説明

セキュリティ装置及びカメラアクセサリ

【課題】カメラのアクセサリの盗難防止を図ることができるセキュリティ装置及びカメラアクセサリを提供する。
【解決手段】交換レンズ10は使用者又はカメラ情報が格納されるレンズ側記憶部12を備える。レンズ側制御部11は交換レンズ10に入力された識別情報とレンズ側記憶部12に格納された使用者又はカメラ情報とが一致したとき、電磁シリンダに通電して絞り環を非ロック状態にし、正常撮影を可能にする。また、レンズ側制御部11は交換レンズ10に入力された識別情報と使用者又はカメラ情報とが一致しないとき、電磁シリンダを非通電として絞り環をロック状態にし、正常撮影を不可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はセキュリティ装置及びカメラアクセサリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、盗難防止機能を有するカメラとして、特開2001−91978号公報に記載されたものが知られている。予め、識別情報(カメラの使用者(買主)の特徴を表す情報)を入力し、これを参照情報としてEEPROMに登録する。そして、カメラ購入時に入力された情報を、登録された参照情報と照合する。この照合によってカメラの動作の許否が決定される。したがって、本来のカメラの使用者以外の人はカメラを使用することができないことになるからカメラの盗難防止効果を期待することができる。
【特許文献1】特開2001−91978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、例えば交換レンズ等はカメラのアクセサリであり、その性質上構造を複雑にしないため、盗難を防止するためのセキュリティ装置を備えていなかった。しかし、交換レンズは高価なものであるから、盗難の対象として狙われ易いという問題がある。
【0004】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題はカメラのアクセサリの盗難防止を図ることができるセキュリティ装置及びカメラアクセサリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の課題を解決するため請求項1記載の発明は、カメラ本体に装着されるアクセサリのセキュリティ装置において、使用者又はカメラ情報が格納される記憶手段を備えていることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のセキュリティ装置において、前記アクセサリに入力された識別情報と前記記憶手段に格納された使用者又はカメラ情報とが一致したときに撮影動作を許可する許可手段を備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のセキュリティ装置において、前記アクセサリに入力された識別情報と前記使用者又はカメラ情報とが一致しないときに異常動作を行わせる制御手段を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のセキュリティ装置において、前記アクセサリは交換レンズであり、前記異常動作は前記交換レンズの絞り環を動作できない状態にする動作であることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項3記載のセキュリティ装置において、前記アクセサリは交換レンズであり、前記異常動作は前記交換レンズの絞りを正常な撮影ができない状態にする動作であることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項3記載のセキュリティ装置において、前記アクセサリは交換レンズであり、前記異常動作は前記交換レンズの光学系の一部を変位させる動作であることを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のセキュリティ装置において、前記交換レンズは手ぶれ補正機構を備えており、前記光学系の一部を変位させる動作は手ぶれ補正機構を用いて行なうことを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項3記載のセキュリティ装置において、前記異常動作は撮影に必要な情報を前記カメラ本体へ送らない又は異常な情報を前記カメラ本体へ送る動作であることを特徴とする。
【0013】
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項記載のセキュリティ装置において、前記記憶手段への前記使用者又はカメラ情報の格納は前記カメラ本体に設けられた入力手段で行われることを特徴とする。
【0014】
