説明

シリンダ圧力測定部品

【課題】取り付け工数が大幅に削減できるシリンダ圧力測定部品を得る。
【解決手段】シリンダ圧力測定部品100において、エアー抜き手段を備えた油圧機器に取り付けて機器作動時のシリンダ内オイル圧力を測定するシリンダ圧力測定部品100であって、エアー抜き手段に接続継手53を介して連通する検出空間55を備えた本体部51と、本体部51に設けられ検出空間55のオイル圧を検出する圧力検出部57とを設けた。シリンダ圧力測定部品100は、エアー抜き手段の雌ネジ開口部に、本体部51と一体に形成された雄ネジ接続継手53を螺合して油圧機器に装着することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧機器、例えばディスクブレーキに設けられるキャリパ用シリンダの液圧測定に用いて好適なシリンダ圧力測定部品に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧機器では、その使用中にピストン交換や配管等の脱着によってエアーが内部に入り込むため、適宜エアー抜きを行わないとペダルストロークの増加や、シール関係にもダメージが発生するなど、機器動作に支障が生じる。例えば、自動車に使用されるブレーキ装置の一つであるディスクブレーキにはキャリパ用シリンダが設けられ、キャリパ用シリンダはブレーキ装置からのオイル圧によって作動される(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図4はブレーキ配管の接続されたディスクブレーキの正面図である。
ディスクブレーキ500は、ホイールと平行にディスクロータ501を配設し、これをブレーキパッドで挟みつけ、その摩擦力で制動力を得る。ディスクブレーキ500を構成するキャリパ503はディスクロータ501にブレーキパッドを押しつけるためのピストン及びシリンダを内蔵する。キャリパ本体505には内部のシリンダボア内に開口する配管口507が設けられ、配管口507にはフレキシブルホース509の一端が接続される。フレキシブルホース509の他端には雌ネジ配管継手511が設けられ、雌ネジ配管継手511は雄ネジ配管継手513が端部に設けられたブレーキ配管515と接続される。つまり、ブレーキ配管515からのブレーキ液圧が配管口507を介してシリンダボア内に給排される構成となっている。図中、516はシリンダボア内のエアー抜きを行うブリーダを示す。
【0004】
ところで、ディスクブレーキ500では、例えば、ブレーキの効きやパッドの摩耗、ブレーキノイズなどを調査するために、実車状態でキャリパ用シリンダの液圧を測定する場合がある。従来、この測定を行うには、図5に示すように、フレキシブルホース509とブレーキ配管515の間に、シリンダ圧検出用改造部品519を介装していた。シリンダ圧検出用改造部品519は、本体である中間ブロック517に検出空間521が形成される。中間ブロック517には検出空間521に連通して、ブレーキ配管515、バイパス配管523が接続され、バイパス配管523はフレキシブルホース509に接続される。 また、検出空間521には圧力センサ(プレッシャヘッド)525,エアー抜きブリーダ527が連通される。図中、529はプレッシャヘッド525の信号配線を示す。
【0005】
シリンダ圧検出用改造部品519を、フレキシブルホース509とブレーキ配管515の間に介装することで、ブレーキ配管515からのブレーキ液をシリンダボア内に給排するとともに、検出空間521に連通させたプレッシャヘッド525によって圧力検出し、通常の走行状態と同じ実車状態で、ブレーキ圧力のモニタを可能としていた。
【特許文献1】特開平10−220502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のシリンダ圧検出用改造部品519は、フレキシブルホース509とブレーキ配管515を取り外して、バイパス接続を行うため、多くの取り付け工数が必要となる問題があった。すなわち、シリンダ圧検出用改造部品519を取り付けスペースに的確に収容しなければならず、特にフロントホイールの場合、ステアリングによるタイヤの向きによって干渉する虞があり、ブレーキ配管515やバイパス配管523の曲げ形状等、配管の改造に熟練を要した。配管改造の熟練度が低ければ、取り付け不可能ともなった。また、エアー抜きブリーダ527の向きにも配慮する必要があった。さらに、フレキシブルホース509とブレーキ配管515を取り外して、シリンダ圧検出用改造部品519に接続替えしなければならないので、配管取り付け取り外し時にオイル漏れの生じる問題があった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、取り付け工数が大幅に削減できるシリンダ圧力測定部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) エアー抜き手段を備えた油圧機器に取り付けて機器作動時のシリンダ内オイル圧力を測定するシリンダ圧力測定部品であって、
