒素ガスであった。該流動床の内容物は、約500gであった。造粒出力は、約2.5kg/hであった。自由流動性の顆粒が得られ、平均粒径360μmを有していた。これらの顆粒は球形であり、また平滑な表面を有していた。該フィルタの一定の圧力降下および同様に一定の床含有率に基いて、定常状態の条件は、該造粒工程に関して有効であると考えることはできる。
【0133】
応用例15:ルーイボス(rooibos)または紅茶および応用例13の押出物または応用例14の顆粒を含むティーバッグ
各800gのレッドブッシュ(red bush)茶(ルーイボス茶)を、一つの場合においては33gの応用例13の押出物と、一つの場合においては30gの応用例14の顆粒と混合し、小分けし、次いで包装して、ティーバッグとした。各800gの紅茶(葉のグレード:吹き分けしたもの)を、一つの場合においては33gの応用例13の押出物と、一つの場合においては30gの応用例14の顆粒と混合し、小分けし、次いで包装して、ティーバッグとした。
【0134】
該応用例において見出された効果は、場合により、当業者が簡単に行うことのできる改良手段によって、関連する製品群、即ち特に練歯磨き、チューインガム、マウスウォッシュ、咽用キャンディー、ゼラチンカプセル、咀嚼性キャンディー、およびバッグ形状の紅茶に与えることも可能である。当業者には、場合により僅かな変更を加えて、本発明の化合物並びに混合物が、多大な努力なしに、交換可能であることが、即座に明らかになるであろう。このことは、応用例における製品において使用した本発明の化合物が、本発明の他の化合物または混合物を表すものと考える必要があることを意味する。本発明に従って使用した該化合物または混合物の濃度は、当業者には容易に明らかとなる方法で、変更することができる。その上、特定の応用例における、更なる製品-特異的成分は、当業者にとっては、同様に容易に、更なる典型的な製品の成分によって置換しまたは補充することができる。多数のこのような製品-特異的成分は、上記の説明において開示されている。
【0135】
応用例16:フッ化物を含み、また口臭に対して効力を持つ、そのまま使用できるマウスウォッシュ
【表14】

【0136】
応用例17:口臭に対して活性な、ゲル状トゥースクリーム
【表15】

アロマZ:オイゲノールアセテート、β-ホモシクロシトラール、イソオイゲノールメチルエーテル、ファルネソール(50:1:30:10 (wt/wt))。
【0137】
応用例18:口臭に対する効能を持つ、抗-歯垢性トゥースクリーム
【表16】

【0138】
応用例19:知覚過敏歯用のトゥースクリーム
【表17】

【0139】
応用例20:非-スティック型チューインガム
チューインガムベースK1は、2.0%のブチルゴム(イソブテン/イソプレンコポリマー;MW=400,000)、4.0%のポリイソブテン(MW=43,800)、43.5%のポリビニルアセテート(MW=12,000)、31.5%のポリビニルアセテート(MW=47,000)、6.75%のトリアセチンおよび10.25%の炭酸カルシウムからなっていた。該チューインガムベースK1および該チューインガムは、US 5,601,858号と同様な方法で製造することができる。
【0140】
【表18】

【0141】
応用例21:冷却作用を達成するための香料混合物
【表19】

【0142】
ブロック(I)および(II)を構成する上記2種の冷却活性成分を、チューインガム、シュガーレスチューインガム、トゥースクリーム、トゥースゲルおよびマウスウォッシュ濃縮物に、0.30質量%、0.50質量%および0.70質量%なる添加割合で、配合した。
【0143】
応用例22:2成分式製品としてのトゥースクリームおよびマウスウォッシュ
【表20】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 以下の式(I)で表される化合物、または(b) 以下の式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 以下の式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物:
【化1】

ここで、各場合において、以下の定義が当てはまる:
Bは、以下に列挙する基から選択される炭化水素残基を意味し:
【化2】

該残基において、破線は、該炭化水素残基Bを、前記式(I)における隣接酸素原子と接続する結合を示し、
Xは、NR1R2またはSR3を意味し、ここで各場合において相互に独立に、
NR1R2における基R1およびR2、SR3における基R3は、水素原子および炭素原子数1〜12の有機残基からなる群から選択され、
場合により、NR1R2における基R1およびR2は、それぞれ一つの水素原子を除く形で共有結合により互いに結合して環を形成していてもよく、
また、前記(a)の場合における、前記式(I)の化合物、および前記(b)の場合における、式(I)で表される少なくとも一つの化合物は、以下に列挙するものからなる群から選択される化合物ではないことを条件とする:
【化3】

