説明

シート状スイッチ及び複合スイッチ

【課題】小型化が図れ、表面に触れた指をその表面に沿って移動した際に連続にスムーズに複数のスイッチをオンさせていくことができるシート状スイッチを提供する。
【解決手段】複数のオンオフ接点パターン153,155,157を一列に併設してなる第1回路基板143と、コモン接点パターン151を設けてなる第2回路基板141とを具備し、第1,第2回路基板143,141をフレキシブル回路基板で構成し、第1,第2回路基板143,141を重ね合せることで複数のスイッチ145,147,149を一列に設けてなるシート状スイッチ140とする。隣り合うオンオフ接点パターン153,155間及び155,157間にそれぞれ非接触状態でオーバーラップするオーバーラップ接点パターン154,156を設けることで中間スイッチ146,148を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のスイッチを一列に並べて配置したシート状スイッチ、及びこのシート状スイッチに加えてシート状スイッチの上から押圧することで操作できる押圧スイッチを有してなる複合スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来例えば特許文献1に示すように、表面が平面状であってその表面に触れた指をその表面に沿って平行に移動していくことで一列に配置した複数のスイッチを連続的にオンしていく構造のシート状スイッチがある。特許文献1に示すシート状スイッチは、2枚のフレキシブル回路基板にそれぞれ設けたスイッチ接点を隙間を介して対向させてなるいわゆるメンブレンスイッチを複数一列に並べて配置した構造である。
【0003】
しかしながら特許文献1に示すシート状スイッチは、複数のメンブレンスイッチを1つずつ所定の間隔で直線状に配列する構造であり、1つのスイッチ接点で1つの回路信号を取り出すため、必要な数のスイッチ接点を所定間隔毎に配置する長さが必要であり、スイッチ配列方向の小型化に限界があり、さらなるシート状スイッチの小型化の要望に答えられなかった。また特許文献1のシート状スイッチの場合、その表面に弾性部材(2)を取り付けているので、その厚みも厚くなってしまう。
【0004】
またシート状スイッチの表面に触れた指をその表面に沿って平行に直線方向に移動していくと、瞬間的にどのメンブレンスイッチもオンしない場合が生じてしまうが、何れかのスイッチが常にオンしていることが必要とされる回路にはその利用が制限されてしまう恐れがあった。
【0005】
また例えばデジタルカメラ等の操作スイッチとして、前述のようなシート状スイッチの表面に指を触れることでカメラのズーム操作を行い、さらにシート状スイッチの表面の所定位置を垂直に強く押圧することで別の押圧スイッチをオンしてカメラのシャッターを切る構造のものが要望されていた。特に前記押圧スイッチを二段スイッチとすることで、シート状スイッチの表面の所定位置を垂直に強く押圧することで一段目のスイッチがオンしてピント合わせを行い、さらに強く押し込むことで二段目のスイッチがオンしてシャッターが切れる構造のものが要望されていた。しかしながら特許文献1のシート状スイッチでは、前記押圧スイッチは設置されておらず、また単にこのシート状スイッチの裏面側に従来からある押圧スイッチを設置しただけでは構造が複雑になるばかりか、厚みの厚いものとなり、薄型化・小型化が図れない。
【特許文献1】特開2005−32534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、小型化が図れ、また表面に触れた指をその表面に沿って移動した際に連続にスムーズに複数のスイッチをオンさせていくことができるシート状スイッチを提供することにある。
【0007】
また本発明の目的は、上記シート状スイッチの下部にシート状スイッチの上から押圧することで操作できる押圧スイッチを設置してなる構造であって、その構造が簡単で小型化・薄型化が図れる複合スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願請求項1に記載の発明は、複数のオンオフ接点パターンを一列に併設してなる第1回路基板と、前記複数のオンオフ接点パターンに対向する位置全体に形成されるコモン接点パターンを設けてなる第2回路基板とを具備し、前記第1,第2回路基板の内の少なくとも一方をフレキシブル回路基板で構成し、前記第1,第2回路基板を、前記複数のオンオフ接点パターンとコモン接点パターンとが隙間を介して対向するように重ね合せることで複数のスイッチを一列に設け、前記フレキシブル回路基板で構成した第1又は第2回路基板の表面から各スイッチを押圧することでそのスイッチのオンオフを操作する構造のシート状スイッチにおいて、前記第1回路基板の隣り合うオンオフ接点パターン間に両オンオフ接点パターンからそれぞれ引き出されて非接触状態でオーバーラップするオーバーラップ接点パターンを設けることでオーバーラップ接点パターンとコモン接点パターンとが隙間を介して対向する中間スイッチを設け、前記フレキシブル回路基板で構成した第1又は第2回路基板の表面から各中間スイッチを押圧することでその中間スイッチのオンオフを操作することを特徴とするシート状スイッチにある。ここでオーバーラップとは、隣り合うオンオフ接点パターンから引き出されるオーバーラップ接点パターンが、相互に平面上で非接触で噛み合うことをいうものとする。
【0009】
