説明

セルロース繊維を包含する水流絡合(hydroentangled)製品

本発明は、(a)水溶性の第3級アミンオキシドに溶解されたセルロースを包含する溶液を、紡糸口金を介して空隙に押出することによって、フィラメントを形成する工程、(b)気流を用いて上記フィラメントを引き伸ばす工程、(c)上記フィラメントを回収し、かつ沈殿させてウェッブを形成する工程、(d)水流絡合過程を用いて上記ウェッブを結合する工程、(e)上記空隙において上記フィラメントを少なくとも部分的に凝集させる媒介物と、上記フィラメントを接触する工程を包含する、セルロース繊維を包含する水流絡合製品の製造方法に関する。さらに、本発明は、上記製品によって得られる製品、およびこれらの利用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、セルロース樹脂を包含する水流絡合セルロース製品、その製造方法、およびこれらの利用に関する。
【0002】
いわゆる“溶融吹込成形(melt−blowing)”過程によって、種々の合成重合体から不織布を製造することが知られている。
【0003】
とりわけ国際公開第98/26122号パンフレット、国際公開第99/47733号パンフレット、米国特許第6,197,230号明細書、国際公開第99/64649号パンフレット、国際公開第05/106085号パンフレット、および欧州特許第1 358 369号明細書から、N−メチル−モルホリン−N−オキシド(“NMMO”)におけるセルロース溶液を採用する溶融吹込成形過程によって作製される不織布を製造することが、さらに知られている。また、当該製品は、独国出願公開第10 140 772 A1号明細書および国際公開第2007/000319号パンフレットにおいて、一般に述べられている。
【0004】
上述の参考文献に開示されている溶融吹込成形過程は、NMMOにおけるセルロース溶液の押出した繊維が、フィラメントの進路に対して一般的に平行な方向に流れる気流によって取り出されることを特徴とする。流出口を通って吐き出されるセルロース溶液は、気流によって引き伸ばされる(または直径を有意に減少させ、かつ長さを有意に増大させ、かついくつかのサブフィラメントに分けられ得る)、より糸または潜在性のフィラメントに形成される。
【0005】
それから、フィラメントは、例えば回転式ドラムに付着して回収されて、これによってウェッブが形成される。
【0006】
この過程は、以下において“リヨセル溶融吹込成形過程(Lyocell melt−blowing process)”と呼ばれる。リヨセル溶融吹込成形過程によって作製された不織の溶融吹込成形ウェッブは、以下において“リヨセル溶融吹込成形ウェッブ”と呼ばれる。本発明において、“リヨセル溶融吹込成形過程”は、無限の長さのフィラメントが得られる過程(また、当該過程は、“スパンボンディング(spunbonding)過程”と文字通り呼ばれる)、不連続な長さの繊維が得られる過程の両方の過程、ならびに無限の長さのフィラメントおよび不連続な長さの繊維の混合物が得られる過程を包含する。
【0007】
これらと対照的に、国際公開第06/035458号パンフレットには、いわゆる“スパンレイド(spunlaid)不織布”の製造方法(すなわち、押出したフィラメントが、気流によって引き伸ばされるのではなく、沈殿液体の流れによって引き伸ばされる)について開示されている。
【0008】
不織布を結合する種々の方法が、現在では公知である。採用される不織布の性質に依存するこれらの方法は、化学結合、熱結合、ニードルボンディング(needle−bonding)および水流絡合による結合を包含する。
【0009】
水流絡合工程とリヨセル溶融吹込成形過程を組み合わせることによって、以下に示されるような、最終用途にふさわしい良好な特性を有し、種々の相乗効果の付加的な利点を有する結合されたウェッブを製造することができることが、現在、見出されている。
【0010】
従って、本発明の1つの局面は、
(a)水溶性の第3級アミンオキシドに溶解されたセルロースを包含する溶液を、紡糸口金を介して空隙に押出することによって、フィラメントを形成する工程
(b)気流を用いて上記フィラメントを引き伸ばす工程