【請求項2】
前記(a)の場合の該化合物、または前記(b)または(c)の場合における、前記混合物の少なくとも一つの該化合物が、前記式(I)で表される化合物からなる群から選択され、ここでは、以下の条件が適用され:
Xは、NR1R2またはSR3を意味し、ここで各場合において相互に独立に、
NR1R2における基R1およびR2、SR3における基R3は、水素原子および1〜12個の炭素原子をもちかつ3個以下のヘテロ原子を任意にもつ有機残基からなる群から選択され、前記へテロ原子は各場合において相互に独立にN、SおよびOからなる群から選択されまた、場合により存在する、OおよびSからなる群から選択されるヘテロ原子は、この群の他のヘテロ原子とは共有結合しておらず、
Cに結合した水素原子の幾つかは、場合によりフッ素原子で置換されており、
場合により存在する置換基全てを含めて各有機残基は、C原子として、N、SおよびOからなる群から選択される更なるヘテロ原子を含まず、かつ置換または無置換のC1-C10アルキル基、C1-C10ヘテロアルキル基、C2-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C4-C10シクロアルキルアルキル基、C2-C10アルケニル基、C3-C10シクロアルケニル基、C4-C10シクロアルケニルアルキル基、C2-C10アルキニル基、C5-C10シクロアルキルアルキニル基、C3-C10アリール基、C2-C10ヘテロアリール基、C4-C10アリールアルキル基、C8-C10シクロアルキルアリール基、C8-C10シクロアルケニルアリール基、C5-C10シクロアルキルヘテロアリール基、C8-C10ヘテロシクロアルキルアリール基、C8-C10ヘテロシクロアルケニルアリール基、C8-C10ヘテロシクロアルケニルヘテロアリール基、およびC3-C10ヘテロアリールアルキル基からなる群から選択され、
および好ましくは置換または無置換のC1-C8アルキル基、C2-C8ヘテロアルキル基、C1-C8ヘテロシクロアルキル基、C3-C8シクロアルキル基、C4-C8シクロアルキルアルキル基、C2-C8アルケニル基、C3-C8シクロアルケニル基、C4-C8シクロアルケニルアルキル基、C3-C6アリール基、C2-C6ヘテロアリール基、C4-C8アリールアルキル基からなる群から選択され、
場合により、NR1R2における基R1およびR2は、それぞれ一つの水素原子を除く形で共有結合により互いに結合して環を形成していてもよく、
請求項1記載の(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物。
【請求項3】
(a)の場合の前記化合物、または(b)または(c)の場合における、前記混合物の少なくとも一つの該化合物が、前記式(I)で表される化合物からなる群から選択され、
以下の条件が適用される:
XはNHR1を意味し;ここでR1は、請求項1または2に記載した意味を持つ、
請求項1または2に記載の(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物。
【請求項4】
(a)の場合の前記化合物、または(b)または(c)の場合における、前記混合物の少なくとも一つの該化合物が、前記式(I)で表される化合物からなる群から選択され、ここで以下の条件が適用される:
Bは、以下に列挙するものからなる基から選択される炭化水素残基を意味する:
【化4】

