説明

セラミックハニカムフィルタ

【課題】 排気ガス流出側端面での開口率を小さくすることなく排気ガス流入側端面での開口率を大きくすることで、圧力損失を低減したハニカムフィルタを得る。
【解決手段】 排気ガス流入側端面で開口して排気ガス流出側を目封止した流出側封止流路と、排気ガス流出側端面で開口して排気ガス流入側を目封止した流入側封止流路と、両端を開口し、かつ、前記流出側封止流路の封止部および前記流入側封止流路の封止部から流路方向に離れた中間部を目封止した中間封止流路を備え、前記流出側封止流路の数(A)と前記流入側封止流路の数(B)と前記中間封止流路の数(C)及びその合計(N)との関係が、A/N≦1/2、かつ、B≦C≦Aであり、前記流出側封止流路は該流路を構成する隔壁の少なくとも1面を介して前記流入側封止流路に接することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジン等から排出される粒子状物質を含む排気ガスを浄化するのに使用されるセラミックハニカムフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンの排気ガス中には、炭素質からなる煤と高沸点炭化水素成分からなるSOF分(Soluble Organic Fraction:可溶性有機成分)とを主成分とするPM(Particulate Matter:粒子状物質)が含まれており、これが大気中に放出されると、人体や環境に悪影響を与える虞がある。このため、ディーゼルエンジンの排気管の途中に、PMを捕集するためのセラミックハニカムフィルタ(以下セラミックハニカムフィルタを略して「ハニカムフィルタ」という)を装着することが従来から行われている。図5は、排気ガス中のPMを捕集、浄化する、従来のハニカムフィルタの一例を示し、(a)は正面模式図、(b)は側断面模式図である。図5(a)、(b)において、ハニカムフィルタ50は、多孔質セラミックハニカム構造体からなり、外周壁1と、この外周壁1の内側に各々直交する隔壁2で仕切られた多数の流出側封止流路3と流入側封止流路4が、排気ガス流入側端面8と排気ガス流出側端面9にて交互に上流側封止部6aと下流側封止部6cとで封止されている。また、ハニカムフィルタの外周壁1は、金属メッシュあるいはセラミックス製のマットなどで形成された把持部材(図示せず)で使用中に動かないように把持され、金属製収納容器(図示せず)内に配置されている。
【0003】
図5に示すハニカムフィルタ50において、排気ガスの浄化は以下の通り行われる。排気ガス(点線矢印で示す)は、排気ガス流入側端面8に開口している流出側封止流路3から流入する。そして排気ガス中に含まれるPMは、隔壁2を通過する際に捕集され、浄化された排気ガスは、排気ガス流出側端面9に開口している流入側封止流路4から流出、大気中に放出される。一方、隔壁2に捕集されたPMが多くなると、隔壁が目詰まりし、排気ガスがハニカムフィルタを通過する際の圧力損失が増加するので、圧力損失が増加する前にPMを燃焼除去してハニカムフィルタを再生する必要がある。しかし、通常のディーゼルエンジンの運転状態では、PMが燃焼するほどの高い排気ガス温度が得られることが少ないため、例えば高比表面積材料であるアルミナに白金族金属や酸化セリウムなどの希土類酸化物を担持した酸化触媒を一体的に担持させた触媒担持型のハニカムフィルタの実用化が進められている。このような触媒担持型のハニカムフィルタを採用すれば、捕集されたPMの燃焼反応が触媒により促進されて、PMを燃焼、除去することが可能となる。
【0004】
ハニカムフィルタは、PMの捕集効率が高いことと、圧力損失が小さいことが要求されるが、この両方を同時に満足することは容易ではない。ハニカムフィルタの圧力損失は、以下の4つの損失の合計、すなわち、排気ガスが排気ガス流入側端面8から流入する際の入口損失、排気ガスが隔壁2を通過する際の隔壁損失、排気ガスが流路3、4を流れる際の隔壁との摩擦による流路損失、そして、排気ガスが排気ガス流出側端面9から流出する際の出口損失の合計であると考えられている。中でも上記隔壁損失がフィルタ全体の圧力損失の大部分を占めていると考えられているため、圧力損失を低減するためには、隔壁の細孔径と気孔率が大きいことが望ましいが、隔壁の細孔径と気孔率を大きくすることは、PMの捕集効率の低下につながる。したがって、古くから、隔壁の平均細孔径や気孔率の最適値を求める努力が行われてきたが、現在では既に更なる改良の余地はほとんどない状況になっている。
【0005】
