説明

スライド可能に配置された板をもつ、電子コンポーネント整列用担体

【課題】効率的な仕方で電子コンポーネントを受け入れ、整列させる。
【解決手段】複数の電子コンポーネントを受け入れ、整列させるよう適応された担体。該担体は、それぞれが前記複数の電子コンポーネントのうちの割り当てられたものを受け入れるよう適応されている複数のレセプタクルと;複数の第一の当接部を有する第一の板であって、前記第一の当接部は対応する割り当てられたレセプタクルの境界の一つをなす、第一の板と;複数の第二の当接部を有する第二の板であって、前記第二の当接部は対応する割り当てられたレセプタクルの境界の別の一つをなす、第二の板とを有し;前記第一の板および前記第二の板は互いに対してスライド可能に構成されている、担体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電子コンポーネントを受け入れ、整列させるための担体(carrier)に関する。
【0002】
さらに、本発明は担体を操作する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路は通例、半導体ウェーハ上に製作される。集積回路は多様な用途をもち、さまざまな電子装置に見出すことができる。作られる目的に応じて、集積回路および抵抗器、キャパシタンスおよびインダクタンスといった他の電子コンポーネントは、アセンブルされる前にパッケージングされ、マークされ、試験される。たとえば、MEMS(micro electro mechanical system[微小電気機械システム])コンポーネントは、所与の温度、圧力、傾斜角および種々の型の加速のもとで試験される。よって、電子コンポーネントの完全な製造は、純粋な製作の諸工程と、電子コンポーネントの接点パターンを仕上げた後の工程とに分けられる。電子コンポーネントを扱う二つの型の機械がある。切り離された電子コンポーネントを扱ういわゆる「重力ハンドラ(Gravity handler)」および「ピックアンドプレース・ハンドラ(Pick & Place handler)」と、いわゆるストリップを扱う「ストリップ・ハンドラ(Strip handler)」である。
【0004】
米国特許出願公開US2003/0017629A1は、試験操作の間、切り離された電子デバイスを支持する、本体および支持部材を有する装置であって、前記支持部材が非伝導性の高抵抗材料からなり複数の凹部を有し、各凹部が個々の切り離されたデバイスを受け入れるよう適応されている装置を開示している。そのようなデバイスを試験する方法であって、デバイスが、一つまたは複数の環境制御チャンバを含む試験プロセスを通じて支持部材上で担持される方法も開示されている。
【0005】
米国特許出願公開US2006/0154386A1では、担体上に置かれた複数の半導体デバイスを整列させる装置および方法が提供される。整列ガイドが使用中の各デバイスに隣接して位置され、各半導体デバイスの所望の整列に対応するよう配列される。整列のためには、半導体デバイスは複数のホルダを有する位置決めデバイスによって保持される。各ホルダは半導体デバイスを保持するための力を生じるよう構成される。半導体デバイスが整列ガイドに整列するまで半導体デバイスを配向させるために半導体デバイスを整列ガイドに対して付勢するために位置決めデバイスおよびホルダを動かすよう動作するアクチュエータも提供される。
【0006】
米国特許US7,156,680B2は、挿入体および該挿入体を設けられた電子コンポーネントハンドリング装置を開示している。挿入体に取り外し可能に取り付けられることのできるガイド・コアおよびガイド・コアが取り外し可能に取り付けられることのできる挿入体を提供するために、米国特許US7,156,680B2は、挿入体に取り外し可能な仕方で取り付けられることのできるガイド・コアであって、エリア・アレイ型電子コンポーネントの外側端末面を、該エリア・アレイ型電子コンポーネントの外側端末がソケットの接続端末の方向に曝されるよう支持することのできる支持部と、挿入体に設けられたフック部と解放可能な仕方で係合できるフック受容部とを有するガイド・コアを提供する。米国特許US7,156,680B2はまた、ガイド・コアに取り外し可能な仕方で取り付けられることのできる挿入体であって、ガイド・コアが取り付けられるガイド・コア取り付けソケットおよび該ガイド・コア取り付けソケットと接続された電子コンポーネント取入口を有し、電子コンポーネントがガイド・コア取り付けソケットに取り付けられたガイド・コアにガイドされることができるようにする電子コンポーネント・ガイド部と、ガイド・コアに設けられたフック受容部と解放可能な仕方で係合されることのできるフック部とを有する挿入体を提供する。
【0007】
米国特許US5,596,229Aは、電気接点パッドを有するチップ担体を含むためのチップ担体構造であって、該チップ担体のための位置決め構造およびスロット付き構造を有するチップ担体構造を開示する。前記位置決め構造およびスロット付き構造はかみ合わされて、前記チップ担体を含むかみ合わされた(mated)構造を形成する。スロット付き構造のスロットは、チップ担体のパッドと整列しており、かみ合わされた位置決め構造およびスロット付き構造の外部から内部に前記パッドへの電気的および機械的アクセスを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
効率的な仕方で電子コンポーネントを受け入れ、整列させることのできるシステムの必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上に定義した目的を達成するため、独立請求項に記載の特徴を有する担体および担体を操作する方法が提供される。
【0010】
本発明のある例示的な実施形態によれば、複数の電子コンポーネントを受け入れ、整列させるための担体が提供される。ここで、前記担体は、それぞれが前記複数の電子コンポーネントのうちの割り当てられたものを受け入れるよう適応された(特に、意図された)複数のレセプタクルと;複数の第一の当接する(特に接触する)部分(特にセグメント)を有する第一の板であって、前記第一の当接部は対応する割り当てられたレセプタクルの境界(特に、限界または広がりを示すまたは定める面)の一つをなす、第一の板と;複数の第二の当接する部分を有する第二の板であって、前記第二の当接部は対応する割り当てられたレセプタクルの境界の別の一つをなす、第二の板とを有し、前記第一の板および前記第二の板は互いに対してスライド(特に滑動またはスリップ)可能に配置される(たとえば電子コンポーネントをレセプタクル内にクランプするために)。