前記エアー抜き手段に接続継手を介して連通する検出空間を備えた本体部と、
該本体部に設けられ前記検出空間のオイル圧を検出する圧力検出部と、
を具備したことを特徴とするシリンダ圧力測定部品。
【0008】
このシリンダ圧力測定部品によれば、本体部に設けた接続継手にて、油圧機器のエアー抜き手段に直接取り付けして完結するため、中間ブロック、プレッシャヘッド、バイパス配管、エアー抜きブリーダからなる従来のシリンダ圧検出用改造部品が不要となり、取り付け部品全体の小型化が可能となる。特にバイパス配管を車種に合わせて改造する必要がなくなり、配管改造のための熟練技術が不要となる。また、フレキシブルホースとブレーキ配管を取り外す必要がなくなるので、オイル漏れが生じなくなる。
【0009】
(2) (1)のシリンダ圧力測定部品であって、
前記エアー抜き手段のネジ開口部に、前記本体部に形成されたネジ接続継手を螺合して前記油圧機器に装着されることを特徴とするシリンダ圧力測定部品。
【0010】
このシリンダ圧力測定部品によれば、本体部形状の一部分として一体的に形成された接続継手を介して、本体部が油圧機器のエアー抜き手段に螺合され、本体部が油圧機器に直付けされる。これにより、本体部の配置空間のみを確保すればよく、従来、取り付けが不可能であった場所でも取り付けが可能となる。
【0011】
(3) (1)又は(2)のシリンダ圧力測定部品であって、
前記本体部に、前記検出空間に連通するエアー抜き孔が設けられたことを特徴とするシリンダ圧力測定部品。
【0012】
このシリンダ圧力測定部品によれば、油圧機器のエアー抜き手段に連通して取り付けた本体部の検出空間に、エアー抜き孔が連通して設けられるので、シリンダ圧検出用改造部品を装着しない通常時とほぼ同様にして、エアー抜き手段、検出空間、エアー抜き孔を通じて簡単にエアー抜きすることができる。従来のシリンダ圧検出用改造部品の使用時では、中間ブロックに設けたエアー抜きブリーダと、油圧機器のエアー抜き手段との二カ所から必要であったエアー抜きが、本シリンダ圧力測定部品によればエアー抜き孔のみの一カ所で済むようになる。
【0013】
(4) (1)〜(3)のいずれか1つのシリンダ圧力測定部品であって、
前記圧力検出部が、前記接続継手の延長上に配置され、
前記エアー抜き孔が、前記接続継手と前記圧力検出部の間における前記本体部に穿設されたことを特徴とするシリンダ圧力測定部品。
【0014】
このシリンダ圧力測定部品によれば、エアー抜き孔よりも大きい圧力検出部を、本体部の末端を利用して配設することにより、本構成と逆にエアー抜き孔、圧力検出部を配設した場合に比べ、シリンダ圧力測定部品全体のコンパクト化が可能となる。すなわち、本体部の側部(エアー抜き孔の反対側)に圧力検出部を設ければ、本構成における本体部の端部と同様の構造部分を本体部の側部に膨出させて設けなければならず、本体部の肥大化が避けられない。また、本体部の製作も大変となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るシリンダ圧力測定部品によれば、油圧機器のエアー抜き手段に接続継手を介して連通する検出空間を備えた本体部と、この本体部に設けられ検出空間のオイル圧を検出する圧力検出部とを備えたので、油圧機器のエアー抜き手段に直接取り付けでき、シリンダ圧検出用改造部品のバイパス配管を車種に合わせて改造する必要がなくなり、取り付け工数を大幅に削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るシリンダ圧力測定部品の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るシリンダ圧力測定部品の断面図である。
