説明

ショートメッセージサービスシステム、ゲートウェイ機能を有するノード、ルーティング機能を有するノード、および、SMSメッセージ転送方法

【課題】送信側の通信事業者に受信側の通信事業者が保有する詳細な情報を供与することなく、受信側の通信事業者が保有するグループ情報を利用して、送信側から受信側に対しショートメッセージサービスによる同報通信を行うことを可能にする。
【解決手段】送信側がSMSメッセージを送るときのあて先である受信側が特定のあて先であるときには、同報配信方法を指定する配信方法指定情報(グループIDに対応する同報配信方法)をGMSC220からSMS-Router120に供給し、SMS-Router120が、該配信方法指定情報に基づいて、各配信方法と端末装置グループとの対応関係を表す受信側ユーザ端末装置データのテーブルを参照して、同報配信のあて先を判定し、あて先である各受信側ユーザ端末装置にSMSメッセージを配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショートメッセージサービス(SMS:Short Message Service)を異なる通信事業者が運営する網との間で実現するショートメッセージサービスシステム、ゲートウェイ機能を有するノード、ルーティング機能を有するノード、および、SMSメッセージ転送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複数の異なる通信事業者間でのショートメッセージサービスの実施においては、送信側の通信事業者が受信側の通信事業者が保有するユーザ情報を有効に活用できるような環境は整っていない。これは、受信者のユーザプロファイルは受信側の通信事業者で保護しなくてはならないため、送信側の通信事業者にユーザ情報の詳細まで不用意に供与することはできないという事情にも起因している。
【0003】
従来、一般的には、送信側の通信事業者が受信側端末装置に関する情報として予め知ることができるのは在圏情報、ショートメッセージサービスへの対応の可否、および、受信側端末装置が加入している通信事業者等に限られる。即ち、送信側の通信事業者が受信側端末装置に関する情報の問合せに信号 SRI for SM(Send Routing Information)を発し、これへの応答として取得されるのは、在圏情報、国番号、事業者番号に限られ、それ以上の情報を得る方途は無かった。
【0004】
このように、受信側の通信事業者が保有するユーザ情報を有効に活用できない状況下では、送信側から受信側に対しショートメッセージサービスによる同報通信を行いたい場合などにおいては、これを実現できず、ユーザにとっては甚だ不便な状況を呈している。
尚、予め設定したグループに属する受信側端末装置に対し、ショートメッセージサービスによる同報通信を可能にするシステムは既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1には、ショートメッセージサービスのテキストメッセージングおよび複数のショートメッセージサービスベースのコマンドを使用してグループ通信を容易にするシステムおよび方法が提案されている。この提案では、通信サーバが、メッセージを分析することにより受信側グループを判別し、ショートメッセージを該当するグループのメンバーにリアルタイムで同報通信することが開示されている。この場合、グループはユーザによって定義することができるとされているが、必ずしもユーザの定義によらないデフォルトグループを決めておく方法を採ってもよい旨説明されている。
【0006】
また、第1の通信システムから第2の別の携帯システムに、ショートメッセージサービスに係る情報をマップする装置及び方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に開示の技術では、予め「マッパ」なる他網のノードとの間の通信を可能にするプロトコルデータを用意しておき、該「マッパ」にて対応可能な限りで他網との間でショートメッセージサービスを可能にしている。
更にまた、移動体通信加入者グループを定義しておき、こられグループの各メンバーにグループ識別子を割り当て、グループの各メンバーを確立されたサービスにリンクさせるという提案がある(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3には、当該サービスとしてショートメッセージサービスを含めることができる旨記述されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−278146号公報
【特許文献2】特表2006−512789号公報
【特許文献3】特表2001−517044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上掲の何れの特許文献にも、送信側の通信事業者に受信側の通信事業者が保有する詳細な情報を供与することなく、送信側から受信側に対しショートメッセージサービスによる通信を可能にしようとする技術課題の認識がなく、従って、そのための方途も提案されていない。
本発明は上述のような状況に鑑みてなされたものであり、送信側の通信事業者に受信側の通信事業者が保有する詳細な情報を供与することなく、受信側の通信事業者が保有する該当する詳細な情報を利用して、送信側ユーザ端末装置から一定の条件を充足する特定の受信側端末装置に対しショートメッセージサービスによる通信を行うことを可能にしたショートメッセージサービスシステム、ゲートウェイ機能を有するノード、ルーティング機能を有するノード、および、SMSメッセージ転送方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本願では、次に列挙するような技術を提案する。
尚、本明細書および対応する特許請求の範囲における「ルーティング情報」の語は、宛て先へのルーティングに関する情報である。そして、この語を例示的に言えば、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)および在圏情報等、移動体通信におけるルーティングを実現するための該当する所要のパラメータである。従って、当業者にて明らかな通り、ルーティングの処理過程に応じたパラメータとしての種別と、該当するタイミング等に応じて、種々の具体的値ないし事象を表す。
【0010】
(1)送信側ユーザ端末装置から発信され送信側通信事業者網におけるSMSC(ショートメッセージサービスセンター)に保持されたSMSメッセージを受信側通信事業者網における受信側ユーザ端末装置に向けて転送することを可能にする機能を有し前記送信側通信事業者網に設けられたゲートウェイ機能を有するノードと、
前記ゲートウェイ機能を有するノードから前記受信側通信事業者網におけるHLRに向けて発されるルーティング問合せ信号に対応するIMSIを含む加入者に係る情報および在圏情報等のルーティング情報を前記HLRから取得し、該取得した前記ルーティング情報に対応付けて既定様式の識別子を割当て、該割当てた識別子および前記ルーティング情報を前記ゲートウェイ機能を有するノードに供給し、該供給に応じて前記ゲートウェイ機能を有するノードから返される識別子および前記ルーティング情報を伴った前記SMSメッセージを受信し、該受信したSMSメッセージを該当する受信側ユーザ端末装置に配信することを可能にする機能を有し前記受信側通信事業者網に設けられたルーティング機能を有するノードと、
を含んで構成されたショートメッセージサービスシステムであって、
前記ゲートウェイ機能を有するノードは、前記ルーティング機能を有するノードから前記識別子が供給されると、その識別子の所定部分に配信方法を指定する配信方法コードを設定して前記識別子の一態様である指示用識別子を形成し、該形成した指示用識別子を前記ルーティング情報を伴う前記SMSメッセージに付帯させて前記ルーティング機能を有するノードに供給するように構成され、
前記ルーティング機能を有するノードは、前記指示用識別子に含まれた前記配信方法コードによって指定された各配信方法にそれぞれ対応する各受信側ユーザ端末装置を表す受信側ユーザ端末装置データを前記HLRから取得する受信側ユーザ端末装置データ取得部と、前記ゲートウェイ機能を有するノードから供給された前記指示用識別子に含まれた前記配信方法コードによって指定された配信方法に対応する各受信側ユーザ端末装置を前記受信側ユーザ端末装置データ取得部によって取得された前記受信側ユーザ端末装置データを参照して判定し、該判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置に前記SMSメッセージを配信するように構成されていることを特徴とするショートメッセージサービスシステム。
