説明

スクリーン印刷機及びスクリーン印刷機におけるマスク設置方法

【課題】マスク支持レールの間隔の調整を行うたびに螺子の着脱を行う必要がなく、マスク設置時の作業性の向上を図ることができるスクリーン印刷機及びスクリーン印刷機におけるマスク設置方法を提供すること目的とする。
【解決手段】基板2を保持する基板保持部24の上方に水平に延びて配置された前後一対のガイド部材31と、これら前後一対のガイド部材31に沿って移動自在に設けられ、互いに平行な姿勢を保持したままその間隔を調整可能な一対のマスク支持レール32と、各マスク支持レール32に設けられ、一対のマスク支持レール32の間隔が調整された状態で、昇降自在に設けられた固定ピン43を上昇位置から下降させてガイド部材31に設けられた固定ピン嵌入孔31bに嵌入させることにより一対のマスク支持レール32をガイド部材31に固定する複数のレール固定装置33を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクを介して基板にペーストを印刷するスクリーン印刷機及びスクリーン印刷機におけるマスク設置方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板保持部に保持した基板に半田ペースト等のペーストの印刷を行うスクリーン印刷機は、基板の電極に応じたパターン孔が形成されたマスクを電極とパターン孔が上下に一致するよう基板に接触させた後、ペーストが供給されたマスク上でスキージを摺動させてペーストを掻き寄せることにより、マスクのパターン孔を介して電極にペーストを転写させるようになっている。
【0003】
このようなスクリーン印刷機では、マスクは基板保持部の上方に設けられたマスクホルダによって水平姿勢に保持される。マスクホルダは、基板保持部の上方に水平に延びて配置されたガイド部材と、ガイド部材に沿って移動自在に設けられ、互いに平行な姿勢を保持したままその間隔を調整可能な一対のマスク支持レールを有して構成され、マスクはガイド部材に固定された一対のマスク支持レールによって対向する両辺部が支持されるようになっている。
【0004】
ここで、マスクは生産対象となる基板の種類によってマスクの大きさが変わる場合には、ガイド部材に沿ってマスク支持レールを移動させてその間隔を変える必要がある。このため従来、マスク支持レールの間隔をマスクの外径寸法に合わせて調整したときに上下に合致する孔をマスク支持レールとガイド部材の双方に設けておき、マスク支持レールの間隔の調整を行なった後、マスク支持レールに設けられた孔とガイド部材に設けられた孔の両孔に固定用の螺子を挿通することによって、マスク支持レールをガイド部材に固定するようにしていた(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−7625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のスクリーン印刷機では、マスク支持レールの間隔の調整を行うたびにマスク支持レールをガイド部材に固定する螺子の着脱が必要となり、作業に時間がかかるうえ、螺子を紛失しないように細心の注意を払う必要があるため、マスク設置時の作業性がよくないという問題点があった。
【0007】
そこで本発明は、マスク支持レールの間隔の調整を行うたびに螺子の着脱を行う必要がなく、マスク設置時の作業性の向上を図ることができるスクリーン印刷機及びスクリーン印刷機におけるマスク設置方法を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のスクリーン印刷機は、基板を保持する基板保持部と、基板保持部の上方に水平に延びて配置されたガイド部材と、ガイド部材に沿って移動自在に設けられ、互いに平行な姿勢を保持したままその間隔を調整可能な一対のマスク支持レールと、各マスク支持レールに設けられ、一対のマスク支持レールの間隔が調整された状態で、昇降自在に設けられたピン状部材を上昇位置から下降させてガイド部材に設けられたピン状部材嵌入孔に嵌入させることにより一対のマスク支持レールをガイド部材に固定する複数のレール固定手段と、ガイド部材に固定された一対のマスク支持レールにより対向する両辺部が支持された状態で、基板保持部に保持された基板と接触されるマスクと、基板と接触されたマスク上を摺動し、マスク上に供給されたペーストをマスク上で掻き寄せることにより、マスクを介して基板にペーストを転写させるスキージとを備えた。
【0009】
請求項2に記載のスクリーン印刷機は、請求項1に記載のスクリーン印刷機であって、手動操作される操作手段と、操作手段の手動操作に応じて各レール固定手段のピン状部材を昇降させるピン状部材昇降機構とを備えた。
【0010】
請求項3に記載のスクリーン印刷機は、請求項2に記載のスクリーン印刷機であって、前記ピン状部材昇降機構は、操作手段の手動操作に応じて前記複数のレール固定手段のうちの少なくとも2つのレール固定手段のピン状部材を同時に昇降させる。
【0011】
