説明

シンボル情報の更新のための装置および方法

例えばマイクロ・コントローラのようなハードウェアを備えた通信デバイスにおいて、シンボル情報を更新するための装置および方法が開示される。開示された装置および方法は、予め定めた時間において、サンプル・ストリームのシンボルの開始を待つことを適用する。1または複数のプログラムされた命令群が、シンボルの開始時において読み取られ、その後、1または複数のプログラム可能な命令群に基づいてシンボル情報が更新され、次のシンボルの開始のための時間が設定される。これらプログラムされた命令群は、専用のマイクロ・コントローラまたは類似のハードウェアによって実行される命令コードワードから構成される。これによって、特に、複数の通信技術にわたって動作可能なマルチモード通信デバイスのために、シンボル情報を更新するための柔軟性が与えられる。

【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
本特許出願は、2008年3月31日に出願され、本明細書の譲受人に譲渡され、“MICROCONTROLLER−BASED OFDM COUNT SEQUENCER”と題され、本明細書に参照によって明確に組み込まれた米国特許仮出願61/041,242号に対する優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、通信デバイスにおいてシンボル情報を更新する装置および方法に関し、更に詳しくは、シンボル・パラメータおよびシンボル・カウントを含むおのおののシンボルにおいて、シンボル情報を更新するために、マイクロ・コントローラによって実行可能なプログラム可能なマイクロコード命令群を用いることに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、多くのOFDM規格が、4Gセルラ無線通信のために提案された。そのようなすべてのシステムのための共通の、すなわち、「普遍的な」フロント・エンド・プロセッサとして、単一のデバイス動作を有することが望ましい。そのような普遍的なプロセッサを製造する際におけるチャレンジのうちの1つは、異なる無線規格が、異なるOFDMシンボル・パラメータと、異なるシンボルおよびフレーム番号とを用いることである。例えば、1つのOFDMシステムは、1つのフレーム当たり8つのシンボルを使用する一方、他のOFDMシステムは、1つのフレーム当たり14のシンボルを使用する。さらに、同じ規格を使用するシステムでさえ、例えば、帯域幅、サイクリック・プレフィクス長さ、および時分割多重化(TDD)のようなさまざまな特定の構成パラメータに依存して、異なる方式で構成されうる。
【0004】
いくつかの規格をサポートする最も簡単な方法は、おのおのの可能なシステムのために、個別のハードウェア・ロジックを持つことである。しかしながら、おのおののシステム構成のために専用のロジックを使用することは、ハードウェアを不必要に複製することになり、新たなシステムおよび構成をサポートする柔軟性はない。別の方法は、例えば、FFT長さ、サイクリック・プレフィクス長さ、およびフレーミング・パラメータのようなキーとなるOFDMパラメータのいくつかのセットによって異なる規格を表すことである。これらパラメータは、一般に、DSPのようなプログラム可能なデバイスによって設定されるレジスタによって、設定可能とされうる。不運にも、異なるシステムにわたるシンボルおよびフレーム・ナンバリングは、一般には、かなり不規則であり、少数のパラメータによって簡単に記述されるものではない。さらに、LTEのようないくつかのシステムでは、例えば、特定のシンボルや、多くのパラメータ・レジスタにおけるCP長さ変更のようなシステム・パラメータが、これら変更のタイミングを記述するために必要となるであろう。したがって、多くの異なるシステムおよび多くの付随パラメータをサポートするために、十分な設定可能性を保ちながら、サポートされているおのおのの規格のための個別のハードウェア・ロジックを必要としない、例えばOFDM通信デバイスのようなマルチモード通信デバイスにおいていくつかの規格をサポートすることが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0005】
態様によれば、通信デバイスにおいてシンボル・パラメータを更新する方法が開示される。この方法は、予め定めた時間において、サンプル・ストリーム内のシンボルの開始を待つことと、シンボルの開始時において、1または複数のプログラムされた命令群を読み取ることとを含む。この方法はさらに、1または複数のプログラム可能な命令群に基づいて、シンボル情報を更新することと、次のシンボルの開始のための時間を設定することとを含む。
【0006】
別の態様によれば、通信デバイスにおいてシンボル情報を更新するための装置が開示される。この装置は、予め定めた時間において、サンプル・ストリーム内のシンボルの開始を待ち、シンボルの開始時において、1または複数のプログラムされた命令群を、命令メモリから読み取るように構成されたカウント・シーケンサ・モジュールを含む。このカウント・シーケンサ・モジュールはさらに、1または複数のプログラム可能な命令群に基づいて、シンボル情報を更新させ、次のシンボルの開始のための時間を設定するように構成される。
【0007】
また別の態様では、通信デバイスにおいてシンボル情報を更新する装置が開示される。この装置は、予め定めた時間において、サンプル・ストリーム内のシンボルの開始を待つ手段と、シンボルの開始時において、1または複数のプログラムされた命令群を読み取る手段とを含む。この装置はまた、1または複数のプログラム可能な命令群に基づいて、シンボル情報を更新し、次のシンボルの開始のための時間を設定する手段を含む。
【0008】
もう1つの態様によれば、コンピュータ読取可能媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品が開示される。このコンピュータ読取可能媒体は、コンピュータに対して、予め定めた時間において、サンプル・ストリーム内のシンボルの開始を待たせるためのコードと、コンピュータに対して、シンボルの開始時において、1または複数のプログラムされた命令群を読み取らせるためのコードとを含む。この媒体はさらに、コンピュータに対して、1または複数のプログラム可能な命令群に基づいて、シンボル情報を更新し、次のシンボルの開始のための時間を設定させるためのコードをも含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本明細書で開示される装置および方法が使用されうる多元接続無線通信システムを例示する。
【図2】図2は、OFDMシステムの階層的なカウント構造におけるシンボル・カウントの例である。
【図3】図3は、OFDM通信システムで使用されうる別のシンボル構成の2つの例である。
【図4】図4は、本明細書で開示される装置および方法を利用する通信システムにおいて動作可能な典型的な通信デバイスを図示する。
【図5】図5は、図4のデバイスで示されるTSRモジュールの内部ブロック図を例示する。
【図6】図6は、図4のデバイスで示されるRSRモジュールの内部ブロック図を例示する。
【図7】図7は、図5および図6で示されるモジュールで使用されるカウント・シーケンサ・モジュールの典型的な内部ブロック図を例示する。
【図8】図8は、図7のカウント・シーケンサ・モジュールの典型的な動作フロー図である。
【図9】図9は、図7のカウント・シーケンサ・モジュールで利用されうるマイクロコードの典型的なテーブルである。
【図10】図10は、通信デバイスにおけるシンボル更新のための典型的な方法のフロー図である。
【図11】図11は、通信デバイスにおいてシンボルを更新する装置のブロック図である。
【0010】
これら図面のうちのいくつかにわたる同一の符号は、同一の部分を示していることが注目される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
