説明

シロキサン表面改質ヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子組成物

本発明の実施形態は、一般に、シロキサン表面改質ヒドロゲル微粒子及びペースト、それらの調製方法、並びにパーソナルケア有効成分、ヘルスケア有効成分若しくは農芸上の有効成分の送達のためのそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ヒドロゲルは、一般に、水又は充分に水相溶性の流体と接触させると膨潤する架橋ポリマーマトリックス(エラストマー)成分を有するものと特徴付けることができる。該マトリックス内に捕捉された流体により膨潤したポリマー微粒子は、ヒドロゲル微粒子と呼ばれている。有効成分及び他の化合物を該マトリックス内に収容することができるため、ヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子(それらから作られるペースト及び粉末も同様)は、様々な用途においてかかる化合物のカプセル化及び送達に有用であることが認められている。例えば、ヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子は、パーソナルケア用途及びヘルスケア用途において医薬品、ビタミン、香料、オイル及び他の化合物のカプセル化及び送達に特に有用である。特に、ヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子は、水溶性活性物質及びアルコール可溶性活性物質の吸収及び送達に有用である。しかしながら、かかるヒドロゲル及び微粒子は、水性及び/又はアルコールの系に曝露した場合、その中に含まれる活性物質の早期放出に対して耐性が制限されることがある。ヒドロゲルから作ったペーストは、典型的に安定で幅広い範囲の粘度を有することができるため、特定の用途のための基剤として特に有用とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
ヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子を調製する様々な方法が知られているが、多様な用途で用いるヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子を容易に改質する方法が依然として必要である。例えば、ヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子を、その環境からの水の進入又はその環境への水の放出を調節するように適合させる方法が依然必要である。
【課題を解決するための手段】
【0003】
これらの要求は、様々な実施形態でシロキサン表面改質ヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子、それらの調製方法並びにそれらの使用を提供する本発明によって満たされる。
【0004】
様々な実施形態で、ヒドロゲル又はヒドロゲル微粒子を少なくとも1種のアミノ官能性有機ケイ素化合物である成分(A)で処理して少なくとも1つのシロキサンコーティングした表面をヒドロゲル又はヒドロゲル微粒子上に形成する工程を備えるシロキサン表面改質ヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子の調製方法を提供し、ここで前記ヒドロゲル又はヒドロゲル微粒子はカルボキシ官能基、スルホン酸官能基、エポキシ基又はそれらの組み合わせから選択されるアミン反応性基を含む少なくとも1種の有機ポリマーである成分(B)を含み、また前記ヒドロゲルが水、水相溶性アルコール及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の吸収性溶媒である成分(C)を含むか、又は前記ヒドロゲル微粒子が前記成分(C)の存在下で処理される。
【0005】
様々な実施形態で、提供する方法によって調製したシロキサン表面改質ヒドロゲルを含むペーストを提供する。様々な実施形態で、提供する方法によって調製したシロキサン表面改質ヒドロゲル微粒子も提供する。
【0006】
本発明のこれら及び更なる特徴並びに利点は、次の詳細な説明の中で明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特徴及び利点を、時に具体的実施形態を参照してここで説明する。しかしながら、本発明は、異なる形態に具現化されてもよく、本明細書中に記載する実施形態に限定されるように解釈されるべきでない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が徹底的且つ完全であり本発明の範囲を当業者に充分に伝えるように提供する。
【0008】
特に定義しない限り、本明細書中で使用する全ての技術的用語及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書の記載で使用する専門用語は、特別な実施形態を説明することを目的とするのみであり、限定することを意図しない。明細書及び特許請求の範囲で使用される単数形“a”、“an”及び“the”は、文脈が明確に指示しない限りは、複数形も包含することを意図する。
【0009】
特に具体的に指示しない限り、明細書及び添付した特許請求の範囲で用いる「水相溶性」という用語は、少なくとも部分的に水溶性であることを意味することを意図するが、架橋ポリマーを説明するのに用いられた場合は、その用語は該ポリマーが水を吸収できることを意味することを意図する。
【0010】
明細書及び添付した特許請求の範囲で用いる「ヒドロゲル」という用語は、架橋ポリマーマトリックスが水、1種以上の水相溶性アルコール又はそれらの組み合わせで、完全に又は部分的に膨潤するゲルを指すことを意図する。従って、その用語は、限定しないが、水相溶性アルコールで完全に又は部分的に膨潤したアルコゲルも包含する。ポリマーマトリックスの架橋は、性質が化学的であっても又は物理的であってもよい。非限定的例として、ヒドロゲルは、共有結合、イオン相互作用、水素結合、鎖の絡み合い、又はミクロ相分離部分の自己会合によって架橋され得る。加えて、かかるヒドロゲルは、脱水(非膨潤)状態で存在しても、また使用されてもよいことが理解される。
【0011】
特に具体的に指示しない限り、明細書及び添付した特許請求の範囲で用いる「ヒドロゲル微粒子」という用語は、ポリマー微粒子、充分に相溶性の流体で膨潤したポリマー微粒子の双方を指すことを意図する。
【0012】
明細書及び添付した特許請求の範囲で用いる「アルコール」という用語は、水相溶性アルコールを指すことを意図する。従って、「アルコール相溶性有機ポリマー」という用語は、水相溶性アルコールと相溶性である有機ポリマーを指すことを意図する。
【0013】
明細書及び添付した特許請求の範囲で用いる「疎水性」という用語は、水及び/又は水相溶性化合物に対して親和性を欠く及び/又は耐性があることを意味することを意図する。従って、この用語は、水相溶性アルコールに対して親和性を欠く及び/又は耐性があることをも指す。
【0014】
明細書及び添付した特許請求の範囲で用いる「ペースト」という用語は、流体中のヒドロゲルの懸濁液を意味することを意図する。
【0015】
特に指示しない限り、明細書及び特許請求の範囲で用いる成分の量、分子量及び反応条件のような特性などを表現する全ての数は、全事例において「約」という用語により修飾されるものと理解される。従って、特に指示しない限り、明細書及び特許請求の範囲に示す数値的特性は、本発明の実施形態で獲得しようとされる所望の特性に依存して変動し得る近似値である。本発明の広範な範囲に示す数の範囲及び変数が近似値であるにもかかわらず、具体的な実施例に示す数値は可能な限り正確に報告されている。しかしながら、数値は、それらの各測定に見られる誤差からやむを得ず生じるある程度の誤差を本質的に含有する。
【0016】
水溶性ポリマー及びヒドロゲルは、水及び/又はアルコール並びに水及び/又はアルコールと相溶性の材料を増粘する又はゲル化するのに有用である。ヒドロゲルは、水又はアルコールに可溶な有効成分を周囲に導入する多様な用途のための担体又は分散剤として使用される。周囲への有効成分の送達の速度を制御することが望ましい制御放出用途に対し、既知の方法によって調製したヒドロゲルは、活性拡散速度の有意な制御を提供しないという制限に苦しむ。更に、ポリアクリル酸誘導体のような最も一般的なヒドロゲル材料の多くは、その粘着性のため、無水純固体(微細な粒子サイズ及び極度の感湿性のせいで)と部分的又は完全な水和ゲルの双方として取り扱い難い傾向がある。従って、疎水性障壁を提供してヒドロゲルマトリックスの外の周囲への有効成分の拡散を減速し、取り扱い適性を向上させることが有益であると考えられる。
【0017】
種々の実施形態で、水及び水相溶性化合物の移動に対する障壁として役立つシロキサン表面コーティングを有するヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子、それらの調製方法並びにそれらの使用を提供する。種々の実施形態で、ヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子の露出表面上又は表面近傍領域上にシロキサンコーティングを形成する方法を提供し、選択した該コーティングは、該コーティングを横断しての水及び水相溶性化合物の輸送速度の調節を可能にする。いくつかの実施形態では、該方法をモノリシックなヒドロゲル上で実施する場合、シロキサンコーティングを該ヒドロゲルの露出表面の上に形成する。いくつかの実施形態では、提供する方法をヒドロゲル微粒子上で実施すると、シロキサンシェルによって取り囲まれたヒドロゲル微粒子の現場形成が起こる。提供された方法は、有効成分の最適な装填にとって、望ましいヒドロゲル又は微粒子のコアの固有特性を保有することから、提供された方法は、共重合又はヒドロゲルと疎水性化合物とのブレンドのようなバルク改質法と対照的である。例えば、本明細書中で提供する方法は、疎水性表面コーティングを有するが有効成分の水含有ヒドロゲル又は微粒子への最適な装填にとって望まれる親水性を保有する水含有ヒドロゲル又は微粒子の調製を可能にする。
【0018】
様々な実施形態で、ヒドロゲル又はヒドロゲル微粒子を少なくとも1種のアミノ官能性有機ケイ素化合物である成分(A)で処理して、少なくとも1つのシロキサンコーティングした表面をヒドロゲル上又はヒドロゲル微粒子上に形成する工程を備えるシロキサン表面改質ヒドロゲル、ヒドロゲルペースト及びヒドロゲル微粒子の調製方法を提供し、前記ヒドロゲル又はヒドロゲル微粒子はカルボキシ官能基、スルホン酸官能基、エポキシ基又はそれらの組み合わせから選択されるアミン反応性基を含む少なくとも1種の有機ポリマーである成分(B)を含み、該ポリマーは水、アルコール又はそれらの組み合わせと相溶性であり、また前記ヒドロゲルが水、アルコール及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の吸収性溶媒である成分(C)を含むか又は前記ヒドロゲル微粒子が成分(C)の存在下で処理される。いくつかの実施形態では、ヒドロゲル又はヒドロゲル微粒子が、少なくとも1種の有効成分である成分(D)、少なくとも1種の界面活性剤である成分(E)、少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な化合物である成分(F)及び少なくとも1種の有機ボランフリーラジカル開始剤である成分(G)のうちの1つ以上を、任意で含むか又はそれで処理される。
【0019】
様々な実施形態で、提供する方法によって調製するシロキサン表面改質ヒドロゲルペースト及びヒドロゲル微粒子を提供する。かかるペースト及び微粒子は、パーソナル及びヘルスケア有効成分の送達並びに農芸上の有効成分の送達を含む多様な用途に有用である。
【0020】
[ヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子]
様々な実施形態によって、ヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子の表面を改質する方法を提供する。既知のヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子を、提供する方法によって表面改質することができる。加えて、未改質のヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子を調製する方法も既知であり、それらの性質及び用途に応じて変化する。カーボポール(Carbopol、登録商標)ポリアクリル酸ゲル及び微粒子の使用で良好な結果が得られるが、当業者は、本明細書で説明する方法及び組成物がかかるゲル及び微粒子に限定されないことを理解するであろう。
【0021】
幾つかの実施形態では、提供する方法に用いるヒドロゲル微粒子がいかなる形状(すなわち、球形若しくは不規則形)又はサイズを有していてもよい。用いる微粒子を、直接的に又はゲルモノリスのせん断若しくは微粉砕から形成することができる。適切なサイズの微粒子の非限定的な例として、約0.1μm〜約100μmの平均粒径を有するものが挙げられる。
【0022】
[アミノ官能性有機ケイ素化合物である成分(A)]
一般に、成分(A)は少なくとも1種のアミノ官能性有機ケイ素化合物を含む。前記有機ケイ素化合物は、直線状、環状、分枝状、超分枝状又は樹脂状であってもよい。いくつかの実施形態では、成分(A)は、
(1)RSiO(RSiO)(RSiO)SiR
(式中、aは0〜20,000の値を有し、bは1〜20,000の値を有し、各R基は独立して水素、ハロゲン又は一価の有機基であり、各R基は独立してアミン含有基である)及び
(2)RSiO(RSiO)(RSiO)SiR
(式中、cは0〜20,000の値を有し、dは0〜20,000の値を有し、各Rは独立して水素、ハロゲン又は一価の有機基であり、各R基は独立してアミン含有基である)
から選択される式を有する有機ケイ素化合物を含み得る。
【0023】
適切なR基及びR基としては、限定しないが、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、アクリレート官能基及びメタクリレート官能基のような有機基(直線状及び/又は分枝状);並びにエーテル基、シアン酸エステル基、エステル基、カルボン酸塩の基、メルカプト基、スルフィド基、アジド基、ホスホネート基、ホスフィン基、遮蔽イソシアノ基及びヒドロキシル基のような他の有機官能基が挙げられる。かかる基の例としては、限定しないが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基及びt−ブチル基のようなアルキル基;アクリロイルオキシプロピル基及びメタクリロイルオキシプロピル基のようなアクリレート官能基;ビニル基、アリル基及びブテニル基のようなアルケニル基;エチニル基及びプロピニル基のようなアルキニル基;フェニル基、トリル基及びキシリル基のような芳香族基;シアノエチル基及びシアノプロピル基のようなシアノアルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、ジクロロフェニル基及び6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル基のようなハロゲン化炭化水素基;アリルオキシ(ポリオキシエチレン)基、アリルオキシポリ(オキシプロピレン)基及びアリルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)−co−ポリ(オキシエチレン)基のようなアルケニルオキシポリ(オキシアルキレン)基;プロピルオキシ(ポリオキシエチレン)基、プロピルオキシポリ(オキシプロピレン)基及びプロピルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)−co−ポリ(オキシエチレン)基のようなアルキルオキシポリ(オキシアルキレン)基;パーフルオロプロピルオキシ(ポリオキシエチレン)基、パーフルオロプロピルオキシポリ(オキシプロピレン)基及びパーフルオロプロピルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)−co−ポリ(オキシエチレン)基のようなハロゲン置換アルキルオキシポリ(オキシアルキレン)基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基及びエチルヘキシルオキシ基のようなアルコキシキ基;3−アミノプロピル基、6−アミノヘキシル基、11−アミノウンデシル基、3−(N−アリルアミノ)プロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル基、p−アミノフェニル基、2−エチルピリジン基及び3−プロピルピロール基のようなアミノアルキル基;3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基及び5,6−エポキシヘキシル基のようなエポキシアルキル基;アセトキシエチル基及びベンゾイルオキシプロピル基のようなエステル官能基;ヒドロキシ基及び2−ヒドロキシエチル基のようなヒドロキシ官能基;プロピル−t−ブチルカルバメート基及びプロピルエチルカルバメート基のような遮蔽イソシアネート官能基;ウンデカナール基及びブチルアルデヒド基のようなアルデヒド官能基;3−プロピルコハク酸無水物基及び3−プロピルマレイン酸無水物基のような無水物官能基;並びに3−カルボキシプロピル及び2−カルボキシエチルの亜鉛塩、ナトリウム塩又はカリウム塩のようなカルボン酸の金属塩が挙げられる。
【0024】
適切なR基及びR基としては、限定しないが、3−アミノプロピル基、2−アミノエチル基、アミノメチル基、6−アミノヘキシル基、11−アミノウンデシル基、3−(N-アリルアミノ)プロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル基、p−アミノフェニル基、2−エチルピリジン基及び3−プロピルピロール基のような一価のアミン基が挙げられる。幾つかの実施形態では、R基及びR基が独立してビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピル基、N,N−ジメチル−3−アミノプロピル基、N,N−ジエチル−3−アミノプロピル基及びN,N−ジエチルアミノメチル基のような三級アミン基から選択される。幾つかの実施形態では、R基及びR基が独立して式R’−(NH−A’)−NH−A−(式中、A及びA’はそれぞれ独立して1〜6個の炭素原子を有し任意でエーテル結合を含有する直線状又は分枝状アルキレン基であり;qは0〜4であり;R’は水素又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基である)を有するアミノアルキル基から選択される。かかるアミノアルキル基の例としては、限定しないが、−(CH)NH、 −(CH)NH、 −(CH)NH(CH)NH、 −CHCH(CH)CHNH(CH)NH、 −(CH)NHCHCHNH(CH)NH、 −CHCH(CH)CHNH(CH)NH、 −CHCHMeCHNH(CH)NHCO(CH)OH、 −(CH)NH(CH)NH及び−(CH)O(CH)NHが挙げられる。
【0025】