請求項4に記載のスクリーン印刷機におけるマスク設置方法は、基板を保持する基板保持部と、基板保持部の上方に水平に延びて配置されたガイド部材と、ガイド部材に沿って移動自在に設けられ、互いに平行な姿勢を保持したままその間隔を調整可能な一対のマスク支持レールと、各マスク支持レールに設けられ、一対のマスク支持レールの間隔が調整された状態で、昇降自在に設けられたピン状部材を上昇位置から下降させてガイド部材に設けられたピン状部材嵌入孔に嵌入させることにより一対のマスク支持レールをガイド部材に固定する複数のレール固定手段と、ガイド部材に固定された一対のマスク支持レールにより対向する両辺部が支持された状態で、基板保持部に保持された基板と接触されるマスクと、基板と接触されたマスク上を摺動し、マスク上に供給されたペーストをマスク上で掻き寄せることにより、マスクを介して基板にペーストを転写させるスキージとを備えたスクリーン印刷機におけるマスク設置方法であって、各レール固定手段が備えるピン状部材を下降位置から上昇させることによりガイド部材に設けられたピン状部材嵌入孔から抜去させてレール固定手段によるマスク支持レールのガイド部材に対する固定を解除する工程と、マスク支持レールのガイド部材に対する固定を解除した後、一対のマスク支持レールをガイド部材に沿って移動させることにより、一対のマスク支持レールの間隔をマスクの外径寸法に応じて調節する工程と、一対のマスク支持レールの間隔をマスクの外径寸法に応じて調節した後、各レール固定手段が備えるピン状部材を上昇位置から下降させることによりガイド部材に設けられたピン状部材嵌入孔に嵌入させて一対のマスク支持レールをガイド部材に固定する工程と、ガイド部材に固定した一対のマスク支持レールにマスクの対向する両辺部を支持させる工程とを含む。
【0012】
請求項5に記載のスクリーン印刷機におけるマスク設置方法は、請求項4に記載のスクリーン印刷機におけるマスク設置方法であって、操作手段の手動操作に応じて各レール固定手段のピン状部材が昇降するようにした。
【0013】
請求項6に記載のスクリーン印刷機におけるマスク設置方法は、請求項5に記載のスクリーン印刷機におけるマスク設置方法であって、操作手段の手動操作に応じて前記複数のレール固定手段のうちの少なくとも2つのレール固定手段のピン状部材を同時に昇降させるようにした。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、一対のマスク支持レールの間隔が調整された状態で、各マスク支持レールに設けられた複数のレール固定手段の各ピン状部材を、ガイド部材に設けられたピン状部材嵌入孔に嵌入させることによってマスク支持レールをガイド部材に固定するようになっているので、従来のようにマスク支持レールの間隔の調整を行うたびに螺子の着脱を行う必要がなく、マスク設置時の作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の平面図
【図2】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の正面図
【図3】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の側面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備えるマスクホルダ及びマスクホルダに設置されたマスクの平面図
【図5】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備えるマスクホルダの斜視図
【図6】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の制御系統を示すブロック図
【図7】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備えるマスク固定シリンダの動作制御系統を示す図
【図8】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が実行するスクリーン印刷作業の手順を示すフローチャート
【図9】(a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備える基板保持移動ユニットの正面図
【図10】(a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備える基板保持移動ユニットの側面図
【図11】(a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備える基板保持移動ユニットの側面図
【図12】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備える基板保持移動ユニットの側面図
【図13】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備える基板保持移動ユニットの側面図
【図14】(a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備えるマスクホルダの斜視図
【図15】(a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備えるマスクホルダの斜視図
【図16】(a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備えるマスクホルダの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1、図2及び図3に示すスクリーン印刷機1は、実装基板生産用の電子部品実装ラインを構成する電子部品実装用装置の一種であり、基板2を搬入してその基板2の表面に設けられた電極3上に半田ペーストや導電性ペースト等のペーストPst(図3参照)を転写するスクリーン印刷を行った後、その基板2を下流側の電子部品実装機(図示せず)等に搬出する動作を連続実行するものである。以下、説明の便宜上、このスクリーン印刷機1における基板2の搬送方向をX軸方向(図1の紙面左右方向)、X軸方向と直交する水平面内方向をY軸方向(図1の紙面上下方向)とし、上下方向をZ軸方向とする。また、Y軸方向をスクリーン印刷機1の前後方向、X軸方向をスクリーン印刷機1の横(左右)方向とする。更に、前後方向のうち、スクリーン印刷機1のオペレータOP(図1)がスクリーン印刷機1に対して作業を行う側(図1の紙面下方)をスクリーン印刷機1の前方、その反対側(図1の紙面上方)をスクリーン印刷機1の後方とする。
【0017】