【0011】
本発明のもう一つの例示的な実施形態によれば、担体を使う方法が提供される。該方法は:
・前記担体の各レセプタクルに複数の電子コンポーネントの割り当てられたものを受け入れる段階と;
・複数の第一の当接部を有する前記担体の第一の板を提供する段階であって、ここで、前記第一の当接部は対応する割り当てられたレセプタクルの境界の一つをなす、段階と;
・複数の第二の当接部を有する前記担体の第二の板を提供する段階であって、ここで、前記第二の当接部は対応する割り当てられたレセプタクルの境界の別の一つをなす、段階と;
・前記第一の板および前記第二の板を互いに相対的にスライドさせて前記電子コンポーネントを前記レセプタクル内にクランプする段階とを有する。
【0012】
「担体」の用語は、特に、担持するためのコンテナまたは担持するデバイスを表しうる。担体は、該担体の複数のレセプタクルに複数の電子コンポーネントを担持するよう適応されたストリップ様部材であってもよい。そのような担体は、処理された(たとえばパターンを付けられた)金属シートのような複数の積層板の層シーケンスとして形成されてもよい。そのような担体はハンドラと一緒に使用されてもよい。該ハンドラは、電子コンポーネントの試験(機能試験など)をその後実行するために該担体を使って電子デバイスを扱うことを許容する。
【0013】
「整列〔アライン/位置合わせ〕」の用語は、特に、何かが配列されるまたは並べられることを表しうる。たとえば、電子コンポーネントが固定された当接部と整列されうる。
【0014】
「電子コンポーネント」の用語は、特に、プリント回路基板のような電子支持基板上にマウントされるために適応された任意のコンポーネントを表しうる。そのような電子コンポーネントは、ハンドリング機械(handling machine)、いわゆる「ハンドラ(handler)」によって扱われてもよい。電子コンポーネントの例は、電子チップ、すなわちパッケージングされたダイまたは裸のパッケージングされていないダイである。
【0015】
「レセプタクル」の用語は、特に、何かを受け入れて含むデバイスと表現されうる。あるいは、より特定的に、電子コンポーネントのコンテナと表現されてもよい。
【0016】
「板〔プレート〕」の用語は、特に、なめらかな平坦な薄い物質片を表しうる。より個別的に、板は複数の部分から構成されていてもよく、板は、溝、切り込み、凹部またさらには突起を有していてもよい。板はさまざまな厚さを有し得、板は種々の材料で作られうる。より具体的には、板は、金属板、特にばね金属シートのような金属シートから形成されてもよい。板は、電気抵抗または摩耗耐性などの表面属性を変えるために種々のコーティングで被覆されてもよい。
【0017】
「当接部」の用語は、特に、接触するセグメント、すなわち電子コンポーネントと直接当接するレセプタクルの部分を表しうる。
【0018】
「境界をなす」の表現は、特に、何かが限界または範囲を示すまたは定めることを表しうる。より特定的に、何かの境界が定められること、さらに具体的には何かが、たとえば当接部によって画定されることを表しうる。
【0019】
「スライド可能に」または「スライド」の用語は特に、表面に沿ってなめらかに動くことを表しうる。ある板が別の板に対してスライドすることは、特に、一方の板を他方の板に対して押し戻す弾性的な復元力を生じさせる。
【0020】
本発明のある例示的な実施形態によれば、担体は、それぞれが複数の電子コンポーネントのうちの割り当てられたものを受け入れる複数のレセプタクルを有していてもよい。複数のレセプタクルのサイズは、第一の板の第一の当接部および第二の板の第二の当接部によって境界を定められてもよい。第一の板の第一の当接部および第二の板の第二の当接部は、レセプタクルの互いに反対側にあってもよい。第一の板および第二の板は、第一の板の主平面および第二の板の主平面に沿って互いに対して移動可能であってもよく、第一の板の該主平面および第二の板の該主平面は一致していてもよく、互いに平行であってもよい。レセプタクルのサイズは、第一の板と第二の板の相対位置が互いに対して変わったときには変わってもよい。第一の板および第二の板は、互いに平行であってもよい。第一の板および第二の板の位置は、対角線方向に変えられてもよい。すなわち、第一の板のコーナー領域および第二の板のコーナー領域が近接させられてもよく、これとは逆に引き離されてもよい。第一の板および第二の板は、そしてこれにより第一の当接部および第二の当接部の境界は、第一の板および第二の板の一致する主平面に平行に、一体となって近接し、引き離されうる。第一の板の第一の当接部と第二の板の第二の当接部が接近するときに、複数の電子コンポーネントは、複数のレセプタクル内で、複数の第一の当接部および複数の第二の当接部の間でクランプされうる。
【0021】
以下では、担体のさらなる例示的実施形態について述べるが、これらの実施形態は方法にも当てはまる。
【0022】
第一の板は、複数の弾性ユニット(たとえば行および列からなるマトリクスに配列される)を有する弾性ユニット板であってもよい。ここで、各レセプタクルは前記複数の弾性ユニットの少なくとも一つを割り当てられている。第一の当接部は、それぞれ弾性ユニット上に形成されうる。「弾性ユニット」の用語は、特に、ある特定の機能を実行するはたらきをする一片または装置複合体を表す。この場合、機能とは、柔軟である、復元力のあるまたは弾力的であることでありうる。弾性ユニットの目的は、複数の電子コンポーネントのさまざまな大きさについての補償許容差を認めることでありうる。そうでなければ、電子コンポーネントのさまざまな大きさのため、それらの電子コンポーネントはレセプタクルから外れることがありうるし、整列不良も起こりうる。弾性ユニットは、特に、第一の当接部の弾性属性のもとになる弾性コーティングまたはゴム部分であってもよい。弾性ユニットは、任意の種類のばね、たとえば蛇行形ばねのような、弾性的である任意のユニットであってもよい。
【0023】
第一の板は、第一の板が配置されうる第二の板に沿って動きうる。第二の板に向かう方向であってもよい少なくとも一つの方向では、第一の板は、望ましくない変形に対して保護されうる。第二の板は平面状であってもよいし、あるいは第一の板ならびに割り当てられた弾性ユニットおよび第一の当接部の動きを案内するよう適応された凹部を有していてもよい。担体は、電子コンポーネントを第二の当接部と整列させるよう適応されうる。ここで、第一の当接部がマウントされている弾性ユニットによって自己作用式に(in a self-acting manner)第一の力がはたらかされうる。第一の当接部のそれぞれは、少なくとも前記弾性ユニットのうちの割り当てられたものにマウントされうる。弾性ユニットはそれぞれ、第一の力を第二の当接部に向けてはたらかせうる。第二の当接部のそれぞれは、第一の当接部の一つに割り当てられうる。電子コンポーネントは第二の当接部と整列されうる。