本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシート状スイッチと、上面に前記シート状スイッチを載置する載置部を有するケースと、ケースの載置部の所定位置に取り付けられてケースに対して上下動する操作体と、前記操作体に設けた押圧部に対向する位置に設置される押圧スイッチとを具備し、前記シート状スイッチの押圧を介して前記押圧スイッチを押圧操作することを特徴とする複合スイッチにある。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、第1回路基板の隣り合うオンオフ接点パターン間にオーバーラップ接点パターンを設けることで中間スイッチを設けたので、隣り合うオンオフ接点パターンがそれぞれ単独でコモン接点パターンと導通するスイッチの間に、隣り合うオンオフ接点パターンの両者とコモン接点パターンとが同時に導通する中間スイッチを切れ目なく設置できる。つまり短い距離の間に多数のスイッチ及び中間スイッチを集約して設置でき、分解能の高い出力信号が得られ、シート状スイッチの長さ寸法を短くでき、シート状スイッチの小型化が図れる。またシート状スイッチの表面を押圧したままスイッチ及び中間スイッチを並べた方向に向けて摺動することで、整列するスイッチ及び中間スイッチが切れ目なく連続してスムーズにオンし続けることになり、シート状スイッチを押圧している位置を切れ目なく検出できる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、複数のスイッチ及び中間スイッチを一列に並べて配置したシート状スイッチの下部に、シート状スイッチの上から押圧することで操作できる押圧スイッチを設置してなる構造の複合スイッチを提供することができる。しかもシート状スイッチを載置するケースに操作体を取り付けて押圧スイッチを操作するように構成したので、構造が簡単で、小型化・薄型化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の1実施形態を用いて構成された複合スイッチ1を上側から見た斜視図、図2は複合スイッチ1を下側から見た斜視図、図3は複合スイッチ1(その上側の部品)を上側から見た分解斜視図、図4は複合スイッチ1(その下側の部品)を上側から見た分解斜視図、図5は複合スイッチ1(その上側の部品)を下側から見た分解斜視図、図6は複合スイッチ1(その下側の部品)を下側から見た分解斜視図である。これらの図に示すように複合スイッチ1は、取付部材(以下「取付板」という)10上に、第2スイッチ板30と、第2操作体50と、第1スイッチ板80と、ケース100と、シート状スイッチ140と、化粧シート160と、外装ケース180とを設置して構成されている。以下各構成部品について説明する。なお以下の説明において、「上」とはケース100からシート状スイッチ140を見る方向を言い、「下」とはその逆方向を言うものとする。
【0013】
取付板10は、硬質の板部材(この実施形態では金属板(具体的にはステンレス板)を用いているが、合成樹脂板等の他の材料を用いても良い)を、略長方形状に形成して構成されており、その所定位置に一対のケース取付穴11と、一対の外装ケース取付孔13とを形成して構成されている。
【0014】
第2スイッチ板30は、略長方形状の可撓性を有するフレキシブル回路基板31のほぼ中央に第2押圧スイッチ33を設置し、また両端近傍の前記取付板10の各ケース取付孔11に対向する位置にそれぞれ取付部挿通孔35を設け、またその外周辺の3箇所にそれぞれ帯状の第1,第2,第3引出部37,39,41を接続して構成されている。第2押圧スイッチ33はフレキシブル回路基板31上に形成した図示しない一対の接点パターン上に弾性板(この実施形態では弾性金属板)を略ドーム形状に形成した反転板33aを設置し、その際一方の接点パターンのみに反転板33aの外周部分を接続し、また反転板33aの中央真下にもう一方の接点パターンを配置し、反転板33aを押圧して反転させた際に反転板33aの中央部分が前記もう一方の接点パターンに当接することで両接点パターン間がオンする構造に構成されている。第1引出部37は複合スイッチ1の電気信号を外部の電気回路に引き出すものであり、第2引出部39は第1スイッチ板80と接続するものであり、第3引出部41はシート状スイッチ140(下記する第1回路基板143)と接続するものである。第2引出部39にはさらにその側部に接続されてシート状スイッチ140(下記する第2回路基板141)と接続される帯状の第4引出部45が接続されている。
【0015】
第2操作体50は合成樹脂を略矩形状に成形してなる一体成形品であり、この実施形態ではABS樹脂(他の各種合成樹脂であってもよい)を用いている。第2操作体50は略平板矩形状の載置兼駆動部51と矩形状の取付部53とを、一対の並列に設置した薄板帯状の可撓性連結アーム55によって連結して構成されている。載置兼駆動部51の下面のほぼ中央には小突起からなる押圧部57が設けられており、また取付部53には上下に貫通する一対の取付孔57が設けられている。取付部53下面の両取付孔57の周囲の部分には凹部59が設けられている。第2操作体50を構成する載置兼駆動部51と取付部53と可撓性連結アーム55の各上面は同一面(平面)となっている。
【0016】
第1スイッチ板80はフレキシブル回路基板81を前記第2操作体50の外形形状とほぼ同一外形寸法形状の矩形状に形成し、そのほぼ中央に第1押圧スイッチ83を設け、またその一端近傍の前記第2操作体50の一対の取付孔57に対向する位置に一対の挿通孔85を設け、さらにその外周辺に帯状の前記第2引出部39を接続して構成されている。第1押圧スイッチ83は前記第2押圧スイッチ33と同様に、フレキシブル回路基板81上に形成した図示しない一対の接点パターン上に弾性板(この実施形態では弾性金属板)を略ドーム形状に形成した反転板83aを設置し、その際一方の接点パターンのみに反転板83aの外周部分を接続し、また反転板83aの中央真下にもう一方の接点パターンを配置し、反転板83aを押圧して反転させた際に反転板83aの中央部分が前記もう一方の接点パターンに当接することで両接点パターン間がオンする構造に構成されている。