提案された方法および装置は、一例として、一般的なマイクロ・コントローラを使用する。あるいは、OFDMシンボル・パラメータを設定し、通信デバイスにおけるシンボルおよびフレーム・ナンバリングを追跡するための等価なデバイスを使用する。
【0012】
特に、現在のシンボルのOFDMパラメータは、一例として、そのシンボルおよびフレーム・カウンタとともに、レジスタのセット内に格納される。パラメータおよびカウンタを設定するための命令群が、あるプログラム可能なメモリ内に、マイクロコードとして格納される。おのおのの新たなシンボルについて、ハードウェア・マイクロコントローラが、1または複数のマイクロコード命令群を読み取り、処理する。このハードウェア・マイクロコントローラは、シンボル番号について、条件付で、シンボル・パラメータまたはカウンタの値を変更しうる。読み取るべき次の命令がどれであるかを制御するためにも、いくつかのマイクロコード命令群が確保されうる。少数の命令群および単純なハードウェアで、このマイクロコントローラ・ベースの制御は、ロング・ターム・イボリューション(LTE)、WiMax、およびウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)を含む極めて多くのOFDMシステムや、これらシステムのTDD構成および周波数分割多重化(FDD)構成に適合するマルチモード・デバイスで使用されうるシンボルおよびフレーム・ナンバリングを記述するための、高度でフレキシブルな方法を提供する。
【0013】
「典型的である」という単語は「例、事例、あるいは実例として役立つ」ことを意味するために本明細書で使用される。本明細書で「典型的である」と記載されたあらゆる実施形態は、他の実施形態によりも好適であるとか有利であるとか解釈される必要は必ずしもない。
【0014】
図1に示すように、1つの実施形態にしたがう多元接続無線通信システムが例示される。アクセス・ポイント100(AP)は、複数のアンテナ・グループを含んでいる。1つは104、106を含み、他のものは108、110を含み、さらに他のものは112、114を含む。図1では、おのおののアンテナ・グループについて2本のアンテナしか示されていない。しかしながら、おのおののアンテナ・グループについて、それより多くのまたはそれより少ないアンテナが利用されうる。アクセス端末116(AT)はアンテナ112およびアンテナ114と通信しており、アンテナ112、114は、順方向リンク120でアクセス端末116へ情報を送信し、逆方向リンク118でアクセス端末116から情報を受信する。アクセス端末122は、アンテナ106、108と通信しており、アンテナ106、108は、順方向リンク126でアクセス端末122へ情報を送信し、逆方向リンク124でアクセス端末122から情報を受信する。FDDシステムでは、通信リンク118、120、124、126は、通信のために、異なる周波数を使用しうる。例えば、順方向リンク120は、逆方向リンク118によって使用されるものとは異なる周波数を使用しうる。
【0015】
通信するように設計された領域および/またはアンテナのおのおののグループは、しばしば、アクセス・ポイントのセクタと称される。実施形態では、アンテナ・グループはおのおの、アクセス・ポイント100によってカバーされている領域のセクタ内のアクセス端末と通信するように設計されている。
【0016】
順方向リンク120、126による通信では、アクセス・ポイント100の送信アンテナは、別のアクセス端末116、122の順方向リンクの信号対雑音比を改善するために、ビームフォーミングを利用する。それに加えて、有効通信範囲内にランダムに散在したアクセス端末に送信するために、ビームフォーミングを用いるアクセス・ポイントは、すべてのアクセス端末に対して単一のアンテナを用いて送信するアクセス・ポイントよりも、近隣セル内のアクセス端末に対して少ない干渉しかもたらさない。
【0017】
アクセス・ポイントは、端末と通信するために使用される固定局であり、アクセス・ポイント、ノードB、あるいはその他幾つかの専門用語でも称されうる。アクセス端末はまた、アクセス端末、ユーザ機器(UE)、無線通信デバイス、端末、アクセス端末、あるいはその他いくつかの専門用語で称されうる。その上、図1のシステムは、データ伝送のために複数(N個)の送信アンテナと複数(N個)の受信アンテナとを適用するMIMOシステムでありうる。N個の送信アンテナおよびN個の受信アンテナによって形成されたMIMOチャネルは、空間チャネルと称されるN個の独立したチャネルへ分解されうる。N個の独立チャネルのおのおのは、ディメンションに相当する。複数の送信アンテナおよび受信アンテナによって生成される追加のディメンションが利用される場合、MIMOシステムは、(例えば、より高いスループット、および/または、より高い信頼性のような)向上されたパフォーマンスを与える。
【0018】
図2は、例えばUMBシステム、LTEシステム、あるいはWiMax OFDMシステムのようなOFDMシステムのための階層的なカウント構成において、シンボルがどのようにカウントされるかの例を示す。最上位レベル202は、スーパフレーム・カウントである。ここでは、おのおののスーパフレームは、特定数のフレームから構成される。図2の例で示されるように、スーパフレーム1は、フレーム・カウントである次の階層レベル204に例示するように、(0乃至25とナンバリングされて示されている)26のフレームを含みうる。一方、おのおののフレームは、特定数のシンボルを含みうる。フレーム・レベル204を拡張したシンボル・カウント・レベル206によって示されるように、フレーム内に8つのシンボルを持つ典型的なシンボル・カウントが例示されている。おのおののシンボルは、特定の持続期間を持っている。例えば、いくつかのUMBシステムでは、シンボル持続期間は、およそ0.91ミリ秒の長さである。図2の例は、規則的なパターンを持つUMBシステムの典型例であることに注目されたい。当業者であれば、本願によって、例えば、LTEまたはWiMaxのように規則的なパターンを持つ、あるいは不規則なパターンを持つその他の階層カウンティング・スキームも考慮されることを認識するだろう。さらに、シンボル構成すなわちシンボル・パラメータは、例えばLTEのように、TDDガード時間や可変のシンボル時間を有するシステムにおいて、シンボル毎に変わりうることが注目される。
【0019】
図3は、OFDM通信システムにおいて使用されうる異なるシンボル構成の2つの例を図示する。第1の例302は、例えば、ウィンドウ(Win)トーン、サイクリック・プレフィクス(CP)トーン、および高速フーリエ変換(FFT)トーン、あるいは、このフレームで送信されるデータのようなパラメータを有する規則的なOFDMシンボルを例示する。別の例304では、OFDMフレームは、一例として、TDD切換のために役に立つシンボル間の追加のガード期間インタバル・パラメータを含みうる。
【0020】
異なるOFDMシステムにわたって、あるいは、同じOFDMシステム内であっても、例えばCP、FFT、およびガード・インタバル時間のようなシンボル・パラメータは、シンボル毎に異なりうることも注目される。
【0021】
図4は、本明細書で開示される装置および方法を実現するために使用される通信システムにおいて動作可能な典型的な通信デバイスを例示する。アクセス・ポイントまたはアクセス端末のためのモデムの一部でありうるデバイス400は、例えば、UMB、LTE、およびWiMaxのような種々異なる通信規格をサポートすることが可能なメカニズムをおのおの含む受信機部分および送信機部分の両方を含みうる。開示されたメカニズムは、シンボル毎ベースでシンボル・パラメータのフレキシビリティおよび変更を可能にするプログラム可能なマイクロ・コントローラおよびコード(例えば、マイクロコード)によって、シンボル・カウント、および、シンボル・パラメータの設定を制御する。