【0011】
上記(1)のショートメッセージサービスシステムでは、前記ゲートウェイ機能を有するノードから、SMSメッセージを受けた前記ルーティング機能を有するノードは、そのSMSメッセージに伴うルーティング情報に付帯した指示用識別子から、前記受信側ユーザ端末装置データを参照して、受信側ユーザ端末装置のグループを判定し、該判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置に前記SMSメッセージを配信する。
【0012】
(2)前記ゲートウェイ機能を有するノードは、
前記受信側通信事業者網におけるHLR、および、受信側通信事業者網における前記ルーティング機能を有するノードを含む関連ノードとの通信を行う通信部と、
前記通信部を通して前記ルーティング機能を有するノードから前記識別子が供給されると、該供給された識別子の所定部分に配信方法を指定する配信方法コードを設定して前記識別子の一態様である指示用識別子を形成する指示用識別子形成処理部と、
前記指示用識別子形成処理部で形成された指示用識別子を前記ルーティング情報を伴う前記SMSメッセージに付帯させて前記ルーティング機能を有するノードに供給するSMSメッセージ供給部と、
を備えていることを特徴とする(1)のショートメッセージサービスシステム。
【0013】
上記(2)のショートメッセージサービスシステムでは、(1)のショートメッセージサービスシステムにおいて特に、前記ゲートウェイ機能を有するノードは、前記ルーティング機能を有するノードから前記識別子が供給されると、該供給された識別子の所定部分に配信方法を指定する配信方法コードを含む態様の識別子である指示用識別子を形成して、これをSMSメッセージに付帯させて前記ルーティング機能を有するノードに供給する。
【0014】
(3)前記ルーティング機能を有するノードは、
前記指示用識別子に含まれた前記配信方法コードによって指定された各配信方法にそれぞれ対応する各受信側ユーザ端末装置を表す受信側ユーザ端末装置データを前記HLRから取得する受信側ユーザ端末装置データ取得部と、
前記受信側通信事業者網におけるHLR、および、送信側通信事業者網における前記ゲートウェイ機能を有するノードを含む関連ノードとの通信を行う通信部と、
前記通信部を通して前記ゲートウェイ機能を有するノードから供給された前記指示用識別子に含まれた前記配信方法コードによって指定された配信方法に対応する各受信側ユーザ端末装置を前記受信側ユーザ端末装置データ取得部によって取得された受信側ユーザ端末装置データに依拠して判定する受信側ユーザ端末装置判定部と、
前記通信部を通して前記ゲートウェイ機能を有するノードから供給された前記SMSメッセージを前記通信部を通して前記受信側ユーザ端末装置判定部で判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置に配信する配信処理部と、
を備えていることを特徴とする(1)のショートメッセージサービスシステム。
【0015】
上記(3)のショートメッセージサービスシステムでは、(1)のショートメッセージサービスシステムにおいて特に、前記ルーティング機能を有するノードは、前記ゲートウェイ機能を有するノードから供給されたSMSメッセージに伴うルーティング情報に付帯した指示用識別子から、前記受信側ユーザ端末装置データを参照して、受信側ユーザ端末装置のグループを判定し、該判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置に前記SMSメッセージを配信する。
【0016】
(4)送信側ユーザ端末装置から発信され送信側通信事業者網におけるSMSC(ショートメッセージサービスセンター)に保持されたSMSメッセージを受信側通信事業者網における受信側ユーザ端末装置に向けて転送することを可能にする機能を有し前記送信側通信事業者網に設けられたゲートウェイ機能を有するノードと、
前記ゲートウェイ機能を有するノードから前記受信側通信事業者網におけるHLRに向けて発されるルーティング問合せ信号に対応するIMSIを含む加入者に係る情報および在圏情報等のルーティング情報を前記HLRから取得し、該取得した前記ルーティング情報に対応付けて既定様式の識別子を割当て、該割当てた識別子および前記ルーティング情報を前記ゲートウェイ機能を有するノードに供給し、該供給に応じて前記ゲートウェイ機能を有するノードから返される識別子および前記ルーティング情報を伴った前記SMSメッセージを受信し、該受信したSMSメッセージを該当する受信側ユーザ端末装置に配信することを可能にする機能を有し前記受信側通信事業者網に設けられたルーティング機能を有するノードと、
を含んで構成されたショートメッセージサービスシステムに適合するゲートウェイ機能を有するノードであって、
前記受信側通信事業者網におけるHLR、および、受信側通信事業者網における前記ルーティング機能を有するノードを含む関連ノードとの通信を行う通信部と、
前記通信部を通して前記ルーティング機能を有するノードから前記識別子が供給されると、その識別子の所定部分に配信方法を指定する配信方法コードを設定して前記識別子の一態様である指示用識別子を形成する指示用識別子形成処理部と、
前記指示用識別子形成処理部で形成された指示用識別子を前記ルーティング情報を伴う前記SMSメッセージに付帯させて前記ルーティング機能を有するノードに供給するSMSメッセージ供給部と、
を備えていることを特徴とするゲートウェイ機能を有するノード。
【0017】
(4)のゲートウェイ機能を有するノードは、前記ルーティング機能を有するノードから前記識別子が供給されると、その識別子の所定部分に配信方法を指定する配信方法コードを設定して前記識別子の一態様である指示用識別子を形成して、これをSMSメッセージに付帯させて前記ルーティング機能を有するノードに供給する。
【0018】
(5)前記指示用識別子形成処理部は、前記既定様式の識別子としての3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)において規定されたSMS Home Routingの仕様の一つであるCorrelation-IDの部分を構成するSender IDにおいて前記配信方法コードを表記することによって前記指示用識別子を形成することを特徴とする(4)のゲートウェイ機能を有するノード。
上記(5)のゲートウェイ機能を有するノードは、(4)のゲートウェイ機能を有するノードにおいて特に、3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)において規定されたSMS Home Routingの仕様の一つであるCorrelation-IDの部分を構成するSender IDとして適合する識別子を形成する。
【0019】
(6)3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)において規定されたGMSC(Gateway Mobile Switching Centre)として構成されていることを特徴とする(4)のゲートウェイ機能を有するノード。
上記(6)のゲートウェイ機能を有するノードは、(4)のゲートウェイ機能を有するノードにおいて特に、3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)において規定されたGMSCとして機能する。
【0020】
(7)送信側ユーザ端末装置から発信され送信側通信事業者網におけるSMSC(ショートメッセージサービスセンター)に保持されたSMSメッセージを受信側通信事業者網における受信側ユーザ端末装置に向けて転送することを可能にする機能を有し前記送信側通信事業者網に設けられたゲートウェイ機能を有するノードと、
前記ゲートウェイ機能を有するノードから前記受信側通信事業者網におけるHLRに向けて発されるルーティング問合せ信号に対応するIMSIを含む加入者に係る情報および在圏情報等のルーティング情報を前記HLRから取得し、該取得した前記ルーティング情報に対応付けて既定様式の識別子を割当て、該割当てた識別子および前記ルーティング情報を前記ゲートウェイ機能を有するノードに供給し、該供給に応じて前記ゲートウェイ機能を有するノードから返される識別子および前記ルーティング情報を伴った前記SMSメッセージを受信し、該受信したSMSメッセージを該当する受信側ユーザ端末装置に配信することを可能にする機能を有し前記受信側通信事業者網に設けられたルーティング機能を有するノードと、
