説明

スロットマシン及びスロットマシンの制御方法

【課題】ワイルドシンボルを活用した新たなエンターテイメント性を備えたスロットマシンを提供する。
【解決手段】スロットゲームの実行時にはディスプレイに設けられた複数の表示領域にてシンボルをスクロールさせ、その後各表示領域にてシンボルを停止させる。更に、中央の表示領域q2cに「JOKER」シンボルが停止した場合には、その他の表示領域q1a〜q3eに表示された「WILD」シンボルを有効化し、中央の表示領域q2cに「JOKER」シンボルが停止しない場合には、その他の表示領域q1a〜q3eに表示された「WILD」シンボルを無効化する。従って、表示領域q2cに停止するシンボルに応じて配当が大きく変化するので、「WILD」シンボルを用いた、エンターテイメント性に優れたスロットマシンを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダル等を用いて遊技を行うスロットマシン、及びスロットマシンの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
関連するスロットマシンとして、米国特許第5820459号明細書(特許文献1)、米国特許第6695697号明細書(特許文献2)、米国特許出願公開第2003/0069073号明細書(特許文献3)、欧州特許出願公開第1192975号明細書(特許文献4)、米国特許第6254483号明細書(特許文献5)、米国特許第5611730号明細書(特許文献6)、米国特許第5639088号明細書(特許文献7)、米国特許第6257981号明細書(特許文献8)、米国特許第6234896号明細書(特許文献9)、米国特許第6001016号明細書(特許文献10)、米国特許第6273820号明細書(特許文献11)、米国特許第6224482号明細書(特許文献12)、米国特許第4669731号明細書(特許文献13)、米国特許第6244957号明細書(特許文献14)、米国特許第5910048号明細書(特許文献15)、米国特許第5695402号明細書(特許文献16)、米国特許第6003013号明細書(特許文献17)、米国特許第4283709号明細書(特許文献18)、欧州特許出願公開第0631798号明細書(特許文献19)、独国特許出願公開第4137010号明細書(特許文献20)、英国特許出願公開第2326830号明細書(特許文献21)、独国特許出願公開第3712841号明細書(特許文献22)、米国特許第4964638号明細書(特許文献23)、米国特許第6089980号明細書(特許文献24)、米国特許第5280909号明細書(特許文献25)、米国特許第5702303号明細書(特許文献26)、米国特許第6270409号明細書(特許文献27)、米国特許第5770533号明細書(特許文献28)、米国特許第5836817号明細書(特許文献29)、米国特許第6932704号明細書(特許文献30)、米国特許第6932707号明細書(特許文献31)、米国特許第4837728号明細書(特許文献32)、欧州特許出願公開第1302914号明細書(特許文献33)、米国特許第4624459号明細書(特許文献34)、米国特許第5564700号明細書(特許文献35)、国際公開第03/083795号明細書(特許文献36)、独国特許出願公開第3242890号明細書(特許文献37)、欧州特許出願公開第0840264号明細書(特許文献38)、独国特許出願公開第10049444号明細書(特許文献39)、国際公開第04/095383号明細書(特許文献40)、欧州特許出願公開第1544811号明細書(特許文献41)、米国特許第5890963号明細書(特許文献42)、欧州特許出願公開第1477947号明細書(特許文献43)、欧州特許出願公開第1351180号明細書(特許文献44)、に記載されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5820459号明細書
【特許文献2】米国特許第6695697号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2003/0069073号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1192975号明細書
【特許文献5】米国特許第6254483号明細書
【特許文献6】米国特許第5611730号明細書
【特許文献7】米国特許第5639088号明細書
【特許文献8】米国特許第6257981号明細書
【特許文献9】米国特許第6234896号明細書
【特許文献10】米国特許第6001016号明細書
【特許文献11】米国特許第6273820号明細書
【特許文献12】米国特許第6224482号明細書
【特許文献13】米国特許第4669731号明細書
【特許文献14】米国特許第6244957号明細書
【特許文献15】米国特許第5910048号明細書
【特許文献16】米国特許第5695402号明細書
【特許文献17】米国特許第6003013号明細書
【特許文献18】米国特許第4283709号明細書
【特許文献19】欧州特許出願公開第0631798号明細書
【特許文献20】独国特許出願公開第4137010号明細書
【特許文献21】英国特許出願公開第2326830号明細書
【特許文献22】独国特許出願公開第3712841号明細書
【特許文献23】米国特許第4964638号明細書
【特許文献24】米国特許第6089980号明細書
【特許文献25】米国特許第5280909号明細書
【特許文献26】米国特許第5702303号明細書
【特許文献27】米国特許第6270409号明細書
【特許文献28】米国特許第5770533号明細書
【特許文献29】米国特許第5836817号明細書
【特許文献30】米国特許第6932704号明細書
【特許文献31】米国特許第6932707号明細書
【特許文献32】米国特許第4837728号明細書
【特許文献33】欧州特許出願公開第1302914号明細書
【特許文献34】米国特許第4624459号明細書
【特許文献35】米国特許第5564700号明細書
【特許文献36】国際公開第03/083795号明細書
【特許文献37】独国特許出願公開第3242890号明細書
【特許文献38】欧州特許出願公開第0840264号明細書
【特許文献39】独国特許出願公開第10049444号明細書
【特許文献40】国際公開第04/095383号明細書
【特許文献41】欧州特許出願公開第1544811号明細書
【特許文献42】米国特許第5890963号明細書
【特許文献43】欧州特許出願公開第1477947号明細書
【特許文献44】欧州特許出願公開第1351180号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなスロットマシンは、プレーヤがメダル、コイン、または紙幣等の金銭価値をスロットマシンの投入口に投入しスピンスイッチを操作すると、筐体の正面に設けられたディスプレイの表示領域にて、例えば3行、5列の合計15個のシンボルがスクロールされ、その後、各シンボルが自動的に停止する。そして、15個の各シンボルが停止した際に、スキャッタシンボルが所定個数表示された場合に賞を発生する。
【0005】
また、スロットマシンでは、表示領域に、他のシンボル全ての代わりに用いることができるワイルドシンボルが停止する場合があり、ワイルドシンボルが停止した場合には多くの賞を獲得する可能性が高まる。このようなスロットマシンでは、ワイルドシンボルの出現個数が配当に大きな影響を与えるので、表示領域にワイルドシンボルを停止させるか否かの制御が難しくなり、ワイルドシンボルを活用した新たなエンターテイメント性を備えたスロットマシンの出現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、シンボルが配置される固定表示領域、及び複数の変動表示領域を備えたディスプレイと、(A)外部入力を受け付けて、前記各変動表示領域のシンボルを再配置し、(B)前記変動表示領域に特定シンボルが再配置された場合に、前記固定表示領域に配置されているシンボルをワイルドシンボルに変更し、(C)前記固定表示領域、及び各変動表示領域に表示されたシンボルの組み合わせに応じて賞を発生するコントローラと、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスロットマシンにおいて、前記コントローラは、前記変動表示領域に特定シンボルを再配置する場合には、最後にこの特定シンボルを再配置することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、シンボルが配置される固定表示領域と複数の変動表示領域からなる第1表示領域、及び第2表示領域を備えたディスプレイと、(A)外部入力を受け付けて、前記各変動表示領域、及び前記第2表示領域のシンボルを再配置し、(B)前記第2表示領域に特定シンボルが再配置された場合に、前記固定表示領域に配置されているシンボルをワイルドシンボルに変更し、(C)前記各第1表示領域に表示されたシンボルの組み合わせに応じて賞を発生するコントローラと、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のスロットマシンにおいて、前記コントローラは、前記第1表示領域にシンボルを再配置した後、前記第2表示領域にシンボルを再配置することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、シンボルが配置される複数の第1表示領域、及び第2表示領域を備えたディスプレイと、(A)外部入力を受け付けて、前記第1表示領域、及び前記第2表示領域のシンボルを再配置し、(B)前記第2表示領域に特定シンボルが再配置された場合に、前記各第1表示領域に再配置されるワイルドシンボルを有効化し、(C)前記各第1表示領域に表示されたシンボルの組み合わせに応じて賞を発生するコントローラと、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のスロットマシンにおいて、前記コントローラは、前記第1表示領域にシンボルを再配置した後、前記第2表示領域にシンボルを再配置することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、ディスプレイに設けられる複数の変動表示領域に配置されたシンボルを再配置すると共に、前記変動表示領域に特定シンボルが再配置された場合に、前記ディスプレイに設けられる固定表示領域のシンボルをワイルドシンボルに変更し、前記変動表示領域、及び固定表示領域に表示されたシンボルの組み合わせに応じて賞を発生することを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のスロットマシンの制御方法において、更に、前記変動表示領域に特定シンボルを再配置する場合には、最後にこの特定シンボルを再配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るスロットマシン及びスロットマシンの制御方法では、変動表示領域に表示されたシンボルに、特定シンボルが含まれる場合には、固定表示領域に配置されているシンボルをワイルドシンボルに変更するので、ワイルドシンボルを活用した新たなエンターテイメント性を備えたスロットマシンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るスロットマシンの概略的な処理手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明の第1実施形態に係るスロットマシンの全体構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイ上に設定される表示領域を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るスロットマシンで用いられる賞設定テーブルの一例を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るスロットマシンの、スロットゲーム実行処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態に係るスロットマシンの、画像演出制御処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態に係るスロットマシンの、払い出し処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイに表示されるシンボルの一例を示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイに表示されるシンボルの一例を示す図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係るスロットマシンのディスプレイに表示されるシンボルの一例を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係るスロットマシンの全体構成図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係るスロットマシンの、スロットゲーム実行処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2実施形態に係るスロットマシンの、画像演出制御処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2実施形態に係るスロットマシンのディスプレイに表示されるシンボルの一例を示す図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係るスロットマシンのディスプレイに表示されるシンボルの一例を示す図である。
【図17】本発明の第2実施形態に係るスロットマシンのディスプレイに表示されるシンボルの一例を示す図である。
【図18】本発明の第2実施形態の変形例に係るスロットマシンのディスプレイに表示されるシンボルの一例を示す図である。
【図19】本発明の第2実施形態の変形例に係るスロットマシンのディスプレイに表示されるシンボルの一例を示す図である。
【図20】本発明の第2実施形態の変形例に係るスロットマシンのディスプレイに表示されるシンボルの一例を示す図である。
【図21】本発明の第3実施形態に係るスロットマシンの、スロットゲーム実行処理を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第3実施形態に係るスロットマシンの、画像演出制御処理を示すフローチャートである。
【図23】本発明の第3実施形態に係るスロットマシンのディスプレイに表示されるシンボルの一例を示す図である。
【図24】本発明の第3実施形態に係るスロットマシンのディスプレイに表示されるシンボルの一例を示す図である。
【図25】本発明の第3実施形態に係るスロットマシンのディスプレイに表示されるシンボルの一例を示す図である。
【図26】本発明の第4実施形態に係るスロットマシンの全体構成図である。
【図27】本発明の第4実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示すブロック図である。
【図28】(a)は、本発明の第4実施形態に係るスロットマシンで用いられ回転リール装置の斜視図、(b)は同側面図である。
【図29】本発明の第4実施形態に係るスロットマシンで用いられ各回転リールの周面に記されるシンボルの配列を示す図である。
【図30】本発明の第4実施形態に係るスロットマシンの、スロットゲーム実行処理を示すフローチャートである。
【図31】本発明の第4実施形態に係るスロットマシンの、リール制御処理を示すフローチャートである。
【図32】本発明の第4実施形態に係るスロットマシンの、画像演出制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るスロットマシンの概略的な処理手順を示すフローチャート、図2は、本発明に係るスロットマシンの外観図、図3は、本発明に係るスロットマシンの電気的な構成を示すブロック図、図4は、ディスプレイ16の表示領域q1a〜q3eの配列を示す説明図である。以下、図1のフローチャートを参照して、本発明のスロットマシンの処理手順を概略的に説明する。
【0018】
図1に示すように、スロットゲームが実行されると、図2に示すコントローラ40のCPU106は、スタートスイッチ27がオンとされたか否かを判定する(ステップS11)。そして、スタートスイッチ27がオンとされた場合には、CPU106は、図4に示す15個の表示領域q1a〜q3eのうちの、変動表示領域(中央の表示領域q2cを除く14個の表示領域)に停止させるシンボルを決定する(ステップS12)。
【0019】
次いで、CPU106は、固定表示領域q2cを除く14個の変動表示領域にてシンボルをスクロールさせ、その後シンボルを停止させる(ステップS13)。即ち、14個の変動表示領域に配置されていたシンボルを再配置する。
【0020】
CPU106は、14個の変動表示領域のいずれかに特定シンボルが停止したか否かを判定する(ステップS14)。特定シンボルが停止した場合には(ステップS14でYES)、固定表示領域q2cにワイルドシンボルを表示する(ステップS15)。即ち、図4の固定表示領域q2cに表示されている「太陽」シンボルを「WILD」シンボルに変更する。
【0021】
その後、CPU106は、各表示領域(固定表示領域及び変動表示領域)q1a〜q3eに停止したシンボルに応じて賞を発生する払い出し処理を実行する(ステップS16)。こうして、14個の変動表示領域q1a〜q3e(q2cを除く)に特定シンボルが停止するか否かによって、中央に設けられた固定表示領域q2cのシンボルが「WILD」シンボルに変更されるか否かが決定され、その結果により配当が大きく変化するので、エンターテイメント性に優れたスロットマシンを提供することができる。
【0022】
次に、本実施形態に係るスロットマシン10の構成を詳細に説明する。図2に示すように、本実施形態に係るスロットマシン10は、キャビネット11と、該キャビネット11の上側に設けられるトップボックス12と、メインドア13とを備えている。キャビネット11は、プレーヤに臨む面にディスプレイ16が設けられている。また、キャビネット11内には、本スロットマシン10を電気的にコントロールするためのコントローラ40(図3参照)、及びメダルの投入、貯留及び払い出しをコントロールするためのホッパー44(図3参照)等を含む各種の構成部材が設けられている。
【0023】
また、本実施形態では、ゲームを実行する際に用いるゲーム媒体としてメダルを例に挙げているが、ゲーム媒体は、メダルに限るものではなく、例えば、コイン、トークン、電子マネー、またはこれらに相当する電子的な有価情報(クレジット)を挙げることができる。
【0024】
メインドア13は、キャビネット11に対して開閉が可能に取り付けられており、このメインドア13の略中央には、ディスプレイ16が設けられている。後述するように、ディスプレイ16は、スロットゲームを含む各種のゲームに関する画像を表示する。スロットゲームでは、図4に示すように、3行、5列のマトリクス状に設けられた、合計15個の表示領域q1a〜q3eのうち、中央の表示領域q2c(固定表示領域)を除く14個の表示領域(変動表示領域)に停止しているシンボルをスクロールさせた後に停止させる(配置されているシンボルを再配置する)。そして、図5の賞設定テーブルに示すように、15個の各表示領域q1a〜q3e(固定表示領域及び変動表示領域)に、同一のシンボルが所定個数停止した場合に、所定量の配当が発生する。
