説明

スタック構成の障害検出装置、障害検出システム、障害検出方法及びプログラム

【課題】 スタック構成における障害の発生を検出する。
【解決手段】 スタック構成110をなす第1及び第2スイッチ111,112のうちの第1スイッチ111に対して要求のARPメッセージを送信する第1要求手段121を備える。第2スイッチ112に対して要求のARPメッセージを送信する第2要求手段122を備える。第1及び第2スイッチ111,112からの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する抽出手段(CPU123Aが担う)を備える。第1スイッチ111からの返信のARPメッセージから抽出されたMACアドレス情報と、第2スイッチ112からの返信のARPメッセージから抽出されたMACアドレス情報と、が一致しない場合にスタック構成110の障害を検出する障害検出手段(CPU123Aが担う)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタック構成の障害検出装置、障害検出システム、障害検出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のスイッチを束ねて、あたかも一つのスイッチとして動作しているように見せるスタックという技術がある。
【0003】
図4はスタックされた2つのスイッチ1111、1112を有するスタック構成1110と、このスタック構成1110を介して上流ネットワーク1130との間で通信を行うことが可能な通信装置1120と、を備えるネットワーク1000を示すブロック図である。
【0004】
図4に示すように、スタック構成1110は、例えば、第1及び第2の2つのスイッチ1111,1112と、これらスイッチ1111,1112を相互に接続するケーブル1113と、を備えている。
【0005】
第1スイッチ1111は、第1ケーブルインタフェース1114と、第1上流側インタフェース1116と、第1装置側インタフェース1118と、を備えている。
【0006】
同様に、第2スイッチ1112は、第2ケーブルインタフェース1115と、第2上流側インタフェース1117と、第2装置側インタフェース1119と、を備えている。
【0007】
第1ケーブルインタフェース1114と第2ケーブルインタフェース1115とがケーブル1113を介して相互に接続されることにより、第1スイッチ1111と第2スイッチ1112とがスタックされ、第1及び第2スイッチ1111、1112は相互に通信可能とされている。
【0008】
これらスイッチ1111,1112に接続された通信装置1120及び他の装置からは、これらスイッチ1111,1112は、1つのスイッチとして扱われる。
【0009】
なお、本発明に関連する先行技術文献をサーチしたところ、特許文献1〜3が見つかったが、何れも、本願発明とは関連性が薄いものであった。
【0010】
すなわち、各特許文献1〜3は、2つのスイッチを冗長構成(1つのスイッチを現用、もう1つのスイッチを予備)として扱う技術を開示しているに過ぎず、2つのスイッチをあたかも1つのスイッチとして扱うスタック構成とは関係のない技術に関する。
【特許文献1】特開2002−057682号公報
【特許文献2】特開2004−088392号公報
【特許文献3】特開2005−236664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のようにスタック構成1110とされたスイッチ1111,1112を接続しているケーブル1113、或いは、ケーブルインタフェース1114、1115の何れかに障害が発生すると、スイッチ1111,1112の相互間の通信ができなくなり、スイッチ1111とスイッチ1112は、それぞれ独立したスイッチとして動作してしまう。
【0012】
すると、図4に矢印1100で示す通信、すなわち、第2インタフェース1122から第2スイッチ1112及び第1スイッチ1111をこの順に介して上流ネットワーク1130側と行う通信ができなくなるという問題がある。
【0013】
同様に、図4に矢印1200で示す通信、すなわち、第1インタフェース1121から第1スイッチ1111及び第2スイッチ1112をこの順に介して上流ネットワーク1130側と行う通信ができなくなるという問題がある。
【0014】
また、このような状態になった場合には、1つのスイッチとして設定した設定情報が、第1スイッチ1111および第2スイッチ1112の両方で使用されるために、スタック構成1110に設定したIPアドレス情報が両方で使用されてしまうことによって、ネットワーク1000内に同じIPアドレス情報が設定された複数の装置(つまり第1スイッチ1111と第2スイッチ1112)が存在してしまうことになる。
【0015】
IPアドレス情報は、ネットワーク内で唯一である必要があり、同じIPアドレス情報を持つ複数の装置がネットワーク1000内に存在することにより、通信が不安定になるという弊害もある。
【0016】
この様な障害状態を回避するには、第1スイッチ1111と第2スイッチ1112のどちらかのみを動作させる必要があるが、従来はこのような障害を検出することができず、従って、第1スイッチ1111と第2スイッチ1112のどちらかの動作を停止させることもできなかった。
【0017】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、スタック構成における障害の発生を検出することが可能なスタック構成の障害検出装置、障害検出システム、障害検出方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため、本発明のスタック構成の障害検出装置は、スタック構成をなす第1及び第2スイッチのうちの第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1要求手段と、前記第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2要求手段と、前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する抽出手段と、前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する障害検出手段と、を備えることを特徴としている。
【0019】