を含んで構成されたショートメッセージサービスシステムに適合するルーティング機能を有するノードであって、
前記識別子の所定部分に配信方法を指定する配信方法コードを含む態様の指示用識別子における前記配信方法コードによって指定された各配信方法にそれぞれ対応する各受信側ユーザ端末装置を表す受信側ユーザ端末装置データを前記HLRから取得する受信側ユーザ端末装置データ取得部と、
前記受信側通信事業者網におけるHLR、および、送信側通信事業者網における前記ゲートウェイ機能を有するノードを含む関連ノードとの通信を行う通信部と、
前記通信部を通して前記ゲートウェイ機能を有するノードから供給された前記指示用識別子に含まれた前記配信方法コードによって指定された配信方法に対応する各受信側ユーザ端末装置を前記受信側ユーザ端末装置データ取得部によって取得された受信側ユーザ端末装置データに依拠して判定する受信側ユーザ端末装置判定部と、
前記通信部を通して前記ゲートウェイ機能を有するノードから供給された前記SMSメッセージを前記通信部を通して前記受信側ユーザ端末装置判定部で判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置に配信する配信処理部と、
を備えていることを特徴とするルーティング機能を有するノード。
【0021】
上記(7)のルーティング機能を有するノードは、前記ゲートウェイ機能を有するノードから供給されたSMSメッセージに伴うルーティング情報に付帯した指示用識別子から、前記受信側ユーザ端末装置データを参照して、受信側ユーザ端末装置のグループを判定し、該判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置に前記SMSメッセージを配信する。
【0022】
(8)前記通信部を通して前記ゲートウェイ機能を有するノードに対し前記配信方法を指定する情報を要求する配信方法指定情報要求部を更に備えたことを特徴とする(7)のルーティング機能を有するノード。
上記(8)のルーティング機能を有するノードは、(7)のルーティング機能を有するノードにおいて特に、前記ゲートウェイ機能を有するノードに対し配信方法指定情報要求部によって配信方法を指定する情報を前記ゲートウェイ機能を有するノードに要求する。
【0023】
(9)前記受信側ユーザ端末装置データ取得部は、前記配信方法コードと、これによって特定される各配信方法、および、該各配信方法に対応する受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置のMSISDNまたはIMSIが対応付けられたデータとして前記受信側ユーザ端末装置データを取得することを特徴とする(7)のルーティング機能を有するノード。
上記(9)のルーティング機能を有するノードは、(7)のルーティング機能を有するノードにおいて特に、取得された前記受信側ユーザ端末装置データに依拠して、受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置へのSMSメッセージの配信を実行する。
【0024】
(10)送信側ユーザ端末装置から発信され送信側通信事業者網におけるSMSC(ショートメッセージサービスセンター)に保持されたSMSメッセージを受信側通信事業者網における受信側ユーザ端末装置に向けて転送することを可能にする機能を有し前記送信側通信事業者網に設けられたゲートウェイ機能を有するノードと、
前記ゲートウェイ機能を有するノードから前記受信側通信事業者網におけるHLRに向けて発されるルーティング問合せ信号に対応するIMSIを含む加入者に係る情報および在圏情報等のルーティング情報を前記HLRから取得し、該取得した前記ルーティング情報に対応付けて既定様式の識別子を割当て、該割当てた識別子および前記ルーティング情報を前記ゲートウェイ機能を有するノードに供給し、該供給に応じて前記ゲートウェイ機能を有するノードから返される識別子および前記ルーティング情報を伴った前記SMSメッセージを受信し、該受信したSMSメッセージを該当する受信側ユーザ端末装置に配信することを可能にする機能を有し前記受信側通信事業者網に設けられたルーティング機能を有するノードと、
を含んで構成されたショートメッセージサービスシステムにおけるSMSメッセージ転送方法であって、
前記ゲートウェイ機能を有するノードによって、前記ルーティング機能を有するノードから供給された識別子の所定部分に配信方法を指定する配信方法コードを設定して前記識別子の一態様である指示用識別子を形成し、該形成した指示用識別子を前記ルーティング情報を伴う前記SMSメッセージに付帯させて前記ルーティング機能を有するノードに供給する配信方法指定ステップと、
前記ルーティング機能を有するノードによって、前記ゲートウェイ機能を有するノードから供給された前記指示用識別子に含まれた前記配信方法コードによって指定された配信方法に対応する各受信側ユーザ端末装置を、自ノードに備えられた各配信方法と受信側ユーザ端末装置のグループとの対応関係を表す受信側ユーザ端末装置データに依拠して判定する受信側ユーザ端末装置グループ判定ステップと、
前記受信側ユーザ端末装置グループ判定ステップで判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置に前記SMSメッセージを配信するSMSメッセージ配信ステップと、
を含むことを特徴とするSMSメッセージ転送方法。
上記(10)のSMSメッセージ転送方法では、送信側の通信事業者に受信側の通信事業者が保有する詳細な情報を供与することなく、受信側の通信事業者が保有するグループ情報を利用して、送信側から受信側に対しショートメッセージサービスによる同報通信が可能である。
【0025】
(11)送信側通信事業者網におけるSMSC(ショートメッセージサービスセンター)に保持されたSMSメッセージを前記送信側通信事業者網におけるゲートウェイ機能を有するノードから受信側通信事業者網におけるルーティング機能を有するノードを経て受信側ユーザ端末装置に転送するSMSメッセージ転送方法であって、
前記受信側ユーザ端末装置に係る配信方法を指定する配信方法指定情報を前記ゲートウェイ機能を有するノードから前記ルーティング機能を有するノードに供給する配信方法指定ステップと、
前記ルーティング機能を有するノードによって、前記配信方法指定ステップで供給された前記配信方法指定情報に基づいて、各配信方法と受信側ユーザ端末装置のグループとの対応関係を表す受信側ユーザ端末装置データを参照して、当該配信方法に対応する各受信側ユーザ端末装置を判定する受信側ユーザ端末装置グループ判定ステップと、
前記受信側ユーザ端末装置グループ判定ステップで判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置に前記SMSメッセージを配信するSMSメッセージ配信ステップと、
を含むことを特徴とするSMSメッセージ転送方法。
【0026】
上記(11)のSMSメッセージ転送方法では、送信側の通信事業者に受信側の通信事業者が保有する詳細な情報を供与することなく、受信側の通信事業者が保有するグループ情報を利用して、送信側から受信側に対しショートメッセージサービスによる同報通信が可能である。
【発明の効果】
【0027】
送信側の通信事業者に受信側の通信事業者が保有する詳細な情報を供与することなく、受信側の通信事業者が保有する該当する詳細な情報を利用して、送信側ユーザ端末装置から一定の条件を充足する特定の受信側端末装置に対しショートメッセージサービスによる通信を行うことを可能にしたショートメッセージサービスシステム、ゲートウェイ機能を有するノード、ルーティング機能を有するノード、および、SMSメッセージ転送方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一つの実施の形態としてのショートメッセージサービスシステムを表す機能ブロック図である。
【図2】図1のショートメッセージサービスシステムにおいて適用される識別子の様式を例示する概念図である。
【図3】本発明の一つの実施の形態としてのルーティング機能を有するノードを例示する概念図である。
【図4】本発明の一つの実施の形態としてのゲートウェイ機能を有するノードを例示する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述することにより、本発明を明らかにする。
(システムの構成の概要)
図1は、本発明の一つの実施の形態としてのショートメッセージサービスシステムを表す機能ブロック図である。