請求項1〜3の何れか1項に記載の(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物。
【請求項5】
(a)の場合の前記化合物、または(b)または(c)の場合における、前記混合物の少なくとも一つの前記化合物が、前記式(I)で表される化合物からなる群から選択され、ここで以下の条件が適用される:
Bは、以下に列挙する基から選択される炭化水素残基を意味する:
L-メンチル、D-メンチルまたはrac-メンチル基
請求項1〜4の何れか1項に記載の(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物。
【請求項6】
(a)の場合の前記化合物、または(b)または(c)の場合における、前記混合物の少なくとも一つの前記化合物が、前記式(I)で表される化合物からなる群から選択され、ここで場合により存在する残基R1、R2、R3の、前記場合により存在する置換基が、相互に独立に以下に列挙するものからなる群から選択され:
C1-C5アルキル基、C3-C8シクロアルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、プロピニル基、C1-C4パーフルオロアルキル基、ヒドロキシル基、C1-C8アルコキシ基、C3-C8シクロアルコキシ基、C1-C4アシル基、C1-C4アルコキシカルボニル基、C1-C4アシルオキシ基、またはC2-C7ヘテロアルキル基、
また、好ましくは以下に列挙するものからなる群から選択される:
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、エテニル、プロペニル、エチニル、プロピニル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、C3シクロアルコキシ、C5シクロアルコキシ、C6シクロアルコキシ、C8シクロアルコキシ、-[-O-CH2-CH2-]v-Qまたは-[-O-CH2-CHMe-]v-Q(ここで、Qは、OHまたはCH3であり、またvは1または2を表すことができる)、アセチル、CO2Me、CO2Et、CO2iso-Pro、CO2tert-Bu、アセチルオキシ、
請求項1〜5の何れか1項に記載の(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物。
【請求項7】
(a)の場合の前記化合物、または(b)または(c)の場合における、前記混合物の少なくとも一つの前記化合物が、前記式(I)で表される化合物からなる群から選択され、ここで前記基NR1R2の前記残基R1およびR2は、各場合において一つの水素原子を除いて一緒に共有結合し、かつ多くとも7-員の環を形成し、また好ましくはピペリジニルおよびモルホリニル基からなる群から選択される、基NR1R2を形成する、
請求項1〜6の何れか1項に記載の(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物。
【請求項8】
(a)の場合の前記化合物、または(b)または(c)の場合における、前記混合物の少なくとも一つの前記化合物が、前記式(I)で表される化合物からなる群から選択され、ここで以下の条件が適用される:
Bは、L-メンチル、D-メンチルまたはrac-メンチル基からなる群から選択される、炭化水素残基を意味し、
XはNR1R2を意味し、ここで各場合において相互に独立に、
該残基R1およびR2は、水素原子および1〜12個の炭素原子をもちかつ3個以下のヘテロ原子を任意にもつ有機残基からなる群から選択され、前記へテロ原子は各場合において相互に独立にN、SおよびOからなる群から選択され、また、場合により存在する、OおよびSからなる群から選択されるヘテロ原子は、この群の他のヘテロ原子とは共有結合しておらず、
Cに結合した水素原子の幾つかは、場合によりフッ素原子で置換されており、
場合により存在する置換基全てをふくめて各有機残基は、C原子として、N、SおよびOからなる群から選択される、更なるヘテロ原子を含まず、かつ置換または無置換のC1-C4アルキル基、C2-C5ヘテロアルキル基、C3-C6シクロアルキル基、C3-C6アリール基、C2-C6ヘテロアリール基、C4-C8アリールアルキル基からなる群から選択され、
場合により、NR1R2における基R1およびR2は、それぞれ一つの水素原子を除く形で共有結合により互いに結合して環を形成していてもよく、前記環は、多くとも7員の環であり、
ここで、場合により存在する残基R1、R2およびR3の、場合により存在する該置換基は、相互に独立に以下に列挙するものからなる群から選択される:
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、エテニル、プロペニル、エチニル、プロピニル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、C3シクロアルコキシ、C5シクロアルコキシ、C6シクロアルコキシ、C8シクロアルコキシ、-[-O-CH2-CH2-]v-Qまたは-[-O-CH2-CHMe-]v-Q(ここで、Qは、OHまたはCH3であり、またvは1または2を表すことができる)、アセチル、CO2Me、CO2Et、CO2iso-Pro、CO2tert-Bu、アセチルオキシ、
請求項1〜7の何れか1項に記載の(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物。
【請求項9】
(a)の場合の前記化合物、または(b)または(c)の場合における、前記混合物の少なくとも一つの前記化合物が、以下に列挙する化合物からなる群から選択される:
メンチルオキサメート;メンチルN-メチルオキサメート;メンチルN,N-ジメチルオキサメート;メンチルN-エチルオキサメート;メンチルN,N-ジエチルオキサメート;メンチルN-プロピルオキサメート;メンチルN,N-ジプロピルオキサメート;メンチルN-イソプロピルオキサメート;メンチルN,N-ジイソプロピルオキサメート;メンチルN-シクロプロピルオキサメート;メンチルN-ブチルオキサメート;モルホリン-4-イル-オキソ-酢酸(1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシルエステル;メンチルN-(2-メトキシエチル)オキサメート;メンチルN-(3-メトキシプロパノール)オキサメート;メンチルN-(2-ヒドロキシエチル)オキサメート;メンチルN-(3-ヒドロキシプロピル)オキサメート、
請求項1〜8の何れか1項に記載の(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物。
【請求項10】
(a)の場合の前記化合物、または(b)または(c)の場合における、前記混合物の少なくとも一つの前記化合物が、以下に列挙する化合物からなる群から選択される:
L-メンチルN-メチルオキサメート、D-メンチルN-メチルオキサメート、rac-メンチルN-メチルオキサメート、L-メンチルN-エチルオキサメート、D-メンチルN-エチルオキサメート、rac-メンチルN-エチルオキサメート、
請求項1〜9の何れか1項に記載の(a) 前記式(I)で表される化合物、または(b) 前記式(I)で表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 前記式(I)で表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物。
【請求項11】
以下に列挙するものからなる、またはこれらを含む:
(1) 1,2またはそれ以上の前記式(I)の化合物、および
(2) 生理的冷却作用を持つ1またはそれ以上の更なる物質、ここで該更なる物質、または該更なる物質の1種、数種または全ては、(i) 味覚作用を生じるか、あるいは(ii) 味覚作用を何ら生じない、および/または
(3) 生理的冷却作用を持たない、1種またはそれ以上の芳香性物質、および/または
(4) 三叉神経作用または催涎性作用をもつ、生理的冷却作用を持たない、1またはそれ以上の物質、
請求項1〜10の何れか1項に記載の混合物(b)。
【請求項12】
前記成分(2)における、味覚作用をもたない、生理的冷却作用を有する、1種またはそれ以上の更なる物質;および/または
前記成分(3)における、1種またはそれ以上の生理的な冷却作用を持たない、芳香性物質;および/または
相互に独立に、または共同して付加的に、風味調節作用および/または三叉神経および/または催涎性刺激作用を引起す、1種またはそれ以上の化合物を含む、請求項11記載の混合物。
【請求項13】
栄養補給または爽快感を味わうために消費され、あるいは口腔衛生または薬学的もしくは化粧学的製剤を得るために使用される調剤であって、皮膚および/または粘膜に生理的冷却作用を達成するのに十分な量の、以下の成分:
(i) 請求項1〜10の何れか1項に記載の化合物または混合物;または
(ii) 請求項11または12記載の混合物;
を含むことを特徴とする、前記調剤。
【請求項14】
(a) 以下の式Iで表される化合物、または(b) 以下の式Iで表される化合物の一種、二種またはそれ以上を含む混合物、または(c) 以下の式Iで表される化合物の二種またはそれ以上からなる混合物:
【化5】

