説明

セパレータ用プラグ装置

【課題】 材料コストの低減が可能で、コンクリート仕上げ面にコーンの端面が露出しないセパレータ用プラグ装置の提供。
【解決手段】 雌ねじ部11、12を有する固定ナット1と、固定ナット1の先端側に嵌着されてコンクリート7に嵌め殺しにされる筒状のコーン2と、コーン2の先端側からその軸心孔21内に差し込んで固定ナット1の雌ねじ部12に対し着脱自在に螺合連結される軸足ボルト4と、軸足ボルト4を挿通可能で軸足ボルト5の外周面との間に所定の環状隙間hが形成されるように軸足ボルト4の外径より大径の軸心孔31とコーン2の軸心孔21より大径の外径を有する筒状でその基端開口縁部にコーン2の軸心孔21内に差し込み可能な外径を有する環状突部33が備えられると共にその先端部外周にコンクリート型枠板8に当接する肉薄の係止フランジ部32を有するコンクリート型枠板支持体3と、を備え、軸足ボルト4の先端部には軸足ボルト4を回転操作可能なスパナ掛け部43が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セパレータ用プラグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セパレータ用プラグ装置としては、筒状の雌ねじ部分を有する固定ナットと、該固定ナットの先端側に嵌着されてコンクリートに嵌め殺しにされるセラミックス製の筒状のコーンと、該コーンの筒状部内に形成されたゴムリング停止用の凸部分と、前記コーンの筒状部に嵌合する止水栓と、該止水栓の先端部分の外周に嵌着して配置されたゴムリングとからなるセパレータ用プラグ装置であって、前記止水栓の基端部分はその先端部分より外周がやや太く形成され、止水栓をコーンの筒状部に挿入することにより、止水栓に嵌着して配置されたゴムリングが、ゴムリング停止用の凸部分に突当たって止水栓の基端側に移動し、該移動したゴムリングによって止水栓の基端部分と筒状部との環状隙間が密着されるように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−279841号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来例のセパレータ用プラグ装置にあっては、コンクリート仕上がり面にセラミックス製の筒状コーンの端面が多数露出した状態で残るため、以下に述べるような問題があった。
【0004】
即ち、コンクリートの表面は、雨や埃等の自然環境にさらされることで黒く変色するのに対し、セラミックスは殆ど変色しないため、変色したコンクリートの表面にセラミックス製コーンの端面が色彩的に模様として現れるようになる。このような模様の出現は意図しなかったものであるから、改善策が望まれていた。
【0005】
また、かぶり厚さに応じたコーンの長さが必要であるため、材料コストが高く付くという問題があった。
【0006】
本発明の解決しようとする課題は、材料コストの低減が可能で、コンクリート仕上げ面にコーンの端面が露出しないセパレータ用プラグ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため請求項1記載のセパレータ用プラグ装置は、雌ねじ部を有する固定ナットと、該固定ナットの先端側に嵌着されてコンクリートに嵌め殺しにされる筒状のコーンと、該コーンの先端側からその軸心孔内に差し込んで前記固定ナットの雌ねじ部に対し着脱自在に螺合連結される軸足ボルトと、該軸足ボルトを挿通可能で該軸足ボルトの外周面との間に所定の環状隙間が形成されるように該軸足ボルトの外径より大径の軸心孔と前記コーンの軸心孔より大径の外径を有する筒状でその基端開口縁部に前記コーンの軸心孔内に差し込み可能な外径を有する環状突部が備えられると共にその先端部にコンクリート型枠板に当接する当接端面を有するコンクリート型枠板支持体と、を備え、前記軸足ボルトの先端部には該軸足ボルトを回転操作可能な工具掛け部が形成されていることを特徴とする手段とした。
【0008】
請求項2に記載のセパレータ用プラグ装置は、請求項1に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コンクリート型枠板支持体における前記当接端面が前記コンクリート型枠板支持体の先端面と外周に突出された肉薄の係止フランジ部の端面で構成されていることを特徴とする手段とした。
【0009】
