説明

スパークプラグの製造方法

【課題】 スパークプラグの製造方法において、カメラにて中心電極から接地電極側を撮影したとき、各部材の境界を鮮明にさせて、接地電極に対する仮曲げ後の偏芯修正工程における加工精度を向上させる。
【解決手段】 第1照明61および第2照明62を点灯させ、第3照明63を第1照明61および第2照明62よりも暗くさせた状態、第1照明61および第3照明63を点灯させ、第2照明62を第1照明61および第3照明63よりも暗くさせた状態、第1照明61、第2照明62、および第3照明63をすべて点灯させた状態でそれぞれカメラ30にて中心電極12および貴金属チップ14近傍を撮影する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に搭載された内燃機関に組み付けられるスパークプラグの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスパークプラグは、ハウジングの内部に柱状の中心電極が絶縁保持され、接地電極の一端がハウジングの一端面に接合され、接地電極の中間部が曲げられて、接地電極の他端が中心電極の先端面に対向して配置される。この接地電極には、中心電極と対向する場所に円柱状の貴金属チップが接合されており、この貴金属チップが中心電極に対向するように接地電極の中間部が曲げられ、貴金属チップと中心電極との間に火花ギャップが形成されている。なお、以下では接地電極において貴金属チップが接合された面をチップ接合面といい、貴金属チップにおいて接地電極に対する接合方向に平行な軸を貴金属チップ軸線という。
【0003】
このような接地電極は、接地電極の一端がハウジングに接合された後に仮曲げされることで火花ギャップが規格よりもわずかに大きくなるよう、略L字形状に加工される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、接地電極が仮曲げされた後、偏芯修正工程によって接地電極に対する偏芯修正加工が施される。ここで、偏芯とは、ワークにおいて中心電極から接地電極側を見たときに、貴金属チップ軸線と中心電極軸線とが同軸上にない状態のことを言う。このような偏芯修正加工では、まず、接地電極の仮曲げが終了したワークに対し、接地電極の反チップ接合面に対向する位置に照明が配置され、接地電極において照明とは反対側にカメラが配置される。
【0005】
このような状態で、カメラにて中心電極および貴金属チップ近傍が撮影される。そして、得られた画像から中心電極軸線と貴金属チップ軸線とのずれ量が測定され、その測定結果に基づいて修正パンチにて接地電極の側面が押し付けられ、ワークにおいて中心電極から接地電極側を見たときに中心電極軸線と貴金属チップ軸線とが同軸となるように修正される。
【特許文献1】特開2002−231412号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では、反チップ接合面に対向する位置に照明が1カ所だけ設置されているため、チップ接合面や貴金属チップ、そして中心電極に照明の光が当たりにくくなっていた。したがって、貴金属チップや中心電極が接地電極の影に隠れてしまうため、画像に各部材が暗く表示されると共に、各部材の境界がわかりづらくなっていた。これにより、各部材の寸法測定があいまいになってしまい、貴金属チップ軸線および中心電極軸線の正確な位置を得ることができず、偏芯修正工程における加工精度を上げることができなかった。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、スパークプラグの製造方法において、接地電極に対する仮曲げ後の偏芯修正工程における加工精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明では、仮曲げされた接地電極の反チップ接合面うち中心電極軸線方向に伸びる面、および接地電極のうち第2直交方向を向いた面を少なくとも照明する照明手段(61〜63)を用いて、第1直交方向上に配置される撮影手段(30)によって中心電極および貴金属チップ近傍を撮影し、撮影手段にて撮影された画像に基づき、中心電極から接地電極側を見たとき、中心電極軸線と貴金属チップ軸線との第2直交方向におけるずれ量を求め、ずれ量に基づいて接地電極に対する偏芯修正加工を行うことを特徴とする。
【0009】
このように、仮曲げされた接地電極の反チップ接合面、および接地電極において第2直交方向を向いた各面を照明手段にて照明して撮影手段にて撮影する。これにより、第2直交方向からワークが照明されるため、チップ接合面や貴金属チップ、そして中心電極を照明することができる。したがって、貴金属チップや中心電極が接地電極の影に隠れずに済むため、各部材の境界を確実に撮影することができる。このような照明手段を用いて撮影した画像を用いることで、各部材の寸法測定を精度良く行うことができ、貴金属チップ軸線および中心電極軸線の正確な位置を得ることができ、偏芯修正工程における加工精度を上げることができる。
【0010】
本発明では、反チップ接合面に対向する位置に配置される第1照明(61)と、第2直交方向に配置されると共に、ワークに対してそれぞれ対向するように配置される第2照明(62)および第3照明(63)と、を備えた照明手段を用いることを特徴とする。
【0011】
このように、接地電極の反チップ接合面、および反チップ接合面に垂直であって第2直交方向にそれぞれ対向するように配置された各照明を照明手段として用いる。これにより、第1照明によって背景を明るく撮影することができる。また、第2、第3照明によって貴金属チップや中心電極、そして接地電極において第2直交方向を向いた各面をそれぞれ鮮明に撮影することができる。
【0012】
本発明では、第1照明および第2照明を点灯させ、第3照明を第1照明および第2照明よりも暗くさせた状態、第1照明および第3照明を点灯させ、第2照明を第1照明および第3照明よりも暗くさせた状態、第1照明、第2照明、および第3照明をすべて点灯させた状態でそれぞれ撮影手段にて中心電極および貴金属チップ近傍を撮影することを特徴とする。
【0013】
このように、各照明の点灯状態を変更して撮影する。これにより、第1、第2照明を点灯させ、第3照明を暗くさせた場合、撮影された画像において、接地電極において第3照明に対向する面と背景との境界をより鮮明にさせることができる。同様に、第1、第3照明を点灯させ、第2照明を暗くさせた場合、撮影された画像において、接地電極において第2照明に対向する面と背景との境界をより鮮明にさせることができる。また、すべての照明を点灯させた場合、中心電極および貴金属チップにおいて第2、第3照明に対向する側と接地電極のチップ接合面との境界を鮮明にさせることができる。
【0014】
本発明では、ずれ量を求める工程では、画像中に複数のウィンドウ(W1〜W7)を設け、これらウィンドウ内において各部材の境界もしくは各部材と背景(80)との境界の座標をそれぞれ取得することを特徴とする。
【0015】
このように、画像中にウィンドウを設定し、ウィンドウ内において各部材の境界や各部材と背景との境界の座標をそれぞれ取得する。これにより、取得したい境界の座標の取得効率を向上させることができる。また、画像全体のうち一部の領域のみについて境界を探せばよいため、境界の座標を確実に取得することができる。
【0016】
本発明では、接地電極のうち第2直交方向を向いた各面を押し付ける修正パンチ(71、72)の移動量をずれ量を用いて求め、この移動量に基づいて修正パンチを駆動することにより接地電極に対する偏芯修正加工を行うことを特徴とする。
【0017】