(c)上記フィラメントを回収し、かつ沈殿させてウェッブを形成する工程
(d)水流絡合過程を用いて上記ウェッブを結合する工程
(e)上記空隙において上記フィラメントを少なくとも部分的に凝集させる媒介物と、上記フィラメントを接触する工程
を包含する、セルロース繊維を包含する水流絡合製品の製造方法に関する。
【0011】
これによって、本発明の方法は、リヨセル溶融吹込成形ウェッブを形成する工程、およびそれから、水流絡合過程を用いて上記ウェッブを結合する工程を組み合わせることを特徴とする。
【0012】
工程(e)は、部分的に凝集する媒体を用いて空隙におけるフィラメントを処理することによって工程(b)の過程に磨きをかける。蒸気霧を用いて空隙におけるフィラメントを処理することが、例えば、国際公開第99/64649号パンフレットから知られている。
【0013】
工程(e)を経て、フィラメントは、ウェッブを形成する前に少なくとも部分的に沈殿させられる。この処置が、ウェッブの形成後のみにおけるウェッブの凝集によって形成される製品の、より“紙様の(paper−like)”性質と比較して、よりやわらかく、かつ織物様の性質を、このようにして製造されたウェッブに対して与えることが示されている。
【0014】
さらに、ウェッブの形成前にフィラメントを少なくとも部分的に沈殿させることによって、ウェッブにおけるフィラメントが、フィラメントを沈殿させる前に形成される織物と同程度に、繋がりあわないと考えられる(セルロースのNMMOにおける糊状液から紡がれた非沈殿のフィラメントは、非常に粘着性がある)。これは、水流絡合工程(d)の効果を促進し、かつ増強する。これは、個々のフィラメントが織物内において自由に動くことができるべきである(すなわち、個々のフィラメントは、重なりにおいて融合されるべきではない)という、水流絡合工程に対して効果的に働く理由である。
【0015】
好ましくは、工程(e)において使用される媒介物は、蒸気霧、好ましくは水性霧であり得る。
【0016】
好ましい実施形態において、本発明に係る工程(d)は、未乾燥のウェッブに対して実施される。“未乾燥のウェッブ”を受けて、フィラメントを回収し、かつ沈殿させることによって形成されたあとに、まだ乾燥していないウェッブを理解する。
【0017】
この実施形態によって、製品に種々の相乗効果がもたらされる。前の過程において、(湿式手段によって形成される場合に)乾燥されなければならず、かつ乾燥状態において外部の水流絡合設備に供給されなければならない、繊維ウェッブが、まず形成された。
【0018】
製品の前乾燥なしで溶融吹込成形過程および水流絡合過程を組み合わせることによって、元のウェッブの乾燥にあらかじめ必要なエネルギー、および水(あらかじめ製品をふたたび湿らせる必要がある)が省かれ得る。
【0019】
さらにそのように知られる限り、リヨセル過程において、残りの溶媒は、水性洗浄液体によって洗浄されなければならない。従って、処理液としてほとんど水を採用する水流絡合工程は。あらゆる前洗浄工程に加えて、さらに有効な洗浄工程の役割を果たし得、これによってウェッブを洗浄するために他に必要とされる洗浄の量を減少させる。
【0020】
未乾燥のウェッブに対して水流絡合工程を実施する好ましい実施形態は、以下において“オンラインボンディング(Online−bonding)”と呼ばれる。
【0021】
本発明に係る方法は、
(f)上記ウェッブのエンボス加工、穿孔処理および標識からなる群から選択される処理によって上記ウェッブを処理する工程
をさらに包含し得る。
【0022】
ウェッブをエンボス加工すること、穿孔処理することまたは(例えば、着色した模様などを適用することによって)他の標識をすることの意味は、当業者にとってそのままで知られている。あらかじめすでに結合されている結合したウェッブに対して工程(f)を実施することができる。
【0023】
好ましい実施形態において、工程(f)は、工程(d)とともに実施される。例えば、水流絡合工程の間の水圧を変えることによって、(例えば、ウェッブの標識効果およびウェッブの異なる密集度を挟んで異なる部分における高圧の、定期的な変更によってまたは変更によって)エンボス加工した圧痕が達成され得る。
