説明

シランをベースとする水性塗装系、その製造およびその使用

金属、プラスチック、化学製品、セラミック材料、コンクリートおよびガラスの耐引掻性の疎水性および水性被覆のためのシランをベースとする組成物の製造

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中に分散された、アミノ基を有するシランと二重結合を有する有機酸をベースとする被覆材料に関する。本発明はさらに、該被覆材料の製造および使用に関する。
【0002】
従来技術によれば、溶液以外に、水性塗装系は通常、分散液とエマルションとに分けられ、この場合、分散液という表現は、液体中に微細に分散した固体の凝集状態を表し、他方、エマルションとは、1の液相が第二の液相中に微細に、かつ均一に分散したものであると理解する。いわゆるポリマー分散液は、水中に微細に分散したポリマーであり、これはガラス転移温度もしくは鎖長に応じて粘性の液体から固体である。これらのポリマーを水中に分散させることができるためには、もしくは該ポリマーを水と相容性にするためには、乳化剤を使用する。乳化剤は、親水基と親油基とを有するオリゴマーもしくはポリマーの化合物である。親油性の末端は通常は常に鎖長の長い分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のアルキル鎖である一方、これは親水性の末端がポリアルキルエーテル、カルボキシレート官能基またはアンモニウム塩を含んでいるか否かに依存して、非イオノゲン、アニオノゲンもしくはカチオノゲンの乳化剤系である。原則として乳化剤はその親油基を介してポリマーに強固に結合しているため、該ポリマーは親水基を有しており、水中に分散することができる。これらの乳化剤系は、ポリマー自体が既にカルボキシレート基またはアンモニウム官能基を有しているように変性されていてもよく、これらの官能基は水中での分散のために、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物またはアミンもしくは酸、たとえばギ酸もしくは酢酸と反応することができる。構造に応じてこれらの乳化剤系は、種々の欠点を有している。非イオノゲン乳化剤の場合には、多くの場合、比較的大量が必要であり、そのため被覆は湿分に敏感になる。さらに非イオノゲン乳化剤は表面で拡散し、このことによって該表面はべたつき、中間層の付着が劣る。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物を使用する場合、アニオノゲン乳化剤も湿分に敏感な被覆につながる。アニオノゲン系中でアミンを使用する場合、これらが揮発することによって確かに高い耐水性が得られるものの、他方では、アミンが環境に放出される。カチオノゲン系の場合も同様であり、該系は乾燥の際に通常揮発性の酸、たとえば酢酸もしくは蟻酸を放出する。
【0003】
この点に付いての更なる説明は、"Waessrige Polymerdispersionen − Synthese,Eigenschaften,Anwendungen(水性ポリマー分散液、合成、特性、応用)(Dieter Distler著、Wiley−VCH Weinheim、1999年)に記載されている。
【0004】
市場に提供される製品は、極めて多様であり、たとえばアクリレート、スチレン−アクリレート、ブタジエン−スチレン、ビニリデン−スチレン、ポリウレタン、ビニルアセテート、ビニルアクリレート、ブタジエン−アクリロニトリルおよびエテン−ビニルアセテートをベースとする分散液を含有している。どの分散液をどの適用目的のために使用するかは通常、所望の特性像およびコストの問題である。適用分野は、製紙およびグラフィック産業、塗料およびラッカー産業、接着剤産業、テキスタイルおよびカーペット産業、皮革産業、建築産業、発泡成形体製造のための産業ならびに医学および薬学である。
【0005】
さらに、商品名DYNASYLAN(登録商標)HSもしくはHydrosilの2909,2775、2627、2776および2907でDegussa GmbH社から水性のシラン系として提供されている製品は、シラノール基の存在によって、ヒドロキシル基を有する表面上に極めて良好に引きつけられて、ここに付着する。得られるフィルムは透明度が高いが、しかし残念ながら軟質であり、耐引掻性ではないため、これらの製品をベースとする被覆は完成品の表面上で分離する。相応してこれらのタイプは単に、添加剤として、下塗りとして、定着剤として、ガラス繊維のサイズ剤のために、または鉱物質の表面処理のために推奨することができるのみであった。さらに、これらは安定性の理由から、または作業保護を考慮して、約4のpH値を有する酸性の溶液として提供することができるか、または約11のpH値を有する塩基性の系として提供することができるのみであった。酸性の溶液は上記のとおり、揮発性の酸、たとえばギ酸を含有しており、これは乾燥の際に揮発し、危険物質として放出される。アルカリ性もしくは塩基性の系は再び加水分解して酸性の系よりも早く縮合するので、この部分的な縮合によってオリゴマーが生じる。適用後に、これらは、既に消費された架橋基に基づいて、必要とされる範囲で架橋せず、比較的軟質のフィルムが生じる(EP0716127、EP0716128、EP0832911、EP1101787、WO06/010666、WO05/014741)。