図1、図2及び図3において、本実施の形態におけるスクリーン印刷機1は、基台11上に設けられた基板保持移動ユニット12、基板保持移動ユニット12の上方に設けられたプレート状のマスク13、前後一対のスキージ14及びカメラユニット15を備えている。
【0018】
図2及び図3において、基板保持移動ユニット12は、水平移動部21、昇降部22、コンベア部23及び基板保持部24から成る。
【0019】
水平移動部21は、Yテーブル駆動モータMyの作動によって基台11に対してY軸方向に移動するYテーブル21a、Xテーブル駆動モータMxの作動によってYテーブル21aに対してX軸方向に移動するXテーブル21b、Xテーブル21bに対してZ軸回りに回転するθテーブル21c、θテーブル21cの上面に固定されたベーステーブル21d及びベーステーブル21dの上面から上方に延びて設けられた複数の昇降テーブルガイド21eから成る。
【0020】
昇降部22は、水平移動部21の複数の昇降テーブルガイド21eにガイドされてベーステーブル21dに対して昇降する昇降テーブル22a及び昇降テーブル22aの上面から上方に延びて設けられた複数の下受けユニット昇降ガイド22bから成る。
【0021】
図3において、コンベア部23は下受けユニット昇降ガイド22bの上端に取り付けられて昇降テーブル22aとともにベーステーブル21dに対して昇降する前後一対のベルトコンベア支持部材23aと、各ベルトコンベア支持部材23aに支持されてX軸方向に進退動作する前後一対のベルトコンベア23bから成っており、これら前後のベルトコンベア23bが同期して作動することにより、基板2のX軸方向への搬送がなされる。
【0022】
図2及び図3において、基板保持部24は、コンベア部23が備える前後のベルトコンベア支持部材23aそれぞれの上部にY軸方向に移動自在に設けられた前後一対のクランプ部材24a(図1も参照)、コンベア部23の下方において、下受けユニット昇降ガイド22bにガイドされて昇降する下受けユニット支持テーブル24b及び下受けユニット支持テーブル24bの上面に設けられた下受けユニット24cから成る。下受けユニット24cは、下受けユニット支持テーブル24bとともに昇降テーブル22aに対して昇降することにより、コンベア部23上の基板2を下方から支持する。前後のクランプ部材24aは、前後のベルトコンベア23bによって両端部が支持され、下受けユニット24cによって下面が支持された基板2のY軸方向の両側部を基板2の外方から挟んでクランプする。
【0023】
図1及び図2において、基板保持移動ユニット12を構成するコンベア部23のX軸方向の両側(基板2の搬送方向の上流側と下流側)の位置には、スクリーン印刷機1の外部(図1及び図2の紙面左側)から投入された基板2を搬送(搬入)してコンベア部23に受け渡す基板搬入コンベア25と、コンベア部23から受け渡された基板2をスクリーン印刷機1の外部(図1及び図2の紙面右側)に搬送(搬出)する基板搬出コンベア26が備えられている。
【0024】
図1及び図2において、基台11上には基板搬入コンベア25及び基板搬出コンベア26をそれぞれY軸方向に跨ぐ一対の門型フレーム28が設けられており、これら一対の門型フレーム28には、マスク13を水平姿勢に保持するマスクホルダ30が取り付けられている。
【0025】
図1及び図4において、マスク13は平面視において矩形の枠状部材から成るマスク枠13wによって四辺が支持されており、マスク枠13wによって囲まれた矩形の領域には、基板2上の複数の電極3に対応した多数のパターン孔13aが設けられている。すなわちマスク13は、基板2の電極3の配置に応じて形成された多数のパターン孔13aを有したものとなっている。
【0026】
図1において、基板2の対角位置には2つ一組の基板側位置決め用マークmkが設けられている。一方、図4において、マスク13には、基板側位置決め用マークmkに対応して配置された2つ一組のマスク側位置決め用マークMKが設けられている。これら基板側位置決め用マークmkとマスク側位置決め用マークMKが上下に合致する状態で基板2をマスク13に接触させると、基板2の電極3とマスク13のパターン孔13aは上下に合致した状態となる。
【0027】
図4及び図5において、マスクホルダ30は、門型フレーム28に両端が取り付けられて基板保持移動ユニット12が備える基板保持部24の上方をX軸方向に(したがって水平に)延びて配置された前後一対のガイド部材31と、Y軸方向に(したがって水平に)延びるとともに前後のガイド部材31に沿ってX軸方向に移動自在に設けられ、互いに平行な姿勢を保持したままその間隔を調整可能な左右一対のマスク支持レール32とを備えている。
【0028】
図4及び図5において、各マスク支持レール32のX軸方向の外側の側面(マスク支持レール32同士が対向する側とは反対側の側面)には、そのマスク支持レール32を両ガイド部材31に固定する前後一対のレール固定装置33(レール固定手段)が設けられている。これら前後一対のレール固定装置33のうち前方に位置するレール固定装置33は前方のガイド部材31の上方に配置されており、前後一対のレール固定装置33のうち後方に位置するレール固定装置33は後方のガイド部材31の上方に配置されている。
【0029】
各レール固定装置33はそれぞれ、ロッド部41aを上方に突没させる固定ピン昇降シリンダ41と、固定ピン昇降シリンダ41のロッド部41aの上端に一端が取り付けられて水平方向(Y軸方向)に延びた平板状部材42と、平板状部材42の他端に上端が取り付けられて下方に延びた固定ピン43(ピン状部材)を有して成り、固定ピン昇降シリンダ41のロッド部41aを昇降させることにより、平板状部材42を介して固定ピン43を上昇位置と下降位置との間で昇降させることができるようになっている(図5中に示す矢印A)。
【0030】