【0024】
本発明に係る方法の更なる実施形態は、
(g)水溶性の3級アミンオキシドに溶解されたセルロースを包含する溶液、これらの前駆物および/または上記ウェッブのいずれかに対してさらなる材料を混合する工程
を包含する。
【0025】
“前駆物”を受けて、リヨセル過程のあらゆる開始産物または中間産物(例えば、溶液の作製に使用されるセルロースパルプ、NMMO溶剤、溶液作製前の中間産物として使用されるパルプおよびNMMO溶媒など)が、意図される。
【0026】
上記更なる材料は、セルロース繊維およびパルプ(例えば、フラッフパルプ)といったセルロース系材料;非セルロース重合体、特に非セルロース重合体繊維、2成分繊維;染料、抗菌製品、イオン交換製品、活性炭、ナノ粒子、ローション、耐火製品および高吸収体、浸透剤、染料、表面処理剤、架橋剤、接合剤、結合剤といった改質物質、;ならびにこれらの混合物からなる群から好ましく選択され得る。
【0027】
“結合剤”を受けて、例えば熱硬化性によって、ウェッブをさらに結合することができる薬剤が、意図される。
【0028】
当業者は、上述の言及した材料が、リヨセル溶融吹込成形過程の工程において、かつ様式において、加えられえることを十分に認識している。
【0029】
特に、工程(g)は、工程(d)の前に実施され得る。従って、改質物質は、結合工程の前にウェッブまたはその前駆物に対して加えられる。ウェッブの結合の後に、材料は、材料がウェッブの結合の後に加えられる過程と比較して、ウェッブにおいてより密接に組み込まれる。
【0030】
また、上記さらなる材料は、工程(d)において採用される水流絡合液体に上記材料を溶解または分散させることによって、混合され得る。これは、例えば、改質材料が水流絡合液体に対して加えられ、かつ水流絡合を介した結合が起こると同時にウェッブに組み込まれることを意味している。
【0031】
本発明に係る方法のさらなる実施形態は、
(h)片側または両側における上記ウェッブに対してさらなる材料の層、特に繊維層、薄膜層またはウェッブ層を付着させる工程
を包含する。
【0032】
この実施形態を用いて、例えば、本発明に従って形成されるセルロースウェッブの1つの層、およびウェッブの片側または両側における1つ以上の付加的な層によって、複合材料を製造することができる。セルロースウェッブが任意に異なる2つの薄膜材料またはウェッブ材料の層の間に組み込まれる“サンドイッチ”構造が、可能である。
【0033】
上記層は、セルロース繊維およびパルプといったセルロース系材料;非セルロース重合体;ならびにこれらの組み合わせからなる群から本質的に選択され得る。
【0034】
複合製品または“サンドイッチ”製品の例としては、合成樹脂、セルロースフラッフパルプ、セルロースもしくは合成樹脂繊維の不織布、2成分樹脂、セルロースパルプ(例えば、エアレイドパルプ)のウェッブ、高いテナシティの繊維のウェッブまたは織物、疎水性材料、高性能樹脂(例えば、防弾材料、熱耐性材料または耐火材料、変化した機械的特性を与える層(例えば、ポリプロピレン層またはポリエステル層)、生分解性材料(例えば、ポリ酪酸由来の薄膜、繊維またはウェッブ)、および/または高い容積の材料(例えば、ポリアクリルニトリル)が挙げられる。
【0035】
さらに、例えば合成重合体材料の1つの層が、本発明に従って製造される2つ以上のセルロースウェッブの間に組み込まれている複合材料を製造することができる。例えば、強固であるが、生理学的に心地よさのない、例えば疎水性層が2つのセルロースウェッブの間に組み込まれているサンドイッチ構造が、製造され得る。さらなる例は、セルロース溶融吹込成形ウェッブの1つまたは2つの層を有するエアレイドパルプの層を包含するサンドイッチ製品である。
【0036】
他の代替物は、例えば、おむつまたはスポーツ用途に適した複合材料を包含し、ここで、製品の要求に応じて、親水性または疎水性の層のいずれかが皮膚に接触されるべきである。
【0037】
本発明の1つの実施形態において、例えばセルロースウェッブに対して1つ以上の層を付着させる、工程(h)は、工程(d)の前に実施される。
【0038】