【0024】
各弾性ユニットの位置または変形状態は、それぞれの割り当てられたレセプタクルの境界の一つを決定しうる。弾性ユニットの位置は、レセプタクルの大きさを決定し得、弾性ユニットの変形状態は、レセプタクルの大きさを決定しうる。諸弾性ユニットの位置は、第一の板および第二の板の互いに対する位置とともに一斉に変化しうる。各第一の当接部の位置は、各第二の当接部に対して同じように変化しうる。第一の板および第二の板の互いに対する位置の変化は、各レセプタクルの大きさの一斉的な変化を引き起こしうる。すなわち、一斉に、レセプタクルの大きさが増大してもよく、レセプタルの大きさが減少してもよい。換言すれば、単に板を互いに対して動かすことにより、すべてのレセプタクルの動作が同時に実行できる。これは、すべてのレセプタクルを同時に非常に簡単に操作することを許容する。しかしながら、各レセプタクルが、それぞれ弾性ユニットの変形状態の変化を伴って、個々にその大きさを変えてもよい。弾性ユニットの変形状態およびレセプタクルの大きさは、弾性ユニットに応力を与えるときに増大してもよく、応力が軽減されたときに減少してもよい。このように、本発明のある実施形態は、レセプタクルの簡単な操作と、レセプタクルの個々の調整の両方を提供する。
【0025】
第一の板および第二の板は、少なくとも一つの板接続弾性ユニット、すなわち両方の板を弾性的に接続する一つまたは複数のばねなどによって互いに弾性的に結合されてもよい。少なくとも一つの板接続弾性ユニットは、諸レセプタクルの大きさが一斉に増大させられるときに前記少なくとも一つの板接続弾性ユニットの張力を受けてもよく、板接続弾性ユニットの張力は、第一の板および第二の板がレセプタクルの減少した大きさまでその位置を変えるときに少なくとも部分的に解放または軽減されてもよい。諸レセプタクルの大きさは、前記少なくとも一つの板接続弾性ユニットの張力が自己作用的に解放されるときに一斉に減少されうる。板接続弾性ユニットは、電子コンポーネントをレセプタクル内に一斉にクランプすることを許容しうる。
【0026】
第二の板は、第一の板の当接のために適応された第一の板当接部を有していてもよい。第一の板は、第二の板の当接のために適応された第二の板当接部を有していてもよい。第二の板当接部および第二の板当接部は、第一の板当接部と第二の板当接部が互いに当接するときに、レセプタクルのクランプ・サイズを定義しうる。ここで、レセプタクルのクランプ・サイズは、各レセプタクルにおける電子コンポーネントのクランプのために適応される。各レセプタクルはそれぞれの電子コンポーネントをクランプするよう適応され得、レセプタクルのクランプ・サイズは、第一の板と第二の板の互いに対する位置によって与えられうる。「クランプ(clamp)」の用語は、特に、担体が、電子コンポーネントを保持または圧握するために近づけられる諸パーツをもつよう設計されることを表す。近づけられる諸パーツは、第一の当接部および第二の当接部であってもよい。
【0027】
板接続弾性要素および複数の弾性ユニットは、電子コンポーネントがレセプタクル内に受け容れ可能でありうるレセプタクルの拡大されたサイズから、電子コンポーネントがクランプされうるレセプタクルの縮小されたクランプ・サイズに向けての自己作用式の遷移のための合力(total force)を与えるよう適応されうる。合力は、電子コンポーネントがクランプ位置に来たときの、前記少なくとも一つの板接続弾性ユニットによってはたらかされる力から前記複数の弾性ユニットによってはたらかされる力を引いたものによって定義されうる。前記少なくとも一つの板接続弾性ユニットの力は、前記複数の弾性ユニットによってはたらかされる力より大きいことがありうる。合力は正であり、レセプタクルの拡大されたサイズから、第一の板の第二の板当接部および第二の板の第一の板当接部が互いに当接しうるレセプタクルのクランプ・サイズへの自己作用式の遷移を提供しうる。
【0028】
担体はさらに、第一の板および/または第二の板において形成される一つまたは複数のハンドリング構造(handling structure)を有していてもよい。ハンドリング構造は、スライド可能に配置された第一の板および第二の板を、板接続弾性要素に抗してレセプタクルの拡大されたサイズに向けて相対的に動かすよう、第一の板および第二の板を取り扱うために適応される。担体のハンドリング構造は、前記少なくとも一つの板接続弾性ユニットの力と、前記複数の弾性ユニットの力とによって与えられる合力に抗して第一の板および第二の板を相対的に動かすよう適応されうる。ハンドリング構造はレセプタクルを、前記合力に抗して、電子コンポーネントのボディがレセプタクル内に受け容れ可能である拡大されたサイズに拡大するよう適応されうる。
【0029】
担体は、第三の板を有していてもよい。ここで、第一の板は第二の板と第三の板の間に浮動式に配置され、第二の板および第三の板は互いに対して固定的にマウントされ、第一の板は弾性ユニット板であり、複数の第一の当接部の第二の当接部に対する一斉的な再配置〔移動〕を許容するよう適応される。ばね要素を有する第一の板は、第二の板と第三の板の間に配置されてもよい。こうして、第一のばね要素は第二の板および第三の板によって案内され、隣接する第二の板の方向および第三の板の方向の変形から保護されうる。第二の板および第三の板は平面状であってもよいし、あるいは第一の板の動きを案内するよう適応された凹部を有していてもよい。
【0030】
担体は、さらに第三の板を有していてもよい。ここでは、第二の板が第一の板と第三の板の間に浮動できるよう配置され、第一の板および第三の板は互いに対して固定的にマウントされ、第一の板は弾性ユニット板であり、第二の板は複数の第二の当接部の第一の当接部に対する一斉的な再配置を許容するよう適応される。第二の当接部を有する第二の板は、第一の板と第三の板の間で案内されてもよい。第一の当接部および弾性ユニットを有する第一の板は外側にに位置されうる。弾性ユニットは直接アクセス可能でありうる。摩擦力は、外側に位置される弾性ユニットについては小さくなりうる。第一の板および第三の板は平面状であってもよいし、あるいは第三の板および第二の当接部の動きを案内するよう適応された凹部を有していてもよい。
【0031】