【0025】
ここで、図4に示すように、表示領域qに付するサフィックスの「a」〜「e」は列を示し、サフィックスの「1」〜「3」は行を示している。従って、中央の表示領域は、「q2c」となる。なお、本実施形態では、スロットゲームを実行する際の表示領域を3行、5列としたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
また、図2に示すディスプレイ16の左下の領域には、ペイアウト数を表示するためのペイアウト数表示領域48が設けられている。
【0027】
ディスプレイ16の下方には、スロットゲームをプレイする際に用いるメダルを投入するためのメダル投入口21、及び、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣を受け入れるための紙幣識別器22が設けられている。また、このメダル投入口21、紙幣識別器22の近傍には、各種の操作スイッチが設けられている。
【0028】
操作スイッチとして、キャッシュアウトスイッチ23と、MAXBETスイッチ24と、BETスイッチ25と、スピンリピートBETスイッチ26と、スタートスイッチ27とが設けられている。
【0029】
BETスイッチ25は、ディスプレイ16で実行されるスロットゲームに対して、ベットするクレジット数を決定するためのスイッチであり、BETスイッチ25を押す毎に、メダル1枚分のクレジットがベットされる。
【0030】
スピンリピートBETスイッチ26は、前回のゲームにおいて、上記したBETスイッチ25でベットしたクレジットの数を変更せずにクレジットをベットして、スロットゲームを行うためのスイッチである。
【0031】
スタートスイッチ27は、クレジットがベットされた後に、ディスプレイ16にてスロットゲームを開始するためのスイッチである。メダル投入口21にメダルが投入されるか、またはBETスイッチ25によりクレジットがベットされた後に、このスタートスイッチ27が押されると、ディスプレイ16の各表示領域q1a〜q3eでスロットゲームが開始される。
【0032】
キャッシュアウトスイッチ23は、投入されているメダルを払い出すためのスイッチであり、払い出されるメダルは、メインドア13の正面下部に開口されたメダル払い出し口28から排出され、この払い出されたメダルは、メダルトレイ18に蓄積される。
【0033】
MAXBETスイッチ24は、1回のゲームでBET可能なクレジットの最大数(例えば、メダル30枚分)を、1回の操作でベットするためのスイッチである。
【0034】
メインドア13の下部前面には、フットディスプレイ34が設けられていて、スロットマシン10のゲームに関する各種の画像を表示する。この画像としては、例えば、スロットマシン10のキャラクタ等を挙げることができる。
【0035】
フットディスプレイ34の両サイドには、ランプ47が設けられていて、スロットマシン10のプレイについて、予め設定されている発光パターンに基づいて発光する。フットディスプレイ34の下側には、メダルの払い出し口28が設けられている。
【0036】
トップボックス12の前面には、アッパーディスプレイ33が設けられている。アッパーディスプレイ33は、表示パネルを備えていて、シンボルの表示個数と賞の関係等が表示される。
【0037】
また、トップボックス12には、スピーカ29が設けられている。アッパーディスプレイ33の下側には、チケットプリンタ35と、カードリーダ36と、データディスプレイ37と、キーパッド38とが設けられている。チケットプリンタ35は、クレジット数、日時、スロットマシン10の識別番号等の各データがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力するものである。
【0038】
プレーヤは、バーコード付チケット39を他のスロットマシンに読み取らせて、このスロットマシンで遊技を行ったり、バーコード付チケット39を遊技施設の所定箇所(例えばカジノ内のキャッシャ)で紙幣等に交換したりすることができる。
【0039】
カードリーダ36は、スマートカードを挿入可能であり、挿入されたスマートカードからのデータの読み取り、及びスマートカードへのデータの書き込みを行うものである。スマートカードは、プレーヤが所持するカードであり、プレーヤを識別するためのデータ、プレーヤが行った遊技の履歴に関するデータ等が記憶される。
【0040】
図3は、本実施形態に係るスロットマシン10に設けられているコントローラ40、及びこのコントローラ40に接続される各種機器の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すスロットマシン10のコントローラ40は、マイクロコンピュータであり、インターフェイス回路群102と、入出力バス104と、CPU106と、ROM108と、RAM110と、通信用インターフェイス回路111と、乱数発生器112と、スピーカ駆動回路122と、ホッパー駆動回路124と、表示駆動回路128、及び表示コントローラ140を備えている。
【0041】
インターフェイス回路群102は、入出力バス104に接続されており、この入出力バス104は、CPU106に対するデータ信号、またはアドレス信号の入出力を行う。
【0042】
インターフェイス回路群102には、スタートスイッチ27が接続されている。このスタートスイッチ27から出力された始動信号は、インターフェイス回路群102において所定の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に送信される。
【0043】
更に、インターフェイス回路群102には、BETスイッチ25と、MAXBETスイッチ24と、スピンリピートBETスイッチ26、及び、キャッシュアウトスイッチ23が接続される。そして、これらの各スイッチ25,24,26,23より出力される各スイッチング信号は、インターフェイス回路群102に供給され、このインターフェイス回路群102にて所定の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に送信される。
【0044】
加えて、インターフェイス回路群102には、メダルセンサ43が接続されている。メダルセンサ43は、メダル投入口21に投入されたメダルを検出するためのセンサであって、メダル投入口21のメダル投入部位に設けられている。このメダルセンサ43より出力される検出信号は、インターフェイス回路群102に供給され、このインターフェイス回路群102によって所定の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に送信される。
【0045】
入出力バス104には、システムプログラムが格納されるROM108、及び各種のデータを保存するためのRAM110が接続されている。更に、入出力バス104には、乱数発生器112と、通信用インターフェイス回路111と、表示コントローラ140と、ホッパー駆動回路124と、スピーカ駆動回路122と、表示駆動回路128が接続されている。
【0046】
CPU106は、スタートスイッチ27によりゲームのスタート操作が受け付けられたことを契機として、ゲーム実行プログラムを読み出してスロットゲームを実行する。ゲーム実行プログラムは、表示コントローラ140を介して、ディスプレイ16上でスロットゲームを実行するためのプログラムである。
【0047】
即ち、ゲーム実行プログラムは、14個の変動表示領域(図4参照)でシンボルをスクロールさせ、その後、シンボルを停止させ、14個の変動表示領域q1a〜q3e(q2cを除く)に停止したシンボル、及び固定表示領域q2cに表示されるシンボルに基づいて賞を発生させるスロットゲームを実行するようにプログラミングされている。
【0048】
通信用インターフェイス回路111は、ホールサーバ等と接続され、本スロットマシン10で実行したプレイ履歴のデータ等をホールサーバに送信する。また、ホールサーバより送信される各種のデータを受信する。
【0049】
乱数発生器112は、ディスプレイ16で実行されるスロットゲームにおいて、入賞組み合わせを発生させるか否かを決めるための乱数を発生させる。
【0050】
表示駆動回路128は、ディスプレイ16の左下の領域に設定されたペイアウト数表示領域48に、ペイアウト数を表示する制御を行う。
【0051】
スピーカ駆動回路122は、スピーカ29に音声データを出力する。即ち、CPU106は、ROM108に記憶されている音声データを読み出し、入出力バス104を介して、この音声データをスピーカ駆動回路122に送信する。これにより、スピーカ29から所定の効果音が発せられる。
【0052】
ホッパー駆動回路124は、キャッシュアウトが発生したときに、ホッパー44にペイアウト信号を出力する。即ち、キャッシュアウトスイッチ23より、キャッシュアウト信号が入力されると、CPU106は、駆動信号を入出力バス104を介して、ホッパー駆動回路124に出力する。これにより、ホッパー44は、RAM110の所定のメモリ領域に記憶されたその時点におけるクレジットの残数分に相当するメダルを払い出す。
【0053】
表示コントローラ140は、ディスプレイ16上にて、スロットゲームを実行する表示制御を行う。即ち、CPU106は、スロットゲームの状態、及びスロットゲームの結果に応じた画像表示命令の信号を生成し、入出力バス104を介して、この画像表示命令の信号を表示コントローラ140に出力する。表示コントローラ140は、CPU106より出力された画像表示命令の信号が入力されると、この画像表示命令に基づいてディスプレイ16を駆動するための駆動信号を生成し、この生成した駆動信号をディスプレイ16に出力する。これにより、ディスプレイ16上には、所定の画像が表示される。