【0017】
ケース100は合成樹脂を略矩形状に成形してなる一体成形品であり、この実施形態ではABS樹脂(他の各種合成樹脂であっても良い)を用いている。ケース100の上面中央部分は全体として上方向に突出してなる載置部101となっている。載置部101は全体として長円形状であってその表面は全体として略平面状になっている。ここで「長円」とは、この明細書においては、半径の等しい二つの円を共通外接線でつないだ形をいうものとする。以下の文章においても同様である。ケース100の載置部101の周囲の上面100aから載置部103の表面103aまでの高さ寸法は、下記する外装ケース180に設けた開口部183の高さ(厚み)寸法よりも若干短い寸法となっている。載置部101は第1,第2,第3載置部101a,101b,101cの3つの部分に分割され、中央の第2載置部101bはその両側の第1,第3載置部101a,101cにそれぞれ可撓性連結アーム105によって連結されている。中央の第2載置部101bは両可撓性連結アーム105の部分が撓むことで、上下動自在に構成される操作体(以下「第1操作体」という)107となっている。即ち第2載置部101bは第1操作体107でもある。第1操作体107(即ち第2載置部101b)は矩形状であり、その下面中央には柱状に突出する押圧部109が設けられている。第1操作体107には真上から見て可撓性連結アーム105が点対称に取り付けられている。両可撓性連結アーム105は帯状の薄板であってその長さを確保するため、載置部101の長手方向に直交する方向に向けて延びていてその両端をそれぞれ反対方向に直角に屈曲して隣り合う載置部の側壁に連結している。各可撓性連結アーム105の上面も載置部101の上面と同一面となって載置部101の一部を構成している。
【0018】
ケース100の下面には前記第2操作体50及び第1スイッチ板80全体を収納する凹状の操作体収納部111が設けられ、その一部は前記第1操作体107が露出する上下に貫通する開口部113となっている。開口部113は第1操作体107及び両可撓性連結アーム105全体に対向する部分全体に矩形状に形成されている。即ち開口部113は第1操作体107が下降した際にその全体が開口部113内(即ち操作体収納部111内)に挿入されるように形成されている。また操作体収納部111内の開口部113に隣接する部分(第3載置部101cの真下の部分)の底面は操作体取付部115となっており、操作体取付部115の面からは2本の柱状の突起からなる取付部117が下方向に向けて突設されている。両取付部117は前記第2操作体50の両取付孔57に挿入できる寸法に形成されている。またケース100の前記操作体取付部115近傍位置の外周側壁下面には、2つの切り欠き状(凹状)の基板ガイド溝118,119が形成されている。基板ガイド溝119はケース100の外周側壁の下面から外側面を介して載置部101cの上面まで至っている。基板ガイド溝118は前記第2スイッチ板30に接続されている第2引出部39を収納ガイドするものであり、基板ガイド溝119は第3,第4引出部41,45を収納ガイドするものである。またケース100下面の前記取付板10の各ケース取付穴11に対向する位置にはそれぞれこれらケース取付穴11に挿入される小突起状の係合取付部121が設けられている。
【0019】
図3、図5に示す131,133,135は両面接着シートであり、それぞれ前記ケース100の第1,第2,第3載置部101a,101b,101cの上面と略同一形状に形成されている。
【0020】
シート状スイッチ140はフレキシブル回路基板からなる2枚の第1,第2回路基板143,141を重ね合せることで3つのスイッチ(構造はメンブレンスイッチ)145,147,149と、各スイッチ145,147,149の間に設けられる中間スイッチ(構造はメンブレンスイッチ)146,148とを直線状に一列に設けて構成されている。シート状スイッチ140は帯状で矩形状であり、前記ケース100の載置部101の上面に略ぴったり載置できる寸法形状に形成されている。3つのスイッチ145,147,149はそれぞれケース100の各載置部101a,101b,101c上に位置するように設けられており、また2つの中間スイッチ146,148はケース100の載置部の一部を構成する可撓性連結アーム105,105上に位置するように設けられている。そして各スイッチ145,147,149及び中間スイッチ146,148はそれぞれの上面を軽く押圧することでスイッチがオンする。上下の第1,第2回路基板143,141の短い側の一辺にはそれぞれ前記第3,第4引出部41,45が接続されている。
【0021】
図8は、前記第2スイッチ板30及び第1スイッチ板80及びシート状スイッチ140を構成する一枚のフレキシブル回路基板200を展開して示す平面図である。同図に示すように第2スイッチ板30を構成するフレキシブル回路基板31と第1スイッチ板80を構成するフレキシブル回路基板81とシート状スイッチ140を構成する第1,第2回路基板143,141は一枚のフレキシブル回路基板200を第2,第3,第4引出部39,41,45によって連結することで構成されている。このフレキシブル回路基板200はポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムを用いて構成されているが、他の各種可撓性のある熱可塑性又は熱硬化性又は光硬化性の合成樹脂フイルム(例えばポリフェニレンスルフイド(PPS)フイルム、ポリイミド(PI)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フイルム、ポリエーテルイミド(PEI)フイルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フイルム、ポリエーテルケトン(PEK)フイルム、ポリカーボネート(PC)フイルム、ポリブチレンナフタレート(PBN)フイルム、ポリブチレンテレフタレート(PBT)フイルム等)で構成しても良い。