図5において、前後のガイド部材31のそれぞれの上面には、左右一対のマスク支持レール32をその間隔がスクリーン印刷機1によって使用されるマスク13の外径寸法に応じた長さになるように調節したときに(図5中に示す矢印B)、各マスク支持レール32の特定の部分(例えば、マスク支持レール32の外側の側面の下縁部分)が位置することとなる位置にY軸方向に延びたガイド線31aが設けられている。また、各ガイド部材31には、各マスク支持レール32を上記ガイド線31aに合わせた状態でそのマスク支持レール32が備えるレール固定装置33の固定ピン43を下降させて上方から嵌入させることができる固定ピン嵌入孔31bがガイド部材31の厚さ方向(Z軸方向)に延びて設けられている。
【0031】
これらガイド線31a及び固定ピン嵌入孔31bは、スクリーン印刷機1によって使用される外径寸法が異なる複数種のマスク13のそれぞれについて設けられている。このため、各ガイド部材31上には、外径寸法が異なるマスク13の種類に応じた複数のガイド線31aと固定ピン嵌入孔31bが、マスク支持レール32の移動方向(X軸方向)に並んで設けられている。
【0032】
オペレータOPは、使用するマスク13の外径寸法に応じて左右一対のマスク支持レール32の間隔調整を行うときは、各マスク支持レール32の特定の部分をガイド部材31上に並んだ複数のガイド線31aの中からマスク13の外径寸法に対応したものとして選択したひとつのガイド線31aに合わせるようにする。そして、そのマスク支持レール32の間隔調整を行った状態から、左右一対のマスク支持レール32に設けられた計4個のレール固定装置33のうち、オペレータOPからみて左側のマスク支持レール32に取り付けられた前後一対のレール固定装置33(左側のレール固定装置33)の固定ピン43を上昇位置から下降位置まで下降させて両ガイド部材31に設けられた固定ピン嵌入孔31bに嵌入させるとともに、計4個のレール固定装置33のうち、オペレータOPからみて右側のマスク支持レール32に取り付けられた前後一対のレール固定装置33(右側のレール固定装置33)の固定ピン43を上昇位置から下降位置まで下降させて両ガイド部材31に設けられた固定ピン嵌入孔31bに嵌入させることにより、間隔調整を行った状態の左右一対のマスク支持レール32を、前後一対のガイド部材31に固定することができる。
【0033】
図4及び図5において、各マスク支持レール32の内側の側面(マスク支持レール32同士が対向する側の側面)には、下方に突没自在なロッド部34aを備えたマスク固定シリンダ34が複数個ずつ(ここでは2個ずつ。計4個)設けられている。マスク13は、左右一対のマスク支持レール32の間に挿入され、マスク枠13wの先頭部がマスク支持レール32上に設けられたストッパ32a(図1も参照)に当接するまで後方に押し込まれることによってマスクホルダ30に取り付けられて左右一対のマスク支持レール32によって支持されるが、このようにマスク13が左右一対のマスク支持レール32によって支持された状態で、上記4個のマスク固定シリンダ34の各ロッド部34aを上昇位置から下降位置まで突出(下降)させてマスク枠13wの上面に上方から当接させることにより、マスク13をマスク支持レール32上に固定することができる。
【0034】
図1及び図2において、一対の門型フレーム28には、X軸方向に延びたX軸ステージ51の両端部がY軸方向にスライド自在に支持されている。X軸ステージ51上にはカメラ支持ステージ52がX軸方向に移動自在に設けられており、カメラ支持ステージ52には前述のカメラユニット15が取り付けられている。カメラユニット15は、撮像視野を下方に向けた第1カメラ15aと撮像視野を上方に向けた第2カメラ15bを備えている(図3)。
【0035】
また、図1及び図2において、一対の門型フレーム28にはX軸方向に延びたスキージベース53の両端が支持されており、スキージベース53は門型フレーム28に沿ってY軸方向に往復移動自在となっている。このスキージベース53には前述の前後一対のスキージ14がY軸方向に対向して設けられている。各スキージ14はX軸方向に延びた「へら」状の部材から成り、それぞれスキージベース53に対して昇降自在に取り付けられている。
【0036】
このスクリーン印刷機1において、基板2の搬送を行う基板搬送路としての基板搬入コンベア25、基板保持移動ユニット12のコンベア部23及び基板搬出コンベア26の各動作は、制御装置60(図6)が図示しないアクチュエータ等から成る基板搬送路作動機構61(図6)の作動制御を行うことによってなされ、クランプ部材24aによる基板2のクランプ動作は、制御装置60が図示しないアクチュエータ等から成るクランプ部材作動機構62(図6)の作動制御を行うことによってなされる。
【0037】
基台11に対するYテーブル21aのY軸方向への移動、Yテーブル21aに対するXテーブル21bのX軸方向への移動、Xテーブル21bに対するθテーブル21cの(すなわちベーステーブル21dの)Z軸回りの回転、ベーステーブル21dに対する昇降テーブル22aの昇降、昇降テーブル22aに対する下受けユニット支持テーブル24bの(すなわち下受けユニット24cの)昇降の各動作は、制御装置60がYテーブル駆動モータMyやXテーブル駆動モータMxを含むアクチュエータ等から成る基板保持移動ユニット作動機構63(図6)の作動制御を行うことによってなされる。
【0038】
カメラユニット15の水平面内での移動動作、すなわち一対の門型フレーム28に対するX軸ステージ51のY軸方向への移動動作及びX軸ステージ51に対するカメラ支持ステージ52のX軸方向への移動動作の各制御は、制御装置60が図示しないアクチュエータから成るカメラユニット移動機構64(図6)の作動制御を行うことによってなされる。
【0039】