第一の当接部は、第一の力をはたらかせるよう適応されてもよく、第二の当接部は電子コンポーネントに対して第二の力をはたらかせるよう適応されてもよい。ここで、第一の力および第二の力は少なくとも部分的に対向する(具体的には、互いに対してはたらく、すなわち反平行である)のでもよい。電子コンポーネントは、整列固定具(align fixtures)のレセプタクル内で整列されうる。第一の当接部および第二の当接部は電子コンポーネントの側部に当接する。各電子コンポーネントにはたらく諸力が少なくとも、一方向に向けられるのでなければ、はたらかされる力により、電子コンポーネントは静止し、整列されうる。第一の当接部および第二の当接部によって電子コンポーネントに加えられる二つの力が少なくとも部分的に対向しているとき、摩擦力を含めることによって、複数の電子コンポーネントのそれぞれは静止しうる。
【0032】
第一の当接部および第二の当接部は、第一の力がレセプタクルの主平面内ではたらき(すなわち、力のベクトルが主平面内にあってもよい)、第二の力がレセプタクルのこの主平面に平行にはたらくよう適応されてもよい。レセプタクルの前記主平面は、整列固定具の主平面に平行なものとして定義でき、第一の板、第二の板および第三の板の主平面に平行であってもよい。電子コンポーネントは、第一の当接部および第二の当接部によってはたらかされる力が一つの平面内ではたらく場合に、適切な仕方で整列されうる。第一の当接部および第二の当接部は、電子コンポーネントの側部に当接しうる。第一の力および第二の力の両方をレセプタクルの主平面内ではたらかせることによって、電子コンポーネントに対する全体的な力は、電子コンポーネントをひっくり返してレセプタクルから外に出す傾向をもつ回転モーメントは示さない。電子コンポーネントは、レセプタクルの主平面と平行な力によってレセプタクル内で堅固に整列れうる。
【0033】
特に、第一の当接部および第二の当接部は、第一の力がレセプタクルの主平面と平行にはたらかされ、第二の力がレセプタクルの主平面と平行にはたらかされるよう適応される。
【0034】
各レセプタクルはさらに、割り当てられたベース支持部を有していてもよい。該ベース支持部は、割り当てられたレセプタクルの主平面に平行な支持面(特に、基礎としてのはたらきをすることによってある位置に保持する何か)をなす。ベース支持部によってはたらかされる支持力は、電子コンポーネントの主平面に対して作用してもよく、特に重力と反平行であってもよい。電子コンポーネントは、レセプタクルの主平面および電子コンポーネントの主平面が平行となるようレセプタクル内で配置されてもよい。電子コンポーネントに作用するベース支持部はレセプタクルの主平面に平行であってもよく、それにより電子コンポーネントはベース支持部の支持によってレセプタクルの主平面内に整列される。電子コンポーネントを電子コンポーネントの主平面内で支持することの利点は、電子コンポーネントに対する荷重が電子コンポーネントの主要面の種々の部分に分散されうるということと、第一の当接部および第二の当接部の第一の力および第二の力がベース支持部に平行にはたらかされうるということがありうる。こうして、第一の力の配向および第二の力の配向は、ベース支持部上での電子コンポーネントの割れを回避しうる。
【0035】
特に、レセプタクルはさらに、レセプタクルの主平面と平行な支持面をなし、レセプタクル内に受け入れられたときの電子コンポーネントの底面を支持するよう適応されたベース支持部を有していてもよい。
【0036】
ベース支持部は、第一の力および第二の力に垂直な(特に鉛直な)支持力をはたらかせるよう適応されてもよい。ベース支持部のそれぞれによってはたらかされる支持力は、電子コンポーネントをその主平面に対して直角に整列させるよう適応されてもよい。支持力が第一および第二の当接部によってはたらかされる力と垂直であることの技術的利点は、複数の電子コンポーネントのそれぞれに対して回転モーメントがはたらかないということでありうる。よって、電子コンポーネントはその主平面に対して整列された位置に留まりうる。
【0037】
柔軟にマウントされた第一の当接部は、レセプタクルの主平面と平行な動きを実行するよう適応されてもよい。柔軟にマウントされている当接部によってはたらかされる力は、レセプタクルの主平面と平行にはたらかされる。電子コンポーネントを整列させる力は、弾性ユニットによって与えられてもよく、弾性ユニットは、レセプタクル自身の主平面内での弾性ユニットの自己作用運動(self-acting movement)によって、柔軟にマウントされた第一の当接部および電子コンポーネントをレセプタクルの主平面内で動かしてもよい。こうして、弾性ユニットの力は、電子コンポーネントが主として頑丈であるまたは安定である平面内で、電子コンポーネントに対してはたらかされうる。
【0038】
担体はさらに、厚さを調整するよう適応された少なくとも一つの距離調整板を有していてもよい。距離適応の目的のために、担体は三つよりさらに多くの板を有していてもよい。
【0039】
特に、担体は、担体の厚さを調整するために適応された少なくとも一つの厚さ調整板を有していてもよい。
【0040】
弾性ユニットの少なくとも一つはばね要素を有していてもよい。
【0041】
弾性ユニットの少なくとも一つは第一のばね要素および第二のばね要素を有していてもよく、ここで、対応する第一の当接部が第一のばね要素および第二のばね要素と接続される。
【0042】
弾性ユニットはばね要素(特に、ゴム部材、任意の種類の弾性材料部材、鋼ばね板から形成されるばね、ばねワイヤから形成されるばねまたは板ばね〔フラット・スプリング〕、コイルばね、重ね板ばね〔リーフ・スプリング〕などのような任意の種類のばね)を有していてもよい。これらのばね要素は、板から一体形成されてもよく、あるいは板に個々にアセンブルされる別個のコンポーネントであってもよい。ばね要素は、弾性ユニットに比して同様の属性を示しうる。ここで、弾性ユニットはいくつかの部分から形成されうる。ばね要素は、変形に対して弾性的な復元力、すなわちフックの法則に従う振る舞いを示しうる。
【0043】
弾性ユニットはそれぞれ第一のばね要素および第二のばね要素を有していてもよい。ここで、第一の当接部は第一のばね要素および第二のばね要素と接続される。ある実施形態では、第一のばね要素および第二のばね要素は、互いに対して角度を付けて配置される。ばね要素の形、材料および大きさに依存して、第一のばね要素および第二のばね要素を一つの弾性ユニットに組み合わせることが有利であることがある。二つよりさらに多いばね要素が弾性ユニットを形成してもよい。二つ以上のばね要素を弾性ユニットに組み合わせることによって、弾性ユニットによってはたらかされる力の方向および絶対値が適応されうる。ある実施形態では、第一のばね要素および第二のばね要素は互いに対して角度を付けて配置されうる。