【0022】
特に、デバイス400は、1または複数のアンテナ(例えば、アンテナ404は、1本以上のアンテナを例示している)によってデータの送信および受信を行うラジオ・モジュール402を含む。ラジオ・モジュール402は、インタフェースまたはバス410によって、受信部(406)および送信部(408)にインタフェースされる。インタフェース410は、当該技術分野で周知の多くの適切なインタフェースまたはバス・デバイスのうちの何れかによって実現されうる。例えば、態様では、インタフェース410は、AMBA(登録商標)3 AXIバスあるいは同様のプロトコルであり、これによって、ラジオ・モジュール402は、スレーブ・デバイスとして動作する受信部406および送信部408に対するマスタ・デバイスとして動作できるようになる。さらに、別の態様では、モジュール402は、AXIバスを経由して、受信部406へGPSタイムスタンプを発行し、これによって、受信部は、パケット・タイミングを識別できるようになる。
【0023】
受信部406は特に、インタフェース410を経由してラジオ・モジュール402からデータ・パケットのサンプル・ストリームを受信するための受信サンプル・レート(RSR)モジュール412または類似のデバイスを含む。RSRモジュール412は、サンプル・ストリームからFFTデータ・サンプルを抽出し、このサンプルを、受信(RX)サンプル・メモリ414内に格納する。完全にFFTデータが受信された後、RSRモジュール412は、データがレディであることをシグナルし、このデータを処理するためのジョブを、メモリ414からFFT/デマルチプレクサ・モジュール416へ送る。このジョブは、このデータのRXシンボル番号を含みうることが注目される。RXシンボル番号は、GPSタイムスタンプから導出されうる。このジョブはまた、サンプル・メモリ414内のメモリ位置を含みうる。FFTモジュール416は、このメモリ位置から、データを復元することができる。(例えば、FFT長さ、CP長さ等のような)RXシンボル・パラメータ、および、GPS時間からのシンボル・カウントの導出は、デジタル信号プロセッサ(例えば、DSP418)によって、および、メモリ(例えば、メモリ419)内に格納された命令群によって設定されうる。これらについては、後に十分に説明する。
【0024】
送信部408は、送信(TX)サンプル・メモリ422からサンプルを読み取る送信サンプル・レート(TSR)モジュール420を含みうる。TXサンプル・レートおよびRXサンプル・レートは通常等しいので、TSR420は一般に、各RXサンプルについて平均1つのTXサンプルを生成する。したがって、RSRモジュール412は、TXサンプル・レートとRXサンプル・レートとが等しいことを保証することを助けるために、TSRモジュール420に対して、ラジオ・モジュール402から、各RXデータ・パケットが到着したことを通知することができる。
【0025】
送信部408による送信のために、多くのTXサンプルがカウントされる必要がある。したがって、TSRモジュール420は、通信カップリング428によって例示されるように、シンボルが要求される毎に、マルチプレクサ(MUX)ブロック424に通知する。MUX424はシンボルを生成する。このシンボルは、その後、逆高速フーリエ変換(IFFT)ブロック426によって処理される。IFFTブロック426は、時間領域サンプルを、TXサンプル・メモリ422内に格納する。IFFTブロック426は、その後、ブロック426からモジュール420への矢印によって示すように、TSRモジュール420に対して、サンプルがレディであることを通知する。これに応答して、TSRモジュール420は、サンプル・メモリ422からサンプルを読み取り、データ・パケットおよびタイムスタンプ・パケットを生成し、ラジオ・モジュール402へ送る。インタフェース404がAXIインタフェースである例において、TSRモジュール420は、AXIスレーブとして動作するだろう。したがって、この場合、TSRモジュール420は、ラジオ・モジュール402に対して、パケットがレディであることを通知し、ラジオ・モジュール402は、TSRモジュール420からのデータを取得するために、AXI読み取りを実行する。
【0026】
図5は、図4の装置で使用されるTSRモジュール420の内部ブロック図を例示する。TSRモジュール420は、データ要求生成モジュール502を含んでいる。データ要求生成モジュール502は、受信部406からシンボル通知を受信するように構成される。態様において、TXサンプル・レートとRXサンプル・レートとが等しい場合、おのおのの通知は、TSRモジュール420が、受信部406によって受信されたものと同数のサンプルを生成しなければならないことを意味する。したがって、データ要求生成モジュール502は、要求されたサンプルの合計数をカウントするように構成される。データ要求生成モジュール502はこの合計数から、完全な次のシンボルがいつ生成されねばならないかを判定することができる。この場合、モジュール502は、カウント・シーケンサ・モジュール504から次のシンボル数を取得し、(矢印428によって例示されるように)MUXブロック424へ要求を送る。カウント・シーケンサ・モジュール504は、命令メモリ419から読み取られた命令テーブル内の命令群に基づいて、シンボルのためのシンボル番号およびシンボル・パラメータを生成するように構成される。態様では、命令テーブルは、図4に示すDSP418のようなデジタル信号プロセッサ(図5には図示せず)によって決定される。FFTサイズ、CP、ウィンドウ、およびガード時間を含むシンボルのパラメータは、シンボル・パラメータ・バッファ506内に格納される。
【0027】
MUX424およびIFFT426が、要求されたサンプルを生成した場合、IFFT426は、TXサンプル・メモリ422内にn個のFFTサンプル(nFFT)を格納する。ここで、nFFTは、特定のシンボルのFFT長さである。メモリ422にデータが書き込まれた後、IFFT426は、TSR420内のシンボル生成モジュール508に対して、入力510によって例示されるジョブ・コマンドを用いて、データがレディであることを伝えるだろう。態様では、ジョブ・コマンド510は、シンボル生成モジュール508によって取得されたTXサンプルのアドレスを、サンプル・メモリ422内に含める。特に、シンボル生成モジュール508は、サンプル・メモリ422からのTXサンプルと、シンボル・パラメータ内に保存されたシンボル・パラメータとを読み取る。モジュール508によって実行されるシンボル生成は、CP挿入、ウィンドウイング、および、デジタル・ゲインならびに周波数調節を含む。
【0028】
TXがモジュール508によって生成された後、シンボルは、インタフェース410を経由してラジオ・モジュール402に送られる。1つの態様では、シンボルは、予め定義されたプロトコルに基づいて、データ・パケットおよびタイムスタンプ・パケットによって送られる。さらに、OFDMシンボル境界は、予め定めたプロトコルのパケット境界と揃わないことがあることが認識される。したがって、シンボル生成モジュール・ハードウェアは、シンボルを構築しているサンプルを送信すべきかを判定するために、この時点において、ゲートキーパ機能を実施するように構成されうる。態様によれば、TSRモジュール420からラジオ・モジュール402へのデータ転送は、スレーブとして動作するTSRモジュール420と、マスタとして動作するラジオ・モジュール402との間で、AXIインタフェース(すなわち、AXIインタフェースとして設定されたインタフェース410)を介してなされる。したがって、TSRモジュール420は、ラジオ・モジュール402に対して、データがレディであることを通知し、ラジオ・モジュール402は、AXI読取を実行するだろう。
【0029】