前後のスキージ14をY軸方向に往復移動させるスキージベース53の作動制御は、制御装置60が図示しないアクチュエータ等から成るスキージ移動機構65(図6)の制御を行うことによってなされる。また、各スキージ14のスキージベース53に対する昇降動作は、制御装置60がスキージベース53の上部に取り付けられたスキージ昇降シリンダ66(図2、図3及び図6)の作動制御を行うことによってなされる。
【0040】
カメラユニット15を構成する第1カメラ15aは、制御装置60に制御されて、基板保持移動ユニット12が備える基板保持部24によって保持された基板2の基板側位置決め用マークmkの撮像を行い、第2カメラ15bは、制御装置60に制御されて、マスク13に設けられたマスク側位置決め用マークMKの撮像を行う。第1カメラ15aの撮像によって得られた画像データと第2カメラ15bの撮像によって得られた画像データはともに制御装置60に入力される(図6)。
【0041】
図4及び図5において、左側のマスク支持レール32の前端部には、オペレータOPによって手動操作される操作手段としての押しボタン式の左側スイッチ71aを備えた左側バルブ71が設けられており、右側のマスク支持レール32の前端部には、同じくオペレータOPによって手動操作される操作手段としての押しボタン式の右側スイッチ72aを備えた右側バルブ72が設けられている。
【0042】
左側のレール固定装置33を構成する前後一対の固定ピン昇降シリンダ41と左側バルブ71とは図示しない空圧管路によって繋がっており、オペレータOPが左側スイッチ71aの押圧操作或いは押圧操作の解除を行って左側バルブ71のスプール(図示せず)の位置切り替えを行うと、左側のレール固定装置33を構成する2つの固定ピン昇降シリンダ41それぞれへの空圧供給経路が切り替わって、これら2つの固定ピン昇降シリンダ41のロッド部41aが(したがってこれらロッド部41aに連結された前後一対の固定ピン43が)同時に昇降するようになっている。ここでは、オペレータOPが左側スイッチ71aを押圧操作すると左側の前後一対の固定ピン43が下降位置から上昇位置まで同時に上昇し、オペレータOPが左側スイッチ71aの押圧操作の解除をすると、左側の前後一対の固定ピン43が上昇位置から下降位置まで同時に下降する。
【0043】
また、同様に、右側のレール固定装置33を構成する前後一対の固定ピン昇降シリンダ41と右側バルブ72とは図示しない空圧管路によって繋がっており、オペレータOPが右側スイッチ72aの押圧操作或いは押圧操作の解除を行って右側バルブ72のスプール(図示せず)の位置切り替えを行うと、右側のレール固定装置33を構成する2つの固定ピン昇降シリンダ41それぞれへの空圧供給経路が切り替わって、これら2つの固定ピン昇降シリンダ41のロッド部41aが(したがってこれらロッド部41aに連結された前後一対の固定ピン43が)同時に昇降するようになっている。ここでは、オペレータOPが右側スイッチ72aを押圧操作すると右側の前後一対の固定ピン43が下降位置から上昇位置まで同時に上昇し、オペレータOPが右側スイッチ72aの押圧操作の解除をすると、右側の前後一対の固定ピン43が上昇位置から下降位置まで同時に下降する。
【0044】
図7において、基台11に設けられた操作盤70には、オペレータOPによって操作される押しボタン式のマスク固定シリンダ上昇スイッチ73aとマスク固定シリンダ下降スイッチ73bが設けられている(図6も参照)。各マスク固定シリンダ34が下降位置にある状態からオペレータOPがマスク固定シリンダ上昇スイッチ73aを押圧操作すると、制御装置60は、4個のマスク固定シリンダ34に対応して配置された4個のマスク固定シリンダ操作バルブ34bを介して、4個のマスク固定シリンダ34の各ロッド部34aを下降位置から上昇位置まで同時に上昇させる。また、この状態からオペレータOPがマスク固定シリンダ下降スイッチ73bを押圧操作すると、制御装置60は、上記4個のマスク固定シリンダ操作バルブ34bを介して、4個のマスク固定シリンダ34の各ロッド部34aを上昇位置から下降位置まで同時に下降させる。
【0045】
次に、図8のフローチャート及び図9〜図13の説明図を加えてスクリーン印刷機1の動作手順を説明する。スクリーン印刷機1の制御装置60は、昇降テーブル22aをベーステーブル21dに対する下降位置に位置させるとともに、下受けユニット24cを昇降テーブル22aに対する下降位置に位置させた状態で(図9(a))、図示しない検知手段によってスクリーン印刷機1の上流側に設置された他の装置等(図示せず)から基板搬入コンベア25に基板2が投入されたことを検知した場合には、基板搬入コンベア25とコンベア部23を連動作動させてスクリーン印刷機1内に基板2を搬入し(図9(a)中に示す矢印C)、更に、図示しない検知手段により、コンベア部23が搬入する基板2が所定の搬送停止位置に到達したことを検知したところでコンベア部23の作動を停止させて、基板2を静止させる(図9(b)。図8のステップST1に示す基板搬入工程)。
【0046】
制御装置60は、基板2の搬入が終わったら、昇降テーブル22aをベーステーブル21dに対する下降位置に位置させたまま、下受けユニット24cを(下受けユニット支持テーブル24bを)昇降テーブル22aに対して上昇させ(図10(a)中に示す矢印D1)、下受けユニット24cの上端が基板2の下面に接触したところで下受けユニット24cの上昇を停止させる(図10(a))。そして、クランプ部材24aを作動させ(図10(b)中に示す矢印E1)、コンベア部23上の基板2の両側部を前後のクランプ部材24aによりクランプする(図10(b))。
【0047】