【0054】
次に、図5を参照して、ディスプレイ16の各表示領域q1a〜q3eに表示されるシンボルと、プレーヤに付与する賞の関係について説明する。
【0055】
ディスプレイ16の、14個の変動表示領域には、「稲妻」、「$」、「A」、「K」、「Q」、「J」、「アンブレラ」の合計7種類のシンボルのうちのいずれかが表示される。また、中央の固定表示領域q2cには、通常時には賞の発生と無関係の「太陽」シンボルが表示され、各変動表示領域のいずれかに特定シンボル(図11のq1bに示すスター付きのシンボル)が停止した場合には、「太陽」シンボルが「WILD」シンボルに変更される。そして、15個の各表示領域q1a〜q3eに表示されるシンボルと賞との関係が、図5に示すように設定されている。
【0056】
例えば、「稲妻」シンボルが4個停止した場合にはメダル20枚分の賞が発生し、5個停止した場合にはメダル30枚分の賞が発生し、6個停止した場合にはメダル40枚分の賞が発生し、7個以上停止した場合にはメダル50枚分の賞が発生する。また、「WILD」シンボルは、他の全てのシンボルの代わりとして用いることができる。例えば、変動表示領域q1a〜q3e(q2cを除く)に「稲妻」シンボルが3個停止し、且つ、固定表示領域q2cのシンボルが「WILD」シンボルに変更された場合には、「稲妻」シンボルが4個停止したものとして扱われる。即ち、メダル20枚分の賞が発生することになる。
【0057】
次に、図6,図7,図8に示すフローチャートを参照して、第1実施形態に係るスロットマシン10の動作について説明する。図6は、第1実施形態に係るスロットマシン10で実行されるスロットゲームの実行処理の手順を示すフローチャートである。
【0058】
まず、図3に示すCPU106は、プレーヤによるメダルまたはクレジットのベットを受け付ける(ステップS31)。即ち、プレーヤがBETスイッチ25を押して、所望する数のクレジットをベットした場合、または、メダル投入口21から、所望する枚数のメダルを投入した場合にこれらの数がベット数として入力される。
【0059】
CPU106は、BETスイッチ25が押されてベットされた場合には、ベットされたクレジット分だけ、現在のクレジットを減算する(ステップS32)。例えば、クレジットが「30」のときに、クレジット「10」のベットが行われると、これらが減算されて、クレジットが「20」となる。
【0060】
CPU106は、スタートスイッチ27がオンとされたか否かを判定し(ステップS33)、スタートスイッチ27がオンとされた場合には(ステップS33でYES)、14個の変動表示領域の停止シンボル決定処理を行う(ステップS34)。この処理では、15個の各表示領域q1a〜q3eのうち、中央の表示領域q2c(固定表示領域)を除く14個の表示領域(変動表示領域)に表示するシンボルを、乱数発生器112より得られる乱数に基づいて決定する。
【0061】
CPU106は、画像演出制御処理を実行する(ステップS35)。この処理では、ステップS34で決定した停止シンボルを各変動表示領域q1a〜q3e(q2cを除く)に表示する。画像演出制御処理の詳細については後述する。
【0062】
次いで、CPU106は、15個の各表示領域q1a〜q3eに表示されたシンボルに基づく払い出し処理を行う(ステップS36)。払い出し処理の詳細については、後述する。
【0063】
次に、図6のステップS35に示した画像演出制御処理について、図7を参照して説明する。
【0064】
まず、CPU106は、シンボルのスクロール表示を開始する指令信号を表示コントローラ140に出力する。表示コントローラ140は、この指令信号が入力されると、ディスプレイ16の14個の変動表示領域にてシンボルのスクロールを開始する(ステップS50)。
【0065】
CPU106は、シンボルのスクロールを開始してからの経過時間を計時し、所定時間(例えば、5秒)が経過したか否かを判定する(ステップS51)。そして、所定時間が経過した場合には(ステップS51でYES)、CPU106は、中央の固定表示領域q2cを除く14個の変動表示領域に順次シンボルを停止させる(ステップS52)。その結果、例えば、図9に示すように、中央の固定表示領域q2cでは「太陽」シンボルが表示されたままの状態となり、その他の14個の変動表示領域にそれぞれシンボルが表示される。
【0066】
次いで、CPU106は、14個の変動表示領域に特定シンボルが停止したか否かを判定する(ステップS53)。そして、特定シンボルが停止していない場合には(ステップS53でNO)、本処理を終了する。即ち、図10に示すように、14個の変動表示領域に特定シンボル(図11のq1bに示される星マークが付されたシンボル)が停止しない場合には、固定表示領域q2cは「太陽」シンボルのままとなる。
【0067】
他方、特定シンボルが停止している場合には(ステップS53でYES)、固定表示領域q2cに「WILD」シンボルを表示する(ステップS54)。即ち、図11に示すように、変動表示領域q1bに特定シンボル(星マークが付されたシンボル)が停止した場合には、固定表示領域q2cの「太陽」シンボルは「WILD」シンボルに変更される。その後、本処理を終了する。
【0068】
次に、図8を参照して、図6のステップS36に示した払い出し処理について説明する。
【0069】
まず、CPU106は、15個の各表示領域q1a〜q3e(固定表示領域及び変動表示領域)に表示されたシンボルに基づいて、賞を発生する組み合わせが存在するか否かを判定する(ステップS71)。この際、「WILD」シンボルが表示されている場合には、この「WILD」シンボルを含めて賞を発生する組み合わせが存在するか否かを判定する。例えば、図11に示した例では、「A」シンボルが3個停止しており、且つ「WILD」シンボルを含めて「A」シンボルは合計4個となるので、図5に示した賞設定テーブルにより、メダル5枚分の賞を発生する(ステップS72)。
【0070】
次いで、CPU106は、他に賞を発生するシンボルの組み合わせが存在するか否かを判定する(ステップS73)。図11に示した例では、「A」シンボル以外に「K」シンボルが3個停止しており、且つ「WILD」シンボルを含めて「K」シンボルは合計4個となる。従って、図5に示した賞設定テーブルにより、メダル3枚分の賞が発生することになる。その結果、「A」シンボルによるメダル5枚に加算して、メダル8枚分の賞が発生することになる(ステップS74)。
【0071】
そして、CPU106は、他に賞を発生するシンボルが存在しない場合には(ステップS73でNO)、合計した賞に相当するクレジットまたはメダルを払い出す(ステップS75)。こうして、図11に示した例では、メダル8枚分の賞が発生し、クレジットまたはメダルの払い出しが行われる。
【0072】
他方、図10に示したように、「WILD」シンボルが表示されない場合には、14個の変動表示領域に表示されたシンボルに基づいた賞を発生する。図10に示す例では、「アンブレラ」のシンボルが4個表示されているので、図5に示した賞設定テーブルにより、メダル2枚分の賞が発生することになる。こうして、払い出し処理が行われるのである。
【0073】
このようにして、本発明の第1実施形態に係るスロットマシン10では、15個の表示領域q1a〜q3eのうちの、固定表示領域q2cを除く14個の表示領域(変動表示領域)に、星マークが付加されたシンボル(特定シンボル)が停止した場合には、固定表示領域q2cに「WILD」シンボルが表示される。従って、変動表示領域に特定シンボルが停止するか否かにより、賞の獲得量が変化することになり、エンターテイメント性を向上させることができる。
【0074】
次に、本発明の第2実施形態に係るスロットマシンについて説明する。図12は、本発明の第2実施形態に係るスロットマシン10aの構成を示す斜視図である。図12に示すように、第2実施形態に係るスロットマシン10aでは、ディスプレイ16に3行、5列の第1表示領域q1a〜q3eを備え、更に、該第1表示領域q1a〜q3eの右上に第2表示領域Q1を備えている。また、電気的な構成は、図3に示したブロック図と同様である。
【0075】
そして、スロットゲームが実行されると、第1表示領域q1a〜q3eのうちの変動表示領域(固定表示領域q2cを除く領域)、及び第2表示領域Q1にてシンボルのスクロール表示が開始され、その後シンボルが停止する。そして、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボル(特定シンボル、図17参照)が停止した場合に、固定表示領域q2cに表示されている「太陽」シンボルを、「WILD」シンボルに変更する。
【0076】
以下、図13に示すフローチャートを参照して、第2実施形態に係るスロットマシン10aによるスロットゲーム実行処理について説明する。
【0077】
まず、図3に示すCPU106は、プレーヤによるメダルまたはクレジットのベットを受け付ける(ステップS111)。即ち、プレーヤがBETスイッチ25を押して、所望する数のクレジットをベットした場合、または、メダル投入口21から、所望する枚数のメダルを投入した場合にこれらの数がベット数として入力される。
【0078】
CPU106は、BETスイッチ25が押されてベットされた場合には、ベットされたクレジット分だけ、現在のクレジットを減算する(ステップS112)。例えば、クレジットが「30」のときに、クレジット「10」のベットが行われると、これらが減算されて、クレジットが「20」となる。
【0079】
CPU106は、スタートスイッチ27がオンとされたか否かを判定し(ステップS113)、スタートスイッチ27がオンとされた場合には(ステップS113でYES)、変動表示領域q1a〜q3e(q2cを除く)の停止シンボル決定処理を行う(ステップS114)。この処理では、14個の変動表示領域に表示するシンボルを、乱数発生器112より得られる乱数に基づいて決定する。
