説明

シロキサン共重合体

パーソナルケア組成物に有用なシロキサン共重合体であって、ジメチルシロキサン単位(A)と、少なくとも1つのメチル(ポリオキシアルキレン)−アルキルシロキサン単位(B)と、少なくとも1つの低級アルキルアミノアルキルシロキサン又は低級アルキルアミドアルキルシロキサン単位(C)と、アルキル基が無置換で且つ5〜30個の炭素原子を有する、少なくとも1つのメチルアルキルシロキサン単位(D)を含むシロキサン共重合体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、ヘアケア及び化粧品組成物等のパーソナルケア組成物に有用なシロキサン共重合体に関する。特に、本発明は、ポリエーテル部分とアミン又はアミド部分とを含有するポリオルガノシロキサンに関する。
【背景技術】
【0002】
[発明の背景]
特開平11−5903号公報、特開平11−5904号公報及び特開平11−5905号公報はそれぞれ、式RSiO(4−a−b−c−d)/2により表されるポリエーテルアミド変性オルガノポリシロキサン(A)を記載している。上記式において、a及びdはそれぞれ0又は正の数であり;b及びcはそれぞれ正の数であり;ただし、1.9≦a+b+c+d≦2.2であり;Rは水素又は一価炭化水素基であり;Rは水素又は1〜6個の炭素原子を有する一価炭化水素基であり;Qは式−R−N(R)−C(O)−X又は−R−N(R)−R−N(R)−C(O)−X(式中、R及びRはそれぞれ二価炭化水素基であり;R及びRはそれぞれH又は一価炭化水素基であり;Xは(ポリオキシアルキレン)アルキル基である)の基であり;Q2は(ポリオキシアルキレン)アルキル基である。
【0003】
欧州特許第856553号公報は、粘度安定アミノ−官能性ポリシロキサンをラクトンと反応させることによる粘度安定アミド−官能性ポリシロキサンの調製方法を記載している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パーソナルケア組成物の供給業者は、透明な水性組成物としてそれらを販売することをしばしば望んでいる。水性組成物において改良された透明度を示し、且つその透明度を保持する、ポリエーテル部分とアミン又はアミド部分とを含有するポリオルガノシロキサンの必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[発明の概要]
本発明によるシロキサン共重合体は、ジメチルシロキサン単位(A)、少なくとも1つのメチル(ポリオキシアルキレ)−アルキルシロキサン単位(B)、低級アルキル基が1〜4個の炭素原子を有する、少なくとも1つの低級アルキルアミノアルキルシロキサン又は低級アルキルアミドアルキルシロキサン単位(C)と共に、アルキル基が無置換で且つ5〜30個の炭素原子を有する、少なくとも1つのメチルアルキルシロキサン単位(D)を含む。
【0006】
かかるシロキサン共重合体は、ヘアコンディショナー組成物、また少なくとも1つの界面活性剤及び/又は脂肪アルコールを含む水性ヘアコンディショナー組成物において有用である。
【0007】
シロキサン共重合の調製のための本発明による方法において、ジメチルシロキサンメチルハイドロジェンシロキサン共重合体を、ヒドロシリル化触媒の存在下で、5〜30個の炭素原子を有するアルケン及びアリル−官能性ポリエーテルと同時に又は連続的に反応させて、メチルアルキルシロキサン単位(D)及びメチル(ポリオキシアルキレン)−アルキルシロキサン単位(B)を形成し、結果として生成したシロキサン共重合体を、シロキサン平衡触媒の存在下で、アミノアルキル−官能性シラン又はその加水分解物及び少なくとも1つの環状ポリジメチルシロキサンと反応させて、シロキサン共重合体分子中に低級アルキルアミノアルキルシロキサン単位(C)を導入する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