【0022】
シート状スイッチ140を構成する両第1,第2回路基板143,141は同一外形形状(長尺矩形状)に形成されており、一方の第2回路基板141の表面にはその略全長に渡って延びるコモン接点パターン151が形成されている。もう一方の第1回路基板143の表面には中央とその両側の3ヶ所に3つのオンオフ接点パターン153,155,157が形成され、またオンオフ接点パターン153とオンオフ接点パターン155の間の位置と、オンオフ接点パターン155とオンオフ接点パターン157の間の位置にそれぞれオーバーラップ接点パターン154,156が形成されている。オンオフ接点パターン153,155,157は何れも略矩形状である。オーバーラップ接点パターン154は隣り合うオンオフ接点パターン153,155間に両オンオフ接点パターン153,155からそれぞれ引き出されて非接触状態でオーバーラップするように、複数の櫛歯状のオーバーラップ接点パターン154a,154bを互い違いに噛み合せて構成されている。同様にオーバーラップ接点パターン156は隣り合うオンオフ接点パターン155,157間に両オンオフ接点パターン155,157からそれぞれ引き出されて非接触状態でオーバーラップするように、複数の櫛歯状のオーバーラップ接点パターン156a,156bを互い違いに噛み合せて構成されている。オーバーラップ接点パターン154aはオンオフ接点パターン153のオンオフ接点パターン155に対向する側の辺からオンオフ接点パターン155側に向けて突出するように複数本形成され、オーバーラップ接点パターン154bはオンオフ接点パターン155のオンオフ接点パターン153に対向する側の辺からオンオフ接点パターン153側に向けて突出するように複数本形成され、オーバーラップ接点パターン156aはオンオフ接点パターン155のオンオフ接点パターン157に対向する側の辺からオンオフ接点パターン157側に向けて突出するように複数本形成され、オーバーラップ接点パターン156bはオンオフ接点パターン157のオンオフ接点パターン155に対向する側の辺からオンオフ接点パターン155側に向けて突出するように複数本形成されている。
【0023】
第2回路基板141のコモン接点パターン151を設けたその周囲の面と、第1回路基板143のオンオフ接点パターン153,155,157及びオーバーラップ接点パターン154,156を設けたその周囲の面には、これらパターン151,153,154,155,156,157よりも厚みの厚い絶縁材からなるスペーサ層159が形成されていて、第1,第2回路基板143,141を重ね合せた際にコモン接点パターン151とオンオフ接点パターン153,155,157及びオーバーラップ接点パターン154,156間に狭い隙間が形成されるようにしてメンブレンタイプの3つのスイッチ145,147,149及び中間スイッチ146,148が形成できるようにしている。なおフレキシブル回路基板200上には図示しない回路パターンが形成されており、前記第1押圧スイッチ83用の接点パターンに接続される回路パターン、第2押圧スイッチ33用の接点パターンに接続される回路パターン、コモン接点パターン151及びオンオフ接点パターン153,155,157に接続される回路パターンが第1引出部37に引き出されている。
【0024】
化粧シート160は可撓性を有する合成樹脂フイルム161の下面に接着層163を接着して構成されている。合成樹脂フイルム161の外形形状は前記ケース100の載置部101の上面の外形形状と略同一形状であり、下記する外装ケース180の開口部183にぴったり挿入される外形形状(長円形状)に形成されている。合成樹脂フイルム161の材質はこの実施形態ではPC又はPETを用いているが、他の各種材料であっても良い。合成樹脂フイルム161には所望の装飾(色彩・模様等)が施されている。
【0025】
外装ケース180は合成樹脂(この例ではABS樹脂を用いているが他の各種合成樹脂を用いても良い)を略長方形状(略長円形状)の板状に成形して構成されており、その下面には前記ケース100を略ぴったり挿入する形状の凹部からなるケース収納部181が設けられている。外装ケース180の中央(ケース収納部181の中央)には上下に貫通して前記ケース100の載置部101を略ぴったり挿入する略長円形状の開口部183が設けられている。外装ケース180下面のケース収納部181の両側の前記取付板10の各外装ケース取付孔13に対向する位置には、それぞれ外装ケース取付孔13に挿入される小突起からなる係合取付部185が設けられている。また外装ケース180下面の前記第2スイッチ板30の第1引出部37に対向する部分には、第1引出部37の厚み分凹んで第1引出部37を収納ガイドする溝状の第1引出部収納部187が設けられている。
【0026】
次に複合スイッチ1の組立方法を説明する。まず第1スイッチ板80を第2操作体50の上面に載置したものを、ケース100の操作体収納部111内に収納する。その際ケース100の一対の取付部117をそれぞれ第1スイッチ板80の一対の挿通孔85と第2操作体50の一対の取付孔57に挿入する。そして両取付部117の先端を第2操作体50の凹部59内において熱かしめし、これによってケース100に第1スイッチ板80と第2操作体50とを取り付け、第1スイッチ板80の第1押圧スイッチ83の反転板83aの上面中央に第1操作体107の押圧部109を当接又は近接させる。このとき第2スイッチ板30及び第1,第2回路基板143,141はケース100の裏面側にある。
【0027】