このように、各軸線のずれ量を用いて修正パンチの移動量を求め、この移動量に基づいて修正パンチを駆動して接地電極を加工する。これにより、第1直交方向において中心電極から接地電極側を見たとき、中心電極軸線と貴金属チップ軸線とを同軸上に配置するようにすることができる。
【0018】
本発明では、修正パンチの移動量が修正しきい値よりも大きい場合、第2直交方向において貴金属チップ軸線が中心電極軸線を越えないように接地電極を加工して貴金属チップ軸線を中心電極軸線に近づけ、この後、修正パンチをさらに同じ方向に駆動して、貴金属チップ軸線が中心電極軸線と同軸上に配置されるように接地電極を加工するようになっており、修正パンチの移動量が修正しきい値以下である場合、第2直交方向において貴金属チップ軸線が中心電極軸線を越えるように接地電極を加工し、この後、修正パンチのうち貴金属チップ軸線側のものを前回とは逆方向に駆動して、貴金属チップ軸線が中心電極軸線と同軸上に配置されるように接地電極を加工することを特徴とする。
【0019】
このように、修正しきい値に対する修正パンチの移動量に応じて、修正パンチの駆動方法を選択する。これにより、各軸線のずれ量が大きい場合には、1回目の加工で貴金属チップ軸線を中心電極軸線に近づけ、2回目の加工で各軸線を同軸上に配置させるようにすることができる。一方、各軸線のずれ量が小さい場合には、1回目の加工で貴金属チップ軸線が中心電極軸線を越えるように接地電極を加工し、2回目の加工で各軸線を同軸上に配置するようにすることができる。このようにして、修正パンチの移動量の大きさによって修正パンチの駆動方法を選択することで、接地電極に対する加工精度を向上させることができる。
【0020】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の製造方法により製造されるスパークプラグを半断面で示す正面図である。図1に示されるように、スパークプラグ1は、導電性の鉄鋼材料よりなる略円筒形状のハウジング10を有しており、ハウジング10には、絶縁性に富むセラミックからなる略円筒形状の絶縁碍子11が挿入固定されている。絶縁碍子11の軸孔11aには、導電性の金属材料よりなる略円柱形状の中心電極12が挿入固定されている。また、ハウジング10の一端面10aにはNi基合金よりなる板状の接地電極13の一端側が接合され、接地電極13の他端側には耐火花消耗性に優れた例えばIr(イリジウム)合金よりなる円柱状の貴金属チップ14が接合されている。本実施形態では、貴金属チップ14において接地電極13に対する接合方向に平行な軸を貴金属チップ軸線Z2(後述する図4参照)という。
【0023】
上記接地電極13は、仮曲げ前の時点では破線で示されるように直線状の板部材であり、中心電極12の軸線Z1方向に伸びている。また、接地電極13は、仮曲げにより略L字形状に加工され、本曲げにより図1の実線で示されるように、さらに曲げられて火花ギャップGが所定寸法に加工されている。換言すると、接地電極13は、中心電極軸線Z1に対して略平行に延びる脚部13aと、中心電極軸線Z1に対して略直交方向に延びる対向部13bと、を有し、貴金属チップ14が中心電極12の先端面12aに対向して配置されると共に、貴金属チップ14と中心電極12との間に中心電極軸線Z1方向に所定の火花ギャップGが形成されている。
【0024】
また、本実施形態では、接地電極13における貴金属チップ14が接合された面をチップ接合面13cといい、接地電極13における貴金属チップ14が接合されていない面を反チップ接合面13dという。以上が、本発明の製造方法により製造されるスパークプラグ1の中心電極12付近の構成である。
【0025】
次に、接地電極を仮曲げした後の接地電極13に対して偏芯修正を行うための装置について、図を参照して説明する。ここで、偏芯とは、ワークにおいて中心電極12から接地電極13側を見たときに、中心電極軸線Z1と貴金属チップ軸線Z2とが同軸上にない状態のことを言う(図4参照)。
【0026】
図2は、偏芯修正を行う前の準備段階で用いる準備加工装置を示す模式的な正面図である。図2に示されるように、準備加工装置は、火花ギャップG部分を上方にしてワーク(スパークプラグ1)を固定保持するホルダ20と、両電極12、13近傍を撮影するカメラ30と、カメラ30から出力される画像信号を処理する画像処理手段40と、画像処理手段40から入力される信号に基づいて複数の駆動装置を制御する制御手段50と、を備えて構成されている。なお、カメラ30は、本発明の撮影手段に相当し、例えばCCDカメラが採用される。
【0027】
画像処理手段40は、カメラ30から入力される画像の画像信号に基づき、中心電極軸線Z1および貴金属チップ軸線Z2の位置をそれぞれ測定により求めて各軸線Z1、Z2のずれ量を求めると共に、このずれ量に基づいて接地電極13を偏芯修正するための修正パンチ71、72(後述する図4参照)の駆動量(移動量)を求めるものである。
【0028】
このような画像処理手段40は、修正パンチ71、72の移動量を算出する移動量算出プログラム、および各種演算式やデータ等が記憶されたROM、RAM、CPU、I/Oポート(いずれも図示しない)などを備えて構成されている。この画像処理手段40にて得られた偏芯修正値は、制御手段50に出力される。
【0029】
制御手段50は、画像処理手段40から入力される偏芯修正値のデータに基づき、修正パンチ71、72を駆動するための修正パンチ駆動装置73、74を作動させる機能を有するものである。このような制御手段50は、上記画像処理手段40と同様に、各種演算式やデータ、駆動装置を作動させるためのプログラム等が記憶されたROM、RAM、CPU、I/Oポート(いずれも図示しない)などを備えて構成されている。
【0030】
図3は、図2に示されるカメラ30の配置を示す模式的な平面図である。図3に示されるように、カメラ30は、接地電極13に対する仮曲げ後の時点での両電極12、13付近を撮影するようになっている。ここで、中心電極軸線Z1に直交すると共に接地電極13を貫く方向を第1直交方向Xとすると、カメラ30の撮影方向は、この第1直交方向Xである。また、中心電極軸線Z1および第1直交方向Xに垂直な方向を第2直交方向Yとする。
【0031】
さらに、図3に示されるように、ワーク付近に照明61〜63が配置されている。具体的には、第1直交方向Xに配置され、ワークにおいてカメラ30とは反対側に第1照明61が配置されており、接地電極13の反チップ接合面13dが照明されるようになっている。また、第2直交方向Yに配置され、ワークに対してそれぞれ対向するように第2、第3照明62、63が配置されており、接地電極13の反チップ接合面13dに垂直な面(以下では、接地電極13の側面という)がそれぞれ照明されるようになっている。
【0032】
上記第1〜第3照明61〜63として、例えば白色のLED(発光ダイオード)が採用される。また、各照明61〜63にはコントローラが備えられており、上記制御手段50からの指令に基づいて点灯または消灯される。
【0033】
図4は、偏芯修正加工装置の模式図である。図4に示されるように、偏芯修正加工装置は、第1、第2修正パンチ71、72と、第1、第2修正パンチ駆動装置73、74と、を備えて構成されている。第1修正パンチ71は、仮曲げ後の接地電極13の側面のうち一方に対向し、制御手段50にて制御される第1修正パンチ駆動装置73により第2直交方向Yに駆動される。また、第2修正パンチ72は、仮曲げ後の接地電極13の側面のうち他方に対向し、制御手段50にて制御される第2修正パンチ駆動装置74により第2直交方向Yに駆動される。なお、第1修正パンチ駆動装置73および第2修正パンチ駆動装置74は、サーボモータまたは油空圧シリンダを用いている。