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項記載のセキュリティ装置を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、カメラのアクセサリの盗難防止を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1はこの発明の第1実施形態に係るセキュリティ装置を備えるカメラを説明するためのブロック図、図2はカメラの側面を示す概念図である。
【0018】
このカメラはD−SLRカメラ(Digital Single Lens Reflex camera)である。
【0019】
カメラは交換レンズ(アクセサリ)10とカメラ本体30とからなる。交換レンズ10はレンズ側制御部11とレンズ側記憶部(記憶手段)12と機構部13とを備えている。カメラ本体30は入力部(入力手段)31と本体側記憶部32とを備えている。なお、図示しないが、カメラ本体30はカメラ全体の動作を制御する本体側制御部を備えている。
【0020】
入力部31は例えばカメラ本体30の背面に設けられた操作ボタン(図示せず)である。レンズ側記憶部12は例えば読み書き可能なICチップで構成されている。レンズ側記憶部12には使用者又はカメラ情報(例えばレンズ型式、使用者名、暗証番号等の情報)が格納されている。
【0021】
レンズ側制御部11は許可手段及び制御手段としての機能を有し、例えばワンチップマイクロコンピュータで構成される。交換レンズ10がカメラ本体30に装着されたとき、レンズ側制御部11は本体側記憶部32に予め入力部31を操作して記憶された識別情報とレンズ側記憶部12に記憶された使用者又はカメラ情報とを比較する。
【0022】
レンズ側制御部11は本体側記憶部32に記憶された識別情報とレンズ側記憶部12に記憶された使用者又はカメラ情報とが一致したとき、カメラの正常な撮影動作ができるように機構部13を制御する。一方、本体側記憶部32に記憶された識別情報とレンズ側記憶部12に記憶された使用者又はカメラ情報とが一致しないとき、レンズ側制御部11はカメラの正常な撮影動作ができないように機構部13を異常動作させる。異常動作とは例えば後述のように絞り環16が動かないようにする等の動作を指す。
【0023】
機構部13は後述するように交換レンズ10の絞り環16、絞り20の動作を制限したり、レンズ15aを傾かせたりする機構である。
【0024】
カメラ本体側記憶部32は例えば読み書き可能なICチップで構成されている。カメラ本体側記憶部32には交換レンズ10の識別情報が登録されている。
【0025】
次に、交換レンズ10のセキュリティ設定方法を説明する。
【0026】
図3(a)、(b)は交換レンズのセキュリティ設定方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0027】
初めて交換レンズ10をカメラ本体30へ装着するとき(図3(a)参照)。
【0028】
まず、交換レンズ10をカメラ本体30に装着する(S301)。
【0029】
次に、レンズ側記憶部12にカメラ本体側記憶部32に予め記憶された使用者又はカメラ情報(S302)を読み込ませ(S303)、記憶させる(S304)。また、この登録は同じ組合わせであれば、初回だけ行われる。なお、1つの交換レンズ10を複数の人が共同で用いるときには、共同使用者の複数台のカメラ本体30のそれぞれに共同使用する交換レンズ10を装着して各共同使用者のカメラ本体に対応するカメラ情報を記憶させればよい。
【0030】
交換レンズ10のカメラ本体30への装着が2回目以降のとき(図3(b)参照)。
【0031】
交換レンズ10をカメラ本体30に装着したとき(S311)、本体側記憶部32に記憶された使用者又はカメラ情報とレンズ側記憶部12に記憶された使用者又はカメラ情報とがレンズ側制御部11で比較される(S312)。
【0032】
比較の結果、本体側記憶部32に記憶された使用者又はカメラ情報とレンズ側記憶部12に記憶された使用者又はカメラ情報とが一致したとき、正しい組合わせである(適合)と判断され、正常な撮影を行うことができる(S313)。
【0033】
これに対し、他人が盗んだ交換レンズ10をカメラ本体30以外のカメラ本体に装着した場合には、本体側記憶部32に記憶された使用者又はカメラ情報とレンズ側記憶部12に記憶された使用者又はカメラ情報とが一致しないため、正しい組合わせでない(不適合)と判断され、正常な撮影を行うことができない(S314)。
【0034】
図4(a)、(b)は交換レンズのセキュリティ設定方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
【0035】
初めて交換レンズ10をカメラ本体30へ装着するとき(図4(a)参照)。
【0036】
まず、交換レンズ10をカメラ本体30に装着する(S401)。
【0037】
カメラ本体30の表示画面31に、レンズ型式、使用者名、暗証番号等を表示させる(S402)。
【0038】
入力部31を操作してレンズ側記憶部12にレンズ型式、使用者名、暗証番号等(S402)を読み込ませ(S403)、記憶させる。この登録によって、交換レンズ10とカメラ本体30との組み合わせのときだけ撮影可能となる。なお、この登録は同じ組合わせであれば、初回だけ行われる。