図6は、図4の装置で使用されるRSRモジュール412の内部ブロック図を例示する。モジュール412は、ラジオ・モジュール402によって受信されたデータ・パケットを受信するように構成されたラジオ・パケット・モジュール602を含んでいる。データ・パケットは、インタフェース410からのデータ・パケットのみならず、タイムスタンプ・パケットをも含む。タイムスタンプ・パケットとデータ・パケットとの両方が、送信通知モジュール604に送られる。このモジュール604は、到着したデータ・パケットについて、シンボル通知をTSRモジュール420へ送信するように構成される。
【0030】
タイムスタンプ・パケットはまた、モジュール602から同期ロジック606へも出力される。ロジック606は、ラジオ・モジュール402およびインタフェース410からのタイムスタンプ値が、予め定めたターゲット時間値に一致するまで待つように構成される。このターゲット時間値は、(図6に示されていない)DSP418またはその他の類似のデバイスまたはロジックによって決定される。一致が得られた場合、同期ロジック606は同期状態にある。
【0031】
同期後、データ・パケットはまた、シンボル・アセンブリおよび抽出モジュール608へ送られる。このモジュール608は、ロジック606から同期情報を受信する。このシンボル・アセンブリおよび抽出モジュール608は、サンプルの完全なシンボル値が到着したときを判定するように動作可能である。この判定は、カウント・シーケンサ・モジュール610から受信したシンボル・パラメータに少なくとも基づく。これによって、シンボル・アセンブリおよび抽出モジュールは、サンプルの完全なシンボル値が到着したときを判定できるようになる。例えば、モジュール608は、完全なシンボルが、nFFT+nCP+nWin+nGuard個のサンプルが受信された後に到着したことを判定することができる。おのおののシンボルが到着した後、カウント・シーケンサ・モジュール610は、おのおのの次のサンプルのためのシンボル・カウントおよびシンボル・パラメータを生成するために使用される。
【0032】
シンボルが到着した後、シンボル・アセンブリおよび抽出モジュール608は、RXサンプル・メモリ414に次のnFFT個のサンプルをロードし、ジョブ信号を、FFT/デマルチプレクサ・ブロック46へ送り、メモリ414内に格納されたサンプルが処理される。態様では、ジョブは、シンボル番号を含んでいる。
【0033】
カウント・シーケンサ・モジュール610に関し、このモジュールはまず、受信された第1のシンボルのためのシンボル番号およびパラメータを生成するために初期化される。カウント・シーケンサ・モジュール610は、命令メモリ419内に格納された命令テーブルから命令群を取得するハードウェアを含む。これら命令群は、DSPまたはその他類似のロジックまたはファームウェアによって書き込まれる。例えばLTEシステムにおいて、あるいは、あるOFDM技術と別のOFDM技術との間を移行する場合のように、必要な場合には、たとえシンボルからシンボルへであっても、カウント・シーケンサ・モジュール610による命令の実行は、シンボルのためのシンボル番号および特定のシンボル・パラメータを決定する際に使用される。
【0034】
図7は、図5および図6それぞれに示すモジュール504またはモジュール610のうちの何れかのために使用されるカウント・シーケンサ・モジュールの典型的な内部ブロック図を例示する。特に、シンボル番号を生成し、シンボル毎ベースで変化するシンボル・パラメータを追跡するために、RSRモジュール412とTSRモジュール420との両方が、同様に、カウント・シーケンサ・モジュールを利用しうることが注目される。カウント・シーケンサ・モジュール504、610は、シンボル番号の任意のシーケンスを与え、RSRモジュールとTSRモジュールとの両方のためのシンボル・パラメータを変更する(例えば、マイクロ・コントローラ700のような)マイクロコントローラ・ベースの制御を利用する。両ケースにおいて、カウント・シーケンサ・モジュール504、610は、マイクロ・コントローラ700を介して、カウント・レジスタ702またはその他の適切な出力デバイスからシンボル・カウントを出力し、シンボル・パラメータ・レジスタ704または類似の適切な出力デバイスから1または複数のシンボル・パラメータを出力する。
【0035】
マイクロ・コントローラ700は、命令フェッチ・ユニット706を介して、メモリ419から命令群を読み取るか、あるいは、取得することによってプログラムされる。フェッチ・ユニット706による取得は、プログラム・カウンタ708または類似のデバイスの制御または命令の下で行われる。プログラム・カウンタ708は、マイクロ・コントローラ700と通信している。ここでは、1または両方のユニット(700、708)が、シンボルのための命令群のロードの追跡またはカウントを行うように動作可能である。プログラム・カウンタ708および/またはマイクロ・コントローラ700は、プログラム・カウントに基づいて、フェッチ・ユニット706に対して、メモリ419からマイクロ・コントローラ700へと命令群を取得またはロードするように指示する。命令群は、その後、所望される場合、または、必要な場合には、新たなシンボルのおのおのについてさえも、マイクロ・コントローラによって処理される。処理される命令群のタイプは、一例として、シンボル・パラメータ値およびシンボルの設定、フレーム、スーパフレーム・カウントのみならず、後に詳細に説明されるように、シンボル、フレーム、およびスーパフレーム・カウントのインクリメントをも含む。
【0036】
マイクロ・コントローラ700およびプログラム・カウンタ708の動作の例として、図8は、動作の典型的なフロー図を例示する。最初のブロック802では、プログラム・カウンタ708が0に設定される。ブロック802においてプログラム・カウンタが設定された後、フローはブロック804に進む。ここでは、コマンドが、プログラム・カウンタ708の制御の下で、フェッチ・ユニット706によってロードされる。さらに、ブロック802の初期化処理が先になされた場合、ブロック804の処理は、マイクロ・コントローラ700が、ベース命令テーブル・アドレスを、命令フェッチ・ユニット706へロードすることを含むことが注目される。
【0037】
ブロック804の後、フローは判定ブロック806に進む。ロードされた命令におけるフィールドが、(一例として、カウント・シーケンサが、次のシンボルのような条件を待つ)待機コマンドに等しくない場合、マイクロ・コントローラ700は、ブロック808によって示されるように、次のロードのためにプログラム・カウンタをインクリメントし、ブロック810によって示されるように、現在の命令またはコマンドを処理する。ブロック810において命令が処理された後、フローは、ブロック804へ戻る。そして、ブロック804、808、810のフェッチ、カウント・インクリメント、および命令処理のコマンドまたは命令が、ブロック806において、待機命令が受信されたと判定されるまで続く。
【0038】
待機コマンドが受信されたとブロック806において判定されると、フローは、ブロック812に進む。ここでは、マイクロ・コントローラ700が、次のシンボルを待つ。さらに、ブロック814で示されるように、シンボル・フレーム・カウントがインクリメントされる。シンボル・フレーム・カウントは、フレーム内のシンボル番号のカウントである。シンボル・フレーム・カウントがインクリメントされた後、フローは、判定ブロック816に進む。ここでは、マイクロ・コントローラ700は、待機条件を満足しているかを判定する。例として、判定された待機条件は、フレームが発生したことを示すインジケーションを与える、予め定めた数のシンボルがカウントされるまで待つこと。フレーム境界が発生したことを示す別のカウントを待つこと。あるいは、フレーム・カウントに基づいて、スーパフレーム境界が発生したとの判定がなされるまで待つことである。待機条件を満足しない場合、フローは、ブロック812に進む。待機条件が最終的に満足されると、ブロック818に示すようにプログラム・カウントがインクリメントされ、ブロック804に戻ることによって示されるように、規則的な命令処理が再開する。
