説明

シリアルデータ転送装置、シリアルクロック転送装置およびシリアル転送システム

【課題】物理遅延を利用する高速シリアル転送において、プロセスばらつきや温度特性の影響によりバスマスタからバススレイブへの遅延値がずれ、遅延値の管理が難しい。
【解決手段】シリアルデータ転送装置およびシリアルクロック転送装置は、通常のシリアル転送よりも低速なクロックおよびそのクロック幅に合わせたデータを生成する低速転送モードをもつ構成とする。低速クロックで遅延値を1つのコントロール回路からそれぞれの受信回路に送信する。低速転送モードを利用することにより、遅延値を確実に受信回路に送信することが可能である。転送された遅延値を回路に設定することにより確実に各送受信回路で転送データの受信が可能となる。バスマスタからバススレイブへの遅延差が影響することなく、また、1つのコントロール回路を用いてそれぞれのバススレイブにシリアル転送することになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムLSI内部のバスマスタ・バススレイブ間でデータや転送同期クロックのシリアル転送を高速に行うためのシリアル転送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、システムLSIが大規模化し、内蔵する機能が増大するのに伴い、システムLSI内部の回路間でのデータ転送に使用する回路および配線が増大してきている。この中でも特に配線に関しては、実際にシステムLSIの内部を接続しているため、システムLSI内の配線リソースの多くを占めることになり、システムLSIのサイズの増大すなわちコストの上昇を引き起している。
【0003】
そこで、システムLSI内部の回路間をシリーズに接続する方法が提案されている。そのような従来のシリアルデータ転送装置を図30(a)に示す。これは、送信用のデータバス90、フリップフロップ91a〜91e、セレクタ92a〜92d、出力バッファ93、逓倍器(PLL)94などから構成され、図30(b)に示すように動作する。すなわち、逓倍器94によりシステムクロックCLKを逓倍して高速の送信イネーブル信号Ssenを生成し、フリップフロップ91a〜91dのクロック入力に印加する。データセット信号DSが“L”のアサート状態にあるとき、セレクタ92a〜92dは“L”入力を選択してデータバス90上の各ビットA3〜A0を出力する。ただし、最終段の転送ゲート91eが閉じているため、出力バッファ93からは“L”の連続信号が出力されることになる。
【0004】
データセット信号DSが“H”になるとシリアル転送状態に移行し、フリップフロップ91a〜91dとセレクタ92a〜92dがシリーズに接続される。また、転送ゲート91eに対する転送クロックStrを“L”から“H”に立ち上げる。これにより、逓倍器94からの送信イネーブル信号Ssenが立ち上がるたびに各ビットの値が転送ゲート91eおよび出力バッファ93からシリアルに出力される(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
ただしこの技術によると、高速転送を実現するためにシステムクロックの逓倍器(PLL)が必須で、面積増大を招くとともに、超高速クロックを供給するためのクロックラインの増強が必要であり、物理設計を非常に困難なものとしているとともに、消費電力の増大を招いている。
【0006】
そこで、上記の課題を解決するためにシリアル転送をクロックに同期させるのでなく、シリアル転送経路自身が有する遅延時間を利用し、遅延時間毎にデータを転送させ、また、転送データ受信に関してもデータ送信と同様にシリアル受信経路自身が有する遅延時間を利用し、遅延時間毎にデータを取り込むことでシリアル転送を実現する。
【0007】
図31(a)は本出願人にかかわるシリアルデータ転送装置におけるシリアル送信回路部の構成を示す回路図である。図31(a)において、10はシリアル送信回路、1は複数ビットラインの送信用のデータバス、3は出力バッファ、4a〜4dはセレクタ、4eは転送ゲートとしてのセレクタ、6a〜6eはデータ保持回路としてのラッチ、DSはデータセット信号、Ssen′は送信イネーブル信号である。複数のセレクタ4a〜4eと複数のラッチ6a〜6eとが交互に並ぶ状態でシリーズに接続されている。データバス1の各ビットC0〜C3がセレクタ4a〜4dの“H”入力に接続され、セレクタ4a〜4dの各出力がそれぞれラッチ6a〜6dを介して次段のセレクタ4b〜4eの“L”入力に接続されている。データバス1の各ビットは、転送ビットの並び順にセレクタ4a〜4dに接続されている。初段のセレクタ4aの“L”入力および転送ゲートセレクタ4eの“H”入力はグランドの“L”に接続され、転送ゲートセレクタ4eの出力はラッチ6eを介して出力バッファ3に接続されている。ラッチ6a〜6dの各出力がそれぞれ次段のセレクタ4b〜4eの“L”入力に接続され、最終段のラッチ6eの出力が出力バッファ3に接続されている。転送ゲートセレクタ4eを除いてセレクタ4a〜4dの総数は、データバス1のビットC0〜C4の総数と同じである。これらのセレクタ4a〜4eがそれぞれの間にラッチ6a〜6dを介在する状態でシリーズに接続されている。ロウアクティブの送信イネーブル信号Ssen′がラッチ6a〜6eのゲート入力のそれぞれに与えられている。
【0008】
セレクタ4a〜4eは、データセット信号DSが“H”のアサート状態のときは上側の“H”入力の信号を選択して出力し、データセット信号DSが“L”のネゲート状態のときは下側の“L”入力の信号を選択して出力する。すなわち、データセット信号DSがアサート状態のとき、セレクタ4a〜4dはデータバス1側を選択するとともに、転送ゲートセレクタ4eはグランドの“L”を選択し、データセット信号DSがネゲート状態のとき、初段のセレクタ4aはグランドの“L”を選択するとともに、セレクタ4b〜4eは前段のラッチ6a〜6dの出力を選択する。
【0009】
次に、以上のように構成されたシリアルデータ転送装置におけるシリアル送信回路10の動作を図31(b)のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0010】
データセット信号DSが“H”のアサート状態では、セレクタ4a〜4dはデータバス1の各ビットC0〜C3を選択している。そして、セレクタ4a〜4dの出力すなわちデータバス1の各ビットC0〜C3がラッチ6a〜6dに保持されている。しかし、転送ゲートセレクタ4eにおいては、データセット信号DSが“H”のアサート状態の期間はグランドの“L”を選択しているため、出力バッファ3から出力されるシリアル転送データSoutは、ビットC0〜C3の値がどのようなものであれ、それには無関係に“L”の連続データとなっている。
【0011】
次に、データセット信号DSを“L”のネゲート状態に遷移させ、次いで送信イネーブル信号Ssen′を“L”のアサート状態に遷移させると、シリアル転送状態に移行する。その結果、セレクタ4a〜4dは、それまでデータバス1側に接続されていた状態から、セレクタ4a〜4eおよびラッチ6a〜6eをシリーズに接続した状態へ切り替わる。この切り替わり直後の瞬間では、各ラッチ6a〜6dの出力には、まだそれぞれ接続されているビットC0〜C3の値が保持されている。
【0012】
以下、シリアル転送状態の動作を説明する。セレクタとセレクタとの間には、1つのセレクタおよび1つのラッチの遅延を含む遅延が存在し、この遅延時間をセレクタ間遅延時間τ2とする。
【0013】
送信イネーブル信号Ssen′のアサート後、セレクタ間遅延時間τ2が経過したタイミングt1において、初段のラッチ6aに保持されていたビットC0の値は次段のセレクタ4bを介して次段のラッチ6bへ転送され、ラッチ6bに保持されていたビットC1の値は次段のセレクタ4cを介して次段のラッチ6cへ転送され、ラッチ6cに保持されていたビットC2の値は次段のセレクタ4dを介して次段のラッチ6dへ転送され、ラッチ6dに保持されていたビットC3の値は転送ゲートセレクタ4eを介して次段のラッチ6eへ転送され、ラッチ6eに保持されていた値“L”は出力バッファ3を介して、シリアル転送データSoutの1ビット目として出力される。ただし、この出力は、出力バッファ3の遅延時間だけ遅れる(以下同様)。この期間では、初段のセレクタ4aはグランドの“L”を選択し、その出力は“L”となる。
【0014】
タイミングt1からさらにセレクタ間遅延時間τ2が経過したタイミングt2において、ラッチ6bの出力のビットC0の値は次段のラッチ6cへ転送され、ラッチ6cの出力のビットC1の値は次段のラッチ6dへ転送され、ラッチ6dの出力のビットC2の値は最終段のラッチ6eへ転送され、さらに出力バッファ3を介してビットC2の値が出力され、シリアル転送データSoutはビットC3からビットC2へと転送データが変化する。この期間でも、初段のセレクタ4aは“L”を選択し、セレクタ4a,4bの出力は“L”レベルとなる。
【0015】
タイミングt2からさらにセレクタ間遅延時間τ2が経過したタイミングt3において、ビットC0の値はラッチ6dへ転送され、ラッチ6dの出力のビットC1の値は最終段のラッチ6eへ転送され、さらに出力バッファ3を介してビットC1の値が出力され、シリアル転送データSoutはビットC2からビットC1へと転送データが変化する。この期間でも、初段のセレクタ4aは“L”を選択し、ラッチ6a〜6cの出力は“L”レベルとなる。
【0016】
タイミングt3からさらにセレクタ間遅延時間τ2が経過したタイミングt4において、ビットC0の値は最終段のラッチ6eへ転送され、さらに出力バッファ3を介してビットC0の値が出力され、シリアル転送データSoutはビットC1からビットC0へと転送データが変化する。この期間でも、初段のセレクタ4aは“L”を選択し、ラッチ6a〜6dの出力は“L”レベルとなる。この期間でも、初段のセレクタ4aは“L”を選択し、ラッチ6a〜6dの出力は“L”レベルとなる。
【0017】
さらに時間が経過すると、最終段のラッチ6eの出力は“L”レベルとなり、以降、次のデータセット信号DSの立ち上がりがあるまで、“L”の連続データとなる。すなわち、当初、ラッチ6aに存在したビットC0がシリアル転送データSoutの最終データとして転送が終了すると、最終的に“L”の連続データの出力に切り替わり、シリアル転送が完了する。
【0018】
このようにセレクタ4a〜4eがシリーズに接続されたことに伴うデータのシリアル転送は、セレクタ間遅延時間τ2よる遅延作用に基づいて実現されている。転送用クロックを用いてのシリアル転送ではなく、シリアル送信回路自身が有する遅延作用を利用してのシリアル転送となっている。
【0019】
その後、再びデータセット信号DSが“H”に変化すると、ラッチ6a〜6dはデータバス1側を選択し、それに伴って、ラッチ6a〜6dには新たにデータバス1上に新たにセットされたビットC0′〜C3′の値が取り込まれる。
【特許文献1】特開平5−274260号公報(第2−3頁、第1−2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
これまで高速シリアル転送において、イネーブル信号をネゲート状態にすることにより入力されたデータを保持し、イネーブル信号をアサート状態にすることにより保持されたデータを出力する機能を持つデータ保持回路(ラッチ)およびセレクタが接続され、隣接するセレクタ間に存在する遅延時間による遅延作用を利用してシリアル転送を実現する。ただし、転送データおよびシリアル受信回路のためのシリアル転送用クロック信号を同じ配線長に配線し、遅延時間を合わせる必要があった。
【0021】
特に命令を他ブロックに供給し、他ブロックを動作させるバスマスタと、バスマスタから命令を受けてデータ処理等を行うバススレイブにおいて、多数のバススレイブと1つのバスマスタが接続されたとき、プロセスばらつきや温度特性の影響によりバスマスタと各バススレイブとの遅延値がずれ、遅延値の管理が難しくなるため、各送受信回路にバスマスタ、バススレイブ間のシリアル転送が正確に実行されたかを管理するためのコントロール回路を準備する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、上記の課題を解決する手段として次のような手段を講じる。その基本的な考えは、シリアルデータ転送装置およびシリアルクロック転送装置は、通常のシリアル転送よりも低速なクロックおよびそのクロック幅に合わせたデータを生成する低速転送モードをもつ構成とする。このような構成により、バスマスタからバススレイブへの遅延差が影響することなく、1つのコントロール回路を用いてそれぞれのバススレイブにシリアル転送することになる。
【0023】
本発明によるシリアルデータ転送装置は、
複数のセレクタの各一方の入力がデータバスの各ラインに転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順で他のセレクタの出力に接続され、
最前段のセレクタの入力には前記データバスから低速転送データを生成するパラレル-シリアル変換回路が接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタおよび前記転送ゲートをシリーズに接続し、データ転送速度の通常選択状態で前記データバスからの転送データを隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記データ転送速度の低速選択状態で前記パラレル-シリアル変換回路からの低速転送データを前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されている。
【0024】
この構成によれば、データ転送速度の設定によりセレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアル転送する低速転送モードが選択可能であるので、シリアル転送が正確に行われたかを確認するためのコントロール回路を各バスマスタ、バススレイブに準備するのではなく、バスマスタに1つだけのコントロール回路を準備するのみで、バスマスタからバススレイブへの遅延時間を整合性をもって確実に設定することが可能となる。その結果として、セレクタの物理遅延を利用したシリアル転送を実効あるものにすることができる。
【0025】
また、本発明によるシリアルデータ転送装置は、
複数のセレクタの各一方の入力がデータバスの各ラインに転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順でデータ保持回路を介して他のセレクタの出力に接続され、
最前段のセレクタの入力には前記データバスから低速転送データを生成するパラレル-シリアル変換回路が接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタ、データ保持回路および前記転送ゲートをシリーズに接続し、データ転送速度の通常選択状態で前記データバスからの転送データを隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記データ転送速度の低速選択状態で前記パラレル-シリアル変換回路からの低速転送データを前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されている。
【0026】
この構成によれば、上記と同様に、セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアル転送することが選択可能であるので、バスマスタからバススレイブへの遅延時間を整合性をもって確実に設定することが可能となる。
【0027】
また、本発明によるシリアルデータ転送装置は、
データバスに接続され前記データバスから低速転送データを生成する転送データ低速化セレクタを有し、
データ転送速度の通常選択状態で前記データバスの転送データを選択し、前記データ転送速度の低速選択状態で前記転送データ低速化セレクタからの前記低速転送データを選択する転送データ選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記転送データ選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順で他のセレクタの出力に接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