特に、例えば重合体繊維材料の層とウェッブを接触し、かつそれから工程(d)における水流絡合固定によって複合材料を強化する溶融吹込成形リヨセルウェッブを製造することができる。
【0039】
また、リヨセル溶融吹込成形ウェッブを組み合わせることができる。
【0040】
いくつもの“サンドイッチ”構造を製造するために、NMMOにおけるセルロース溶液を押出するいくつもの押出先端を配置して、これによってセルロース溶融吹込成形ウェッブのいくつもの層を製造でき、かつ所望の順番にいくつもの層を接触させるように付加的な層(例えば、薄膜繊維層またはウェッブ層)の材料の供給源を好適に配置して、最終的に異なる層からなる所望の複合材料を有する“サンドイッチ”構造を得ることができる。
【0041】
同様に、付加的な層の当該付加的な供給源は、合成重合体繊維材料の溶融吹込成形製品またはスパンレイド製品を製造する押出先端である。
【0042】
例えば、ポリプロピレン不織布用の供給源は、ポリプロピレン不織布が未乾燥のリヨセル溶融吹込成形ウェッブに対して供給されるような様式において、リヨセル溶融吹込成形ウェッブの供給源と組み合わせられ得る。組み合わせたウェッブは、それから水流絡合され得る。
【0043】
このすべては、水流絡合工程(d)を介して“オンライン”をそのようにして得られた複合材料を強化するための好ましい選択肢を用いて、“オンライン”(すなわち、リヨセル溶融吹込成形過程の構成において)を達成され得る。
【0044】
不織布がさらなる層として使用される場合に、これらは、前結合され得るか、またはまだ結合され得ない。当該ウェッブがまだ結合されない場合に、ウェッブは水流絡合工程(d)を用いて結合され得る。
【0045】
さらに、不織布のウェス(waste)材料は、例えば国際公開第04/53216号パンフレットに提案されているように、例えば織物に織り込まれる不織布のウェス材料の条片を包含する当該織物を採用することによってか、または付加的な層として、溶融吹込成形リヨセルウェッブと組み合わせられ得る。
【0046】
セルロースウェッブに組み込まれている2成分繊維、および/またはそれらに付着した1つ以上の層の一部である2成分繊維の利用はそれぞれ、例えば、国際公開第03/56088号パンフレットから知られるような、前後方向(CD)に対する流れ方向(MD)の一定の割合を有する製品の製造を可能にする。
【0047】
セルロース繊維のウェッブに対する水流絡合処理を実施する方法は、当業者にとってそれ自体で公知である。
【0048】
例として、リヨセル溶融吹込成形ウェッブは、約20バールに作用する第1の先端、約100バールよりも高い側に作用する第2の先端および約100バールよりも低い側に作用する第3の先端である3つの圧力先端を有するスパンレースライン(spunlace line)を用いて結合され得る。ライン速度は、約40m/分であり得る。水流絡合工程、未乾燥のリヨセル溶融吹込成形における連続的な過程の全体に渡って実施される場合、スパンレースラインの製造速度は、ウェッブの供給率に従って調整され得る。
【0049】
工程(d)の後に、結合されたウェッブが、さらに洗浄され得、乾燥され得、かつ巻物状の品物に回収され得る。
【0050】
更なる局面において、本発明は、本発明の方法に従って入手可能な、セルロース繊維を包含する水流絡合した溶融吹込成形ウェッブに導かれる。
【0051】
セルロース繊維、特にリヨセル繊維を包含する水流絡合したウェッブは、これまでのところまだ提案されていない。当該ウェッブは、それらを考えられる最終用途に好適にする良好な特性を有する。
【0052】
典型的に、本発明に係る水流絡合した溶融吹込成形ウェッブは、10g/mから250g/m、好ましくは30g/mから150g/m、特に好ましくは50g/mから120g/mの質量を示し得る。
【0053】
本発明に係るウェッブは、エンボス加工、穿孔処理および/または標識された状態であり得る。
【0054】
本発明の1つの実施形態において、ウェッブは、セルロースから本質的に構成される。
【0055】