一方、ハニカムフィルタの構造、特に隔壁の構造に着目したハニカムフィルタも古くから検討されており、例えば特許文献1には、隔壁に吹抜孔を設けたり、封止部を有しない流路を設けることで、圧力損失を低減したハニカムフィルタが記載されている。しかしながら、このような構造のハニカムフィルタでは、PMの捕集効率は低減する。また、特許文献2には、ハニカムフィルタの排気ガス流入側端面で開口した流路の総開口面積を、排気ガス流出側端面で開口した流路の総開口面積よりも大きくしたハニカムフィルタが記載されている。しかしながら、このような構造のハニカムフィルタでは、排気ガス流出側端面で開口した流路の総開口面積が、図5に示すハニカムフィルタよりも小さくなり、出口損失が大きくなる。さらに、特許文献3には、排気ガス流入側端面で開口した流路の横断面形状を六角形とし、この流路を構成する6面の隔壁を介して、横断面形状を三角形とした排気ガス流出側端面が開口した流路が接する構造のハニカムフィルタが開示されている。このハニカムフィルタは、排気ガス流入側端面で開口した流路の開口面積を大きくし、排気ガス流入側端面での開口率(流路の総開口面積/ハニカムフィルタの端面面積)を60〜70%とすることで、圧力損失を小さくできるとしている。
【0006】
【特許文献1】特公平1−27767号公報
【特許文献2】特公平3−49608号公報
【特許文献3】特開平5−68828号公報
【特許文献4】特開2004−251266号公報
【特許文献5】特公平3−68210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献3に記載のハニカムフィルタは、現在一般的に使用されている図5に示す流路の横断面形状が四角形であるハニカムフィルタに比べて隔壁の総面積が小さく、したがって排気ガスが隔壁を通過する際の隔壁損失が大きくなると考えられるが、排気ガス流入側端面での開口率を大きくし、入口損失を小さくすることで、ハニカムフィルタの圧力損失を低減できることを見出した点で画期的なものである。しかしながら、特許文献3に記載のハニカムフィルタは以下の問題点がある。
【0008】
特許文献3に記載のハニカムフィルタは、排気ガス流入側端面で開口した流路の断面積を大きくした影響で、流路の両端を交互に目封止し、千鳥模様状に封止部を設けた図5に示すハニカムフィルタと比較して、排気ガス流出側端面において開口した流路の断面積が小さく開口率が小さいため、この断面積の大きさによっては出口損失が大きくなり、ハニカムフィルタの圧力損失が大きくなる虞がある。また、流出側端面が開口した流路の断面積が小さいため、この流路を排気ガスが流れる際の流路損失も大きくなり、ハニカムフィルタの圧力損失が大きくなる虞がある。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、排気ガス流出側端面での開口率を小さくすることなく排気ガス流入側端面での開口率を大きくすることで、圧力損失を低減したハニカムフィルタを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のハニカムフィルタは、セラミックハニカム構造体の所望の流路を封止部で目封止したハニカムフィルタであって、排気ガス流入側端面で開口して排気ガス流出側を目封止した流出側封止流路と、排気ガス流出側端面で開口して排気ガス流入側を目封止した流入側封止流路と、両端を開口し、かつ、前記流出側封止流路の封止部および前記流入側封止流路の封止部から流路方向に離れた中間部を目封止した中間封止流路を備え、前記流出側封止流路の数(A)と前記流入側封止流路の数(B)と前記中間封止流路の数(C)及びその合計(N)との関係が、A/N≦1/2、かつ、B≦C≦Aであり、前記流出側封止流路は該流路を構成する隔壁の少なくとも1面を介して前記流入側封止流路に接することを特徴とする。
【0011】
また本発明のハニカムフィルタは、前記流出側封止流路は、該流路を構成する隔壁の面を介して前記流入側封止流路と前記中間封止流路とにのみ接することが好ましい。
【0012】
また本発明のハニカムフィルタは、前記流路の横断面形状が略四角形であることが好ましい。
【0013】
また本発明のハニカムフィルタは、前記ハニカムフィルタの横断面における隔壁が延伸する2方向に、前記流出側封止流路と、前記流入側封止流路と、前記中間封止流路とをこの順番で配置していることが好ましい。
【0014】
また本発明のハニカムフィルタは、前記中間封止流路における封止部の前端面と前記流入側封止流路における封止部の後端面との流路方向の距離が、前記流入側封止流路における封止部の後端面から前記流出側封止流路における封止部の前端面までの流路方向の距離の35〜60%であることが好ましい。
【0015】
また本発明のハニカムフィルタは、前記流入側封止流路における封止部の前端面を、実質的に前記セラミックハニカム構造体の排気ガス流入側端面から離れて配置していることが好ましい。