請求項3に記載のセパレータ用プラグ装置は、請求項1または2に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コンクリート型枠板支持体における軸心孔の少なくとも先端縁部側に雌ねじ部が形成されていることを特徴とする手段とした。
【0010】
請求項4に記載のセパレータ用プラグ装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コンクリート型枠板支持体が合成樹脂で構成されていることを特徴とする手段とした。
【0011】
請求項5に記載のセパレータ用プラグ装置は、請求項4に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コンクリート型枠板支持体における軸心孔の先端開口縁部に面取り状テーパー部が形成されていることを特徴とする手段とした。
【0012】
請求項6に記載のセパレータ用プラグ装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コンクリート型枠板支持体の外周面が先端側へ行くにつれて大径になるテーパー面に形成されていることを特徴とする手段とした。
【0013】
請求項7に記載のセパレータ用プラグ装置は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コンクリート型枠板支持体における係止フランジ部の外周面が前記コーン方向に向けて傾斜するテーパー面に形成されていることを特徴とする手段とした。
【0014】
請求項8に記載のセパレータ用プラグ装置は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コーンがセラミックスで構成されていることを特徴とする手段とした。
【0015】
請求項9に記載のセパレータ用プラグ装置は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コーンの軸心孔内に圧入して止水可能な止水栓が備えられていることを特徴とする手段とした。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載のセパレータ用プラグ装置では、上述のように、軸足ボルトの外径より大径の軸心孔と前記コーンの軸心孔より大径の外径を有する筒状でその基端開口縁部に前記コーンの軸心孔内に差し込み可能な外径を有する環状突部が備えられると共にその先端部にコンクリート型枠板に当接する当接端面を有するコンクリート型枠板支持体を備えることで、コンクリートが硬化してコンクリート型枠板を取り外した後に、軸足ボルトの先端に形成された工具掛け部にスパナ等の工具を掛けて固定ナットから軸足ボルトを抜き取ると共に、コンクリート型枠板支持体を抜き取った後の穴をモルタルで埋めることにより、コーンはコンクリート内に埋め込まれた状態となるため、コンクリート仕上げ面にコーンの端面が露出しなくなる。
従って、雨や埃等の自然環境にさらされることで黒く変色したコンクリートの表面にコーンの端面が色彩的に模様として現れることを防止することができるようになる。
【0017】
また、セパレータ用プラグ装置を、コンクリート内に嵌め殺しにされる筒状のコーンと、コンクリートが硬化した後に引き抜かれるコンクリート型枠板支持体とで構成し、かつ、このコンクリート型枠支持体と共に軸足ボルトを抜き取るために軸足ボルトの先端部に工具掛け部を形成したことで、コンクリート型枠板支持体自体の外形を小さくすることが可能になるため、コンクリート型枠板支持体を抜き取った後の跡穴の口径を最小限に小さくすることができるようになる。
従って、コンクリート仕上がり面に多数形成され跡穴に埋め込むモルタルの量が微小になることで、跡穴処理(仕上げ日数)を大幅に短縮することができるようになると共に、コンクリート仕上がり面から跡穴が目立たず、さらに美しい仕上がりとすることができるようになる。
【0018】
また、軸足ボルトの外周面との間に所定の環状隙間が形成されるように軸足ボルトの外径よりコンクリート型枠板支持体の軸心孔が大径に形成されているため、コーンにおける軸心孔の寸法精度のばらつきにより、固定ナットと該固定ナットに対しコーンの軸心がずれた状態で嵌着固定された場合であっても、軸足ボルトがコンクリート型枠板支持体の軸心孔の内周面に圧接することが防止され、これにより、軸足ボルトの抜き取りを困難にすることを防止することができるようになる。
【0019】
