説明

スラストころ軸受の振動絶縁体

【課題】支持構造物とスラストころ軸受との間に使用される振動絶縁体を軸線方向にコンパクトにする。
【解決手段】スラストころ軸受は、第1レースと、第2レースと、保持器と、少なくとも1つのころ部材とを含んでいる。振動絶縁体は、合わせ面と、支承面と、内周縁と、外周縁とを有する半径方向に延びる部分を含み、半径方向に延びる部分は、事実上ディスク形状である。半径方向に延びる部分の内周縁と外周縁の一方からは、軸線方向に環状フランジが延び、半径方向に延びる部分の合わせ面により少なくとも1つの溝が画成されている。支承面は第1レースと第2レースの一方に当接するように構成され、かつ合わせ面は、少なくとも1つの溝と支持構造物との間に空所が形成されるように、支持構造物に当接するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、1010年10月29日提出の米国仮出願番号第61/408,224号に対する優先権を請求するものであり、該出願をここに引用することにより、その全開示内容が本明細書に取り入れられるものである。
【0002】
本発明は、広くはスラストころ軸受に関するものである。本発明は、より具体的には、スラストころ軸受と一緒に用いるための振動絶縁体に関するものである。
【背景技術】
【0003】
スラストころ軸受と共に振動絶縁体を使用することは周知である。例えば、振動絶縁体は、スラストころ軸受を貫通する回転軸等の内部構成部材と、内部構成部材の支持構造物、例えばハウジングとの間に配置されるスラストころ軸受と共に使用されることが多い。通常の振動絶縁体は、スラストころ軸受によって発生する振動、またはスラストころ軸受を介して支持構造物へ伝えられる振動の減衰に適した材料で構成される。公知振動絶縁体の場合には、更に、支持構造物に伝わる振動を低減するには、軸線方向での振動絶縁体の幅を増すことが要求される。しかし、スラストころ軸受および関連振動絶縁体のための軸線方向および半径方向空間の大きさは、しばしば極めて限られている。したがって、スラストころ軸受および関連振動絶縁体は、軸線方向に出来るだけコンパクトに構成することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、先行技術の構成および方法の問題点を認識し、それに対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例により、支持構造物と、第1レース、第2レース、保持器、少なくとも1つの他の部材を含むスラストころ軸受との間に使用する振動絶縁体が提供される。この振動絶縁体は、合わせ面、支承面、内周縁、外周縁を有する半径方向に延びる部分を含み、この部分が事実上ディスク形状を有している。この半径方向に延びる部分の内周縁と外周縁の一方からは、軸線方向に環状フランジが延び、半径方向に延びる部分の合わせ面により、少なくとも1つの溝が画成されている。支承面は第1レースと第2レースの一方に当接するように構成され、合わせ面は、少なくとも1つの溝と支持構造物との間に空所が画成されるように支持構造物に当接される構成になっている。
【0006】
本発明の別の実施例によれば、第1レース、第2レース、両レース間に配置された複数ころ部材を有するスラストころ軸受を含む支持構造物と共に用いるためのスラストころ軸受組み立て体が提供される。振動絶縁体は、合わせ面、支承面、内周縁、外周縁を有する方向に延びる部分とを含み、この分部が事実上ディスク形状を有している。半径方向に延びる部分の内周縁と外周縁の一方からは、環状フランジが軸線方向に延びている。半径方向に延びる部分の合わせ面によって、少なくとも1つの溝が画成されている。支承面は、スラストころ軸受の第1と第2のレースの一方に当接されるように構成され、合わせ面は、少なくとも1つの溝と支持構造物との間に空所が画成されるように支持構造物に当接される構成になっている。
【0007】
本発明の別の実施例では、支持構造物とスラストころ軸受との間に使用される振動絶縁体が提供される。該スラストころ軸受は、第1レース、第2レース、保持器、少なくとも1つのころ部材を含み、該振動絶縁体が、合わせ面、支承面、内周面、外周縁を有する半径方向に延びる部分を含み、該半径方向に延びる部分が事実上ディスク形状であり、半径方向に延びる部分の合わせ面によって、少なくとも1つの溝が画成されている。支承面は、第1と第2のレースの一方に当接するように構成され、合わせ面は、少なくとも1つの溝と支持構造物との間に空所が画成されるように支持構造物に当接される構成になっている。