図1では、受信側の通信事業者が運営するネットワークをホーム網100とし、送信側の通信事業者が運営するネットワークを他網(図1では「送信側網」と表記)200とし、上記以外の第三者が運営するネットワークを第三者網300とする視点で各網を区分して表記している。
尚、送信側の通信事業者および受信側の通信事業者は、何れもHome Routing対応事業者であるものと仮定している。
【0030】
また、ホーム網100、他網200、および、第三者網300は三者において同様の各機能を有するノードおよびサーバを含んで構成され得るが、図1では、他網200からホーム網100にSMSメッセージを送るに際して説明されるべきノードおよびサーバに関して限定的に表記している。
ホーム網100には、HLR(Home Location Register)110、ルーティング機能を有するノード(以下、SMS-Router)120、および、交換・パケット伝送機能ノード(MSC/SGSN)130が設置され、このMSC/SGSN130から受信側ユーザ端末装置140にSMSメッセージが伝送される。
【0031】
他網200、には、ショートメッセージサービスセンター(SMSC)210、ゲートウェイ機能を有するノード(以下、GMSC)220、および、HLR230が設置され、GMSC220がホーム網100のHLR110およびSMS-Router120と通信を行う。
第三者網300にもMSC/SGSN310が設置されている。そして、このMSC/SGSN310から受信側ユーザ端末装置320にSMSメッセージが伝送される。
(システムにおけるSMSメッセージの伝送手順)
他網200における図示しない送信側ユーザ端末装置から発信されたSMSメッセージはSMSC210に一旦保持される。
【0032】
SMSC210は、上述のように一旦保持されたSMSメッセージを受信側ユーザ端末装置140に向けて送信するべくGMSC220に送信指令を発する……P1:MT。
SMSC210から上記P1での送信指令を受けたGMSC220は、ホーム網100のHLR110に向けてMSISDNによって受信側ユーザ端末装置を特定してルーティング問合せ信号(以下、SRI for SM)を発する……P2:SRI for SM(MSISDN)。
【0033】
上記P2での(SRI for SM)を受けたHLR110は受信側ユーザ端末装置が帰属する通信事業者がHome Routing対応事業者であることを確認した上、上記P2で受けた情報をSMS-Router120に転送する……P3:SRI for SM(MSISDN)。
上記P3でのSRI for SM(MSISDN)の転送を受けたSMS-Router120は、HLR110に向けてMSISDNによって受信側ユーザ端末装置を特定してルーティング問合せ信号(以下、SRI for SM)を発し、これに対するHLR110からの応答(SRI for SM.ack)として受信側ユーザ端末装置に係るIMSI(International Mobile Subscriber Identity)および在圏情報等のこの種の通信における該当する所要の情報であるルーティング情報を取得する。そして、取得したルーティング情報を一時的に記憶部に保持する……P4:SRI for SM(MSISDN)⇒SRI for SM.ack。
【0034】
上記P4でルーティング情報を得たSMS-Router120は、Home Routingにおける既定様式の識別子(以下、Correlation-ID)をP4で取得したルーティング情報に対応付けて割当て(図1では特に、Correlation-ID1-aと表記)、該割当てたCorrelation-ID1-aが付帯したルーティング情報をGMSC220に供給する。またこれと共に、GMSC220に対し、配信方法を指定する情報を要求する…………P5:SRI for SM.ack( Correlation-ID1-a)。
ここに、Correlation-IDとは、受信側ユーザ端末装置の網(ホーム網100)にSMS-Routerが設置されている場合に限り使用される識別子であり、SMSメッセージの転送信号と直前の問い合わせ信号とを対応付けるために用いられる。
【0035】
図2は、このような識別子であるCorrelation-IDの様式を示す概念図である。
図示のように、全体で15digits(桁)のうち、冒頭の3digitsが所属する国を表すMCC(Mobile Country Code)、これに続く3digitsが所属する通信事業者を表すMNC(Mobile Netwok Code)、そして、それ以降の9digitsが個々のユーザ(加入者)を表すSender IDである。
【0036】
Sender IDには任意の値を付与することが許容される。本発明の実施の形態では、この点に着目してSender IDとして割り当てられた9digitsにおける冒頭部に、例えば、既定の受信側ユーザ端末装置グループに向けて同報配信する旨の配信方法を表すグループコード(Group IDと表記された配信方法コード)を含む形態の指示用識別子を定義している。
上述のような指示用識別子であるGroup IDと同報配信処理の態様との対応関係を表すデータテーブルが図1における左下に例示されている。
【0037】
この例では、グループコードID1が家族メンバー宛のショートメッセージサービス同報配信処理(図1では、家族メンバー宛SMSと表記)であり、ID2が友達メンバー宛のショートメッセージサービス同報配信処理(図1では、友達メンバー宛SMSと表記)であり、ID3が会社担当内宛のショートメッセージサービス同報配信処理(図1では、会社担当内宛SMSと表記)であり、ID4が学級宛のショートメッセージサービス同報配信処理(図1では、学級宛SMSと表記)である。
【0038】
上記P5でCorrelation-IDが付帯したルーティング情報を受けたGMSC220では、上述のような指示用識別子であるGroup IDと同報配信処理の態様との対応関係を表すデータテーブルに基づいて、Correlation-IDの所定部分に配信方法を指定する配信方法コード設定して前記識別子の一態様である指示用識別子(図1では特に、Correlation-ID1-bと表記)を形成し、該形成した指示用識別子をルーティング情報を伴うSMSメッセージに付帯させてSMS-Router120に供給する……P6:MT for SM (Correlation-ID1-b)。
【0039】
SMS-Router120は、上記P6で受けた変換SMSメッセージを該当するグループの各受信側ユーザ端末装置に同報配信する。
この同報配信を実行する際には、SMS-Router120が、配信対象とすべき各受信側ユーザ端末装置を判定する必要がある。そして、この判定は、上記P6で受信された指示用識別子に含まれている配信方法コードとHLR110に予め保持され所定のタイミングでSMS-Router120に供給される受信側ユーザ端末装置データとの照合に基づいてなされる。
【0040】
即ち、HLR110は、指示用識別子に含まれた配信方法コードによって指定された各配信方法にそれぞれ対応する各受信側ユーザ端末装置を表す受信側ユーザ端末装置データを保有している。図1の右上に、この受信側ユーザ端末装置データの内容がテーブル形式で例示されている。
この例では、配信方法コードとしてのID1が、家族メンバー宛のショートメッセージサービス同報配信処理を指定するものであり、各個の配信対象者の電話番号がこの配信対象のメンバーリストの欄に記載のものである。同様に、ID2が友達メンバー宛のショートメッセージサービス同報配信処理を指定するものであり、各個の配信対象者の電話番号がこの配信対象のメンバーリストの欄に記載のものである。
【0041】
そして、SMS-Router120は、既述の指示用識別子を受けた後の(P6)所定のタイミングでHLR110に上記受信側ユーザ端末装置データに関する問い合わせを行い、これへの返答として、HLR110が保有している受信側ユーザ端末装置の状況を表すデータのうちから該当する受信側ユーザ端末装置データを個別に取得する……P7:SRI for SM(MSISDN)⇒SRI for SM.ack。
SMS-Router120は、上述のようにして取得した、各個の該当する受信側ユーザ端末装置の情報に依拠して、配信対象とすべき各受信側ユーザ端末装置を判定する……P8(前段):MT(IMSI) 。
【0042】
そして、SMS-Router120は、このようにして判定された配信対象とすべき各受信側ユーザ端末装置に対して、上記P6で受けた変換SMSメッセージを同報配信する。