シロキサン共重合体は、実質的に直鎖の共重合体であることが好ましく、実験式:(CHB’C’D’SiO(4−a−b−c−d)/2 (I)により表すことができる。式中、B’は(ポリオキシアルキレン)−アルキル基を表し;C’はアミノアルキル又はアミドアルキル基を表し;D’は5〜30個の炭素原子を有するアルキル基を表し;a、b、c及びdはそれぞれ0より大きく、1.9≦a+b+c+d≦2.2である。シロキサン重合体は、実質的に直鎖のポリシロキサンであることが好ましく、式:X−(Si(CHO)−(Si(CH)(B’)O)−(Si(CH)(C’)O)−(Si(CH)(D’)O)−Si(CHX (II)により代替的に表すことができる。式中、B’、C’及びD’は上記で定義された通りであり;各Xはメチル、ヒドロキシ又はアルコキシ基などの末端基を独立して表し;w、x、y及びzは、シロキサン共重合体分子あたりの各シロキサン基の平均数を表す。シロキサン共重合体は、少なくとも50、好ましくは少なくとも100のシロキサン単位で、1000以下、好ましくは500以下のシロキサン単位の重合度DPを好ましくは有する。重合度DPは、150〜400のシロキサン単位の範囲にあることが最も好ましい。式(II)におけるw、x、y及びzのシロキサン単位の割合は、シロキサン共重合体が、共重合体中の全シロキサン単位を基準として、1〜20モル%のシロキサン単位(B)、1〜10モル%のシロキサン単位(C)及び0.5〜20モル%のシロキサン単位(D)と共に、ジメチルシロキサン単位(A)である末端シロキサン単位以外の残りのシロキサン単位を含有するような値であることが好ましい。シロキサン共重合体は、小さな割合、例えば1モル%以下の、(CHSiO1/2単位などの分枝単位を含有してもよいが、かかる分枝単位は避けることが好ましい。
【0009】
シロキサン単位(B)における(ポリオキシアルキレン)−アルキル基は、好ましくは式:−Q−O−(CO)−(Q’O)−Z、−Q−O−(CO)−(Q’O)−Z、又は−Q−O−(CO)e’−(CO)e”−(Q’O)−Zの基である。式中、Qは、1〜18個、好ましくは2〜6個の炭素原子を一般に有する二価炭化水素基(例えば、1,3−プロピレン基)であり;Q’は、3又は4個の炭素原子を一般に有する二価単価水素基であり;eは、2〜50、好ましくは5〜30であり;e’及びe”は0〜50であり、ただしe’+e”は2〜50であり;fは、好ましくは0であるが、1〜10であってもよく;Zは、水素原子又は1〜18個、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0010】
シロキサン単位(C)におけるアミノアルキル基は、1つ以上のアミノ基を含有してもよい。アミノアルキル基は、好ましくは式:−A−NH−(A’−NH)−R’で表される。式中、A及びA’はそれぞれ独立して、1〜12個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有し、エーテル結合を任意に含有する直鎖又は分枝鎖アルキレン基であり;qは0〜4であり;R’は、水素又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル若しくはヒドロキシアルキル基であり;qは0又は1であり;A及びA’(存在する場合)はそれぞれ2〜4個の炭素原子を含有する。最も好ましいR’は、アミノアルキル基が無置換の第1級アルキル基を含むようにするために、水素である。好ましいアミノアルキル基の例としては、−(CHNH、−(CHNH、−(CHNH(CHNH、−CHCH(CH)CHNH(CHNH、−(CHNHCHCHNH(CHNH、−CHCH(CH)CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH、−(CHNHCHCHOHCHOH及び−(CHO(CHNHが挙げられる。
【0011】
或いは、アミノアルキル基は、アミドアルキル基に全体的又は部分的に変換されることができる。かかるアミドアルキル基は、式:−A−NH−(A’−NH)−C(O)−Rを一般に有する。式中、A、A’及びqは上記で定義した通りであり、Rは、1〜18個の炭素原子を有するアルキル又は置換アルキル基、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル又はヒドロキシアルキル基を表す。アミドアルキル基は、例えば、式:−(CH−NH−C(O)−Rで表されることができる。式中、Rは上記で定義された通りである。アミドアルキル基の存在は、アミノアルキル基単独よりも優れた耐黄変性をシロキサン共重合体にもたらす。
【0012】