【0034】
以上が、本実施形態に係るスパークプラグ1を製造する上で、偏芯修正加工工程に用いられる装置およびその構成である。
【0035】
次に、図1に示されるスパークプラグ1の製造方法のうち、上記装置を用いて接地電極13を仮曲げした後の偏芯修正加工工程について説明する。
【0036】
まず、中心電極軸線Z1と貴金属チップ軸線Z2とのずれ量や修正パンチ71、72の移動量を算出するため、ワークの各電極12、13近傍を撮影する。図5は、各照明61〜63の照明パターンと各照明パターンに応じて撮影される画像において接地電極13のコントラストを模式的に示した図である。なお、図5のうち暗い部分を点ハッチングによって表現してある。また、図5においてカメラ30は省略してあり、図5に示される各画像において、中心電極12、接地電極13、および貴金属チップ14以外の部材は省略してある。
【0037】
図5(a)は、第1、第2照明61、62を点灯させ、第3照明63を消灯させるパターン(以下、第1パターンという)とそのパターンにて撮影された各電極12、13近傍の画像を示したものである。この図に示されるように、接地電極13において第3照明63と対向する側面13eは照明されないため暗く撮影される。しかしながら、第1照明61は点灯しているため、背景80は明るく撮影される。したがって、第1パターンでは、接地電極13の側面13eと背景80との境界が鮮明に撮影される。
【0038】
また、図5(b)は、第1、第3照明61、63を点灯させ、第2照明62を消灯させるパターン(以下、第2パターンという)とそのパターンにて撮影された各電極12、13近傍の画像を示したものである。この図に示されるように、接地電極13において第2照明62と対向する側面13fは照明されないため暗く撮影される。しかしながら、第1照明61は点灯しているため、背景80は明るく撮影される。したがって、第2パターンでは、接地電極13の側面13fと背景80との境界が鮮明に撮影される。
【0039】
さらに、図5(c)は、第1〜第3照明61〜63をすべて点灯させるパターン(以下、第3パターンという)とそのパターンにて撮影された各電極12、13近傍の画像を示したものである。この図に示されるように、第3パターンでは、すべての照明61〜63が点灯しているため、背景80、接地電極13の各側面13e、13fが明るく撮影される。したがって、中心電極12の先端側と貴金属チップ14とにおいて第2、第3照明62、63と対向する部分は明るく撮影され、第1照明61が点灯していることで、接地電極13のうちチップ接合面13cが暗く撮影される。これにより、第3パターンでは、中心電極12および貴金属チップ14のうち第2、第3照明62、63と対向する部分とチップ接合面13cとの境界が鮮明に撮影される。
【0040】
以上のようにして、各照明61〜63が駆動されて各パターンにおいて各電極12、13近傍が撮影されるようになっている。
【0041】
この後、これらの画像に基づいて中心電極軸線Z1と貴金属チップ軸線Z2とのずれ量を検出し、ずれ量に応じた修正パンチ71、72の移動量を算出する方法について図6−1〜図6−5を参照して説明する。図6−1〜図6−5は、中心電極軸線Z1の位置と貴金属チップ軸線Z2の位置とをそれぞれ検出して各軸線Z1、Z2のずれ量を求め、そのずれ量に応じた修正パンチ71、72の移動量を求める内容を示したフローチャートである。図6−1〜図6−5に示されるフローチャートは、画像処理手段40に記憶された移動量算出プログラムに従って実行され、ワークが図2および図3に示される準備加工装置に設置された状態でスタートするようになっている。
【0042】
図6−1に示されるフローチャートがスタートすると、ステップ100では、初期値設定がなされる。すなわち、各軸線Z1、Z2のずれ量および修正パンチ71、72の移動量を算出するための各データ等の初期値が設定される。
【0043】
ステップ101では、画像入力がなされる。つまり、図5に示される第1〜第3パターンでそれぞれ撮影された画像が取り込まれる。
【0044】
ステップ102では、画像二値化処理がなされる。本ステップでは、ステップ101で取り込まれた各画像が白および黒の濃淡でそれぞれ表示されるように処理される。
【0045】
ステップ103では、第1ウィンドウが設定される。具体的には、図5に示される第3パターンにて撮影された画像に対し、接地電極13の他端側を囲う第1ウィンドウが画像中に張られる。この様子を図7に示す。図7は、図5(c)に示される照明パターンで得られた画像に第1ウィンドウW1を設定した様子を示した図である。この図に示されるように、接地電極13の他端側が第1ウィンドウW1にて囲まれる。なお、図7〜図13において、中心電極12、接地電極13、および貴金属チップ14以外の部材は省略してある。
【0046】
なお、本実施形態では、図7および以降で示される画像の図において、左上を原点(0,0)とし、ハウジング10の一端面10aに平行な方向(原点に対して紙面右方向)をx軸、ハウジング10の長軸方向(原点に対して紙面上下方向)をy軸とする。
【0047】
また、第1ウィンドウW1は、それが構成される座標(つまり、4つの座標)としてあらかじめ画像処理手段40に記憶されており、本ステップにおいて画像の画像データが画像処理手段40に入力された後、画像中に第1ウィンドウW1を構成する各座標が設定されることで第1ウィンドウW1が形成される。なお、以下で形成される各ウィンドウも同じである。
【0048】
ステップ104では、ボックスが検出されたか否かが判定される。ボックスとは、本実施形態では、図7に示される接地電極13においてもっとも先端部分、すなわち反チップ接合面13dのうちハウジング10からもっとも離れた部分を指す。したがって、本ステップでは、第1ウィンドウW1内においてボックスB1の座標が取得される。
【0049】
具体的には、接地電極13と背景80との境界がボックスB1として検出されるのである。つまり、第1ウィンドウW1内において、y軸方向に画像の色の変化をモニタしていくと、例えば図中の明るい部分(背景80)が暗い部分(接地電極13)に変化する境界が検出され、その境界のうちy軸の座標がもっとも小さい値となる場所の座標が検出される。本ステップでは、図中の暗い部分と明るい部分との境界が検出されず、ボックスB1の座標が検出されない場合もある。なお、以下に示される境界を検出する各ステップにおいても同様である。
【0050】
上記のようにして、ボックスB1の座標検出が行われた後、ボックスB1が検出されたか否かが判定される。すなわち、上記のようにしてボックスB1の座標が取得されたか否かが判定される。本ステップにてボックスB1の座標が取得されていないと判定された場合、図6−5に示されるステップ105に進む。一方、本ステップにてボックスB1の座標が取得されたと判定された場合、ステップ106に進む。
【0051】
図6−5に示されるステップ105では、エラー処理がなされる。すなわち、上記ステップ104にてボックスB1の座標が取得されなかったのは、撮影状況やワークそのものに問題があると考えられる。したがって、本ステップでは、このようなワークに対し、修正パンチ71、72の移動量を算出するステップおよび偏芯修正加工工程をキャンセルする処理が施される。このエラー処理により、図2に示される準備加工装置に固定保持されたワークは、この準備加工装置から取り外される。そして、本フローチャートは終了し、別のワークが準備加工装置に取り付けられ、再び図6−1〜図6−5に示されるフローが実行開始される。
【0052】