前記送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタおよび前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記データ転送速度の通常選択状態で前記データバスからの転送データを隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記データ転送速度の低速選択状態で前記転送データ低速化セレクタからの低速転送データを前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されている。
【0028】
この構成によれば、上記と同様に、セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアル転送することが選択可能であるので、バスマスタからバススレイブへの遅延時間を整合性をもって確実に設定することが可能となる。
【0029】
また、本発明によるシリアルデータ転送装置は、
データバスに接続され前記データバスから低速転送データを生成する転送データ低速化セレクタを有し、
データ転送速度の通常選択状態で前記データバスの転送データを選択し、前記データ転送速度の低速選択状態で前記転送データ低速化セレクタからの前記低速転送データを選択する転送データ選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記転送データ選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順でデータ保持回路を介して他のセレクタの出力に接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
前記送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタ、データ保持回路および前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記データ転送速度の通常選択状態で前記データバスからの転送データを隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記データ転送速度の低速選択状態で前記転送データ低速化セレクタからの低速転送データを前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されている。
【0030】
この構成によれば、上記と同様に、セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアル転送することが選択可能であるので、バスマスタからバススレイブへの遅延時間を整合性をもって確実に設定することが可能となる。
【0031】
以下は、シリアルクロック転送装置についての発明に関するものである。
【0032】
本発明によるシリアルクロック転送装置は、
クロック転送速度の通常選択状態で単位の転送期間で論理が交互となるデータを選択しクロック転送速度の低速選択状態で前記論理が交互となるデータより長い遷移時間同一論理となるデータを選択するクロック選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記クロック選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順で他のセレクタの出力に接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタおよび前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記クロック転送速度の通常選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記論理が交互となるデータを転送同期クロックとして隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記クロック転送速度の低速選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記より長い遷移時間同一論理となるデータを転送同期クロックとして前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されている。
【0033】
この構成によれば、通常転送モードでも低速転送モードでも、転送データが出力されている期間に正確に対応した転送同期クロックを同期生成して出力することができる。この転送同期クロックを転送データとともに受信側に送信すると、受信側では受信のシリアル/パラレル変換処理を有利に進めることができる。
【0034】
また、本発明によるシリアルクロック転送装置は、
クロック転送速度の通常選択状態で単位の転送期間で論理が交互となるデータを選択しクロック転送速度の低速選択状態で前記論理が交互となるデータより長い遷移時間同一論理となるデータを選択するクロック選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記クロック選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順でデータ保持回路を介して他のセレクタの出力に接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタ、データ保持回路および前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記クロック転送速度の通常選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記論理が交互となるデータを転送同期クロックとして隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記クロック転送速度の低速選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記より長い遷移時間同一論理となるデータを転送同期クロックとして前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されている。
【0035】
この構成によれば、上記と同様に、通常転送モードでも低速転送モードでも、転送データが出力されている期間に正確に対応した転送同期クロックを同期生成して出力することができる。
【0036】
また、本発明によるシリアルクロック転送装置は、
クロック転送速度の通常選択状態で単位の転送期間で論理が交互となるデータを選択しクロック転送速度の低速選択状態で前記論理が交互となるデータより長い遷移時間同一論理となるデータを選択するクロック選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記クロック選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順で他のセレクタの出力に接続され、
最前段のセレクタの入力にはシステムクロックを分周した低速クロックを生成する分周回路が接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタおよび前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記クロック転送速度の通常選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記論理が交互となるデータを転送同期クロックとして隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記クロック転送速度の低速選択状態で前記分周回路からの前記低速クロックを転送同期クロックとして前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されている。
【0037】
この構成によれば、上記と同様に、通常転送モードでも低速転送モードでも、転送データが出力されている期間に正確に対応した転送同期クロックを同期生成して出力することができる。
【0038】
また、本発明によるシリアルクロック転送装置は、
クロック転送速度の通常選択状態で単位の転送期間で論理が交互となるデータを選択しクロック転送速度の低速選択状態で前記論理が交互となるデータより長い遷移時間同一論理となるデータを選択するクロック選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記クロック選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順でデータ保持回路を介して他のセレクタの出力に接続され、
最前段のセレクタの入力にはシステムクロックを分周した低速クロックを生成する分周回路が接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタ、データ保持回路および前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記クロック転送速度の通常選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記論理が交互となるデータを転送同期クロックとして隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記クロック転送速度の低速選択状態で前記分周回路からの前記低速クロックを転送同期クロックとして前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されている。
【0039】
この構成によれば、上記と同様に、通常転送モードでも低速転送モードでも、転送データが出力されている期間に正確に対応した転送同期クロックを同期生成して出力することができる。
【0040】
また、本発明によるシリアルクロック転送装置は、
クロック転送速度の通常選択状態で単位の転送期間で論理が交互となるデータを選択しクロック転送速度の低速選択状態でデータバスの各ラインの同一論理のデータを選択するクロック選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記クロック選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順で他のセレクタの出力に接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタおよび前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記クロック転送速度の通常選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記論理が交互となるデータを転送同期クロックとして隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記クロック転送速度の低速選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記データバスの各ラインの同一論理となるデータを転送同期クロックとして前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されている。
【0041】
この構成によれば、上記と同様に、通常転送モードでも低速転送モードでも、転送データが出力されている期間に正確に対応した転送同期クロックを同期生成して出力することができる。
【0042】
また、本発明によるシリアルクロック転送装置は、
クロック転送速度の通常選択状態で単位の転送期間で論理が交互となるデータを選択しクロック転送速度の低速選択状態でデータバスの各ラインの同一論理のデータを選択するクロック選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記クロック選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順でデータ保持回路を介して他のセレクタの出力に接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタ、データ保持回路および前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記クロック転送速度の通常選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記論理が交互となるデータを転送同期クロックとして隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記クロック転送速度の低速選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記データバスの各ラインの同一論理となるデータを転送同期クロックとして前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されている。
【0043】
この構成によれば、上記と同様に、通常転送モードでも低速転送モードでも、転送データが出力されている期間に正確に対応した転送同期クロックを同期生成して出力することができる。
【0044】
以下はシリアル転送システムについての発明である。
【0045】
本発明によるシリアル転送システムは、
バスマスタと、前記バスマスタからの遅延時間が互いに異なる複数のバススレイブとからなるシリアル転送システムであって、
前記バスマスタは、上記のいずれかのシリアルデータ転送装置と、上記のいずれかのシリアルクロック転送装置と、複数の遅延値を選択設定可能な遅延調整回路とを有し、
前記バススレイブは、前記バスマスタで生成され送信された転送データと転送同期クロックについて前記転送同期クロックを用いて前記転送データを受信するように構成されているとともに、送信されてくる遅延値を保持する遅延値保持回路を有し、
前記バススレイブに対して前記遅延値を直接的または間接的に送信するとともに、前記バスマスタと前記バススレイブとの間のテストパターンの送受信に基づく前記遅延値の良否判定を行って、前記バスマスタの前記遅延調整回路に判定結果良の前記遅延値を設定するコントロール回路とを備えたものである。
【0046】
この構成によれば、低速転送モードにおいて、遅延値をバススレイブへ送信する。また、通信テストで用いるテストパターンも送信する。バススレイブでは受信した遅延値を遅延値保持回路へ保持するとともに、遅延値の調整を行う。設定後、通常転送モードでテストパターンをバスマスタに送信し、コントロール回路でテストパターンに基づいて送受信が正確に行われているか判定する。このようにして、正確なタイミングでデータ送受信を行うことができる。
【0047】
また、本発明によるシリアル転送システムは、
バスマスタとバススレイブと前記バスマスタからバススレイブへ転送データのシリアル転送を制御するコントロール回路からなるシリアル転送システムであって、
前記バスマスタは、上記のいずれかのシリアルデータ転送装置と、上記のいずれかのシリアルクロック転送装置とから構成され、
前記バススレイブは、前記バスマスタで生成され送信された転送データと転送同期クロックについて前記転送同期クロックを用いて前記転送データを受信するとともに、前記転送データの受信完了を示すアクノリッジ信号を前記転送データに付加して前記バスマスタへ返信するように構成され、
前記コントロール回路は、前記バスマスタが前記バススレイブから受信した転送データに含まれている前記アクノリッジ信号によって前記転送データの送信完了を確認するように構成されている。
【0048】
この構成によれば、アクノリッジ信号に基づいて送受信が正確に行われているか判定するので、正確なタイミングでデータ送受信を行うことができる。
【0049】
