説明

ジベンゾアゼピンおよびジベンゾオキサゼピン・TRPA1アゴニスト

【化1】


本発明は、TRPA1受容体アゴニスト特性を有する式(I)の新規な三環式化合物、これらの化合物を含んでなる製薬学的組成物、これらの化合物を製造する化学的方法、および薬理学的ツールとして、または刺激原不能化薬(incapacitants)として、または動物、特にヒトにおけるTRPA1受容体の調節に関連した疾病の処置におけるそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TRPA1受容体アゴニスト特性を有する式(I)の新規な三環式化合物、これらの化合物を含んでなる製薬学的組成物、これらの化合物を製造する化学的方法、および薬理学的ツールとして、または刺激原不能化薬(incapacitants)として、または動物、特にヒトにおけるTRPA1受容体の調節に関連した疾病の処置におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
従来はANKTM1と名付けられた一過性受容体電位A1(Transient Receptor Potential A1(TRPA1))受容体は、陽イオン選択性チャンネルの一過性受容体電位(TRP)ファミリーに属し、これは機械的、熱的および疼痛関連の炎症シグナルを変換することが示されている(参照、例えば、非特許文献1;非特許文献2)。
【0003】
TRPA1は、カルシウムおよびナトリウムイオンのような陽イオンの流動を調節することによって膜電位を調節する非選択性カルシウム透過性チャンネルである。イオンチャンネルの誤制御は、しばしば、病理学的症状に関連し、そしてTRPA1を含むイオンチャンネルの1つ以上の機能を調節することができる化合物は、可能性のある治療学的作用物として大きな興味がもたれる。TRPA1受容体のアクチベーターまたはアゴニスト、例えばイソチオシアネート(アリルイソチオシアネート、からしの刺激成分)は、急性疼痛および神経性の炎症を惹起する。(参照、例えば、非特許文献3;非特許文献4)。
【0004】
イオンチャンネルのこのファミリーのその他のメンバーはTRPV1受容体である。この受容体の活性化がその受容体の脱感作と、それによる鎮痛活性を誘導することが示された(参照、非特許文献5)。同様に、TRPA1受容体の調節は、イオン−流動と膜電位のホメオスタシスの改良を誘導することができる。既知のアゴニスト・アリルイソチオシアネートおよびシンナムアルデヒドによるTRPA1受容体の脱感作が例証されている(参照、非特許文献6、非特許文献7)。TRPA1アゴニスト・アリルイソチオシアネートによるマウスの局所的前処置は、耳の腫脹応答における減退によって示されるようなフルオレセインイソチオシアネート(FITC)に対する接触過敏症を減退した(参照、非特許文献8)。また、TRPA1受容体の活性化は、ラットの膀胱(非特許文献6)およびマウスの腸(非特許文献9)の収縮をもたらすことを示した。
【0005】
TRPA1に関連する疾病または症状の症候を予防、処置または軽減することに使用可能であるTRPA1受容体に対するリガンドの同定および開発には興味がもたれる(参照、例えば、特許文献1または特許文献2)。本発明のTRPA1アゴニスト化合物 −アリル−もしくはベンジルイソチオシアネートのようなスクリーニング目的のために使用される現在記述されているアゴニストを凌駕する力価をもつ− は、TRPA1アンタゴニストを同定するためのスクリーニングアッセイにおいて、またはそれらの親和力および力価の決定において作用剤(agent)として使用することができる。アリル−もしくはベンジルイソチオシアネートのような現在使用されるアゴニストを越える増大された力価に加えて、本発明のTRPA1アゴニスト化合物は、アッセイにおいて存在する他の求核性作用物に対するそれらの比較的低い感受性によって得られるシグナルをより安定にさせるので、これらの既知化合物以上に付加された利点を有する。
【0006】
ジベンズ[b,f][1,4]オキサゼピン(ミリタリーコード(military code CR)は、強力な催涙性かつ皮膚刺激特性をもつ既知の騒乱抑制剤である。そ
れは、CN(クロロアセトフェノン)のような若干の他の通常使用される騒乱抑制剤よりもその低い毒性のために騒乱抑制剤として特に興味がもたれる(参照、例えば、非特許文献10;非特許文献11)。CRとは別に、対応するジベンズ[b,e]アゼピン(モルファントリジン(morphanthridine)およびジベンズ[b,f][1,4]チアゼピンもまた、刺激性化合物として記述された(参照、例えば、非特許文献12)。CRの使用の欠点は、水性媒質中でのその安定性による環境における残存である。CRはTRPA1受容体の強力なアクチベーター(pEC50hTRPA1=9.5)であることが示された(内部データ)。アクロレインと同様に、催涙ガスとして使用された既知の環境刺激剤は、TRPA1受容体のアクチベーターであることが示されている(非特許文献4)。
【0007】
本特許請求化合物は、CRと類似する催涙特性と皮膚刺激特性を示し、したがって、催涙ガスまたは騒乱抑制剤における成分として使用することができ、また、刺激剤、刺激性薬剤、撹乱性薬剤および不能化薬剤もしくは短期不能化剤とも呼ばれる。さらに、それらは、比較的可溶性であり、そして水性媒質中では比較的不安定であるので、それらを環境において、より低い持続性にさせるであろう。
【0008】
−R上にCOOR置換基をもつジベンズ[b,f][1,4]オキサゼピンは特許文献3に記述されており、これは、脂質低下活性、血糖低下活性および血小板の凝集抑制活性を有するジベンズオキサゼピン誘導体を開示している。CN,CFおよびNOのような電子求引基を含有するジベンズオキサゼピンおよびモルファントリジンを含む三環式化合物は、殺虫活性を有するとして特許文献4において特許請求された。
【0009】
本特許請求化合物は、予期せぬことに、ヒトTRPA1受容体のアクチベーターであることが示された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO−2007/073505
【特許文献2】WO−2007/098252
【特許文献3】欧州特許第0,040,860−A号
【特許文献4】WO−2004/026030
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Biochimica et Biophysica Acta 1772(2007)989−1003
【非特許文献2】Cell 124(2006)1123−1125
【非特許文献3】PNAS 103(2007)13519−13524
【非特許文献4】Cell 124(2006)1269−1282
【非特許文献5】Bley,K.R.Expert Opin.Investig.Drugs.2004 13(11),1445−1456
【非特許文献6】Andrade,E.L.Biochem.Pharmacol.2006,72,104−114
【非特許文献7】Akopian,A.N.J.Phys.2007,583(Pt1),175−193
【非特許文献8】International Archives of Allergy and Immunology (2007),143(2),144−154
【非特許文献9】European Journal of Pharmacology(2007),576,143−150
【非特許文献10】Blain,P.G.Toxicol.Rev.2003,22,103−110:Tear gasses and Irritant Incapacitants
【非特許文献11】Olajos,E.J.,Salem,H.J.Appl.Toxicol.2001,21,355−391
【非特許文献12】Wardrop,A.W.H.;Sainsbury,G.L.;Harrison,J.M.;Inch,T.D.J.Chem.Soc.Perkin.Trans.I.1976,1279−1285およびこの論文のrefs 1および2
【発明の概要】
【0012】
本発明は、式(I)
【0013】
【化1】