本実施の形態によるシリンダ圧力測定部品100は、ブレーキノイズを調査するために、ユーザ車を実走させたり、台上評価したりして、ブレーキ用油圧機器のシリンダ液圧を測定するために供せられる。取り付け対象の油圧機器としては、ディスクブレーキのキャリパ用シリンダ、ドラムブレーキのホイールシリンダ、或いはマスタシリンダ等が挙げられる。但し、いずれの場合もエアー抜き手段(後述のブリーダ29若しくはブリーダボス45)の設けられていることが必須となる。本実施の形態では、油圧機器がディスクブレーキのキャリパ用シリンダである場合を説明する。
【0017】
シリンダ圧力測定部品100の説明に先立ちディスクブレーキ11についてその概略を説明する。
図2は図1に示したシリンダ圧力測定部品の取り付けられるディスクブレーキの正面図である。
ディスクブレーキ11は、ホイールと平行にディスクロータ13を配設し、これをブレーキパッドで挟みつけ、その摩擦力で制動力を得る。ディスクブレーキ11を構成するキャリパ15はディスクロータ13にブレーキパッドを押しつけるためのピストン及びシリンダを内蔵する。キャリパ本体17には内部のシリンダボア内に開口する配管口19が設けられ、配管口19にはフレキシブルホース21の一端が接続される。フレキシブルホース21の他端には雌ネジ配管継手23が設けられ、雌ネジ配管継手23は雄ネジ配管継手25が端部に設けられたブレーキ配管27と接続される。つまり、ブレーキ配管27からのブレーキ液圧が配管口19を介してシリンダボア内に給排される。
【0018】
キャリパ本体17には内部のシリンダボア内に連通するブリーダ口29aが設けられ、ブリーダ口29aに装着されたブリーダ29はシリンダボア内のエアー抜きを可能とする。本シリンダ圧力測定部品100は、ブリーダ口29aに取り付けられることでディスクブレーキ作動時のシリンダ内オイル圧力を測定可能とする。
【0019】
図3は図2のA−A矢視図である。
キャリパ本体17は、ディスクロータ13を跨ぐブリッジ部31と、ディスクロータ13のインナ側でブリッジ部31の一側に一体形成されたインナ脚部33と、ブリッジ部31の他側からディスクロータ13の径方向内向きに延設され、ディスクロータ13のアウタ側に配設されたアウタ脚部35とから構成されている。ブリッジ部31の内周側には、インナ脚部33とアウタ脚部35との間に位置して横断面が略コ字形状をなしたディスクパス部37が形成されるとともに、インナ脚部33の内周側にはシリンダボア39が形成されている。
【0020】
インナ脚部33の端面にはネジ座41が設けられ、ネジ座41はその中心側にフレキシブルホース21用の配管口43を穿設している。配管口43は、キャリパ本体17のシリンダボア39内に開口する。キャリパ本体17にはブリーダボス45が形成され、ブリーダボス45はブリーダ口29aをシリンダボア39の上方位置で開口することにより、シリンダボア39内のエアー抜きを行う。
【0021】
シリンダボア39内にはピストン47が摺動可能に挿嵌され、ピストン47は有蓋筒状に形成され、シリンダボア39内に供給されるブレーキ配管27からのブレーキ液圧によりシリンダボア39内を軸方向に摺動変位し、アウタ脚部35との間で摩擦パッド49をディスクロータ13の両面側に押圧する。
【0022】
シリンダ圧力測定部品100は、ブリーダボス45に取り付けられる。すなわち、もともとブリーダボス45には雌ネジ(図示せず)が形成され、雄ネジであるブリーダ29が螺合されて取り付けられている。シリンダ圧力測定部品100は、ブリーダ29を取り外した後のブリーダボス45の雌ネジとされたブリーダ口29aに螺合される。図1に示すように、シリンダ圧力測定部品100の本体部51には接続継手である雄ネジ部53が形成され、雄ネジ部53は上記したブリーダボス45のブリーダ口29aに螺合される。
【0023】
シリンダ圧力測定部品100は、ブリーダボス45のブリーダ口29aに、本体部51と一体に形成された雄ネジ部53を螺合して、本体部51がキャリパ本体17に直付けされる。これにより、シリンダ圧力測定部品100の取付け部位には、本体部51の配置空間のみを確保すればよく、従来、取り付けが不可能であった場所でも取り付けが可能となる。
【0024】