また、本発明のスタック構成の障害検出装置は、スタック構成をなす複数のスイッチのうちの第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1要求手段と、前記複数のスイッチのうちの第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2要求手段と、前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する抽出手段と、前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する障害検出手段と、を備えることを特徴としている。
【0020】
本発明のスタック構成の障害検出システムは、スタック構成をなす第1及び第2スイッチと、前記スタック構成の障害を検出する障害検出装置と、を備え、前記障害検出装置は、前記第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1要求手段と、前記第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2要求手段と、前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する抽出手段と、前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する障害検出手段と、を備えることを特徴としている。
【0021】
また、本発明のスタック構成の障害検出システムは、スタック構成をなす複数のスイッチと、前記スタック構成の障害を検出する障害検出装置と、を備え、前記障害検出装置は、前記複数のスイッチのうちの第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1要求手段と、前記複数のスイッチのうちの第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2要求手段と、前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する抽出手段と、前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する障害検出手段と、を備えることを特徴としている。
【0022】
本発明のスタック構成の障害検出方法は、スタック構成をなす第1及び第2スイッチのうちの第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1の過程と、前記第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2の過程と、前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する第3の過程と、前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する第4の過程と、を備えることを特徴としている。
【0023】
また、本発明のスタック構成の障害検出方法は、スタック構成をなす複数のスイッチのうちの第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1の過程と、前記複数のスイッチのうちの第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2の過程と、前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する第3の過程と、前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する第4の過程と、を備えることを特徴としている。
【0024】
本発明のプログラムは、スタック構成をなす第1及び第2スイッチのうちの第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1の処理と、前記第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2の処理と、前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する第3の処理と、前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する第4の処理と、をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0025】
また、本発明のプログラムは、スタック構成をなす複数のスイッチのうちの第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1の処理と、前記複数のスイッチのうちの第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2の処理と、前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する第3の処理と、前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する第4の処理と、をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、スタック構成をなす第1及び第2スイッチのうちの第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1要求手段と、前記第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2要求手段と、前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する抽出手段と、前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する障害検出手段と、を備えるので、第1及び第2スイッチの相互間の接続に障害が発生した場合に、その障害を検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。
【0028】
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係るスタック構成の障害検出システム100を示すブロック図である。
【0029】