【0014】
[式中、
Aは、CH,CO,またはOであり;
,R,R,R,R,R,RおよびRは、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキルオキシ、COORまたはCONR1011から選ばれ;
,R10およびR11は、各々独立して、水素、C1−6アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−4アルキル、アミノC2−5アルキル、モノ−もしくは(ジC1−4アルキル)アミノC2−6アルキルから選ばれ;そして
ここで、NR1011は、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンまたはC1−4アルキルにより置換されたピペラジンから選ばれる複素環式環を形成してもよく;ただし、R〜Rの少なくとも1つは、COORまたはCONR1011として定義されることが条件であり;そして
基AがOを表す場合には、置換基R〜RはCOORであってはならないことが条件である]
のすべての立体化学的異性形態物を含む新規化合物、またはその製薬学的に許容できる酸付加塩、またはその溶媒和物、またはそのN−オキシドに関する。
【0015】
この条件は、脂質低下活性、血糖低下活性および血小板の凝集抑制活性を有するジベンズオキサゼピン誘導体を開示する欧州特許第0,040,860−A号に記述された化合物を除くことを意図している。
【0016】
前記定義において使用されるように;
− ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードに対する総称であり;
− C1−4アルキルは、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルエチル、2−メチルプロピルなどのような、1〜4個の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖の飽和炭化水素基を定義し;
− C2−5アルキルは、例えば、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルエチル、2−メチルプロピル、2−メチルブチル、ペンチルなどのような、2〜5個の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖の飽和炭化水素基を定義し;
− C1−6アルキルは、C1−4アルキル、および例えば、2−メチルブチル、ペンチル、ヘキシルなどのような5〜6個の炭素原子を有する、より高級なその同族体を含むことを意味し;
− ポリハロC1−4アルキルは、ポリハロ置換C1−4アルキル、特に、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチルなどのような2〜6個のハロゲン原子により置換されたC1−4アルキル(先に定義されたような)として定義され;
− C3−6シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルに対する総称である。
【0017】
先に使用された用語「立体化学的異性形態物」は、式(I)の化合物が保持してもよいすべての可能な異性形態物を定義する。特に記述または指定しなければ、化合物の化学的名称は、すべての可能な立体化学的異性形態物の混合物を指し、該混合物は、基本分子構造物のすべてのジアステレオマーおよび鏡像異性体を含む。より具体的には、立体形成中心は、R−もしくはS−立体配置を有してもよく;二価の環式(部分)飽和基における置換基は、シス−もしくはトランス−配置のいずれを有してもよい。式(I)の化合物の立体化学的異性形態物は、本発明の範囲内に包含されることを明白に意図している。
【0018】
式(I)の化合物およびそれらの製造において使用される中間体の絶対立体化学的配置は、周知の方法、例えば、X線回折を使用して当業者によって容易に決定することができる。
【0019】
さらにまた、若干の式(I)の化合物およびそれらの製造において使用される若干の中間体は多形を表すことがある。本発明が、先に示された症状の処置において有用な特性を保持するいかなる多形形態物をも包含することは理解されねばならない。
【0020】
前述のような製薬学的に許容できる酸付加塩は、式(I)の化合物が形成することができる治療学的に活性のある非毒性の酸付加塩形態物を含むことを意味する。これらの製薬学的に許容できる酸付加塩は、便利には、塩基形態物をそのような適当な酸により処理することによって得ることができる。適当な酸は、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば、塩化水素酸もしくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸および類似の酸のような無機酸;あるいは例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわち、エタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわち、ブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸および類似の酸のような有機酸を含む。
【0021】
反対に、該塩形態物は、適当な塩基により処理することによって遊離の塩基形態物に変換することができる。
【0022】
式(I)の化合物は、非溶媒和および溶媒和形態物の両方において存在することができる。用語「溶媒和物」は、本発明の化合物と1種以上の製薬学的に許容できる溶媒分子、例えば、水もしくはエタノールを含んでなる分子会合物を記述するために本明細書では使用される。用語「水和物」は該溶媒が水である場合に使用される。
【0023】
好ましくは:置換基R〜Rの1つはCOORであり、ここで、RはC1−4アルキルまたはCONHである。
【0024】
より好ましくは:置換基R〜Rの1つはCOORであり、ここで、RはC1−4アルキルまたはCONHであり、そして他のR〜R置換基は水素であり、かつAはCH,COまたはOである。
【0025】
もっとも好ましくは:置換基RはCOORであり、ここで、RはC1−4アルキルまたはCONHであり、そして他の置換基R,R,R,R,R,RおよびRは水素であり、かつAはCHまたはOであるか、あるいは、RはCOORであり、ここで、RはC1−4アルキルであり、そして置換基R,R,R,R,R,RおよびRは水素であり、かつAはCHであるか、あるいはRはCOORであり、ここで、RはC1−4アルキルであり、そして置換基R,R,R,R,R,RおよびRは水素であり、かつAはCHである。
【0026】
一般的合成(合成ルート)
一般構造I(A=O)の(置換)三環式化合物の合成が評論されている(Nagarajan,K.Studies in Organic Chemistry,1979,3,317−340)。
【0027】
同様にして、対応するジベンゾ[b,e]アゼピンが製造できる(参照、例えば、Wardrop,A.J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,1976,1279)。
【0028】
カルボン酸エステルまたはアミド置換基の導入は、所望の化合物のジヒドロ中間体(II)においてもっとも便利であることが見いだされ、続いて所望の化合物(I)へ最終的に酸化された。式(II)の中間体におけるCHNH結合のCH=N結合への酸化は、中間体(II)の適当な溶液(例えば、DMSO中)の空気への長期(数週〜数カ月)曝露によるか、あるいは硫黄の存在下で中間体(II)を加熱するか、あるいは適当な溶媒、例えばキシレンもしくはトルエン中、室温から還流までの範囲の温度で、パラジウム触媒またはその他の酸化剤、例えば酸化マンガン(MnO)により式(II)の中間体を処理することによって達成することができる。
【0029】
【化2】

【0030】
式(I)[式中、R10=R11=水素]の化合物として定義される化合物(I−b)もまた、式(I)[式中、R〜Rの1つ=CN]の化合物として定義される化合物(II−a)の硫酸による処理と、それに続く、化合物(I−b)の合成に関する前記の酸化方法によって得ることができる。中間体(II−c)もまた、(II−b)またはその対応する酸(R9=H)におけるエステル官能基のアミド官能基への転化によって得ることができる。
【0031】
式(II−a)[式中、AはCHである]の化合物として定義される式(II−d)のジヒドロ−ジベンゾ[b,e]アゼピン化合物は、中間体(VI)の硫酸による処理によって製造することができる。中間体(VI)は、中間体(III)とアルデヒド(IV)との縮合と、それに続く、得られた中間体(V)の還元により製造することができる。
【0032】
【化3】

【0033】
式(II−a)[式中、AはOである]の化合物として定義される式(II−e)のジヒドロ−ジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン化合物は、アニリン(VII)と酸塩化物(VIII)または対応する活性化カルボン酸誘導体[式中、X=ハロ]との間のアミド形成から出発して中間体(IX)を生成して製造することができる。中間体(IX)は、中間体(X)に環化されて環化することができ、これが続いて、化合物(II−e)へ還元することができる。
【0034】
【化4】