請求項2に記載のセパレータ用プラグ装置では、上述のように、コンクリート型枠板支持体における当接端面がコンクリート型枠板支持体の先端面と外周に突出された肉薄の係止フランジ部の端面で構成されることで、コンクリート型枠板支持体本体部の外形を小さくできるため、コンクリート型枠板支持体抜き取り後に形成される跡穴に埋め込むモルタルの量をさらに少なくすることができるようになる。
【0020】
請求項3に記載のセパレータ用プラグ装置では、上述のように、コンクリート型枠板支持体における軸心孔の少なくとも先端縁部側に雌ねじ部が形成されることで、この雄ねじ部に雄ねじを螺合することにより、コンクリート型枠板支持体を容易に引き抜くことができるようになる。
【0021】
請求項4に記載のセパレータ用プラグ装置では、上述のように、コンクリート型枠板支持体が合成樹脂で構成されることにより、コンクリート型枠板支持体の軸心孔にボルトをねじ込んで、コンクリート型枠板支持体を容易に引き抜くことができるようになる。
【0022】
請求項5に記載のセパレータ用プラグ装置では、上述のように、コンクリート型枠板支持体における軸心孔の先端開口縁部に面取り状テーパー部が形成されることにより、コンクリート型枠板支持体の軸心孔に対するボルトの初期ねじ込みが容易になる。
【0023】
請求項6に記載のセパレータ用プラグ装置では、上述のように、コンクリート型枠板支持体の外周面が先端側へ行くにつれて大径になるテーパー面に形成されることにより、コンクリート型枠板支持体の抜き取りを容易に行うことができるようになる。
【0024】
請求項7に記載のセパレータ用プラグ装置では、上述のように、コンクリート型枠板支持体における係止フランジ部の外周面が前記コーン方向に向けて傾斜するテーパー面に形成されることにより、コンクリート打設時にコンクリートが隅まで行き届き、コンクリート型枠板支持体引き抜き後に係止フランジ部によって仕上げ面に形成される浅い窪みの内周壁をきれいに仕上げることができるようになる。
【0025】
請求項8に記載のセパレータ用プラグ装置では、上述のように、コーンがセメントと同類のケイ酸塩鉱物であるセラミックスで構成されることにより、コンクリートとの馴染み・付着性に優れ、かつ、耐塩・耐食性に優れるため、耐久性及び塩害防止上有利である。そして、特にこの場合、コンクリート型枠板支持体を備えることで、かぶり厚さの一部を担当することができるため、その分だけ肉厚のコーンの長さを短くすることができ、これにより、材料コストを低減できるようになる。
【0026】
請求項9に記載のセパレータ用プラグ装置では、上述のように、コーンの軸心孔内に圧入して止水可能な止水栓が備えられることにより、塩害を防止することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0028】
この実施例のセパレータ用プラグ装置は、請求項1、3〜9に記載の発明に対応する。
【0029】
まず、この実施例のセパレータ用プラグ装置を図面に基づいて説明する。
【0030】
図1はこの実施例のセパレータ用プラグ装置を示す斜視図、図2は実施例のセパレータ用プラグ装置における止水栓を示す斜視図、図3は実施例のセパレータ用プラグ装置を示す断面図、図4は実施例のセパレータ用プラグ装置の使用状態を示す断面図、図5はコンクリート打設後における仕上げ処理工程を示す断面図である。
【0031】
このセパレータ用プラグ装置は、固定ナット1と、筒状のコーン2と、コンクリート型枠板支持体3と、軸足ボルト4と、セパレータ5と、止水栓6と、を主な構成として備えている。
【0032】
さらに詳述すると、前記固定ナット1は、図4に示すように、コーン2をセパレータ5の両端部に連結させる役目をなすもので、図3に示すように、金属で円筒状に形成され、その軸心孔の両端にセパレータ5の両端雄ねじ部51を螺合連結する雌ねじ部11と、軸足ボルト4の基端側雄ねじ部41を螺合連結する雌ねじ部12が独立して形成されている。そして、固定ナット1の中途部外周には係止フランジ部13が突出形成されている。
【0033】
また、前記コーン2は、図5に示すように、コンクリート7内に埋め殺しにされ、図3〜5に示すように、コンクリート7のかぶりkの一部を形成する役目をなすもので、セラミックスで軸心孔21を有する円筒状に形成されていて、固定ナット1の先端側に嵌着され、その端面が係止フランジ部13に当接係止された状態で位置決め固定されている。
【0034】