図1に示すように、スタック構成における障害検出システム100は、例えば、スタック構成110と、このスタック構成110を介して上流ネットワーク130との間で通信を行うことが可能な通信装置120と、を備えて構成されている。
【0030】
スタック構成110は、例えば、第1及び第2の2つのスイッチ111,112と、これらスイッチ111,112を相互に接続するケーブル113と、を備えている。
【0031】
第1スイッチ111は、第1ケーブルインタフェース114と、第1上流側インタフェース116と、第1装置側インタフェース118と、を備えている。
【0032】
同様に、第2スイッチ112は、第2ケーブルインタフェース115と、第2上流側インタフェース117と、第2装置側インタフェース119と、を備えている。
【0033】
第1ケーブルインタフェース114は、ケーブル113を介して第2スイッチの第2ケーブルインタフェース115に接続され、第1スイッチ111が第2スイッチ112との間で相互に通信を行う際のインタフェースとして機能する。
【0034】
同様に、第2ケーブルインタフェース115は、ケーブル113を介して第1スイッチの第1ケーブルインタフェース114に接続され、第2スイッチ112が第1スイッチ111との間で相互に通信を行う際のインタフェースとして機能する。
【0035】
また、第1上流側インタフェース116は、上流ネットワーク130内の通信装置(図示略)に接続され、第1スイッチ111が該通信装置との間で相互に通信を行う際のインタフェースとして機能する。
【0036】
同様に、第2上流側インタフェース117は、上流ネットワーク130内の通信装置であって、第1上流側インタフェース116が接続されているのとは別の通信装置に接続され、第2スイッチ112が該通信装置との間で相互に通信を行う際のインタフェースとして機能する。
【0037】
また、第1装置側インタフェース118は、通信装置120の第1インタフェース121(後述)に接続され、第1スイッチ111が通信装置120との間で相互に通信を行う際のインタフェースとして機能する。
【0038】
同様に、第2装置側インタフェース119は、通信装置120の第2インタフェース122(後述)に接続され、第2スイッチ112が通信装置120との間で相互に通信を行う際のインタフェースとして機能する。
【0039】
また、ケーブル113は、スタッキング用のケーブルであり、第1スイッチ111の第1ケーブルインタフェース114と第2スイッチ112の第2ケーブルインタフェース115とを相互に接続している。
【0040】
これにより、第1スイッチ111と第2スイッチ112が相互に通信可能とされ、第1スイッチ111と第2スイッチ112とによりスタック構成110が構築されている。
【0041】
このようなスタック構成110は、他の装置からは、仮想的に1つのスイッチとして扱われる。すなわち、通信装置120や、上流ネットワーク130内の通信装置(図示略)は、スタック構成110を1つのスイッチとして扱う。
【0042】
また、通信装置120は、第1インタフェース121と、第2インタフェース122と、CPU(Central Processing Unit)123Aと、ROM(Read Only Memory)123Bと、RAM(Random Access Memory)123Cと、メモリ124と、これらを相互に接続するバス125と、を備えている。
【0043】
このうち、第1インタフェース121は、第1装置側インタフェース118に接続され、通信装置120が第1スイッチ111との間で相互に通信を行う際のインタフェースとして機能する。
【0044】
同様に、第2インタフェース122は、第2装置側インタフェース119に接続され、通信装置120が第2スイッチ112との間で相互に通信を行う際のインタフェースとして機能する。
【0045】
第1及び第2インタフェース121,122は、データフレームを電気信号に変換して、外部に接続されている装置に送信する機能および受信する機能を持ち、CPU123Aからの命令により送受信の処理を行う。第1及び第2インタフェース121,122は、具体的には、例えば、イーサネット(登録商標)のフレームの送受信を行う。
【0046】
メモリ124は、各種のデータを記憶する機能を有し、後述するデータベース126を記憶する。
【0047】
ROM123Bは、CPU123Aの動作用のプログラム及びデータを記憶している。RAM123Cは、CPU12Aの作業領域などとして機能する。
【0048】
CPU123Aは、ROM123Bに記憶されたプログラムに従って動作することにより、第1及び第2インタフェース121,122の動作制御の他、メモリ124にデータを記憶させる動作や、メモリ124に記憶されたデータの読み出しなどを行う。
【0049】
このような通信装置120は、スタック構成100のスイッチ111,112を介して、上流ネットワーク130との間で通信が可能である。
【0050】
通信装置120は、該通信装置120が有する2つのインタフェース121,122からARP(Address Resolution Protocol)と呼ばれるメッセージ(以下、要求のARPメッセージ)を送信し、そのメッセージに対する返信のメッセージ(以下、返信のARPメッセージ)を受け取る。
【0051】
要求のARPメッセージは、IP(Internet Protocol)アドレス情報に対応するMAC(Media Access Control)アドレス情報を取得するときに使用される。
【0052】
要求のARPメッセージには、MACアドレス情報の取得先の装置のIPアドレス情報が含まれる。
【0053】
すなわち、通信装置120がスタック構成110のMACアドレス情報を取得したい場合に、通信装置120からスタック構成110に対して送られる要求のARPメッセージには、スタック構成110のIPアドレス情報が含まれる。
【0054】
また、返信のARPメッセージには、要求のIPアドレスに対応するMACアドレス情報が含まれる。
【0055】
なお、ARPは、IETF (Internet Engineering Task Force)団体で、RFC−826として規格化されている。
【0056】
MACアドレス情報は、各装置固有の情報であり、第1スイッチ111と第2スイッチ112でそれぞれ異なるMACアドレス情報を所有している。ただし、第1及び第2スイッチ111,112がスタックという方法で一つのスイッチとして動作しているきには、第1スイッチ111のMACアドレス情報と第2スイッチ112のMACアドレス情報のうち、何れか一方のMACアドレス情報を、第1及び第2スイッチ111,112で共用する。