【0035】
出発材料および中間体のあるものは既知の化合物であり、そして市販品より得ることができ、あるいは当該技術分野において一般に既知の慣用反応操作にしたがって製造されてもよい。
【0036】
先に記述した方法において製造される式(I)の化合物は、鏡像異性体のラセミ混合物の形態で合成されてもよく、これらは、技術上既知の分割操作にしたがって互いに分離することができる。ラセミ形態で得られるそれらの式(I)の化合物は、適当なキラル酸との反応によって対応するジアステレオマー塩形態物に転化されてもよい。該ジアステレオマー塩形態物は、続いて、例えば、選択もしくは分画晶出によって分離され、そして鏡像異性体はアルカリによってそれらから遊離される。式(I)の化合物の鏡像異性形態物を分離する他の方式は、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィーを伴う。該純粋な立体化学的異性形態物もまた、反応が立体化学的に起きるならば、適当な出発材料の対応する純粋な立体化学的異性形態物から得ることができる。特定の立体異性体が所望される場合は、該化合物は好ましくは立体特異的製造方法によって合成される。これらの方法は、有利には、鏡像異性体として純粋な出発材料を使用する。
【0037】
式(I)の化合物、製薬学的に許容できる塩およびその立体異性形態物は、薬理学的実施例において例証されるように一過性受容体電位A1受容体(TRPA1)アゴニスト特性を保持する。薬理学的実施例D.1は、TRPA1アゴニズムを測定する方法論を記述しており、そして結果が表3に列挙される。
【0038】
したがって、本式(I)の化合物は、具体的には、TRPA1受容体、特にTRPA1受容体アゴニスト活性によって媒介される症状または疾病の処置における薬物として有用
である。次に、本化合物は、TRPA1活性、特にTRPA1アゴニスト活性によって媒介される症状または疾病の処置のための薬物の製造のために使用されてもよい。
【0039】
好ましくは、本発明は、また、TRPA1媒介の症状または疾病から選ばれる症状または疾病の処置のための薬物の製造のための式(I)の化合物またはその製薬学的に許容できる塩の使用を提供する。
【0040】
さらに、本発明は、式(I)の化合物またはその製薬学的に許容できる塩の治療学的に有効な量を、そのような処置を必要とする哺乳動物に対して投与することを含む、哺乳動物被験者におけるTRPA1活性によって媒介される症状の処置の方法を提供する。
【0041】
TRPA1媒介の症状または疾病は、例えば、疼痛、慢性疼痛、触覚感受性、かゆみ感受性、皮膚過敏、術後疼痛、がん疼痛、神経障害性疼痛、炎症性疼痛、片頭痛、尿失禁、毛髪成長の抑制または促進、涙液分泌、目の傷害、眼瞼痙攣および肺性過敏である。
【0042】
さらにまた、それらの涙液分泌特性および皮膚刺激特性によって、一般にTRPA1アゴニストおよび特に本発明の化合物は、また、騒乱抑制、動物害虫防除のため、そして自己防御のための作用剤として使用することができる。
【0043】
本明細書で使用されるように、用語「処置すること」および「処置」は、そのような用語が適合する疾病、障害または症状、またはそのような疾病、障害または症状の1種以上の症候の進行を反転、軽減、阻止すること、またはそれらを予防することを含む、治癒的、緩和的および予防的処置を指す。
【0044】
さらに、本発明は、少なくとも1種以上の製薬学的に許容できる担体および式(I)の化合物の治療学的に有効な量を含んでなる製薬学的組成物を提供する。
【0045】
本発明の製薬学的組成物を製造するために、有効成分として塩基または酸付加塩形態物における特定の化合物の有効量が、少なくとも1種の製薬学的に許容できる担体とともに緊密な混合物中に組み合わされるが、この担体は投与のために望ましい調製物の形態により広範な種々の形態をとることができる。これらの製薬学的組成物は、好ましくは、経口投与、直腸投与、経皮投与または非経口注射のために適当な単位剤形において存在するのが望ましい。
【0046】
例えば、経口剤形における組成物の製造では、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤および液剤のような経口液状調製物の場合には、例えば、水、グリコール、油、アルコールなどのような通常の液状製薬学的担体のいかなるものが使用されてもよく;あるいは、散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤の場合には、澱粉、糖、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのような固形製薬学的担体が使用されてもよい。それらの容易な投与のために、錠剤およびカプセル剤はもっとも有利な経口単位剤形を代表し、この場合、固形の製薬学的担体が明らかに用いられる。非経口注射組成物では、製薬学的担体は、有効成分の溶解度を改良するために他の成分が含まれてもよいが、主として滅菌水を含むであろう。注射可能溶液は、例えば、生理食塩溶液、グルコース溶液または両方の混合液を含む製薬学的担体を使用することによって調製することができる。また、注射可能懸濁液は、適当な液状担体、懸濁化剤などを使用することによって調製されてもよい。経皮投与のために適当な組成物では、製薬学的担体は、皮膚に対して有意な悪い作用を惹起しない微量割合の適当な添加物と組み合わされた、浸透増進剤および/または適当な湿潤剤を場合によっては含んでもよい。該添加物は、皮膚に対する有効成分の投与を容易にするため、そして/または所望の組成物を製造するために役立つ目的で選ばれてもよい。これらの局所的組成物は、種々の方法で、例えば、経皮パッチ剤、スポット・オン剤または軟膏剤として投与され
てもよい。式(I)の化合物の付加塩は、対応する塩基形態物を越えるそれらの増大した水溶解度によって、明らかに、水性組成物の製造において一層適当である。
【0047】
投与の容易さおよび用量の均一性のために単位剤形において本発明の製薬学的組成物を調合することは特に有利である。本明細書で使用されるような「単位剤形(dosage
unit form)」は、単位用量として適当な物理的に区別された単位を指し、各々の単位は、要求される製薬学的担体と組み合わされて所望の治療学的効果を生成するよう計算された有効成分の予定量を含有する。そのような単位剤形の例は、錠剤(刻み目を付けたり、剤皮を施した錠剤を含む)、カプセル剤、丸剤、粉末小包剤、ウェファー剤、注射可能溶液もしくは懸濁液、ティースプーン量剤、テーブルスプーン量剤など、およびそれらの分離した集合物である。
【0048】
経口投与では、本発明の製薬学的組成物は、固形剤形、例えば、錠剤(嚥下および咀嚼できる両形態物)、カプセル剤もしくはゲルカップ剤(gelcaps)の形態をとってもよく、これらは、結合剤(例えば、予めゲル化されたトウモロコシ澱粉、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、フィラー(例えば、ラクトース、微結晶セルロース、リン酸カルシウムなど)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカなど)、崩壊剤(例えば、ポテト澱粉、グリコール酸ナトリウム澱粉など)、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)および類似物のような製薬学的に許容できる添加物および担体とともに慣用の手段によって製造される。また、そのような錠剤は、当該技術分野において周知の方法によって被覆されてもよい。
【0049】
経口投与のための液状調製物は、例えば、溶液、シロップまたは懸濁液の形態をとってもよく、あるいはそれらは、使用前に水および/またはその他の適当な液状担体との混合のための乾燥生産物として調合されてもよい。そのような液状調製物は、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたは水素化食用脂)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアラビアゴム)、非水性担体(例えば、アーモンド油、油性エステルまたはエチルアルコール)、甘味剤、着香剤、マスキング剤および保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸)のような他の製薬学的に許容できる添加物とともに、場合によって慣用の手段によって製造されてもよい。
【0050】
本発明の製薬学的組成物において有用な製薬学的に許容できる甘味剤は、好ましくは、少なくとも1種の強力甘味剤、例えば、アスパルテーム、アセスルファームカリウム、シクラミン酸ナトリウム、アリテーム、ジヒドロカルコン甘味剤、モネリン、ステビオサイド、スクラロース(4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース)または、好ましくはサッカリン、サッカリンナトリウムもしくはカルシウム、および場合によっては、少なくとも1種の多量甘味剤、例えば、ソルビトール、マンニトール、フルクトース、スクロース、マルトース、イソマルトース、グルコース、水素化グルコースシロップ、キシリトール、カラメルまたは蜂蜜を含む。強力甘味剤は便利なことには低濃度で使用される。例えば、サッカリンナトリウムの場合には、該濃度は最終調合物の約0.04%〜0.1%(重量/容量)の範囲であってもよい。多量甘味剤は、約10%〜約35%、好ましくは約10%〜15%(重量/容量)の範囲の比較的高濃度で効果的に使用することができる。
【0051】
低用量調合物において苦味成分を遮蔽できる製薬学的に許容できる着香剤は、好ましくは、チェリー、ラズベリー、黒スグリまたはイチゴの香料のような果実香料である。2種の香料の組み合わせ物が非常に良好な結果をもたらすであろう。高用量調合物では、比較的強い製薬学的に許容できる着香剤、例えば、カラメルチョコレート、ミントクール、ファンタジーなどが必要とされてもよい。各着香剤は、約0.05%〜1%(重量/容量)
の範囲の濃度で最終組成物において存在することができる。該強い着香剤の組み合わせ物が有利に使用される。好ましくは、調合物の環境下で味および/または色のいかなる変化または損失も受けない着香剤が使用される。
【0052】
式(I)の化合物は、注射、便利には静脈内、筋肉内または皮下注射による、例えば、ボーラス注射または連続静脈内注入による非経口投与のために調合されてもよい。注射のための調合物は、添加された保存剤を含む、単位剤形において、例えば、アンプル剤または複数用量容器(multi−dose containers)において提供されてもよい。それらは、懸濁液、溶液または油性または水性媒質における乳液のような形態物をとってもよく、そして等張化剤、懸濁化剤、安定化剤および/または分散化剤のような製剤化薬剤を含有してもよい。あるいはまた、有効成分は、使用前に、適当な媒質、例えば、無菌の発熱物質を含まない水と混合するための粉末形態において提供されてもよい。
【0053】
また、式(I)の化合物は、例えば、ココアバターおよび/または他のグリセリドのような慣用の坐剤用基剤を含有する坐剤または滞留浣腸剤のような直腸内組成物において調合されてもよい。
【0054】
TRPA1受容体の媒介に関連する疾病の処置における当業者は、これ以降に提示される試験結果から、式(I)の化合物の治療学的に有効な量を容易に決定することができる。一般に、治療学的有効用量は、投与されるべき患者の体重について、約0.001mg/kg〜約50mg/kg、より好ましくは、約0.01mg/kg〜約10mg/kgであることが考えられる。1日をとおして適当な間隔において2回以上のサブ用量の形態で治療学的に有効な用量を投与することが適当であろう。該サブ用量は、例えば、単位剤形当たり有効成分の約0.1mg〜約1000mg、より好ましくは、約1〜約500mgを各々が含有する単位剤形として調合されてもよい。
【0055】
本明細書で使用されるように、化合物の「治療学的に有効な量」は、個人または動物に投与された場合、個人または動物においてその化合物の十分に高いレベルをもたらして、TRPA1受容体の刺激において識別できる増加または減少を惹起する化合物の量である。
【0056】
正確な用量および投与の頻度は、当業者には周知であるように、使用される式(I)の特定の化合物、処置される特定の症状、処置されている症状の重篤度、特定の患者の年齢、体重および一般的な肉体的状況、ならびに患者がとっているであろう他の薬物により異なる。さらにまた、該「治療学的に有効な量」は、処置される患者の応答に応じて、そして/または本発明の化合物を処方する医者の評価に応じて低下または増加されるであろう。したがって、前述された有効な1日量の範囲は単なるガイドラインに過ぎない。
【0057】
実験の部
「DIPE」はジイソプロピルエーテルと定義され、「DMF」はN,N−ジメチルホルムアミドと定義され、「DMSO」はジメチルスルホキシドと定義され、「DCM」はジクロロメタンと定義され、「EtOAc」は酢酸エチルと定義され、「MeOH」はメタノールと定義され、「EtOH」はエタノールと定義され、そして「THF」はテトラヒドロフランと定義される。
【0058】
高速液体クロマトグラフィー精製法:
−精製法A
生成物は逆相高速液体クロマトグラフィー(Shandon Hyperprep(R)C18 BDS(Base Deactivated Silica)8μm,250g,I.D.5cm)によって精製された。
3種の移動相による勾配が適用された(相A:水中0.25%NHHCO溶液;相B:CHOH;相C:CHCN)。所望の画分が回収され、そして精製された。
【0059】
−精製法B
生成物は逆相高速液体クロマトグラフィー(Shandon Hyperprep(R)C18 BDS(Base Deactivated Silica)8μm,250g,I.D.5cm)によって精製された。
3種の移動相による勾配が適用された(相A:水中0.5%NHOAc溶液の90%+10%のCHCN;相B:CHOH;相C:CHCN)。所望の画分が回収され、そして精製された。
【0060】
−精製法C
生成物は逆相高速液体クロマトグラフィー(Shandon Hyperprep(R)C18 BDS(Base Deactivated Silica)8μm,250g,I.D.5cm)によって精製された。
2種の移動相による勾配が適用された(相A:水中0.25%NHHCO溶液;相B:CHCN)。所望の画分が回収され、そして精製された。
【0061】
A.中間体の合成
例A.1
【0062】
【化5】