制御装置60は、前後のクランプ部材24aにより基板2をクランプしたら、昇降テーブル22aをベーステーブル21dに対する下降位置に位置させたまま、下受けユニット24cを更に昇降テーブル22aに対して上昇させて、下受けユニット24cで基板2を押し上げる(図11(a)。図中に示す矢印D2)。これにより基板2はY軸方向の両端をクランプ部材24aに対して摺動させながら上昇し(基板2はコンベア部23の両ベルトコンベア23bから上方に離間する)、下受けユニット24cが昇降テーブル22aに対する上昇位置に位置して基板2の上面が両クランプ部材24aの上面とほぼ同じ高さになったところで、下受けユニット24cの押し上げを停止させる。これにより基板保持部24によって基板2が保持された状態となる(図11(a)。図8のステップST2に示す基板保持工程)。
【0048】
制御装置60は、上記のようにして基板保持部24により基板2を保持したら、カメラユニット移動機構64の作動制御を行い(X軸ステージ51をY軸方向に移動させるとともに、カメラ支持ステージ52をX軸方向に移動させ)、第1カメラ15aを基板2に設けられた基板側位置決め用マークmkの直上に位置させて、第1カメラ15aに基板側位置決め用マークmkの撮像を行わせる一方、第2カメラ15bをマスク13に設けられたマスク側位置決め用マークMKの直下に位置させて、第2カメラ15bにマスク側位置決め用マークMKの撮像を行わせる。そして、制御装置60は、得られた基板側位置決め用マークmkの画像データから基板2の位置を把握するとともに、得られたマスク側位置決め用マークMKの画像データからマスク13の位置を把握し、基板保持移動ユニット12が備える水平移動部21の作動制御を行って基板保持部24を(したがって基板2を)水平面内方向に移動させ、基板側位置決め用マークmkとマスク側位置決め用マークMKが上下に対向するようにして、マスク13に対する基板2の水平面内方向の位置決めを行う(図8のステップST3に示す位置決め工程)。
【0049】
制御装置60は、上記基板2とマスク13の水平面内方向の位置決めが終わったら、昇降テーブル22aをベーステーブル21dに対して上昇させ(図11(b)中に示す矢印F1)、基板2の被印刷面である上面をマスク13に下方から接触させる(図11(b)。図8のステップST4に示す接触工程)。これによりマスク13のパターン孔13aと基板2上の電極3とが上下方向に合致した状態となる。
【0050】
制御装置60は、基板2をマスク13に接触させたら、スクリーン印刷機1の動作を一時中断したうえで、図示しないディスプレイ装置による画像表示等を介して、オペレータOPにペーストPstの供給を促す。オペレータOPは、現在マスク13上に残っているペーストPstの量に基づいて、ペーストPstの供給(補充)を行うべきかどうかの判断を行い、ペーストPstの供給を行うべきと判断したときには、別途用意したペースト供給シリンジ80(図12(a))により、マスク13上にペーストPstの供給を行う。そして、ペーストPstの供給が終わったら、図示しない動作再開ボタンの操作を行う。オペレータOPは、ペーストPstの供給が不要と判断した場合においても、動作再開ボタンの操作を行う。
【0051】
制御装置60はステップST4の後、動作再開ボタンの操作が行われたかどうかの判断を行い(図8のステップST5に示す第1の判断工程)、動作再開ボタンの操作が行われたと判断した場合には、スクリーン印刷機1の動作中断を解除し、スキージ14を(スキージベース53を)Y軸方向に往復移動させて、マスク13のパターン孔13a内にペーストPstを充填させることによって、ペーストPstを基板2の電極3上に転写させる(図8のステップST6に示す転写工程)。
【0052】
スキージ14によるペーストPstの基板2への転写動作では、先ず、前方のスキージ14(図12における紙面左側のスキージ14)を下降させてその下縁をマスク13の上面に接触(当接)させた後、スキージベース53をY軸方向の後方に移動させ、前方のスキージ14をマスク13上で摺動させることによって、後方のクランプ部材24aの上面領域までペーストPstを掻き寄せる(図12(b)中に示す矢印G1)。ペーストPstを後方のクランプ部材24aの上面領域まで掻き寄せたら、スキージベース53の移動を停止させたうえで、前方のスキージ14を上昇させてマスク13から離間させるとともに、後方のスキージ14(図12における紙面右側のスキージ14)を下降させてその下縁をマスク13の上面に接触(当接)させる。そして、スキージベース53を矢印G1とは反対の方向に移動させ、後方のスキージ14をマスク13上で摺動させることによって、前方のクランプ部材24aの上面領域までペーストPstを掻き寄せる(図12(c)中に示す矢印G2)。これによりマスク13のパターン孔13aを介して基板2の電極3上にペーストPstが転写される。
【0053】
制御装置60は、基板2の電極3上にペーストPstを転写させたら、昇降テーブル22aをベーステーブル21dに対して下降させ(図13(a)中に示す矢印F2)、マスク13から基板2を離間させる(図13(a))。これにより版離れが行われ、ペーストPstが基板2の電極3上に印刷された状態となる(図8のステップST7に示す版離れ工程)。
【0054】
制御装置60は、基板2へのペーストPstの印刷が終了したら、クランプ部材24aを作動させて基板2のクランプを解除したうえで(図13(b)中に示す矢印E2)、下受けユニット24cを(下受けユニット支持テーブル24bを)昇降テーブル22aに対して下降させ(図13(c)中に示す矢印D3)、基板2をコンベア部23上に降ろす(図13(c))。これにより基板保持部24による基板2の保持が解除される(図8のステップST8に示す基板保持解除工程)。
【0055】
制御装置60は、基板2の保持を解除したら、基板保持移動ユニット12が備える水平移動部21を作動させ、基板搬出コンベア26に対するコンベア部23の位置調整を行ったうえで、コンベア部23と基板搬出コンベア26を連動作動させ、コンベア部23上の基板2を基板搬出コンベア26に受け渡してそのまま基板2をスクリーン印刷機1の外部に搬出する(図8のステップST9に示す基板搬出工程)。
【0056】