【0006】
課題は、一方では加水分解するものの、他方では低い塩基性によってオリゴマー形成が防止される、シランをベースとするポリマー分散液を開発することである。ポリマー分散液を乾燥する際には揮発性の酸が環境に放出されるべきではない。
【0007】
前記課題は本発明により特許請求の範囲の記載に相応して解決される。
【0008】
つまり前記課題は意外にも、アミノアルコキシシランであって、そのアミノ基が二重結合を有する有機酸と反応し、通常は相応するアンモニウム塩が生じるアミノアルコキシシランを水中に分散させることにより解決することができた。適切なpH値を調整することにより一方では加水分解が行われ、他方ではオリゴマーへの縮合がほぼ防止される。
【0009】
本発明による組成物を支持体上に適用する際に、乾燥工程もしくは被膜形成の前または後で、二重結合を有する有機酸を問題なく架橋することができ、ひいては形成されたシランフィルム中にポリマーとして残留することができる。このことによりシランフィルムは意外にも硬質であり、かつ耐引掻性となる。
【0010】
シランは中性の範囲で最も安定しており、ほとんど加水分解されないが、これに対してアルカリ性のpH値(>8)では、次第に良好に加水分解し、縮合によってオリゴマーおよびポリマーが形成され、酸性のpH値(<4)ではふたたび同様に、加水分解され、更には乾燥の際に揮発性の酸が放出されるという事実に基づいて、本発明による方法は、反応溶液のpH値を4〜7の範囲に適切に調整することができ、かつその際に酸が放出されないという利点を有している。
【0011】
本発明による方法のためには、一般式I
mSiYn (I)
[式中、Aは、置換されているか、もしくは置換されていないアミノアルキル基、置換されているか、もしくは置換されていないジアミノジアルキル基、または置換されているか、もしくは置換されていないトリアミノトリアルキル基を表す]の1もしくは複数のアミノシランまたはアミノアルキルシランを使用する。
【0012】
このようなアミノシランまたはアミノアルキルシランは、たとえば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノ官能性プロピルトリメトキシシラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、N−ベンジル−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン−ヒドロクロリド、N−ベンジル−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン−ヒドロアセテート、N−(n−ブチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−ビニルベンジル−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルポリシロキサンおよびN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランであるが、しかしこれらに限られない。
【0013】
有利なアミノシランまたはアミノアルキルシランは、置換されているか、もしくは置換されていないアミノシラン化合物、特に3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピル−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、2−アミノプロピル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノエチル−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチル−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシランおよびN−(n−ブチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランである。特に有利であるのは、DYNASYLAN(登録商標)AMMO、DYNASYLAN(登録商標)AMEO、DYNASYLAN(登録商標)1505、DYNASYLAN(登録商標)1189、DYNASYLAN(登録商標)DAMOおよびDYNASYLAN(登録商標)TRIAMOである。
【0014】
基Yは、同じであるか、または異なっており、Yは、OH、ONa、OK、OR′、OCOR′、OSiR′3、Cl、Br、IまたはNR′2を表し、
mは、1または2であり、かつnは、1、2または3であり、ただしその際、m+n=4であり、
基R′は、無関係に水素、線状もしくは分枝鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、それぞれ1〜18個の炭素原子を有しており、かつそれぞれ置換されていてもよい。
【0015】
場合により一般式(II)
(R)a(X)bSiYn (II)
[式中、基Rは、無関係に水素、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、かつそれぞれ1〜18個の炭素原子を有しており、置換されていてもよく、