【0063】
2−プロパノール(100ml)中2−アミノ−ベンゼンメタノール(0.073mol)および3−ブロモ−ベンズアルデヒド(0.073mol)の混合液を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発した。残渣(20.5g)の一部(3g)をヘキサンから晶出した。沈殿物を濾別し、乾燥して、中間体(1)の1.37gを得た。
【0064】
【化6】

【0065】
窒素雰囲気下での反応。ホウ水素化ナトリウム(0.1172mol)をエタノール(200ml)中中間体(1)(0.0586mol)の混合液に徐々に添加した。反応混合液を撹拌し、そして1時間還流した。混合液を氷水浴上で冷却し、NHCl 20%により反応停止し、そしてCHClで抽出した。有機層を乾燥し、濾過し、そして溶媒を蒸発して、中間体(2)の14.8gを得た。
【0066】
【化7】

【0067】
CHCl(50ml)中中間体(2)(0.180mol)の溶液を、濃HSO(500ml)の冷却(±−10〜−20℃)溶液に1時間かけて添加した。次いで、氷浴を除去し、そして混合液を室温で1時間撹拌した。反応混合液を氷水に添加し、氷上で冷却し、そして50%NaOH水溶液でアルカリ性にした。得られる混合液(±3L)をCHClで抽出した。有機層を分離し、MgSO上で乾燥し、濾過し、そして濾液を真空濃縮した。この残渣の一部(8g)を超臨界液体クロマトグラフィー(SFC,カラム:Diacel AD−H 30x250mm,移動相:55%MeOH/45%CO+0.2%イソプロピルアミン、40℃、100bar)により精製して、中間体(4)(7−ブロモ−異性体)2gおよび中間体(3)(9−ブロモ−異性体)4.65gを得た。
【0068】
【化8】

【0069】
メタノール(100ml)およびTHF(100ml)中中間体(4)(0.008mol)、酢酸カリウム(4g)、Pd(OAC)(0.04g)および1,1’−(1,3−プロパンジイル)ビス[1,1−ジフェニル−ホスフィン(0.16g)の混合液を、圧力反応器に入れ、COガスにより50kg/cmまで加圧した。反応混合液を125℃で16時間加熱し、次いで、冷却し、ジカライト(dicalite)上で濾過し、そして溶媒を蒸発した。残渣をCHClと水の間で分配した。有機層をMgSO上で乾燥し、濾過し、次いで、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶出液:CHCl)により精製した。所望の画分を回収し、そして溶媒を蒸発して、中間体(5)1.86gを得た。
【0070】
段階a),b),c)およびd)において記述したような類似の操作を使用して、中間体(21)を4−ブロモ−ベンズアルデヒドから出発して製造した。
【0071】
【化9】

【0072】
段階d)において記述したような類似の操作を使用して、中間体(23)を中間体(3)と2−プロパノールから出発して製造した。
【0073】
【化10】

【0074】
例A.2
【0075】
【化11】

【0076】
メタノール(150ml)中2−ブロモ−6,11−ジヒドロ−5H−ジベンズ[b,e]アゼピン(0.05mol)、酢酸カリウム(0.1mol)、Pd(OAc)(0.112g)および1,1’−(1,3−プロパンジイル)ビス[1,1−ジフェニル−ホスフィン(0.412g)の混合液を圧力反応器に入れ、COガスにより50kg/cmまで加圧した。反応混合液を150℃で24時間加熱し、次いで冷却し、そして溶媒を蒸発した。残渣をNHOH/HOとCHClの間で分配した。有機層を分離し、乾燥し、濾過し、そして溶媒を蒸発した。残渣をDIPE下で粉砕し、濾別し、そして乾燥(真空、40℃)して、中間体(6)10.5gを得た。
【0077】
【化12】

【0078】
CHCl(乾燥、20ml)中1−メチル−ピペラジン(0.01496mol)の溶液を窒素雰囲気下0℃で撹拌した。ヘキサン中クロロジメチルアルミニウム1M(0.01496mol)を滴下し、得られる混合液を室温に温め、15分間撹拌した。CHCl(乾燥、20ml)中中間体(6)(0.00748mol)の溶液を添加し、そして得られる反応混合液を撹拌し、2日間還流した。次いで、反応混合液を0℃まで冷却し、そして20%NHCl溶液を注意深く添加した。有機層を洗浄し、生成した乳濁液をジカライトをとおして濾過した。有機層を乾燥し、減圧下で蒸発した。残渣をCHCl中に再溶解し、そして3NHClで洗浄した。水層を2回CHClで洗浄し、20%NaOHでアルカリ性にした。この混合液をCHClで抽出した。分離した有機層を乾燥し、濾過し、そして溶媒を真空蒸発させた。残渣をシリカゲルでのHPLC(溶出液:CHCl/CHOH95/5〜90/10)により精製した。所望の画分を回収し、そして溶媒を蒸発して、中間体(7)、融点138.3℃の0.18220gを得た。
【0079】
段階b)において記述したような類似の操作を使用して、中間体(22)を中間体(21)から出発して製造した。
【0080】
【化13】

【0081】
例A.3
【0082】
【化14】

【0083】
DMF(15ml)中中間体(4)(0.0029mol)およびシアン化銅(0.0073mol)の混合液を脱気し、次いで、窒素雰囲気下140℃で3日間振盪した。反応混合液を冷却した。NaOH(200ml,0.2N)を添加した。この混合液を酢酸エチルの100mlで2回抽出した。有機層を分離し、水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥し、濾過し、そして濾液の溶媒を蒸発した。残渣をシリカゲルフィルターで精製した(溶出液:CHCl)。生成画分を回収し、そして溶媒を蒸発して、中間体(8)の0.53gを得た。
【0084】
【化15】

【0085】
トルエン(15ml)中中間体(8)(0.0018mol)および酸化マンガン(0.009mol)の混合液を90℃で4時間撹拌した。反応混合液をジカライト・パッドで濾過し、そしてCHClで洗浄した。有機層を蒸発した。残渣をジエチルエーテルに溶解し、そしてジエチルエーテル中1NHClの2mlを添加した。沈殿物を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空乾燥して、中間体(9)の0.350gを得た。
【0086】
例A.4
【0087】
【化16】

【0088】
4−ブロモ−2−フルオロ−安息香酸(24mmol)および塩化チオニル(20ml)のこの混合液を2時間還流した。反応混合液を真空濃縮し、そしてトルエン(40ml
)とともに2回共蒸発させて、中間体(10)を得た。残渣それ自体を次の段階で使用した。
【0089】
【化17】

【0090】
THF(25ml)中中間体(10)(24mmol)の混合液を、THF(75ml)中2−アミノ−フェノール(24mmol)およびトリエチルアミン(48mmol)の混合液に0℃で滴下した。反応混合液を放置して室温まで温め、そして一夜撹拌し、次いで、水(400ml)中に注入し、そして1NHCl水溶液でpH4〜5まで酸性にした。沈殿物を濾別し、1NHClおよび水で洗浄し、真空乾燥して、中間体(11)の6600mgを得た。
【0091】
【化18】