【0016】
また本発明のハニカムフィルタは、前記隔壁に触媒を担持していることが好ましい。
【0017】
(本発明の作用効果)
本発明の作用と効果を、図を用いて説明する。図1は、本発明のハニカムフィルタの1例の構造を示す模式図である。図1において、ハニカムフィルタ10は、排気ガス流入側端面8で開口して排気ガス流出側を目封止した流出側封止流路3と、排気ガス流出側端面9で開口して排気ガス流入側を目封止した流入側封止流路4と、流路の両端を開口し、かつ、流出側封止流路3の封止部6cおよび流入側封止流路4の封止部6aから流路方向に離れた中間部を目封止した中間封止流路5を備えている。また、流出側封止流路3、流入側封止流路4、および中間封止流路5は各流路に封止部を1ヶのみ備えている。そして、流出側封止流路3の数(A)と流入側封止流路4の数(B)と中間封止流路5の数(C)との合計(N:N=A+B+C)に対する流出側封止流路3の数(A)の割合(A/N)を1/2としている。なお、流出側封止流路3、流入側封止流路4、および、中間封止流路5の詳細な定義については後述する。本発明のハニカムフィルタは、A/N≦1/2とすることで、排気ガスがハニカムフィルタ10から流出する際の出口損失を、図5に示す両端を千鳥模様状に封止部を有するハニカムフィルタ50と同等以下とすることができる。上記のA/Nの値が1/2より小さくなるほど出口損失を低減することができる。A/Nの値が1/2より大きくなると、両端を千鳥模様状に封止部を有するハニカムフィルタより出口損失が増大し、その結果ハニカムフィルタの圧力損失が大きくなる。
【0018】
また本発明では、流出側封止流路の数(A)と流入側封止流路の数(B)と中間封止流路の数(C)及びその合計(N)との関係を、A/N≦1/2、かつ、B≦C≦Aとしている。したがって流入側封止流路の数(B)は1/2×Nより小さくなり、ハニカムフィルタの流入側の開口面積が大きくなることで、排気ガスがハニカムフィルタに流入する際の入口損失が低減し、ハニカムフィルタの圧力損失が小さくなる。さらにB≦Cとすることにより、すなわち、流入側封止流路4の数(B)が少ないほど、ハニカムフィルタの流入側の開口面積が大きくなり、ハニカムフィルタの圧力損失が小さくなる。例えば、図1に示すハニカムフィルタ10では、A/N=1/2とし、流入側封止流路4の数(B)と中間封止流路5の数(C)との合計は1/2×Nとなり、B=1/6×N、C=1/3×Nとしている。一方、中間封止流路5の数(C)を多くして、流出側封止流路3の数(A)より多くなると、排気ガスが有効に通過する隔壁2、詳しくは隔壁2bの総面積が減少し、隔壁損失が増加するため、ハニカムフィルタの圧力損失が大きくなる。よって、C≦Aとする必要がある。
【0019】
上記の本発明の構成、すなわち流出側封止流路の数(A)と流入側封止流路の数(B)と中間封止流路の数(C)及びその合計(N)との関係を、A/N≦1/2、かつ、B≦C≦Aとした構成は、たとえば特許文献4の図10に記されたハニカムフィルタや、特許文献5の図12に記されたハニカムフィルタと類似するものである。しかしながら本発明は以下の点で特許文献4の図10および特許文献5の図12に記されたハニカムフィルタと異なる。
【0020】
すなわち、B≦Cの関係が成立しながらも、極端に流入側封止流路4の数(B)を減少させて、中間封止流路5の数(C)を増加させた場合や、流路を構成する隔壁の面を介して中間封止流路5のみと接する流出側封止流路3が多数存在する場合には、排気ガスが有効に通過する隔壁2、詳しくは隔壁2aの総面積が減少し、隔壁損失が増加するが、本発明では、流出側封止流路3は該流路を構成する隔壁2の少なくとも1面を介して流入側封止流路4と接する構成としており、これにより流入側封止流路4の数(B)の最小値は制限され、したがって、中間封止流路5の数(C)の最大値が制限されるので、ハニカムフィルタの圧力損失を小さくすることができる。ここで、流出側封止流路3が該流路を構成する隔壁2の少なくとも1面を介して流入側封止流路4と接するとは、例えば図7(a)において、流出側封止流路3に対して流入側封止流路4がDとして示す流路の少なくとも1つに存在することを意味し、隔壁2の交点10を介して接するEが流入側封止流路4である場合を含まない。同様に例えば流路の横断面形状が円の場合には、図7(b)に示すように、流出側封止流路3に対して流入側封止流路4がDとして示す流路の少なくとも1つに存在することを意味し、Eが流入側封止流路4である場合を含まない。
【0021】