前記コンクリート型枠板支持体3は、ABS等の合成樹脂で一体に形成されたもので、軸足ボルト4を挿通可能で該軸足ボルト4の外周面との間に所定の環状隙間hが形成されるように該軸足ボルト4の外径より大径の軸心孔31と、コーン2の軸心孔21より大径の外径を有する筒状でその基端開口縁部にコーン2の軸心孔21内に差し込み可能な外径を有する環状突部33が備えられると共に、その先端部外周にコンクリート型枠板8に当接する肉薄の係止フランジ部32が一体に形成されている。
【0035】
そして、この係止フランジ部32の外周面がコーン2方向に向けて傾斜するテーパー面32aに形成されている。
【0036】
また、コンクリート型枠板支持体3における軸心孔31の先端開口縁部に面取り状テーパー部31aが形成されている。
【0037】
また、コンクリート型枠板支持体3の外周面が先端側へ行くにつれて大径になるテーパー面に形成されている。
【0038】
前記軸足ボルト4は、図4に示すように、コンクリート型枠板支持体3の係止フランジ部32に当接係止されたコンクリート型枠板8を固定する役目をなすもので、図3に示すように、コーン2の先端側からその軸心孔21内に差し込んでその基端に形成された雄ねじ部41を固定ナット1の雌ねじ部12に螺合して連結させるようになっている。
【0039】
また、この軸足ボルト4の先端側には、図4に示すように、ホームタイ9を螺合して係止フランジ部32との間でコンクリート型枠板支持体3を挟持固定する雄ねじ部42が形成され、この雄ねじ部42の先端部には、図1に示すように、該軸足ボルト4を回転操作可能な断面方形のスパナ掛け部(工具掛け部)43が切欠形成されている。
【0040】
前記止水栓6は、図5に示すように、軸足ボルト4及びコンクリート型枠板支持体3の脱却後にコーン2の軸心孔21内に圧入して埋め込むことにより止水する役目をなすもので、図2にその詳細を示すように、エラストマーで棒状に形成され、その先端部と中途部には、ヒダ61が形成されている。
【0041】
次に、この実施例の作用・効果を説明する。
【0042】
この実施例では上述のように構成されるため、図4に示すように、コンクリート型枠板8に形成された挿通孔81に軸足ボルト4を挿通させ、その先端雄ねじ部42にホームタイ9を螺合して係止フランジ部32との間でコンクリート型枠板8を挟持固定する。そして、打設したコンクリートが固まった後、軸足ボルト4に対するホームタイ9の螺合状態を解除させることにより、コンクリート型枠板8を取り外す。
【0043】
そして、コンクリート型枠板8を取り外した後、図5(イ)に示すように、固定ナット1の雌ねじ部12に螺合された軸足ボルト4を、その先端部に形成されたスパナ掛け部43にスパナを掛けて螺合状態を解除させて引き抜く。
【0044】
次に、図5(ロ)に示すように、ABS等の合成樹脂で構成されたコンクリート型枠板支持体3の軸心孔31にボルト33をねじ込んで、コンクリート型枠板支持体3をコンクリート7内から引き抜く。
【0045】
次に、図5(ハ)に示すように、コンクリート型枠板支持体3の抜き取り後に形成される跡穴71及びコーン2の軸心孔21内を清掃した後、コーン2の軸心孔21内に止水栓6を圧入し、最後に、図5(ニ)に示すように、コンクリート型枠板支持体3の抜き取り後に形成される跡穴71にモルタル10を埋め込むことにより、止水作業及び埋め込み作業を完了する。
【0046】
以上詳細に説明してきたように、この実施例のセパレータ用プラグ装置にあっては、軸足ボルト4の外径より大径の軸心孔31とコーン2の軸心孔21より大径の外径を有する筒状でその基端開口縁部にコーン2の軸心孔21内に差し込み可能な外径を有する環状突部33が備えられると共にその先端部外周にコンクリート型枠板8に当接する肉薄の係止フランジ部32を有するコンクリート型枠板支持体3を備えることで、コンクリート7が硬化してコンクリート型枠板8を取り外した後に、軸足ボルト4の先端に形成された工具掛け部43にスパナ等の工具を掛けて固定ナット1から軸足ボルト4を抜き取ると共に、コンクリート型枠板支持体3を抜き取った後の跡穴71をモルタル10で埋めることにより、コーン2はコンクリート7内に埋め込まれた状態となるため、コンクリート仕上げ面にコーンの端面が露出しなくなる。
従って、雨や埃等の自然環境にさらされることで黒く変色したコンクリートの表面にセラミックス製コーン2の端面が色彩的に模様として現れることを防止することができるようになる。
【0047】
また、セパレータ用プラグ装置を、コンクリート7内に嵌め殺しにされる筒状のコーン2と、コンクリート7が硬化した後に引き抜かれるコンクリート型枠板支持体3とで構成し、かつ、このコンクリート型枠支持体3と共に軸足ボルト4を抜き取るために軸足ボルト4の先端部に工具掛け部43を形成したことで、コンクリート型枠板支持体3自体の外形を小さくすることが可能になるため、コンクリート型枠板支持体3を抜き取った後の跡穴71の口径を最小限に小さくすることができるようになる。