【0092】
DMF(100ml)中中間体(11)(20.96mmol)および水酸化ナトリウム(20.96mmol)の混合液を5時間還流した。反応混合液を800mlの氷水上に注入し、そして得られる沈殿物を濾別し、1NNaOH水溶液および水で洗浄し、次いで真空乾燥して、中間体(12)の5600mgを得た。
【0093】
【化19】

【0094】
THF(100ml)中中間体(12)(10.7mmol)の懸濁液に、ボラン−硫化ジメチル複合体(1:1)(THF中2M;29.4mmol)を室温で添加した。反応混合液をさらに室温で2日間撹拌した。反応混合液を氷上で冷却し、そして100mlの1NHCl水溶液を添加した。混合液をある程度真空濃縮し、次いで固形NaHCOでアルカリ性(pH約7)にした。水層を200mlCHClで2回抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、そして濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/CHCl70/30〜20/80)により精製した。生成物画分を回収し、そして溶媒を蒸発して、中間体(13)1700mgを得た。
【0095】
【化20】

【0096】
75mlのステンレススチール製オートクレーブに窒素雰囲気下で、中間体(13)(5.94mmol)、Pd(OAc)(10mg)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパン(40mg),酢酸カリウム(1.5g)、メタノール(20ml)およびTHF(20ml)を入れた。オートクレーブを閉じ、そして一酸化炭素により50barまで加圧し、反応を温度125℃で16時間実施した。反応混合液を濾過し、真空濃縮した。残渣をCHClと水の間で分配した。有機層をMgSO上で乾燥し、そして濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶出液:CHCl)により精製して、中間体(14)1380mgを得た。
【0097】
例A.5
【0098】
【化21】

【0099】
3−ブロモ−2−フルオロ−安息香酸(22mmol)および塩化チオニル(20ml)のこの混合液を撹拌し、そして2時間還流した。反応混合液を真空濃縮し、そしてトルエン(40ml)とともに2回共蒸発させ、そして中間体(15)を得て、これをそのまま次の段階で使用した。
【0100】
【化22】

【0101】
THF(25ml)中中間体(15)(22mmol)の混合液を、THF(75ml)中2−アミノ−フェノール(22mmol)およびトリエチルアミン(44mmol)の混合液に0℃で滴下した。反応混合液を放置して室温まで温め、そして一夜撹拌した。反応混合液を水(400ml)中に注入し、そして1NHCl水溶液でpH4〜5まで酸性にした。沈殿物を濾別し、1NHClおよび水で洗浄し、真空乾燥して、中間体(16)の6350mgを得た。
【0102】
【化23】

【0103】
DMF(100ml)中中間体(16)(20.5mmol)および水酸化ナトリウム(粉末にして、20.5mmol)の混合液を撹拌し、そして5時間還流した。反応混合液を800mlの氷水上に注入し、そして得られる沈殿物を濾別し、1N水酸化ナトリウム水溶液および水で洗浄し、次いで真空乾燥して、中間体(17)の5200mgを得た。
【0104】
【化24】

【0105】
ジオキサン(200ml)中中間体(17)(17.9mmol)およびLiAlH(89.6mmol)の混合液を撹拌し、そして5時間還流した。反応混合液を氷上で冷却した。注意深く、3.5mlの水を添加し、3.5mlの15%水酸化ナトリウム水溶液、次いで10.5mlの水を添加した。混合液を室温で一夜撹拌し、濾過し、そして真空濃縮した。残渣をRP HPLC,方法Aにより精製して、中間体(18)750mgを得た。
【0106】
【化25】

【0107】
75mlのステンレススチール製オートクレーブに窒素雰囲気下で、中間体(18)(2.626mmol)、Pd(OAc)(10mg)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパン(40mg)、酢酸カリウム(0.7g)、メタノール(20ml)およびTHF(20ml)を入れた。オートクレーブを閉じ、そして50bar一酸化炭素まで加圧し、反応を温度125℃で16時間実施した。反応混合液を濾過し、真空濃縮した。残渣をCHClと水の間で分配した。有機層をMgSO上で乾燥し、そして濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/CHCl70/30〜0/100)により精製して、中間体(19)550mgを淡黄色オイルとして得た。
【0108】
例A.6
【0109】
【化26】

【0110】
75mlのステンレススチール製オートクレーブに窒素雰囲気下で、中間体(3)(6mmol)、Pd(OAc)(10mg)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(40mg),酢酸カリウム(1.5g)、n−ブタノール(20ml)およびTHF(20ml)を入れた。オートクレーブを閉じ、そして50bar一酸化炭素まで加圧し、反応を温度125℃で16時間実施した。反応混合液を濾過し、真空濃縮した。残渣をCHClと水の間で分配した。分離した有機層をMgSO上で乾燥し、濾過し、そして濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/EtOAc 100/0〜80/20)により精製した。生成物画分を回収し、溶媒を蒸発させて、中間体(20)760mgを得た。
【0111】
例A.7
【0112】
【化27】

【0113】
2−プロパノール(120ml)中2−アミノ−6−ブロモ−ベンゼンメタノール(35mmol)およびベンズアルデヒド(37mmol)の混合液を室温で一夜撹拌した。溶媒を蒸発して、中間体(24)を得た。
【0114】
【化28】

【0115】
窒素雰囲気下での反応。ホウ水素化ナトリウム(70mmol)をエタノール(200ml)中中間体(24)(35mmol)の混合液に徐々に添加した。反応混合液を撹拌し、そして2時間還流した。混合液を氷水浴上で冷却し、NHCl 20%(200ml)、続いて水(200ml)により反応停止した。沈殿物を濾過し、そして乾燥して、中間体(25)の9.2gを得た。
【0116】
【化29】

【0117】
SO溶液(80ml)を氷−塩浴上で−10℃まで冷却した。DCM(60ml)中中間体(25)(31mmol)の溶液を滴下した。氷浴を除去し、そして撹拌を室温で90分間継続した。反応混合液を再び冷却し、そして水酸化カリウム溶液(10M)を注意深く滴下してpHを塩基性にした。沈殿物を濾別し、そしてDCMで洗浄し、そして水性濾液をDCM(2回の300ml)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥(MgSO4))し、そして減圧下で濃縮して、中間体(26)8.4gを得た。
【0118】
【化30】

【0119】
メタノール(20ml)およびTHF(20ml)中、中間体(26)(7.3mmol)、Pd(OAc)(0.15mmol),酢酸カリウム(22mmol)および1,1’−(1,3−プロパンジイル)ビス[1,1−ジフェニル−ホスフィン(0.29mmol)の混合液を、圧力反応器中で、50barCOガスにおいて125℃で16時間反応させた。反応混合液を冷却し、ジカライト上で濾過し、次いで真空濃縮した。残渣をCHClと水の間で分配した。有機層をMgSO上で乾燥し、濾過し、次いで、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶出液:CHCl)により精製した。所望の画分を回収し、そして溶媒を蒸発して、中間体(27)1.54gを得た。
【0120】
例A.8
【0121】
【化31】

【0122】
1−ブロモ−3−メチル−2−ニトロ−ベンゼン(46.29mmol)、過酸化ジベンゾイル(250mg)、テトラクロロメタン(100ml)および1−ブロモ−2,5−ピロリジンジオン(46.29mmol)を一夜還流した。特級の過酸化ジベンゾイル(250mg)を添加し、そして一夜還流を続けた。反応混合液を真空濃縮し、残留物をEtOAcと水との間で分配した。有機層を水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥し、そして濃縮して、中間体(28)15gを得た。
【0123】
【化32】

【0124】
DMF(200ml)中、中間体(28)(46mmol)および酢酸カリウム(322mmol)を70℃で2時間撹拌した。反応混合液を冷却し、そして氷水上に注入し、300mlのEtOAcで2回抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥し、そして減圧濃縮した。残留物をSiOカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/EtOAc 90/10〜60/40)により精製した。純画分を回収し、そして溶媒を蒸発して、中間体(29)5.9gを得た。
【0125】
【化33】

【0126】
Pt/C 5%(1g)+V(50mg)を窒素流動下のTHF中に懸濁した。4%チオフェン溶液(0.5ml)を添加した。中間体(29)(21.2mmol)を添加した。反応混合液を水素雰囲気下で3当量の水素が吸収されるまで撹拌した。触媒をジカライト上で濾過によって除去した。混合液を濃縮して、中間体(30)5.2gを得て、これをそのまま次の段階で使用した。
【0127】
【化34】

【0128】
DMF(50ml)中、中間体(30)(6.8mmol)、臭化ベンジル(7.4mmol)、ヨウ化ナトリウム(7.4mmol)を、80℃で6時間撹拌した。反応混合液を冷却し、そして水(500ml)を添加した。混合液を250mlのEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥し、そして真空濃縮した。残渣を精製方法Cを用いて精製した。純画分を回収し、溶媒を蒸発して、中間体(31)を得た。
【0129】
【化35】