代替可能な実施形態において、本発明に係るウェッブが、セルロース繊維およびパルプといったセルロース系材料;非セルロース重合体、特に非セルロース重合体繊維、2成分繊維;改質物質、抗菌製品、イオン交換製品、ナノ粒子、ローション 耐火製品、高吸収樹脂といった吸収向上添加剤、活性炭、グラファイト、伝導率用の炭素といった炭素樹脂;X線造影樹脂、発光顔料、染料、ならびに化学的安定性および機械的安定性の向上用の樹脂、表面処理剤、架橋剤、接合剤、結合剤;ならびにこれらの混合物からなる群から選択されるさらなる材料を含有する。
【0056】
本発明のさらにもう1つのさらなる局面は、本発明に係るウェッブを含む物品であり、ここで、上記ウェッブが、これらの片側または両側にさらなる材料の層、特に繊維層、薄膜層またはウェッブ層を付着している物品に関する。
【0057】
すでに上述したように、上記層は、セルロース繊維およびパルプといったセルロース系材料;非セルロース重合体、特に非セルロース重合体繊維、2成分繊維;ならびにこれらの混合物からなる群から選択される材料から構成され得る。
【0058】
本発明に係るウェッブおよび物品は、拭き取り織物、フィルタ、吸収性の衛生製品、医療製品、ジオテキスタイル、衣料品、建築用製品、自動車関連の製品、調度品、製造工業製品、レジャー製品および旅行用製品、学校用製品および事務所用製品からなる群から選択される製品としてか;または当該製品の一部として利用され得る。
【0059】
特に、本発明に係るウェッブおよび/または物品は、ベビー用拭き取り織物、台所用拭き取り織物、ウェットティッシュ、化粧用拭き取り織物、衛生用拭き取り織物、清掃用拭き取り織物、ガラス拭き織物、レンズ清浄用織物、磨き織物(例えば、車用および家具用)、粉塵拭き取り織物、工業用拭き取り織物、密接拭き取り織物、トイレ拭き織物、床拭き織物、グラス(glas)拭き取り織物、洗浄用拭き取り織物および手術前の拭き取り織物といった医療用拭き取り織物、雑巾およびモップといった拭き取り織物;空気浄化フィルタ(例えば、HVACフィルタ、HEPAフィルタおよびULPAフィルタ)、排煙ガスフィルタ、液体フィルタ、コーヒーフィルタ、ティーバッグ、コーヒーバッグ、食品フィルタ、浄水フィルタ、血液フィルタ、紙巻タバコのフィルタ、機室内フィルタ、燃料フィルタ、オイルフィルタ、カートリッジフィルタ、真空フィルタ、電気掃除機用バッグ、ダストフィルタ、油圧フィルタ、キッチンフィルタ、送風機フィルタ、ビール用フィルタ、牛乳用フィルタ、冷却液フィルタ、果汁ろ過器、マスク、および活性炭フィルタといったフィルタ;捕捉層、カバーストック(coverstock)、分配層、吸着カバー、生理用ナプキン、パンティーライナー、おむつ、失禁用製品、タオル、タンポン、衛生パッド、後板、レッグカフス(leg cuffs)、トイレの水で流すことができる製品、当て物、授乳パッド、使い捨ての下着、小児用パンツ、化粧用除去パッドおよび布巾といった使い捨て吸収性製品;使い捨ての縁なし帽子、ガウン、マスクおよび靴カバー、創部の保護、無菌包装、カバーストック、包袋材料、一方向性の衣類(one way clothing)、透析製品、ナザルストリップ(nasal strip)、義歯床用の接着剤、ドレープ、被いおよび包み、吸収性スポンジ包袋および拭き取り織物、シーツおよび枕カバー、経皮的な薬物送達、被い(shroud)、アンダーパッド(under pads)、プロシージャパック(procedure pack)、ヒートパック、ストーマ袋のライナー、固定テープおよび保育器のマットレスといった医療製品;ジオテキスタイル製品、毛細管マット材料、浄水製品、灌漑用調節製品、アスファルトの上掛け、土質安定化製品、排水製品(例えば、排水路の裏打ち)、堆積および腐食制御製品、池の裏打ち、浸透基材製品、地盤安定化製品、穴の裏打ち、シードブランケット、雑草抑制シート、温室の被い、ルートバッグおよび生分解性の植木鉢といった構造的な製品および/または補強製品;屋根葺き用およびタイルの下敷き、下敷き用スレート、断熱材および防音材、ハウスラップ、石膏ボード用の上塗り、パイプ被い、コンクリート成型層、土台および地盤の安定化製品、竪型集排水設備、屋根板、屋根葺きフェルト、騒音緩和材料、補強材料、密閉材料、機械制動材料、耐火材料、補強コンクリートおよび補強重合体といった建築用製品;車内フィルタ、トランクの裏打ち、小荷物