従って、コンクリート仕上がり面に多数形成され跡穴71に埋め込むモルタルの量が微小になることで、跡穴処理(仕上げ日数)を大幅に短縮することができるようになると共に、コンクリート仕上がり面から跡穴71が目立たず、さらに美しい仕上がりとすることができるようになる。
【0048】
また、軸足ボルト4の外周面との間に所定の環状隙間hが形成されるように軸足ボルト4の外径よりコンクリート型枠板支持体3の軸心孔31が大径に形成されているため、コーン2における軸心孔21の寸法精度のばらつきにより、固定ナット1と該固定ナット1に対しコーン2の軸心がずれた状態で嵌着固定された場合であっても、軸足ボルト4がコンクリート型枠板支持体3の軸心孔31の内周面に圧接することが防止され、これにより、軸足ボルト4の抜き取りを困難にすることを防止することができるようになる。
【0049】
また、コンクリート型枠板支持体3における当接端面がコンクリート型枠板支持体3の先端面と外周に突出された肉薄の係止フランジ部32の端面で構成されることで、コンクリート型枠板支持体3本体部の外形を小さくできるため、コンクリート型枠板支持体3抜き取り後に形成される跡穴71に埋め込むモルタル10の量をさらに少なくすることができるようになる。
【0050】
また、コンクリート型枠板支持体3が合成樹脂で構成されることにより、コンクリート型枠板支持体3の軸心孔31にボルト34をねじ込んで、コンクリート型枠板支持体3を容易に引き抜くことができるようになる。
【0051】
また、コンクリート型枠板支持体3における軸心孔31の先端開口縁部に面取り状テーパー部31aが形成されることにより、コンクリート型枠板支持体3の軸心孔31に対するボルト34の初期ねじ込みが容易になる。
【0052】
また、コンクリート型枠板支持体3の外周面が先端側へ行くにつれて大径になるテーパー面に形成されることにより、コンクリート型枠板支持体3の抜き取りを容易に行うことができるようになる。
【0053】
また、コンクリート型枠板支持体3における係止フランジ部32の外周面がコーン2方向に向けて傾斜するテーパー面に形成されることにより、コンクリート打設時にコンクリート7が隅まで行き届き、コンクリート型枠板支持体3の引き抜き後に係止フランジ部32によって仕上げ面に形成される浅い窪みの内周壁をきれいに仕上げることができるようになる。
【0054】
また、コーン2がセメントと同類のケイ酸塩鉱物であるセラミックスで構成されることにより、コンクリート7との馴染み・付着性に優れ、かつ、耐塩・耐食性に優れるため、耐久性及び塩害防止上有利である。そして、特にこの場合、コーン2の先端側にコンクリート型枠板支持体3を備えることで、かぶり厚さの一部を担当することができるため、その分だけ肉厚のコーン2の長さを短くすることができ、これにより、材料コストを低減できるようになる。
【0055】
また、コーン2の軸心孔21内に圧入して止水可能な止水栓6が備えられることにより、塩害を防止することができるようになる。
【0056】
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【0057】
例えば、実施例では、コーン2が長く、その分コンクリート型枠板支持体3が短くなっているが、両者の長さの割合は任意である。
【0058】
また、実施例では、コーン2をセラミックスで形成したが、合成樹脂やコンクリート等で形成させてもよく、要は、金属等の腐食性材料以外であればよい。
【0059】
また、実施例では、コンクリート型枠板支持体3をABS等の合成樹脂で形成したが、金属等他の材料で形成するようにしてもよい。
【0060】
また、実施例では、コンクリート型枠板支持体3の先端部外周に係止フランジ部32を形成したが、これは省略することができる。
【0061】
また、コンクリート型枠板支持体3における軸心孔31の少なくとも先端縁部側に雌ねじ部を形成することにより、この雄ねじ部にボルト34を螺合して、コンクリート型枠板支持体3を容易に引き抜くことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施例のセパレータ用プラグ装置を示す斜視図である。
【図2】実施例のセパレータ用プラグ装置における止水栓を示す斜視図である。
【図3】実施例のセパレータ用プラグ装置を示す断面図である。