そして、図6−1に示されるステップ106では、第2ウィンドウW2が設定される。具体的には、第2ウィンドウW2は、上記ステップ104で得られたボックスB1の座標に基づいてその場所が設定される。すなわち、第2ウィンドウW2は、第1ウィンドウW1内であって、少なくとも接地電極13の各側面13e、13fが含まれるように設定され、画像中に張られる。このような第2ウィンドウW2は、図7に示されるように、接地電極13の各側面13e、13fと背景80とのエッジ(境界)を検出するための検出範囲となるものである。
【0053】
ステップ107では、第2エッジE2が検出されたか否かが判定される。本ステップでは、まず、図7に示される第2ウィンドウW2内において、x軸における原点側の接地電極13と背景80との境界が第2エッジE2として検出される。すなわち、第2ウィンドウW2内において、x軸方向に画像の色の変化をモニタしていくと、図中の明るい部分(背景80)が暗い部分(接地電極13)に変化する境界が検出され、その境界の座標が取得される。
【0054】
上記のようにして、第2エッジE2の座標検出が行われた後、第2エッジE2が検出されたか否かが判定される。すなわち、上記のようにして第2エッジE2の座標が取得されたか否かが判定される。本ステップにて第2エッジE2の座標が取得されていないと判定された場合、ステップ105に進む。一方、本ステップにて第2エッジE2の座標が取得されたと判定された場合、ステップ108に進む。
【0055】
ステップ108では、第3エッジE3が検出されたか否かが判定される。本ステップでは、図7に示される第2ウィンドウW2内のうち、第2エッジE2とは反対側における接地電極13と背景80との境界が第3エッジE3として検出される。すなわち、第2ウィンドウW2内において、x軸方向に画像の色の変化をモニタしていくと、図中の暗い部分(接地電極13)が明るい部分(背景80)に変化する境界が検出され、その境界の座標が取得される。
【0056】
上記のようにして、第3エッジE3の座標検出が行われた後、第3エッジE3が検出されたか否かが判定される。すなわち、上記のようにして第3エッジE3の座標が取得されたか否かが判定される。本ステップにて第3エッジE3の座標が取得されていないと判定された場合、ステップ105に進む。一方、本ステップにて第3エッジE3の座標が取得されたと判定された場合、ステップ109に進む。
【0057】
ステップ109では、第3ウィンドウが設定される。本ステップにおいて第3ウィンドウが画像中に設定される様子を図8に示す。図8は、図7と同様に、図5(c)に示される照明パターンにて撮影された画像に第3ウィンドウW3を示したものである。図8に示されるように、第3ウィンドウW3は、上記ステップ104で検出されたボックスB1の座標に基づいて少なくとも貴金属チップ14が含まれるよう、第1ウィンドウW1内に設定され、画像中に張られる。このような第3ウィンドウW3は、貴金属チップ14と接地電極13のチップ接合面13cとのエッジ(境界)を検出するための検出範囲となるものである。
【0058】
ステップ110では、第4エッジE4が検出されたか否かが判定される。本ステップでは、図8に示される第3ウィンドウW3内において、x軸における原点側の接地電極13のチップ接合面13cと貴金属チップ14との境界が第4エッジE4として検出される。すなわち、第3ウィンドウW3内において、x軸方向に画像の色の変化をモニタしていくと、図中の暗い部分(チップ接合面13c)が明るい部分(貴金属チップ14)に変化する境界が検出され、その境界の座標が取得される。
【0059】
上記のようにして、第4エッジE4の座標検出が行われた後、第4エッジE4が検出されたか否かが判定される。すなわち、上記のようにして第4エッジE4の座標が取得されたか否かが判定される。本ステップにて第4エッジE4の座標が取得されていないと判定された場合、ステップ112に進む。一方、本ステップにて第4エッジE4の座標が取得されたと判定された場合、ステップ111に進む。
【0060】
ステップ111では、第5エッジE5が検出されたか否かが判定される。本ステップでは、図8に示される第3ウィンドウW3内のうち、第4エッジE4とは反対側における貴金属チップ14と接地電極13のチップ接合面13cとの境界が第5エッジE5として検出される。すなわち、第3ウィンドウW3内において、x軸方向に画像の色の変化をモニタしていくと、図中の明るい部分(貴金属チップ14)が暗い部分(チップ接合面13c)に変化する境界が検出され、その境界の座標が取得される。
【0061】
上記のようにして、第5エッジE5の座標検出が行われた後、第5エッジE5が検出されたか否かが判定される。すなわち、上記のようにして第5エッジE5の座標が取得されたか否かが判定される。本ステップにて第5エッジE5の座標が取得されていないと判定された場合、ステップ112に進む。一方、本ステップにて第5エッジE5の座標が取得されたと判定された場合、図6−3に示されるステップ115に進む。
【0062】
ステップ112では、第3ウィンドウW3内におけるエッジ検出が終了したか否かが判定される。すなわち、本ステップでは、エッジ誤検出防止のため、上記ステップ110、111において第4、第5エッジE4、E5の検出がそれぞれ終了したか否かが判定される。そして、第4、第5エッジE4、E5のうち、一方でも検出されない場合、エッジ検出は終了していないと判定され、ステップ109に戻り、再び第4、第5エッジE4、E5の検出が行われる。この場合、ステップ109に戻った回数がエッジリトライ回数としてカウントされる。一方、本ステップにて各エッジE4、E5の検出が終了したと判定されるとステップ113に進む。
【0063】
ステップ113では、エッジリトライ回数上限超えか否かが判定される。すなわち、上記ステップ112にて各エッジE4、E5のうちいずれかまたは両方が検出されずに、ステップ109に戻ったエッジリトライ回数が上限としての所定回数(例えば5回)を超えたか否かが判定される。本ステップにて、エッジリトライ回数が所定回数を超えた場合、ステップ105に進む。一方、エッジリトライ回数が所定回数を超えていないと判定された場合、ステップ114に進む。
【0064】
ステップ114では、エッジリトライ処理がなされる。このエッジリトライ処理とは、図7および図8に示される画像に対し、エッジレベルを下げることで白黒の濃淡レベルを上げて各部材の境界を検出しやすいようにするための処理である。画像に対しこの処理が施されると、ステップ109に戻り、再び第4、第5エッジE4、E5の検出が行われる。
【0065】
ステップ111にて第5エッジE5が検出されたと判定されると、図6−3に示されるステップ115にて、第4ウィンドウが設定される。本ステップにおいて第4ウィンドウが画像中に設定される様子を図9に示す。図9は、図7および図8と同様に、図5(c)に示される照明パターンにて撮影された画像に第4ウィンドウW4を設定した様子を示した図である。
【0066】
図8に示されるように、第4ウィンドウW4は、上記ステップ104で検出されたボックスB1の座標に基づき画像のy軸方向において貴金属チップ14と中心電極12の先端面12aとの間に少なくともチップ接合面13cが含まれるように設定され、画像中に張られる。このような第4ウィンドウW4は、接地電極13のチップ接合面13cと背景80とのエッジ(境界)を検出するための検出範囲となるものである。
【0067】
ステップ115では、第6エッジE6が検出されたか否かが判定される。本ステップでは、図9に示される第4ウィンドウW4内において、x軸における原点側の背景80と接地電極13のチップ接合面13cとの境界が第6エッジE6として検出される。すなわち、第4ウィンドウW4内において、x軸方向に画像の色の変化をモニタしていくと、図中の明るい部分(背景80)が暗い部分(チップ接合面13c)に変化する境界が検出され、その境界の座標が取得される。