【0130】
中間体(31)(5.7mmol)、メタノール(20ml)およびメタノール中ナトリウムメチラート(30%、10ml)を、マイクロ波中で160℃20分間加熱した。反応混合液を減圧濃縮し、そして残渣をDCMと水との間に分配した。有機層をMgSO上で乾燥し、減圧濃縮して、中間体(32)1.7gを得て、それ自体を次の段階で使用した。
【0131】
【化36】

【0132】
硫酸(25ml)を氷−塩浴上で−10℃まで冷却した。次いで、DCM(20ml)中中間体(32)(5.8mmol)を滴下した。氷浴を除去し、そして撹拌を室温で1.5時間継続した。反応混合液を再び冷却し、そしてKOH(10M)溶液を注意深く滴下してpHを塩基性にした。生成した塩を濾別し、そしてDCMで洗浄した。水性濾液をDCM(2x300ml)で抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、そして減圧下で濃縮して、中間体(33)1.36gを得た。
【0133】
【化37】

【0134】
75mlのステンレススチール製オートクレーブに窒素雰囲気下で、メタノール(20ml)およびTHF(20ml)中、中間体(33)(3.1mmol)、Pd(OAc)(0.063mmol)、1,3ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンおよび酢酸カリウム(6.3mmol)を入れた。オートクレーブを閉じ、そして50barCOまで加圧し、そして反応を温度125℃で16時間実施した。反応混合液をジカライト上で濾過し、真空濃縮し、そして残渣を飽和NaHCO水溶液とDCMとの間で分配した。有機層をMgSO上で乾燥し、そして濃縮して、中間体(34)545mgを得た。
【0135】
例A.9
【0136】
【化38】

【0137】
イソプロパノール(60ml)中2−アミノ−ベンゼンメタノール(40.6mmol)および3−ブロモ−ベンズアルデヒド(40.6mmol)を室温で一夜撹拌した。反応混合液を真空濃縮し、そして残渣をそれ自体次の段階で使用して、中間体(35)を得た。
【0138】
【化39】

【0139】
窒素雰囲気下で、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(80mmol)をエタノール(120ml)中中間体(35)(40mmol)に滴下した。混合液を1時間還流下で撹拌し、氷浴上で冷却し、そして20%NHCl水溶液により反応停止した。水層をDCM(2x250ml)で抽出した。有機層をMgSO4上で乾燥し、そして真空濃縮して、中間体(36)の11.7gを得た。
【0140】
【化40】

【0141】
硫酸(100ml)を氷−塩浴上で−10℃まで冷却した。次いで、中間体(36)(40mmol)を滴下した。氷浴を除去し、そして室温で1.5時間撹拌を継続した。反応混合液を再び冷却し、そして水酸化カリウム水溶液(10M)を注意深く滴下して、pHを塩基性にした。生成した塩を濾別し、そしてジエチルエーテルで洗浄した。水性濾液を300mlのジエチルエーテルで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して、最初の残渣を得た。抽出前に生成した塩をDCMとともに撹拌し、そして再び濾過した。有機層を乾燥し、減圧下で濃縮し、最初の残渣と合わせた。合わせた残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(combiflash,溶出液ヘプタン/EtOAc 96/4〜70/30)により精製した。純粋画分を回収し、溶媒を蒸発して、中間体(37)5.4gを得た。
【0142】
【化41】

【0143】
75mlのステンレススチール製オートクレーブに窒素雰囲気下で、メタノール(20ml)およびTHF(20ml)中、中間体(37)(7.1mmol)、Pd(OAc)(10mg)、1,3ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパン(40mg)および酢酸カリウム(1.5g)を入れた。オートクレーブを閉じ、そして50barCOまで加圧し、そして反応を温度125℃で16時間実施した。反応混合液を濾過し、真空濃縮した。残渣をDCMと水との間で分配した。有機層をMgSO上で乾燥し、そして濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶出液:DCM)により精製した。純粋画分を回収し、そして溶媒を蒸発して、中間体(38)1.520gを得た。
【0144】
例A.10
【0145】
【化42】

【0146】
イソプロパノール(120ml)中2−アミノ−4−ブロモ−ベンゼンメタノール(37.12mmol)およびベンズアルデヒド(40.83mmol)を室温で一夜撹拌した。反応混合液を1時間80℃まで加熱し(澄明溶液)、次いで、徐々に室温まで冷却した。混合液を真空濃縮し、そしてトルエン(120ml)を添加した。反応混合液をDean−Strak条件下で3時間還流した。反応混合液を減圧下で濃縮し、そして残渣それ自体を次の段階で使用して、中間体(39)を得た。
【0147】
【化43】

【0148】
窒素雰囲気下で、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(74mmol)をエタノール(120ml)中中間体(39)(37mmol)に滴下した。混合液を1時間還流下で撹拌し、氷浴上で冷却し、そして20%NHCl水溶液により反応停止した。水層をDCM(2x250ml)で抽出した。有機層をMgSO4上で乾燥し、そして真空濃縮して、10.8gを得て、これをそのまま次の段階で使用した。
【0149】
【化44】

【0150】
硫酸(100ml)を氷−塩浴上で−10℃まで冷却した。次いで、DCM(30ml)中中間体(40)(37mmol)を滴下した。氷浴を除去し、そして室温で1.5時間撹拌を継続した。反応混合液を再び冷却し、そして水酸化カリウム水溶液(10M)を注意深く滴下して、pHを塩基性にした。この塩混合物に、DCM(500ml)を添加し、そして混合液を室温で1時間撹拌した。塩を濾別し、そしてDCMで洗浄した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルでのカ
ラムクロマトグラフィー(combiflash,溶出液DCM/ヘプタン/EtOAc
10/86/4〜7/63/30)により精製した。純粋画分を回収し、溶媒を蒸発して、白色固体として中間体(41)6.4gを得た。
【0151】
【化45】

【0152】
75mlのステンレススチール製オートクレーブに窒素雰囲気下で、メタノール(20ml)およびTHF(20ml)中、中間体(41)(7.3mmol)、Pd(OAc)(10mg)、1,3ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパン(40mg)、酢酸カリウム(1.5g)を入れた。オートクレーブを閉じ、そして50barCOまで加圧し、そして反応を温度125℃で16時間実施した。反応混合液を濾過し、真空濃縮した。残渣をDCMと水との間で分配した。有機層をMgSO上で乾燥し、そして濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/DCM 50/50〜0/100)により精製した。純粋画分を回収し、そして溶媒を蒸発して、中間体(42)1.1gを得た。
【0153】
例A.11
【0154】
【化46】

【0155】
DMF(15ml)中、中間体(18)(2.7mmol)およびシアン化銅(6.8mmol)を脱気し、次いで、窒素雰囲気下140℃で一夜振盪した。反応混合液を室温まで冷却し、そして水酸化ナトリウム(200ml,0.2N)を添加した。混合液を100mlのEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥し、そして真空濃縮して、中間体(43)255mgを得た。
【0156】
【化47】

【0157】
トルエン(15ml)中中間体(43)(1.125mmol)および酸化マンガン(3.375mmol)を80℃で3時間撹拌した。反応混合液をジカライト・パッドで濾過した、溶出液トルエン、次いでDCM。DCM層を濃縮し、そしてCHClで洗浄した。有機層を蒸発した。残渣を精製方法Cを用いて精製して、中間体(44)90mgを得た。
【0158】
例A.12
【0159】
【化48】

【0160】
THF(25ml)中塩化2−フルオロ−ベンゾイル(15.6mmol)を、THF(75ml)中2−アミノ−6−ブロモ−フェノール(15.6mmol)およびトリエチルアミン(31.1mmol)の混合液に0℃で滴下した。反応混合液を放置して室温まで温め、そして一夜撹拌した。反応混合液を水(400ml)中に注入し、そして1NHCl水溶液でpH4〜5まで酸性にした。水層をDCM200mlで2回抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、そして真空濃縮した。残渣を精製方法Aを用いて精製して、中間体(45)の2.8gを得た。
【0161】
【化49】

【0162】
DMF(60ml)中中間体(45)(8.9mmol)および水酸化ナトリウム(粉末、8.9mmol)を5時間還流した。反応混合液を氷水(800ml)上に注入し、そして得られる沈殿物を濾別し、1NNaOH水溶液および水で洗浄し、次いで真空乾燥して、中間体(46)を得た。
【0163】
【化50】