シロキサン単位(D)は、好ましくは、アルキル基が8〜18個、最も好ましくは8〜14個の炭素原子を有する(例えば、n−デシル、n−ウンデシル又はn−ドデシル)メチルアルキルシロキサン単位である。パーソナルケア製品の供給業者のいくつかは、シロキサン共重合体分子における疎水性と親水性との所望のバランスを与え、それ故にパーソナルケア製品において所望の官能特性(organoleptic properties)を与えるために、かかる比較的長鎖のアルキル基の存在を要求する。我々は、比較的長鎖のアルキル基がメチルアルキルシロキサン単位として存在するシロキサン共重合体が、比較的長鎖のアルキル基がアミドアルキル基又は(ポリオキシアルキレン)−アルキル基に末端基として存在するシロキサン共重合体よりも長期間、それらの特性(例えば、水性組成物における粘度及び透明度)を保持することを見出した。
【0013】
本発明のシロキサン共重合体は、ジメチルシロキサンメチルハイドロジェンシロキサン共重合体から好ましくは調製される。かかる共重合体におけるSi−H基は、白金族化合物(例えば、塩化白金酸又はその錯体(ビニルシロキサンとの錯体等))のようなヒドロシリル化触媒の存在下で、エチレン不飽和基(ethylenically unsaturated groups)と反応するであろう。かかるヒドロシリル化触媒は、試薬を基準として、0.001〜0.1重量%で使用される。したがって、ジメチルシロキサンメチルハイドロジェンシロキサン共重合体は、5〜30個の炭素原子を有するアルケンと反応してメチルアルキルシロキサン単位(D)を形成し、またエチレン不飽和基を含有するポリエーテル(例えば、アリル−官能性ポリエーテル)と反応してメチル(ポリオキシアルキレン)−アルキルシロキサン単位(B)を形成することができる。好ましくは、ジメチルシロキサンメチルハイドロジェンシロキサン共重合体は、5〜30個の炭素原子を有するアルケン及びアリル−官能性ポリエーテルと同時に反応させる。或いは、5〜30個の炭素原子を有するアルケン及びアリル−官能性ポリエーテルは、連続的に反応させることができる。すなわち、ジメチルシロキサンメチルハイドロジェンシロキサン共重合体は、5〜30個の炭素原子を有するアルケンと最初に反応させ、次いでアリル−官能性ポリエーテルと反応させるか、又はアリル−官能性ポリエーテルと最初に反応させ、次いで5〜30個の炭素原子を有するアルケンと反応させることができるが、この追加の工程段階が必要でないことを我々は一般に見出した。
【0014】
ヒドロシリル化反応用の原料として使用されるジメチルシロキサンメチルハイドロジェン共重合体は、50〜300のシロキサン単位、最も好ましくは100又は150〜250のシロキサン単位の重合度DPを好ましくは有する。ヒドロシリル化反応は、重合度DPを変化させない。アミノアルキル−官能性シラン又はその加水分解物及びポリジメチルシロキサンとの後の平衡反応では、重合度DPが増大することが予期される。ポリジメチルシロキサンが環状であるなら、重合度DPの増大が理論上予期される。5〜30個の炭素原子を有するアルケン及びエチレン不飽和ポリエーテルと、ジメチルシロキサンメチルハイドロジェンシロキサン共重合体中のSi−H単位とのモル比は、好ましくは化学量論に近く、例えば、0.9:1〜1.1:1の範囲である。
【0015】
アミノアルキル基は、同様のヒドロシリル化反応(例えば、アリルアミンを用いる)によって形成することができるが、かかる反応が、望まない副生成物を形成する危険性があることを我々は見出した。メチルアミノアルキルシロキサン単位を導入するために、上述のようにして調製された、メチルアルキルシロキサン単位(D)及びメチル(ポリオキシアルキレン)−アルキルシロキサン単位(B)を含有するシロキサン共重合体を、シロキサン平衡触媒の存在下で、アミノアルキル−官能性シラン又はその加水分解物及び少なくとも1つのポリジメチルシロキサンと好ましくは反応させる。アミノアルキル−官能性シランは、メチルジメトキシアミノアルキルシラン、エチルジメトキシアミノアルキルシラン又はメチルジエトキシアミノアルキルシランのような式:(YO)Y’Si−A−NH−(A’−NH)−R’を好ましくは有する。式中、A、A’q及びR’は、上記で定義された通りであり;Y及びY’はそれぞれ、1〜4個の炭素原子を好ましくは有するアルキル基(例えば、メチル又はエチル)を表す。