説明

シール装置

【課題】互いに相対的に運動可能な2つの構成部分間のシール装置であって、位置不動の転がり軸受軌道輪の環状溝内に位置決めされていて、シールリップ、ひいてはシールの耐用年数を向上させる。
【解決手段】半径方向の第1のシールリップ11及び軸方向の第2のシールリップ12を含んでおり、各シールリップはそれぞれ、シールエッジ14,16でもって間接的若しくは直接的に、回転する1つの機械構成部分に支持されている形式のものにおいて、シールリップのシールエッジにより画定された空室19が、潤滑剤リザーバとして形成され、少なくとも1つのシールエッジが、直接に前記機械構成部分の支持面に対するシールエッジの接触区域22,23の領域に、若しくは接触区域からずらされた領域に潤滑剤リザーバ20,21を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに相対的に運動可能な2つの構成部分間のシール装置に関する。該シール装置においては、弾性的な少なくとも2つのシールリップを有するシールが、シール背部でもって位置不動の転がり軸受軌道輪の環状溝内に位置決めされている。ばね部材によりサポートされる半径方向の第1のシールリップ及び軸方向の第2のシールリップはそれぞれ、少なくとも1つのシールエッジでもって間接的若しくは直接的に、回転する1つの機械構成部分に支持されている。
【背景技術】
【0002】
前記形式のシール装置は、独国特許出願公開第3843337A1号明細書により公知である。該公知のシールの軸方向のシールリップは、組み付け位置で遠心スリーブの接続面に支持されている。軸方向のシールリップの比較的短い長さは、軸方向のシールリップと遠心スリーブの接続面との間の軸方向の大きなオーバーラップ量と相俟って、高い圧着力を発生させ、ひいては不都合な過熱を発生させてしまっている。これにより、機械構成部分の高い回転数の場合に、過熱に起因して摩滅が大きくなり、結果として、シールの機能が損なわれることになる。
【0003】
シールを内燃機関のウオータポンプにおける転がり軸受に使用する場合には、水や水蒸気或いは類似の媒体、例えば冷却液体の浸透を永続的に阻止するためのシール性が要求される。ウオータポンプのための転がり軸受用シールにおいては、液状又はガス状の流体の侵入防止のために、シールの半径方向リップも軸方向リップも、転がり軸受の全耐用年数にわたって常に対向支承面に密着していなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第3843337A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、シールリップ、ひいてはシールの耐用年数を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明によれば、シールリップにより画定されていて潤滑剤で満たされた空室が、潤滑剤リザーバを形成している。該構成の代わりに、若しくは該構成に加えて、1つのシールエッジ若しくは両方のシールエッジが、機械構成部分の支持面に対する該シールエッジの接触区域の領域に、若しくは該接触区域から空室に向けてずらされた領域に潤滑剤リザーバを有している。転がり軸受の作動状態では、本発明に係るシールの潤滑剤リザーバは、シールエッジ領域の十分な潤滑剤供給を行うようになっている。特に、シールエッジ・接触区域に設けられていてグリスポケットとも呼ばれる潤滑剤リザーバは、シールエッジの接触区域と機械構成部分の支持面との間の必要な潤滑剤膜を常に保証していて、シールリップの乾いた状態での摺動並びに不当な温度上昇を防止している。これにより、シールリップの耐摩耗性が向上され、ひいてはシールの機能及び耐用年数が相応に向上されている。
【0007】
本発明の有利な形態が従属請求項2〜15に記載してある。
【0008】
本発明の1つの形態において、潤滑剤リザーバはポケット状の切欠き部として形成されている。このように凹状に形成された潤滑剤リザーバは、有利には、シールリップのシールエッジにおいて全周に分配されて局所的に設けられている。
【0009】
潤滑剤リザーバの形成のために別の形態によれば、隆起部がシールエッジ・接触区域の領域に設けられている。このような構成は、シールリップの線接触を行って、シールエッジと支持面との間に環状間隙を形成しており、該環状間隙は、作動状態では潤滑剤で満たされている。
【0010】
本発明に係るシールの作用効果を向上させるために、有利にはすべてのシールリップのシールエッジが潤滑剤リザーバを有している。
【0011】
本発明に係るシールは種々の組立条件下で有利に用いられるものである。例えば、シールの少なくとも1つのシールリップは、遠心スリーブ若しくは遠心ディスクに支持されており、遠心スリーブ若しくは遠心ディスクは、回転する機械構成部分、特に軸に相対回動不能に結合されている。本発明に係るシールは、組み付けられた状態では有利には遠心スリーブに配設されていて、該遠心スリーブと一緒に、外側の転がり軸受軌道輪と軸との間の環状の領域を効果的に密閉している。遠心スリーブは、回転する軸に固着されていて、シールの軸方向及び/又は半径方向のシールリップのための支持面若しくは接続面を形成している。遠心スリーブの、軸を取り囲む円筒状の区分の外周面は、本発明に係る転がり軸受用シールの半径方向のシールリップのための支持面を形成しており、かつ遠心スリーブの半径方向のブラケット部は、本発明に係る波形リップシールの軸方向のシールリップのための支持面を形成している。
【0012】
本発明の有利な形態によれば、少なくとも1つのシールリップは、潤滑剤リザーバの形成のために、局所的な切欠き部及び/又は環状の切欠き部若しくは環状溝を有している。このために、例えば凹状に形成された切欠き部が設けられている。本発明の別の形態によれば、少なくとも1つのシールリップは、該シールリップから隆起する少なくとも2つの隆起部を有しており、該隆起部間に潤滑剤リザーバが形成されている。このための突起部としては、例えば断面半円形若しくは断面円弧形に形成された隆起部が有利である。
【0013】
更に本発明の別の形態によれば、1つ若しくは両方のシールリップは2つのシールエッジを含んでいる。複数のシールエッジを含むシールリップは、段階的な最適なシール作用を発生させる。このために、シールリップは、その各シールエッジが互いに異なる力で支持されるように形成されている。このような構成により、小さい方の支持力で形成されたシールエッジが、前シールの機能を有していて、該シールエッジ及び支持面により該シールエッジから半径方向内側に画定されるシール領域内への汚れや大きな粒子の入り込みを阻止し、ひいてはシール特性を向上させている。
【0014】
本発明の有利な形態によれば、1つのシールリップが2つのシールエッジを含んでおり、該シールエッジのうちの少なくとも1つが、潤滑剤リザーバを有している。複数のシールエッジを有するシールリップは、最適な階段状の密閉を行うようになっている。別の形態によれば、各シールリップは、シールエッジが互いに異なる力で支持されるように形成されている。このような構成は、小さな支持力で形成されたシールエッジが、シールエッジ及び支持面により画定されたシール領域内への汚れや大きな粒子の入り込みを阻止するためのシール機能を発生させることを可能にしており、これにより密閉性が向上される。
【0015】
潤滑剤リザーバの形成のために、別の形態によれば、シールエッジの接触区域若しくはシールエッジの端面が、ワッフル状に構造化された成形部、つまりワッフル構造部若しくはパターン形成された構造部(パターン形成部)を有している。ワッフル構造部は、有利には局所的に、円弧状にシールエッジの接触区域若しくは表面に設けられ、若しくは表面から突出するように形成されている。このような構成によりシールエッジと機械構成部分の対応する面との間の減少された接触面は、シールリップへの熱導入を減少させるので有利である。構造化されて潤滑剤リザーバを形成するワッフル構造部は、潤滑剤の受容を更に向上させるものである。密閉性の向上のために、ワッフル構造部は、潤滑剤の戻し作用を発生させるような螺旋を描くように形成されている。有利には、シールリップは、シールの回転方向に左右されない組み込みを可能にするために、交互の螺旋で形成されている。このために、例えばシールの対称軸の方向に向けられた矢形構造又は屋根形構造が適しており、このような矢形構造又は屋根形構造は、回転方向に左右されることなく常に潤滑剤の戻し案内を保証している。
【0016】
本発明に係るシールの更に別の形態によれば、規定されたシールリップオーバーラップ量が設けられている。シールリップと協働する構成部分の回転数及び温度に左右されることなしに、十分なオーバーラップを達成するために、少なくとも1つのシールリップのシールエッジは、組み付け位置で、0.05mm〜0.55mmのオーバーラップ量(Z)を伴って、機械構成部分の対応する支持面に支持されている。
【0017】
本発明に係るシールにおいて効果的な密閉を達成するために、ショアA75以下の硬度を有するシール材料が用いられており、該シール材料は、シールリップの高い弾性を保証している。シールのための材料として、特にエラストマー、例えばHNBR、或いはフッ素ゴム、例えばFPM又はFKWが適している。
【0018】