ここで、各場合において、以下の定義が適用される:
Bは、以下に列挙する基から選択される炭化水素残基を意味し:
【化6】

該残基において、破線は、該炭化水素残基Bを、前記式(I)における隣接酸素原子と接続する結合を示し、
XはNR1R2またはSR3を意味し、ここで各場合において相互に独立に、
NR1R2における基R1およびR2、SR3における基R3は、水素原子および炭素原子数1〜12の有機残基からなる群から選択され、
該有機基は、置換または無置換のアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アルキニル、シクロアルキルアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアリール、シクロアルケニルアリール、シクロアルキルヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルアリール、ヘテロシクロアルケニルアリール、ヘテロシクロアルケニルヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキル、
場合により、NR1R2における基R1およびR2は、それぞれ一つの水素原子を除く形で共有結合により互いに結合して環を形成していてもよく、
前記化合物または混合物を、
(i) 治療目的以外に、皮膚または粘膜に冷却作用を及ぼすための、または
(ii) 医薬を製造するための、
使用。
【請求項15】
前記製造すべき医薬が、咳、風邪、口腔、鼻、喉の症状、または咽頭の炎症、咽喉炎または嗄声を根絶または軽減するように機能する、請求項14記載の使用。
【請求項16】
皮膚および/または粘膜に生理的冷却作用を及ぼすための、治療的または非-治療的方法であって、該方法が、以下の工程:
該皮膚および/または粘膜に、
(1) 請求項1〜10の何れか1項に記載の化合物または混合物;または
(2) 請求項11または12の何れかに記載の混合物;または
(3) 請求項13記載の調剤、
を、生理的冷却作用を達成するのに十分な量で適用する工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項17】
以下の諸工程:
(1) 以下の式で表される混合シュウ酸エステルを製造する工程:
【化7】

ここで、Raは、アルキル基、好ましくはC1-C4アルキル基を意味し、または
以下の式で表されるシュウ酸ハライド:
【化8】

ここで、Halはハロゲン原子を意味する、
を製造する工程;
(2) アミン:HNR1R2またはチオール:HSR3またはその対応する塩を製造する工程;
(3) これらの準備された化合物を、請求項1〜10の何れか1項に記載の化合物が得られるように、相互に反応させる工程、
を含むことを特徴とする、請求項1〜10の何れか1項に記載の化合物の製造方法。

【公開番号】特開2009−173628(P2009−173628A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−238643(P2008−238643)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(503236223)シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト (51)
【Fターム(参考)】