【0039】
交換レンズ10のカメラ本体30への装着が2回目以降のとき(図4(b)参照)。
【0040】
交換レンズ10をカメラ本体30に装着した後(S411)、入力部31から暗証番号を入力する(S412)。
【0041】
次に、入力された暗証番号とレンズ側記憶部12に記憶された暗証番号とが比較される(S413)。
【0042】
比較の結果、入力された暗証番号とレンズ側記憶部12に記憶された暗証番号とが一致したとき、正しい組合わせである(適合)と判断され、正常な撮影を行うことができる(S414)。
【0043】
これに対し、他人が盗んだ交換レンズ10を他のカメラ本体に装着した場合には、入力された暗証番号とレンズ側記憶部12に記憶された暗証番号とが一致しないため、正しい組合わせでない(不適合)と判断され、正常な撮影を行うことができない(S415)。
【0044】
図5は交換レンズのセキュリティ設定方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
【0045】
交換レンズ10をカメラ本体30に装着したとき(S501)、本体側記憶部32に記憶された使用者又はカメラ情報とレンズ側記憶部12に記憶された使用者又はカメラ情報とが比較される(S502)。
【0046】
比較の結果、本体側記憶部32に予め記憶された使用者又はカメラ情報とレンズ側記憶部12に記憶された使用者又はカメラ情報とが一致したとき、正しい組合わせである(適合)と判断される。このとき、AE(Auto Exposure)、AF(Auto Focus)等の撮影に必要な情報を交換レンズ情報として(S503)交換レンズ10からカメラ本体30へ送る(S504)。その結果、正常な撮影を行うことができる。
【0047】
これに対し、他人が盗んだ交換レンズ10を他のカメラ本体に装着した場合には、本体側記憶部32に予め記憶された使用者又はカメラ情報とレンズ側記憶部12に記憶された使用者又はカメラ情報とが一致しないため、正しい組合わせでない(不適合)と判断される。このとき、交換レンズ10から誤った交換レンズ情報をカメラ本体30に送ったり、交換レンズ10から交換レンズ情報をカメラ本体30に送らなかったりする(S506)。その結果、カメラ本体30では撮影に必要な交換レンズ情報を得ることができず、正しい正常な撮影を行うことができない(S507)。
【0048】
次に、機構部13の具体例を説明する。
【0049】
図6(a)、(b)は機構部の一例を示す概念図である。
【0050】
機構部13(図1参照)は交換レンズ10のレンズ鏡筒15と絞り環16と電磁シリンダ17とで構成される。
【0051】
レンズ鏡筒15は図示しないレンズや絞り等を包む、円筒形のハウジングである。レンズ鏡筒15には電磁シリンダ17のピン17aを挿通可能な孔15aが形成されている。
【0052】
絞り環16はレンズ鏡筒15の外側に摺動可能に配置されるリング状のものであり、これを回すことによって視野を規制したり、開口の集光力を規制したりする。絞り環16には電磁シリンダ17のピン17aを収容可能な凹部16aが形成されている。
【0053】
電磁シリンダ17はレンズ鏡筒15の内部に配置されている。電磁シリンダ17は電磁コイル17bとピン17aと圧縮ばね17cとを有する。通電(交換レンズ10は電池を内蔵していないので、カメラ本体30に内蔵された電池から電力が供給される)時、ピン17aが励磁電流によって圧縮ばね17cに抗して上昇して凹部16aから脱出するので、絞り環16は非ロック状態となる(図6(a)参照)。
【0054】
電磁シリンダ17はラッチイングタイプであり、非通電時、ピン17aは圧縮ばね7cのばね力によって凹部16a内に挿入され、絞り環16はロック状態となる(図6(b)参照)。この絞り環16のロック状態は例えばレンズ鏡筒15に設けた外部スイッチ(図示せず)からの信号で解除することができる。
【0055】
例えば、本体側記憶部32に記憶された使用者又はカメラ情報とレンズ側記憶部12に記憶された使用者又はカメラ情報とが一致したとき、レンズ側制御部11によって電磁シリンダ17が通電状態とされ、ピン17aが凹部16aから脱出し、絞り環16が非ロック状態となる。その結果、絞り環16を回転させて正常な撮影を行うことができる。
【0056】
また、本体側記憶部32に予め記憶された使用者又はカメラ情報とレンズ側記憶部12に記憶された使用者又はカメラ情報とが一致しないとき、レンズ側制御部11によって電磁シリンダ17が非通電状態とされ、ピン17aが凹部16aに止まり、絞り環16がロック状態となる。その結果、絞り環16を回転させることができなくなり正常な撮影を行うことができない。
【0057】
なお、図示しないがロック状態のときにレンズ鏡筒15側のマウント部にピンが出っ張るようにして交換レンズ10をカメラ本体30に取り付けることができないようにしてもよい。
【0058】
図7(a)、(b)、(c)は機構部の他の例を示す概念図である。