【0164】
THF(80ml)中中間体(46)(8.445mmol)の懸濁液に、THF中ボラン1M(25.3mmol)を室温で添加した。反応混合液をさらに室温で1週間以上撹拌した。反応混合液を氷上で冷却し、そして100mlの1NHCl水溶液を添加した。混合液をある程度真空濃縮し、次いで固形NaHCOで塩基性(pH約7)にした。水層を150mlDCMで2回抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、そして濃縮した。残渣を精製方法Aを用いて精製して、中間体(47)1.350gを得た。
【0165】
【化51】

【0166】
75mlのステンレススチール製オートクレーブに窒素雰囲気下で、メタノール(20ml)およびTHF(20ml)中、中間体(47)(2.3mmol)、Pd(OAc)(0.046mmol)、1,3ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパン(0.093mmol),酢酸カリウム(6.95mmol)を入れた。オートクレーブを閉じ、そして50barCOまで加圧し、反応を温度125℃で16時間実施した。反応混合液をジカライト上で濾過し、真空濃縮し、そして残渣を飽和NaHCO水溶液とDCMの間で分配した。有機層をMgSO上で乾燥し、そして濃縮して、中間体(48)550mgを得た。
【0167】
例A.13
【0168】
【化52】

【0169】
中間体(47)(2.716mmol)、シアン化銅(6.79mmol)を脱気し、次いで、窒素下140℃で一夜振盪した。反応混合液を室温まで冷却し、そしてNaOH水溶液(200ml,0.2N)を添加した。混合液を100mlのEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥し、そして真空濃縮して、中間体(49)500mgを得て、これを、そのまま次の段階で使用した。
【0170】
【化53】

【0171】
SO(3ml)中中間体(49)(2.25mmol)を室温で一夜撹拌し、次いで、室温でさらに2日間撹拌した。反応混合液を100mlの氷水に注入し、そしてNH3水溶液で塩基性にし、次いで、100mlのDCMで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして濃縮して、中間体(50)の510mgを得た。
【0172】
B.最終化合物の製造
例B.1
【0173】
【化54】

【0174】
メタノール(50ml)およびTHF(50ml)中、中間体(3)(0.010mol)、1,1’−(1,3−プロパンジイル)ビス[1,1−ジフェニル−ホスフィン(
0.08g)、Pd(OAc)(0.02g)およびトリエチルアミン(3g)の混合液を、オートクレーブ中で、CO圧50大気圧下125℃で16時間、次いで150℃で4時間撹拌した。反応混合液を冷却し、そしてジカライト上で濾過した。濾液の溶媒を蒸発させた。残渣を逆相HPLC(方法B)により精製した。所望の画分を回収し、そして溶媒を蒸発して、化合物(1)の380mgを得た。
【0175】
例B.2
【0176】
【化55】

【0177】
トルエン(20ml)中中間体(5)(0.00735mol)および酸化マンガン(0.0367mol)の混合液を90℃で4時間撹拌した。反応混合液をシリカゲル・パッド(溶出液:トルエン、次いでCHCl)で濾過した。(黄色の)CHCl層を濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/EtOAc 100/0〜70/30)により精製した。生成物画分を回収し、そして溶媒を蒸発した。残渣をDIPE下で粉砕し、濾別し、そして乾燥して、化合物(2)1.35gを得た。
【0178】
例B.3
【0179】
【化56】

【0180】
THF(30ml)中中間体(5)(0.001mol)およびLiOH(1N水溶液、10ml)の混合液を室温で2時間撹拌した。反応混合液を50℃で一夜加熱し、次いで室温で週末を超えて静置した。混合液を真空濃縮した。残渣を逆相HPLC(方法A)により精製して、化合物(4)の0.100gを得た。
【0181】
例B.4
【0182】
【化57】

【0183】
CO挿入によるHeck反応。THF(50ml)中、中間体(4)(0.003mo
l)、N−エチル−エタンアミン(1g)、Pd(OAc)(0.010g)および1,1’−(1,3−プロパンジイル)ビス[1,1−ジフェニル−ホスフィン(0.040g)の混合液を、圧力反応器中で、CO圧50大気圧下150℃で16時間、反応させた。反応混合液をジカライトをとおして濾過し、そして濾液を濃縮した。残渣を逆相HPLC(方法A)により精製した。所望の画分を回収し、そして溶媒を蒸発して、化合物(5)の0.006gを得た。
【0184】
例B.5
【0185】
【化58】

【0186】
DMSO(0.49ml)中中間体(7)(1.58mg)の混合液を約6カ月室温で保存して、DMSO中の溶液として化合物(8)の0.71mgを得た。
【0187】
例B.6
【0188】
【化59】

【0189】
中間体(9)および硫酸を温度0〜5℃で2時間撹拌した。混合液を室温で4日間撹拌し続けた。反応混合液を50mlの氷水に注ぎ込み、そして濃NH水溶液で塩基性にした。生成した沈殿物を濾別し、メタノールに溶解し、そして濃縮した。残渣をRP HPLC(方法A)により精製して、化合物(9)を得た。
【0190】
例B.7
【0191】
【化60】

【0192】
トルエン(20ml)中中間体(14)(3.016mmol)および酸化マンガン(9.049mmol)の混合液を80℃で3時間撹拌した。反応混合液をシリカゲル・パッド(溶出液:トルエン、次いでCHCl)で濾過し、そしてシリカゲル・クロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/EtOAc 100/0〜50/50)により精製して、1つの純粋画分を得て、これを真空濃縮後、DIPEから凝固させ、濾別し、そして乾燥して、化合物(10)50mgを得た。
【0193】
例B.8
【0194】
【化61】

【0195】
トルエン(20ml)中中間体(19)(1.998mmol)および酸化マンガン(5.994mmol)の混合液を80℃で3時間撹拌した。反応混合液をジカライト・パッド(溶出液:トルエン、次いでCHCl)で濾過した。(黄色の)CHCl層を濃縮し、そしてシリカゲル・クロマトグラフィー(溶出液:CHCl/CHOH(NH) 100/0〜99/1)により精製した。純画分を回収し、そして溶媒を蒸発して、化合物(11)440mgを得た。
【0196】
例B.9
【0197】
【化62】

【0198】
トルエン(20ml)中中間体(20)(2.404mmol)および酸化マンガン(7.211mmol)の混合液を80℃で3時間撹拌した。反応混合液をジカライト・パッドで濾過(溶出液:トルエン、次いでCHCl)した。CHCl層を濃縮し、そしてシリカゲル・クロマトグラフィー(溶出液:CHCl/CHOH(NH
100/0〜99/1)により精製した。純画分を回収し、そして溶媒を蒸発して、化合物(13)630mgを得た。
【0199】
化合物(13)の一部分(587mg)をジエチルエーテル(12ml)中に溶解し、そしてジエチルエーテル中1mlの2N HClを添加した。得られる粘々した物質をCHCNの1.5mlを添加することによって溶解した。次いで、ジイソプロピルエーテル1.5mlを添加し、この後、生成物を結晶化させた。固体を濾別し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、そして真空乾燥して、化合物(14)616mgを得た。
【0200】
例B.10
【0201】
【化63】

【0202】
DMSO(0.7ml)中中間体(22)(0.00492mmol)の混合液を約6カ月室温で保存して、DMSO中の溶液として化合物(15)の0.45mgを得た。
【0203】
例B.11
【0204】
【化64】

【0205】
トルエン(15ml)中中間体(23)(1.15mmol)および酸化マンガン(3.451mmol)の混合液を80℃で3時間撹拌した。反応混合液をジカライト・パッド(溶出液:トルエン、次いでCHCl)で濾過し、次いで、CHCl層を濃縮し、そしてシリカゲル・クロマトグラフィー(溶出液:CHCl)により精製した。純画分を回収し、そして溶媒を蒸発した。残渣を逆相HPLC(方法A)によりさらに精製して、化合物(16)40mgを得た。
【0206】
例B.12
【0207】
【化65】

【0208】
SO(2ml)中中間体(44)(0.272mmol)の混合液を2日間撹拌した。反応混合液を水(100ml)に注入し、そしてNH水溶液で塩基性にした。この混合液をDCM(200mlで2回)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、そして濃縮して、化合物(21)を得た。
【0209】
表1は上記例の1つにしたがって製造された化合物を列挙する。
【0210】
【表1−1】