【0039】
図7に戻って、1つの態様では、多くの別のフィールドが、カウンタ・レジスタ702によってカウントされることが注目される。例えば、UMB仕様をサポートするために、カウンタ・レジスタ702は、3つのカウント・レベル、すなわち、フレーム内のシンボル・カウント、スーパフレーム内のフレーム数のフレーム・カウント、および、スーパフレームの数をカウントするスーパフレーム・カウントを提供するように構成される。これらの階層的なカウントは単なる典型例であり、例えばLTEやWiMaxのような異なる技術を適用する場合、その他様々なカウント数が利用されうることが注目される。さらに、これらカウントは、一例として、フレーム境界およびスーパフレーム境界においてリセットされるように構成されうる。別の態様では、カウンタ・レジスタはまた、おのおののシンボル番号をインクリメントするシンボル・バッファ・カウントと、おのおののフレームをインクリメントするフレーム・バッファ・カウントとのようなバッファ・カウンタの自由な組み合わせをも含みうる。これらのバッファ・カウントは、上記したその他のフィールドにおいてなされるように、フレーム境界およびスーパフレーム境界においてリセットされないだろう。したがって、これらのカウンタは、バッファ位置をトグルするハードウェア・ブロックによって使用されうる。
【0040】
別の態様では、シンボル・パラメータ・レジスタ704内に1または複数のフィールドが存在しうる。例として、これらのフィールドは、FFT、CP、ウィンドウ、およびガードを含むOFDMシンボル成分の長さを記述することができる。シンボルがTDD動作においてアクティブであるかを示すために、アクティブ・ビット・フィールドも使用されうる。
【0041】
シンボル・カウンタおよびパラメータは、命令群のシーケンスによって更新される。マイクロ・コントローラは、カウント・シーケンス・モジュールで利用されるので、これら命令群は、通常のコンピュータ・コードに比べて短縮されうる。したがって、これら命令群のシーケンスは、その小さなサイズによって、「マイクロコード」として特徴付けられ、専用のマイクロ・コントローラ700によって実行することが可能である。態様によれば、マイクロコードの命令群はおのおのの、予め定めた数のビット命令語(例えば、32ビットの命令語)によって記述されうる。さらなる態様では、命令語は、実行されるべき動作(例えば、SET(ビット設定)、INCR(カウント・インクリメント)、BNEQ(値が、予め定めた値に等しいか否かを判定する比較機能)、および待機、のみならず、当業者によって考慮されうるその他の動作)のためのビットを含む。おのおのの命令語はまた、例えばシンボル・カウント、フレーム・カウント、またはスーパフレーム・カウント、あるいは特定のOFDMパラメータ(例えば、nFFT値、nCP値、nWin値、nGuard値)、あるいは、例えば、TDD動作におけるように、シンボルがアクティブであることを示すフラグ(例えば、「アクティブ」)のような論理動作や、その他のさまざまな動作のためのその他任意のさまざまなパラメータのように、動作の主題となるパラメータ(すなわち、パラメータ・タイプ)を示すパラメータ・フィールドを含みうる。命令語はまた、パラメータ・タイプのパラメータ値と、分岐動作のための分岐先表示とを含む。
【0042】
図9は、DSP418または他の類似のデバイスによってメモリ419に書き込まれる典型的なマイクロコード・テーブルを図示する。図9の具体例は、UMB TDDシステム用のものであり、単に1つの技術タイプの例である。当業者であれば、マイクロコードがさまざまな技術に対して適合され、マイクロ・コントローラと連携して適合されたマイクロコードを使用することによって、命令カウントおよび複雑さを望ましく低減しながら、単一のハードウェア・デバイスを用いるマルチモード・デバイス(例えば、マイクロ・コントローラを用いるカウント・シーケンサ・モジュール)のための可変性を与えることを認識するだろう。
【0043】
図9の典型的なテーブルで見られるように、マイクロコードにおいて図示される11のラインのおのおのは、4ビットのパラメータ・フィールド、同じく4ビットのパラメータ・タイプ・フィールド、割り当てられた16ビットを有するパラメータ値、および8ビットを有する分岐先ライン番号を有する32ビットの命令語を備える。マイクロコード命令群は連続して実行されうるが、例えば、命令ライン8によって例示されるように分岐して戻ることもある。ライン8に示されるような特定のBNEQ動作が実行された場合、フレーム・カウントが26に等しいかを確認する判定がなされる。フレーム・カウントが26であることは、スーパフレーム境界を示す。条件を満足しない場合、分岐先は、マイクロコードを、指定された特定のライン番号に戻す。この特定のケースでは、ライン番号は、ライン5である。したがって、マイクロコードは、ライン8の条件を満足するまで、マイクロ・コントローラに対して、ライン5−8を再度実行するために、マイクロコードのライン5に戻るように指示する。説明しているように、図9の例は、異なるOFDM技術のために適合された任意の数のさまざまなマイクロコードのうちの単なる1つであり、マイクロコードは、命令ラインが少なく、さほど複雑ではないか、あるいは、命令ラインが増えて、より複雑になったものを考慮している。さらに、当業者であれば、所望に応じて、より少ないフィールドまたはより多くのフィールドが、マイクロコードのおのおのの命令語において適用されうることを認識するだろう。
【0044】
再び図7に戻って、カウント・シーケンサ・モジュール504、610は、1つの代替態様では、比較機能ユニット710を含んでいる。ユニット710は、次のシンボルの開始のためにマイクロ・コントローラ700によって設定または判定された時間を、現在のクロック時間信号と比較するために使用される。次の信号の開始は、現在のOFDM技術の既知のタイミングまたは既知のサンプル・レートに基づいて判定される。新たなシンボルの時間になると、比較ユニット710の出力は、新たなシンボルが開始されたことを示すために、マイクロ・コントローラ700へとシグナリングを切り替える。ユニット710は、マイクロ・コントローラ700と別に示されているが、当業者であれば、比較機能はまた、マイクロ・コントローラ700内に組み込まれうることを認識するであろうことが注目される。時間比較機能は、マイクロコードからの命令語の指示の下で実行されることも認識されるだろう。新たなシンボルの開始の判定は、マイクロ・コントローラ700に対して、プログラム・カウンタ708および命令フェッチ706を介してさらなるマイクロコードを読み取ることを促しうる。これによって、シンボル・パラメータは、シンボル毎ベースで更新されるようになる。
【0045】
図10は、開示されたカウント・シーケンサ・モジュールによって達成される方法を図示する。この方法1000は、通信デバイスの送信部(例えば、送信部408およびTSRモジュール420)または受信部(例えば、受信部406およびRSRモジュール412)の何れかで使用されうるカウント・シーケンサ・モジュールによって実現されうる。第1のブロック1002では、この方法1000は、例えば図4のデバイス400のような通信デバイスにおいて、サンプルのストリームを受信し、サンプルのストリームにおいて、シンボルの開始を待つことを含む。「受信する」という用語は、通信デバイスの受信部への受信に限定せず、通信デバイスの送信部によって送信されたサンプルを受信することをも称することが注目される。したがって、図4乃至図6の例を用いて、サンプル・ストリームは、送信部の場合におけるIFFT426およびメモリ422から、受信部の場合におけるラジオ・モジュール402およびインタフェース410から、の何れかによって受信されるだろう。