シールリップの耐用年数を向上させるための別の態様によれば、シールリップのシールエッジは、端面に摩擦低減のための被覆、特にPTFE被覆を有している。これに加えて若しくは選択的な態様として、機械構成部分の、少なくともシールリップのシールエッジ若しくは接触区域に対応する領域が、局所的に若しくは部分的に摩擦を低減するように被覆されている。
【0019】
本発明に係るシールの半径方向のシールリップは、有利には外側からばね部材によって取り囲まれている。ばね部材として、所要スペース及び重量の小さいチューブリングから成るチューブばねが用いられており、チューブばねのチューブの直径dは1.1mm以下であり、このような構成により、チューブばねが軸方向のシールリップに影響を及ぼすようなことはない。ばね質量の小さいことに基づき、チューブばねの浮き上がりは発生せず、ひいては軸の外周面からのシールリップの持ち上がりは発生しない。
【0020】
本発明に係るシールは、内燃機関のウオータポンプ用の転がり軸受の密閉のために適している。シールは、転がり軸受の不動に位置決めされた軌道輪の環状溝内に装着されている。半径方向のシールリップはそのシールエッジを介して直接に、回転する軸に支持され、若しくは間接的に、つまり軸に取り付けられた遠心ディスク若しくは遠心スリーブの円筒状の区分に支持されている。シールリップ間に形成され潤滑剤で満たされた空室は、第1の潤滑剤リザーバとして形成されている。これに加えて、両方のシールリップは、機械構成部分の支持面に対するシールエッジの接触区域の領域に、若しくは該接触区域から空室に向けてずらされた領域に第2の潤滑剤リザーバを有している。該潤滑剤リザーバにより、作動状態では転がり軸受のシールエッジ領域の十分な潤滑剤供給が保証されている。
【0021】
本発明に係る波形リップシールは、有利には、内燃機関のウオータポンプ用の転がり軸受に使用するために適している。ウオータポンプ用の転がり軸受に使用するために本発明により形成されたシールは、外側の転がり軸受軌道輪とポンプ軸との間の環状の領域を効果的に密閉するものである。軌道輪の環状溝内に装着された波形リップシールは、1つの半径方向のシールリップのシールエッジでもって、軸の外周面に支持され、若しくは軸上に配置された遠心スリーブの円筒状の区分に支持されている。本発明に係るシールの別の軸方向に向けられたシールリップは、遠心スリーブの半径方向のブラケット部又はフランジに、若しくは軸の支持面にスライド可能に支持されている。
【0022】
次に本発明を図面に示す種々の実施の形態に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る、2つのシールリップを有するシールを組み付け状態で示す図である。
【図2】図1に示すシールの、遠心プレートと関連して示す図である。
【図3a】本発明の第1の実施の形態に係るシールリップ・端部領域の拡大断面図である。
【図3b】本発明の第2の実施の形態に係るシールリップ・端部領域の拡大断面図である。
【図4a】本発明の第3の実施の形態に係るシールリップ・端部領域の拡大断面図である。
【図4b】本発明の第4の実施の形態に係るシールリップ・端部領域の拡大断面図である。
【図5】ワッフル状に形成されたパターンを有する接触領域を含むシールリップ・端部領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明に係るシール1を組み付け状態で示しており、該シールは、外側の転がり軸受軌道輪2と回転する軸3との間の環状間隙の密閉のために設けられている。ウオータポンプのための転がり軸受装置に用いられるシール1は、2つの圧力室、つまり、転動体4の受容のためのオイル室5とウオータ室6とを仕切っており、ウオータ室は、冷却媒体、特に内燃機関の冷却水で負荷されるようになっている。転がり軸受軌道輪2の環状溝7内に弾性的なビード部8及びシール背部でもって位置固定されたシール1は、軸に向けられていて補強材9により補強された半径方向の壁部10を有している。更にシール1は、断面V字形に形成されたシールリップ対を含み、つまり、半径方向に向けられた第1のシールリップ11と軸方向に向けられた第2のシールリップ12とを含んでおり、第2のシールリップ12は、軸3に固定された断面U字形の遠心スリーブ13と協働するようになっている。半径方向のシールリップ11は、シールエッジ14でもって遠心スリーブ13の円筒状の区分15に支持されており、軸方向のシールリップ12はシールエッジ16を介して遠心スリーブ13の半径方向の区分17に支持されている。シールリップ12は、所定のオーバーラップ量Xを伴って半径方向の区分17に支持されている。