また、本発明によるシリアル転送システムは、
バスマスタとバススレイブと前記バスマスタからバススレイブへ転送データのシリアル転送を制御するコントロール回路と前記バススレイブに接続された機能回路からなるシリアル転送システムであって、
前記バスマスタは、上記のいずれかのシリアルデータ転送装置と、上記のいずれかのシリアルクロック転送装置とから構成され、
前記バススレイブは、前記バスマスタで生成され送信された転送データと転送同期クロックについて前記転送同期クロックを用いて前記転送データを受信するとともに、受信した前記転送データを前記機能回路に転送するように構成され、
前記機能回路は、前記転送データに所定の処理を施して前記バススレイブに転送し、
前記バススレイブは、前記機能回路から受け取った前記転送データに処理完了を示すアクノリッジ信号を付加して前記バスマスタへ返信するように構成され、
前記コントロール回路は、前記バスマスタが前記バススレイブから受信した転送データに含まれている前記アクノリッジ信号によって前記転送データの送信完了を確認するように構成されている。
【0050】
この構成によれば、機能回路に所定の処理を行わせることにより機能回路の動作確認することができ、シリアル転送の精度を高めることができる。
【0051】
上記の構成において、前記コントロール回路は、テストパターンを生成するテストパターン生成回路と、前記テストパターン生成回路による前記テストパターンと前記バスマスタが前記バススレイブより受信したテストパターンとを比較するテストパターン比較回路とを備えているものとする。
【0052】
また、本発明によるシリアル転送システムは、
バスマスタとバススレイブと前記バスマスタからバススレイブへ転送データのシリアル転送を制御するコントロール回路からなるシリアル転送システムであって、
前記バスマスタは、上記のいずれかのシリアルデータ転送装置と、上記のいずれかのシリアルクロック転送装置とを有し、
前記バススレイブは、前記バスマスタで生成され送信された転送データと転送同期クロックについて前記転送同期クロックを用いて前記転送データを受信するように構成され、
前記コントロール回路は、テストパターンを保持するテストパターン保持回路と、前記テストパターン保持回路による前記テストパターンと受信したテストパターンとを比較するテストパターン比較回路とを備え、
このようなコントロール回路が前記バスマスタ側と前記バススレイブ側とにそれぞれ備えられている。
【0053】
この構成によれば、バスマスタとバススレイブとの間の双方向のデータ転送のテストを正確かつ効率良く実行できる。
【0054】
上記のいずれかのシリアル転送システムにおいて、前記コントロール回路は、前記バスマスタから前記バススレイブへのデータ転送および前記バススレイブから前記バスマスタへのデータ転送を同一のテストパターンで連続複数回行い、所定のレイテンシで受信されたかを判定する。
【0055】
この構成によれば、レイテンシが適切か否かの判定を通じて、データ転送をより高精度なものにすることができる。
【0056】
前記コントロール回路は、前記所定のレイテンシで受信されたかの判定において不適格のときは、前記バススレイブをリセットするとともに、別のレイテンシでのテストを繰り返すものとする。
【0057】
この構成によれば、レイテンシが不適正なときのバススレイブのリセットとレイテンシの再設定における再テストにより、データ転送をより高精度なものにすることができる。
【0058】
上記のレイテンシに関して、
さらに、前記バスマスタおよび前記バススレイブがともに接続しているクロックカウンタを有し、
前記コントロール回路は、前記クロックカウンタによるカウント値を用いて前記レイテンシを検査するように構成してもよい。クロックカウンタを利用してレイテンシを判定するので、データ転送をより高精度なものにすることができる。
【発明の効果】
【0059】
本発明によれば、データ転送速度の設定によりセレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアル転送する低速転送モードが選択可能であるので、バスマスタからバススレイブへの遅延時間を整合性をもって確実に設定することが可能となる。その結果として、セレクタの物理遅延を利用したシリアル転送を実効あるものにすることができる。また、シリアル転送のためのコントロール回路については、バスマスタ、バススレイブ個々にではなく、1つだけ準備するのでよい。その結果、ゲート規模を削減し、半導体素子のサイズを小さくすることが可能で、安価なLSIを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明にかかわるシリアル転送システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。実施の形態1から実施の形態10までは、シリアルデータ転送装置のシリアル送信回路部に関するものである。
【0061】
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1のシリアルデータ転送装置におけるシリアル送信回路部の構成を示す回路図である。
【0062】
図1(a)において、10はシリアル送信回路、1は複数ビットラインの送信用のデータバス、2はフリップフロップ、3は出力バッファ、4a〜4eはシリアル転送用のセレクタ、4fは転送ゲートとしてのセレクタ(転送ゲートセレクタ)、4gは低速転送データを選択するための転送データ選択セレクタ、5a〜5eは増幅用のバッファ、CLKはシステムLSIにおける基本のクロックであるシステムクロック、Siは転送開始指令信号、Ssenは送信イネーブル信号、Soutは転送データ、7はデータバス1より低速転送データを生成するためのパラレル-シリアル変換回路、SSはデータ転送速度を選択するデータ転送速度選択信号である。
【0063】
複数のセレクタ4a〜4fと複数のバッファ5a〜5eとが交互に並ぶ状態でシリーズに接続されている。データバス1のデータがセレクタ4a〜4eの“H”入力に接続され、セレクタ4a〜4eの各出力がそれぞれバッファ5a〜5eを介して次段のシリーズセレクタ4b〜4fの“L”入力に接続されている。転送データ選択セレクタ4gの“H”入力にパラレル-シリアル変換回路7の出力が接続され、“L”入力にグランドの“L”が接続されている。セレクタ4aの“L”入力は転送データ選択セレクタ4gの出力に接続され、転送ゲートセレクタ4fの“H”入力はグランドの“L”に接続され、転送ゲートセレクタ4fの出力は出力バッファ3に接続されている。フリップフロップ2は、転送開始指令信号Siの入力に伴ってシステムクロックCLKに同期して送信イネーブル信号Ssenを生成出力するもので、送信イネーブル信号Ssenはセレクタ4a〜4fのそれぞれの選択制御入力に与えられている。転送開始指令信号Si、送信イネーブル信号Ssenはロウアクティブである。セレクタ4a〜4fは、送信イネーブル信号Ssenが論理“H”のときは上側の“H”入力の信号を選択して出力し、送信イネーブル信号Ssenが論理“L”のときは下側の“L”入力を選択して出力する。転送データ選択セレクタ4gは、データ転送速度選択信号SSが論理“H”のときはグランドの“L”に接続され、論理“L”のときはパラレル-シリアル変換回路7の出力に接続されている。
【0064】
次に、以上のように構成された本実施の形態のシリアルデータ転送装置におけるシリアル送信回路10の動作を説明する。
【0065】
通常転送モード時の動作を図1(b)のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0066】
通常転送モード時には、データ転送速度選択信号SSは論理“H”であり、転送データ選択セレクタ4gはグランドの“L”を選択している。送信イネーブル信号Ssenが“H”のネゲート状態では、セレクタ4a〜4eはデータバス1の各ビットB0〜B4を選択し、転送ゲートセレクタ4fはグランドの“L”を選択している。そして、セレクタ4a〜4eの出力がバッファ5a〜5eを介して次段のセレクタ4b〜4fへ伝播されている。しかし、転送ゲートセレクタ4fにおいては、送信イネーブル信号Ssenが“H”のネゲート状態の期間は、グランドの“L”を選択しているため、出力バッファ3から出力されるシリアル転送データSoutは、ビットB0〜B4の値がどのようなものであれ、それには無関係に“L”の連続データとなっている。
【0067】
次に、フリップフロップ2にロウアクティブの転送開始指令信号Siが入力され、システムクロックCLKが立ち上がると、フリップフロップ2のセットアップ時間Tsの経過後、送信イネーブル信号Ssenが“L”レベルに遷移しアサート状態となる。これによってシリアル転送状態に移行することになる。その結果、セレクタ4a〜4eは、それまでデータバス1側に接続されていた状態から、セレクタ4a〜4fをシリーズに接続した状態へ切り替わる。この切り替わり直後の瞬間では、各セレクタ4a〜4eの出力およびバッファ5a〜5eの出力には、まだそれぞれ接続されているビットB0〜B4の値が保持されている。
【0068】
以下、シリアル転送状態の動作を説明する。セレクタとセレクタとの間には、1つのバッファの遅延を含む遅延が存在し、この遅延時間をセレクタ間遅延時間τ1とする。
【0069】
送信イネーブル信号Ssenのアサート後、セレクタ間遅延時間τ1が経過したタイミングt1において、初段のセレクタ4a・バッファ5aの出力にあったビットB0の値は次段のシリーズセレクタ4b・バッファ5bの出力へ転送され、シリーズセレクタ4b・バッファ5bの出力にあったビットB1の値は次段のシリーズセレクタ4c・バッファ5cの出力へ転送され、シリーズセレクタ4c・バッファ5cの出力にあったビットB2の値は次段のセレクタ4d・バッファ5dの出力へ転送され、セレクタ4d・バッファ5dの出力にあったビットB3の値は次段のセレクタ4e・バッファ5eの出力へ転送され、セレクタ4e・バッファ5eの出力にあったビットB4の値は転送ゲートセレクタ4fへ転送され、さらに出力バッファ3を介してビットB4の値がシリアル転送データSoutの1ビット目として出力される。このシリアル転送において、転送ゲートセレクタ4fでは、直前でグランドの“L”を選択していたところ、セレクタ4e・バッファ5eの出力にあったビットB4が転送されてきて、シリアル転送データSoutの1ビット目として出力される。ただし、この出力は、出力バッファ3の遅延時間Tbだけ遅れる(以下同様)。この期間では、初段のセレクタ4aは転送データ選択セレクタ4gを介してグランドの“L”を選択し、その出力は“L”となる。
【0070】
タイミングt1からさらにセレクタ間遅延時間τ1が経過したタイミングt2において、セレクタ4bの出力のビットB0の値は次段のセレクタ4cの出力へ転送され、セレクタ4cの出力のビットB1の値は次段のセレクタ4dの出力へ転送され、セレクタ4dの出力のビットB2の値は次段のセレクタ4eの出力へ転送され、セレクタ4eの出力のビットB3の値はセレクタ4fの出力へ転送され、さらに出力バッファ3を介してビットB3の値が出力され、シリアル転送データSoutはビットB4からビットB3へと転送データが変化する。この期間でも、初段のセレクタ4aは“L”を選択し、セレクタ4a,4bの出力は“L”レベルとなる。
【0071】
タイミングt2からさらにセレクタ間遅延時間τ1が経過したタイミングt3において、ビットB0の値はセレクタ4dの出力へ転送され、ビットB1の値はセレクタ4eの出力へ転送され、ビットB2の値はセレクタ4fの出力へ転送され、さらに出力バッファ3を介してビットB2の値が出力され、シリアル転送データSoutはビットB3からビットB2へと転送データが変化する。この期間でも、初段のセレクタ4aは“L”を選択し、セレクタ4a〜4cの出力は“L”レベルとなる。
【0072】
タイミングt3からさらにセレクタ間遅延時間τ1が経過したタイミングt4において、ビットB0の値はセレクタ4eの出力へ転送され、ビットB1の値はセレクタ4fの出力へ転送され、シリアル転送データSoutはビットB2からビットB1へと転送データが変化する。この期間でも、初段のセレクタ4aは“L”を選択し、セレクタ4a〜4dの出力は“L”レベルとなる。
【0073】
タイミングt4からさらにセレクタ間遅延時間τ1が経過したタイミングt5において、ビットB0の値はセレクタ4fの出力へ転送され、シリアル転送データSoutはビットB1からビットB0へと転送データが変化する。この期間でも、初段のセレクタ4aは“L”を選択し、セレクタ4a〜4eの出力は“L”レベルとなる。
【0074】
以上のタイミングt1からt5にかけて、シリアル転送データSoutは、B4,B3,B2,B1,B0のように推移する。
【0075】
さらに時間が経過すると、転送ゲートセレクタ4fの出力は“L”レベルとなり、以降、次の転送開始指令信号Siの入力があるまで、“L”の連続データとなる。すなわち、当初、セレクタ4aに存在したビットB0がシリアル転送データSoutの最終データとして転送が終了すると、最終的に“L”の連続データの出力に切り替わり、シリアル転送が完了する。
【0076】
このようにセレクタ4a〜4fがシリーズに接続されたことに伴うデータのシリアル転送は、セレクタ間遅延時間τ1による遅延作用に基づいて実現されている。転送用クロックを用いてのシリアル転送ではなく、シリアル送信回路自身が有する遅延作用を利用してのシリアル転送となっている。
【0077】
その後、再び転送開始指令信号Siが“H”に変化すると、セレクタ4a〜4eはデータバス1側を選択し、それに伴って、セレクタ4a〜4eにはデータバス1上に新たにセットされたビットB0′〜B4′の値が取り込まれる。
【0078】
次に、低速転送モード時の動作を図2のタイミングチャートに基づいて説明する。図2においては、システムクロックCLKの1周期が図1(b)よりずいぶん短く表示されている。これは、動作速度が低速であることに対応している。低速転送モードにおいては、データ転送速度選択信号SSは論理“L”にされており、転送データ選択セレクタ4gはパラレル-シリアル変換回路7の出力信号を選択している。
【0079】
送信イネーブル信号Ssenが“H”のネゲート状態では、セレクタ4a〜4eの“H”入力にはデータバス1から“L”が印加され、転送ゲートセレクタ4fにも“L”が印加されている。そして、セレクタ4a〜4eの出力がバッファ5a〜5eを介して次段のセレクタ4b〜4fへ伝播されている。しかし、転送ゲートセレクタ4fがグランドの“L”を選択しているため、出力バッファ3から出力されるシリアル転送データSoutは“L”の連続データとなっている。
【0080】
次に、フリップフロップ2にロウアクティブの転送開始指令信号Siが入力され、システムクロックCLKが立ち上がると、フリップフロップ2のセットアップ時間Tsの経過後、送信イネーブル信号Ssenが“L”レベルに遷移しアサート状態となる。これによってシリアル転送状態(低速転送)に移行することになる。その結果、セレクタ4a〜4eは、それまでデータバス1側に接続されていた状態から、セレクタ4a〜4fをシリーズに接続した状態へ切り替わる。この切り替わり直後の瞬間では、各セレクタ4a〜4eの出力およびバッファ5a〜5eの出力には、“L”の値が保持されている。
【0081】
送信イネーブル信号Ssenのアサート後、パラレル-シリアル変換回路7に保持されていたビットB0の値は転送データ選択セレクタ4gの“H”入力に伝播される。その後、セレクタg,4a〜4fの遅延時間(7×τ1)および出力バッファ3の遅延時間Tbが経過したタイミングT1において、パラレル-シリアル変換回路7の出力にあったビットB0の値は出力バッファ3を介してシリアル転送データSoutとして出力される。システムクロックCLKの1サイクル内に、図1(b)の通常転送モードの場合はビットB0,B1,B2,B3,B4のすべてがシリアル転送データSoutとして出力されているが、図2の低速転送モードには1つのビットB0のみである。
【0082】
システムクロックCLKが立ち上がると、フリップフロップ2のセットアップ時間Tsの経過後、送信イネーブル信号Ssenが“H”のネゲート状態になる。転送ゲートセレクタ4fはグランドの“L”を選択するため、シリアル転送データSoutは“L”の連続データとなる。