【0044】
第一の当接部および弾性ユニットは、少なくとも部分的に、板から一体的に形成されてもよい。
【0045】
第二の当接部およびベース支持部は、少なくとも部分的に一枚の板から一体的に形成されてもよい。エッチング技法またはレーザー技法といったデザイン技法を使って一枚の板から少なくとも一つの機能要素を製造することが便利でありうる。これらの技法は、薄板、たとえば金属板に適用するのに最適に好適でありうる。エッチングまたはレーザー・カットによって、製造される構造の高精度が達成されうる。
【0046】
以下では、方法のさらなる例示的実施形態について記載するが、これらの実施形態は整列固定具および担体にも当てはまる。
【0047】
方法はさらに、担体を後処理機械内に置き、その後、電子コンポーネントが担体のレセプタクル内で整列された位置を維持している間に電子コンポーネントを後処理機械の操作にかけることを含みうる。後処理方法は、特に、電子コンポーネントの評価または試験のプロセスを表しうる。よって、後処理機械は特に、電子コンポーネントを評価または試験する機械を表しうる。電子コンポーネントの後処理の間、電子コンポーネントの品質についての情報を得るために、電子コンポーネントはさまざまな物理的条件のもとに置かれうる。後処理は、特に、電子コンポーネントを関心のあるさまざまな電気的および/または機械的条件のもとに置くことによる電子コンポーネントの品質試験または品質評価を表しうる。後処理はまた、電子コンポーネントをさまざまな電気的および/または機械的条件のもとに置くことだけを表してもよい。
【0048】
方法はさらに、クランプ機構によって電子コンポーネントを、電子コンポーネントの側部のみで弾性的にクランプすることを含みうる。電子コンポーネントは担体の拡大されたレセプタクル内に置かれ得、置かれると、クランプ機構によって、レセプタクルのクランプ・サイズ内に弾性的にクランプされて整列されうる。レセプタクルの拡大サイズからレセプタクルのクランプ・サイズへの遷移は、レセプタクルの主平面内で起こりうる。レセプタクルの主平面は、担体の主平面と、電子コンポーネントの主平面と、および整列固定具の主平面と一致しうる。担体は、後処理機械中に置かれうる。電子コンポーネントがレセプタクル内にクランプされ、整列されている間に、電子コンポーネントは後処理機械の操作にかけられうる。
【0049】
方法はさらに、担体に、該担体の確定的な(特に精確な、一意的なまたは曖昧さのない)識別のための識別特徴(identifying feature)または識別子(identifier)を与えることを含みうる。後処理機械は、アセンブリー・ラインをなしてもよい。担体は、ある後処理機械からさらなる後処理機械に搬送されてもよい。後処理の際のプラントにおける各担体の一意的な識別情報は、プラント内での各担体の経路を追跡する(特にトレースする)ことを可能にし、各電子コンポーネントを追跡することを可能にする。こうして、識別特徴によって、各担体および各電子コンポーネントがアセンブリー・ラインにおいて追跡されうる。
【0050】
方法はさらに、基準検出(fiducial detection)のための基準マーカー(fiducial marker)を担体に与えることを含みうる。基準マーカーまたはマークと併せた視覚システム(vision system)が、後処理機械内での担体の位置および配向の検出を提供しうる。これは、電子コンポーネントのマーク付け(marking)または接触(contacting)といった担体の精確な整列を必要とするプロセスを処理しているときに有利でありうる。
【0051】
方法は、電子コンポーネントを第二の当接部と整列させることを含みうる。ここで、第一の当接部がマウントされている弾性(特に柔軟な、復元力のあるまたは弾力的な)ユニット(特にある特定の機能を実行するはたらきをする装置または装置複合体)によって第一の力が自己作用式にはたらかされうる。第一の当接部のそれぞれは、少なくとも弾性ユニットの割り当てられた一つにマウントされうる。弾性ユニットはそれぞれ、第二の当接部に向けて第一の力をはたらかせうる。第二の当接部のそれぞれは、第一の当接部の一つに割り当てられる。電子コンポーネントは第二の当接部と整列されうる。
【0052】
方法はさらに、第一の当接部および第二の当接部の少なくとも一つに対して二つの力成分をはたらかせ、該当接部が電子コンポーネントに対して二つの角度をもった力成分をはたらかせるようにすることを含みうる。
【0053】
後処理は、電子コンポーネントが担体によって保持および整列され、担体を取り扱うことによって動かされている間にレーザー・マーキングすることを含みうる。電子コンポーネントがレセプタクル内でクランプされ、整列されている間、電子コンポーネントはレーザー・マーキング手順にかけられうる。電子コンポーネントは、接点側がベース支持部に当接するかシンボル側がベース支持部に当接するかとは独立に、アクセス可能なシンボル側を有しうる。接点側がベース支持部と当接する場合、シンボル側は受け入れ側に対して開かれており、いかなる制約もなくレーザー・マーキングにかけられうる。シンボル側がベース支持部と当接する場合、レセプタクルのベース支持部はその中心にアクセス開口を有していてもよい。アクセス開口は、電子コンポーネントの端領域がベース支持部といまだ当接する程度だけの広がりをもつ。
【0054】
後処理は、電子コンポーネントが担体によって保持および整列され、担体を取り扱うことによって動かされている間のバーンイン試験を含みうる。バーンイン試験では、電子コンポーネント、特に半導体デバイスは、所定の時間期間にわたって熱(たとえば一時間未満ないし数時間にわたって200°Cまでの温度)にかけられうる。バーンイン試験の間、電子コンポーネントは電流フィードによって追加的に電力試験にかけられうる、および/または、電子コンポーネントは該電子コンポーネントの電子的な品質を試験するために電子的な試験にかけられうる。担体は、金属、熱硬化性プラスチックまたは樹脂のような耐熱性材料で該担体を形成することによって、高温に耐えるよう適応されうる。
【0055】