次に第2引出部39の部分を第1スイッチ板80の根元部分と第2スイッチ板30の根元部分においてそれぞれ逆方向に折り返すことで、第2スイッチ板30をケース100の下面に設置し、その際ケース100の各係合取付部121を第2スイッチ板30の各取付部挿通孔35に挿入する。このとき第2引出部39が折り返されて表裏が逆になることで第2回路基板141が図8に示す状態から逆向きになり同時に第1,第2回路基板141,143がコモン接点パターン151とオンオフ接点パターン153,155,157及びオーバーラップ接点パターン154,156とを対向した状態で重なり合い、シート状スイッチ140が形成される。このときシート状スイッチ140はケース100の基板ガイド溝119の部分から外方に向けて突出している。
【0028】
次に第2スイッチ板30の下側に取付板10を設置し、その際ケース100の各係合取付部121を取付板10の各ケース取付孔11に挿入し、取付板10の下面に突出する各係合取付部121の先端を熱かしめによって固定する。
【0029】
次にケース100の外方に引き出されているシート状スイッチ140を第3,第4引出部41,45の部分を折り返すことでケース100の第1,第2,第3載置部101a,101b,101cの上面に配置し、両面接着シート131,133,135によってシート状スイッチ140を載置部101に貼り付ける(正確には下側の第2回路基板141を貼り付ける)。そしてシート状スイッチ140の上面に化粧シート160を貼り付け(正確には上側の第1回路基板143を貼り付け)、その上に外装ケース180を被せ、そのとき外装ケース180の開口部183内にケース100の突出する載置部101を挿入し、外装ケース180の上面と化粧シート160の上面とが略同一面に位置するようにする。そしてこのとき外装ケース180の各係合取付部185を取付板10の各外装ケース取付孔13に挿入し、取付板10の下面から突出する各係合取付部185の先端を熱かしめによって固定すれば、複合スイッチ1が完成する。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
【0030】
図7は以上のようにして組み立てられた複合スイッチ1の概略側断面図である。同図及び図1,図2において、化粧シート160の上面の所定部分を例えば指で軽く触れて押圧すれば、押圧した真下にある何れかのスイッチ145,147,149または中間スイッチ146,148がオンする。具体的に言えば、例えば第1回路基板143の上面のスイッチ145(または147,149)を設けた部分を押圧すれば、第1回路基板143に設けたオンオフ接点パターン153(または155,157)が下降してコモン接点パターン151に当接し、オンオフ接点パターン153(または155,157)とコモン接点パターン151間のみが導通する。
【0031】
一方例えば第1回路基板143の上面の中間スイッチ146(または148)を設けた部分を押圧すれば、第1回路基板143に設けたオーバーラップ接点パターン154(または156)が下降してコモン接点パターン151に当接し、オーバーラップ接点パターン154(または156)と導通するオンオフ接点パターン153及び155(または155及び157)とコモン接点パターン151間が導通する。
【0032】
この実施形態においては、各オンオフ接点パターン153,155,157とオーバーラップ接点パターン154,156とによって、スイッチ145,147,149及び中間スイッチ146,148が切れ目なく連続して設置されている。つまり化粧シート160の上面に当接した指等をスイッチ145,147,149及び中間スイッチ146,148を並べた方向に向けて摺動することで、コモン接点パターン151に対して(オンオフ接点パターン153がオン)⇔(オンオフ接点パターン153及び155がオン)⇔(オンオフ接点パターン155がオン)⇔(オンオフ接点パターン155及び157がオン)⇔(オンオフ接点パターン157がオン)と、オンを保持したまま遷移する。従って整列するスイッチが連続してオンし続けることになり、化粧シート160(即ちシート状スイッチ140)を押圧している位置を切れ目なく検出できる。また切れ目なくスイッチを整列できるので短い距離の間に多数のスイッチを集約して設置でき、シート状スイッチ140の小型化が図れる。
【0033】
一方中央のスイッチ147上の化粧シート160に軽く触れてこれをオンした状態で、そのままこれを下方向に押圧すると、まず第1操作体107の一対の可撓性連結アーム105が撓むことで第1操作体107全体が平行移動にて下降し、その押圧部109が第1押圧スイッチ83の反転板83aを反転し、クリック感覚を生じながらこれをオンする。さらに化粧シート160を下方向に押圧すると、第2操作体50の可撓性連結アーム55の部分が撓むことで載置兼駆動部51が下降し、その押圧部57が第2押圧スイッチ33を押圧してその反転板33aを反転し、クリック感覚を生じながらこれをオンする。前記中央のスイッチ147上の化粧シート160の押圧を解除していくと、上記とは逆の順番、即ち第2押圧スイッチ33、第1押圧スイッチ83、スイッチ147の順番でオフしていく。即ちケース100と第1操作体107と第2操作体50と第1押圧スイッチ83(第1スイッチ板80)と第2押圧スイッチ33(第2スイッチ板30)とによって二段スイッチ220が構成されている。
【0034】
この複合スイッチ1は、例えば化粧シート160の上面を指等で触れたり摺動したりすることでデジタルスチルカメラ等のズーム機能等を本件シート状スイッチ140にて果たし、化粧シート160の中央において本件二段スイッチ220を利用して化粧シート160を半押し(つまり本件第1押圧スイッチ83をオン)することでまずピントを合せ、さらに化粧シート160を全押し(つまり本件第2押圧スイッチ33をオン)することでシャッターを切る、等の操作用スイッチ等として利用することができる。前記シート状スイッチ140のズーム機能の一例をさらに詳しく説明すると、例えば開放された状態から左右のスイッチ145または149を押圧するとズーム動作が行われ、またスイッチ145からスイッチ149方向またはその逆方向に向けて化粧シート160の表面を擦っていったらズーム倍率が可変する等である。