【0083】
再び、システムクロックCLKの立ち上がりに同期して送信イネーブル信号Ssenが“L”レベルに遷移しアサート状態となると、パラレル-シリアル変換回路7に保持されていたビットB1の値が転送データ選択セレクタ4gの“H”入力に伝播される。その後、遅延時間(7×τ1)および出力バッファ3の遅延時間Tbが経過したタイミングT2において、ビットB1の値がシリアル転送データSoutとして出力される。
【0084】
タイミングT1からタイミングT5にかけて、シリアル転送データSoutはB0、B1、B2、B3、B4となり、低速シリアル転送が完了する。
【0085】
上記において、送信イネーブル信号Ssenが“H”のネゲート状態のときに転送ゲートセレクタ4fが選択するのが“L”であり、これに合わせて、送信イネーブル信号Ssenが“L”のアサート状態のときに初段のセレクタ4aが選択するのを“L”としている。このようにするのは、データ転送を行わない期間のシリアル転送データSoutを“L”の連続データとするためである。すなわち、データ列を固定化している。非転送期間で誤ったデータを転送させないためである。
【0086】
なお、固定のデータ列としては“H”の連続データでもよく、その場合には、送信イネーブル信号Ssenがネゲート状態のときに転送ゲートセレクタ4fが選択するのを“H”とし、これに合わせて、送信イネーブル信号Ssenがアサート状態のときに初段のセレクタ4aが転送データ選択セレクタ4gを介して選択するのを“H”とすればよい。また、送信イネーブル信号Ssenについても、これをロウアクティブに代えてハイアクティブとしてもよい。
【0087】
本実施の形態によれば、データ転送速度選択信号SSによるデータ転送速度の設定によりセレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアル転送する低速転送モードも選択可能であるので、バスマスタからバススレイブへの遅延時間を整合性をもって確実に設定することが可能となり、セレクタの物理遅延を利用したシリアル転送を実効あるものにすることができる。
【0088】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2のシリアルデータ転送装置は、実施の形態1の変形の態様であって、データ保持回路としてのラッチを追加したものに相当する。
【0089】
図3(a)は本発明の実施の形態2のシリアルデータ転送装置におけるシリアル送信回路部の構成を示す回路図である。図3(a)において、実施の形態1の図1(a)におけるのと同じ符号は同一構成要素を指しているので、詳しい説明は省略する。図1(a)における転送ゲートセレクタ4fおよびバッファ5a〜5eがなく、代わりに4eが転送ゲートセレクタになっているとともに、データ保持回路としてのラッチ6a〜6eが追加されている。DSはデータセット信号、Ssen′は送信イネーブル信号である。転送ゲートセレクタ4eの“H”入力はグランドの“L”に接続され、転送ゲートセレクタ4eの出力はラッチ6eを介して出力バッファ3に接続されている。ラッチ6a〜6dの各出力がそれぞれ次段のセレクタ4b〜4eの“L”入力に接続されている。ロウアクティブの送信イネーブル信号Ssen′がラッチ6a〜6eのゲート入力のそれぞれに与えられている。セレクタ4a〜4eは、データセット信号DSが“H”のアサート状態のときは上側の“H”入力の信号を選択して出力し、データセット信号DSが“L”のネゲート状態のときは下側の“L”入力の信号を選択して出力する。
【0090】
次に、以上のように構成された本実施の形態のシリアルデータ転送装置におけるシリアル送信回路10の動作を説明する。
【0091】
通常転送モード時の動作を図3(b)のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0092】
通常転送モード時には、データ転送速度選択信号SSは論理“H”であり、転送データ選択セレクタ4gはグランドの“L”を選択している。データセット信号DSが“H”のアサート状態では、セレクタ4a〜4dはデータバス1の各ビットC0〜C3を選択している。そして、セレクタ4a〜4dの出力すなわちデータバス1の各ビットC0〜C3がラッチ6a〜6dに保持されている。しかし、転送ゲートセレクタ4eはグランドの“L”を選択しているため、出力バッファ3から出力されるシリアル転送データSoutは、ビットC0〜C3の値がどのようなものであれ、それには無関係に“L”の連続データとなっている。
【0093】
次に、データセット信号DSを“L”のネゲート状態に遷移させ、次いで送信イネーブル信号Ssen′を“L”のアサート状態に遷移させると、シリアル転送状態に移行する。その結果、セレクタ4a〜4dは、それまでデータバス1側に接続されていた状態から、セレクタ4a〜4eおよびラッチ6a〜6eをシリーズに接続した状態へ切り替わる。この切り替わり直後の瞬間では、各ラッチ6a〜6dの出力には、まだそれぞれ接続されているビットC0〜C3の値が保持されている。
【0094】
以下、シリアル転送状態の動作を説明する。セレクタとセレクタとの間には、1つのセレクタおよび1つのラッチの遅延を含む遅延が存在し、この遅延時間をセレクタ間遅延時間τ2とする。
【0095】
送信イネーブル信号Ssen′のアサート後、セレクタ間遅延時間τ2が経過したタイミングt1において、初段のラッチ6aに保持されていたビットC0の値は次段のセレクタ4bを介して次段のラッチ6bへ転送され、ラッチ6bに保持されていたビットC1の値は次段のセレクタ4cを介して次段のラッチ6cへ転送され、ラッチ6cに保持されていたビットC2の値は次段のセレクタ4dを介して次段のラッチ6dへ転送され、ラッチ6dに保持されていたビットC3の値は転送ゲートセレクタ4eを介して次段のラッチ6eへ転送され、ラッチ6eに保持されていた値“L”は出力バッファ3を介して、シリアル転送データSoutの1ビット目として出力される。ただし、この出力は、出力バッファ3の遅延時間だけ遅れる(以下同様)。この期間では、初段のセレクタ4aは“L”を選択し、その出力は“L”となる。
【0096】
タイミングt1からさらにセレクタ間遅延時間τ2が経過したタイミングt2において、ラッチ6bの出力のビットC0の値は次段のラッチ6cへ転送され、ラッチ6cの出力のビットC1の値は次段のラッチ6dへ転送され、ラッチ6dの出力のビットC2の値は最終段のラッチ6eへ転送され、さらに出力バッファ3を介してビットC2の値が出力され、シリアル転送データSoutはビットC3からビットC2へと転送データが変化する。この期間でも、初段のセレクタ4aは“L”を選択し、セレクタ4a,4bの出力は“L”レベルとなる。
【0097】
タイミングt2からさらにセレクタ間遅延時間τ2が経過したタイミングt3において、ビットC0の値はラッチ6dへ転送され、ラッチ6dの出力のビットC1の値は最終段のラッチ6eへ転送され、さらに出力バッファ3を介してビットC1の値が出力され、シリアル転送データSoutはビットC2からビットC1へと転送データが変化する。この期間でも、初段のセレクタ4aは“L”を選択し、ラッチ6a〜6cの出力は“L”レベルとなる。
【0098】
タイミングt3からさらにセレクタ間遅延時間τ2が経過したタイミングt4において、ビットC0の値は最終段のラッチ6eへ転送され、さらに出力バッファ3を介してビットC0の値が出力され、シリアル転送データSoutはビットC1からビットC0へと転送データが変化する。この期間でも、初段のセレクタ4aは“L”を選択し、ラッチ6a〜6dの出力は“L”レベルとなる。この期間でも、初段のセレクタ4aは“L”を選択し、ラッチ6a〜6dの出力は“L”レベルとなる。
【0099】
さらに時間が経過すると、最終段のラッチ6eの出力は“L”レベルとなり、以降、次のデータセット信号DSの立ち上がりがあるまで、“L”の連続データとなる。すなわち、当初、ラッチ6aに存在したビットC0がシリアル転送データSoutの最終データとして転送が終了すると、最終的に“L”の連続データの出力に切り替わり、シリアル転送が完了する。
【0100】
このようにセレクタ4a〜4eがシリーズに接続されたことに伴うデータのシリアル転送は、セレクタ間遅延時間τ2よる遅延作用に基づいて実現されている。転送用クロックを用いてのシリアル転送ではなく、シリアル送信回路自身が有する遅延作用を利用してのシリアル転送となっている。
【0101】
その後、再びデータセット信号DSが“H”に変化すると、ラッチ6a〜6dはデータバス1側を選択し、それに伴って、ラッチ6a〜6dには新たにデータバス1上に新たにセットされたビットC0′〜C3′の値が取り込まれる。
【0102】
次に、低速転送モード時の動作を図4のタイミングチャートに基づいて説明する
低速転送モードにおいては、データ転送速度選択信号SSは論理“L”にされており、転送データ選択セレクタ4gはパラレル-シリアル変換回路7の出力信号を選択している。データセット信号DSが“H”のアサート状態では、セレクタ4a〜4dはデータバス1上の“L”を選択している。そして、セレクタ4a〜4dの出力すなわちデータバス1の“L”がラッチ6a〜6dに保持されている。しかし、転送ゲートセレクタ4eはグランドの“L”を選択しているため、シリアル転送データSoutは“L”の連続データとなっている。
【0103】
次に、データセット信号DSを“L”のネゲート状態に遷移させ、次いで送信イネーブル信号Ssen′を“L”のアサート状態に遷移させると、シリアル転送状態に移行する。その結果、セレクタ4a〜4dは、それまでデータバス1側に接続されていた状態から、セレクタ4a〜4eおよびラッチ6a〜6eをシリーズに接続した状態へ切り替わる。この切り替わり直後の瞬間では、各ラッチ6a〜6dの出力には、まだそれぞれ“L”の値が保持されている。
【0104】
送信イネーブル信号Ssen′のアサート後、パラレル-シリアル変換回路7に保持されていたビットC0の値は転送データ選択セレクタ4gの“H”入力に伝播される。その後、セレクタ4a〜4eおよびラッチ6a〜6eの遅延時間(6×τ2)および出力バッファ3の遅延時間Tbが経過したタイミングT1において、パラレル-シリアル変換回路7の出力にあったビットC0の値は出力バッファ3を介してシリアル転送データSoutとして出力される。
【0105】
タイミングT1からさらに低速転送時間τb′が経過したタイミングT2において送信イネーブル信号Ssen′が“H”に遷移し、その後、データセット信号DSを“H”のアサート状態にする。セレクタ4a〜4dの“H”入力にはデータバス1上にある論理“L”が印加され、転送ゲートセレクタ4eの“H”入力にはグランドの“L”が印加されている。そして、セレクタ4a〜4dの出力がラッチ6a〜6dを介して次段のセレクタ4b〜4eへ伝播されている。しかし、転送ゲートセレクタ4eは“L”を選択しているため、シリアル転送データSoutは“L”の連続データとなっている。
【0106】
次に、データセット信号DSを“L”のネゲート状態に遷移させ、次いで送信イネーブル信号Ssen′を“L”のアサート状態に遷移させると、シリアル転送状態に移行する。その結果、セレクタ4a〜4dは、それまでデータバス1側に接続されていた状態から、セレクタ4a〜4eおよびラッチ6a〜6eをシリーズに接続した状態へ切り替わる。パラレル-シリアル変換回路7に保持されていたビットC1の値は転送データ選択セレクタ4gの“H”入力に伝播される。その後、セレクタ4a〜4eおよびラッチ6a〜6eの遅延時間(6×τ2)および出力バッファ3の遅延時間Tbが経過したタイミングT3において、パラレル-シリアル変換回路7の出力にあったビットC1の値はシリアル転送データSoutとして出力される。
【0107】
タイミングT3からさらに低速転送時間τb′が経過したタイミングT4において送信イネーブル信号Ssen′が“H”に遷移し、その後、データセット信号DSを“H”のアサート状態にする。セレクタ4a〜4dの“H”入力にはデータバス1上にある論理“L”が印加され、転送ゲートセレクタ4eの“H”入力には“L”が印加される。そして、セレクタ4a〜4dの出力がラッチ6a〜6dを介して次段のセレクタ4b〜4eへ伝播されている。しかし、転送ゲートセレクタ4eは“L”を選択しているため、シリアル転送データSoutは“L”の連続データとなっている。次に、送信イネーブル信号Ssen′が“L”レベル、データセット信号DSを“L”に遷移しアサート状態となる。これによって再び低速シリアル転送状態に移行することになる。
【0108】
以上のタイミングT1からタイミングT10にかけて、シリアル転送データSoutは、C0、C1、C2、C3となり、低速シリアル転送が完了する。
【0109】
本実施の形態によれば、上記と同様に、セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアル転送することが選択可能であるので、バスマスタからバススレイブへの遅延時間を整合性をもって確実に設定することができる。
【0110】
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態3のシリアルデータ転送装置におけるシリアル送信回路部の構成を示す回路図である。
【0111】
図5において、実施の形態1の図1(a)におけるのと同じ符号は同一構成要素を指しているので、詳しい説明は省略する。4g〜4kは通常転送データと低速転送データを選択するための転送データ選択セレクタ、4mはデータバス1よりて低速転送データを生成する転送データ低速化セレクタである。
【0112】
転送データ選択セレクタ4g〜4kは送信用の通常転送に用いるデータバス1が左側の“H”入力に接続され、転送データ低速化セレクタ4mの出力が右側の“L”入力に接続されている。転送データ選択セレクタ4g〜4kはデータ転送速度選択信号SSが論理“H”のときは通常転送データを選択して出力し、データ転送速度選択信号SSが論理“L”のときは低速転送データを選択して出力する。
【0113】
通常転送モードの動作に関しては、実施の形態1の図1(b)と同様であるため説明を省略する。
【0114】
低速転送モードの動作を図6のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0115】
低速転送モードにおいては、データ転送速度選択信号SSは論理“L”にされており、転送データ選択セレクタ4g〜4kは転送データ低速化セレクタ4mからの低速転送データを選択している。送信イネーブル信号Ssenが“H”のネゲート状態の場合には、セレクタ4a〜4eの“H”入力には転送データ低速化セレクタ4mからの低速転送データのB0が印加され、転送ゲートセレクタ4fはグランドの“L”を選択しているため、シリアル転送データSoutは“L”の連続データとなっている。
【0116】
次に、フリップフロップ2にロウアクティブの転送開始指令信号Siが入力され、システムクロックCLKが立ち上がると、フリップフロップ2のセットアップ時間Tsの経過後、送信イネーブル信号Ssenが“L”レベルに遷移しアサート状態となる。これによってシリアル転送状態(低速転送)に移行することになる。その結果、セレクタ4a〜4eは、それまで転送データ選択セレクタ4g〜4kの出力に接続されていた状態から、セレクタ4a〜4fをシリーズに接続した状態へ切り替わる。この切り替わり直後の瞬間では、各セレクタ4a〜4eの出力およびバッファ5a〜5eの出力には、ビットB0の値が保持されている。送信イネーブル信号Ssenのアサート後、フリップフロップ2のセットアップ時間Tsとセレクタ4fの遅延時間τ1および出力バッファ3の遅延時間Tbが経過したタイミングT1において、セレクタ4e・バッファ5eの出力にあったビットB0の値はシリアル転送データSoutとして出力される。
【0117】
以下、上記と同様にして、タイミングT1からタイミングT10にかけて、シリアル転送データSoutは、B0、B1、B2、B3、B4となり、低速シリアル転送が完了する。
【0118】
低速転送時間τbは、コマンドによりユーザーが設定することが可能で、セレクタ間遅延時間τ1より長い時間に設定するものとする。