【0059】
機構部13は絞り20で構成される。絞り20は重なり合った複数の羽根20aを有し、羽根20aによって形成される開口20bの大きさを調節して光の量を制限する。
【0060】
例えば、暗証番号を入力してセキュリティ設定した場合、入力された暗証番号とレンズ側記憶部12に記憶された暗証番号とが一致したとき、レンズ側制御部11からの制御信号に基づいて絞り20が動作し、開口20bの径が図7(a)に示す径から図7(b)に示す径までの範囲内で変化させて適正な絞り値(絞りによって調整される値)になる。その結果、撮影に必要な光量が得られ、正常な撮影を行うことができる。
【0061】
これに対し、入力された暗証番号とレンズ側記憶部12に記憶された暗証番号とが一致しないとき、レンズ側制御部11からの制御信号に基づいて絞り20が動作し、図7(c)に示すように開口20bの径が最小(絞り値最大)にロックされる。その結果、撮影に必要な光量が得られなくなり、正常な撮影を行うことができなくなる。
【0062】
なお、上記説明では絞り値を最大に設定することで正常な撮影を行うことができないようにしたが、絞り値を最小に設定するようにして正常な撮影を行うことができないようにしてもよい。
【0063】
図8(a)、(b)は機構部の他の例を示す概念図である。
【0064】
機構部13は交換レンズ10のレンズ鏡筒15内に配置された複数枚のレンズのうちの1枚の補正レンズ15aとこの補正レンズ15aを変位させる手ぶれ補正機構18とで構成される。手ぶれ補正機構18は例えば補正レンズ15aの周囲に配置したボイスコイルモータとこのモータによって駆動される駆動機構とで構成される。
【0065】
例えば、入力された暗証番号とレンズ側記憶部12に記憶された暗証番号とが一致したとき、レンズ側制御部11からの制御信号に基づいて手ぶれ補正機構がレンズ15aを図8(a)に示すように保つ。その結果、正常な撮影を行うことができる。
【0066】
これに対し、入力された暗証番号とレンズ側記憶部12に記憶された暗証番号とが一致しないとき、手ぶれ補正機構がレンズ15aを図8(b)に示すように傾かせる。その結果、光路が曲がり、正常な撮影を行うことができなくなる。
【0067】
この実施形態によれば、レンズ側記憶部12に使用者又はカメラ情報が記憶されているので、その情報を利用して交換レンズ10の盗難防止を図ることができる。
【0068】
図9はこの発明の第2実施形態に係るセキュリティ装置を備えるカメラの側面を示す概念図であり、第1実施形態と共通する部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0069】
この実施形態は交換レンズ110の異常動作状態の解除をリモートコントローラ40を用いて行えるようにした点で第1実施形態と相違する。
【0070】
交換レンズ110は受信部14を備える。図示しないが、交換レンズ110は第1実施形態と同様にレンズ側制御部11とレンズ側記憶部(記憶手段)12と機構部13とを備えるるとともに、電磁シリンダ17に電力を供給するための電池を内蔵している。
【0071】
リモートコントローラ40は例えば電磁シリンダ17によるロック状態を解除するためのセキュリティ情報a1を記憶する記憶部41と送信部42とを有する。リモートコントローラ40が交換レンズ110に近づいたとき、送信部42はセキュリティ情報a1を送信する。
【0072】
受信部14は送信部42からのセキュリティ情報a1を受信したとき、ロック解除のための電気信号を発生させて、例えば電磁シリンダ17へ電力を供給する。
【0073】
電磁シリンダ17によるロック状態を解除するには、リモートコントローラ40を交換レンズ110に近づける。リモートコントローラ40の送信部42からのセキュリティ情報a1を受信した受信部14は電磁シリンダ17へ電力を供給して電磁シリンダ17によるロック状態を解除する。
【0074】
この実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、ロック状態を解除できるセキュリティ情報a1を記憶したリモートコントローラ40を持っていることで容易に交換レンズ110の正規の使用者であることを確認できる。
【0075】
なお、交換レンズ110を複数の人が共同で用いるときには、交換レンズ110とリモートコントローラ40とをセットとして使用するようにすればよい。
【0076】
次に、盗難防止に有効なリモートコントローラ40の使用方法の一例を説明する。
【0077】
交換レンズ110の製造者は交換レンズ110と2つのリモートコントローラ40とを販売する。購入者は正規の使用者であることを示すセキュリティ情報を2つのリモートコントローラ40にそれぞれ登録した後、一方のリモートコントローラ40を製造者に送る。
【0078】
製造者は購入者から送り返されてきたリモートコントローラ40を管理する。
【0079】