基及び/又はR基とR基及び/又はR基との特定の組み合わせは、R基及び/又はR基のアミン基のR基及び/又はR基の有機基との反応性のために、成分(A)の安定性の減少をもたらし得る。しかしながら、安定性は、R及び/又はRについて反応性の少ないアミン基を選択することによって向上させることができる。例えば、R及び/又はRがハロゲン基、アクリレート官能基、メタクリレート官能基、エポキシ基、アルデヒド基、遮蔽イソシアネート基又は無水物官能基である場合、安定性は、三級アミン官能基又は立体障害性アミンからR基及び/又はR基を選択することによって向上させ得る。
【0026】
幾つかの実施形態では、成分(A)が
【化1】

(式中、Mは単官能性単位RSiO1/2を表し;Dは二官能性単位RSiO2/2を表し;Tは三官能性単位RSiO3/2を表し;Qは四官能性単位SiO4/2を表し;ここで「R」はいずれか適切な官能基を表す)から独立に選択される有機ポリシロキサンの構造単位を有するシロキサン樹脂を含み得る。
【0027】
幾つかの実施形態では、成分(A)が、RSiO1/2単位及びSiO4/2単位を有するMQ樹脂、RSiO3/2単位及びRSiO2/2単位を有するTD樹脂、RSiO1/2単位及びRSiO3/2単位を有するMT樹脂、RSiO1/2単位、RSiO3/2単位及びRSiO2/2単位を有するMTD樹脂並びにそれらの組み合わせ(ここで、各R基は独立して1〜20個の炭素原子を有する一価の有機基である)から選択されるシロキサン樹脂を含み得る。幾つかの実施形態では、Rが1〜10個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、少なくとも1個のR基がアミン含有基である。
【0028】
の適切な例としては、限定しないが、3−アミノプロピル基、2−アミノエチル基、アミノメチル基、6−アミノヘキシル基、11−アミノウンデシル基、3−(N−アリルアミノ)プロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル基、p−アミノフェニル基、2−エチルピリジン基及び3−プロピルピロール基のような一価のアミン基が挙げられる。幾つかの実施形態では、Rがビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピル基、N,N−ジメチル−3−アミノプロピル基、N,N−ジエチル−3−アミノプロピル基及びN,N−ジエチルアミノメチル基のような三級アミン基から選択され得る。幾つかの実施形態では、Rが式R’−(NH−A’)−NH−A−(式中、A及びA’はそれぞれ独立して1〜6個の炭素原子を有し任意でエーテル結合を含有する直線状又は分枝状アルキレン基であり;qは0〜4であり;R’は水素又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル若しくはヒドロキシアルキル基である)を有するアミノアルキル基から選択され得る。かかるアミノアルキル基の例としては、限定しないが、−(CH)NH、 −(CH)NH、 −(CH)NH(CH)NH、 −CHCH(CH)CHNH(CH)NH、 −(CH)NHCHCHNH(CH)NH、 −CHCH(CH)CHNH(CH)NH、 −(CH)NH(CH)NH及び−(CH)O(CH)NHが挙げられる。
【0029】
幾つかの実施形態では、成分(A)がポリ[ジメチル,メチル(アミノエチルアミノイソブチル)]シロキサン、ポリ[ジメチル,メチル(アミノエチルアミノプロピル)]シロキサン、ポリ[(ジメチル,メチルアミノプロピル)]シロキサン、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン、アミノエチルアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン及びアミノエチルアミノイソブチル末端ポリジメチルシロキサンから選択される。
【0030】
[成分(A)用の任意溶媒]
幾つかの実施形態では、表面改質ヒドロゲル、ヒドロゲルペースト及びヒドロゲル微粒子の調製が、成分(A)に適する溶媒の存在下でヒドロゲル又はヒドロゲル微粒子を処理することを任意で伴う。幾つかの実施形態では、成分(A)に適する溶媒が、水非混和性シリコーン;有機化合物;イオン液体及び超臨界流体のような「環境に配慮した」溶媒;並びにそれらの混合物から選択され得る。適切な溶媒の例としては、限定しないが、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン及び25℃で1000cP未満の粘度を有するトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン流体又はそれらの混合物のような直線状、分枝状、超分枝状及び環状有機シロキサン流体;カプリリルメチルトリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン;デカメチルシクロペンタシロキサン;高級シクロシロキサン;並びにそれらの混合物が挙げられる。幾つかの実施形態では、成分(A)用溶媒として適切なトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン流体が25℃で約0.5〜約100cPの粘度を有する。他の適切な溶媒としては、限定しないが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、酢酸エチルのような水と非混和性の有機溶媒が挙げられる。成分(A)に適する溶媒の更なる例としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、イソデシルネオペンタノエート、イソノニルイソノナノエート、イソパラフィン、イソアルカンのような有機油、1−エテニル−3−エチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート及びテトラプロピルアンモニウムテトラシアノボレートを含むイオン液体、並びに超臨界二酸化炭素のような超臨界流体が挙げられる。
【0031】
[アミン反応性基を含む有機ポリマーである成分(B)]
一般に、成分(B)は、アミン反応性基を備えた少なくとも1種の有機ポリマーを含む。該ポリマーは、ホモポリマー性であってもヘテロポリマー性であってもよく(限定しないが、いずれかのコモノマー誘導体のクロスポリマー又はコポリマーを含む)、直線状、分枝状、超分枝状、デンドリマー状であっても又はある程度架橋していてもよい。幾つかの実施形態では、アミン反応性基がカルボキシ官能基、スルホン酸官能基、エポキシ基又はそれらの組み合わせから選択される。様々な実施形態において、成分(B)は水相溶性である。幾つかの実施形態では、成分(B)が少なくとも5mol%のアミン反応性基を有する。幾つかの実施形態では、成分(B)が約5mol%〜約10mol%のアミン反応性基を有する。幾つかの実施形態では、成分(B)が少なくとも10mol%のアミン反応性基を有する。
【0032】
幾つかの実施形態では、成分(B)がカルボキシ官能性有機ポリマー、無水物官能性有機ポリマー及びエポキシ官能性有機ポリマーから選択され得る。適切なポリマーの例としては、限定しないが、ポリアクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリル酸の塩、ポリ(メタクリル酸)の塩、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(メタクリル酸)無水物、ポリ(アクリル酸)無水物、ポリセバシン酸無水物のようなポリ無水物、ポリ(ヒアルロン酸)、ヒアルロン酸含有ポリマー及びコポリマー、並びにそれらの混合物が挙げられる。該ポリマーは、ポリ(エチルヘキシメタクリレート)−ポリアクリル酸コポリマー又はポリビニルアルコール−ポリアクリル酸コポリマーのような、水相溶性モノマー単位及びアミン反応性モノマー単位から成るコポリマーであってもよい。カーボポール(登録商標)ETD2020、カーボポール(登録商標)Ultrez20及びカーボポール(商標登録)ETD2050のようなポリアクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸並びに部分的架橋ポリアクリル酸ホモポリマー、部分的架橋ポリアクリル酸イオノマー及び部分的架橋ポリアクリル酸コポリマーから成分(B)を選択することで、良好な結果が得られている。
【0033】
[吸収性溶媒である成分(C)]
一般に、成分(C)は、ヒドロゲル又はヒドロゲル微粒子によって吸収可能である少なくとも1種の溶媒である。幾つかの実施形態では、吸収性溶媒が水、水相溶性アルコール、ジオール、ポリオール及びそれらの組み合わせから選択され得る。適切なアルコールの例としては、限定しないが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール及びそれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、吸収性溶媒を1種以上の水相溶性アルコールと水との組み合わせとし得る。
【0034】
[有効成分である任意成分(D)]
一般に、任意成分(D)は、パーソナルケア有効成分若しくはヘルスケア有効成分から又は農芸上の有効成分から選択される少なくとも1種の有効成分を含む。幾つかの実施形態では、成分(D)は、現場カプセル化用ヒドロゲル又はヒドロゲル微粒子に加えることができる少なくとも1種の有効成分を含む。幾つかの実施形態では、成分(D)を、ヒドロゲル若しくはヒドロゲル微粒子の作製の間に加え得る(前添加法(pre−load method))か、ヒドロゲル若しくはヒドロゲル微粒子の形成後に加え得る(後添加法(post−load method))か、又は表面改質ヒドロゲル若しくはヒドロゲル微粒子の形成後に加え得る(改質後法(post−modification method))。幾つかの実施形態において、ヒドロゲル中又はヒドロゲル微粒子中に懸濁した有効成分は、必須ではないが、粒子状形態とすることができる。ヒドロゲル又はヒドロゲル微粒子の他の成分を厳選することによって、特性を制御して、有効成分の放出の望ましいメカニズムを可能にし得る。放出メカニズムの例としては、熱的、機械的、化学的又は放射線誘導性ストレスによる抽出、溶解、膨潤、溶融、軟化、分解、研磨、圧搾又は粗砕が挙げられる。
【0035】
ヒドロゲル又はヒドロゲル微粒子中に存在する成分(D)の量は変動し得るが、幾つかの実施形態では、成分の総重量を基準として約0%〜約50%(重量で)、あるいは約1%〜約25%(重量で)、あるいは約1%〜約10%(重量で)にわたる。
【0036】
本明細書中で用いる「パーソナルケア有効成分又は(若しくは)ヘルスケア有効成分」とは、美容的及び/若しくは美的利益、薬剤学的若しくは医学的利益、薬理学的活性若しくは疾患の診断、治療、緩和、処置若しくは予防における他の直接的効果を提供する目的で典型的に加えられるパーソナルケア製剤中の添加剤として、又はヒト若しくは他の動物の体の構造若しくはいずれかの機能に影響を与えるのに使用され得るいずれかの化合物又は化合物の混合物を意味する。従って、「パーソナルケア有効成分及びヘルスケア有効成分」としては、限定しないが、一般に使用され、米国保健社会福祉省食品医薬品局によって規定され、連邦規則集第21巻第21章第220〜299部及び第300〜499部に収められている有効成分又は有効薬品成分が挙げられる。
【0037】
幾つかの実施形態では、成分(D)に適する有効成分は、脂溶性又は油溶性ビタミンと水溶性ビタミンの両方を包含する。成分(D)として有用な油溶性ビタミンとしては、限定しないが、ビタミンA1、レチノール、レチノールのC2−C18エステル、ビタミンE、トコフェロール、ビタミンEのエステル、及びそれらの混合物が挙げられる。レチノールは、トランスレチノール、1,3−シスレチノール、11−シスレチノール、9−シスレチノール及び3,4−ジデヒドロレチノールを包含する。レチノールは、トイレ化粧品・香料工業協会(CTFA)(ワシントンDC)によってビタミンAに対して指定された国際命名法化粧品原料(INCI)名である。他の適切なビタミン及びここに含まれると考えられるビタミンについてのINCI名は、酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル、プロピオン酸レチニル、α−トコフェロール、トコフェルソラン、酢酸トコフェリル、リノール酸トコフェリル、ニコチン酸トコフェリル及びスクシン酸トコフェリルである。
【0038】
成分(D)として有用な水溶性ビタミンとしては、限定しないが、ビタミンC,ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、ビオチン及びパントテン酸が挙げられる。他の適切な水溶性ビタミン及びこの中に含まれると考えられるビタミンのINCI名は、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルメチルシラノールペクチネート、パルミチン酸アスコルビル及びステアリン酸アスコルビルである。
【0039】
成分(D)としての使用に適する市販の製品の幾つかの例は、Fluka Chemie AG(スイス、ブックス)のビタミンAアセテート及びビタミンC両製品、ヘンケル・コーポレーション(イリノイ州ラグレーンジ)のビタミンE製品であるCOVI−OX T−50、ヘンケル・コーポレーション(イリノイ州ラグレーンジ)の別のビタミンE製品であるCOVI−OX T−70、及びロシュ・ビタミン&ファインケミカルズ(ニュージャージー州ナットリー)の製品であるビタミンEアセテートである。
【0040】
幾つかの実施形態では、成分(D)として用いるパーソナルケア有効成分又はヘルスケア有効成分を水溶性又は油溶性の有効薬品成分とすることができる。用いることのできる幾つかの適切な水溶性の有効薬品成分の代表例は、ヒドロコルチゾン、ケトプロフェン、チモロール、ピロカルピン、アドリアマイシン、マイトマイシンC、モルヒネ、ヒドロモルホン、ジルチアゼム、テオフィリン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ヘパリン、ペニシリンG、カルベニシリン、セファロチン、セフォキシチン、セフォタキシム、5−フルオロウラシル、シタラビン、6−アザウリジン、6−チオグアニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、硫酸ブレオマイシン、アウロチオグルコース、スラミン及びメンベンダゾールである。
【0041】
成分(D)として用いることができる幾つかの適切な油溶性の有効薬品成分の代表例は、クロニジン、スコポラミン、プロプラノロール、塩酸フェニルプロパノールアミン、ウアバイン、アトロピン、ハロペリドール、イソソルビド、ニトログリセリン、イブプロフェン、ユビキノン、インドメタシン、プロスタグランジン、ナプロキセン、サルブタモール、グアナベンズ、ラベタロール、フェニラミン、メトリホナート及びステロイドである。
【0042】
過酸化ベンゾイル及びトレチノインのような抗ニキビ剤;クロロヘキサジエングルコネートのような抗菌剤;硝酸ミコナゾールのような抗真菌剤;抗炎症剤;コルチコステロイド薬;ジクロフェナクのような非ステロイド抗炎症剤;プロピオン酸クロベタゾールのような抗乾癬薬;リドカインのような麻酔薬;鎮痒薬;及び抗皮膚炎薬が、本発明の目的のための有効薬品成分としてここに含まれると考えられる。
【0043】
幾つかの実施形態では、成分(D)を酵素などのタンパク質とすることもできる。酵素は、限定しないが、市販の種類のもの、改良型のもの、組換え型のもの、野生型のもの、天然に見られない変異体、及びそれらの混合物を含む。例えば、適切な酵素は、ヒドロラーゼ、クチナーゼ、オキシダーゼ、トランスフェラーゼ、レダクターゼ、ヘミセルラーゼ、エステラーゼ、イソメラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、カタラーゼ及びそれらの混合物を含む。ヒドロラーゼは、限定しないが、プロテアーゼ(細菌、真菌、酸性、中性又はアルカリ性)、アミラーゼ(α又はβ)、リパーゼ、マンナナーゼ、セルラーゼ、コラゲナーゼ及びそれらの混合物を含む。
【0044】
幾つかの実施形態では、成分(D)を日焼け止め剤とし得る。日焼け止め剤は、日光に対する曝露の悪影響から皮膚を保護することが本技術分野で既知のいかなる日焼け止め剤からも選択することができる。日焼け止めは、有機化合物、無機化合物又はそれらの混合物とすることができる。従って、日焼け止め剤として用いることができる非限定的な代表例として、アミノ安息香酸、シノキセート、メトキシケイヒ酸ジエタノールアミン、トリオレイン酸ジガロイル、ジオキシベンゾン、アミノ安息香酸エチル4−[ビス(ヒドロキシプロピル)]、アミノ安息香酸グリセリル、ホモサラート、ジヒドロキシアセトンと併用するローソン、アントラニル酸メチル、メトキシケイヒ酸オクチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、パジメート0、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、レッドペトロラタム、スルイソベンゾン、二酸化チタン及びサリチル酸トロラミンが挙げられる。
【0045】
有機日焼け止め化合物は、紫外(UV)光を吸収する有機化合物から典型的に選択される。UV光吸収化合物の幾つかの例は、アセトアミノサロール、アラトインPABA、ベンザルフタリド、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン1〜12、3−ベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファー加水分解コラーゲンスルホンアミド、ベンジリデンカンファースルホン酸、サリチル酸ベンジル、ボルネロン、ブメトリゾール、ブチルメトキシジメンゾイルメタン、ブチルPABA、セリア/シリカ、セリア/シリカ タルク、シノキセート、メトキシケイヒ酸DEA、ジベンゾキサゾールナフタレン、ジ−t−ブチルヒドロキシベンジリデンカンファー、トリオレイン酸ジガロイル、ジイソプロピルケイヒ酸メチル、ジメチルPABAエチルセテアリルジモニウムトシレート、ジオクチルブタミドトリアゾン、ジフェニルカルボメトキシアセトキシナフトピラン、ビスエチルフェニルトリアミノトリアジンスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニルトリアミノトリアジンスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、ドロメトリゾール、ドロメトリゾールトリシロキサン、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ジイソプロピルケイヒ酸エチル、メトキシケイヒ酸エチル、エチルPABA、ウロカニン酸エチル、エトロクリレンフェルラ酸、ジメトキシケイヒ酸オクタン酸グリセリル、グリセリルPABA、サリチル酸グリコール、ホモサラート、p−メトキシケイヒ酸イソアミル、サリチル酸イソプロピルベンジル、イソプロピルジベンゾイルメタン、メトキシケイヒ酸イソプロピル、アントラニル酸メンチル、サリチル酸メンチル、4−メチルベンジリデン、カンファー、オクトクリレン、オクトリゾール、オクチルジメチルPABA、メトキシケイヒ酸オクチル、サリチル酸オクチル、オクチルトリアゾン、PABA、PEG−25 PABA、ペンチルジメチルPABA、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、メトキシケイヒ酸カリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸カリウム、レッドペトロラタム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸ナトリウム、ウロカニン酸ナトリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸TEA、サリチル酸TEA、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、二酸化チタン、トリPABAパンテノール、ウロカニン酸及びVA/クロトネート/メタクリルオキシベンゾフェノンクロスポリマーである。