【0046】
シンボルの開始は、サンプル入力ストリームのサンプル・レートが既知であると仮定して、サンプルの入力ストリームの予め定めた持続時間に基づいて判定されうる。予め定めた持続時間の判定は、一例として、マイクロ・コントローラ700によって実行されうる。別の例において、持続時間の終了は、図7に例示される代替比較機能700によって実行される。
【0047】
ブロック1002においてシンボルの開始が判定された後、フローはブロック1004へ進み、ここでは、1または複数のプログラムされた命令群(例えば、マイクロコードの命令語)が読み取られる。例において、命令群を読み取る処理は、プログラム・カウンタ708が、命令フェッチ706に対して、メモリ419に格納された命令群を、マイクロ・コントローラ700へ読み取るように指示することを含む。プログラムされた命令群が読み取られた後、フローはブロック1006に進み、1または複数のプログラムされた命令群に基づいて、すなわち、これら命令群の実行に基づいて、通信デバイスのためのシンボル情報が更新される。「シンボル情報」は、例えばFFTサイズまたはCPサイズのようなシンボル・パラメータと、例えばシンボル・カウント、フレーム・カウント、およびスーパフレーム・カウントのようなシンボル・カウントとを含むことが注目される。さらに、少なくとも次のシンボルまたはその後のシンボルの開始時間(すなわち、境界)が設定される。これもまた、プログラムされた命令群に基づきうる。ブロック1004、1006の処理は、例えばマイクロ・コントローラ700のようなハードウェアによってのみならず、例えば、カウンタ・レジスタ702やシンボル・パラメータ・レジスタ704のようなカウント・シーケンサ・モジュール(504または610)における他の要素によっても実行されうることが注目される。方法1000は、通信デバイスにおいて受信または送信された各々のシンボルについて連続的に繰り返されうることも注目される。
【0048】
図11は、例えばアクセス端末のような通信デバイスにおいて、シンボル情報(すなわち、パラメータ)の更新のために使用されうる別の装置1102を例示する。装置1102は、サンプル入力ストリームを受信し、予め定めた時間に基づいて、このサンプル内のシンボルの開始を待つ手段1104を含む。手段1104の典型的な実装は、マイクロ・コントローラ700を含むカウント・シーケンサ・モジュール504または610のみならず、送信部のための送信サンプル・メモリ422、または、ラジオ受信パケット・モジュール602を含みうる。手段1104によって判定された情報は、その後、バス1106または類似の適切な通信カップリングまたはインタフェースを経由して、装置1102内の他のさまざまなモジュールへ通信される。
【0049】
装置1102はまた、手段1104によって判定されたシンボルの開始時において、1または複数のプログラムされた命令群を読み取るための手段1108を含む。
【0050】
例において、手段1108は、命令フェッチ706およびプログラム・カウンタ708のみならず、マイクロ・コントローラ700によっても実現されうる。さらに、手段1108は、メモリ・デバイス1110から、プログラムされた命令群を読み取る。メモリ・デバイス1110は、例として、命令テーブル・メモリ419として、あるいは、命令群を格納するための任意の適切なストレージとして実現されうる。これら命令群は、例えば、前述したマイクロコードのようなマイクロコードでありうる。
【0051】
さらに、装置1102は、1または複数のプログラムされた命令群に基づいて、通信デバイスのシンボル情報を更新し、少なくとも次のシンボルの開始のための時間を設定する手段1112を含む。手段1112は、例として、マイクロ・コントローラ700、および、カウンタ・レジスタ702とパラメータ・レジスタ704とのうちの1つまたは両方によって実現されうる。さらに、装置1102はまた、例えばDSP1114のようなプロセッサをも含みうることが注目される。このプロセッサは、1または複数のプログラム可能な命令群をメモリ・デバイス1110へ書き込む。
【0052】
上記開示された装置および方法を考慮すると、開示されたハードウェアおよびマイクロコードを用いることによって、通信デバイスは、最小のハードウェアで、かつ、デバイス内の種々異なる通信規格に適応するための柔軟性を持って、シンボル情報(例えば、パラメータおよびカウント)を変更または更新できるようになることが理解される。
【0053】
当業者であれば、情報および信号は、さまざまな異なる技術および技法のうちの何れかを用いて表されることを理解するだろう。例えば、上記説明を通じて参照されうるデータ、命令群、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光学場または光学粒子、あるいはこれらの任意の組み合わせによって表現されうる。
【0054】
説明を単純にする目的で、開示されたこれら方法は、一連のまたは多くの動作として示され説明されているが、本明細書に記載されたこれら処理は、幾つかの動作が本明細書で示され記載されたものとは異なる順序で、あるいは他の動作と同時に生じうるので、本明細書に記載された処理は、これら動作の順序によって限定されないことが理解されるべきである。例えば、当業者であれば、これら方法はその代わりに、例えば状態図におけるように、一連の相互関連する状態またはイベントとして表されうることを認識するだろう。さらに、本明細書で開示された主題とする方法にしたがって方法を実現するために、必ずしも例示された全ての動作が必要とされる訳ではない。
【0055】
当業者であれば、情報および信号は、さまざまな異なる技術および技法のうちの何れかを用いて表されうることを理解するであろう。例えば、上記説明を通じて参照されうるデータ、命令群、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光学場または光学粒子、あるいはこれらの任意の組み合わせによって表現されうる。
【0056】
当業者であればさらに、本明細書で開示された例に関連して記載されたさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズム・ステップが、電子工学ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、あるいはこれらの組み合わせとして実現されることを理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとの相互置換性を明確に説明するために、さまざまな例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能の観点から一般的に記述された。それら機能がハードウェアとしてまたはソフトウェアとして実現されるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられている設計制約に依存する。当業者であれば、特定のアプリケーションおのおのに応じて変化する方法で上述した機能を実現することができる。しかしながら、この適用判断は、本発明の範囲からの逸脱をもたらすものと解釈されるべきではない。
【0057】
本明細書で開示された例に関連して記述されたさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリート・ゲートあるいはトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウェア構成要素、または上述された機能を実現するために設計された上記何れかの組み合わせを用いて実現または実施されうる。汎用プロセッサとしてマイクロプロセッサを用いることが可能であるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ、コントローラ、マイクロ・コントローラ、あるいは順序回路を用いることも可能である。プロセッサは、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1または複数のマイクロプロセッサ、またはその他任意のこのような構成である計算デバイスの組み合わせとして実現することも可能である。