シリンダ圧力測定部品100の本体部51には検出空間55が形成され、検出空間55は雄ネジ部53、ブリーダボス45を介してシリンダボア39内に連通される。本体部51には圧力検出部57が設けられ、圧力検出部57はひずみゲージ59を検出空間55に露出している。ひずみゲージ59は、検出空間55に露出する検出面59aに電気抵抗線が設けられ、電気抵抗線が外力を受けることにより、長さに比例した抵抗変化を電気的なホイートストンブリッジを利用して捉える。すなわち、検出空間55のオイル圧を検出する。ひずみゲージ59としては、例えば、シリコン薄膜を用いたシリコン半導体ひずみゲージを用いることができる。シリコン半導体ひずみゲージは、電気抵抗線が基板61に原子結合しており、物理的、電気的に安定したセンシングを可能にすることができる。
【0025】
検出空間55は、基板61からの導体63が接続された気密端子65によって水密封止される。気密端子65から導出された信号線67は、本体部51に一体に固設されたコネクタ69に接続される。コネクタ69には外部ケーブル71が接続され、外部ケーブル71は不図示の圧力測定装置に接続される。本実施の形態において、コネクタ69から導出された外部ケーブル71は、直角に屈曲されて本体部51から導出される。これにより、シリンダ圧力測定部品100の全長L方向のコンパクト化が達成され、ホイールとの干渉が回避されている。図1中、73はコネクタ69及び外部ケーブル71の基端部を覆う被覆部材を示す。
【0026】
本体部51には、検出空間55に連通するエアー抜き孔75が設けられ、エアー抜き孔75は検出空間55のエアー抜きを行う。エアー抜き孔75にはエアー抜き用ネジ76が螺合され、エアー抜き用ネジ76はエアー抜き抜き時以外のエアー抜き孔75を密閉する。したがって、シリンダ圧力測定部品100を装着しない通常時とほぼ同様にして、ブリーダボス45、検出空間55、エアー抜き孔75を通じて簡単にエアー抜きすることができる。従来のシリンダ圧検出用改造部品519(図5参照)の使用時では、中間ブロック517に設けたエアー抜きブリーダ527と、ディスクブレーキ500のブリーダ516との二カ所から必要であったエアー抜きが、本シリンダ圧力測定部品100によればエアー抜き孔75のみの一カ所で済むようになる。
【0027】
また、本実施の形態によるシリンダ圧力測定部品100は、圧力検出部57が、雄ネジ部53の軸線Gの延長上に配置される。また、エアー抜き孔75が、雄ネジ部53と圧力検出部57の間における本体部51に、軸線Gと直交方向の孔中心77で穿設されている。エアー抜き孔75よりも大きい圧力検出部57を、本体部51の末端を利用して配設することにより、本構成と逆位置にエアー抜き孔75、圧力検出部57を配設した場合に比べ、測定部品全体のコンパクト化を可能としている。
【0028】
すなわち、本体部51の側部(エアー抜き孔75の反対側)に圧力検出部57を設ければ、本構成における本体部51の端部と同様の構造部分を本体部51の側部に膨出させて設けなければならず、本体部51の肥大化が避けられない。また、L字状のブロック体となることで鍛造品となり、本体部51の製作も大変となる。本実施の構成によれば、本体部51を最大外径とした円柱素材の切削加工で容易な製造が可能となる。なお、図例の構成においては、エアー抜き孔75は本体部51に対し螺着構造とすればよい。
【0029】
以上のように構成されたシリンダ圧力測定部品100の作用を説明する。
先ず、ブレーキノイズの調査対象となる車両のキャリパ本体17に設けられているブリーダ29を、ブリーダボス45から脱着する。ブリーダ29の脱着されたブリーダボス45に、シリンダ圧力測定部品100の雄ネジ部53を螺合し、シリンダ圧力測定部品100をキャリパ本体17に装着する。
【0030】
なお、シリンダ圧力測定部品100の螺合は、外部ケーブル71を束状とした状態で、本体部51及び外部ケーブル71を共に回転させて螺合する。束状とした外部ケーブル71を一体回転させるスペースが確保し難い場合には、本体部51から導出されたケーブルと外部ケーブル71を防水コネクタにて分離結合可能とし、外部ケーブル71を接続せずに螺着した本体部51に、後から防水コネクタを介し外部ケーブル71を接続するようにしてもよい。
【0031】
マスタシリンダからはシリンダボア39にヘッド差分多少の圧力がかけられているため、ブリーダ29を外すとブレーキオイルが溢れる可能性がある。そのため、シリンダ圧力測定部品100は速やかにブリーダボス45に螺着する。但し、ブレーキ配管27とフレキシブルホース21を外す従来方法に比べれば、ブレーキオイル漏洩の可能性は格段に低くなる。
【0032】