【0046】
あるいは日焼け止め剤がケイヒ酸エステル系有機化合物であるか、又あるいは日焼け止め剤がパラメトキシケイヒ酸と2−エチルヘキサノールとのエステルであるUninul(登録商標)MC80のようなメトキシケイヒ酸オクチルである。
【0047】
幾つかの実施形態では、成分(D)を産業界で一般的に用いられているいずれかの香料又は芳香有効成分とし得る。これらの組成は、典型的にはアルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリト、テルペン系炭化水素、複素環式窒素又は硫黄含有化合物並びに天然又は合成起源の精油といった多種多様な化学的分類に属する。これらの香料有効成分の多くは、「Perfume and Flavor Chemicals」(1969年、S.Arctander著、Montclair、ニュージャージー)のような標準的且つ典型的な参考図書に詳細が記載されている。
【0048】
芳香有効成分は、限定しないが、香料ケトン及び香料アルデヒドによって例示され得る。香料ケトンの実例はブコキシム;イソジャスモン;メチルβナフチルケトン;ムスクインダノン;トナリド/ムスク プラス;α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、イソダマスコン、ダマセノン、ダマローズ、ジヒドロジャスモン酸メチル、メントン、カルボン、カンファー、フェンコン、α−ロノン、β−ロノン、γ−メチルいわゆるロノン、フルーラモン(Fleuramone)、ジヒドロジャスモン、シスジャスモン、イソEスーパー、メチルセドレニルケトン又はメチルセドリロン、メチルアセトフェノン、パラメトキシアセトフェノン、メチル−β−ナフチルケトン、ベンジルアセトン、ベンゾフェノン、パラヒドロキシフェニルブタノン、セロリケトン又はリブスコン(Livescone)、6−イソプロピルデカヒドロ−2−ナフトン、ジメチルオクタノン、フレスコメンテ(Freskomenthe)、4−(1−エトキシビニル)−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノンメチルヘプタノン、2−(2−(4−メチル−3−シクロヘキセン−1−イル)プロピル)−シクロペンタノン、1−(p−メンテン−6(2)−イル)−1−プロパノン、4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−ブタノン、2−アセチル−3,3−ジメチルノルボマン、6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン、4−ダマスコール、ズルシニル(Dulcinyl)又はカシオン(Cassione)、ゲルソン(Gelsone)、ヘキサロン、イソシクレモンE、メチルシクロシトロン、メチルラベンダーケトン、オリボン、パラ−tert−ブチルシクロヘキサノン、ベルドン、デルフォン、ムスコン、ネオブテノン、ピリカトン、プリカトン、ベロウトン、2,4,4,7−テトラメチル−オクタ−6−エン−3−オン及びテトラメランである。
【0049】
香料ケトンは、要求しないが、その匂い特性をα−ダマスコン、δ−ダマスコン、イソダマスコン、カルボン、γ−メチルロノン、イソEスーパー、2447−テトラメチル−オクタ−6−エン−3−オン、ベンジルアセトン、β−ダマスコン、ダマセノン、ジヒドロジャスモン酸メチル、メチルセドリロン及びそれらの混合物から選択し得る。
【0050】
香料アルデヒドは、必須ではないが、その匂い特性をアドキサル;アニスアルデヒド;サイマール(cymal);エチルバニリン;フロルヒドラル;ヘリオナール;ヘリオトロピン;ヒドロキシシトロネラール;コアボン;ラウリンアルデヒド;リラール;メチルノニルアセトアルデヒド;P.T.ブシナール;フェニルアセトアルデヒド;ウンデシレンアルデヒド;バニリン;2,6,10−トリメチル−9−ウンデセナール;3−ドデセン−1−アール、α−n−アミルケイヒアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、3−(4−tert−ブチルフェニル)プロパナール、2−メチル−3−(パラメトキシフェニルプロパナール)、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2(1)−シクロヘキセン−1−イル)ブタナール、3−フェニル−2−プロペナール、シス/トランス−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−アール、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−アール、[(3,7−ジメチル−6−オクテニル)オキシ]アセトアルデヒド、4−イソプロピルベンズアルデヒド、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−8,8−ジメチル−2−ナフトアルデヒド、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、2−メチル−3−(イソプロピルフェニル)プロパナール、1−デカナール;デシルアルデヒド、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、4−(トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]−デシリデン−8)−ブタナール、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンカルボキシアルデヒド、3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、パラエチル−α,α−ジメチルヒドロケイヒアルデヒド、α−メチル−3,4−(メチレンジオキシ)−ヒドロケイヒアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、α−n−ヘキシルケイヒアルデヒド、m−シメン−7−カルボキシアルデヒド、α−メチルフェニルアセトアルデヒド、7−ヒドロキシ−3,7−ジメチルオクタナール、ウンデセナール、2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、4−(3)(4−メチル−3−フェニル)−3−シクロヘキセン−カルボキシアルデヒド、1−ドデカナール、2,4−ジメチルシクロヘキセン−3−カルボキシアルデヒド、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、7−メトキシ−3,7−ジメチルオクタン−1−アール、2−メチルウンデカナール、2−メチルデカナール、1−ノナナール、1−オクタナール、2,6,10−トリメチル−5,9−ウンデカジエナール、2−メチル−3−(4−tert−ブチル)プロパナール、ジヒドロケイヒアルデヒド、1−メチル−4−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、3,7−ジメチルオクタン−1−アール、1−ウンデカナール、10−ウンデセナール−1−アール、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、1−メチル−3−(4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、7−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−オクタナール、トランス−4−デセナール、2,6−ノナジエナール、パラトリルアセトアルデヒド;4−メチルフェニルアセトアルデヒド、2−メチル−4−(266−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテナール、オルト−メトキシケイヒアルデヒド、3,5,6−トリメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、3,7−ジメチル−2−メチレン−6−オクテナール、フェノキシアセトアルデヒド、5,9−ジメチル−4,8−デカジエナール、ピオニーアルデヒド(6,10−ジメチル−3−オキサ−5,9−ウンデカジエン−1−アール)、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインデン−1−カルボキシアルデヒド、2−メチルオクタナール、α−メチル−4−(1−メチルエチル)ベンゼンアセトアルデヒド、6,6−ジメチル−2−ノルピネン−2−プロピオンアルデヒド、パラメチルフェノキシアセトアルデヒド、2−メチル−3−フェニル−2−プロペン−1−アール、3,5,5−トリメチルヘキサナール、ヘキサヒドロ−8,8−ジメチル−2−ナフトアルデヒド、3−プロピル−ビシクロ[221]−ヘプト−5−エン−2−カルバルデヒド、9−デセナール、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタナール、メチルノニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナール、1−p−メンテン−q−カルボキシアルデヒド及びそれらの混合物から選択し得る。
【0051】
アルデヒドは、必須ではないが、その匂い特性を1−デカナール、ベンズアルデヒド、フロルヒドラル、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド;シス/トランス−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−アール;ヘリオトロピン;2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド;2,6−ノナジエナール;α−n−アミルケイヒアルデヒド、α−n−ヘキシルケイヒアルデヒド、P.T.ブシナール、リラール、サイマール、メチルノニルアセトアルデヒド、ヘキサール、トランス−2−ヘキセナール及びそれらの混合物から選択し得る。
【0052】
香料活性化合物の上記リストにおいて、幾つかは、当業者にとって通常既知の商品名であり、異性体をも包含する。かかる異性体も、本発明での使用に適切である。
【0053】
幾つかの実施形態では、成分(D)を1以上の植物抽出物とし得る。これらの成分の例は、次の通りである:アシタバ抽出物、アボガド抽出物、アジサイ抽出物、アルテア抽出物、アルニカ抽出物、アロエ抽出物、アンズ抽出物、杏仁抽出物、イチョウ抽出物、ウイキョウ抽出物、ターメリック(クルクマ)抽出物、ウーロン茶抽出物、エイジツ抽出物、エキナセア抽出物、オウゴン抽出物、キハダ抽出物、日本オウレン抽出物、オオムギ抽出物、ヒペリウム抽出物、白イラクサ抽出物、クレソン抽出物、オレンジ抽出物、乾燥塩水、海藻抽出物、加水分解エラスチン、加水分解小麦粉末、加水分解シルク、カモミール抽出物、ニンジン抽出物、アルテミシア抽出物、甘草抽出物、ハイビスカスティー抽出物、ピラカンタ・フォーチュネアナ果実抽出物、キウイ抽出物、キナノキ抽出物、キュウリ抽出物、グアノシン、クチナシ抽出物、クマザサ抽出物、クジン抽出物、クルミ抽出物、グレープフルース抽出物、クレマチス抽出物、クロレラ抽出物、クワ抽出物、ゲンチアナ抽出物、黒茶抽出物、酵母抽出物、ゴボウ抽出物、米ぬか発酵抽出物、米胚芽油、コンフリー抽出物、コラーゲン、コケモモ抽出物、クチナシ抽出物、サイシン抽出物、ミシマサイコ属系統群の抽出物、サルビア抽出物、サポナリア抽出物、竹抽出物、クラテグス実抽出物、サンショウ抽出物、シイタケ抽出物、ジオウ抽出物、ムラサキ抽出物、シソ抽出物、リンデン抽出物、シモツケソウ抽出物、シャクヤク抽出物、ショウブ根抽出物、白樺抽出物、トクサ抽出物、ヘデラ・ヘリックス(Ivy)抽出物、サンザシ抽出物、セイヨウニワトコ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、セイヨウハッカ抽出物、セージ抽出物、ゼニアオイ抽出物、センキュウ根抽出物、センブリ抽出物、大豆抽出物、ナツメ抽出物、タイム抽出物、茶抽出物、クローブ抽出物、イネ科チガヤ抽出物、ウンシュウミカン果皮抽出物、日本アンゼリカ根抽出物、キンセンカ抽出物、桃仁抽出物、ダイダイ果皮抽出物、どくだみ抽出物、トマト抽出物、納豆抽出物、朝鮮ニンジン抽出物、緑茶抽出物(チャノキ)、ニンニク抽出物、野バラ抽出物、ハイビスカス抽出物、麦門冬抽出物、ハス抽出物、パセリ抽出物、ハチミツ、ハマメリス抽出物、ヒカゲミズ抽出物、延命草抽出物、ビサボロール抽出物、ビワ抽出物、フキタンポポ抽出物、フキノトウ抽出物、マツホド抽出物、ナギイカダの抽出物、グレープ抽出物、プロポリス抽出物、ヘチマ抽出物、ベニバナ抽出物、ペパーミント抽出物、菩提樹抽出物、ペオニア抽出物、ホップ抽出物、松の木抽出物、セイヨウトチノキ抽出物、水芭蕉抽出物、ムクロジ果皮抽出物、メリッサ抽出物、モモ抽出物、矢車草抽出物、ユーカリ抽出物、ユキノシタ抽出物、シトロン抽出物、ジュズダマ抽出物、ヨモギ抽出物、ラベンダー抽出物、リンゴ抽出物、レタス抽出物、レモン抽出物、レンゲ抽出物、バラ抽出物、ローズマリー抽出物、ローマカミツレ抽出物及びローヤルゼリー抽出物。
【0054】
幾つかの実施形態では、成分(D)が少なくとも1種の農芸上の有効成分を含む。本明細書で用いる「農芸上の有効成分」とは、植物を処理する目的で典型的に加えられる配合物中の添加剤であり得るいずれかの化合物又は化合物の混合物を意味する。
【0055】
適切な農芸上の有効成分の例としては、限定しないが、2−フェニルフェノール;硫酸8−ヒドロキシキノリン;AC382042;アンペロマイセス・キスカリス(Ampelomyces quisqualis);アザコナゾール;アゾキシストロビン;バシルス・サブチリス(Bacillus subtilis);ベナラキシル;ベノミル;ビスフェニル;ビテルタノール;ブラストサイジン−S;ボルドー液;ホウ砂;ブロムコナゾール;ブピリメート;カルボキシン;多硫化カルシウム;カプタホール;カプタン;カルベンダジム;カプロパミド(KTU3616);CGA279202;チノメチオナット;クロロタロニル;クロゾリネート;水酸化銅;ナフテン酸銅;塩基性塩化銅;硫酸銅;酸化第一銅;シモキサニル;シプロジニル;ダゾメット;デバカーブ;ジクロフルアニド;ジクロメジン;ジクロロフェン;ジクロシメット;ジクロラン;ジエトフェンカルブ;ジフェノコナゾール;ジフェンゾクワット;ジフェンゾクワットメチルスルフェート;ジフルメトリム;ジメチリモール;ジメトモルフ;ジニコナゾール;ジニコナゾール−M;ジノブトン;ジノカップ;ジフェニルアミン;ジチアノン;ドデモルフ;酢酸ドデモルフ;ドジン;ドジン遊離塩基;エジフェンホス;エポキシコナゾール(BAS480F);エタスルホカルブ;エチリモール;エトリジアゾール;ファモキサドン;フェンアミドン;フェナリモル;フェンブコナゾール;フェンチン;フェンフラム;フェンヘキサミド;フェンピクロニル;フェンプロピジン;フェンプロピモルフ;酢酸フェンチン;水酸化フェンチン;フェルバム;フェリムゾン;フルアジナム;フルジオキソニル;フルオロイミド;フルキノコナゾール;フルシラゾール;フルスルファミド;フルトラニル;フルトリアホール;フォルペット;ホルムアルデヒド;ホセチル;ホセチル−アルミニウム;フベリダゾール;フララキシル;フザリウム・オキシスポラム;グリオクラジウム・ビレンス;グアザチン;酢酸グアザチン;GY−81;ヘキサクロロベンゼン;ヘキサコナゾール;ヒメキサゾール;ICIA0858;IKF−916;イマザリル;硫酸リマザリル;イミベンコナゾール;イミノクタジン;イミノクタジントリアセテート;イミノクタジントリス[アルベシレート];イプコナゾール;イプロベンフォス;イプロジオン;イプロバリカルブ;カスガマイシン;塩酸カスガマイシン水和物;クレソキシム−メチル;マンカッパー;マンコゼブ;マネブ;メパニピリム;メプロニル;塩化第二水銀;酸化第二水銀;塩化第一水銀;メタラキシル;メタラキシル−M;メタム;メタム−ナトリウム;メトコナゾール;メタスルホカルブ;イソシアン酸メチル;メチラム;メトミノストロビン(SSF−126);MON65500;ミクロブタニル;ナバム;ナフタレン酸;ナタマイシン;ニッケルビス(ジメチルジチオカルバメート);ニトロタール−イソプロピル;ヌアリモール;オクチリノン;オフレイス;オレイン酸(脂肪酸);オキサジキシル;オキシン銅;オキシカルボキシン;ペンコナゾール;ペンシクロン;ペンタクロロフェノール;ペンタクロロフェニル;ラウリン酸ペンタクロロフェニル;ペルフラゾエート;酢酸フェニル水銀;フィレビオプシス・ギガンテア(Phlebiopsis gigantea);フタリド;ピペラリン;ポリオキシンB;ポリオキシン;ポリオキソリム;ヒドロキシキノリン硫酸カリウム;プロベナゾール;プロクロラズ;プロシミドン;プロパモカルブ;塩酸プロパモカルブ;プロピコナゾール;プロピネブ;ピラゾフォス;ピリブチカルブ;ピリフェノックス;ピリメタニル;ピロキロン;キノキシフェン;キントゼン;RH−7281;sec−ブチルアミン;ナトリウム2−フェニルフェノキシド;ナトリウムペンタクロロフェノキシド;スピロキサミン(KWG4168);ストレプトマイセス・グリセオピリディス(Streptomyces griseoviridis);硫黄;タール油;テブコナゾール;テクナゼン;テトラコナゾール;チアベンダゾール;チフルザミド;チオファネートメチル;チラム;トルクロホスメチル;トリルフルアニド;トリアジメフォン;トリアジメノール;トリアゾキシド;トリコデルマ・ハルジアナム;トリシクラゾール;トリデモルフ;トリフルミゾール;トリホリン;トリチコナゾール;バリダマイシン;ビンクロゾリン;ナフテン酸亜鉛;ジネブ;ジラム;(E,E)−2−(2−(1−(1−(2−ピリジル)プロピルオキシイミノ)−1−シクロプロピルメチルオキシメチル)フェニル)−3−エトキシプロペノエート、3−(3,5−ジクロロフェニル)−4−クロロピラゾールの化学名を有する化合物;2−アミノ−4−メチル−6−シクロプロピルピリミジン;2',6’−ジブロモ−2−メチル−4’−トリフルオロメトキシ−4’−トリフルオロメチル−1,3−トリアゾール−5−カルボキシアニリド;2,6−ジクロロ−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)ベンゼンアミド;(E)−2−メトキシイミノ−N−メチル−2−(2−フェノキシフェニル)−アセトアミド;8−ヒドロキシキノリン硫酸塩;メチル(E)−2−{2−[6−(2−シアノフェノキシ)−ピリミジン−4−イルオキシ]フェニル}−3−メトキシアクリレート;メチル(E)−メトキシイミノ[α−(o−トリルオキシ)−o−トリル]アセテート;2−フェニルフェノール(OPP)、アンプロピルホス、アニラジン、ベノダニル、ビナパクリル、ブチオベート、カルボキシン、キノメチオネート、クロロネブ、クロロピクリン、クフラネブ、シプロフラム、ジクロブトラゾール、ジクロフルアニド、ジピリチオン、ジタリムホス、ドラゾキソロン、フェニトロパン、フサライド、フルメシクロクス(furmecyclox)、イソプロチオラン、メトフロキサム、メトスルホバックス、オキサモカルブ、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ホスジフェン、ピマリシン、テクロフタラム、チシオフェン、トリクラミド、トリフロキシストロビン、2−[2−(1−クロロシクロプロピル)−3−(2−クロロフェニル)−2−ヒドロキシプロピル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]−トリアゾール−3−チオン、3−(1−[2−(4−[2−クロロフェノキシ]−5−フルオロピリミド−6−イルオキシ)−フェニル]−1−(メトキシイミノ)−メチル)−5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジン及びN−メチル−2−(2−[6−(3−クロロ−2−メチルフェノキシ)−5−フルオロピリミド−4−イルオキシ]フェニル)−2−メトキシミノアセトアミドが挙げられる。