尚、SMS-Router120から各該当する受信側ユーザ端末装置への配信に際しては、Correlation-IDではなく、上記P4で取得し記憶部に保持してある正規のIMSIによってこの配信を行う。また、この配信は、第三者網300に在圏している受信側ユーザ端末装置に対しても、そのMSC/SGSN310を通して行うことができる……P8(後段):MT(IMSI)。
【0043】
SMS-Router120は、上記P8での配信が完了すると、完了の旨の応答をGMSC220に返す。そして、記憶部に一時的に保持していたルーティング情報を消去する……P9:MT for SM.ack。
上述における指示用識別子は、既述のような同報配信する旨の配信方法を示すグループコードを含む態様に限られるものではない。
即ち、送信側では個々の詳細な具体的状態ないし属性までは認識し得ない状態を維持しつつ、相対的に上位階層の概念によって、配信対象とされる一または複数の受信側ユーザ端末装置を概括的に特定するグループコードを含む態様を採り得る。
【0044】
例えば、送信側では受信側ユーザ端末装置の個々の詳細な在圏情報までは認識し得ない状態を維持しつつも、関東に在圏の場合にSMSを送信する、関西に在圏の場合にSMSを送信する、或いは、特定の都道府県に在圏の場合にSMSを送信するといった形で、受信側ユーザ端末装置が国内在圏のものであることをSMSを送信する一つの条件とする一方、国外へのローミングアウトについてはこれらと区分して扱うといった条件を課して概括的に配信方法を特定する場合がこの態様に該当する(図1における左下に例示されているデータテーブルではグループID5〜グループID6として、関東に在圏の場合および関西に在圏の場合について略記)。
【0045】
そして、この態様の場合においては、既述の指示用識別子を受けた後の(P6)所定のタイミングでHLR110に上記受信側ユーザ端末装置データに関する問い合わせを行い、これへの返答として、HLR110が保有している受信側ユーザ端末装置の状況を表すデータのうちから該当する受信側ユーザ端末装置データを個別に取得する(図1右上のテーブルでは、グループID5「関東に在圏」およびグループID6「関西に在圏」に対応して、それぞれ、「横浜在圏の端末装置、横須賀在圏の端末装置」および「大阪在圏の端末装置、寝屋川在圏の端末装置」が該当する例が表記されている)。
【0046】
以上、グループID5〜グループID6に関して例示した態様では、受信側端末装置の真の(具体的な)在圏情報は送信側に対して秘匿された状態が維持される一方で、送信側から概括的に配信方法を特定することができる。
更にまた、図1の左下および右上に略記の各テーブルにけるグループID7〜グループID8の態様は、受信側端末装置に係る個々の具体的契約情報(性別、世代層、住居、等々であり、図示のものは「世代」に着目した場合である)は送信側に対して秘匿したままで、送信側から概括的に配信方法を特定することができる。図示の場合では、「実年世代」が契約する受信側端末装置には配信せず、「その他世代」に該当する21歳の世代の加入者が契約する受信側端末装置に配信する方法が特定されることになる。
【0047】
(実施の形態としてのSMSメッセージ転送方法の一態様)
以上、P1からP9までの処理過程(その特定の部分)は、次のようなSMSメッセージ転送方法の発明の一態様を成すものである。
(一態様としてのSMSメッセージ転送方法が実行されるシステム)
先ず、このSMSメッセージ転送方法は、GMSC220とSMS-Router120とを含んで構成されたショートメッセージサービスシステムにおけるSMSメッセージ転送方法である。そして、GMSC220とSMS-Router120とは、次のようなノードであるということを前提としている。
即ち、GMSC220は、送信側ユーザ端末装置から発信され送信側通信事業者網200におけるSMSC210に保持されたSMSメッセージを受信側通信事業者網(ホーム網)100における受信側ユーザ端末装置に向けて転送することを可能にする機能を有し送信側通信事業者網200に設けられているノードである。
【0048】
また、SMS-Router120は、GMSC220から受信側通信事業者網100におけるHLR110に向けて発されるSRI for SM(P2)に対応するIMSIを含む加入者に係る情報および在圏情報等のルーティング情報をHLR110から取得し(P3,P4)、該取得したルーティング情報に対応付けてCorrelation-IDを割当て、該割当てたCorrelation-IDが付帯したルーティング情報をGMSC220に供給し(P5)、該供給に応じてGMSC220から返されるCorrelation-IDが付帯したルーティング情報を伴ったSMSメッセージを受信し(P6)、該受信したSMSメッセージを、HLR110から取得した該当する受信側ユーザ端末装置の情報(P7)に依拠して認識される受信側ユーザ端末装置に配信する(P8)ことを可能にする機能を有し受信側通信事業者網100に設けられているノードである。
【0049】
(配信方法指定ステップ)
そして、GMSC220による処理過程P6は、次のような配信方法指定ステップとして概括される。
即ち、処理過程P5でSMS-Router120からCorrelation-IDが付帯したルーティング情報が供給されると、そのCorrelation-IDの所定部分に配信方法を指定する配信方法コード(グループID)設定して識別子の一態様である指示用識別子を形成し、該形成した指示用識別子をルーティング情報を伴うSMSメッセージに付帯させてSMS-Router120に供給するステップである。
【0050】
(受信側ユーザ端末装置グループ判定ステップ)
また、SMS-Router120による処理過程P7−P8(その前段部)は、次のような受信側ユーザ端末装置グループ判定ステップとして概括される。即ち、GMSC220から供給された指示用識別子に含まれた配信方法コードによって指定された配信方法に対応する受信側ユーザ端末装置を、HLR110から取得した該当する受信側ユーザ端末装置の情報(P7)に依拠して判定するステップである。
(SMSメッセージ配信ステップ)
そして、SMS-Router120による処理過程P8(その後段部)は、次のようなSMSメッセージ配信ステップとして概括される。即ち、受信側ユーザ端末装置グループ判定ステップP8(前段)で判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置にSMSメッセージを配信するステップである。
【0051】
(SMSメッセージ転送方法に関する他の態様)
上述の処理過程P6およびP7では、処理過程P6において配信方法を表すグループIDの情報がGMSC220からSMS-Router120に供給され、そのグループIDに対応する配信方法がSMS-Router120においてHLR110から取得した該当する受信側ユーザ端末装置の情報(P7)に依拠して認識される場合について説明した。そして、このような配信方法を表すグループIDを伴うSMSメッセージのデータがGMSC220からSMS-Router120に供給される手順が一層確実に実行されるようにショートメッセージサービスシステムを構築することも可能である。
【0052】
即ち、SMS-Router120側からGMSC220側に配信方法を表す情報を要求するようにショートメッセージサービスプロトコルを設定する。そして、このようなショートメッセージサービスプロトコルに基づいて、GMSC220側から配信方法を表す情報をSMS-Router120側に供給し、SMS-Router120側では該供給された配信方法を表す情報に基づいてユーザの所望するところによく適合した配信を行うことを可能にする。
【0053】
(SMSメッセージ転送方法の技術思想の敷衍)
更にまた、P1からP8までの処理を敷衍すれば、次のような技術思想であるということができる。
送信側通信事業者網(200)におけるSMSC(ショートメッセージサービスセンター210)に保持されたSMSメッセージを送信側通信事業者網(200)におけるゲートウェイ機能を有するノード(GMSC220)から受信側通信事業者網(100)におけるルーティング機能を有するノード(SMS-Router120)を経て受信側ユーザ端末装置に転送するSMSメッセージ転送方法であって、
受信側ユーザ端末装置に係る配信方法を指定する配信方法指定情報をゲートウェイ機能を有するノード(GMSC220)からルーティング機能を有するノード(SMS-Router120)に供給する配信方法指定ステップ(P6)と、
