説明

シルク固形石鹸およびその製造方法

【課題】タイシルクからセリシン蛋白質を回収する方法およびスキンクレンジング製品を製造する方法を提供する。
【解決手段】タイシルク繊維または繭を水と、重量で1:20の比率に、混合してから、約110〜120℃の温度に加熱することを特徴とする、タイシルクからのセリシン蛋白質の回収方法。加熱工程は14ポンド/平方インチ以下の圧力下で約25〜30分間行われる。上記セリシン蛋白質0.01〜20.00重量%と、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム2.00〜20.00重量%と、グリセロール1.00〜30.00重量%(グリセリン化石鹸用)または植物性または動物性脂肪20.00〜75.00重量%(ハード石鹸用)を含むシルククレンジング製品。本製品は安全であり、使用したときに皮膚を滑らかに且つ柔軟にするように皮膚に養分を与えるのを助け、刺激を起こさないので男女両用および全ての年代に使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的はアミノ酸とビタミンEに富むシルク粉末の利点を使用することであり、シルク粉末と本発明のスキンクレンジング製品との混合物は皮膚の栄養状態を助けそして魅力を助長するための生物学的性質を示す。
【背景技術】
【0002】
シルク粉末はシルク繊維および繭の一部から生成される。それは最初に日本で1987年に食用の天蚕シルク(wild silk)粉末として製造され、その後、1989年に化粧品に開発された。タイ国ではシルク粉末の研究は1997年に最初にシサケト地方(Sisaket Province)にある農務省の桑研究センター(the Mulberry Research Center)で行われた。この不溶性シルク粉末はナング・ノイ・シサケト(Nang Noi Sisaket)1変種の蚕から得たシルク繊維から生成された。研究によれば、シルク粉末は16〜18種類のアミノ酸を有することがわかった。研究報告書によれば、この種のシルク粉末はスキンモイスチャー吸収性を有しておりそしてUVからの刺激を防護することができ、従って、皮膚を日光から防護しそして皮膚上のソバカス及びメラニン沈着の形成を防止するということがわかった。生成されたシルク粉末は酸化防止活性のような多数の性質を有しておりそして皮膚疾患を起こす微生物を破壊できるということがわかった。前記性質から、シルク粉末は医薬品、化粧品および食品サプルメントのようなヘルスケア製品に展開されることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の概要)
本発明は主成分としてシルク蛋白質を含有するスキンクレンジング製品に関する。正規に使用される場合、それは皮膚に栄養を与え柔軟にすることを助け、メラニン沈着を減少させる。本発明のシルク製品は、たとえば、黄色がかった色と芳香性の匂いを有する半透明のグリセリン化(glycerinated)固形石鹸およびハード(hard)固形石鹸が挙げられる。
【0004】
(発明の詳細)
タイシルク(Thai silk)固形石鹸を製造する過程は次の諸工程を含む:
【0005】
1.タイシルクからのセリシン(sericin)蛋白質の調製
1.1 シルク繊維または繭を清浄な水の中に浸漬する。シルク繊維または繭−対−水の比率は重量で1:20である。
1.2 それら材料をオートクレーブの中で、110〜120℃の温度で、14ポンド/平方インチを超さない圧力で、25〜30分間、煮沸し抽出する。
1.3 この溶液をNo.220より低くないメッショのフィルターによって濾過し、そして濃縮すると、セリシン残留物は溶液の中に用途に必要な濃度でとどまっている又はそれは石鹸製造に使用するのに先立って乾燥され滅菌されてもよい。
【0006】
2.本発明のシルククレンジング製品の組成物は、
1)タイシルクからのセリシン蛋白質0.01〜20.00重量%、
2)水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム2.00〜20.00重量%、
3)グリセロール1.00〜30.00重量%(グリセリン化製品用)、または
4)植物性または動物性脂肪20.00〜75.00重量%(ハード製品用)、
5)100重量%にするのに十分な量の水、
6)微量のフラグランス(もしあれば)、
を含む。
【0007】
グリセリン化固形石鹸の製法:
1)グリセロール成分を溶融する。
2)水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム成分を水の中に溶解し加熱する。
3)水の中に溶解してあるタイシルクからのセリシン蛋白質と、フラグランスを、それぞれ、(1)に加え、そして均質混合物が得られるまで十分に混合する。
4)この石鹸素材を、型の形状を取るように、固化させる。
【0008】
ハード固形石鹸の製法
1)植物性または動物性脂肪成分を溶融する。
2)水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを水の中に溶解し加熱し、それから(1)にゆっくり加える。
3)水の中に溶解してあるタイシルクからのセリシン蛋白質と、フラグメントを、それぞれ、(1)に加え、そして均質混合物が得られるまで十分に混合する。
4)この石鹸素材を、型の形状を取るように、固化させる。
【0009】
3.タイシルク石鹸の品質検査
タイシルク石鹸は、化学物質の試験のためのOECDガイドライン、1992年、セカンド、404急性皮膚刺激/腐食、およびISO 10993−10、1995年、医療機器の生物学的評価パート10、刺激および感作についての試験、に従って皮膚刺激について検査される。
【0010】
タイシルク石鹸は実験室ラビットの皮膚に刺激を起こさない(10%(重量/体積)の濃度で試験されたとき)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイシルク繊維または繭を水と、重量で1:20の比率に、混合し、そして約110〜120℃の温度に加熱することを特徴とする、タイシルクからセリシン蛋白質を回収する方法。
【請求項2】
加熱工程が14ポンド/平方インチを超えない圧力下で行われる、請求項1の方法。
【請求項3】
加熱時間が約25〜30分間である、請求項1または2の方法。
【請求項4】
0.01〜20.00重量%の、請求項1〜3のいずれか一項からのセリシン蛋白質、および
2.00〜20.00重量%の、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム
を含むシルククレンジング組成物。
【請求項5】
場合によって(a)約1.00〜30.00重量%のグリセロールまたは(b)約20.00〜75.00重量%の植物性または動物性脂肪を含む、請求項4の組成物。
【請求項6】
場合によっては100重量%にする量の水および微量のフラグランス(望むならば)が添加されてもよい、請求項4または5の組成物。
【請求項7】
請求項5に記載されている通りの成分を溶解し、
その溶液を、請求項4に記載されている通りの水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムと混合し、
得られた生成物を、前もって水の中に溶解してあるセリシン蛋白質と混合し、そして均質混合物になるまでブレンドし、
得られた均質混合物を、デザインされた形状を有するように成形する
ことを含むシルク石鹸製造方法。

【公開番号】特開2011−201901(P2011−201901A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−111099(P2011−111099)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【分割の表示】特願2004−173361(P2004−173361)の分割
【原出願日】平成16年6月11日(2004.6.11)
【出願人】(504225688)ザ ファウンデイション フォー ザ プロモーション オブ サプリメンタリー オキュペイションズ アンド リレイテッド テクニクス オブ ハー マジェスティ クイーン シリキット (3)
【Fターム(参考)】