【0080】
更に、CPU106は、第2表示領域Q1に表示するシンボルを、乱数発生器112より得られる乱数に基づいて決定する(ステップS115)。
【0081】
CPU106は、画像演出制御処理を実行する(ステップS116)。この処理では、ステップS114,S115で決定した停止シンボルを変動表示領域、及び第2表示領域Q1に表示する。画像演出制御処理の詳細については後述する。
【0082】
次いで、CPU106は、第1表示領域q1a〜q3eに表示されたシンボルに基づく払い出し処理を行う(ステップS117)。払い出し処理の詳細については、前述した図8の処理と同様である。
【0083】
次に、図13のステップS116に示した画像演出制御処理について、図14を参照して説明する。
【0084】
まず、CPU106は、シンボルのスクロール表示を開始する指令信号を表示コントローラ140に出力する。表示コントローラ140は、この指令信号が入力されると、ディスプレイ16の14個の変動表示領域q1a〜q3e(q2cを除く)、及び第2表示領域Q1にてシンボルのスクロールを開始する(ステップS130)。
【0085】
CPU106は、シンボルのスクロールを開始してからの経過時間を計時し、所定時間t1(例えば、5秒)が経過したか否かを判定する(ステップS131)。そして、所定時間t1が経過した場合には(ステップS131でYES)、CPU106は、14個の変動表示領域に順次シンボルを停止させる(ステップS132)。その結果、例えば、図15に示すように、14個の変動表示領域にそれぞれシンボルが表示される。この際、固定表示領域q2cは「太陽」シンボルが表示された状態であり、第2表示領域Q1は、シンボルがスクロール中である。
【0086】
次いで、CPU106は、所定時間t2(例えば、8秒)が経過したか否かを判定し(ステップS133)、所定時間t2が経過した場合には(ステップS133でYES)、第2表示領域Q1にシンボルを停止させる(ステップS134)。その結果、例えば、図16に示すように、第2表示領域Q1がブランクとなる場合や、図17に示すように、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボル(特定シンボル)が停止する場合がある。
【0087】
CPU106は、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボル(特定シンボル)が停止したか否かを判定する(ステップS135)。
【0088】
CPU106は、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボル(特定シンボル)が停止したと判定した場合には(ステップS135でYES)、固定表示領域q2cに表示されている「太陽」シンボルを、「WILD」シンボルに変更する(ステップS136)。例えば、図17に示すように、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボルが停止した場合には、固定表示領域q2cに「WILD」シンボルが表示され、該「WILD」シンボルは他の全てのシンボルの代わりとなる。その後、本処理を終了する。
【0089】
他方、CPU106は、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボルが停止したと判定しない場合には(ステップS135でNO)、固定表示領域q2cのシンボルを変更しない。例えば、図16に示すように、第2表示領域Q1がブランクとなった場合には、固定表示領域q2cの「太陽」シンボルはそのまま表示されることになる。その後、本処理を終了する。
【0090】
このようにして、本発明の第2実施形態に係るスロットマシン10aでは、第2表示領域Q1に、「JOKER」シンボル(特定シンボル)が停止した場合には、固定表示領域q2cに停止している「太陽」シンボルが「WILD」シンボルに変更される。従って、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボルが表示されるか否かにより、賞の獲得量が変化することになり、エンターテイメント性を向上させることができる。
【0091】
次に、上述した第2実施形態の変形例について説明する。該変形例では、15個の第1表示領域q1a〜q3eのうちの、「q2b」、「q2d」の2個の表示領域を固定表示領域とし、それ以外の13個の表示領域を変動表示領域としている。従って、13個の変動表示領域q1a〜q3e(q2b、q2dを除く)でシンボルをスクロールさせる。具体的には、図18に示すように、シンボルのスクロールが開始されると、2つの固定表示領域q2b、q2d以外の13個の変動表示領域にてシンボルがスクロールされ、この際、2つの固定表示領域q2b、q2dには、それぞれ「太陽」シンボルが表示される。
【0092】
その後、13個の変動表示領域にシンボルが停止し、且つ、第2表示領域Q1には「JOKER」シンボルが停止するか、またはブランクとなる。そして、図19に示すように、第2表示領域Q1がブランクとなった場合には、2つの固定表示領域q2b、q2dに表示されている「太陽」シンボルはそのまま表示される。従って、2つの固定表示領域q2b、q2dを除く、13個の変動表示領域に停止したシンボルに基づいて賞が決定されることになる。
【0093】
また、図20に示すように、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボル(特定シンボル)が停止した場合には、2つの固定表示領域q2b、q2dに表示されている「太陽」シンボルが「WILD」シンボルに変更される。従って、2つの固定表示領域q2b、q2dに表示される「WILD」シンボル、及び13個の変動表示領域に停止したシンボルに基づいて賞が決定されることになる。
【0094】
このように、第2実施形態の変形例に係るスロットマシン10aでは、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボル(特定シンボル)が停止した場合には、第1表示領域q1a〜q3eのうち、固定表示領域とされている2つの表示領域q2b、q2dが「WILD」シンボルに変更されるので、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボルが表示されるか否かにより、賞の獲得量が変化することになり、エンターテイメント性を向上させることができる。
【0095】
次に、本発明の第3実施形態に係るスロットマシンについて説明する。第3実施形態に係るスロットマシンの全体構成は、図12に示したものと同様である。また、電気的な構成は、図3に示したブロック図と同様である。
【0096】
そして、スロットゲームが実行されると、第1表示領域q1a〜q3e、及び第2表示領域Q1にてシンボルのスクロール表示が開始され、その後シンボルが停止する。その結果、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボル(特定シンボル、図25参照)が停止した場合に、第1表示領域q1a〜q3eに表示されている「WILD」シンボルを有効化する。
【0097】
以下、図21に示すフローチャートを参照して、第3実施形態に係るスロットマシン10aによるスロットゲーム実行処理について説明する。
【0098】
まず、図3に示すCPU106は、プレーヤによるメダルまたはクレジットのベットを受け付ける(ステップS211)。即ち、プレーヤがBETスイッチ25を押して、所望する数のクレジットをベットした場合、または、メダル投入口21から、所望する枚数のメダルを投入した場合にこれらの数がベット数として入力される。
【0099】
CPU106は、BETスイッチ25が押されてベットされた場合には、ベットされたクレジット分だけ、現在のクレジットを減算する(ステップS212)。例えば、クレジットが「30」のときに、クレジット「10」のベットが行われると、これらが減算されて、クレジットが「20」となる。
【0100】
CPU106は、スタートスイッチ27がオンとされたか否かを判定し(ステップS213)、スタートスイッチ27がオンとされた場合には(ステップS213でYES)、第1表示領域q1a〜q3eの停止シンボル決定処理を行う(ステップS214)。この処理では、15個の第1表示領域q1a〜q3eに表示するシンボルを、乱数発生器112より得られる乱数に基づいて決定する。
【0101】
更に、CPU106は、第2表示領域Q1に表示するシンボルを、乱数発生器112より得られる乱数に基づいて決定する(ステップS215)。
【0102】
CPU106は、画像演出制御処理を実行する(ステップS216)。この処理では、ステップS214,S215で決定した停止シンボルを第1表示領域q1a〜q3e、及び第2表示領域Q1に表示する。画像演出制御処理の詳細については後述する。
【0103】
次いで、CPU106は、各第1表示領域q1a〜q3eに表示されたシンボルに基づく払い出し処理を行う(ステップS217)。払い出し処理の詳細については、前述した図8の処理と同様である。
【0104】
次に、図21のステップS216に示した画像演出制御処理について、図22を参照して説明する。
【0105】
まず、CPU106は、シンボルのスクロール表示を開始する指令信号を表示コントローラ140に出力する。表示コントローラ140は、この指令信号が入力されると、ディスプレイ16の15個の第1表示領域q1a〜q3e、及び第2表示領域Q1にてシンボルのスクロールを開始する(ステップS230)。
【0106】