【0119】
なお、固定のデータ列としては“H”の連続データでもよく、その場合には、送信イネーブル信号Ssenがネゲート状態のときに転送ゲートセレクタ4fが選択するのを“H”とし、これに合わせて、送信イネーブル信号Ssenがアサート状態のときに初段のセレクタ4aが選択するのを“H”とすればよい。また、送信イネーブル信号Ssenについても、これをロウアクティブに代えて、ハイアクティブとしてもよい。
【0120】
本実施の形態によれば、上記と同様に、セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアル転送することが選択可能であるので、バスマスタからバススレイブへの遅延時間を整合性をもって確実に設定することができる。
【0121】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4のシリアルデータ転送装置は、実施の形態3の変形の態様であって、データ保持回路としてのラッチを追加したものに相当する。
【0122】
図7は本発明の実施の形態4のシリアルデータ転送装置におけるシリアル送信回路部の構成を示す回路図である。図7において、実施の形態3の図5におけるのと同じ符号は同一構成要素を指しているので、詳しい説明は省略する。図5における転送ゲートセレクタ4fおよびバッファ5a〜5eがなく、代わりに4eが転送ゲートセレクタになっているとともに、データ保持回路としてのラッチ6a〜6eが追加されている。DSはデータセット信号、Ssen′は送信イネーブル信号である。
【0123】
転送ゲートセレクタ4eの“H”入力はグランドの“L”に接続され、転送ゲートセレクタ4eの出力はラッチ6eを介して出力バッファ3に接続されている。ラッチ6a〜6dの各出力がそれぞれ次段のセレクタ4b〜4eの“L”入力に接続されている。転送ゲートセレクタ4eを除いてセレクタ4a〜4dの総数は、データバス1のビット総数と同じである。これらのセレクタ4a〜4eがそれぞれの間にラッチ6a〜6dを介在する状態でシリーズに接続されている。ロウアクティブの送信イネーブル信号Ssen′がラッチ6a〜6eのゲート入力のそれぞれに与えられている。セレクタ4a〜4eは、データセット信号DSが“H”のアサート状態のときは上側の“H”入力の信号を選択して出力し、データセット信号DSが“L”のネゲート状態のときは下側の“L”入力の信号を選択して出力する。
【0124】
図8のタイミングチャートは、低速転送モード時の動作を示す。低速転送モードにおいては、データ転送速度選択信号SSは論理“L”にされ、転送データ選択セレクタ4g〜4jは転送データ低速化セレクタ4mからの低速転送データを選択する。上記同様にして、タイミングT1からタイミングT10にかけて、シリアル転送データSoutは、C0、C1、C2、C3、C4となり、低速シリアル転送が完了する。
【0125】
本実施の形態によれば、上記と同様に、セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアル転送することが選択可能であるので、バスマスタからバススレイブへの遅延時間を整合性をもって確実に設定することができる。
【0126】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5のシリアルクロック転送装置は、受信側がシリアル転送を行うのに必要となる転送同期クロックを送信側で生成する機能を有している。
【0127】
図9(a)は本発明の実施の形態5のシリアルクロック転送装置におけるシリアル送信回路部の構成を示す回路図である。
【0128】
シリアル送信回路20は、次のように構成されている。すなわち、1つ置きのクロック選択セレクタ4K,4I,4Gの左側の“H”入力には電源電位の“H”が接続され、右側の“L”入力にはクロック低速化セレクタ4Lの出力が入力されている。また、別の1つ置きのクロック選択セレクタ4H,4Jの左側の“H”入力にはグランドの“L”が入力され、右側の“L”入力にはクロック低速化セレクタ4Lの出力が接続されている。クロック選択セレクタ4G〜4Kの出力はシリーズのセレクタ4A〜4Eの“H”入力に接続されている。セレクタ4A〜4Eの各出力はそれぞれ次段のセレクタ4B〜4Fの“L”入力に接続されている。初段のセレクタ4Aの“L”入力はグランドの“L”に接続され、転送ゲートセレクタ4Fの出力は出力バッファ8に接続されている。SS′はクロックの速度を選択するクロック転送速度選択信号、CSSは低速クロックの“H”“L”の遷移を決定するクロック遷移制御信号である。
【0129】
通常転送モード時の動作を図9(b)のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0130】
通常転送モードのときは、クロック転送速度選択信号SS′を論理“H”に設定する。これにより、クロック選択セレクタ4G〜4Kは、左側の“H”入力を選択する。クロック選択セレクタ4Gは論理“H”を出力し、クロック選択セレクタ4Hは論理“L”を出力し、クロック選択セレクタ4Iは論理“H”を出力し、クロック選択セレクタ4Jは論理“L”を出力し、クロック選択セレクタ4Kは論理“H”を出力する。送信イネーブル信号Ssenが“H”のネゲート状態のとき、セレクタ4A〜4Eは上側の“H”入力を選択する(データセット状態)。したがって、セレクタ4A〜4Eの出力は、“H”,“L”,“H”,“L”,“H”となる。ただし、転送ゲートセレクタ4Fはグランドの“L”を選択しているので、出力バッファ8を介しての転送同期クロックSclkは連続“L”となる。この状態は、送信イネーブル信号Ssenが“L”となってアサートした後、セレクタ間遅延時間τ3が経過したタイミングt1の直前まで維持される。
【0131】
送信イネーブル信号Ssenがアサートされて論理“L”になると、セレクタ4A〜4Eは“L”入力を選択する。すなわち、セレクタ4A〜4Eがシリーズに接続され、シリアル転送状態に移行する。システムクロックCLKのほぼ1周期に相当する送信イネーブル信号Ssenの“L”レベル期間において、セレクタ4A〜4Eの“H”,“L”,“H”,“L”,“H”が伝播され、転送同期クロックSclkとして出力される。“H”,“L”の時間間隔はセレクタ間遅延時間τ3となっている。このときの転送同期クロックSclkは、シリアル送信回路10において通常転送モードで、出力バッファ3から出力される転送データD0〜D4に正確に同期することになる。
【0132】
次に、低速転送モード時の動作を図10のタイミングチャートに基づいて説明する。図10においては、システムクロックCLKの1周期が図9(b)よりずいぶん短く表示されている。これは、動作速度が低速であることに対応している。低速転送モードにおいては、クロック転送速度選択信号SS′は論理“L”にされており、クロック選択セレクタ4G〜4Kはクロック低速化セレクタ4Lの出力信号を選択している。
【0133】
低速転送モードのときは、クロック転送速度選択信号SS′を論理“L”に設定する。これにより、クロック選択セレクタ4G〜4Kは、右側の“L”入力を選択し、いずれの入力もクロック低速化セレクタ4Lとなる。初期にはクロック遷移制御信号CSSが“H”であり、クロック低速化セレクタ4Lは電源電位の“H”を選択している。したがって、クロック選択セレクタ4G〜4Kのすべてが論理“H”を出力する。送信イネーブル信号Ssenが“H”のネゲート状態のとき、セレクタ4A〜4Eは上側の“H”入力を選択する(データセット状態)。したがって、セレクタ4A〜4Eの出力は、“H”,“H”,“H”,“H”,“H”となる。ただし、転送ゲートセレクタ4Fはグランドの“L”を選択しているので、出力バッファ8を介しての転送同期クロックSclkは連続“L”となる。この状態は、送信イネーブル信号Ssenが“L”となってアサートした後、セレクタ間遅延時間τ3および出力バッファ8の遅延時間τbが経過したタイミングT1の直前まで維持される。
【0134】
送信イネーブル信号Ssenがアサートされて論理“L”になると、セレクタ4A〜4Fは“L”入力を選択する。すなわち、セレクタ4A〜4Fがシリーズに接続され、シリアル転送状態に移行する。送信イネーブル信号Ssenの“L”レベル期間において、セレクタ4A〜4Eの“H”,“H”,“H”,“H”,“H”が連続“H”の状態で伝播される(タイミングT1〜T2)。
【0135】
次に、送信イネーブル信号Ssenが“H”のネゲート状態になり、同期してクロック遷移制御信号CSSも論理“H”になると、クロック低速化セレクタ4Lはグランドの“L”を選択する状態に切り換えられる。その結果、クロック選択セレクタ4G〜4Kを介してセレクタ4A〜4Eに設定されるデータはすべて論理“L”となる。転送ゲートセレクタ4Fもグランドの“L”を選択する。すなわち、セレクタ4A〜4Fの出力は、“L”,“L”,“L”,“L”,“L”,“L”となる。そして、送信イネーブル信号Ssenがアサートされて論理“L”になると、セレクタ4A〜4Fがシリーズに接続され、シリアル転送状態に移行する。“L”,“L”,“L”,“L”,“L”,“L”が連続“L”の状態で伝播される(タイミングT2〜T3)。
【0136】
以上のようにして送信イネーブル信号Ssenが“L”,“H”を繰り返すたびに、出力バッファ8から連続“H”、連続“L”の繰り返しが転送同期クロックSclkとして出力される。このときの転送同期クロックSclkは、シリアル送信回路10において低速転送モードで、出力バッファ3から出力される転送データD0〜D4に正確に同期することになる。
【0137】
本実施の形態によれば、通常転送モードでも低速転送モードでも、シリアル送信回路10において転送データD0〜D4が出力されている期間に正確に対応する状態で、シリアル送信回路20において転送同期クロックSclkを同期生成して出力することができる。この転送同期クロックSclkを転送データD0〜D4とともに受信側に送信すると、受信側では受信のシリアル/パラレル変換処理を有利に進めることができる。
【0138】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6のシリアルクロック転送装置は、実施の形態5の変形の態様であって、データ保持回路としてのラッチを追加したものに相当する。
【0139】
図11(a)は本発明の実施の形態6のシリアルクロック転送装置におけるシリアル送信回路部の構成を示す回路図である。図11(a)において、実施の形態5の図9におけるのと同じ符号は同一構成要素を指しているので、詳しい説明は省略する。図9におけるフリップフロップ2およびバッファ5A〜5Eがなく、代わりにラッチ6A〜6Fが追加されている。DSはデータセット信号、Ssen′は送信イネーブル信号である。
【0140】
図11(b)は通常転送モード時の動作を示す。これは、実施の形態5の図9(b)と実質的に同一である。
【0141】
図12は低速転送モード時の動作を示す。これは、実施の形態5の図10と実質的に同一である。
【0142】
本実施の形態によれば、通常転送モードでも低速転送モードでも、シリアル送信回路10において転送データD0〜D4が出力されている期間に正確に対応する状態で、シリアル送信回路20において転送同期クロックSclkを同期生成して出力することができる。この転送同期クロックSclkを転送データD0〜D4とともに受信側に送信すると、受信側では受信のシリアル/パラレル変換処理を有利に進めることができる。
【0143】
(実施の形態7)
図13(a)は、本発明の実施の形態7のシリアルクロック転送装置におけるシリアル送信回路部の構成を示す回路図である。図13(a)において、実施の形態5の図9におけるのと同じ符号は同一構成要素を指しているので、詳しい説明は省略する。図9におけるクロック低速化セレクタ4Lがなく、代わりにフリップフロップで構成された分周回路21とクロックゲート回路(AND回路)22とクロック選択セレクタ4Mが追加されている。GSはゲーテッドコントロール信号である。
【0144】
図9の実施の形態5の場合には、送信イネーブル信号SsenはシステムクロックCLKを2分の1分周した状態で“H”,“L”を交番する。これに対して本実施の形態では、クロックゲート回路22により送信イネーブル信号Ssenを“L”に固定化する。代わりに、シリーズに接続された状態のセレクタ4A〜4Eの初段のセレクタ4Aに対してシステムクロックCLKを2分の1分周したクロックを入力する。
【0145】
フリップフロップ2の出力とゲーテッドコントロール信号GSとがクロックゲート回路22に入力され、クロックゲート回路22の出力が送信イネーブル信号Ssenとしてセレクタ4A〜4Fの選択制御入力に接続されている。分周回路21はシステムクロックCLKを入力して2分の1分周するもので、その出力はクロック選択セレクタ4Mの“L”入力に接続され、その“H”入力はグランドの“L”に接続されている。クロック転送速度選択信号SS′はクロック選択セレクタ4Mの選択制御入力に接続されている。クロック選択セレクタ4Mの出力は初段のセレクタ4Aの“L”入力に接続されている。また、1つ置きのクロック選択セレクタ4K,4I,4Gの左側の“H”入力には電源電位の“H”が接続され、右側の“L”入力にはグランドの“L”が接続されている。また、別の1つ置きのクロック選択セレクタ4H,4Jの左側の“H”入力にも右側の“L”入力にもグランドの“L”が接続されている。
【0146】
低速転送モード時の動作を図13(b)のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0147】
低速転送モードのときは、クロック転送速度選択信号SS′を論理“L”に設定する。これにより、クロック選択セレクタ4Mは、その“L”入力に分周回路21を接続する。また、クロック選択セレクタ4G〜4Kは、右側の“L”入力を選択し、いずれの入力もグランドの“L”となる。ゲーテッドコントロール信号GSが論理“H”であり、クロックゲート回路22の出力である送信イネーブル信号Ssenも“H”のネゲート状態である。したがって、セレクタ4A〜4Eの出力は、“L”,“L”,“L”,“L”,“L”となる。また、送信イネーブル信号Ssenが“H”のネゲート状態では、転送ゲートセレクタ4Fはグランドの“L”を選択している。結果として、出力バッファ8を介しての転送同期クロックSclkは連続“L”となる。
【0148】
ゲーテッドコントロール信号GSが反転して論理“L”になると送信イネーブル信号Ssenがアサートされて論理“L”になり、セレクタ4A〜4Fは“L”入力を選択する。すなわち、セレクタ4A〜4Fがシリーズに接続され、シリアル転送状態に移行する。初段のセレクタ4Aはクロック選択セレクタ4Mを介して分周回路21に接続される。シリアル転送状態では、ゲーテッドコントロール信号GSは常に論理“L”となっている。転送同期クロックSclkは、最初は“L”であるが、遅延時間(8×τ3+Tb)が経過したタイミングT1から、分周回路21より入力されてくるシステムクロックCLKの2分の1分周の低速クロックが転送同期クロックSclkとして伝播されるようになる。
【0149】
本実施の形態によれば、通常転送モードでも低速転送モードでも、シリアル送信回路10において転送データD0〜D4が出力されている期間に正確に対応する状態で、シリアル送信回路20において転送同期クロックSclkを同期生成して出力することができる。この転送同期クロックSclkを転送データD0〜D4とともに受信側に送信すると、受信側では受信のシリアル/パラレル変換処理を有利に進めることができる。
【0150】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8のシリアルクロック転送装置は、実施の形態7の変形の態様であって、データ保持回路としてのラッチを追加したものに相当する。
【0151】
図14(a)は本発明の実施の形態8のシリアルクロック転送装置におけるシリアル送信回路部の構成を示す回路図である。図14(a)において、実施の形態7の図13におけるのと同じ符号は同一構成要素を指しているので、詳しい説明は省略する。図13におけるフリップフロップ2、バッファ5A〜5Eおよびクロックゲート回路22がなく、代わりにラッチ6A〜6Eが追加されている。DSはデータセット信号、Ssen′は送信イネーブル信号である。