ノード(SMS-Router120)によって、配信方法指定ステップ(P6)で供給された配信方法指定情報に基づいて、各配信方法と受信側ユーザ端末装置のグループとの対応関係を表す受信側ユーザ端末装置データをHLR110から取得した該当する受信側ユーザ端末装置の情報(P7)に依拠して、当該配信方法に対応する各受信側ユーザ端末装置を判定する受信側ユーザ端末装置グループ判定ステップ(P8の前段)と、
受信側ユーザ端末装置グループ判定ステップ(P7の前段)で判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置にSMSメッセージを配信するSMSメッセージ配信ステップ(P7の後段)と、
を含むことを特徴とするSMSメッセージ転送方法。
上述のようなSMSメッセージ転送方法によれば、送信側の通信事業者に受信側の通信事業者が保有する詳細な情報を供与することなく、受信側の通信事業者が保有するグループ情報を利用して、送信側から受信側に対しショートメッセージサービスによる同報通信を行うことが可能になる。
【0054】
(本発明のSMSメッセージ転送方法が利用される具体的場面)
次に、本発明のSMSメッセージ転送方法が活用される具体的場面について例示する。
(1)一つの例は、学級連絡網で利用する場合である。
ここでは、送信側ユーザが運動会の実行委員長であり、受信側のユーザが学級担任の先生であるといった状況を想定している。この場合、両ユーザの用いるユーザ端末装置は異なる通信事業者の所管する網に帰属しているという前提である。
上述のような条件下で、本発明のSMSメッセージ転送方法を実行する場合を想定する。この場合、受信側の網におけるSMS-Router120には、配信方法コードとしてのIDによって特定される学級に関し、学級担任の先生のみが把握する学級のメンバーの電話番号が登録されている。
【0055】
送信側ユーザである運動会の実行委員長が、既述のような同報通信を指定する特定の操作を伴ってSMSメッセージを発信すると、運動会の実行委員長の属する送信側の網では学級担任の先生のみが把握する学級のメンバーに関する情報を要さずして、専ら受信側の網(そのSMS-Router120)が保有する状態に基づいて、該当する学級のメンバー夫々にSMSメッセージの同報通信が行われる。
即ち、異なる通信事業者の所管する網(送信側の網)に自網(受信側の網)が保有するグループメンバーの情報を提供せず個人情報に係るセキュリティが維持されたままで、目的とするSMSメッセージの同報通信という便宜が提供されることになる。尚、本発明の実施の形態では、上述におけるグループメンバーは、自網に属するメンバーのみならず、SMSの相互接続契約が締結されている他の事業者の管理下にあるメンバーをも含むように設定可能である。
【0056】
(2)次の例は、会社間の連絡網で利用する場合である。
ここでは、送信側ユーザがアメリカ本社のディレクタであり、受信側のユーザが日本支社の営業部長であるといった状況を想定している。この場合も、両ユーザの用いるユーザ端末装置は異なる通信事業者の所管する網に帰属している。
上述のような条件下で、本発明のSMSメッセージ転送方法を実行する場合を想定する。この場合、受信側の網におけるSMS-Router120には、配信方法コードとしてのIDによって特定される日本支社の営業部長のみが把握する営業部に所属する各メンバーの電話番号が登録されている。
そして、送信側ユーザであるアメリカ本社のディレクタが、緊急連絡として、営業部の各メンバーに直接SMSメッセージを配信することを意図したとする。
【0057】
このような場合には、アメリカ本社のディレクタが、既述のような同報通信を指定する特定の指示を伴ってSMSメッセージを日本支社の営業部長宛に発信する。
このような発信操作を行うと、アメリカ本社のディレクタが属する送信側の網では、日本支社の営業部に所属する各メンバーに関する情報を要さずして、専ら受信側の網(そのSMS-Router120)が保有する状態基づいて、該当する営業部に所属する各メンバー夫々にSMSメッセージの同報通信が行われる。
即ち、学級連絡網の場合と同様に、異なる通信事業者の所管する網(送信側の網)に自網(受信側の網)が保有するグループメンバーの情報を提供せず個人情報に係るセキュリティが維持されたままで、目的とするSMSメッセージの同報通信という便宜が提供されることになる。
【0058】
(ルーティング機能を有するノード(SMS-Router)の構成)
次に、図3を参照して、SMS-Router120の構成について説明する。
図3は本発明の一つの実施の形態としてのルーティング機能を有するノード(SMS-Router)を例示する概念図である。
このSMS-Router120は、基本的に、既述の図1のショートメッセージサービスシステムに適合する。そして、SMS-Router120は、受信側ユーザ端末装置データ取得部121、通信部122、受信側ユーザ端末装置判定部123、配信処理部124、記憶部125、および、ルーティング情報供給および配信方法指定情報要求部(以下、情報供給および要求部)126を含んで構成される。
【0059】
受信側ユーザ端末装置データ取得部121は、既述の指示用識別子に含まれた配信方法コードによって指定された各配信方法にそれぞれ対応する各受信側ユーザ端末装置を表す受信側ユーザ端末装置データをHLR110から取得する。即ち、既述の指示用識別子を受けた後の(P6)所定のタイミングでHLR110に上記受信側ユーザ端末装置データに関する問い合わせを行い、これへの返答として、HLR110が保有している受信側ユーザ端末装置の状況を表すデータのうちから該当する受信側ユーザ端末装置データを個別に取得する。
【0060】
通信部122は、受信側通信事業者網100におけるHLR、および、送信側通信事業者網200におけるGMSC220を含む関連ノードとの通信を行う。
受信側ユーザ端末装置判定部123は、通信部122を通してGMSC220から供給された既述の指示用識別子に含まれた配信方法コードによって指定された配信方法に対応する各受信側ユーザ端末装置を受信側ユーザ端末装置データ取得部121によって取得された受信側ユーザ端末装置データに依拠して判定する。
【0061】
尚、指示用識別子については、図2を参照して、Correlation-IDの部分を構成するSender IDにおいてグループコードを表記することによって指示用識別子が形成される旨上述した通りである。
配信処理部124は、通信部122を通してGMSC220から供給されたSMSメッセージを通信部122を通して受信側ユーザ端末装置判定部123で判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置に配信する。
記憶部125は、上述の処理過程P4で、HLR110から取得したルーティング情報を一時的に保持する。
【0062】
また、情報供給および要求部126は、上述の処理過程P5で、GMSC220に対し、ルーティング情報を供給すると共に、配信方法を指定する情報を通信部122を通して要求する。そして、この要求に対する返答として上述の配信方法コードが含まれた指示用識別子を伴うメッセージが返される。即ち、情報供給および要求部126は、ルーティング情報を供給する機能部であると共に、GMSC220に対し配信方法を指定する情報を要求する配信方法指定情報要求部として機能する。
上述の様なSMS-Router120は、3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)において規定されたSMS Home Routingの仕様であるSMS-Routerとして適合するように構成され得る。
【0063】
(ゲートウェイ機能を有するノード(GMSC)の構成)
次に、図4を参照して、GMSC220の構成について説明する。
図4は本発明の一つの実施の形態としてのゲートウェイ機能を有するノード(GMSC)を例示する概念図である。
このGMSC220は、基本的に、既述の図1のショートメッセージサービスシステムに適合する。そして、通信部221、指示用識別子形成処理部222、および、SMSメッセージ供給部223を含んで構成される。
通信部221は、受信側通信事業者網100におけるHLR110、および、受信側通信事業者網100におけるSMS-Router120を含む関連ノードとの通信を行う。
【0064】
指示用識別子形成処理部222は、SMS-Router120から識別子が供給されると、該供給された識別子の所定部分に配信方法を指定する配信方法コードを設定して識別子の一態様である指示用識別子を形成する。