【0035】
なお上記シート状スイッチ140では第1回路基板143にオンオフ接点パターン153,155,157を設け、第2回路基板141にコモン接点パターン151を設けたが、これとは逆に第1回路基板143にコモン接点パターン、第2回路基板141にオンオフ接点パターンを設けても良い。
【0036】
以上説明したようにシート状スイッチ140は、複数のオンオフ接点パターン153,155,157を一列(線上)に併設してなる第1回路基板143と、複数のオンオフ接点パターン153,155,157に対向する位置全体に形成されるコモン接点パターン151を設けてなる第2回路基板141とを具備し、第1,第2回路基板143,141をフレキシブル回路基板で構成し、第1,第2回路基板143,141を、複数のオンオフ接点パターン153,155,157とコモン接点パターン151とが隙間を介して対向するように重ね合せることで複数のスイッチ145,147,149を一列に設け、フレキシブル回路基板で構成した第1又は第2回路基板143又は141の表面から各スイッチ145,147,149を押圧することでそのスイッチのオンオフを操作する構造であり、さらに第1回路基板143の隣り合うオンオフ接点パターン153,155及び115,157間に両オンオフ接点パターン153,155及び115,157からそれぞれ引き出されて非接触状態でオーバーラップするオーバーラップ接点パターン154,156を設けることでオーバーラップ接点パターン154,156とコモン接点パターン151とが隙間を介して対向する中間スイッチ146,148を設け、フレキシブル回路基板で構成した第1又は第2回路基板143又は141の表面から各中間スイッチ146,148を押圧することでその中間スイッチ146,148のオンオフを操作する構成となっている。
【0037】
これにより隣り合うオンオフ接点パターン153,155,157がそれぞれ単独でコモン接点パターン151と導通するスイッチ145,147,149の間に、隣り合うオンオフ接点パターン153,155又は155,157の両者とコモン接点パターン151とが同時に導通する中間スイッチ146,148を切れ目なく設置できる。つまり短い距離の間に多数のスイッチ145,147,149及び中間スイッチ146,148を集約して設置でき、分解能の高い出力信号が得られるばかりか、このシート状スイッチ140の長さ寸法を短くでき、シート状スイッチ140の小型化が図れる。またシート状スイッチ140の表面を指等で押圧したままスイッチ145,147,149及び中間スイッチ146,148を並べた方向に向けて指等で摺動することで、整列しているスイッチ145,147,149及び中間スイッチ146,148が切れ目なく連続してスムーズにオンし続けることになり、シート状スイッチ140を押圧している位置を切れ目なく検出できる。
【0038】
さらに中間スイッチ146,148を構成する一対のオーバーラップ接点パターン154,156は、互い違いに噛み合うように形成されているので、中間スイッチ146,148を押圧した際にこれを確実にオンできる。
【0039】
一方複合スイッチ1は、上記構造のシート状スイッチ140、及び上面にシート状スイッチ140を載置する載置部101を有するケース100と、ケース100の載置部101の所定位置に取り付けられてケース100に対して上下動する第1操作体(操作体)107と、第1操作体107の下面側に設置されてケース100に対して上下動する第2操作体50と、第2操作体50の上面の第1操作体107に設けた押圧部109に対向する位置に設置される第1押圧スイッチ83と、第2操作体50の下面に設けた押圧部57に対向する位置に設置される第2押圧スイッチ33とを有してなる二段スイッチ220と、を具備し、シート状スイッチ140の押圧を介して二段スイッチ220を押圧操作する構造に構成されている。これによって複数のスイッチ145,147,149及び中間スイッチ146,148を一列に並べて配置したシート状スイッチ140の下部に、シート状スイッチ140の上から押圧することで操作できる第1,第2押圧スイッチ83,33を設置してなる構造の複合スイッチ1を提供することができる。しかもシート状スイッチ140を載置するケース100に第1,第2操作体107,50を取り付けて第1,押圧押圧スイッチ83,33を操作するように構成したので、構造が簡単で、小型化・薄型化が図れる。
【0040】
図9は本発明の他の実施形態にかかるフレキシブル回路基板200−2を展開して示す平面図である。このフレキシブル回路基板200−2において前記図8に示すフレキシブル回路基板200と相違する点は、第1回路基板143上に形成するオンオフ接点パターン153−2,155−2,157−2とオーバーラップ接点パターン154−2,156−2の形状のみである。それ以外の点は前記フレキシブル回路基板200と全く同一なので、フレキシブル回路基板200と同一又は相当部分には同一符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0041】