棚、熱シールド、棚設備、成型ボンネットの裏打ち、トランクの床の裏打ち、オイルフィルタ、天井、後部の小荷物棚、装飾布地、エアバッグ、消音パッド、絶縁材料、車のカバー、アンダーパッディング、カーマット、テープ、裏打ちおよびタフテッドカーペット、座席カバー、ドア用額縁、ニードルドカーペット、自動車のカーペット裏地および補強重合体といった自動車用の製品;家具の構造、アームおよび背もたれの断熱材、クッション肥厚材、塵除けカバー、縫い目の補強材、面取り材料、土台構造、かけ蒲団の裏張り、ばねの被い、マットレスパッド構成材、マットレスカバー、窓カーテン、壁の被い、パーペット裏地、ランプの傘、マットレス構成材、ばね隔離物、密閉、枕肥厚材、マットレスの肥厚材および使い捨ての羽毛といった充填用途の高いロフトのウェッブといった調度製品;電子製品、フロッピー(登録商標)ディスクの裏打ち、ケーブル絶縁物、研磨材、絶縁テープ、コンベヤベルト、騒音吸収層、空調製品、電池の分離板、酸系、滑り止めマット、染み抜き、食品ラップ、接着テープ、ソーセージの包装材、チーズの包装材、人工皮革、油回収用のブームおよびソックス、紙製のフェルト、やかんスケール除去バッグ、および燃焼遮断材といった製造工業製品;寝袋、テント、旅行かばん、手提げかばん、買い物袋、飛行機用の頭受け、CD保護製品、枕カバー、サンドイッチの包装材およびサーフボードといった旅行用製品およびレジャー製品;ならびにブックカバー、封筒、地図、掲示板およびペナント、タオル、旗および銀行手形といった学校用製品および事務所用製品からなる群から選択される製品としてか;または当該製品の一部として使用され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)水溶性の第3級アミンオキシドに溶解されたセルロースを包含する溶液を、紡糸口金を介して空隙に押出することによって、フィラメントを形成する工程
(b)気流を用いて上記フィラメントを引き伸ばす工程
(c)上記フィラメントを回収し、かつ沈殿させてウェッブ(web)を形成する工程
(d)水流絡合(hydroentanglement)過程を用いて上記ウェッブを結合する工程
(e)上記空隙において上記フィラメントを少なくとも部分的に凝集させる媒介物と、上記フィラメントを接触する工程
を包含する、セルロース繊維を包含する水流絡合製品の製造方法。
【請求項2】
工程(d)が、未乾燥のウェッブに対して実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記媒介物が、蒸気霧、好ましくは水性霧であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
(f)上記ウェッブのエンボス加工、穿孔処理および標識からなる群から選択される処理によって上記ウェッブを処理する工程
をさらに包含する請求項1〜3に記載の方法。
【請求項5】
工程(f)が、あらかじめ結合されたウェッブに対して実施されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
工程(f)が、工程(d)と一緒に実施されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
(g)水溶性の第3級アミンオキシドに溶解されたセルロースを包含する溶液、これらの前駆物および/または上記ウェッブのいずれかに対してさらなる材料を混合する工程
をさらに包含する請求項1〜6に記載の方法。
【請求項8】
上記さらなる材料が、セルロース繊維およびパルプといったセルロース系材料;非セルロース重合体、特に非セルロース重合体繊維、2成分繊維;染料、抗菌製品、イオン交換製品、活性炭、ナノ粒子、ローション、耐火製品および高吸収体、浸透剤、染料、表面処理剤、架橋剤、接合剤、結合剤といった改質物質、;ならびにこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
工程(g)が、工程(d)の前に行われることを特徴とする請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