ここで、流出側封止流路3、流入側封止流路4、中間封止流路5と各流路の封止部(6c、6a、6b)の詳細な定義について説明する。各流路の封止部(6c、6a、6b)の流路方向の位置が、排気ガス流入側端面8近傍、排気ガス流出側端面9近傍、および中間部とに明確に3つのグループに分離されている場合、例えば図1に示すハニカムフィルタ10の場合には、排気ガス流入側端面8に接する封止部6aが存在する流路が流入側封止流路4であり、排気ガス流出側端面9に接する封止部6cが存在する流路が流出側封止流路3であることが明確に判断できるが、場合によっては、流出側封止流路3、流入側封止流路4、および、中間封止流路5が明確に区別できないことも考えられる。よって、本発明において、各流路が明確に区別できない場合には各流路(3、4、5)および封止部(6c、6a、6b)の定義を以下のようにする。まず、流出側封止流路3の封止部6cとは、流出側封止流路3、流入側封止流路4、および中間封止流路5のNヶの各封止部6c、6a、6bのうち、図8に示す封止部の前端面(6af、6bf、6cf)の流路方向の位置が、排気ガス流出側端面9に近い順にN/3番目にある封止部の前端面の流路方向の位置をPとし、各封止部の後端面(6ar、6br、6cr)の流路方向の位置が前記Pの位置よりも排気ガス流出側端面9に近い方に存在する封止部とする。次に、中間封止流路5の封止部6bとは、残りの封止部6a、6bがMヶ存在するとし、この封止部6a、6bのうち、封止部の前端面(6af、6bf)の流路方向の位置が、排気ガス流出側端面9に近い順にM/2番目にある封止部の前端面の流路方向の位置をQとし、各封止部の後端面(6ar、6br)の流路方向の位置が前記Qの位置よりも排気ガス流出側端面9に近い方に存在する封止部とする。そして、残りの封止部を上流側封止流路4の封止部6aとする。例えば図8の模式図に示すハニカムフィルタ80において、流出側封止流路3、流入側封止流路4、および中間封止流路5のN=12ヶの各封止部6c、6a、6bのうち、前端面(6cf、6af、6bf)の流路方向の位置が、排気ガス流出側端面9に近い順に4番目(N=12よりN/3=4番目)にある封止部6cxの前端面の流路方向の位置をPとし、各封止部の後端面(6cr、6ar、6br)の流路方向の位置が前記Pの位置よりも排気ガス流出側端面9に近い方に存在する封止部を流出側封止流路3の封止部6cとする。残りの封止部6a、6bがM=6ヶ存在し、この封止部6a、6bのうち、前端面(6af、6bf)の流路方向の位置が、排気ガス流出側端面9に近い順に3番目(M=6よりM/2=3番目)にある封止部6bxの前端面の流路方向の位置をQとし、各封止部の後端面(6ar、6br)の流路方向の位置が前記Qの位置よりも排気ガス流出側端面9に近い方に存在する封止部を中間封止流路5の封止部6bとする。そして、残りの封止部を上流側封止流路4の封止部6aとする。なお、N/3およびM/2の値が整数でないときは、小数点以下1位を四捨五入するものとする。また、封止部の前端面が平面でない場合は、前記前端面の最も流出側端面9に近い部分を前端面の流路方向の位置とし、同様に封止部の後端面が平面でない場合は、前記後端面の最も排気ガス流入側端面8に近い部分を後端面の流路方向の位置とする。
【0022】
本発明のハニカムフィルタは、図1に示すハニカムフィルタ10のように、流出側封止流路3は該流路を構成する隔壁2の面を介して流入側封止流路4と中間封止流路5とにのみ接していることが好ましい。すなわち、流出側封止流路3は該流路を構成する隔壁2の面を介して流出側封止流路3同士で接していないことが好ましい。これにより、図6(b)に示すように隔壁2を介して流出側封止流路3同士で接した場合の、該隔壁を排気ガスは実質的に通過しないことによる隔壁損失の増加を防ぎ、ハニカムフィルタの圧力損失をより小さくする。なお、本発明では、完全に全ての流出側封止流路3に対して、上記構成を要求するものではない。すなわち、意図的に或いは不可抗力により、一部の流出側封止流路3に対して、該流路を構成する隔壁2の全ての面を介して流入側封止流路4と接していないものが存在しても良く、また、一部の流出側封止流路3に対して、該流路を構成する隔壁2の少なくとも1面を介して他の流出側封止流路3と接するものが存在しても良く、少なくとも流出側封止流路3の80%の流出側封止流路に対して、該流路を構成する隔壁2の少なくとも1面を介して流入側封止流路4と接する、または、隔壁2の面を介して流入側封止流路4と中間封止流路5とにのみ接する構成が成立すればよい。
【0023】
また、図1に示すハニカムフィルタ10のように、流路(流出側封止流路3、流入側封止流路4、中間封止流路5)の横断面形状が略四角形であることが好ましい。流路の横断面形状を略四角形とすることで、ハニカムフィルタの押出し成形時に使用する口金の制作を容易にし、製造コストの低減に貢献する。ここで、略四角形とは、正方形、長方形の他、台形、平行四辺形などを含み、流路垂直方向断面において、一つの流路の周りに4つの隔壁交点10が存在するものをいう。