このフレキシブル回路基板200−2の第1回路基板143の表面にも、中央とその両側の3ヶ所に3つのオンオフ接点パターン153−2,155−2,157−2が形成され、またオンオフ接点パターン153−2とオンオフ接点パターン155−2の間の位置とオンオフ接点パターン155−2とオンオフ接点パターン157−2の間の位置にそれぞれオーバーラップ接点パターン154−2,156−2が形成されている。オンオフ接点パターン153−2,155−2,157−2は何れも略矩形状である。オーバーラップ接点パターン154−2は隣り合うオンオフ接点パターン153−2,155−2間に両オンオフ接点パターン153−2,155−2からそれぞれ引き出されて非接触状態でオーバーラップするように、複数の三角形状(鋸歯形状)のオーバーラップ接点パターン154a−2,154b−2を互い違いに噛み合せて構成されている。同様にオーバーラップ接点パターン156−2は隣り合うオンオフ接点パターン155−2,157−2間に両オンオフ接点パターン155−2,157−2からそれぞれ引き出されて非接触状態でオーバーラップするように、複数の三角形状(鋸歯形状)のオーバーラップ接点パターン156a−2,156b−2を互い違いに噛み合せて構成されている。
【0042】
以上のようにオーバーラップ接点パターン154−2(154a−2,154b−2),156−2(156a−2,156b−2)を三角形状(鋸歯形状)に形成して両者を互い違いに噛み合わせても、前記実施形態で用いた櫛歯形状のオーバーラップ接点パターン154(154a,154b),156(156a,156b)の場合と同様の作用効果が生じる。
【0043】
なおオーバーラップ接点パターン154,156(154−2,156−2)の形状はさらに種々の変形が可能であることは言うまでもなく、要は第1回路基板の隣り合うオンオフ接点パターン間に両オンオフ接点パターンからそれぞれ引き出されて非接触状態でオーバーラップする形状であればどのような形状であっても良い。ここでオーバーラップとは、隣り合うオンオフ接点パターンから引き出されるオーバーラップ接点パターンが、相互に平面上で非接触で噛み合うことをいうものとし、別の言い方をすれば、隣り合う両オンオフ接点パターンからそれぞれ引き出されるオーバーラップ接点パターンの先端同士がそれぞれ相手側の先端位置よりも相手側のオンオフ接点パターンに接近する位置(または相手側の先端位置と同一位置)に達している状態をいうものとする。
【0044】
ところで上記複合スイッチ1では、シート状スイッチ140の下部に設置するスイッチ機構として二段スイッチ220を設置したが、その代りに一段スイッチを設置しても良い。その場合、前記複合スイッチ1に用いた第2操作体50、第1スイッチ板80は不要となり、またケース100に設けた操作体収納部111も不要になり、第1操作体107の押圧部109によって直接第2スイッチ板30に設けた第2押圧スイッチ33を押圧する構成とすれば良い。図10はシート状スイッチ140の下部に設置するスイッチ機構を一段スイッチとする場合に用いるケース300を上側から見た斜視図、図11はケース300を下側から見た斜視図である。
【0045】
これらの図に示すようにケース300は、合成樹脂を略平板状で略矩形状(略長円形状)に成形してなる一体成形品であり、この実施形態ではABS樹脂(他の各種合成樹脂であっても良い)を用いている。ケース300の上面は載置部301となっている。載置部301は全体として長円形状であってその表面は全体として略平面状になっている。載置部301は第1,第2,第3載置部301a,301b,301cの3つの部分に分割され、中央の第2載置部301bはその両側の第1,第3載置部301a,301cにそれぞれ可撓性連結アーム305によって連結されている。中央の第2載置部301bは両可撓性連結アーム305の部分が撓むことで、上下動自在に構成される操作体307となっている。即ち第2載置部301bは操作体307でもある。操作体307(即ち第2載置部301b)は矩形状であり、その下面中央には柱状に突出する押圧部309が設けられている。操作体307には真上から見て可撓性連結アーム305が点対称に取り付けられている。両可撓性連結アーム305は帯状の薄板であってその長さを確保するため、載置部301の長手方向に向かう方向に向けて延びていてその両端をそれぞれ隣り合う載置部の側壁に連結している。ケース300の外周には、複数(4つ)の上下に貫通して他の部材(例えば前記複合スイッチ1の外装ケース180)に取り付けるための取付部311が設けられている。
【0046】
図12はシート状スイッチ140の下部に設置するスイッチ機構を一段スイッチとする場合に用いる他のケース400を上側から見た斜視図、図13はケース400の平面図である。これらの図に示すようにケース400は、合成樹脂を略平板状で略矩形状(略長円形状)に成形してなる一体成形品であり、この実施形態ではABS樹脂(他の各種合成樹脂であっても良い)を用いている。ケース400の上面は載置部401となっている。載置部401は全体として長円形状であってその表面は全体として略平面状になっている。載置部401は第1,第2,第3載置部401a,401b,401cの3つの部分に分割され、中央の第2載置部401bはケース400に4本の可撓性連結アーム405によって連結されている。中央の第2載置部401bは4本の可撓性連結アーム405の部分が撓むことで、上下動自在に構成される操作体407となっている。即ち第2載置部401bは操作体407でもある。操作体407(即ち第2載置部401b)は矩形状であり、その下面中央には柱状に突出する押圧部409が設けられている。可撓性連結アーム405は帯状の薄板である。各可撓性連結アーム405の上面も載置部401の上面と同一面となって載置部401の一部を構成している。ケース400の下面外周の対角位置には、複数(2つ)の下方向に突出して他の部材(例えば前記複合スイッチ1の取付板10)に取り付けるための取付部411(図12には1つのみ示す)が設けられている。