制御装置60は、基板2を搬出したら、他にスクリーン印刷を施す基板2があるかどうかの判断を行う(図8のステップST10に示す第2の判断工程)。その結果、他にスクリーン印刷を施す基板2があった場合にはステップST1に戻って新たな基板2の搬入を行い、他にスクリーン印刷を施す基板2がなかった場合には一連のスクリーン印刷作業を終了する。
【0057】
本実施の形態におけるスクリーン印刷機1では、上記の手順によって基板2に対するスクリーン印刷を行うが、基板2の種類が変わって設置するマスク13の大きさが変わる場合には、オペレータOPはマスクホルダ30が備える左右一対のマスク支持レール32の間隔を変化させる作業を行ったうえで、マスクホルダ30にマスク13を設置する。
【0058】
オペレータOPは、マスク支持レール32の間隔を変化させるときは、先ず、マスク固定シリンダ上昇スイッチ73aを押圧操作して計4個のマスク固定シリンダ34のロッド部34aを下降位置から上昇位置まで上昇させ、左右一対のマスク支持レール32に対するマスク13の固定を解除する。そして、左側スイッチ71aを押圧操作して左側の前後一対の固定ピン43を下降位置から上昇位置まで上昇させるとともに、右側スイッチ72aを押圧操作して右側の前後一対の固定ピン43を下降位置から上昇位置まで上昇させることにより、4個のレール固定装置33が備える全ての固定ピン43をガイド部材31に設けられた固定ピン嵌入孔31bから抜去させて、レール固定装置33によるマスク支持レール32のガイド部材31に対する固定を解除する(図14(a)。図中に示す矢印A1参照。レール固定解除工程)。
【0059】
オペレータOPは、レール固定装置33によるマスク支持レール32のガイド部材31に対する固定を解除したら、その状態のまま(左側スイッチ71aと右側スイッチ72aをそれぞれ押圧操作した状態のまま)、左右一対のマスク支持レール32を前後一対のガイド部材31に沿ってX軸方向に移動させることにより、左右一対のマスク支持レール32の間隔をマスク13の外径寸法に応じて調整する(レール間隔調整工程。図14(b)中に示す矢印B)。このとき、左側のマスク支持レール32と右側のマスクレール32はそれぞれ、特定の部分がマスク13の外径寸法に対応したガイド部材31上のガイド線31aに一致するようにする。
【0060】
オペレータOPは、上記のようにして一対のマスク支持レール32の間隔をマスク13の外径寸法に応じて調節したら、左側スイッチ71aの押圧操作を解除し、左側の前後一対の固定ピン43を上昇位置から下降位置まで下降させて前後一対のガイド部材31に設けられた固定ピン嵌入孔31bに嵌入させるとともに、右側スイッチ72aの押圧操作を解除し、右側の前後一対の固定ピン43を上昇位置から下降位置まで下降させて前後一対のガイド部材31に設けられた固定ピン嵌入孔31bに嵌入(図15(a)中に示す矢印A2)させ、左右一対のマスク支持レール32を前後一対のガイド部材31に固定する(レール固定工程)。
【0061】
オペレータOPは、上記のようにして一対のマスク支持レール32をガイド部材31に固定したら、そのガイド部材31に固定した一対のマスク支持レール32の間にマスク13を挿入し(図15(b)中に示す矢印H)、前述のように、マスク枠13wの先頭部がマスク支持レール32上に設けられたストッパ32aに当接するまで後方に押し込んで(図16(a))、一対のマスク支持レール32にマスク13の対向(ここではX軸方向に対向)する両辺部を支持させる(マスク支持工程)。
【0062】
そして、オペレータOPは、マスク固定シリンダ下降スイッチ73bを押圧操作して4個のマスク固定シリンダ34の各ロッド部34aを上昇位置から下降位置まで下降させ(図16(b)中に示す矢印K)、4個のマスク固定シリンダ34のロッド部34aによりマスク枠13wを左右一対の支持レール32上に押し付けて固定する(図16(b)。マスク固定工程)。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態におけるスクリーン印刷機1及びこのスクリーン印刷機1におけるマスク設置方法では、一対のマスク支持レール32の間隔が調整された状態で、各マスク支持レール32に設けられた複数(上記例では4個であったが、幾つであっても構わない)のレール固定装置33の固定ピン43を、前後一対のガイド部材31に設けられた固定ピン嵌入孔31bに嵌入させることによって左右一対のマスク支持レール32をガイド部材31に固定するようになっているので、従来のようにマスク支持レール32の間隔の調整を行うたびに螺子の着脱を行う必要がなく、マスク設置時の作業性の向上を図ることができる。
【0064】
また、本実施の形態におけるスクリーン印刷機1では、手動操作される操作手段としての左側スイッチ71a及び右側スイッチ72aと、これら両スイッチ71a,72aの手動操作に応じて各レール固定装置33の固定ピン43を昇降させる、左側バルブ71、右側バルブ72及び4個の固定ピン昇降シリンダ41から成るピン状部材昇降機構を備えた構成となっているので、オペレータOPによるワンタッチ操作で固定ピン43を昇降させることができ、マスク設置時の作業性の更なる向上を図ることができるようになっている。特に、本実施の形態では、上記ピン状部材昇降機構によって、左側スイッチ71a及び右側スイッチ72aそれぞれの手動操作に応じて左右2個ずつのレール固定装置33の固定ピン43を同時に昇降させる構成となっているので、マスク支持レール32の間隔調整が非常に行い易いものとなっている。
【0065】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述の実施の形態に示したものに限定されない。例えば、上述の実施の形態では、4個のレール固定装置33が備える各固定ピン43は上記ピン状部材昇降機構によって昇降されるようになっていたが、各固定ピン43は、上記ピン状部材昇降機構によらず、オペレータOPが手動によって昇降させる構成であってもよい。