基Xは、同じであるか、または異なっており、Xは、オキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、シリル基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基、シロキシ基、アルキルシロキシ基、アルコキシシロキシ基、シリルアルキル基、アルコキシシリルアルキル基、アルキルシリルアルキル基、ハロゲン基、ω−ハロゲンアルキル基、エポキシ基、ω−グリシジルオキシアルキル基、エステル基、フルオロアルキル基もしくはペルフルオロアルキル基、ブロックトイソシアネート基、シアナトアルキル基、イソシアナトアルキル基、ω−メタクリルオキシアルキル基、アクリレート基、メタクリレート基、メルカプト基、ω−メルカプトアルキル基、ニトリル基またはホスフィン基を表し、
基Yは、同じであるか、または異なっており、Yは、OH、ONa、OK、OR′、OCOR′、OSiR′3、Cl、Br、IまたはNR′2を表し、その際、基R′は、無関係に水素、線状もしくは分枝鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、それぞれ1〜18個の炭素原子を有しており、置換されていてもよく、
aは、0または1であり、かつbは、0または1であり、かつnは、1、2または3であり、ただしその際、a+b+n=4である]の1もしくは複数のシランを添加することができる。
【0016】
この場合、有利にはトリアルコキシシラン、特にRSi(OR′)3のタイプのアルキルトリアルコキシシランを使用するが、この場合、1〜4個の炭素原子のアルコキシ基(OR′)、特にメトキシ基またはエトキシ基、および1〜5個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子、しかし好ましくは3個の炭素原子のアルキル基(R)を有する。式RSi(OR′)3により記載されるアルキルトリアルコキシシランの例は、イソブチルトリメトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)IBTMO)、イソブチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)PTMO)、プロピルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)MTMS)またはメチルトリエトキシシランである。本発明による方法では、式XSi(OR′)3により記載されるタイプXの置換基を有するトリアルコキシシラン、たとえば3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)GLYMO)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)MTMO)、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)MEMO)を使用することもできる。特別な実施態様では、アルケニルトリアルコキシシラン、たとえばビニルトリメトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)VTMO)またはビニルトリエトキシシランを使用する。
【0017】
特定の特性を得るためにはさらに、フッ素基で変性されたシランを一緒に使用することができる。疎水化のために系を製造するためには、このために有利なフルオロアルキルトリアルコキシシラン、有利には式CF3((CF2o(CH2p)Si(OR′)3により記載されるフルオロアルキルトリアルコキシシラン(式中でo、p=0〜12)、たとえば3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロトリエトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)F8261)を使用する。
【0018】
別の実施態様では、特にハロゲンシラン、有利にはトリクロロシランを本発明による方法においてアルコキシシランと一緒に使用する。加水分解の際に生じる塩酸は除去することができる。
【0019】
本発明による方法の第一の方法工程では、式Iにより記載される使用されるアミノシランもしくはアミノアルキルシランを有利には、炭素二重結合を有する酸により部分的に、もしくは完全に中和する。これはプロトンが1つの酸であっても、複数の酸であってもよい。しかし有利には本発明による方法では、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、オレイン酸および前記の酸の誘導体を使用する。アミノシランもしくはアミノアルキルシラン対酸の物質量比は有利には、第1級、第2級もしくは第3級アミノ基あたり、プロトンを1つ有する酸0.2〜2.0物質当量が提供されるように選択する。プロトンが1つの酸を0.8〜1.2物質当量、有利には0.95〜1.05物質当量添加する。複数の酸官能基を有する有機酸、たとえばマレイン酸またはフマル酸を使用する場合には、相応する物質量比を選択する。