【0152】
図14(b)は低速転送モード時の動作を示す。これは、実施の形態7の図13(b)と実質的に同一である。
【0153】
本実施の形態によれば、通常転送モードでも低速転送モードでも、シリアル送信回路10において転送データD0〜D4が出力されている期間に正確に対応する状態で、シリアル送信回路20において転送同期クロックSclkを同期生成して出力することができる。この転送同期クロックSclkを転送データD0〜D4とともに受信側に送信すると、受信側では受信のシリアル/パラレル変換処理を有利に進めることができる。
【0154】
(実施の形態9)
図15(a)は、本発明の実施の形態9のシリアルクロック転送装置におけるシリアル送信回路部の構成を示す回路図である。図15(a)において、実施の形態5の図9におけるのと同じ符号は同一構成要素を指しているので、詳しい説明は省略する。図9におけるクロック低速化セレクタ4Lがなく、代わりにデータバス1の各ビットにクロック選択セレクタ4G〜4Kの右側の“L”入力が接続されている。
【0155】
低速転送モード時の動作は図15(b)のタイミングチャートに示され、データバス1の各ビットに“H”,“H”,“H”,“H”,“H”をロードしておくことにより、実施の形態5の場合の図10と同様の動作を行うことになる。
【0156】
本実施の形態によれば、通常転送モードでも低速転送モードでも、シリアル送信回路10において転送データD0〜D4が出力されている期間に正確に対応する状態で、シリアル送信回路20において転送同期クロックSclkを同期生成して出力することができる。この転送同期クロックSclkを転送データD0〜D4とともに受信側に送信すると、受信側では受信のシリアル/パラレル変換処理を有利に進めることができる。
【0157】
(実施の形態10)
本発明の実施の形態10のシリアルクロック転送装置は、実施の形態9の変形の態様であって、データ保持回路としてのラッチを追加したものに相当する。
【0158】
図16(a)は本発明の実施の形態10のシリアルクロック転送装置におけるシリアル送信回路部の構成を示す回路図である。図16(a)において、実施の形態9の図15(a)におけるのと同じ符号は同一構成要素を指しているので、詳しい説明は省略する。図15(a)におけるフリップフロップ2、バッファ5A〜5Eがなく、代わりにラッチ6A〜6Fが追加されている。DSはデータセット信号、Ssen′は送信イネーブル信号である。
【0159】
図16(b)は低速転送モード時の動作を示す。これは、実施の形態9の図15(b)と実質的に同一である。
【0160】
本実施の形態によれば、通常転送モードでも低速転送モードでも、シリアル送信回路10において転送データD0〜D4が出力されている期間に正確に対応する状態で、シリアル送信回路20において転送同期クロックSclkを同期生成して出力することができる。この転送同期クロックSclkを転送データD0〜D4とともに受信側に送信すると、受信側では受信のシリアル/パラレル変換処理を有利に進めることができる。
【0161】
実施の形態11から実施の形態18まではバスマスタとバススレイブとの間のシリアル転送を伴う送受信システムにかかわるものである。
【0162】
(実施の形態11)
図17(a)は、本発明の実施の形態11におけるシリアル転送システムの概略構成を示すブロック図である。このシリアル転送システムは、バスマスタMと複数のバススレイブSとコントロール回路30とを備えている。バスマスタMは、シリアル送信回路M1とシリアル受信回路M2とを備えている。バスマスタMの送信回路M1としては、上述してきたいずれかのシリアルデータ転送装置とシリアルクロック転送装置とを備えているものとする。バスマスタMの受信回路M2は、複数のバススレイブSに合わせて同数個備えられている。バススレイブSは、前記同様の構成のシリアル送信回路S1とシリアル受信回路S2と遅延値保持回路31とを備えている。バスマスタMの送信回路M1は複数のバススレイブSの各受信回路S2に対して並列に接続されている。コントロール回路30は、バスマスタMとバススレイブSとの間のシリアル転送を制御するものであり、バスマスタMに接続されている。
【0163】
バスマスタMとバススレイブSとの間のシリアル転送における遅延値は、バススレイブSごとに相違している。この遅延値の相違に対応するために、コントロール回路30および遅延値保持回路31が設けられている。コントロール回路30は、低速転送モードによって、バススレイブSの送信回路S1に設定べき遅延値をバスマスタMの送信回路M1に転送するように構成されている。その後、バスマスタMの送信回路M1は、その遅延値をバススレイブSの受信回路S2へ送信するように構成されている。
【0164】
図17(b)に示すように、バスマスタMとバススレイブSが単独で接続されているものでもかまわない。
【0165】
バスマスタMの送信回路M1は、図18(a)または図18(b)のような遅延調整回路32を持つものとする。この遅延調整回路32は、遅延時間が互いに異なる複数の遅延素子d1,d2,d3の並列接続と遅延セレクタ9とで構成され、出力バッファ3の前段に挿入されている。
【0166】
これから送受信を行おうとする相手側のバススレイブSがどれであるかは、あらかじめ知ることができる。これに応じて、遅延値保持回路31から対応する遅延素子を選択するように遅延セレクタ9に選択信号が与えられる。これにより、複数の遅延素子d1,d2,d3のうちから最適の遅延素子が選択される。
【0167】
次に、図19のフローチャートを用いてバスマスタMとバススレイブSとの間の遅延値の設定について説明する。
【0168】
ステップn1において、クロック転送速度選択信号SS′を低速転送モードに設定し、低速シリアル転送を用いてコントロール回路30からバススレイブSの送信回路S1に設定べき遅延値をバスマスタMの送信回路M1に転送し、その後、バスマスタMの送信回路M1からバススレイブSの受信回路S2へ遅延値を送信する。このときの遅延値は、これから送受信を行おうとするバススレイブSがどれであるかに応じて決められる。また、遅延値ととも通信テストで用いるテストパターンも低速シリアル転送を用いてバススレイブSに送信する。この低速のシリアル転送は、バスマスタMとバススレイブS間に存在する遅延時間の差を十分吸収できるものとする。
【0169】
次いでステップn2において、バススレイブSは受信した遅延値を遅延値保持回路31へ設定し、設定した遅延値をもとにバススレイブSの送信回路S1に接続されている遅延調整回路32を設定する。
【0170】
遅延値設定後、ステップn3において、バススレイブSの送信回路S1およびバスマスタMの受信回路M2を通常転送モードに設定する。そして、バススレイブSの送信回路S1からテストパターンをバスマスタMの受信回路M2に送信する。このときのテストパターンは、ステップn1でバススレイブSの受信回路S2が受信したものと同じである。
【0171】
次いでステップn4において、コントロール回路30において送受信のテストパターンの比較を通じてテストパターンが正確に送信されたか確認する。ここで、テストパターンが正確に送信されていなければ、再度、コントロール回路30で生成した遅延情報を、バスマスタMの送信回路M1からバススレイブSの送信回路S1に送信する。
【0172】
テストパターンが正確に送信されたことが確認された後、ステップn5において、バスマスタMの送信回路M1のクロック転送速度選択信号SS′を通常転送モードに設定する一方、バススレイブSのクロック転送速度選択信号SS′を低速転送モードに設定し、バスマスタM自身で遅延値の設定を行う。
【0173】
バスマスタM自身により遅延値を設定後、ステップn6において、テストパターンを通常転送モードでバススレイブSの受信回路S2に送信する。
【0174】
次いでステップn7において、バススレイブSの受信回路S2で受信したテストパターンについて、その転送結果をバススレイブSから低速転送モードでバスマスタMに送信する。この結果により、コントロール回路30は送受信のテストパターンを比較する。正確にテストパターンが送信されていなければ、バスマスタMの遅延値を再設定し、再度、バススレイブSに対してテストパターンを送信し、正しく送信されていることが確認されたら遅延値の設定は完了となる。
【0175】
本実施の形態によれば、相手側のバススレイブがどれであるかに応じて最適な遅延値を設定するようにしているので、バスマスタからバススレイブへの遅延差が解消され、該当のバススレイブとの間でのシリアル転送を最も安定した状態で実行できる。
【0176】
(実施の形態12)
図20は、本発明の実施の形態12のシリアル転送システムの概略構成を示すブロック図である。
【0177】
このシリアル転送システムは、実施の形態11のシリアル転送システムと同様の構成となっている。
【0178】
なお、図21(a)のように、バスマスタMとバススレイブSが単独で接続されているものでもかまわない。
【0179】
次に、動作を説明する。図21(b)は転送データの形態を示す。
【0180】
バスマスタMからバススレイブSに送信される転送データは、バススレイブSを特定するアドレス、処理を指示するコマンド、転送するデータより構成される。
【0181】
バススレイブSからバスマスタMにデータを返信する際にはアドレス、コマンドは必要でない。そこで、アドレス、コマンドは送信しないようにし、転送時間の削減を図る。アドレス、コマンドを削除した転送データD2となる。
【0182】
このとき、バススレイブSにおいては、受信回路S2から送信回路S1へ直接データを転送する。転送データD2に受信完了を示すアクノリッジ信号を付加して転送データD3を生成し、生成した転送データD3をバススレイブSからバスマスタMに返信する。アクノリッジ信号は、正常に受信されたときには論理“H”とし、受信されなかったときには論理“L”とする。なお、この論理値は逆であってもよい。
【0183】
この検査によりバスマスタMとバススレイブSとの通信が確立されているかを確認することに利用する。
【0184】
本実施の形態によれば、バスマスタからバススレイブへの遅延差が影響することなく、低速クロックで遅延値を1つのコントロール回路からそれぞれのバススレイブに送信することになる。
【0185】
(実施の形態13)
図22(a)で示すように、本実施の形態においては、ユーザー設計の機能回路40を備え、この機能回路40はバススレイブSの受信回路S2および送信回路S1に接続されている。
【0186】
図22(b)を用いて実際の動作を説明する。バスマスタMからバススレイブSに対して転送データD1が送信される。この転送データD1には、メインの情報としてのデータと、機能回路40を選択するためのアドレスデータと、処理内容を指示するコマンドデータなどが含まれている。バススレイブSの受信回路S2は、受信した転送データD1を機能回路40に転送する。機能回路40は、転送データD1からコマンドおよびアドレスの各データを削除した転送データD2を生成する。このように削除するのは、バススレイブSからバスマスタMへ転送するときにはアドレス、コマンドは必要ないからである。バススレイブSの送信回路S1は、転送データD2をバススレイブSの送信回路S1に送出する。送信回路S1は、データ付加機能を用いてその転送データD2にアクノリッジ信号を付加して転送データD3を生成し、バスマスタMの受信回路M2に転送する。アクノリッジ信号は、バスマスタMからバススレイブSへのデータ転送が正常に行われたことを示すものである。受信回路M2は、さらに転送データD3をコントロール回路30に転送する。コントロール回路30は、受信した転送データD3中のアクノリッジ信号に基づいてシリアル転送が正常に行われたか否かを判断する。コントロール回路30は、また、アクノリッジ信号に基づいて機能回路40の性能を評価する。なお、アクノリッジ信号については、通常は、正常に受信されたときには論理“H”、受信されなかったときには論理“L”とする。ただし、その論理“H”,“L”を逆転してもかまわない。アクノリッジ信号からアドレス、コマンドを削除しているので、転送時間を削減することができる。
【0187】
本実施の形態によれば、バススレイブSに接続されている機能回路40の成否を確認することができ、シリアル転送の精度を高めることができる。
【0188】
(実施の形態14)
図23は、本発明の実施の形態14のシリアル転送システムの概略構成を示すブロック図である。
【0189】
コントロール回路30は、テストパターンを生成するテストパターン生成回路30aと、テストパターンの比較を行うテストパターン比較回路30bを有している。テストパターンはバスマスタMからバススレイブSへのシリアル転送をテストするためのものである。テストパターン比較回路30bは、テストパターン生成回路30aが生成したテストパターンとバスマスタMがバススレイブSから受信したテストパターンとを比較するものである。
【0190】
機能回路40は、デコーダ50を介してバススレイブSに接続されている。デコーダ50は、アドレスデコーダ51とコマンドデコーダ52で構成されている。機能回路40で処理したデータはセレクタ23の一方の入力となっている。セレクタ23は、シリアル転送テスト時に、バススレイブSの受信回路S2から送信回路S1に送られるデータと機能回路40からのデータとのいずれか一方を選択し、データ保持回路31aに送出するように構成されている。データ保持回路31aは、保持しているデータをシステムクロックCLKに同期して送信回路S1へ送出するようになっている。
【0191】
次に、動作を説明する。
【0192】
コントロール回路30は、テストパターン生成回路30aにおいてテストパターンを生成し、そのテストパターンをバスマスタMに送出する。バスマスタMの送信回路M1は、テストパターンをバススレイブSにシリアル転送する。バススレイブSは、受信したテストパターンをデコーダ50を介して機能回路40に送出するとともに、セレクタ23に対して直接に出力する。アドレスデコーダ51はテストパターン中のアドレスをデコードし、機能回路40におけるアドレスを指定する。コマンドデコーダ52は、テストパターンをデコードし機能回路40に与える。
【0193】
セレクタ23がバススレイブSを選択したとき、バススレイブSが受信したデータを一旦、データ保持回路31aに格納する。バススレイブSの送信回路S1は、システムクロックCLKに同期してデータ保持回路31aのデータをバスマスタMにシリアル転送する。コントロール回路30は、テストパターン比較回路30bにおいてバスマスタMの受信回路M2が受信したデータと自ら生成したテストパターンとを比較し、バスマスタMとバススレイブSの通信が正常に確立されているかの検査を行う。すなわち、バスマスタMからのテストパターンをバススレイブSで受信すると同時に、再度バスマスタMへ返送し、コントロール回路30でテストパターンの比較を行うことによって、シリアル転送をテストする。
【0194】
また、セレクタ23が機能回路40を選択したとき、機能回路40でデータ処理されたデータを一旦、データ保持回路31aに格納し、バススレイブSの送信回路S1は、システムクロックCLKに同期してデータ保持回路31aのデータをバスマスタMにシリアル転送する。コントロール回路30は、機能回路40によるデータ処理結果を判断する。
【0195】
以上のように、バスマスタMとバススレイブSとの通信確立の検査と機能回路40の性能の検査とを、セレクタ23での選択変更だけで可能になる。
【0196】
(実施の形態15)
図24は、本発明の実施の形態15のシリアル転送システムの概略構成を示すブロック図である。
【0197】
バスマスタMの送信回路M1およびバススレイブSの送信回路S1には決められたテストパターンを保持しているテストパターン保持回路33,34が接続されている。バスマスタMおよびバススレイブSにはシリアル受信回路に保持されているテストパターンと転送後のテストパターンを比較するテストパターン比較回路35,36が接続されている。
【0198】
次に、動作を説明する。図25のフローチャートに従って説明する。
【0199】