【0068】
上記のようにして、第6エッジE6の座標検出が行われた後、第6エッジE6が検出されたか否かが判定される。すなわち、上記のようにして第6エッジE6の座標が取得されたか否かが判定される。本ステップにて第6エッジE6の座標が取得されていないと判定された場合、ステップ105に進む。一方、本ステップにて第6エッジE6の座標が取得されたと判定された場合、ステップ117に進む。
【0069】
ステップ117では、第7エッジE7が検出されたか否かが判定される。本ステップでは、図9に示される第4ウィンドウW4内のうち、接地電極13において第6エッジE6とは反対側におけるチップ接合面13cと背景80との境界が第7エッジE7として検出される。すなわち、第4ウィンドウW4内において、x軸方向に画像の色の変化をモニタしていくと、図中の暗い部分(チップ接合面13c)が明るい部分(背景80)に変化する境界が検出され、その境界の座標が取得される。
【0070】
上記のようにして、第7エッジE7の座標検出が行われた後、第7エッジE7が検出されたか否かが判定される。すなわち、上記のようにして第7エッジE7の座標が取得されたか否かが判定される。本ステップにて第7エッジE7の座標が取得されていないと判定された場合、ステップ105に進む。一方、本ステップにて第7エッジE7の座標が取得されたと判定された場合、ステップ118に進む。
【0071】
ステップ118では、第5ウィンドウが設定される。本ステップにおいて第5ウィンドウが画像中に設定される様子を図10に示す。図10は、図7〜9と同様に、図5(c)に示される照明パターンにて撮影された画像に第5ウィンドウW5を設定した様子を示した図である。
【0072】
図10に示されるように、第5ウィンドウW5は、上記ステップ116、117で検出された第6、第7エッジE6、E7の座標に基づいて少なくとも中心電極12の先端面12aが含まれるように設定され、画像中に張られる。このような第5ウィンドウW5は、接地電極13のチップ接合面13cと中心電極12とのエッジ(境界)を検出するための検出範囲となるものである。
【0073】
ステップ119では、第8エッジE8が検出されたか否かが判定される。本ステップでは、図10に示される第5ウィンドウW5内において、x軸における原点側の接地電極13のチップ接合面13cと中心電極12との境界が第8エッジE8として検出される。すなわち、第5ウィンドウW5内において、x軸方向に画像の色の変化をモニタしていくと、図中の暗い部分(チップ接合面13c)が明るい部分(中心電極12)に変化する境界が検出され、その境界の座標が取得される。
【0074】
上記のようにして、第8エッジE8の座標検出が行われた後、第8エッジE8が検出されたか否かが判定される。すなわち、上記のようにして第8エッジE8の座標が取得されたか否かが判定される。本ステップにて第8エッジE8の座標が取得されていないと判定された場合、ステップ121に進む。一方、本ステップにて第8エッジE8の座標が取得されたと判定された場合、ステップ120に進む。
【0075】
ステップ120では、第9エッジE9が検出されたか否かが判定される。本ステップでは、図10に示される第5ウィンドウW5内のうち、第8エッジE8とは反対側における中心電極12と接地電極13のチップ接合面13cとの境界が第9エッジE9として検出される。すなわち、第5ウィンドウW5内において、x軸方向に画像の色の変化をモニタしていくと、図中の明るい部分(中心電極12)が暗い部分(チップ接合面13c)に変化する境界が検出され、その境界の座標が取得される。
【0076】
上記のようにして、第9エッジE9の座標検出が行われた後、第9エッジE9が検出されたか否かが判定される。すなわち、上記のようにして第9エッジE9の座標が取得されたか否かが判定される。本ステップにて第9エッジE9の座標が取得されていないと判定された場合、ステップ121に進む。一方、本ステップにて第9エッジE9の座標が取得されたと判定された場合、図6−4に示されるステップ124に進む。
【0077】
ステップ121では、第5ウィンドウW5内におけるエッジ検出が終了したか否かが判定される。本ステップでは、ステップ112と同様の処理が第8、第9エッジE8、E9に対して行われる。そして、本ステップにてエッジ検出終了でないと判定されるとステップ118に戻り、再びエッジ検出が行われる。一方、本ステップにてエッジ検出終了と判定されると、ステップ122に進む。
【0078】
ステップ122では、エッジリトライ回数上限超えか否かが判定される。本ステップでは、ステップ113と同様の処理が行われる。そして、本ステップにて、エッジリトライ回数が所定回数を超えた場合、ステップ105に進む。一方、本ステップにてエッジリトライ回数が所定回数を超えていないと判定された場合、ステップ123に進む。
【0079】
ステップ123では、エッジリトライ処理がなされる。本ステップでは、ステップ114と同様の処理が行われる。なお、エッジレベルの変更値は、上記ステップ114と同じでも良いし、異なる値でも良い。本ステップにて画像に対しエッジリトライ処理が施されると、ステップ118に戻り、再び第8、第9エッジE8、E9の検出が行われる。
【0080】
続いて、図6−4に示されるステップ124では、第6ウィンドウが設定されると共に、その第6ウィンドウ内に複数のエッジ検出ウィンドウが設定される。まず、本ステップでは、図5(b)に示される照明パターンで得られた画像が用いられる。図11は、図5(b)に示される照明パターンで得られた画像に第6ウィンドウW6および第6ウィンドウW6内に複数のエッジ検出ウィンドウW61〜W65を設定した様子を示したものである。
【0081】
図11に示されるように、少なくとも接地電極13の他端側において画像の原点側の側面13fが含まれるように設定され、画像中に張られる。このような第6ウィンドウW6は、接地電極13の他端側の側面13fと背景80とのエッジ(境界)を検出するための検出範囲となるものである。また、この第6ウィンドウW6は、y軸方向に複数に分割されて複数のエッジ検出ウィンドウW61〜W65から構成されている。以上のように、第6ウィンドウW6および第6ウィンドウW6内に複数のエッジ検出ウィンドウW61〜W65が設定される。
【0082】
ステップ125では、第10エッジE10が検出されたか否かが判定される。本ステップでは、図11に示される複数のエッジ検出ウィンドウW61〜W65内において、x軸における原点側の背景80と接地電極13の側面13fとの境界が第10エッジE10として検出される。具体的には、各エッジ検出ウィンドウW61〜W65内において、x軸方向に画像の色の変化をそれぞれモニタしていくと、図中の明るい部分(背景80)が暗い部分(接地電極13の側面13f)に変化する境界がそれぞれ検出され、その境界の座標がそれぞれ取得される。そして、本ステップでは、得られた複数の座標のうち、x軸方向においてもっとも原点側の座標が第10エッジE10とされる。
【0083】
上記のようにして、第10エッジE10の座標検出が行われた後、第10エッジE10の座標が取得されたか否かが判定される。本ステップにて第10エッジE10の座標が取得されていないと判定された場合、ステップ126に進む。一方、本ステップにて第10エッジE10の座標が取得されたと判定された場合、ステップ128に進む。
【0084】
ステップ126では、エッジリトライ回数上限超えか否かが判定される。本ステップでは、ステップ113、121と同様の処理が行われる。そして、本ステップにて、エッジリトライ回数が所定回数を超えた場合、ステップ105に進む。一方、本ステップにてエッジリトライ回数が所定回数を超えていないと判定された場合、ステップ127に進む。