【0057】
また、第1スイッチ111,112は、それぞれ固有のIPアドレス情報も有しているが、スタック構成110となっているときには、第1スイッチ111のIPアドレス情報と第2スイッチ112のIPアドレス情報のうち、何れか一方のIPアドレス情報を、第1及び第2スイッチ111,112で共用する。
【0058】
すなわち、第1スイッチ111と第2スイッチ112がスタック構成110となっているときには、例えば、第1スイッチ111のIPアドレス情報及びMACアドレス情報を、第1及び第2スイッチ111,112で共用する。
【0059】
また、通信装置120は、第1インタフェース121と第2インタフェース122が、それぞれ固有のMACアドレス情報を有している。
【0060】
更に、通信装置120は、第1インタフェース121と第2インタフェース122が、それぞれ固有のIPアドレス情報を有している。
【0061】
次に、動作を説明する。
【0062】
なお、第1スイッチ111と第2スイッチ112は、第1スイッチ111のMACアドレス情報及びIPアドレス情報を共用しているものとする。
【0063】
図2は通信装置120の動作の流れを示すフローチャートである。
【0064】
図2に示すように、先ず、通信装置120のCPU123Aは、要求のARPメッセージを第1インタフェース121からスタック構成110の第1スイッチ111に対して送信する処理を行う(ステップS1)。
【0065】
ここで送信される要求のARPメッセージには、第1インタフェース121のIPアドレス情報と、第1インタフェース121のMACアドレス情報と、第1スイッチ111が現在使用しているIPアドレス情報(つまり、第1スイッチ111のIPアドレス情報)と、が含まれている。
【0066】
先のステップS1にて送信された要求のARPメッセージを第1スイッチ111が受信すると、該第1スイッチ111は、返信のARPメッセージを通信装置120の第1インタフェース121に対して送信する。
【0067】
ここで送信される返信のARPメッセージには、第1インタフェース121のIPアドレス情報と、第1インタフェース121のMACアドレス情報と、第1スイッチ111が現在使用しているIPアドレス情報と、第1スイッチ111が現在使用しているMACアドレス情報が含まれている。
【0068】
すなわち、第1スイッチ111からの返信のARPメッセージには、第1スイッチ111と第2スイッチ112とがスタック構成110を構築しているかどうかにかかわらず、第1スイッチ111のMACアドレス情報が含まれている。
【0069】
通信装置120のCPU123Aは、ステップS1の後は、ARPメッセージの応答の有無を監視し(ステップS2)、応答が無かった場合は(ステップS2のNo)、ステップS1からの処理を繰り返す。
【0070】
応答があった場合は(ステップS2のYes)、CPU123Aは、第1インタフェース121を介して入力される返信のARPメッセージから、MACアドレス情報を抽出し、該抽出したMACアドレス情報をメモリ124内のデータベース126に登録する(記憶させる)(ステップS3)。
【0071】
次に、通信装置120のCPU123Aは、要求のARPメッセージを第2インタフェース122からスタック構成110の第2スイッチ112に対して送信する処理を行う(ステップS4)。
【0072】
ここで送信される要求のARPメッセージには、第2インタフェース122のIPアドレス情報と、第2インタフェース122のMACアドレス情報と、第2スイッチ112が現在使用しているIPアドレス情報(つまり、第2スイッチ112のIPアドレス情報ではなく第1スイッチ111のIPアドレス情報)と、が含まれている。
【0073】
先のステップS4にて送信された要求のARPメッセージを第2スイッチ112が受信すると、該第2スイッチ112は、返信のARPメッセージを通信装置120の第2インタフェース122に対して送信する。
【0074】
ここで送信される返信のARPメッセージには、第2インタフェース122のIPアドレス情報と、第2インタフェース122のMACアドレス情報と、第2スイッチ112が現在使用しているIPアドレス情報と、第2スイッチ112が現在使用しているMACアドレス情報が含まれている。
【0075】
すなわち、第2スイッチ112からの返信のARPメッセージには、第1スイッチ111と第2スイッチ112とが正常にスタック構成110を構築している場合には、第1スイッチ111のMACアドレス情報が含まれている。しかし、ケーブル113、第1ケーブルインタフェース114、第2ケーブルインタフェース115などに障害が発生している場合には、第2スイッチ112のMACアドレス情報が含まれている。
【0076】
通信装置120のCPU123Aは、ステップS4の後は、ARPメッセージの応答の有無を監視し(ステップS5)、応答が無かった場合は(ステップS5のNo)、ステップS1からの処理を繰り返す。
【0077】
応答があった場合は(ステップS5のYes)、CPU123Aは、第2インタフェース122を介して入力される返信のARPメッセージからMACアドレス情報を抽出し、該抽出したMACアドレス情報をメモリ124内のデータベース126に登録する(記憶させる)(ステップS6)。
【0078】
次に、CPU123Aは、ステップS3にてデータベース126に登録したMACアドレス情報と、ステップS6にてデータベース126に登録したMACアドレス情報と、を比較し(ステップS7)、2つのMACアドレス情報が同じであるか否かを判定する(ステップS8)。
【0079】
比較の結果、2つのMACアドレス情報が同じであれば(ステップS8のYes)、ステップS1からの処理を繰り返す。
【0080】
なお、2つのMACアドレス情報が同じとなるのは、第1スイッチ111と第2スイッチ112のとの接続が正常であり、両方のスイッチ111,112が独立して動いていない場合である。換言すれば、ケーブル113、第1ケーブルインタフェース114,第2ケーブルインタフェース115の何れにも障害が発生していない場合に、2つのMACアドレス情報が同じとなる。これは、2つのスイッチ111,112がスタック構成110を構築し、1つのスイッチとして動作しているためである。
【0081】