【図4】実施例のセパレータ用プラグ装置の使用状態を示す断面図である。
【図5】コンクリート打設後における仕上げ処理工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 固定ナット
11 雌ねじ部
12 雌ねじ部
13 係止フランジ部
2 コーン
21 軸心孔
3 コンクリート型枠板支持体
31 軸心孔
31a 面取り状テーパー部
32 係止フランジ部
32a テーパー面
33 環状突部
34 ボルト
4 軸足ボルト
41 雄ねじ部
42 雄ねじ部
43 スパナ掛け部(工具掛け部)
5 セパレータ
51 雄ねじ部
6 止水栓
61 ヒダ
7 コンクリート
71 跡穴
8 コンクリート型枠板
81 挿通孔
9 ホームタイ
10 モルタル
k かぶり

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌ねじ部を有する固定ナットと、該固定ナットの先端側に嵌着されてコンクリートに嵌め殺しにされる筒状のコーンと、該コーンの先端側からその軸心孔内に差し込んで前記固定ナットの雌ねじ部に対し着脱自在に螺合連結される軸足ボルトと、該軸足ボルトを挿通可能で該軸足ボルトの外周面との間に所定の環状隙間が形成されるように該軸足ボルトの外径より大径の軸心孔と前記コーンの軸心孔より大径の外径を有する筒状でその基端開口縁部に前記コーンの軸心孔内に差し込み可能な外径を有する環状突部が備えられると共にその先端部にコンクリート型枠板に当接する当接端面を有するコンクリート型枠板支持体と、を備え、
前記軸足ボルトの先端部には該軸足ボルトを回転操作可能な工具掛け部が形成されていることを特徴とするセパレータ用プラグ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コンクリート型枠板支持体における前記当接端面が前記コンクリート型枠板支持体の先端面と外周に突出された肉薄の係止フランジ部の端面で構成されていることを特徴とするセパレータ用プラグ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コンクリート型枠板支持体における軸心孔の少なくとも先端縁部側に雌ねじ部が形成されていることを特徴とするセパレータ用プラグ装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コンクリート型枠板支持体が合成樹脂で構成されていることを特徴とするセパレータ用プラグ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コンクリート型枠板支持体における軸心孔の先端開口縁部に面取り状テーパー部が形成されていることを特徴とするセパレータ用プラグ装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コンクリート型枠板支持体の外周面が先端側へ行くにつれて大径になるテーパー面に形成されていることを特徴とするセパレータ用プラグ装置。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれか1項に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コンクリート型枠板支持体における係止フランジ部の外周面が前記コーン方向に向けて傾斜するテーパー面に形成されていることを特徴とするセパレータ用プラグ装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コーンがセラミックスで構成されていることを特徴とするセパレータ用プラグ装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のセパレータ用プラグ装置において、前記コーンの軸心孔内に圧入して止水可能な止水栓が備えられていることを特徴とするセパレータ用プラグ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−150886(P2008−150886A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340943(P2006−340943)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(594017994)ゼン技研株式会社 (17)
【出願人】(500339972)
【Fターム(参考)】