後処理は、電子コンポーネントが担体によって保持および整列され、担体を取り扱うことによって動かされている間のベークイン・プロセスを含みうる。ベークイン・プロセスは、電子コンポーネントが、電気的な試験や負荷なしに、所定の時間期間にわたって加熱される(たとえば一時間未満ないし数時間にわたって200°Cまでの温度)プロセスであってよい。耐熱性材料から前記担体を形成することにより、担体が、電子コンポーネントが約1時間の期間にわたって高温にかけられるベークイン・プロセスに耐えられるようにできる。ベークイン・プロセスは、最終試験をもってさらに続けるために電子コンポーネントに対する電気的な負荷を軽減するために使用されてもよい。
【0056】
後処理は、電子コンポーネントが担体によって保持および整列され、担体を取り扱うことによって動かされている間の、ハンドラ上での最終試験を含みうる。多様な実施例をもつ最終試験は、電子コンポーネントがアセンブルされる前に実行される試験であってよい。電子コンポーネント、たとえば半導体デバイスの最終試験は、電子的な機能試験であってもよく、任意の組み合わせでの多様な温度、圧力、加速および傾斜角といった多様な物理的試験条件を含みうる。機械的および温度の荷重に耐える単数または複数の材料から前記担体を形成することにより、前記担体は、これらさまざまな条件下で電子コンポーネントを整列させるよう適応され得、電子コンポーネントの接点を接触させることを許容するよう適応されうる。
【0057】
ある実施形態では、後処理は、電子コンポーネントが担体によって保持および整列され、担体を取り扱うことによって動かされている間の、ハンドラ上での最終試験を含まない。レーザー・マーキング、バーンインまたはベークインのあと、直接に、電子コンポーネントに対して選択的マーキングが作用させられてもよい。
【0058】
特に、後処理は、電子コンポーネントが担体によって保持および整列され、担体を取り扱うことによって動かされている間の、ハンドラ上での最終試験がない。
【0059】
後処理は、電子コンポーネントが担体によって保持および整列され、担体を取り扱うことによって動かされている間の、選択的マーキングを含みうる。レーザー・マーキングの説明を参照するに、同じことが選択的マーキング、たとえばレーザー・マーキングについても有効である:電子コンポーネントは、接点側がベース支持部に当接するかシンボル側がベース支持部に当接するかとは独立に、アクセス可能なシンボル側を有しうる。接点側がベース支持部に当接する場合、シンボル側は受け入れ側に対して開かれており、いかなる制約もなくレーザー・マーキングにかけられうる。シンボル側がベース支持部に当接する場合、レセプタクルのベース支持部はその中心に開口を有していてもよい。開口は、電子コンポーネントの端領域がベース支持部と当接する程度の広がりをもつ。選択的マーキング後、担体内に置かれた電子コンポーネントは、選択的に「陽(positive)」とマークされる、選択的に「陰(negative)」とマークされる、あるいは完全に「陽」または「陰」とマークされうる。他の分類(「陽」または「陰」以外)も可能である。選択的マーキングは、電子コンポーネントの品質特徴を指摘するマーク、たとえば半導体デバイスを動作させる最大周波数を記すマークをも含みうる。
【0060】
レーザー・マーキング、バーンイン試験、ベークイン、最終試験および選択的マーキングからなる群の少なくとも二つが、担体から電子コンポーネントを取り除くことなく実行されてもよい。換言すれば、これらのまたは他の手順のうちの複数が、電子コンポーネントが担体上に整列されたままである間に実行されてもよい。担体は、多様な物理的条件に耐えるよう適応され得、完全なまたは部分的な後処理を通じて電子コンポーネントを精確に整列させうる。こうして、電子コンポーネントは完全な後処理の間または後処理の一部の間、担体内に保持され、整列されうる。
【0061】
後処理後、電子コンポーネントは、電子コンポーネントが担体によって保持および整列されている間に担体を後処理機械から取り除くことによって、後処理機械から取り除かれうる。
【0062】
上に定義した諸側面および本発明のさらなる諸側面は、以下に記載する実施形態の例から明白であり、これらの実施形態の例を参照することで説明される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の例示的な実施形態に基づく担体の分解組立図である。
【図2】二つの異なるポジションにおける、担体の整列固定具の平面図(すなわち、上から見た図)である。
【図3】図1に基づく担体のばね板の全体図である。
【図4】本発明の例示的な実施形態に基づく担体の詳細を示す図である。
【図5】本発明の例示的な実施形態に基づく担体の詳細を示す図である。
【図6】本発明の例示的な実施形態に基づく担体の詳細を示す図である。
【図7】本発明の例示的な実施形態に基づく担体の詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図面の図示は概略的なものである。異なる図面において、同様なまたは同一の要素は同じ参照符号を与えている。
【0065】
図1は、本発明のある例示的な実施形態に基づく担体100の分解組立図である。
【0066】
担体100は、複数の電子コンポーネント1を受け入れ、整列させるよう適応されており、レセプタクル(図4の参照符号20も参照)を有する。各レセプタクルは、複数の電子コンポーネント1のうちの割り当てられたものを受け入れるよう構成されている。ばね板110は複数の第一の当接部31を有する。ここで、第一の当接部31は対応する割り当てられたレセプタクルの境界の一つをなす。受け入れ板130は複数の第二の当接部51を有する。ここで、第二の当接部51は対応する割り当てられたレセプタクルの境界の別の一つをなす。ばね板110および受け入れ板130は互いに対してスライド可能に構成される。
【0067】
記載される実施形態では、ばね板110および受け入れ板130のスライド構成は、板110、130の外側フレームを固定し、ばね板110をばね板フレーム111に弾性的に結合する板接続弾性ユニット154を設けることによって達成される。他の実施形態は、板110、130をスライド結合するために他の方策を用いてもよい。たとえば、これらの板110、130をスライドする仕方で結合するよう一つまたは複数のばねを直接配置することによってもよい。
【0068】
よって、担体100は、ばね板フレーム111によって囲まれたばね板110を有する。ばね板110は、板接続弾性ユニット154を介してばね板フレーム111に弾性的に結合される。さらに、担体100は、ばね板110の一方の側に受け入れ板130を有し、他方の側にベース支持板120を有する。受け入れ板130は、電子コンポーネント1が受け入れられるときに通る受け入れ開口135を有する。ベース支持板120はアクセス開口125をもつ。このアクセス開口125を通じて、電子コンポーネント1の主要な側の表面が処理のためにアクセス可能である。弾性ユニット操作孔258は受け入れ板130の操作アクセス孔358およびベース支持板120の操作アクセス孔458と整列されている。受け入れ板130の操作アクセス孔358の直径およびベース支持板120の操作アクセス孔458の直径は、弾性ユニット操作孔154の直径よりも大きい。