上記さらなる材料が、工程(d)において採用される水流絡合液体に上記材料を溶解または分散させることによって上記ウェッブに混合されることを特徴とする請求項7または8に記載の方法。
【請求項11】
(h)片側または両側における上記ウェッブに対してさらなる材料の層、特に繊維層、薄膜層またはウェッブ層を付着させる工程
というさらなる工程を包含する請求項1〜10に記載の方法。
【請求項12】
上記層が、セルロース繊維およびパルプといったセルロース系材料;非セルロース重合体、特に非セルロース重合体繊維、2成分繊維;ならびにこれらの混合物からなる群から選択される材料から構成されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
工程(h)が、工程(d)の前に行われることを特徴とする請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜13に従って入手可能な、セルロース繊維を包含する水流絡合溶融吹込成形ウェッブ。
【請求項15】
上記ウェッブが、10g/mから250g/m、好ましくは30/mから150g/m、特に好ましくは50g/mから120g/mの質量を示す請求項14に記載のウェッブ。
【請求項16】
上記ウェッブが、穿孔処理、エンボス加工および/または標識された状態にあることを特徴とする請求項14または15に記載のウェッブ。
【請求項17】
上記ウェッブが、セルロースから本質的に構成されることを特徴とする請求項14〜16に記載のウェッブ。
【請求項18】
上記ウェッブが、セルロース繊維およびパルプ(例えば、フラッフパルプ)といったセルロース系材料;非セルロース重合体、特に非セルロース重合体繊維、2成分繊維;改質物質、抗菌製品、イオン交換製品、ナノ粒子、ローション、耐火製品、高吸収樹脂といった吸収向上添加剤、活性炭、グラファイト、伝導率用の炭素といった炭素樹脂;X線造影樹脂、発光顔料、染料、ならびに化学的安定性および機械的安定性向上用の樹脂からなる群から選択されるさらなる材料を含有することを特徴とする請求項14〜16に記載のウェッブ。
【請求項19】
請求項14〜18に記載のウェッブを含む物品であって、上記ウェッブが、これらの片側または両側にさらなる材料の層、特に繊維層、薄膜層またはウェッブ層を付着している物品。
【請求項20】
上記層が、セルロース繊維およびパルプ(例えば、フラッフパルプ)といったセルロース系材料;非セルロース重合体、特に非セルロース重合体繊維、2成分繊維;ならびにこれらの混合物からなる群から選択される材料から本質的に構成されることを特徴とする請求項19に記載の物品。
【請求項21】
拭き取り織物、フィルタ、吸収性の衛生製品、医療製品、ジオテキスタイル、衣料品、建築用製品、自動車関連の製品、調度品、製造工業製品、レジャー製品および旅行用製品、学校用製品および事務所用製品からなる群から選択される製品としてか;または当該製品の一部としての、請求項14〜20に記載のウェッブまたは請求項19もしくは20に記載の物品の利用。
【請求項22】
ベビー用拭き取り織物、台所用拭き取り織物、ウェットティッシュ、化粧用拭き取り織物、衛生用拭き取り織物、清掃用拭き取り織物、ガラス拭き織物、レンズ清浄用織物、磨き織物(例えば、車用および家具用)、粉塵拭き取り織物、工業用拭き取り織物、密接拭き取り織物、トイレ拭き織物、床拭き織物、グラス(glas)拭き取り織物、洗浄用拭き取り織物および手術前の拭き取り織物といった医療用拭き取り織物、雑巾およびモップといった拭き取り織物;空気浄化フィルタ(例えば、HVACフィルタ、HEPAフィルタおよびULPAフィルタ)、排煙ガスフィルタ、液体フィルタ、コーヒーフィルタ、ティーバッグ、コーヒーバッグ、食品フィルタ、浄水フィルタ、血液フィルタ、紙巻タバコのフィルタ、機室内フィルタ、燃料フィルタ、オイルフィルタ、カートリッジフィルタ、真空フィルタ、電気掃除機用バッグ、ダストフィルタ、油圧フィルタ、キッチンフィルタ、送風機フィルタ、ビール用フィルタ、牛乳用フィルタ、冷却液フィルタ、果汁ろ過器、マスク、および活性炭フィルタといったフィルタ;捕捉層、カバーストック(coverstock)、分配層、吸着カバー、生理用ナプキン、パンティーライナー、おむつ、失禁用製品、タオル、タンポン、衛生パッド、後板、レッグカフス(leg