【0056】
適切な農芸上の有効成分の例としては、限定しないが、アバメクチン;アセフェート;アセタミプリド;オレイン酸;アクリナトリン;アルジカルブ;アラニカルブ;アレスリン[(1R)異性体];α−シペルメトリン;アミトラズ;アベルメクチンB1及びその誘導体、アザジラクチン;アザメチホス;アジンホスエチル;アジンホスメチル;バチルス・チューリギエンシ(Bacillus thurigiensi);ベンジオカルブ;ベンフラカルブ;ベンスルタップ;β−シフルトリン;β−シペルメトリン;ビフェナゼート;ビフェントリン;ビオアラトリン(Bioallathrine);ビオアレトリン(S−シクロペンテニル異性体);ビオレスメトリン;ホウ砂;ブプロフェジン;ブトカルボキシム;ブトキキカルボキシム;ピペロニルブトキシド;カズサホス;カルバリル;カルボフラン;カルボスルファン;カルタップ;塩酸カルタップ;コルダン;クロレトキシホス;クロルフェナピル;クロルフェンビンホス;クロルフルアズロン;クロルメホス;クロロピクリン;クロルピリホス;クロルピルホスメチル;塩化第一水銀;クマホス;クリオライト;クリオマジン;シアノホス;シアン化カルシウム;シアン化ナトリウム;シクロプロトリン;シフルトリン;シハロトリン;シペルメトリン;シフェノトリン[(1R)トランス異性体];ダゾメット;DDT;デルタメトリン;デメトン−S−メチル;ジアフェンチウロン;ダイアジノン;二臭化エチレン;二塩化エチレン;ジクロルボス;ジコホール;ジクロトホス;ジフルベンズロン;ジメトエート;ジメチルビンホス;ジオフェノラン;ジスルホトン;DNOC;DPX−JW062及びDP;エンペントリン[(EZ)−(1R)異性体];エンドスルファン;ENT8184;EPN;エスフェンバレレート;エチオフェンカルブ;エチオン;化学名5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−エチルスルフィニルピラゾール を有するエチプロール;エトプロホス;エトフェンプロックス;エトキサゾール;エトリムホス;ファンファー;フェナミホス;フェニトロチオン;フェノブカルブ;フェノキシカルブ;フェンプロパトリン;フェンチオン;フェンバレレート;フィプロニル及びアリールピラゾール系化合物;フルシクロクロクスロン;フルシトリネート;フルフェノクスロン;フルフェンプロックス;フルメトリン;フルオフェンプロックス(fluofenprox);フッ化ナトリウム;フッ化スルフリル;ホノホス;ホルメタネート;塩酸ホルメタネート;ホルモチオン;フラチオカルブ;γ−HCH;GY−81;ハロフェノジド;ヘプタクロル;ヘプテノホス;ヘキサフルムロン;ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム;タール油;石油;ヒドラメチルノン;シアン化水素;ヒドロプレン;イミダクロプリド;イミプロトリン;インドキサカルブ;イサゾフォス;イソフェンホス;イソプロカルブ;メチルイソチオシアナル(Methyl isothiocyanal);イソキサチオン;λ−シハロトリン;ラウリン酸ペンタクロロフェニル;ルフェヌロン;マラチオン;MB−599;メカルバム;メタクリホス;メタミドホス;メチダチオン;メチオカルブ;メソミル;メトプレン;メトキシクロル;メトルカルブ;メビンホス;ミルベメクチン及びその誘導体;モノクロトホス;ナレド;ニコチン;ニテンピラム;ニチアジン;ノバルロン;オメトエート;オキサミル;オキシデメトンメチル;パエシロマイセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus);パラチオン;パラチオンメチル;ペンタクロロフェノール;ペンタクロロフェノールナトリウム;ぺルメトリン;フェノトリン[(1R)−トランス異性体];フェントエート;ホレート;ホサロン;ホスメット;ホスファミドン;ホスフィン;リン化アルミニウム;リン化マグネシウム;リン化亜鉛;ホキシム;ピリミカルブ;ピリミホスエチル;ピリミホスメチル;多硫化カルシウム;プラレトリン;プロフェンホス;プロパホス;プロペタムホス;プロポキスル;プロチオホス;ピラクロホス;ピレトリン(クリサンテマート、ピレトレート、ピレトラム);ピメトロジン;ピリダベン;ピリダフェンチオン;ピリミジフェン;ピリプロキシフェン;キナルホス;レスメトリン;RH−2485;ロテノン;RU15525;シラフルオフェン;スルコフロンナトリウム;スルホテップ;サルファアミド;スルプロホス;Ta−フルバリネート;テブフェノジド;テブピリムホス;テフルベンズロン;テフルトリン;テメホス;テルブホス;テトラクロルビンホス;テトラメトリン;テトラメトリン[(1R)異性体];θ−シペルメトリン;チアメトキサム;チオシクラム;シュウ酸水素チオシクラム;チオジカルブ;チオファノックス;チオメトン;トラロメトリン;トランスフルトリン;トリアザマート;トリアゾホス;トリクロルホン;トリフルムロン;トリメタカルブ;バミドチオン;XDE−105;XMC;キシリルカルブ;ζ−シペルメトリン;ZXI8901;化学名が3−アセチル−5−アミノ−1−[2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルスルフィニルピラゾールである化合物;アルファメトリン、AZ60541、アジンホスA、アジンホスM、アゾシクロスズ、4−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)−1−(エトキシメチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−3−カルボニトリル、BPMC、ブロフェンプロックス(brofenprox)、ブロモホスA、ブフェンカルブ、ブチルピリダベン、カルボフェノチオン、クロエトカルブ、N−[(6−クロロ−3−ピリジニル)−メチル]−N’−シアノ−N−メチルエタンイミダミド、クロシトリン、クロフェンテジン、シヘキサチン、シロマジン、クロチアニジン、デメトンM、デメトンS、ジクロロフェンチオン、ジクリホス、ジエチオン、ジオキサチオン、エマメクチン、エスフェンバレレート、フェナザキン、酸化フェンブタスズ、フェノチオカルブ、フェンピラド、フェンピロキシメート、フルアズロン、フルバリネート、ホスチアゼート、フブフェンプロクス、ヘキシチアゾクス、イプロベンホス、イベルメクチン、メスルフェンホス、メタアルデヒド、モキシデクチン、NC184、オキシデプロホス、プロメカルブ、プロトアート、ピメトロジン、ピレスメトリン、サリチオン、セブホス、テブフェンピラド、テブピリミホス、ターバム、チアクロプリド、チアフェノックス、チアメトキサム、チオメトン、チューリンギエンシン、トリアラテン(triarathen)、トリアズロン、トリクロルホン、ゼータメトリンも挙げられる。
【0057】
適切な農芸上の有効成分の例としては、限定しないが、更にメタアルデヒド及びメチオカルブが挙げられる。
【0058】
加えて、農芸上の有効成分の適切な例としては、限定しないが、2,3,6−TBA;2,4−D;2,4−D−2−エチルヘキシル;2,4−DB;2,4−DB−ブチル;2,4−DB−ジメチルアンモニウム;2,4−DB−イソオクチル;2,4−DB−カリウム;2,4−DB−ナトリウム;2,4−D−ブトチル(2,4−D−ブトチル(2,4−Dブトキシエチルエステル));2,4−D−ブチル;2,4−D−ジメチルアンモニウム;2,4−D−ジオールアミン;2,4−D−イソオクチル;2,4−D−イソプロピル;2,4−D−ナトリウム;2,4−D−トロラミン;アセトクロル;アシフルオルフェン;アシフルオルフェンナトリウム;アクロニフェン;アクロレン;AKH-7088;アラクロール;アロキシジム;アロキシジムナトリウム;アメトリン;アミドスルフロン;アミトロール;スルファミン酸アンモニウム;アニロホス;アシュラム;アシュラムナトリウム;アトラジン;アザフェニジン;アジムスルフロン;ベナゾリン;ベナゾリンエチル;ベンフルラリン;ベンフレセート;ベノキサコル;ベンスルフロン;ベンスルフロンメチル;ベンスリド;ベンタゾン;ベンタゾンナトリウム;ベンゾフェナップ;ビフェノックス;ビラナホス;ビラナホスナトリウム;ピスピリバックナトリウム;ホウ砂;ブロマシル;ブロモブチド;ブロモフェノキシム;ブロモキシニル;ブロモキシニルヘプタノエート;ブロモキシニルオクタノエート;ブロモキシニルカリウム;ブタクロール;ブタミホス;ブトラリン;ブトロキシジム;ブチレート;カフェンストロール;カルベタミド;カルフェントラゾンエチル;クロメトキシフェン;クロランベン;クロルブロムロン;クロリダゾン;クロリムロン;クロリムロンエチル;クロル酢酸;クロロトルロン;クロルプロファム;クロルスルフロン;クロルタール;クロルタールジメチル;クロルチアミド;シンメチリン;シノスルフロン;クレトジム;クロジナホップ;クロジナホッププロパルギル;クロマゾン;クロメプロップ;クロピラリド;クロピラリドオラミン;クロキントセット;クロキントセットメキシル;クロランスラムメチル;CPA;CPAジメチルアンモニウム;CPAイソオクチル;CPAチオエチル;シアナミド;シアナジン;シクロエート;シクロスルファムロン;シクロキシジム;シハロホップブチル;ダイムロン;ダラポン;ダラポンナトリウム;ダゾメット;デスメジファム;デスメトリン;ジカンバ;ジカンバジメチルアンモニウム;ジカンパカリウム;ジカンバナトリウム;ジカンバトロラミン;ジクロベニル;ジクロルミド;ジクロルプロップ;ジクロルプロップブトチル(ジクロルプロップブトチル(ジクロロプロップブトキシエチルエステル));ジクロルプロップジメチルアンモニウム;ジクロルプロップイソオクチル;ジクロルプロップP;ジクロルプロップカリウム;ジクロホップ;ジクロホップメチル;ジフェンゾクアット;ジフェンゾクアットメチルスルフェート;ジフルフェニカン;ジフルフェンゾピル(BAS 654 00 H);ジメフロン;ジメピペレート;ジメタクロル;ジメタメトリン;ジメテナミド;ジメチピン;ジメチルアルシン酸;ジニトラミン;ジノテルブ;酢酸ジノテルブ;ジノテルブアンモニウム;ジノテルブジオールアミン;ジフェナミド;ジクワット;ジクワットジブロミド;ジチオピル;ジウロン;DNOC;DSMA;エンドタール;EPTC;エスプロカルブ;エタルフルラリン;エタメトスルフロンメチル;エトフメサート;エトキシスルフロン;エトベンザニド;フェンクロラゾールエチル;フェンクロリム;フェノキサプロップP;フェノキサプロップPエチル;フェヌロン;フェヌロンTCA;硫酸第一鉄;フラムプロップM;フラムプロップMイソプロピル;フラムプロップMメチル;フラザスルフロン;フルアジホップ;フルアジホップブチル;フルアジホップP;フルアジホップPブチル;フルアゾレート;フルクロラリン;フルフェナセット(BAS FOE 5043);フルメツラム;フルミクロラック;フルミクロラックペンチル;フルミオキサジン;フルオメツロン;フルオログリコフェン;フルオログリコフェンエチル;フルパキサム(flupaxam);フルポキサム;フルプロパネート;フルプロパネートナトリウム;フルピルスルフロンメチルナトリウム;フルラゾール;フルレノール;ブルレノールブチル;フルリドン;フルロクロリドン;フルロキシピル;フルロキシピル−2−ブトキシ−1−メチルエチル;フルロキシピルメチル;フルルタモン;フルチアセットメチル;フルキソフェニム;ホメサフェン;ホメサフェンナトリウム;ホサミン;ホサミンアンモニウム;フリラゾール;グリホサート;グルホシネート;グルホシネートアンモニウム;グリホサートアンモニウム;グリホサートイソプロピルアンモニウム;グリホサートナトリウム;グリホサートトリメシウム;ハロスルフロン;ハロスルフロンメチル;ハロキシホップ;ハロキシホップPメチル;ハロキシホップエトチル;ハロキシホップメチル;ヘキサジノン;ヒラナホス(Hilanafos);イマザクルイン(Imazacluin);イマザメタベンズ;イマザモックス;イマザピル;イマザピルイソプロピルアンモニウム;イマザキン;イマザキンアンモニウム;イマゼメタベンスメチル;イマゼタピル;イマゼタピルアンモニウム;イマゾスルフロン;イマザピック(AC 263,222);インダノファン;イオキシニル;イオキシニルオクタノエート;イオキシニルナトリウム;イソプロチュロン;イソウロン;イソキサベン;イソキサフルトール;ラクトフェン;ラキシネル(Laxynel)オクタノエート;ラキシニル(Laxynil)ナトリウム;レナシル;リニュロン;MCPA;MCPAブトチル;MCPAジメチルアンモニウム;MCPAイソオクチル;MCPAカリウム;MCPAナトリウム;MCPAチオエチル;MCPB;MCPBエチル;MCPBナトリウム;メコプロップ;メコプロップP;メフェナセット;メフェンピルジエチル;メフルイジド;メスルフロンメチル;メタム;メタミトロン;メタムナトリウム;メタザクロル;メタベンズチアズロン;メチルイソチオシアネート;メチルアルソン酸;メチルダイムロン;メトベンズロン;メトブロムロン;メトラクロル;メトスラム;メトキスロン;メトリブジン;メトスルフロン;モリネート;モノリヌロン;MPBナトリウム;MSMA;ナプロパミド;ナプタラム;ナプタラムナトリウム;ネブロン;ニコスルフロン;ノナン酸;ノルフルラゾン;オレイン酸(脂肪酸);オルベンカルブ;オリザリン;オキサベトリニル;オキサジアルギル;オキサスルフロン;オキサジアゾン;オキシフルオルフェン;パラコート;パラコートジクロリド;ペブレート;ペンディメタリン;ペンタクロルフェノール;ラウリン酸ペンタクロルフェノール;ペンタノクロル;ペントキサゾン;石油;フェンメジファム;ピクロラム;ピクロラムカリウム;ピペロホス;プレチラクロール;プリミスルフロン;プリミスルフロンメチル;プロジアミン;プロメトン;プロメトリン;プロパクロル;プロパニル;プロパキザホップ;プロパジン;プロファム;プロピソクロール;プロピザミド;プロスルホカルブ;プロスルフロン;ピラフルフェンエチル;ピラゾスルフロン;ピラゾリネート;ピラゾスルフロンエチル;ピラゾキシフェン;ピリベンゾキシム;ピリブチカルブ;ピリデート;ピリミノバックメチル;ピリミノバックナトリウム;キンクロラック;キンメラック;キノクラミン;キザロホップ;キザロホップエチル;キザロホップP;キザロホップPエチル;キザロホップPテフリル;リムスルフロン;セトキシジム;シデュロン;シルチオファム;シマジン;シメトリン;塩素酸ナトリウム;クロロ酢酸ナトリウム;ナトリウムペンタクロロフェノキシド;ナトリウムジメチルアルシネート;スルコトリオン;スルフェントラゾン;スルホメツロン;スルホメツロンメチル;スルホスルフロン;硫酸;タール;TCAナトリウム;テブタム;テブチウロン;テプラロキシジム(BAS 620H);テルバシル;テルブメトン;テルブチラジン;テルブトリン;テニルクロール;チアゾピル;チフェンスルフロン;チフェンスルフロンメチル;チオベンカルブ;チオカルバジル;トラルコキシジム;トリアレート;トリアスルフロン;トリアジフラム;トリベヌロン;トリベヌロンメチル;トリクロル酢酸;トリクロピル;トリクロピルブトチル;トリクロピルトリエチルアンモニウム;トリエタジン;トリフルラリン;トリフルスルフロン;トリフルスルフロンメチル;ベルノレート;YRC2388;ジクロロピコリン酸;アリールオキシアルカノン酸;フルロキシピル;MCPP;フルオログリコフェン;ハロサフェン;ジアレート;テルブトリン;アミノトリアゾール;スルホサート;トリジファン;プロポキシカルバゾンナトリウム;4−アミノ−n−(1,1−ジメチルエチル)−4,5−ジヒドロ−3−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキシアミド;及び安息香酸2−((((4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソ−3−プロポキシ−1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)カルボニル)アミノ)スルホニル)メチルエステルが挙げられる。
【0059】
適切な農芸上の有効成分の例としては、限定しないが、ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール及びテクロフタラムも挙げられる。
【0060】
加えて、農芸上の有効成分の適切な例としては、限定しないが、硫酸アンモニウム;アンモニウム塩(塩化アンモニウム又はリン酸アンモニウムなど);硝酸塩(硝酸アンモニウム、硝酸カルシウム、硝酸ナトリウム又は硝酸カリウムなど);尿素;置換尿素(尿素−アルデヒド縮合物又はメチレン尿素など);無機リン酸塩(リン酸アンモニウム又はリン酸カリウムなど);カリウム塩(硝酸カリウム、リン酸カリウム、硝酸カリウム又は塩化カリウムなど);及び充分な作物の成長に必要な微量元素(亜鉛、鉄、銅、コバルト、モリブデン及びマンガンなど)が挙げられる。微量元素は、それらの塩として、又はモリブデート若しくは錯体のような陰イオンとして、存在し得る。例えば、鉄は、エチレンジアミン四酢酸との錯体として存在し得る。
【0061】
また、農芸上の有効成分の適切な例としては、限定しないが、塩化クロルコリン及びエテホンが挙げられる。
【0062】
選択した農芸上の有効成分は、具体的用途の要求に適合することを典型的に必要とする。従って、選択した農芸上の有効成分は、様々な量で、且つ固形粒子、液体又は半流動体形状のような様々な物理的形態で、存在し得る。幾つかの実施形態では、選択した農芸上の有効成分を、本明細書中で説明する組成物の(重量で)0〜50%とし得る。
【0063】
幾つかの実施形態では、成分(D)がビタミンC、緑茶抽出物、リドカイン、ニコチン、ナイアシンアミド、サリチル酸、ケトプロフェン及びケトコナゾールから選択され得る。
【0064】
幾つかの実施形態では、成分(D)が尿素、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、リン酸カリウム及びリン酸アンモニウムから選択され得る。
【0065】
[界面活性剤である任意成分(E)]
一般に、任意成分(E)は、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤及び/又は非イオン界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含み、前記界面活性剤は、水性、非水性とすることができ、及び/又は希釈若しくは未希釈の形態で存在することができる。
【0066】