【0008】
添付図面は、本発明の明細書の一部をなし、本発明の1つ以上の実施例を示しており、言葉による説明と共に、本発明の原理を明らかにするのに役立つものである。
本明細書では、最善の態様を含む本発明の完全かつ実施可能な、当業者を対象とする開示を、添付図面を参照して行うことにする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】スラストころ軸受と一緒に用いるための振動絶縁体の斜視図。(実施例1)
【図2】図1の2−2線に沿った振動絶縁体の部分断面図。
【図3】スラストころ軸受と一緒に用いる図1の振動絶縁体の部分平面図。
【図4】図3の4−4線に沿った振動絶縁体およびスラストころ軸受の部分断面図。
【図5】回転軸周囲の定置ハウジング内に取り付けられた、図3に示す振動絶縁体およびスラストころ軸受の側断面図。
【図6】図5の6−6線に沿った振動絶縁体およびスラストころ軸受の部分断面図。
【図7】本発明による振動絶縁体の別の実施例の部分斜視断面図。(実施例2)
【図8】本発明による振動絶縁体の別の実施例の部分斜視断面図。(実施例3)
【図9A】本発明による振動絶縁体の別の実施例の部分側断面図。(実施例4)
【図9B】本発明による振動絶縁体の別の実施例の部分側断面図。(実施例4)
【図9C】本発明による振動絶縁体の別の実施例の部分側断面図。(実施例4)
【0010】
本明細書および図面での参照符号の反復使用は、開示する本発明の、等しいまたは類似の特徴または部材を表す意図による。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下で、本発明の現時点で好適な実施例を詳細に説明する。それらの内の1つ以上の例が添付図面に示されている。各例は、本発明を説明する手段であり、本発明を制限するものではない。事実、当業者には、本発明の範囲および精神を逸脱することなしに変更態様および変化形を作製できることは明らかだろう。例えば、一実施例の部分として図示かつ説明された特徴は、別の実施例に適用でき、それにより更に別の実施例を作製することができる。したがって、本発明は、請求の範囲に含まれるそれらの変更態様および変化形、並びにそれらと同等のものをも含むものである。
【実施例1】
【0012】
次に図面を参照すると、図1および図2に示したように、本発明の振動絶縁体100の一実施例は、事実上ディスク形状の半径方向に延びる部分102と、該部分から軸線方向に延びる環状フランジ104とを含んでいる。この部分102は、内周縁106と外周縁108とを含み、図示の好適実施例では、環状フランジ104が、外周縁108から軸線方向に延びている。加えて、この部分102は、内周縁106と外周縁108との間に延びる合わせ面110と支承面111とを含み、環状フランジ104が円筒形の内面118を画成している。この部分102の支承面111と環状フランジ104の内面118とは、対応するスラストころ軸受131(図4)の一部を摩擦式に受容するように構成されており、これによって振動絶縁体100がスラストころ軸受131に固定される。留意すべき点は、しかし、本発明による振動絶縁体の別の実施例では、環状フランジ104による摩擦式の拘束より、むしろ、例えばリベット打ち、立て込み、接着等により対応スラストころ軸受に機械式に固定可能な点であり、このことは、この実施例の場合、所望とあれば、環状フランジは省くことができることを意味する。
【0013】
図示のように、合わせ面110は、複数の溝112を含み、各溝は、半径方向に延びる部分102の内周縁106から外周縁108へ延びる掃引円弧をなしている。隣接溝112の各対は、間に隆起部114を形成している。図示の実施例では、各隆起部114は、事実上山形横断面を有し、長く延びる頂部が形成されている。合わせ面110は、定置ハウジング190(図5)内で、対応する面に隣接配置されるように構成されている。ハウジングは、詳しくは後述するが、回転可能な内部部材を支持している。振動絶縁体100は、所期の振動減衰特性を有する弾性材料で構成するのが好ましい。それらの材料の例には、エラストマー、ポリマー、ナイロン、テフロン(登録商標)、ポリサラミド等が含まれるが、これらに限定はされない。
【0014】