【0066】
また、上記実施の形態では、ピン状部材昇降機構によって、左側の前後一対の固定ピン43が左側スイッチ71aの操作によって同時に昇降され、右側の前後一対の固定ピン43が右側スイッチ72aの操作によって同時に昇降されるようになっていたが、ピン状部材昇降機構は、操作手段の手動操作に応じて4個のレール固定装置33(すなわち複数のレール固定手段)のうちの少なくとも2つのレール固定装置33の固定ピン43を同時に昇降させるようになっていることが好ましく、4個の固定ピン43が、オペレータOPによって手動操作されるひとつの操作手段の操作によって同時に昇降されるようになっていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
マスク支持レールの間隔の調整を行うたびに螺子の着脱を行う必要がなく、マスク設置時の作業性の向上を図ることができるスクリーン印刷機及びスクリーン印刷機におけるマスク設置方法を提供する。
【符号の説明】
【0068】
1 スクリーン印刷機
2 基板
13 マスク
14 スキージ
24 基板保持部
31 ガイド部材
31b 固定ピン嵌入孔(ピン状部材嵌入孔)
32 マスク支持レール
33 レール固定装置(レール固定手段)
41 固定ピン昇降シリンダ(ピン状部材昇降機構)
43 固定ピン(ピン状部材)
71 左側バルブ(ピン状部材昇降機構)
71a 左側スイッチ(操作手段)
72 右側バルブ(ピン状部材昇降機構)
72a 右側スイッチ(操作手段)
Pst ペースト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板保持部と、
基板保持部の上方に水平に延びて配置されたガイド部材と、
ガイド部材に沿って移動自在に設けられ、互いに平行な姿勢を保持したままその間隔を調整可能な一対のマスク支持レールと、
各マスク支持レールに設けられ、一対のマスク支持レールの間隔が調整された状態で、昇降自在に設けられたピン状部材を上昇位置から下降させてガイド部材に設けられたピン状部材嵌入孔に嵌入させることにより一対のマスク支持レールをガイド部材に固定する複数のレール固定手段と、
ガイド部材に固定された一対のマスク支持レールにより対向する両辺部が支持された状態で、基板保持部に保持された基板と接触されるマスクと、
基板と接触されたマスク上を摺動し、マスク上に供給されたペーストをマスク上で掻き寄せることにより、マスクを介して基板にペーストを転写させるスキージとを備えたことを特徴とするスクリーン印刷機。
【請求項2】
手動操作される操作手段と、
操作手段の手動操作に応じて各レール固定手段のピン状部材を昇降させるピン状部材昇降機構とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷機。
【請求項3】
前記ピン状部材昇降機構は、操作手段の手動操作に応じて前記複数のレール固定手段のうちの少なくとも2つのレール固定手段のピン状部材を同時に昇降させることを特徴とする請求項2に記載のスクリーン印刷機。
【請求項4】
基板を保持する基板保持部と、基板保持部の上方に水平に延びて配置されたガイド部材と、ガイド部材に沿って移動自在に設けられ、互いに平行な姿勢を保持したままその間隔を調整可能な一対のマスク支持レールと、各マスク支持レールに設けられ、一対のマスク支持レールの間隔が調整された状態で、昇降自在に設けられたピン状部材を上昇位置から下降させてガイド部材に設けられたピン状部材嵌入孔に嵌入させることにより一対のマスク支持レールをガイド部材に固定する複数のレール固定手段と、ガイド部材に固定された一対のマスク支持レールにより対向する両辺部が支持された状態で、基板保持部に保持された基板と接触されるマスクと、基板と接触されたマスク上を摺動し、マスク上に供給されたペーストをマスク上で掻き寄せることにより、マスクを介して基板にペーストを転写させるスキージとを備えたスクリーン印刷機におけるマスク設置方法であって、
各レール固定手段が備えるピン状部材を下降位置から上昇させることによりガイド部材に設けられたピン状部材嵌入孔から抜去させてレール固定手段によるマスク支持レールのガイド部材に対する固定を解除する工程と、
マスク支持レールのガイド部材に対する固定を解除した後、一対のマスク支持レールをガイド部材に沿って移動させることにより、一対のマスク支持レールの間隔をマスクの外径寸法に応じて調節する工程と、
一対のマスク支持レールの間隔をマスクの外径寸法に応じて調節した後、各レール固定手段が備えるピン状部材を上昇位置から下降させることによりガイド部材に設けられたピン状部材嵌入孔に嵌入させて一対のマスク支持レールをガイド部材に固定する工程と、
ガイド部材に固定した一対のマスク支持レールにマスクの対向する両辺部を支持させる工程とを含むことを特徴とするスクリーン印刷機におけるマスク設置方法。
【請求項5】
操作手段の手動操作に応じて各レール固定手段のピン状部材が昇降するようにしたことを特徴とする請求項4に記載のスクリーン印刷機におけるマスク設置方法。
【請求項6】
操作手段の手動操作に応じて前記複数のレール固定手段のうちの少なくとも2つのレール固定手段のピン状部材を同時に昇降させるようにしたことを特徴とする請求項5に記載のスクリーン印刷機におけるマスク設置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−189670(P2011−189670A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59027(P2010−59027)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】