【0047】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記例では第1回路基板143と第2回路基板141をいずれもフレキシブル回路基板によって構成したが、何れか一方は積層板等からなる硬質基板で構成しても良い。要は第1,第2回路基板143,141の内の少なくとも一方をフレキシブル回路基板で構成すれば良い。ただしこの場合はフレキシブル回路基板側から各スイッチ145,147,149及び中間スイッチ146,148を操作し、またシート状スイッチ140の下部に二段スイッチ220を設置しない。また例えば上記第2スイッチ板30を構成するフレキシブル回路基板31や、第1スイッチ板80を構成するフレキシブル回路基板81の代わりに、積層板等からなる硬質の回路基板等を用いても良い。また上記実施形態では第1,第2押圧スイッチ83,33として一対の接点パターン上に反転板83a,33aを設置した構造の押圧スイッチを用いたが、これら第1,第2押圧スイッチ83,33を、シート状スイッチ140の各スイッチ145,147,149のように、2枚のフレキシブル回路基板に設けた接点パターンを隙間を介して対向させてなるメンブレンスイッチで構成しても良い。
【0048】
また上記実施形態ではシート状スイッチ140に設けた中央のスイッチ147の真下に第1,第2押圧スイッチ83,33やこれらをオンオフする第1,第2操作体107,50を配置したが、これらはシート状スイッチ140の左右に偏った位置にあるスイッチ145,149や中間スイッチ146,148の真下に配置しても良い。また上記実施形態ではシート状スイッチ140に設けるスイッチ145,147,149及び中間スイッチ146,148を一列に直線状に並べたが、曲線状に並べても良く、また複数列に配置しても良い。また上記例では第1,第2操作体107,50に設ける押圧部109,57を突部としたが、突部でなく平面の中の一点としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】複合スイッチ1を上側から見た斜視図である。
【図2】複合スイッチ1を下側から見た斜視図である。
【図3】複合スイッチ1(その上側の部品)を上側から見た分解斜視図である。
【図4】複合スイッチ1(その下側の部品)を上側から見た分解斜視図である。
【図5】複合スイッチ1(その上側の部品)を下側から見た分解斜視図である。
【図6】複合スイッチ1(その下側の部品)を下側から見た分解斜視図である。
【図7】複合スイッチ1の概略側断面図である。
【図8】フレキシブル回路基板200の展開平面図である。
【図9】フレキシブル回路基板200−2の展開平面図である。
【図10】ケース300を上側から見た斜視図である。
【図11】ケース300を下側から見た斜視図である。
【図12】ケース400を上側から見た斜視図である。
【図13】ケース400の平面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 複合スイッチ
10 取付板
30 第2スイッチ板
33 第2押圧スイッチ(押圧スイッチ)
50 第2操作体(操作体)
57 押圧部
80 第1スイッチ板
83 第1押圧スイッチ(押圧スイッチ)
100 ケース
101 載置部
107 第1操作体(操作体)
109 押圧部
140 シート状スイッチ
141 第2回路基板
143 第1回路基板
145,147,149 スイッチ
146,148 中間スイッチ
151 コモン接点パターン
153,155,157 オンオフ接点パターン
154,156 オーバーラップ接点パターン
160 化粧シート
180 外装ケース
220 二段スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオンオフ接点パターンを一列に併設してなる第1回路基板と、前記複数のオンオフ接点パターンに対向する位置全体に形成されるコモン接点パターンを設けてなる第2回路基板とを具備し、前記第1,第2回路基板の内の少なくとも一方をフレキシブル回路基板で構成し、前記第1,第2回路基板を、前記複数のオンオフ接点パターンとコモン接点パターンとが隙間を介して対向するように重ね合せることで複数のスイッチを一列に設け、前記フレキシブル回路基板で構成した第1又は第2回路基板の表面から各スイッチを押圧することでそのスイッチのオンオフを操作する構造のシート状スイッチにおいて、
前記第1回路基板の隣り合うオンオフ接点パターン間に両オンオフ接点パターンからそれぞれ引き出されて非接触状態でオーバーラップするオーバーラップ接点パターンを設けることでオーバーラップ接点パターンとコモン接点パターンとが隙間を介して対向する中間スイッチを設け、前記フレキシブル回路基板で構成した第1又は第2回路基板の表面から各中間スイッチを押圧することでその中間スイッチのオンオフを操作することを特徴とするシート状スイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載のシート状スイッチと、
上面に前記シート状スイッチを載置する載置部を有するケースと、ケースの載置部の所定位置に取り付けられてケースに対して上下動する操作体と、前記操作体に設けた押圧部に対向する位置に設置される押圧スイッチとを具備し、前記シート状スイッチの押圧を介して前記押圧スイッチを押圧操作することを特徴とする複合スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−158307(P2009−158307A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335279(P2007−335279)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000215833)帝国通信工業株式会社 (262)
【Fターム(参考)】