SMSメッセージ供給部223は、指示用識別子形成処理部222で形成された指示用識別子を既述のルーティング情報を伴うSMSメッセージに付帯させてSMS-Router120に供給する。
そして、上述のようなGMSC220は、3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)において規定されたGMSC(Gateway Mobile Switching Centre)として構成され得る。
【0065】
(送信側ユーザにより同報通信する相手先を指定する方法)
既述のような同報通信における相手先を指定する方法は、例えば、次のような入力操作の形態を採り得る。
即ち、一つの例では、SMSメッセージを送信するに際して、特定のプレフィックス番号を電話番号の前に付ける操作を行うという形態である。具体的には、
「*9102*090xxxxxxxx」のような各桁を順次入力する操作であり、この場合には、冒頭の「*91」がサービスの種別を表す入力桁であり、例えば、同報通信の指示に該当する。また、続く「02」が既述のグループIDを表す入力桁である。
【0066】
また、他の例では、Webサービスを利用して、SMSメッセージ送信に際して予め送信先のグループ情報を取得可能なインターフェースを設ける。送信側ユーザは、上述のようにして予め取得した送信先のグループ情報を保持し、任意に応じて利用する。また、上記のインターフェースを利用してグループ情報に係るプロファイルの設定を行い得るようにしてもよい。
更に、他の例では、予め送信側ユーザのプロファイルに情報を登録しておき、特定の送信先に向けて発信するに際しては、特定のグループIDを指定して発信するようにする。
【符号の説明】
【0067】
100………………ホーム網
110………………HLR(Home Location Register)
120………………ルーティング機能を有するノード(SMS-Router)
121………………受信側ユーザ端末装置データ取得部
122………………通信部
123………………受信側ユーザ端末装置判定部
124………………配信処理部
125………………記憶部
126………………情報供給および要求部
130………………交換・パケット伝送機能ノード(MSC/SGSN)
140………………受信側ユーザ端末装置
200………………他網(送信側網)
210………………ショートメッセージサービスセンター(SMSC)
220………………ゲートウェイ機能を有するノード(GMSC)
221………………通信部
222………………指示用識別子形成処理部
223………………SMSメッセージ供給部
230………………HLR
300………………第三者網
310………………交換・パケット伝送機能ノードMSC/SGSN
320………………受信側ユーザ端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信側ユーザ端末装置から発信され送信側通信事業者網におけるSMSC(ショートメッセージサービスセンター)に保持されたSMSメッセージを受信側通信事業者網における受信側ユーザ端末装置に向けて転送することを可能にする機能を有し前記送信側通信事業者網に設けられたゲートウェイ機能を有するノードと、
前記ゲートウェイ機能を有するノードから前記受信側通信事業者網におけるHLRに向けて発されるルーティング問合せ信号に対応するIMSIを含む加入者に係る情報および在圏情報等のルーティング情報を前記HLRから取得し、該取得した前記ルーティング情報に対応付けて既定様式の識別子を割当て、該割当てた識別子および前記ルーティング情報を前記ゲートウェイ機能を有するノードに供給し、該供給に応じて前記ゲートウェイ機能を有するノードから返される識別子および前記ルーティング情報を伴った前記SMSメッセージを受信し、該受信したSMSメッセージを該当する受信側ユーザ端末装置に配信することを可能にする機能を有し前記受信側通信事業者網に設けられたルーティング機能を有するノードと、
を含んで構成されたショートメッセージサービスシステムであって、
前記ゲートウェイ機能を有するノードは、前記ルーティング機能を有するノードから前記識別子が供給されると、その識別子の所定部分に配信方法を指定する配信方法コードを設定して前記識別子の一態様である指示用識別子を形成し、該形成した指示用識別子を前記ルーティング情報を伴う前記SMSメッセージに付帯させて前記ルーティング機能を有するノードに供給するように構成され、
前記ルーティング機能を有するノードは、前記指示用識別子に含まれた前記配信方法コードによって指定された各配信方法にそれぞれ対応する各受信側ユーザ端末装置を表す受信側ユーザ端末装置データを前記HLRから取得する受信側ユーザ端末装置データ取得部と、前記ゲートウェイ機能を有するノードから供給された前記指示用識別子に含まれた前記配信方法コードによって指定された配信方法に対応する各受信側ユーザ端末装置を、前記受信側ユーザ端末装置データ取得部によって取得された前記受信側ユーザ端末装置データを参照して判定し、該判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置に前記SMSメッセージを配信するように構成されていることを特徴とするショートメッセージサービスシステム。
【請求項2】
前記ゲートウェイ機能を有するノードは、
前記受信側通信事業者網におけるHLR、および、受信側通信事業者網における前記ルーティング機能を有するノードを含む関連ノードとの通信を行う通信部と、
前記通信部を通して前記ルーティング機能を有するノードから前記識別子が供給されると、該供給された識別子の所定部分に配信方法を指定する配信方法コードを設定して前記識別子の一態様である指示用識別子を形成する指示用識別子形成処理部と、
前記指示用識別子形成処理部で形成された指示用識別子を前記ルーティング情報を伴う前記SMSメッセージに付帯させて前記ルーティング機能を有するノードに供給するSMSメッセージ供給部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のショートメッセージサービスシステム。
【請求項3】
前記ルーティング機能を有するノードは、
前記指示用識別子に含まれた前記配信方法コードによって指定された各配信方法にそれぞれ対応する各受信側ユーザ端末装置を表す受信側ユーザ端末装置データを前記HLRから取得する受信側ユーザ端末装置データ取得部と、
前記受信側通信事業者網におけるHLR、および、送信側通信事業者網における前記ゲートウェイ機能を有するノードを含む関連ノードとの通信を行う通信部と、
前記通信部を通して前記ゲートウェイ機能を有するノードから供給された前記指示用識別子に含まれた前記配信方法コードによって指定された配信方法に対応する各受信側ユーザ端末装置を前記受信側ユーザ端末装置データ取得部によって取得された受信側ユーザ端末装置データに依拠して判定する受信側ユーザ端末装置判定部と、
前記通信部を通して前記ゲートウェイ機能を有するノードから供給された前記SMSメッセージを前記通信部を通して前記受信側ユーザ端末装置判定部で判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置に配信する配信処理部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のショートメッセージサービスシステム。
【請求項4】
送信側ユーザ端末装置から発信され送信側通信事業者網におけるSMSC(ショートメッセージサービスセンター)に保持されたSMSメッセージを受信側通信事業者網における受信側ユーザ端末装置に向けて転送することを可能にする機能を有し前記送信側通信事業者網に設けられたゲートウェイ機能を有するノードと、
前記ゲートウェイ機能を有するノードから前記受信側通信事業者網におけるHLRに向けて発されるルーティング問合せ信号に対応するIMSIを含む加入者に係る情報および在圏情報等のルーティング情報を前記HLRから取得し、該取得した前記ルーティング情報に対応付けて既定様式の識別子を割当て、該割当てた識別子および前記ルーティング情報を前記ゲートウェイ機能を有するノードに供給し、該供給に応じて前記ゲートウェイ機能を有するノードから返される識別子および前記ルーティング情報を伴った前記SMSメッセージを受信し、該受信したSMSメッセージを該当する受信側ユーザ端末装置に配信することを可能にする機能を有し前記受信側通信事業者網に設けられたルーティング機能を有するノードと、
を含んで構成されたショートメッセージサービスシステムに適合するゲートウェイ機能を有するノードであって、