cuffs)、トイレの水で流すことができる製品、当て物、授乳パッド、使い捨ての下着、小児用パンツ、化粧用除去パッドおよび布巾といった使い捨て吸収性製品;使い捨ての縁なし帽子、ガウン、マスクおよび靴カバー、創部の保護、無菌包装、カバーストック、包袋材料、一方向性の衣類(one way clothing)、透析製品、ナザルストリップ(nasal strip)、義歯床用の接着剤、ドレープ、被いおよび包み、吸収性スポンジ包袋および拭き取り織物、シーツおよび枕カバー、経皮的な薬物送達、被い(shroud)、アンダーパッド(under pads)、プロシージャパック(procedure pack)、ヒートパック、ストーマ袋のライナー、固定テープおよび保育器のマットレスといった医療製品;ジオテキスタイル製品、毛細管マット材料、浄水製品、灌漑用調節製品、アスファルトの上掛け、土質安定化製品、排水製品(例えば、排水路の裏打ち)、堆積および腐食制御製品、池の裏打ち、浸透基材製品、地盤安定化製品、穴の裏打ち、シードブランケット、雑草抑制シート、温室の被い、ルートバッグおよび生分解性の植木鉢といった構造的な製品および/または補強製品;屋根葺き用およびタイルの下敷き、下敷き用スレート、断熱材および防音材、ハウスラップ、石膏ボード用の上塗り、パイプ被い、コンクリート成型層、土台および地盤の安定化製品、竪型集排水設備、屋根板、屋根葺きフェルト、騒音緩和材料、補強材料、密閉材料、機械制動材料、耐火材料、補強コンクリートおよび補強重合体といった建築用製品;車内フィルタ、トランクの裏打ち、小荷物棚、熱シールド、棚設備、成型ボンネットの裏打ち、トランクの床の裏打ち、オイルフィルタ、天井、後部の小荷物棚、装飾布地、エアバッグ、消音パッド、絶縁材料、車のカバー、アンダーパッディング、カーマット、テープ、裏打ちおよびタフテッドカーペット、座席カバー、ドア用額縁、ニードルドカーペット、自動車のカーペット裏地および補強重合体といった自動車用の製品;家具の構造、アームおよび背もたれの断熱材、クッション肥厚材、塵除けカバー、縫い目の補強材、面取り材料、土台構造、かけ蒲団の裏張り、ばねの被い、マットレスパッド構成材、マットレスカバー、窓カーテン、壁の被い、パーペット裏地、ランプの傘、マットレス構成材、ばね隔離物、密閉、枕肥厚材、マットレスの肥厚材および使い捨ての羽毛といった充填用途の高いロフトのウェッブといった調度製品;電子製品、フロッピー(登録商標)ディスクの裏打ち、ケーブル絶縁物、研磨材、絶縁テープ、コンベヤベルト、騒音吸収層、空調製品、電池の分離板、酸系、滑り止めマット、染み抜き、食品ラップ、接着テープ、ソーセージの包装材、チーズの包装材、人工皮革、油回収用のブームおよびソックス、紙製のフェルト、やかんスケール除去バッグ、および燃焼遮断材といった製造工業製品;寝袋、テント、旅行かばん、手提げかばん、買い物袋、飛行機用の頭受け、CD保護製品、枕カバー、サンドイッチの包装材およびサーフボードといった旅行用製品およびレジャー製品;ならびにブックカバー、封筒、地図、掲示板およびペナント、タオル、旗および銀行手形といった学校用製品および事務所用製品からなる群から選択される製品としてか;または当該製品の一部としての請求項21に記載の利用。

【公表番号】特表2009−535521(P2009−535521A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506859(P2009−506859)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際出願番号】PCT/AT2007/000192
【国際公開番号】WO2007/124521
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(594191087)レンツィング・アクチエンゲゼルシャフト (6)
【氏名又は名称原語表記】Lenzing AG
【住所又は居所原語表記】Werkstrasse 2 4860 Lenzing Austria
【Fターム(参考)】