しかしながら、スイッチ111,112の相互間を接続しているケーブル113、第1ケーブルインタフェース114、第2ケーブルインタフェース115の何れかに障害が発生すると、両方のスイッチ111,112が独立して動作してしまう。このため、第1インタフェース121から送信した要求のARPメッセージに対する返信のARPメッセージに含まれるMACアドレス情報と、第2インタフェース122から送信した要求のARPメッセージに対する返信のARPメッセージに含まれるMACアドレス情報とは、互いに異なる。
【0082】
そこで、2つのMACアドレス情報が異なる場合(ステップS8のNo)、すなわち、両方のスイッチ111,112が相互に独立して動作していることを検出できた場合には、CPU123Aは、2つのスイッチ111,112のうちの何れか一方の動作を停止させる。すなわち、具体的には、例えば、第2インタフェース112から閉塞を指示する閉塞信号を第2スイッチ112に対して送信し(ステップS9)、第2スイッチ112の動作を停止させる。
【0083】
これにより、両方のスイッチ111,112が相互に独立して動作していることにより引き起こされる障害検出システム100における障害の発生を回避させる。
【0084】
以上のような第1の実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
【0085】
第1の効果は、第1インタフェース121と第2インタフェース122のそれぞれからARP要求メッセージを送信することにより、第1及び第2スイッチ111,112の相互間の接続に障害が発生した場合に、その障害を検出できることである。
【0086】
第2の効果は、障害の検出後に片方のスイッチ(スイッチ111,112の何れか一方)の動作を止めることができるので、両方のスイッチ111,112が互いに独立して動作してしまうことにより通信不可になってしまう、というネットワーク障害の発生を回避できることである。
【0087】
〔第2の実施形態〕
図3は第2の実施形態の場合のスタック構成の障害検出システム100を示すブロック図である。
【0088】
本実施形態の場合、障害検出システム100は、2つの通信装置120A、120Bを備え、このうち第1通信装置120Aが第1インタフェース121を、第2通信装置120Bが第2インタフェース122を、それぞれ備えている。
【0089】
なお、本実施形態の場合、第1及び第2スイッチ111,112からの返信のARPメッセージより抽出したMACアドレス情報は、第1通信装置120Aが備える第3インタフェース127及び第2通信装置120Bが備える第4インタフェース128を介して、相互に共有される。
【0090】
以下、図2を用いて、本実施形態の場合の動作を説明する。
【0091】
本実施形態でも、第1スイッチ111と第2スイッチ112は、第1スイッチ111のMACアドレス情報及びIPアドレス情報を共用しているものとする。
【0092】
先ず、第1通信装置120AのCPU123Aは、要求のARPメッセージを第1インタフェース121からスタック構成110の第1スイッチ111に対して送信する(ステップS1)。
【0093】
ここで送信される要求のARPメッセージには、第1インタフェース121のIPアドレス情報と、第1インタフェース121のMACアドレス情報と、第1スイッチ111が現在使用しているIPアドレス情報(つまり、第1スイッチ111のIPアドレス情報)と、が含まれている。
【0094】
先のステップS1にて送信された要求のARPメッセージを第1スイッチ111が受信すると、該第1スイッチ111は、返信のARPメッセージを第1通信装置120Aの第1インタフェース121に対して送信する。
【0095】
ここで送信される返信のARPメッセージには、第1インタフェース121のIPアドレス情報と、第1インタフェース121のMACアドレス情報と、第1スイッチ111が現在使用しているIPアドレス情報と、第1スイッチ111が現在使用しているMACアドレス情報が含まれている。
【0096】
すなわち、第1スイッチ111からの返信のARPメッセージには、第1スイッチ111と第2スイッチ112とがスタック構成110を構築しているかどうかにかかわらず、第1スイッチ111のMACアドレス情報が含まれている。
【0097】
第1通信装置120AのCPU123Aは、ステップS1の後は、ARPメッセージの応答の有無を監視し(ステップS2)、応答が無かった場合は(ステップS2のNo)、ステップS1からの処理を繰り返す。
【0098】
応答があった場合は(ステップS2のYes)、第1通信装置120AのCPU123Aは、第1インタフェース121を介して入力される返信のARPメッセージから、MACアドレス情報を抽出し、該抽出したMACアドレス情報を第1通信装置120Aのメモリ124内のデータベース126に登録する(記憶させる)。
【0099】
更に、第1通信装置120AのCPU123Aは、このように抽出したMACアドレス情報を、第3インタフェース127を介して、第2通信装置120Bの第4インタフェース128に出力する。第2通信装置120BのCPU123Aは、第4インタフェース128にMACアドレス情報が入力されると、該MACアドレス情報を第2通信装置120Bのメモリ124内のデータベース126に登録する(記憶させる)(ステップS3)。
【0100】
次に、第2通信装置120BのCPU123Aは、要求のARPメッセージを第2インタフェース122からスタック構成110の第2スイッチ112に対して送信する(ステップS4)。
【0101】
ここで送信される要求のARPメッセージには、第2インタフェース122のIPアドレス情報と、第2インタフェース122のMACアドレス情報と、第2スイッチ112が現在使用しているIPアドレス情報(つまり、第2スイッチ112のIPアドレス情報ではなく第1スイッチ111のIPアドレス情報)と、が含まれている。
【0102】
先のステップS4にて送信された要求のARPメッセージを第2スイッチ112が受信すると、該第2スイッチ112は、返信のARPメッセージを第2通信装置120Bの第2インタフェース122に対して送信する。
【0103】
ここで送信される返信のARPメッセージには、第2インタフェース122のIPアドレス情報と、第2インタフェース122のMACアドレス情報と、第2スイッチ112が現在使用しているIPアドレス情報と、第2スイッチ112が現在使用しているMACアドレス情報が含まれている。
【0104】