ステップn11において、低速転送モードにおいて、バスマスタMからバススレイブSに対しコマンドを発行する。このコマンドには、バススレイブSからバスマスタMに送信を求めるテストパターンの種類を指定する命令が含まれる。コマンドをバススレイブSの受信回路S2が受信し、コマンドデコーダでコマンドを解析する。
【0200】
次いでステップn12において、バススレイブSから送信すべきテストパターンを決定する。
【0201】
次いでステップn13において、そのテストパターンを通常転送モード(高速)でバスマスタMに送信する。
【0202】
次いでステップn14において、バスマスタMでは受信したデータを比較し、正しく転送できたかを確認する。
【0203】
以上で、バススレイブSからバスマスタMへの転送のテストが終了する。次に、バスマスタMからバススレイブSへの転送のテストを開始する。
【0204】
次いでステップn15において、低速転送モードにおいて、バスマスタMからバススレイブSに対してどのようなデータが送信されたかを知らせる信号を送信する。
【0205】
次いでステップn16において、バスマスタMの送信回路M1から決められたテストパターンをバススレイブSに通常転送モードで送信する。
【0206】
次いでステップn17において、バススレイブSの受信回路S2は双方のテストパターンの比較を行い、シリアル転送が正確に実行されたかを確認し、確認後はアクノリッジ信号を用いて結果をバスマスタMへ送信する。
【0207】
図26は、保持されているテストパターンの種類を示す。すべて論理“H”、すべて論理“L”、論理“H”から論理“L”、論理“L”から論理“H”のパターンなどがある。これはコマンドの単純化、テストパターン設定時においての設定ミス防止などのためである。ただし、テストパターンは複雑なものでもかまわない。
【0208】
本実施の形態によれば、上述のシリアル転送に正確に対応することができる。
【0209】
(実施の形態16)
バスマスタMとバススレイブSのシリアル転送においては、意図して1システムクロック以内にシリアル転送が終了するように設計していたとしても、バススレイブSが大きく離れていると、配線遅延などにより1システムクロック以内に終了しない可能性がある。また、プロセスばらつきや温度などの影響によりシリアル転送が遅延してしまい、1システムクロック以内に終了しない可能性がある。また、大量のデータを転送する場合には1システムクロック以上で送信することもある。そこで、バスマスタMとバススレイブS間のシリアル転送に要するシステムクロック幅いわゆるレイテンシを検査する必要がある。これに対応するのが本発明の実施の形態16である。
【0210】
図27(a)は、本発明の実施の形態16のシリアル転送システムの概略構成を示すブロック図、図27(b)は本実施の形態のレイテンシの検査の手順を示すフローチャートである。
【0211】
ステップn21において、コントロール回路30はバスマスタMを制御し、低速転送モードで、設計者が意図しているレイテンシを送信回路M1からバススレイブSへ送信させる。バススレイブSの受信回路S2は受信したレイテンシの設定を行う。
【0212】
次いでステップn22およびステップn23において、バスマスタMからバススレイブSへテストパターンのデータ転送を連続して2回行う。もし、データ転送の回数が1回であると、意図したレイテンシを超えていたとしても、バススレイブSの受信回路S2はレイテンシに関係なく転送データの受信完了を検出してしまい、異常検出が行われない。この不都合を避けるために、データ転送を2回行う。
【0213】
次いでステップn24において、バススレイブSの受信回路S2ではシリアル転送完了信号が設定したレイテンシ以内に観測できるかを判定し、観測できたときはアクノリッジ信号を用いてレイテンシ内にシリアル転送が完了したことをコントロール回路30へ送信する。
【0214】
次いでステップn25およびステップn26において、バススレイブSからバスマスタMへデータ転送を連続して2回行う。
【0215】
次いでステップn27において、バスマスタMの受信回路M2ではシリアル転送完了信号が設定したレイテンシ以内に観測できるかを判定し、観測できたときはアクノリッジ信号を用いてレイテンシ内にシリアル転送が完了したことをコントロール回路30へ送信する。
【0216】
本実施の形態によれば、レイテンシが適切か否かの判定を通じて、データ転送をより高精度なものにすることができる。
【0217】
(実施の形態17)
図28(a)は本発明の実施の形態17の概略構成を示すブロック図である。バススレイブSの受信回路S2に受信完了モニター回路および初期状態自動復帰回路を接続されている。
【0218】
バスマスタMとバススレイブSのシリアル転送のレイテンシ以内に終了しないシリアル転送システムにおいて、レイテンシの検査を以下のような手順で行う。
【0219】
このレイテンシの検査は図28(b)で示すような手順で行う。
【0220】
ステップn31において、コントロール回路30はバスマスタMを制御し、低速転送モードで、設計者が意図しているレイテンシを送信回路M1からバススレイブSへ送信させる。バススレイブSの受信回路S2は受信したレイテンシの設定を行う。
【0221】
次いでステップn32およびステップn33において、バスマスタMからバススレイブSへテストパターンのデータ転送を連続して2回行う。データ転送を2回行う理由は上記のとおりである。
【0222】
次いでステップn34において、バススレイブSの受信回路S2ではシリアル転送完了信号が設定したレイテンシ以内に観測できるかを判定し、観測できなかったときはアクノリッジ信号を用いてNGをコントロール回路30へ送信し、レイテンシの再設定、再テストの要求を行う。
【0223】
次いでステップn35において、バススレイブSの受信回路S2をリセットし初期状態へ復帰させる。
【0224】
次いでステップn36において、コントロール回路30は前回のレイテンシ以上の値のレイテンシを再度バススレイブSに送信し、レイテンシのテストを繰り返す。
【0225】
本実施の形態によれば、レイテンシが不適正なときのバススレイブのリセットとレイテンシの再設定における再テストにより、データ転送をより高精度なものにすることができる。
【0226】
(実施の形態18)
図29は、本発明の実施の形態18のシリアル転送システムの概略構成を示すブロック図である。本実施の形態は、クロックカウンタを用いてレイテンシを検査するものである。
【0227】
バスマスタMとバススレイブSに共通のクロックカウンタ60が接続されている。バススレイブSとバスマスタMは同じシステムクロックCLKで動作するものとする。
【0228】
バスマスタMは、クロックカウンタ60による現在のカウント値を転送データとしてバススレイブSに送信する。バススレイブSは受信したカウント値を比較回路61に転送する。比較回路61は、転送されてきたカウント値をクロックカウンタ60の現在のカウント値と比較し、差分値を検出する。その差分値がレイテンシとなる。バススレイブSは、そのレイテンシを転送データとして送信回路S1からバスマスタMへ送信し、コントロール回路30は、クロックカウンタ60の現在のカウント値を確認し、受信したカウント値との差分をレイテンシとして、レイテンシの適格性を判定する。
【0229】
本実施の形態によれば、クロックカウンタを利用してレイテンシを判定するので、データ転送をより高精度なものにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0230】
本発明は、ゲート規模や配線リソースの削減の効果を有し、システムLSI内部の回路間での高速シリアル転送等の技術として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0231】
【図1】(a)は本発明の実施の形態1のシリアルデータ転送装置の構成を示す回路図、(b)はその通常転送モード時の動作を説明するタイミングチャート
【図2】本発明の実施の形態1のシリアルデータ転送装置の低速転送モード時の動作を説明するタイミングチャート
【図3】(a)は本発明の実施の形態2のシリアルデータ転送装置の構成を示す回路図、(b)はその通常転送モード時の動作を説明するタイミングチャート
【図4】本発明の実施の形態2のシリアルデータ転送装置の低速転送モード時の動作を説明するタイミングチャート
【図5】本発明の実施の形態3のシリアルデータ転送装置の構成を示す回路図
【図6】本発明の実施の形態3のシリアルデータ転送装置の低速転送モード時の動作を説明するタイミングチャート
【図7】本発明の実施の形態4のシリアルデータ転送装置の構成を示す回路図
【図8】本発明の実施の形態4のシリアルデータ転送装置の低速転送モード時の動作を説明するタイミングチャート
【図9】(a)は本発明の実施の形態5のシリアルクロック転送装置の構成を示す回路図、(b)はその通常転送モード時の動作を説明するタイミングチャート
【図10】本発明の実施の形態5のシリアルクロック転送装置の低速転送モード時の動作を説明するタイミングチャート
【図11】(a)は本発明の実施の形態6のシリアルクロック転送装置の構成を示す回路図、(b)はその通常転送モード時の動作を説明するタイミングチャート
【図12】本発明の実施の形態6のシリアルクロック転送装置の低速転送モード時の動作を説明するタイミングチャート
【図13】(a)は本発明の実施の形態7のシリアルクロック転送装置の構成を示す回路図、(b)はその低速転送モード時の動作を説明するタイミングチャート
【図14】(a)は本発明の実施の形態8のシリアルクロック転送装置の構成を示す回路図、(b)はその低速転送モード時の動作を説明するタイミングチャート
【図15】(a)は本発明の実施の形態9のシリアルクロック転送装置の構成を示す回路図、(b)はその低速転送モード時の動作を説明するタイミングチャート
【図16】(a)は本発明の実施の形態10のシリアルクロック転送装置の構成を示す回路図、(b)はその低速転送モード時の動作を説明するタイミングチャート
【図17】(a)は本発明の実施の形態11のシリアル転送システムの構成を示す回路図、(b)はその別態様の構成を示す回路図
【図18】(a),(b)は本発明の実施の形態11のシリアル転送システムにおけるシリアル送信回路の構成を示す回路図
【図19】本発明の実施の形態11のシリアル転送システムの動作を説明するフローチャート
【図20】本発明の実施の形態12のシリアル転送システムの構成を示すブロック図
【図21】(a)は本発明の実施の形態12のシリアル転送システムの別態様の構成を示すブロック図、(b)は転送データの形態の説明図
【図22】(a)は本発明の実施の形態13のシリアル転送システムの構成を示すブロック図、(b)は転送データの説明図
【図23】本発明の実施の形態14のシリアル転送システムの構成を示すブロック図
【図24】本発明の実施の形態15のシリアル転送システムの構成を示すブロック図
【図25】本発明の実施の形態15のシリアル転送システムの動作を示すフローチャート
【図26】本発明の実施の形態15のシリアル転送システムにおいて保持されているテストパターンの種類の説明図
【図27】(a)は、本発明の実施の形態16のシリアル転送システムの構成を示すブロック図、(b)は実施の形態16のレイテンシの検査の手順を示すフローチャート
【図28】(a)は、本発明の実施の形態17のシリアル転送システムの構成を示すブロック図、(b)は実施の形態17のレイテンシの検査の手順を示すフローチャート
【図29】本発明の実施の形態18のシリアル転送システムの構成を示すブロック図
【図30】従来の技術におけるシリアルデータ転送装置の構成を示す回路図、(b)はその動作を説明するタイミングチャート
【図31】先行技術におけるシリアルデータ転送装置の構成を示す回路図、(b)はその動作を説明するタイミングチャート
【符号の説明】
【0232】
1 送信用のデータバス
2 フリップフロップ
3 出力バッファ
4a〜4e、4A〜4E セレクタ
4f,4F 転送ゲートセレクタ
4g〜4k 転送データ選択セレクタ
4m 転送データ低速化セレクタ
4G〜4K,4M クロック選択セレクタ
4L クロック低速化セレクタ
5a〜5e、5A〜5E バッファ
6a〜6e、6A〜6F ラッチ(データ保持回路)
7 パラレル-シリアル変換回路
8 出力バッファ
9 遅延セレクタ
10 データのシリアル送信回路
20 転送同期クロックのシリアル送信回路
21 分周回路
22 クロックゲート回路
30 コントロール回路
30a テストパターン生成回路
30b,35,36 テストパターン比較回路
31 遅延値保持回路
31a データ保持回路
32 遅延調整回路
33,34 テストパターン保持回路
40 機能回路
50 デコーダ
51 アドレスデコーダ
52 コマンドデコーダ
60 クロックカウンタ
CLK システムクロック
CSS クロック遷移制御信号
DS データセット信号
1,d2,d3 遅延素子
FBS データ選択信号
GS ゲーテッドコントロール信号
M バスマスタ
S バススレイブ
Si 転送開始指令信号
Ssen,Ssen′ 送信イネーブル信号
Sout シリアル転送データ
Sclk 転送同期クロック
Sren 転送同期クロック
SS データ転送速度選択信号


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセレクタの各一方の入力がデータバスの各ラインに転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順で他のセレクタの出力に接続され、
最前段のセレクタの入力には前記データバスから低速転送データを生成するパラレル-シリアル変換回路が接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタおよび前記転送ゲートをシリーズに接続し、データ転送速度の通常選択状態で前記データバスからの転送データを隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記データ転送速度の低速選択状態で前記パラレル-シリアル変換回路からの低速転送データを前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されているシリアルデータ転送装置。
【請求項2】
複数のセレクタの各一方の入力がデータバスの各ラインに転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順でデータ保持回路を介して他のセレクタの出力に接続され、
最前段のセレクタの入力には前記データバスから低速転送データを生成するパラレル-シリアル変換回路が接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタ、データ保持回路および前記転送ゲートをシリーズに接続し、データ転送速度の通常選択状態で前記データバスからの転送データを隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記データ転送速度の低速選択状態で前記パラレル-シリアル変換回路からの低速転送データを前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されているシリアルデータ転送装置。
【請求項3】
データバスに接続され前記データバスから低速転送データを生成する転送データ低速化セレクタを有し、
データ転送速度の通常選択状態で前記データバスの転送データを選択し、前記データ転送速度の低速選択状態で前記転送データ低速化セレクタからの前記低速転送データを選択する転送データ選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記転送データ選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順で他のセレクタの出力に接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