ポリジメチルシロキサンとしては、シラノール末端ポリジメチルシロキサン等の直鎖ポリシロキサンを使用することができるが、好ましくは環状シロキサン、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン又はデカメチルシクロペンタシロキサンである。単量体アミノアルキル−官能性シラン及び環状ポリジメチルシロキサンの反応は、水の添加を要求し、且つ制御することがより困難であるので、アミノアルキル−官能性シランの加水分解物が、環状ポリジメチルシロキサンと反応させるのに好ましい。かかる加水分解物は、一般に、例えば3〜6個のシロキサン単位を含有するアミノアルキル−官能性シランの短鎖シロキサンポリマーである。シロキサン平衡触媒は、一般に強塩基である。水酸化カリウムKOHが好ましい触媒である。代替的に、KOHを、いくつかのシロキサンと予め反応させてシラノレートを形成することができる。
【0016】
アミドアルキル基を形成するために、アミノアルキル基を、ラクトン、最も好ましくはγ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン又はε−カプロラクトン等の3〜6個の炭素原子を有するラクトンと反応させることが好ましい。ラクトンとの反応は、本発明のシロキサン共重合体へのアミノアルキル基の導入後に行うことが好ましい。ラクトンとアミノアルキル基とのモル比は、例えば、0.1又は0.2:1〜1.5:1又は2:1の範囲内であることができるが、0.5:1〜1:1の範囲内の比が好ましい。化学量論的量(stoichiometric amount)未満のラクトンを使用すると、対応する割合のアミノアルキル基がヒドロキシアルキルアミドアルキル基に変換され、アミノアルキル基と共に存在するであろう。過剰のラクトンを使用すると、実質的に全てのアミノアルキル基がヒドロキシアルキルアミドアルキル基に変換され、場合によっては、アミド結合を介して結合したヒドロキシ末端短鎖ポリエステル基を伴う。ラクトンとの反応は、周囲温度又は僅かに高めた温度(例えば、周囲温度〜80℃)で、ラクトンとシロキサン共重合体とを激しく混合することによって行うことができる。
【0017】
或いは、アミノアルキル基を含有するシロキサン共重合体は、エポキシドと反応させてN−ヒドロキシアルキル−アミノアルキル基を形成すること、例えば、グリシドールと反応させてN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−アミノアルキル基を形成することができる。
【0018】
本発明のシロキサン共重合体は、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアスプレー、ムース等のヘアケア組成物、又はスキンクリーム、スキンケアローション、保湿剤等のスキンケア組成物、アクネ除去剤若しくはしわ除去剤等のフェイシャルトリートメント、パーソナルクレンザー及びフェイシャルクレンザー、浴剤、香料、フレグランス、オーデコロン、におい袋、日焼け止め剤、プレシェーブ及びアフターシェーブローション、ひげそり用石鹸及びひげそり用泡(shaving lathers)、脱毛剤、又はキューティクルコート(cuticle coat)におけるパーソナルケア産業において使用することができる。本発明のシロキサン共重合体は、繊維潤滑剤(fibre lubricants)、繊維柔軟剤、及び/又は皺取り剤として繊維産業において一般に使用することができ、また研磨材又は保護コーティングの成分としても使用することができる。
【0019】
本発明のシロキサン共重合体は、脂ぎった又は重い特性を毛髪に与えることなく、濡れた毛髪を容易にくしで梳き易くし、また乾燥した毛髪を柔らかく且つ容易にくしで梳き易くする毛髪用のコンディショニング剤としての特定の使用を有する。かかるシロキサン共重合体は、比較的長鎖のアルキル基がアミドアルキル基又は(ポリオキシアルキレン)−アルキル基の末端基として存在するシロキサン共重合体を含有する組成物と比較して、改良された透明度、及びその透明度をより長い間保持するコンディショナー組成物を形成するという、透明な水性コンディショナーにおける特定の利益を有する。
【0020】
本発明は、以下の実施例により説明される。
【実施例】
【0021】
[実施例1]