すなわち、第2スイッチ112からの返信のARPメッセージには、第1スイッチ111と第2スイッチ112とが正常にスタック構成110を構築している場合には、第1スイッチ111のMACアドレス情報が含まれている。しかし、ケーブル113、第1ケーブルインタフェース114、第2ケーブルインタフェース115などに障害が発生している場合には、第2スイッチ112のMACアドレス情報が含まれている。
【0105】
第2通信装置120BのCPU123Aは、ステップS4の後は、ARPメッセージの応答の有無を監視し(ステップS5)、応答が無かった場合は(ステップS5のNo)、ステップS1からの処理を繰り返す。
【0106】
応答があった場合は(ステップS5のYes)、第2通信装置120BのCPU123Aは、第2インタフェース122を介して入力される返信のARPメッセージからMACアドレス情報を抽出し、該抽出したMACアドレス情報を第2通信装置120Bのメモリ124内のデータベース126に登録する(記憶させる)。
【0107】
更に、第2通信装置120BのCPU123Aは、このように抽出したMACアドレス情報を、第4インタフェース128を介して、第1通信装置120Aの第3インタフェース127に出力する。第1通信装置120AのCPU123Aは、第3インタフェース127にMACアドレス情報が入力されると、該MACアドレス情報を第1通信装置120Aのメモリ124内のデータベース126に登録する(記憶させる)(ステップS6)。
【0108】
次に、第1通信装置120AのCPU123Aは、ステップS3にてデータベース126に登録したMACアドレス情報と、ステップS6にてデータベース126に登録したMACアドレス情報と、を比較し(ステップS7)、2つのMACアドレス情報が同じであるか否かを判定する(ステップS8)。
【0109】
同様に、第2通信装置120BのCPU123Aも、ステップS3にてデータベース126に登録したMACアドレス情報と、ステップS6にてデータベース126に登録したMACアドレス情報と、を比較し(ステップS7)、2つのMACアドレス情報が同じであるか否かを判定する(ステップS8)。
【0110】
比較の結果、2つのMACアドレス情報が同じであれば(ステップS8のYes)、ステップS1からの処理を繰り返す。
【0111】
なお、2つのMACアドレス情報が同じとなるのは、第1スイッチ111と第2スイッチ112のとの接続が正常であり、両方のスイッチ111,112が独立して動いていない場合である。換言すれば、ケーブル113、第1ケーブルインタフェース114,第2ケーブルインタフェース115の何れにも障害が発生していない場合に、2つのMACアドレス情報が同じとなる。これは、2つのスイッチ111,112が正常にスタック構成110を構築し、1つのスイッチとして動作しているためである。
【0112】
しかしながら、スイッチ111,112の相互間を接続しているケーブル113、第1ケーブルインタフェース114、第2ケーブルインタフェース115の何れかに障害が発生すると、両方のスイッチ111,112が独立して動作してしまう。このため、第1インタフェース121から送信した要求のARPメッセージに対する返信のARPメッセージに含まれるMACアドレス情報と、第2インタフェース122から送信した要求のARPメッセージに対する返信のARPメッセージに含まれるMACアドレス情報とは、互いに異なる。
【0113】
そこで、2つのMACアドレス情報が異なる場合(ステップS8のNo)、すなわち、両方のスイッチ111,112が相互に独立して動作していることを検出できた場合には、2つのスイッチ111,112のうちの何れか一方の動作を停止させる。すなわち、具体的には、例えば、第2通信装置120BのCPU123Aが、第2インタフェース112から閉塞を指示する閉塞信号を第2スイッチ112に対して送信し(ステップS9)、第2スイッチ112の動作を停止させる。
【0114】
これにより、両方のスイッチ111,112が相互に独立して動作していることにより引き起こされる障害検出システム100における障害の発生を回避させる。
【0115】
以上のような第2の実施形態によれば、第1インタフェース121と第2インタフェース122が別の通信装置に備えられている場合に、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0116】
なお、上記の各実施形態では、スタック構成110を構築するスイッチが第1及び第2スイッチ111,112の2つだけである例を説明したが、3つ以上のスイッチによりスタック構成を構成する場合にも、同様に、本発明を適用することができる。この場合、スタック構成をなす3つ以上のスイッチのうちの第1スイッチに対して第1インタフェース121から要求のARPメッセージを送信し、該3つ以上のスイッチのうちの第2スイッチに対して第2インタフェース122から要求のARPメッセージを送信し、これら第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出し、第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、スタック構成の障害を検出すれば良い。更に、この場合、スタック構成の障害が検出された場合に、該3つ以上のスイッチのうち、第1スイッチを除く全てのスイッチの動作を停止させる閉塞信号を、第1スイッチを除く各スイッチに対して出力すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】第1の実施形態に係るスタック構成の障害検出システムを示すブロック図である。
【図2】通信装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】第2の実施形態に係るスタック構成の障害検出システムを示すブロック図である。
【図4】一般的なスタック構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0118】
100 スタック構成の障害検出システム
110 スタック構成
111 第1スイッチ
112 第2スイッチ
113 ケーブル
114 第1ケーブルインタフェース
115 第2ケーブルインタフェース
120 通信装置
120A 第1通信装置
120B 第2通信装置
121 第1インタフェース(第1要求手段)
122 第2インタフェース(第2要求手段)