【0069】
図2のAは、クランプ・ポジションにおける、図1の担体100の整列固定具10の上から見た図を示している。第一のばね要素45および第二のばね要素47は一緒になって電子コンポーネント1を、長方形状の受け入れ開口135の角をなす部分である当接部51に対して押しつける。第一のばね要素45、第二のばね要素47および弾性ユニット操作孔258はばね板110に割り当てられる。操作アクセス孔358および受け入れ開口は受け入れ板130に割り当てられる。操作アクセス孔358および弾性ユニット操作孔258は整列された位置にあり、第一のばね要素45および第二のばね要素47はクランプ・ポジションにある。
【0070】
図2のBは、受け入れポジションにおける、整列固定具10の上から見た図を示している。割り当てられた第一のばね要素45、第二のばね要素47および弾性ユニット操作孔258をもつ弾性ユニット板110は、割り当てられた第二の当接部および割り当てられた操作アクセス孔358をもつ受け入れ板に対して矢印222の方向に再配置されている。このように、より小さな弾性ユニット操作孔258は、より大きな操作アクセス孔358に対して同じ方向に同じ距離だけ移動されて、それにより第一のばね要素45および第二のばね要素47は第二の当接部51に対して同じ方向に同じ距離移動される。こうして、第一および第二のばね要素45および47と第二の当接部51との間の空間が受け入れられるべき電子コンポーネント1より大きいので、第一のばね要素45および第二のばね要素47は受け入れポジションにある。
【0071】
図3は、四つの板接続弾性ユニット154によってばね板110に結合されているばね板フレーム111によって囲まれたばね板110の概括的な図を示している。三十個のレセプタクル開口48が、6×5のマトリクス形に配列されている。弾性ユニットフレーム111に割り当てられた固定孔208および弾性ユニット操作孔258が、ばね板110の、ばね板フレーム111に対する柔軟な動きを許容する。
【0072】
図4および図5は、本発明の例示的な実施形態に基づく担体100の詳細の上から見た図を示している。ここで、担体100は弾性ユニット板フレーム111に板接続弾性ユニット154を介して弾性的に結合されたスライド可能な弾性ユニット板110を有する。弾性ユニット板フレーム111は受け入れ板130に固定的にマウントされている。よって、板接続弾性ユニット154を曲げることによって、弾性ユニット板110は、第二の当接部51をなす受け入れ開口135を有する受け入れ板130に対してスライドしうる。弾性ユニット41を介して弾性ユニット板110にマウントされた第一の当接部31は、受け入れ板130の固定部分をなす第二の当接部51に対してスライドしうる。第一の当接部31および第二の当接部51によって形成されるレセプタクル20のレセプタクル開口48は、弾性ユニット板110を受け入れ板130に対してスライドさせることによって拡大されうる。受け入れ板130および弾性ユニット板フレーム111は固定孔208で固定されうるので、弾性ユニット操作孔258に操作力210を係合させることによって、弾性ユニット板110は受け入れ板130および弾性ユニット板フレーム111に対してスライドさせることができる。担体100を操作力210の力に抗して固定するために、反対向きの力200が加えられてもよい。受け入れ板130および弾性ユニット板フレーム111は、いくつかの固定点156において互いに固定的に結合されてもよい。
【0073】
引き続き図4を参照するに、受け入れ板130の第一の板当接部134と、弾性ユニット板110の第二の板当接部914とが互いに当接する。レセプタクル開口48のサイズを制御するようスペーサー257が適応されてもよい。第一の板当接部134および第二の板当接部914が互いに当接するとき、第一の当接部31と第二の当接部51とによって形成されるレセプタクル20のクランプ・サイズに到達しうる。レセプタクル開口48のサイズは、受け入れられるべき電子コンポーネント1より小さくてもよく、よって、電子コンポーネント1は第一の当接部31と第二の当接部51とによってクランプされうる。弾性ユニット板110と弾性ユニット板フレーム111との間の空間259はスペーサー257のサイズを有しうる。
【0074】
図5を参照するに、レセプタクル開口48の受け入れ時のサイズが示されている。弾性ユニット板110と弾性ユニット板フレーム111との間の空間259が拡大されている。したがって、レセプタクル開口48のサイズも、電子コンポーネント1がレセプタクル20内に、すなわち第一の当接部31と第二の当接部51との間の空間内に受け入れられうるサイズに拡大されうる。
【0075】
図6および図7を参照するに、それぞれ図4および図5との基本的な相違は、ばね要素41のクランプ方向が反対であり、よって操作力210の方向が反対であるということである。したがって、スペーサー257は弾性ユニット板フレーム111の対角側に位置されうる。
【0076】
「有する」の語は他の要素やステップを排除するものではなく、単数形の表現が複数を排除するものではないことを注意しておくべきである。異なる実施形態との関連で述べた要素が組み合わされてもよい。請求項に参照符号があったとしても、特許請求の範囲を限定するものと解釈してはならない。本発明の実装は、図面に示され上に記載された好ましい実施形態に限定されるものではなく、たとえ根本的に異なる実施形態の場合であっても、本発明に基づく示された解決策および原理を使用する多数の変形が可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 電子コンポーネント
10 整列固定具/配置固定具/アライン・フィクスチュア
20 レセプタクル
31 第一の当接部
41 弾性ユニット
45 第一のばね要素
47 第二のばね要素
48 レセプタクル開口
51 第二の当接部
100 担体/キャリア
110 ばね板/弾性ユニット板/第一の板〔プレート〕
111 弾性ユニット板フレーム
120 ベース支持板/第二の板〔プレート〕
125 アクセス開口
130 受け入れ板/第三の板〔プレート〕
134 第一の板当接部
135 受け入れ開口