【0020】
製造はたとえば適切な酸量を冷却下でシラン混合物に滴加することによって行うことができ、この変法は特に、当量の酸とアミンとを使用する場合に適切である。これは溶剤中で行ってもよいし、溶剤を使用しないで行うこともできる。溶剤を使用する場合には、アルコール、たとえばエタノールおよびメタノールが有利である。溶液の濃度は0.1〜99.9質量%、有利には20〜90質量%、特に30〜80質量%である。基本的に反応はまた、反応成分がその中で溶解することを前提として、任意の他の有機溶剤中で実施することができる。このような混合物は中間生成物として必要に応じて比較的長時間貯蔵することができる。
【0021】
第二の変法では、式Iにより記載されるシランAmSiYnと、式IIにより記載される(R)a(X)bSiYnおよび本発明により使用される酸からなる付加物は、100%の濃度で、または有機溶剤中に溶解して、20℃を超え、かつ80℃を下回る温度で、有利には30℃〜70℃の温度で、特に35℃〜45℃の温度で水中に攪拌導入し、その際、本発明により使用されるシランと酸との比は、反応溶液が攪拌導入後に2〜9のpH値、有利には3〜8のpH値、特に有利には4〜7.5のpH値を有するように選択する。加水分解の際に生じるアルコール、たとえばメタノールまたはエタノールおよび場合により一緒に使用された溶剤を次いで、20℃を超え、かつ80℃を下回る温度で、有利には30℃〜70℃の温度で、特に35℃〜45℃の温度で留去し、後者の場合には真空ポンプにより圧力を下げることができる。このようにアルコールおよび場合により併用した溶剤を蒸留する間に水が一緒に排出される場合には、この水量をあとから再び補うことができる。
【0022】
水により希釈した後で、水溶液は、酸で中和されたシランを50質量%以下、有利には5〜40質量%、特に10〜30質量%の含有率で含有している。
【0023】
特別な実施態様では、本発明は、約3〜4.5の反応溶液のpH値が生じるように実施することができる。この場合、加水分解の際に生じるシラノール基は部分的に維持される。というのも、このpH値では更なる縮合が妨げられるからである。このことは、縮合もしくは架橋は特にpH値が変化する際に、たとえば系を塩基性の表面、たとえばコンクリートまたは金属上に塗布する適用の後で生じることを意味している。しかし縮合もしくは架橋はまた、水が蒸発した場合にも現れる。
【0024】
この2段階法の別の実施態様では、第二の方法工程を有利にはその場で、かつ適用の直前に実施する。このことは、この第二の方法工程で、式Iにより記載されるシランAmSiYnと、式IIにより記載される(R)a(X)bSiYnおよび本発明により使用される酸からなる付加物を、100%の濃度で、または溶液にしてその場で、0℃を上回る温度で、有利には10℃を上回る温度で、特に20℃〜40℃の温度で水中に攪拌導入することを意味している。この場合、たとえば輸送コストの節約という利点がある。
【0025】
特に有利な方法は、1段階法に基づいている。この場合、有機酸を水中に装入し、かつシラン又はシラン混合物を、0.1〜10時間で添加する。有利にはこの場合、シラノール基が部分的に維持されるか、もしくはシランまたはシラン混合物の添加の後で3〜8、有利には7〜7.5のpH値が生じるような量で酸を装入する。酸性の範囲へのpH値の顕著な低下を防止するためには、酸の添加を、全反応時間にわたって100までの個別の分量に分けて行うことができる。この方法によれば一方では特に簡単な方法装置の利点がもたらされ、他方、既にシラン混合物の添加の間に加水分解によって生じたアルコール、たとえばメタノールまたはエタノールを20℃を上回り、かつ80℃を下回る温度で、有利には30℃〜70℃の温度で、特に35℃〜45℃の温度で蒸留することができ、後者の場合には真空ポンプで圧力を低下させることができる。アルコールの共沸蒸留の間に一緒に排出された水量は再び補うことができる。
【0026】
最後に水溶液は酸で中和されたシランを50質量%以下、有利には5〜40質量%、特に10〜30質量%の含有率で含有している。
【0027】
この1段階法による水中でのシランと変性されたアミノシランもしくはアミノアルキルシランとの反応は、有利には0〜200℃の温度で、好ましくは10〜100℃の温度で、特に有利には20〜90℃の温度で実施する。とりわけ有利にはシランのこの反応は、60±15℃の温度で実施する。本発明による方法の特別な実施態様では、温度を全反応時間にわたって一定に維持しない。たとえば、反応の終わり頃に反応温度を若干高めて、前記のとおり、場合により存在する溶剤および加水分解の際に生じたアルコール、たとえばメタノール、エタノールまたはこれらのアルコールの混合物を留去することは有利である。
【0028】
アミノシランおよびシランを反応させるための本発明による方法は、有利にはシラノールおよびシロキサンおよび/またはアンモニウム基を有するシロキサンを生じ、これらは対イオンとしてアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、オレイン酸、イタコン酸、アコニット酸のアニオンまたは前記の酸の誘導体を含有している。
【0029】
水溶液は総じて、50質量%未満、有利には5〜40質量%、特に10〜30質量%の濃度で製造される。