適切な陽イオン界面活性剤の例としては、限定しないが、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、デシルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、ジデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジオクタデヒルジメチルアンモニウムヒドロキシド、タロウトリメチルアンモニウムヒドロキシド及びココトリメチルアンモニウムヒドロキシドのような四級水酸化アンモニウム、これらの物質の対応する塩、脂肪アミン、脂肪酸アミド及びそれらの誘導体、塩基性ピリジニウム化合物、並びにベンズイミダゾリン及びポリ(エトキシ化/プロポキシ化)アミンの四級アンモニウム塩基が挙げられる。
【0067】
適切な陰イオン界面活性剤の例としては、限定しないが、ラウリルサルフェートのようなアルキルサルフェート、アクリレート/C10−30アルキルアクリレートクロスポリマーアルキルベンゼンスルホン酸のようなポリマー、及びヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、セチルベンゼンスルホン酸及びミリスチルベンゼンスルホン酸のような塩;モノアルキルポリオキシエチレンエーテルの硫酸エステル;アルキルナフチルスルホン酸;アルカリ金属スルホスクシネート、ヤシ油酸のスルホン化モノグリセリドのような脂肪酸のスルホン化グリセリルエステル、スルホン化一価アルコールエステルの塩、アミノスルホン酸のアミド、脂肪酸ニトリルのスルホン化生成物、スルホン化芳香族炭化水素、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ナトリウムオクタヒドロアントラセンスルホネート、アルカリ金属アルキルスルフェート、エステルスルフェート、及びアルカリールスルホネートが挙げられる。陰イオン界面活性剤は、高級脂肪酸のアルカリ金属石けん、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネートのようなアルカリールスルホネート、長鎖脂肪アルコールサルフェート、オレフィンサルフェート及びオレフィンスルホネート、硫酸化モノグリセリド、硫酸化エステル、スルホン化エトキシ化アルコール、スルホスクシネート、アルカンスルホネート、ホスフェートエステル、イセチオン酸アルキル、酒石酸アルキル及びアルキルサルコシネートが挙げられる。
【0068】
適切な非イオン界面活性剤の例としては、限定しないが、エチレンオキシドとC12−C16アルコールのような長鎖脂肪アルコール又は脂肪酸との縮合物、エチレンオキシドとアミン又はアミドとの縮合物、エチレンとプロピレンオキシドとの縮合生成物、グリセロール、スクロース、ソルビトールのエステル、脂肪酸アルキロールアミド、スクロースエステル、フルオロ界面活性剤、脂肪アミンオキシド、ポリエチレングリコール長鎖アルキルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタンエーテル、ポリオキシアルキレンアルコキシレートエステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、エチレングリコールプロピレングリコールコポリマー及びアルキルポリサッカライド、ポリビニルアルコール(PVA)及びポリビニルメチルエーテルのような高分子界面活性剤が挙げられる。特定の実施形態では、界面活性剤が、ポリオキシエチレン脂肪アルコール又はポリオキシエチレン脂肪アルコールの混合物である。他の実施形態では、界面活性剤が、ポリオキシエチレン脂肪アルコールの水分散液又はポリオキシエチレン脂肪アルコールの混合物である。
【0069】
幾つかの実施形態では、成分(E)が、タージトール(商標)15−s−3、タージトール(商標)15−s−40、ソルビタンモノオレエート、ポリグリコール改質トリメチルシリル化シリケート、ポリグリコール改質シロキサン、ポリグリコール改質シリカ、エトキシ化四級アンモニウム塩溶液及び塩化セチルトリメチルアンモニウム溶液から選択し得る。
【0070】
[フリーラジカル重合可能な有機ポリシロキサンである任意成分(F)]
一般に、任意成分(F)は、フリーラジカル触媒付加重合を行われ得る少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な有機ポリシロキサンを含み、幾つかの実施形態では、共重合及び/又は架橋も行われ得る。
【0071】
幾つかの実施形態において、かかる有機ポリシロキサンは、フリーラジカル重合可能な基を有し、ポリマー性とするか又はオリゴマーとポリマーとの混合物とすることができ、ポリマー性有機ポリシロキサンはホモポリマー又はヘテロポリマー性のどちらかとすることができる。適切な有機ポリシロキサンは、構造を直線状、分枝状、超分枝状又は樹脂状とすることができる。
【0072】
幾つかの実施形態では、成分(F)が、1分子あたり少なくとも1個のフリーラジカル重合可能な部分を有する有機ポリシロキサンを含み、かかる部分は単官能性、多官能性又はそれらの組み合わせである。従って、成分(F)は、その官能性の度合い及び/又はフリーラジカル重合可能な部分の性質が異なる複数の有機ポリシロキサンの混合物とすることができる。成分(F)の有機ポリシロキサンは、流体からゴム質まで堅さを変動させることもできる。例えば、有機ポリシロキサンは、流体、固体、又は高温で若しくはせん断によって流動性を有するようになる固体とすることができる。幾つかの実施形態では、有機ポリシロキサンが25℃で約1cP〜約5,000,000cP;あるいは25℃で約50cP〜約500,000cP;あるいは25℃で約100cP〜約100,000cPの粘度を有する。
【0073】
成分(F)の有機ポリシロキサンは、重合又は架橋に際して、ガラス転移温度を有するか又はガラス転移温度を有する粒子を形成することもあり、得られるシリコーン組成物は、使用温度下でその粘度に顕著な変化を受ける。かかる組成物は、熱の導入によって放出される有効成分のカプセル化にとって特に有用である。
【0074】
幾つかの実施形態では、成分(F)が、
(1)RSiO(RSiO)(RSiO)SiR
(式中、aは0〜20,000の値を有し、bは1〜20,000の値を有し、各R基は独立して水素、ハロゲン又は一価の有機基であり、各R基は独立して一価の不飽和有機基である)及び
(2)RSiO(RSiO)(RSiO)SiR
(式中、cは0〜20,000の値を有し、dは0〜20,000の値を有し、各Rは独立して水素、ハロゲン又は一価の有機基であり、各R基は独立して一価の不飽和有機基である)
から選択される式を有するフリーラジカル重合可能な有機ポリシロキサンを含み得る。
【0075】
適切なR基及びR基としては、限定しないが、ハロゲン;アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、アクリレート官能基及びメタクリレート官能基のような有機基(直線状及び/又は分枝状);並びにグリシジル基、アミン基、エーテル基、シアン酸エステル基、イソシアノ基、エステル基、カルボン酸基、カルボン酸塩の基、スクシネート基、無水物基、メルカプト基、スルフィド基、アジド基、ホスホネート基、ホスフィン基、遮蔽イソシアノ基及びヒドロキシル基のような他の有機官能基が挙げられる。かかる基の例としては、限定しないが、アクリロイルオキシプロピル基及びメタクリロイルオキシプロピル基のようなアクリレート官能基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基及びt−ブチル基のようなアルキル基;ビニル基、アリル基及びブテニル基のようなアルケニル基;エチニル基及びプロピニル基のようなアルキニル基;フェニル基、トリル基及びキシリル基のような芳香族基;シアノエチル基及びシアノプロピル基のようなシアノアルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、ジクロロフェニル基及び6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル基のようなハロゲン化炭化水素基;アリルオキシ(ポリオキシエチレン)基、アリルオキシポリ(オキシプロピレン)基及びアリルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)−co−ポリ(オキシエチレン)基のようなアルケニルオキシポリ(オキシアルキレン)基;プロピルオキシ(ポリオキシエチレン)基、プロピルオキシポリ(オキシプロピレン)基及びプロピルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)−co−ポリ(オキシエチレン)基のようなアルキルオキシポリ(オキシアルキレン)基;パーフルオロプロピルオキシ(ポリオキシエチレン)基、パーフルオロプロピルオキシポリ(オキシプロピレン)基及びパーフルオロプロピルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)−co−ポリ(オキシエチレン)基のようなハロゲン置換アルキルオキシポリ(オキシアルキレン)基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基及びエチルヘキシルオキシ基のようなアルコキシキ基;3−アミノプロピル基、6−アミノヘキシル基、11−アミノウンデシル基、3−(N−アリルアミノ)プロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル基、p−アミノフェニル基、2−エチルピリジン基及び3−プロピルピロール基のようなアミノアルキル基;3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基及び5,6−エポキシヘキシル基のようなエポキシアルキル基;アセトキシエチル基及びベンゾイルオキシプロピル基のようなエステル官能基;ヒドロキシ基及び2−ヒドロキシエチル基のようなヒドロキシ官能基;3−イソシアネートプロピル基、トリス−3−プロピルイソシアヌレート基、プロピル−t−ブチルカルバメート基及びプロピルエチルカルバメート基のようなイソシアネート官能基及び遮蔽イソシアネート官能基;ウンデカナール基及びブチルアルデヒド基のようなアルデヒド官能基;3−プロピルコハク酸無水物基及び3−プロピルマレイン酸無水物基のような無水物官能基;3−カルボキシプロピル基及び2−カルボキシエチル基のようなカルボン酸官能基;並びに3−カルボキシプロピル及び2−カルボキシエチルの亜鉛塩、ナトリウム塩又はカリウム塩のようなカルボン酸の金属塩が挙げられる。
【0076】
適切なR基及びR基としては、限定しないが、ビニル基、アリル基、ブテニル基、エチニル基及びプロピニル基のような2〜12個の炭素原子を有する一価のアルケニル及びアルキニル基;アリルオキシ(ポリオキシエチレン)基、アリルオキシポリ(オキシプロピレン)基及びアリルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)−co−ポリ(オキシエチレン)基のようなアルケニルオキシポリ(オキシアルキレン)基;アクリロイルオキシプロピル基及びメタクリロイルオキシプロピル基のようなアクリレート官能基;並びにそれらのハロゲン置換類似体が挙げられる。特定の実施形態では、R及びRをアクリレート基及びメタクリレート基から選択する。
【0077】
成分(F)の幾つかの代表例としては、限定しないが、メタクリルオキシプロピルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン;アクリルオキシプロピルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン;1,3−ビス(メタクリルオキシメチル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(アクリルオキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(メタクリルオキシメチル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(アクリルオキシメチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−メタクリルオキシメチルジメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン、メタクリルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、α,ω−アクリルオキシメチルジメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン、メタクリルオキシプロピルジメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン、α,ω−アクリルオキシプロピルジメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン、ポリ(アクリルオキシプロピル−メチルシロキシ)ポリジメチルシロキサンコポリマー及びポリ(メタクリリルオキシプロピル−メチルシロキシ)ポリジメチルシロキサンコポリマーのようなペンダントアクリレート及びメタクリレート官能性ポリマー、アミン末端ポリジメチルシロキサンへの多価アクリレート又は多価メタクリレートモノマーのマイケル付加反応によって形成されるものを含む、多様なアクリレート又はメタクリレート官能基を有するテレキーレックポリジメチルシロキサン、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。また、フリーラジカル重合可能な有機ケイ素化合物としての使用にも適するものとして、一端をメタクリルオキシプロピルジメチルシリル基によって停止し他端をn−ブチルジメチルシリル基によって停止したポリジメチルシロキサンのような単官能性アクリレート又はメタクリレート末端有機ポリシロキサンが挙げられる。
【0078】
幾つかの実施形態では、成分(F)が、RSiO1/2単位及びSiO4/2単位を有するMQ樹脂、RSiO3/2単位及びRSiO2/2単位を有するTD樹脂、RSiO1/2単位及びRSiO3/2単位を有するMT樹脂、RSiO1/2単位、RSiO3/2単位及びRSiO2/2単位を有するMTD樹脂並びにそれらの組み合わせ(ここで、各R基は独立して1〜20個の炭素原子を有する一価の有機基である)から選択されるシロキサン樹脂を含み得る。幾つかの実施形態では、Rが1〜10個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、少なくとも1個のR基が、フリーラジカル重合可能な不飽和有機基である。
【0079】
の適切な例としては、限定しないが、アクリルオキシアルキル基のようなアクリレート官能基;メタクリルオキシアルキル基のようなメタクリレート官能基;シアノ官能基;一価の炭化水素基;並びにそれらの組み合わせが挙げられる。一価の炭化水素基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、オクチル基、ウンデシル基及びオクタデシル基のようなアルキル基;シクロヘキシル基のようなシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基及びヘキシル基のようなアルケニル基;エチニル基、プロピルニル基及びブチニル基のようなアルキニル基;フェニル基、トリル基、基シリル基、ベンジル基及び2−フェニルエチル基のようなアリール基;3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、ジクロロフェニル基及び6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル基のようなハロゲン化炭化水素基;並びにそれらの組み合わせを含み得る。シアノ官能基は、シアノエチル基、シアノプロピル基及びそれらの組み合わせのようなシアノアルキル基を含み得る。
【0080】
は、プロピルオキシ(ポリオキシエチレン)基、プロピルオキシポリ(オキシプロピレン)基及びプロピルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)−co−ポリ(オキシエチレン)基のようなアルキルオキシポリ(オキシアルキレン)基;パーフルオロプロピルオキシ(ポリオキシエチレン)基、パーフルオロプロピルオキシポリ(オキシプロピレン)基及びパーフルオロプロピルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)コポリ(オキシエチレン)基のようなハロゲン置換アルキルオキシポリ(オキシアルキレン)基;アリルオキシポリ(オキシエチレン)基、アリルオキシポリ(オキシプロピレン)基及びアリルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)コポリ(オキシエチレン)基のようなアルケニルオキシポリ(オキシアルキレン)基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基及びエチルヘキシルオキシ基のようなアルコキシ基;3−アミノプロピル基、6−アミノヘキシル基、11−アミノウンデシル基、3−(N−アリルアミノ)プロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル基、p−アミノフェニル基、2−エチルピリジン基及び3−プロピルピロール基のようなアミノアルキル基;3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基及び5,6−エポキシヘキシル基のようなヒンダードアミノアルキル基;アセトキシメチル基及びベンゾイルオキシプロピル基のようなエステル官能基;ヒドロキシ基及び2−ヒドロキシエチル基のようなヒドロキシ官能基;3−イソシアネートプロピル基、トリス−3−プロピルイソシアヌレート基、プロピル−t−ブチルカルバメート基及びプロピルエチルカルバメート基のようなイソシアネート官能基及び遮蔽イソシアネート官能基;ウンデカナール基及びブチルアルデヒド基のようなアルデヒド官能基;3−プロピルコハク酸無水物基及び3−プロピルマレイン酸無水物基のような無水物官能基;3−カルボキシプロピル基、2−カルボキシエチル基及び10−カルボキシデシル基のようなカルボン酸官能基;並びに3−カルボキシプロピル基及び2−カルボキシエチル基の亜鉛塩、ナトリウム塩及びカリウム塩のようなカルボン酸の金属塩も含み得る。
【0081】
成分(F)として用いることができる適切なシロキサン樹脂の幾つか特定の例としては、限定しないが、MメタクリルオキシメチルQ樹脂、MメタクリルオキシプロピルQ樹脂、MTメタクリルオキシメチルT樹脂、MTメタクリルオキシプロピルT樹脂、MDTメタクリルオキシメチルフェニルT樹脂、MDTメタクリルオキシプロピルフェニルT樹脂、Mビニルフェニル樹脂、TTメタクリルオキシメチル樹脂、TTメタクリルオキシプロピル樹脂、Tフェニルメタクリルオキシメチル樹脂、Tフェニルメタクリルオキシプロピル樹脂、TTフェニルメタクリルオキシメチル樹脂、TTフェニルメタクリルオキシプロピル樹脂、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0082】