【0024】
また本発明のハニカムフィルタは、流路を構成する隔壁2の気孔率は55〜75%で、平均細孔径は10〜40μmとすることが好ましい。隔壁2の気孔率が55%未満、または、平均細孔径が10μm未満の場合は、ハニカムフィルタの排気ガス流入側端面8の開口率を大きくして入口損失が低下しても、排気ガスが隔壁を通過する際の隔壁損失が増加して、ハニカムフィルタの圧力損失が大きくなる虞がある。また、隔壁の気孔率が75%より大きい場合、または、平均細孔径が40μmより大きい場合は、PMの捕集率が低下したり、ハニカムフィルタの強度が弱く、使用中に破損する虞がある。
【0025】
図2は、本発明のハニカムフィルタの別の1例の構造を示す図である。図2に示すハニカムフィルタ20では、流出側封止流路の数(A)と流入側封止流路の数(B)と中間封止流路の数(C)及びその合計(N)との関係を、A/N≦1/2、かつ、B≦C≦Aとなるように、A/N=1/2、C=1/4×N、B=1/4×Nとしている。そして、流出側封止流路3は該流路を構成する4面の前記隔壁2のうち、2面を介して流入側封止流路4と接すると共に、他の2面の隔壁2を介して中間封止流路5で接している。この構造とすることにより、図2に示すハニカムフィルタ20は、図5に示すような両端を千鳥模様状に封止部を有するハニカムフィルタと比較して、圧力損失を低減することができる。
【0026】
図3は、本発明のハニカムフィルタの別の1例の構造を示す図である。図3に示すハニカムフィルタ30では、流出側封止流路の数(A)と流入側封止流路の数(B)と中間封止流路の数(C)及びその合計(N)との関係を、A/N≦1/2、かつ、B≦C≦Aとなるように、A/N=1/3、C=1/3×N、B=1/3×Nとしている。そして、流出側封止流路3は該流路を構成する4面の隔壁2のうち、2面を介して流入側封止流路4と接すると共に、他の2面の隔壁2を介して中間封止流路5で接している。さらに、図3に示すハニカムフィルタ30においては、図3(a)に示すように、ハニカムフィルタ30の横断面における隔壁2が延伸する2方向、すなわち図の紙面上の上下、左右方向に、流出側封止流路3と、流入側封止流路4と、中間封止流路5とをこの順番で配置している。この構成とすることにより、図3に示すハニカムフィルタ30は、図5に示すような両端を千鳥模様状に封止部を有するハニカムフィルタと比較して、圧力損失を低減することができる。
【0027】
また本発明において、中間封止流路5における封止部6bの前端面6bfと流入側封止流路4における封止部6aの後端面6arとの流路方向の距離Xが、流入側封止流路4における封止部6aの後端面6arから流出側封止流路3における封止部6cの前端面6cfまでの流路方向の距離Lの35〜60%であることが好ましいのは、以下の理由による。例えば図2に示すハニカムフィルタ20において、中間封止流路5における封止部6bの前端面6bfと流入側封止流路4における封止部6aの後端面6arとの流路方向の距離Xが大きいほど、中間封止流路5aに流入した排気ガスが、隣接する流出側封止流路3へ通過するために機能する隔壁2aの面積が増大し、隔壁損失が減少する。また反対に、中間封止流路5における封止部6bの前端面6bfと流入側封止流路4における封止部6aの後端面6arとの流路方向の距離Xが短くなるほど、流出側封止流路3から中間封止流路5の封止部6bより下流側の流路5bへ通過するために機能する隔壁2bの面積が増大し、隔壁損失が減少する。したがって、中間封止流路5における封止部6bの前端面6bfと流入側封止流路4における封止部6aの後端面6arとの流路方向の距離Xを、流入側封止流路4における封止部6aの後端面6arから流出側封止流路4における封止部6cの前端面6cfまでの流路方向の距離Lの35〜60%とすることが、圧力損失をより低減したハニカムフィルタを得るために好適である。なお本発明では、上記距離Xは、中間封止流路5における封止部6bの前端面6bfのうち排気ガス流出側端面9から最も離れているものと、流入側封止流路4における封止部6aの後端面6arのうち排気ガス流出側端面9に最も近いものとの流路方向距離とし、上記距離Lは流入側封止流路4における封止部6aの後端面6arのうち排気ガス流出側端面9に最も近いものと、流出側封止流路4における封止部6cの前端面6cfのうち排気ガス流出側端面9から最も離れているものとの流路方向距離と定義する。
【0028】