CPU106は、シンボルのスクロールを開始してからの経過時間を計時し、所定時間t1(例えば、5秒)が経過したか否かを判定する(ステップS231)。そして、所定時間t1が経過した場合には(ステップS231でYES)、CPU106は、15個の第1表示領域q1a〜q3eに順次シンボルを停止させる(ステップS232)。その結果、例えば、図23に示すように、15個の第1表示領域q1a〜q3eにそれぞれシンボルが表示される。第2表示領域Q1は、シンボルがスクロール中である。
【0107】
次いで、CPU106は、所定時間t2(例えば、8秒)が経過したか否かを判定し(ステップS233)、所定時間t2が経過した場合には(ステップS233でYES)、第2表示領域Q1にシンボルを停止させる(ステップS234)。その結果、例えば、図24に示すように、第2表示領域Q1がブランクとなる場合や、図25に示すように、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボル(特定シンボル)が停止する場合がある。
【0108】
CPU106は、第1表示領域q1a〜q3eに「WILD」シンボルが停止したか否かを判定する(ステップS235)。そして、「WILD」シンボルが停止していない場合には(ステップS235でNO)、本処理を終了する。「WILD」シンボルが停止している場合には(ステップS235でYES)、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボルが停止したか否かを判定する(ステップS236)。
【0109】
CPU106は、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボルが停止したと判定した場合には(ステップS236でYES)、第1表示領域q1a〜q3eに表示されている「WILD」シンボルを有効化する(ステップS237)。従って、「WILD」シンボルは、他の全てのシンボルの代わりとして機能する。例えば、図25に示すように、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボルが停止した場合には、2つの第1表示領域q1a、q2dに停止している「WILD」シンボルが有効化されることになり、「WILD」シンボルが他の全てのシンボルの代わりとなる。
【0110】
他方、CPU106は、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボルが停止したと判定しない場合には(ステップS236でNO)、第1表示領域q1a〜q3eに表示されている「WILD」シンボルを無効化する(ステップS138)。従って、「WILD」シンボルは、他のシンボルの代わりとして機能しない。例えば、図24に示すように、第2表示領域Q1がブランクとなった場合には、2つの第1表示領域q1a、q2dに停止している「WILD」シンボルが無効化されることになり、この「WILD」シンボルは他のシンボルの代わりとならない。その後、本処理を終了する。
【0111】
このようにして、本発明の第3実施形態に係るスロットマシン10aでは、第2表示領域Q1に、「JOKER」シンボル(特定シンボル)が停止した場合には、第1表示領域q1a〜q3eに停止している「WILD」シンボルが有効化され、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボルが停止しない場合には、第1表示領域q1a〜q3eに停止している「WILD」シンボルは無効化される。従って、第2表示領域Q1に「JOKER」シンボルが表示されるか否かにより、賞の獲得量が変化することになり、エンターテイメント性を向上させることができる。
【0112】
次に、本発明の第4実施形態に係るスロットマシンを図26を参照して説明する。図26に示すように、第4実施形態に係るスロットマシン10bは、キャビネット11と、該キャビネット11の上側に設けられるトップボックス12と、メインドア13とを備えている。キャビネット11は、プレーヤに臨む面にディスプレイ16が設けられている。また、キャビネット11内には、本スロットマシン10bを電気的にコントロールするためのコントローラ40(図27参照)、及びメダルの投入、貯留及び払い出しをコントロールするためのホッパー44(図27参照)等を含む各種の構成部材が設けられている。
【0113】
また、本実施形態では、ゲームを実行する際に用いるゲーム媒体としてメダルを例に挙げているが、ゲーム媒体は、メダルに限るものではなく、例えば、コイン、トークン、電子マネー、またはこれらに相当する電子的な有価情報(クレジット)を挙げることができる。
【0114】
メインドア13は、キャビネット11に対して開閉が可能に取り付けられており、このメインドア13の略中央には、ディスプレイ16が設けられている。また、ディスプレイ16には、背面側を視認可能な5個のウィンド16a〜16eが設けられている。即ち、ディスプレイ16は、5個のウィンド16a〜16eの領域を透過表示状態とし、それ以外の領域を画像表示領域とする透明液晶表示装置にて構成されている。
【0115】
また、ディスプレイ16の右上には、シンボル表示用の表示領域Q1が設けられている。更に、後述するように、キャビネット11内部のディスプレイ16の背面側となる位置には、5個の回転リール53a〜53eを備える回転リール装置53が設けられている。従って、スロットマシン10bのプレーヤは、ウィンド16a〜16eの背面側に設けられる各回転リール53a〜53eを視認することができることになり、回転リール53a〜53eが停止したときには、各回転リール53a〜53eの周面に記されているそれぞれ3個のシンボルが視認されることになる。即ち、回転リール装置53の各回転リール53a〜53eが停止しているときには、プレーヤはウィンド16a〜16eから3行、5列の合計15個のシンボルを視認することができる。
【0116】
回転リール装置53は、図28(a)、(b)に示すように、ディスプレイ16の各ウィンド16a〜16eに対応する5個の回転リール53a〜53eを有している。更に、各回転リール53a〜53eには、それぞれ駆動モータ56a〜56eが連結されている。また、各回転リール53a〜53eの周面には、図29に示すように、21個のシンボルが等間隔で記されている。このシンボルには、「WILD」、「稲妻」、「$」、「A」、「K」、「Q」、「J」、「アンブレラ」、の8種類のシンボルが含まれている。
【0117】
そして、各回転リール53a〜53eのそれぞれ3つのシンボルが、対応するウィンド16a〜16eを透過してプレーヤに視認される。そのため、回転リール53a〜53eの回転及び停止によってシンボルの配置及び再配置が実行される。
【0118】
また、図26のディスプレイ16の左下の領域には、ペイアウト数を表示するためのペイアウト数表示領域48が設けられている。
【0119】
ディスプレイ16の下方には、スロットゲームをプレイする際に用いるメダルを投入するためのメダル投入口21、及び、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣を受け入れるための紙幣識別器22が設けられている。また、このメダル投入口21、紙幣識別器22の近傍には、各種の操作スイッチが設けられている。
【0120】
操作スイッチとして、キャッシュアウトスイッチ23と、MAXBETスイッチ24と、BETスイッチ25と、スピンリピートBETスイッチ26と、スタートスイッチ27とが設けられている。
【0121】
BETスイッチ25は、ディスプレイ16で実行されるスロットゲームに対して、ベットするクレジット数を決定するためのスイッチであり、BETスイッチ25を押す毎に、メダル1枚分のクレジットがベットされる。
【0122】
スピンリピートBETスイッチ26は、前回のゲームにおいて、上記したBETスイッチ25でベットしたクレジットの数を変更せずにクレジットをベットして、スロットゲームを行うためのスイッチである。
【0123】
スタートスイッチ27は、クレジットがベットされた後に、ディスプレイ16にてスロットゲームを開始するためのスイッチである。メダル投入口21にメダルが投入されるか、またはBETスイッチ25によりクレジットがベットされた後に、このスタートスイッチ27が押されると、回転リール装置53によるスロットゲームが開始される。
【0124】
キャッシュアウトスイッチ23は、投入されているメダルを払い出すためのスイッチであり、払い出されるメダルは、メインドア13の正面下部に開口されたメダル払い出し口28から排出され、この払い出されたメダルは、メダルトレイ18に蓄積される。
【0125】
MAXBETスイッチ24は、1回のゲームでBET可能なクレジットの最大数(例えば、メダル30枚分)を、1回の操作でベットするためのスイッチである。
【0126】
メインドア13の下部前面には、フットディスプレイ34が設けられていて、スロットマシン10bのゲームに関する各種の画像を表示する。この画像としては、例えば、スロットマシン10bのキャラクタ等を挙げることができる。
【0127】
フットディスプレイ34の両サイドには、ランプ47が設けられていて、スロットマシン10bのプレイについて、予め設定されている発光パターンに基づいて発光する。フットディスプレイ34の下側には、メダルの払い出し口28が設けられている。
【0128】
トップボックス12の前面には、アッパーディスプレイ33が設けられている。アッパーディスプレイ33は、表示パネルを備えていて、シンボルの表示個数と賞の関係等が表示される。
【0129】