シロキサン樹脂は、本技術分野でいずれか既知の方法によって調製し得る。幾つかの実施形態では、シリカヒドロゾルキャッピングプロセスによって生成した樹脂コポリマーをアルケニル含有末端ブロッキング試薬で処理することによって、シロキサン樹脂を作製する。これは、好ましくは、シリカヒドロゾルを酸性条件下でトリメチルクロロシランのような加水分解可能なトリオルガノシラン、ヘキサメチルジシロキサンのようなシロキサン及びそれらの組み合わせと反応させることと、次いで、M基及びQ基を有し2〜5重量%のヒドロキシル基を含むコポリマーを回収することとを含む。樹脂コポリマーは、不飽和有機基を含む末端ブロック剤及び脂肪族不飽和を含まない末端ブロック剤と充分な量で反応して、樹脂を含む全てのM、D、T及びQ単位の合計に対して樹脂中3〜30モル%の不飽和有機官能性M、D又はT基を提供し得る。適切な末端ブロック剤としては、シラザン、シロキサン、シラン及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0083】
幾つかの実施形態では、成分(F)を、メタクリレート官能性ポリジメチルシロキサン及び樹脂並びにアクリレート官能性ポリジメチルシロキサン及び樹脂から選択し得る。
【0084】
[有機ボランフリーラジカル開始剤である任意成分(G)]
一般に、任意成分(G)は、フリーラジカルを発生させることができフリーラジカル付加重合及び/又は架橋を開始することができる少なくとも1種の有機ボラン化合物を含む。有機ボランを周囲条件で非自然発火性にする安定化有機ボラン化合物を使用し得る。幾つかの実施形態において、成分(G)は、有機ボランとの錯体を周囲条件で安定化する適切な有機窒素(例えば、アミン)と有機ボランとの錯体であり、酸素の存在下で有機窒素反応性化合物の導入に際してフリーラジカルを発生する(そして重合が開始される)。幾つかの実施形態では、成分(G)が、加熱に際してフリーラジカルを発生する(そして重合が開始される)有機ボラン化合物である。幾つかの実施形態では、成分(G)が溶媒安定化有機ボラン(例えば、THF中のトリアルキルボランの溶液)であり、溶媒が蒸発されてボランを遊離することによってラジカルを創出する。
【0085】
幾つかの実施形態では、成分(G)が下記式を有する錯体から選択され得る有機ボラン−有機窒素錯体である:
【化2】


(式中、Bはホウ素を表し、Nは窒素を表し;R6、R7及びR8の少なくとも1つは、ホウ素に共有結合したケイ素含有基で少なくとも1個のケイ素原子を含有し;R6、R7及びR8は独立して水素、シクロアルキル基、主鎖に1〜12個の炭素原子を有する直線状若しくは分枝状アルキル基、アルキルアリール基、アルキルシラン若しくはアリールシラン基のような有機シラン基、有機シロキサン基、別のホウ素原子への共有結合架橋として機能できるアルキレン基、別のホウ素への共有結合架橋として機能できる二価の有機シロキサン基、又はそれらのハロゲン置換同族体から選択することができる基であり;R9、R10及びR11は、ホウ素と複合することができるアミン化合物又はポリアミン化合物を生じる基であり、独立して水素、1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基、1〜10個の炭素原子を含有するハロゲン置換アルキル基、又は有機ケイ素官能基から選択され;R6基、R7基及びR8基のうち少なくとも2つとR9基、R10基及びR11基のうち少なくとも2つとが複合して複素環構造を形成することができ、ただし、2つの結合基の原子の数の和は11を超えない)。
【0086】
幾つかの実施形態では、成分(G)は、限定しないが、式BR”(式中、R”は、1〜20個の炭素原子を含有する直線状又は分枝状の脂肪族又は芳香族炭化水素基である)を有するトリアルキルボランを含むトリアルキルボラン−有機窒素錯体を包含するアルキルボラン−有機窒素錯体から選択し得る。
【0087】
成分(G)の有機ボラン−有機窒素錯体を形成するのに適する有機窒素の例としては、限定しないが、1,3−プロパンジアミン;1,6−ヘキサンジアミン;メトキシプロピルアミン;ピリジン;イソホロンジアミン;並びに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、アミノプロピルシラントリオール、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジイソプロピルメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−hI−アミノウンデシルトリメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルメチルジメトキシシラン及び(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレン−トリアミンのようなケイ素含有アミンが挙げられる。
【0088】
幾つかの実施形態では、成分(G)の有機ボラン−有機窒素錯体を形成するのに有用であり得る窒素含有化合物を、少なくとも1個のアミン官能基を有する有機ポリシロキサンから選択し得る。適切なアミン官能基の例としては、限定しないが、3−アミノプロピル、6−アミノヘキシル、11−アミノウンデシル、3−(N−アリルアミノ)プロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル、p−アミノフェニル、2−エチルピリジン及び3−プロピルピロールが挙げられる。かかる有機ポリシロキサンは、限定しないが、前述の式(1)及び(2)と類似する式を有するものを含む。成分(G)の有機ボラン−有機窒素錯体を形成するのに有用であり得る他の窒素含有化合物としては、限定しないが、N−(3−トリエチルオキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、前述の式(1)及び(2)と類似する式を有するシロキサン、並びに少なくとも1個の基がイミダゾール官能基、アミジン官能基又はウレイド官能基である有機ポリシロキサン樹脂が挙げられる。
【0089】
幾つかの実施形態では、有機ボラン化合物(好ましくは、有機ボラン−有機窒素錯体)を加熱することによって、又は成分(G)の嫌気的に含まれるアルキルボランを空気に単に曝露することによって、フリーラジカルを発生させ、重合及び/又は架橋を開始させる。幾つかの実施形態では、加熱が錯体の解離を引き起こす成分(G)の有機ボラン−有機窒素錯体を加熱することによって、フリーラジカルを発生させ、また重合及び/又は架橋を開始させる。幾つかの実施形態では、有機窒素反応性化合物と成分(G)の有機ボラン−有機窒素錯体とを酸素環境下で組み合わせて、その組み合わせが錯体の解離を引き起こすことによって、フリーラジカルを発生させ、重合及び/又は架橋を開始させる。後者に関して、フリーラジカルを、周囲温度以下のような有機ボラン−有機窒素錯体の解離温度未満の温度で発生させることができる。
【0090】
有機窒素安定化有機ボラン化合物は成分(G)として特に有用であるが、当業者は、いかなる有機ボランを用いることもできることを理解するであろう。本発明に有用な有機ボランの別の安定化形態の例として、9−BBNのような環状安定化化合物又はトリアルキルボラン−THF溶液のような溶液複合化有機ボランが挙げられる。
【0091】
幾つかの実施形態では、成分(G)が、トリアルキルボランがトリエチルボラン、トリ−n−ブチルボラン、トリ−n−オクチルボラン、トリ−sec−ブチルボラン及びトリドデシルボランから選択されるトリアルキルボラン−有機窒素錯体である。幾つかの実施形態では、成分(G)を、トリエチルボラン−プロパンジアミン(TEB−PDA)錯体、トリエチルボラン−ブチルイミダゾール(TEB−BI)錯体、トリエチルボラン−メトキシプロピルアミン(TEB−MOPA)錯体及びトリ−n−ブチルメトキシプロピルアミン錯体から選択し得る。
【0092】
[任意の有機窒素反応性化合物]
幾つかの実施形態では、任意成分(G)の有機ボラン−有機窒素錯体を用いる場合、少なくとも1種の有機窒素反応性化合物も用いる。成分(G)と組み合わせて周囲空気のような含酸素環境に曝露すると、少なくとも1種の有機窒素反応性化合物は有機ボラン−有機窒素錯体を解離させることによってフリーラジカル重合及び/又は架橋を開始することができる。かかる有機窒素反応性化合物の存在は、重合及び/又は架橋を、室温以下を含む成分(G)の有機ボラン−有機窒素錯体の解離温度未満の温度で迅速に引き起こすことを可能にする。
【0093】
適切な有機窒素反応性化合物の幾つかの例としては、限定しないが、鉱酸、ルイス酸、カルボン酸、無水物のようなカルボン酸誘導体、スクシネート、カルボン酸金属塩、イソシアネート、アルデヒド、エポキシド、酸塩化物、スルホン酸塩化物、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、メタクリル酸無水物、ウンデシレン酸、オレイン酸、クエン酸、ステアリン酸、レブリン酸、2−カルボキシエチルアクリレート、イソホロンジイソシアネートモノマー又はオリゴマー、メタクリロイルイソシアネート、2−(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート、ウンデシレン酸無水物及びドデシルコハク酸無水物が挙げられる。
【0094】
加えて、有機窒素反応性基を有する有機シラン又は有機ポリシロキサンを、適切な有機窒素反応性化合物とすることができる。かかる化合物としては、限定しないが、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;プロピルコハク酸無水物官能化直線状、分枝状、樹脂状及び超分枝状有機ポリシロキサン;シクロヘキセニル無水物官能性直線状、樹脂状及び超分枝状有機ポリシロキサン;カルボキシデシル末端オリゴマー状又はポリマー状ポリジメチルシロキサンのようなカルボン酸官能化直線状、分枝状、樹脂状及び超分枝状有機ポリシロキサン;ウンデシレン酸無水物末端オリゴマー状又はポリマー状ポリジメチルシロキサンのような無水物官能性直線状、分枝状、樹脂状及び超分枝状有機ポリシロキサンが挙げられる。
【0095】
他の適切な有機窒素反応性化合物は、水分に曝露されると成分(G)の有機ボラン−有機窒素錯体を解離させる酸を放出するケイ素含有化合物である。かかる化合物としては、限定しないが、ハロシラン、酸無水物(カルボン酸)シロキサン、アセトキシシロキサン(エチルトリアセトキシシラン及びメチルトリアセトキシシランなど)、アルキルケイ酸、カルボン酸とシラノールとのエステル、酸塩化物シロキサンが挙げられる。
【0096】
有機窒素反応性化合物として有用であり得る化合物の更なる例は、[SbF]対イオンを含有するヨードニウム塩のような、紫外線に曝露されると有機窒素反応性基を発生することができるものである。かかる化合物を用いると、イソプロピルチオキサントンのような光感作化合物を含むことも有用であり得る。
【0097】
当業者は、有機窒素反応性化合物の選択が他の事柄の中でも成分(G)の性質に依存するであろうことを認識するであろう。
【0098】
有機窒素反応性化合物を用いる場合、フリーラジカルの発生は酸素の存在を必要とする。幾つかの実施形態において、有機窒素反応性化合物又は有機窒素反応性化合物を含有する化合物を空気に単に曝露することは、重合を誘導するのに充分である。幾つかの実施形態において、組成物の1以上の他の成分に溶解した酸素で充分である。酸素の存在下で早期重合を予防するために、重合反応及び/又は架橋反応を開始するのに所望される時間の直前まで、成分(G)及び有機窒素反応性化合物を物理的に又は化学的に隔離することがある。例えば、組成物を当初は、重合及び/又は架橋の開始直前に一つに組み合わせる2つの別個の成分として用意し得る。組成物の残る成分は、前記2つの成分間にいずれかの方法で分布させ得る。
【0099】
幾つかの実施形態では、任意成分(G)の有機ボラン−有機窒素錯体を用いる場合、有機窒素反応性化合物を必要としない。かかる事例では、フリーラジカル重合を、有機ボラン化合物の空気への曝露によって、熱活性化によって、又は放射によって開始し得る。熱活性化の場合、組成物の1以上の成分が加熱されて重合を開始する温度は、成分(G)として選択した有機ボラン化合物の性質によって決定される。例えば、有機ボラン−有機窒素錯体が成分(G)として選択される場合、その錯体の結合エネルギーが、組成物が加熱されて錯体の解離及び重合を開始する温度を決定するであろう。幾つかの実施形態では、成分(G)を、その導入に先立って該組成物の他の成分で加熱し得る。他の実施形態では、成分(G)と少なくとも1つの他の成分とを、該組成物の残りのいずれかの成分の導入に先立って加熱する。
【0100】
[付加的任意成分]
提供する組成物は、任意で付加的な成分を含み得る。限定しないが、かかる任意の付加的成分の例としては、界面活性剤;乳化剤;分散剤;増粘剤のようなレオロジー改質剤;密度調整剤;アジリジン安定剤;ポリマー;希釈剤;酸受容体;抗酸化剤;熱安定剤;難燃剤;掃去剤;シリル化剤;泡安定剤;溶媒;希釈剤;可塑剤;充填剤並びに無機粒子、顔料、染料及び防湿剤が挙げられる。
【0101】
提供する組成物は、パーソナル製剤及びヘルスケア製剤における成分であることが本技術分野の状況で既知のものから選択される幾つかの任意成分を含有し得る。例示的で非限定的な例としては、界面活性剤、溶媒、粉末剤、着色剤、増粘剤、ワックス、安定剤、pH調整剤及びシリコーンが挙げられる。
【0102】
増粘剤を組成物の水性相に任意に加えて、都合のよい粘度を付与し得る。例えば、25℃以上で500〜25,000mm/sの範囲、あるいは25℃で3000〜7000mm/sの範囲の粘性が大抵は適切である。適切な増粘剤は、アルギン酸ナトリウム;アラビアゴム;ポリオキシエチレン;グアーガム;ヒドロキシプロピルグアーガム;ラウレス−4又はポリエチレングリコール400のようなエトキシ化アルコール;メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルヒドロキシエチルセルロースによって例示されるセルロース誘導体;ヒドロキシエチルアミロース及びデンプンアミロースによって例示されるデンプン及びデンプン誘導体;ローカストビーンガム;塩化ナトリウム及び塩化アンモニウムによって例示される電解質;フルクトース及びグルコースのようなサッカライド;並びにPEG−120、ジオレイン酸メチルグルコースのようなサッカライド誘導体;又はこれらの2以上の混合物によって例示される。あるいは、増粘剤を、セルロース誘導体、サッカライド誘導体及び電解質から、又はセルロース誘導体といずれかの電解質やデンプン誘導体といずれかの電界質の組み合わせによって例示される上記増粘剤の2以上の組み合わせから選択する。増粘剤は、本発明のシャンプー組成物中に最終的なシャンプー組成物中に500〜25,000mm/sの粘度を付与するのに充分な量で存在し得る。増粘剤は、組成物の総量を基準として約0.05〜10重量%、あるいは約0.05〜5重量%の量で存在し得る。ポリアクリレートクロスポリマー、アクリレート/C1030アルキルアクリレートクロスポリマー、ポリアクリルアミド誘導体、ポリアクリル酸ナトリウムのようなアクリレート誘導体に基づく増粘剤も加え得る。
【0103】
安定剤を、提供する組成物の水相に任意で用い得る。適切な水相安定剤は、電解質、ポリオール、エチルアルコールのようなアルコール及び親水コロイドを単独又は1以上組み合わせて包含し得る。典型的な電解質は、アルカリ金属塩及びアルカリ土類塩、特にナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの塩化物、ホウ酸塩、クエン酸塩及び硝酸塩、並びにアルミニウムクロロハイドレート、及び高分子電解質、特にヒアルロン酸及びヒアルロン酸ナトリウムである。安定剤が電解質であるか又は電解質を含む場合、それは全組成物の約0.1〜5重量%、より選択的には0.5〜3重量%に達する。親水コロイドとしては、キサンタンガム又はビーガムのようなガム及びカルボキシメチルセルロースのような増粘剤が挙げられる。グリセリン、グリコール及びソルビトールのようなポリオールも用いることができる。代替的なポリオールは、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール及びブチレングリコールである。多量のポリオールを用いる場合、電解質を加える必要は無い。しかしながら、電解質、ポリオール及び親水コロイドの組み合わせを用いて水相、例えば硫酸マグネシウム、ブチレングリコール及びキサンタンガムを安定化することは典型的である。
【0104】
他の任意成分として粉末剤及び顔料を挙げることができる。粉末剤組成物は、一般に、0.02〜50ミクロンの粒子サイズを有する乾燥した粒子状物質として定義することができる。粒子状物質は着色されていても未着色(例えば白色)でもよい。適切な粉末剤としては、限定しないが、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、フュームドシリカ、球状シリカビーズ、ポリメチルメタクリレートビーズ、窒化ホウ素、ケイ酸アルミニウム、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、ベントナイト、カオリン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、シリカ、シリル化シリカ、タルク、雲母、二酸化チタン、ナイロン、シルク粉末が挙げられる。上述の粉末剤は、表面処理されて、粒子を疎水性の性質としたものであってもよい。粉末剤組成物は、様々な有機顔料及び無機顔料も含む。有機顔料は、一般に、D&C及びFD&Cのブルー、ブラウン、グリーン、オレンジ、レッド及びイエロー等と呼ばれるアゾ染料、インジゴイド染料、トリフェニルメタン染料、アントラキノン染料及びキサンチン染料を含む様々な芳香族類である。無機顔料は、一般に、レーキ又は酸化鉄と呼ばれる認定された着色添加剤の不溶性金属塩からなる。カーボンブラック、酸化クロム又は酸化鉄、ウルトラマリン、ピロリン酸マグネシウム、紺青及び二酸化チタンのような粉状着色剤、一般に着色顔料との混合物として用いる真珠光沢剤、又は一般に着色顔料との混合物として用いられて通常は化粧品産業で用いられる幾つかの有機染料を、該組成物に加えることができる。一般に、これらの着色剤は、最終組成物の重量に対して重量で0〜20%の量で存在することができる。
【0105】
粉状の無機又は有機充填剤も、一般に最終組成物の重量に対して重量で0〜40%の量で加えることができる。これらの粉状充填剤は、タルク、雲母、カオリン、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、球状二酸化チタン、ガラスビーズ、セラミックビーズ、8〜22個の炭素原子を有するカルボン酸由来の金属石けん、非膨張合成ポリマー粉末、膨張粉末、及び穀物デンプンのような天然有機化合物由来の粉末剤から選択することができ、これらは抽出物パンシル(ノーベル社)、ポリトラップ及びシリコーン樹脂マイクロビーズ(例えば、東芝のトスパール)のようなコポリマーミクロスフェア架橋コポリマーミクロスフェアであってもよく又はそうでなくてもよい。
【0106】
ワックス物質又はワックス様物質を、提供する組成物の任意成分とすることができ、その場合、かかる成分は、一般に、大気圧で35〜120℃の融点範囲を有する。この部類のワックスとしては、合成ワックス、セレシン、パラフィン、オゾケライト、蜜ロウ、カルナウバ、マイクロクリスタリンワックス、ラノリン、ラノリン誘導体、キャンデリラ、ココアバター、セラックロウ、スペルマセティワックス、糠ロウ、カポックワックス、サトウキビロウ、モンタンワックス、鯨ロウ、ヤマモモワックス、大豆ワックス又はそれらの混合物が挙げられる。非シリコーン脂肪性物質として用いることができるワックスの中でも、蜜蝋のような動物ロウ;カルナウバ、キャンディラワックスのような植物ロウ;例えばパラフィン又は亜炭ロウ又はマイクロクリスタリンワックス又はオゾケナイトといったミネラルワックス;ポリエチレンワックスを含む合成ワックス;及びフィッシャー・トロプシュ合成によって得られたワックスに言及がされ得る。シリコーンワックスの中でもポリメチルシロキサンアルキル、ポリメチルシロキサンアルコキシ及び/又はポリメチルシロキサンエステルに言及がされ得る。