123A CPU(抽出手段、障害検出手段、停止手段)
123B ROM
123C RAM
124 メモリ
126 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタック構成をなす第1及び第2スイッチのうちの第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1要求手段と、
前記第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2要求手段と、
前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する抽出手段と、
前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する障害検出手段と、
を備えることを特徴とするスタック構成の障害検出装置。
【請求項2】
前記障害検出手段により前記スタック構成の障害が検出された場合に、前記第1及び第2スイッチのうちの何れか一方の動作を停止させる停止手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のスタック構成の障害検出装置。
【請求項3】
スタック構成をなす複数のスイッチのうちの第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1要求手段と、
前記複数のスイッチのうちの第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2要求手段と、
前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する抽出手段と、
前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する障害検出手段と、
を備えることを特徴とするスタック構成の障害検出装置。
【請求項4】
前記障害検出手段により前記スタック構成の障害が検出された場合に、前記複数のスイッチのうち、前記第1のスイッチを除く全てのスイッチの動作を停止させる停止手段を更に備えることを特徴とする請求項3に記載のスタック構成の障害検出装置。
【請求項5】
前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、を記憶するメモリを更に備え、
前記障害検出手段は、前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれ抽出され前記メモリに記憶されたMACアドレス情報が互いに一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスタック構成の障害検出装置。
【請求項6】
前記第1スイッチに接続され、前記第1要求手段として機能する第1インタフェースと、
前記第2スイッチに接続され、前記第2要求手段として機能する第2インタフェースと、
を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスタック構成の障害検出装置。
【請求項7】
当該障害検出装置は、相互に通信接続された複数の通信装置からなり、
前記複数の通信装置のうちの第1通信装置が前記第1要求手段を備え、
前記複数の通信装置のうちの第2通信装置が前記第2要求手段を備え、
前記複数の通信装置は、第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージを共有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスタック構成の障害検出装置。
【請求項8】
スタック構成をなす第1及び第2スイッチと、
前記スタック構成の障害を検出する障害検出装置と、
を備え、
前記障害検出装置は、
前記第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1要求手段と、
前記第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2要求手段と、
前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する抽出手段と、
前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する障害検出手段と、
を備えることを特徴とするスタック構成の障害検出システム。
【請求項9】
前記障害検出手段により前記スタック構成の障害が検出された場合に、前記第1及び第2スイッチのうちの何れか一方の動作を停止させる停止手段を更に備えることを特徴とする請求項8に記載のスタック構成の障害検出システム。
【請求項10】
スタック構成をなす複数のスイッチと、
前記スタック構成の障害を検出する障害検出装置と、
を備え、
前記障害検出装置は、
前記複数のスイッチのうちの第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1要求手段と、
前記複数のスイッチのうちの第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2要求手段と、
前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する抽出手段と、
前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する障害検出手段と、
を備えることを特徴とするスタック構成の障害検出システム。
【請求項11】
前記障害検出手段により前記スタック構成の障害が検出された場合に、前記複数のスイッチのうち、前記第1のスイッチを除く全てのスイッチの動作を停止させる停止手段を更に備えることを特徴とする請求項10に記載のスタック構成の障害検出システム。
【請求項12】
前記障害検出装置は、
前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、を記憶するメモリを更に備え、
前記障害検出手段は、前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれ抽出され前記メモリに記憶されたMACアドレス情報が互いに一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載のスタック構成の障害検出システム。