【0058】
本明細書で開示された例に関連して記述された方法やアルゴリズムのステップは、ハードウェアによって直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールによって、または、これらの組み合わせによって具体化される。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュ・メモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハード・ディスク、リムーバブル・ディスク、CD−ROM、あるいは当該技術分野で知られているその他の型式の記憶媒体に収納されうる。典型的な記憶媒体は、この記憶媒体から情報を読み取ったり、この記憶媒体に情報を書き込むことができるプロセッサのようなプロセッサに接続される。あるいは、この記憶媒体は、プロセッサに統合されうる。このプロセッサと記憶媒体とは、ASIC内に存在することができる。ASICは、ユーザ端末内に存在することもできる。あるいはプロセッサと記憶媒体とは、ユーザ端末内のディスクリート部品として存在することができる。
【0059】
開示された例の前述の記載は、いかなる当業者であっても、ここで開示された装置または方法を製造または使用できるように提供される。これら例に対する様々な変形例もまた、当業者に容易に明らかになるだろう。そして、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく他の例にも適用されうる。このように、本開示は、本明細書で示された例に限定されるものではなく、本明細書で開示された原理および新規な特徴に一致した最も広い範囲に相当することが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信デバイスにおいてシンボル・パラメータを更新する方法であって、
予め定めた時間において、サンプル・ストリーム内のシンボルの開始を待つことと、
前記シンボルの開始時において、1または複数のプログラムされた命令群を読み取ることと、
前記1または複数のプログラム可能な命令群に基づいて、シンボル情報を更新し、次のシンボルの開始のための時間を設定することと
を備える方法。
【請求項2】
前記シンボル情報は、FFTにおけるサンプル数、サイクリック・プレフィクス(CP)におけるサンプル数、シンボル・ウィンドウにおけるサンプル数、ガード・インタバルにおけるサンプル数、フレームにおける合計シンボル数、スーパフレームにおける合計シンボル数、のうちの1または複数を含むシンボル特性に関連するシンボル・パラメータを含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シンボル情報は、フレーム内のシンボルのカウント数、スーパフレーム内のフレームのカウント数、スーパフレームのカウント数、のうちの少なくとも1つに関連するシンボル・カウントを含む請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記1または複数のプログラムされた命令群は、専用のマイクロコントローラ・ハードウェアによって実行可能な命令語である請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記1または複数のプログラムされた命令群は、おのおののシンボルのために、デジタル信号プロセッサによって、命令メモリ内にプログラムされることが可能である請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記1または複数のプログラムされた命令群は、特定の直交周波数分割多重化(OFDM)技術および特定の動作モードのうちの少なくとも1つに関連している請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記特定のOFDM技術は、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)技術、ロング・ターム・イボリューション(LTE)技術、およびWiMax技術を含む請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記特定の動作モードは、時分割デュプレクスおよび周波数分割デュプレクスを含む請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記更新されたシンボル情報に基づいて、前記通信デバイスによる送信のためのシンボルを生成することをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記更新されたシンボル情報に基づいて、前記サンプル・ストリームから、前記通信デバイスによって受信されたシンボルを抽出することをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項11】
通信デバイスにおいてシンボル情報を更新する装置であって、
予め定めた時間において、サンプル・ストリーム内のシンボルの開始を待ち、
前記シンボルの開始時において、1または複数のプログラムされた命令群を、命令メモリから読み取り、
前記1または複数のプログラム可能な命令群に基づいて、シンボル情報を更新し、次のシンボルの開始のための時間を設定する
ように構成されたカウント・シーケンサ・モジュールを備える装置。
【請求項12】
前記シンボル情報は、FFTにおけるサンプル数、サイクリック・プレフィクス(CP)におけるサンプル数、シンボル・ウィンドウにおけるサンプル数、ガード・インタバルにおけるサンプル数、フレームにおける合計シンボル数、スーパフレームにおける合計シンボル数、のうちの1または複数を含むシンボル特性に関連するシンボル・パラメータを含む請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記シンボル情報は、フレーム内のシンボルのカウント数、スーパフレーム内のフレームのカウント数、スーパフレームのカウント数、のうちの少なくとも1つに関連するシンボル・カウントを含む請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記カウント・シーケンサ・モジュールは、前記1または複数のプログラムされた命令群を実行するように構成されたマイクロコントローラ・ハードウェアを備える請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記1または複数のプログラムされた命令群は、おのおののシンボルのために、デジタル信号プロセッサによって、命令メモリ内にプログラムされることが可能である請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記1または複数のプログラムされた命令群は、特定の直交周波数分割多重化(OFDM)技術および特定の動作モードのうちの少なくとも1つに関連している請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記特定のOFDM技術は、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)技術、ロング・ターム・イボリューション(LTE)技術、およびWiMax技術を含む請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記特定の動作モードは、時分割デュプレクスおよび周波数分割デュプレクスを含む請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記更新されたシンボル情報に基づいて、前記通信デバイスによる送信のためのシンボルを生成するように構成されたシンボル生成モジュールをさらに備える請求項11に記載の装置。