前記受信側通信事業者網におけるHLR、および、受信側通信事業者網における前記ルーティング機能を有するノードを含む関連ノードとの通信を行う通信部と、
前記通信部を通して前記ルーティング機能を有するノードから前記識別子が供給されると、その識別子の所定部分に配信方法を指定する配信方法コードを設定して前記識別子の一態様である指示用識別子を形成する指示用識別子形成処理部と、
前記指示用識別子形成処理部で形成された指示用識別子を前記ルーティング情報を伴う前記SMSメッセージに付帯させて前記ルーティング機能を有するノードに供給するSMSメッセージ供給部と、
を備えていることを特徴とするゲートウェイ機能を有するノード。
【請求項5】
前記指示用識別子形成処理部は、前記既定様式の識別子としての3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)において規定されたSMS Home Routingの仕様の一つであるCorrelation-IDの部分を構成するSender IDにおいて前記配信方法コードを表記することによって前記指示用識別子を形成することを特徴とする請求項4に記載のゲートウェイ機能を有するノード。
【請求項6】
3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)において規定されたGMSC(Gateway Mobile Switching Centre)として構成されていることを特徴とする請求項4に記載のゲートウェイ機能を有するノード。
【請求項7】
送信側ユーザ端末装置から発信され送信側通信事業者網におけるSMSC(ショートメッセージサービスセンター)に保持されたSMSメッセージを受信側通信事業者網における受信側ユーザ端末装置に向けて転送することを可能にする機能を有し前記送信側通信事業者網に設けられたゲートウェイ機能を有するノードと、
前記ゲートウェイ機能を有するノードから前記受信側通信事業者網におけるHLRに向けて発されるルーティング問合せ信号に対応するIMSIを含む加入者に係る情報および在圏情報等のルーティング情報を前記HLRから取得し、該取得した前記ルーティング情報に対応付けて既定様式の識別子を割当て、該割当てた識別子および前記ルーティング情報を前記ゲートウェイ機能を有するノードに供給し、該供給に応じて前記ゲートウェイ機能を有するノードから返される識別子および前記ルーティング情報を伴った前記SMSメッセージを受信し、該受信したSMSメッセージを該当する受信側ユーザ端末装置に配信することを可能にする機能を有し前記受信側通信事業者網に設けられたルーティング機能を有するノードと、
を含んで構成されたショートメッセージサービスシステムに適合するルーティング機能を有するノードであって、
前記識別子の所定部分に配信方法を指定する配信方法コードを含む態様の指示用識別子における前記配信方法コードによって指定された各配信方法にそれぞれ対応する各受信側ユーザ端末装置を表す受信側ユーザ端末装置データを前記HLRから取得する受信側ユーザ端末装置データ取得部と、
前記受信側通信事業者網におけるHLR、および、送信側通信事業者網における前記ゲートウェイ機能を有するノードを含む関連ノードとの通信を行う通信部と、
前記通信部を通して前記ゲートウェイ機能を有するノードから供給された前記指示用識別子に含まれた前記配信方法コードによって指定された配信方法に対応する各受信側ユーザ端末装置を前記受信側ユーザ端末装置データ取得部によって取得された受信側ユーザ端末装置データに依拠して判定する受信側ユーザ端末装置判定部と、
前記通信部を通して前記ゲートウェイ機能を有するノードから供給された前記SMSメッセージを前記通信部を通して前記受信側ユーザ端末装置判定部で判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置に配信する配信処理部と、
を備えていることを特徴とするルーティング機能を有するノード。
【請求項8】
前記通信部を通して前記ゲートウェイ機能を有するノードに対し前記配信方法を指定する情報を要求する配信方法指定情報要求部を更に備えたことを特徴とする請求項7に記載のルーティング機能を有するノード。
【請求項9】
前記受信側ユーザ端末装置データ取得部は、前記配信方法コードと、これによって特定される各配信方法、および、該各配信方法に対応する受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置のMSISDNまたはIMSIが対応付けられたデータとして前記受信側ユーザ端末装置データを取得することを特徴とする請求項7に記載のルーティング機能を有するノード。
【請求項10】
送信側ユーザ端末装置から発信され送信側通信事業者網におけるSMSC(ショートメッセージサービスセンター)に保持されたSMSメッセージを受信側通信事業者網における受信側ユーザ端末装置に向けて転送することを可能にする機能を有し前記送信側通信事業者網に設けられたゲートウェイ機能を有するノードと、
前記ゲートウェイ機能を有するノードから前記受信側通信事業者網におけるHLRに向けて発されるルーティング問合せ信号に対応するIMSIを含む加入者に係る情報および在圏情報等のルーティング情報を前記HLRから取得し、該取得した前記ルーティング情報に対応付けて既定様式の識別子を割当て、該割当てた識別子および前記ルーティング情報を前記ゲートウェイ機能を有するノードに供給し、該供給に応じて前記ゲートウェイ機能を有するノードから返される識別子および前記ルーティング情報を伴った前記SMSメッセージを受信し、該受信したSMSメッセージを該当する受信側ユーザ端末装置に配信することを可能にする機能を有し前記受信側通信事業者網に設けられたルーティング機能を有するノードと、
を含んで構成されたショートメッセージサービスシステムにおけるSMSメッセージ転送方法であって、
前記ゲートウェイ機能を有するノードによって、前記ルーティング機能を有するノードから供給された識別子の所定部分に配信方法を指定する配信方法コードを設定して前記識別子の一態様である指示用識別子を形成し、該形成した指示用識別子を前記ルーティング情報を伴う前記SMSメッセージに付帯させて前記ルーティング機能を有するノードに供給する配信方法指定ステップと、
前記ルーティング機能を有するノードによって、前記ゲートウェイ機能を有するノードから供給された前記指示用識別子に含まれた前記配信方法コードによって指定された配信方法に対応する各受信側ユーザ端末装置を、自ノードに備えられた各配信方法と受信側ユーザ端末装置のグループとの対応関係を表す受信側ユーザ端末装置データに依拠して判定する受信側ユーザ端末装置グループ判定ステップと、
前記受信側ユーザ端末装置グループ判定ステップで判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置に前記SMSメッセージを配信するSMSメッセージ配信ステップと、
を含むことを特徴とするSMSメッセージ転送方法。
【請求項11】
送信側通信事業者網におけるSMSC(ショートメッセージサービスセンター)に保持されたSMSメッセージを前記送信側通信事業者網におけるゲートウェイ機能を有するノードから受信側通信事業者網におけるルーティング機能を有するノードを経て受信側ユーザ端末装置に転送するSMSメッセージ転送方法であって、
前記受信側ユーザ端末装置に係る配信方法を指定する配信方法指定情報を前記ゲートウェイ機能を有するノードから前記ルーティング機能を有するノードに供給する配信方法指定ステップと、
前記ルーティング機能を有するノードによって、前記配信方法指定ステップで供給された前記配信方法指定情報に基づいて、各配信方法と受信側ユーザ端末装置のグループとの対応関係を表す受信側ユーザ端末装置データを参照して、当該配信方法に対応する各受信側ユーザ端末装置を判定する受信側ユーザ端末装置グループ判定ステップと、
前記受信側ユーザ端末装置グループ判定ステップで判定した受信側ユーザ端末装置に該当する各受信側ユーザ端末装置に前記SMSメッセージを配信するSMSメッセージ配信ステップと、
を含むことを特徴とするSMSメッセージ転送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−109777(P2012−109777A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256775(P2010−256775)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】