【0030】
本発明による方法は、連続的に、またはバッチ式の運転で実施することができる。
【0031】
二重結合を有する酸を分散液の(たとえば刷毛塗り、浸漬、噴霧またはナイフ塗布による)適用後に架橋させるためには、電子線架橋法(たとえば100℃の温度で、線量3Mrad、電子線放射装置:Elektrocurtain、Energy Sciences Int.社)または調節剤および開始剤を使用することができる。
【0032】
調節剤は分子量を調整するために分散液に添加され、その際、酸量に対して有利には0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜2質量%および特に有利には0.2〜1質量%を使用する。特に本発明による被覆組成物は、メルカプタン、たとえばn−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、または2−エチルヘキシルチオグリコレートから選択される分子量調節剤を含有している。有利には本発明による被覆組成物は、n−ドデシルメルカプタンを含有している。
【0033】
本発明による被覆組成物のラジカル重合もしくは架橋のためには、組成物はいわゆる重合開始剤を含有していてよい。特に本発明による被覆組成物は、酸量に対して0.01〜2質量%を含有している。重合開始剤として、本発明による分散液は有利にはアゾ化合物、たとえば2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス−(イソ酪酸アミジン)−ジヒドロクロリドまたは2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、レドックス系、たとえば第三級アミンと過酸化物との組み合わせを含有する。有利には本発明による分散液は過酸化物、特に有利にはペルオキソ二硫酸塩、ジラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオクトエート、t−ブチルペルイソノナノエート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジベンゾイルペルオキシドまたは2,2−ビス−(t−ブチルペルオキシ)ブタンを含有する。本発明による分散液は、重合の過程での、ならびに種々の重合温度におけるラジカル流を一定に維持するために、異なった半減時間を有する種々の重合開始剤、たとえばジラウロイルペルオキシドと2,2−ビス−(t−ブチルペルオキシ)ブタンの混合物を含有していてもよい。特別な実施態様では、本発明による分散液は光開始剤、たとえばDAROCUR(登録商標)タイプまたはIRGACURE(登録商標)タイプの光開始剤を含有していてもよく、これは特にα−ヒドロキシケトン、フェニルグリオキシレート、ベンジルジメチルケタールまたはα−アミノケトンである。
【0034】
水中で可溶性であるか、または分散助剤としての本発明による系により、もしくは付加的な市販の分散助剤により水中に分散されるのであれば、幅広い範囲のアクリレート化合物およびメタクリレート化合物、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソ−プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソ−オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、4−メチルフェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレートを本発明による系に添加することができる。
【0035】
所望の場合には、分子量を調整するために、いわゆる分子量調節剤、たとえばこのために公知のメルカプタンの物質群からのもの、たとえばn−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノールまたは2−エチルヘキシルチオグリコレートを添加することができ、この場合、分子量調節剤はモノマー混合物に対して、一般に0.05〜5質量%の量で、有利には0.1〜2質量%の量で、および特に有利には0.2〜1質量%の量で使用することができる。有利には分子量調節剤としてn−ドデシルメルカプタンを使用する。
【0036】
本発明によるシランをベースとする系対場合により添加されるアクリレート化合物もしくはメタクリレート化合物の混合比は、0.1:99.1質量%〜99.9:0.1質量%である。有利にはこれは30:70質量%〜70:30質量%である。特にアクリレートもしくはメタクリレート化合物は最大で15質量%を水性系に添加する。
【0037】
当然のことながら、その他の添加剤、たとえば熱安定剤および光安定剤、特にUV吸収剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、核形成剤、充填剤および着色剤、顔料ならびに難燃剤が本発明による系中に含有されていてもよい。分散液の固体含有率に対して、これらの添加剤は合計して有利には0.01質量%〜5.0質量%である。0.01質量%〜5.0質量%の量での湿潤剤およびレベリング剤の使用もまた特定の表面では推奨することができる。