【請求項20】
前記更新されたシンボル情報に基づいて、前記サンプル・ストリームから、前記通信デバイスによって受信されたシンボルを抽出するように構成されたシンボル抽出モジュールをさらに備える請求項11に記載の装置。
【請求項21】
通信デバイスにおいてシンボル情報を更新する装置であって、
予め定めた時間において、サンプル・ストリーム内のシンボルの開始を待つ手段と、
前記シンボルの開始時において、1または複数のプログラムされた命令群を読み取る手段と、
前記1または複数のプログラム可能な命令群に基づいて、シンボル情報を更新し、次のシンボルの開始のための時間を設定する手段と
を備える装置。
【請求項22】
前記シンボル情報は、FFTにおけるサンプル数、サイクリック・プレフィクス(CP)におけるサンプル数、シンボル・ウィンドウにおけるサンプル数、ガード・インタバルにおけるサンプル数、フレームにおける合計シンボル数、スーパフレームにおける合計シンボル数、のうちの1または複数を含むシンボル特性に関連するシンボル・パラメータを含む請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記シンボル情報は、フレーム内のシンボルのカウント数、スーパフレーム内のフレームのカウント数、スーパフレームのカウント数、のうちの少なくとも1つに関連するシンボル・カウントを含む請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記1または複数のプログラムされた命令群は、専用のマイクロコントローラ・ハードウェアによって実行可能な命令語である請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記1または複数のプログラムされた命令群は、おのおののシンボルのために、デジタル信号プロセッサによって、命令メモリ内にプログラムされることが可能である請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記1または複数のプログラムされた命令群は、特定の直交周波数分割多重化(OFDM)技術および特定の動作モードのうちの少なくとも1つに関連している請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記特定のOFDM技術は、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)技術、ロング・ターム・イボリューション(LTE)技術、およびWiMax技術を含む請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記特定の動作モードは、時分割デュプレクスおよび周波数分割デュプレクスを含む請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記更新されたシンボル情報に基づいて、前記通信デバイスによる送信のためのシンボルを生成する手段をさらに備える請求項21に記載の装置。
【請求項30】
前記更新されたシンボル情報に基づいて、前記サンプル・ストリームから、前記通信デバイスによって受信されたシンボルを抽出する手段をさらに備える請求項21に記載の装置。
【請求項31】
コンピュータ読取可能媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品であって、
前記コンピュータ読取可能媒体は、
コンピュータに対して、予め定めた時間において、サンプル・ストリーム内のシンボルの開始を待たせるためのコードと、
コンピュータに対して、前記シンボルの開始時において、1または複数のプログラムされた命令群を読み取らせるためのコードと、
コンピュータに対して、1または複数のプログラム可能な命令群に基づいて、シンボル情報を更新させ、次のシンボルの開始のための時間を設定させるためのコードと
を備えるコンピュータ・プログラム製品。
【請求項32】
前記シンボル情報は、FFTにおけるサンプル数、サイクリック・プレフィクス(CP)におけるサンプル数、シンボル・ウィンドウにおけるサンプル数、ガード・インタバルにおけるサンプル数、フレームにおける合計シンボル数、スーパフレームにおける合計シンボル数、のうちの1または複数を含むシンボル特性に関連するシンボル・パラメータを含む請求項31に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項33】
前記シンボル情報は、フレーム内のシンボルのカウント数、スーパフレーム内のフレームのカウント数、スーパフレームのカウント数、のうちの少なくとも1つに関連するシンボル・カウントを含む請求項31に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項34】
前記1または複数のプログラムされた命令群は、専用のマイクロコントローラ・ハードウェアによって実行可能な命令語である請求項31に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項35】
前記1または複数のプログラムされた命令群は、おのおののシンボルのために、デジタル信号プロセッサによって、命令メモリ内にプログラムされることが可能である請求項31に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項36】
前記1または複数のプログラムされた命令群は、特定の直交周波数分割多重化(OFDM)技術および特定の動作モードのうちの少なくとも1つに関連している請求項31に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項37】
前記特定のOFDM技術は、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)技術、ロング・ターム・イボリューション(LTE)技術、およびWiMax技術を含む請求項36に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項38】
前記特定の動作モードは、時分割デュプレクスおよび周波数分割デュプレクスを含む請求項36に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項39】
コンピュータに対して、前記更新されたシンボル情報に基づいて、前記通信デバイスによる送信のためのシンボルを生成させるためのコードをさらに備える請求項31に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項40】
コンピュータに対して、前記更新されたシンボル情報に基づいて、前記サンプル・ストリームから、前記通信デバイスによって受信されたシンボルを抽出させるためのコードをさらに備える請求項31に記載のコンピュータ・プログラム製品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公表番号】特表2011−522451(P2011−522451A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503050(P2011−503050)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/038468
【国際公開番号】WO2009/123915
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】