【0211】
【表1−2】

【0212】
【表1−3】

【0213】
【表1−4】

【0214】
C.分析の部
C.1.LC−MS 一般操作1
LC測定は、以下の各方法において具体的に述べられるように、二連のポンプ、サンプル・オルガナイザー、カラム・ヒーター(55℃に設定)、ダイオード−アレイ・ディテクター(DAD)およびカラムを含んでなる、Acquity UPLC(Waters)システムを使用して実施された。カラムからの流出はMS分析計に分割された。MS検出器はエレクトロスプレー・イオン化ソースとともに構成された。質量スペクトルは、0.02秒の滞留時間を使用して0.18秒において100から1000までの走査によって得られた。キャピラリーニードル電位は3.5kVであり、そしてソース温度は140℃に維持された。窒素がネブライザーガスとして使用された。データの取得はWaters−Micromass MassLynx−Openlynx data systemにより実施された。
逆相UPLC(超高速(Ultra Performance)液体クロマトグラフィー)は、0.8ml/minの流速によって架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド(BEH)C18カラム(1.7μm、2.1x50mm;Warters Acquity)において実施された。2種の移動相(移動相A:HO/メタノール95/5中0.1%ギ酸;移動相B:メタノール)が使用されて、1.3分で95%Aおよび5%Bから5%Aおよび95%Bまでの勾配条件を作動させ、そして0.2分間維持した。0.5μlの注入量が使用された。コーン電位は正イオン化モードでは10Vおよび負イオン化モードでは20Vであった。
【0215】
C.2.LC−MS 一般操作2
HPLC測定は、以下の各方法において具体的に述べられるように、脱気装置をもつ四連のポンプ、オートサンプラー、カラム・オーブン(特に指示しなければ40℃に設定)、ダイオード−アレイ・ディテクター(DAD)およびカラムを含んでなる、Alliance HT 2790(Waters)システムを使用して実施された。カラムからの流出はMS分析計に分割された。MSディテクターはエレクトロスプレー・イオン化ソースとともに構成された。質量スペクトルは、0.1秒の滞留時間を使用して1秒において100から1000までの走査によって得られた。キャピラリーニードル電位は3kVであり、そしてソース温度は140℃に維持された。窒素がネブライザーガスとして使用された。データの取得はWaters−Micromass MassLynx−Openlynx data systemにより実施された。
カラムヒーターは45℃に設定された。逆相HPLCは、1.6ml/minの流速によってXterra MS C18カラム(3.5μm、4.6x100mm)において実施された。3種の移動相(移動相A:HO/メタノール95/5中0.1%ギ酸;移動相B:アセトニトリル;移動相C:メタノール)が使用されて、7分で100%Aから1%A,49%Bおよび50%Cまでの勾配条件を作動させ、そしてこれらの条件を1分間維持した。10μlの注入量が使用された。コーン電位は正イオン化モードでは10Vで
あった。
【0216】
C.3.融点
多数の化合物について、融点(m.p.)はDSC823e(Mettler−Toledo)によって決定された。融点は温度勾配30℃/分を用いて測定された。報告された値はピーク値である。最高温度は400℃であった。値は、この分析法に共通に関連している実験上の不確定さを含んで得られた。
【0217】
【表2】

【0218】
D.薬理学的実施例
細胞および培養
ヒトTRPA1遺伝子が、pT−REx−Dest30誘導ベクター中にクローン化され、その後、T−RexTM−293細胞(Invitrogen,Merelbeke,Belgiumから購入)に安定にトランスフェクトされた。このテトラサイクリン誘導hTRPA1発現系は、持続したTRPA1発現によって培養細胞におけるCa2+過負荷を防ぐために使用された。hTRPA1/TREx−HEK293細胞(以下の記述ではhTRPA1細胞として言及される)は標準無菌細胞培養条件下で維持された。hTRPA1−HEK細胞の培養培地は,0.5g/l ゲネチシン(Gibco),5mg/l ブラストシジン(Invitrogen),14.6g/l L−グルタミン(200mM;Gibco)、5g/l ペニシリン/ストレプトマイシン(5.10−6IU/l,Gibco),5.5g/l ピルビン酸(Gibco)および10%胎児ウシ血清(Hyclone,Logan UT,USA)を補足された、DMEM(Gibco BRL,Invitrogen,Merelbeke,Belgium)であった。
【0219】
Ca2+蛍光定量法
TRPA1イオン・チャンネルへのアゴニストの結合は、イオン・チャンネルを活性化かつ開放し、これが細胞内Ca2+濃度における確実な増加を惹起する。細胞内Ca2+濃度を検出し、測定するために、細胞はCa2+感受性染料を負荷された。細胞内のCa2+濃度の変化に対応する細胞における蛍光の変化が、FDSS機器(Hamamatsu)により動力学的に追跡することができ、そしてTRPA1イオン・チャンネルへのアゴニズムに関する指標になる。
【0220】
蛍光分析Ca2+測定では、hTRPA1−HEK細胞がHBSS種母培地に再懸濁された:14.6g/l L−グルタミン(200mM;Gibco)、5g/l ペニシリン/ストレプトマイシン(5.10−6IU/l,Gibco),5.5g/l ピルビン酸(Gibco),5mM HEPES(Gibco),5ml インスリン−トランフフェリン−キセレニウム−x(Gibco)および10%胎児ウシ血清(56℃で30分間熱失活された;Hyclone,Logan UT,USA)を補足された、HBSS(CaClおよびMgClを含有)。細胞は、12000細胞/ウェルにおいてポリ−D−リジン被覆された384穴丸底ポリプロピレンプレート(Costar Corning,Data Packaging,Cammbridge MA,USA)に接種された。50ng/ml テトラサイクリンが添加されて、実験前24時間にhTRPA1発現を誘導した。
細胞は、0.7g/l Probenecid(Sigma)を補足されたHBSS種母培地に溶解された5mg/l Fluo4−AM(Molecular Probes,Invitrogen,Merelbeke,Belgium)を負荷され、そして37℃で1時間、続いて20℃で1〜2時間インキュベートされた。蛍光はFDSS 6000画像に基づくプレート・リーダー(Hamamatsu Photonics K.K.,Hamamatsu City,Japan)において測定された。励起波長は488nmであり、発光波長は540nmであった。12秒の調節期間後、化合物が添加され、そしてCa2+シグナルが適用後14分以内に測定された。
【0221】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
Aは、CH,COまたはOであり;
,R,R,R,R,R,RおよびRは、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキルオキシ、COORまたはCONR1011から選ばれ;
ここで、R,R10およびR11は、各々独立して、水素、C1−6アルキル、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−4アルキル、アミノC2−5アルキル、モノ−もしくは(ジC1−4アルキル)アミノC2−6アルキルから選ばれ;そして
ここで、NR1011は、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジンまたはC1−4アルキルにより置換されたピペラジンから選ばれる複素環式環を形成してもよく;ただし、R〜Rの少なくとも1つは、COORまたはCONR1011として定義されることが条件であり;そして
基AがOを表す場合には、置換基R〜RはCOORであってはならないことが条件である]
の、すべての立体化学的異性形態物を含む新規化合物、またはその製薬学的に許容できる酸付加塩、またはその溶媒和物、またはそのN−オキシド。
【請求項2】
置換基R〜Rの1つがCOORであり、ここで、RはC1−4アルキルまたはCONHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
置換基R〜Rの1つがCOORであり、ここで、RはC1−4アルキルまたはCONHであり、そして他のR〜R置換基は水素であり、かつAはCH,COまたはOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
がCOORであり、ここで、RはC1−4アルキルまたはCONHであり、そして置換基R,R,R,R,R,RおよびRは水素であり、かつAはCHまたはOであるか、あるいは、RがCOORであり、ここで、RはC1−4アルキルであり、そして置換基R,R,R,R,R,RおよびRは水素であり、かつAはCHであるか、あるいはRがCOORであり、ここで、RはC1−4アルキルであり、そして置換基R,R,R,R,R,RおよびRは水素であり、かつAはCHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
製薬学的に許容できる担体および請求項1〜4のいずれかに記載の化合物の治療学的に活性な量を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の化合物の治療学的に活性な量が、製薬学的に許容できる担体とともに緊密に混合される、請求項5に記載の製薬学的組成物の製造方法。
【請求項7】
薬物として使用するための請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
TRPA1アンタゴニストを同定するためのスクリーニングアッセイにおける作用剤としての、請求項1に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項9】
催涙ガスまたは不能化薬剤として騒乱抑制のため、動物害虫防除のため、そして自己防御のための作用物としての、請求項1に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項10】
a)置換基R,R,R,R,R,R,R,RおよびAが請求項1において定義される、式(II)の中間化合物が酸化されるか
【化2】

あるいは、b)式(I)の化合物が、技術上既知の変換反応にしたがって互いに転化されるか;または所望ならば、式(I)の化合物が製薬学的に許容できる酸付加塩に転化されるか、または反対に、式(I)の化合物の酸付加塩がアルカリによって遊離塩基形態物に転化され;そして所望ならば、その立体化学的異性形態物を製造する、
式(I)の化合物の製造方法。

【公表番号】特表2011−506289(P2011−506289A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536460(P2010−536460)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066813
【国際公開番号】WO2009/071631
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】