【0085】
ステップ127では、エッジリトライ処理がなされる。本ステップでは、ステップ114、122と同様の処理が行われる。本ステップにて画像に対しエッジリトライ処理が施されると、ステップ124に戻り、再び第10エッジE10の検出が行われる。
【0086】
ステップ128では、第7ウィンドウが設定されると共に、その第7ウィンドウ内に複数のエッジ検出ウィンドウが設定される。まず、本ステップでは、図5(a)に示される照明パターンで得られた画像が用いられる。図12は、図5(a)に示される照明パターンで得られた画像に第7ウィンドウW7および第7ウィンドウW7内に複数のエッジ検出ウィンドウW71〜W75を設定した様子を示したものである。
【0087】
図12に示されるように、少なくとも接地電極13の他端側において第10エッジE10が検出された側面13fとは反対側の側面13eが含まれるように設定され、画像中に張られる。このような第7ウィンドウW7は、接地電極13の他端側の側面13eと背景80とのエッジ(境界)を検出するための検出範囲となるものである。また、この第7ウィンドウW7は、第6ウィンドウW6と同様に、y軸方向に複数に分割されて複数のエッジ検出ウィンドウW71〜W75から構成されている。以上のように、第7ウィンドウW7および第7ウィンドウW7内に複数のエッジ検出ウィンドウW71〜W75が設定される。
【0088】
ステップ129では、第11エッジE11が検出されたか否かが判定される。本ステップでは、図12に示される複数のエッジ検出ウィンドウW71〜W75内において、接地電極13に対して第10エッジE10とは反対側おける接地電極13の側面13eと背景80との境界が第11エッジE11として検出される。具体的には、各エッジ検出ウィンドウW71〜W75内において、x軸方向に画像の色の変化をそれぞれモニタしていくと、図中の暗い部分(接地電極13)が明るい部分(背景80)に変化する境界がそれぞれ検出され、その境界の座標がそれぞれ取得される。そして、本ステップでは、得られた複数の座標のうち、x軸方向においてもっとも原点から遠い位置の座標が第11エッジE11とされる。
【0089】
上記のようにして、第11エッジE11の座標検出が行われた後、第11エッジE11の座標が取得されたか否かが判定される。本ステップにて第11エッジE11の座標が取得されていないと判定された場合、ステップ130に進む。一方、本ステップにて第11エッジE11の座標が取得されたと判定された場合、図6−5に示されるステップ132に進む。
【0090】
ステップ130では、エッジリトライ回数上限超えか否かが判定される。本ステップでは、ステップ113、121、126と同様の処理が行われる。そして、本ステップにて、エッジリトライ回数が所定回数を超えた場合、ステップ105に進む。一方、本ステップにてエッジリトライ回数が所定回数を超えていないと判定された場合、ステップ131に進む。
【0091】
ステップ131では、エッジリトライ処理がなされる。本ステップでは、ステップ114、122、127と同様の処理が行われる。本ステップにて画像に対しエッジリトライ処理が施されると、ステップ128に戻り、再び第11エッジE11の検出が行われる。
【0092】
そして、図6−5に示されるステップ132では、修正パンチ71、72の移動量が算出される。この修正パンチ71、72の移動量の算出のため、先に各軸線Z1、Z2のx座標がそれぞれ求められ、各軸線Z1、Z2のずれ量が求められる。
【0093】
まず、貴金属チップ14において貴金属チップ軸線Z2は、第4、第5エッジE4、E5のx軸方向の座標により得られる。つまり、第4、第5エッジE4、E5の中間点が貴金属チップ軸線Z2のx座標となる。一方、中心電極12において中心電極軸線Z1は、第8、第9エッジE8、E9のx軸方向の座標により得られる。つまり、第8、第9エッジE8、E9の中間点が中心電極軸線Z1のx座標となる。こうして得られた各軸線Z1、Z2のx軸方向の座標から各軸練Z1、Z2のずれ量が得られる。
【0094】
図13は、上記各ステップによって得られた各軸線Z1、Z2を示したものである。この図に示されるように、y軸方向に伸びる中心電極軸線Z1に対して貴金属チップ軸線Z2が同軸上にない状態になっている。そして、本ステップにて各軸線Z1、Z2のx軸方向におけるずれ量が上記のようにして求められるのである。なお、貴金属チップ軸線Z2が中心電極軸線Z1に対して原点側か否かに応じて、修正パンチ71、72のうちいずれかが駆動されるようになっている。
【0095】
次に、修正パンチ71、72の接触座標が求められる。これは、原点から第10エッジE10までの座標(ステップ124、125)、もしくは原点から第11エッジE11までの座標(ステップ128、129)により得られる。
【0096】
そして、各軸線Z1、Z2のずれ量、修正パンチ71、72の接触座標、そして接地電極13が修正パンチ71、72により押し込まれたことによってスプリングバックする量を足し合わせたものが修正パンチ71、72の移動量として得られる。
【0097】
ステップ133では、各軸線Z1、Z2のずれ量が上限以内か否かが判定される。すなわち、各軸線Z1、Z2のずれ量があまりにも大きい場合には、修正パンチ71、72による修正は出来ないと判定される。したがって、各軸線Z1、Z2のずれ量があらかじめ設定されたしきい値を超える場合、ステップ105に進む。一方、各軸線Z1、Z2のずれ量がしきい値を超えない場合、ステップ134に進む。
【0098】
ステップ134では、偏芯修正規格内か否かが判定される。すなわち、各軸線Z1、Z2のずれ量が規格内か否かが判定される。修正パンチ71、72の移動量の規格はしきい値としてあらかじめ設定されており、修正パンチ71、72の移動量が規格内である場合、ステップ135に進む。一方、修正パンチ71、72の移動量が規格外である場合、ステップ136に進む。
【0099】
ステップ135では、修正パンチ71、72の駆動を行わない旨の出力がなされる。すなわち、上記ステップ134にて各軸線Z1、Z2のずれ量が規格内であるので、偏芯修正加工工程を行わなくても良い旨が制御手段50に出力される。そして、フローチャートは終了する。
【0100】
ステップ136では、修正パンチ71、72の移動量の出力がなされる。すなわち、上記ステップ134にて各軸線Z1、Z2のずれ量が規格外であるので、偏芯修正加工工程を行う旨および修正パンチ71、72の移動量のデータが制御手段50に出力される。そして、フローチャートは終了する。
【0101】
以上のようにして、フローチャートが終了すると、他のワークが準備加工装置に設置され、接地電極13の撮影および上記フローチャートが実行されることとなる。
【0102】
次に、偏芯修正加工装置において、得られた修正パンチ71、72の移動量のデータに基づいて修正パンチ71、72を駆動し、接地電極13に対する偏芯修正加工を行う方法について説明する。
【0103】
まず、制御手段50に修正パンチ71、72を駆動しない旨が入力される場合、そのワークに対して偏芯修正加工を行わない処理がなされる。
【0104】
一方、修正パンチ71、72の移動量が入力される場合、制御手段50には修正しきい値があらかじめ設定されており、この修正しきい値と上記準備加工装置にて得られた修正パンチ71、72の移動量とが比較される。この修正しきい値は、ワークの各軸線Z1、Z2のずれ量に応じて、接地電極13の偏芯修正加工の方法を選択するためのものである。
【0105】