また、封止部6a〜6cの流路方向長さは、3〜40mmが好ましい。封止部の流路方向長さは、小さいほど排気ガスが有効に通過する隔壁面積が増大するため隔壁損失が小さくなり、圧力損失の低下に寄与する。一方、封止部の流路方向長さは、大きいほど封止部の強度の増加、及び、封止部と隔壁との接合強度の増加に寄与する。封止部の流路方向長さのより好ましい範囲は、5〜30mmである。また、隔壁のピッチは大きいほどハニカムフィルタの両端面での開口率が向上し、隔壁のピッチが小さいほど排気ガスが有効に通過する隔壁面積が増大し、隔壁に触媒を担持する場合は排気ガスと触媒との接触確率が向上するので、隔壁のピッチは0.5mm以上2.5mm未満とすることが好ましい。また、隔壁の厚さは厚いほどハニカムフィルタの強度が向上し、薄いほどハニカムフィルタの両端面での開口率が向上するので、隔壁の厚さは0.1〜0.4mmとすることが好ましい。
【0029】
また本発明において、流入側封止流路4における封止部6aの前端面6afを、実質的に前記セラミックハニカム構造体の排気ガス流入側端面8から離れて配置することが好ましいのは、以下の理由による。流入側封止流路4の封止部6aの前端面6afが、ハニカムフィルタの排気ガス流入側端面8と同一面に存在する場合や排気ガス流入側端面8より突出している場合は、PMが封止部6aの前端面6afに堆積、成長し、このPMの堆積物が流出側封止流路3と中間封止流路5の開口部を封鎖する虞がある。このPMを除去するために、ハニカムフィルタの上流側に酸化触媒(以下前置酸化触媒と略す)を設置して、更にその上流側より排気ガス中へ燃料を添加することで、燃料を酸化触媒中で酸化させ排気ガスの温度をPMの燃焼温度まで上げることで、堆積したPMを燃焼除去する技術が知られているが、車両上の狭いスペース上に更に前置酸化触媒を設置するスペースを確保することは困難である場合が多い。本発明では、図4に示すように、流入側封止流路4の封止部6aの前端面6afを排気ガス流入側端面8から離れて配置することで、該封止部の前端面6afにPMが堆積しても、流路の内部に堆積するため、PMの堆積物が流出側封止流路3と中間封止流路5の開口部を封鎖する虞が減少し、更に、流入側封止流路4の封止部5aより上流側の隔壁2に酸化触媒を担持し、該隔壁を上記の前置酸化触媒と同機能を持たせることで、上記PMの堆積物を燃焼除去することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明により、排気ガス流出側端面での開口率を小さくすることなく排気ガス流入側端面での開口率を大きくすることで、圧力損失を低減したハニカムフィルタを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例1にあたり、図1に示すハニカムフィルタ10を製造した。このハニカムフィルタ10は、コーディエライト質セラミックからなり、外径267mm、長さ320mm、隔壁厚さ0.3mm、隔壁ピッチ1.5mmである。また、流出側封止流路3の数(A)と流入側封止流路4の数(B)と中間封止流路5の数(C)との合計(N:N=A+B+C)に対する流出側封止流路3の数(A)の割合(A/N)を1/2とし、B≦C≦AとなるようにB=1/6×N、C=1/3×Nとなるように、各流路を図1(a)に示すパターンで配置した。具体的には本実施例1のハニカムフィルタ10の流出側封止流路3の数(A)は12000ヶ、流入側封止流路4の数(B)は4000ヶ、中間封止流路5の数(C)は8000ヶとなった。さらに、流出側封止流路3はこの流路を構成する隔壁2の面を介して流入側封止流路4と中間封止流路5とにのみ接している。このハニカムフィルタ10は、まず公知の方法でセラミックハニカム構造体の一端を市松模様状に目封止し、これをハニカムフィルタ10の流出側封止流路3の封止部6cとし、他端を図1に示す中間封止流路5の封止部6bとなる位置を目封止し、長さ170mmのハニカムフィルタを製造し、次に別の長さ150mmのセラミックハニカム構造体を準備し、このセラミックハニカム構造体の一端を図1に示す流入側封止流路4の封止部6aとなる位置を目封止したハニカムフィルタを製造し、先に製造したハニカムフィルタと接着剤により接合一体化することで、ハニカムフィルタ10を製造した。なお、封止部6a、6b、6cの流路方向長さは何れも10mmとしている。したがって、中間封止流路5における封止部6bの前端面6bfと流入側封止流路4における封止部6aの後端面6arとの流路方向の距離Xは、流入側封止流路4における封止部6aの後端面6arから流出側封止流路3における封止部6cの前端面6cfまでの流路方向の距離Lの46.7%である。上記のようにして得たハニカムフィルタ20へ空気を15Nm/minの流量で通過させ、このときのハニカムフィルタの上流側と下流側との差圧を測定し、圧力損失を求めた。
【0032】
(実施例2)