また、トップボックス12には、スピーカ29が設けられている。アッパーディスプレイ33の下側には、チケットプリンタ35と、カードリーダ36と、データディスプレイ37と、キーパッド38とが設けられている。チケットプリンタ35は、クレジット数、日時、スロットマシン10bの識別番号等の各データがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力するものである。
【0130】
プレーヤは、バーコード付チケット39を他のスロットマシンに読み取らせて、このスロットマシンで遊技を行ったり、バーコード付チケット39を遊技施設の所定箇所(例えばカジノ内のキャッシャ)で紙幣等に交換したりすることができる。
【0131】
カードリーダ36は、スマートカードを挿入可能であり、挿入されたスマートカードからのデータの読み取り、及びスマートカードへのデータの書き込みを行うものである。スマートカードは、プレーヤが所持するカードであり、プレーヤを識別するためのデータ、プレーヤが行った遊技の履歴に関するデータ等が記憶される。
【0132】
図27は、本実施形態に係るスロットマシン10bに設けられているコントローラ40、及びこのコントローラ40に接続される各種機器の電気的構成を示すブロック図である。図22に示すスロットマシン10bのコントローラ40は、マイクロコンピュータであり、インターフェイス回路群102と、入出力バス104と、CPU106と、ROM108と、RAM110と、通信用インターフェイス回路111と、乱数発生器112と、スピーカ駆動回路122と、ホッパー駆動回路124と、表示駆動回路128と、表示コントローラ140と、モータ駆動回路51、及びリール位置検出回路52を備えている。
【0133】
インターフェイス回路群102は、入出力バス104に接続されており、この入出力バス104は、CPU106に対するデータ信号、またはアドレス信号の入出力を行う。
【0134】
インターフェイス回路群102には、スタートスイッチ27が接続されている。このスタートスイッチ27から出力された始動信号は、インターフェイス回路群102において所定の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に送信される。
【0135】
更に、インターフェイス回路群102には、BETスイッチ25と、MAXBETスイッチ24と、スピンリピートBETスイッチ26、及び、キャッシュアウトスイッチ23が接続される。そして、これらの各スイッチ25,24,26,23より出力される各スイッチング信号は、インターフェイス回路群102に供給され、このインターフェイス回路群102にて所定の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に送信される。
【0136】
加えて、インターフェイス回路群102には、メダルセンサ43が接続されている。メダルセンサ43は、メダル投入口21に投入されたメダルを検出するためのセンサであって、メダル投入口21のメダル投入部位に設けられている。このメダルセンサ43より出力される検出信号は、インターフェイス回路群102に供給され、このインターフェイス回路群102によって所定の信号に変換された後、入出力バス104を介してCPU106に送信される。
【0137】
入出力バス104には、システムプログラムが格納されるROM108、及び各種のデータを保存するためのRAM110が接続されている。更に、入出力バス104には、乱数発生器112と、通信用インターフェイス回路111と、表示コントローラ140と、ホッパー駆動回路124と、スピーカ駆動回路122と、表示駆動回路128と、モータ駆動回路51、及びリール位置検出回路52が接続されている。
【0138】
CPU106は、スタートスイッチ27によりゲームのスタート操作が受け付けられたことを契機として、ROM108からゲーム実行プログラムを読み出してスロットゲームを実行する。ゲーム実行プログラムは、モータ駆動回路51を介して回転リール装置53の各駆動モータ56a〜56eを駆動させ、スロットゲームを実行するためのプログラムである。
【0139】
即ち、ゲーム実行プログラムは、回転リール装置53の各回転リール53a〜53eを回転して各回転リール53a〜53eの周面に記されたシンボルをスクロールさせ、その後、各回転リール53a〜53eを停止させ(配置されているシンボルを再配置し)、停止したときにウィンド16a〜16eから視認されるシンボル(3行、5列の合計15個のシンボル)に基づいて賞を発生させるスロットゲームを実行するようにプログラミングされている。
【0140】
通信用インターフェイス回路111は、ホールサーバ等と接続され、本スロットマシン10bで実行したプレイ履歴のデータ等をホールサーバに送信する。また、ホールサーバより送信される各種のデータを受信する。
【0141】
乱数発生器112は、ディスプレイ16で実行されるスロットゲームにおいて、入賞組み合わせを発生させるか否かを決めるための乱数を発生させる。
【0142】
表示駆動回路128は、ディスプレイ16の左下の領域に設定されたペイアウト数表示領域48に、ペイアウト数を表示する制御を行う。
【0143】
スピーカ駆動回路122は、スピーカ29に音声データを出力する。即ち、CPU106は、ROM108に記憶されている音声データを読み出し、入出力バス104を介して、この音声データをスピーカ駆動回路122に送信する。これにより、スピーカ29から所定の効果音が発せられる。
【0144】
ホッパー駆動回路124は、キャッシュアウトが発生したときに、ホッパー44にペイアウト信号を出力する。即ち、キャッシュアウトスイッチ23より、キャッシュアウト信号が入力されると、CPU106は、駆動信号を入出力バス104を介して、ホッパー駆動回路124に出力する。これにより、ホッパー44は、RAM110の所定のメモリ領域に記憶されたその時点におけるクレジットの残数分に相当するメダルを払い出す。
【0145】
表示コントローラ140は、ディスプレイ16上にて、スロットゲームを実行する表示制御を行う。即ち、CPU106は、スロットゲームの状態、及びスロットゲームの結果に応じた画像表示命令の信号を生成し、入出力バス104を介して、この画像表示命令の信号を表示コントローラ140に出力する。表示コントローラ140は、CPU106より出力された画像表示命令の信号が入力されると、この画像表示命令に基づいてディスプレイ16を駆動するための駆動信号を生成し、この生成した駆動信号をディスプレイ16に出力する。これにより、ディスプレイ16上には、所定の画像が表示される。また、ディスプレイ16上の表示領域Q1には、「JOKER」シンボル(特定シンボル)が表示される場合がある。
【0146】
モータ駆動回路51は、スタートスイッチ27が押されてスロットゲームが開始され、CPU106より駆動指令信号が与えられたときに、各回転リール53a〜53eを回転させ、所定時間(例えば、5秒間)が経過した場合に、各回転リール53a〜53eを停止させる制御を行う。
【0147】
リール位置検出回路52は、各回転リール53a〜53eの近傍に設けられるセンサ54a〜54eの検出信号を受信して、各回転リール53a〜53eの停止位置を認識する。即ち、各回転リール53a〜53eに記されている各シンボルには、磁気データやバーコード等の識別データが付加されており、各回転リール53a〜53e毎に設けられたセンサ54a〜54eによりこの識別データを読み取ることにより、各回転リール53a〜53eの停止位置を認識することができる。その結果、各ウィンド16a〜16eに表示される3行、5列の合計15個のシンボルを認識することができる。
【0148】
次に、図30,図31,図32に示すフローチャートを参照して、第4実施形態に係るスロットマシン10bの動作について説明する。図30は、第4実施形態に係るスロットマシン10bで実行されるスロットゲームの実行処理の手順を示すフローチャートである。
【0149】
まず、図27に示すCPU106は、プレーヤによるメダルまたはクレジットのベットを受け付ける(ステップS151)。即ち、プレーヤがBETスイッチ25を押して、所望する数のクレジットをベットした場合、または、メダル投入口21から、所望する枚数のメダルを投入した場合にこれらの数がベット数として入力される。
【0150】
CPU106は、BETスイッチ25が押されてベットされた場合には、ベットされたクレジット分だけ、現在のクレジットを減算する(ステップS152)。例えば、クレジットが「30」のときに、クレジット「10」のベットが行われると、これらが減算されて、クレジットが「20」となる。
【0151】
CPU106は、スタートスイッチ27がオンとされたか否かを判定し(ステップS153)、スタートスイッチ27がオンとされた場合には(ステップS153でYES)、停止シンボル決定処理を行う(ステップS154)。この処理では、各回転リール53a〜53eの停止位置を、乱数発生器112より得られる乱数に基づいて決定する。
【0152】
次いで、CPU106は、表示領域Q1に表示するシンボルを決定する(ステップS155)。この処理では、表示領域Q1に「JOKER」シンボルを表示するか、またはこの表示領域Q1をブランクとするかを決定する。
【0153】
CPU106は、回転中の各回転リール53a〜53eを順次、決定したシンボルで停止させるためのリール制御処理を実行する(ステップS156)。リール制御処理の詳細については後述する。
【0154】
CPU106は、画像演出制御処理を実行する(ステップS157)。この処理では、表示領域Q1に、ステップS155の処理で決定したシンボルを表示する制御を行う。画像演出制御処理の詳細については後述する。
【0155】
次いで、CPU106は、各回転リール53a〜53eの前面側に表示されたシンボル(第2実施形態の表示領域q1a〜q3e対応する位置となるシンボル)、及び表示領域Q1に表示されたシンボルに基づく払い出し処理を行う(ステップS158)。払い出し処理については、第1実施形態で説明した図8の処理と同様である。