本実施形態では、修正パンチ71、72の移動量が修正しきい値以下である場合、図14に示される方法にて接地電極13の偏芯修正加工がなされる。
【0106】
具体的には、図14(a)に示される工程では、貴金属チップ軸線Z2が中心電極軸線Z1を越えた位置になるように修正パンチ71、72のうち貴金属チップ軸線Z2側に位置するものが駆動され、接地電極13が加工される。本実施形態では、修正パンチ71、72は接地電極13の他端側の直線部分に押し付けられ、第2直交方向Yに平行に駆動されることで接地電極13が加工される。なお、接地電極13に対する修正パンチ71、72の押し付け力は例えば500〜2000Nである。
【0107】
続いて、図14(b)に示される工程では、修正パンチ71、72のうち図14(a)の工程で用いられたものとは反対側に位置するもの、すなわち貴金属チップ軸線Z2側に位置するものが駆動され、図14(a)に示される工程において接地電極13が加工された方向とは逆方向に接地電極13が加工される。
【0108】
そして、図14(c)に示されるように、中心電極12から接地電極13側を見たとき、貴金属チップ軸線Z2が中心電極軸線Z1と同軸上に配置される。こうして、偏芯修正加工は終了する。
【0109】
一方、修正パンチ71、72の移動量が修正しきい値よりも大きい場合、図15に示される方法にて接地電極13の偏芯修正加工がなされる。すなわち、この方法では、各軸線Z1、Z2のずれ量が大きいため、1回目の偏芯修正加工にて貴金属チップ軸線Z2が中心電極軸線Z1に近づけられ、その後、微調整が行われる。
【0110】
具体的には、図15(a)に示される工程では、修正パンチ71、72のうち貴金属チップ軸線Z2側に位置するものが駆動され、接地電極13が加工されて貴金属チップ軸線Z2が中心電極軸線Z1に近づけられる。ここで、接地電極13は、貴金属チップ軸線Z2が中心電極軸線Z1を越えないように加工される。
【0111】
図15(b)に示される工程では、図15(a)の工程と同様に、修正パンチ71、72のうち貴金属チップ軸線Z2側のものが図15(a)と同じ方向に駆動され、接地電極13が加工される。
【0112】
そして、図15(c)に示されるように、中心電極12から接地電極13側を見たとき、貴金属チップ軸線Z2が中心電極軸線Z1と同軸上に配置される。こうして、偏芯修正加工は終了する。
【0113】
以上のように、複数回(本実施形態では二段階)に分けて接地電極13を加工している。これにより、接地電極13に対する加工精度を向上させている。
【0114】
以上説明したように、本実施形態では、仮曲げされた接地電極13の反チップ接合面13d、および接地電極13において第2直交方向Yを向いた各面13e、13fを各照明61〜63にて照明してカメラにて撮影するようにしている。これにより、反チップ接合面13dのみならず、第2直交方向Yからワークが照明されるため、チップ接合面13cや貴金属チップ14、そして中心電極12を照明することができる。
【0115】
より具体的には、第1照明61によって背景80を明るく撮影することができる。また、第2、第3照明62、63によって貴金属チップ14や中心電極12、そして接地電極13において第2直交方向Yを向いた各部分をそれぞれ鮮明に撮影することができる。
【0116】
したがって、貴金属チップ14や中心電極12が接地電極13の影に隠れずに済むため、各部材の境界を確実に撮影することができる。これにより、各部材の寸法測定を精度良く行うことができるため、各軸線Z1、Z2の正確な位置を得ることができ、偏芯修正工程における加工精度を上げることができる。
【0117】
また、上記各照明61〜63においては、第1、第2照明61、62を点灯させ、第3照明63を第1、第2照明61、62よりも暗くさせた場合、撮影された画像において、接地電極13において第3照明63に対向する面13eと背景80との境界をより鮮明にさせることができる。同様に、第1、第3照明61、63を点灯させ、第2照明62を第1、第3照明61、63よりも暗くさせた場合、撮影された画像において、接地電極13において第2照明62に対向する面13fと背景80との境界をより鮮明にさせることができる。また、すべての照明61〜63を点灯させた場合、中心電極12および貴金属チップ14において第2、第3照明62、63に対向する側と接地電極13のチップ接合面13cとの境界を鮮明にさせることができる。
【0118】
そして、撮影された画像中に複数のウィンドウを設定し、ウィンドウ内において各部材の境界や各部材と背景との境界の座標をそれぞれ取得することができる。
【0119】
また、各軸線Z1、Z2のずれ量を用いて修正パンチ71、72の移動量を求め、この移動量に基づいて修正パンチ71、72を駆動して接地電極13を加工するようにしている。これにより、第1直交方向Xにおいて中心電極12から接地電極13側を見たとき、中心電極軸線Z1と貴金属チップ軸線Z2とを同軸上に配置するようにすることができる。
【0120】
修正パンチ71、72の具体的な駆動方法としては、各軸線Z1、Z2のずれ量が大きい場合には、1回目の加工で貴金属チップ軸線Z2を中心電極軸線Z1に近づけ、2回目の加工で各軸線Z1、Z2を同軸上に配置させるようにすることができる。一方、各軸線Z1、Z2のずれ量が小さい場合には、1回目の加工で貴金属チップ軸線Z2が中心電極軸線Z1を越えるように接地電極13を加工し、2回目の加工で各軸線Z1、Z2を同軸上に配置するようにすることができる。このようにして、修正パンチ71、72の移動量の大きさによって修正パンチ71、72の駆動方法を選択することで、接地電極13に対する加工精度を向上させることができる。
【0121】
(他の実施形態)
上記実施形態において示される各装置は一例を示すものであって、構成等がこれに限定されるものではない。また、図6−1〜図6−5に示されるフローチャートは一例を示すものであって、これに限定されるものではない。
【0122】
上記実施形態では、画像処理手段40にて修正パンチ71、72の移動量を求めるようにしているが、画像処理手段40では各軸線Z1、Z2や接地電極13の各部分の座標のみを取得してその情報を制御手段50に出力するようにし、制御手段50にて各軸線Z1、Z2のずれ量や修正パンチ71、72の移動量を求めるようにしても構わない。
【0123】
また、修正パンチ71、72を接地電極13に押し付ける場所、および方向は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、修正パンチ71、72を接地電極13の他端側の端面近傍のみを押し付けるようにすることも可能である。
【0124】
上記実施形態では、修正パンチ71、72を二段階に分けて加工しているが、加工回数はこれに限定されるものではない。また、修正しきい値は、装置のユーザによって自由に設定できるようになっている。
【0125】
また、上記フローチャートにおいて、ステップ124、128にて第6、第7ウィンドウW6、W7内にそれぞれ複数のウィンドウW61〜W65、W71〜W75を設定しているが、この複数のウィンドウの数は、いくつでも構わない。より多く設定することで、検出精度を向上させることができる。
【0126】
なお、各図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の製造方法により製造されるスパークプラグを半断面で示す正面図である。
【図2】偏芯修正を行う前の準備段階で用いる準備加工装置を示す模式的な正面図である。
【図3】図2に示されるカメラの配置を示す模式的な平面図である。
【図4】偏芯修正加工装置の模式図である。
【図5】各照明の照明パターンと各照明パターンに応じて撮影される画像において接地電極のコントラストを模式的に示した図である。