図3および図4を参照すると、振動絶縁体100がスラストころ軸受131内に摩擦固定されていることで、自己完結的に組み立てられた1つのユニットとして取り扱い可能なスラストころ軸受組み立て体130が形成される。スラストころ軸受131は、内レース132と、外レース142と、複数ころ部材150と、保持器160とを含んでいる。内レース132は、半径方向に延びる部分を含み、該部分から軸線方向に環状フランジ136が延び、環状フランジ136の遠位縁からは周方向リップが内方へ屈折している。同じように、外レース140は半径方向に延びる部分144を含み、該部分から環状フランジ146が軸線方向に延び、環状フランジ146の遠位縁から周方向リップ148が内方へ屈折している。
【0015】
半径方向に延びる部分134と半径方向に延びる部分144との内側面は、ころ部材150の転動路として役立つ。保持器160は、第1部分162と第2部分172とを含み、これらの部分が、互いにはめ合わされる環状フランジ対168a/168bと178a/178bとによって互いに固定され、該環状フランジ対は、それぞれ半径方向の対応部分166,176の間に延びている。各ころ部材150は、それぞれ第1部分162と第2部分172との半径方向部分166,176に形成された支承開口164,174内に回転可能に受容されている。保持器160と対応ころ部材150とは、内レース132と外レース142との間に周方向リップ138,148によって拘束されている。
【0016】
図示の実施例の場合、振動絶縁体100は、外レース142に固定され、それによって支承面111は、外レースの半径方向へ延びる部分144の外面に隣接し、環状フランジ104の内面118は、外レースの環状フランジ146の外面に隣接する。留意すべき点は、振動絶縁体100の合わせ面110は、外レース142の半径方向に延びる部分144の内面によって形成される転動路の支持を最大化するために、硬く平らな面であるのが好ましい点である。図3から最もよく分かるように、各溝112は、合わせ面110の内周縁106から外周縁108まで半径方向外方へ延びるにつれて、時計回り方向に掃引されている。したがって、溝112も対応隆起部114も、ころ部材150の長手中心軸線と整合していない。この結果、定置ハウジング190内に配置された場合、各ころ部材150の少なくとも一部が連続的に対応隆起部114の反対側に位置せしめられ、これにより振動絶縁体100の軸線方向の全幅によって支持されることになる。合わせ面110により形成される溝112の数は、関連スラストころ軸受131のころ部材150の倍数でないのが好ましい。
【0017】
加えて、対応する隆起部114の間隔は、内周縁106よりも外周縁108のところでのほうが大きい。注意すべき点は、振動絶縁体の別の実施例では、溝は、半径方向外方へ延びるにつれて幅が変化し、隆起部は、内周縁での幅と比較して、合わせ面の外周縁のところでは、より広幅である。また、振動絶縁体の別の実施例の溝の場合には、半径方向外方へ延びるにつれて逆時計回りに掃引されるか、または掃引されることなく半径方向外方へ延びるかのいずれかである。
【0018】
次に、図5を参照すると、図3および図4に示したスラストころ軸受組み立て体130が、定置ハウジング190と、その内部に支持されている回転軸180との間に配置されている。図示のように、スラストころ軸受組み立て体130は、振動絶縁体100の合わせ面110が定置ハウジング190の半径方向に延びる面192に隣接し、内レース132の半径方向に延びる部分の外面が回転軸180の半径方向に延びる面182に隣接するように、組み付けられる。図6から最もよく分かるが、この構成では、合わせ面110の隆起部114が、スラストころ軸受131を半径方向に延びる面192に対し支持する一方、溝112は、半径方向に延びる面192と共に空所115を画成している。空所115内に矢印で示されているように、これらの空所115によって、スラストころ軸受131を通過する振動またはスラストころ軸受により発生する振動は、振動を定置ハウジングへ伝える場合よりも容易に散逸できる。
【0019】
したがって、溝112は、同じ軸線方向幅でそのような溝を含まない振動絶縁体と比較すると、振動低減の度合いが高く、しかも該溝を含まない振動絶縁体100のように軸線方向幅を増す必要はない。同じように、振動低減の目標レベルを達成するさい、これらの溝112により、振動絶縁体100の軸線方向幅を溝なしの振動絶縁体に比して縮小でき、しかも振動低減レベルに悪影響がない。留意すべき点は、振動絶縁体が定置ハウジング190の半径方向に延びる面192に隣接して示されているが、振動絶縁体100は、回転軸180の半径方向に延びる面182に隣接配置してもよい点である。同じように、振動絶縁体100は、スラストころ軸受の各側に配置して、回転軸180と定置ハウジング190との両方に隣接配置することもできる。