次いで、シリンダ圧力測定部品100を介してエアー抜きを行う。エアー抜きは、本体部51のエアー抜き孔75に螺合されたエアー抜き用ネジ76を緩めることで行う。ブレーキペダルを踏むことで、液圧をかけることにより、エアー抜き孔75から勢いよくエアーが抜ける。エアー抜きが終了したなら、エアー抜き用ネジ76を螺合してエアー抜き孔75を塞ぐ。次いで、外部ケーブル71を車載した圧力測定装置に接続し、測定準備を終了する。次いで、車両を実走させたり、或いは台上評価したりして、リアルタイムでシリンダボア39内の圧力を検出して、圧力測定装置にて記録する。
【0033】
このように、シリンダ圧力測定部品100では、本体部51に設けた雄ネジ部53にて、キャリパ本体17のブリーダボス45に直接取り付けして完結するため、図5に示した中間ブロック517、プレッシャヘッド525、バイパス配管523、エアー抜きブリーダ527からなる従来のシリンダ圧検出用改造部品519が不要となり、取り付け部品全体の大幅な小型化が可能となる。特にバイパス配管523を車種に合わせて改造する必要がなく、配管改造のための熟練技術が不要となる。また、フレキシブルホース21とブレーキ配管27を取り外す必要がなくなるので、オイル漏れが生じなくなる。
【0034】
したがって、上記実施の形態によるシリンダ圧力測定部品100によれば、キャリパ15のブリーダボス45に雄ネジ部53を介して連通する検出空間55を備えた本体部51と、この本体部51に設けられ検出空間55のオイル圧を検出する圧力検出部57とを備えたので、キャリパ15に直接取り付けでき、従来のシリンダ圧検出用改造部品519のバイパス配管523を車種に合わせて改造する必要がなくなり、取り付け工数を大幅に削減することができる。
本発明は、ブレーキノイズを調査するためだけでなく、ブレーキの効きやパッドの摩耗、失陥、ジャダーなど、あらゆる試験に対応でき、また、実車以外にダイナモ、ベンチテストなどにも適用できるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係るシリンダ圧力測定部品の断面図である。
【図2】図1に示したシリンダ圧力測定部品の取り付けられたディスクブレーキの正面図である。
【図3】図2のA−A矢視図である。
【図4】ブレーキ配管の接続されたディスクブレーキの正面図である。
【図5】シリンダ圧検出用改造部品の接続されたディスクブレーキの正面図である。
【符号の説明】
【0036】
15 キャリパ(油圧機器)
29 ブリーダ(エアー抜き手段)
39 シリンダボア
45 ブリーダボス(エアー抜き手段)
51 本体部
53 雄ネジ部(雄ネジ接続継手)
55 検出空間
57 圧力検出部
75 エアー抜き孔
77 孔中心
100 シリンダ圧力測定部品
G 接続継手の軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアー抜き手段を備えた油圧機器に取り付けて機器作動時のシリンダ内オイル圧力を測定するシリンダ圧力測定部品であって、
前記エアー抜き手段に接続継手を介して連通する検出空間を備えた本体部と、
該本体部に設けられ前記検出空間のオイル圧を検出する圧力検出部と、
を具備したことを特徴とするシリンダ圧力測定部品。
【請求項2】
請求項1記載のシリンダ圧力測定部品であって、
前記エアー抜き手段のネジ開口部に、前記本体部に形成されたネジ接続継手を螺合して前記油圧機器に装着されることを特徴とするシリンダ圧力測定部品。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のシリンダ圧力測定部品であって、
前記本体部に、前記検出空間に連通するエアー抜き孔が設けられたことを特徴とするシリンダ圧力測定部品。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のシリンダ圧力測定部品であって、
前記圧力検出部が、前記接続継手の延長上に配置され、
前記エアー抜き孔が、前記接続継手と前記圧力検出部の間における前記本体部に穿設されたことを特徴とするシリンダ圧力測定部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−144815(P2010−144815A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321886(P2008−321886)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)
【Fターム(参考)】