【図6−1】中心電極軸線と貴金属チップ軸線とをずれ量を求め、そのずれ量に応じた修正パンチの移動量を求める内容を示したフローチャートである。
【図6−2】図6−1に続くフローチャートである。
【図6−3】図6−2に続くフローチャートである。
【図6−4】図6−3に続くフローチャートである。
【図6−5】図6−4に続くフローチャートである。
【図7】図5(c)に示される照明パターンで得られた画像にウィンドウを設定した様子を示した図である。
【図8】図5(c)に示される照明パターンにて撮影された画像に第3ウィンドウを設定した様子を示した図である。
【図9】図5(c)に示される照明パターンにて撮影された画像に第4ウィンドウを設定した様子を示した図である。
【図10】図5(c)に示される照明パターンにて撮影された画像に第5ウィンドウを設定した様子を示した図である。
【図11】図5(b)に示される照明パターンで得られた画像に第6ウィンドウおよび第6ウィンドウ内に複数のエッジ検出ウィンドウを設定した様子を示した図である。
【図12】図5(a)に示される照明パターンで得られた画像に第7ウィンドウおよび第7ウィンドウ内に複数のエッジ検出ウィンドウを設定した様子を示した図である。
【図13】中心電極軸線および貴金属チップ軸線をそれぞれ示した図である。
【図14】偏芯修正加工方法の一例を示した図である。
【図15】偏芯修正加工方法の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0128】
10…ハウジング、10a…一端面、12…中心電極、12a…先端面、
13…接地電極、13c…チップ接合面、13d…反チップ接合面、
14…貴金属チップ、30…カメラ、61〜63…第1〜第3照明、
71、72…修正パンチ、80…背景、X…第1直交方向、Y…第2直交方向、
W1〜W7…ウィンドウ、Z1…中心電極軸線、Z2…貴金属チップ軸線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(10)の内部に柱状の中心電極(12)が絶縁保持され、前記ハウジングの一端面(10a)に接地電極(13)の一端が接合され、前記接地電極の他端に柱状の貴金属チップ(14)が接合され、前記接地電極は仮曲げ前の時点では前記中心電極の軸線(Z1)方向に伸びる直線状の板部材であり、前記接地電極の他端側が前記中心電極軸線に対して略直交する角度まで仮曲げされて、前記貴金属チップが前記中心電極の先端面(12a)に対して対向配置されるスパークプラグの製造方法であって、
前記接地電極において、前記貴金属チップが接合された面をチップ接合面(13c)とすると共に、前記チップ接合面とは反対側の面を反チップ接合面(13d)とし、
前記中心電極軸線に垂直、かつ、前記中心電極および接地電極を貫く方向を第1直交方向(X)とすると共に、前記中心電極軸線および前記第1直交方向に垂直な方向を第2直交方向(Y)とし、
前記貴金属チップにおいて前記接地電極に対する接合方向に平行な軸を貴金属チップ軸線(Z2)とすると、
前記仮曲げされた接地電極の反チップ接合面うち前記中心電極軸線方向に伸びる面、および前記接地電極のうち前記第2直交方向を向いた面を少なくとも照明する照明手段(61〜63)を用いて、前記第1直交方向上に配置される撮影手段(30)によって前記中心電極および前記貴金属チップ近傍を撮影する工程と、
前記撮影手段にて撮影された画像に基づき、前記中心電極から前記接地電極側を見たとき、前記中心電極軸線と前記貴金属チップ軸線との第2直交方向におけるずれ量を求める工程と、
前記ずれ量に基づいて前記接地電極に対する偏芯修正加工を行う工程と、を含んでいることを特徴とするスパークプラグの製造方法。
【請求項2】
前記中心電極および前記貴金属チップ近傍を撮影する工程では、前記反チップ接合面に対向する位置に配置される第1照明(61)と、前記第2直交方向に配置されると共に、ワークに対してそれぞれ対向するように配置される第2照明(62)および第3照明(63)と、を備えた照明手段を用いることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグの製造方法。
【請求項3】
前記中心電極および前記貴金属チップ近傍を撮影する工程では、
前記第1照明および前記第2照明を点灯させ、前記第3照明を前記第1照明および前記第2照明よりも暗くさせた状態で、前記撮影手段にて前記中心電極および前記貴金属チップ近傍を撮影する工程と、
前記第1照明および前記第3照明を点灯させ、前記第2照明を前記第1照明および前記第3照明よりも暗くさせた状態で、前記撮影手段にて前記中心電極および前記貴金属チップ近傍を撮影する工程と、
前記第1照明、前記第2照明、および前記第3照明をすべて点灯させた状態で前記撮影手段にて前記中心電極および前記貴金属チップ近傍を撮影する工程と、を含んでいることを特徴とする請求項2に記載のスパークプラグの製造方法。
【請求項4】
前記ずれ量を求める工程では、前記画像中に複数のウィンドウ(W1〜W7)を設け、これらウィンドウ内において各部材の境界もしくは各部材と背景(80)との境界の座標をそれぞれ取得することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のスパークプラグの製造方法。
【請求項5】
前記偏芯修正加工を行う工程では、前記接地電極のうち前記第2直交方向を向いた各面を押し付ける修正パンチ(71、72)の移動量を前記ずれ量を用いて求め、この移動量に基づいて前記修正パンチを駆動することにより前記接地電極に対する偏芯修正加工を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のスパークプラグの製造方法。
【請求項6】
前記偏芯修正加工を行う工程では、前記修正パンチの移動量には修正しきい値が設けられており、
前記修正パンチの移動量が修正しきい値よりも大きい場合、前記修正パンチのうち前記貴金属チップ軸線側に位置するものを駆動して、前記第2直交方向において前記貴金属チップ軸線が前記中心電極軸線を越えないように前記接地電極を加工して前記貴金属チップ軸線を前記中心電極軸線に近づける工程と、前記修正パンチのうち前記貴金属チップ軸線側のものを前回と同じ方向に駆動して、前記貴金属チップ軸線が前記中心電極軸線と同軸上に配置されるように前記接地電極を加工する工程と、を含んでおり、
前記修正パンチの移動量が修正しきい値以下である場合、前記修正パンチのうち前記貴金属チップ軸線側に位置するものを駆動して、前記第2直交方向において前記貴金属チップ軸線が前記中心電極軸線を越えるように前記接地電極を加工する工程と、前記修正パンチのうち前記貴金属チップ軸線側のものを前回とは逆方向に駆動して、前記貴金属チップ軸線が前記中心電極軸線と同軸上に配置されるように前記接地電極を加工する工程と、を含んでいることを特徴とする請求項5に記載のスパークプラグの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図6−4】
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【図6−5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−5061(P2007−5061A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−181769(P2005−181769)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】