本実施例2は、実施例1の流出側封止流路3と流入側封止流路4と中間封止流路5の配置のみを変更して、図3に示す配置とした以外は、実施例1と同様としたものである。すなわち本実施例2のハニカムフィルタ30は、流出側封止流路の数(A)と流入側封止流路の数(B)と中間封止流路の数(C)及びその合計(N)との関係を、A/N≦1/2、かつ、B≦C≦Aとなるように、A/N=1/3、C=1/3×N、B=1/3×Nとなるように、具体的には本実施例2のハニカムフィルタ30の流出側封止流路3の数(A)は8000ヶ、流入側封止流路4の数(B)は8000ヶ、中間封止流路5の数(C)は8000ヶとなった。そして、流出側封止流路3は該流路を構成する4面の隔壁2のうち、2面を介して流入側封止流路4と接すると共に、他の2面の隔壁2を介して中間封止流路5で接している。さらに、ハニカムフィルタ30の横断面における隔壁2が延伸する2方向に、流出側封止流路3と、流入側封止流路4と、中間封止流路5とをこの順番で配置している。図3に示す本実施例2のハニカムフィルタ30の圧力損失を実施例1と同様に求めた。
【0033】
(比較例1)
本比較例1にあたり、図5に示すハニカムフィルタ50を製造した。このハニカムフィルタ50は、図5に示すように、ハニカムフィルタ50の両端に千鳥模様状に封止部を有し中間封止流路が存在しない、すなわち、流入側封止流路と流出側封止流路を交互に配置していること以外は、実施例1と同様のものであり、その全長は320mmである。図5に示す本比較例1のハニカムフィルタ50の圧力損失を実施例1と同様に求めた。
【0034】
実施例1〜2にて測定したハニカムフィルタの圧力損失の値と、比較例1にて測定したハニカムフィルタの圧力損失の値を、表1に示す。表1にて、圧力損失の値は、比較例1のハニカムフィルタ50の圧力損失の値を100として示している。表1より、本発明のハニカムフィルタの圧力損失は、両端に千鳥模様状に封止部を有するハニカムフィルタと比較して排気ガス流出側端面での開口率を同等以上とすることで、圧力損失を低減できることがわかる。
【0035】
(比較例2)
本比較例2は、実施例1における中間封止流路5の一部を流出側封止流路3と置換して図6に示す配置とした以外は、実施例1と同様としたものである。具体的には本比較例2のハニカムフィルタ60の流出側封止流路3の数(A)は16000ヶ、流入側封止流路4の数(B)は4000ヶ、中間封止流路5の数(C)は4000ヶとなった。図6に示す本比較例2のハニカムフィルタ60の圧力損失を実施例1と同様に求め、その値を表1に示す。本比較例2におけるハニカムフィルタ60は、流路を上記配置とすることで、流出側封止流路3と流入側封止流路4と中間封止流路5との総数(N)と流出側封止流路3の数(A)との関係がA/N>1/2となり、また、流出側封止流路3を構成する4面の隔壁2を介して流入側封止流路4に隣接しない流出側封止流路3が存在することにより、比較例1の両端に千鳥模様状に封止部を有するハニカムフィルタと比較して、ハニカムフィルタの圧力損失が悪化することがわかる。
【0036】
(比較例3)
本比較例3は、実施例1のハニカムフィルタ10の上流側と下流側を逆にして、すなわち下流側端面9より排気ガスを流入したものである。実施例1と同様にハニカムフィルタの圧力損失を測定した結果を表1に示す。本比較例3では、流出側封止流路3の数(A=4000ヶ)と流入側封止流路4の数(B=8000ヶ)と中間封止流路5の数(C=12000ヶ)との関係が、B>C>Aとなり、圧力損失の値が比較例1のハニカムフィルタよりさらに悪化した。
【0037】
【表1】

【0038】
(実施例3〜7)
本実施例3〜7は、実施例1における中間封止流路5の封止部6bの位置を流路方向に移動させ、図2に示す距離X/Lを変化させた以外は実施例1と同様としたものである。ただし、実施例6と7のみは、中間封止流路5の封止部6bの流路方向長さを、それぞれ30mm、40mmとした。実施例1と同様に圧力損失を測定した結果を表2に示す。表2にて、圧力損失の値は、比較例1のハニカムフィルタ50の圧力損失の値を100として示している。表2より、X/Lの値が35〜65の範囲にあるとき、圧力損失が比較例1に示す両端に千鳥模様状に封止部を設けたハニカムフィルタの圧力損失に比較して9割以下と小さくなり、本発明の効果が大きくなることが分かる。
【0039】
【表2】

【0040】
(実施例8〜9)