29Si NMRによって測定した場合に174個のジメチルシロキサン単位及び20個のメチルハイドロジェンシロキサン単位を含有し、且つGPCによって測定した場合に16,700の数平均分子量Mn(DP229に相当する)を有するジメチルシロキサンメチルハイドロジェンシロキサン共重合体を、塩化白金酸触媒の存在下で、共重合体のモル当たり5モルの1−ドデセン及び6モルのメチル末端アリル官能性ポリエチレンオキシド(12のエチレンオキシド単位)と反応させた。生成した共重合体は、1−ドデシル及び3−(ポリオキシエチレン)プロピル側鎖を含有し、29Si NMRによって測定した場合にDP200、GPCによって測定した場合にMn19,800(DP168に相当する)を有していた。
【0022】
上記で生成した共重合体を、KOH平衡触媒の存在下で、オクタメチルシクロテトラシロキサン及び3−アミノプロピルメチルジメトキシシランの加水分解物と反応させた。使用されたアミノシラン加水分解物の割合は、存在する全シロキサン単位を基準として、2.5モル%のメチル3−アミノプロピルシロキサン単位を与えるのに十分であった。シロキサン共重合体生成物は、29Si NMRによって測定した場合にDP342、GPCによって測定した場合にMn20,700(DP210に相当する)を有していた。その粘度は、2,190mPa・sであった。
【0023】
実施例1のシロキサン共重合体を市販の透明なヘアコンディショナー処方で試験した。その最初の透明度は、特開平11−5905号公報に記載されているようなポリエーテルアミド基を有する市販のシロキサン共重合体を含有する同じコンディショナーの透明度と等しかった。実施例1のシロキサン共重合体を含有するヘアコンディショナー組成物の透明度は、7日間保管後でも大きく変化しなかった。
【0024】
[実施例2]
29Si NMRによって測定した場合に171個のジメチルシロキサン単位及び28個のメチルハイドロジェンシロキサン単位を含有し、且つGPCによって測定した場合に17,000の数平均分子量Mn(DP231に相当する)を有するジメチルシロキサンメチルハイドロジェンシロキサン共重合体を、塩化白金酸触媒の存在下で、共重合体のモル当たり5モルの1−ドデセン及び10モルの実施例1のアリル官能性ポリエチレンオキシドと反応させた。生成した共重合体は、29Si NMRによって測定した場合にDP196、GPCによって測定した場合にMn27,300(DP196に相当する)を有していた。
【0025】
上記で生成した共重合体を、実施例1に記載の条件下で、オクタメチルシクロテトラシロキサン及び3−アミノプロピルメチルジメトキシシランの加水分解物と反応させた。シロキサン共重合体生成物は、29Si NMRによって測定した場合にDP180、GPCによって測定した場合にMn20,100(DP183に相当する)を有していた。その粘度は、1,740mPa・sであった。
【0026】
シロキサン共重合体生成物を実施例1に記載されたような透明なヘアコンディショナー組成物で試験した場合、最初の透明度は、実施例1の生成物を含有するコンディショナーよりもはるかに優れていた(はるかに高い透過率であった)。21日間保管後、透明度は、実施例1の生成物又は実施例1に記載の市販のシロキサン共重合体を含有するコンディショナーの最初の透明度よりも依然として実質的に優れていた。
【0027】
[実施例3]
実施例2のシロキサン共重合体を、共重合体中のアミノアルキル基についての化学量論的量でγ−ブチロラクトンと混合させた。反応は、90%を超えるアミノ基がアミドに変換されるまで、撹拌しながら加熱した。アミドアルキル−官能性シロキサン共重合体生成物は、29Si NMRによって測定した場合にDP231、GPCによって測定した場合にMn16,500(DP151に相当する)を有していた。その粘度は、1,605mPa・sであった。
【0028】
アミドアルキル−官能性シロキサン共重合体生成物を、実施例1に記載されたような透明なヘアコンディショナー組成物で試験した場合、最初の透明度は、実施例2の生成物を含有するコンディショナーよりもずっと優れており、この優れた透明度は21日間保管後にも保持された。さらに、実施例3のアミノアルキル−官能性シロキサン共重合体を含有する組成物は、実施例2の組成物と比較して、黄変の減少を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジメチルシロキサン単位(A)と、少なくとも1つのメチル(ポリオキシアルキレン)−アルキルシロキサン単位(B)と、低級アルキル基が1〜4個の炭素原子を有する、少なくとも1つの低級アルキルアミノアルキルシロキサン又は低級アルキルアミドアルキルシロキサン単位(C)とを含むシロキサン共重合体であって、