【0107】
水溶性又は水分散性のシリコーンポリエーテル組成物も任意成分とし得る。これらは、ポリアルキレンオキシドシリコーンコポリマー、シリコーンポリ(オキシアルキレン)コポリマー、シリコーングリコールコポリマー又はシリコーン界面活性剤としても知られている。これらは、ABA型又はABn型(ここで、Bはシロキサンポリマーブロックであり、Aはポリ(オキシアルキレン)基である)の直線状の熊手(rake)型又はグラフト型物質とすることができる。ポリ(オキシアルキレン)基は、ポリエチレンオキシド基、ポリプロピレンオキシド基又は混合ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド基からなり得る。ブチレンオキシド又はフェニレンオキシドのような他のオキシドも可能性がある。
【0108】
本発明の実施形態の組成物は、シリコーン乳化剤を用いたo/w、s/w、w/o及びw/sエマルション並びに非水性o/o、o/s及びs/oエマルション又は多相エマルションで用いることができる。典型的に、かかる配合物中のシリコーン中水型乳化剤は、非イオン性であり、ポリオキシアルキレン置換シリコーン(熊手型又はABn型)、シリコーンアルカノールアミド、シリコーンエステル及びシリコーングリコシドから選択される。適切なシリコーン系界面活性剤は、本技術分野で周知であり、例えば米国特許第4,122,029号明細書(Geeら)、米国特許第5,387,417号明細書(Rentsch)、米国特許第5,811,487号明細書(Schulzら)、特開2001−294512号公報に記載されている。
【0109】
水溶性溶媒もヒドロゲル中の任意成分とし得る。実例としては、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、1,4−ジオキシド、ジメチルスルホキシドが挙げられる。
【0110】
提供する組成物が水中油型エマルションである場合、限定しないが、o/wを調製するのに本技術分野で周知の非イオン界面活性剤のような、エマルションを調製するために一般に用いられる通常の界面活性剤を含むであろう。非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンありきるエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エトキシ化トリメチルノナノール及びポリオキシアルキレングリコール変性ポリシロキサン界面活性剤が挙げられる。
【0111】
本発明の実施形態の組成物は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素のような推進剤ガス、ブタン、イソブタンのような揮発性炭化水素、又はプロパン及びジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンのような塩素化若しくはフッ素化炭化水素又はジメチルエーテルと組み合わせてエアロゾルの形態とすることもできる。
【0112】
[表面改質ヒドロゲル、ヒドロゲルペースト及びヒドロゲル微粒子]
様々な実施形態で、シロキサンコーティングした表面を有するヒドロゲル、ヒドロゲルペースト及びヒドロゲル微粒子を提供する。かかるヒドロゲル及びヒドロゲルペーストは、ヒドロゲルを少なくとも1種のアミノ官能性有機ケイ素化合物である成分(A)で処理してヒドロゲル状に少なくとも1つのシロキサンコーティングした表面を形成する工程を備える方法によって調製され;前記ヒドロゲルは、(i)カルボキシ官能基、スルホン酸官能基、エポキシ基又はそれらの組み合わせから選択されるアミン反応性基を含み且つ水、水相溶性アルコール又はそれらの組み合わせと相溶性である少なくとも1種の有機ポリマーである成分(B)と、(ii)水、水相溶性アルコール及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の吸収性溶媒である成分(C)とを含む。
【0113】
ヒドロゲル微粒子は、ヒドロゲル微粒子を少なくとも1種のアミノ官能性有機ケイ素化合物である成分(A)で処理して少なくとも1つのシロキサンコーティングした表面を有する微粒子を形成する工程を備える方法によって調製され;前記微粒子は、カルボキシ官能基、スルホン酸官能基、エポキシ基又はそれらの組み合わせから選択されるアミン反応基を含み且つ水、水相溶性アルコール又はそれらの組み合わせと相溶性である少なくとも1種の有機ポリマーである成分(B)を含み;前記処理は、水、水相溶性アルコール及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の吸収性溶媒である成分(C)の存在下で行われる。
【0114】
幾つかの実施形態では、シロキサン改質ヒドロゲル及び微粒子を成分(E)の存在下で調製する。
【0115】
幾つかの実施形態では、任意成分(F)及び(G)を用いて、ヒドロゲルの第二のシロキサンコーティングを提供する。幾つかの実施形態では、任意成分(F)及び(G)と有機窒素反応性化合物とを用いて、ヒドロゲルの第二のシロキサンコーティングを提供する。幾つかの実施形態では、任意成分(F)及び(G)か、又は任意成分(F)及び(G)と有機窒素反応性化合物とを、成分(A)及び(B)を混合させた後に加える。任意成分(F)及び(G)を伴う更なる実施形態では、成分(A)の成分(B)に対する比率を充分に低レベルで維持して、その後任意の有機窒素反応性化合物の代わりに役立つことができる成分(B)中の過剰なアミン反応性基を残す。
【0116】
幾つかの実施形態では、用いる成分(A)の量は、ヒドロゲル又は微粒子に存在する成分(B)の性質及び量だけでなく、ヒドロゲル又は微粒子の表面積及び所望するコーティングの厚さにも、幾分左右される。約0.5〜約5の成分(A)/成分(B)重量比で良好な結果が得られているが、当業者はここで記載した比率が限定的でないことを理解するであろう。
【0117】
幾つかの実施形態では、未処理のヒドロゲル又はヒドロゲル微粒子が、成分(C)を含むか又は成分(C)で処理される。幾つかの実施形態では、成分(C)を、成分(B)の導入に先立ってヒドロゲルへ導入し得る(例えば、添加、曝露、接触、混合又はそれらの組み合わせによって)。幾つかの実施形態では、成分(C)を、成分(B)の導入後にヒドロゲルへ導入し得る。幾つかの実施形態では、ヒドロゲル微粒子を、成分(A)での処理の前、後又は処理と同時に成分(C)で処理し得る。
【0118】
幾つかの実施形態では、ヒドロゲル又はヒドロゲル微粒子(未処理のもの、表面改質したもの又はその両方のいずれか)が、成分(D)を任意に含むか、又は成分(D)の存在下で任意に処理される。幾つかの実施形態では、用いる成分(D)の量が、その性質、その意図される用途及び有益となるのに必要な量に幾分左右される。例えば、パーソナルケア用途又はヘルスケア用途では、成分(D)の量は、使用者への有益な送達のために必要な量に幾分左右されるであろう。
【0119】
幾つかの実施形態では、用いる成分(F)の量が、ヒドロゲル又は微粒子に存在する成分(B)の性質及び量だけでなく、ヒドロゲル又は微粒子の表面積及び所望するコーティングの厚さにも、幾分左右される。約0.5〜約5の成分(F)/成分(B)重量比で良好な結果が得られているが、当業者はここで記載した比率が限定的でないことを理解するであろう。
【0120】
幾つかの実施形態では、用いる成分(G)の量が様々な要因によって決まる。例えば、成分(F)の性質、ゲル又は微粒子の水分含量、存在する溶媒の性質、界面活性剤の存在及びそれらの組み合わせが、提供する方法で使用する成分(G)の量に影響する変数であり得る。約0.01〜約0.1の成分(G)/成分(F)重量比で良好な結果が得られているが、当業者はここで記載した比率が限定的でないことを理解するであろう。
【0121】
様々な実施形態で、本明細書に記載した方法によって調製した表面改質ヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子を提供する。幾つかの実施形態では、かかるヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子を、約5℃〜約95℃の温度で調製する。従って、該温度を、約5℃〜約10℃、約10℃〜約15℃、約15℃〜約20℃、約20℃〜約25℃、約25℃〜約30℃、約30℃〜約35℃、約35℃〜約40℃、約40℃〜約45℃、約45℃〜約50℃、約50℃〜約55℃、約55℃〜約60℃、約60℃〜約65℃、約65℃〜約70℃、約70℃〜約75℃、約75℃〜約80℃、約80℃〜約85℃、約85℃〜約90℃及び約90℃〜約95℃とし得る。幾つかの実施形態では、ヒドロゲル及びヒドロゲル微粒子を約10℃〜約35℃の温度で調製し得る。従って、該温度を、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃及び35℃とし得る。
【0122】
幾つかの実施形態では、溶媒洗浄に耐えるシロキサンポリマーコーティングを、本明細書で提供する方法によってヒドロゲル(例えば、ゲルスラブ又はゲルモノリス)表面上に形成する。コーティングは、少なくとも1つの表面上に形成され、ヒドロゲルへの又はヒドロゲルからの水及び/又はアルコールの移動に対する障壁として役立つことができる。コーティングは、時間放出特性又は遅延放出特性も有し得る。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの疎水性表面を有するヒドロゲルを、本明細書で提供する方法に従って調製する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのアルコール耐性表面を有するヒドロゲルを、本明細書で提供する方法に従って調製する。
【0123】
幾つかの実施形態では、溶媒洗浄に耐えるシロキサンポリマーコーティングを、本明細書で提供する方法によって膨潤ヒドロゲル微粒子上に形成する。コーティングは、微粒子の表面上に形成されて、ヒドロゲル微粒子への水及び/又はアルコールの移動に対する障壁として役立つことができる。コーティングは、時間放出特性又は遅延放出特性も有し得る。幾つかの実施形態では、疎水性表面を有するヒドロゲル微粒子を本明細書で提供する方法に従って調製する。幾つかの実施形態では、アルコール耐性表面を有するヒドロゲル微粒子を本明細書で提供する方法に従って調製する。
【0124】
幾つかの実施形態では、生成したヒドロゲル又は微粒子が溶媒相溶性(分散性)であるか又は溶媒耐性(すなわち、恒久的にその通り)であるかが、形成するコーティングの程度及び性質によって決まる。例えば、コーティングの厚み及び架橋密度は、コーティング特性を決定する要因の一つであろう。幾つかの実施形態では、ヒドロゲル又は微粒子の表面上に形成するコーティングが溶媒の移動に対する一時的な障壁として役立つことができる。幾つかの実施形態では、ヒドロゲル又は微粒子の表面上に形成するコーティングが溶媒の移動に対する恒久的な障壁として役立つことができる。
【0125】
幾つかの実施形態では、シロキサンポリマーコーティングを、本明細書で提供する方法によってシロキサンコーティングしたヒドロゲル又はヒドロゲル微粒子の表面上に形成して、ヒドロゲル又はヒドロゲル微粒子の周囲により厚く且つより不浸透性の疎水性シェルを創出する。例えば、本明細書で提供する方法によって、二重カプセル化ヒドロゲル微粒子を形成し得る。
【0126】
[ペースト及び粉末]
提供する方法によって調製した表面改質ヒドロゲルを乾燥させて粉砕して、粉末を形成し得る。かかる粉末は、農芸製品又はパーソナルケア製品及びヘルスケア製品に用いることができ、この粉末は有効成分を含むヒドロゲル組成物から形成することができるから、この粉末はかかる製品に有効成分を送達するために理想的である。
【0127】
提供する方法によって調製した表面改質ヒドロゲル及び微粒子を用いてペーストも形成し得る。典型的に、ペーストは、ヒドロゲルに、それが形成されているときか又はそれが形成された後のいずれかに、好ましくは非反応性希釈剤の存在下で、高度なせん断、切断、研磨又は衝撃を施すことによって形成することができる。ペーストは、非反応性希釈剤中で微粒子を分散させることによっても形成することができる。
【0128】
幾つかの実施形態において、選択する希釈剤は、ヒドロゲル又は微粒子上に形成されるシロキサンコーティングの厚みによって決まるであろう。幾つかの実施形態では、水、水相溶性アルコール、ジオール、ポリオール及びそれらの組み合わせから適切な希釈剤を選択し得る。適切なアルコールの例としては、限定しないが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール及びそれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、適切な希釈剤を、水非混和性シリコーン;有機化合物;イオン液体及び超臨界流体のような「環境に配慮した」溶媒;並びにそれらの混合物から選択し得る。適切な希釈剤の例としては、限定しないが、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン及び25℃で1000cP未満の粘度を有するトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン流体のような直線状、分枝状、超分枝状及び環状有機シロキサン流体又はそれらの混合物;カプリリルメチルトリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン;デカメチルシクロペンタシロキサン;高級シクロシロキサン;並びにそれらの混合物が挙げられる。幾つかの実施形態では、25℃で約0.5〜約100cPの粘度を有するトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン流体が適切な希釈剤である。他の適切な希釈剤としては、限定しないが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、酢酸エチルのような水と非混和性の有機溶媒が挙げられる。適切な希釈剤の更なる例としては、限定しないが、イソドデカン、イソヘキサデカン、イソデシルネオペンタノエート、イソノニルイソノナノエート、イソパラフィン、イソアルカンのような有機油、1−エテニル−3−エチル−イミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート及びテトラプロピル−アンモニウムテトラシアノボレートを含むイオン液体、並びに超臨界二酸化炭素のような超臨界流体が挙げられる。
【0129】
バッチ式ミキサー、遊星型ミキサー、一軸式若しくは多軸式押出機、動的若しくは静的ミキサー、コロイドミル、ボールミル、ホモジナイザー、ソノレータ又はそれらの組み合わせを用いて、ヒドロゲルに対してせん断力を施し得る。せん断、切断、研磨又は衝撃の適用は、凍結粉砕又は凍結破砕に見られるような周囲温度未満の条件、室温又は高温を含むいずれかの温度で行い得る。表面改質ヒドロゲル組成物から作製したペーストは、安定であり広範な粘度を有することができるため、農芸製品用又はパーソナルケア製品用及びヘルスケア製品用の基剤として特に有用となる。
【実施例】
【0130】
本発明は、例として提示され且つ当業者が限定を意味しないことを認識するであろう下記実施例を参照することによって、より良く理解されるであろう。
【0131】
[例1]
下記の手順を用いて、全体を通して、シロキサン改質ヒドロゲルペーストを生成させた。この手順は、周囲実験室条件下で行った。
1.次の成分を、垂直な面を持った8オンスの広口瓶内へ混ぜ入れた;微粒子状架橋ポリアクリル酸(μPAA−1)(ルブリゾル社製のカーボポール(登録商標)ETD2020)1.4部、モノオレイン酸ソルビタン(スパン80非イオン界面活性剤)1部、及びヘキサメチルジシロキサン(非極性溶媒)27.1部。この混合物を磁気的に攪拌して、均質にした。
2.水溶性食用色素(ウィルトンエンタープライズ、ウェッドリッジ、イリノイ州、「ティール」アイシング着色剤)を含有する脱イオン水1.8部を滴下して、磁気攪拌器で混合した。攪拌を10分間続けた。
3.混合しながら、A−PDMS[25℃でおよそ130cStの粘度を有するポリ(ジメチル,メチル(アミノエチルアミノイソブチル)シロキサン)ポリマーと、2mol%メチル(アミノエチルアミノイソブチル)シロキサン単位]4.7部を滴下して、更に15分間か又はその組成物が攪拌子を停止させるくらい粘稠になるまで、混合した。その組成物は、その材料内に均質に分散した染料(典型的な水溶性有効成分として)を含む粘性の揺変性ペーストを形成した。
【0132】
[例2]
下記の手順を用いて、シリコーンコーティングを有するヒドロゲル粒子を生成させた。このプロセスを周囲実験室条件下で実施した。
1.ヘキサメチルジシロキサン40部を、垂直な面を持った8オンスの広口瓶の中で、疎水性に変性させた微粒子状の架橋ポリアクリル酸コポリマー(μPAA−cp)[カーボポール(登録商標)Ultrez20(アクリレート/C10−3−アルキルアクリレートクロスポリマー粒子)]2部とモノオレイン酸ソルビタン1部と混合した。この混合物を磁気的に攪拌して、均質にした。
2.混合しながら脱イオン水6部を滴下して、10分間混合した。
3.混合しながらA−PDMS4部を滴下して、更に15分間か又はその組成物が攪拌子を停止させるくらい粘稠になるまで、混合した。
4.生成した材料を、0.22ミクロンのテフロンフィルターを通して真空濾過してヘキサメチルジシロキサン及びn−ヘプタンですすいだ。
5.この試料を、真空オーブン内で真空下(<5mmHg)、室温にて1時間乾燥させた。
【0133】
結果物は、脱イオン水と混合した際にゲル様物を形成した。ヒドロゲル形成の証拠をレオロジー試験によって確認して、772Paのプラトーモジュラスが示された。試験法では、レオメトリクスダイナミックアナライザーRDA IIレオメーターでパラレルプレート配置を用い周波数掃引モードにて、様々なヒドロゲル試料のモジュラス測定値を異なる水和レベルで得た。報告したモジュラス値は、周波数掃引のプラトー領域における1%歪み及び10rad/sの周波数での動的貯蔵モジュラス(G’)である。試料の厚みは典型的に1〜3mmにわたった。試料を40mm直径のパラレルプレート状に置き、次いでテフロンのスパチュラを用いて大きさを整えた。分析の間に集めたデータをTA OrchestratorバージョンV7.1.2.3を用いて処理した。全ての試験は室温で行った。
【0134】
シリコーンコーティングの証拠をATR−IR分光法によって確認して、スペクトル中に未改質μPAA−cp試料には存在しない1060cm−1での明確なシロキサンSi−O−Siピークが示された。分光法の手法は、ZnSe結晶を備えたSmart Miracle single減衰全反射赤外(ATR−IR)アタッチメントを装備したNicolet 6700 FTIRで試料を分析することを含んでいた。試料を前記結晶と直接接触させて置いた。データをOmnic 7.2ソフトウエアで解析した。
【0135】
[例3]
例1で調製した試料2.7部を脱イオン水97.3部に加えた。シリコーン改質ヒドロゲルペーストは水相中へ分散しなかったことが観察された。水溶性染料は水相に移動しなかったことが更に観察され、シリコーン層をカプセル化することにより、内部でカプセル化した水と水溶性染料とが外部から供給された水と隔てられたことが確かめられた。