【0038】
本発明による組成物は、多様に、たとえば金属表面、充填剤の被覆、塩の撥水性被覆、特に過ホウ酸塩の被覆、粘着性のプラスチック顆粒の被覆、コンクリートおよびガラスの被覆、触媒および触媒の出発化合物の合成、セラミック材料およびポリマーの安定剤ならびに合成もしくは変性のため、ならびにポリマー顆粒、ポリマー板、ポリマー繊維およびポリマー半製品の被覆のために使用することができる。
【0039】
以下の例は本発明による被覆組成物、その製造および使用、ならびに本発明により被覆した成形体を詳細に説明するものであるが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0040】
例1
(アミノプロピル)xSix1.5x割合およびメタクリル酸を有する組成物の合成
エタノール100ml中に室温で撹拌下に3−アミノプロピルトリエトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)AMEO)176.8g(0.8モル)を添加する。ここにメタクリル酸68.87g(0.8モル)をただちに添加する。引き続き室温で水400gを添加する。次いで温度を60℃に高め、この温度で6時間攪拌する。エタノールを真空下で留去し、共沸蒸留により留去された水量を補充した後で、帯黄色の溶液が最終生成物として得られる。
【0041】
例2
(アミノプロピル)x-5.6(メチル)x-2.4Six1.5x割合およびメタクリル酸を有する組成物の合成
エタノール100ml中に室温で撹拌下に3−アミノプロピルトリエトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)AMEO)53.04g(0.24モル)を添加する。ここにメタクリル酸20.66g(0.24モル)をただちに添加する。引き続き室温でメチルトリメトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)MTMS)76.25g(0.56モル)および次いで水300gを添加する。次いで温度を50℃に高め、この温度で6時間攪拌する。エタノールおよびメタノールを真空下で留去し、共沸蒸留により留去された水量を補充した後で、帯黄色の溶液が最終生成物として得られる。
【0042】
例3
(アミノプロピル)x-5(メチル)x-3Six1.5x割合およびアクリル酸を有する組成物の合成
室温で予めアクリル酸21.62g(0.30003モル)を攪拌導入してあった水300ml中に、さらに攪拌しながら室温で10分間にわたり3−アミノプロピルトリエトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)AMEO)66.3g(0.30モル)を添加する。引き続き室温で、メチルトリメトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)MTMS)68.08g(0.50モル)を添加し、かつ温度を50℃に高める。その後、この温度で6時間攪拌する。エタノールおよびメタノールを真空下で留去し、共沸蒸留により留去された水量を補充した後で、帯黄色の溶液が最終生成物として得られる。
【0043】
例4
例2からの活性化された溶液の製造
例2からの生成物100ml中に、実験室用溶解機を用いて室温でペルオキソ二硫酸塩1.0gを攪拌導入し、かつ30分間さらに攪拌した。その後、活性化された溶液は完成している。
【0044】
例5
例1および2からの生成物の活性化された分散液の製造
例1からの生成物50mlおよび例2からの生成物50mlを、実験室用溶解機を用いて攪拌し、40℃に加熱した。その後、2,2′−アゾビス(イソ酪酸アミジン)ジヒドロクロリド0.5gを添加し、かつこの温度でさらに30分間攪拌した。室温に冷却した後で、活性化された分散液は完成している。
【0045】
例6
スチール板からなる被覆すべき成形体
金属板試験体(Chemetall No.129611、燐酸被膜による防錆処理26/NL60)
この試験体上に(ここで、被覆されていない試験体はゼロ試験体である)、室温で例4(試験体6.1)もしくは例5(試験体6.2)からの溶液/分散液を膜厚200μmでナイフ塗布する(実験室用ドクターナイフ)。この塗布後に、該フィルムを室温で乾燥させた。その後、50℃で真空乾燥室中に24時間貯蔵する。その後、乾燥室中100℃で1時間の熱処理を行い、引き続き24時間で室温に冷却する。
【0046】
例7
透明なポリアミドからなる被覆すべき成形体
自体完成品の透明なポリアミド試験体(Trogamid(登録商標)CX 7323、Degussa GmbH社)
寸法(長さ/幅/厚さ):15cm×10cm×0.5cm
被覆および処理は、例6と同様の溶液/分散液により行う。ただし表面の半分だけを被覆し、被覆されていない表面をゼロ試験体として使用する。両方の試験体の番号は7.1および7.2である。
【0047】
例8
試験
例6の試験体を垂直に配置して6ヶ月間(3月から8月の期間)屋外曝露下(中央ヨーロッパの気候)で貯蔵し、その後、目視により評価したが、この場合、評点1は、極めて良好な評価であり、評点5は極めて劣った評価である。
【0048】
【表1】

【0049】