【0156】
次に、図30のステップS156に示したリール制御処理について、図31を参照して説明する。
【0157】
図27に示すCPU106は、スタートスイッチ27が押された場合には、モータ駆動回路51に回転リール53a〜53eの回転駆動指令を出力する。更に、RAM110にタイマを設定し、このタイマを用いて回転リール53a〜53eが回転を開始してからの経過時間Tを計時する(ステップS171)。
【0158】
CPU106は、経過時間Tが予め設定した所定時間T1に達したか否かを判定し(ステップS172)、T≧T1となった場合には(ステップS172でYES)、回転リール53aを停止させる(ステップS173)。
【0159】
CPU106は、経過時間TがT2(T2>T1)に達したか否かを判定し(ステップS174)、T≧T2となった場合には(ステップS174でYES)、回転リール53bを停止させる(ステップS175)。
【0160】
CPU106は、経過時間TがT3(T3>T2)に達したか否かを判定し(ステップS176)、T≧T3となった場合には(ステップS176でYES)、回転リール53cを停止させる(ステップS177)。
【0161】
CPU106は、経過時間TがT4(T4>T3)に達したか否かを判定し(ステップS178)、T≧T4となった場合には(ステップS178でYES)、回転リール53dを停止させる(ステップS179)。
【0162】
CPU106は、経過時間TがT5(T5>T4)に達したか否かを判定し(ステップS180)、T≧T5となった場合には(ステップS180でYES)、回転リール53eを停止させる(ステップS181)。こうして、5個の各回転リール53a〜53eが左側から順次停止することになる。
【0163】
次に、図30のステップS157に示した画像演出制御処理について、図32を参照して説明する。
【0164】
まず、CPU106は、各回転リール53a〜53eが回転を開始してからの経過時間が上述した時間T5に達したか否かを判定する(ステップS191)。即ち、5個の各回転リール53a〜53eが全て停止したか否かを判定する。
【0165】
そして、時間T5が経過した場合には(ステップS191でYES)、表示領域Q1にシンボルを停止させる(ステップS192)。その結果、図21に示す表示領域Q1に「JOKER」シンボル(特定シンボル)が表示されるか、またはブランクとなる。この表示は、前述した図24,図25と同様である。
【0166】
その後、各回転リール53a〜53eに表示されたシンボル、及び表示領域Q1に表示されたシンボルに応じた払い出しが発生することになる。こうして、スロットゲームが実行されるのである。
【0167】
このようにして、本発明の第4実施形態に係るスロットマシン10bでは、5個の各回転リール53a〜53eを回転させた後停止させて、ディスプレイ16のウィンド16a〜16eに3行、5列の合計15個のシンボルを表示する。更に、ディスプレイ16の右上方に設けられた表示領域Q1にシンボルを表示する。そして、ウィンド16a〜16eに「WILD」シンボルが表示され、且つ、表示領域Q1に「JOKER」シンボルが表示された場合に、「WILD」シンボルが有効化される。従って、表示領域Q1に「JOKER」シンボルが表示されるか否かにより、賞の獲得量が変化することになり、エンターテイメント性を向上させることができる。
【0168】
また、各回転リール53a〜53eが全て停止した後に、表示領域Q1にシンボルが停止するので、プレーヤに期待感を持たせることができる。
【0169】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0170】
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判断し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を充分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
【0171】
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各ステップは、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各ステップでは、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各ステップにおける処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各ステップにおける処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各ステップを行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。
【産業上の利用可能性】
【0172】
プレーヤの興趣を向上させる上で極めて有用である。
【符号の説明】
【0173】
10,10a,10b スロットマシン
11 キャビネット
12 トップボックス
13 メインドア
16 ディスプレイ
18 メダルトレイ
21 メダル投入口
22 紙幣識別器
23 キャッシュアウトスイッチ
24 MAXBETスイッチ
25 BETスイッチ
26 スピンリピートBETスイッチ
27 スタートスイッチ
28 メダル払い出し口
29 スピーカ
33 アッパーディスプレイ
34 フットディスプレイ
35 チケットプリンタ
36 カードリーダ
37 データディスプレイ
38 キーパッド
39 バーコード付チケット
40 コントローラ
43 メダルセンサ
44 ホッパー
47 ランプ
48 ペイアウト数表示領域
51 モータ駆動回路
52 リール位置検出回路
53 回転リール装置
102 インターフェイス回路群
104 入出力バス
106 CPU
108 ROM
110 RAM
111 通信用インターフェイス回路
112 乱数発生器
122 スピーカ駆動回路
124 ホッパー駆動回路
128 表示駆動回路
140 表示コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンボルが配置される固定表示領域、及び複数の変動表示領域を備えたディスプレイと、
(A)外部入力を受け付けて、前記各変動表示領域のシンボルを再配置し、
(B)前記変動表示領域に特定シンボルが再配置された場合に、前記固定表示領域に配置されているシンボルをワイルドシンボルに変更し、
(C)前記固定表示領域、及び各変動表示領域に表示されたシンボルの組み合わせに応じて賞を発生するコントローラと、
を備えることを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
請求項1に記載のスロットマシンにおいて、
前記コントローラは、前記変動表示領域に特定シンボルを再配置する場合には、最後にこの特定シンボルを再配置することを特徴とするスロットマシン。
【請求項3】
シンボルが配置される固定表示領域と複数の変動表示領域からなる第1表示領域、及び第2表示領域を備えたディスプレイと、
(A)外部入力を受け付けて、前記各変動表示領域、及び前記第2表示領域のシンボルを再配置し、
(B)前記第2表示領域に特定シンボルが再配置された場合に、前記固定表示領域に配置されているシンボルをワイルドシンボルに変更し、
(C)前記各第1表示領域に表示されたシンボルの組み合わせに応じて賞を発生するコントローラと、
を備えることを特徴とするスロットマシン。
【請求項4】
請求項3に記載のスロットマシンにおいて、
前記コントローラは、前記第1表示領域にシンボルを再配置した後、前記第2表示領域にシンボルを再配置することを特徴とするスロットマシン。
【請求項5】
シンボルが配置される複数の第1表示領域、及び第2表示領域を備えたディスプレイと、
(A)外部入力を受け付けて、前記第1表示領域、及び前記第2表示領域のシンボルを再配置し、
(B)前記第2表示領域に特定シンボルが再配置された場合に、前記各第1表示領域に再配置されるワイルドシンボルを有効化し、
(C)前記各第1表示領域に表示されたシンボルの組み合わせに応じて賞を発生するコントローラと、
を備えることを特徴とするスロットマシン。
【請求項6】
請求項5に記載のスロットマシンにおいて、
前記コントローラは、前記第1表示領域にシンボルを再配置した後、前記第2表示領域にシンボルを再配置することを特徴とするスロットマシン。
【請求項7】
ディスプレイに設けられる複数の変動表示領域に配置されたシンボルを再配置すると共に、
前記変動表示領域に特定シンボルが再配置された場合に、前記ディスプレイに設けられる固定表示領域のシンボルをワイルドシンボルに変更し、
前記変動表示領域、及び固定表示領域に表示されたシンボルの組み合わせに応じて賞を発生することを特徴とするスロットマシンの制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載のスロットマシンの制御方法において、
更に、前記変動表示領域に特定シンボルを再配置する場合には、最後にこの特定シンボルを再配置することを特徴とするスロットマシンの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2009−226212(P2009−226212A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64915(P2009−64915)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(507332387)アルゼゲーミングアメリカインク (176)
【Fターム(参考)】