アルキル基が無置換で且つ5〜30個の炭素原子を有する、少なくとも1つのメチルアルキルシロキサン単位(D)も含むことを特徴とするシロキサン共重合体。
【請求項2】
前記シロキサン単位(D)は、アルキル基が8〜18個の炭素原子を有し、且つ前記共重合体中の全シロキサン単位の0.5〜20モル%で存在するメチルアルキルシロキサン単位であることを特徴とする請求項1に記載のシロキサン共重合体。
【請求項3】
前記シロキサン単位(D)は、メチルn−ドデシルシロキサン単位を含むことを特徴とする請求項2に記載のシロキサン共重合体。
【請求項4】
前記シロキサン単位(C)は、アミノ基が無置換の第1級アミノ基を含むメチルアミノアルキルシロキサン単位であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシロキサン共重合体。
【請求項5】
前記シロキサン単位(C)は、メチルアミドアルキルシロキサン単位を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシロキサン共重合体。
【請求項6】
前記アミドアルキル基は、式−A−NH−(A’NH)−C(O)−R(式中、A及びA’は、それぞれ独立して、1〜6個の炭素原子を有し、且つエーテル結合を任意に含有する直鎖又は分枝鎖アルキレン基であり;qは0〜4であり;Rは1〜6個の炭素原子を有するアルキル又はヒドロキシアルキル基である)で表されることを特徴とする請求項5に記載のシロキサン共重合体。
【請求項7】
前記シロキサン単位(C)は、前記共重合体中の全シロキサン単位の1〜10モル%で存在することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のシロキサン共重合体。
【請求項8】
前記シロキサン単位(B)は、メチルγ(ポリオキシエチレン)プロピルシロキサン単位であり、且つ前記共重合体中の全シロキサン単位の1〜20モル%で存在することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のシロキサン共重合体。
【請求項9】
前記γ(ポリオキシエチレン)プロピル基は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で終端されていることを特徴とする請求項5に記載のシロキサン共重合体。
【請求項10】
請求項1に記載のシロキサン共重合体の調製方法であって、
ジメチルシロキサンメチルハイドロジェンシロキサン共重合体を、ヒドロシリル化触媒の存在下で、5〜30個の炭素原子を有するアルケン及びアリル官能性ポリエーテルと同時に又は連続的に反応させて、メチルアルキルシロキサン単位(D)及びメチル(ポリオキシアルキレン)−アルキルシロキサン単位(B)を形成し、結果として生成したシロキサン共重合体を、シロキサン平衡触媒の存在下で、アミノアルキル−官能性シラン又はその加水分解物及び少なくとも1つの環状ポリジメチルシロキサンと反応させて、シロキサン共重合体分子中に低級アルキルアミノアルキルシロキサン単位(C)を導入することを特徴とする調製方法。
【請求項11】
前記アミノアルキル−官能性シランは、メチルγ−アミノプロピルジメトキシシランであることを特徴とする請求項10に記載の調製方法。
【請求項12】
前記シロキサン共重合体生成物を、4〜6個の炭素原子を有するラクトンとさらに反応させて、アミノアルキル基の少なくとも一部をアミドアルキル基に変えることを特徴とする請求項10又は11に記載の調製方法。

【公表番号】特表2008−536957(P2008−536957A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557221(P2007−557221)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/006813
【国際公開番号】WO2006/091931
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】