本実施例8に使用するハニカムフィルタは、上記実施例2における図3に示す排気ガス流入側端面8に、両端に封止部を有しない長さが50mmのハニカム構造体を接合一体化して、図4に示すように上流側封止流路4の封止部6aの前端面6afが排気ガス流入側端面8より離れて配置されたものである。この図4に示すハニカムフィルタ50の圧力損失を実施例1と同様に測定すると、圧力損失の値は実施例2における図3に示すハニカムフィルタ30と略同じであった。次に、本実施例8のハニカムフィルタ40の排気ガス流入側端面8側より微粒子発生器により空気流量10Nm/minで、粒径0.042μmのカーボン粉を3g/hで2時間投入した。その後再度圧力損失を測定した。また、実施例9として、実施例2における図3に示すハニカムフィルタ30に対して、上記と同様に排気ガス流入側端面8側より微粒子発生器により空気流量10Nm/minで、粒径0.042μmのカーボン粉を3g/hで2時間投入した後に、圧力損失を測定した。カーボン粉を投入した後の圧力損失の値を表3に示す。表3において、圧力損失の値は、実施例9の圧力損失の値を100として示している。実施例8では、流入側端面8にカーボン粉が堆積しても、流出側封止流路3と中間封止流路5の開口部を封鎖するように成長しにくいために、カーボン粉を投入した後でも圧力損失が大きくなりにくいことが分かる。
【0041】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明のハニカムフィルタの1例を示した模式図である。
【図2】本発明のハニカムフィルタの別の1例を示した模式図である。
【図3】本発明のハニカムフィルタの別の1例を示した模式図である。
【図4】本発明のハニカムフィルタの別の1例を示した模式図である。
【図5】従来のハニカムフィルタを示した模式図である。
【図6】比較例2で使用したハニカムフィルタの流路の配置を示した模式図である。
【図7】本発明の流路の位置関係の例を説明する図である。
【図8】本発明の流路と封止部の定義を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0043】
1:外周壁
2、2a、2b:隔壁
3:流出側封止流路
4:流入側封止流路
5、5a、5b:中間封止流路
6a、6b、6c:封止部
8:排気ガス流入側端面
9:排気ガス流出側端面
10:隔壁の交点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックハニカム構造体の所望の流路を封止部で目封止したハニカムフィルタであって、排気ガス流入側端面で開口して排気ガス流出側を目封止した流出側封止流路と、排気ガス流出側端面で開口して排気ガス流入側を目封止した流入側封止流路と、両端を開口し、かつ、前記流出側封止流路の封止部および前記流入側封止流路の封止部から流路方向に離れた中間部を目封止した中間封止流路を備え、前記流出側封止流路の数(A)と前記流入側封止流路の数(B)と前記中間封止流路の数(C)及びその合計(N)との関係が、A/N≦1/2、かつ、B≦C≦Aであり、前記流出側封止流路は該流路を構成する隔壁の少なくとも1面を介して前記流入側封止流路に接することを特徴とするハニカムフィルタ。
【請求項2】
前記流出側封止流路は、該流路を構成する隔壁の面を介して前記流入側封止流路と前記中間封止流路とにのみ接することを特徴とする請求項1に記載のハニカムフィルタ。
【請求項3】
前記流路の横断面形状が略四角形であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【請求項4】
前記ハニカムフィルタの横断面における隔壁が延伸する2方向に、前記流出側封止流路と、前記流入側封止流路と、前記中間封止流路とをこの順番で配置していることを特徴とする請求項3に記載のハニカムフィルタ。
【請求項5】
前記中間封止流路における封止部の前端面と前記流入側封止流路における封止部の後端面との流路方向の距離が、前記流入側封止流路における封止部の後端面から前記流出側封止流路における封止部の前端面までの流路方向の距離の35〜60%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【請求項6】
前記流入側封止流路における封止部の前端面を、実質的に前記セラミックハニカム構造体の排気ガス流入側端面から離れて配置していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【請求項7】
前記隔壁に触媒を担持していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のハニカムフィルタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−222858(P2007−222858A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67078(P2006−67078)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【Fターム(参考)】