【実施例2】
【0020】
次に図7を参照すると、本発明による振動絶縁体の別の実施例100aが示されている。振動絶縁体100aは、図1Aおよび図2の振動絶縁体100と事実上等しく、別の符号を付した部材のみが異なっている。図示のように、振動絶縁体100aは、既出の振動絶縁体100とは主として次の点で異なっている。すなわち、隣接溝112a間に設けられた各隆起部114aの頂部が、断面で見て事実上丸くされていることで、交互の溝112aと隆起部114aとにより合わせ面110aには、内周面106から最もよく分かるように、波形断面が与えられている点である。
【実施例3】
【0021】
加えて図8を参照すると、振動絶縁体の別の実施例100bが示されている。振動絶縁体100bが、図7の振動絶縁体100aと異なる点は、主として、各隆起部の頂部114bが事実上平らな面によって形成されている点である。この面は、内周縁106のところでの合わせ面110bの断面から最もよく分かるように、平らな支承面111bと事実上平行である。
【実施例4】
【0022】
次に図9A、図9B、図9Cを参照すると、振動絶縁体の別の追加実施例100c、100d、100eが示されているが、この場合、溝112c、112d、112eの断面は、それぞれ3角形、半円形、台形である。振動絶縁体の溝と対応隆起部との断面は、振動絶縁体の所期の目的に適当であれば、どのような形状に構成してもよいことに留意されたい。
【0023】
以上、本発明の1つ以上の好適実施例を説明したが、当業者には、本発明の範囲および精神を逸脱することなしに種々の変更態様および変化形が可能であることが理解できよう。例えば、溝の断面形状は、所期の目的に適するものであれば、どのような形状であってもよい。加えて、振動絶縁体は、所期の目的に適するものであればどのような材料で構成してもよい。本発明は、それらの変更態様および変化形をも、特許請求の範囲および精神とそれらに相当するものの範囲に含めることを意図するものである。
【符号の説明】
【0024】
100 振動絶縁体
102 半径方向に延びる部分
104 環状フランジ
106 内周縁
108 外周縁
110 合わせ面
111 支承面
112 溝
114 隆起部
118 環状フランジの内面
131 スラストころ軸受
132 内レース
136 環状フランジ
138 周方向リップ
142 外レース
144 半径方向に延びる部分
146 環状フランジ
148 周方向リップ
150 ころ部材
160 保持器
162 保持器の第1部分
164,174 支承開口
168a,b;178a,b 環状フランジ
172 保持器の第2部分
180 回転軸
182 回転軸の半径方向に延びる面
190 定置ハウジング
192 定置ハウジングの半径方向に延びる面
190 ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持構造物とスラストころ軸受との間に使用するための振動絶縁体であって、該スラストころ軸受が第1レースと、第2レースと、少なくとも1つのころ部材とを含む形式のものにおいて、該振動絶縁体には、
合わせ面と、支承面と、内周縁と、外周縁とを有する事実上ディスク形状の半径方向に延びる部分と、
前記半径方向に延びる部分の内周縁と外周縁の一方から軸線方向に延びる環状フランジと、
前記半径方向に延びる部分の合わせ面により形成される少なくとも1つの溝とが含まれ、
加えて、前記支承面が第1レースと第2レースの一方に当接するように構成され、前記合わせ面が支持構造物に当接するように構成されることで、少なくとも1つの溝と支持構造物との間に空所が形成される、支持構造物とスラストころ軸受との間に使用するための振動絶縁体。
【請求項2】
前記少なくとも1つの溝が、半径方向に延びる部分の内周縁から外方へ外周縁まで延びている、請求項1記載の振動絶縁体。
【請求項3】
前記少なくとも1つの溝が、少なくとも1つのころ部材の長手方向中心軸線に対して曲線状である、請求項2記載の振動絶縁体。
【請求項4】
前記少なくとも1つの溝が、更に複数の溝を含む、請求項2記載の振動絶縁体。
【請求項5】
前記環状フランジが連続している、請求項2記載の振動絶縁体。
【請求項6】
前記振動絶縁体がエラストマー材料から成る、請求項2記載の振動絶縁体。
【請求項7】
前記環状フランジが、半径方向に延びる部分の内周縁から軸線方向に延びている、請求項2記載の振動絶縁体。
【請求項8】
前記環状フランジが、半径方向に延びる部分の外周縁から軸線方向に延びている、請求項2記載の振動絶縁体。