【請求項13】
前記障害検出装置は、
前記第1スイッチに接続され、前記第1要求手段として機能する第1インタフェースと、
前記第2スイッチに接続され、前記第2要求手段として機能する第2インタフェースと、
を備えることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一項に記載のスタック構成の障害検出システム。
【請求項14】
前記障害検出装置は、相互に通信接続された複数の通信装置からなり、
前記複数の通信装置のうちの第1通信装置が前記第1要求手段を備え、
前記複数の通信装置のうちの第2通信装置が前記第2要求手段を備え、
前記複数の通信装置は、第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージを共有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスタック構成の障害検出システム。
【請求項15】
スタック構成をなす第1及び第2スイッチのうちの第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1の過程と、
前記第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2の過程と、
前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する第3の過程と、
前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する第4の過程と、
を備えることを特徴とするスタック構成の障害検出方法。
【請求項16】
前記第4の過程により前記スタック構成の障害が検出された場合に、前記第1及び第2スイッチのうちの何れか一方の動作を停止させる第5の過程を更に備えることを特徴とする請求項15に記載のスタック構成の障害検出方法。
【請求項17】
スタック構成をなす複数のスイッチのうちの第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1の過程と、
前記複数のスイッチのうちの第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2の過程と、
前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する第3の過程と、
前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する第4の過程と、
を備えることを特徴とするスタック構成の障害検出方法。
【請求項18】
前記第4の過程により前記スタック構成の障害が検出された場合に、前記複数のスイッチのうち、前記第1のスイッチを除く全てのスイッチの動作を停止させる第5の過程を更に備えることを特徴とする請求項17に記載のスタック構成の障害検出方法。
【請求項19】
前記第3の過程により抽出したMACアドレス情報をメモリに記憶させる第6の過程を更に備え、
前記第4の過程では、前記第6の過程によって前記メモリに記憶されているMACアドレス情報が互いに一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出することを特徴とする請求項15乃至18のいずれか一項に記載のスタック構成の障害検出方法。
【請求項20】
スタック構成をなす第1及び第2スイッチのうちの第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1の処理と、
前記第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2の処理と、
前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する第3の処理と、
前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する第4の処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項21】
前記第4の処理により前記スタック構成の障害が検出された場合に、前記第1及び第2スイッチのうちの何れか一方の動作を停止させる第5の処理を更にコンピュータに実行させることを特徴とする請求項20に記載のプログラム。
【請求項22】
スタック構成をなす複数のスイッチのうちの第1スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第1の処理と、
前記複数のスイッチのうちの第2スイッチに対して要求のARPメッセージを送信する第2の処理と、
前記第1及び第2スイッチからの返信のARPメッセージの中からそれぞれMACアドレス情報を抽出する第3の処理と、
前記第1スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、前記第2スイッチからの返信のARPメッセージの中から抽出されたMACアドレス情報と、が一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出する第4の処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項23】
前記第4の処理により前記スタック構成の障害が検出された場合に、前記複数のスイッチのうち、前記第1のスイッチを除く全てのスイッチの動作を停止させる第5の処理を更にコンピュータに実行させることを特徴とする請求項22に記載のプログラム。
【請求項24】
前記第3の過程により抽出したMACアドレス情報をメモリに記憶させる第6の処理を更にコンピュータに実行させ、
前記第4の処理では、前記第6の処理によって前記メモリに記憶されているMACアドレス情報が互いに一致しないことを検出することにより、前記スタック構成の障害を検出することを特徴とする請求項20乃至23のいずれか一項に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−224866(P2009−224866A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64400(P2008−64400)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】