シールリップ11の支持力は、シールリップ11を外側から取り囲むばね部材18、例えばチューブリングから成るチューブばね若しくはコイルリングから成るリングコイルばねを用いて増大されている。比較的軟らかいシール材料、例えばショアA75以下のエラストマー若しくはHNBRを用いて前述のように形成される構成のシールは、シールリップ11,12若しくはそのシールエッジ14,16と遠心スリーブ13における対応する接触面との間の規定されたオーバーラップ量を可能にするものである。シールリップ11,12のシールエッジ14,16によって画定される空室19は、作動状態では潤滑剤、特に潤滑膜で満たされていて、潤滑剤リザーバを形成している。
【0025】
図2は、シール1及び遠心スリーブ13を示していて、特に、潤滑剤リザーバを形成する空室19の寸法を明確にしている。シールリップ11,12は、シールエッジ14,16の領域に局所的な潤滑剤リザーバ20,21を形成しており、該潤滑剤リザーバを介して、遠心スリーブ13に対する接触区域22,23の領域におけるシールエッジ14,16の意図的な潤滑剤供給が保証されるようになっている。潤滑剤リザーバ20,21は、永続的な潤滑剤膜を形成し、ひいてはシールエッジ14,16の摩擦の小さい支持を達成するものである。追加的な手段として、シールリップ11,12及び/又は遠心スリーブ13の区分15,17は、接触区域22,23の領域に、摩擦低減のための被覆、例えばPTFE被覆を備えていてよい。
【0026】
図3a〜図4bは、シールリップ12の自由な端部に設けられる潤滑剤リザーバの種々の実施の形態を示している。図3aに示す実施の形態によれば、シールエッジ16は、潤滑剤リザーバ24を形成するための鋸歯状に形成された切欠き部を有しており、該切欠き部は、シールリップの全周にわたって配置され若しくは部分的に配置されている。図3bに示す実施の形態に係る潤滑剤リザーバ25は、シールリップ12のシールエッジ領域に断面がほぼ半円形の凹状に成形された切欠き部によって形成されている。図4a及び図4bは、図3a及び図3bとは異なって、凸状に形成された断面を有するシールエッジ16を示しており、遠心スリーブ13の接触区域23に対する環状間隙が形成されている。図4aに示されている潤滑剤リザーバ26は、互いに離間して配置された丸味のある隆起部28間に形成されている。図4bに示されている潤滑剤リザーバ27は、互いに隣接して配列された隆起部29間に形成されている。
【0027】
図5に示されたシールリップ・端部領域は、潤滑剤リザーバの形成のために、ワッフル状に形成されたパターン、つまりワッフル構造部29を含んでいる。このために、シールエッジの接触区域若しくはシールエッジの端面が、幾何学的なパターンを備えており、該パターンは、マイクロパターンとして形成されて、弧を描いて延びる複数の溝からなる微細なパターンの網構造若しくはメッシュ構造を有している。
【符号の説明】
【0028】
1 シール、 2 転がり軸受、 3 軸、 4 転動体、 5 オイル室、 6 ウオータ室、 7 環状溝、 8 ビード部、 10 壁部、 11,12 シールリップ、 13 遠心スリーブ、 14 シールエッジ、 15 区分、 16 シールエッジ、 17 区分、 18 ばね部材、 19 空室、 20,21 潤滑剤リザーバ、 22,23 接触区域、 24〜27 潤滑剤リザーバ、 28 隆起部、 29 ワッフル構造部、 30 シールエッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに相対的に運動可能な2つの構成部分間のシール装置であって、該シール装置のシール(1)が、位置不動の転がり軸受軌道輪(2)の環状溝(7)内に位置決めされていて、弾性的な少なくとも2つのシールリップ(11,12)、つまり、ばね部材(18)によりサポートされる半径方向の第1のシールリップ(11)及び軸方向の第2のシールリップ(12)を含んでおり、該各シールリップはそれぞれ、少なくとも1つのシールエッジ(14,16)でもって間接的若しくは直接的に、回転する1つの機械構成部分に支持されている形式のものにおいて、前記シールリップ(11,12)の前記シールエッジ(14,16)により画定された空室(19)が、潤滑剤リザーバとして形成されており、かつ又は、少なくとも1つの前記シールリップ(11,12)が、直接に前記機械構成部分の支持面に対する該シールエッジ(14,16)の接触区域(22,23)の領域に、若しくは該接触区域からずらされた領域に潤滑剤リザーバ(20,21,24,25,26,27)を有していることを特徴とする、シール装置。
【請求項2】