前記送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタおよび前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記データ転送速度の通常選択状態で前記データバスからの転送データを隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記データ転送速度の低速選択状態で前記転送データ低速化セレクタからの低速転送データを前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されているシリアルデータ転送装置。
【請求項4】
データバスに接続され前記データバスから低速転送データを生成する転送データ低速化セレクタを有し、
データ転送速度の通常選択状態で前記データバスの転送データを選択し、前記データ転送速度の低速選択状態で前記転送データ低速化セレクタからの前記低速転送データを選択する転送データ選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記転送データ選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順でデータ保持回路を介して他のセレクタの出力に接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
前記送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタ、データ保持回路および前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記データ転送速度の通常選択状態で前記データバスからの転送データを隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記データ転送速度の低速選択状態で前記転送データ低速化セレクタからの低速転送データを前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されているシリアルデータ転送装置。
【請求項5】
クロック転送速度の通常選択状態で単位の転送期間で論理が交互となるデータを選択しクロック転送速度の低速選択状態で前記論理が交互となるデータより長い遷移時間同一論理となるデータを選択するクロック選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記クロック選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順で他のセレクタの出力に接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタおよび前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記クロック転送速度の通常選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記論理が交互となるデータを転送同期クロックとして隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記クロック転送速度の低速選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記より長い遷移時間同一論理となるデータを転送同期クロックとして前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されているシリアルクロック転送装置。
【請求項6】
クロック転送速度の通常選択状態で単位の転送期間で論理が交互となるデータを選択しクロック転送速度の低速選択状態で前記論理が交互となるデータより長い遷移時間同一論理となるデータを選択するクロック選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記クロック選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順でデータ保持回路を介して他のセレクタの出力に接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタ、データ保持回路および前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記クロック転送速度の通常選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記論理が交互となるデータを転送同期クロックとして隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記クロック転送速度の低速選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記より長い遷移時間同一論理となるデータを転送同期クロックとして前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されているシリアルクロック転送装置。
【請求項7】
クロック転送速度の通常選択状態で単位の転送期間で論理が交互となるデータを選択しクロック転送速度の低速選択状態で前記論理が交互となるデータより長い遷移時間同一論理となるデータを選択するクロック選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記クロック選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順で他のセレクタの出力に接続され、
最前段のセレクタの入力にはシステムクロックを分周した低速クロックを生成する分周回路が接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタおよび前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記クロック転送速度の通常選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記論理が交互となるデータを転送同期クロックとして隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記クロック転送速度の低速選択状態で前記分周回路からの前記低速クロックを転送同期クロックとして前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されているシリアルクロック転送装置。
【請求項8】
クロック転送速度の通常選択状態で単位の転送期間で論理が交互となるデータを選択しクロック転送速度の低速選択状態で前記論理が交互となるデータより長い遷移時間同一論理となるデータを選択するクロック選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記クロック選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順でデータ保持回路を介して他のセレクタの出力に接続され、
最前段のセレクタの入力にはシステムクロックを分周した低速クロックを生成する分周回路が接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタ、データ保持回路および前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記クロック転送速度の通常選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記論理が交互となるデータを転送同期クロックとして隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記クロック転送速度の低速選択状態で前記分周回路からの前記低速クロックを転送同期クロックとして前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されているシリアルクロック転送装置。
【請求項9】
クロック転送速度の通常選択状態で単位の転送期間で論理が交互となるデータを選択しクロック転送速度の低速選択状態でデータバスの各ラインの同一論理のデータを選択するクロック選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記クロック選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順で他のセレクタの出力に接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタおよび前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記クロック転送速度の通常選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記論理が交互となるデータを転送同期クロックとして隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記クロック転送速度の低速選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記データバスの各ラインの同一論理となるデータを転送同期クロックとして前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されているシリアルクロック転送装置。
【請求項10】
クロック転送速度の通常選択状態で単位の転送期間で論理が交互となるデータを選択しクロック転送速度の低速選択状態でデータバスの各ラインの同一論理のデータを選択するクロック選択セレクタを有し、
複数のセレクタの各一方の入力が前記クロック選択セレクタの出力に転送ビットの並び順に個別的に接続され、他方の入力が前記並び順でデータ保持回路を介して他のセレクタの出力に接続され、
最終段のセレクタの出力には転送ゲートが接続され、
送信イネーブル信号をアサートすることにより前記複数のセレクタ、データ保持回路および前記転送ゲートをシリーズに接続し、前記クロック転送速度の通常選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記論理が交互となるデータを転送同期クロックとして隣接するセレクタ間に存在するセレクタ間遅延時間による遅延作用を利用してシリアルに転送するとともに、前記クロック転送速度の低速選択状態で前記クロック選択セレクタからの前記データバスの各ラインの同一論理となるデータを転送同期クロックとして前記セレクタ間遅延時間よりも長い遷移時間でシリアルに転送するように構成されているシリアルクロック転送装置。
【請求項11】
バスマスタと、前記バスマスタからの遅延時間が互いに異なる複数のバススレイブとからなるシリアル転送システムであって、
前記バスマスタは、請求項1から請求項4までのいずれかのシリアルデータ転送装置と、請求項5から請求項10までのいずれかのシリアルクロック転送装置と、複数の遅延値を選択設定可能な遅延調整回路とを有し、
前記バススレイブは、前記バスマスタで生成され送信された転送データと転送同期クロックについて前記転送同期クロックを用いて前記転送データを受信するように構成されているとともに、送信されてくる遅延値を保持する遅延値保持回路を有し、
前記バススレイブに対して前記遅延値を直接的または間接的に送信するとともに、前記バスマスタと前記バススレイブとの間のテストパターンの送受信に基づく前記遅延値の良否判定を行って、前記バスマスタの前記遅延調整回路に判定結果良の前記遅延値を設定するコントロール回路とを備えたシリアル転送システム。
【請求項12】
バスマスタとバススレイブと前記バスマスタからバススレイブへ転送データのシリアル転送を制御するコントロール回路からなるシリアル転送システムであって、
前記バスマスタは、請求項1から請求項4までのいずれかのシリアルデータ転送装置と、請求項5から請求項10までのいずれかのシリアルクロック転送装置とから構成され、
前記バススレイブは、前記バスマスタで生成され送信された転送データと転送同期クロックについて前記転送同期クロックを用いて前記転送データを受信するとともに、前記転送データの受信完了を示すアクノリッジ信号を前記転送データに付加して前記バスマスタへ返信するように構成され、
前記コントロール回路は、前記バスマスタが前記バススレイブから受信した転送データに含まれている前記アクノリッジ信号によって前記転送データの送信完了を確認するように構成されているシリアル転送システム。
【請求項13】
バスマスタとバススレイブと前記バスマスタからバススレイブへ転送データのシリアル転送を制御するコントロール回路と前記バススレイブに接続された機能回路からなるシリアル転送システムであって、
前記バスマスタは、請求項1から請求項4までのいずれかのシリアルデータ転送装置と、請求項5から請求項10までのいずれかのシリアルクロック転送装置とから構成され、
前記バススレイブは、前記バスマスタで生成され送信された転送データと転送同期クロックについて前記転送同期クロックを用いて前記転送データを受信するとともに、受信した前記転送データを前記機能回路に転送するように構成され、
前記機能回路は、前記転送データに所定の処理を施して前記バススレイブに転送し、
前記バススレイブは、前記機能回路から受け取った前記転送データに処理完了を示すアクノリッジ信号を付加して前記バスマスタへ返信するように構成され、
前記コントロール回路は、前記バスマスタが前記バススレイブから受信した転送データに含まれている前記アクノリッジ信号によって前記転送データの送信完了を確認するように構成されているシリアル転送システム。
【請求項14】
前記コントロール回路は、テストパターンを生成するテストパターン生成回路と、前記テストパターン生成回路による前記テストパターンと前記バスマスタが前記バススレイブより受信したテストパターンとを比較するテストパターン比較回路とを備えている請求項13に記載のシリアル転送システム。
【請求項15】
バスマスタとバススレイブと前記バスマスタからバススレイブへ転送データのシリアル転送を制御するコントロール回路からなるシリアル転送システムであって、
前記バスマスタは、請求項1から請求項4までのいずれかのシリアルデータ転送装置と、請求項5から請求項10までのいずれかのシリアルクロック転送装置とを有し、
前記バススレイブは、前記バスマスタで生成され送信された転送データと転送同期クロックについて前記転送同期クロックを用いて前記転送データを受信するように構成され、
前記コントロール回路は、テストパターンを保持するテストパターン保持回路と、前記テストパターン保持回路による前記テストパターンと受信したテストパターンとを比較するテストパターン比較回路とを備え、
このようなコントロール回路が前記バスマスタ側と前記バススレイブ側とにそれぞれ備えられているシリアル転送システム。
【請求項16】
前記コントロール回路は、前記バスマスタから前記バススレイブへのデータ転送および前記バススレイブから前記バスマスタへのデータ転送を同一のテストパターンで連続複数回行い、所定のレイテンシで受信されたかを判定する請求項11から請求項15までのいずれかに記載のシリアル転送システム。
【請求項17】
前記コントロール回路は、前記所定のレイテンシで受信されたかの判定において不適格のときは、前記バススレイブをリセットするとともに、別のレイテンシでのテストを繰り返す請求項16に記載のシリアル転送システム。
【請求項18】
さらに、前記バスマスタおよび前記バススレイブがともに接続しているクロックカウンタを有し、
前記コントロール回路は、前記クロックカウンタによるカウント値を用いて前記レイテンシを検査する請求項16または請求項17に記載のシリアル転送システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2006−227866(P2006−227866A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−40262(P2005−40262)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】