154 板接続弾性ユニット
156 固定点
200 反対向きの力
208 固定孔
210 作動力/操作力
257 スペーサー
258 弾性ユニット作動孔/弾性ユニット操作孔
259 空間
358 受け入れ板130の操作アクセス孔
458 ベース支持板120の操作アクセス孔
914 第二の板当接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子コンポーネントを受け入れ、整列させるよう適応された担体であって:
それぞれが前記複数の電子コンポーネントのうちの割り当てられたものを受け入れるよう適応されている複数のレセプタクルと;
複数の第一の当接部を有する第一の板であって、前記第一の当接部は対応する割り当てられたレセプタクルの境界の一つをなす、第一の板と;
複数の第二の当接部を有する第二の板であって、前記第二の当接部は対応する割り当てられたレセプタクルの境界の別の一つをなす、第二の板とを有し;
前記第一の板および前記第二の板は互いに対してスライド可能に構成されている、
担体。
【請求項2】
前記第一の板が複数の弾性ユニットを有する弾性ユニット板であり、各レセプタクルは前記複数の弾性ユニットのうちの少なくとも一つを割り当てられている、請求項1記載の担体。
【請求項3】
各弾性ユニットの位置および変形状態が、対応する割り当てられたレセプタクルの境界の一つを決定する、請求項2記載の担体。
【請求項4】
前記第一の板および前記第二の板が、少なくとも一つの板接続弾性ユニットによって互いに弾性的に結合されている、請求項1ないし3のうちいずれか一項記載の担体。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちいずれか一項記載の担体であって、
前記第二の板が、前記第一の板との当接のために適応された第一の板当接部を有し、
前記第一の板が、前記第二の板との当接のために適応された第二の板当接部を有し、
前記第一の板当接部および前記第二の板当接部が互いに当接するとき、前記第一の板当接部および前記第二の板当接部が前記レセプタクルのクランプ・サイズを定義し、
前記レセプタクルのクランプ・サイズは、対応するレセプタクル内に電子コンポーネントをクランプするために適応されている、
担体。
【請求項6】
請求項4または5記載の担体であって、
前記板接続弾性要素および前記複数の弾性ユニットが、電子コンポーネントが前記レセプタクル内に受け容れ可能である前記レセプタクルの拡大されたサイズから、電子コンポーネントがクランプされる前記レセプタクルの縮小されたクランプ・サイズへの、自己作用式の遷移のために合力を与えるよう適応されている、
担体。
【請求項7】
請求項4ないし6のうちいずれか一項記載の担体であって、
前記のスライド可能に構成された第一の板および第二の板を、前記板接続弾性要素の力に抗して前記レセプタクルの拡大されたサイズに向けて相対的に動かすよう前記第一の板および前記第二の板を取り扱うために適応されている、前記第一の板および前記第二の板において形成されたハンドリング構造を有する、
担体。
【請求項8】
請求項1ないし7のうちいずれか一項記載の担体であって、
第三の板を有し、前記第一の板は前記第二の板と前記第三の板の間に浮動的に配置され、
前記第二の板および前記第三の板は互いに対して固定的に取り付けられ、
前記第一の板は弾性ユニット板であり、前記第一の当接部の前記第二の当接部に対する一斉的な再配置を許容するよう適応されている、
担体。
【請求項9】
請求項1ないし7のうちいずれか一項記載の担体であって、
第三の板を有し、前記第二の板は前記第一の板と前記第三の板の間に浮動的に配置され、
前記第一の板および前記第三の板は互いに対して固定的に取り付けられ、
前記第一の板は弾性ユニット板であり、前記第二の板は、前記複数の第二の当接部の前記第一の当接部に対する一斉的な再配置を許容するよう適応されている、
担体。
【請求項10】
請求項1ないし9のうちいずれか一項記載の担体であって、
前記電子コンポーネントに対して、前記第一の当接部は第一の力をはたらかせるよう適応され、前記第二の当接部は第二の力をはたらかせるよう適応され、
前記第一の力および前記第二の力は少なくとも部分的に互いに反対方向である、担体。
【請求項11】
前記第一の当接部および前記第二の当接部は、前記第一の力が前記レセプタクルの主平面に平行にはたらかされ、前記第二の力が前記レセプタクルの前記主平面に平行にはたらかされるよう適応されている、請求項10記載の担体。
【請求項12】
複数の電子コンポーネントを受け入れ、整列させるよう担体を操作する方法であって:
前記担体の各レセプタクルに前記複数の電子コンポーネントのうち割り当てられたものを受け入れる段階と;
複数の第一の当接部を有する前記担体の第一の板を提供する段階であって、ここで、前記第一の当接部は対応する割り当てられたレセプタクルの境界の一つをなす、段階と;
複数の第二の当接部を有する前記担体の第二の板を提供する段階であって、ここで、前記第二の当接部は対応する割り当てられたレセプタクルの境界の別の一つをなす、段階と;
前記第一の板および前記第二の板を互いに相対的にスライドさせて前記電子コンポーネントを前記レセプタクル内にクランプする段階とを含む、
方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法であって:
・前記担体を後処理機械内に位置させる段階と;
・前記電子コンポーネントが前記担体のレセプタクル内に整列された位置に維持されている間に、前記電子コンポーネントを前記後処理機械の後処理操作にかける段階とを含む、
方法。
【請求項14】
請求項12または13に記載の方法であって:
・クランプ機構によって、前記電子コンポーネントの側部のみで前記電子コンポーネントを弾性的にクランプする段階をさらに含む、
方法。
【請求項15】
請求項12ないし14のうちいずれか一項記載の方法であって、
・前記担体に、該担体の確定的な識別のための識別特徴を与える段階をさらに含む、
方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−37518(P2011−37518A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181848(P2010−181848)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(507310891)ムルティテスト・エレクトロニッシェ・ジステーメ・ゲーエムベーハー (18)
【Fターム(参考)】