前記シールリップ(11,12)の前記シールエッジ(14,16)は、前記潤滑剤リザーバ(20,21,24,25)の形成のために、前記接触区域(22,23)から前記空室(19)に向けてずらされた領域にポケット状の切欠き部を含んでいる請求項1に記載のシール装置。
【請求項3】
前記シールエッジ(16)の少なくとも1つの環状の隆起部(28,29)が、前記接触区域(22,23)に対する環状間隙を形成しており、該環状間隙は潤滑剤リザーバ(20,27)として設けられている請求項1又は2に記載のシール装置。
【請求項4】
前記シール(1)のすべての前記シールリップ(11,12)の前記シールエッジ(14,16)は、それぞれ潤滑剤リザーバ(20,21,24,25,26,27)を有している請求項1から3のいずれか1項に記載のシール装置。
【請求項5】
前記シール(1)の少なくとも1つの前記シールリップ(11,12)は、回転する遠心スリーブ(13)若しくは遠心ディスクに支持されており、前記遠心スリーブ若しくは遠心ディスクは、回転する軸(3)に相対回動不能に結合されている請求項1から4のいずれか1項に記載のシール装置。
【請求項6】
少なくとも1つの前記シールリップ(11,12)は、前記潤滑剤リザーバ(24,25,26,27)の形成のために、局所的な切欠き部及び/又は環状の切欠き部若しくは1つ又は複数の隆起部(28)を有している請求項1から5のいずれか1項に記載のシール装置。
【請求項7】
少なくとも1つの前記シールリップ(11,12)は2つのシールエッジ(16,30)を含んでいる請求項1から6のいずれか1項に記載のシール装置。
【請求項8】
前記シールエッジ(16)は、前記潤滑剤リザーバの形成のために、ワッフル状にパターン形成された接触区域(22,23)を有している請求項1から7のいずれか1項に記載のシール装置。
【請求項9】
少なくとも1つの前記シールリップ(11,12)の前記シールエッジ(16)は、0.05mm〜0.55mmのオーバーラップ量(Z)を伴って、前記機械構成部分の対応する支持面に支持されている請求項1から8のいずれか1項に記載のシール装置。
【請求項10】
前記シール(1)のシール材料は、ショアA75以上の硬度を有している請求項1から9のいずれか1項に記載のシール装置。
【請求項11】
前記シール(1)のための材料としてエラストマー若しくはHNBR、或いはフッ素ゴム若しくはFPM又はFKWが設けられている請求項1から10のいずれか1項に記載のシール装置。
【請求項12】
前記軸方向及び/又は半径方向のシールリップ(11,12)の前記シールエッジ(14,16)は、端部に摩擦低減のための被覆、特にPTFE被覆を有している請求項1から11のいずれか1項に記載のシール装置。
【請求項13】
前記軸方向及び/又は半径方向のシールリップ(11,12)は、前記遠心スリーブ(13)の少なくとも局所的若しくは部分的に摩擦低減のための被覆が施された支持面若しくは接触区域(22,23)に支持されている請求項1から12のいずれか1項に記載のシール装置。
【請求項14】
前記半径方向のシールリップ(11)は、ばね部材(18)によって取り巻かれている請求項1から13のいずれか1項に記載のシール装置。
【請求項15】
前記シール(1)は、ウオータポンプ用の転がり軸受のための密閉部として形成されており、前記転がり軸受の環状溝(7)内に装着された前記シール(1)が、前記半径方向のシールリップ(11)でもって、シールエッジ(14)を介して間接的若しくは直接的に軸(3)に支持され若しくは遠心スリーブ(13)の円筒状の区分(15)に支持されており、前記軸方向のシールリップ(12)のシールエッジ(16)が、前記遠心スリーブ(13)の半径方向に向けられたブラケット部(17)に支持されている請求項1から14のいずれか1項に記載のシール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−122723(P2011−122723A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274716(P2010−274716)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(510068035)シェフラー テクノロジーズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (69)
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1−3, D−91074 Herzogenaurach, Germany
【Fターム(参考)】