被覆した試験体の2番および3番は、耐水性で透明な、および硬質のフィルムを有しており、これは屋外曝露においても変化しない。溶液/分散液の乾燥もまた、溶剤、アミンまたは酸が放出されることなく行われる。
【0050】
例7の試験体の耐引掻性は、試験体を乾燥室から取り出し、24時間冷却した後で、市販のスチールウール(量は約1cm3)を僅かに負荷をかけながら(約100ポンド)手作業で全支持体上で10回往復させて試験する。このことは、被覆した表面も被覆していない表面も同じ強さで摩擦したことを意味している。その後、両方のポリアミド表面(つまり被覆してない表面と被覆した表面)のいずれがより多くの引っ掻き傷を有しているかを目視により評価したが、この場合、評点1は、極めて良好な評価であり、評点5は極めて劣った評価である。
【0051】
【表2】

【0052】
被覆した試験体の5番および6番は、明らかにゼロ試験体よりも耐引掻性が高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
官能化されたシランおよび/または官能化されたシロキサンを含有する組成物の製造方法において、
一般式I
mSiYn (I)
[式中、
Aは、置換されているか、もしくは置換されていないアミノアルキル基、置換されているか、もしくは置換されていないジアミノジアルキル基、または置換されているか、もしくは置換されていないトリアミノトリアルキル基を表し、
基Yは、同じであるか、または異なっており、かつYは、OH、ONa、OK、OR′、OCOR′、OSiR′3、Cl、Br、IまたはNR′2を表し、
mは、1または2であり、かつnは、1、2または3であり、ただしその際、m+n=4であり、基R′は、無関係に水素、線状もしくは分枝鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、それぞれ1〜18個の炭素原子を有しており、かつそれぞれ置換されていてもよい]の1もしくは複数のアミノシラン、および場合により
一般式II
(R)a(X)bSiYn (II)
[式中、基Rは、無関係に水素、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、かつそれぞれ1〜18個の炭素原子を有しており、置換されていてもよく、
基Xは、同じであるか、または異なっており、Xは、オキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、シリル基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基、シロキシ基、アルキルシロキシ基、アルコキシシロキシ基、シリルアルキル基、アルコキシシリルアルキル基、アルキルシリルアルキル基、ハロゲン基、ω−ハロゲンアルキル基、エポキシ基、ω−グリシジルオキシアルキル基、エステル基、フルオロアルキル基もしくはペルフルオロアルキル基、ブロックトイソシアネート基、シアナトアルキル基、イソシアナトアルキル基、ω−メタクリルオキシアルキル基、アクリレート基、メタクリレート基、メルカプト基、ω−メルカプトアルキル基、ニトリル基またはホスフィン基を表し、
基Yは、同じであるか、または異なっており、Yは、OH、ONa、OK、OR′、OCOR′、OSiR′3、Cl、Br、IまたはNR′2を表し、
aは、0または1であり、かつbは、0または1であり、かつnは、1、2または3であり、ただしその際、a+b+n=4であり、基R′は、無関係に水素、線状もしくは分枝鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、かつそれぞれ1〜18個の炭素原子を有しており、置換されていてもよい]の1もしくは複数のシランを、炭素二重結合を有する少なくとも1の酸および水の添加下で反応させることを特徴とする、官能化されたシランおよび/または官能化されたシロキサンを含有する組成物の製造方法。
【請求項2】
式(R)a(X)bSiYn中で、基Xは、少なくとも1の炭素原子を介してケイ素原子と結合していることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
式Iにより記載されるアミノシランを、0.2〜2.0物質当量の酸の添加により変性することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
式Iにより記載されるアミノシランを、0.5〜1.5物質当量の酸の添加により変性することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
式Iにより記載されるアミノシランを、0.8〜1.2物質当量の酸により変性することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
酸が3〜20個の炭素原子から構成されており、かつ少なくとも1の二重結合を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
酸として、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、オレイン酸、イタコン酸、これらの酸の誘導体またはこれらの酸の混合物から選択される有機酸を使用することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