【0136】
[例4]
対照例として、μPAA−1(未処理のまま)を1重量%固体の濃度で脱イオン水中へ混合することによって、未改質ヒドロゲルの1%分散液を調製した。試料は2日間の期間の後ゲルでなく依然として低粘度のカーボポール粒子分散液のままであったことが観察された。
【0137】
別の対照例として、食品着色料の液滴を、調製した分散液10.134gに加えてから、その混合物を0.1MのKOH2.047gで中和(増粘)させた。この粘稠混合物2.4%と脱イオン水97.6%とを含む別の混合物を調製した。24時間後、その染料は水相中に分散したことが観察された。このことは更に、例3のシリコーン改質が外部水相から水溶性染料をカプセル化することに成功したことを立証した。
【0138】
[例5]
下記の手順を用い、ヘキサメチルジシロキサンをシクロシロキサン溶媒に置き換えて、シロキサン改質ヒドロゲルを生成させた。手順は周囲実験室条件下で行った。
1.次の成分を垂直な面を持つ8オンスの広口瓶内へ混ぜ入れた:μPAA−1を3.9部、モノオレイン酸ソルビタン2.8部、及びデカメチルシクロペンタシロキサン72.0部。この混合物を磁気的に攪拌して、均質にした。
2.混合しながらティール水溶性染料を含有する水9.5部を滴下した。攪拌を10分間続けた。
3.A−PDMS 11.7部を滴下して、更に15分間か又は混合物が攪拌子を停止させるくらい充分に粘稠になるまで、混合した。最終物は、例1のものと同様な均質な外観を有する粘性の揺変性ペーストを形成した。
【0139】
[例6]
例1について説明した方法を用いたが最終組成を67.6%ヘキサメチルジシロキサン、4.6%μPAA−1、3.4%モノオレイン酸ソルビタン、11.7%脱イオン水(水溶性染料を含む)及び12.8%A−PDMSシロキサンとして、試料を作製した。
【0140】
[例7]
例6のコールドブレンドを、米国特許第6,770,708号の実施例6の手順に従って作製した未改質白金硬化シリコーンエラストマーペーストと配合した。これを、HauschildのロータリーミキサーであるSpeedmixerを用いて30秒間混合した。試料は、試料全体に均一に分布した水溶性染料で均質のように見えた。周囲実験室条件下で18週間後、試料に分離は見られなかった。同程度の量の染色した水をシリコーンエラストマーペーストに直接加えてHauschildミキサー中で30秒間混合すると、混合相がシリコーンペースト上に静止した青色水で分離した。染色した水を同程度の量の未改質μPAA−1と予備混合し、次いでシリコーンエラストマーペーストに導入すると、水性相(水溶性染料で示されるように)はシリコーンペースト中で均一に分散することに失敗した。同様に、例6のように同割合の染色した水と未改質μPAA−1とモノオレイン酸ソルビタンとの予備混合物を同程度のシリコーンペーストに導入すると、水性相はシリコーンペースト中で均一に分散することに失敗した。
【0141】
この例は、本発明のシリコーン表面改質ヒドロゲルペーストと通常のシリコーンエラストマーペーストとの適合性を示しており、従って水及び水溶性有効成分をシリコーンエラストマーペーストの有益性を有する組成物に導入するための適切な手法を紹介している。
【0142】
[例8]
例2の方法を用いたが最終組成を60.8%ヘキサメチルジシロキサン、3.0%μPAA−1、1.5%モノオレイン酸ソルビタン、30.2%脱イオン水(水溶性染料を含む)及び4.4%A−PDMSとして、試料を作製した。
【0143】
濾過した生成物を、真空オーブン内で35℃、<5mmHgで一晩乾燥させた。最終乾燥生成物は、水に分散したがゲルを形成しなかった。混合物を0.1MのKOHで約4のpHまで中和した際には、生成物はゲルを形成した。このことは、シロキサン改質ヒドロゲルがpH応答性の膨潤挙動を示すことができることを実証している。
【0144】
[例9]
例2の方法を用いたが水をナイアシンアミドの1%水溶液にμPAA−1をμPAA−cpに置き換えて、試料を作製した。試料の最終組成は、70.9%ヘキサメチルジシロキサン、3.7%μPAA−cp、2.1%モノオレイン酸ソルビタン、17.5%の1%ナイアシンアミド水溶液及び5.8%ジメチル,メチル(アミノエチルアミノイソブチル)シロキサンである。
【0145】
濾過した生成物を真空オーブン内で35℃、0.2inHgで一晩乾燥させた。最終乾燥生成物は水に分散したがゲル化しなかった。0.1MのKOHで約4のpHまで中和したときに、前記生成物は均質なシリコーン改質ゲルを形成した。このことは、本発明のシロキサン改質ヒドロゲルがpH応答性の膨潤挙動を示すことができることを実証している。
【0146】
[例10]
下記の手順を用いて、シリコーンカプセル化層で更にコーティングしたシロキサン改質ヒドロゲルの分散液を生成させた。手順は周囲実験室条件下で行った。
1.次の成分を、垂直な面を持つ8オンスの広口瓶内へ混ぜ入れた:μPAA−cp3.9部、モノオレイン酸ソルビタン1.1部及びヘキサメチルジシロキサン79.0部。この混合物を磁気的に攪拌して、均質にした。
2.混合しながら水4.1部を滴下した。攪拌を最低10分間続けた。
3.A−PDMS2.9部を滴下して更に10分間混合した。
4.混合しながらメタクリルオキシプロピルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン(Mn8,000)8.3部を3の溶液に加えて、15分間混合した。
5.混合しながらトリ−n−ブチルボランからなる開始剤錯体0.6部とメトキシプロピルアミン1.3当量とを加えた。
【0147】
濾過した生成物を真空オーブン内で35℃、<5mmHgで一晩乾燥させた。最終乾燥生成物は、水に分散することが見出されたが、ゲル化しなかった。0.1MのKOHで約4のpHまで中和したときに、前記生成物は均質なシリコーン改質ゲルを形成した。
【0148】
本発明は、本明細書に記載した具体的な実施例に限定されると考えられるべきでなく、本発明の全ての実施形態を網羅すると理解されるべきである。本発明を適用でき得る様々な変形及び等価なプロセス並びに多数の構造体及び装置が、当業者に容易に理解されるであろう。当業者は本発明の範囲から離れることなく様々な変更をなし得ることを理解するであろうし、このことが明細書に記載されていることに対する限定と考えるべきでない。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のアミノ官能性有機ケイ素化合物である成分(A)でヒドロゲルを処理して、該ヒドロゲル上に少なくとも1つのシロキサンコーティングした表面を形成する工程を備え、
前記ヒドロゲルが、
(i)カルボキシ官能基、スルホン酸官能基、エポキシ基及びそれらの組み合わせから選択されるアミン反応性基を有する少なくとも1種の有機ポリマーであって、水、水相溶性アルコール又はそれらの組み合わせと相溶性である成分(B)と
(ii)水、水相溶性アルコール及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の吸収性溶媒である成分(C)とを含む、シロキサン表面改質ヒドロゲルの調製方法。
【請求項2】
前記処理を、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、25℃で1000cP未満の粘度を有するトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン、カプリリルメチルトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、シクロシロキサン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、イソドデカン、イソヘキサデカン、イソデシルネオペンタノエート、イソノニルイソノナノエート、イソパラフィン、イソアルカン、1−エテニル−3−エチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、テトラプロピルアンモニムテトラシアノボレート、超臨界二酸化炭素及びそれらの混合物から選択される、成分(A)に適した少なくとも1種の溶媒の存在下で行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記成分(A)が、ポリ[ジメチル,メチル(アミノエチルアミノイソブチル)]シロキサン、ポリ[ジメチル,メチル(アミノエチルアミノプロピル)]シロキサン、ポリ[(ジメチル,メチルアミノプロピル)]シロキサン、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン、アミノエチルアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン及びアミノエチルアミノイソブチル末端ポリジメチルシロキサンから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記成分(B)が、少なくとも5mol%のアミン反応性基、又は、少なくとも10mol%のアミン反応性基を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記成分(B)が、カルボキシ官能性有機ポリマー、無水物官能性有機ポリマー及びエポキシ官能性有機ポリマーから選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記成分(B)が、ポリアクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリル酸、部分的架橋ポリアクリル酸ホモポリマー、部分的架橋ポリアクリル酸イオノマー及び部分的架橋ポリアクリル酸コポリマーから選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記成分(C)が、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ヒドロゲルが、パーソナルケア有効成分、ヘルスケア有効成分及び農芸上の有効成分から選択される少なくとも1種の有効成分である、成分(D)を含むか又は該成分(D)で処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記成分(D)が、ビタミンC、緑茶抽出物、リドカイン、ニコチン、ナイアシンアミド、サリチル酸、ケトプロフェン、ケトコナゾール、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、リン酸カリウム及びリン酸アンモニウムから選択される少なくとも1種の有効成分である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ヒドロゲルが、タージトール(商標)15−s−3、タージトール(商標)15−s−40、モノオレイン酸ソルビタン、ポリグリコール変性トリメタシリル化シリケート、ポリグリコール変性シロキサン、ポリグリコール変性シリカ、エトキシ化四級アンモニウム塩溶液及び塩化セチルトリメチルアンモニウム溶液から選択される少なくとも1種の界面活性剤である成分(E)の存在下で処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記シロキサンコーティングしたヒドロゲルを、少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な化合物である成分(F)、及び少なくとも1種の有機ボランフリーラジカル開始剤である成分(G)で処理する工程を備え、該処理を酸素の存在下で行う、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記成分(F)が、メタクリレート官能性ポリジメチルシロキサン、メタクリレート官能性ポリジメチルシロキサン樹脂、アクリレート官能性ポリジメチルシロキサン及びアクリレート官能性ポリジメチルシロキサン樹脂から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記成分(G)が、トリエチルボランプロパンジアミン、トリエチルボランブチルイミダゾール、トリエチルボランメタオキシプロピルアミン錯体及びトリ−n−ブチルメトキシプロピルアミン錯体から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
請求項1、2、3、5、8又は11に記載の方法によって調製された、シロキサン表面改質ヒドロゲル。
【請求項15】
請求項14記載のヒドロゲルから調製されたペースト。
【請求項16】
ヒドロゲル微粒子を少なくとも1種のアミノ官能性有機ケイ素化合物である成分(A)で処理して、少なくとも1つのシロキサンコーティングした表面を有する微粒子を形成する工程を備え、
該微粒子が、カルボキシ官能基、スルホン酸官能基、エポキシ基又はそれらの組み合わせから選択されるアミン反応性基を含む少なくとも1種の有機ポリマーであって、水、水相溶性アルコール又はそれらの組み合わせと相溶性である成分(B)を含み、
該処理を、水、水相溶性アルコール及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の吸収性溶媒である成分(C)の存在下で行う、シロキサン表面改質ヒドロゲル微粒子の調製方法。
【請求項17】
前記処理を、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、25℃で1000cP未満の粘度を有するトリメチルシリル末端ポリジメチルシロキサン、カプリリルメチルトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、シクロシロキサン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、イソドデカン、イソヘキサデカン、イソデシルネオペンタノエート、イソノニルイソノナノエート、イソパラフィン、イソアルカン、1−エテニル−3−エチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、テトラプロピルアンモニウムテトラシアノボレート、超臨界二酸化炭素及びそれらの混合物から選択される、成分(A)に適する少なくとも1種の溶媒の存在下で行う、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記成分(A)が、ポリ[ジメチル,メチル(アミノエチルアミノイソブチル)]シロキサン、ポリ[ジメチル,メチル(アミノエチルアミノプロピル)]シロキサン、ポリ[(ジメチル,メチルアミノプロピル)]シロキサン、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン、アミノエチルアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン及びアミノエチルアミノイソブチル末端ポリジメチルシロキサンから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記成分(B)が、少なくとも5mol%のアミン反応性基又は少なくとも10mol%のアミン反応性基を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記成分(B)が、カルボキシ官能性有機ポリマー、無水物官能性有機ポリマー及びエポキシ官能性有機ポリマーから選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記成分(B)が、ポリアクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸、部分的架橋ポリアクリル酸ホモポリマー、部分的架橋ポリアクリル酸イオノマー及び部分的架橋ポリアクリル酸コポリマーから選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記成分(C)が、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール及びそれらの組み合わせから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記ヒドロゲル微粒子が、パーソナルケア有効成分、ヘルスケア有効成分若しくは農芸上の有効成分から選択される少なくとも1種の有効成分である成分(D)を含むか又は前記成分(D)で処理される、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記成分(D)が、ビタミンC、緑茶抽出物、リドカイン、ニコチン、ナイアシンアミド、サリチル酸、ケトプロフェン、ケトコナゾール、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、リン酸カリウム及びリン酸アンモニウムから選択される少なくとも1種の有効成分である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ヒドロゲル微粒子が、タージトール15−s−3、タージトール15−s−40、モノオレイン酸ソルビタン、ポリグリコール変性トリメタシリル化シリケート、ポリグリコール変性シロキサン、ポリグリコール変性シリカ、エトキシ化四級アンモニウム塩溶液及び塩化セチルトリメチルアンモニウム溶液から選択される少なくとも1種の界面活性剤である成分(E)の存在下で処理される、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
シロキサンコーティングしたヒドロゲル微粒子を、少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な化合物である成分(F)及び少なくとも1種の有機ボランフリーラジカル開始剤である成分(G)と処理する工程を備え、該処理を酸素の存在下で行う、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
前記成分(F)が、メタクリレート官能性ポリジメチルシロキサン、メタクリレート官能性ポリジメチルシロキサン樹脂、アクリレート官能性ポリジメチルシロキサン及びアクリレート官能性ポリジメチルシロキサン樹脂から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記成分(G)が、トリエチルボランプロパンジアミン、トリエチルボランブチルイミダゾール、トリエチルボランメトキシプロピルアミン錯体及びトリ−n−ブチルメトキシプロピルアミン錯体から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
請求項15、16、17、19、22、24又は25に記載の方法によって調製されたヒドロゲル微粒子。
【請求項30】
請求項29に記載のヒドロゲル微粒子から調製されたペースト。

【公表番号】特表2013−520531(P2013−520531A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554023(P2012−554023)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2011/025249
【国際公開番号】WO2011/103291
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(590001418)ダウ コーニング コーポレーション (166)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【Fターム(参考)】