【請求項9】
前記半径方向に延びる部分の外周縁のところでの前記少なくとも1つの溝の第1幅が、前記半径方向に延びる部分の内周縁のところでの前記少なくとも1つの溝の第2幅より大である、請求項2記載の振動絶縁体。
【請求項10】
前記少なくとも1つの溝が、更に複数の溝を含み、かつ前記合わせ面が、更に各対の隣接溝間に設けられた隆起部を含む、請求項1記載の振動絶縁体。
【請求項11】
各隆起部が、更に、角形の頂部を含む、請求項10記載の振動絶縁体。
【請求項12】
各隆起部が、更に、丸くされた頂部を含む、請求項10記載の振動絶縁体。
【請求項13】
各隆起部が、更に、事実上平らな面を含む、請求項10記載の振動絶縁体。
【請求項14】
支持構造物と共に使用するためのスラストころ軸受組み立て体において、
第1レースと、第2レースと、これらの間に配置された複数ころ部材とを有するスラストころ軸受と、
振動絶縁体とが含まれ、該振動絶縁体には、
合わせ面と、支承面と、内周縁と、外周縁とを有する事実上ディスク形状の半径方向に延びる部分と、
前記半径方向に延びる部分の内周縁と外周縁の一方から軸線方向に延びる環状フランジと、
前記半径方向に延びる部分の合わせ面により形成される少なくとも1つの溝が含まれており、
しかも、前記支承面が、スラストころ軸受の第1と第2のレースの一方と当接するように構成され、かつまた前記合わせ面が、少なくとも1つの溝と支持構造物との間に空所が形成されるように、支持構造物に当接するように構成されている、スラストころ軸受組み立て体。
【請求項15】
前記少なくとも1つの溝が、前記半径方向に延びる部分の内周面から半径方向外方へ外周面まで延びている、請求項14記載のスラストころ軸受組み立て体。
【請求項16】
前記少なくとも1つの溝が、少なくとも1つのころ部材の長手方向中心軸線に対して曲線状である、請求項15記載のスラストころ軸受組み立て体。
【請求項17】
前記環状フランジが、振動絶縁体の半径方向に延びる部分の外周縁から軸線方向に延びている、請求項15記載のスラストころ軸受組み立て体。
【請求項18】
前記少なくとも1つの溝が、更に、複数の溝を含み、溝の総数が、ころ部材の総数の倍数ではない、請求項14記載のスラストころ軸受組み立て体。
【請求項19】
前記少なくとも1つの溝が、更に、複数の溝を含み、前記合わせ面が、更に、複数の隆起部を含み、各隆起部が隣接溝対の間に設けられている、請求項14記載のスラストころ軸受組み立て体。
【請求項20】
各ころ部材が第1と第2のレースの一方を横切る場合には常に、複数隆起部の少なくとも1つの隆起部の一部が、各ころ部材と支持構造物との間に配置される、請求項19記載のスラストころ軸受組み立て体。
【請求項21】
支持構造物とスラストころ軸受との間で使用するための振動絶縁体であって、該スラストころ軸受が第1レースと、第2レースと、少なくとも1つのころ部材とを含む形式のものにおいて、該振動絶縁体が、
合わせ面と、支承面と、内周縁と、外周縁とを有する事実上ディスク形状の半径方向に延びる部分と、
前記半径方向に延びる部分の合わせ面により形成される少なくとも1つの溝とを含み、
しかも、前記支承面が第1と第2のレースの一方に当接するように構成され、かつ前記合わせ面が、少なくとも1つの溝と支持構造物との間に空所が形成されるように、支持構造物に当接するように構成される、振動絶縁体。
【請求項22】
前記少なくとも1つの溝が、半径方向に延びる部分の内周縁から半径方向外方へ外周縁まで延びている、請求項21記載の振動絶縁体。
【請求項23】
前記少なくとも1つの溝が、少なくとも1つのころ部材の長手方向中心軸線に対して曲線状である、請求項22記載の振動絶縁体。
【請求項24】
前記少なくとも1つの溝が、更に、複数の溝を含む、請求項23記載の振動絶縁体。
【請求項25】
更に、前記半径方向に延びる部分の内周縁と外周縁の一方から軸線方向に延びる環状フランジを含んでいる、請求項21記載の振動絶縁体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【公開番号】特開2012−97898(P2012−97898A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180056(P2011−180056)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(510099028)コーヨー ベアリングス ユーエスエイ、エルエルシー (10)
【Fターム(参考)】