式Iにより記載される、使用されるアミノシランまたは使用されるアミノシランとシランとの混合物(式Iならびに式IIによる)と有機酸との反応後に、反応溶液が2〜9のpH値を有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
反応後に、反応溶液が3〜8のpH値を有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
反応後に、反応溶液が4〜7.5のpH値を有することを特徴とする、請求項9記載の方法。
【請求項11】
式IIにより記載され、OH、OR′OCOR′またはClから選択される、タイプYの置換基を有するシランを使用することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
式(R)a(X)bSi(OR′)nにより記載されるシラン(式中で、R、R′、X、aおよびbは、上記で式IIについて記載した意味を有する)を使用することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
式Iにより記載される使用されるアミノシランまたはアミノシランとシランとの混合物(式IおよびIIによる)の反応を、水を含有する溶液中で実施することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
反応のために存在する反応溶液中に、水、アセトン、メチルエチルケトン、プロパノール、イソプロパノール、メタノールまたはエタノール、またはこれらの溶剤の2種類以上の混合物が存在しており、この場合、使用されるアミノシランもしくはシラン1モルあたり、水0.001〜100モルを使用することを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
反応後に、反応溶液中に存在する有機溶剤を留去することを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
反応溶液中に存在するアルコールを留去することを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項17】
反応をもっぱら水および加水分解の間に生じるアルコールの存在下で実施することを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
式Iにより記載される、使用されるアミノシランと式IIにより記載されるシランの合計対水の物質量比を反応の開始時に1:100〜100:1の質量比に調整することを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
反応を0℃〜200℃の温度で実施することを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
反応を、溶剤または溶剤混合物の沸点よりも低い温度で実施することを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
炭素二重結合を有する酸を架橋することを特徴とする、請求項1から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
系が最大で5質量%までの光開始剤を含有することを特徴とする、請求項1から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
分散フィルムを照射、有利には外部からの照射によって架橋することを特徴とする、請求項21または22記載の方法。
【請求項24】
反応生成物を、後処理の前および/または後に溶剤、有利には水で希釈し、この場合、組成物中の作用物質の含有率を0.1〜50質量%、有利には5〜20質量%に調整することを特徴とする、請求項1から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
請求項1から24までのいずれか1項記載の方法により得られる組成物。
【請求項26】
金属表面のための被覆の製造、充填剤の被覆、塩の撥水性被覆、粘着性のプラスチック顆粒の被覆、コンクリートおよびガラスの被覆、触媒および触媒出発化合物の合成、セラミック材料およびポリマーの安定剤ならびに合成もしくは変性、ポリマー顆粒、ポリマー板、ポリマー繊維およびポリマー半製品の被覆ならびに支持体表面上での耐引掻性の疎水性被覆の製造のための請求項1から25までのいずれか1項記載の方法により得られる組成物の使用。

【公表番号】特表2010−536966(P2010−536966A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521368(P2010−521368)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2008/058492
【国際公開番号】WO2009/024386
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】