購入者がリモートコントローラ40を紛失した場合、購入者は交換レンズ110を製造者に送れば、製造者が持っているリモートコントローラ40に登録されているセキュリティ情報から送り主が正規の使用者であることを容易に確認することができる。
【0080】
製造者は交換レンズ110のセキュリティ情報を新しいものに書き換えた後、新しいリモートコントローラ40とともに交換レンズ110を購入者へ送る。
【0081】
その後、製造者は新しいセキュリティ情報を登録したリモートコントローラ40を管理する。
【0082】
例えば、正規の使用者でない者が交換レンズ110のリモートコントローラ40を紛失したとして交換レンズ10を製造者に送った場合、製造者は交換レンズ10の正規の使用者を確認できない限りセキュリティ情報の書き換えを行わない。したがって、正規の使用者以外交換レンズ10を使用できないことから、盗難防止効果が高まる。
【0083】
なお、アクセサリは交換レンズ10,110に限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態に係るセキュリティ装置を備えるカメラを説明するためのブロック図である。
【図2】図2はカメラの側面を示す概念図である。
【図3】図3(a)、(b)は交換レンズのセキュリティ設定方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】図4(a)、(b)は交換レンズのセキュリティ設定方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図5】図5は交換レンズのセキュリティ設定方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図6】図6(a)、(b)は機構部の一例を示す概念図である。
【図7】図7(a)、(b)、(c)は機構部の他の例を示す概念図である。
【図8】図8(a)、(b)は機構部の他の例を示す概念図である。
【図9】図9はこの発明の第2実施形態に係るセキュリティ装置を備えるカメラの側面を示す概念図である。
【符号の説明】
【0085】
10、110:交換レンズ(アクセサリ)、11:レンズ側制御部(制御手段、許可手段)、12:レンズ側記憶部(記憶手段)、13:機構部、15a:レンズ、16:絞り環、18:手ぶれ補正機構、20:絞り、30:カメラ本体、31:入力部(入力手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ本体に装着されるアクセサリのセキュリティ装置において、
使用者又はカメラ情報が格納される記憶手段を備えていることを特徴とするセキュリティ装置。
【請求項2】
前記アクセサリに入力された識別情報と前記記憶手段に格納された使用者又はカメラ情報とが一致したときに撮影動作を許可する許可手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のセキュリティ装置。
【請求項3】
前記アクセサリに入力された識別情報と前記使用者又はカメラ情報とが一致しないときに異常動作を行わせる制御手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のセキュリティ装置。
【請求項4】
前記アクセサリは交換レンズであり、前記異常動作は前記交換レンズの絞り環を動作できない状態にする動作であることを特徴とする請求項3記載のセキュリティ装置。
【請求項5】
前記アクセサリは交換レンズであり、前記異常動作は前記交換レンズの絞りを正常な撮影ができない状態にする動作であることを特徴とする請求項3記載のセキュリティ装置。
【請求項6】
前記アクセサリは交換レンズであり、前記異常動作は前記交換レンズの光学系の一部を変位させる動作であることを特徴とする請求項3記載のセキュリティ装置。
【請求項7】
前記交換レンズは手ぶれ補正機構を備えており、前記光学系の一部を変位させる動作は手ぶれ補正機構を用いて行なうことを特徴とする請求項6記載のセキュリティ装置。
【請求項8】
前記異常動作は撮影に必要な情報を前記カメラ本体へ送らない又は異常な情報を前記カメラ本体へ送る動作であることを特徴とする請求項3記載のセキュリティ装置。
【請求項9】
前記記憶手段への前記使用者又はカメラ情報の格納は前記カメラ本体に設けられた入力手段で行われることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のセキュリティ装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項記載のセキュリティ装置を備えていることを特徴とするカメラアクセサリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−212599(P2007−212599A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−30511(P2006−30511)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】