説明

シリアル出力エンコーダ信号の出力方法

【課題】本発明は、複数の通信フォーマットを内蔵した外部メモリを用い、客先回路からの要求に従ったフォーマットでシリアル通信を行うことを目的とする。
【解決手段】本発明によるシリアル出力エンコーダ信号の出力方法は、通信ブロック(3)に接続された外部メモリ(6)に複数の通信フォーマット(6a)を内蔵させ、外部からの要求による通信フォーマット(6a)を用いてシリアル通信(2)を行う方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリアル出力エンコーダ信号の出力方法に関し、特に、通信ブロックに電気的に接続された外部メモリに複数の通信フォーマットを内蔵させ、外部からの要求に従って読み出された通信フォーマットによりシリアル通信を行い、通信ブロックのハードウェアの仕様変更をしなくて済むようにするための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたエンコーダとしては、例えば、データ通信型の構成として、特許文献1及び2に示されている形態を挙げることができる。
これらのデータ通信型の構成においては、多数のエンコーダを装置やロボット等に取付け、無線又はLANシステム等のデータ伝送システムにより、データの取り込み等を行っている。
また、その際のエンコーダは、図示していないが、エンコーダ信号を通信ブロックを介して相手方である客先回路に伝送している。
また、この通信ブロック内には、専用に作成された通信フォーマットがASIC(Application Specific ICの略)内に格納されて内蔵されている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−204572号公報
【特許文献2】特開平8−313300号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のエンコーダは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、従来のエンコーダにおいては、シリアル通信の通信フォーマットがハードウェアであるASIC内に仕様として内蔵されているため、通信フォーマットを変更する場合には、その変更のたびにASICの作り直し等が必要となり、開発費の増大、開発期間の増大等が問題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるシリアル出力エンコーダ信号の出力方法は、エンコーダ信号処理回路で処理されたエンコーダ信号がシリアル通信によって通信ブロックから相手方へ送信されるようにしたシリアル出力エンコーダ信号の出力方法において、前記通信ブロックに電気的に接続され複数の通信フォーマットを内蔵する外部メモリを用い、外部からの要求に従って読み出された前記通信フォーマットに従い、前記通信ブロックを介して前記シリアル通信が行われる方法であり、また、前記外部メモリは、前記通信ブロックと同一基板に形成されている方法であり、また、前記外部メモリは、前記通信ブロックとは独立した別の基板に形成されている方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によるシリアル出力エンコーダ信号の出力方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、外部メモリが複数の通信フォーマットを内蔵しているため、通信ブロックに対して外部から通信要求がくると、通信ブロックはその要求に従って外部メモリから指定された通信フォーマットを読み出し、通信ブロックは読み出した通信フォーマットを読み出し、通信終了までこれを繰り返すため、客先からのあらゆる種類の通信フォーマットの要求に対応することができ、従来のように、ハードウェアであるASICの作り直し等を不要とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、通信ブロックに電気的に接続された外部メモリに複数の通信フォーマットを内蔵させ、外部からの要求に従って読み出された通信フォーマットによりシリアル通信を行い、通信ブロックのハードウェアの仕様変更をしなくて済むようにしたシリアル出力エンコーダ信号の出力方法を提供することを目的とする。
【実施例】
【0008】
以下、図面と共に本発明によるシリアル出力エンコーダ信号の出力方法の好適な実施の形態について説明する。
図1において符号1で示されるものは外部のユーザー側である客先回路であり、この客先回路1は相手方を構成している。
【0009】
前記客先回路1には、シリアル通信2を介して通信ブロック3が接続されており、この通信ブロック3にはエンコーダ信号処理回路4が接続され、このエンコーダ信号処理回路4からのエンコーダ信号5はこの通信ブロック3に入力されるように構成されている。
【0010】
前記通信ブロック3には、各種の通信フォーマット6aを内蔵した外部メモリ6が接続され、この通信ブロック3とエンコーダ信号処理回路4とは、エンコーダ10に設けられている。
前記外部メモリ6は、前記通信ブロック3と同一の基板又は他の独立した基板に形成されるかの何れかの形態によって形成されていると共に、PROM等の不揮発メモリ、又は、電源投入時に外部から書き込まれる揮発メモリ(SRAM等)であってもよい。
【0011】
次に、動作について述べる。まず、エンコーダ10の通信ブロック3に対して、外部の客先回路1から通信要求がくると、この通信ブロック3はその要求に従って外部メモリ6から通信フォーマット6aを読み出し、この通信ブロック3は読み出した通信フォーマット6aに従ったシリアル通信2によって、エンコーダ信号5を客先回路1に供給する。
【0012】
前述の通信フォーマット6aによるシリアル通信2は、通信終了までこれを繰り返して行われ、客先回路1が他の通信フォーマット6aを要求した場合には、また、異なる通信フォーマット6aを用いてシリアル通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明によるシリアル出力エンコーダ信号の出力方法を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0014】
1 客先回路(相手方)
2 シリアル通信
3 通信ブロック
4 エンコーダ信号処理回路
5 エンコーダ信号
6 外部メモリ
6a 通信フォーマット
10 エンコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンコーダ信号処理回路(4)で処理されたエンコーダ信号(5)がシリアル通信(2)によって通信ブロック(3)から相手方(1)へ送信されるようにしたシリアル出力エンコーダ信号の出力方法において、
前記通信ブロック(3)に電気的に接続され複数の通信フォーマット(6a)を内蔵する外部メモリ(6)を用い、外部からの要求に従って読み出された前記通信フォーマット(6a)に従い、前記通信ブロック(3)を介して前記シリアル通信(2)が行われることを特徴とするシリアル出力エンコーダ信号の出力方法。
【請求項2】
前記外部メモリ(6)は、前記通信ブロック(3)と同一基板に形成されていることを特徴とする請求項1記載のシリアル出力エンコーダ信号の出力方法。
【請求項3】
前記外部メモリ(6)は、前記通信ブロック(3)とは独立した別の基板に形成されていることを特徴とする請求項1記載のシリアル出力エンコーダ信号の出力方法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−40582(P2008−40582A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−210705(P2006−210705)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【出願人】(000203634)多摩川精機株式会社 (669)
【Fターム(参考)】